JP2017007983A - 樹状細胞活性化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然産物もしくはその一次的な処理物を有効成分とし、樹状細胞の活性化に有用な、樹状細胞活性化剤を提供する。【解決手段】ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物又はその処理物を、樹状細胞活性化剤の有効成分として用いる。この樹状細胞活性化剤は、病原に由来するワクチン又は抗原とともに投与されるように用いられることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、樹状細胞の活性化に有用な、樹状細胞活性化剤に関するものである。
樹状細胞は、病原菌やウイルス感染細胞などを検知して排除する免疫応答の中心的な役割を担う細胞であり、外来性の抗原を自己の細胞表面上に提示し、その情報をT細胞等の他の免疫細胞に伝達して、異物排除のための免疫応答を活性化させる役割を担っている。近年では、樹状細胞は、樹状細胞ワクチン療法などにも利用価値が見出されており、樹状細胞を活性化する有効成分の開発が望まれている。
一方、本出願人は、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)、とくにラクトバチルス ケフィリP-IF株を含む乳発酵物には、ヒト腸内細菌叢の悪玉菌と言われているクロストリジウム属微生物に対して強い抗菌効果を示す成分が含まれ、腸内環境改善剤の有効成分として優れていることを報告している(下記特許文献1、2)。
特許第4456160号公報 特許第4519202号公報
樹状細胞活性化剤の新たな有効成分を提供できれば治療や処置の選択の幅が広がる。また、天然産物もしくはその一次的な処理物が有効成分であれば、副作用のリスクも少ないと考えられるので、望ましい。
したがって、本発明の目的は、天然産物もしくはその一次的な処理物を有効成分とし、樹状細胞の活性化に有用な、樹状細胞活性化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物又はその処理物を有効成分として含有することを特徴とする樹状細胞活性化剤。
[2]未熟樹状細胞を活性化するために用いられる、上記[1]記載の樹状細胞活性化剤。
[3]樹状細胞の免疫調節性サイトカインの産生能を高めるために用いられる、上記[1]記載の樹状細胞活性化剤。
[4]培養された樹状細胞に投与されるように用いられる、上記[1]記載の樹状細胞活性化剤。
[5]病原に由来するワクチン又は抗原とともに投与されるように用いられる、上記[1]記載の樹状細胞活性化剤。
[6]前記ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)は、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus Kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)である、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の樹状細胞活性化剤。
本発明の樹状細胞活性化剤によれば、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物又はその処理物を有効成分にするので、安全で副作用少なく樹状細胞を活性化することができる。よって、本発明の樹状細胞活性化剤は、樹状細胞ワクチン療法などに有用である。
試験例1において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の樹状細胞への添加(1μg、10μg)が、樹状細胞の共刺激及び成熟促進分子であるCD80、CD86、及びHLA−DRの発現に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。 試験例1において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の樹状細胞への添加(20μg、40μg)が、樹状細胞の共刺激及び成熟促進分子であるCD80、CD86、及びHLA−DRの発現に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。 試験例2において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の樹状細胞への添加(1μg、10μg、20μg、40μg)が、樹状細胞のサイトカイン(TNF−α、IL−6)の産生に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。 試験例3において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞への添加(1μg、10μg)が、樹状細胞の共刺激及び成熟促進分子であるCD80、CD86、及びHLA−DRの発現に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。 試験例3において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞への添加(20μg、40μg)が、樹状細胞の共刺激及び成熟促進分子であるCD80、CD86、及びHLA−DRの発現に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。 試験例4において、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物(LbK−PFT)の大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞への添加(1μg、10μg、20μg、40μg)が、樹状細胞のサイトカイン(TNF−α、IL−6、IL−10)の産生に及ぼす影響を調べた結果を示す図表である。
ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)としては、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)に属する微生物であればよく、特に制限はないが、好ましくはラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus Kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)を用いる。ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)は、公知の方法により、又はそれに準じて培養を行うことができ、例えば、市販のMRS培地「Lactobacilli MRS Broth」(商品名、Difco社製品)を用いて嫌気静置培養することなどにより、大量培養が可能である。
ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物は、乳原料にラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)をスターターとして接種して所定の発酵条件に曝すことによって得ることができる。乳発酵のための乳原料としては、例えば、牛乳、乳清、発酵乳、乳酸菌飲料、脱脂乳、脱脂粉乳、調製粉乳、全脂粉乳、濃縮乳、脱脂濃縮乳、練乳、脱脂練乳、加糖練乳、加糖脱脂練乳などが挙げられる。これらはそのまま、あるいは適宜水等に溶解又は希釈したり、濃縮したりした後、必要に応じてオートクレーブ滅菌等の処理を施して、乳発酵のための原料とすることができる。発酵用微生物(スターター)の接種方法としては、MRS培地等による前培養液を添加する方法や、前に発酵を行ったときの残りの乳発酵物を添加する方法などが挙げられる。培養条件としては、20〜30℃、より好ましくは24〜26℃で、1〜10日、より好ましくは3〜7日間嫌気静置培養する方法などが好ましく採用される。
上記乳発酵のスターターとしては、複数の菌種を併用してもよい。これによれは、複数の微生物が共生的に生育することによって乳発酵が起こるので、味や外観がよい乳発酵物が得られる。例えば、カザツタニア ツリセンシス(Kazachstania turicensis)、カザツタニア ユニスポラ(Kazachstania unispora)、及びクリュイベロミセス マルシアヌス(Kluyveromyces marxianus)からなる群から選ばれた少なくとも1種の酵母菌を併用してもよい。あるいは、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)として、上記ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus Kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)に加えてラクトバチルス ケフィリP-B1(Lactobacillus kefiri P-B1)(受託番号FERM BP-11115)などを併用してもよい。特に好ましい態様では、上記乳発酵のスターターとして、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)、ラクトバチルス ケフィリP-B1(Lactobacillus kefiri P-B1)(受託番号FERM BP-11115)、カザツタニア ツリセンシスP-Y3(Kazachstania turicensis P-Y3)(受託番号FERM BP-11116)、カザツタニア ユニスポラP-Y4(Kazachstania unispora P-Y4)(受託番号FERM BP-11117)、及びクリュイベロミセス マルシアヌスP-Y5(Kluyveromyces marxianus P-Y5)(受託番号FERM BP-11118)を少なくとも含む複合微生物を用いて、発酵後の乳発酵物の微生物群中に、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)が80菌数%以上、より好ましくは90菌数%以上占めるように調製された乳発酵物を用いることが好ましい。
本発明においては、樹状細胞活性化剤の有効成分として、上記のように得られたラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物又はその処理物を用いる。ここで「処理物」には、乳発酵物に対して加熱殺菌、濃縮、乾燥、菌体の分離、菌体の除去、菌体の破砕、水系溶媒や含水アルコール系溶媒等による希釈、水系溶媒や含水アルコール系溶媒等への抽出などの処理の1種又は2種以上の組み合わせを施して調製したものが含まれる。また、水系溶媒あるいは含水アルコール系溶媒等で抽出した抽出物に対して加熱殺菌、濃縮、乾燥、固形物の除去などの処理の1種又は2種以上の組み合わせを施して調製したものも含まれる。
例えば、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)は、その菌体に60〜120℃、より好ましくは、95〜120℃の加熱処理を施すことにより、死菌化される。よって、乳発酵物を噴霧乾燥により粉末化することができるが、それと同時に付加される熱で死菌化されていてもよい。あるいは、乳発酵物の粉末化は凍結乾燥によって行ってもよい。これによれば、乳発酵物の凍結乾燥物を水等で戻すことにより、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)を生きた状態で提供することができる。
