JP2017004927A - オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法 - Google Patents

オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウム化合物等を含む特定の原料を水熱反応に付した後、固液分離工程を経る製造方法であって、適度な粒径に制御され、かつ均斉性の高い正極材料が得られる上、工程中に得られた排液を再び原料として活用することのできるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法を提供する。【解決手段】リチウム化合物等が完全溶解した溶液等を得る工程(I)と、工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下して、Li3PO4粒子を得る工程(II)と、工程(II)で得られたLi3PO4粒子を洗浄し、次いで金属源を添加及び混合した後、水熱反応に付して反応混合物を得る工程(III)と、工程(III)で得られた反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離して、オリビン型リン酸リチウム系正極材料を得る工程(IV)を備える、特定の式で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、携帯電子端末や電気自動車等に不可欠な、高容量で軽量な電源としての地位を確立している。近年の電子機器の高性能化による消費電力の増大に伴い、リチウムイオン二次電池の更なる高容量化が要求されている。かかる電池の性能を高めるべく、水熱反応に付する工程により得られるオリビン型構造を有するリン酸マンガンリチウムやリン酸鉄リチウム等を用いた種々の正極材料が開発されている。
ところで、オリビン型構造を有するリン酸リチウム系正極材料の水熱合成では、水熱合成後の液相中に残存する多量のLiイオンが廃棄されている。このことは、原材料の中で最も高価なLi源を過剰に消費することとなり、オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造コストを押し上げている。この課題に対し、種々の方法に基づき、水熱合成後の液相中のLiイオンの回収、再利用が試みられている。
例えば、非特許文献1には、水熱合成後の液相をpH調整した後、Na2CO3を添加してLi2CO3を回収する方法が提案されている。しかしながら、Li2CO3の水に対する溶解度が比較的大きいため、この方法では、液相中のLiイオンの全てを回収することは困難である。
一方、特許文献1には、水熱合成後の液相中のLiイオンを、水に難溶性であり、かつオリビン型リン酸リチウム系正極材料の前駆体として利用できるLi3PO4として回収する方法が提案されている。この方法は、リン酸リチウムスラリーに金属源及び還元剤を混合する第1の工程と、得られた混合物を水熱反応させる第2の工程と、得られた反応物をオリビン型リン酸リチウム系正極材料と未反応のLiを含む溶液に分離する第3の工程と、精製した未反応のLiを含む溶液をリン酸と反応させてリン酸リチウムスラリーとする第4の工程を備えるものであり、第4の工程で得られたリン酸リチウムスラリーを第1の工程に利用することで、未反応のLiを回収し、再利用を図るものである。
特開2008−66019号公報
「13599の化学商品」、化学工業日報社刊、1999年、p.191
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法では、Li3PO4を生成させる第4の工程において、水熱合成後の液相に固相Li源を添加するが、この際の液相はアルカリの添加によって高pHとなっているため、添加したLi源の一部は溶け残ったままとなる。このことは、特許文献1の図1においても、Li3PO4+その他、として記載されていることからも明らかである。さらに、該文献に記載の方法で生成するLi3PO4は、水熱合成後の液相と、添加した固相Li源との液−固反応での生成物であるため、生成するLi3PO4粒子は粒径が不揃いで、しかも粒子が粗大化し易いおそれがある。
そのため、こうしたLi3PO4粒子のみならず、Li3PO4以外の固相も存在するリン酸リチウムスラリーを原料の1つとしてオリビン型リン酸リチウム系正極材料を合成したとしても、かかる正極材料自体の粒径も粗大化してしまい、得られる電池において良好な電池特性が発揮されないおそれがある。
したがって、本発明の課題は、リチウム化合物等を含む特定の原料を水熱反応に付した後、固液分離工程を経るオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法であって、粒径が小さく、かつ均斉性の高い正極材料が得られる上、工程中に得られた排液を再び原料として活用することのできる製造方法を提供することにある。ただし、得られるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の粒径が過度に小径化してしまい、電池特性の低下が生じるほどに正極活物質の吸着水分量が増加することは避ける必要がある。
そこで本発明者らは、種々検討したところ、リチウム化合物等が完全溶解した溶液を用いた、いわゆる液−液反応を介し、次いで特定の水熱反応工程、及び固液分離工程を経るオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法とすることにより、水熱合成後の液相と、Li3PO4を生成させるための化学量論的な成分補完の液相による混合液内での液−液反応による排液の再利用も可能としつつ、適度な粒径に制御され、かつ均斉性の高いLi3PO4粒子を生成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、LiFeaMnbcPO4(ただし、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Co、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGd、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3)で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法であって、
リチウム化合物が完全溶解した溶液と、リチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液とを混合して混合溶液を得る工程(I)と、
