JP2017003471A - 保護回路、バッテリーパック、保護プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び保護回路の駆動方法 - Google Patents

保護回路、バッテリーパック、保護プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び保護回路の駆動方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の充放電の繰り返しに伴う劣化の程度を正確に把握する。【解決手段】保護回路(3)は、電池(2)の電流値(I)を取得する電流値取得部(22)と、電池(2)の電圧値Vを取得する電圧値取得部(23)と、電池(2)の容量値にて電圧値(V)を二階微分した二階微分値を演算する二階微分値演算部(24)と、上記二階微分値が、二階微分閾値(F)を下回るかを判定する二階微分閾値判定部(25)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は二次電池のバッテリーパックに配される保護回路、バッテリーパック、保護プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び保護回路の駆動方法に関する。
従来から、充電可能な電池を保護する保護回路を備えたバッテリーパックが開発されている。特許文献1には、充電対象の電池が過充電となっているか否かを監視する充電監視装置が開示されている。
図20を用いて、特許文献1に記載の充電監視装置について説明する。図20は、従来の充電監視装置の充電監視の様子を説明する図である。充電対象である電池が、充電監視装置が配された充電器にセットされると、当該電池の充電が開始される。充電監視装置は、図20の実践に示すグラフZ1のように、充電対象である電池の充電量(%)と、端子間電圧(V)との関係を監視する。また、充電監視装置は、図20の電圧を充電電気量で微分したものを、1点鎖線で示すグラフZ2のように演算し、また、電圧を受電電気量で二階微分したものを、破線Z3に示すように演算する。
充電監視装置は、電圧の異常上昇を判別するための判別値として予め設定された、図20の矢印T1に示す位置でのグラフZ2またはグラフZ3との交点の値(すなわち、単位充電電気量あたりの変化量)を、グラフZ2またはグラフZ3が超える程変化すると、充電対象である電池の充電状態が異常(通常は過充電)であると判断する。
また、放電深度が極めて深い状態から充電した場合、充電初期において電圧の変化状態が安定せず、充電初期において充電状態が異常であると誤検知してしまうことがある。このため、充電監視装置は、図20の電圧T2に示すように、充電初期における電池の電圧値(4.1V)以下の範囲では、充電状態が異常であるとは判断しない。これにより、充電初期における電圧の変化状態が安定しないことに起因して充電状態が異常であると誤検知してしまうことを防止できるとされている。
特開2003‐317811号公報(2003年11月7日公開)
電池は充放電を繰り返すと劣化する。電池が劣化すると、電池内に残っている容量値(以下、残容量を称する)の低下に伴い低下する電圧の低下量が大きくなる。
電池は、安全に使用できる電圧の範囲が限られている。このため、バッテリーパックにセットされている電池の劣化度合いを把握していないと、放電終了間際の急激な電圧降下を予想できず、突然、電池が使用停止に追い込まれる可能性がある。
電池の劣化度合いは、以下の式により、逐次計算を行うことで、ある程度推定することはできる。
new=Qold−I×Δt
ただし、Iは電池からの出力電流、Δtは電流Iのサンプリング時間差、QnewはΔt経過後の残容量、QoldはΔt経過前の残容量を表す。
しかし、このように、逐次計算により残容量を演算すると必ず誤差が蓄積されるため、残容量を正確に得ることはできない。
このため、電池の劣化度合いは、電池における端子間の電圧Vと残容量Qとの特性極性によってある程度の推定は可能であるものの、通常、電圧Vを把握することに比べて、残容量Qを正確に把握することは難しかった。
図20に示した従来技術は、電池の過充電を検出できるとされているものの、電池の劣化度合いを把握するものではない。
また、電池の劣化は、電池に対し充放電を繰り返すことで発生する。一方、図20に示した技術は、電池の過充電を検出する技術であるため、1回の充電時における過充電を検出できればよく、電池を繰り返し使用したときの電池の状態変化を監視する必要はない。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、電池の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を、正確に把握することである。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る保護回路は、充電式の電池が搭載されるバッテリーパックに配される保護回路であって、上記電池が出力した電流値を所定の時間間隔で取得する電流値取得部と、上記電池における端子間の電圧値を所定の時間間隔で取得する電圧値取得部と、上記電流値を時間積分して得られる上記電池の容量値により、上記電圧値を二階微分した二階微分値を演算する二階微分値演算部と、上記二階微分値が、所定の第1の二階微分閾値を下回るか否かを判定する二階微分閾値判定部とを備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る保護回路の駆動方法は、充電式の電池が搭載されるバッテリーパックに配される保護回路の駆動方法であって、上記電池が出力した電流値を所定の時間間隔で取得する電流値取得ステップと、上記電圧における端子間の電圧値を所定の時間間隔で取得する電圧値取得ステップと、上記電流値を時間積分して得られる上記電池の容量値により、上記電圧値を二階微分した二階微分値を演算する二階微分値演算ステップと、上記二階微分値が、所定の第1の二階微分閾値を下回るか否かを判定する二階微分閾値判定ステップとを有することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、電池の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を、正確に把握することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る保護回路の構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態1に係るバッテリーパックの構成を表す平面図である。 本発明の実施形態1に係る保護回路の構成を表すブロック図である。 電池の充放電サイクル毎に電圧と残容量との関係を表す特性曲線の変化の様子を表す図である。 電池における電圧の一階微分と残容量との関係を、電池の充放電サイクル毎に表した図である。 電池における電圧Vの二階微分と残容量との関係を、電池の充放電サイクル毎に表した図である。 本発明の実施形態1における、電池の劣化判定の方法を説明する図である。 本発明の実施形態1に係る保護回路の処理の流れを表す図である 本発明の実施形態2に係る保護回路の構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態2における、電池の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。 本発明の実施形態2に係る保護回路の処理の流れを表す図である。 本発明の実施形態3に係る保護回路の構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態3における、電池の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。 本発明の実施形態3に係る保護回路の処理の流れを表す図である。 本発明の実施形態4に係る保護回路の構成を表すブロック図である。 本発明の実施形態4における、電池の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。 電圧差と、電池の充放電サイクル数との関係を表す図である。 本発明の実施形態4に係る保護回路の処理の流れを表す図である。 図18に示す保護回路の処理の流れのうち、電圧差の演算処理の流れを表す図である。 従来の充電監視装置の充電監視の様子を説明する図である。 (a)は、本発明の実施形態1のバッテリーパックに負荷を接続した回路構成を表す図であり、(b)は(a)のバッテリーパックが備える保護回路を検査する回路構成を表す図である。 (a)は図21の(b)に示す回路構成が備える電子負荷に流れる放電電流の時間変化を表し、(b)は図21の(b)に示す回路構成が備えるDC電源が出力する電源電圧の時間変化を表し、(c)は(a)に示す放電電流及び(b)に示す電源電圧から演算される二階微分値の時間変化を表す。
〔実施形態1〕
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(バッテリーパック1の構造)
図1〜図3を用いて、本発明の実施形態1に係るバッテリーパック1の構造について説明する。図2は、本発明の実施形態1に係るバッテリーパック1の構成を表す平面図である。バッテリーパック1は、充電式の二次電池である電池2と、電池2へ入出力される電圧及び電流に関する情報を把握する保護回路3とを備えている。
電池2と保護回路3とは基板に配されている。図2において、電池2は一つの構成として記載されているが、電池2の個数は一つに限らず、電池2は、電池2が直列または並列に配された組電池であってもよい。
保護回路3は電池2と並列に接続されている。保護回路3から延びるプラス側端子及びマイナス側端子には、電池2が電力を供給する負荷が接続されたり、電池2を充電するための電力源が接続されたりする。
保護回路3は、電池2の安全保護機能を有する回路である。保護回路3は、電池2の放電や充電に際し、電池2の製造メーカが保証する安全な電圧範囲及び電流範囲を逸脱することが無いよう監視している。保護回路3は、電池2の監視情報(電圧値および電流値)から適切な充放電がなされていないと判定した場合、電池2への充放電を停止する機能を有する。
しかし、リチウムイオン電池を含む二次電池は、一般的に、適切な充放電を行っていても、その使用回数を重ねることで、電池の劣化が進行する。これは、電池2は、充放電サイクルを繰り返すことで、電池2内の部材が劣化し、電気特性が変化するためである。
ここで、本実施形態において、電池2が「劣化する」とは、放電による電池2の残容量(容量値)の低下量に対する電圧Vの低下量が、通常状態時より大きくなることを意味する。特に、劣化は、電池2の放電終了間際において顕著にみられる。なお、電池2の劣化については、図4を用いて後述する。
また、電池2の「残容量」とは、電池2が出力できる電流の時間積分を表している。すなわち、「残容量」とは、電池2において、何mAの電流を、残り何時間出力できるかを表している。
図3は、保護回路3の構成を表すブロック図である。図3では、電池2は保護回路3を通じて負荷5と接続されている。保護回路3は、スイッチ11と、電流測定部12と、電圧測定部15と、記憶部16と、劣化通知部17と、演算制御部20とを備えている。
スイッチ11は、電池2から負荷5へ至る経路中に配されている。電池2から放電された電流値または電圧値が異常な値を示したとき、演算制御部20によってスイッチ11は、導通状態から非導通状態へ切り替えられる。これにより、電池2からの電流および電圧の出力は停止する。また、負荷5に換えて電池2の充電用の電源を接続した場合も、電池2へ供給される電流および電圧が異常な値を示したとき、スイッチ11の導通状態から非導通状態へ切り替えられることで、電池2への充電動作は停止する。
電流測定部12は、電池2と直列に接続されている。電流測定部12は、電池2から出力された電流の値を所定時間間隔で測定し、当該測定した電流値Iを演算制御部20へ出力する。電流測定部12は、一例として、電池2と直接に接続され、電池2からの電流を電圧へ変換する電流電圧変換部13と、電流電圧変換部13が変換した電圧値を測定し当該測定した電圧値を電池2の電流値Iとして演算制御部20へ出力する電圧測定部14とを備える。なお、電流測定部12は電池2から出力された電流を測定できればよく、図3に示す構造のものに限定されるものではない。
