JP2017005181A - 電力半導体装置用冷却装置及びその製造方法 - Google Patents

電力半導体装置用冷却装置及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高信頼な冷媒流路を形成すると同時に、軽量な電力半導体装置用冷却装置を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明の電力半導体装置用冷却装置1は、電力半導体装置6が搭載される搭載面と逆側に冷却フィン3fが設けられた冷却フィンベース3と、冷却フィン3fを覆う冷却器9を備える。冷却器9は、少なくとも一部が樹脂材により構成された冷却器本体4と、冷却器本体4における冷却フィンベース3と対向する外縁部4a及び冷却器本体4における冷却フィン3fの先端(最下面3fs)と対向する収納部底4cのそれぞれに、一部が露出するように溶着された金属材2a、2bと、を有し、金属材2a、2bは、外縁部4aに対向する冷却フィンベース3の外周部及び冷却フィン3fの先端(最下面3fs)に金属接合されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力半導体装置の冷却装置に関するものである。
半導体装置の中でも電力用の半導体装置(電力半導体装置)は、産業用機器から、家電、情報端末まで幅広い機器の主電力(パワー)の制御に用いられ、特に輸送機器等においては高い信頼性が求められている。一方で、従来のシリコン(Si)を用いた半導体素子に代えて、炭化珪素(SiC)等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子を備えた半導体装置の開発が進められており、電力半導体装置の高パワー密度化と高温動作化が進んでいる。
電力半導体装置においては、電力制御は三相交流電力の電圧、周波数を制御することで実施され、これはIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子のスイッチング動作によって行われる。この際、スイッチング動作によって半導体素子が発熱する。そのため、電力半導体装置には、排熱を促進して半導体素子(発熱体)の過熱を防止する冷却装置が備えられている。そして、電力半導体装置は近年小型化や軽量化の要求が厳しくなっており、冷却装置についても小型化、軽量化が求められている。
一般的に、電力半導体装置は冷却フィンベースと冷却器の間がOリングなどのシール部材で封止されている(例えば特許文献1)。この方法では、封止部からの冷媒(液体または気体)の漏れを防ぐには、シール部材が冷却フィンベースと冷却器に密着する必要がある。前述のOリングで封止する場合には、多くの場合、冷却フィンベースと冷却器がボルト締結され、その締め付け力によって密着される。高い耐圧が必要となる場合には、締め付け力によって変形した冷却フィンベースに追随して冷却器も変形する程密着させる必要がある。また、Oリングが冷却フィンベースと冷却器に密着するために、平面を出すための機械加工が必要であった。しかし、多くの場合、冷却フィンベースと冷却器は剛性の高い材料を用い、剛性の高い構造になっており、両者を追随して変形させるのは困難であった。
特開2012−146759号公報(段落0027〜0029、図4) 特開2004−296748号公報(段落0030〜0033、図10)
電力半導体装置に用いる冷却装置を軽量化する手段としては、冷却装置の流路形成部材を樹脂材とすることが挙げられる(例えば特許文献2)。特許文献2の冷却装置では、冷却フィンが一体成形されたケースに流路を形成する流路形成部材が配置され、ケースの底面を塞ぐ蓋とケースの間がシール部材(例えば圧縮性の高いゴム部材)で封止されている。この方法では、ケースと蓋との封止部からの冷媒(液体または気体)漏れを防ぐには、シール部材が蓋とケースに密着する必要がある。通常、蓋とケースを接続するにはボルト締結され、その締め付け力によって蓋とケースは密着されている。
高圧の冷媒を流す場合は高い耐圧が必要となる。この場合には、締め付け力によって変形した蓋に追随してケースも変形させて密着させる必要がある。また、蓋とケースの密着性を高めるために、蓋及びケースの封止部において平坦性を高めるための機械加工が必要であった。蓋およびケースが剛性の高い金属材で構成される場合、両者を追随して変形させるのは困難であり、剛性の低い樹脂材で構成される場合にはボルトの締め付け力により樹脂材が破損する懸念がある。以上の理由から、特許文献2の冷却装置では、電力半導体装置用の冷却装置を軽量化するにあたって、蓋とケースとの間を高信頼に封止するという点で問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、高信頼な冷媒流路を形成すると同時に、軽量な電力半導体装置用冷却装置を得ることを目的としている。
本発明の電力半導体装置用冷却装置は、電力半導体装置が搭載される搭載面と逆側に冷却フィンが設けられた冷却フィンベースと、冷却フィンを覆う冷却器を備える。冷却器は、少なくとも一部が樹脂材により構成された冷却器本体と、冷却器本体における冷却フィンベースと対向する外縁部及び冷却器本体における冷却フィンの先端と対向する収納部底のそれぞれに、一部が露出するように溶着された金属材と、を有し、金属材は、外縁部に対向する冷却フィンベースの外周部及び冷却フィンの先端に金属接合されている。
本発明の電力半導体装置用冷却装置は、冷却器本体に一部が露出するように溶着された金属材と冷却フィンベースとを金属接続したので、冷媒流路が冷却フィンと冷却器本体との間に形成でき、軽量であり、かつ冷媒流路の漏れ防止信頼性を高くすることができる。
本発明の実施の形態1による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図1の電力半導体装置用冷却装置及び電力半導体装置の上面図である。 図1の冷却器の上面図である。 図1の冷却器の断面図である。 図1の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。 図1の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。 図1の電力半導体装置用冷却装置に電力半導体装置を搭載する工程を説明する図である。 図1の電力半導体装置用冷却装置に電力半導体装置を搭載する工程を説明する図である。 図1の他の冷却器の上面図である。 本発明の実施の形態1による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図10の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。 本発明の実施の形態2による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図12の冷却器の断面図である。 図12の冷却器の製造工程を説明する図である。 図12の他の冷却器における金属材及び溝部を示す拡大図である。 本発明の実施の形態3による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 本発明の実施の形態4による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図17の冷却器の上面図である。 