JP2017009095A - クラッチ装置及びクラッチ装置の制御方法 - Google Patents

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知宏 野津
児玉 明
Akira Kodama
明 児玉
将貴 三田
Masataka Mita
将貴 三田
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Shotaro Niimi
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Abstract

【課題】油圧ポンプを駆動する電動モータの回転数を速やかに上昇させることを可能としながら、電動モータの回転数を下降させる際の摩擦クラッチの伝達トルクの下振れを抑制することが可能なクラッチ装置及びクラッチ装置の制御方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bを押圧するピストン122に油圧を作用させるシリンダ室130dに作動油を供給する油圧回路5は、油圧ポンプ51及び油圧ポンプ51を駆動する電動モータ52を有し、電動モータ52が制御部10に制御され、制御部10は、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて電動モータ52をフィードバック制御するフィードバック制御手段101と、フィードバック制御101により電動モータ52の回転数を上昇させる際のゲインが電動モータ52の回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行うゲイン調整手段102とを有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、油圧による押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチを備えたクラッチ装置、及びクラッチ装置の制御方法に関する。
従来、油圧による押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチを備えたクラッチ装置が、例えば四輪駆動状態と二輪駆動状態とを切り替え可能な四輪駆動車に用いられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の四輪駆動車は、制御部によって制御される電動モータと、電動モータによって駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出された作動油の油圧を調圧する圧力制御弁(クラッチ圧力調整弁)と、圧力制御弁の出力側のクラッチ圧を受けて摩擦係合するフリクションプレート及びフリクションディスクを有する摩擦クラッチ(湿式多板クラッチ)とを有している。摩擦クラッチは、変速機で変速されたエンジンの駆動力を前輪側及び後輪側に配分するトランスファ内に配置されている。
この四輪駆動車は、摩擦クラッチにクラッチ圧が供給されないときには、エンジンの駆動力が変速機からプロペラシャフトを介して後輪側のみに伝達されて二輪駆動状態となる。一方、電動モータによって油圧ポンプが回転駆動され、摩擦クラッチにクラッチ圧が供給されると、フリクションプレートとフリクションディスクとの摩擦係合によって伝達されるトルクが前輪側に配分されて四輪駆動状態となる。
特開平7−186764号公報
電動モータによって油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから圧力制御弁を経て摩擦クラッチに作動油が供給されるクラッチ装置では、必要とされる伝達トルクに応じて電動モータが精度よく制御されることが望ましい。このため、電動モータをフィードバック制御することが考えられる。また、必要とされる伝達トルクの変動に応じて作動油の圧力を速やかに増減させるためには、フィードバック制御のゲインを高くすることが考えられる。
しかし、本発明者らが行った実験によれば、フィードバック制御のゲインを高くすると、電動モータの回転数を速やかに上昇させることができる反面、電動モータの回転数を下降させる際に電動モータの回転数がアンダーシュートしてしまい、摩擦クラッチの伝達トルクが一時的に下振れする場合があった。この伝達トルクの下振れは、クラッチ装置が例えば上記のように構成された四輪駆動車に用いられる場合には、走行安定性の観点から問題となり得る。
そこで、本発明は、油圧ポンプを駆動する電動モータの回転数を速やかに上昇させることを可能としながら、電動モータの回転数を下降させる際の摩擦クラッチの伝達トルクの下振れを抑制することが可能なクラッチ装置、及びクラッチ装置の制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するため、押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチと、油圧を受けて前記摩擦クラッチを押圧するピストンと、前記ピストンに前記油圧を作用させる油圧室が形成されたハウジングと、前記油圧室に作動油を供給する油圧回路と、前記油圧回路を制御する制御部とを備え、前記油圧回路は、油圧ポンプ、前記油圧ポンプを駆動する電動モータ、及び前記油圧ポンプから前記油圧室に供給される前記作動油の油圧を調節する圧力制御弁を有し、前記電動モータが前記制御部に制御され、前記制御部は、前記油圧ポンプの吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて前記電動モータをフィードバック制御するフィードバック制御手段と、前記フィードバック制御により前記電動モータの回転数を上昇させる際のゲインが前記電動モータの回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行うゲイン調整手段とを有する、クラッチ装置を提供する。
