JP2017004729A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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典利 古田
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Abstract

【課題】ハイレート充放電時の電池抵抗の増加が抑えられた非水電解質二次電池を提供する。【解決手段】ここに開示される非水電解質二次電池100は、正極集電体52上に正極活物質層54を有する正極50と、負極集電体62上に負極活物質層64を有する負極60と、該正負極50,60間に介在するセパレータ70と、を備える電極体20を含む。前記正極活物質層54の単位厚さあたりの透気度は、2.0±0.4sec/(100ml・μm)であり、前記負極活物質層64の単位厚さあたりの透気度は、0.4±0.3sec/(100ml・μm)であり、前記セパレータ70の単位厚さあたりの透気度は、4.3±1.9sec/(100ml・μm)である。【選択図】図2

Description

本発明は、非水電解質二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池(リチウム二次電池)等の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べて軽量且つエネルギー密度が高いことから、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や車両駆動用電源として用いられている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両の駆動用高出力電源として今後ますます普及していくことが期待されている。
一般的な非水電解質二次電池は、正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極と、該正負極間に介在するセパレータとを備える電極体を含む。正極活物質層、負極活物質層、およびセパレータは、非水電解質がそれらの内部を透過可能なように、多孔質構造を有する。
この多孔質構造の多孔性の程度を表す指標の一つに、透気度がある。透気度は、一定量の空気が一定圧力下で対象物を通過するのにかかる時間を示すものである。特許文献1には、高電位の正極活物質を用いた非水電解質二次電池において、セパレータの透気度を所定の範囲内にすることにより、高容量でサイクル特性および高温での安全性に優れた非水電解質二次電池を提供できることが記載されている。
特開2010−199077号公報
しかしながら、本発明者らの検討により、特許文献1に記載の技術では、ハイレート充放電時に非水電解質(電解液)の電極体への塩濃度ムラが発生し、電池抵抗が増加するという問題があることがわかった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決すべく創出されたものであり、その目的は、ハイレート充放電時の電池抵抗の増加が抑えられた非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、正極活物質層の透気度、負極活物質層の透気度、およびセパレータの透気度をそれぞれ特定の範囲内とすることによって、電極体に流入する非水電解質の速度および電極体から排出される非水電解質の速度を小さくすることができ、その結果、非水電解質二次電池において、ハイレート充放電時に非水電解質(電解液)の電極体への塩濃度ムラの発生が抑制されて電池抵抗の増加を抑えることができることを見出した。
即ち、ここに開示される非水電解質二次電池は、正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極と、該正負極間に介在するセパレータと、を備える電極体を含む。当該非水電解質二次電池において、前記正極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、2.0±0.4sec/(100ml・μm)であり、前記負極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、0.4±0.3sec/(100ml・μm)であり、前記セパレータの単位厚さあたりの透気度は、4.3±1.9sec/(100ml・μm)である。このような構成によれば、ハイレート充放電時の電池抵抗の増加が抑えられた非水電解質二次電池となる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う断面構造を模式的に示す縦断面図である。 本発明の一実施形態に用いられる捲回電極体の構成を示す模式図である。 非水電解質二次電池を10CAで10秒間放電/充電したときの非水電解質の移動速度と、ハイレート放電/充電試験したときの抵抗増加率との関係を示すグラフである。 (a)は、正極活物質層の透気度と電解質の移動速度との関係を示すグラフであり、(b)は、負極活物質層の透気度と電解質の移動速度との関係を示すグラフであり、(c)は、セパレータの透気度と正極活物質層での電解質の移動速度との関係を示すグラフであり、(d)は、セパレータの透気度と負極活物質層での電解質の移動速度との関係を示すグラフである。 作製した例1および例2の非水電解質二次電池について、抵抗増加率の測定結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明による実施の形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、本発明を特徴付けない電池の一般的な構成および製造プロセス)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
なお、本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池ならびに電気二重層キャパシタ等の蓄電素子を包含する用語である。以下、扁平角型のリチウムイオン二次電池を例にして、本発明について詳細に説明する。なお、本発明をかかる実施形態に記載されたものに限定することを意図したものではない。
