JP2017003548A - センサ装置およびセンサ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 精度の高い小型のセンサ装置を提供する。
【解決手段】 センサ装置は、重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、重錘体および枠体を接続する可撓性を有する接続体と、接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を具備するとともに、重錘体の上方においてセンサ素子と空隙を介して配置された、開気孔を有する多孔質部材を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 センサ装置は、重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、重錘体および枠体を接続する可撓性を有する接続体と、接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を具備するとともに、重錘体の上方においてセンサ素子と空隙を介して配置された、開気孔を有する多孔質部材を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、加速度、角速度等の応力を検出するセンサ装置およびその製造方法に関する。
従来、加速度や角速度等の応力を検出するセンサ装置が知られている。特許文献1には、半導体微細加工プロセスにより形成したMEMS技術を用いたセンサ装置が記載されている。
このようなセンサ装置は、錘部(重錘体)と、その周囲を取り囲む台座部(枠体)と、錘部と台座とを可撓的に接続する梁部(接続体)とを有する加速度センサチップ(センサ素子)を具備するとともに、上記錘部の変位を規制するために上記加速度センサチップ上に設けたストッパ板とを具備している。
近年、電子機器の小型化の要求されており、電子機器に搭載される上記センサ装置もさらなる小型化が要求されている。しかしながら、センサ装置の小型化が進むと、センサチップとストッパ板との隙間の気体による抵抗が無視できなくなり、錘部の動きが気体による抵抗によって妨げられやすくなる。その結果、センサ装置の精度の向上が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高い精度を有する小型のセンサ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るセンサ装置は、重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、前記重錘体および前記枠体を接続する可撓性を有する接続体と、該接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を具備するとともに、前記重錘体の上方において前記センサ素子と空隙を介して配置された、開気孔を有する多孔質部材を具備する。
本発明の他の態様に係るセンサ装置の製造方法は、重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、前記重錘体および前記枠体を接続する可撓性を有する接続体と、該接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を準備する工程と、前記センサ素子上に加熱によってガス化が可能な第1部材を配置する工程と、前記第1部材上に開気孔を有する多孔質部材を配置する工程と、前記第1部材を加熱によってガス化させて前記センサ素子と前記多孔質部材との間に空隙を形成する工程とを具備する。
本発明によれば、精度の高い小型のセンサ装置とすることができる。
本発明のセンサ装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図6には、右手系のXYZ座標系が付されており、以下では、便宜上、Z軸方向を上下方向として説明をする。
<第1実施形態のセンサ装置>
図1は、本発明の第1実施形態のセンサ装置1の断面図である。また、図2はセンサ装置1におけるセンサ素子2の平面図であり、図3は図2のI−I線におけるセンサ素子2の断面図である。センサ装置1は、センサ素子2と多孔質部材3とを具備している。以下、各部位について詳述する。
図1は、本発明の第1実施形態のセンサ装置1の断面図である。また、図2はセンサ装置1におけるセンサ素子2の平面図であり、図3は図2のI−I線におけるセンサ素子2の断面図である。センサ装置1は、センサ素子2と多孔質部材3とを具備している。以下、各部位について詳述する。