また、本発明は、上記目的を達成するため、押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチと、油圧を受けて前記摩擦クラッチを押圧するピストンと、前記ピストンに前記油圧を作用させる油圧室が形成されたハウジングと、前記油圧室に作動油を供給する油圧回路とを備えたクラッチ装置の制御方法であって、前記油圧回路は、油圧ポンプ、前記油圧ポンプを駆動する電動モータ、及び前記油圧ポンプから前記油圧室に供給される前記作動油の油圧を調節する圧力制御弁を有し、前記油圧ポンプの吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて前記電動モータをフィードバック制御すると共に、前記フィードバック制御により前記電動モータの回転数を上昇させる際のゲインが前記電動モータの回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行う、クラッチ装置の制御方法を提供する。
本発明によれば、油圧ポンプを駆動する電動モータの回転数を速やかに上昇させることを可能としながら、電動モータの回転数を下降させる際の摩擦クラッチの伝達トルクの下振れを抑制することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るクラッチ装置を備えた四輪駆動車の概略の構成を示す構成図である。 駆動力断続装置の構成例を示し、(a)は駆動力断続装置の断面図、(b)は、駆動力断続装置の噛み合い部を模式的に示す説明図である。 駆動力伝達装置の構造の具体例を示す断面図である。 第1の摩擦クラッチ及びその周辺の構成を示す要部断面図である。 油圧回路の構成例を油圧回路を制御する制御部と共に模式的に示す構成図である。 電動モータの制御系の構成例を示す制御ブロック図である。 (a)〜(c)は油圧ポンプの吐出圧の変化の一例を示し、(d)は第1及び第2の圧力制御弁によって減圧された作動油の圧力の変化の一例を示している。
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係るクラッチ装置としての駆動力伝達装置を備えた四輪駆動車の概略の構成を示す構成図である。
(四輪駆動車の全体構成)
四輪駆動車200は、走行用の駆動力を発生させる駆動源としてのエンジン202と、トランスミッション203と、左右一対の主駆動輪としての前輪204L,204Rと、左右一対の補助駆動輪としての後輪205L,205Rと、エンジン202の駆動力を前輪204L,204R及び後輪205L,205Rに伝達可能な駆動力伝達系201と、駆動力伝達系201を制御する制御部10とを備えている。なお、本実施の形態において、各符号における「L」及び「R」は、車両の前進方向に対する左側及び右側の意味で使用している。
この四輪駆動車200は、エンジン202の駆動力を前輪204L,204R及び後輪205L,205Rに伝達する四輪駆動状態と、エンジン202の駆動力を前輪204L,204Rのみに伝達する二輪駆動状態とを切り替え可能である。すなわち、主駆動輪である前輪204L,204Rには、二輪駆動状態及び四輪駆動状態でエンジン202の駆動力が伝達され、補助駆動輪である後輪205L,205Rには、四輪駆動状態でのみエンジン202の駆動力が伝達される。
なお、本実施の形態では、駆動源として内燃機関であるエンジンを適用した場合について説明するが、これに限らず、エンジンとIMP(Interior Permanent Magnet Synchronous)モータ等の高出力電動モータとの組み合わせによって駆動源を構成してもよく、高出力電動モータのみによって駆動源を構成してもよい。
駆動力伝達系201は、四輪駆動車200におけるトランスミッション203側から後輪205L,205R側に至る駆動力伝達経路に配置され、四輪駆動車200の車体(図示せず)に搭載されている。
また、駆動力伝達系201は、駆動力伝達装置1、プロペラシャフト2、駆動力断続装置3、フロントディファレンシャル4、及び歯車機構44,11を有し、四輪駆動車200の四輪駆動状態を二輪駆動状態に、また二輪駆動状態を四輪駆動状態にそれぞれ切替え可能に構成されている。駆動力伝達装置1は、本発明のクラッチ装置の一態様である。
フロントディファレンシャル4は、フロントデフケース40と、フロントデフケース40と一体に回転するピニオンシャフト41と、ピニオンシャフト41に軸支された一対のピニオンギヤ42と、一対のピニオンギヤ42にギヤ軸を直交させて噛み合う一対のサイドギヤ43とを有し、トランスミッション203と駆動力断続装置3との間に配置されている。一対のサイドギヤ43のうち一方のサイドギヤ43は、前輪側のアクスルシャフト206Lに連結され、他方のサイドギヤ43は、前輪側のアクスルシャフト206Rに連結されている。
エンジン202は、トランスミッション203及びフロントディファレンシャル4を介して前輪側のアクスルシャフト206L,206Rに駆動力を出力することにより前輪204L,204Rを駆動する。また、エンジン202は、トランスミッション203、駆動力断続装置3、プロペラシャフト2、及び駆動力伝達装置1を介して後輪側のアクスルシャフト207L,207Rに駆動力を出力することにより後輪205L,205Rを駆動する。プロペラシャフト2は、駆動力伝達装置1と駆動力断続装置3との間に配置され、四輪駆動車200の前後方向に駆動力を伝達する。
プロペラシャフト2の前輪側端部には、互いに噛合するドライブピニオン441及びリングギヤ442からなる前輪側の歯車機構44が配置されている。ドライブピニオン441は、プロペラシャフト2の前端部に連結され、リングギヤ442は、ドライブピニオン441にギヤ軸を直交させて噛合する。