図1および図2に示す本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、扁平形状の捲回電極体20と非水電解質(図示せず)とが扁平な角形の電池ケース(即ち外装容器)30に収容されることにより構築される密閉型の電池100である。電池ケース30には外部接続用の正極端子42および負極端子44と、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。正負極端子42,44はそれぞれ正負極集電板42a,44aと電気的に接続されている。電池ケース30の材質としては、例えば、アルミニウム等の軽量で熱伝導性の良い金属材料が用いられる。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、一般的なリチウムイオン二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩(好ましくはLiPF)を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、0.7mol/L以上1.3mol/L以下が好ましい。
なお、上記非水電解質中には、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分、例えば、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等のガス発生剤;ホウ素原子および/またはリン原子を含むオキサラト錯体化合物、ビニレンカーボナート(VC)、フルオロエチレンカーボナート(FEC)等の被膜形成剤;分散剤;増粘剤;等の各種添加剤が含まれ得る。
捲回電極体20は、図2および図3に示すように、長尺状の正極集電体52の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って正極活物質層54が形成された正極シート50と、長尺状の負極集電体62の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って負極活物質層64が形成された負極シート60とを、2枚の長尺状のセパレータシート70を介して重ね合わせて長手方向に捲回されている。なお、捲回電極体20の捲回軸方向(上記長手方向に直交するシート幅方向をいう。)の両端から外方にはみ出すように形成された正極活物質非形成部分52a(即ち、正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分)と負極活物質層非形成部分62a(即ち、負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分)には、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。
ここで、正極シート50および負極シート60は、正極活物質層54および負極活物質層64の単位厚さあたりの透気度以外の点については、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる正極シートおよび負極シートと同様にして構成することができる。具体的には、以下の通りである。
正極シート50は、典型的には、正極活物質と導電材とバインダ等とを適当な溶媒中で混合してペースト状(スラリー状、インク状のものを包含する。)の組成物を調製し、当該ペースト状の組成物を正極集電体52の片面または両面上に塗布した後、乾燥することによって作製される。乾燥の後、正極シート50に適宜プレス処理を施してもよい。
正極シート50を構成する正極集電体52としては、例えばアルミニウム箔等が挙げられる。正極活物質としては、例えばリチウム遷移金属酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi0.5Mn1.5等)や、リチウム遷移金属リン酸化合物(LiFePO等)等が挙げられる。導電材としては、アセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
負極シート60は、典型的には、負極活物質とバインダと増粘剤等とを適当な溶媒中で混合してペースト状の組成物を調製し、当該ペースト状組成物を負極集電体62の片面または両面上に塗布した後、乾燥することによって作製される。乾燥の後、負極シート60に適宜プレス処理を施してもよい。
負極シート60を構成する負極集電体62としては、例えば銅箔等が挙げられる。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。バインダとしては、スチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
セパレータ70としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートを用いることができる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。
本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100においては、正極活物質層54の単位厚さあたりの透気度が、2.0±0.4sec/(100ml・μm)である。また、負極活物質層64の単位厚さあたりの透気度が、0.4±0.3sec/(100ml・μm)である。さらに、セパレータ70の単位厚さあたりの透気度が、4.3±1.9sec/(100ml・μm)である。
ここで透気度とは、直径12mmの円盤状サンプルに、ガーレー試験機(A型)を用いてJIS P8117:2009に準拠してサンプルに空気圧を印加したときに、100mlの空気がサンプルを透過するのに要した時間(秒=sec)として求めることができる。単位厚さ(μm)あたりの透気度とは、上述のようにして測定された透気度を、サンプルの平均厚さ(μm)で除した値のことをいう。
