JP2017007155A - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】異方性を再現する画像を表す画像データを生成する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムを提供すること。【解決手段】実施形態における画像処理装置は、異方性情報を有する画像データの入力を受け付ける受付手段と、異方性情報に基づき、記録材に対応する信号を生成する生成手段とを備える。生成手段によって、第1の方向に連続して吐出される記録材が形成する第1の領域と、第1の方向と異なる第2の方向に連続して吐出される記録材が形成する第2の領域とが、異なる平滑度となるように吐出信号を生成する。【選択図】図16

Description

本発明は、異方性を再現する画像を表す画像データを生成する画像処理に関する。
近年、印刷画像の意匠性を高める研究が進んでいる。例えば、記録媒体上に微細な傾斜を有する構造体を形成し、構造体の表面で反射する光の散乱度合を照射方向に応じて異ならせることにより、異なる光沢や色味などの異方性を表現する画像を記録する記録方法が開示されている(非特許文献1)。
Xin Tong 他、Bi-Scale Appearance Fabrication、Transaction on Graphics、Vol.32、No.4、Article 145、2013
非特許文献の記録方法では、記録媒体上に微細な傾斜を有する構造体を形成し、構造体の表面で反射する光の散乱度合を照射方向に応じて異ならせることにより、異なる光沢や色味などの異方性を表現する画像を記録していた。そのため、構造体に対して有色インクなどによる着色を施すと、インクの特性により、照射方向に応じた光の散乱度合の差が低下してしまい、記録画像の異方性が低下するという課題があった。
本発明に係る画像処理装置は、異方性を再現する画像を表す画像データを生成する画像処理装置であって、異方性情報を有する画像データの入力を受け付ける受付手段と、前記異方性情報に基づき、記録材に対応する信号を生成する生成手段とを備え、前記生成手段は、第1の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第1の領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第2の領域とが、異なる平滑度となるように前記信号を生成することを特徴とする。
本発明によれば、従来手法に比べて高い異方性を再現する画像を表す画像データを提供することができる。
異方性を説明する模式図である。 表面凹凸形状を有する構造体によって異方性を制御する仕組みを説明する模式図である。 記録媒体表面の構造を説明する模式図である。 実施形態における画像記録部の概略構成を示すブロック図である。 実施形態における複数パス記録を説明する模式図である。 実施形態における画像記録装置のハードウエア構成を示すブロック図。 実施形態における画像記録手順を示すフローチャートである。 実施形態における総反射光量変換テーブルの一例を示す模式図である。 実施形態における形状生成テーブルの一例を示す模式図である。 実施形態における構造体形状の一例を示す模式図である。 実施形態におけるパスマスクの生成手順を示すフローチャートである。 実施形態における第1パス分解パターンの一例を示す模式図である。 実施形態における第2パス分解パターンの一例を示す模式図である。 実施形態におけるパスマスクの生成手順を示すフローチャートである。 実施形態における誤差を拡散する仕組みを説明する模式図である。 実施形態における画像記録装置の機能構成を示すブロック図。 実施形態における出力画像例を示す図である。 変形例3におけるUIの一例を示す模式図である。 実施形態2における画像記録部の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。なお、同一の構成については、同一の符号を付して説明する。
[実施形態1]
(異方性)
最初に異方性について説明する。図1は、本実施形態における異方性を説明する模式図である。図1(a)は、異方性を発現するサンプル100のx方向の反射特性を示し、曲線101は、入射光102が点oに向かって照射されたときの各方向への反射強度を示す。例えば、点oから曲線101上の点aまでの線分oaの長さは、点oから点aの方向に反射する光の反射強度を示す。点oからの反射強度が最大となる点aの方向は正反射方向であり、点oから曲線101上の点bの方向は正反射方向からα度ずれた方向を示す。このとき、点oから点aへの反射強度を正反射強度、点oから点bへの反射強度を反射ヘイズともいう。
図1(b)は、異方性を発現するサンプル100のy方向の反射特性を示し、曲線103は、入射光104が点oに向かって照射されたときの各方向への反射強度を示す。なお、y方向はx方向に直交する方向である。図1(a)と同様に、点oから曲線103上の点cまでの線分ocの長さは、点oから点cの方向に反射する光の反射強度を示す。点oからの反射強度が最大となる点cの方向は正反射方向であり、点oから曲線103上の点dの方向は正反射方向からα度ずれた方向を示す。このとき、点oから点cへの反射強度を正反射強度、点oから点dへの反射強度を反射ヘイズともいう。
図1(a)の線分oaの長さが示すx方向の正反射強度は、図1(b)の線分ocの長さが示すy方向の正反射強度より小さい。また、図1(a)の線分obの長さが示す、x方向の反射ヘイズは、図1(b)の線分odの長さが示すy方向の反射ヘイズより大きい。このように、入射光の方向や観察方向によって正反射方向および正反射方向近傍の入射光に対応する反射強度が変化する特性を異方性という。異方性のコントラストが大きいとは、入射光の方向や観察方向によって入射光に対応する反射強度の変化が大きいことを意味する。
図1(c)(d)は、反射特性が異なる2つの領域を備えるサンプル100の例を示す。四角形の領域105と円形の領域106とは、それぞれx方向とy方向とに応じて反射特性が異なる領域である。具体的には、図1(c)の四角形の領域105は図1(a)の反射特性を有し、円形の領域106は図1(b)の反射特性を有する。一方、図1(d)の四角形の領域105は図1(b)の反射特性を有し、円形の領域106は図1(a)の反射特性を有する。すなわち、図1(c)で示されるサンプル100を90度回転したものが図1(d)のサンプル100の位置に相当する。
図1(c)は、入射光の方向107と、サンプル100と、観察方向108との位置関係を模式的に示した図である。図1(c)において、入射光の方向107と、観察方向108とが正反射の関係にあるとき、円形の領域106は、四角形の領域105よりも光沢が強く明るい領域として視認される。ところが、観察方向108が正反射方向からα度ずれた方向にあるとき、四角形の領域105が、円形の領域106よりも光沢が強く明るい領域として視認される。すなわち、視線の位置を変えると、明るい領域と暗い領域とが逆転する。
図1(d)は、入射光の方向107と、図1(c)で示されるサンプル100を90度回転させた位置のサンプル100と、観察方向108との位置関係を模式的に示した図である。入射光の方向107と、観察方向108とが正反射の関係にあるとき、図1(d)の四角形の領域105は、円形の領域106よりも光沢が強く明るい領域として視認される。すなわち、サンプルの向きを変えると、明るい領域と暗い領域とが逆転する。以上説明した通り、異方性を発現するサンプルは、視線の位置やサンプルの向きを変えると、明るい領域と暗い領域が逆転する特徴がある。本発明に係る画像記録装置は、このような特徴を備える画像を表す画像データを生成する。
次に、表面凹凸によって異方性を制御する仕組みについて説明する。図2は、表面凹凸によって異方性を制御する仕組みを説明する模式図である。図2(a)は、異方性を表現する構造体201の表面凹凸形状の一例を示す図である。構造体201のu方向と平行方向の断面を図2(b)に、v方向と平行方向の断面を図2(c)に示す。図2(b)に示されるように、u方向と平行方向の断面は円弧状をしており、照射光202から矢印方向に照射されると構造体201の表面反射光203は散乱する。散乱の度合は、円弧の曲率に関係し、例えば、高さhによって制御できる。散乱度合を小さくしたければhを小さくし、散乱度合を大きくしたければhを大きくすればよい。一方、図2(c)に示されるように、v方向と平行方向の断面は矩形状をしており、照射光204から矢印方向に照射されると構造体201の表面反射光205は散乱しない。図2(a)のような凹凸形状を有する構造体201を記録用紙などの記録媒体上に記録することにより、照射方向に応じた光の散乱度合を異ならせることができる。本実施形態の画像記録装置は、UV硬化型インクなどの凹凸形成材を積層記録して図2(a)のような凹凸形状を有する構造体201を記録媒体上に形成することにより、異方性を表現する画像を記録する。
次に、コントラストが大きい異方性を表現する画像の記録方法について説明する。コントラストが大きい異方性を表現する画像は、図2のu方向の表面反射光203の散乱度合と、v方向の表面反射光205の散乱度合との差が大きくなるような構造体201を記録媒体上に記録することにより得られる。すなわち、図2のu方向の表面反射光203の散乱度合をできるだけ大きくし、v方向の表面反射光205の散乱度合をできるだけ小さくすればよい。表面反射光の散乱度合を大きくするには、図2(b)の構造体201の高さhを大きくすればよいが、一般に構造体201の高さhが大きい形状を記録媒体上に形成することは難しく、形成できたとしても構造体201が不自然に目立ってしまうことになる。
