JP2017004678A - プラズマ発生装置 - Google Patents

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健治 加藤
高橋 正人
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Abstract

【課題】簡易な構成で、アークスポットがカソードの蒸発面以外の領域へ移動することを防ぐことができるプラズマ発生装置を提供する。【解決手段】プラズマ発生装置100において、カソード4は、柱状形状を有する柱状部材を含む。カソードホルダ3は、柱状部材が基板20の位置する方向に伸びるようにカソード4を固定する。電源7は、カソードホルダ3に負の電圧を印加する。トリガー電極8は、カソード4に接触することにより真空容器1内に放電を発生させる。中間電位部材13は、少なくとも中間電位部材13がカソード4に接触するときに柱状部材の周囲に位置し、柱状部材の長軸方向に垂直な方向に配置される。柱状部材のカソードホルダ3側の端部と柱状部材の基板20側の端部との間に生じる電位差の絶対値が、基板20側の端部と中間電位部材13との間に生じる電位差の絶対値よりも小さい。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ発生装置に関する。
基板の外部表面に被膜を形成するための方法として、アーク式PVD(Physical Vapor Deposition)法が知られている。アーク式PVD法では、アーク放電を用いて、蒸発源に取り付けられたカソードを溶融して蒸発させる。蒸発したカソード物質(イオン化したカソード物質及び電気的に中性のカソード物質を含む。)が基板表面上に堆積することにより被膜が形成される。アークスポットがカソード以外の他の領域に移動した場合、成膜速度が低下したり、膜厚の分布が不均一になったりする可能性がある。このため、アークスポットがカソードの蒸発面などの所望の領域から移動しないようにするための技術が、従来から用いられている。
アークスポットがカソードの蒸発面以外の領域に移動することを抑制することができるアーク式蒸発源が知られている(特許文献1)。このアーク式蒸発源は、カソードと、テーパリングと、コイルとを備える。テーパリングは、強磁性体であり、円錐台の形状である。カソードは、テーパリングの軸方向に沿って形成された貫通孔に挿入される。コイルは、カソードの長軸方向と平行な磁力線を発生させる。
アークスポットは、磁力線中に存在する場合、磁力線とテーパリングの側面とで形成される2つの角のうち、鋭角の方向に移動する性質を有する。アークスポットが、カソードの蒸発面以外の領域で発生したとしても、上述の性質によりアークスポットは蒸発面上に移動する。従って、アークスポットがカソード以外の領域に移動することが抑制される。
また、アークスポットがカソードの蒸発面以外の領域に移動した場合、アークを再点弧する物品処理装置が知られている(特許文献2)。物品処理装置において、検出プレートが、カソードの周囲に配置される。検出プレートは、抵抗を介して接地される。制御部は、抵抗の両端の間の電圧を検出する。制御部は、検出した電圧の波形に基づいて、アークスポットがカソードの蒸発面上に存在するか、カソードの側面上又はカソードの蒸発面と側面との近傍付近に存在するかを判断する。
制御部は、アークスポットが側面又は近傍付近に存在すると判断した場合、アーク放電を消滅させ、その後、アーク放電をカソードの蒸発面上に再び発生させる。これにより、アークスポットがカソードの蒸発面以外の領域に長時間連続して位置することを防ぐことができる。
上述の物品処理装置及びアーク式蒸発源は、カソードの長軸方向に平行な磁力線を発生させる。また、磁力線は、イオン化されたカソード物質がカソードの長軸に垂直な方向へ移動することを抑止する。この結果、アークスポットがカソード以外の領域へ移動することが防止される。
特開2008−214685号公報 特開2006−117978号公報
しかし、上述の物品処理装置及びアーク式蒸発源は、磁力線を発生させるためのコイルを備えなければならないため、アーク式蒸発源又は物品処理装置の構成が複雑となる。
本発明の目的は、簡易な構成で、アークスポットがカソードの蒸発面以外の領域へ移動することを防ぐことができるプラズマ発生装置を提供することである。
この発明の実施の形態によれば、プラズマ発生装置は、真空容器と、カソードと、保持部材と、カソードホルダと、電源と、放電開始部材と、中間電位部材とを備える。カソードは、柱状形状を有する柱状部材を含む。保持部材は、真空容器内に配置され、基板を保持する。カソードホルダは、真空容器に取り付けられ、柱状部材が基板の位置する方向に伸びるようにカソードを真空容器内に固定する。電源は、カソードホルダに負の電圧を印加する。放電開始部材は、カソードに接触することにより真空容器内に放電を発生させる。中間電位部材は、少なくとも放電開始部材がカソードに接触するときに柱状部材の周囲に位置し、カソードホルダにより固定された柱状部材の長軸方向に垂直な方向に配置され、導電性を有する。柱状部材のカソードホルダ側の端部と柱状部材の基板側の端部との間に生じる電位差の絶対値が、基板側の端部と中間電位部材との間に生じる電位差の絶対値よりも小さい。