(駆動力断続装置の構成)
図2は、駆動力断続装置3の構成例を示し、(a)は駆動力断続装置3の断面図、(b)は、駆動力断続装置3の噛み合い部を模式的に示す説明図である。なお、図2(a)では、駆動力断続装置3におけるフロントデフケース40の回転軸線Oよりも上側の半分の範囲を図示している。
駆動力断続装置3は、フロントデフケース40と同軸上で回転する第1乃至第3回転部材31〜33によって構成された噛み合いクラッチ30と、噛み合いクラッチ30を作動させるアクチュエータ300とを備えている。アクチュエータ300は、電動モータ34と、電動モータ34の出力軸341の回転を減速する減速機構35と、減速機構35で減速された電動モータ34のトルクによって噛み合いクラッチ30の第3回転部材33を軸方向に移動させる移動機構36とを備えている。電動モータ34は、制御装部10から供給される電流によって動作する。アクチュエータ300は、制御部10によって制御される。
噛み合いクラッチ30の第1回転部材31は、フロントデフケース40の軸方向の端部に固定され、第2回転部材32は、歯車機構44のリングギヤ442に固定されている。第3回転部材33は、第1回転部材31及び第2回転部材32に対して軸方向に相対移動可能である。
第1回転部材31は、その内周側に右前輪側のアクスルシャフト206Rを挿通させる環状であり、外周面にフロントデフケース40の回転軸線Oと平行に延在して形成された複数のスプライン歯311を有している。複数のスプライン歯311のうち、周方向に隣り合う一対のスプライン歯311の間には、それぞれ凹部310が形成されている。第2回転部材32は、内周側に右前輪側のアクスルシャフト206Rを挿通させる筒状に形成され、第1回転部材31と同軸上で相対回転可能である。また、第2回転部材32は、その外周面に、フロントデフケース40の回転軸線Oと平行に延在して形成された複数のスプライン歯321を有している。複数のスプライン歯321のうち、周方向に隣り合う一対のスプライン歯321の間には、それぞれ凹部320が形成されている。
第3回転部材33は、第1回転部材31及び第2回転部材32の外周側に配置されたスリーブ状の連結部材である。第3回転部材33の内周面には、第1回転部材31の複数のスプライン歯311、及び第2回転部材32の複数のスプライン歯321と係合可能な複数のスプライン歯331が形成されている。
本実施の形態では、第3回転部材33が第2回転部材32と常に噛み合い、かつ第2回転部材32に対して軸方向移動可能である。より具体的には、第3回転部材33の複数のスプライン歯331が第2回転部材32の凹部320に噛み合い、この噛み合い状態を保ちながら第3回転部材33が第2回転部材32に対して軸方向移動可能である。
また、第3回転部材33は、移動機構36によって第1回転部材31側に移動したとき、第3回転部材33の凸部としての複数のスプライン歯331が第1回転部材31の凹部310に噛み合い、第1回転部材31と相対回転不能に連結される。これにより、第1回転部材31と第2回転部材32とが第3回転部材33を介して相対回転不能に連結され、第1回転部材31から第2回転部材32にエンジン202の駆動力を伝達可能な状態となる。一方、第3回転部材33が第1回転部材31から離間すると、第3回転部材33の複数のスプライン歯331と第1回転部材31の凹部310との噛み合いが解除され、第1回転部材31と第2回転部材32とが相対回転可能となる。これにより、第1回転部材31から第2回転部材32への駆動力伝達が遮断される。
減速機構35は、電動モータ34の出力軸341と一体回転するピニオンギヤ351と、ピニオンギヤ351に噛み合う大径ギヤ部352a、及び大径ギヤ部352aと一体に回転する小径ギヤ部352bとを有する減速ギヤ352とを有している。移動機構36は、減速ギヤ352の小径ギヤ部352bと噛み合うラック歯361aを有する直動軸361と、直動軸361に固定されたシフトフォーク362とを有している。第3回転部材33には、シフトフォーク362が摺動可能に嵌合する環状の環状溝332が外周面に形成されている。
電動モータ34の出力軸341が回転すると、その回転が減速機構35で減速され、直動軸361がフロントデフケース40の回転軸線Oと平行に移動する。そして、この直動軸361の移動に伴って、第3回転部材33が第1回転部材31及び第2回転部材32と噛み合う連結位置と、第2回転部材32と噛み合い第1回転部材31と噛み合わない非連結位置との間を移動する。
(駆動力伝達装置の構成)
駆動力伝達装置1は、図1に示すように、プロペラシャフト2から駆動力が伝達される後輪側の歯車機構11と、この歯車機構11によって伝達された駆動力を調整してアクスルシャフト207L,207Rに伝達する第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bと、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12B及び歯車機構11を収容するハウジング13と、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bへ油圧を供給する油圧回路5と、油圧回路5を制御する制御部10とを有する。
歯車機構11は、互いにギヤ軸を直交させて噛合するピニオンギヤ110及びリングギヤ111と、リングギヤ111と一体に回転するセンターシャフト112とを備える。センターシャフト112は、その回転軸線が車幅方向に平行であり、リングギヤ111を介してプロペラシャフト2の回転力を受けて回転する。第1の摩擦クラッチ12Aは、センターシャフト112と後輪側のアクスルシャフト207Lとの間に配置され、第2の摩擦クラッチ12Bは、センターシャフト112と後輪側のアクスルシャフト207Rとの間に配置されている。
