JP2019049417A - 配向状態特定装置、配向状態特定方法およびプログラム - Google Patents

配向状態特定装置、配向状態特定方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】試料を加熱することで取得される繊維の配向強度の測定精度を向上させる。【解決手段】本発明の配向同定装置は、炭素繊維強化樹脂により構成される試料に対して光を照射し試料を加熱するダイオードレーザと、試料のダイオードレーザによって加熱された箇所を含む領域における温度分布を検出する赤外線サーモグラフィと、赤外線サーモグラフィによって検知された温度分布に基づいて、炭素繊維の配向強度を取得するコンピュータとを備える。そして、取得した炭素繊維の配向強度は、一方向材である基準材における炭素繊維の配向強度との差に基づいて補正される。【選択図】図6

Description

本発明は、配向状態特定装置、配向状態特定方法およびプログラムに関する。
航空機器、電子機器などの先端機器においては、高熱伝導、異方性、高比剛性の素材として、炭素繊維強化複合材料が広く採用されている。このような炭素繊維強化複合材料においては、炭素繊維の配向により生じる異方性により、力学的特性(強度、剛性など)や熱的特性(熱拡散率、熱伝導率など)に大きな差異が生じるため、異方性の同定(測定)が重要である。
複合材料における繊維配向を同定する装置としては、例えば試料に対して光を周期的に照射し試料を加熱するダイオードレーザと、試料のダイオードレーザによって加熱された箇所を含む領域における温度分布の変化の応答の遅れを検知する赤外線サーモグラフィと、赤外線サーモグラフィによって検知された応答の遅れに基づいて試料の配向性を示す情報を出力するコンピュータとを備える配向同定装置がある(特許文献1参照)。
特開2017−3409号公報
ここで、試料を加熱することで試料に含まれる繊維の配向強度を測定すると、例えば繊維の断面方向における熱拡散により、測定される配向強度に誤差が含まれることがあった。
本明細書に開示される技術は、上記課題を解決するためになされたものであり、試料を加熱することで取得される繊維の配向強度の測定精度を向上させることを目的とする。
かかる目的のもと、本明細書に開示される技術は、強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する出力部とを備える配向状態特定装置である。
ここで前記加熱部は、前記試料に対して、周期的に光を照射することで当該試料を加熱するとよい。
また、前記取得部は、前記検出部によって検出された温度分布に基づいて前記試料における熱拡散率分布を算出し、当該熱拡散率分布における標準偏差を用いて前記検出配向強度を取得するとよい。
また、前記基準配向強度は、前記繊維の軸方向熱拡散率と断面方向熱拡散率との比に応じて変化するとよい。
また、前記試料は、前記繊維が交差して設けられたクロスプライ積層体であり、前記出力部は、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記クロスプライ積層体における当該繊維の交差角を当該繊維の配向強度に関する情報として出力するとよい。
また、前記算出部は、前記加熱部が前記基準材に対して周期的に光を照射し加熱された領域の他の温度分布を前記検出部によって検出し、当該他の温度分布に基づいて取得する前記繊維の配向強度を前記基準配向強度とするとよい。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する他の取得部と、前記他の取得部により取得される前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する補正部とを備える配向状態特定装置である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する出力部とを備える配向状態特定装置である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力するステップとを含む配向状態特定方法である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出するステップと、前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得するステップと、前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正するステップとを含む配向状態特定方法である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱するステップと、前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力するステップとを含む配向状態特定方法である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、コンピュータに強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する機能とを実行させるプログラムである。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、コンピュータに強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する機能と、前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する機能とを実行させるプログラムである。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、コンピュータに、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する機能とを実行させるプログラムである。