この発明の他の実施の形態によれば、プラズマ発生装置は、真空容器と、カソードと、保持部材と、カソードホルダと、電源と、放電開始部材と、制御部とを備える。カソードは、柱状形状を有する柱状部材を含む。保持部材は、真空容器内に配置され、基板を保持する。カソードホルダは、真空容器に取り付けられ、柱状部材が真空容器の内側に向かって伸びるようにカソードを真空容器内に固定する。電源は、カソードホルダに負の電圧を印加する。放電開始部材は、真空容器内を移動可能であり、カソードホルダにより固定されたカソードの柱状部材に接触することにより真空容器内で放電を発生させる。制御部は、放電開始部材が柱状部材に接触するように放電開始部材の移動を制御する。放電開始部材は、接触部材と、中間電位部材とを含む。接触部材は、制御部による移動制御により柱状部材の先端に接触する。中間電位部材は、接触部材が先端に接触するときに柱状部材の周囲に位置する。制御部は、接触部材が先端に接触した後に柱状部材から離れた位置に放電開始部材を移動させる。
この発明の実施の形態によるプラズマ装置において、柱状部材の基板側の端部とカソードホルダ側の端部との間に生じる電界が、中間電位部材により遮蔽される。従って、柱状部材に発生するアークスポットが柱状部材以外の領域へ移動することが抑制される。
本発明の第1の実施の形態によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。 図1に示すカソードの側面図である。 図1に示すカソードの平面図である。 図1に示すプラズマ装置におけるカソード近傍の拡大図である。 図1に示す中間電位部材を基板側から見た図である。 図1に示すプラズマ装置を用いたカーボン薄膜の製造方法を示す工程図である。 図1に示すトリガー電極がカソードから離反した直後におけるカソード近傍の電界を模式的に示す図である。 図1に示すプラズマ装置を用いてアーク放電を発生させる実験を行ったときの結果を示す表である。 図2Aに示す柱状部材の変形例を示す図である。 図2Aに示す柱状部材及び図4に示す開口の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。 図10に示すトリガー電極の側面図である。 図10に示すトリガー電極の平面図である。 図10に示すプラズマ装置におけるカソード近傍の拡大図である。 図13Aに示すトリガー電極をカソードホルダ側から見た図である。 図11に示す接触部材が柱状部材から離反した直後におけるカソード近傍の電界を示す図である。 図10に示すプラズマ装置を用いてアーク放電を発生させる実験を行ったときの結果を示す表である。 図10に示す中間電位部材に形成される開口の変形例を示す図である。 図10に示す中間電位部材に形成される開口の他の変形例を示す図である。 図10に示すトリガー電極の変形例を示す図である。 図2Aに示すカソードの変形例の断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[プラズマ装置の構成]
図1は、本発明の第1の実施の形態によるプラズマ装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、第1の実施の形態によるプラズマ装置100は、真空容器1と、保持部材2と、カソードホルダ3と、カソード4と、シャッター5と、電源6,7と、トリガー電極8と、抵抗9、10と、フランジ11と、支柱12と、中間電位部材13と、シール材14と、制御部15とを備える。
真空容器1は、排気口111を有し、排気口111から排気装置(図示せず)によって真空に引かれる。そして、真空容器1は、接地ノードGNDに接続される。
保持部材2は、真空容器1の底面を介して一部が真空容器1内に配置され、基板20を保持する。電源6は、保持部材2と接地ノードGNDとの間に接続される。
カソードホルダ3及びフランジ11は、真空容器1の側壁に固定される。具体的には、フランジ11は、カソードホルダ3の周囲を囲むようにして真空容器1に配置される。フランジ11は、導電性を有しており、抵抗10を介して接地ノードGNDに接続される。
フランジ11と真空容器1の側壁との間、カソードホルダ3とフランジ11との間は、シール材14により密封される。シール材14は、絶縁性の材料(例えば、テフロン(登録商標)など)からなる。
カソード4は、カソードホルダ3の基板20側の表面に取り付けられる。カソード4の形状等の詳細については、後述する。
支柱12は、フランジ11から基板20側に延びるように固定される。中間電位部材13は、支柱12により、真空容器1の側壁及びフランジ11と略平行となるように真空容器1内に配置される。支柱12及び中間電位部材13は、例えば、ステンレス鋼(SUS304など)からなる。従って、中間電位部材13は、支柱12、フランジ11及び抵抗10を介して接地ノードGNDに接続される。
カソードホルダ3に固定されたカソード4の先端は、中間電位部材13に形成された開口に挿入される。カソード4の先端が中間電位部材13から基板20側に突出するよう、カソード4と中間電位部材13とが位置合わせされる。あるいは、カソード4の先端が中間電位部材13と同一平面上に位置するように、カソード4と中間電位部材13とが位置合わせされる。カソード4と中間電位部材13との位置関係など、中間電位部材13の詳細については、後述する。