工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下して、Li3PO4粒子を得る工程(II)と、
工程(II)で得られたLi3PO4粒子を洗浄し、次いで金属源を添加及び混合した後、水熱反応に付して反応混合物を得る工程(III)と、
工程(III)で得られた反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離して、オリビン型リン酸リチウム系正極材料を得る工程(IV)を備える、
オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、リチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液と、リチウム化合物が完全溶解した溶液とを用いる液−液反応を介するため、一旦リチウム化合物等を含む所望の原料を水熱反応に付した後に得られ、従来廃棄処分の対象にすぎなかった排液を有効に再利用することも可能としつつ、適度な粒径に制御され、かつ均斉性の高いオリビン型リン酸リチウム系正極材料を製造することができるので、希少有価物質であるリチウムを無駄なく使用しながら、良好な電池特性を有する正極材料を提供することができる。
実施例1で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Aの粒子を示すSEM像である。 実施例2で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Bの粒子を示すSEM像である。 実施例3で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Cの粒子を示すSEM像である。 実施例4で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Dの粒子を示すSEM像である。 比較例1で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Eの粒子を示すSEM像である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法は、LiFeaMnbcPO4(ただし、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Co、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGd、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3)で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法であって、
リチウム化合物が完全溶解した溶液と、リチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液とを混合して混合溶液を得る工程(I)と、
工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下して、粒径を制御したLi3PO4粒子を得る工程(II)と、
工程(II)で得られたLi3PO4粒子を洗浄し、次いで金属源を添加及び混合した後、水熱反応に付して反応混合物を得る工程(III)と、
工程(III)で得られた反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離して、オリビン型リン酸リチウム系正極材料を得る工程(IV)を備える。
本発明が備える工程(I)で用いるリチウム化合物としては、水酸化リチウム(例えばLiOH・H2O)、炭酸リチウム(例えば、Li2CO3)、硫酸リチウム、酢酸リチウム、及びこれらの水和物が挙げられる。なかでも、製造コスト低減の観点から、炭酸リチウムが好ましい。
リチウム化合物の最大粒径は、水への溶解を容易にする観点から、5000μm以下であることが好ましく、1000μm以下であることがより好ましい。
工程(I)で用いるリン酸化合物としては、オルトリン酸(H3PO4、リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。なかでもリン酸を用いるのが好ましく、70〜90質量%濃度の水溶液として用いるのが好ましい。
工程(I)では、リチウム化合物が完全溶解した溶液(以下、「溶液A1」ともいう)、及びリチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液(以下、「溶液A2」ともいう)を得るにあたり、これらの化合物と水を混合するのが好ましい。具体的には、上記リチウム化合物に水を混合し、リチウム化合物を水に完全に溶解させた水溶液である溶液A1と、上記リチウム化合物とリン酸化合物に水を混合し、これら双方の化合物をともに完全に溶解させた水溶液である溶液A2を用いるのが好ましい。リチウム化合物、或いはリチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液とは、溶質であるリチウム化合物、或いは
リチウム化合物とリン酸化合物が溶媒中に完全に溶解し、溶液中に浮遊物や沈殿物を生じることなく、透明度の高い溶液であることを意味し、いわゆるスラリーとは異なる液状物質である。
溶液A1は、他方の溶液A2中のリン1モルに対し、リチウムを1.8〜2.2モル含有するのが好ましく、1.9〜2.1モル含有するのがより好ましく、このような量となるように上記リチウム化合物を用いればよい。例えば、溶液A1中におけるリチウム化合物の含有量は、好ましくは100〜33000mg/Lであり、より好ましくは1000〜33000mg/Lである。
他方の溶液A2は、溶液A1と溶液A2を混合した混合溶液が、リン1モルに対し、リチウムが2.9〜3.1モル含有するように、混合対象の溶液A1のリチウム濃度に応じた含有量となるように、上記リチウム化合物とリン酸化合物を用いればよい。例えば、溶液A2中におけるリチウム化合物とリン酸化合物の合計含有量は、好ましくは15000〜20000mg/Lであり、より好ましくは16000〜18000mg/Lである。
工程(I)の溶液A1に必要とされるリチウム含有量(g)は、後述する工程(III)において水熱反応に付して得られる反応混合物における液相中のリチウム含有量(g)と同等レベルであるので、続く工程(IV)での固液分離工程で得られる未反応のLiイオンを含む溶液(以下、「工程(IV)で得られる排液」ともいう)を、溶液A1の全部又は一部として活用することができる。