このように構成された四輪駆動車200では、二輪駆動状態においてエンジン202からプロペラシャフト2への駆動力の伝達が駆動力断続装置3によって遮断され、かつ後輪205L,205Rからプロペラシャフト2への回転力の伝達が駆動力伝達装置1によって遮断されるので、四輪駆動車200が走行中であってもプロペラシャフト2の回転が停止する。これにより、前輪側の歯車機構44及び後輪側の歯車機構11における潤滑油の撹拌抵抗等が低減され、燃費性能が向上する。
四輪駆動車200が二輪駆動状態から四輪駆動状態へ切り替わる際には、駆動力伝達装置1を介して後輪205L,205Rの回転力をプロペラシャフト2に伝達し、プロペラシャフト2を回転させて噛み合いクラッチ30の回転同期が完了した後に、駆動力断続装置3が作動状態(トルク伝達可能な状態)となる。これにより、四輪駆動車200が四輪駆動状態となる。
図3は、駆動力伝達装置1の構造の具体例を示す断面図である。図4は、第1の摩擦クラッチ12A及びその周辺の構成を示す要部断面図である。
駆動力伝達装置1は、図3に示すように、前述した歯車機構11、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12B、及びハウジング13を有する。歯車機構11のピニオンギヤ110は、中間シャフト20によってプロペラシャフト2に連結される。また、駆動力伝達装置1は、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bをそれぞれ収容する左右一対のクラッチハウジング120と、クラッチハウジング120と同軸上で相対回転可能に支持された左右一対のインナシャフト121と、クラッチハウジング120と後輪側のアクスルシャフト207L,207Rとを相対回転不能に連結するための左右一対の連結シャフト160とを有している。
ハウジング13は、歯車機構11のピニオンギヤ110、リングギヤ111、及びセンターシャフト112を収容するセンタハウジング部材130と、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bをそれぞれ収容するサイドハウジング部材131L,131Rとを備える。センタハウジング部材130は、車幅方向の左側に配置されるサイドハウジング部材131Lと右側に配置されるサイドハウジング部材131Rとの間に配置されている。センタハウジング部材130及びサイドハウジング部材131L,131Rは、ボルト締めによって相互に固定されている。ハウジング13の内部には、歯車機構11におけるギヤの噛み合い、ならびに第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bにおける摩擦摺動を潤滑する図略の潤滑油が封入されている。
センタハウジング部材130は、歯車機構11のピニオンギヤ110を円すいころ軸受113A,113Bを介して回転可能に保持する第1の保持部130aと、歯車機構11のセンターシャフト112を円すいころ軸受113Cを介して回転可能に保持する第2の保持部130bと、左右一対のインナシャフト121を玉軸受127Aを介して回転可能に保持する第3の保持部130cと、後述するピストン122を進退後動可能に収容するシリンダ室130dとを備える。シリンダ室130dは、車幅方向におけるセンタハウジング部材130の両端部に形成され、サイドハウジング部材131L,131R側に向かって開口している。
センターシャフト112は、回転軸線Oに沿って延びる円筒状の円筒部112aと、円筒部112aの端部において径方向外方に突出して形成されたフランジ部112bとを一体に有する。リングギヤ111には、ピニオンギヤ110のギヤ部110aと噛み合う複数の噛み合い歯111aが形成されている。また、リングギヤ111は、センターシャフト112のフランジ部112bにボルト114によって固定されている。
第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bのそれぞれは、クラッチハウジング120に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に係合する複数のアウタクラッチプレート124、及びインナシャフト121に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に係合する複数のインナクラッチプレート125を有している。複数のアウタクラッチプレート124及び複数のインナクラッチプレート125は、センターシャフト112の回転軸線Oに平行な方向に交互に配置され、ピストン122によって押圧される。すなわち、第1及び第2の摩擦クラッチ12A,12Bは、ピストン122からの押圧力を受け、複数のアウタクラッチプレート124と複数のインナクラッチプレート125との間に摩擦力を発生させる。アウタクラッチプレート124及びインナクラッチプレート125は、本発明の摩擦部材の一態様である。
ピストン122は、センタハウジング部材130のシリンダ室130d内で油圧回路5から供給される作動油の油圧を受け、複数のアウタクラッチプレート124及び複数のインナクラッチプレート125を押圧する。シリンダ室130dは、ピストン122に作動油の油圧を作用させる油圧室として機能する。センタハウジング部材130には、油圧回路5から供給される作動油をシリンダ室130dに導くための供給用流路130eが設けられている。ピストン122の外周面と内周面には、それぞれシール部材126A,126Bが配置されている。