トリガー電極8は、一部が真空容器1の側壁を介して真空容器1内に配置され、残部が真空容器1外に配置される。そして、トリガー電極8は、例えば、Moからなり、抵抗9を介して接地ノードGNDに接続される。
シャッター5は、カソード4と基板20との間にカソード4に対向して配置される。
制御部15は、トリガー電極8がカソードホルダ3に固定されたカソード4の先端に接触及び離反するように、トリガー電極8の移動を制御する。
図2Aは、カソード4の側面図である。図2Bは、図2Aに示すカソード4を矢印A方向から見た平面図である。図2A及び図2Bを参照して、カソード4は、台座41と、柱状部材42とを含む。台座41は、円盤形状である。柱状部材42は、柱状形状を有する。柱状部材42及び台座41は、一体的に作成される。
例えば、台座41は、64mmφの直径R1を有し、20mmの高さH1を有する。柱状部材42は、円柱形状であり、例えば、3mmφの直径R2を有し、20mmの高さH2を有する。
台座41及び柱状部材42は、ガラス状炭素からなる。ガラス状炭素は、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂を焼成、炭素化することにより製造される。本実施の形態では、グラッシーカーボン、アモルファスカーボン、非晶質カーボン、非定形炭素、無定形炭素、非黒鉛化炭素、及びvitreous carbonは、ガラス状炭素に含まれるものとする。
台座41及び柱状部材42は、例えば、円柱形状のガラス状炭素を旋盤加工又はエッチングすることにより、一体的に作成される。
[カソード4と中間電位部材13との位置関係]
図3は、図1に示すプラズマ装置100におけるカソード4近傍の拡大図である。図4は、図1に示す中間電位部材13を矢印B方向から見た図である。
図3及び図4を参照して、中間電位部材13は、円盤状の部材であり、真空容器1の側壁と略平行となるように配置される。カソード4がカソードホルダ3に固定された場合、柱状部材42の長軸方向(中心軸X方向)は、真空容器1の側壁に垂直な方向に延びる。従って、中間電位部材13は、中心軸Xと垂直な方向に配置される。中間電位部材13は、3mmの厚さT1を有する。中間電位部材13には、開口13Aが形成される。開口13Aは、円形であり、例えば、8mmφの直径R4を有する。
カソードホルダ3に固定されたカソード4において、柱状部材42は、中間電位部材13よりも基板20側に突出する。中間電位部材13とカソード4の台座41との距離D1は、例えば、7mmである。中間電位部材13と柱状部材42の蒸発面42Aとの距離D2は、例えば、10mmである。
あるいは、カソードホルダ3に固定されたカソード4において、柱状部材42の基板20側の面(蒸発面42A)が中間電位部材13の基板20側の面と同一平面上に位置する。この場合、距離D1は、17mmであり、距離D2は、0mmである。
カソード4がカソードホルダ3に固定された場合、中間電位部材13と開口13Aとカソード4の柱状部材42とは、同心円を形成する。開口13Aの直径R4が、8mmφであり、柱状部材42の直径が3mmφであるため、中間電位部材13は、柱状部材42に接触することなく、柱状部材42の周囲に配置される。中間電位部材13と柱状部材42との距離L1は、2.5mmである。
[薄膜の製造方法]
図5は、プラズマ装置100を用いたカーボン薄膜の製造方法を示す工程図である。図5を参照して、カーボン薄膜を製造するための準備工程を行う(ステップS1)。準備工程では、カソード4のカソードホルダ3への取り付け、基板20の取り付け、中間電位部材13の取り付け、トリガー電極8の取り付けなどが行われる。
その後、カソード4と、中間電位部材13との位置関係を調整する(ステップS2)。具体的には、カソード4における柱状部材42の蒸発面42Aが中間電位部材13よりも基板20側に突出するように位置関係を調整する。あるいは、カソード4における柱状部材42の蒸発面42Aが、中間電位部材13の基板20側の面と同一平面上に位置するように位置関係を調整する。柱状部材42の蒸発面42Aが、中間電位部材13の基板20側の面よりも、カソードホルダ3に近い位置にある場合、現在の柱状部材42の高さ(H2)より大きい高さの柱状部材42を有するカソード4に取り換えればよい。あるいは、支柱12の長さを変更することにより、中間電位部材13と真空容器1の側壁との距離を調整してもよい。
そして、排気口111を介して真空容器1内を排気し、真空容器1内の圧力を5×10−4Paに設定する。
電源6によって基板20に−10V〜−300Vの電圧を印加し(ステップS3)、電源7によってカソードホルダ3に−40Vの電圧を印加する(ステップS4)。
そして、制御部15は、トリガー電極8を移動させて、トリガー電極8を柱状部材42の蒸発面42Aに接触させる(ステップS5)。その後、制御部15は、トリガー電極8をカソード4から離反させる。これにより、アーク放電が開始し、アークスポットが蒸発面42Aに現れる。このアークスポットは、カソード4の溶融部であり、強く発光する。ステップS5の後に、制御部15は、アーク放電が開始されたか否かを判断する(ステップS6)。例えば、カソードホルダ3と電源7との間に接続される電流検出器(図示せず)がアーク放電の発生を示す電流値を検出した場合、制御部15は、アーク放電が開始されたと判断することができる。アーク放電が開始されていない場合(ステップS6においてNo)、制御部15は、トリガー電極8を柱状部材42の蒸発面42Aに再度接触させる(ステップS5)。
