JP2019049417A - 配向状態特定装置、配向状態特定方法およびプログラム - Google Patents
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Description
ここで前記加熱部は、前記試料に対して、周期的に光を照射することで当該試料を加熱するとよい。
また、前記取得部は、前記検出部によって検出された温度分布に基づいて前記試料における熱拡散率分布を算出し、当該熱拡散率分布における標準偏差を用いて前記検出配向強度を取得するとよい。
また、前記基準配向強度は、前記繊維の軸方向熱拡散率と断面方向熱拡散率との比に応じて変化するとよい。
また、前記試料は、前記繊維が交差して設けられたクロスプライ積層体であり、前記出力部は、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記クロスプライ積層体における当該繊維の交差角を当該繊維の配向強度に関する情報として出力するとよい。
また、前記算出部は、前記加熱部が前記基準材に対して周期的に光を照射し加熱された領域の他の温度分布を前記検出部によって検出し、当該他の温度分布に基づいて取得する前記繊維の配向強度を前記基準配向強度とするとよい。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する出力部とを備える配向状態特定装置である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出するステップと、前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得するステップと、前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正するステップとを含む配向状態特定方法である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱するステップと、前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力するステップとを含む配向状態特定方法である。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、コンピュータに強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する機能と、前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する機能とを実行させるプログラムである。
他の観点から捉えると、本明細書に開示される技術は、コンピュータに、強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する機能とを実行させるプログラムである。
<配向同定装置100の構成>
まず、図1を参照して、本実施の形態が適用される配向同定装置100の構成を説明する。ここで、図1は、本実施の形態に係る配向同定装置100を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施の形態が適用される配向同定装置100は、板状に形成された測定試料1を支持するホルダ2と、参照光を出力する発光ダイオード3と、測定試料1の一方の面(表面)を撮像するCCD撮像素子4と、一方向に延びるレール5と、このレール5に設けられホルダ2を支持する第1XYZステージ6と、レール5に設けられ発光ダイオード3およびCCD撮像素子4を支持する第2XYZステージ7とを備える。
この赤外線サーモグラフィ17には、周期的信号発生器30より周期的信号が入力される。また、赤外線サーモグラフィ17で測定された温度のデータ(温度分布データ)は、周期的信号とともにコンピュータ20へと出力される。
次に、図2を参照して、本実施の形態が適用されるコンピュータ20の機能構成を説明する。ここで、図2は、コンピュータ20の機能構成図である。
図2に示すように、本実施の形態が適用されるコンピュータ20は、赤外線サーモグラフィ17(図1参照)から入力される温度分布データおよび周期的信号に基づいて位相遅れ分布を測定する位相遅れ分布測定部21と、測定された位相遅れに基づいて熱拡散率分布を算出する熱拡散率分布算出部22と、算出された熱拡散率分布に基づいて測定試料1(図1参照)の配向性(後述)を算出する配向性算出部23(取得部、他の取得部、算出部、補正部の一例)と、熱拡散率分布および配向性の算出結果を表示する算出結果表示部24(出力部の一例)とを備える。なお、詳細は後述するが、配向性算出部23が、配向方向および配向強度を算出するとともに、配向強度の補正を実行する。
次に、本実施の形態における測定方法の原理を説明する。以下の説明では、炭素繊維強化樹脂を測定試料1として用いる例で説明する。そして、上記のように繊維の配向方向に高い熱拡散率を示し、繊維の配向方向と直交する方向に低い熱拡散率を示すという炭素繊維強化樹脂の特性を用いて、3次元熱拡散率分布から、測定領域の繊維配向分布を同定する。
図示の例においては、測定試料1の表面に対して、一定の周波数の加熱光(レーザ光)を照射し、測定試料1の裏面側から赤外線サーモグラフィ17により測定する。付言すると、ここでは、位相遅れの距離依存性を検知する。
さて、加熱光により照射される領域を点熱源とすると、この点熱源から距離が離れた位置での交流温度Tacは、以下に示す式(1)で表わされる。
T0・・・定数(Km)
f・・・加熱周波数(Hz)
t・・・時間(s)
r・・・距離(m)
f1・・・加熱周波数(一定)(Hz)
D・・・熱拡散率(mm2/s)
