JP2017003878A - 偏光子、反射防止フィルム、画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ワイヤーグリッド型偏光子を使用して、従来に比して一段と画像表示装置を高輝度化することを目的とする。【解決手段】ワイヤーグリッド型の偏光子6において、透過を制限する波長帯域の最短波長未満のピッチP及び線幅Wmにより金属線状部11が繰り返し形成され、金属線状部11は、ピッチPが50nm以上200nm以下であり、線幅Wmに対する厚みHの比率であるアスペクト比H/Wmが、3.25以上である偏光子。【選択図】図2
Description
本発明は、ワイヤーグリッド型偏光子に関するものである。
従来、画像表示装置では、画像表示パネルのパネル面(視聴者側面)に円偏光板による反射防止フィルムを配置し、この反射防止フィルムにより外来光の反射を低減する方法が提案されている。ここでこの円偏光板による反射防止フィルムは、偏光子と1/4波長板との積層により構成され、画像表示パネルのパネル面に向かう外来光を偏光子により直線偏光に変換し、続く1/4波長板により円偏光に変換する。ここでこの円偏光による外来光は、画像表示パネルの表面等で反射するものの、この反射の際に偏光面の回転方向が逆転する。その結果、この反射光は、到来時とは逆に、1/4波長板により、偏光子で遮光される方向の直線偏光に変換された後、続く偏光子により遮光され、その結果、外部への出射が著しく抑制される。
従来、偏光子としては、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素等を含浸させた後、延伸して作製する構成の偏光子(いわゆるシート・ポラライザー型の偏光子である)、ワイヤーグリッド型偏光子が知られている。反射防止フィルム等には、従来、シート・ポラライザーによる偏光子が使用されている。特許文献1、2には、ワイヤーグリッド型偏光子に関する工夫が提案されている。
ところで画像表示装置では、消費電力を増大させることなく高輝度化することが求められており、これにより画像表示装置に適用される反射防止フィルムは、一段と透過率を向上することが求められている。ここで反射防止フィルムに使用されるシート・ポラライザー型の偏光子は、P波透過率Tpの上限値が80%程度であり、これにより一段とP波透過率を向上することが望まれる。しかしながらシート・ポラライザー型の偏光子は、P波透過率Tpをこれ以上大きく向上できない問題がある。これに対してワイヤーグリッド型偏光子は、種々に改善の余地が残っていると考えられ、これにより従来に比して一段と画像表示装置を高輝度化することも可能であると考えられる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、ワイヤーグリッド型偏光子を使用して、従来に比して一段と画像表示装置を高輝度化することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ね、金属線状部の厚み及び幅の比であるアスペクト比を一定の範囲に設定する、との着想に至り、本発明を完成するに至った。
(1) ワイヤーグリッド型の偏光子において、
透過を制限する波長帯域の最短波長未満のピッチ及び線幅により金属線状部が繰り返し形成され、
前記金属線状部は、
ピッチPが50nm以上200nm以下であり、
線幅Wmに対する厚みHの比率であるアスペクト比H/Wmが、3.25以上である偏光子。
透過を制限する波長帯域の最短波長未満のピッチ及び線幅により金属線状部が繰り返し形成され、
前記金属線状部は、
ピッチPが50nm以上200nm以下であり、
線幅Wmに対する厚みHの比率であるアスペクト比H/Wmが、3.25以上である偏光子。
(1)によれば、入射光の透過に関して、従来のシート・ポラライザーによる偏光子と同等以上の特性を確保することができ、従来に比して一段と画像表示装置を高輝度化することができる。
(2) (1)において、
前記金属線状部は、
厚み方向の両端部に、中央の部位に比して、反射率が低く、かつ黒色である黒化層が設けられた偏光子。
前記金属線状部は、
厚み方向の両端部に、中央の部位に比して、反射率が低く、かつ黒色である黒化層が設けられた偏光子。
(2)によれば、S波の反射光を低減することができることにより、画像表示装置を高輝度化して、コントラストの劣化、色味の劣化、混色等を低減することができる。
(3) (2)において、
前記金属線状部は、
前記中央の部位がアルミニウム材により形成され、
前記黒化層が、黒化ニッケルにより形成された偏光子。
前記金属線状部は、
前記中央の部位がアルミニウム材により形成され、
前記黒化層が、黒化ニッケルにより形成された偏光子。
(3)によれば、より具体的構成により、画像表示装置を高輝度化して、コントラストの劣化、色味の劣化、混色等を低減することができる。
(4) (1)、(2)、(3)において、
隣接する前記金属線状部の間に、前記波長帯域の電磁波に対して透明な固体誘電体による透明固体誘電体部が設けられた偏光子。
隣接する前記金属線状部の間に、前記波長帯域の電磁波に対して透明な固体誘電体による透明固体誘電体部が設けられた偏光子。
(4)によれば、機械的強度を向上できることにより、各種部材の接触等による金属線状部の損傷を低減することができる。
(5) (1)、(2)、(3)、(4)の何れかにおいて、
透明フィルム材による基材に配置された賦型樹脂層に凹状溝が形成され、前記凹状溝に前記金属線状部が配置された偏光子。
透明フィルム材による基材に配置された賦型樹脂層に凹状溝が形成され、前記凹状溝に前記金属線状部が配置された偏光子。