一方、制御部15は、アーク放電が開始されたと判断した場合(ステップS6においてYes)、シャッター5を開ける(ステップS7)。これによって、カーボン薄膜(DLC:Diamond Like Carbon)が基板20上に形成される。そして、制御部15は、放電が停止したか否かを判断する(ステップS8)。
ステップS8において、制御部15は、放電が停止したと判断した場合(ステップS8においてYes)、シャッター5を閉じる(ステップS9)。その後、上述したステップS5〜S8が繰り返し実行される。
一方、制御部15は、放電が停止していないと判断した場合(ステップS8においてNo)、所望の時間が経過したか否かを判断する(ステップS10)。所望の時間が経過していた場合(ステップS10においてYes)、制御部15は、シャッター5を閉じる(ステップS11)。これにより、カーボン薄膜の製造が終了する。所望の時間が経過していない場合(ステップS10においてNo)、制御部15は、放電が停止しているか否かを再び判断する(ステップS8)。
[カソード4近傍の電界]
以下、トリガー電極8がカソード4の蒸発面42Aに接触した後におけるカソード4近傍の電界について説明する。
図6は、トリガー電極8がカソード4から離反した直後におけるカソード4近傍の電界を模式的に示す図である。図6を参照して、各参照符号とともに記載された括弧内の数値は、トリガー電極8が柱状部材42に接触した後における、各参照符号が示す部位の電位を示す。
最初に、中間電位部材13を設けない場合において、台座41と柱状部材42との間で生じる電位差について説明する。上述のように、図5に示すステップS4において、電源7がカソードホルダ3に−40Vの電圧を印加する。カソードホルダ3は、台座41と同じ直径R1(64mmφ)を有する。カソードホルダ3及び台座41の直径R1が、柱状部材42の直径R2に比べて十分に大きく、台座41の高さH1と、柱状部材42の高さH2とは、同程度の大きさである。カソードホルダ3は、例えば、銅などの導電性の金属から構成されているとする。これらの点を考慮すると、カソードホルダ3及び台座41の各々の電気抵抗は、柱状部材42の電気抵抗に比べて十分に小さい。従って、カソードホルダ3及び台座41で発生する電位差を無視することができる。従って、台座41の基板20側の面(上面41A)における電位は、アーク放電が開始されたときに、−40Vである。
柱状部材42の蒸発面42Aの電位は、例えば、−30Vである。柱状部材42の直径R2は、3mmφであるため、柱状部材42の断面積は、台座41の断面積の約0.2%である。柱状部材42の抵抗値は、台座41の抵抗値に比べてはるかに大きく、プラズマの抵抗値と同等であるために、柱状部材42で生じる電位差を無視することができない。柱状部材42の台座41側の端部と、柱状部材42の基板20側の端部(蒸発面42A)との間には、10〜20V程度の電位差が生じるが、柱状部材42で生じる電位差は、柱状部材42の断面積、高さ、及びアーク電流の大きさに依存する。柱状部材42の直径R2が3mmφであり、高さH2が20mmであり、アーク放電により80Aの電流を流す場合、柱状部材42において約10Vの電位差が生じる。この結果、蒸発面42Aにおける電位は、上述のように、約−30Vとなる。
上面41Aと蒸発面42Aとの間に約10Vの電位差が生じるため、上面41Aと蒸発面42Aとの間に電界31が生じる。蒸発面42Aの電位が上面41Aの電位よりも高いため、電界31の向きは、蒸発面42Aから上面41Aを見た方向となる。
トリガー電極8が柱状部材42の蒸発面42Aに接触することにより(ステップS5)、アーク放電が蒸発面42Aと真空容器1の壁面との間で発生する。カソード4を構成するガラス状炭素の蒸発により、炭素イオン(C)と電子(e)とを含むプラズマが発生する。発生した炭素イオンの一部が、柱状部材42の表面電界によって柱状部材42に衝突し、衝突した個所から炭素イオンや電子を含むプラズマが新たに発生する。この結果、新たにアークスポットが発生する。上述のように、アークスポットの発生に伴って生じる電界31の向きが、蒸発面42Aから上面41Aの方向であるため、炭素イオンは、上面41Aに引き寄せられ、従って、アークスポットも上面41Aに引き寄せられることになる。このように、中間電位部材13を設けない場合、アークスポットが柱状部材42から台座41へ移動する現象(土台落ち)が発生する頻度が増加する。
しかし、中間電位部材13を配置することにより、土台落ちを防ぐことができる。その理由は以下のように考えられる。
中間電位部材13は、抵抗10を介して接地されている。従って、アーク放電が発生するまでの間、中間電位部材13の電位は0Vである。上述のように、ステップS4においてカソードホルダ3に−40Vの電圧が印加され、ステップS5においてトリガー電極8が柱状部材42に接触することにより中間電位部材13から蒸発面42Aに向く電界32が発生し、アーク放電が発生する。アーク放電により発生するプラズマ中の電子は、中間電位部材13に流入する。この結果、中間電位部材13の電位は、0Vから−5〜−10Vに低下する。