本明細書に開示される技術によれば、本構成を有しない場合と比較して、試料を加熱することで取得される繊維の配向強度の測定精度を向上させることができる。
本実施の形態に係る配向同定装置を示す概略構成図である。 コンピュータの機能構成図である。 (a)および(b)は、面内熱拡散率の測定原理を示す説明図である。 (a)および(b)は、厚み方向熱拡散率の測定原理を示す説明図である。 (a)は測定試料における熱拡散の方向を示し、(b)は熱拡散の角度と熱拡散率と繊維配向密度との関係を示す図である。 配向同定装置の動作を説明するフローチャートである。 (a)および(b)は、一方向材の測定結果を示す図である。 (a)および(b)は、熱拡散のばらつきの算出を説明する図である。 (a)乃至(d)は、積層角が異なる測定試料を示す図である。 測定試料の熱拡散率角度分布を示す。 測定試料の標準偏差を示す。 コンピュータのハードウェア構成例を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本実施の形態について詳細に説明する。
<配向同定装置100の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される配向同定装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係る配向同定装置100を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態が適用される配向同定装置100は、板状に形成された測定試料1を支持するホルダ2と、参照光を出力する発光ダイオード3と、測定試料1の一方の面(表面)を撮像するCCD撮像素子4と、一方向に延びるレール5と、このレール5に設けられホルダ2を支持する第1XYZステージ6と、レール5に設けられ発光ダイオード3およびCCD撮像素子4を支持する第2XYZステージ7とを備える。
また、配向同定装置100は、加熱用光源(加熱部の一例)として機能するダイオードレーザ10と、ダイオードレーザ10から出射されたレーザ光を反射する第1ミラー11と、レーザ光を周期的信号に変換(パルス化)する音響光学素子12と、音響光学素子12からのレーザ光を反射する第2ミラー14と、第2ミラー14からのレーザ光のビーム径を拡大するビームエキスパンダ15と、測定試料1の表面に照射されるレーザ光のビーム径を調整する(絞る)マイクロスコープ16とを備える。
また、配向同定装置100は、測定試料1を挟んでマイクロスコープ16とは反対側に設けられた赤外線サーモグラフィ(ロックインサーモグラフィ、検出部の一例)17と、赤外線サーモグラフィ17からの信号を受けるコンピュータ20と、周期的信号を発生させ音響光学素子12および赤外線サーモグラフィ17へと出力する周期的信号発生器30とを備える。
このように構成された配向同定装置100においては、ダイオードレーザ10から出射されたレーザ光が、音響光学素子12にて周期的信号に変換され、ビームエキスパンダ15およびマイクロスコープ16を経た後に、測定試料1へと照射される。この測定試料1においては、レーザ光が照射される箇所(領域)が周期的に加熱される。すなわち、測定試料1の表面における特定の点(位置)が、スポット周期加熱される。付言すると、測定試料1の加熱にレーザ光を用いることで、測定試料1の加熱の制御が容易になる。
また、ダイオードレーザ10のレーザ光により加熱された測定試料1の温度は、測定試料1の裏面側から赤外線サーモグラフィ17によって測定される。なお、赤外線サーモグラフィ17は、ダイオードレーザ10によりスポット周期加熱される領域を含む予め定めた範囲(領域)を、赤外線画像として撮像(測定)する。さらに説明をすると、例えば、スポット周期加熱される領域(略円形)の寸法(直径)が0.1μm〜1mmであるのに対して、赤外線サーモグラフィ17により撮像される領域(略長方形)の寸法(一辺)は10mm〜100mmである。
この赤外線サーモグラフィ17には、周期的信号発生器30より周期的信号が入力される。また、赤外線サーモグラフィ17で測定された温度のデータ(温度分布データ)は、周期的信号とともにコンピュータ20へと出力される。
コンピュータ20は、赤外線サーモグラフィ17とあわせて、任意に設定した所定間隔(一定間隔)のフレームレートに基づいて、赤外線画像の取り込みと演算とを連続的に実行し、時間の経過とともに変化する温度変化量から平均化した画像を作成する(ロックイン方式)。さらに説明をすると、赤外線サーモグラフィ17で得られたデータは、コンピュータ20により演算処理され、加熱領域Hp(後述する図5(a)参照)からの方向(角度)、熱拡散率、および配向性が算出される。
<コンピュータ20の機能構成>
次に、図2を参照して、本実施の形態が適用されるコンピュータ20の機能構成を説明する。ここで、図2は、コンピュータ20の機能構成図である。
図2に示すように、本実施の形態が適用されるコンピュータ20は、赤外線サーモグラフィ17(図1参照)から入力される温度分布データおよび周期的信号に基づいて位相遅れ分布を測定する位相遅れ分布測定部21と、測定された位相遅れに基づいて熱拡散率分布を算出する熱拡散率分布算出部22と、算出された熱拡散率分布に基づいて測定試料1(図1参照)の配向性(後述)を算出する配向性算出部23(取得部、他の取得部、算出部、補正部の一例)と、熱拡散率分布および配向性の算出結果を表示する算出結果表示部24(出力部の一例)とを備える。なお、詳細は後述するが、配向性算出部23が、配向方向および配向強度を算出するとともに、配向強度の補正を実行する。
さて、本実施の形態のコンピュータ20は、赤外線サーモグラフィ17により検出された測定試料1(図1参照)の温度分布に基づいて、測定試料1の配向性を同定(特定)する。さらに説明をすると、コンピュータ20は、測定試料1の温度分布の変化の応答の遅れに基づいて、測定試料1の配向性を特定する。付言すると、ここでは、測定試料1の熱的特性を、測定試料1の配向性として擬制する。