(5)によれば、賦型処理により凹状溝を作製して金属線状部を作製できることにより、効率良く大面積の偏光子を量産することができる。
(6) (1)、(2)、(3)、(4)、(5)の何れかに記載の偏光子が、1/4波長板と積層されて形成された反射防止フィルム。
(6)によれば、従来に比して画像表示装置を高輝度化することが可能な、円偏光板による反射防止フィルムを提供することができる。
(7) (6)に記載の反射防止フィルムが、有機ELパネルのパネル面に配置された画像表示装置。
(7)によれば、有機ELパネルに適用して、従来に比して表示画面を高輝度化することができる。
(8) 液晶セルの出射面側及び又はバックライト側に配置される偏光子が、(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の何れかに記載の偏光子である液晶表示装置。
(8)によれば、従来に比して透過特性を充分に向上してなる偏光子を利用して液晶表示装置を構成することができる。
本発明によれば、ワイヤーグリッド型偏光子を使用して、従来に比して一段と画像表示装置を高輝度化することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す断面図である。この画像表示装置1は、有機ELによる画像表示パネルである有機ELパネル2のパネル面(視聴者側面)に、反射防止フィルム3、タッチパネル用センサーフィルム4が順次配置される。ここでタッチパネル用センサーフィルム4は、図示しない画像表示装置1の駆動回路等と共にタッチパネルによるユーザインターフェースを構成するフィルム材である。なおタッチパネルによるユーザインターフェースを設けない場合には、当然に、タッチパネル用センサーフィルム4は省略される。なおタッチパネル用センサーフィルム4に使用されるフィルム材は、材料、光学特性上の等方性、異方性に関し、特に制限されず自由に選択して使用することができ、一般的に生産性に優れるロール・トゥ・ロール工程で使用される延伸フィルムを用いることもできる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像表示装置を示す断面図である。この画像表示装置1は、有機ELによる画像表示パネルである有機ELパネル2のパネル面(視聴者側面)に、反射防止フィルム3、タッチパネル用センサーフィルム4が順次配置される。ここでタッチパネル用センサーフィルム4は、図示しない画像表示装置1の駆動回路等と共にタッチパネルによるユーザインターフェースを構成するフィルム材である。なおタッチパネルによるユーザインターフェースを設けない場合には、当然に、タッチパネル用センサーフィルム4は省略される。なおタッチパネル用センサーフィルム4に使用されるフィルム材は、材料、光学特性上の等方性、異方性に関し、特に制限されず自由に選択して使用することができ、一般的に生産性に優れるロール・トゥ・ロール工程で使用される延伸フィルムを用いることもできる。
反射防止フィルム3は、1/4波長板5と偏光子6とを積層して構成される。ここで1/4波長板5は、透明フィルム材による基材に配向層、液晶層を順次作製して形成され、配向層の配向規制力により液晶材料を配向させた状態で固化して液晶層が作製される。これにより1/4波長板5は、この液晶層により透過光に1/4波長の位相差を付与する。なお1/4波長板5は、透過光に1/4波長の位相差を付与する1/4波長用の液晶層と、透過光に1/2波長の位相差を付与する1/2波長用の液晶層との積層により構成する場合等、種々の構成を広く適用することができる。なお1/4波長板5に使用されるフィルム材は、材料、光学特性上の等方性、異方性に関し、特に制限されず自由に選択して使用することができ、一般的に生産性に優れるロール・トゥ・ロール工程で使用される延伸フィルムを用いることもできる。
この実施形態において、反射防止フィルム3は、紫外線硬化性樹脂等の接着剤層により1/4波長板5と偏光子6とが積層一体化された後、粘着剤等により有機ELパネル2のパネルに配置される。
〔偏光子〕
図2は、偏光子6の構成を詳細に示す図である。偏光子6は、ワイヤーグリッド型の偏光子であり、偏光子としての光学的機能を担う偏光子層10を備える。ここで偏光子層10は、金属線状部11が、線幅の方向に離間して複数配置される。金属線状部11は、透過を制限する電磁波の波長帯域の最短波長λmin未満の線幅Wmによる金属材料により形成される。また金属線状部11は、この最短波長λmin未満のピッチPにより、規則的に又は不規則に繰り返し配置される。なおこれにより隣接する金属線状部11間の間隔Wt(後述する透明固体誘電体部12の幅である)は、デューティー比D(=Wm/P=Wm/(Wm+Wt))が0.1以上0.8以下により作製される。なお線幅Wmは、金属線状部11の延長方向と、金属線状部11の繰り返し方向とに直交する方向から見た幅により定義される。最短波長λminは、この実施形態のように画像表示装置に適用して可視光域の全波長帯域に対してその透過を制限する場合、可視光域の最短波長380nm以下とすればよい。