電圧測定部15は電池2と並列に接続されている。電圧測定部15は、電池2の端子間の電圧値Vを所定時間間隔で測定し、当該測定した電圧値Vを演算制御部20へ出力する。
記憶部16は、電池2における充放電サイクル毎に、電池2の電圧値Vと、残容量Qとの関係を記憶するための不揮発性の記憶部である。記憶部16は、演算制御部20に組み込まれていてもよいし、保護回路3の外部に設けられていてもよい。
記憶部16には、電池2の充放電サイクル毎に、演算制御部20が演算した、電池2の電圧値Vを残容量Qで二階微分した値である二階微分値dV/dQのうち最小値が随時上書きし更新される。また、記憶部16には、二階微分閾値判定部25により、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報が記憶される。
劣化通知部17は、ユーザに対し、現在使用されている電池2の劣化が進行している旨の情報である通知情報を通知する。劣化通知部17が通知情報をユーザへ通知する態様としては、電池2の劣化が進行したことで、電池2に充放電サイクルを実行するための能力が無くなった旨がユーザに伝わればよく、例えば、バッテリーパック1の使用状態を示すランプを、通常とは異なる色の光を点灯させたり、当該ランプを点滅させるなど通常の点灯状態とは異なる態様で点灯させたり、または、ブザーなど音で知らせたりするなど、種々の態様が考えられる。劣化通知部17は、演算制御部20から、通知情報出力指示情報を取得すると、上記通知情報を通知する。
演算制御部20は、電流測定部12から、電流測定部12が所定の時間間隔で測定した電池2が出力した電流値Iを取得したり、電圧測定部15から、電圧測定部15が所定の時間間隔で測定した電池2の端子間の電圧値Vを取得する。電池2が充電および放電されているとき、演算制御部20は、電流値I及び電圧値Vから、不適切な条件での充電および放電がなされていると判定した場合に、スイッチ11を非導通とする。この、不適切な条件とは、バッテリーパック1の製造者が意図していない使用条件であり、一例としては、電池2の過充電状態での使用を挙げることができる。
なお、後述するように、本実施形態では、演算制御部20にて電池2の残容量Qを直接測定するのではなく、演算制御部20にて、電池2における、電圧値Vの所定時間あたりの変化量と、電流値Iの所定時間あたりの変化量とから残容量Qの一階微分値dV/dQを演算し、さらに、この一階微分値dV/dQを、電流値Iの所定時間あたりの変化量で微分した二階微分値dV/dQを演算により算出し、当該二階微分値dV/dQの値の増減の状態を把握する。このように、演算制御部20にて、残容量Qを演算するのではなく、二階微分値dV/dQの値の増減を把握することで、Q‐V特性を類推する。これは、電池2の劣化の程度は、Q‐V特性に表れるためである。
また、電池2が放電しているとき、演算制御部20は、電流値I及び電圧値Vそれぞれの値を逐次監視することで、電池2の残容量Qの一階微分値dV/dQを演算し、さらに、この一階微分値dV/dQを、電流値Iの所定時間あたりの変化量で微分した二階微分値dV/dQを演算により算出し、当該二階微分値dV/dQの値の増減の状態を把握する。このように、演算制御部20にて、残容量Qを演算するのではなく、二階微分値dV/dQの値の増減を把握することで、Q‐V特性を類推する。演算制御部20は、二階微分値dV/dQの値の増減状態から、電池2の劣化の程度を判定する。演算制御部20は、電池2の劣化が、これ以上、充放電サイクルを実行することが不可であると判定できる程度に進行している場合、劣化通知部17に、通知情報出力指示情報を出力する。この演算制御部20の詳細な構成は後述する。
図1は保護回路3の構成を表すブロック図である。図1に示すように、演算制御部10は、機能ブロックとして、スイッチ制御部21と、電流値取得部22と、電圧値取得部23と、二階微分値演算部24と、二階微分閾値判定部25と、劣化判定部26とを備えている。
スイッチ制御部21はスイッチ11の導通と非導通とを切り替える。通常は、スイッチ制御部21はスイッチ11を導通状態とする。
スイッチ制御部21は、電池2が充電されているとき、電流値取得部22から取得した電流の電流値Iの所定時間あたりの変化量と、電圧値取得部23から取得した電圧値Vの所定時間あたりの変化量とから、電池2の残容量Qの微分値を監視し、不適切な条件で電池2が充電および放電されていると判定すると、スイッチ11を非導通とする。これにより、電池2が、過充電状態など不適切な状態となることを防止する。また、スイッチ制御部21は、そのほかにも、異常が生じた場合はスイッチ11を非導通とすることで、バッテリーパック1の回路が破損することを防止している。
電流値取得部22は、電流測定部12が所定時間間隔で測定した電池2の電流値Iを逐次取得する。電流値取得部22は、当該取得した電流値Iをスイッチ制御部21及び二階微分値演算部24へ出力する。なお、電流値取得部22は、上記取得した電流値Iを逐次、記憶部16へ記憶していってもよい。
電圧値取得部23は、電圧測定部15が所定時間間隔で測定した電池2の電圧値Vを逐次取得する。電圧値取得部23は、当該取得した電圧値Vをスイッチ制御部21及び二階微分値演算部24へ出力する。なお、電圧値取得部23は、上記取得した電圧値Vを逐次、記憶部16へ記憶していってもよい。
二階微分値演算部24は、電流値取得部22から取得した電流値Iと、電圧値取得部23から取得した電圧値Vとから、電池2の電圧値Vを残容量Qで二階微分した値である二階微分値dV/dQを演算する。二階微分値演算部24は、演算した二階微分値dV/dQの最小値を、記憶部16に随時、更新して記憶する。二階微分値演算部24の二階微分値dV/dQの演算方法については後述する。
二階微分閾値判定部25は、二階微分値演算部24によって記憶部16に記憶され、随時更新される二階微分値dV/dQの値を監視し、予め設定された所定の二階微分閾値Eを、二階微分値dV/dQが下回るか否かを判定する。二階微分閾値判定部25は、二階微分閾値Eを、二階微分値dV/dQが下回ったと判定すると、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、二階微分値dV/dQが二階微分閾値を下回った旨の情報を記憶部16に記憶する。
劣化判定部26は、二階微分閾値判定部25によって記憶部16に記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する。劣化判定基準とは、例えば、二階微分値dV/dQが二階微分閾値を下回った回数が所定の回数以上となったかなど、電池2は劣化したと判断するための判定基準である。
劣化判定部26は、二階微分閾値判定部25によって記憶部16に記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
(実験結果)
次に、図4〜図6を用いて、電池2の劣化に関する実験結果について説明する。まず、図4を用いて、電池2の劣化について説明する。図4は、電池2の充放電サイクル数(充放電を繰り返した数)毎に、電池2の電圧Vと、残容量Qとの関係を表す特性曲線の変化の様子を表す図である。図4において、縦軸は電池2の電圧V〔V〕を表し、横軸は電池2の残容量Q〔mAh〕を表している。
図4の縦軸に示す電圧Vは、電圧測定部15によって所定時間間隔で測定された電池2の端子電圧を表している。図4の横軸に示す残容量Qは、電流測定部12によって、電圧測定部15の測定時間と同時間における所定時間間隔で測定された電流I〔mA〕から、以下の(式1)を用いて演算して得られる残容量Qを表している。
new=Qold−I×Δt・・・(式1)
ただし、Δtは電流Iのサンプリング時間差、QnewはΔt経過後の電池2の残容量、QoldはΔt経過前の電池2の残容量を表す。このように、残容量Qは、電流Iの時間積分により表される。
電池2において、充放電サイクル数が0サイクル(cycle)から、1600サイクルまで、200サイクル毎に、電圧Vと残容量Qとの関係を表すデータを取得して比較した。なお、1サイクルとは、充電してから当該充電された電荷の放電が終了した時点までのことをいう。0サイクルとは、新品(充電された後、放電がなされていない状態)のことをいう。
図4の矢印Aに示すように放電により残容量Qが小さくなるほど、電圧Vの値が小さくなる。残容量Qが、約2500〔mAh〕から約500〔mAh〕となる程度まで放電させた場合は、比較的緩やかに電池2の電圧Vは低下していく。しかし、電池2は、残容量Qが約500〔mAh〕程度を下回る低残容量になると、電圧Vは急激に低下する。この電池2の低残容量域で放電させたときにおける、電圧Vの急激な低下は、充放電サイクル数が多い程、低下速度が速く、電圧Vの低下幅が大きいことが分かった。
このように、電池2の充放電サイクル数が多くなると、正常な電圧範囲で使用していたとしても、電池2の残容量Qの変化量に対する電圧Vの変化量が増大することが分かった。つまり、充放電サイクル数が多くなればなるほど電池2が劣化していっていることが分かった。このことは、図4に示すように、電池2の電圧Vと、残容量Qとの関係を表す特性曲線を充放電サイクル毎に比較したことによって初めて分かることである。
この結果から、充放電を繰り返した電池2の劣化の進行を判定する方法として次のような方法が考えられる。
すなわち、電池2の端子間の電圧Vと、電池2からの電流Iから上記(式1)により演算される残容量Qとの関係において、予め、所定の残容量Qのときの電圧Vについて所定の電圧閾値を設けておき、電池2の放電に伴い低下する残容量Q及び電圧Vの値に関し、残容量Qが上記所定の残容量Qとなったとき、そのときの電圧Vの値が上記所定の電圧閾値を下回ったとき、電池2の劣化が進行していると判定する方法が考えられる。
しかし、上述したように、電池2の残容量Qは、上記(式1)により逐次計算により演算しているため、電池2の放電に伴い所定時間間隔で計算する残容量Qの値には、必ず誤差が蓄積していく。
この誤差の原因として、電流測定部12の測定誤差を挙げることができる。例えば、電流測定部12は、所定の時間間隔(例えば数ミリ秒毎程度)で電池2から出力される電流Iを測定している。しかし、その所定時間間隔の間にも、実際には電流Iは出力されており、アナログ的(連続的)に変化する。このように、実際には連続的に変化する電流Iを、連続的に計測し続けることには限界がある。また、電流測定部12の電流Iを測定できる分解能にも限界がある。
電流測定部12が所定時間間隔で電流Iを測定する測定タイミング毎に生じる微小な誤差が蓄積されていくことになるため、電池2における、正確な残容量Qを把握することは困難である。このため、電池2の劣化の進行を正確に把握することは困難である。
図5は、電圧Vの一階微分と、残容量Qとの関係を、電池2の充放電サイクル毎に表した図である。図5のグラフにおける縦軸は、電圧値Vを、残容量Qで一階微分した値であるdV/dQを表す。図5のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。
図5に示すように、電圧値Vを、残容量Qで一階微分した一階微分値dV/dQは、残容量Qが低下するにつれて、値が急激に増加している。そして、充放電サイクル数が多くなればなるほど、残容量Qが500mAh以下程度の低残容量域での増加速度が速く、増加幅が大きくなることが分かった。
残容量Qの微分値であるdV/dQは、残容量Qの変化量に対する電圧Vの変化量を表すため、絶対量である残容量Q自体が分かっていなくても、所定時間間隔における、電流Iの変化量と電圧Vの変化量とを測定し、演算することで求めることができる。
例えば、電池2において、正確な値としての残容量Qが不明であっても、電圧Vは、端子電圧を電圧測定部15により測定することで、容易に把握することができる。そして、電池2を少し放電した場合、正確な残容量Q自体が不明であっても、電流測定部12の測定により、所定時間経過後の電流Iの変化を把握することができるため、その電流Iを所定時間で積分することで、残容量Qの変化量dQを演算することはできる。
そして、電流測定部12と同じタイミングの所定時間間隔で電池2の電圧値Vを測定している電圧測定部15の測定により、残容量Qの変化量dQを測定したときの電圧値Vの変化量dVを得ることができる。