本発明の樹状細胞活性化剤においては、上記有効成分以外に、他の素材を配合することに特に制限はなく、必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、例えば錠剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、散剤、液剤、粉末剤、ゼリー状剤、飴状剤、注射剤、吸引剤、塗布剤等の形態にして利用することができる。
本発明の樹状細胞活性化剤は、ヒト又は動物に投与すればよく、その投与形態に特に制限はない。例えば、経口投与、静脈内投与、脳内局所投与、腹腔内投与、吸引、経鼻投与などが挙げられる。なかでも、摂取者の負担の軽減や服用のし易さの観点からは、経口投与の形態が好ましい。
本発明の樹状細胞活性化剤を経口投与する場合、その1日当りの投与量としては、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物の乾燥物の状態の量で換算した量で0.01(g/kg体重)〜10(g/kg体重)であることが好ましく、0.05(g/kg体重)〜5(g/kg体重)であることがより好ましく、0.1(g/kg体重)〜1(g/kg体重)であることが更により好ましい。あるいは、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物中に含まれる該ケフィリ菌の菌数で換算した量で1×1013(個/kg体重)〜1×1016(個/kg体重)であることが好ましく、5×1013(個/kg体重)〜5×1015(個/kg体重)であることがより好ましく、1×1014(個/kg体重)〜1×1015(個/kg体重)であることが更により好ましい。投与量がそれらの範囲よりも少ないと、十分な効果が得られにくく、投与量がその範囲よりも多いと、何らかの副作用を生じるリスクが高まる。なお、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物の乾燥物中に含まれる該ケフィリ菌の菌数は、5×1012(個/g)〜3×1015(個/g)であることが好ましく、5×1013(個/g)〜2×1015(個/g)であることがより好ましく、5×1014(個/g)〜1×1015(個/g)であることが更により好ましい。
本発明の樹状細胞活性化剤を投与するための製品の形態としては、その作用効果を損なわない限り、特に制限はない。例えば、医薬品、医薬部外品、健康食品、機能性食品、栄養補助食品、サプリメント、など各種の製品形態で、あるいはそれら製品と組み合わせて使用されることが可能である。あるいはペット動物等のための動物用製品であってもよい。
本発明の樹状細胞活性化剤の別の使用態様としては、病原に由来するワクチン又は抗原とともに投与することが挙げられる。これによれば、そのワクチンや抗原に対して特異的に、樹状細胞による免疫機能を高めることができる。ワクチン又は抗原としては、がん病原組織、がん病原細胞、がん病原組織/細胞由来ペプチド、弱毒化した病原ウイルス、病原ウイルス由来ペプチド、弱毒化した病原細菌、病原細菌由来ペプチドなどが挙げられる。
本発明の樹状細胞活性化剤の他の別の使用態様としては、培養された樹状細胞に投与することが挙げられる。より具体的には、樹状細胞ワクチン療法などに利用することが挙げられる。樹状細胞ワクチン療法では、ドナー(患者)から末梢血単核球(PBMC)等の単球を分離して、これを培養プレート中で培養するとともにサイトカインである顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)やインターロイキン4(IL−4)などで刺激することで、単球由来の未熟樹状細胞を調製する。得られた細胞が樹状細胞性を獲得したか否かは、樹状細胞マーカーであるCD11cなどの発現によって判定することができる。マーカーの発現はフローサイトメトリーなどで測定することができる。この未熟樹状細胞に所望のワクチン又は抗原を接触させて、そのワクチンや抗原に対する免疫担当能を高めたうえで、所定量でドナー(患者)に戻す。これによって、その免疫機能によって病原を体内から排除することができる。
本発明の樹状細胞活性化剤は、上記の未熟樹状細胞が免疫担当能を獲得したり、更には特定のワクチンや抗原に対する免疫担当能を高めたりするのを促進することができる。この場合、培養された樹状細胞に、病原に由来するワクチン又は抗原とともに投与することが好ましい。ワクチン又は抗原としては、がん病原組織、がん病原細胞、がん病原組織/細胞由来ペプチド、弱毒化した病原ウイルス、病原ウイルス由来ペプチド、弱毒化した病原細菌、病原細菌由来ペプチドなどが挙げられる。未熟樹状細胞が免疫担当能を獲得したか否かは、樹状細胞の成熟化マーカーであるCD80、CD86などの発現によって判定することができる。マーカーの発現はフローサイトメトリーなどで測定することができる。
本発明の樹状細胞活性化剤を培養された樹状細胞に投与する場合、その樹状細胞個数当りの投与量としては、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物の乾燥物の状態の量で換算した量で0.1(μg/1×10個)〜1000(μg/1×10個)であることが好ましく、1(μg/1×10個)〜100(μg/1×10個)であることがより好ましく、5(μg/1×10個)〜50(μg/1×10個)であることが更により好ましい。あるいは、ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物中に含まれる該ケフィリ菌の菌数で換算した量で1×1011(個/1×10個)〜1×1015(個/1×10個)であることが好ましく、1×1012(個/1×10個)〜1×1014(個/1×10個)であることがより好ましく、5×1012(個/1×10個)〜5×1013(個/1×10個)であることが更により好ましい。投与量がそれらの範囲よりも少ないと、十分な効果が得られにくく、投与量がその範囲よりも多いと、細胞毒性を生じるリスクが高まる。
