JP2017003409A - 配向同定装置、配向同定方法および分布同定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、X線CT法により取得された樹脂成形品のスライス画像を二値化し、この二値化画像に対してフーリエ変換を施すことで得られるパワースペクトル画像を用いて、樹脂成形品内の一部における充填材の配向状態の傾向を解析することが開示されている。
請求項2記載の発明は、前記加熱部は、前記試料の一方側から当該試料を加熱し、前記検知部は、前記試料を挟んで前記加熱部とは反対側から前記領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知することを特徴とする請求項1記載の配向同定装置である。
請求項3記載の発明は、前記試料は、繊維状に形成された強化材と、当該強化材を支持する母材とを含み、前記出力部は、前記試料における前記強化材の向きを示す情報を出力することを特徴とする請求項1または2記載の配向同定装置である。
請求項4記載の発明は、前記出力部は、前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料の配向性を示す情報とともに、前記試料の熱拡散率に関する情報を出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の配向同定装置である。
請求項5記載の発明は、前記出力部は、前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料の配向方向を極座標により表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の配向同定装置である。
請求項6記載の発明は、前記加熱部および前記検知部と前記試料とを相対移動させる移動機構をさらに備え、前記加熱部は、前記試料を複数の部分に分けたうちの各部分を順次スポット周期加熱し、前記検知部は、前記加熱部により順次スポット周期加熱された前記各部分の温度分布を順次検知し、前記出力部は、前記試料の前記部分毎の配向性を示す情報を出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の配向同定装置である。
請求項7記載の発明は、前記加熱部は、各々の照射位置が被測定領域の中心位置となるように一列に並べて配置された複数の光照射部を含み、前記検知部は、前記各被測定領域の温度分布を検知する複数の温度検知部からなり、前記複数の光照射部の配列方向と交差する方向に、当該複数の光照射部および前記複数の温度検知部と前記試料とを相対移動させる移動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の配向同定装置である。
請求項8記載の発明は、複数の材料により構成される試料に対して光を周期的に照射し当該試料を加熱するステップと、前記試料の加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知するステップと、検知された応答の遅れに基づいて、前記試料を構成する少なくとも1種の材料の配向性を示す情報を出力するステップとを備える配向同定方法である。
請求項9記載の発明は、複数の材料により構成される試料に対して光を周期的に照射し当該試料を加熱する加熱部と、前記試料の前記加熱部によって加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知する検知部と、前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料における前記材料を構成する少なくとも1種の材料の分布を示す情報を出力する出力部とを備える分布同定装置である。
請求項2記載の発明によれば、試料の配向性を同定する精度を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、強化材の向きを同定することができる。
請求項4記載の発明によれば、試料の配向性とともに試料の熱的特性を把握することができる。
請求項5記載の発明によれば、試料の配向性を視覚的に把握することができる。
請求項6記載の発明によれば、試料におけるより広い領域の配向性を同定することができる。
請求項7記載の発明によれば、試料におけるより広い領域の配向性を短時間で同定することができる。
請求項8記載の発明によれば、試料の配向性を非接触でかつ迅速に同定可能な配向同定方法を提供することができる。
請求項9記載の発明によれば、試料の分布を非接触でかつ迅速に同定可能な分布同定方法を提供することができる。
<配向同定装置100の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される配向同定装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係る配向同定装置100を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態が適用される配向同定装置100は、板状に形成された測定試料1を支持するホルダ2と、参照光を出力する発光ダイオード3と、測定試料1の一方の面(表面)を撮像するCCD撮像素子4と、一方向に延びるレール5と、このレール5に設けられホルダ2を支持する第1XYZステージ6と、レール5に設けられ発光ダイオード3およびCCD撮像素子4を支持する第2XYZステージ7とを備える。