一般に、記録媒体上に着弾したインクは積層され、記録媒体上に微細な凹凸が形成される。このとき、記録媒体上にインクが短時間に隣接して着弾すると、インクが液体のまま結合して記録媒体上に平滑面を形成する。図3(a)は、記録媒体表面の微細な凹凸を説明する模式図である。図3(a)に示されるように、記録媒体301に着弾したインク滴は積層され、ドット302によって記録媒体301表面に微細な凹凸が形成される。記録媒体301表面に形成された微細な凹凸は、表面反射光を散乱させる。このような記録媒体301表面に形成される微細な凹凸領域は、平滑度の低い領域である。ところが、図3(b)に示されるように、記録媒体301にインク滴が短時間の間に隣接して着弾すると、インク滴同士が結合し、記録媒体301表面に平滑なインク層303が形成される。このような平滑なインク層303は、表面反射光の散乱をより小さくすることができる。このような記録媒体301表面に形成される平滑な領域は、平滑度の高い領域である。
従来技術における画像形成装置では、図2(a)のような形状の構造体を記録媒体上に形成することにより、照射方向に応じた光散乱の度合を異ならせ、異方性を表現する画像を形成していた。しかし、構造体の表面に着弾したインク滴によって微細な凹凸が形成され、形成された微細な凹凸がv方向(図2)の表面反射光を散乱させていた。その結果、記録される画像において異方性のコントラストが低下していた。本実施形態では、コントラストが大きい異方性を再現する画像を記録するため、表面反射光の散乱を小さくしたい方向に平滑度の高いインク層を形成し、表面反射光の散乱を大きくしたい方向に微細な凹凸による平滑度の低い領域を形成する制御を行う。より詳細には、本実施形態の画像記録装置は、異方性情報に基づいてパス分解を行い、表面反射光の散乱度合が大きくなるに応じて、同一パスで記録する平滑領域をより扁平となるように制御することで、コントラストが大きい異方性を再現する画像を記録する。
(画像記録装置の概略構成)
図4は、本実施形態において、画像記録装置1の画像記録部400の概略構成を説明するブロック図である。画像記録部400は、インクを用いて画像記録を行うインクジェットプリンタである。ヘッドカートリッジ401は、複数の吐出口からなる記録ヘッドと、この記録ヘッドへインクを供給するインクタンクを備える。ヘッドカートリッジ401はキャリッジ402によって位置決めして交換可能に搭載され、キャリッジ402は、ガイドシャフト403に沿って往復移動可能となっている。具体的には、キャリッジ402は、主走査モータ404を駆動源としてモータプーリ405、従動プーリ406およびタイミングベルト407等の駆動機構を介して駆動されるとともに、その位置および移動が制御される。尚、このキャリッジ402のガイドシャフト403に沿った移動を「主走査」といい、移動方向を「主走査方向」という。プリント用紙等の記録媒体408は、オートシートフィーダ(以下「ASF」)410に載置されている。画像記録時、給紙モータ411の駆動によってギアを介してピックアップローラ412が回転し、ASF410から記録媒体408が一枚ずつ分離され、給紙される。さらに、記録媒体408は、搬送ローラ409の回転によりキャリッジ402上のヘッドカートリッジ401の吐出口面と対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ409は、ラインフィード(LF)モータ413を駆動源としてギアを介して駆動される。記録媒体408が給紙されたか否かの判定と給紙時位置の確定は、記録媒体408がペーパエンドセンサ414を通過した時点で行われる。キャリッジ402に搭載されたヘッドカートリッジ401は、記録材としてのインクを貯蔵するインクタンクと、このインクタンクから供給されるインクを吐出信号に応じて吐出させる記録ヘッドと、紫外線照射装置から構成される。記録ヘッドは、インクの吐出口面がキャリッジ402から下方へ突出して記録媒体408と平行になるように保持される。インクは、例えば、イエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、凹凸形成材(W)、光沢調整材(S)の6種類である。Y,M,C,Kの色インクは、例えば、屈折率が記録媒体408の屈折率にほぼ等しい顔料インクであり、4種類のインクの組み合わせによって色を再現する。凹凸形成材は、例えば、白色の紫外線硬化インクである。記録媒体408に着弾した凹凸形成材は、紫外線照射装置で紫外線を照射されると硬化し、記録媒体408の表面に凹凸形状を有する構造体を形成する。この構造体を記録媒体408上に形成することよって、照射方向に応じた表面反射光の光散乱の度合を制御し、異方性を再現する画像を記録する。光沢調整材は、例えば、屈折率がY,M,C,Kの色インクより小さい透明インクである。光沢調整材を画像の最表面に記録することによって、表面反射する反射光の強度を制御する。
(画像記録動作)
次に、画像記録動作について説明する。まず、記録媒体408が所定の記録開始位置に搬送されると、キャリッジ402がガイドシャフト403に沿って記録媒体408上を移動し、その移動の際に記録ヘッドの吐出口よりインクが吐出される。そして、キャリッジ402がガイドシャフト403の一端まで移動すると、搬送ローラ409が所定量だけ記録媒体408をキャリッジ402の走査方向に垂直な方向に搬送する。この記録媒体408の搬送を「紙送り」または「副走査」といい、この搬送方向を「紙送り方向」または「副走査方向」という。記録媒体408の所定量の搬送が終了すると、再度キャリッジ402はガイドシャフト403に沿って移動する。このように、記録ヘッドのキャリッジ402による走査と紙送りとを繰り返すことにより記録媒体408全体に画像が記録される。本実施形態の画像記録部400は、凹凸形状を有する構造体の形成と、色・光沢の記録との2ステップによって記録媒体408上に画像を記録する。構造体は、凹凸形成材Wを積層して記録することによって形成される。一つの層の記録が完了する毎に、搬送ローラ409を逆回転させて記録媒体408を記録開始位置まで戻し、次の層の記録に移る。全ての層の記録が完了し、構造体の形成が完了すると、色・光沢の記録に移る。本実施形態の色・光沢の記録は、記録媒体408の同一ライン上を記録ヘッドが8回走査して記録する8パス記録によって行われる。
図5は、画像記録部400による複数パス記録の動作を説明する模式図である。図5の模式図では、記録媒体408の同一ライン上を記録ヘッドが2回走査することにより画像を記録する2パス記録の動作を示す。図5に示されるように、2パス記録の場合、例えば、キャリッジ402による主走査で記録ヘッドの幅Lだけ画像記録を行い、1ラインの記録が終了する毎に記録媒体408を副走査方向に距離L/2搬送する。例えば、領域Aは記録ヘッドのM回目の主走査(図5(a))とM+1回目の主走査(図5(b))により記録され、領域Bは記録ヘッドのM+1回目の主走査(図5(b))とM+2回目の主走査(図5(c))により記録される。記録媒体408の同一ライン上を記録ヘッドがn回主走査することにより画像を形成するnパス記録では、例えば、1ラインの記録が終了する毎に記録媒体408を副走査方向に距離L/n搬送する。8パス記録の場合、例えば、記録材の吐出信号で構成される8個の画像データを用意しておく。記録ヘッドの各走査では、走査回数に対応する画像データに基づいて記録材を吐出する。記録ヘッドのM回目の主走査であれば、Mを8で割った余りをKとするとき、K+1番目の画像データに基づいて記録材を吐出する。以下の説明において、nパス目(n:1〜7)の記録とは、Kの値がnとなる主走査による記録を意味し、8パス目の記録とは、Kの値が0となる主走査による記録を意味する。また、パス分解とは、対象画素を1乃至8のいずれのパスで記録するのかを決定する処理であり、決定したパスの番号を対象画素の記録パスと呼ぶ。なお、構造体の記録は、各層1パス記録によって行われる。
(ハードウエア構成)
図6は、画像記録装置1において主に画像処理を担うハードウエア構成を示すブロック図である。図6において、画像処理部としてのホスト600は、例えばコンピュータであり、マイクロプロセッサ(CPU)601と、ランダムアクセスメモリなどのメモリ602を備える。また、キーボードなどの入力部603、ハードディスクドライブなどの外部記憶装置604を備える。ホスト600はさらに画像記録部400との間の通信インタフェイス(以下「プリンタI/F」と記す)605と、モニタ610との間の通信インタフェイス(以下「ビデオI/F」と記す)606を備える。CPU601は、メモリ602に格納されたプログラムに従って種々の処理を実行するものであり、特に、パス分解信号の生成や、パスマスクの生成、吐出信号の生成など、本実施形態の画像処理を実行する。これらのプログラムは外部記憶装置604に記憶しておくか、あるいは不図示の外部情報処理装置から供給される。また、ホスト600はビデオI/F606を介してモニタ610に種々の情報を出力すると共に、入力部603を通じて各種情報を入力する。また、ホスト600はプリンタI/F605を介して画像記録部400と接続されており、画像処理されたインク吐出信号を画像記録部400に送信して画像記録を行わせると共に、画像記録部400から各種情報を受信する。
(画像記録手順)
図7は、本実施形態の画像記録装置1の画像記録手順を示すフローチャートである。図7に示されるフローチャートによる処理は、外部記憶装置604に格納されたプログラムコードがメモリ602に展開され、CPU601によって実行される。
S701において記録対象となる画像データを入力する。本実施形態の画像記録装置1は、RGBの色信号に加えて、異方性を特定する信号を含む画像データを入力する。入力する画像データは、入射光に対応する正反射光の反射強度が最大となる方位角を特定する信号φと、方位角φ方向における正反射光の反射強度を特定する信号gloss1と、該正反射方向近傍における反射光の強度を特定する信号haze1とを含む。さらに、入力する画像データは、方位角φの直交方向における入射光に対応する正反射光の反射強度を特定する信号gloss2と、該正反射方向近傍における反射光の強度を特定する信号haze2とを含む。信号φは、例えば、図1におけるy方向が、XY平面座標で定義される入力画像データのX軸方向と成す角度であり、gloss1およびhaze1は、それぞれ図1(b)の線分ocの長さおよび線分odの長さに相当する。同様に、gloss2およびhaze2は、それぞれ図1(a)の線分oaの長さおよび線分obの長さに相当する。本実施形態において、図1(b)のcodからなる角度αおよび図1(a)のaobからなる角度αは、例えば、4度である。gloss1の値はgloss2と同じかより大きい。また、haze1の値はhaze2と同じかより小さい。