図示の例における測定試料1は、炭素系複合材料、より具体的には、炭素繊維強化樹脂(Carbon Fiber Reinforced Plastics(CFRP)、炭素繊維強化プラスチック)である。さらに説明をすると、測定試料1は、ピッチから製造される所謂ピッチ系炭素繊維(強化材)にエポキシ樹脂等の樹脂(母材)を含浸させた、ピッチ系炭素繊維強化樹脂により構成される。
なお、ピッチ系炭素繊維は、このピッチ系炭素繊維に含浸される樹脂と比較して、高熱伝導性である。付言すると、ピッチ系炭素繊維は、相対的に低熱伝導性の樹脂とは、熱伝導率(熱拡散率)が大きく異なる。ここで、ピッチ系炭素繊維強化樹脂は単なる例示であり、炭素繊維および樹脂各々の熱伝導率(熱拡散率)に差があればよく、例えば熱拡散率が相対的に低いポリアクリロニトリル(PAN)系の炭素繊維強化樹脂を用いてもよい。
また、図示の例における炭素繊維強化樹脂は、所謂連続繊維複合材料である。さらに説明をすると、例えば、連続繊維プリプレグを積層した、炭素繊維強化樹脂を測定試料1とする。ここで、連続繊維複合材料は、単なる例示であり、不連続繊維複合材料であってもよい。さらに説明をすると、例えばピッチ系炭素繊維の長さは、例えば0.1mm〜10mm程度、より詳細には、1mm〜5mm程度であってもよい。
また、炭素繊維は、その軸方向と断面方向では熱拡散率が異なる熱的異方性材料である。したがって、炭素繊維強化樹脂のように、熱的に等方である樹脂中に炭素繊維が分散した系では、繊維の配向方向に高い熱拡散率を示し、繊維の配向方向と直交する方向に低い熱拡散率を示す。
また、測定試料1の配向性とは、異方性材料である測定試料1に含まれる繊維(炭素繊維)の配向状態(配向分布)である。本実施の形態における配向状態は、配向方向(配向角)および配向強度(Degree of Fiber Orientation)により示される。ここで、配向角とは、測定試料1において繊維が向きやすい方向を示す角度である。言い換えると、配向角は、繊維の優先配向度である。また、配向強度は、配向角への集中度を表わす指標である。この配向強度は、配向角の分散とも言い換えられる。
<測定原理>
次に、本実施の形態における測定方法の原理を説明する。以下の説明では、炭素繊維強化樹脂を測定試料1として用いる例で説明する。そして、上記のように繊維の配向方向に高い熱拡散率を示し、繊維の配向方向と直交する方向に低い熱拡散率を示すという炭素繊維強化樹脂の特性を用いて、3次元熱拡散率分布から、測定領域の繊維配向分布を同定する。
以下、図3(a)および(b)を参照しながら、測定試料1の面内熱拡散率の測定原理について詳細に説明する。
図示の例においては、測定試料1の表面に対して、一定の周波数の加熱光(レーザ光)を照射し、測定試料1の裏面側から赤外線サーモグラフィ17により測定する。付言すると、ここでは、位相遅れの距離依存性を検知する。
さて、加熱光により照射される領域を点熱源とすると、この点熱源から距離が離れた位置での交流温度Tacは、以下に示す式(1)で表わされる。
Figure 2019049417
ここに、
・・・定数(Km)
f・・・加熱周波数(Hz)
t・・・時間(s)
r・・・距離(m)
また、点熱源と交流温度Tacとの位相差θは、以下に示す式(2)で表わされる。
Figure 2019049417
ここに、
・・・加熱周波数(一定)(Hz)
D・・・熱拡散率(mm/s)
この測定試料1の面内熱拡散率Dは、以下に示す式(3)で表わされる。
Figure 2019049417
次に、図4(a)および(b)を参照しながら、測定試料1の厚み方向熱拡散率の測定原理について説明をする。なお、図4(a)および(b)は、厚み方向熱拡散率の測定原理を示す説明図である。
ここでは、厚みdが一定の測定試料1に照射させる加熱光の周波数を変化させながら測定する。付言すると、ここでは位相遅れの周波数依存性を検知する。
この測定試料1の厚み方向の熱拡散率Dは、以下に示す式(4)で表わされる。
Figure 2019049417
ここに、
d・・・測定対象物の厚み(一定)(mm)
次に、図5(a)および(b)を参照しながら、測定試料1の配向分布の測定原理について説明をする。なお、図5(a)は測定試料1における熱拡散の方向を示し、図5(b)は熱拡散の角度と熱拡散率と繊維配向密度との関係を示す図である。
さて、図5(a)に示すように、測定試料1に含まれる炭素繊維の配向状態に応じて、加熱領域Hpからの熱拡散現象が変化する。すなわち、測定試料1に含まれる炭素繊維の向きに沿う方向、すなわち炭素繊維の軸方向においては加熱領域Hpからの熱が伝わりやすく、炭素繊維の向きと交差する方向、すなわち炭素繊維の断面方向には加熱領域Hpからの熱が伝わりにくい。このことにより、測定試料1における加熱領域Hpを中心とした角度に応じて、熱拡散の速さに違いが生じる。言い換えると、測定試料1における加熱領域Hpを中心とした角度に応じて、熱拡散率が変化する。
そして、図5(b)に示すように、測定試料1において、加熱領域Hpから複数方向の熱拡散率の測定を配向同定装置100により行った結果、角度に応じて熱拡散率が変化することが確認された。
また、本実施の形態においては、得られた熱拡散率角度分布に基づいて、繊維配向分布の期待値と標準偏差とを算出する。さらに説明をすると、得られた熱拡散率角度分布に基づいて得られる繊維配向分布密度関数(Fiber Orientation Distribution Density Function)により、繊維配向分布の期待値と標準偏差とを算出する。なお、上記のように繊維の配向状態は、配向方向および配向強度により示されるが、それぞれが繊維配向分布の期待値と標準偏差とに相当するものとして解析する。
ここで、繊維配向分布密度関数g(θ)は、以下に示す式(5)で表わされる。
Figure 2019049417
ここに、
n・・・ピークの数