図2は、偏光子6の構成を詳細に示す図である。偏光子6は、ワイヤーグリッド型の偏光子であり、偏光子としての光学的機能を担う偏光子層10を備える。ここで偏光子層10は、金属線状部11が、線幅の方向に離間して複数配置される。金属線状部11は、透過を制限する電磁波の波長帯域の最短波長λmin未満の線幅Wmによる金属材料により形成される。また金属線状部11は、この最短波長λmin未満のピッチPにより、規則的に又は不規則に繰り返し配置される。なおこれにより隣接する金属線状部11間の間隔Wt(後述する透明固体誘電体部12の幅である)は、デューティー比D(=Wm/P=Wm/(Wm+Wt))が0.1以上0.8以下により作製される。なお線幅Wmは、金属線状部11の延長方向と、金属線状部11の繰り返し方向とに直交する方向から見た幅により定義される。最短波長λminは、この実施形態のように画像表示装置に適用して可視光域の全波長帯域に対してその透過を制限する場合、可視光域の最短波長380nm以下とすればよい。
また金属線状部11は、この最短波長λminに対して、厚みHが最短波長λmin以下になるように形成され、この実施形態では断面略矩形形状により形成される。これらにより偏光子6は、ワイヤーグリッド型偏光子として機能するように構成される。なお偏光子6では、例えば可視光域の波長帯域において、最短波長380nm、中心波長550nm、最長波長780nm等の複数波長を設計基準波長に設定し、これらの設計基準波長で所望する光学特性(例えば消光比)を確保することができるように、金属材料及び透明誘電体材料の屈折率n及び消衰係数kを元に、シミュレーションによってピッチP、線幅Wm、厚みHに対応するP波透過率、S波透過率、消光比を算出することで、必要なピッチP、線幅Wm、厚みHの好適値が導きだされる。
偏光子層10は、金属線状部11の間に、透過の制限を図る波長帯域の電磁波に対して透明な固体誘電体による透明固体誘電体部12が設けられる。このように隣接する金属線状部11の間に透明固体誘電体部12を設けることにより、偏光子6は、各種部材の接触等による金属線状部11の損傷を低減することができ、従来に比して機械的強度を向上することができる。またこのように隣接する金属線状部11の間に透明固体誘電体部12を設けた構成は、金属線状部11に対応する凹状溝による凹凸形状を作製した後、この凹状溝に金属線状部11に係る材料を充填して作製することができ、これにより大面積の偏光子を効率良く生産することができ、従来に比して量産性を向上することができる。またこのようにして作製可能であることにより、金属線状部11の作製精度も向上することができ、その結果、偏光子6としての作製精度も向上することができる。なお充填により金属線状部11を作製する際に、必要に応じて凹状溝上に密着性や表面保護のための機能層を設けても良い。機能層については特に制限されないが、主としてSiまたはその化合物である、SiO2、SiCなどが好ましい。なお透明固体誘電体部12は、端面が金属線状部11の端面から奥まるように(透明固体誘電体部12の端面から金属線状部11が飛び出すように)作製してもよく、端面が金属線状部11の端面と一致するようにしてもよく、端面が金属線状部11の端面より飛び出すように作製してもよい。
このように金属線状部11の間に透明固体誘電体部12を設けるようにして、偏光子6は、金属線状部11のピッチPが、100nmに設定されて、金属線状部11の厚みH及び幅Wmの比であるアスペクト比(H/Wm)が7となるように形成され、これによりシート・ポラライザーによる偏光子に比して、格段にP波透過率Tp、消光比を確保できるように構成される。ここで消光比は、Tp/Tsであり、TsはS波透過率である。
すなわち図3、図4、図5は、アスペクト比(H/Wm)の設定に供したシミュレーション結果を示す図表である。このシミュレーションでは、金属線状部11にアルミニウム(屈折率n=0.958、消衰係数k=6.686:計測波長550nm)を適用し、一般的な紫外線硬化性樹脂材(屈折率n=1.51、消衰係数k=0)の条件を透明固体誘電体部12に適用した。図3は、金属線状部11の線幅Wmを30nm、厚みHを100nmに設定して、ピッチPを可変した場合のシミュレーション結果である。なお図3において、Rp、RsはP波反射率、S波透過率であり、偏光度は、(Tp−Ts)/(Tp+Ts)である。
この図3の計測結果によれば、金属線状部11のピッチPの変化に対して、P波透過率Tp及び消光比Tp/Tsがトレードオフの関係であることが判り、金属線状部11のピッチPを100nmに設定すれば、80%以上のP波透過率Tpを確保し、さらに100以上の消光比Tp/Tsを確保できることが判る。これにより金属線状部11の線幅Wmが30nm、厚みHが100nmである場合、ピッチPの最適値は100nmであることが判る。
図4は、この図3の結果に基づいて、ピッチPを100nmに設定し、金属線状部11の線幅Wm、厚みHを可変した場合のP波透過率Tpのシミュレーション結果を示す図表である。この図4の計測結果によれば、金属線状部11の線幅Wmが20nmである場合には、厚みHが80nm以上で80%以上のP波透過率Tpを得ることができ、また厚みHが120nmで90%以上のP波透過率Tpを得ることができることが判る。また金属線状部11の線幅Wmが30nmである場合には、厚みHが100nm以上で80%以上のP波透過率Tpを得ることができ、また金属線状部11の線幅Wmが40nmである場合には、厚みHが130nm以上で80%以上のP波透過率Tpを得ることができることが判る。また金属線状部11の線幅Wmが20nmであって、厚みHが140nmである場合、最もP波透過率Tpが向上することが判る。