工程(I)で用いる溶液A2の調製は、溶液A1のリチウム濃度(g/L)の値に左右されるので、溶液A1の調製時における設計濃度を使用すればよい。溶液A1に、工程(IV)で得られる排液を活用する場合は、ICP発光分光分析法やイオンクロマト分析法等の一般的な分析方法を利用することにより、リチウム濃度を測定することができる。
さらに、工程(IV)で得られる排液を活用する場合は、後述するアルカリの添加量を決定するために、排液中のSO4イオン等の不純物の濃度(mg/L)も測定するのが好ましい。かかる測定にも、ICP発光分光分析法やイオンクロマト分析法、イオン電極法等の一般的な分析方法が利用できる。なかでも、簡便性の観点から、イオン電極法を用いるのが好ましい。
溶液A2の調製では、得られる混合溶液の均一性等を確保する観点から、リチウム化合物を含む予備溶液にリン酸化合物を添加及び混合するのが好ましい。リン酸化合物を添加する前、予めかかるリチウム化合物を含む予備溶液を撹拌しておくのが好ましい。溶液A2の調製に用いるリチウム化合物を含む予備溶液の撹拌時間は、好ましくは1〜20分であり、より好ましくは5〜15分である。また、溶液A2の調製に用いるリチウム化合物を含む予備溶液の温度は、好ましくは20〜90℃であり、より好ましくは20〜70℃である。この攪拌によって、リチウム化合物とリン酸化合物がともに完全に溶解した溶液A2を得る。
また、かかるリチウム化合物を含む予備溶液にリン酸化合物を添加及び混合するにあたり、リン酸化合物としてリン酸を用い、かつ予備溶液を撹拌しながら、かかるリン酸を滴下するのが好ましい。予備溶液にリン酸を滴下して少量ずつ加えることで、得られる溶液A2中において良好に混合が進行して、溶液A2の均斉性を確保することができる。リン酸の上記リチウム化合物を含む予備溶液への滴下速度は、好ましくは10〜100mL/分であり、より好ましくは20〜80mL/分であり、さらに好ましくは30〜70mL/分である。また、リン酸を滴下しながらの予備溶液の撹拌時間は、好ましくは1〜15分であり、より好ましくは3〜10分である。
溶液A1と溶液A2を混合するにあたり、溶液A2に溶液A1を混合するのが好ましく、さらに溶液A2を攪拌しながら混合するのが好ましい。これにより、得られる混合溶液の混合の均斉性を確保することができる。このように工程(I)において得られる混合溶液に含まれるLiとPO4のモル比は、好ましくは2.8:1〜3.2:1であり、より好ましくは2.9:1〜3.1:1である。
本発明が備える工程(II)は、工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下して、Li3PO4粒子を得る工程である。具体的には、工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下した後、攪拌して、Li3PO4粒子を沈殿回収するのが好ましい。アルカリ溶液の滴下は、添加速度の調整をも容易にしつつ、酸性の混合溶液を中和して、混合溶液中のLiイオンとPO4イオンが、難溶性であり、かつ適度な粒径に制御されたLi3PO4粒子を形成するのを促進させるためのものである。また、工程(I)で用いる溶液A1として、後述する工程(III)で得られる排液を活用した場合、排液中のSO4イオン等の不純物によるLi3PO4粒子の純度低下や汚染を防止することもできる。こうしたアルカリ溶液の滴下によって、難溶性のLi3PO4粒子が形成されると共に、排液から持ち込まれたSO4イオン等の不純物が水に易溶性の生成物となるので、純度が高く、かつ好ましい粒径を有するLi3PO4粒子を効率良く生成させることができる。
混合溶液の撹拌時間は、好ましくは1〜24時間であり、より好ましくは6〜18時間である。また、混合溶液の温度は、好ましくは5〜90℃であり、より好ましくは20〜70℃である。また、好ましい粒径を有するLi3PO4粒子を得るためのアルカリ溶液の滴下速度は、Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、好ましくは0.05〜1.0mol/分であり、より好ましくは0.25〜0.70mol/分である。
アルカリ溶液に用いるアルカリとしては、アンモニア又はアンモニア水、或いは水酸化ナトリウム等の水酸化物が好ましい。なかでも、Li3PO4粒子の回収率や、回収したLi3PO4粒子から製造したオリビン型リン酸リチウム系正極材料からなる正極活物質の電池特性の向上の観点から、水酸化ナトリウムを用いるのが好ましい。かかる水酸化ナトリウムには、固体(粒状、フレーク状)、水溶液のいずれを使用してアルカリ溶液としてもよく、アルカリ水溶液とするのが好ましい。
アルカリ溶液の合計滴下量は、Li3PO4粒子の形成を促す観点から、工程(I)で得られた混合溶液のpHを5〜13とする量が好ましく、6〜13とする量がより好ましい。また、工程(III)で得られる排液を用いる場合、排液中のSO4イオン等の不純物を水に易溶性の生成物とする観点から、アルカリ溶液中のアルカリのモル量が、使用する排液中のSO4イオン等のモル量の2〜3倍量であるのが好ましく、2〜2.5倍量であるのがより好ましい。
上記混合溶液からLi3PO4粒子を沈殿回収するには、かかる溶液を固液分離するのが好ましい。固液分離に用いる装置しては、例えば、フィルタープレス機、遠心濾過機、減圧濾過機等が挙げられる。なかでも、効率的にLi3PO4粒子を得る観点から、フィルタープレス機を用いるのが好ましい。
工程(II)において得られるLi3PO4粒子は、工程(I)で得られた混合溶液を用いた、いわゆる液−液反応を介することにより得られる生成物であることから、粒径が非常に小さい。ここで、Li3PO4粒子の最大粒径は、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。Li3PO4粒子の最大粒径を20μm以下とすることで、得られたLi3PO4粒子を粉砕することなく後工程に供することができる。一方、Li3PO4粒子が過度に小さい場合には、その後に得られるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の粒径も過度に小径化し、正極活物質の吸着水分量が増加する傾向にあるため、電池特性、特にレート特性を低下させる原因となる。したがって、Li3PO4粒子の好ましい粒径には下限があり、かかる粒径は100nm以上が好ましく、250nm以上がより好ましい。また、Li3PO4粒子の平均粒径は、好ましくは1〜10μmであり、より好ましくは1〜6μmである。