この赤外線サーモグラフィ17には、周期的信号発生器30より周期的信号が入力される。また、赤外線サーモグラフィ17で測定された温度のデータ(温度分布データ)は、周期的信号とともにコンピュータ20へと出力される。
次に、図2を参照して、本実施の形態が適用されるコンピュータ20の機能構成を説明する。ここで、図2は、コンピュータ20の機能構成図である。
図2に示すように、本実施の形態が適用されるコンピュータ20は、赤外線サーモグラフィ17(図1参照)から入力される温度分布データおよび周期的信号に基づいて位相遅れ分布を測定する位相遅れ分布測定部21と、測定された位相遅れに基づいて熱拡散率分布を算出する熱拡散率分布算出部22と、算出された熱拡散率分布に基づいて測定試料1(図1参照)の配向性(後述)を算出する配向性算出部23と、熱拡散率分布および配向性の算出結果を表示する算出結果表示部24とを備える。
また、図示の例における炭素繊維強化樹脂は、所謂不連続繊維複合材料であり、例えばピッチ系炭素繊維の長さは、例えば0.1mm〜10mm程度、より詳細には、1mm〜5mm程度である。ここで、不連続繊維複合材料は、単なる例示であり、連続繊維複合材料であってもよい。例えば、連続繊維プリプレグを積層した、炭素繊維強化樹脂を測定試料1としてもよい。
次に、本実施の形態における測定方法の原理を説明する。
まず、図3(a)および(b)を参照しながら、測定試料1の面内熱拡散率の測定原理について説明をする。なお、図3(a)および(b)は、面内熱拡散率の測定原理を示す説明図である。
さて、加熱光により照射される領域を点熱源とすると、この点熱源から距離r離れた位置での交流温度Tacは、以下に示す式(1)で表わされる。
T0・・・定数(Km)
f・・・加熱周波数(Hz)
t・・・時間(s)
r・・・距離(m)
f1・・・加熱周波数(一定)(Hz)
D・・・熱拡散率(mm2/s)
ここでは、厚みdが一定の測定試料1に照射させる加熱光の周波数を変化させながら測定する。付言すると、ここでは位相遅れの周波数依存性を検知する。
d・・・測定対象物の厚み(一定)(mm)
また、本実施の形態においては、得られた熱拡散率角度分布に基づいて、繊維配向分布の平均と分散とを算出する。さらに説明をすると、得られた熱拡散率角度分布に基づいて得られる繊維配向分布密度関数(Fiber Orientation Distribution density function)により、繊維配向分布の平均と分散とを算出する。なお、繊維配向分布密度関数は、例えば、複数のピークを含む熱拡散率角度分布を、各々のピーク区間に分割し、各ピークに対して最小二乗法を用いたフィッティングを行うことにより得られる。
η・・・オフセット角(rad)
ξ・・・分布サイズを決定するパラメータ(無次元数)
P・・・第1フィッティングパラメータ
Q・・・第2フィッティングパラメータ
そして、PおよびQに基づいて、分布の平均値μと分散σ2(標準偏差σ)が、以下に示す式(6)により求まる。
次に、図1および図6を参照して、本実施の形態における配向同定装置100の動作を説明する。図6は、配向同定装置100(図1参照)の動作を説明するフローチャートである。
そして、赤外線サーモグラフィ17により測定される温度分布により、位相遅れ分布測定部21が位相遅れ分布を測定する(ステップ602)。
そして、この測定された位相遅れ分布に基づき、熱拡散率分布算出部22が熱拡散率角度分布を算出する(ステップ603)。そして、この算出された熱拡散率角度分布に基づき、配向性算出部23が、配向方向および分散を算出する(ステップ604)。そして、算出結果表示部24が、配向方向および分散の算出結果を表示手段(不図示)に表示する(ステップ605)。
次に、図7(a)および(b)を参照して、配向同定装置100により得られた測定結果1を説明する。図7(a)および(b)は、配向同定装置100により得られた測定結果1を示す図である。より具体的には、図7(a)は測定試料101における熱拡散の方向(角度)を示す図であり、図7(b)は熱拡散の方向と繊維配向分布密度関数との関係を示す図である。
また、ここでは、図7(a)に示すように、測定試料101として、ピッチ系1方向材のCFRPを用いた結果を説明する。また、この測定試料101における繊維方向は、図中上下方向である。
なお、本実施の形態においては、測定試料101を回転させる場合や、データ学習を必要とする場合と比較して、熱拡散率および繊維配向分布密度関数がより短時間で算出され得る。
次に、図8(a)および(b)、図9(a)および(b)を参照して、配向同定装置100により得られた測定結果2を説明する。