S702において、CPU601は、入力した画像データから異方性情報を取得する。本実施形態における異方性情報とは、信号φと、信号h1および信号h2とが相当する。信号φは、入射光に対応する正反射光の反射強度が最大となる方位角を特定し、入力した画像データから取得することができる。h1およびh2は、正反射方向近傍における反射光の強度を特定するhaze1およびhaze2を、正反射方向近傍における総反射光量g0で割って正規化することにより導出される値である。本実施形態における総反射光量g0とは、例えば、正反射方向と成す角度が10度以下の方向における反射光の強度の積分値であり、図1(a)(b)における領域111と112によって特定される値に相当する。総反射光量g0は、入射光が反射する表面の材質によって異なる。本実施形態において、h1およびh2は、表面反射光の散乱度合を示し、値が大きければ散乱が大きく、小さければ散乱が小さいことを表す。すなわち、図1(b)におけるy方向の表面反射光の散乱度合を示すh1と、図1(a)におけるx方向の表面反射度の散乱度合を示すh2との差が大きければ大きいほど、異方性のコントラストが大きくなることが特定される。詳細は図10を参照して説明する。また、h1およびh2のそれぞれの値が同じであれば、表面の材質に依らず、同程度の散乱度合いであることを示す。
総反射光量g0は、S701で入力された画像データから取得したgloss1,haze1,gloss2,haze2に基づき、変換テーブルを参照して、公知の補間方法により導出する。図8は、本実施形態における総反射光量変換テーブル800の一例を示す模式図である。総反射光量変換テーブル800は、正反射光の反射強度に関する信号であるglossと、正反射方向近傍の反射光の強度に関する信号であるhazeとの離散値について、対応する総正反射光量g0を特定する信号を対応付けて記述したテーブルである。CPU601は、総反射光量変換テーブル800を参照して、gloss1とhaze1との組み合わせに対応する総反射光量gおよび、gloss2とhaze2との組み合わせに対応する総反射光量gを補間によって求め、それらの平均を信号g0とする。正反射方向近傍における反射光の強度は、照射光が照射される表面が凹凸か平滑かによって変化するが、総反射光量自体はほぼ変わらない。一方、正反射方向近傍における総反射光量は、照射光が照射される表面の材質によって変化する。本実施形態の画像記録装置1は、総反射光量g0に基づいて光沢調整材Sの量を制御することにより、正反射方向近傍における総反射光量を再現する。なお、総反射光量g0は、上記の値に限らず、gloss1とgloss2の平均値と、haze1とhaze2の平均値の組み合わせに対応する正反射方向近傍における総反射光量でもよい。本実施形態の画像記録装置1は、φとh1およびh2に基づいて、凹凸形状を有する構造体を記録媒体上に形成すると共に、構造体上に吐出する記録材の時間差を制御することにより、コントラストの大きい異方性を再現する画像を記録する。
S703において、CPU601は、異方性情報に基づいて構造体形状データを生成する。本実施形態の構造体形状データは、例えば、縦16画素×横16画素の平面上に凹凸形成材を積層する数を特定するデータである。まず、CPU601は、h1とh2とから、形状生成テーブル900を参照して構造体形状データを生成する。図9は、形状生成テーブル900の一例を示す模式図である。形状生成テーブル900は、h1とh2組み合わせと、縦16画素×横16画素の平面上の各ブロックにおける凹凸形成材の積層数との対応付けを記述したテーブルである。形状生成テーブル900において、(a,b)は、縦16画素×横16画素の平面上における縦a番目、横b番目の画素の凹凸形成材の積層数を示す。任意のh1とh2との組み合わせに対応する凹凸形成材の積層数は、公知の補間方法によって算出することができる。
図10は、構造体形状データに基づいて形成される構造体形状の一例を示す模式図である。図10において、X方向が正面視横方向を、Y方向が正面視縦方向を、Z方向が正面視高さ方向をそれぞれ示す。h1とh2の値が小さい場合、平坦な形状を有する構造体を形成することにより表面反射光の散乱度合を小さくする。例えば、画像記録装置1は値が小さいh1およびh2に基づいて、平坦な形状を有する構造体1001を記録媒体上に形成する。h1およびh2の値が大きい場合、曲率の大きい形状を有する構造体を形成することにより表面反射光の散乱度合を大きくする。例えば、画像記録装置1は値が大きいh1およびh2に基づいて、曲率の大きい形状を有する構造体1002を記録媒体上に形成する。また、h1とh2との差が大きい場合、X方向とY方向とで曲率が異なる形状を有する構造体を形成することにより異方性を再現する。例えば、画像記録装置1は値が小さいh1および値が大きいh2に基づいて、X方向とY方向とで曲率が異なる形状を有する構造体1003を記録媒体上に形成する。次いで、構造体形状データに対して所定の演算を加え、図10のXY平面上でφ度回転した構造体を特定するための構造体形状データをさらに生成する。次いで、CPU601は、構造体形状データにおける凹凸形成材の積層数から、凹凸形成材Wの吐出信号W(n)を生成する。W(n)は、第n層を形成するための凹凸形成材の吐出信号であることを示す。
S704において、CPU601は、色データおよび光沢データを生成する。本実施形態の画像記録装置1は、C,M,Y,Kの4種類の記録材によって記録媒体上に色を再現し、光沢調整材Sによって記録媒体上に光沢を再現する。色データは、記録材C,M,Y,Kの配置を特定するデータである。本実施形態の色データは、以下の手順により生成される。まず、S701で入力した画像データから色信号RGBを取得する。次いで、色変換テーブルを参照して、色信号RGBを記録装置に依存した色信号R',G',B'に変換する。色変換テーブルは、離散的な色信号RGBに対応する色信号R',G',B'を記述したテーブルであり、各色信号は公知の3次元ルックアップテーブル法を用いて変換される。上記色変換によって、入力した色信号が特定する色は画像記録装置1で再現可能な色にマッピングされる。色差最小、彩度優先、明度優先など、複数の色変換テーブルを予めメモリ602に記憶しておき、目的に応じて用いる色変換テーブルを切り替えてもよい。また、複数の色変換テーブルのうちいずれのテーブルを用いるかを、ユーザからの選択に基づいて決定してもよい。次いで、色分解テーブルを参照して、色信号R',G',B'を記録材の量を特定する信号C,M,Y,Kに変換する。色分解テーブルは、離散的な色信号R',G',B'に対応する記録材信号C,M,Y,Kを記述したテーブルであり、各色信号は公知の3次元ルックアップテーブル法を用いて変換される。ここで、構造体形状データと解像度を合わせるため、入力画像データの1画素を縦と横共に16分割し、計256のブロックの全てに同一の信号C,M,Y,Kを対応付ける。次いで、記録材の種類毎にハーフトーン処理を行い、記録材信号C,M,Y,Kを各ブロックに記録材を配置するか否かの2値信号C',M',Y',K'に変換する。2値信号C',M',Y',K'は、例えば、値が1であれば記録材を配置し、値が0であれば記録材を配置しないことを示す。ハーフトーン処理には、公知の誤差拡散法や組織的ディザ法を用いることができる。
光沢データは、光沢調整材Sの配置を特定するデータである。本実施形態の光沢データは、以下の手順により生成される。まず、光沢変換テーブルを参照して、正反射方向近傍における総反射光量を特定する信号g0を記録装置に依存した光沢信号g0’に変換する。光沢変換テーブルは、信号g0および色信号R',G',B'の離散値に対応する光沢信号g0’を記述したテーブルであり、光沢信号は公知の補間方法を用いて変換される。上記変換によって、信号g0の示す正反射方向近傍における総反射光量は画像記録装置1で再現可能な範囲にマッピングされる。次いで、光沢分解テーブルを参照して光沢信号g0’を、光沢調整材の量を特定する信号Sに変換する。光沢分解テーブルは、離散的な光沢信号g0’に対応する記録材信号Sを記述したテーブルであり、光沢信号g0’から記録材信号Sへの変換は、公知の補間方法を用いて行われる。ここで、構造体形状データと解像度を合わせるため、入力画像データの1画素を縦と横共に16分割し、計256のブロックの全てに同一の信号Sを対応付ける。次いで、記録材信号Sのハーフトーン処理を行い、記録材信号Sを各ブロックに記録材を配置するか否かの2値信号S'に変換する。2値信号S'は、例えば、値が1であれば記録材を配置し、値が0であれば記録材を配置しないことを示す。ハーフトーン処理には、公知の誤差拡散法や組織的ディザ法を用いることができる。
S705において、CPU601は、2値信号C',M',Y',K',S'で構成される色データおよび光沢データのパス分解を行い、各記録材の吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''を生成する。本実施形態のパス分解は、異方性情報に基づいて生成したパスマスクを用いて行われる。ここで、パスマスクとは各パスに付き1個生成される2値データであり、本実施形態では8パスに対応して8個の2値データが生成される。パス分解は、各記録材の2値信号と各パスマスクの論理和とを計算して、各パスに対応する吐出信号を生成する処理である。例えば、2値信号C'と、1パス目用のパスマスクとから、記録材Cの1パス目用の吐出信号C''で構成される出力用の画像データを生成する。吐出信号C''は、2値信号C'とパスマスクにおける対応画素の値がそれぞれ1の場合、記録材を吐出することを示す「1」を設定し、いずれかの値が0の場合、記録材を吐出しないことを示す「0」を設定する。一般に、パスマスクの画像サイズは記録媒体上に記録する対象の画像サイズよりも小さいが、本実施形態ではパスマスクを縦横に繰り返し配置して適用する。本実施形態の要部であるパスマスクの生成方法の詳細は後述する。なお、構造体形状データに関しては、積層構造の各層を1パスで記録するため、パス分解の必要はない。