本発明が備える工程(III)は、工程(II)で得られたLi3PO4粒子を洗浄し、次いで金属源を添加及び混合した後、水熱反応に付して反応混合物を得る工程である。Li3PO4粒子の洗浄には、水を用いるのが好ましい。具体的には、Li3PO4粒子1質量部に対し、水を5〜100質量部用いるのが好ましく、10〜90質量部用いるのがより好ましい。このように、過剰な量の水を用いて洗浄することで、工程(III)で得られる排液を用いる際にも、優れた電池物性を発揮するオリビン型リン酸リチウム系正極材料を得ることができる。
洗浄されたLi3PO4粒子(ケーキ)の含水量は、計測して、水熱反応に付するための混合物に添加する水量の決定に用いるのが好ましい。含水量は、赤外線水分計等で容易に測定することができる。なお、洗浄されたLi3PO4粒子(ケーキ)は、乾燥した方がより好ましい。乾燥することで、水熱反応に付する混合物中の水分量を精度よく管理することができる。Li3PO4粒子の乾燥手段としては、凍結乾燥又は真空乾燥が好ましい。
工程(III)で用いる金属源としては、鉄化合物及び/又はマンガン化合物を含む金属化合物が挙げられる。鉄化合物としては、2価の鉄化合物及びこれらの水和物等であればよく、例えば、ハロゲン化鉄等のハロゲン化物;硫酸鉄等の硫酸塩;シュウ酸鉄、酢酸鉄等の有機酸塩;並びにこれらの水和物等が挙げられる。なかでも、電池物性を高める観点、及び工程(III)で得られる排液を有効活用する観点から、硫酸鉄又はその水和物を用いるのが好ましい。
マンガン化合物としても2価のマンガン化合物及びこれらの水和物等であればよく、例えば、ハロゲン化マンガン等のハロゲン化物;硫酸マンガン等の硫酸塩;シュウ酸マンガン、酢酸マンガン等の有機酸塩;並びにこれらの水和物等が挙げられる。なかでも、電池物性を高める観点、及び工程(III)で得られる排液を有効活用する観点から、硫酸マンガン又はその水和物を用いるのが好ましい。
鉄化合物及びマンガン化合物以外の金属化合物としては、金属として後述する式(A)中のM(MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Co、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。)を含むものであればよく、鉄化合物及びマンガン化合物と同様、例えば、ハロゲン化物、硫酸塩、有機酸塩、並びにこれらの水和物等が挙げられる。なかでも、電池物性を高める観点から、硫酸塩又はその水和物を用いるのが好ましく、MがMg、又はZrである金属(M)硫酸塩を用いるのがより好ましい。
金属化合物として、鉄化合物及びマンガン化合物の双方を用いる場合、その使用モル比(マンガン化合物:鉄化合物)は、好ましくは99:1〜51:49であり、より好ましくは95:5〜55:45であり、さらに好ましくは90:10〜60:40である。
水で洗浄されたLi3PO4粒子と水から成るLi3PO4含有混合物に、上記鉄化合物及び/又はマンガン化合物を含む金属化合物等の金属源を添加して混合し、水熱反応に付するための混合物を製造する。かかる金属源の添加順序は、特に制限されない。
Li3PO4含有混合物に金属源を混合する前、予めかかるLi3PO4含有混合物を撹拌しておくのが好ましい。Li3PO4含有混合物の撹拌時間は、好ましくは1〜10分であり、より好ましくは2〜8分である。この攪拌によって、均斉性が確保されたLi3PO4含有混合物を得ることができる。
次いで、Li3PO4含有混合物に金属源を添加及び混合する。金属源の混合は、Li3PO4含有混合物を撹拌しながら行う。かかる混合物のpHは、好ましくは3.5〜8であり、より好ましくは4〜7である。また、これら金属源の合計添加量は、混合物に含有されるLi3PO41モルに対し、好ましくは0.98〜1.02モルであり、より好ましくは0.99〜1.01モルである。
得られたLi3PO4と金属源を含有する混合物を、水熱反応に付する。これにより、オリビン型リン酸リチウム系正極材料となる化合物を生成させ、これを含む反応混合物を得ることができる。Li3PO4と金属源を含有する混合物を製造する際に用いる水の使用量は、金属源の溶解性、撹拌の容易性、及び合成の効率等の観点から、かかる混合物中に含有されるLi3PO41モルに対し、好ましくは10〜30モルであり、より好ましくは12.5〜25モルである。
また、上記水熱反応に付される混合物に、必要に応じて酸化防止剤を添加してもよい。かかる酸化防止剤としては、亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)、ハイドロサルファイトナトリウム(Na224)、アンモニア水等を使用することができる。酸化防止剤の添加量は、過剰に添加されることでオリビン型リン酸リチウム系正極材料となる化合物の生成が抑制されるのを防止する観点から、金属源1モルに対し、好ましくは0.01〜1モルであり、より好ましくは0.03〜0.5モルである。
水熱反応は、100℃以上であればよく、130〜180℃が好ましい。かかる水熱反応は耐圧容器中で行うのが好ましく、130〜180℃で反応を行う場合、この時の圧力は0.3〜0.9MPaであるのが好ましく、140〜160℃で反応を行う場合の圧力は0.3〜0.6MPaであるのが好ましい。水熱反応時間は0.5〜24時間が好ましく、3〜12時間がより好ましい。
本発明が備える工程(IV)は、工程(III)で得られたオリビン型リン酸リチウム系正極材料を含む反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離して、オリビン型リン酸リチウム系正極材料を得る工程である。かかる反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離する、いわゆる固液分離に用いる装置しては、上記工程(II)と同様のものを用いることができ、効率的に正極材料を得る観点から、フィルタープレス機を用いるのが好ましい。
さらに、得られた正極材料は、水で洗浄するのが好ましい。正極材料を水で洗浄する際、正極材料1質量部に対し、水を5〜20質量部用いるのが好ましく、10〜15質量部用いるのがより好ましい。
洗浄した水は、正極材料から洗い流された未反応のLiイオンを含むため、かかる洗浄水を全量回収し、固液分離で得られた溶液と共に工程(I)の溶液A1として活用するのが好ましい。かかる洗浄水の回収を効率的に行うために、フィルタープレス機を用いて洗浄と固液分離をするのが好ましい。得られた回収水は、工程(I)で活用されるまでの間に夾雑物が混入しなければよく、特別な保管環境を必要としない。また、この回収水中のLiイオン濃度の調整のため、希釈操作又は濃縮操作を一般的な方法で行うことができる。
工程(IV)で分離回収されたオリビン型リン酸リチウム系正極材料は、必要により乾燥する。乾燥手段は、噴霧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等が挙げられる。
かかるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の平均粒径は、好ましくは10〜80nmであり、より好ましくは30〜50nmである。
本発明の製造方法により得られるオリビン型リン酸リチウム系正極材料は、下記式(A):
LiFeaMnbcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Co、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
で表される。
上記式(A)で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料は、少なくともマンガン(Mn)又は鉄(Fe)を含む。すなわち、式(A)中、Mは、Mg、Ca、Sr、Y、Zr、Co,Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示し、好ましくはMg、又はZrである。aは、0≦a≦1であって、好ましくは0<a<0.5であり、より好ましくは0.1<a<0.3である。bは、0≦b≦1であって、好ましくは0.5<b<1であり、より好ましくは0.7<b<0.9である。なお、これらa及びbは同時に0ではない。cは、0≦c≦0.3を満たし、好ましくは0.05≦c≦0.25で
ある。そして、これらa、b及びcは、2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数である。上記式(A)で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料としては、具体的には、例えばLiFePO4、LiMnPO4、LiFe0.2Mn0.8PO4、LiFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、LiFe0.1Mn0.8Zr0.05PO4等が挙げられる。
得られたオリビン型リン酸リチウム系正極材料は、カーボン担持し、次いで焼成することにより、正極活物質とするのが好ましい。カーボン担持は、オリビン型リン酸リチウム系正極材料に常法により、グルコース、フルクトース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、サッカロース、デンプン、デキストリン、クエン酸等の炭素源及び水を添加し、次いで焼成すればよい。焼成条件は、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下に400℃以上、好ましくは400〜800℃で10分〜3時間、好ましくは0.5〜1.5時間行うのが好ましい。かかる処理により正極材料の粒子表
面にカーボンが担持された正極活物質とすることができる。炭素源の使用量は、正極材料100質量部に対し、炭素源に含まれる炭素として3〜15質量部が好ましく、炭素源に含まれる炭素として5〜10質量部がさらに好ましい。
また、上記処理のほか、粒子の表面に炭素を担持する処理として、例えば、得られたオリビン型リン酸リチウム系正極材料と導電性炭素材料を含む混合物を、粉砕/複合化/混合処理する方法を用いてもよい。かかる処理を施すことにより、正極材料と導電性炭素材料とが複合した正極活物質を形成することができ、より導電性を高めることができる。
粉砕/複合化/混合処理の際に用いる導電性炭素材料としては、カーボンブラックが好ましく、そのうちアセチレンブラック、ケッチェンブラックがより好ましい。導電性炭素材料の添加量は、良好な放電容量と経済性の点から、正極材料100質量部に対し、炭素原子換算量で0.5〜15質量部であるのが好ましく、2〜10質量部であるのがより好ましい。
オリビン型リン酸リチウム系正極材料と導電性炭素材料との混合物は、乾式にて、粉砕/複合化/混合処理を行う。この時、ジエチレングリコール、エタノールなどを助剤として少量添加してもよい。
粉砕/複合化/混合処理を施す装置としては、通常のボールミルでもよいが、自公転可能な遊星ボールミル(フリッチュ社製)が好ましく、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、マルチパーパスミキサ(日本コークス工業社製)、或いはハイブリタイザー(奈良機械社製)等、被処理物へのメカノケミカル作用/複合化処理を行えるものであれば何れでもよい。
遊星ボールミルで用いられる装置の容器としては、鋼、ステンレス、ナイロン製が挙げられ、内壁はアルミナ煉瓦、磁気質、天然ケイ石、ゴム、ウレタン等が挙げられる。ボールとしては、アルミナ球石、天然ケイ石、鉄球、ジルコニアボール等が用いられる。ボールの大きさは、0.1mm〜20mmが好ましく、さらには0.5mm〜5mmボールが好ましい。ボールの充填量は、使用するミルの内容積に対し、ボールの充填体積が5〜50%を占める割合とするのが好ましい。
遊星ボールミルを用いる混合は、例えば公転50〜800rpm、自転100〜1,600rpmの条件で、好ましくは5分〜24時間、より好ましくは0.5〜6時間、さらに好ましくは1〜3時間行う。
上記のようにオリビン型リン酸リチウム系正極材料の表面に炭素を複合化した正極活物質は、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下に、好ましくは500〜800℃で10分〜24時間、より好ましくは600〜700℃で0.5〜3時間焼成するのが好ましい。かかる処理により、正極材料の表面にさらに炭素が堅固に担持された正極活物質を得ることができる。焼成に用いる装置としては、焼成雰囲気及び温度の調整が可能なものであれば特に制限されず、バッチ式、連続式、加熱方式(間接又は直接)のいずれの方式のものも使用することができる。かかる装置としては、例えば、外熱キルンやローラーハース等の管
状電気炉が挙げられる。
上記方法で得られる正極活物質は、オリビン型リン酸リチウム系正極材料の粒径が過度に小さくなることを回避し、適度な粒径に制御されてなるため、正極活物質における吸着水分量が効果的に低減される。具体的には、本発明のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法により得られる正極活物質の吸着水分量は、かかる正極活物質中に、好ましくは2000ppm以下であり、より好ましくは1500ppm以下である。なお、かかる吸着水分量は、温度20℃及び相対湿度50%にて平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とする、始点から終点までの間に揮発した水分量として測定される値であって、正極活物質の吸着水分量と、上記始点から終点までの間に揮発した水分量とが、同量であるとみなし、かかる揮発する水分量の測定値を正極活物質の吸着水分量とするものである。