ここで金属線状部11の線幅Wmが20nm、厚みHが80nmである場合、アスペクト比H/Wmは4であり、線幅Wmが20nm、厚みHが120nmである場合、アスペクト比H/Wmは6である。また金属線状部11の線幅Wmが30nmであり、厚みHが100nmである場合、アスペクト比H/Wmは3.33であり、金属線状部11の線幅Wmが40nm、厚みHが130nmである場合、アスペクト比H/Wmは3.25である。また金属線状部11の線幅Wmが20nm、厚みHが140nmである場合、アスペクト比H/Wmは7である。さらに図3ではアスペクト比が大きくなるほど、P波透過率Tpが向上することが判る。これにより金属線状部11は、アスペクト比H/Wmが好ましくは3.25以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上に設定して、充分なP波透過率Tpを確保し、高輝度化を図ることができる。特に、従来のシート・ポラライザー型の偏光子は、P波透過率Tpの上限値が80%程度であることにより、このようにアスペクト比H/Wmを3.25以上に設定して、従来に比して高輝度化を図ることができる。またアスペクト比H/Wmを6以上、さらには7以上に設定すれば、従来に比して格段にと透過率を向上し、表示画面を高輝度化することができる。
図5は、図3の結果に基づいて、ピッチPを100nmに設定し、金属線状部11の線幅Wm、厚みHを可変した場合の消光比のシミュレーション結果を示す図表である。この図5の計測結果では、金属線状部11の線幅Wmが20nmである場合には、厚みHが130nm以上で100以上の消光比を得ることができ、また線幅Wmが30nmである場合には、厚みHが100nm以上で100以上の消光比を得ることができる。また金属線状部11の線幅Wmが40nm、50nmである場合には、厚みHが80以上で100以上の消光比を得ることができる。
ここで金属線状部11の線幅Wmが20nm、厚みHが130nmである場合、アスペクト比H/Wmは6.5であり、線幅Wmが30nm、厚みHが100nmである場合、アスペクト比H/Wmは3.33である。また金属線状部11の線幅Wmが40nmであり、厚みHが80nmである場合、アスペクト比H/Wmは2である。またこの図5における最適値は、金属線状部11の線幅Wmが20nm、厚みHが140nmの場合であり、アスペクト比H/Wmは7である。図5ではアスペクト比が大きくなるほど、消光比が向上することが判る。これによりP波透過率Tpを充分に確保する観点から、アスペクト比H/Wmは好ましくは3.25以上、好ましくは6以上、より好ましくは7以上である必要があるものの、P波透過率Tpを充分に確保した上で、充分な消光比を確保する観点から、金属線状部11は、アスペクト比H/Wmが6.5以上、好ましくは7以上とすることが必要である。なおアスペクト比の上限値は、実用上生産に供することが可能な範囲である。なおこれら図3〜図5は、波長550nmにおける計測値である。なおこれによりピッチPに対する線幅Wmの比率であるデューティー比(Wm/P)は、P波透過率Tpを充分に確保する観点からは、0.4以下であり、P波透過率Tpを充分に確保した上で、充分な消光比を確保する観点からは、0.2以下である。
なおこの図4及び図5の計測結果は、金属線状部11を100nmのピッチにより配置した場合であるものの、この図4及び図5における最適値である線幅Wm=20nm、厚みH=140nmの条件において、図3について上述したと同様にしてピッチPを可変すると、同様のピッチP=100nmを最適値としてなるシミュレーション結果を得ることができる。これによりピッチPは、製造上のバラツキ考慮して100±10nm以内であることが望まれるものの、P波透過率、消光比が実用上充分である場合には、100±50nm以内に設定してもよく、またさらには50nm以上200nm以下に設定してもよい。
ところでこのように充分にP波透過率、消光比を確保してなるワイヤーグリッド型偏光子は、S波反射率が大きい特徴がある(図3参照)。これによりこのワイヤーグリッド型偏光子を単純に従来のシート・ポラライザー型の偏光子に代えて使用して反射防止フィルムを構成する場合、自発光素子である有機ELパネル2に適用してコントラストの低下、色味の低下、混色等の恐れがある。
すなわち図6に示すように、シート・ポラライザー型の偏光子16を1/4波長板5と積層して反射防止フィルム13を構成するようにして、この反射防止フィルム13を有機ELパネル2のパネル面に配置する。この場合、外来光L1は、偏光子16を透過する際に、吸収軸方向の偏光成分が偏光子16により吸収され、その結果、透過軸方向の偏光成分L1Pのみが偏光子16を透過することになる。この図6の構成では、この偏光子16の透過光が1/4波長板5により円偏光に変換され、有機ELパネル2のパネル面等における反射により、偏光面の回転方向が逆転し、1/4波長板5を透過する際に、偏光子16の吸収軸方向が偏光面である直線偏光L1Sに変換される。これにより有機ELパネル2のパネル面等による反射光は、偏光子16で吸収され、その結果、外来光L1の反射が著しく抑圧される。
また図7に示すように、有機ELパネル2の出射光L2は、無偏光により有機ELパネル2より出射された後、1/4波長板5を透過して偏光子16に入射し、ここで偏光子16の吸収軸方向の偏光成分が吸収されて、有機ELパネル2からの出射時の約1/2の光量により偏光子16から出射されることになる。
これに対して図8に示すように、ワイヤーグリッド型偏光子6Aによる反射防止フィルム3Aにおいては、偏光子6Aで外来光L1のS波成分L1Sが反射されることになる。これにより反射防止フィルム3Aにおいては、反射防止機能が低下することになり、画像表示装置ではこの反射光L1Sによりコントラストが低下することになる。また外来光L1のP波成分L1Pは、偏光子6Aを透過して1/4波長板により円偏光に変換され、有機ELパネル2のパネル面等で反射し、その後、1/4波長板5を透過して直線偏光により偏光子6Aに入射することになるものの、この入射光にあっては、偏光子6Aに対してS波成分L1Sとして入射することになることにより、偏光子6Aで反射されることになる。この偏光子6Aで反射したS波成分L1Sは、その後、有機ELパネル2のパネル面で反射して偏光面の回転方向が逆転し、偏光子6Aを透過して出射されることになる。これによりこの外来光L1のP波成分L1Pによっても、結局、反射防止機能が低下することになり、これによっても画像表示装置ではコントラストが低下することになる。