本発明の実施の形態4による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図19の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。 図19の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。 図17の他の冷却器の上面図である。 本発明の実施の形態5による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図23の冷却器の断面図である。 図23の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。 図23の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。 本発明の実施の形態6による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 本発明の実施の形態7による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 本発明の実施の形態7による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。 図29の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。 図29の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による電力半導体装置用冷却装置の断面図であり、図2は図1の電力半導体装置用冷却装置及び電力半導体装置の上面図である。図3は図1の冷却器の上面図であり、図4は図1の冷却器の断面図である。電力半導体装置用冷却装置1は電力半導体装置6を冷却する冷却装置である。電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィンベース3と冷却器9を備える。電力半導体装置6は、放熱グリース7を介して冷却フィンベース3に搭載され、ボルト8で冷却フィンベース3に固定される。冷却器9は、冷却器本体4と、冷却器本体4の所定の位置に設けられた溝部4mに溶着された金属材2a、2bを備える。冷却フィンベース3と冷却器9は、接合材5により金属接合されている。冷却フィンベース3と冷却器9とが接合材5で金属接合されることにより、冷媒が流れる複数の冷媒流路1Rが、冷媒漏れを防止するように冷却器9に形成される。なお、図1〜4に、冷媒の入力管及び出力管は省略した。
冷却器本体4は、冷却フィンベース3の冷却フィン3fが収納される収納部4bと、収納部4bの開口から外側に延伸した外縁部4aを有する。外縁部4aに設けられた溝部4mに金属材2aが溶着され、収納部4bにおける収納部底4cに設けられた溝部4mに金属材2bが溶着される。金属材2aは、例えば図2、図3に示すように、矩形状に連続している。金属材の符号は、総括的に2を用い、区別する場合に2a、2bを用いる。適宜、外縁部4aに配置された金属材2aは外縁部金属材と称し、収納部底4cに配置された金属材2bは収納部金属材と称する。
電力半導体装置6は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、SBD(Schottky Barrier Diode)、FWD(Free Wheeling Diode)等の半導体素子が実装された基板がケースに収められ、内部を絶縁性の樹脂材で満たされた構造をとる。基板としては、絶縁性を有するセラミックの基材に電気導電性と熱伝導性に優れた銅(Cu)、銅合金、アルミニウム(Al)等の金属配線パターンを形成したものや、前記金属製のリードフレームと称される板材や、前記金属製の矩形状ブロックなども適用可能である。
電力半導体装置6で発生した熱は、放熱グリース7を介して冷却フィンベース3および冷却フィンベース3に設けられた冷却フィン3fに伝わり、冷媒流路1Rを流れる冷媒に放熱する。冷却フィン3fはアルミニウムや銅といった熱伝導率の高い金属で構成され、鋳造加工などにより冷却フィンベース3と一体で成形される。冷却器本体4は樹脂材から構成されており、金属材で構成した場合よりも軽量化が図られている。また、所定の位置に金属材2がインサート成形によって、一部が露出して内包されている。金属材2の露出部と冷却フィンベース3とを接合材5によって金属接合することによって、ボルト締結なしで、電力半導体装置用冷却装置1における高耐圧な封止が達成される。
ここで、接合材5は強固な金属接合を行うために、はんだ等のろう材や、金属粒子を含有する焼結材を想定している。さらに、本発明の特徴的な部分は、冷却フィン3fの先端(最下面3fs)が、冷媒流路1Rを形成する冷却器本体4の底面(収納部底4c)の一部に内包された金属材2bに金属接合したことである。このようにすることで、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1は、冷媒が冷却フィン3fの最下面3fsよりも下方を流れることがなく、放熱グリース7を介して電力半導体装置6の熱が流入する冷却フィンベース3が積極的に冷却されるので、冷却フィン3fの放熱性能を最大限に高めることができる。
図1では、冷却フィン3fが4つあり、冷媒流路1Rが5つ形成された電力半導体装置用冷却装置1の例を示した。図2は、電力半導体装置用冷却装置1に電力半導体装置6を組み付けた状態を示す上面図である。図2ではボルト8の配置を電力半導体装置6の4隅としているが、この配置に限らない。たとえば、電力半導体装置6の外周4辺の中央部に配置してもよい。また、ボルト8の本数についても4本に限定するものではなく、4本以上あってもよい。ただし、ボルト締結した際に、放熱グリース7に均等に荷重がかかるような配置及び本数が望ましい。
図5〜図8を用いて、電力半導体装置用冷却装置1の製造工程の概略、および電力半導体装置用冷却装置1への電力半導体装置6の搭載工程の概略を説明する。図5、図6は、図1の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。図7、図8は、図1の電力半導体装置用冷却装置に電力半導体装置を搭載する工程を説明する図である。事前に、冷却器形成工程にて、金属材2a、2bを所定の位置に配置し、インサート成形によって一部が露出するように金属材2a、2bを樹脂材で覆い、冷却器9を形成する。金属材2aは冷却フィンベース3と対向する外縁部4aに一部が露出するように配置され、金属材2bは冷却フィン3fの先端(最下面3fs)と対向する収納部底4cに一部が露出するように配置される。
次に、図5に示す接合材塗布工程では、金属材2a、2bの所定の位置に接合材5をスクリーン印刷法やディスペンサー塗布により供給する。図6に示す接合工程では、接合材5上に、冷却フィンベース3を配置し、接合材5の融点以上に加熱した後に冷却することで金属材2a、2bと冷却フィンベース3を金属接合する。この接合工程により、電力半導体装置用冷却装置1に複数の冷媒流路1Rが完成する。複数の冷媒流路1Rは、接合工程により、冷却器9を用いて封止され、冷媒漏れを防止するように形成される。この接合工程の際に、リフロー炉などを用いて加熱しても良いが、高周波電流による誘導加熱を用いると、金属からなる金属材2a、2bおよび冷却フィンベース3が選択的に発熱し、樹脂からなる冷却器本体4は発熱しないので、省エネルギーで金属材2a、2bと冷却フィンベース3とを接合することができる。また、接合工程における冷却器本体4への入熱量を減らせるので、過加熱によって冷却器本体4を構成する樹脂材が劣化するのを防ぐことができる。そして、金属材2a、2b、冷却フィンベース3のいずれか、もしくは両方を磁性体で構成することで、さらに効率的に金属材2a、2bと冷却フィンベース3を加熱し、金属材2a、2bと冷却フィンベース3とを接合することができる。以上で、電力半導体装置用冷却装置1が完成する。