第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bは、作動油の圧力を受けたピストン122の移動力を針状ころ軸受128A及び押圧部材123を介して受け、複数のアウタクラッチプレート124と複数のインナクラッチプレート125とが摩擦接触することにより、インナシャフト121とクラッチハウジング120との間で回転力を伝達する。これにより、エンジン202の駆動力が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bを介して後輪205L,205Rに伝達される。
一方、第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bは、ピストン122が作動油の圧力を受けないとき、複数のアウタクラッチプレート124と複数のインナクラッチプレート125とが相対回転自在となる。これにより、第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bは、エンジン202から後輪205L,205Rへの駆動力伝達を遮断可能である。
図4に示すように、複数のアウタクラッチプレート124は、その外周部にスプライン突起124aを有し、このスプライン突起124aがクラッチハウジング120の内周面に形成されたストレートスプライン嵌合部120aに係合している。また、複数のインナクラッチプレート125は、その内周部にスプライン突起125aを有し、このスプライン突起125aがインナシャフト121の外周面に形成されたストレートスプライン嵌合部121aに係合している。
押圧部材123は、円環状の板部材によって形成され、クラッチハウジング120のストレートスプライン嵌合部120aに係合するスプライン突起123aを外周部に有する。また、押圧部材123は、スプライン突起123aをストレートスプライン嵌合部120aに係合させて、クラッチハウジング120に対して軸方向移動可能かつ相対回転不能に連結され、ピストン122に針状ころ軸受128Aを介して対向している。
また、クラッチハウジング120には、連結シャフト160の外周面に形成されたスプライン嵌合部160aにスプライン嵌合するスプライン嵌合部120bが形成されている。これにより、クラッチハウジング120は、連結シャフト160に対して相対回転不能に連結されている。また、クラッチハウジング120は、サイドハウジング部材131L,131Rに針状ころ軸受128Bを介して回転可能に支持されている。
インナシャフト121は、円柱状の軸部121bと、連結シャフト160の一端部を収容する円筒部121cとを有し、軸部121bの先端部がスプライン嵌合によってセンターシャフト112に相対回転不能に連結されている。円筒部121cの内周面と連結シャフト160の外周面との間には、針状ころ軸受128Cが配置されている。サイドハウジング部材131L,131Rの車幅方向の端部における開口内面と連結シャフト160の外周面との間には、玉軸受127B及びシール部材129が配置されている。
(油圧回路の構成及び制御方法)
図5は、油圧回路5の構成例を、油圧回路5を制御する制御部10と共に模式的に示す構成図である。油圧回路5は、油圧ポンプ51と、油圧ポンプ51を駆動する電動モータ52とを、油圧源50として有している。電動モータ52と油圧ポンプ51とは、シャフト521によって連結されている。シャフト521は、電動モータ52の回転子と一体に回転する。なお、シャフト521と電動モータ52の回転子との間に、回転子の回転を所定の減速比で減速する減速機を設けてもよい。
電動モータ52には、その固定子に対する回転子の角度位置を検出するためのエンコーダ522が設けられている。電動モータ52は、例えばDCブラシレスモータであるが、電動モータ52としてブラシ付きDCモータを用いてもよい。エンコーダ522は、電動モータ52の回転子が1回転する間に、複数のパルス信号を出力する。
油圧ポンプ51は、それ自体は周知のものであり、電動モータ52の回転数に応じた吐出圧でリザーバ510から汲み上げた作動油を吐出する。油圧ポンプ51の吐出圧は、電動モータ52の回転数が高くなるほど大きくなる。この油圧ポンプ51として、具体的には、外接ギヤポンプや内接ギヤポンプ、あるいはベーンポンプを用いることができる。制御部10は、油圧ポンプ51の吐出圧と電動モータ52の回転数との関係を示すマップ情報を記憶している。
また、油圧回路5は、第1及び第2の圧力制御弁531,532を有している。第1の圧力制御弁531は、油圧ポンプ51から第1の摩擦クラッチ12Aに対応するシリンダ室130dに供給される作動油の油圧を調節する。第2の圧力制御弁532は、油圧ポンプ51から第2の摩擦クラッチ12Bに対応するシリンダ室130dに供給される作動油の油圧を調節する。
第1及び第2の圧力制御弁531,532は、油圧ポンプ51から吐出された作動油の圧力が制御部10から供給される電流に応じた設定圧力よりも高い場合に、作動油の圧力を設定圧力に減圧して出力する。制御部10は、油圧ポンプ51の吐出圧が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bに対応するシリンダ室130dのそれぞれに供給すべき作動油の油圧よりも高くなるように電動モータ52を制御する。また、制御部10は、油圧ポンプ51の吐出圧が減圧された作動油が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bに対応するシリンダ室130dに供給されるように第1及び第2の圧力制御弁531,532を制御する。
制御部10は、第2摩擦クラッチ12A,12Bによってインナシャフト121からクラッチハウジング120に伝達すべきトルク(駆動力)の目標値を演算する目標トルク演算手段100と、電動モータ52をフィードバック制御するフィードバック制御手段101と、フィードバック制御手段101によるフィードバック制御で用いられるゲインを調整するゲイン調整手段102とを有している。