S706において、CPU601は、画像記録部400が記録媒体に画像を記録するように制御する。画像記録部400は、S703で生成された構造体形状データに基づいて凹凸形成材を積層記録して凹凸形状を有する構造体を形成する。そして各記録材の吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''に基づいて、形成された凹凸形状を有する構造体の上面に、各記録材C,M,Y,K,Sを吐出して色および光沢を記録する。本実施形態では、形成された凹凸形状を有する構造体の上面に、各記録材を記録する態様について説明したが、凹凸形状を有する構造体を形成せずに記録材を吐出する時間差を制御することにより、色と光沢の記録のみで異方性を再現するように構成してもよい。
(パスマスクの生成手順)
図11は、本実施形態におけるパスマスクの生成手順を示すフローチャートである。以下、図11のフローチャートを参照してパスマスクの生成手順を説明する。S1101において、CPU601は、異方性情報であるh2に基づいて第1パス分解パターンを生成する。ここで、パス分解パターンとは、例えば、縦16画素×横16画素からなる画像データであり、パス分解パターンにおける各画素にはパス分解信号p1乃至p8がそれぞれ含まれる。パス分解信号p1は、着目画素を1パス目に記録する確率を示す。以下同様に、パス分解信号pnは、着目画素をnパス目に記録する確率を示す。各パス分解信号は0以上1以下の値であり、パス分解信号p1乃至p8の総和は1である。
次に、図12の模式図を参照して、第1パス分解パターンについて説明する。図12(a)は、異方性情報であるh2の値が最も小さいときに対応する第1パス分解パターンの一例を示す模式図であり、図10の1001の凹凸形状の上面に記録する記録材の配置パターンを示す。h2の値が最も小さいときのh2の値をh2_0とする。第1パス分解パターン1210は、縦2画素×横2画素で構成される4種類のパッチ1201乃至1204から構成され、同じ種類のパッチは隣接しないように配置される。4種類のパッチの配置パターンはそれぞれ上下左右に繰り返され、符号1203(a)は符号1203(b)と連続して1つのパッチ1203を構成することを示している。h2の値が最も小さいときに対応する第1パス分解パターン1210において、パッチ1201を構成する画素は、パス分解信号p1のみが「1」のパス分解信号が含まれる。すなわち、パッチ1201に含まれる画素は1パス目に記録される。同様に、パッチ1202,1203,1204を構成する画素は、それぞれパス分解信号p2,p3,p4のみが「1」のパス分解信号が含まれ、パッチ1202,1203,1204に含まれる画素は、それぞれ2パス目,3パス目,4パス目に記録される。パッチ1201乃至1204によって区画されるパッチ領域は、それぞれ同一パスで記録材が記録される。同一パスで記録された記録材は図3(b)に示されるような平滑面を形成する。以下、同一パスで記録された記録材によって形成された平滑面を平滑領域と記す。第1パス分解パターン1210でパス分解される画像は、縦2画素×横2画素の縦横が同じサイズの平滑領域を有する。すなわち、平滑領域は縦横同じサイズによって構成されるため、平滑領域の扁平率は小さくなる。その結果、第1パス分解パターン1210でパス分解される画像は、入射光の方向または観察方向に応じて反射特性が変化しない、異方性のコントラストが小さい画像となる。なお、本実施形態において扁平率とは、ある領域の幅が最大となる長軸方向の幅をa、領域の幅が最小となる短軸方向の幅をbとするとき、数式1-(b/a)で取得される値である。
図12(b)は、異方性情報であるh2の値が最も大きいときに対応する第1パス分解パターンの一例を示す模式図であり、図10の1003の凹凸形状の上面に記録する記録材の配置パターンを示す。h2の値が最も大きいときのh2の値をh2_1とする。第1パス分解パターン1220は、縦4画素×横1画素で構成される4種類のパッチ1205乃至1208から構成され、同じ種類のパッチは隣接しないように配置される。4種類のパッチの配置パターンはそれぞれ上下左右に繰り返され、符号1207(a)は符号1207(b)と連続して1つのパッチ1207を構成することを示している。h2の値が最も大きいときに対応する第1パス分解パターン1220において、パッチ1205を構成する画素は、パス分解信号p5のみが「1」のパス分解信号が含まれる。すなわち、パッチ1205に含まれる画素は5パス目に記録される。同様に、パッチ1206,1207,1208を構成する画素は、それぞれパス分解信号p6,p7,p8のみが「1」のパス分解信号が含まれ、パッチ1206,1207,1208に含まれる画素は、それぞれ6パス目,7パス目,8パス目に記録される。パッチ1205乃至1208によって区画されるパッチ領域は、それぞれ同一パスで記録材が記録される平滑領域を形成する。第1パス分解パターン1220でパス分解される画像は、縦4画素×横1画素の縦横が異なる平滑領域を有する。すなわち、平滑領域は縦横異なるサイズによって構成されるため、平滑領域の扁平率は大きくなる。その結果、第1パス分解パターン1220でパス分解される画像は、入射光の角度または観察方向に応じて反射特性が変化する、異方性のコントラストが大きい画像となる。
図12(c)は、異方性情報であるh2の値h2_2が、h2_0<h2_2<h2_1の値をとるときに対応する第1パス分解パターンの一例を示す模式図である。h2_0<h2_2<h2_1のときに対応する第1パス分解パターン1230は、第1パス分解パターン1210に対して第1のパス分解パターン1220のパッチ1205乃至1208が上書きされて形成されたパス分解パターンである。第1パス分解パターン1210に上書きされるパッチ1205乃至1208の数は可変であり、h2の値がh2_0からh2_1に増加することに応じて0から64に増加する。なお、パス分解パターンは、h2の値がh2_0の時は第1パス分解パターン1210に一致し、h2の値がh2_1の時は第1のパス分解パターン1220に一致する。第1パス分解パターン1230でパス分解される画像は、上書きされるパッチの数量に応じて、異方性のコントラストも可変する。
S1102において、CPU601は、異方性情報であるh1に基づいて第2パス分解パターンを生成する。より詳細には、CPU601は記録パスを分散させるためのパッチを、S1101で生成した第1パス分解パターンに上書きすることにより、第2パス分解パターンを生成する。図13は、第2パス分解パターンの一例を示す模式図である。図13に示される第2パス分解パターン1300は、S1101で生成された第1パス分解パターンに対して、縦1画素×横1画素で構成されるパッチ1301が上書きされて形成されたパス分解パターンである。パッチ1301を構成する画素は、パス分解信号p1乃至p8にそれぞれに等しく「0.125」のパス分解信号が含まれる。すなわち、パッチ1301を構成する画素は、すべて同じ確率で1パス乃至8パスのいずれかで記録される。また、各パスで記録される確率が等しい場合、記録パスは、記録ヘッドの同一走査で記録される画素が分散するように決定される。そのため多くの場合、同一走査で記録される隣接する画素は異なるパスで記録される。上書きされるパッチ1301の数は、h1の値が、最小値h1_0から所定の値h1_1に増加することに応じて0から256に増加する。上書きされるパッチ1301の数が少ない場合、第2パス分解パターン1300におけるパッチ1208のように、隣接する画素を同一パスで記録する領域が相対的に多くなる。一方、上書きされるパッチ1301の数が多い場合、第2パス分解パターン1300に配置されるパッチ1301によって、隣接する画素を同一パスで記録する領域が相対的に少なくなる。つまり、上書きされるパッチ1301の配置を制御することによって、同一パスで記録する領域と、異なるパスで記録する領域との比率を制御することができる。なお、第2パス分解パターンは、h1の値がh1_0の時は第1パス分解パターンに一致し、h1の値がh1_1以上の時は全ての画素がパッチ1301で構成されるパターンに一致する。図10の1002の凹凸形状の上面に記録する記録材のパターンは、全ての画素がパッチ1301で構成されるパターンに対応する。
S1103において、CPU601は信号φに基づき、S1102で生成した第2パス分解パターン1300に対してφ度回転させる演算を施し、第3パス分解パターンを生成する。本実施形態において、第3パス分解パターンのパス分解信号は、例えば、次の様に求めることができる。まず、第3パス分解パターンの横i3番目、縦j3番目(i3,j3:0,1,..,15)の画素に対応する第2パス分解パターン1300の位置(i2,j2)を次の式(1)によって求める。
式(1)は、第2パス分解パターン1300の縦7番目、横7番目の画素を中心に、角度−φだけ第2パス分解パターン1300を回転させる演算の内容を示す。第3パス分解パターンの横i3番目、縦j3番目のパス分解信号は、第2パス分解パターン1300の横i2番目、縦j2番目のパス分解信号に相当する。しかし、一般に式(1)で算出されるi2とj2の値は整数でないため、第2パス分解パターン1300の横i2番目、縦j2番目の画素に相当するパス分解信号を計算する必要がある。このパス分解信号は、例えば、以下の通りにして線形補間により算出することができる。まず、i2を超えない最大の整数をi_min、i2を超える最小の整数をi_max、j2を超えない最大の整数をj_min、j2を超える最小の整数をj_maxとする。さらに、i_min、i_max、j_min、j_maxをそれぞれ16で割り、その余りをi_min’、i_max’、j_min’、j_max’とする。例えば、i_minが-1のときi_min’は15であり、i_min’、i_max’、j_min’、j_max’の値は、0から15の範囲で得られる。次に、第2パス分解パターン1300の横i2、縦j_minのパス分解信号p_i2_jmin(n)を次式(2)で求める。