θ、θi+1・・・ピークとピークの境界角度
また、g(θ)は、以下に示す式(6)で表される。
Figure 2019049417
ここに、
・・・第1フィッティングパラメータ
・・・第2フィッティングパラメータ
ξ・・・分布サイズを決定するパラメータ(無次元数)
そして、期待値μおよび標準偏差σは、以下に示す式(7)および(8)で表される。
Figure 2019049417
Figure 2019049417
なお、熱拡散率角度分布と繊維配向分布密度関数とのスケールを一致させるため、フィッティングを行う前に測定結果に対して規格化の処理を施す。
<動作>
次に、図1および図6を参照して、本実施の形態における配向同定装置100の動作を説明する。図6は、配向同定装置100(図1参照)の動作を説明するフローチャートである。
まず、配向同定装置100におけるダイオードレーザ10から出射されたレーザ光により、測定試料1の表面がスポット周期加熱される(ステップ601)。
そして、赤外線サーモグラフィ17により測定される温度分布により、位相遅れ分布測定部21が位相遅れ分布を測定する(ステップ602)。
そして、この測定された位相遅れ分布に基づき、熱拡散率分布算出部22が熱拡散率角度分布を算出する(ステップ603)。
そして、この算出された熱拡散率角度分布に基づき、配向性算出部23が、配向方向および配向強度(分散)を算出する(ステップ604)。
そして、配向性算出部23が、配向強度の補正を実行する(ステップ605)。
そして、算出結果表示部24が、配向方向および分散の算出結果を液晶ディスプレイなどの表示手段(不図示)に表示する(ステップ606)。
<測定結果>
図7(a)および(b)は、一方向材の測定結果を示す図である。より具体的には、図7(a)は一方向材の正規化後熱拡散率角度分布を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す正規化後熱拡散率角度分布に基づき得られたフィッティングパラメータを示す図である。
次に、図7(a)および(b)を参照して、一方向材の測定試料101を用いた測定結果を説明する。
なお、ここでは各々異なる種類の炭素繊維を含むCFRPを測定試料101として用いた結果を説明する。具体的には、ピッチ系の炭素繊維からなる一方向配向(Unidirectional、UD)のCFRPと、PAN系の炭素繊維からなる一方向配向のCFRPとをそれぞれ測定試料101として用いる。また、ピッチ系の炭素繊維およびPAN系の炭素繊維各々の繊維方向は、−90°および90°とする。
また、以下の説明においては、上記ピッチ系の炭素繊維およびPAN系の炭素繊維からなる各測定試料101を、ピッチ系試料およびPAN系試料と呼ぶことがある。また、これらピッチ系試料およびPAN系試料は、炭素繊維の種別のみに差異があり、例えば炭素繊維の配向状態は一致するものとする。付言すると、ピッチ系試料における繊維の軸方向熱拡散率は352mm/sであり、PAN系試料における繊維の軸方向熱拡散率は6.4mm/sである。
まず、図7(a)に示すように、測定された繊維配向分布密度関数の度数分布の形状は、ピッチ系試料の方が、PAN系試料よりも鋭い分布となっている。すなわち、ピッチ系試料においてはピークが高くかつ幅が狭い(ばらつきが小さい)のに対して、PAN系試料においてはピークが低く幅が広い(ばらつきが大きい)。
ここで、ピッチ系試料およびPAN系試料の配向角について説明をする。図7(a)に示すように、ピッチ系試料およびPAN系試料の両者とも、角度が−90°および90°付近で、熱拡散率角度分布が最大となる。このことにより、ピッチ系試料およびPAN系試料は、それぞれにおける炭素繊維の配向角が−90°および90°付近であることが推定される。
さらに説明をすると、上記の測定原理を用いることにより、ピッチ系試料の配向角(ピークの角度μi)は−89.8°および90.2°、PAN系試料の配向角は−89.9°および87.9°という結果が得られた(図7(b)参照)。すなわち、各角度μiが、配向角−90°および90°とほぼ一致する。このことから、角度μiを配向角として捉えることができる。
次に、ピッチ系試料およびPAN系試料における配向強度について説明をする。まず、上記のように、熱拡散率角度分布における分散σ(標準偏差σ)は、配向強度と関連する指標である。ここで、理想的な一方向配向の測定試料101を用いた場合、熱拡散率角度分布の標準偏差σはゼロになる。しかしながら、図7(b)に示す測定結果においては、標準偏差2σiは正の値を示す。なお、ここでは便宜上、例えば標準偏差σiの2倍を単に標準偏差2σiと表す。同様に、以下の説明における標準偏差4σは、標準偏差σの4倍であることを示す。
また、熱拡散率角度分布の標準偏差2σiは、繊維の配向状態が同一であれば一致する。しかしながら、図7(b)に示す測定結果によれば、一方向配向のピッチ系試料およびPAN系試料における配向強度は、互いに異なる。具体的には、ピッチ系試料における標準偏差2σiは7.1および7.1であり、PAN系試料における標準偏差2σiは29.9および30.4である。すなわち、ピッチ系試料における標準偏差2σiと比較して、PAN系試料の標準偏差2σiが約4倍となる結果となった。したがって、測定された上記標準偏差2σiから、配向強度を同定するために所定の補正を行うことが必要となる。
<熱拡散固有のばらつき>
図8(a)および(b)は、熱拡散のばらつきの算出を説明する図である。より具体的には、図8(a)は熱拡散のばらつきを算出する際の計算条件を示す図であり、図8(b)は熱拡散率異方比と標準偏差との関係を示す図である。
本実施の形態においては、熱拡散固有のばらつきについて補正を実行しながら、測定試料101における配向強度を同定する。言い換えると、測定試料101における熱拡散に関する補正値を用いて、測定値の補正を行う。さらに言い換えると、炭素繊維の熱拡散率異方比(軸方向熱拡散率/断面方向熱拡散率)と、面内熱拡散率角度分布における標準偏差の関係に基づく補正法を用いる。