また図9に示すように、例えば有機ELパネル2の赤色画素Rからの出射光L2Rは、無偏光により有機ELパネル2より出射された後、1/4波長板5を透過して偏光子6Aに入射し、ここでS波成分L2SRが反射され、P波成分L2PRが透過して出射することになる。ここでこの偏光子6Aで反射したS波成分L2SRは、1/4波長板5を透過して円偏光により有機ELパネル2のパネル面に入射し、ここで反射して偏光面の回転方向が逆転することになり、1/4波長板5を透過してP波成分L2PRとして偏光子6Aに入射し、偏光子6Aを透過して出射されることになる。これによりこのP波成分L2PRは、隣接画素(この図9の例では青色画素B)からの出射光L2B(L2BP)と加算されて出射されることになり、その結果、この場合、色味の低下、混色等の恐れがある。
そこでこの実施形態において、金属線状部11は(図2)、厚み方向の両端部に、中央の部位(以下、本体層と呼ぶ)11Aの材料に比して反射率が低い材料による、本体層11Aに比して反射率が低く、かつ色味が黒色である黒化層11B、11Cが設けられる。
このように厚み方向の両端部に、本体層11Aに比して反射率が低く、かつ色味が黒色である黒化層11B、11Cを設けることにより、偏光子6は、透過に係る特性を充分に確保して、S波反射率Rsを低減することができ、その結果、反射防止フィルムにおいて外来光L1の反射を低減し(図8参照)、充分に反射防止機能を確保することができ、コントラストの低下を防止することができる。また有機ELパネル2からの出射光についても(図9)、偏光子6における反射を低減し、色味の低下、混色を低減することができる。
偏光子6は、この金属線状部11の本体層11Aに、屈折率nが0.1以上1.8以下の材料であり、かつ消衰係数kが2.5以上の材料が適用される。具体的に本体層11Aは、アルミニウム、ニッケル、銀等の金属材料を適用することができるものの、この実施形態ではこれらのうち、汎用性の高いアルミニウム(屈折率n=0.958、消衰係数k=6.686:計測波長550nm)が適用される。なおこれによりこの本体層11Aには、例えば各種の導体に係る金属、合金、金属化合物等を広く適用することができ、アルミニウム、銀の何れかによる合金、これら金属の化合物を適用することできる。また透過に関する光学特性がそれ程求められない場合には、クロム、銅等の金属、合金、化合物を適用することができる。
これに対して黒化層11B、11Cには、屈折率nが1.0以上5.5以下であって消衰係数kが4.0以下の材料、好ましくは屈折率nが1.2以上4.5以下であって消衰係数kが3.9以下の材料、より好ましくは屈折率nが1.4以上4.0以下であって消衰係数kが3.8以下の材料が適用される。黒化層11B、11Cは、この実施形態では、黒化処理したニッケルである黒化ニッケル(屈折率n=2.46、消衰係数k=2.517:計測波長550nm)が適用されるものの、クロム等の金属材料、黒化処理した各種金属材料、一般的な黒化処理材料を適用することができ、例えばナノ微粒子によるカーボン、黒化Cu、黒化Al、黒化Zn、黒化Crの何れかの材料、またはこれらの何れかを主成分とする材料を適用することができる。なお黒化処理は、例えば特開2012−208145号公報等に開示の手法を適用することができる。また黒化層11B、11Cは、無電解メッキ、電解メッキ、ドライ製膜、ナノ粒子を持ったインキのコーティング、黒化層の形状により作製されたストライプパターンの転写等を適用することができ、アルミ表面を化学反応により処理して黒化させる処理も適用可能である。
黒化層11B、11Cは、本体層11Aに比して相対的に反射率が小さく、かつ本体層11Aに比して相対的に黒色であれば、金属線状部11を単一の材料により作製する場合に比して、透過に係る光学性能を確保しつつ、S波反射率を低減することができる。しかしながら好ましくは、正反射率20%以下、より好ましくは10%以下の材料を適用することが望ましい。また色度はLa*b*表色系で表現してa*、b*が±10以下、より好ましくは±5以下の材料を適用することが望ましい。また黒化層11Bは、入射光を拡散反射する材料を適用することが望ましい。
なお本体層11A及び黒化層11B、11Cは、境界が相溶していても良い。また黒化層11B、11Cは、酸化アルミニウム、透明樹脂等の固体誘電体層を介して、本体層11Aに積層して配置してもよい。
このように金属線状部11の端部に黒化層11B、11Cを設ける場合にあって、この黒化層11B、11Cの厚みが薄いと、充分にS波反射率を低減できないものの、厚みが厚すぎると作製が困難になったりする。これにより黒化層11B、11Cは、3nm以上の厚みにより、より好ましくは5nm以上の厚みにより作製される。
またこのように黒化層11B、11Cを設ける場合にあって、黒化層11B、11Cの厚みが薄いと、金属線状部の繰り返し方向に係る斜め方向より見た場合に、金属線状部11の本体層11Aが直接見て取られることになる。その結果、この方向についてのS波反射率が増大し、色調が低下することになる。そこで黒化層11B、11Cは、金属線状部11の繰り返し方向の間隔に対して、58%以上173%以下の厚みにより、作製され、これにより斜め方向から見た場合の色味の低下を防止する。