ただし、p_imin_jmin(n)は、第2パス分解パターン1300の横i_min’番目、縦j_min’番目の画素のnパス目のパス分解信号を示す。同様に、p_imax_jmin(n)は、第2パス分解パターン1300の横i_max’番目、縦j_min’番目の画素のnパス目のパス分解信号を示す。また、パラメータαiとβiは、次式(3)(4)による。
次に、第2パス分解パターン1300の横i2、縦j_maxのパス分解信号p_i2_jmax(n)を次式(5)で求める。
ただし、p_imin_jmax(n)は、第2パス分解パターン1300の横i_min’番目、縦j_max’番目の画素のnパス目のパス分解信号を示す。同様に、p_imax_jmax(n)は、第2パス分解パターン1300の横i_max’番目、縦j_max’番目の画素のnパス目のパス分解信号を示す。最後に、第2パス分解パターン1300の横i2、縦j2の位置のパス分解信号p_i2_j2(n)を次式(6)で求める。
ただし、パラメータαjとβjは、次式(7)(8)による。
このp_i2_j2(n)が、第3パス分解パターンの横i3番目、縦j3番目(i3,j3:0,1,..,15)の画素のパス分解信号である。式(6)によれば、第3パス分解パターンの各画素のパス分解信号を、第2パス分解パターン1300の画素のパス分解信号から求めることができる。第3パス分解パターンの全ての画素について、上記の式(1)乃至(8)により、パス分解信号を求める。尚、ステップS1103の処理は、上記の方法に限らない。例えば、公知の2次元補間方法などを用いてもよい。第3パス分解パターンは、信号φの値に応じたパスマスクを構成するデータとなる。本実施形態の画像記録装置1は、短い時間差で記録材を記録する平滑領域の扁平方向が信号φの示す方向と同じとなるように制御する。
次にS1104において、CPU601は第3パス分解パターンのパス分解信号に基づいてパスマスクを生成し、出力用の画像データの各画素を記録するパスを決定する。本実施形態のパスマスクは、パス分解パターンと同様に縦16画素×横16画素からなる画像データであり、各パスに1個の画像データが生成され、合計8個生成される。各パスマスクを構成する画素は、対応するパスで記録材を吐出するか、吐出しないかを示す2値信号pn'(n:1,2,..,8)を含む。例えば、p1'は1パス目を記録するためのパスマスクの信号を示す。パスマスクの生成処理は、パスマスクにおける左上の画素から右に1画素ずつ順番に処理し、右端の画素の処理が終了したら1つ下の左端の画素に移動し、再び右下の画素まで全ての画素を順番に処理する。パスマスクは、例えば、公知の誤差拡散法を利用して生成される。
図14は、第3パス分解パターンからパスマスクを生成する手順を示すフローチャートである。S1401において、CPU601は第3パス分解パターンの左上の画素を最初の処理対象画素として選択する。
S1402において、CPU601は対象画素のパス分解信号に周辺画素からの誤差信号を加えた評価パス分解信号を算出する。例えば、対象画素のパス分解信号が(p1,p2,p3,p4,p5,p6,p7,p8)=(0,0,0.5,0.5,0,0,0,0)で、誤差信号が(0,0,0,0.3,0,0,0,0)であるとする。この場合、評価パス分解信号は、(0,0,0.5,0.8,0,0,0,0)である。
S1403において、CPU601は評価パス分解信号のp1乃至p8の中から最大値を選択し、対応するパスのパスマスクを1に、その他のパスのパスマスクを0に設定する。上記の例では、評価パス分解信号p1乃至p8の中で最大値はp4に対応する0.8である。そのため4パス用のパスマスクの信号p4'に1を設定し、1乃至3パスおよび5乃至8パス用のパスマスクの信号p1',p2',p3',p5',p6',p7',p8'には0を設定する。評価パス分解信号p1乃至p8の中で最大値が複数ある場合は、いずれか1つを選択して上記設定を行う。
S1404において、CPU601は誤差信号を算出して周辺画素に分配する。誤差信号は、上記評価パス分解信号から、S1403で選択されたパスに対応するパス分解信号を引いた信号である。上記の例では、選択されたパスは4パス目であり、対応するパス分解信号は(0,0,0,1,0,0,0,0)、誤差信号は(0,0,0.5,-0.2,0,0,0,0)である。図15は、パスマスク生成処理の対象画素から周辺画素への誤差を分配する仕組みを説明する模式図である。図15の模式図において、Q0はパスマスク生成処理の対象画素を、斜線部はすでに記録パスが決定した処理済みの画素を示す。対象画素Q0の誤差は、Q0の周辺でパス信号が決定していない画素Q1、Q2、Q3、Q4に所定の比率で拡散される。例えば、Q1、Q2、Q3、Q4の各画素にそれぞれQ0の誤差信号の7/16、3/16、5/16、1/16が分配される。各パスで記録される確率が等しい場合、記録パスに決定したパスは、負の誤差信号が周辺画素に拡散するため、周辺画素では記録される確率が減少する。この結果、同じパスで記録される画素が分散するように決定される。
S1405において、全ての画素の処理が終了したか判定し、未処理の画素が残っている場合はパスマスク生成処理の対象画素を更新してステップS1402に戻る。全ての画素の処理が終了した場合は処理を終了する。
(機能構成)
図16は、本実施形態の画像記録装置の機能構成を示すブロック図である。入力部603は、RGB色信号を入力する。RGB色信号に加えて入射光に対応する正反射光の反射強度が最大となる方位角を特定する信号φと、方位角φにおける正反射光の反射強度を特定する信号gloss1と、該正反射方向近傍における拡散光の反射強度を特定する信号haze1を入力する。さらに、入力部603は、方位角φの直交方向における入射光に対応する正反射光の反射強度を特定する信号gloss2と、該正反射方向近傍における拡散光の反射光強度を特定する信号haze2とを入力する。異方性情報取得部1601は、図7の画像記録手順におけるS703の処理を行う。すなわち、異方性情報取得部1601は、gloss1、gloss2、haze1、haze2から、信号g0とh1およびh2を算出する。形状データ生成部1602は、図7の画像記録手順におけるS703の処理を行う。すなわち、形状データ生成部1602は、形状生成テーブル格納部1610に格納された形状生成テーブル900を参照して、信号φ、h1およびh2から凹凸形成材の吐出信号W(n)を生成する。
色・光沢変換部1603と、記録材分解部1604と、ハーフトーン処理部1605は、図7の画像記録手順におけるS704の処理を行う。すなわち、色・光沢変換部1603は、色・光沢変換テーブル格納部1611に格納された色変換テーブルと光沢変換テーブルとを参照して、信号RGBとg0とから記録装置に依存した色信号R',G',B'と光沢信号g0'とを算出する。記録材分解部1604は、色・光沢分解テーブル格納部1612に格納された色分解テーブルと光沢分解テーブルとを参照して、色信号R',G',B'と光沢信号g'から記録材の量を特定する信号C,M,Y,K,Sを算出する。ハーフトーン処理部1605は、記録材の量を特定する信号C,M,Y,K,Sから記録材の配置を特定する2値信号C',M',Y',K',S'を算出する。
パス分解信号生成部1606は、図11のパスマスク生成手順におけるS1101乃至S1103の処理を行う。すなわち、信号φと、h1およびh2とから、第3パス分解パターンのパス分解信号p1乃至p8を算出する。パスマスク生成部1607は、図11のパスマスク生成手順におけるS1104の処理を行う。すなわち、第3パス分解パターンのパス分解信号p1乃至p8を2値化し、各パス用のパスマスクを構成する信号p1'乃至p8'を算出する。吐出信号生成部1608は、図7の画像記録手順のS705の処理を行う。すなわち、各パス用のパスマスクを用いて2値信号C',M',Y',K',S'のパス分解を行い、各パスの吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''を生成する。画像記録処理部1609は、図7の画像記録手順のS706の処理を行う。すなわち、形状データW(n)に基づいて凹凸形成材を記録媒体上に積層記録して凹凸形状を有する構造体を形成する。さらに、吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''に基づいて各記録材を形成された凹凸形状を有する構造体の上面に吐出し、色・光沢を記録する。
図17は、本実施形態において、画像記録装置1から出力される出力画像例を示す図である。本実施形態における出力画像1620は、h1が0.4、h2が0.8、φが45度の値を示す場合に記録媒体408に出力される例を模式的に示したものである。出力画像1620は、吐出信号生成部1608によって生成された各パスの吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''に基づいて、画像記録処理部1609が記録媒体408に形成した画像である。