まず、上記測定結果における熱拡散固有の誤差を評価するため、CVM(Control Volume Method)を用いて、一方向配向(一方向材)であるピッチ系試料およびPAN系試料において数値計算を行う。計算条件は、図8(a)に示す通りである。具体的には、ピッチ系試料は、軸方向熱拡散率を352mm/s、断面方向熱拡散率を6.8mm/s、異方比を51.7、Δxを0.125(mm)、要素(Elements)を600x600x1とする。また、PAN系試料は、軸方向熱拡散率を6.4mm/s、断面方向熱拡散率を0.8mm/s、異方比を8.0、Δxを0.085(mm)、要素(Elements)を600x600x1とする。
そして、非定常熱伝導解析によって得られた周期加熱の温度応答から位相遅れを解析し、算出された面内熱拡散率角度分布における標準偏差と、熱拡散率異方比との関係が得られた(図8(b)参照)。なお、図8(b)においては、上記測定結果において得られたピッチ系試料およびPAN系試料の標準偏差2σiもプロットされている。
上記数値計算のモデルにおいては、測定試料101を完全一方向配向としている。すなわち、配向角のばらつきはゼロである。したがって、図8(b)において、数値計算による値(数値計算結果)を通る近似曲線よりも小さい標準偏差は、熱拡散固有のばらつきに起因するものといえる。また、数値計算結果(近似曲線)よりも大きい標準偏差は、繊維配向のばらつきに起因するものといえる。よって、測定結果から、強化繊維の熱拡散率異方比で決定される近似曲線上の値を引くことで、真の配向強度が算出され得る(図中矢印Da参照)。付言すると、熱的異方性に起因する固有の異方性を除去することにより、配向強度を絶対的に評価し得る。
<積層角と熱拡散固有のばらつきとの関係>
図9(a)乃至(d)は、積層角が異なる測定試料201、221、241、261を示す図である。図10は、測定試料201、221、241、261の熱拡散率角度分布を示す。図11は、測定試料201、221、241、261の標準偏差を示す。
さて、CFRPの種別としては、図9(a)に示すような一方向に炭素繊維を揃えた一方向材以外に、図9(b)乃至(d)に示すような交差する向きで繊維を配置したクロスプライ積層板がある。そして、クロスプライ積層板においては、炭素繊維が所定の積層角(図9(b)に示す角度θ参照)を形成する。
図9(a)に示す測定試料201は、積層角0°のクロスプライ積層板、すなわち一方向材である。付言すると、一方向材は、クロスプライ積層板の一態様として考えることができる。また、図9(b)に示す測定試料221は積層角20°のクロスプライ積層板であり、図9(c)に示す測定試料241は積層角40°のクロスプライ積層板であり、図9(d)に示す測定試料261は積層角60°のクロスプライ積層板である。なお、図9(a)乃至(d)に示す測定試料201、221、241、261は、積層角のみに差異があり、同一の材料(同一の炭素繊維および同一の樹脂)により構成されているものとする。また、測定試料201、221、241、261の炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維である。なお、測定試料201は、基準材の一例である。測定試料221は、試料の一例である。
また、図9(b)に示す測定試料221における配向方向(配向角)は、理論的には、交差して配置された炭素繊維の配向方向の平均値となる。例えば、測定試料221においては、−80°および100°の炭素繊維と、−100°および80°の炭素繊維とが交差している。そして、測定試料221の配向方向は、交差する繊維の配向方向の平均値である−90°および90°となる。同様に、図9(c)に示す測定試料241、図9(c)に示す測定試料261の配向方向も、−90°および90°となる。
ここで、クロスプライ積層板における積層角は、上記配向強度を示す指標として捉えることができる。さらに説明をすると、例えば、図9(b)に示す例においては、配向方向が図中上下方向(−90°および90°)であり、かつ±10°の範囲(角度)で炭素繊維がばらついている状態と考えることができる。同様に、図9(c)および(d)に示す例においては、配向方向が図中上下方向であり、±20°および±30°の範囲(角度)で炭素繊維がばらついていると考えることができる。
さて、図10に、測定試料201、221、241、261の測定結果を示す。図10に示すように、測定試料201、221、241、261のいずれの熱拡散率角度分布においても、角度が−90°および90°付近で最大となる。これは、各試料における炭素繊維の配向角(−90°および90°)とほぼ一致する。また、積層角が小さいほどピークが高くかつ幅が狭い(ばらつきが小さい)のに対して、積層角が大きいほどピークが低く幅が広い(ばらつきが大きい)。
ここで、図11において、測定試料201、221、241、261の熱拡散率角度分布から得られた各々の標準偏差4σを示す。これらの標準偏差4σは、各測定試料201、221、241、261の積層角と一致しない。具体的には、積層角0°の測定試料201においては、測定結果から得られる標準偏差4σが16.1°であり、理想的なゼロではない。これは、上記のように測定結果に熱拡散固有のばらつき(標準偏差)が含まれるためと考えられる。
図11に示す積層角20°の測定試料221においては、測定結果から算出される標準偏差4σが36.3°であり、積層角である20°と比較して最大誤差が約80%となる。また、積層角40°の測定試料241においては、標準偏差4σが59.0°であり、積層角である40°と比較して、最大誤差が約48%となる。また、積層角60°の測定試料261においては、標準偏差4σが80.6°であり、積層角である60°と比較して最大誤差が約34%となる。この誤差の要因として、測定された各標準偏差4σに一方向材の熱拡散率分布における標準偏差が含まれている点が挙げられる。