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
[材料及び方法]
(1)ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵処理物の調製
ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)をMRS液体培地に植菌して、25℃で前培養し、その一部を脱脂乳培地(イオン交換水90質量部に脱脂粉乳10質量部を混合し、オートクレーブ滅菌して調製した培地)に植菌して、25℃、5日間嫌気静置培養し発酵させた。得られた発酵培養物は、黄褐色をしたヨーグルト状の液体であった。加熱殺菌処理後、凍結乾燥した。これを1mg/mLの濃度で蒸留水に懸濁後、1200×gで5分間遠心分離して、その上澄みをフィルター滅菌して、以下これを「LbK-PFT」として試験に用いた。なお、以下の試験において、「LbK-PFT」の濃度は、上記凍結乾燥物の状態の量で換算した濃度である。
(2)単球由来樹状細胞の調製
常法により、単球由来樹状細胞を調製した。具体的には以下のように調製した。
フィコール−ハイパーク密度勾配遠心分離により、健常なドナー(チャールズドリュー大学治験審査委員会(IRB)が承認した)から得た末梢血単核球(PBMC)を分離した。培養プレートにこれらの細胞を2時間接着させ、次いで、非接着細胞を除去した。接着単球を、37℃5%COの加湿雰囲気下、10%FBS、1mMグルタミン、100 U/mLペニシリン、100μg/mLストレプトマイシン、50ng/mLヒト顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)及び10ng/mL組換えヒトIL−4を添加したRPMI 1640培地中で、6時間培養した。2日毎に培地の半分を新鮮な培地と交換し、6日後に樹状細胞を回収した。樹状細胞マーカーであるCD11cを発現している細胞の割合によると、得られた樹状細胞の純度は95%超であった。
<試験例1>
異なる濃度のLbK−PFT(1、10,20、40μg/mL)を添加した以外は、上記樹状細胞の調製のときと同じ培養条件で、単球由来樹状細胞(細胞数およそ0.5×10)を24時間培養して、培養後の樹状細胞の表現型を調べた。具体的には、フローサイトメトリーにより細胞表面マーカーであるCD80、CD86、及びHLA−DRの発現を解析した。図1A、図1Bには、4つの個別の実験から任意に選択した代表的な解析結果を示す。
図1A,図1Bに示すように、CD80、CD86、及びHLA−DRの発現は、LbK−PFTの用量に依存して増加した(図中、矢印で示す。)。これらの細胞表面マーカーは樹状細胞の抗原提示能を亢進する共刺激及び成熟促進分子であり、LbK−PFTには、未熟樹状細胞の活性化を促進して抗原提示能を亢進する作用効果があることが明らかとなった。
<試験例2>
試験例1の培養後の上清を採取し、その上清中のサイトカイン(TNF−α、IL−6、IL−10)を、それぞれ特定のELISAキット(BDファーミンゲン)により測定した。
図2に示すように、LbK−PFTの添加により、樹状細胞のTNF−α及びIL−6の産生量が有意に増加した。なお、IL−10はLbK−PFTを添加しても検出限界以下であった。
<試験例3>
LbK−PFTに加えて大腸菌LPS(1μg/mL)を添加した以外は、試験例1と同様にして、単球由来樹状細胞を24時間培養して、培養後の樹状細胞の表現型を調べた。図3A,図3Bには、4つの個別の実験から任意に選択した代表的な解析結果を示す。
図3A,図3Bに示すように、CD80、CD86、及びHLA−DRの発現は、LbK−PFTの用量に依存して増加した。これらの細胞表面マーカーは樹状細胞の抗原提示能を亢進する共刺激及び成熟促進分子であり、LbK−PFTには、大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞の活性化をより促進して抗原提示能を亢進する作用効果があることが明らかとなった。
<試験例4>
試験例3の培養後の上清を採取し、その上清中のサイトカイン(TNF−α、IL−6、IL−10)を、それぞれ特定のELISAキット(BDファーミンゲン)により測定した。
図4に示すように、LbK−PFTの添加により、大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞のIL−6及びIL−10の産生量が有意に増加した。一方、大腸菌LPSでの刺激下の樹状細胞のTNF−αの産生量は、LbK−PFTの添加により減少した。

Claims (6)

  1. ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)の乳発酵物又はその処理物を有効成分として含有することを特徴とする樹状細胞活性化剤。
  2. 未熟樹状細胞を活性化するために用いられる、請求項1記載の樹状細胞活性化剤。
  3. 樹状細胞の免疫調節性サイトカインの産生能を高めるために用いられる、請求項1記載の樹状細胞活性化剤。
  4. 培養された樹状細胞に投与されるように用いられる、請求項1記載の樹状細胞活性化剤。
  5. 病原に由来するワクチン又は抗原とともに投与されるように用いられる、請求項1記載の樹状細胞活性化剤。
  6. 前記ラクトバチルス ケフィリ(Lactobacillus kefiri)は、ラクトバチルス ケフィリP-IF(Lactobacillus Kefiri P-IF)(受託番号FERM BP-10896)である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の樹状細胞活性化剤。
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