次に、電力半導体装置用冷却装置1への電力半導体装置6の搭載工程(組み付け方法)について説明する。図7に示す放熱グリース塗布工程では、冷却フィンベース3の所定の位置に放熱グリース7をスクリーン印刷法やディスペンサー塗布により供給する。図8に示す電力半導体装置配置工程では、冷却フィンベース3上の放熱グリース7の所定の位置に電力半導体装置6を配置する。そして、最後にボルト締結工程で電力半導体装置6と冷却フィンベース3をボルト8で締結する。このようにして、電力半導体装置用冷却装置1への電力半導体装置6の搭載(組み付け)が完了する。電力半導体装置6が搭載された電力半導体装置用冷却装置1は、図1に示した通りである。
次に、金属材2の形状について説明する。図3は、図5の接合材塗布工程において、接合材5を供給する前の状況を上方から見た図である。金属材2のうち、冷媒流路1Rを封止するために冷却フィンベース3に接合される金属材2aは、図3に示すようにコーナーを直角とする形状でも良いし、図9に示すように、コーナーを一定の半径で丸めた形状であっても良い。ただし、電力半導体装置用冷却装置1が完成した際に、冷却フィン3fを水平面内で囲むように金属材2aが形成されていなければならない。図9は、図1の他の冷却器の上面図である。また、金属材2bは、例えば矩形状である。
金属材2の断面方向の形状については、図1に示すように、矩形状であっても良い。また、電力半導体装置用冷却装置1の耐圧性をさらに向上する他の形状でも良い。図10は本発明の実施の形態1による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。図11は図10の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図であり、図10の破線で示した領域41の拡大図である。図10、図11を用いて、電力半導体装置用冷却装置1の耐圧性をさらに向上する金属材2の断面方向の形状について述べる。冷媒流路1Rに冷媒を流すと、冷媒圧力によって、冷却フィンベース3に図10に示すように上方への力3SAが働く。この力3SAによって、冷却フィンベース3に金属接合されている金属材2a、2bにも同じ方向の力が働く。この力3SAは、金属材2a、2bを冷却器本体4から脱離させる方向に働く。
金属材2a、2bは冷却器本体4にインサート成形される際に、冷却器本体4に溶着されているので、容易に冷却器本体4から脱離することはない。しかし、金属材2a、2bの形状を図11に示すような形状にすることで、さらに脱離しにくくなり、冷媒流路1Rをさらに高耐圧に封止することができる。図11に示すように、金属材2aの最下面の幅2lwを最上面の幅2uwよりも大きくすることで、すなわち、テーパ形状の側面(勾配を付けた側面)を有することで、前記力3SAが作用した場合に、金属材2aの側面2sには力3SAと逆方向への力2saが働く。この力2saによって、金属材2aが冷却器本体4から脱離することを防止できる。なお、金属材2aを例にして力2saの作用を説明したが、金属材2bについても同様にテーパ形状の側面(勾配を付けた側面)を有することで、力2saによって、金属材2bが冷却器本体4から脱離することを防止できる。
冷却器本体4を構成する樹脂材について説明する。図6に示す接合工程において、冷却器本体4を構成する樹脂材が加熱により溶融すると、冷却器本体4に内包されていた金属材2が冷却器本体4に対して位置ずれし、金属材2と冷却フィンベース3の接合面積が減少し、電力半導体装置用冷却装置1の耐圧性が低下する懸念がある。そこで、冷却器本体4を構成する樹脂材の融点は接合材5の融点よりも高いことが望ましい。樹脂材は熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも良く、融点以外に、冷媒の種類や冷媒温度、接合材5に含まれるフラックスなどの有機成分等を考慮して選定される。熱可塑性樹脂であれば、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)などが挙げられる。熱硬化性樹脂であれば、例えば、PF(フェノール樹脂)、UF(ユリア樹脂)、MF(メラミン樹脂)、UP(不飽和ポリエステル)、EP(エポキシ樹脂)、SI(シリコン樹脂)、PUR(ポリウレタン)などが挙げられる。
本実施の形態では、樹脂材で構成される冷却器本体4に一部が露出する形で内包された金属材2と冷却フィンベース3および冷却フィン3fを接合材5で金属接合することで、電力半導体装置用冷却装置1の冷却能力を最大限に高め、かつ冷媒流路1Rを高信頼に封止できると同時に、電力半導体装置用冷却装置1の軽量化が実現できる。また、金属材2a、2b、冷却フィンベース3のいずれか、もしくは両方を磁性体で構成することで、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1は、さらに効率的に金属材2a、2bと冷却フィンベース3を加熱し、金属材2a、2bと冷却フィンベース3と接合することができ、低コストで高信頼な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
以上のように、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1は、電力半導体装置6が搭載される搭載面と逆側に冷却フィン3fが設けられた冷却フィンベース3と、冷却フィン3fを覆う冷却器9を備える。実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器9が、少なくとも一部が樹脂材により構成された冷却器本体4と、冷却器本体4における冷却フィンベース3と対向する外縁部4a及び冷却器本体4における冷却フィン3fの先端(最下面3fs)と対向する収納部底4cのそれぞれに、一部が露出するように溶着された金属材2a、2bと、を有し、金属材2a、2bが、外縁部4aに対向する冷却フィンベース3の外周部及び冷却フィン3fの先端(最下面3fs)に金属接合されていることを特徴とする。実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1は、この特徴により、冷媒流路1Rが冷却フィン3fと冷却器本体4との間に形成でき、軽量であり、かつ冷媒流路1Rの漏れ防止信頼性を高くすることができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1と異なる電力半導体装置用冷却装置1の製造方法について説明する。実施の形態1では、冷却器9は、所定の位置に金属材2を内包してインサート成形される例を述べた。しかし、金属材2は冷却器本体4の所定の位置に設けられた4mに勘合させ、溶着しても良い。そのようにすることで、金属材2における冷却フィンベース3及び冷却フィン3fとの接合面(露出部)に、インサート成形の際の樹脂が付着する懸念が無くなる。したがって、金属材2を冷却フィンベース3に高信頼に接合できる。