そこで、図9(a)に示すような一方向材の熱拡散率分布における標準偏差を補正値とする。この補正値に基づき、測定試料221、241、261の標準偏差4σを補正すると、より精度よく各測定試料221、241、261の配向強度を算出することができる。
例えば、図9(b)に示す測定試料221においては、熱拡散率分布における標準偏差4σ(36.3°)から、図9(a)に示す一方向材の測定試料221の標準偏差4σ(16.1)を引くことで、補正後の標準偏差4σが20.2°となる。この場合、最大誤差が約1%となる。同様に、図9(c)に示す測定試料241においては、熱拡散率分布における標準偏差4σ(59.0°)から、一方向材の標準偏差4σ(16.1)を引くことで、補正後の標準偏差4σが42.9°となり、最大誤差が約7.3%となる。図9(d)に示す測定試料261においては、熱拡散率分布における標準偏差4σ(80.6°)から、一方向材の標準偏差4σ(16.1)を引くことで、補正後の標準偏差4σが64.5°となり、最大誤差が約7.5%となる。これらのことにより、上記補正前と比較して、配向強度、すなわち積層角をより精度よく求め得ることが確認された。
なお、上記においては、補正値として、測定結果で得られた一方向材の標準偏差4σを用いることを説明したが、これに限定されない。例えば、炭素繊維(繊維)の種別などに応じて他の数値を用いてもよい。さらに説明をすると、炭素繊維の熱拡散率異方比(軸方向熱拡散率/断面方向熱拡散率)に応じて標準偏差4σを調整(増減)させ、例えば標準偏差3.0σ〜6.0σ、好ましくは標準偏差3.5σ〜4.5σの範囲の中で補正値を設定してもよい。付言すると、標準偏差3.5σ以上とすることにより、積層角をより精度よく算出し得る。
また、例えば、測定結果で得られた一方向材の標準偏差4σに替えて、上記図8(a)および(b)で説明したように、炭素繊維の熱拡散率異方比(軸方向熱拡散率/断面方向熱拡散率)をパラメータとして補正値としてもよい。言い換えると、一方向材の熱拡散をモデル化し、数値計算によって補正値を決定することも可能である。
また、上記図8(a)および(b)における一方向材と同様に、クロスプライ積層板における炭素繊維の熱拡散率異方比(軸方向熱拡散率/断面方向熱拡散率)をパラメータとして数値計算によって補正値を定めてもよい。さらに説明をすると、所定の角度の積層角のクロスプライ積層板における測定結果と、熱拡散率異方比で決定される数値計算結果との差により、一方向材を測定した場合の標準偏差4σを推定することができる。この推定された標準偏差4σを補正値として、配向強度の補正を行ってもよい。なお、このように一方向材を測定した場合の標準偏差4σを推定することにより、補正のために一方向材を形成することが不要となる。
また、上記のように測定結果として得られた補正値は、配向同定装置100で測定した結果であってもよいし、配向同定装置100以外の装置により測定した結果であってもよい。さらに、数値計算によって得られる補正値も、配向同定装置100で算出してもよいし、配向同定装置100以外の装置により算出してもよい。
また、測定試料221の熱拡散率分布における標準偏差4σは、検出配向強度の一例であり、測定試料201の熱拡散率分布における標準偏差4σは、基準配向強度の一例である。
<積層角が既知の測定試料との差に基づく積層角の同定>
さて、測定試料221などの熱拡散率角度分布から得られた標準偏差4σを用いて、測定試料221の積層角を特定してもよい。例えば、積層角が既知の第1測定試料と、積層角が未知の第2測定試料とにおいて、それぞれの熱拡散率角度分布から標準偏差4σを出力する。そして、出力された標準偏差4σの差と、第1測定試料における既知の積層角とから、第2測定試料の積層角を特定する。すなわち、積層角が既知の第1測定試料の標準偏差4σを補正値として用いて、第2測定試料の積層角(交差角)を特定する。
以下、熱拡散率角度分布における標準偏差4σを用いて、積層角を求める手法を具体的に説明する。なお、ここでは、図9(b)および(c)各々に示す測定試料221、241を用いて説明をする。また、図9(b)に示す測定試料221を上記の第1測定試料とし、図9(c)に示す測定試料241を上記の第2測定試料とする。すなわち、測定試料221においては、積層角が20°であることが既知であるのに対して、図9(c)に示す測定試料241においては、積層角が未知であるものとする。
さて、上記の通り、図10(b)に示す測定試料221においては、熱拡散率分布における標準偏差4σが36.3°である。また、図10(c)に示す測定試料241においては、熱拡散率分布における標準偏差4σが59.0°である。そして、図10(c)に示す測定試料241の標準偏差4σである59.0°から、図10(b)に示す測定試料221の標準偏差4σの36.3°を補正値として引くと、標準偏差4σの差は22.7°となる。この標準偏差4σの差は、測定試料221および測定試料241の積層角の差に基づくものである。そして、測定試料221における既知の積層角に、得られた標準偏差4σの差を加えることで、測定試料241の積層角が得られる。具体的には、測定試料221の積層角20°に標準偏差4σの差である22.7°を加えることにより、測定試料241の積層角が42.7°と算出される。上記のように測定試料241の積層角は40°であるから、最大誤差は約6.8%となる。
<コンピュータ20のハードウェア構成>
図12は、コンピュータ20のハードウェア構成例を示した図である。
図12に示すように、コンピュータ20は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)25と、記憶手段であるメインメモリ26およびHDD(Hard Disk Drive)27とを備える。ここで、CPU25は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ26は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。HDD27は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。そして、コンピュータ20が備えるこれらの構成部材により、上記図2などで説明した各機能構成が実行される。