目標トルク演算手段100は、前輪204L,204R及び後輪205L,205Rのそれぞれの回転速度を検出する車輪速センサ21の検出値と、運転者によるアクセルぺダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサ22の検出値に基づいて、第2摩擦クラッチ12A,12Bによって伝達すべきトルクの目標値を演算する。制御部10は、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載通信網によって、車輪速センサ21の検出値、及びアクセル開度センサ22の検出値を取得することが可能である。
フィードバック制御手段101は、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて電動モータ52をフィードバック制御する。ゲイン調整手段102は、フィードバック制御手段101におけるフィードバック制御により電動モータ52の回転数を上昇させる際のゲインが電動モータ52の回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行う。
次に、図6を参照して制御部10が行う駆動力伝達装置1の電動モータ52の制御方法について、より詳細に説明する。
図6は、電動モータ52の制御系の構成例を示す制御ブロック図である。目標トルク演算部60は、目標トルク演算手段100によって実現され、前輪204L,204Rの回転速度と後輪205L,205Rの回転速度との差である前後輪回転速度差が大きいほど、またアクセル開度が大きいほど、大きなトルクが第2摩擦クラッチ12A,12Bによって伝達されるように、伝達トルクの目標値Tを演算する。
目標回転数演算部61は、目標トルク演算部60で演算された伝達トルクの目標値Tに基づいて、油圧ポンプ51の吐出圧と電動モータ52の回転数との関係を示す吐出圧マップ情報65を参照し、油圧ポンプ51の吐出圧が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bに対応するシリンダ室130dのそれぞれに供給すべき作動油の油圧よりも高くなるように、電動モータ52の単位時間当たりの回転数の目標値Rを演算する。本実施の形態では、電動モータ52の回転数に比例して油圧ポンプ51の吐出圧が増減する特性が吐出圧マップ情報65に記憶されている。
偏差演算部62は、エンコーダ522から出力されるパルス信号に基づいて、電動モータ52の実際の回転数を演算する。また、偏差演算部62は、電動モータ52の実際の回転数と、電動モータ52の回転数の目標値Rとの差である偏差εを演算する。前述のように、油圧ポンプ51の吐出圧は電動モータ52の回転数が高くなるほど大きくなるので、電動モータ52の実際の回転数は、油圧ポンプ51の吐出圧の実値を示している。また、電動モータ52の回転数の目標値Rは、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値を示している。すなわち、偏差演算部62が演算する偏差εは、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値と実値との偏差を表している。
フィードバック制御部63は、フィードバック制御手段101によって実現され、偏差演算部62で演算された偏差εに基づいて、電動モータ52をフィードバック制御する。より具体的には、電動モータ52の実際の回転数が、目標回転数演算部61において吐出圧マップ情報65を参照して設定された電動モータ52の回転数の目標値Rに近づくように、電動モータ52をフィードバック制御する。
本実施の形態では、このフィードバック制御として、PID(Proportional Integral Derivative)制御を行う場合について説明する。PID制御は、フィードバック制御の一種であり、目標値と実値との偏差、ならびに偏差の積分値及び微分値の3つの要素によって、実値を目標値に近づけるように制御対象を制御するものある。換言すれば、目標値と実値との偏差に基づいて制御を行う比例制御(Proportional-control)と、偏差の積分値に基づいて制御を行う積分制御(Integral-control)と、偏差の微分値に基づいて制御を行う微分制御(Derivative-control)とを同時に行う制御である。フィードバック制御部63は、このPID制御によって、モータ電流Iを電動モータ52に供給する。
ゲイン調整部64は、ゲイン調整手段102によって実現され、フィードバック制御部63におけるPID制御に用いられるゲインを調整する。このゲインには、比例制御のための比例ゲイン、積分制御のための積分ゲイン、微分制御のための微分ゲインが含まれる。モータ電流Iは、これらのゲインが高いほど、偏差εに応じて敏感に増減する。ゲイン調整部64では、電動モータ52の回転数を上昇させる際のゲインが電動モータ52の回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行う。
本実施の形態では、比例ゲイン、積分ゲイン、及び微分ゲインの全てに対してこのゲイン調整を行うが、これに限らず、例えば比例ゲイン及び微分ゲインのみ、あるいは微分ゲインのみを対象としてゲイン調整を行ってもよい。ゲイン調整部64では、電動モータ52の回転数を上昇させる際のゲインが、電動モータ52の回転数を下降させる際のゲインの2倍から5倍となるようにゲイン調整を行う。
ゲイン調整部64では、偏差演算部62の演算結果に基づいて、フィードバック制御部63において電動モータ52の回転数を上昇させる制御が実行されるか、又はフィードバック制御部63において電動モータ52の回転数を下降させる制御が実行されるかを判別することができる。より具体的には、偏差εが正であるか負であるかによって、この判別を行うことができる。