〔偏光子の詳細構成〕
偏光子6は(図2)、透明基板17に、賦型樹脂層24が設けられ、この賦型樹脂層24の賦型処理により凹状溝が作製されて透明固体誘電体部12が作製される。またこの凹状溝に金属線状部11が作製される。
偏光子6は(図2)、透明基板17に、賦型樹脂層24が設けられ、この賦型樹脂層24の賦型処理により凹状溝が作製されて透明固体誘電体部12が作製される。またこの凹状溝に金属線状部11が作製される。
偏光子6に係る凹状溝の底面側の黒化層11Bは、この凹状溝に配置した金属材料を黒色に変質させることにより(いわゆる黒化処理である)形成してもよく、一般的な黒化処理材料を堆積させて作製してもよい。
より具体的に凹状溝の底面側である黒化層11Bは、黒化層11Bの厚みにより金属層を作製して黒化処理することにより作製することができる。なおこの黒化処理に供する金属層は、微細凹凸形状が作製されてなる面に、蒸着、スパッタリング、電界メッキ、無電解メッキ等により作製した後、全体をエッチングして凹状溝間の金属層を選択的に除去することにより作製することができる。なおこの凹状溝間の金属層の除去にあっては、本体層11Aに係る金属材料と同時に除去するようにしてもよい。
金属線状部11の本体層11Aは、蒸着、スパッタリング、電界メッキ、無電解メッキ等により作製することができ、化学気相成長、原子層堆積法、酸化還元反応法、ナノ粒子の堆積法等の適用も可能である。ここで酸化還元反応法とは、酸化した金属材料を還元剤により還元して金属層を作製する金属層作製手法を意味し、例えば銀鏡反応で代表される金属層作製手法である。ここで還元剤は凹凸形状を形成する透明固体誘電体部に含まれていても良い。またナノ粒子の堆積法とは、アルミニウム等の金属によるナノ粒子を凹凸形状面に堆積させて金属層を作製する手法、又は凹状溝に選択的に堆積させて金属線状部を作製する手法であり、必要に応じて、ナノ粒子を堆積させた後、焼成等の工程を設けて堆積したナノ粒子を凹状溝に固定する。なおこの場合、凹状溝を含む全面に金属層を作製した後、凹状溝間の金属層をエッチング等により選択的に除去して凹状溝のみに金属材料を配置して金属線状部の本体部を作製することができる。またエッチングに代えて、切削、研磨等の処理により凹状溝間の金属層を除去するようにしてもよい。なおこの場合に、例えば金属材料にアルミニウムを適用して金属層を作製し、その表面を酸化により透明化することにより、凹状溝間の金属層を透明化してもよい。
金属線状部11の先端側の黒化層11Cは、底面側の黒化層11Bと同一に作製することができる。具体的に、本体層11Aを作製した後、黒化層11Cの厚みにより金属層を作製して黒化処理することにより作製することができる。なおこれらの場合に、黒化処理に供する金属材料に本体層11Aの材料を適用するようにしてもよい。またこの場合、本体層11Aについて上述したように金属層の表面の酸化により凹状溝間の金属層を透明化する場合には、表面に作製された透明層の上に、ストライプパターンを配置して黒化層11Cを作製してもよい。なおこの場合、黒化層11Cは、酸化アルミニウム等による透明固体誘電体層を介して、金属線状部11の端部に設けられることになる。
〔実験結果1〕
線幅Wm=12nm、厚みH=250nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、図3について上述した条件である。アスペクト比H/Wmは、21である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ92.4%、0.800%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.400%、11.5%であり、消光比は122であり、偏光度は98.40%であった。これにより充分に表示画面を高輝度化できることが判った。
線幅Wm=12nm、厚みH=250nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、図3について上述した条件である。アスペクト比H/Wmは、21である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ92.4%、0.800%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.400%、11.5%であり、消光比は122であり、偏光度は98.40%であった。これにより充分に表示画面を高輝度化できることが判った。
〔実験結果2〕
線幅Wm=12nm、厚みH=350nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、実験結果1と同一である。アスペクト比H/Wmは、29.2である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ91.8%、0.045%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.115%、11.5%であり、消光比は2016であり、偏光度は99.83%であった。これにより充分に実験結果1に比して一段と表示画面を高輝度化できることが判った。