センサ素子2は、重錘体21と、上面視して重錘体21を囲むように位置する枠体20と、重錘体21および枠体20を接続している、可撓性を有する接続体22と、接続体22に配置された検出部Raとを具備している。
センサ素子2に加速度が加わると、加速度に応じた力が重錘体21に作用し、重錘体21が動くことで接続体22が撓むようになっている。そして、接続体22の撓み量に応じた電気信号を検出部Raにより検出し、不図示の電気配線によりその電気信号を取出し演算することにより加速度を検出することができる。
重錘体21は、平面形状が略正方形であり、略正方形の一辺の長さが例えば0.4(0.1)mm〜0.7mmに設定される。また、重錘体21の厚みは、例えば0.2mm〜0.7mmに設定される。なお、図2において、下方に位置する重錘体21の平面形状を破線で示している。なお、重錘体21の平面形状は正方形に限られず、円や長方形など任意の形状が可能である。
そして、このような重錘体21を囲繞するように枠状の枠体20が設けられている。枠体20は、平面形状が略正方形をなし、中央部に重錘体21より若干大きい略正方形の開口部を有している。枠体20は、その一辺の長さが例えば0.5mm〜3mmに設定され、枠体20を構成するアームの幅(アームの長手方向と直交する方向の幅)は例えば0.3mm〜1.8mmに設定される。また枠体20の厚みは、例えば0.2mm〜0.7mmに設定される。
このような枠体20と重錘体21との間には図2に示すように接続体22が設けられている。接続体22は、一方端が枠体20の内周における各辺の上面側中央部に連結され、他方端が重錘体21の上面側中央部に連結されている。本実施形態におけるセンサ素子2では、4本の接続体22が設けられており、4本の接続体22のうち2本はX軸方向に伸びて重錘体21を間に挟んだ状態で同一直線状に配され、他の2本はY軸方向に伸びて重錘体21を間に挟んだ状態で同一直線状に配されている。
接続体22は可撓性を有し、センサ素子2に加速度が加わると重錘体21が動き、重錘体21の動きに伴って接続体22が撓むようになっている。接続体22は、例えば長手方向の長さが0.3mm〜0.8mmに設定され、幅(長手方向と直交する方向の長さ)が0.04mm〜0.2mmに設定され、厚みが5μm〜20μmに設定されている。このように接続体22を細長く且つ薄く形成することによって可撓性が発現される。
接続体22の上面には図2に示すように抵抗素子である検出部Rax1〜Rax4,Ray1〜Ray4,Raz1〜Raz4が形成されている(以下、これらの抵抗素子をまとめて称するときは適宜、符号Raで表す)。検出部Rax1〜Rax4,Ray1〜Ray4,Raz1〜Raz4は、3軸方向(図1に示した3次元直交座標系におけるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向)の加速度を検出できるように接続体22の所定の位置に形成された上、ブリッジ回路を構成するように結線されている。
このような検出部Rax1〜Rax4,Ray1〜Ray4,Raz1〜Raz4は、例えば、SOI基板の最上層にボロンを打ち込むことにより抵抗体膜を形成した後、抵抗体膜をエッチングなどにより所定の形状にパターニングすることにより形成することができる。これによりピエゾ抵抗素子からなる検出部Raを形成することができる。
ピエゾ抵抗素子からなる検出部Raを用いた場合には、接続体22の撓みに起因する変形に応じて抵抗値が変化し、この抵抗値の変化に基づく出力電圧の変化を電気信号として取り出し、これをIC等で演算処理することによって印加された加速度の方向並びに大きさや圧力の増減および大きさを検知することができる。
なお、検出部Raに電気的に接続された配線(図示せず)や電極23が、枠体20や接続体22の上面に設けられており、これらを介して電気信号をセンサ素子2の外部へ取り出し可能となっている。
これらの配線や電極23は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金などからなり、これらの材料をスパッタリングなどにより成膜した後、所定の形状にパターニングすることにより枠体20,接続体22の上面に形成される。
センサ装置1は、図1に示すように、検出部Raで検出した電気信号を演算処理するためのIC等の回路素子4を有していてもよい。図1の例では、センサ素子2が回路素子4に接合材25を介して搭載されており、センサ装置1の電極23と回路素子4の電極41とがワイヤ42等によって電気的に接続されている。このような構成によって、センサ素子2と回路素子4とを集約でき、センサ装置1が搭載される電子機器の小型化が可能になる。