微分値であるdV/dQは、この電圧Vの変化量dVと、残容量Qの変化量dQとから演算することができるため、絶対量としての残容量Qを演算する場合と異なり、過去の値の蓄積は必要なく、最近サンプリングした数回の電流値I及び電圧値Vから演算することができる。このため、一階微分値dV/dQを演算する方が、残容量Qを演算するより正確に求めることができ、誤差を含みにくい。
このため、一階微分値dV/dQにおいて、予め所定の閾値を設けておき、電池2の放電に伴い増加する一階微分値dV/dQの値が、上記所定の閾値以上となったとき、電池2における充放電サイクルが可能な能力が低下していると判定する方法を取ることが考えられる。
しかし、今回、残容量Qの値として、約2500mAh以上の領域、すなわち過充電となる領域のデータをサンプリングしなかったものの、図20を考慮すると、図5の破線Bに示すように、残容量Qが約2500mAh以上の過充電状態となると、一階微分値dV/dQは、残容量Qの増加に伴い、値が急激に増加していくものと考えられる。
このため、電池2の劣化(図5における残容量Qが500〔mAh〕を下回る領域において一階微分値dV/dQが急激に増加している現象)と、電池2の過充電(図5における残容量2500〔mAh〕以上の領域において一階微分値dV/dQが急激に上昇している現象)との区別がつかない。つまり、一階微分値dV/dQの値が、所定の閾値以上となったときに電池2の劣化が進行していると判定する方法では、電池2が過充電である状態との区別がつかない。
図6は、電圧Vの二階微分と、残容量Qとの関係を、電池2の充放電サイクル毎に表した図である。図6のグラフにおける縦軸は、電圧Vを、残容量Qで二階微分した値であるdV/dQを表す。図6のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。
図6に示すように、電圧Vを、残容量Qで二階微分した二階微分値dV/dQは、残容量Qが低下するにつれて、値が急激に低下している。そして、二階微分値dV/dQは、サイクル数が多くなればなるほど、残容量Qが500mAh以下程度の低残容量域での低下速度が速く、低下幅が大きいことが分かった。
また、今回、残容量Qの値として、約2500mAh以上の領域、すなわち過充電となる領域のデータをサンプリングしなかったものの、図20を考慮すると、図6の破線Cに示すように、残容量Qが約2500mAh以上となると、二階微分値dV/dQは、残容量Qの増加に伴い、値が急激に増加すると考えられる。
このため、図6の二階微分値dV/dQにおいて、予め所定の二階微分閾値を設けて置き、電池2の放電に伴い増加する二階微分値dV/dQの値が、上記予め設けた所定の二階微分閾値の値を下回ったとき、電池2における充放電サイクルが可能な能力が低下していると判定することで、電池2における充放電サイクルが可能な能力が低下しているか否かを正確に判定することが可能であり、かつ、過充電である状態を検出してしまうことを防止することができる。
特に、二階微分閾値を負の値にすることで、過充電状態とは明確に区別することができる。これは、過充電状態のときは、残容量Qの増加に伴い、二階微分値dV/dQの値も増加するためである。
なお、一階微分値dV/dQと同様に、二階微分値dV/dQを演算する方が、上記(式1)を用いて残容量Qを演算するより正確に値を求めることができ、誤差を含み難い。すなわち、二階微分値dV/dQは、電圧Vの変化量(dV)を、残容量Qの変化量(dQ)で二階微分する演算により求めることができるため、一階微分値dV/dQと同様に、絶対量としての残容量Qを演算する場合と異なり、過去の値の蓄積は必要なく、最近サンプリングした数回の電流I及び電圧Vの測定値から演算することができる。このため、二階微分値dV/dQを演算する方が、残容量Qを演算するより正確に電池2の劣化の進行を判定することができる。
(電池2の充放電サイクルが可能な能力の低下判定の方法)
図4〜図6を用いて説明した実験結果を踏まえ、次に、図7を用いて、電池2の劣化の進行を判定する方法について説明する。図7は、本発明の実施形態1における、電池2の劣化判定の方法を説明する図である。
図7のグラフにおける縦軸は、電圧Vを、残容量Qで二階微分した値であるdV/dQを表す。図7のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。
図6に示したように、電池2は、充放電サイクルを繰り返すことで、次第に劣化の程度が大きくなる。図7に示す特性D1〜D3は、電池2の充放電サイクル数毎の電圧Vの二階微分値dV/dQと残容量Qとの関係を表し、特性D1から特性D3にかけて順に、電池2の充放電サイクル数が多く、電池2の劣化が進行している様子を表している。
残容量Qが低い低残容量領域において、電池2の放電による残容量Qの低下に伴い、特性D1〜D3とも電圧Vの二階微分値dV/dQは次第に減少している。特性D1から特性D3にかけて順に、残容量Qの低下に伴う二階微分値dV/dQの低下量が大きく、低い値まで二階微分値dV/dQが低下している。
そこで、記憶部16に、演算して得られた二階微分値dV/dQの最小値を随時記憶していく。この二階微分値dV/dQは、電池2の充放電サイクル数が増加するに伴い、随時更新されていく。
さらに、予め所定の二階微分閾値Eを設けておき、記憶部16に随時記憶している二階微分値dV/dQの最小値が、二階微分閾値Eを下回ると、電池2の劣化が進行していると判定する。
電池2の劣化が正常である特性D1及びD2においては、残容量Qが低下しても、二階微分値dV/dQの最小値が二階微分閾値Eを下回ることはない。しかし、充放電サイクル数が増加し、特性D3となると、残容量Qが低下すると、二階微分値dV/dQが二階微分閾値を下回る。この二階微分値dV/dQが二階微分閾値Eを下回ったことを検出することで、電池2の劣化が進行していると判定することができる。
そして、電池2が過充電の状態のとき、すなわち、残容量Qが高い高残容量領域において、残容量Qが増加するにつれ、二階微分値dV/dQは、特性D1〜D3とも全て増加している。このように、過充電により二階微分値dV/dQが増加する方向は正の方向である。一方、上述のように、放電に伴い二階微分値dV/dQが低下する方向は負の方向である。
このため、二階微分閾値を負の値とすることで、過充電による二階微分値dV/dQの値の変化を誤検出することを防止することができるため、より正確に、電池2における充放電サイクルが可能な能力を判定することができる。
(フローチャート)
次に、主に図8を用いて、本実施形態に係る保護回路3の処理の流れについて説明する。図8は、保護回路3の処理の流れを表す図である。
電流値取得部22は、所定の時間間隔で電流測定部12から電流値Iを取得する。そして、電流値取得部22は、当該取得した電流値Iを随時、二階微分値演算部24へ出力していく。また、電流測定部12から電流値取得部22が電流値Iを取得するほぼ同じタイミングにおける所定時間間隔で、電圧値取得部23は、電圧測定部15から電圧値Vを取得する。そして、電圧値取得部23は、当該取得した電圧値Vを、随時、二階微分値演算部24へ出力していく(ステップS11)。
二階微分値演算部24は、電流値取得部22から取得した所定時間間隔で測定された電流Iを、時間積分することにより残容量Qの変化量dQを演算する。さらに、二階微分値演算部24は、残容量Qの変化量dQの演算に用いた所定時間間隔の電流Iと同じタイミングの所定時間間隔で測定された電圧Vの変化量dVを演算し、まず、一階微分値dV/dQを演算する。さらに、二階微分値演算部24は、当該演算により得られた一階微分値dV/dQを、さらに、同じ電圧Vの変化量dVで微分することで、二階微分値dV/dQを演算する(ステップS12)。
そして、二階微分値演算部24は、放電に伴い低下する二階微分値dV/dQを随時、記憶部16に記憶していく。すなわち、二階微分値演算部24は、演算して得られた二階微分値dV/dQが最小値の場合、記憶部16に記憶する。
次に、二階微分閾値判定部25は、二階微分値演算部24によって記憶部16に記憶され、随時、最小値が更新される二階微分値dV/dQの値を監視し、記憶部16に記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値を下回るか否かを判定する(ステップS13)。
記憶部16に記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値を下回らなければ(ステップS13のNO)、ステップS11へ戻る。
一方、記憶部16に記憶された二階微分値dV/dQが、予め設定された所定の二階微分閾値を下回ったと二階微分閾値判定部25が判定すると(ステップS13のYES)、二階微分閾値判定部25は、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、二階微分値dV/dQが二階微分閾値を下回った旨の情報を記憶部16に記憶する。
次に、劣化判定部26は、二階微分閾値判定部25によって記憶部16に記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する(ステップS15)。
ステップS15において、劣化判定部26が、二階微分閾値判定部25によって記憶部16に記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準未満であると判定すると(ステップS15のNO)、ステップS11の処理に戻る。
一方、ステップS15において、劣化判定部26が、二階微分閾値判定部25によって記憶部16に記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると(ステップS15のYES)、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
劣化通知部17は、劣化判定部26から、通知情報出力指示情報を取得すると、電池2は劣化したことを通知する情報である通知情報をユーザへ通知する(ステップS16)。
(保護回路の判定方法)
次に、バッテリーパックの保護回路として、本実施形態にて説明した保護回路3が利用されているか否かを、効率よく判定方法について説明する。なお、以下に示す判定方法は、あくまでも一例である。
図21の(a)は、バッテリーパック41に負荷5を接続した回路構成を表す図であり、(b)はバッテリーパック41が備える保護回路43を検査する回路構成を表す図である。
(1)まず、図21の(a)に示すように、電池2と保護回路43とを備えるバッテリーパック41に使用されている保護回路43が、本実施形態で説明した保護回路3であるか否かを判定するために、バッテリーパック41から保護回路43を取り外す。
そして、図21の(b)に示すように、取り外した保護回路43の一方の両端子(プラス側端子及びマイナス側端子)に、電池2に換えて、電圧値を制御できるDC電源42を接続し、保護回路43の他方の両端子(プラス側端子及びマイナス側端子)に、負荷5に換えて、流れる電流値を制御できる電子負荷45を接続する。
図22の(a)は電子負荷45に流れる放電電流の時間変化を表し、(b)はDC電源42が出力する電源電圧の時間変化を表し、(c)は(a)に示す放電電流及び(b)に示す電源電圧から演算される二階微分値の時間変化を表す。
(2)次に、図22の(a)に示すように、電子負荷45を制御することで、保護回路43からの放電電流I41を小さい値に維持した状態において、図22の(b)に示すように、DC電源42を制御することで保護回路43へ印加する電源電圧V41を急峻に低下させる。これにより、図22の(c)の二階微分値dV/dQ41に示すように、保護回路43内で残容量Qの二階微分値が演算されている場合、上記により、演算される二階微分値dV/dQ41の値の低下及び上昇幅を瞬間的に大きく変化させる。この方法により、保護回路43により何らかの判定がなされた場合、残容量Qの微分値又は電圧の時間変化を監視している可能性がある。