第1の領域1626は、記録ヘッドの同一走査によって、方位角φ方向に連続して吐出される記録材が形成する領域である。記録材は短時間に隣接して着弾するために、着弾した記録材は第1の領域1626において平滑度の高い領域を形成する。その結果、φ方向からの入射光1621に対しては散乱度合いが低く、φ方向に直交する方向に対しては散乱度合いが高くなる。前述の通り、このようなパスごとの吐出信号の制御は、パスマスク生成部1607によって生成される各パス用のパスマスクを構成する信号p1'乃至p8'によって定められる。第1の構造体1627は、形状データ生成部1602によって生成された形状データW(n)に基づいて形成される凹凸形状を有する構造体である。画像記録処理部1609は、形状データW(n)に基づいて、φ方向と、φ方向と直交する方向とで曲率が異なる形状を有するように第1の構造体1627を記録する。φ方向の曲率が低く、φ方向と直交する方向の曲率が高いため、第1の構造体1627は、φ方向からの入射光に対しては散乱度合いが低く、φ方向に直交する方向に対しては散乱度合いが高くなる。そのため第1の領域1626の反射強度は、φ方向からの入射光1621と、観察方向1622とが正反射の関係にあるとき、φ方向と直交する方向からの入射光1623と、観察方向1624とが正反射の関係にあるときよりも高くなる。この結果、第1の領域1626は第2の領域1628よりも光沢が強く明るい領域として視認される。本実施形態では、第1の構造体1627の上面に同一パスで記録される第1の領域1626が形成される。構造体1627の散乱特性と、その上面に記録される領域1626の散乱特性が一致することで、コントラストの高い異方性が発現できる。
第2の領域1628は、記録ヘッドの複数の異なる走査によって、方位角φ方向に連続して吐出される記録材が形成する領域である。記録材は時間間隔を空けて着弾するために、着弾した記録材は第2の領域1628において積層され、微細な凹凸を有する平滑度が低い領域を形成する。その結果、入射光の方向によらず散乱度合いが高くなる。前述の通り、このようなパスごとの吐出信号の制御は、パスマスク生成部1607によって生成される各パス用のパスマスクを構成する信号p1'乃至p8'によって定められる。第2の構造体1629は、形状データ生成部1602によって生成された形状データW(n)に基づいて形成される凹凸形状を有する構造体である。画像記録処理部1609は、形状データW(n)に基づいて、φ方向と、φ方向と直交する方向とで曲率が等しく、大きい形状を有するように第2の構造体1629を記録する。方向によらず曲率が高いため、第2の構造体1629は、入射光の方向によらず散乱度合が高くなる。そのため、第2の領域1628の反射強度は、入射光と観察方向とが正反射の関係にあるとき、入射光が、φ方向からの入射光1621か、またはφ方向と直交する方向からの入射光1623かによらず、ほぼ等しい強度となる。
本実施形態では、φ方向からの入射光1621と、観察方向1622とが正反射の関係にあるとき、第1の領域1626の正反射強度は、第2の領域1628よりも相対的に強くなる。この結果、第1の領域1626は、第2の領域1628よりも光沢が明るい領域として視認される。一方で、図1で説明した通り、観察方向1622が正反射方向からわずかに(例えば図1におけるα度)ずれた方向にあるとき、第1の領域1626と第2の領域1628とで明るく視認される領域と暗く視認される領域とが逆転する。すなわち、第1の領域1626は、第2の領域1628よりも光沢が暗い領域として視認される。本実施形態における出力画像1620は上記のように構成されるため、入射光や観察方向によって異なる光沢や色味などの異方性を再現する画像を記録することができる。
以上説明したように、本実施形態の画像記録装置1は、入力された画像データから、正反射光の反射強度が最大となる方位角φと、表面反射光の散乱度合を特定するh1およびh2とを含む異方性情報を取得する。画像記録装置1は、取得した異方性情報に基づいて記録材を吐出する時間差を決定し、決定した時間差に基づき、画像を生成するための記録材の吐出信号を生成する。画像記録部400は、所定の閾値以下の時間差で記録材を記録媒体上に吐出することにより、記録媒体上に平滑領域を形成する。これらの構成により、本実施形態の画像記録装置1は、高い異方性を再現する画像を記録することができる。
[変形例1]
実施形態1の画像記録装置1は、色と光沢を再現する記録材C、M、Y、K、Sの全てに対して、取得した異方性情報に基づく吐出時間差の制御を適用した。本変形例1では、異方性情報に基づく吐出時間差の制御を、特定の記録材に対してのみ適用する画像記録装置1について説明する。
変形例1の画像記録装置1は、2つの淡色の記録材Y,Sと、3つの濃色の記録材C,M,Kとに分けて、2つの淡色の記録材Y,Sのみに異方性情報に基づく吐出時間差の制御を適用する。実施形態1で説明した吐出時間差の制御では、記録材が同一パスで吐出されると、隣接して配置される記録材が結合することにより記録媒体上に平滑面を形成する。しかしながら、記録材が結合する際に、記録媒体上に記録材が着弾する記録位置がわずかに変化してしまい、これが粒状ノイズやスジとして発現する場合がある。このような場合、粒状ノイズやスジの目立たない淡色の記録材のみに吐出時間差の制御を適用すると好適に異方性を再現する画像を記録することができる。変形例1の吐出信号生成部1608は、パスマスク生成部1607で生成したパスマスクを用いて、2値信号Y',S'で構成される色データおよび光沢データのパス分解を行う。
一方、吐出信号生成部1608は、2値信号C',M',K'で構成される色データのパス分解を、異方性情報によらず、記録ヘッドが同一走査するときに記録される画素が分散して配置されるように制御するパスマスクを用いてパス分解を行う。このようなパスマスクとしては、例えば、実施形態1において、h1の値がh1_1以上のときに吐出信号生成部1608が用いるパスマスクが利用できる。以下、このパスマスクを分散パスマスクと記す。変形例1における画像記録手順では、吐出信号生成処理(S705)において、記録材Y、Sに関しては、異方性情報に基づいて生成したパスマスクを用いてパス分解を行う。一方、記録材C、M、Kに関しては、分散パスマスクを用いてパス分解を行い、各パスの吐出信号を生成する。その他は、実施形態1と同じであるため説明を省略する。
以上説明したように、本変形例の画像記録装置1は、異方性情報に基づいて特定種類の記録材を吐出する時間差を決定し、決定した時間差に基づき、特定種類の記録材の吐出信号を生成する。これらの構成により、本実施形態の画像記録装置1は、粒状ノイズやスジを目立たせることなく、高い異方性を再現する画像を記録することができる。
[変形例2]
本変形例では、画像の表層を記録するために用いる記録材に対して、異方性情報に基づく吐出時間差の制御を適用する画像記録装置1について説明する。変形例2の画像記録装置1は、光沢を制御する無色透明の記録材を2種類利用する。すなわち、光沢調整材Sに加えて光沢調整材Tを用いる。そして、この2種類の記録材のいずれかを画像の表層に記録して任意の光沢を発現する。また、実施形態1で説明した吐出時間差の制御は、この2種類の記録材SとTにのみ適用し、他の記録材C、M、Y、Kには適用しない。画像の表層を記録するために用いる記録材に対してのみ、異方性情報に基づく吐出時間差を制御ことにより、光沢調整剤S,T以外の記録材には異方性情報に基づく処理を不要とし、画像記録装置1の処理負荷を軽減する。光沢調整材Sには、屈折率が色インクより小さい材質を利用し、光沢調整材Tには、屈折率が色インクより大きい材質を利用する。
変形例2の吐出信号生成部1608は、パスマスク生成部1607で生成したパスマスクを用いて、2値信号S',T'で構成される光沢データのパス分解を行う。一方、吐出信号生成部1608は、分散パスマスクを用いて、2値信号C',M',Y',K'で構成される色データのパス分解を行う。また、変形例2の記録材分解部1604は、光沢分解テーブルを参照して信号g0'を光沢調整材の量を特定する信号S,Tに変換する。光沢分解テーブルは、離散的な光沢信号g0’に対応する光沢記録材信号S,Tを記述したテーブルであり、公知の補間方法を用いて変換される。ここで、構造体形状データと解像度を合わせるため、入力画像データの1画素を縦と横共に16分割し、計256のブロックの全てに同一の信号S,Tを対応づける。光沢記録材信号SとTは、それぞれ着目領域を光沢調整材Sで記録する確率と光沢調整材Tで記録する確率を示し、両者の和は1である。信号g0’が小さいブロックは、反射光量が小さくなるように、より多くの画素が低屈折率の光沢調整材Sで記録されるようにする。すなわち、光沢分解テーブルには、値の小さい信号g0’に大きな値の光沢記録材信号Sと小さな値の光沢記録材信号Tが対応付けて記述される。逆に、信号g0’が大きいブロックは、反射光量が大きくなるように、より多くの画素が高屈折率の光沢調整剤Tで記録されるようにする。すなわち、光沢分解テーブルには、値の大きな信号g0’に大きな値の光沢調整剤信号Tと小さな値の光沢記録材信号Sが対応付けて記述される。
また、本変形例のハーフトーン処理部1605は、光沢記録材信号S,Tから各ブロックに光沢調整材Sを配置するか光沢調整材Tを配置するかを特定する2値信号S'を生成する。2値信号S'は、例えば、値が0であれば光沢調整材Sを配置し、値が1であれば光沢調整材Tが配置されることを示す。すなわち、画像の表層には、光沢調整材Sか光沢調整材Tのいずれかが記録される。本変形例では、ハーフトーン処理において、実施形態1のパスマスク生成処理(S1104の処理方法を用いる。すなわち、CPU601は、着目領域の光沢記録材信号に周辺領域からの誤差信号を加えて評価信号を生成したのち、評価信号のS成分とT成分とを比較して、値の大きい方の成分に対応する記録材を当該領域に配置するように制御する。そして、評価信号の成分のうち、配置する記録材に対応する成分の値から1を減じて誤差信号とし、これを周辺画素に分配する。
次いで、本変形例の画像記録処理部1609は、まず、形状データW(n)に基づいて凹凸形成材Wを積層記録して凹凸形状を有する構造体を形成する。その後、形成された凹凸形状を有する構造体の上面に、吐出信号C'',M'',Y'',K''に基づいて色を記録する。その後、搬送ローラ409を逆回転させて記録媒体408を記録開始位置まで戻し、色が記録された画像の上に、吐出信号S'に基づいて光沢調整材Sまたは光沢調整材Tを吐出して光沢を記録する。本変形例の画像記録手順は、S804において、実施形態1で説明した色・光沢変換部1603と、上記変形例2の記録材分解部1604とハーフトーン処理部1605とによって、各記録材の配置を特定する2値信号を求める。また、吐出信号生成処理(S805)において、記録材SとTとは、実施形態1と同様に異方性情報に基づいて生成したパスマスクを用いてパス分解を行う。一方、記録材C、M、Y、Kは、異方性情報によらない分散パスマスクを用いてパス分解を行う。また、画像記録(S806)では、上記変形例2の画像記録処理部1609によって、まず凹凸形成材Wを積層記録して凹凸形状を有する構造体が形成され、その後、記録材C、M、Y、Kで色が記録され、最後に記録材S、Tで光沢が記録される。その他の処理は実施形態1と同じであるため説明を省略する。