また、センサ装置1は、センサ装置1が搭載される外部回路基板との熱膨張差による応力を低減するため、図1に示すように、センサ装置1の熱膨張係数と外部回路基板の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する配線基板5を有していてもよい。図1の例では、センサ装置1が搭載された回路素子4が接合材43を介して配線基板5に接合されており、回路素子4の電極44と配線基板5の電極51とがワイヤ52等によって電気的に接続されている。そして、この配線基板5が外部回路基板に実装されることによって、センサ素子2が外部回路基板と電気的に接続されることとなる。なお、配線基板5としては、セラミックスや樹脂等を用いた公知の配線基板5が用いられる。
センサ装置1はさらに多孔質部材3を具備している。多孔質部材3は、重錘体21の上方においてセンサ素子2と空隙を介して配置されている。つまり、多孔質部材3は、センサ素子2に大きな応力が加わった際に、重錘体21が過度に+Z方向に変位するのを抑制するためのストッパ板としての機能を有している。そして、この多孔質部材3は、表面に開気孔を有した多孔質構造を有している。このような構成によって、重錘体21が変位した際、センサ素子2と多孔質部材3との隙間の気体による抵抗を低減することができ、センサ装置1の精度を高くすることができる。
多孔質部材3とセンサ素子2との間の気体を多孔質部材3内に良好に流入させて、重錘体21をより動きやすくするという観点からは、多孔質部材3の断面(XY平面に垂直な断面)における気孔の面識比率が10〜70%であってもよい。
多孔質部材3の材質は特に限定されず、無機材料、樹脂または有機無機複合材料等が用いられる。このような材料としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、エポキシ樹脂またはこれらの複合材料等が挙げられる。特に、センサ素子2の接触によるセンサ素子2の破損を低減するという観点からは、多孔質部材3の材質は樹脂であってもよい。
多孔質部材3は、センサ装置1を−Z方向に平面透視したときに、少なくとも重錘体21の一部と重なるように配置されている。特に、重錘体21および接続体22の変位のばらつきを小さくして、より精度を高めるという観点からは、多孔質部材3は、センサ装置1を−Z方向に平面透視したときに、枠体20の内側領域の全体を覆っていてもよい。
また、多孔質部材3は、図1に示すように、電極23、41、44、51やワイヤ42、52も覆うようにしてこれらの電極やワイヤを保護するようにしてもよい。これにより、センサ装置1の電気的な接続信頼性が向上する。
なお、上記の説明では、センサ素子2が加速度センサである例を示したが、重錘体21をXY平面内で回旋運動させることで角速度を検出することが可能なセンサ素子2とすることも可能である。重錘体21を回旋運動させるためには、例えば、互いに向き合う重錘体21の第1側面と枠体20の第2側面(内壁)とに電極を設けて静電引力により実現してもよいし、センサ素子2の外側に磁力を発生させて実現してもよい。
<第2実施形態のセンサ装置>
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。例えば、図4の第2実施形態のセンサ装置100に示すように、配線基板5にセンサ素子2および多孔質部材3を覆う蓋体54を接合して、センサ素子2及び多孔質部材3を封止してもよい。これによってセンサ装置100の耐久性を高めることができる。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。例えば、図4の第2実施形態のセンサ装置100に示すように、配線基板5にセンサ素子2および多孔質部材3を覆う蓋体54を接合して、センサ素子2及び多孔質部材3を封止してもよい。これによってセンサ装置100の耐久性を高めることができる。
蓋体54としては、金属、セラミックスまたは樹脂等を用いることができる。図4では、蓋体54は、多孔質部材3の外表面と離間して設けられているが、これに限定されず、多孔質部材3の該表面に接触するように設けられていてもよい。特に、多孔質部材3を通した気体の流動性を高くすることによって、重錘体21の気体による抵抗をより低減するという観点からは、蓋体54は多孔質部材3と離間して設けられていてもよい。
<第3実施形態のセンサ装置>
また、センサ装置の他の例として、図5に示すような第3実施形態のセンサ装置200のような構成であってもよい。図5においては、多孔質部材230がセンサ素子2における枠体20の開口部のみを覆っている。そして、第2実施形態のセンサ装置100と同様、蓋体54によって、センサ素子2、多孔質部材3、電極23、41、44、51やワイヤ42、52等の電気的接続部分が封止されている。このような構成によっても、センサ装置200の耐久性を高めることができるとともに、多孔質部材230の製造工程を簡略化できる。