(3)そして、図22の(a)に示すように、電子負荷45を制御することで、保護回路43からの放電電流I42を大きい値に維持した状態において、図22の(b)に示すように、DC電源42を制御することで保護回路43へ印加する電源電圧V41を急峻に低下させる。これにより、図22の(c)の二階微分値dV/dQ42に示すように、保護回路43内で残容量Qの二階微分値が演算されている場合、上記により、演算される二階微分値dV/dQ41の値の低下及び上昇幅を瞬間的に小さく変化させる。この方法によって、保護回路43が何の判定もしていない場合、保護回路43において電圧の時間変化を監視していないと考えられる。
(4)上記(2)及び(3)の実験によって、保護回路43が残容量Qの微分値を監視している可能性が有る場合、保護回路43内のマイコンのバイナリデータを解析する。この方法により、効率よく、保護回路43として保護回路3が用いられているか否かを判定することができる。
なお、上記(1)〜(4)の判定作業を行いに際し、電源電圧と放電電流とは、必ず、保護回路43が接続される電池2の使用範囲内とし、余計な安全機能が動作しないように注意する。
(保護回路3の主な利点)
以上のように、保護回路3は、充電式の電池2が搭載されるバッテリーパック1に配される保護回路3である。そして、保護回路3は、電池2が出力した電流値Iを所定の時間間隔で取得する電流値取得部22と、上記電池における端子間の電圧値Vを所定の時間間隔で取得する電圧値取得部23と、電流値Iを時間積分して得られる電池2の残容量Qにより、電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQを演算する二階微分値演算部24と、二階微分値dV/dQが、所定の二階微分閾値Eを下回るか否かを判定する二階微分閾値判定部25とを備える。
また保護回路3の駆動方法は、充電式の電池2が搭載されるバッテリーパック1に配される保護回路3の駆動方法であって、電池2が出力した電流値Iを所定の時間間隔で取得する電流値取得ステップと、電池2における端子間の電圧値Vを所定の時間間隔で取得する電圧値取得ステップと、電流値Iを時間積分して得られる電池2の残容量Qにより、電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQを演算する二階微分値演算ステップと、二階微分値dV/dQが、所定の二階微分閾値Eを下回るか否かを判定する二階微分閾値判定ステップとを有する。
上記構成によると、二階微分閾値判定部25は、電流値Iを時間積分して得られる電池2の残容量Qにより、電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQが所定の二階微分閾値Eを下回るか否かを判定する。これにより、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を判定することができる。
ここで、電池2の残容量Qは、所定時間毎に測定した電流値Iを時間積分し、随時積算して求めるため、誤差が含まれる。
そこで、上記構成によると、単に、電池2の残容量Qが、所定の値を下回るか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定する場合と比べて、誤差が少ないため、正確に電池2の劣化の程度を判定することができる。
またここで、電池2の残容量Qによって電圧値Vを一階微分した一階微分値が、所定の閾値以上となるか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定する場合、電池2の劣化ではなく、電池2が過充電となったときの状態を誤検知してしまう。
一方、上記構成によると、上記電池2の残容量Qにより、電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQ所定の値を下回るか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定している。電池2の放電に伴う劣化により二階微分値dV/dQの値が低下する方向は負の方向である一方、電池2の過充電による二階微分値dV/dQの値が増加する方向は正の方向であるため、電池2が放電している状態と、電池2が過充電状態のときとを明確に区別することができる。このため、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を、正確に把握することができる。
保護回路3は、二階微分値演算部24が演算した二階微分値dV/dQのうち、電池2の1回の充放電サイクルにおける最小値を記憶するための不揮発性の記憶部16を備える。上記構成によると、二階微分値dV/dQのうち電池2の1回の充放電サイクルにおける最小値は、不揮発性の記憶部16に記憶されているため、電池2からの電流及び電圧の供給が停止しても保存しておくことができる。
また、保護回路3において、二階微分閾値Fは0又は負の数であるため、電池2が過充電の状態である合を誤検知することを確実に防止することができる。
また、バッテリーパック1は、保護回路3を備えるため、正確に電池2の劣化の程度を判定することができる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、図9〜図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態2は、充放電サイクル毎における、電圧Vの二階微分値dV/dQと、残容量Qとの関係から電池2の劣化の進行を検出する方法が実施形態1と異なる。
(保護回路3Aの構成)
図9は、本発明の実施形態2に係る保護回路3Aの構成を表すブロック図である。バッテリーパック1(図3参照)は、保護回路3に換えて、保護回路3Aを備えていてもよい。保護回路3Aは、保護回路3が備えていた演算制御部20及び記憶部16に換えて、演算制御部20A及び記憶部16Aを備えている点で、保護回路3と相違する。演算制御部20Aは、演算制御部20が備えていた、電圧値取得部23、二階微分閾値判定部25、劣化判定部26に換えて、電圧値取得部23A、二階微分閾値判定部25A、劣化判定部26Aを備え、さらに、電圧閾値判定部27Aを備えている点で、演算制御部20と相違する。保護回路3Aの他の構成は保護回路3と同様である。
記憶部16Aは、記憶部16と同様の構造である。記憶部16Aには、電池2の充放電サイクル毎に、演算制御部20Aが演算した二階微分値dV/dQのうち最小値が随時上書きし更新される。また、記憶部16Aには、電圧値取得部23Aが取得した電圧値Vが、随時、記憶される。さらに、記憶部16Aには、電圧閾値判定部27Aにより、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報が記憶される。
電圧値取得部23Aは、電圧測定部15が所定時間間隔で測定した電池2の電圧値Vを逐次取得する。電圧値取得部23Aは、当該取得した電圧値Vを、スイッチ制御部21及び二階微分値演算部24へ出力すると共に、記憶部16Aへ記憶していく。
二階微分閾値判定部25Aは、二階微分値演算部24によって記憶部16Aに記憶され、随時更新される二階微分値dV/dQの値を監視し、予め設定された所定の二階微分閾値Fを、二階微分値dV/dQが下回るか否かを判定する。二階微分閾値判定部25Aは、二階微分閾値Fを、二階微分値dV/dQが下回ったと判定すると、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、二階微分値dV/dQが二階微分閾値を下回った旨の情報を電圧閾値判定部27Aへ出力する。
電圧閾値判定部27Aは、二階微分閾値判定部25Aが二階微分値dV/dQは二階微分閾値Fを下回ったと判定したときの電池2の電圧値Vを、記憶部16Aから取得し、当該取得した電圧値Vと、所定の電圧閾値Vsとを比較し、当該取得した電圧値Vが、電圧閾値Vs以上であるか否かを判定する。
電圧閾値判定部27Aは、上記取得した電圧値Vは、電圧閾値Vs以上であると判定すると、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、電圧値Vが電圧閾値Vs以上となった旨の情報を記憶部16Aに記憶する。
劣化判定部26Aは、電圧閾値判定部27Aによって記憶部16Aに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する。
劣化判定基準とは、例えば、二階微分値dV/dQが二次微分閾値Fを下回ったときの電池2の電圧Vが、電圧閾値Vsを上回った回数が、所定の回数以上となったかなど、電池2は劣化したと判定するための判定基準である。
劣化判定部26Aは、二階微分閾値判定部25によって記憶部16Aに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
(電池2の劣化の進行を判定する方法)
図10は、本発明の実施形態2における、電池2の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。図10のグラフにおける縦軸は、電圧Vを、残容量Qで二階微分した値であるdV/dQを表す。図10のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。図10に示す特性D1〜D3は、図7の特性D1〜D3と同様に、電池2の充放電サイクル数毎の電圧Vの二階微分値dV/dQと残容量Qとの関係を表し、特性D1から特性D3にかけて順に、電池2の劣化が進行している状態を表している。
図10に示すように、予め所定の負の値であり、二階微分値dV/dQの所定の閾値である二階微分閾値Fを設けておく。特性D1では、電池2の放電に伴い二階微分値dV/dQも低下するものの、二階微分閾値Fを下回ることはない。電池2の劣化が進行すると、特性D2・D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、次第に、二階微分閾値Fを下回るようになる。電池2の劣化が進行すると、特性D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、二階微分閾値Fを跨ぐタイミングが早くなる。
すなわち、図4に示したように、電池2は、充放電サイクルを繰り返すことで、次第に、放電に伴い低下する電圧Vの加速度が速くなり、高い電圧Vにおいて、電圧Vの低下速度が所定の速度に達する。
このため、図10に示す二階微分閾値Fを跨ぐときの電池2の電圧Vは、電池2の劣化が進行するにつれて次第に高くなる。そこで、所定の電圧閾値Vsを設け、保護回路3Aは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを跨いだときの電圧Vが、電圧閾値Vs以上であるか否かを判定する。
特性D2においては、電池2の放電に伴い二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回っているものの、その二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回ったときの電池2の電圧Vは、電圧閾値Vs未満であるため、保護回路3Aは、電池2の劣化が進行しているとは判断しない。
一方、特性D3においては、電池2の放電に伴い二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回っており、その二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回ったときの電池2の電圧Vは、電圧閾値Vs以上であるため、保護回路3Aは、電池2の劣化が進行していると判断する。
これにより、より正確に、電池2における充放電サイクル数の増加に伴う劣化の進行の程度を判断することができる。
(フローチャート)
次に、主に図11を用いて、本実施形態に係る保護回路3Aの処理の流れについて説明する。図11は、保護回路3Aの処理の流れを表す図である。
上述したステップS11〜S13の処理を行う。なお、本実施の形態では、ステップS11において、電圧値取得部23Aは、電圧測定部15から取得した電圧値Vを、随時、記憶部16Aへ記憶する。
そして、ステップS13において、記憶部16に記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値を下回らなければ(ステップS13のNO)、ステップS11へ戻る。