このように、本発明の製造方法から得られるオリビン型リン酸リチウム系正極材料を用いた正極活物質は、水分を吸着しにくいため、製造環境として強い乾燥条件を必要とすることなく吸着水分量を有効に低減することができ、得られるリチウムイオン二次電池において、様々な使用環境下でも優れた電池特性を安定して発現することが可能となる。
なお、温度20℃及び相対湿度50%にて平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とする、始点から終点までの間に揮発した水分量は、例えばカールフィッシャー水分計を用いて測定することができる。
次に本発明の方法で得られたオリビン型リン酸リチウム系正極活物質を正極構成材料として含有するリチウムイオン二次電池について説明する。
本発明の正極構成材料を適用できるリチウムイオン二次電池としては、正極と負極と電解液とセパレータを必須構成とするものであれば特に限定されない。
ここで、負極については、リチウムイオンを充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成で特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。たとえば、リチウム金属、グラファイト又は非晶質炭素等の炭素材料等である。そしてリチウムを電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料で形成された電極、特に炭素材料を用いることが好ましい。
電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池の電解液の用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF32及びLiN(SO3CF32、LiN(SO2252及びLiN(SO2CF3)(SO249)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
《リチウム含有排液の製造》
Li2CO3 11.195gと水 30mLを混合して予備溶液を得た。次いで、得られた予備溶液を、20℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ75%のリン酸水溶液 13.067gを35mL/分で滴下し、続いて20℃の温度で12時間撹拌し、Li3PO4を含有する溶液Aを得た。
次に、得られたLi3PO4を含有する溶液A全量に対し、MnSO4・5H2O 19.286g、FeSO4・7H2O5.560gを添加して、pH4.5の混合液を得た。このとき、添加したMnSO4とFeSO4のモル比(マンガン化合物:鉄化合物)は、80:20であった。
次いで、得られた混合液をオートクレーブに投入し、170℃で0.5時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した懸濁物を自然放冷した後、フィルタープレス装置にてろ過して液体分(リチウム含有排液A)を得た。
さらに、固形分(リン酸マンガン鉄リチウム化合物(LiMn0.8Fe0.2PO4))1質量部に対し、12質量部の水により洗浄した。
水熱合成から回収したリチウム含有排液Aと、上記洗浄工程から回収した洗浄水を混合した溶液(溶液A1)について、ICP発光分光分析法で測定したLi濃度は8500mg/L、S濃度は61500mg/Lであった。
《正極材料の製造》
Li2CO3 3.732gと水 30mLを混合して予備溶液を得た。次いで、得られた予備溶液を、20℃の温度に保持しながら3分間撹拌しつつ75%のリン酸水溶液 13.067gを35mL/分で滴下した。その後、Li2CO3が完全に溶解して溶液が透明になるまで攪拌して、溶液A2を得た。
かかる溶液A2に、溶液A1を168mL添加して5分間撹拌した後、31%のNaOH水溶液 28.95gを、150mL/分で滴下し(Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、5mol/分の滴下速度に相当)、20℃の温度で12時間撹拌して混合溶液Aを得た。
混合溶液Aをフィルタープレスで固液分離し、得られた固形分1質量部に対し、10質量部の水により洗浄した。洗浄した固形分は、20℃で12時間真空乾燥してLi3PO4を得た。得られたLi3PO4の最大粒径は11μm、平均粒径は5μm、窒素吸着によるBET比表面積は49.7m2/gであった。
得られたLi3PO4 11.579gと水 30mLを混合し、20℃の温度に保持しながら5分間撹拌後、MnSO4・5H2O 19.286gとFeSO4・7H2O5.560gを添加して、pH4.0の混合物Aを得た。このとき、添加したMnとFeのモル比は80:20であった。
次いで、上記混合物Aをオートクレーブに投入し、170℃で0.5時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。
水熱反応で得られた懸濁物を自然放冷した後、フィルタープレス機にて固液分離し、分離された液相を全量回収した。次いで、フィルタープレス内に残存している固形分について、固形分1質量部に対し、12質量部の水を散布して洗浄した後、フィルタープレスして洗浄水を全量回収し、先に回収した水熱反応の液相と混合した。
洗浄した固形分を常温で50Paの条件下、真空乾燥することにより、最終目的物のリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質を得るための正極材料である、リン酸マンガン鉄リチウム化合物A(LiMn0.8Fe0.2PO4)を得た。得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Aの平均粒径は30nm、窒素吸着によるBET比表面積は28.9m2/gであった。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物AのSEM像を図1に示す。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物A 3.0gと、グルコース 0.405gとを予め混合して混合物を得た。得られた混合物を微粒子複合化装置 ノビルタ(NOB−130、ホソカワミクロン社製、動力5.5kw)に投入し、処理温度を25〜35℃、インペラの周速度を30m/s、処理時間を15分として混合し、複合化粒子を得た。