図12は本発明の実施の形態2による電力半導体装置用冷却装置の断面図であり、図13は図12の冷却器の断面図である。図14は図12の冷却器の製造工程を説明する図である。実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1の製造方法を、図13、14を用いて説明する。まず、図14に示す金属材嵌合工程では、冷却器本体4の所定の位置に設けられた溝部4mに金属材2a、2bを勘合する。次に、金属材溶着工程では、金属材2a、2bと冷却器本体4を加熱し、金属材2a、2bと冷却器本体4の接触部を溶着し、溶着部24Y(図13の太線部)を形成する。このように、図13に示した冷却器9が完成する。この金属材溶着工程の際に、リフロー炉などを用いて加熱しても良いが、高周波電流による誘導加熱を用いると、金属からなる金属材2a、2bが選択的に発熱し、樹脂からなる冷却器本体4は発熱しないので、省エネルギーで金属材2a、2bと冷却フィンベース3を溶着することができる。また、金属材溶着工程における冷却器本体4への入熱量を減らせるので、過加熱によって冷却器本体4を構成する樹脂材が劣化するのを防ぐことができる。それ以降は、実施の形態1で説明した接合材塗布工程、接合工程と同様である。また、実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1の製造方法は、金属材溶着工程の加熱温度と接合工程の加熱温度を同じにすることができる。すなわち、実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1の製造方法は、金属材2a、2bと冷却器本体4の溶着(金属材溶着工程)と、金属材2a、2bと冷却フィンベース3の接合(接合工程)を同時に行い、製造時間を短縮することも可能である。
この方法で高耐圧な封止を行うためには、溝部4mに金属材2a、2bを隙間なく勘合し、金属材2a、2bと溝部4mを隙間なく溶着することが重要である。隙間なく勘合する方法として、例えば、図15に示すように溝部4mの側面4msと金属材2の側面2sに勾配を付ける方法がある。図15は、図12の他の冷却器における金属材及び溝部を示
す拡大図であり、勾配を付けた場合の図14の破線で示した領域42の拡大図である。溝部4mの底部に対する4mの側面4msの勾配と金属材2a、2bの最下面に対する金属材2a、2bの側面2sの勾配を等しくした上で、溝部4mの寸法と金属材2a、2bの寸法を、式(1)と式(2)が同時に成り立つようにすることで、溝部4mと金属材2a、2bを隙間なく密着させ、溶着することができる。溝部4mの底部の幅を幅4mlw、溝部4mの最上部の幅を幅4muwとし、金属材2a、2bの最下面の幅を幅2lw、金属材2a、2bの最上面の幅を幅2uwとする。溝部4wの深さを深さ4mhとし、金属材2a、2bの厚さを厚さ2hとする。
4mh ≦ 2h ・・・(1)
2lw < 4mlw < 2uw < 4muw ・・・(2)
ただし、4mlwは2lwに比べて0.1〜0.5mm、4muwは2uwに比べて0.1〜0.5mm、大きい程度である。なお、図15では金属材2aを例にして溝部4mの寸法と金属材2aの寸法を記載したが、金属材2bについても同様である。
この製造方法においては、金属材2a、2bを冷却器本体4の溝部4mに勘合後に溶着するため、冷却器本体4を構成する樹脂材は熱可塑性樹脂であることが望ましい。溶着する際は、溝部4mと金属材2a、2bの隙間を溶けた樹脂が埋める程度の加熱で良い。
実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2a、2bを冷却器本体4の溝部4mに勘合する際に、確実に溝部4mと金属材2a、2bを面接触させることができ、冷却器本体4と金属材2a、2bとの溶着面積を増大させることができる。したがって、実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4と金属材2a、2bとの接着強度が向上し、結果として、高信頼な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
以上のように、実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1は、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1と同様に、樹脂材で構成される冷却器本体4に一部が露出する形で内包された金属材2と冷却フィンベース3および冷却フィン3fを接合材5で金属接合することで、電力半導体装置用冷却装置1の冷却能力を最大限に高め、かつ冷媒流路1Rを高信頼に封止できると同時に、電力半導体装置用冷却装置1の軽量化が実現できる。また、実施の形態2の電力半導体装置用冷却装置1は、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1の冷却器9の製造の際に樹脂が付着する懸念がないので、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1よりも金属材2a、2bを冷却フィンベース3に高信頼に接合できる。
実施の形態3.
上述した実施の形態1及び2においては、冷却フィンベース3の冷却フィン3fの先端を冷却器9の冷媒流路1Rを形成する面の一部に内包された金属材2a、2bに金属接合し、冷却フィン3fの放熱性能を最大限に高めると同時に、電力半導体装置用冷却装置1を軽量化する方法について説明した。
本実施の形態では、実施の形態1及び2に比べてさらに軽量化を実現する方法について説明する。なお、本実施の形態の特徴的な部分は、冷却器本体4と金属材2bの形状にあり、それ以外の構成、および電力半導体装置用冷却装置1の製造方法、および電力半導体装置用冷却装置1への電力半導体装置6の組み付け方法は実施の形態1と同様である。そこで、冷却器本体4と金属材2bの形状に特化して説明する。
図16に、本実施の形態にかかる電力半導体装置用冷却装置1の断面図を示す。実施の形態3の電力半導体装置用冷却装置1は冷却フィンベース3と冷却器9を備え、冷却器9は冷却器本体4の所定の位置に設けられた溝部4mに溶着された金属材2a、2bを備える。冷却フィンベース3と冷却器9は、接合材5により金属接合されている。図16では、冷却フィンベース3の冷却フィン3fが4つあり、金属材2bが冷却フィン3fと同数の4つある例を示した。
実施の形態1と異なる点は、冷却フィン3fの最下面3fsが接合される金属材2bを冷却フィン3fごとに分割した点である。このようにすることで、冷媒が冷却フィン3fの最下面3fsよりも下方を流れるのを防ぎつつ、電力半導体装置用冷却装置1における樹脂材で構成される部分の比率を増加させることができる。また、実施の形態3の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2の使用量を必要最小限にすることができる。したがって、実施の形態3の電力半導体装置用冷却装置1は、電力半導体装置用冷却装置1をさらに軽量化することができる。
以上のように、実施の形態3の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィン3fの最下面3fsが接合される金属材2bを冷却フィン3fごとに分割することで、実施の形態1の電力半導体装置用冷却装置1よりも軽量な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
実施の形態4.