一方、ステップS13において、記憶部16に記憶された二階微分値dV/dQが、予め設定された所定の二階微分閾値Fを下回ったと二階微分閾値判定部25Aが判定すると(ステップS13のYES)、二階微分閾値判定部25Aは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回った旨の情報を電圧閾値判定部27Aへ出力する。
次に、二階微分閾値判定部25Aから、二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回った旨の情報を取得すると、電圧閾値判定部27Aは、記憶部16を参照し、二階微分閾値判定部25Aから二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回った旨の情報を取得したときの、すなわち、二階微分閾値判定部25Aが二階微分値dV/dQは二階微分閾値Fを下回ったと判定したときの電池2の電圧値Vを取得し、当該取得した電圧値Vと、所定の電圧閾値Vsとを比較し、当該取得した電圧値Vが、電圧閾値Vs以上であるか否かを判定する(ステップS23)。
ステップS23において、電圧閾値判定部27Aが、上記取得した電圧値Vは、電圧閾値Vs未満であると判定すると(ステップS23のNO)、ステップS11の処理に戻る。
一方、ステップS23において、電圧閾値判定部27Aが、上記取得した電圧値Vは、電圧閾値Vs以上であると判定すると(ステップS23のYES)、電圧閾値判定部27Aは、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、電圧値Vが電圧閾値Vs以上となった旨の情報を記憶部16Aに記憶する(ステップS24)。
次に、劣化判定部26Aは、電圧閾値判定部27Aによって記憶部16Aに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25において、劣化判定部26Aが、二階微分閾値判定部25Aによって記憶部16Aに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準未満であると判定すると(ステップS25のNO)、ステップS11の処理に戻る。
一方、ステップS25において、劣化判定部26Aが、二階微分閾値判定部25によって記憶部16Aに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると(ステップS25のYES)、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
劣化通知部17は、劣化判定部26Aから、通知情報出力指示情報を取得すると、電池2は劣化したことを通知する情報である通知情報をユーザへ通知する(ステップS16)。
(保護回路3Aによる主な利点)
以上のように、保護回路3Aは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値Fを下回ったと二階微分閾値判定部25Aが判定したときの電圧値である電圧値Vが、所定の電圧閾値Vs以上となるか否かを判定する電圧閾値判定部27Aを備える。
上記構成により、さらに、電圧閾値判定部27Aは、電圧値Vが、電圧閾値Vs以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
具体的には、電圧値Vと、残容量Qとの関係を表す曲線は、電池2の種類によって様々に異なる。例えば、電池2における複数の劣化段階を想定し、各劣化段階ごとに閾値を設定したい場合、図7を用いて説明したような、二階微分値dV/dQの二階微分閾値Eを設定するより、図10を用いて説明したような、電圧閾値Vsを設定する方が、対分解能比でみた場合、各劣化段階ごとに設定した電圧閾値Vs同士の間隔を、大きくとることができる。このため、二階微分閾値Eを設定する場合と比べて、電圧閾値Vsを設定する方が、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図12〜図14に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態3は、充放電サイクル毎における、電圧Vの二階微分値dV/dQと、残容量Qとの関係から電池2の劣化の進行を検出する方法が実施形態1、2と異なる。
(保護回路3Bの構成)
図12は、本発明の実施形態3に係る保護回路3Bの構成を表すブロック図である。バッテリーパック1(図3参照)は、保護回路3に換えて、保護回路3Bを備えていてもよい。保護回路3Bは、保護回路3A(図9参照)が備えていた演算制御部20A及び記憶部16Aに換えて、演算制御部20B及び記憶部16Bを備えている点で、保護回路3Aと相違する。演算制御部20Bは、演算制御部20Aが備えていた、二階微分閾値判定部25A、電圧閾値判定部27A、劣化判定部26Aに換えて、二階微分閾値判定部25B、電圧値取得部27B、劣化速度判定部28B、及び劣化判定部26Bを備えている点で、演算制御部20Aと相違する。保護回路3Bの他の構成は保護回路3Aと同様である。
記憶部16Bは、記憶部16・16Aと同様の構造である。記憶部16Bには、電池2の充放電サイクル毎に、演算制御部20Bが演算した二階微分値dV/dQのうち最小値が随時上書きし更新される。記憶部16Bには、電圧値取得部23Aが取得した電圧値Vが、随時、記憶される。
記憶部16Bには、電圧値取得部27Bにより、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1を下回ったときの電池2の電圧値V1と、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2を下回ったときの電池2の電圧値V2とが記憶される。記憶部16Bには、劣化速度判定部28Bにより、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、|V2−V1|が電圧差閾値ΔVを下回った旨の情報が記憶される。
二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値演算部24によって記憶部16Bに記憶され、随時、最小値が更新される二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値G1・G1をそれぞれ下回るか否かを判定する。二階微分値G2は、二階微分値G1より低い値である。
二階微分閾値判定部25Bは、記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G1を下回ったと判定すると、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1を下回った旨の情報を電圧値取得部27Bに出力する。二階微分閾値判定部25Bは、記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G2を下回ったと判定すると、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2を下回った旨の情報を電圧値取得部27Bに出力する。
電圧値取得部27Bは、記憶部16Bを参照し、二階微分閾値判定部25Bが、二階微分値dV/dQは二階微分閾値G1を下回った判定したときの電池2の第1の電圧値V1を取得し、当該第1の電圧値V1を記憶部16Bに記憶する。電圧値取得部27Bは、記憶部16Bを参照し、二階微分閾値判定部25Bが、二階微分値dV/dQは二階微分閾値G2を下回った判定したときの電池2の第2の電圧値V2を取得し、当該第2の電圧値V2を記憶部16Bに記憶する。
劣化速度判定部28Bは、電圧値取得部27Bが、第2の電圧値V2を記憶部16Bに記憶すると、記憶部16Bに記憶されている第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値(|V2−V1|)を演算し、|V2−V1|が、予め設定された所定の電圧差閾値ΔVs以上となるか否かを判定する。
劣化速度判定部28Bは、|V2−V1|が、電圧差閾値ΔV以上となったと判定すると、劣化速度判定部28Bは、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、|V2−V1|が電圧差閾値ΔV以上となった旨の情報を記憶部16Bに記憶する。
劣化判定部26Bは、劣化速度判定部28Bによって記憶部16Bに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する。劣化判定基準とは、例えば、|V2−V1|が電圧差閾値ΔV以上となった回数が、所定の回数以上となったかなど、電池2は劣化したと判定するための判定基準である。
劣化判定部26Bは、劣化速度判定部28Bによって記憶部16Bに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
(電池2の劣化の進行を判定する方法)
図13は、本発明の実施形態3における、電池2の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。図13のグラフにおける縦軸は、電圧Vを、残容量Qで二階微分した値であるdV/dQを表す。図13のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。図13に示す特性D1〜D3は、図7、図10の特性D1〜D3と同様に、電池2の充放電サイクル数毎の電圧Vの二階微分値dV/dQと残容量Qとの関係を表し、特性D1から特性D3にかけて順に、電池2の劣化が進行している状態を表している。
図13に示すように、予め所定の負の値であり、二階微分値dV/dQの2つの所定の閾値である二階微分閾値G1・G2を設けておく。二階微分値G2は、二階微分値G1より低い値とする。
特性D1では、電池2の放電に伴い二階微分値dV/dQも低下するものの、二階微分閾値G1を下回ることはない。電池2の劣化が進行すると、特性D2・D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、次第に、二階微分閾値G1・G2を下回るようになる。電池2の劣化が進行すると、特性D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G1・G2両方を跨ぐタイミングが早くなる。
すなわち、図4に示したように、電池2は、充放電サイクルを繰り返すことで、次第に、放電に伴う電圧Vの劣化速度が速くなる。
このため、図10に示す、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1となったときの第1の電圧値V1と、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2となったときの第2の電圧値V2との差が、所定の電圧差閾値ΔVs以上となった場合、保護回路3Aは、電池2の劣化が進行していると判断する。
これにより、より正確に、電池2における充放電サイクル数の増加に伴う劣化の進行の程度を判断することができる。
(フローチャート)
次に、主に図14を用いて、本実施形態に係る保護回路3Bの処理の流れについて説明する。図14は、保護回路3Bの処理の流れを表す図である。
図8及び図11を用いて説明したステップS11、ステップS12の処理を行う。なお、本実施の形態では、ステップS11において、電圧値取得部23Aは、電圧測定部15から取得した電圧値Vを、随時、記憶部16Bへ記憶する。
そして、ステップS12の後、ステップS31において、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値演算部24によって記憶部16Bに記憶され、随時、最小値が更新される二階微分値dV/dQの値を監視し、記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値G1を下回るか否かを判定する(ステップS31)。
記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値G1を下回らなければ(ステップS31のNO)、ステップS11へ戻る。