線幅Wm=12nm、厚みH=350nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、実験結果1と同一である。アスペクト比H/Wmは、29.2である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ91.8%、0.045%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.115%、11.5%であり、消光比は2016であり、偏光度は99.83%であった。これにより充分に実験結果1に比して一段と表示画面を高輝度化できることが判った。
〔実験結果3〕
線幅Wm=11nm、厚みH=430nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、実験結果1と同一である。アスペクト比H/Wmは、39.1である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ92.4%、0.011%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.300%、11.6%であり、消光比は8961であり、偏光度は99.98%であった。これにより一段と表示画面を高輝度化できることが判った。
線幅Wm=11nm、厚みH=430nm、ピッチP=100nmにより金属線状部を作製して実験した。なお黒化層は、それぞれ厚みを50nmとした。金属線状部及び透明固体誘電体部の屈折率n、消衰係数kの条件は、実験結果1と同一である。アスペクト比H/Wmは、39.1である。P波透過率Tp及びS波透過率Tsは、それぞれ92.4%、0.011%であった。またP波反射率Rp及びS波反射率Rsは、0.300%、11.6%であり、消光比は8961であり、偏光度は99.98%であった。これにより一段と表示画面を高輝度化できることが判った。
〔製造工程〕
図10は、偏光子の製造工程を示すフローチャートである。偏光子製造工程は、凹凸形状作製工程SP12において、透明基板17の表面に凹凸形状を作製する。ここで凹凸形状作製工程SP12は、透明固体誘電体部12に係る塗工液を透明基板17の表面に塗工して半硬化状態に乾燥させることにより、図11(A)に示すように、凹凸形状の賦型処理に供する賦型樹脂層24を透明基板17の表面に作製する。
図10は、偏光子の製造工程を示すフローチャートである。偏光子製造工程は、凹凸形状作製工程SP12において、透明基板17の表面に凹凸形状を作製する。ここで凹凸形状作製工程SP12は、透明固体誘電体部12に係る塗工液を透明基板17の表面に塗工して半硬化状態に乾燥させることにより、図11(A)に示すように、凹凸形状の賦型処理に供する賦型樹脂層24を透明基板17の表面に作製する。
続いて賦型用金型を賦型樹脂層24に押圧して賦型樹脂層24を硬化させ、その後、賦型用金型を剥離し、これにより図11(B)に示すように、賦型用金型に作製された微細凹凸形状を転写して、透明基板17の表面に、金属線状部11に対応する凹状溝31を作製する。続いてこの製造工程は、金属線状部作製工程SP13において、凹状溝31に、黒化層、本体層、黒化層を順次作製して金属線状部11を形成する(図11(C))。
〔第2実施形態〕
この実施形態では、転写法を適用して、1/4波長板に、賦型樹脂層24と一体に偏光子層10を配置し、これにより偏光子層10を備えてなる偏光子を1/4波長板に積層する。ここで転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体(転写フィルム)を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
この実施形態では、転写法を適用して、1/4波長板に、賦型樹脂層24と一体に偏光子層10を配置し、これにより偏光子層10を備えてなる偏光子を1/4波長板に積層する。ここで転写法とは、例えば基材の上に所望の層を形成する場合に、この層を直接当該基材上に形成するのでは無く、一旦、離型性の支持体上に剥離可能に該層を積層形成して転写体(転写フィルム)を作製した後、工程、需要等に応じて、該支持体上に形成した層を、最終的に該層を積層すべき基材(被転写基材)上に接着、積層し、その後、該支持体を剥離除去することにより、該基材上に所望の層を形成する方法である。
具体的にこの実施形態では(図2参照)、偏光子層10に紫外線硬化性樹脂等を塗工して接着剤層が形成され、この接着剤層により1/4波長板に偏光子層10が積層される。その後、この実施形態では、基材17が剥離される。この実施形態では、このように転写法により1/4波長板と積層一体化する構成を除いて、第1実施形態と同一に構成される。
このように転写法により配置する場合でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
〔第3実施形態〕
この実施形態では、液晶表示装置に本発明を適用して、液晶セルの出射面側、及び又はバックライト側に配置する偏光子に第1実施形態又は第2実施形態に係る偏光子を適用する。
この実施形態では、液晶表示装置に本発明を適用して、液晶セルの出射面側、及び又はバックライト側に配置する偏光子に第1実施形態又は第2実施形態に係る偏光子を適用する。
すなわち液晶表示装置では、面光源装置であるバックライトと液晶表示パネルとを積層して構成され、液晶表示パネルにおいて、バックライトからの光量を画素単位で制御して所望の画像を表示する。また液晶表示パネルは、クロスニコル配置、又はパラレルニコル配置による偏光子により液晶セルを挟持して形成される。液晶セルは、ガラス板等による透明基材に透明電極、配向層を作製してなる第1及び第2の積層体により液晶層を挟持して構成される。なお液晶表示装置は、TN(Twisted Nematic)方式、IPS(In-Place-Switching)方式、VA(Virtical Alignment)方式等、種々の駆動方式を適用することができ、この第1及び第2の積層体は、駆動方式に応じて例えば一方の透明電極が省略されたり、パターンニングされたりする。