図8(a)および(b)、図9(a)および(b)は、配向同定装置100により得られた測定結果2を示す図である。より具体的には、図8(a)は測定試料103における測定領域を示す図であり、図8(b)は熱拡散の角度と熱拡散率との関係を示す図である。また、図9(a)は図8(a)に示す左下領域における熱拡散の角度と繊維配向密度との関係を示す図であり、図9(b)は図9(a)により得られた配向方向と強度とをベクトル表示した図である。
また、測定位置をスキャンさせる方法としては、マイクロスコープ16および赤外線サーモグラフィ17と測定試料103とを、例えば図1の第2XYZステージ7(移動機構の一例)などにより相対移動させる方法を採用することができる。
上記の説明においては、算出結果表示部24が、配向方向および分散の算出結果を表示手段(不図示)に表示(出力)することを説明したがこれに限定されない。例えば、配向方向および分散の算出結果を、他の装置に送信する態様や保存する態様であってもよい。
また、配向方向および分散の算出結果を算出する過程で得られる、熱拡散率についての情報を、配向方向および分散の算出結果とともに、表示、送信、記憶する態様であってもよい。あるいは、配向方向および分散の算出結果のいずれか一方に関する情報を、表示、送信、記憶する態様であってもよい。
さらに、上述のように配向同定装置100を分布同定装置としても機能させる場合には、強化材の形状は、一方向に長い形状以外の形状であってもよい。例えば、粒子状、球状、ペレット状など他の形状であってもよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (9)
- 複数の材料により構成される試料に対して光を周期的に照射し当該試料を加熱する加熱部と、
前記試料の前記加熱部によって加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知する検知部と、
前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料を構成する少なくとも1種の材料の配向性を示す情報を出力する出力部と
を備える配向同定装置。 - 前記加熱部は、前記試料の一方側から当該試料を加熱し、
前記検知部は、前記試料を挟んで前記加熱部とは反対側から前記領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知する
ことを特徴とする請求項1記載の配向同定装置。 - 前記試料は、繊維状に形成された強化材と、当該強化材を支持する母材とを含み、
前記出力部は、前記試料における前記強化材の向きを示す情報を出力する
ことを特徴とする請求項1または2記載の配向同定装置。 - 前記出力部は、前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料の配向性を示す情報とともに、前記試料の熱拡散率に関する情報を出力する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の配向同定装置。 - 前記出力部は、前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料の配向方向を極座標により表示することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の配向同定装置。
- 前記加熱部および前記検知部と前記試料とを相対移動させる移動機構をさらに備え、
前記加熱部は、前記試料を複数の部分に分けたうちの各部分を順次スポット周期加熱し、
前記検知部は、前記加熱部により順次スポット周期加熱された前記各部分の温度分布を順次検知し、
前記出力部は、前記試料の前記部分毎の配向性を示す情報を出力することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の配向同定装置。 - 前記加熱部は、各々の照射位置が被測定領域の中心位置となるように一列に並べて配置された複数の光照射部を含み、
前記検知部は、前記各被測定領域の温度分布を検知する複数の温度検知部からなり、
前記複数の光照射部の配列方向と交差する方向に、当該複数の光照射部および前記複数の温度検知部と前記試料とを相対移動させる移動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の配向同定装置。 - 複数の材料により構成される試料に対して光を周期的に照射し当該試料を加熱するステップと、
前記試料の加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知するステップと、
検知された応答の遅れに基づいて、前記試料を構成する少なくとも1種の材料の配向性を示す情報を出力するステップと
を備える配向同定方法。 - 複数の材料により構成される試料に対して光を周期的に照射し当該試料を加熱する加熱部と、
前記試料の前記加熱部によって加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知する検知部と、
前記検知部によって検知された応答の遅れに基づいて、前記試料における前記材料を構成する少なくとも1種の材料の分布を示す情報を出力する出力部と
を備える分布同定装置。
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