なお、コンピュータ20は、赤外線サーモグラフィなど外部との通信を行うための通信インターフェイス(通信I/F)28を備えている。なお、CPU25が実行するプログラム(例えば、上記配向強度の補正を実行するプログラム)は、予めメインメモリ26に記憶させておく形態の他、例えばCD−ROM等の記憶媒体に格納してCPU25に提供したり、あるいは、ネットワーク(不図示)を介してCPU25に提供したりすることも可能である。
<その他>
上記の説明においては、測定試料101の1箇所で測定を行うことを説明したが、測定試料101の面内における複数箇所で測定を行ってもよい。測定試料101の面内の複数箇所で測定することにより、熱伝導異方性分布が同定され得る。また、測定試料101の配向性の分布、あるいは測定試料101に含まれる炭素繊維の分布(分散)が同定され得る。付言すると、配向同定装置100は、炭素繊維の分布を同定する分布同定装置としても機能し得る。さらに、配向同定装置100は炭素繊維の分布の他に、炭素繊維の繊維径(例えば平均繊維径)や繊維長(例えば平均繊維長、横長比)など、炭素繊維の寸法を同定する装置としても機能し得る。
また、上記の説明においては、算出結果表示部24が、配向方向および分散の算出結果を表示手段(不図示)に表示(出力)することを説明したがこれに限定されない。例えば、配向方向および分散の算出結果を、他装置に送信する態様や、自装置で保存する態様であってもよい。
また、配向方向および分散の算出結果を算出する過程で得られる、熱拡散率についての情報を、配向方向および分散の算出結果とともに、表示、送信、記憶する態様であってもよい。あるいは、配向方向および分散の算出結果のいずれか一方に関する情報を、表示、送信、記憶する態様であってもよい。
また、上記の説明においては、配向角、配向強度、積層角を出力することを説明したが、配向性を示す情報としては、これに限定されない。例えば、配向角、配向強度、積層角を直接示さずに、得られた配向角、配向強度、積層角を、各々の閾値と比較して、各閾値を超えた場合に、配向角、配向強度、積層角のいずれが閾値を超えたことを示す情報を出力する態様であってもよい。また、熱拡散率分布を示す情報を例えばグラフなどにより出力してもよい。
また、配向方向および配向強度を出力する過程としてフィッティングを行うことを説明した。この手法は特に限定されない。例えば、熱拡散率角度分布に最小二乗法を用いる手法、楕円分布を無次元化した熱拡散率分布に対して、最小二乗法を用いてフィッティングする楕円近似、他の密度関数などによりフィッティングを行うことができる。
また、上記の説明においては、ダイオードレーザ10により測定試料1の表面を加熱し、赤外線サーモグラフィ17によって測定試料1の裏面を測定することを説明したが、これに限定されない。例えば、ダイオードレーザ10による測定試料1の加熱と、赤外線サーモグラフィ17による測定試料1の測定を、同一の面で行う態様であってもよい。なお、上記実施の形態のように、ダイオードレーザ10による加熱と、赤外線サーモグラフィ17による測定とを互いに異なる面で測定する場合は、同一面で測定する場合と比較して、熱反射の影響を抑制し得る。
また、ダイオードレーザ10により実行される測定試料1の加熱は、レーザに限定されない。測定試料1を局所的に加熱することが可能であれば、誘導加熱や抵抗加熱など他の加熱方法を用いてもよい。
また、上記の説明においては、測定試料101などとして、炭素繊維強化樹脂を用いることを説明したが、これに限定されない。すなわち、互いに熱伝導率が異なる複数の種類の材料から構成される試料であればよい。また、上記では、強化材として炭素繊維を用いることを説明したが、炭素繊維は、一方向に長い形状であればよく、長尺状、長方形状、円柱状、多角形状、長楕円球状などであってもよい。
さらに、上記のように配向同定装置100を分布同定装置としても機能させる場合には、強化材の形状は、一方向に長い形状以外の形状であってもよい。例えば、粒子状、球状、ペレット状など他の形状であってもよい。
さて、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例同士を組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
1…測定試料、10…ダイオードレーザ、17…赤外線サーモグラフィ、20…コンピュータ、21…位相遅れ分布測定部、22…熱拡散率分布算出部、23…配向性算出部、24…算出結果表示部

Claims (14)

  1. 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
    前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、
    前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する出力部と
    を備える配向状態特定装置。
  2. 前記加熱部は、前記試料に対して、周期的に光を照射することで当該試料を加熱することを特徴とする請求項1記載の配向状態特定装置。
  3. 前記取得部は、前記検出部によって検出された温度分布に基づいて前記試料における熱拡散率分布を算出し、当該熱拡散率分布における標準偏差を用いて前記検出配向強度を取得することを特徴とする請求項1または2記載の配向状態特定装置。
  4. 前記基準配向強度は、前記繊維の軸方向熱拡散率と断面方向熱拡散率との比に応じて変化することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の配向状態特定装置。