電極体20の捲回軸方向の両端部においては、正極活物質層54の端部と負極活物質層64の端部とが露出しており、この露出部分において、非水電解質の排出と流入が起こる。本発明者らの検討によれば、以下のことが判明した。充電が行われると、負極活物質にリチウムイオンが挿入されるために、負極活物質が膨張し、非水電解質が負極活物質層64から排出されるように移動する。逆に放電が行われると、負極活物質からリチウムイオンが離脱するために、負極活物質が収縮を起こし、非水電解質が負極活物質層64に流入するように移動する。一方、正極活物質層64については、充放電に伴う正極活物質の体積変化はあるものの、充電を行っても放電を行っても非水電解質は、正極活物質層54から排出されるように移動する。
本発明者らは、後述の実施例の記載に準じて種々の電池を作製して、当該電池を10CAで10秒間放電/充電したときの非水電解質の移動速度(非水電解質が電極体に流入する速度および非水電解質が電極体から排出される速度)と、ハイレート放電/充電試験したときの抵抗値の関係について検討した。その結果、図4に示すように、非水電解質の移動速度が小さく抑えられた場合には、具体的には、非水電解質の移動速度が1μm/秒以下である場合には、実用上問題にならない程度に電池抵抗の増加が抑えられていることがわかった。
本発明者らは、正極活物質層の透気度、負極活物質層の透気度、およびセパレータの透気度と、非水電解質の移動速度(非水電解質が電極体に流入する速度および非水電解質が電極体から排出される速度)との関係について検討を行った。その結果の概略を図5に示す。図5(a)に示されるように、正極活物質層の透気度が増加すると、非水電解質の移動速度は小さくなる。負極活物質層についても同様に、図5(b)に示されるように、負極活物質層の透気度が増加すると、非水電解質の移動速度は小さくなる。しかしながら、図5(c)および図5(d)に示されるように、セパレータの透気度が増加すると、正極活物質層における非水電解質の移動速度は大きくなり、負極活物質層における非水電解質の移動速度も大きくなる。
したがって、正極活物質層の透気度が小さ過ぎると、ハイレートで充放電する際に、非水電解質の移動速度が大き過ぎて、非水電解質の電極体への塩濃度ムラが発生し、電池抵抗が増加することになる。しかしながら、正極活物質層の透気度が大き過ぎると、電池容量が小さくなり過ぎる。負極活物質層についても同様に、負極活物質層の透気度が小さ過ぎると、ハイレートで充放電する際に、非水電解質の移動速度が大き過ぎて、非水電解質の電極体への塩濃度ムラが発生し、電池抵抗が増加することになる。しかしながら、負極活物質層の透気度が大き過ぎると、電池容量が小さくなり過ぎる。セパレータについては、セパレータの透気度が小さ過ぎると、金属リチウムが析出して短絡を起こしやすくなる。一方、セパレータの透気度が大き過ぎると、塩濃度ムラの緩和が遅くなり過ぎる。
以上を踏まえ、本発明者らがさらに実験を重ねて検討を行ったところ、非水電解質の移動速度を1μm/秒以下にしてハイレート充放電時の電池抵抗の増加を抑え、電池性能の低下のない非水電解質二次電池を得るには、正極活物質層の単位厚さあたりの透気度を、2.0±0.4sec/(100ml・μm)とし、負極活物質層の単位厚さあたりの透気度を、0.4±0.3sec/(100ml・μm)とし、セパレータの単位厚さあたりの透気度を、4.3±1.9sec/(100ml・μm)とすればよいことを見出した。2.0±0.4sec/(100ml・μm)という正極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、従来の一般的な正極の正極活物質層の単位厚さあたりの透気度と比べると高い領域にあり、0.4±0.3sec/(100ml・μm)という負極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、従来の一般的な負極の負極活物質層の単位厚さあたりの透気度と比べると高い領域にあり、4.3±1.9sec/(100ml・μm)というセパレータの単位厚さあたりの透気度は、従来の一般的なセパレータの単位厚さあたりの透気度と比べると低い領域にある。
なお、正極活物質層54の単位厚さあたりの透気度を調整するには、正極活物質の平均粒子径や粒度分布、正極活物質とバインダとの使用割合、プレス処理する際のプレス条件等を適宜調整すればよい。同様に、負極活物質層64の単位厚さあたりの透気度を調整するには、負極活物質の平均粒子径や粒度分布、負極活物質とバインダとの使用割合、プレス処理する際のプレス条件等を適宜調整すればよい。セパレータ70の透気度を調整するには、セパレータの平均孔径や空孔率を適宜調整すればよい。
ハイレート充放電時の電池抵抗の増加をよりよく抑える観点からは、正極活物質層54の密度としては、2.8±0.3g/cmが好ましい。また、同じ観点から、負極活物質層64の密度としては、1.50±0.5g/cmが好ましい。
以上のようにして構成されるリチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。特に大型電池として利用することが有利であり、好適な用途としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される駆動用電源が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、典型的には複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態でも使用され得る。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔透気度の測定方法〕
空気を透過しない支持体を備える粘着テープに直径12mmの円形の穴を開けた。この粘着テープの穴を塞ぐように、正極活物質層、負極活物質層またはセパレータのサンプルを貼り付けた。さらに直径12mmの円形の穴を有するフィルムを、粘着テープの穴とフィルムの穴の位置を一致させ、粘着テープとフィルムとでサンプルを挟み込むようにして貼り付けた。このようにして得たサンプルを、ガーレー試験機(A型)にセットし、JIS P8117:2009に準拠してサンプルに空気圧を印加した。100mlの空気がサンプルを透過するのに要した時間(秒)を測定し、その時間を透気度(sec/100ml)とした。