この実施形態では、この液晶セルの出射面側、及び又はバックライト側に配置する偏光子に、第1実施形態又は第2実施形態に係る偏光子が適用される。なおバックライト側に配置する場合には、さらに偏光子のバックライト側に、偏光子により遮光する偏光成分を選択的に反射する反射型偏光子を配置することにより、バックライト光の利用効率を向上することができる。
この実施形態によれば、偏光子の透過率を向上できることにより、液晶表示装置に適用して偏光子における損失を低減することができ、これにより液晶表示装置を高輝度化することができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態を種々に組み合わせ、さらには上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、有機ELパネルによる画像表示装置に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、液晶表示パネルによる画像表示装置等にも広く適用することができる。
また上述の実施の形態では、1/4波長板との積層により構成される円偏光板の反射防止フィルム、液晶表示装置に本発明を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば直線偏光による紫外線露光装置、プロジェクタ、各種光学装置等に広く適用することができる。
1 画像表示装置
2 有機ELパネル
3、13 反射防止フィルム
4 タッチパネル用センサーフィルム
5 1/4波長板
6、6A、16 偏光子
10 偏光子層
11 金属線状部
11A 本体層
11B、11C 黒化層
12 透明固体誘電体部
17 基材
24 賦型樹脂層
2 有機ELパネル
3、13 反射防止フィルム
4 タッチパネル用センサーフィルム
5 1/4波長板
6、6A、16 偏光子
10 偏光子層
11 金属線状部
11A 本体層
11B、11C 黒化層
12 透明固体誘電体部
17 基材
24 賦型樹脂層
Claims (8)
- ワイヤーグリッド型の偏光子において、
透過を制限する波長帯域の最短波長未満のピッチ及び線幅により金属線状部が繰り返し形成され、
前記金属線状部は、
ピッチPが50nm以上200nm以下であり、
線幅Wmに対する厚みHの比率であるアスペクト比H/Wmが、3.25以上である
偏光子。 - 前記金属線状部は、
厚み方向の両端部に、中央の部位に比して、反射率が低く、かつ黒色である黒化層が設けられた
請求項1に記載の偏光子。 - 前記金属線状部は、
前記中央の部位がアルミニウム材により形成され、
前記黒化層が、黒化ニッケルにより形成された
請求項2に記載の偏光子。 - 隣接する前記金属線状部の間に、前記波長帯域の電磁波に対して透明な固体誘電体による透明固体誘電体部が設けられた
請求項1、請求項2、請求項3の何れかに記載の偏光子。 - 透明フィルム材による基材に配置された賦型樹脂層に凹状溝が形成され、前記凹状溝に前記金属線状部が配置された
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4の何れかに記載の偏光子。 - 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の何れかに記載の偏光子が、1/4波長板と積層されて形成された
反射防止フィルム。 - 請求項6に記載の反射防止フィルムが、有機ELパネルのパネル面に配置された
画像表示装置。 - 液晶セルの出射面側及び又はバックライト側に配置される偏光子が、請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5の何れかに記載の偏光子である
液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119626A JP2017003878A (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | 偏光子、反射防止フィルム、画像表示装置 |
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JP (1) | JP2017003878A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023229374A1 (ko) * | 2022-05-25 | 2023-11-30 | 주식회사 엘지화학 | 투명 안테나 필름 및 그 제조방법 |
-
2015
- 2015-06-12 JP JP2015119626A patent/JP2017003878A/ja active Pending
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WO2023229374A1 (ko) * | 2022-05-25 | 2023-11-30 | 주식회사 엘지화학 | 투명 안테나 필름 및 그 제조방법 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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