以上説明したように、本変形例の画像記録装置1は、異方性情報に基づいて画像の表層を記録するために用いる記録材を吐出する時間差を決定し、決定した時間差に基づき、画像の表層を記録するために用いる記録材の吐出信号を生成する。これらの構成により、本実施形態の画像記録装置1は、処理負荷を軽減したうえで高い異方性を再現する画像を記録することができる。
[変形例3]
本変形例では、画像記録装置1は記録条件の設定を受け付け、受け付けた記録条件と異方性情報とに基づいて記録材の吐出時間差を制御する。以下、本変形例における画像記録装置1について説明する。
図18は、記録条件の設定を受け付けるUI(User Interface)1700の一例を示す模式図である。本変形例におけるUI1700は、例えばモニタ610に表示され、入力部603を介してユーザからの操作を受け付ける。本変形例のUI1700は、異方性強調処理チェックボックス1701と、処理対象インク設定チェックボックス1702〜1706と、パターン選択ラジオボタン1707〜1708とを含む。UI1700はまた、OKボタン1709と、キャンセルボタン1710とを含み、符号1711はマウスカーソルを示す。ユーザは、マウスカーソル1711を操作して各チェックボックスや各ボタンの選択を行うことができる。異方性強調処理チェックボックス1701は、記録材の吐出時間差制御を行うか否かの記録条件の設定を受け付ける。チェックボックス1701への選択が受け付けられると、チェックボックス1702〜1706と、ラジオボタン1709〜1710への選択が受け付け可能になる。異方性強調処理チェックボックス1701への選択が解除されると、1702乃至1706のチェックボックスと、1707乃至1708のラジオボタンはグレイアウトされ、マウスカーソル1711による選択が不可能になる。処理対象インク設定チェックボックス1702乃至1706は、処理対象の記録材を設定するチェックボックスである。チェックボックス1702乃至1706は、それぞれC、M、Y、K、Sの記録材に対応づけられ、チェックボックスが選択されると、対応する記録材が処理対象に設定される。チェックボックスの選択が解除されると、対応する記録材が処理対象から除外される。例えば、チェックボックス1704、1706が選択され、チェックボックス1702、1703、1705の選択が解除されている場合、処理対象の記録材は、YとSの2つに設定される。
パターン選択ラジオボタン1707乃至1708は、第1パス分解パターンに用いるパッチ形状の設定入力を受け付けるラジオボタンである。ラジオボタン1707が選択されると、異方性が小さいときに利用される扁平率の小さい形状に縦2画素、横2画素のパッチが設定され、異方性が大きいときに利用される扁平率の大きい形状に縦4画素、横1画素のパッチが設定される。ラジオボタン1708が選択されると、異方性が小さいときに利用される扁平率の小さい形状に縦4画素、横4画素のパッチが設定され、異方性が大きいときに利用される扁平率の大きい形状に縦16画素、横1画素のパッチが設定される。UI1700の初期設定は、ラジオボタン1707が選択されている状態になっており、ラジオボタン1708への選択入力が受け付けられると、ラジオボタン1707への選択入力が解除される。逆に、ラジオボタン1708が選択されている状態のときに、ラジオボタン1707への選択入力が受け付けられると、ラジオボタン1708への選択入力が解除される。OKボタン1709への選択入力が受け付けられると、各チェックボックスや各ラジオボタンによって入力を受け付けた記録条件が確定する。キャンセルボタン1710への選択入力が受け付けられると、各チェックボックスや各ラジオボタンによって入力を受け付けた記録条件がキャンセルされ、設定受け付け前の記録条件が維持される。
本変形例において、パス分解信号生成部1606と吐出信号生成部1608は、設定を受け付けた記録条件に基づいて処理を行う。吐出時間差制御を行わない場合、本変形例のパス分解信号生成部1606とパスマスク生成部1607の処理はスキップされる。そして、本変形例の吐出信号生成部1608は、異方性情報によらない分散パスマスクを用いてパス分解を行う。一方、吐出時間差制御を行う場合、本変形例のパス分解信号生成部1606は、設定されたパッチ形状で第1パス分解パターンを生成する。
そして、本変形例のパスマスク生成部1607は、設定されたパッチ形状に基づくパスマスクを生成する。また、吐出時間差制御を行う場合、本変形例の吐出信号生成部1608は、パスマスク生成部1607で生成したパスマスクを用いて、2値信号C',M',Y',K',S'のうち処理対象に設定された記録材のパス分解を行う。2値信号C',M',Y',K',S'のうち処理対象に設定されなかった記録材は、異方性情報によらず、分散パスマスクを用いてパス分解を行う。本変形例における画像記録装置1の画像記録手順では、吐出信号生成処理(S705)より前に、記録条件の設定を受け付ける。例えば、データ入力(S701)が行われる前に、UI1700を用いた記録条件の設定を受け付ける。また、上述した通り、本変形例における画像記録手順では、吐出信号生成部1608は、パスマスク生成部1607で生成したパスマスクを用いて、2値信号C',M',Y',K',S'のうち処理対象に設定された記録材のパス分解を行う(S705)。その他は実施形態1と同じため説明を省略する。
以上説明したように、本変形例の画像記録装置1は、記録条件の設定を受け付ける受付手段をさらに備え、異方性情報と、記録条件とに基づいて記録材を吐出する時間差を決定し、決定した時間差と、記録条件とに基づき、前記記録材の吐出信号を生成する。これらの構成により、本実施形態の画像記録装置1は、ユーザにとって最適な記録条件下で高い異方性を再現する画像を記録することができる。
[実施形態2]
本実施形態では、記録ヘッドを往復走査ことにより画像を記録する方式ではなく、複数の記録ヘッドを用いて画像を記録する方式の画像記録装置について説明する。
図19は、本実施形態の画像記録部1800の概略構成を示すブロック図である。画像記録部1800は、複数の記録ヘッドを備えるインクジェットプリンタである。記録ヘッド1801乃至1808は、それぞれC,M,Y,K,Sの5種類の記録材を吐出する吐出部を備え、吐出部から記録材を吐出することにより色と光沢を記録媒体上に記録する。各記録ヘッド1801乃至1808は、紙面垂直方向のサイズが記録媒体の幅よりも長い長尺ヘッドであり、それぞれの記録ヘッドを走査することなく、紙面垂直方向の1ラインを一度に記録する。また、各記録ヘッドの間隔は、隣接する記録ヘッドで記録されたインク滴が結合しない程度に十分な間隔が保たれている。同一の記録ヘッドに備えられる吐出部から吐出される記録材は、吐出部からの吐出時間差が短く、記録媒体上に着弾すると結合して平滑面を形成する。一方、異なる記録ヘッドに備えられる吐出部から吐出される記録材は、吐出部からの吐出時間差が長く、たとえ記録媒体上に隣接して着弾しても結合しないため、平滑面を形成しない。
本実施形態の画像記録装置1は、異方性情報に基づいていずれの記録ヘッドで各記録材を吐出するかを決定することにより、隣接して配置される記録材の記録時間差を制御することができる。以下、図19を参照して説明する。給紙トレイ1811に積載された記録媒体408は、給紙ローラ1812、搬送ローラ1813、分離ローラ1814がそれぞれ回転することによって給紙され、給紙された記録媒体408は搬送ドラム1815に静電吸着される。搬送ドラム1815は、図19中に示される矢印の方向に回転する。搬送ドラム1815は、搬送ドラム1815に吸着された記録媒体408が記録ヘッド1809と対向する領域を所定回数通過するように回転する。記録ヘッド1809は、記録媒体408が記録ヘッド1809の正面を通過するタイミングで凹凸形成材Wを吐出する。続いて、紫外線照射装置1810は、記録媒体408上に吐出された凹凸形成材Wに対して紫外線を照射して凹凸形成材Wを硬化させる。記録ヘッド1809は、記録媒体408に凹凸形成材Wを積層記録して凹凸形状を有する構造体を形成する。例えば、記録媒体408が記録ヘッド1809と対向する領域を通過する最初のタイミングで第1層を記録し、そこから搬送ドラム1815がさらに1回転し、記録媒体408が次に記録ヘッド1809と対向する領域を通過するタイミングで第2層を記録する。100層の積層構造からなる凹凸形状を形成する場合、搬送ドラム1815は、搬送ドラム1815に吸着された記録媒体408と共に100回転する。凹凸形状を有する構造体の形成が完了すると、記録媒体408は、ドラム分離爪1816によって搬送ドラム1815から分離され、次に搬送ベルト1817に静電吸着される。搬送ベルト1817は、図19中に示される矢印の方向に回転する。搬送ベルト1817は、搬送ベルト1817に吸着された記録媒体408が記録ヘッド1801乃至1808と対向する領域を通過させる。記録ヘッド1801乃至1808は、それぞれ、記録媒体408が記録ヘッド1801乃至1808と対向する領域を通過するタイミングでC,M,Y,K,Sの5種類の記録材を吐出する。記録ヘッド1801乃至1808によって記録材が記録媒体408に吐出され、その結果色と光沢が記録された記録媒体408は、ベルト分離爪1818によって搬送ベルト1817から分離され、出力トレイ1819に出力される。