以上の制御系の構成により、電動モータ52は、その回転数が上昇する際には、偏差εに応じて速やかに回転数が高くなり、回転数が下降する際には、偏差εに応じて緩やかに回転数が低くなる。
また、制御部10は、目標トルク演算部60によって演算された伝達トルクの目標値Tに基づいて、第1及び第2の圧力制御弁531,532を制御する。前述のように、目標回転数演算部61は、油圧ポンプ51の吐出圧が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bに対応するシリンダ室130dに供給すべき作動油の油圧よりも高くなるように電動モータ52の回転数の目標値Rを演算するので、第1及び第2の圧力制御弁531,532では、油圧ポンプ51の吐出圧が減圧されてシリンダ室130d側に出力される。以上により、伝達トルクの目標値Tに応じた圧力の作動油が第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bのそれぞれに対応するシリンダ室130dに供給される。
次に、ゲイン調整部64によるゲイン調整の効果を、図7を参照して説明する。図7(a)〜(c)は、目標トルク演算部60で演算された伝達トルクの目標値Tが時刻tにおいてステップ状に上昇し、時刻tにおいてステップ状に下降した場合の油圧ポンプ51の吐出圧の変化を示すグラフである。これらのグラフにおいて、横軸は時刻を、縦軸は油圧ポンプ51の吐出圧を示している。時刻tにおいて上昇した目標値Tに応じて目標回転数演算部61で設定される電動モータ52の回転数の目標値Rに対応する油圧ポンプ51の吐出圧はPであり、時刻tにおいて下降した目標値Tに応じて目標回転数演算部61で設定される電動モータ52の回転数の目標値Rに対応する油圧ポンプ51の吐出圧はPである。
図7(a)はゲインが高い場合の油圧ポンプ51の吐出圧の変化の一例を示し、図7(b)はゲインが低い場合の油圧ポンプ51の吐出圧の変化の一例を示している。図7(c)は、ゲイン調整部64によって、電動モータ52の回転数の上昇時にはゲインが高く設定され、電動モータ52の回転数の下降時にはゲインが低く設定された場合の油圧ポンプ51の吐出圧の変化の一例を示している。また、図7(d)は、第1及び第2の圧力制御弁531,532によって、伝達トルクの目標値Tが上昇した際の作動油の圧力がPに減圧された場合の作動油の圧力の変化の一例を示している。
図7(a)に示すように、ゲインが高く設定されていると、時刻t後に電動モータ52の回転数が一時的に高くなり過ぎ、油圧ポンプ51の吐出圧がオーバーシュートする。また、時刻t後に電動モータ52の回転数が一時的に低くなり過ぎ、油圧ポンプ51の吐出圧がアンダーシュートしてしまう。すなわち、第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bの伝達トルクが下振れしてしまう。このようなゲインによって電動モータ52が制御されると、目標トルク演算部60で演算された伝達トルクの目標値Tの下降時に、補助駆動輪である後輪205L,205Rに必要な駆動力が一時的に伝達されないこととなり、好ましくない。
また、図7(b)に示すように、ゲインが低く設定されていると、油圧ポンプ51の吐出圧のオーバーシュート及びアンダーシュートはなくなるが、電動モータ52の回転数の変化が緩やかとなるため、油圧ポンプ51の吐出圧が必要な圧力に到達するまでの時間が長くなってしまう。このため、目標トルク演算部60で演算された伝達トルクの目標値Tの上昇時に、補助駆動輪である後輪205L,205Rに必要な駆動力が伝達されるまでに掛かる時間が長くなり、好ましくない。
一方、図7(c)に示すように、ゲイン調整部64によってゲインが調整されると、目標トルク演算部60で演算された伝達トルクの目標値Tの上昇時には速やかに油圧ポンプ51の吐出圧が高くなり、目標値Tの下降時には、アンダーシュートすることなく油圧ポンプ51の吐出圧が低くなる。時刻t後には、油圧ポンプ51の吐出圧がオーバーシュートするが、このオーバーシュートした分の吐出圧は、図7(d)に示すように第1及び第2の圧力制御弁531,532によって減圧されるので、後輪205L,205Rに伝達される駆動力には影響しない。このため、例えば前輪204L,204Rの何れかにスリップが発生して前後輪回転速度差が大きくなった場合やアクセルペダルが踏み込まれた場合には、シリンダ室130dに供給される作動油の圧力が速やかに上昇すると共に、伝達トルクの目標値Tが下降した場合にも、補助駆動輪である後輪205L,205Rに必要な駆動力が下振れすることなく伝達される。
以上のように、本実施の形態によれば、油圧ポンプ51を駆動する電動モータ52の回転数を速やかに上昇させることを可能としながら、電動モータ52の回転数を下降させる際の第1及び第2摩擦クラッチ12A,12Bの伝達トルクの下振れを抑制することが可能となる。
(付記)
以上、本発明のクラッチ装置及びクラッチ装置の制御方法を実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値及び実値を電動モータ52の回転数の目標値及び実値として電動モータ52を制御する場合について説明したが、これに限らず、油圧ポンプ51の吐出圧を油圧センサによって測定し、この測定結果を油圧ポンプ51の吐出圧の実値として制御を行ってもよい。この場合、油圧ポンプ51の吐出圧の目標値は、目標トルク演算部60によって演算された目標値Tの伝達トルクを発生させるために最低限必要な油圧ポンプ51の吐出圧よりも高い値に設定される。