中間電位部材13の電位が低下しても、中間電位部材13の電位は、蒸発面42Aの電位よりも高い。また、中間電位部材13と蒸発面42Aとの電位差(20V)は、台座41と蒸発面42Aとの間の電位差(10V)よりも大きいため、中間電位部材13から蒸発面42Aに向く電界32は、電界31よりも大きい。結果として、アークスポットから発生した炭素イオンのうち、柱状部材42の表面電界によって柱状部材42に衝突する炭素イオンは、柱状部材42の蒸発面42Aに引き寄せられる。よって、上述した通り、アークスポットは、蒸発面42A上に存在し続けることになる。
中間電位部材13が柱状部材42の周囲に位置しているため、中間電位部材13は、蒸発面42Aと上面41Aとの間に生じる電界31の一部を遮蔽する。中間電位部材13を設置したときの電界31の強度は、中間電位部材13が設置されていないときの電界31の強度よりも小さくなる。この結果、上述した場合(中間電位部材13を設けない場合)よりも、アークスポットが強い電界32により蒸発面42Aにより引き寄せられ、アークスポットの土台落ちが発生することを防ぐことができる。
柱状部材42と中間電位部材13との距離L1が小さくなるほど、電界31を遮蔽する効果が大きくなる。距離L1を小さくすることにより、土台落ちの発生頻度を小さくすることができる。
[実験]
中間電位部材13を設けたことによる効果を確認するために、以下に説明する実験を行った。
柱状部材42は、断面形状が円形であり、直径R1が3mmφのガラス状炭素により構成された。中間電位部材13は、一辺の長さが350mmの正方形であり、ステンレス鋼(SUS304)により構成された。
開口13Aの直径R4がそれぞれ5mm、8mm、10mm、12mm、16mm、24mmの中間電位部材13を用いることにより、距離L1を1mm、2.5mm、3.5mm、4.5mm、6.5mm、10.5mmに設定した。
台座41の電圧が−50Vとなるように負の電圧を印加し、真空容器1内を排気装置(図示省略)によって9.9×10−3Paまで排気し、アーク電流を100Aに設定した上で、真空容器1内で放電点弧した。アークスポットが柱状部材42で発生した場合、アーク放電が40秒間継続している間に、アークスポットが柱状部材42から移動するか否かを確認した。
上記の実験を複数回繰り返し実行して、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する頻度を計測した。
また、中間電位部材13を取り外したプラズマ装置を用いて、上記の同様の条件による比較実験を繰り返し行った。
図7は、上記実験の結果を示す表である。図7を参照して、移動回数は、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動した回数である。移動確率は、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動した確率である。
距離L1が1mm、2.5mm及び3.5mmのとき、アークスポットが柱状部材42から移動しないことが確認された。一方、距離L1が4.5mm以上である場合、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する場合があることが確認された。一方、中間電位部材13を設けない場合(比較実験)では、アークスポットは、柱状部材42から別の領域へ移動し、アーク放電が消弧したことが確認された。
これらの実験結果から、カソードホルダ3に取り付けられた柱状部材42の周囲に中間電位部材13を配置することにより、アークスポットが柱状部材42以外の領域へ移動することを防ぐ効果が得られることが実証された。
距離L1が3.5mm以下である場合、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動しないことが実証された。また、距離L1を小さくすることにより、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する確率が低くなることが実証された。
なお、上記第1の実施の形態において、柱状部材42の断面形状及び開口13Aの形状が円形である場合を例に説明したが、これに限られない。図8は、柱状部材42の変形例を示す図である。図8を参照して、柱状部材42の断面は、楕円形であってもよい。この場合、開口13Aの中心が柱状部材42の断面における長軸と短軸との交点と一致することが望ましい。距離L1は、柱状部材42の断面の長軸方向における中間電位部材13と柱状部材42との間隔として定義される。
図9は、柱状部材42及び開口13Aの変形例を示す図である。図9を参照して、柱状部材42の断面形状及び開口13Aの形状が、正方形であってもよい。この場合、距離L1は、柱状部材42の断面の一辺と、これに対向する開口13Aの一辺との間隔として定義される。なお、柱状部材42の断面の中心(対角線の交点)は、開口13Aの中心と一致することが望ましい。
つまり、距離L1は、中間電位部材13と柱状部材42との間の最小間隔として定義される。
<第2の実施の形態>
[プラズマ装置の構成]
図10は、第2の実施の形態に係るプラズマ装置の構成を示す概略図である。図10を参照して、本実施の形態に係るプラズマ装置200では、図1に示すトリガー電極8が、トリガー電極50に変更されている。トリガー電極50への変更に伴って、プラズマ装置200は、抵抗10と、フランジ11と、支柱12と、中間電位部材13とを備えていない。