実施形態2のパス分解信号生成部1606と、パスマスク生成部1607と、吐出信号生成部1608は、各パスの吐出信号C'',M'',Y'',K'',S''の代わりに、記録材を吐出する記録ヘッド1801乃至1808を特定する信号を生成する。パス分解信号生成部1606が生成するパス分解信号p1は、着目画素を1パス目に記録する確率ではなく、着目画素を記録ヘッド1801で記録する確率を示す。同様に、パス分解信号p2乃至p8は、着目画素を記録ヘッド1802乃至1808で記録する確率を示す。パスマスク生成部1607が生成するパスマスクは、着目画素を記録する記録ヘッドを決定するためのマスクである。吐出信号生成部1608は、記録ヘッド1801乃至1808の吐出信号を生成する。また、実施形態2の画像記録処理部1609の処理は、画像記録部1800で実行される。上記で説明した以外の構成と、画像記録手順は、実施形態1と同じであるため説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態の画像記録装置1は、複数の記録ヘッドを有し、取得した異方性情報に基づいて各記録ヘッドの吐出信号を生成する。これらの構成により、本実施形態の画像記録装置1は、高い異方性を再現する画像を記録することができる。
[その他の実施例]
上述の実施例では、入射光に対応する正反射光の反射強度が最大となる方位角φを特定する情報と、φ方向およびφに直交する方向における正反射方向近傍における散乱度合を特定する情報を異方性情報とした。しかし、異方性情報はこの構成に限らない。例えば、複数の正反射光の反射強度から構成される情報でもよいし、複数の光沢写像性の情報や複数の反射ヘイズから構成される情報を異方性情報としてもよい。正反射光の反射強度は、20度正反射光沢度でも、60度正反射光沢度でも、他の角度でもよい。また、正反射光の反射強度が最大となる方位角と、これに直交する方向に限らない。例えば、1度間隔の360度方位の情報でもよい。また、異方性情報は、照明の方向と観察方向を所定の方位角、仰角についてサンプリングしたBRDF(双方向反射率分布関数)による値でもよい。また、実施形態では、記録ヘッドを記録媒体に対して相対的に移動させて画像を記録する構成を説明したが、記録媒体を記録ヘッドに対して相対的に移動させて画像を記録する構成でもよい。
また、実施形態では、記録材を吐出する時間差の制御を凹凸形成材に適用しない構成について説明したが、凹凸形成材に適用してもよい。例えば、曲率が方向によって大きく異なる凹凸形状を形成する場合、積層構造の各層を複数パスで記録するようにし、同一パスで記録する領域の長軸方向が、曲率の小さい方向に一致するようにパス分解を行う。この構成によれば、曲率の小さい方向の凹凸が小さく、曲率の大きい方向の凹凸が大きくなり、より大きな異方性再現が可能となる。
また、本発明は、凹凸形状を有する構造体を形成する機能を備えない画像記録装置にも適用できる。この場合、あらかじめ凹凸形状を有する構造体が形成された記録媒体に、異方性情報に基づいて記録材を吐出する時間差を制御して色と光沢を記録する。または、凹凸形状を有する構造体を形成せずに記録材を吐出する時間差を制御した色と光沢の記録のみで異方性を再現するように構成する。また、パス数や積層数、パス分解パターンのサイズや、パッチの形状などは、実施形態の構成に限らない。また、記録材の種類も実施形態の構成に限らない。淡色インクや、メタリック、赤、緑、薄橙などの特色を備える構成でもよい。
また、実施形態では、吐出信号の生成までをホストで実行し、吐出信号に基づく記録処理を画像記録部で実行する構成について説明したが、処理工程の分担はこの構成に限らない。記録材分解部1604による記録材の量を特定する信号C,M,Y,K,Sを算出する処理までをホストで実行し、パスマスクの生成処理やハーフトーン処理以降を画像記録装置で実行するようにしてもよい。さらには全ての処理を画像記録装置で実行するように構成してもよい。また、色・光沢変換部1603や記録材分解部1604の処理は、形状データ生成部1602で生成した形状データに応じて変更してもよい。例えば、形状データに応じて、色変換テーブルや色分解テーブルを切り替えるようにしてもよいし、形状データに応じて出力信号を補正してもよい。これらの構成によれば、形状による色や光沢の変化の影響を抑制できる。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
入力部・・・・・・・・・603
異方性情報取得部・・・1601
パス分解信号生成部・・1606
パスマスク生成部・・・1607
吐出信号生成部・・・・1608
画像記録処理部・・・・1609

Claims (16)

  1. 異方性を再現する画像を表す画像データを生成する画像処理装置であって、
    異方性情報を有する画像データの入力を受け付ける受付手段と、
    前記異方性情報に基づき、記録材に対応する信号を生成する生成手段とを備え、
    前記生成手段は、
    第1の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第1の領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第2の領域とが、異なる平滑度となるように前記信号を生成する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、
    前記第1の方向に連続して吐出される前記記録材の吐出時間差と、前記第2の方向に連続して吐出される前記記録材の吐出時間差とを異ならせることにより、前記第1の領域と前記第2の領域とが、異なる平滑度となるように前記信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記生成手段は、
    前記記録材の吐出時間差を閾値以下にすることにより、前記第1の領域が平滑度の高い平滑領域を形成するように前記信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、
    前記異方性情報が示す異方性が大きくなることに応じて、前記平滑領域の扁平率がより大きくなるように前記信号を生成する
    ことを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記平滑領域は、記録ヘッドの同一走査で吐出される前記記録材によって形成される
    ことを特徴とする請求項3または4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記異方性情報に基づいて前記平滑領域の扁平方向を決定する決定手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記異方性情報に基づいて形状データを生成する形状データ生成手段をさらに備え、
    前記形状データ生成手段は、
    前記第1の方向に形成される第1の構造体と、前記第2の方向に形成される第2の構造体とが、入射光に対応する反射強度が前記方向に応じて異なるように前記形状データを生成し、
    前記記録手段は、
    前記構造体の上面に前記記録材を吐出する
    ことを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記平滑領域は、特定種類の記録材によって形成される
    ことを特徴とする請求項3から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 前記平滑領域は、前記画像の表層に記録される記録材によって形成される
    ことを特徴とする請求項3から7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 記録条件の設定を受け付ける受付手段をさらに備え、
    前記生成手段は、
    前記異方性情報および前記記録条件に基づいて前記記録材の吐出信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記異方性情報は、
    入射光に対応する正反射光の反射強度が最大となる方位角と、
    前記方位角における前記正反射光の反射強度である第1の正反射強度と、
    該正反射方向近傍における拡散光の反射強度である第1の反射ヘイズと、
    前記方位角とは異なる角度における前記入射光に対応する正反射光の反射強度である第2の正反射強度と、
    該正反射方向近傍における拡散光の反射強度である第2の反射ヘイズとを特定する情報を含む
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記異方性情報は、複数の光沢写像性を特定する情報を含む
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  13. 前記異方性情報は、BRDFを特定する情報を含む
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  14. 前記信号に基づいて前記記録材を記録媒体に吐出して画像を記録する記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 異方性を再現する画像を表す画像データを生成する画像処理方法であって、
    異方性情報を有する画像データの入力を受け付ける受付ステップと、
    前記異方性情報に基づき、記録材に対応する信号を生成する生成ステップとを備え、
    前記生成ステップによって、第1の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第1の領域と、前記第1の方向と異なる第2の方向に連続して吐出される前記記録材が形成する第2の領域とが、異なる平滑度となるように前記信号が生成される
    ことを特徴とする画像処理方法。
  16. コンピュータを、請求項1乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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