ここでは、厚みdが一定の測定試料1に照射させる加熱光の周波数を変化させながら測定する。付言すると、ここでは位相遅れの周波数依存性を検知する。
d・・・測定対象物の厚み(一定)(mm)
また、本実施の形態においては、得られた熱拡散率角度分布に基づいて、繊維配向分布の期待値と標準偏差とを算出する。さらに説明をすると、得られた熱拡散率角度分布に基づいて得られる繊維配向分布密度関数(Fiber Orientation Distribution Density Function)により、繊維配向分布の期待値と標準偏差とを算出する。なお、上記のように繊維の配向状態は、配向方向および配向強度により示されるが、それぞれが繊維配向分布の期待値と標準偏差とに相当するものとして解析する。
n・・・ピークの数
θi、θi+1・・・ピークとピークの境界角度
Pi・・・第1フィッティングパラメータ
Qi・・・第2フィッティングパラメータ
ξi・・・分布サイズを決定するパラメータ(無次元数)
次に、図1および図6を参照して、本実施の形態における配向同定装置100の動作を説明する。図6は、配向同定装置100(図1参照)の動作を説明するフローチャートである。
そして、赤外線サーモグラフィ17により測定される温度分布により、位相遅れ分布測定部21が位相遅れ分布を測定する(ステップ602)。
そして、この測定された位相遅れ分布に基づき、熱拡散率分布算出部22が熱拡散率角度分布を算出する(ステップ603)。
そして、配向性算出部23が、配向強度の補正を実行する(ステップ605)。
そして、算出結果表示部24が、配向方向および分散の算出結果を液晶ディスプレイなどの表示手段(不図示)に表示する(ステップ606)。
図7(a)および(b)は、一方向材の測定結果を示す図である。より具体的には、図7(a)は一方向材の正規化後熱拡散率角度分布を示す図であり、図7(b)は図7(a)に示す正規化後熱拡散率角度分布に基づき得られたフィッティングパラメータを示す図である。
次に、図7(a)および(b)を参照して、一方向材の測定試料101を用いた測定結果を説明する。
図8(a)および(b)は、熱拡散のばらつきの算出を説明する図である。より具体的には、図8(a)は熱拡散のばらつきを算出する際の計算条件を示す図であり、図8(b)は熱拡散率異方比と標準偏差との関係を示す図である。
図9(a)乃至(d)は、積層角が異なる測定試料201、221、241、261を示す図である。図10は、測定試料201、221、241、261の熱拡散率角度分布を示す。図11は、測定試料201、221、241、261の標準偏差を示す。
さて、測定試料221などの熱拡散率角度分布から得られた標準偏差4σを用いて、測定試料221の積層角を特定してもよい。例えば、積層角が既知の第1測定試料と、積層角が未知の第2測定試料とにおいて、それぞれの熱拡散率角度分布から標準偏差4σを出力する。そして、出力された標準偏差4σの差と、第1測定試料における既知の積層角とから、第2測定試料の積層角を特定する。すなわち、積層角が既知の第1測定試料の標準偏差4σを補正値として用いて、第2測定試料の積層角(交差角)を特定する。
図12に示すように、コンピュータ20は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)25と、記憶手段であるメインメモリ26およびHDD(Hard Disk Drive)27とを備える。ここで、CPU25は、OS(Operating System)やアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ26は、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域である。HDD27は、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。そして、コンピュータ20が備えるこれらの構成部材により、上記図2などで説明した各機能構成が実行される。
上記の説明においては、測定試料101の1箇所で測定を行うことを説明したが、測定試料101の面内における複数箇所で測定を行ってもよい。測定試料101の面内の複数箇所で測定することにより、熱伝導異方性分布が同定され得る。また、測定試料101の配向性の分布、あるいは測定試料101に含まれる炭素繊維の分布(分散)が同定され得る。付言すると、配向同定装置100は、炭素繊維の分布を同定する分布同定装置としても機能し得る。さらに、配向同定装置100は炭素繊維の分布の他に、炭素繊維の繊維径(例えば平均繊維径)や繊維長(例えば平均繊維長、横長比)など、炭素繊維の寸法を同定する装置としても機能し得る。
また、配向方向および分散の算出結果を算出する過程で得られる、熱拡散率についての情報を、配向方向および分散の算出結果とともに、表示、送信、記憶する態様であってもよい。あるいは、配向方向および分散の算出結果のいずれか一方に関する情報を、表示、送信、記憶する態様であってもよい。
さらに、上記のように配向同定装置100を分布同定装置としても機能させる場合には、強化材の形状は、一方向に長い形状以外の形状であってもよい。例えば、粒子状、球状、ペレット状など他の形状であってもよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
Claims (14)
- 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、
前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する出力部と
を備える配向状態特定装置。 - 前記加熱部は、前記試料に対して、周期的に光を照射することで当該試料を加熱することを特徴とする請求項1記載の配向状態特定装置。