一方、記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQが、予め設定された所定の二階微分閾値G1を下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定すると(ステップS31のYES)、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1を下回った旨の情報を電圧値取得部27Bに出力する。
次に、二階微分閾値判定部25Bは、前回の二階微分値dV/dQは、二階微分閾値G1以上であったか否かを判定する(ステップS32)。
なお、このステップS32の処理により、二階微分値dV/dQが所定値以上の状態から所定値以下の状態に変化したタイミング、すなわち、図13において二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1の直線を横切るタイミングでの第1の電圧値V1を特定することができる。
ステップS32において、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G1未満であったと判定すると(ステップS32のNO)、ステップS34の処理へ進む。
ステップS32において、二階微分閾値判定部25Bは、前回の二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G1以上であったと判定すると(ステップS32のYES)、電圧値取得部27Bは、記憶部16Bを参照し、二階微分閾値判定部25Bから、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1を下回った旨の情報を取得したときの、すなわち、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1を下回ったタイミングの電池2の第1の電圧値V1を取得する(ステップS33)。そして、電圧値取得部27Bは、当該取得した第1の電圧値V1を記憶部16Bに記憶する。
次に、二階微分閾値判定部25Bは、随時、最小値が更新される記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値G2を下回るか否かを判定する(ステップS34)。
記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQの値が、予め設定された所定の二階微分閾値G2を下回らなければ(ステップS34のNO)、ステップS37へ進む。
一方、記憶部16Bに記憶された二階微分値dV/dQが、予め設定された所定の二階微分閾値G2を下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定すると(ステップS34のYES)、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2を下回った旨の情報を電圧値取得部27Bに出力する。
次に、二階微分閾値判定部25Bは、前回の二階微分値d2V/dQ2は、二階微分閾値G2以上であったか否かを判定する(ステップS35)。
なお、このステップS35の処理により、二階微分値dV/dQが所定値以上の状態から所定値以下の状態に変化したタイミング、すなわち、図13において二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2の直線を横切るタイミングでの第2の電圧値V2を特定することができる。
ステップS35において、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値d2V/dQ2が、二階微分閾値G2未満であったと判定すると(ステップS35のNO)、ステップS37の処理へ進む。
ステップS35において、二階微分閾値判定部25Bは、前回の二階微分値d2V/dQ2が、二階微分閾値G2以上であったと判定すると(ステップS35のYES)、電圧値取得部27Bは、記憶部16Bを参照し、二階微分閾値判定部25Bから、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2を下回った旨の情報を取得したときの、すなわち、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2を下回ったタイミングの電池2の第2の電圧値V2を取得する(ステップS36)。そして、電圧値取得部27Bは、当該取得した第2の電圧値V2を記憶部16Bに記憶する。
次に、劣化速度判定部28Bは、記憶部16Bを参照し、第1の電圧値V1と、第2の電圧値V2とが記憶されているか否か、すなわち、第1の電圧値V1と第2の電圧値V2との両方が取得されているか否かを判定する(ステップS37)。
ステップS37において、劣化速度判定部28Bが、第1の電圧値V1と第2の電圧値V2との両方が取得されていないと判定すると(ステップS37のNO)、ステップS11の処理に戻る。
ステップS37において、劣化速度判定部28Bが、第1の電圧値V1と第2の電圧値V2との両方が取得されていると判定すると(ステップS37のYES)、次に、劣化速度判定部28Bは、電圧値取得部27Bによって、第2の電圧値V2が記憶部16Bに記憶されると、記憶部16Bに記憶されている第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値(|V2−V1|)を演算する(ステップS38)。
そして、劣化速度判定部28Bは、|V2−V1|が、予め設定された所定の電圧差閾値ΔVを下回るか否かを判定する(ステップS39)。
ステップS39において、劣化速度判定部28Bは、|V2−V1|が、電圧差閾値ΔV以上であると判定すると(ステップS39のNO)、ステップS11の処理に戻る。
ステップS39において、劣化速度判定部28Bは、|V2−V1|が、電圧差閾値ΔVを下回ったと判定すると(ステップS39のYES)、劣化速度判定部28Bは、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、|V2−V1|が電圧差閾値ΔVを下回った旨の情報を記憶部16Bに記憶する(ステップS40)。
次に、劣化判定部26Bは、劣化速度判定部28Bによって記憶部16Bに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する(ステップS41)。
劣化判定基準とは、例えば、|V2−V1|が電圧差閾値ΔVを下回った回数が、所定の回数以上となったかなど、電池2は劣化したと判定するための判定基準である。
ステップS41において、劣化判定部26Bが、劣化速度判定部28Bによって記憶部16Bに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準未満であると判定すると(ステップS41のNO)、ステップS11の処理に戻る。
一方、ステップS41において、劣化判定部26Bが、劣化速度判定部28Bによって記憶部16Bに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると(ステップS41のYES)、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
劣化通知部17は、劣化判定部26Bから、通知情報出力指示情報を取得すると、電池2は劣化したことを通知する情報である通知情報をユーザへ通知する(ステップS16)。
(保護回路3Bによる主な利点)
以上のように保護回路3Bにおいて、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値dV/dQが、第1の二階微分閾値G1より値が低い第2の二階微分閾値G2を下回るか否かを判定し、さらに、二階微分値dV/dQが第2の二階微分閾値dV/dQを下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定したときの電圧値である第2の電圧値V2と、二階微分値dV/dQが第1の二階微分閾値G1を下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定したときの電圧値である第1の電圧値V1との差(V2−V1)が、所定の電圧差閾値ΔVs以上となるか否かを判定する劣化速度判定部28Bを備えることが好ましい。
上記構成により、さらに、劣化速度判定部28Bは、第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差(V2−V1)が、所定の電圧差閾値ΔVs以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
具体的には、電圧値Vと、残容量Qとの関係を表す曲線は、電池2の種類によって様々に異なる。例えば、電池2における複数の劣化段階を想定し、各劣化段階ごとに閾値を設定したい場合、図7を用いて説明したような、二階微分値dV/dQの二階微分閾値Eを設定するより、図13を用いて説明したような、第1の電圧値V1と第2の電圧値V2との差についての所定の電圧差閾値ΔVsを設定する方が、対分解能比でみた場合、各劣化段階ごとに設定した所定の電圧差閾値ΔVs同士の間隔を、大きくとることができる。このため、二階微分閾値Eを設定する場合と比べて、所定の電圧差閾値ΔVsを設定する方が、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図15〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1〜3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。実施形態4は、充放電サイクル毎における、電圧Vの二階微分値dV/dQと、残容量Qとの関係から電池2の劣化の進行を検出する方法が実施形態1〜3と異なる。
(保護回路3Cの構成)
図15は、本発明の実施形態4に係る保護回路3Cの構成を表すブロック図である。バッテリーパック1(図3参照)は、保護回路3に換えて、保護回路3Cを備えていてもよい。保護回路3Cは、保護回路3B(図12参照)が備えていた演算制御部20B及び記憶部16Bに換えて、演算制御部20C及び記憶部16Cを備えている点で、保護回路3Bと相違する。保護回路3Cの他の構成は保護回路3Bと同様である。
演算制御部20Cは、サイクル数計数部29Cと、スイッチ制御部21と、電流値取得部22Cと、電圧値取得部23Cと、二階微分値演算部24と、二階微分閾値判定部25Bと、電圧値取得部27Bと、電圧差変化率判定部31Cと、劣化速度演算部(電圧差演算部)28Cと、劣化判定部26Cとを備えている。
サイクル数計数部29Cは、電流値取得部22Cから取得した電流値Iと、電圧値取得部23Cから取得した電圧値Vとから、電池2が充電さえているか否かを判定する。サイクル数計数部29Cは、電池2が充電されるたびに、記憶部16Cに記憶されている電池2の充放電サイクル数Nに1を加え更新する。
電流値取得部22Cは、電流測定部12から取得した電流値Iを、随時、二階微分値演算部24及びサイクル数計数部29Cへ出力する。電圧値取得部23Cは、電圧測定部15から取得した電圧値Vを、随時、記憶部16Cへ記憶し、二階微分値演算部24及びサイクル数計数部29Cへ出力する。
劣化速度演算部28Cは、電圧値取得部27Bによって、第2の電圧値V2が記憶部16Cに記憶されると、記憶部16Cに記憶されている第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値(|V2−V1|)を演算する。劣化速度演算部28Cは、記憶部16Cを参照し、現在の電池2の充放電サイクル数Nと、演算した第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値である電圧差ΔV(|V2−V1|)とを対応付けて記憶部16Cに記憶する。劣化速度演算部28Cは、充放電サイクル数毎に、電圧差ΔVを算出し、当該充放電サイクル数N(充放電サイクル数N1、N2、・・・)と、電位差ΔV(電位差ΔV1、ΔV2、・・・)とを対応付けて記憶部16Cに記憶する。