また、センサ装置の他の例として、図5に示すような第3実施形態のセンサ装置200のような構成であってもよい。図5においては、多孔質部材230がセンサ素子2における枠体20の開口部のみを覆っている。そして、第2実施形態のセンサ装置100と同様、蓋体54によって、センサ素子2、多孔質部材3、電極23、41、44、51やワイヤ42、52等の電気的接続部分が封止されている。このような構成によっても、センサ装置200の耐久性を高めることができるとともに、多孔質部材230の製造工程を簡略化できる。
<センサ装置の製造方法>
次に、上述のセンサ装置1の製造方法について、図6を用いて説明する。なお、図6(a)〜図6(c)は、それぞれセンサ装置1の製造途中における断面図である。また、図6において、図1〜図3と同じ符号のものは同じ構成要素を意味しており、詳細な説明は省略する。
次に、上述のセンサ装置1の製造方法について、図6を用いて説明する。なお、図6(a)〜図6(c)は、それぞれセンサ装置1の製造途中における断面図である。また、図6において、図1〜図3と同じ符号のものは同じ構成要素を意味しており、詳細な説明は省略する。
まず、公知の加工プロセスにより形成したセンサ素子2、回路素子4および配線基板5を電気的に接続する(図6(a)参照)。
次に、センサ素子2の上に、加熱によってガス化が可能な第1部材Aを形成する(図6(b)参照)。なお、図6(b)では、第1部材Aが、重錘体21の上および接続体22の上に膜状に設けられているとともに枠体20内を充填するように設けられている。第1部材Aは、一定温度に加熱すると昇華または熱分解してガス化する物質である。比較的温度管理が容易であり、作業効率を高めるという観点からは、第1部材Aとしては50〜100℃でガス化する物資であってもよい。このような第1部材Aとしては、流動パラフィン等が挙げられる。
次に、第1部材Aの上面に多孔質部材3を形成する(図6(c)参照)。そして、第1部材Aを加熱することで。第1部材Aをガス化させて、そのガスを多孔質部材3の外側に放出させることによって、多孔質部材3とセンサ素子2との間に空隙を形成する。これによって、図1に示したセンサ装置1が完成する。なお、図6(c)の工程においては、多孔質部材3の状態でなくてもよく、加熱によって多孔質部材3となる前駆体であってもよい。この場合、前駆体と第1部材Aとを加熱することによって、前駆体を多孔質部材3にするとともに、第1部材Aをガス化すればよい。
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良などが可能である。
1、100、200:センサ装置
2:センサ素子
3、203:多孔質部材
20:枠体
21:重錘体
22:接続体
2:センサ素子
3、203:多孔質部材
20:枠体
21:重錘体
22:接続体
Claims (5)
- 重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、前記重錘体および前記枠体を接続する可撓性を有する接続体と、該接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を具備するとともに、
前記重錘体の上方において前記センサ素子と空隙を介して配置された、開気孔を有する多孔質部材を具備するセンサ装置。 - 前記多孔質部材は樹脂から成る、請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記多孔質部材の断面における気孔の面識比率が10〜70%である、請求項1または2に記載のセンサ装置。
- 前記多孔質部材は、平面透視して前記枠体の内側領域の全体を覆っている、請求項1乃至3のいずれかに記載のセンサ装置。
- 重錘体と、上面視して前記重錘体を囲むように位置する枠体と、前記重錘体および前記枠体を接続する可撓性を有する接続体と、該接続体に配置された検出部とを有するセンサ素子を準備する工程と、
前記センサ素子上に加熱によってガス化が可能な第1部材を配置する工程と、
前記第1部材上に開気孔を有する多孔質部材を配置する工程と、
前記第1部材を加熱によってガス化させて前記センサ素子と前記多孔質部材との間に空隙を形成する工程と
を具備するセンサ装置の製造方法。
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JP2015121136A JP2017003548A (ja) | 2015-06-16 | 2015-06-16 | センサ装置およびセンサ装置の製造方法 |
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