上述した実施の形態1〜3においては、冷却器本体4に一部を露出して内包した金属材2と冷却フィンベース3を接合材5で金属接合することで、冷媒流路1Rを封止する方法について説明した。本実施の形態では、金属材2の構造を工夫することで、電力半導体装置用冷却装置の耐圧性をさらに向上させる方法について説明する。なお、本実施の形態の特徴的な部分は、金属材2の構造にあり、電力半導体装置6および、放熱グリース7、ボルト8に係る事項、および、電力半導体装置用冷却装置1の製造方法に係る事項は実施の形態1〜3と同様である。そこで、金属材2の構造に関する構成以外の部分については、説明を省略し、金属材2の構造に特化して説明する。
図17は本発明の実施の形態4による電力半導体装置用冷却装置の断面図であり、図18は図17の冷却器の上面図である。実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は冷却フィンベース3と冷却器9を備え、冷却器9は冷却器本体4の所定の位置に設けられた溝部4m及び冷媒流路1Rを形成する冷却器本体4の全面に溶着された金属材2を備える。冷却フィンベース3と冷却器9は、接合材5により金属接合されている。本実施の形態の特徴的な点は、金属材2が溝部4mに溶着された外縁厚部2c、収納厚部2dと一続きの金属材であり、冷媒流路1Rを構成する冷却器本体4の全面に溶着するようにインサート成形した点である。
金属材2は、本体部2eと、冷却器本体4の外縁部4aに配置され、冷却フィン3fの延伸方向(図17において下方向)に厚く形成された外縁厚部2cと、冷却器本体4の収納部底4c(図4参照)に配置され、冷却フィン3fの延伸方向(図17において下方向)に厚く形成された収納厚部2dとを有する。外縁厚部2cは外縁部4aの溝部4mに溶着され、収納厚部2dは収納部底4cの溝部4mに溶着され、外縁厚部2c及び収納厚部2d以外の本体部2eは、冷媒流路1Rを構成する冷却器本体4の全面に溶着される。
冷媒流路1Rに冷媒を流した場合、冷媒から受ける圧力によって、冷却フィンベース3に対して図17に示す力3SAが矢印の方向に働く。この力3SAによって、冷却フィンベース3と接合材5で金属接合された金属材2には、溝部4mから金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dが引き抜かれる方向に力3SAが働くこととなる。そこで、溝部4mに金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dを溶着し、加えて、冷媒流路1Rを形成する冷却器本体4の全面に金属材2の本体部2eを溶着することで、金属材2と冷却器本体4との溶着面積が増えるので、実施の形態1〜3の電力半導体装置用冷却装置1に比べて、さらに耐圧性を向上した電力半導体装置用冷却装置を得ることができる。
また、図17のように金属材2を、溝部4mに溶着された金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dを本体部2eにより一続きになった構造にすることによって、冷媒流路1Rの底面に位置する金属材2の収納厚部2d、本体部2eには図17に示す力3SBが矢印の方向に働く。この力3SBが力3SAを相殺するため、結果として、溝部4mから金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dが引き抜かれるのを防ぐことができる。金属材2の形状を図19に示すような形状にすることで、さらに脱離しにくくなり、冷媒流路1Rをさらに高耐圧に封止することができる。
図19は本発明の実施の形態4による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。図20、図21は図19の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。図20に図19の破線で示した領域43の拡大図を示し、図21に図19の破線で示した領域44の拡大図を示す。金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dにおける各最下面の幅2lwを最上面の幅2uwよりも大きくすることで、力3SAが作用した場合に、金属材2の外縁厚部2c、収納厚部2dにおける側面2sには力3SAと逆方向への力2saが働く。この力2saによって、図19に示した実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2が冷却器本体4から脱離することを防止できる。
また、金属材2を、冷媒流路1Rを構成する冷却器本体4の全面に溶着するようにインサート成形したことで、冷却器本体4に冷媒が接触しないので、冷却器本体4を構成する樹脂材が冷媒によって劣化するのを防ぐことができる。
図18は、金属材2をインサート成形した冷却器9の上面図である。金属材2の上面形状は図18に示すようにコーナー部を直角とする形状であっても良いし、図22に示すようにコーナー部を一定の半径で丸めた形状でも良い。ただし、電力半導体装置用冷却装置1が完成した際に、冷却フィン3fを水平面内で囲むように金属材2が形成されていなければならない。図22は、図17の他の冷却器の上面図である。
上記では、冷却器本体4にインサート成形によって金属材2を内包する方法について述べたが、この方法に限らず、例えばメッキなどによって金属材2を冷却器本体4に付設しても構わない。その場合にも、上記図19〜図21に示したような構造に金属材2をメッキすることで、電力半導体装置用冷却装置1の耐圧性をさらに向上させることができる。
実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2と冷却器本体4との溶着面積を最大限にすることができる。したがって、実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2と冷却器本体4との接着強度を最大限にすることができ、冷媒流路1R内の冷媒圧力によって金属材2が冷却器本体4から引き抜かれるのを防止できる。結果として、実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、高耐圧な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。また、実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4に冷媒が接触しないので、冷却器本体4を構成する樹脂材が冷媒によって劣化するのを防ぐことができる。
以上のように、実施の形態4の電力半導体装置用冷却装置1は、溝部4mに溶着された外縁厚部2c、収納厚部2dが設けられた一体構造の金属材2を、冷媒流路1Rを構成する冷却器本体4の全面に溶着するように冷却器9を構成し、金属材2の一部と冷却フィンベース3を接合材5で金属接合することで、電力半導体装置用冷却装置のサイズ増大を招くことなく、実施の形態1〜3の冷却装置よりも高耐圧の封止が行えると同時に、冷却装置の軽量化が実現できる。
実施の形態5.