次いで、アルゴン水素(水素濃度3%)ガスをパージした電気炉を用い、得られた粒子を温度700℃で1時間焼成して正極活物質Aを得た。
[実施例2]
《リチウム含有排液の製造》
LiOH・H2O 4.934kgと水 11.705Lを混合して予備溶液を得た。次いで、得られた予備溶液を、20℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ75%のリン酸水溶液 5.096kgを100mL/分で滴下し、続いて20℃の温度で12時間撹拌、Li3PO4を含有する溶液Bを得た。
次に、得られたLi3PO4を含有する溶液B全量に対し、FeSO4・7H2O 4.614kgを添加して、pH11.7の混合液を得た。
次いで、得られた混合液をオートクレーブに投入し、170℃で0.5時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した懸濁物を自然放冷した後、フィルタープレス装置にてろ過して液体分(リチウム含有排液B)を得た。
さらに、固形分(リン酸鉄リチウム化合物(LiFePO4))1質量部に対し、12質量部の水により洗浄した。
水熱合成から回収したリチウム含有排液Bと、上記洗浄工程から回収した洗浄水を混合した溶液(溶液B1)について、ICP発光分光分析法で測定したLi濃度は7400mg/L、S濃度は54700mg/Lであった。
《正極材料の製造》
Li2CO3 9.330gと水 25mLを混合して予備溶液を得た。次いで、得られた予備溶液を、20℃の温度に保持しながら3分間撹拌しつつ75%のリン酸水溶液 32.670gを35mL/分で滴下した。その後、Li2CO3が完全に溶解して溶液が透明になるまで攪拌して、溶液B2を得た。
かかる溶液B2に、溶液B1を470mL添加して5分間撹拌した後、48%のNaOH水溶液 44.550gを300mL/分で滴下し(Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、15mol/分の添加速度に相当)、20℃の温度で5分間撹拌して混合溶液Bを得た。
混合溶液Bをブフナー漏斗で固液分離し、得られた固形分1質量部に対し、10質量部の水により洗浄した。洗浄した固形分は、80℃で12時間乾燥してLi3PO4を得た。得られたLi3PO4の最大粒径は10μm、平均粒径は3.5μm、窒素吸着によるBET比表面積は52.0m2/gであった。
得られたLi3PO4 12.752gと水 30mLを混合し、20℃の温度に保持しながら5分間撹拌後、MnSO4・H2O 11.831gとFeSO4・7H2O 8.340gを添加して、pH5.0の混合物Bを得た。このとき、添加したMnとFeのモル比は70:30であった。
次いで、上記混合物Fをオートクレーブに投入し、170℃で0.5時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。
水熱反応で得られた懸濁物を自然放冷した後、ブフナー漏斗にて固液分離し、得られた固形分1質量部に対し、12質量部の水により洗浄した。洗浄した固形分を80℃で12時間乾燥して、最終目的物のリン酸マンガン鉄リチウム正極活物質を得るための正極材料である、リン酸マンガン鉄リチウム化合物B(LiMn0.7Fe0.3PO4)を得た。得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Bの平均粒径は26nm、窒素吸着によるBET比表面積は36.4m2/gであった。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物BのSEM像を図2に示す。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物B 3.0gと、グルコース 0.405g、エタノール28mLおよび水2mLとを混合し、ボールミルにて1時間混合を行った。
次いで、アルゴン水素(水素濃度3%)ガスをパージした電気炉を用い、得られた粒子を温度700℃で1時間焼成して正極活物質Bを得た。
[実施例3]
48%のNaOH水溶液を100mL/分で滴下(Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、5mol/分の添加速度に相当)した以外、実施例2と同様にして、Li3PO4を得た。得られたLi3PO4の最大粒径は12μm、平均粒径は4.2μm、窒素吸着によるBET比表面積は34.1m2/gであった。
その後、実施例2と同様にして、リン酸マンガン鉄リチウム化合物C(LiMn0.7Fe0.3PO4)を得た。得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Cの平均粒径は32nm、窒素吸着によるBET比表面積は33.8m2/gであった。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物CのSEM像を図3に示す。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Cを用い、実施例2と同様にして、正極活物質Cを得た。
[実施例4]
48%のNaOH水溶液を30mL/分で滴下(Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、1.5mol/分の添加速度に相当)とした以外、実施例2と同じにして、Li3PO4を得た。得られたLi3PO4の最大粒径は16μm、平均粒径は6.8μm、窒素吸着によるBET比表面積は27.1m2/gであった。
その後、実施例2と同様にして、リン酸マンガン鉄リチウム化合物D(LiMn0.7Fe0.3PO4)を得た。得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Dの平均粒径は42nm、窒素吸着によるBET比表面積は26.7m2/gであった。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物DのSEM像を図4に示す。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Dを用い、実施例2と同様にして、正極活物質Dを得た。
[比較例1]
特許文献1に記載の方法に準じた。すなわち、攪拌している溶液A1 168mLに、リン酸水溶液 13.067gを35mL/分で滴下した。その後、Li2CO3 3.732gを混合して10分間攪拌した後、固体NaOH(粒状)8.95gを添加し、12時間攪拌を継続して混合溶液Eを得た。添加から5分後にはNaOHは全て溶解した。
混合溶液EからのLi3PO4 の固液分離以降の操作は、全て実施例1と同様にした。