また、四輪駆動車200における駆動力伝達系201の構成は、図1等に例示したものに限らず、様々な構成を採用することが可能である。またさらに、本発明に係るクラッチ装置は、四輪駆動車200に限らず、様々な機器に適用することが可能である。
1…駆動力伝達装置(クラッチ装置)、10…制御部、100…目標トルク演算手段、101…フィードバック制御手段、102…ゲイン調整手段、11…歯車機構、110…ピニオンギヤ、110a…ギヤ部、111…リングギヤ、111a…噛み合い歯、112…センターシャフト、112a…円筒部、112b…フランジ部、113A,113B,113C…円すいころ軸受、114…ボルト、120…クラッチハウジング、120a…ストレートスプライン嵌合部、120b…スプライン嵌合部、121…インナシャフト、121a…ストレートスプライン嵌合部、121b…軸部、121c…円筒部、122…ピストン、123…押圧部材、123a…スプライン突起、124…アウタクラッチプレート(摩擦部材)、124a…スプライン突起、125…インナクラッチプレート(摩擦部材)、125a…スプライン突起、126A,126B…シール部材、127A,127B…玉軸受、128A,128B,128C…針状ころ軸受、129…シール部材、12A…第1の摩擦クラッチ、12B…第2の摩擦クラッチ、13…ハウジング、130…センタハウジング部材、130a〜130c…第1乃至第3の保持部、130d…シリンダ室(油圧室)、130e…供給用流路、131L,131R…サイドハウジング部材、160…連結シャフト、160a…スプライン嵌合部、2…プロペラシャフト、20…中間シャフト、200…四輪駆動車、201…駆動力伝達系、202…エンジン、203…トランスミッション、204L,204R…前輪、205L,205R…後輪、206L,206R…前輪側のアクスルシャフト、207L,207R…後輪側のアクスルシャフト、21…車輪速センサ、22…アクセル開度センサ、3…駆動力断続装置、30…噛み合いクラッチ、300…アクチュエータ、31〜33…第1乃至第3回転部材、310…凹部、311,321,331…スプライン歯、320…凹部、332…環状溝、34…電動モータ、341…出力軸、35…減速機構、351…ピニオンギヤ、352…減速ギヤ、352a…大径ギヤ部、352b…小径ギヤ部、36…移動機構、361…直動軸、361a…ラック歯、362…シフトフォーク、4…フロントディファレンシャル、40…フロントデフケース、41…ピニオンシャフト、42…ピニオンギヤ、43…サイドギヤ、44…歯車機構、441…ドライブピニオン、442…リングギヤ、5…油圧回路、50…油圧源、51…油圧ポンプ、510…リザーバ、52…電動モータ、521…シャフト、522…エンコーダ、531…第1の圧力制御弁、532…第2の圧力制御弁、60…目標トルク演算部、61…目標回転数演算部、62…偏差演算部、63…フィードバック制御部、64…ゲイン調整部、65…マップ情報

Claims (5)

  1. 押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチと、
    油圧を受けて前記摩擦クラッチを押圧するピストンと、
    前記ピストンに前記油圧を作用させる油圧室が形成されたハウジングと、
    前記油圧室に作動油を供給する油圧回路と、
    前記油圧回路を制御する制御部とを備え、
    前記油圧回路は、油圧ポンプ、前記油圧ポンプを駆動する電動モータ、及び前記油圧ポンプから前記油圧室に供給される前記作動油の油圧を調節する圧力制御弁を有し、前記電動モータが前記制御部に制御され、
    前記制御部は、前記油圧ポンプの吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて前記電動モータをフィードバック制御するフィードバック制御手段と、前記フィードバック制御により前記電動モータの回転数を上昇させる際のゲインが前記電動モータの回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行うゲイン調整手段とを有する、
    クラッチ装置。
  2. 前記制御部は、前記油圧ポンプの吐出圧と前記電動モータの回転数との関係を示すマップ情報を記憶し、前記電動モータの回転数が前記マップ情報を参照して設定された前記電動モータの回転数の目標値に近づくように、前記電動モータを制御する、
    請求項1に記載のクラッチ装置。
  3. 前記制御部は、前記油圧ポンプの吐出圧が前記油圧室に供給すべき作動油の油圧よりも高くなるように前記電動モータを制御する、
    請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
  4. 前記制御部は、前記油圧ポンプの吐出圧が減圧された作動油が前記油圧室に供給されるように前記圧力制御弁を制御する、
    請求項3に記載のクラッチ装置。
  5. 押圧力を受けて摩擦部材間に摩擦力を発生させる摩擦クラッチと、
    油圧を受けて前記摩擦クラッチを押圧するピストンと、
    前記ピストンに前記油圧を作用させる油圧室が形成されたハウジングと、
    前記油圧室に作動油を供給する油圧回路とを備えたクラッチ装置の制御方法であって、
    前記油圧回路は、油圧ポンプ、前記油圧ポンプを駆動する電動モータ、及び前記油圧ポンプから前記油圧室に供給される前記作動油の油圧を調節する圧力制御弁を有し、
    前記油圧ポンプの吐出圧の目標値と実値との偏差に基づいて前記電動モータをフィードバック制御すると共に、前記フィードバック制御により前記電動モータの回転数を上昇させる際のゲインが前記電動モータの回転数を下降させる際のゲインよりも大きくなるようにゲイン調整を行う、
    クラッチ装置の制御方法。
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