上述した実施の形態1〜4においては、冷却器本体4に一部が露出して内包された金属材2と冷却フィンベース3を接合材5で金属接合し、封止された冷媒流路1Rを形成する方法について説明した。本実施の形態では、実施の形態1〜4に比べて低コストで、簡便に電力半導体装置用冷却装置を製造する方法について説明する。なお、本実施の形態の特徴的な部分は、冷却器9の構造と電力半導体装置用冷却装置1の製造方法にあり、冷却フィン3fを含む冷却フィンベース3、電力半導体装置6および、放熱グリース7、ボルト8に係る事項は実施の形態1〜4と同様である。そこで、冷却器9の構造と電力半導体装置用冷却装置1の製造方法に特化して説明する。
図23は本発明の実施の形態5による電力半導体装置用冷却装置の断面図であり、図24は図23の冷却器の断面図である。実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は冷却フィンベース3と冷却器9を備え、冷却器9は冷却器本体4の所定の位置にインサート成形により内包された金属材2a、2bを備える。冷却フィンベース3と冷却器9は、冷却器本体4を構成する樹脂材によって溶着されている。
冷却フィンベース3における外縁部金属材2aと対向する部分は、冷却器本体4における金属材2aの上部で、すなわち冷却器本体4と冷却フィンベース3が接触する箇所およびその周辺で、冷却器本体4と溶着し溶着部34Y(図23の太線部)が形成されている。同様に、冷却フィンベース3における冷却フィン3fの先端は、冷却器本体4における金属材2bの上部で、すなわち冷却器本体4と冷却フィン3fが接触する箇所およびその周辺で、冷却器本体4と溶着し溶着部34Y(図23の太線部)が形成されている。
実施の形態1〜4と異なる点は、接合材5を用いずに冷却器9と冷却フィンベース3とを溶着して冷媒流路1Rを形成した点と、接合材5を用いずに冷却器9と冷却フィンベース3の冷却フィン3fの先端とを溶着して、冷媒が冷却フィン3fの先端よりも下方を流れることを防止した点である。実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4の樹脂材によって溶着されているので、実施の形態1〜4の電力半導体装置用冷却装置1と同様に、冷却フィン3fの放熱性能を最大限に高めことができる。また、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4の樹脂材によって溶着されているので、高価な接合材5(はんだ等のろう材や、金属粒子を含有する焼結材を想定)を用いずに、電力半導体装置用冷却装置1を製造することができ、電力半導体装置用冷却装置1を低コスト化できる。
図25、図26は、図23の電力半導体装置用冷却装置の製造工程を説明する図である。図25、図26を用いて、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1の製造工程の概略を説明する。事前に、冷却器形成工程にて、金属材2a、2bを所定の位置に配置し、インサート成形によって金属材2a、2bを樹脂材で覆い、冷却器9を形成する。金属材2aは冷却フィンベース3と対向する外縁部4aに配置され、金属材2bは冷却フィン3fの先端(最下面3fs)と対向する収納部底4cに配置される。次に、図25に示す冷却フィンベース搭載工程では、冷却器9の所定の位置に冷却フィンベース3を搭載する。次に、図26に示す溶着工程で、高周波電流による誘導加熱を用いて金属材2a、2bおよび冷却フィンベース3を加熱し、金属材2a、2bの上部で、すなわち冷却器本体4と冷却フィンベース3が接触する箇所およびその周辺で、冷却器本体4とを溶着させて溶着部34Y(図26の太線部)を形成する。
そして、金属材2a、2b、冷却フィンベース3のいずれか、もしくは両方を磁性体で構成することで、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、溶着部34Yが形成される部分を効率的に加熱でき、冷却器9と冷却フィンベース3とを溶着することができる。また、冷却フィンベース3よりも熱容量の小さい金属材2a、2bのみを磁性体にすれば、効率的かつ省エネルギーで溶着することができる。冷却器本体4を構成する樹脂材は、容易に溶着が可能な熱可塑性樹脂が望ましい。このようにすることで、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4を構成する樹脂材よりも高価な接合材5(はんだ等のろう材や、金属粒子を含有する焼結材)を用いずに低コストで冷媒流路1Rを形成することができる。実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、高価な接合材5を用いなので、材料コストを低減することができる。また、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、接合材5を供給する工程を省略でき、電力半導体装置用冷却装置の製造工程を簡略化できる。したがって、接合材5を供給する工程を省略できるため、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、実施の形態1〜4の電力半導体装置用冷却装置1に比べて、簡便に冷媒流路1Rを形成することができる。
以上のように、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4に金属材2a、2bを内包し、金属材2a、2bの上部における冷却器9と冷却フィンベース3が接触する箇所およびその周辺で、冷却器9と冷却フィンベース3とを溶着し、接合材5を用いずに冷媒流路1Rを形成することで、実施の形態1〜4の電力半導体装置用冷却装置1よりも低コストで、簡便に電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
実施の形態6.
図27は、本発明の実施の形態6による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。実施の形態6の電力半導体装置用冷却装置1は、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1における金属材2bを分割し、複数の金属材2bを有する冷却器9を備えた例である。図27に示すように、冷却フィン3fの先端と溶着する金属材2bを、冷却フィン3fごとに分割することで、電力半導体装置用冷却装置1における樹脂材で構成される部分の比率を増加させることができる。また、実施の形態6の電力半導体装置用冷却装置1は、金属材2の使用量を必要最小限にすることができる。したがって、実施の形態6の電力半導体装置用冷却装置1は、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1に比べて、さらに軽量化することができる。図27では、冷却フィンベース3の冷却フィン3fが4つあり、金属材2bが冷却フィン3fと同数の4つある例を示した。
以上のように、実施の形態6の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィン3fの最下面3fsが接合される金属材2bを冷却フィン3fごとに分割することで、実施の形態5の電力半導体装置用冷却装置1よりも軽量な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
実施の形態7.
上述した実施の形態5、6においては、冷却器本体4に金属材2a、2bを内包し、金属材2a、2bの上部における冷却器9と冷却フィンベース3が接触する箇所およびその周辺で、冷却器9と冷却フィンベース3とを溶着し、接合材5を用いずに冷媒流路1Rを形成することで、低コストかつ簡便に電力半導体装置用冷却装置を実現できる方法を示した。本実施の形態では、実施の形態5、6に比べてさらに簡便に電力半導体装置用冷却装置を製造する方法について説明する。なお、本実施の形態の特徴的な部分は、冷却フィンベース3と冷却器本体4の構造、および電力半導体装置用冷却装置1の製造方法にあり、電力半導体装置6および、放熱グリース7、ボルト8に係る事項は実施の形態1〜6と同様である。そこで、冷却フィンベース3、冷却器本体4の構造と電力半導体装置用冷却装置1の製造方法に特化して説明する。本実施の形態では、冷却フィンベース3、冷却器本体4の構造を工夫することで、実施の形態5、6に比べて、電力半導体装置用冷却装置の製造工程を簡略化する方法について説明する。