- 前記取得部は、前記検出部によって検出された温度分布に基づいて前記試料における熱拡散率分布を算出し、当該熱拡散率分布における標準偏差を用いて前記検出配向強度を取得することを特徴とする請求項1または2記載の配向状態特定装置。
- 前記基準配向強度は、前記繊維の軸方向熱拡散率と断面方向熱拡散率との比に応じて変化することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の配向状態特定装置。
- 前記試料は、前記繊維が交差して設けられたクロスプライ積層体であり、
前記出力部は、前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記クロスプライ積層体における前記繊維の交差角を当該繊維の配向強度に関する情報として出力する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の配向状態特定装置。 - 前記算出部は、前記加熱部が前記基準材に対して周期的に光を照射し加熱された領域の他の温度分布を前記検出部によって検出し、当該他の温度分布に基づいて取得する前記繊維の配向強度を前記基準配向強度とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の配向状態特定装置。
- 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する他の取得部と、
前記他の取得部により取得される前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する補正部と
を備える配向状態特定装置。 - 強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱する加熱部と、
前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出する検出部と、
前記検出部によって検出された前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する算出部と、
前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する出力部と
を備える配向状態特定装置。 - 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、
前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、
前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力するステップと
を含む配向状態特定方法。 - 強化材として繊維を含む複合材料からなる試料を加熱するステップと、
前記試料において前記加熱部によって加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得するステップと、
前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正するステップと
を含む配向状態特定方法。 - 強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料を加熱するステップと、
前記試料において加熱された領域の温度分布を検出するステップと、
前記温度分布に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度である検出配向強度を取得するステップと、
前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出するステップと、
前記算出部により算出される前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力するステップと
を含む配向状態特定方法。 - コンピュータに
強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
前記検出配向強度と、一方向に揃えられた前記繊維を強化材として含む他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、
前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の配向強度に関する情報を出力する機能と
を実行させるプログラム。 - コンピュータに
強化材として繊維を含む複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
強化材として含む前記繊維の配向が前記複合材料と異なる他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度を取得する機能と、
前記基準配向強度に基づいて、前記検出配向強度を補正する機能と
を実行させるプログラム。 - コンピュータに、
強化材である繊維が交差して設けられた複合材料からなる試料において加熱された領域の温度分布に基づいて、当該試料における当該繊維の配向強度である検出配向強度を取得する機能と、
前記検出配向強度と、強化材である前記繊維の交差角が既知の他の複合材料からなる基準材における当該繊維の配向強度である基準配向強度との差を算出する機能と、
前記差に基づいて、前記試料における前記繊維の交差角に関する情報を出力する機能と
を実行させるプログラム。
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