電圧差変化率判定部31Cは、記憶部16Cを参照し、電圧差ΔVの変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)を演算し、当該電圧差ΔVの変化率が、予め設定された所定の変化率閾値以上であるか否かを判定する。電圧差変化率判定部31Cは、電圧差ΔVの変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)が、予め設定された所定の変化率閾値以上であると判定すると、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)|V2−V1|が所定の変化率閾値以上となった旨の情報を記憶部16Cに記憶する。
劣化判定部26Cは、電圧差変化率演算部31によって記憶部16Cに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する。
劣化判定基準とは、例えば、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)|V2−V1|が所定の変化率閾値以上となった回数が、所定の回数以上となったかなど、電池2は劣化したと判定するための判定基準である。
劣化判定部26Cが、電圧差変化率演算部31によって記憶部16Cに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
(電池2の劣化の進行を判定する方法)
図16は、本発明の実施形態4における、電池2の劣化の進行を判定する方法を説明する図である。図16のグラフにおける縦軸は、電圧Vを、残容量Qで二階微分した値であるdV/dQを表す。図16のグラフにおける横軸は、残容量Q〔mAh〕を表している。図16に示す特性D1〜D3は、図7、図10、図13の特性D1〜D3と同様に、電池2の充放電サイクル数毎の電圧Vの二階微分値dV/dQと残容量Qとの関係を表し、特性D1から特性D3にかけて順に、電池2の劣化が進行している状態を表している。
図16に示すように、予め所定の負の値であり、二階微分値dV/dQの2つの所定の閾値である二階微分閾値G1・G2を設けておく。二階微分値G2は、二階微分値G1より低い値とする。
特性D1では、電池2の放電に伴い二階微分値dV/dQも低下するものの、二階微分閾値G1を下回ることはない。電池2の劣化が進行すると、特性D2・D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、次第に、二階微分閾値G1・G2を下回るようになる。電池2の劣化が進行すると、特性D3に示すように、電池2の放電に伴い低下する二階微分値dV/dQが、二階微分閾値G1・G2両方を跨ぐタイミングが早くなる。
すなわち、図4に示したように、電池2は、充放電サイクルを繰り返すことで、次第に、放電に伴う電圧Vの劣化速度が速くなる。
このため、図16に示す、特性D2において、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1となったときの電圧値V1と、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2となったときの電圧値V2との電圧差ΔV1と、特性D3において、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1となったときの電圧ΔV1と、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2となったときの電圧値V2との電圧差ΔV2とは異なる。このため、充放電サイクル数毎に変化する電位差ΔVの変化率を演算することで、電池2の劣化判定を判定することができる。
図17は、電圧差ΔVと、電池2の充放電サイクル数Nとの関係を表す図である。図17に示すグラフの縦軸に示す電圧差ΔVは、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G2となったときの電圧値V2と、二階微分値dV/dQが二階微分閾値G1となったときの電圧値V1との差の絶対値〔V〕を表す。図17に示す横軸は、充放電サイクル数N〔回〕を表す。
図17に示す、特性Gは、充放電サイクル数Nに対する電圧差ΔVをプロットしたものである。特性Gに示すように、充放電サイクル数N1の時の電圧差ΔV1より、充放電サイクル数N2の時の電圧差ΔV2の方が値が大きくなる。このように、充放電サイクル数Nが大きくなると、電圧差ΔVも大きくなる。この特性Gのある点Pを通る接線Hの傾きを演算し、この接線Hの傾きが所定の変化率閾値以上となった場合、電池2の劣化が進行していると判断する。
これにより、より正確に、電池2における充放電サイクル数の増加に伴う劣化の進行の程度を判断することができる。
(フローチャート)
次に、主に図18及び図19を用いて、本実施形態に係る保護回路3Cの処理の流れについて説明する。図18は、保護回路3Cの処理の流れを表す図である。図19は、図18に示す保護回路3Cの処理の流れのうち、電圧差ΔVの演算処理の流れを表す図である。
図14を用いて説明したステップS11の処理を行う。なお、本実施の形態では、ステップS11において、電圧値取得部23Cは、電圧測定部15から取得した電圧値Vを、随時、記憶部16Bへ記憶すると共に、サイクル数計数部29Cへも出力する。また、ステップS11において、電流値取得部22Cは、電流測定部12から取得した電流値Iを、随時、サイクル数計数部29Cへも出力する。
そして、ステップS11の後、サイクル数計数部29Cは、電池2が充電される度に、記憶部16Cに記憶されている電池2の充放電サイクル数Nを更新する(ステップS51)。
次に、ステップS101に示すように、保護回路3Cは、電圧差ΔV演算ステップを実行する。
図19に示すように、ステップS51の後、図14を用いて説明したステップS12、ステップS31〜S38の処理を順に行う。
ステップS38において、劣化速度演算部28Cは、電圧値取得部27Bによって、第2の電圧値V2が記憶部16Cに記憶されると、記憶部16Cに記憶されている第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値(|V2−V1|)を演算する。
すると、次に、劣化速度演算部28Cは、上記演算結果である|V2−V1|を電圧差ΔV1として取得し(ステップS53)、当該電圧差ΔV1と、記憶部16Cに記憶されている現在の充放電サイクル数N1とを対応付けて記憶部16Cに記憶する(ステップS54)。
次に、電池2が充電されると(ステップS55)、サイクル数計数部29Cは、電流値取得部22C及び電圧値取得部23Cからそれぞれ電流値I及び電圧値Vを取得し(ステップS56)、電池2が充電されていると判定し、記憶部16Cに記憶されている充放電サイクル数NをN2に更新する(ステップS57)。
電池2の充電が終わると、次に、ステップS101に示したように、保護回路3Cは、再度、電圧差ΔV演算ステップを実行する。
すなわち、図19に示したように、ステップS57の後、図14を用いて説明したステップS12、ステップS31〜S38の処理を順に行う。
ステップS38において、劣化速度演算部28Cは、電圧値取得部27Bによって、第2の電圧値V2が記憶部16Cに記憶されると、記憶部16Cに記憶されている第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差の絶対値(|V2−V1|)を演算する。
すると、次に、劣化速度演算部28Cは、上記演算結果である|V2−V1|を電圧差ΔV2として取得し(ステップS58)、当該電圧差ΔV2と、記憶部16Cに記憶されている現在の充放電サイクル数N2とを対応付けて記憶部16Cに記憶する(ステップS59)。
次に、電圧差変化率判定部31Cは、記憶部16Cを参照し、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)を演算し、当該電圧差の変化率が、予め設定された所定の変化率閾値以上であるか否かを判定する(ステップS61)。
ステップS61において、電圧差変化率演算部31は、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)が、予め設定された所定の変化率閾値未満であると判定すると(ステップS61のNO)、ステップ55の処理に戻る。
一方、ステップS61において、電圧差変化率演算部31は、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)が、予め設定された所定の変化率閾値以上であると判定すると(ステップS61のYES)、電圧差変化率演算部31は、電池2の劣化判定に用いる情報である劣化情報として、電圧差の変化率である(ΔV2−ΔV1)/(N2−N1)|V2−V1|が所定の変化率閾値以上となった旨の情報を記憶部16Cに記憶する(ステップS62)。
次に、劣化判定部26Cは、電圧差変化率演算部31によって記憶部16Cに記憶された劣化情報が、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったか否かを判定する(ステップS63)。
ステップS63において、劣化判定部26Cが、電圧差変化率演算部31によって記憶部16Cに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準未満であると判定すると(ステップS63のNO)、ステップS55の処理に戻る。
一方、ステップS63において、劣化判定部26Cが、電圧差変化率演算部31によって記憶部16Cに記憶された劣化情報は、予め定められた所定の劣化判定基準以上となったと判定すると(ステップS63のYES)、劣化通知出力指示情報を劣化通知部17へ出力する。
劣化通知部17は、劣化判定部26Cから、通知情報出力指示情報を取得すると、電池2は劣化したことを通知する情報である通知情報をユーザへ通知する(ステップS16)。
(保護回路3Cの主な利点)
以上のように保護回路3Cにおいては、二階微分閾値判定部25Bは、二階微分値dV/dQが、第1の二階微分閾値G1より値が低い第2の二階微分閾値G2を下回るか否かを判定し、さらに、二階微分値dV/dQが第2の二階微分閾値G2を下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定したときの電圧値である第2の電圧値V2と、二階微分値dV/dQが第1の二階微分閾値G1を下回ったと二階微分閾値判定部25Bが判定したときの電圧値である第1の電圧値V1との差である電圧差ΔV1・ΔV2を演算する劣化速度演算部28Cと、電池2の充電回数に対する電圧差ΔV1・ΔV2の変化を演算し、電圧差ΔV1・ΔV2の変化が所定の変化率閾値以上となるか否かを判定する電圧差変化率判定部31Cとを備えている。
上記構成により、さらに、電圧差変化率判定部31Cは、電池2の充電回数に対する電圧差ΔV1・ΔV2の変化が所定の変化率閾値以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
具体的には、電圧値Vと、残容量Qとの関係を表す曲線は、電池2の種類によって様々に異なる。例えば、電池2における複数の劣化段階を想定し、各劣化段階ごとに閾値を設定したい場合、図7を用いて説明したような、二階微分値dV/dQの二階微分閾値Eを設定するより、図16を用いて説明したような、電圧差ΔV1・ΔV2の変化に関する所定の変化率閾値を設定する方が、対分解能比でみた場合、各劣化段階ごとに設定した所定の変化率閾値同士の間隔を、大きくとることができる。このため、二階微分閾値Eを設定する場合と比べて、所定の変化率閾値を設定する方が、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
保護回路3の制御ブロック(特に電流値取得部22、電圧値取得部23、二階微分値演算部24、及び二階微分閾値判定部25)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、保護回路3は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る保護回路3は、充電式の電池2が搭載されるバッテリーパック1に配される保護回路3であって、上記電池2が出力した電流値Iを所定の時間間隔で取得する電流値取得部22と、上記電池における端子間の電圧値Vを所定の時間間隔で取得する電圧値取得部23と、上記電流値Iを時間積分して得られる上記電池2の容量値(残容量Q)により、上記電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQを演算する二階微分値演算部24と、上記二階微分値dV/dQが、所定の第1の二階微分閾値(二階微分閾値E)を下回るか否かを判定する二階微分閾値判定部25とを備えることを特徴とする。