トリガー電極50は、一部が真空容器1の側壁を介して真空容器1内に配置され、残部が真空容器1外に配置される。そして、トリガー電極50は、例えば、Moからなり、抵抗9を介して接地ノードGNDに接続される。
図11は、トリガー電極50の真空容器1内側の端部の側面図である。図12は、図11に示すトリガー電極50をカソードホルダ3側(矢印C方向側)から見た平面図である。図11及び図12を参照して、トリガー電極50は、本体部51と、接触部材52と、中間電位部材53と、接続部54とを備える。
本体部51は、例えば、6mmφの直径R5を有し、略L字型の形状である(図10参照)。本体部51の一部が真空容器1の側壁を介して真空容器1内に配置される。残部が真空容器1外に配置される。
接触部材52は、本体部51と一体的に形成された板状部材である。接触部材52は、3mmの厚さD3を有し、本体部51の真空容器1内の端部から延びる。接触部材52は、トリガー電極50の真空容器1内の移動に伴って、カソードホルダ3に固定されたカソード4の蒸発面42Aに接触する。これにより、接触部材52は、真空容器1内でアーク放電を発生させる。
中間電位部材53は、接触部材52から見てカソードホルダ3側に位置する。中間電位部材53は、接触部材52と対向して配置される。接触部材52と中間電位部材53との距離K1は、例えば、10mmである。また、中間電位部材53には、例えば、10mmφの直径R6を有する開口53Aが形成される。
接触部材52の一方の端部と中間電位部材53の一方の端部とが接続部54により接続される。接触部材52と、中間電位部材53と、接続部54とにより形成される形状は、略U字状である。接続部54により、接触部材52及び中間電位部材53は、電気的に接続される。
プラズマ装置200を用いたカーボン薄膜の製造方法は、ステップS2を実行しない点を除き、図5に示す製造方法と同じである。
[カソード4とトリガー電極50との位置関係]
以下、トリガー電極50がカソード4の蒸発面42Aに接触するときにおける(ステップS5。図5参照)、トリガー電極50とカソード4との位置関係について説明する。
ステップS5において、制御部15は、トリガー電極50を基板20側からカソード4に近づける。そして、制御部15は、柱状部材42が中間電位部材53に形成された開口53Aを通り抜けるように、トリガー電極50を移動させる。制御部15は、柱状部材42の蒸発面42Aに接触部材52を接触させた後、直ちにトリガー電極50を柱状部材42から離反させる。
図13Aは、接触部材52が柱状部材42に接触したときにおける、トリガー電極50及びカソード4を示す図である。図13Bは、図13Aに示すカソード4及びトリガー電極50を矢印D方向から見た図である。
図13A及び図13Bを参照して、制御部15は、接触部材52を蒸発面42Aに接触させるとき、中間電位部材53が柱状部材42に接触しないようにトリガー電極50を移動させる。接触部材52が柱状部材42に接触したとき、中間電位部材53は、柱状部材42の側面に接触することなく、柱状部材42の周囲に位置するように配置される。
この理由は、中間電位部材53が柱状部材42の側面に接触した場合、中間電位部材53が接触した位置からアーク放電が発生し、接触位置がアークスポットとなる可能性があるためである。中間電位部材53を柱状部材42に接触させないことにより、蒸発面42A上にアークスポットを発生させることができる。
制御部15は、接触部材52が蒸発面42Aに接触した後に、接触部材52を離反させる。これにより、アーク放電が開始される。アーク放電の開始により、アークスポットが蒸発面42A上に発生する。カソード4を構成するガラス状炭素がアークスポットで蒸発することにより、炭素イオン及び電子が放出される。制御部15は、中間電位部材53が柱状部材42に接触しないように、トリガー電極50を柱状部材42から離反させる。この理由は、上記と同様に、蒸発面42A以外の柱状部材42の領域でアークスポットを発生させないようにするためである。
図14は、接触部材52が蒸発面42Aから離反した直後におけるカソード4近傍の電界を示す図である。図14を参照して、各参照符号とともに記載された括弧内の数値は、接触部材52が柱状部材42から離反した後における、各参照符号が示す部位の電位を示す。
ステップS4(図5参照)においてカソードホルダ3に−40Vの電圧を印加した場合、アーク放電が開始されたときに、蒸発面42A及び上面41Aの電位は、上記第1の実施の形態と同様に、それぞれ−30V及び−40Vである。蒸発面42Aの電位が上面41Aの電位よりも高いため、蒸発面42Aと上面41Aとの間に電界31が発生する。電界31の向きは、蒸発面42Aから上面41Aを見た方向である。
接触部材52が蒸発面42Aに接触していない場合、接触部材52の電位は0Vである。中間電位部材53が接触部材52と電気的に接続されているため、中間電位部材53の電位は、接触部材52と同様に0Vである。従って、カソードホルダ3への負の電圧の印加に伴って、中間電位部材53から蒸発面42Aに向く電界72が発生する。
接触部材52が蒸発面42Aに接触した後に蒸発面42Aから離反するときに、アーク放電が開始される。アーク放電が開始されたときに、接触部材52及び中間電位部材53の電位は、−30Vに低下する。