図28は、本発明の実施の形態7による電力半導体装置用冷却装置の断面図である。実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷媒流路1Rを具備した冷却フィンベース3と、冷却器9を備え、冷却フィンベース3が冷却器9の冷却器本体4に設けられた溝部4mを含む所定の面(冷却フィンベース3に対向する面)に溶着されている。冷却フィンベース3は、冷却器本体4の外縁部4aに設けられた溝部4mに接続する凸部3aと、冷却器本体4の収納部4bに設けられた溝部4mに接続する凸部3bと、冷却フィン3fを覆い冷媒流路1Rを形成するケース3cとを有する。冷却フィンベース3は冷媒流路1Rと一体成形されており、樹脂材から構成される冷却器本体4は、冷却フィンベース3を内包してインサート成形される。なお、実施の形態7の冷却器9は、樹脂材から構成される冷却器本体4のみである。
実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1が実施の形態5、6の電力半導体装置用冷却装置1と異なる点は、冷却器本体4を、冷却フィンベース3を内包してインサート成形したことで、両者を溶着するための加熱工程(図26に示した溶着工程)が不要となる点と、冷媒流路1Rが冷却フィンベース3に具備されているため、冷媒が冷却フィン3fの先端よりも下方を流れることを確実に防止した点である。
実施の形態5、6の電力半導体装置用冷却装置1では、冷却フィン3fの高さ(図23の高さ3fh)に公差が生じた場合に、冷却フィン3fと収納部底4cとの溶着部34Yに冷媒が滞留する隙間ができる懸念がある。この隙間ができると冷却フィン3fの放熱性能がわずかに低下してしまう。しかし、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷媒流路1Rを具備した冷却フィンベース3を内包してインサート成形したので、冷媒が冷却フィン3fの先端よりも下方を流れることを確実に防止でき、実施の形態5、6の電力半導体装置用冷却装置1よりも冷却フィン3fの放熱性能を高めことができる。また、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィンベース3を内包してインサート成形することで、冷却フィンベース3と冷却器9の溶着工程を冷却器9の成形と同時に行えるため、実施の形態5、6の電力半導体装置用冷却装置1に比べて、簡便に電力半導体装置用冷却装置1を製造することができる。
実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器9が金属材2を備えていないので、金属材2と冷却フィンベース3の間を金属接合するための高価な材料(接合材5)を用いることなく、冷却器本体4(冷却器9)を構成する材料によって冷却フィンベース3を溶着することができる。したがって、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、材料コストを低減することができる。さらに、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、接合材5を供給する工程を省略でき、電力半導体装置用冷却装置の製造工程を簡略化できる。さらに、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィンベース3と冷却器本体4(冷却器9)との溶着面積を最大限にすることができる。したがって、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却フィンベース3と冷却器本体4(冷却器9)の接着強度を最大限にすることができ、冷媒流路1R内の冷媒圧力によって冷却フィンベース3が冷却器から引き抜かれるのを防止できる。結果として、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、高耐圧な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。また、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷却器本体4(冷却器9)に冷媒が接触しないので、冷却器本体4(冷却器9)を構成する樹脂材が冷媒によって劣化するのを防ぐことができる。
また、冷却フィンベース3の形状を図29に示すような形状にすることで、電力半導体装置用冷却装置1を輸送する際に、輸送機器走行中の振動等により冷却フィン3fが冷却器9から脱離するのを防ぐことができる。図29は、本発明の実施の形態7による他の電力半導体装置用冷却装置の断面図である。図30、31は、図29の電力半導体装置用冷却装置における接合部分の拡大図である。図30に図29の破線で示した領域45の拡大図を示し、図31に図29の破線で示した領域46の拡大図を示す。図30に示すように、冷却フィンベース3の凸部3aにおける最下面の幅3lwを最上面の幅3uwよりも大きくすることで、冷却フィンベース3を冷却器本体4(冷却器9)から引き抜く方向の力3SAがかかった場合に、冷却フィンベース3における凸部3aの側面3sに3SAと逆方向への力3saが働く。この力3saによって、冷却フィンベース3が冷却器本体4(冷却器9)から脱離することを防止できる。結果として、図29に示した実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、高信頼な電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
同様に、図31に示すように、冷却フィンベース3の凸部3bにおける最下面の幅3lwを最上面の幅3uwよりも大きくすることで、冷却フィンベース3を冷却器本体4(冷却器9)から引き抜く方向の力3SAがかかった場合に、冷却フィンベース3における凸部3bの側面3sに3SAと逆方向への力3saが働く。この力3saによって、冷却フィンベース3が冷却器本体4(冷却器9)から脱離することを防止できる。
冷却器本体4(冷却器9)の樹脂材は熱可塑性樹脂でも、熱硬化性樹脂でも良く、冷媒の種類や冷媒温度を考慮して選定される。熱可塑性樹脂であれば、例えば、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)PS(ポリスチレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、AS(アクリロニトリルスチレン)、PTFE(ポリテトラフロロエチレン)などが挙げられる。熱硬化性樹脂であれば、例えば、PF(フェノール樹脂)、UF(ユリア樹脂)、MF(メラミン樹脂)、UP(不飽和ポリエステル)、EP(エポキシ樹脂)、SI(シリコン樹脂)、PUR(ポリウレタン)などが挙げられる。
以上のように、実施の形態7の電力半導体装置用冷却装置1は、冷媒流路1Rを具備して成形された冷却フィンベース3を内包して冷却器9をインサート成形することで、実施の形態5、6の電力半導体装置用冷却装置1よりも簡便に電力半導体装置用冷却装置を実現できる。
なお、上記各実施の形態においては、電力半導体装置6に搭載される、IGBTやMOSFET等のスイッチング素子や、SBDやFWD等の整流素子として機能する電力用半導体素子には、シリコンウエハを基材とした一般的な素子でも良いが、炭化珪素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)系材料、またはダイヤモンドといったシリコンと較べてバンドギャップが広い、いわゆるワイドバンドギャップ半導体材料を用いることができる。ワイドバンドギャップ半導体材料を用いて形成され、電流許容量および高温動作が可能な半導体素子を用いた電力半導体装置6を大電流で動作させたり、高温動作させる場合に、この電力用半導体素子はシリコンウエハを基材とした一般的な素子よりも排熱を促進する必要がある。本発明の電力半導体装置用冷却装置1は、特にワイドバンドギャップ半導体材料により形成された電力用半導体素子の排熱を促進して過熱を防止するのに顕著な効果が現れる。
ワイドバンドギャップ半導体によって形成されたスイッチング素子や整流素子は、シリコンで形成された素子よりも電力損失が低いため、スイッチング素子や整流素子における高効率化が可能であり、ひいては、電力半導体装置6の高効率化が可能となる。さらに、耐電圧性が高く、許容電流密度も高いため、スイッチング素子や整流素子の小型化が可能であり、これら小型化されたスイッチング素子や整流素子を用いることにより、電力半導体装置6も小型化が可能となる。電流許容量および高温動作が可能な半導体素子を用いた電力半導体装置6が小型になれば、これに装着する電力半導体装置用冷却装置は、シリコンウエハを基材とした一般的な素子を搭載した電力半導体装置に装着する電力半導体装置用冷却装置よりも小型にすることができる。したがって、ワイドバンドギャップ半導体材料により形成された電力用半導体素子を搭載した電力半導体装置6に、本発明の電力半導体装置用冷却装置1を装着すれば、電力半導体装置6と電力半導体装置用冷却装置1を備えた装置の小型化が可能になる。