上記構成によると、二階微分閾値判定部25は、上記電流値Iを時間積分して得られる上記電池2の容量値(残容量Q)により、上記電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQが所定の第1の二階微分閾値(二階微分閾値E)を下回るか否かを判定する。これにより、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を判定することができる。
ここで、電池2の残りの容量値(残容量Q)は、所定時間毎に測定した電流値Iを時間積分し、随時積算して求めるため、誤差が含まれる。
そこで、上記構成によると、単に、電池2の容量値(残容量Q)が、所定の値を下回るか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定する場合と比べて、誤差が少ないため、正確に電池2の劣化の程度を判定することができる。
またここで、電池2の容量値(残容量Q)によって上記電圧値Vを一階微分した一階微分値が、所定の閾値以上となるか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定する場合、電池2の劣化ではなく、電池2が過充電となったときの状態を誤検知してしまう。
一方、上記構成によると、上記電池2の容量値(残容量Q)により、上記電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQ所定の値を下回るか否かを判定することで電池2の劣化の程度を判定している。電池2の放電に伴う劣化により二階微分値dV/dQの値が低下する方向は負の方向である一方、電池2の過充電による二階微分値dV/dQの値が増加する方向は正の方向であるため、電池2が放電している状態と、電池2が過充電状態のときとを明確に区別することができる。このため、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を、正確に把握することができる。
本発明の態様2に係る保護回路3Aは、上記態様1において、上記二階微分値dV/dQが上記第1の二階微分閾値(二階微分閾値F)を下回ったと上記二階微分閾値判定部25Aが判定したときの上記電圧値である第1の電圧値(電圧値V)が、所定の第1の電圧閾値(電圧閾値Vs)以上となるか否かを判定する電圧閾値判定部27Aを備えることが好ましい。上記構成により、さらに、上記電圧閾値判定部27Aは、上記第1の電圧値(電圧値V)が、上記第1の電圧閾値(電圧閾値Vs)以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
本発明の態様3に係る保護回路3Bは、上記態様1において、上記二階微分閾値判定部25Bは、上記二階微分値dV/dQが、上記第1の二階微分閾値G1より値が低い第2の二階微分閾値G2を下回るか否かを判定し、
さらに、上記二階微分値dV/dQが上記第2の二階微分閾値dV/dQを下回ったと上記二階微分閾値判定部25Bが判定したときの上記電圧値である第2の電圧値V2と、上記二階微分値dV/dQが上記第1の二階微分閾値G1を下回ったと上記二階微分閾値判定部25Bが判定したときの上記電圧値である第1の電圧値V1との差(V2−V1)が、所定の電圧差閾値ΔVs以上となるか否かを判定する劣化速度判定部28Bを備える。
上記構成により、さらに、劣化速度判定部28Bは、第2の電圧値V2と第1の電圧値V1との差(V2−V1)が、所定の電圧差閾値ΔVs以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
本発明の態様4に係る保護回路3Cは、上記態様1において、上記二階微分閾値判定部25Bは、上記二階微分値dV/dQが、上記第1の二階微分閾値G1より値が低い第2の二階微分閾値G2を下回るか否かを判定し、
さらに、上記二階微分値dV/dQが上記第2の二階微分閾値G2を下回ったと上記二階微分閾値判定部25Bが判定したときの上記電圧値である第2の電圧値V2と、上記二階微分値dV/dQが上記第1の二階微分閾値G1を下回ったと上記二階微分閾値判定部25Bが判定したときの上記電圧値である第1の電圧値V1との差である電圧差ΔV1・ΔV2を演算する電圧差演算部(劣化速度演算部28C)と、
上記電池2の充電回数に対する上記電圧差ΔV1・ΔV2の変化を演算し、当該電圧差ΔV1・ΔV2の変化が所定の変化率閾値以上となるか否かを判定する電圧差変化率判定部31Cとを備えていることが好ましい。
上記構成により、さらに、電圧差変化率判定部31Cは、上記電池2の充電回数に対する上記電圧差ΔV1・ΔV2の変化が所定の変化率閾値以上となるか否かを判定する。これにより、さらに、誤検知を減らし、より正確に、電池2の充放電を繰り返すことに伴う劣化の程度を把握することができる。
本発明の態様5に係る保護回路3は、上記態様1〜4において、上記二階微分値演算部24が演算した上記二階微分値dV/dQのうち、上記電池2の1回の充放電サイクルにおける最小値を記憶するための不揮発性の記憶部16を備えることが好ましい。上記構成によると、上記二階微分値dV/dQのうち上記電池2の1回の充放電サイクルにおける最小値は、不揮発性の記憶部16に記憶されているため、電池2からの電流及び電圧の供給が停止しても保存しておくことができる。
本発明の態様6に係る保護回路3は、上記態様1〜5において、上記第1の二階微分閾値Fは0又は負の数であることが好ましい。上記構成によると、電池2が過充電の状態である合を誤検知することを確実に防止することができる。
本発明の態様7に係るバッテリーパック1は、上記態様1〜6において、上記保護回路3と、上記電池2とを備えていることが好ましい。
本発明の各態様に係る保護回路は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記保護回路が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記保護回路をコンピュータにて実現させる保護回路の保護プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
本発明の態様10に係る保護回路3の駆動方法は、充電式の電池2が搭載されるバッテリーパック1に配される保護回路3の駆動方法であって、上記電池2が出力した電流値Iを所定の時間間隔で取得する電流値取得ステップと、上記電池2における端子間の電圧値Vを所定の時間間隔で取得する電圧値取得ステップと、上記電流値Iを時間積分して得られる上記電池2の容量値(残容量Q)により、上記電圧値Vを二階微分した二階微分値dV/dQを演算する二階微分値演算ステップと、上記二階微分値dV/dQが、所定の第1の二階微分閾値Eを下回るか否かを判定する二階微分閾値判定ステップとを有することを特徴とする。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、二次電池のバッテリーパックに配される保護回路、バッテリーパック、保護プログラム、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、及び保護回路の駆動方法に利用することができる。
1 バッテリーパック
2 電池
3・3A〜3C 保護回路
10 演算制御部
11 スイッチ
12 電流測定部
13 電流電圧変換部
14 電圧測定部
15 電圧測定部
16・16A〜16C 記憶部
17 劣化通知部
20・20A〜20C 演算制御部
21 スイッチ制御部
22・22C 電流値取得部
23・23A・23C 電圧値取得部
24 二階微分値演算部
25・25A・25B 二階微分閾値判定部
26・26A〜26C 劣化判定部
27A 電圧閾値判定部
27B 電圧値取得部
28B 劣化速度判定部
28C 劣化速度演算部
29C サイクル数計数部
31 電圧差変化率演算部
31C 電圧差変化率判定部

Claims (10)

  1. 充電式の電池が搭載されるバッテリーパックに配される保護回路であって、
    上記電池が出力した電流値を所定の時間間隔で取得する電流値取得部と、
    上記電池における端子間の電圧値を所定の時間間隔で取得する電圧値取得部と、
    上記電流値を時間積分して得られる上記電池の容量値により、上記電圧値を二階微分した二階微分値を演算する二階微分値演算部と、
    上記二階微分値が、所定の第1の二階微分閾値を下回るか否かを判定する二階微分閾値判定部とを備えることを特徴とする保護回路。
  2. 上記二階微分値が上記第1の二階微分閾値を下回ったと上記二階微分閾値判定部が判定したときの上記電圧値である第1の電圧値が、所定の第1の電圧閾値以上となるか否かを判定する電圧閾値判定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
  3. 上記二階微分閾値判定部は、上記二階微分値が、上記第1の二階微分閾値より値が低い第2の二階微分閾値を下回るか否かを判定し、
    さらに、上記二階微分値が上記第2の二階微分閾値を下回ったと上記二階微分閾値判定部が判定したときの上記電圧値である第2の電圧値と、上記二階微分値が上記第1の二階微分閾値を下回ったと上記二階微分閾値判定部が判定したときの上記電圧値である第1の電圧値との差が、所定の電圧差閾値以上となるか否かを判定する劣化速度判定部を備えることを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
  4. 上記二階微分閾値判定部は、上記二階微分値が、上記第1の二階微分閾値より値が低い第2の二階微分閾値を下回るか否かを判定し、
    さらに、上記二階微分値が上記第2の二階微分閾値を下回ったと上記二階微分閾値判定部が判定したときの上記電圧値である第2の電圧値と、上記二階微分値が上記第1の二階微分閾値を下回ったと上記二階微分閾値判定部が判定したときの上記電圧値である第1の電圧値との差である電圧差を演算する電圧差演算部と、
    上記電池の充電回数に対する上記電圧差の変化を演算し、当該電圧差の変化が所定の変化率閾値以上となるか否かを判定する電圧差変化率判定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の保護回路。
  5. 上記二階微分値演算部が演算した上記二階微分値のうち、上記電池の1回の充放電サイクルにおける最小値を記憶するための不揮発性の記憶部を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の保護回路。
  6. 上記第1の二階微分閾値は0又は負の数であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の保護回路。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の保護回路と、上記電池とを備えていることを特徴とするバッテリーパック。
  8. 請求項1に記載の保護回路としてコンピュータを機能させるための保護プログラムであって、上記電流値取得部、上記電圧値取得部、上記二階微分値演算部、及び上記二階微分閾値判定部としてコンピュータを機能させるための保護プログラム。
  9. 請求項8に記載の保護プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  10. 充電式の電池が搭載されるバッテリーパックに配される保護回路の駆動方法であって、
    上記電池が出力した電流値を所定の時間間隔で取得する電流値取得ステップと、
    上記電池における端子間の電圧値を所定の時間間隔で取得する電圧値取得ステップと、
    上記電流値を時間積分して得られる上記電池の容量値により、上記電圧値を二階微分した二階微分値を演算する二階微分値演算ステップと、
    上記二階微分値が、所定の第1の二階微分閾値を下回るか否かを判定する二階微分閾値判定ステップとを有することを特徴とする保護回路の駆動方法。
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