その後、接触部材52及び中間電位部材53の電位は、0Vに戻る。中間電位部材53の電位が蒸発面42Aの電位よりも高いため、アークスポットで発生したプラズマ中の電子が中間電位部材53に流入する。この結果、中間電位部材53の電位は、0Vから−5〜−10Vに低下する。
中間電位部材53と蒸発面42Aとの電位差(20〜25V)が、上面41Aと蒸発面42Aとの電位差よりも大きいため、電界72は、電界31よりも大きい。結果として、アークスポットから発生した炭素イオンのうち、柱状部材42の表面電界によって柱状部材42に衝突する炭素イオンは、蒸発面42Aに引き寄せられる。従って、アークスポットは、蒸発面42A上に存在し続けることになる。
また、接触部材52が蒸発面42Aに接触したときに、中間電位部材53が柱状部材42の周囲に位置している。このため、中間電位部材53は、電界31の一部を遮蔽する。接触部材52が蒸発面42Aから離反した直後において、中間電位部材53が柱状部材42の周囲に位置するときの電界31の強度は、中間電位部材53が周囲に位置しないときの電界31の強度よりも小さくなる。この結果、電界72と電界31との差がさらに大きくなるため、アークスポットが電界72により蒸発面42Aにより引き寄せられる。この結果、アークスポットの土台落ちが発生することを防ぐことができる。
接触部材52の離反により、柱状部材42が開口53Aを貫通する状態が解消される。つまり、中間電位部材53は、柱状部材42の周囲に位置しない領域へ移動する。この場合であっても、土台落ちは発生しない。
[実験]
プラズマ装置200を用いて真空容器1内でアーク放電を発生させる実験を行った。実験の条件は、上記第1の実施の形態と同じである。中間電位部材53に形成された開口53Aの直径R6を10mmとしている。つまり、中間電位部材53と柱状部材42との距離L1は、3.5mmである。
図15は、プラズマ装置200を用いてアーク放電を発生させた実験結果を示す表である。図15を参照して、アーク放電を発生させる実験を6回繰り返し、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する頻度及び別の領域へ移動する確率を計算した。その結果、プラズマ装置200において、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する現象は確認されなかった。
なお、トリガー電極50をトリガー電極8に交換したプラズマ装置を用いて、真空容器1内でアーク放電を発生させる比較実験を行った。比較実験は、6回繰り返し行われた。この結果、比較実験では、土台落ちが6回中2回発生し、アークスポットが柱状部材42から別の領域へ移動する確率は、33%であった。これらの実験結果から、プラズマ装置200がアークスポットの土台落ちを防ぐことが実証された。
上記第2の実施の形態において、開口53Aが円形である例を説明したが、これに限られない。開口53Aは、図16Aに示すように、楕円形であってもよい。あるいは、開口53Aは、図16Bに示すように、長方形であってもよい。
上記第2の実施の形態において、接触部材52と、中間電位部材53と、接続部54とが略U字状の形状を形成する例を説明したが、これに限られない。例えば、接触部材52及び中間電位部材53をまとめて1つの部材としてもよい。図17は、トリガー電極80を示す図である。トリガー電極80は、断面が矩形の棒状部材であり、真空容器1内の端部近傍に開口80Aが形成される。開口80Aの深さE1は、例えば、10mmである。図5に示すステップS4では、開口80Aの底面は、蒸発面42Aに接触する接触部材52として機能する。開口80Aの側壁は、柱状部材42の周囲に位置するため、中間電位部材53として機能する。このように、トリガー電極80は、接触部材52及び中間電位部材53との機能を有するため、上記第2の実施の形態のトリガー電極50と同様の効果を得ることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、カソード4が、ガラス状炭素により形成される例を説明したが、これに限られない。例えば、カソード4は、タングステン(W)、クロム(Cr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)などの金属、あるいはこれらの金属の合金であってもよい。あるいは、カソード4は、シリコン(Si)などの半導体であってもよい。つまり、トリガー電極8が柱状部材42から離反した後において、中間電位部材13と蒸発面42Aとの電位差V2が、柱状部材42の基板20側の端部(蒸発面42A)とカソードホルダ3側との端部との電位差V1よりも大きければよい。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、カソード4が、台座41及び柱状部材42を有する例を説明したが、これに限られない。カソード4は、台座41を有していなくてもよい。この場合であっても、柱状部材42の周辺空間において、柱状部材42の蒸発面42Aから柱状部材42のカソードホルダ3側の端部にかけて、電界31が発生するため、アークスポットがカソード4以外の領域に移動することを防ぐことができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、台座41及び柱状部材42が一体的に作成される例を説明したが、これに限られない。図18に示すカソード40のように、台座410及び柱状部材420は、別々の部材であってもよい。カソード40において、柱状部材420は、カソード410の上面410Aに形成された穴に差し込まれることにより固定される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