  5. 前記試料は、前記繊維が交差して設けられたクロスプライ積層体であり、
    前記出力部は、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記クロスプライ積層体における前記繊維の交差角を当該繊維の配向強度に関する情報として出力する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の配向状態特定装置。
  6. 前記算出部は、前記加熱部が前記基準材に対して周期的に光を照射し加熱された領域の他の温度分布を前記検出部によって検出し、当該他の温度分布に基づいて取得する前記繊維の配向強度を前記基準配向強度とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の配向状態特定装置。
  7. 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
    前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
    強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する他の取得部と、
    前記他の取得部により取得される前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する補正部と
    を備える配向状態特定装置。
  8. 強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
    前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
    前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、
    前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する出力部と
    を備える配向状態特定装置。
  9. 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、
    前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
    前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
    前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、
    前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力するステップと
    を含む配向状態特定方法。
  10. 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、
    前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
    前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
    強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得するステップと、
    前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正するステップと
    を含む配向状態特定方法。
  11. 強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱するステップと、
    前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
    前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
    前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、
    前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力するステップと
    を含む配向状態特定方法。
  12. コンピュータに
    強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
    前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、
    前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する機能と
    を実行させるプログラム。
  13. コンピュータに
    強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
    強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する機能と、
    前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する機能と
    を実行させるプログラム。
  14. コンピュータに、
    強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
    前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、
    前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する機能と
    を実行させるプログラム。
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