<例1>
正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3(LNCM)と、導電材としてのABと、バインダとしてのPVDFとを、LNCM:AB:PVDF=90:8:2の質量比でN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、正極を作製した。正極活物質層の厚さは60±2μmであった。上記の方法により測定した正極活物質層の透気度は、60±5sec/100mlであった。
また、負極活物質としての黒鉛(C)と、バインダとしてのSBRと、増粘剤としてのCMCとを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比でイオン交換水と混合して、負極活物質層形成用スラリーを調製した。このスラリーを、長尺状の銅箔(負極集電体)の両面に帯状に塗布して乾燥した後、プレスすることにより、負極を作製した。負極活物質層の厚さは77±2μmであった。上記の方法により測定した負極活物質層の透過度は、10±5sec/100mlであった。
また、PE製多孔質フィルムからなるセパレータを2枚準備した。セパレータは、厚さが23μm±2μmであって、上記の方法により測定した透気度が100±30sec/100mlのものを選んだ。
正極、セパレータ、負極、セパレータの順で積層したものを捲回して押圧し、扁平形状の捲回電極体を準備した。この捲回電極体を電池ケースに収容した。続いて、電池ケースの開口部から非水電解質を注入し、当該開口部を気密に封止して例1に係る非水電解質二次電池を作製した。なお、非水電解質として、ECとDMCとEMCとを30/40/30の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<例2>
正極活物質層の厚さが60±2μm、正極活物質層の透気度が40±9sec/100mlの正極を作製し、負負極活物質層の厚さが77±2μm、負極活物質層の透過度が2.6±0.5sec/100mlの負極を作製し、厚さが23μm±2μm、透気度が300±100sec/100mlのセパレータを使用した以外は例1と同様にして、例2に係る非水電解質二次電池を作製した。
なお、例1が本実施形態の範囲内の非水電解質二次電池であり、例2が従来の非水電解質二次電池である。例1および例2の非水電解質二次電池の、正極活物質層の透気度、負極活物質層の透気度、およびセパレータの透気度について以下の表1にまとめる。
Figure 2017004729
〔抵抗増加率の測定方法〕
以上のようにして得られた例1および例2の非水電解質二次電池に対し、ハイレート充放電を繰り返す充放電パターンを付与し、充放電サイクル試験を行った。具体的には、室温(約25℃)環境下において、2Cの定電流充電によって4.2Vまで充電を行い、0.4Cの定電流放電によって3.0Vまで放電を行うハイレート充放電サイクルを100回連続して繰り返した。そして、上記充放電サイクル試験前におけるIV抵抗(電池の初期の抵抗)と、充放電サイクル試験後におけるIV抵抗とから抵抗増加率を算出した。ここで、充放電サイクルの前後におけるIV抵抗は、それぞれ、電池をSOC60%の充電状態とし、25℃の環境下で、1C、3C、5Cでそれぞれ10秒間充電処理を行い、測定された測定電流値を横軸に、初期電圧値から10秒時点での電圧値を引いた値である電圧ドロップ値ΔVを縦軸にプロットし、その傾きから求めた。なお、上記抵抗増加率は、(充放電サイクル試験後のIV抵抗/充放電サイクル試験前のIV抵抗)×100により求められる。結果を図6に示す。
図6から、正極活物質層の単位厚さあたりの透気度が2.0±0.4sec/(100ml・μm)、負極活物質層の単位厚さあたりの透気度が0.4±0.3sec/(100ml・μm)、セパレータの単位厚さあたりの透気度が4.3±1.9sec/(100ml・μm)という条件を同時に満たす例1の非水電解質二次電池は、上記の条件を同時に満たさない例2の従来の非水電解質二次電池と比べて、抵抗増加率が約15%低減していることがわかる。したがって、本実施形態の非水電解質二次電池では、ハイレート充放電時の電池抵抗の増加を抑えることができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
20 電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極シート(正極)
52 正極集電体
52a 正極活物質層非形成部分
54 正極活物質層
60 負極シート(負極)
62 負極集電体
62a 負極活物質層非形成部分
64 負極活物質層
70 セパレータシート(セパレータ)
100 リチウムイオン二次電池

Claims (1)

  1. 正極集電体上に正極活物質層を有する正極と、負極集電体上に負極活物質層を有する負極と、該正負極間に介在するセパレータと、を備える電極体を含む非水電解質二次電池であって
    前記正極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、2.0±0.4sec/(100ml・μm)であり、
    前記負極活物質層の単位厚さあたりの透気度は、0.4±0.3sec/(100ml・μm)であり、
    前記セパレータの単位厚さあたりの透気度は、4.3±1.9sec/(100ml・μm)である、
    非水電解質二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022239861A1 (ja) * 2021-05-14 2022-11-17 株式会社Gsユアサ 蓄電素子

Cited By (1)

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WO2022239861A1 (ja) * 2021-05-14 2022-11-17 株式会社Gsユアサ 蓄電素子

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