得られたLi3PO4の最大粒径は25μm、平均粒径は12.0μm、窒素吸着によるBET比表面積は39.8m2/gであった。
また、水熱合成で得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Eの平均粒径は50nm、窒素吸着によるBET比表面積は18.3m2/gであった。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物EのSEM像を図5に示す。
得られたリン酸マンガン鉄リチウム化合物Eを用い、実施例1と同様にして、正極活物質Eを得た。
《吸着水分量の測定》
実施例1〜4及び比較例1で得られた正極活物質A〜Eの吸着水分量を下記方法にしたがって測定した。
正極活物質(複合体粒子)について、温度20℃、相対湿度50%の環境に1日間静置して平衡に達するまで水分を吸着させ、温度150℃まで昇温して20分間保持した後、さらに温度250℃まで昇温して20分間保持したときの、150℃から昇温を再開するときを始点、及び250℃での恒温状態を終えたときを終点とし、始点から終点までの間に揮発した水分量を、カールフィッシャー水分計(MKC−610、京都電子工業(株)製)で測定し、正極活物質における吸着水分量として求めた。
結果を表1に示す。
《充放電特性の評価》
実施例1〜4及び比較例1で得られた正極活物質A〜Eを用い、リチウムイオン二次電池の正極を作製した。具体的には、得られた正極活物質、ケッチェンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比90:3:7の配合割合で混合し、これにN−メチル−2−ピロリドンを加えて充分混練し、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極とした。
次いで、上記の正極を用いてコイン型リチウムイオン二次電池を構築した。負極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンなどの高分子多孔フィルムなど、公知のものを用いた。これらの電池部品を露点が−50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型リチウムイオン二次電池(CR−2032)を製造した。
製造したリチウムイオン二次電池を用いて定電流密度での充放電試験を行った。このときの充電条件は、電流0.1CA(17mAh/g)、電圧4.5Vの定電流充電とした。放電条件を電流0.1CAもしくは3CAとし、終止電圧2.0Vの定電流放電とした。温度は全て30℃とした。
得られた放電容量の結果を表1に示す。
上記結果より、本発明のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法によれば、水熱反応で得られる排液を再び原料として活用した正極材料を用いたリチウムイオン二次電池においても、優れた電池特性を発揮することがわかる。

Claims (9)

  1. LiFeaMnbcPO4(ただし、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Co、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGd、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3)で表されるオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法であって、
    リチウム化合物が完全溶解した溶液と、リチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液とを混合して混合溶液を得る工程(I)と、
    工程(I)で得られた混合溶液にアルカリ溶液を滴下して、Li3PO4粒子を得る工程(II)と、
    工程(II)で得られたLi3PO4粒子を洗浄し、次いで金属源を添加及び混合した後、水熱反応に付して反応混合物を得る工程(III)と、
    工程(III)で得られた反応混合物から未反応のLiイオンを含む溶液を分離して、オリビン型リン酸リチウム系正極材料を得る工程(IV)を備える、
    オリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  2. 工程(IV)において分離した未反応のLiイオンを含む溶液を、工程(I)において用いるリチウム化合物が完全溶解した溶液の全部又は一部として使用する工程を含む、請求項1に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  3. 工程(III)におけるLi3PO4粒子の洗浄が、Li3PO4粒子1質量部に対して水を5〜100質量部用いる洗浄である請求項1又は2に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  4. 工程(I)において用いるリチウム化合物が完全溶解した溶液中での、リチウム化合物の含有量が、100〜220000mg/Lである請求項1〜3のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  5. 工程(I)において用いるリチウム化合物とリン酸化合物が完全溶解した溶液中での、リチウム化合物とリン酸化合物の合計含有量が、15000〜20000mg/Lである請求項1〜4のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  6. 工程(III)において用いる金属源が、硫酸塩又はその水和物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  7. 工程(I)において用いるリチウム化合物が、炭酸リチウムである請求項1〜6のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  8. 工程(II)におけるアルカリ溶液の滴下速度が、Li3PO4換算で0.6mol/LのLi及びPO4が溶解している混合溶液1Lあたり、0.05〜1.0mol/分である請求項1〜7のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
  9. 工程(II)において得られるLi3PO4粒子の平均粒径が、1〜10μmである請求項1〜8のいずれか1項に記載のオリビン型リン酸リチウム系正極材料の製造方法。
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