100,200 プラズマ発生装置
1 真空容器
2 保持部材
3 カソードホルダ
4,40 カソード
8,50 トリガー電極
6,7 電源
13,53 中間電位部材
20 基板
41,410 台座
41A,410A 上面
42,420 柱状部材
42A 蒸発面
52 接触部材

Claims (8)

  1. 真空容器と、
    柱状形状を有する柱状部材を含むカソードと、
    前記真空容器内に配置され、基板を保持する保持部材と、
    前記真空容器に取り付けられ、前記柱状部材が前記基板の位置する方向に伸びるように前記カソードを前記真空容器内に固定するカソードホルダと、
    前記カソードホルダに負の電圧を印加する電源と、
    前記カソードに接触することにより前記真空容器内に放電を発生させる放電開始部材と、
    少なくとも前記放電開始部材が前記カソードに接触するときに前記柱状部材の周囲に位置し、前記カソードホルダにより固定された柱状部材の長軸方向に垂直な方向に配置される導電性の中間電位部材とを備え、
    前記柱状部材のカソードホルダ側の端部と前記柱状部材の前記基板側の端部との間に生じる電位差の絶対値が、前記基板側の端部と前記中間電位部材との間に生じる電位差の絶対値よりも小さい、プラズマ発生装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記中間電位部材と前記柱状部材との間隔の最小値が、3.5mm以下であるプラズマ発生装置。
  3. 請求項1又は2に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記柱状部材は、ガラス状炭素であるプラズマ発生装置。
  4. 真空容器と、
    柱状形状を有する柱状部材を含むカソードと、
    前記真空容器内に配置され、基板を保持する保持部材と、
    前記真空容器に取り付けられ、前記柱状部材が前記真空容器の内側に向かって伸びるように前記カソードを前記真空容器内に固定するカソードホルダと、
    前記カソードホルダに負の電圧を印加する電源と、
    前記真空容器内を移動可能であり、前記カソードホルダにより固定されたカソードの柱状部材に接触することにより前記真空容器内で放電を発生させる放電開始部材と、
    前記放電開始部材が前記柱状部材に接触するように前記放電開始部材の移動を制御する制御部とを備え、
    前記放電開始部材は、
    前記制御部による移動制御により前記柱状部材の先端に接触する接触部材と、
    前記接触部材が前記先端に接触するときに前記柱状部材の周囲に位置する中間電位部材とを含み、
    前記制御部は、前記接触部材が前記先端に接触した後に前記柱状部材から離れた位置に前記放電開始部材を移動させるプラズマ発生装置。
  5. 請求項4に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記接触部材が前記先端に接触したときにおける前記中間電位部材と前記柱状部材との間隔の最小値が、3.5mm以下であるプラズマ発生装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のプラズマ発生装置であって、
    前記柱状部材のカソードホルダ側の第1端部と、前記第1端部と反対に位置する前記柱状部材の第2端部との間に生じる電位差の絶対値が、前記第2端部と前記中間電位部材との間に生じる電位差の絶対値よりも小さいプラズマ発生装置。
  7. 真空容器に基板を固定するステップと、
    前記真空容器に固定されたカソードホルダに、柱状形状を有する柱状部材を含むカソードを取り付けるステップと、
    前記カソードホルダに取り付けられたカソードにおける柱状部材に垂直に配置された中間電位部材が前記柱状部材の周囲に位置するように、前記柱状部材と前記中間電位部材との位置関係を調整するステップと、
    前記中間電位部材との位置関係が調整された柱状部材の蒸発面に、放電開始部材を接触させることにより、前記柱状部材から放電を発生させるステップとを備える薄膜の製造方法。
  8. 真空容器に基板を固定するステップと、
    真空容器に固定されたカソードホルダに、柱状形状を有する柱状部材を含むカソードを取り付けるステップと、
    接触部材と、前記接触部材に対向する中間電位部材とを含む放電開始部材を前記真空容器に取り付けるステップと、
    前記カソードホルダに固定されたカソードの柱状部材の周囲に前記中間電位部材が位置するように、前記柱状部材において前記基板に対向する蒸発面に前記接触部材を接触させることにより、前記柱状部材から放電を開始させるステップとを備える薄膜の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019058587A1 (ja) * 2017-09-20 2019-03-28 日本アイ・ティ・エフ株式会社 アーク式成膜装置および成膜方法

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