また、本発明は、矛盾のない範囲内において、各実施の形態の内容を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略したりすることが可能である。
1…電力半導体装置用冷却装置、1R…冷媒流路、2、2a、2b…金属材、2c…外縁厚部(金属材厚部)、2d…収納厚部(金属材厚部)、3…冷却フィンベース、3a…凸部(第一凸部)、3b…凸部(第二凸部)、3c…ケース、3f…冷却フィン、3fs…最下面、4…冷却器本体、4a…外縁部、4c…収納部底、6…電力半導体装置、9…冷却器

Claims (19)

  1. 電力用半導体素子が搭載された電力半導体装置を冷却する電力半導体装置用冷却装置であって、
    前記電力半導体装置が搭載される搭載面と逆側に冷却フィンが設けられた冷却フィンベースと、前記冷却フィンを覆う冷却器を備え、
    前記冷却器は、
    少なくとも一部が樹脂材により構成された冷却器本体と、
    前記冷却器本体における前記冷却フィンベースと対向する外縁部及び前記冷却器本体における前記冷却フィンの先端と対向する収納部底のそれぞれに、一部が露出するように溶着された金属材と、を有し、
    前記金属材は、前記外縁部に対向する前記冷却フィンベースの外周部及び前記冷却フィンの先端に金属接合されていることを特徴とする電力半導体装置用冷却装置。
  2. 電力用半導体素子が搭載された電力半導体装置を冷却する電力半導体装置用冷却装置であって、
    前記電力半導体装置が搭載される搭載面と逆側に冷却フィンが設けられた冷却フィンベースと、前記冷却フィンを覆う冷却器を備え、
    前記冷却器は、
    少なくとも一部が樹脂材により構成された冷却器本体と、
    前記冷却器本体における前記冷却フィンベースと対向する外縁部及び前記冷却器本体における前記冷却フィンの先端と対向する収納部底のそれぞれに配置され、前記樹脂材で覆われた金属材と、を有し、
    前記金属材は、前記外縁部に対向する前記冷却フィンベースの外周部及び前記冷却フィンの先端に、前記冷却器本体の前記樹脂材によって溶着されていることを特徴とする電力半導体装置用冷却装置。
  3. 前記冷却器本体は、前記金属材の一部が露出するように前記樹脂材により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  4. 前記金属材は、前記冷却器本体に設けられた溝部に溶着されていることを特徴とする請求項1に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  5. 前記冷却フィンベースは複数の前記冷却フィンを有し、
    前記冷却器は、前記冷却器本体の前記収納部底に前記冷却フィンと同数の前記金属材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  6. 前記金属材は、前記外縁部から前記収納部底まで一続きに形成されると共に前記外縁部及び前記収納部底に前記冷却フィンの延伸方向に厚く形成された金属材厚部を有し、かつ前記冷却フィンを覆うように前記冷却器本体に溶着されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  7. 前記冷却フィンを含む前記冷却フィンベース及び前記金属材のいずれか一方、または両方が磁性体から構成されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  8. 前記冷却器本体の前記外縁部に設けられた前記金属材は、当該金属材の底の幅が前記冷却フィンベースの前記外周部側の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1から3、及び5のいずれか1項に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  9. 前記冷却器本体の前記収納部底に設けられた前記金属材は、当該金属材の底の幅が前記冷却フィンの先端側の幅よりも大きいことを特徴とする請求項8に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  10. 前記金属材の前記金属材厚部は、当該金属材厚部の底の幅が当該金属材厚部の根本の幅よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  11. 前記冷却器本体の前記外縁部に設けられた前記金属材は、当該金属材の底の幅が前記冷却フィンベースの前記外周部側の幅よりも小さいことを特徴とする請求項4に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  12. 前記冷却器本体の前記収納部底に設けられた前記金属材は、当該金属材の底の幅が前記冷却フィンの先端側の幅よりも小さいことを特徴とする請求項11に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  13. 電力用半導体素子が搭載された電力半導体装置を冷却する電力半導体装置用冷却装置であって、
    前記電力半導体装置が搭載される搭載面と逆側に、複数の冷却フィン及び冷媒流路が設けられた冷却フィンベースと、前記冷却フィン及び前記冷媒流路を覆う冷却器を備え、
    前記冷媒流路は、複数の前記冷却フィンと、前記冷却フィンの先端及び前記冷却フィンベースの外周部を接続するケースとにより形成され、
    前記冷却フィンベースは、前記外周部における前記ケースの外側に凸形状の第一凸部を有し、
    前記冷却器は、少なくとも一部が樹脂材により構成され、前記樹脂材が前記冷却フィン、前記冷媒流路、及び前記第一凸部を覆うように形成されていることを特徴とする電力半導体装置用冷却装置。
  14. 前記冷却フィンベースは、前記ケースにおける前記冷却フィンの先端が接続された底部外周面に凸形状の第二凸部を有し、
    前記底部外周面の前記第二凸部は、前記冷却器の前記樹脂材により覆われていることを特徴とする請求項13に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  15. 前記冷却フィンベースにおける前記外周部に設けられた前記第一凸部は、前記冷却フィンが延伸する側である底の幅が当該第一凸部の根本の幅よりも大きいことを特徴とする請求項13または14に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  16. 前記冷却フィンベースにおける前記外周部に設けられた前記第一凸部は、前記冷却フィンが延伸する側である底の幅が当該第一凸部の根本の幅よりも大きく、
    前記冷却フィンベースにおける前記底部外周面に設けられた前記第二凸部は、前記冷却フィンが延伸する側である底の幅が当該第二凸部の根本の幅よりも大きいことを特徴とする請求項14に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  17. 前記電力用半導体素子は、ワイドバンドギャップ半導体材料により形成されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか1項に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  18. 前記ワイドバンドギャップ半導体材料は、炭化珪素、窒化ガリウム系材料、またはダイヤモンドのうちのいずれかであることを特徴とする請求項17に記載の電力半導体装置用冷却装置。
  19. 請求項2に記載の電力半導体装置用冷却装置の製造方法であって、
    前記金属材が冷却フィンベースと対向する外縁部及び前記冷却フィンの先端と対向する収納部底のそれぞれに配置され、インサート成形によって前記金属材を樹脂材で覆うように冷却器が形成される冷却器形成工程と、
    前記冷却フィンの先端を前記金属材が内包された前記収納部底に接触させ、外周部を他の前記金属材が内包された前記外縁部に接触するように、前記冷却フィンベースが前記冷却器に配置される冷却フィンベース搭載工程と、
    前記冷却器の前記金属材が誘導加熱によって加熱され、前記冷却器と前記冷却フィンベースとが前記樹脂材によって溶着される溶着工程と、を含むことを特徴とする電力半導体装置用冷却装置の製造方法。
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