JP2022093509A - X線撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】少数の画像再構成による二次元画像から、短時間に、検査対象物の構造を大きな面積で一度に検証でき、かつ、回転機構を用いずに大型の検査対象物にも対応できるようにする。【解決手段】X線タルボ撮影装置1によって撮影された検査対象物の再構成画像を基に、当該検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標を推定するためのX線撮影システムであって、制御部21と、モアレ画像Moに基づいて生成された再構成画像における信号強度に係る情報と、検査対象物を構成する材料の品質情報と、材料の名前若しくは種類ごとの相関を表す第一データベース23aと、を備えており、制御部21は、入力される材料の名前若しくは種類に関する情報及び形体情報と、第一データベース23aとに基づいて、再構成画像から、検査対象物の注目箇所における品質情報を評価指標として推定する。【選択図】図4

Description

本発明は、X線撮影システムに関する。
近年、例えば宇宙・航空機関係、自動車、船舶、つり竿の他、電気・電子・家電部品、パラボラアンテナ、浴槽、床材、屋根材等を始め、様々な製品等の各種構成部材として複合素材(複合材料とも言う。)が用いられている。このような複合素材としては、例えば炭素繊維やガラス繊維を強化繊維として用いたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、CFRTP(炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)に代表されるFRP(繊維強化プラスチック)や、セラミックス繊維を強化材とするCMC(セラミック基複合材料)等が知られている。
このような複合素材においては、材質そのものだけでなく、材料の微細な内部構造が部材の機械的な性質に大きな影響を及ぼす。例えばCFRPであれば、炭素繊維の織り方や配向により三次元的な構造を持っており、機械的な強度についても繊維配向性や繊維の密度、欠陥の多寡により、大きな影響を受けることになる。そのため、複合素材又は複合素材が用いられた各種構成部材を検査したり、評価したりする方法が種々開示されている。
特許文献1においては、ナイロン系樹脂などの樹脂部材によって構成された中空容器であるライナーの外周に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂が含浸された繊維束が巻回されたタンクについて、繊維の配向度合いを定量的に検査する方法について開示されている。
また、特許文献2においては、無機繊維からなる保持シール材の面圧を推定する方法として、当該保持シールの厚さ方向における繊維配向度指数を測定し、繊維配向度指数が所定値以下の場合に保持シール材を良品と判定することが開示されている。
特開2015-124846号公報 特開2016-108683号公報
ところで、複合素材における微細な構造を把握するには、コンピューター断層撮影(いわゆるCT:Computed Tomography)などの三次元的な画像再構成手段により、内部構造
を把握する必要がある。ところが、CTにより三次元画像を再構成するためには、大量の二次元画像を撮影したり、複雑な再構成処理を行ったりする必要があるため、検査に時間がかかるという問題がある。しかも、ワークを三次元的に回転させる必要があるため、大型な部品や大きな材料などは検査することがそもそも現実的に難しい場合がある。また、分解能を確保しようとすると、画像の拡大率を大きく確保する必要があり、一度に検査可能な面積が非常に小さくなる。
本発明の課題は、少数の画像再構成による二次元画像から、短時間に、検査対象物の構造を大きな面積で一度に検証でき、かつ、回転機構を用いずに大型の検査対象物にも対応できるようにすることである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、X線タルボ撮影装置によって撮影
された検査対象物の再構成画像を基に、当該検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標を推定するためのX線撮影システムであって、
前記X線タルボ撮影装置は、X線源と、複数の格子と、X線検出器とがX線照射軸方向に並んで設けられ、前記X線源から被写体である前記検査対象物及び前記複数の格子を介して前記X線検出器にX線を照射して前記検査対象物の再構成画像の生成に必要なモアレ画像を取得するものであり、
制御部と、
前記モアレ画像に基づいて生成された前記再構成画像における信号強度に係る情報と、前記検査対象物を構成する材料の品質情報との、材料の名前若しくは種類ごとの相関を表す第一データベースを備えており、
前記制御部は、入力される前記材料の名前若しくは種類に関する情報及び形体情報と、前記第一データベースとに基づいて、前記再構成画像から、前記検査対象物の注目箇所における品質情報を前記評価指標として推定することを特徴とする。
本発明によれば、少数の画像再構成による二次元画像から、短時間に、検査対象物の構造を大きな面積で一度に検証でき、かつ、回転機構を用いずに大型の検査対象物にも対応できる。
X線タルボ撮影装置及び被写体収納部の全体像を表す概略図である。 タルボ干渉計の原理を説明する図である。 線源格子や第1格子、第2格子の概略平面図である。 X線撮影システムの概略構成を表すブロック図である。 検査対象物の良否判定を行うための手法を説明するための概念図である。 複合素材のクラック密度を推定するための手法を説明するための図である。 繊維配向比率の面内分布表示及び強調表示を説明するための図である。 良否判定処理のフローチャートである。 機械学習のフローチャートである。 機械学習機能を用いた場合の良否判定処理のフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態および図示例に限定するものではない。
本実施形態では、X線タルボ撮影装置1によって撮影された被写体Hである検査対象物の再構成画像を基に、当該検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標を推定するためのX線撮影システムについて説明する。
評価指標の推定を始めとする各種処理は、X線タルボ撮影装置1に接続された制御装置20によって行われる。
[被写体について]
本実施形態における被写体Hは、複合素材(複合材料とも言う。)によって構成されており、例えば宇宙・航空機関係、自動車、船舶、つり竿の他、電気・電子・家電部品、パラボラアンテナ、浴槽、床材、屋根材等を始め、様々な製品等の構成部材として用いられるものである。
このような複合素材としては、例えば炭素繊維やガラス繊維を強化繊維として用いたCFRP(Carbon-Fiber-Reinforced Plastics:炭素繊維強化プラスチック)、CFRTP(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics:炭素繊維強化熱可塑性プラスチック)、
GFRP(Glass-Fiber-Reinforced Plastics:ガラス繊維強化プラスチック)に代表さ
れるFRP(Fiber-Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)や、セラミックス繊
維を強化材とするCMC(Ceramic Matrix Composites:セラミック基複合材料)等が知
られている。また、広義には、例えば合板のように複数種類の木材からなる複合素材が含まれるものとしてもよい。その他にも、例えば、MMC(Metal Matrix Composites:金
属基複合材料)コンクリート、鉄筋コンクリート等のように、繊維を含まずに構成された複合材料も含まれるものとしてもよい。
被写体Hである検査対象物を構成する材料(以上のような各複合素材を指す)は、その種類に応じて性質(機械強度)が異なり、種類ごとのデータがシステム内(後述する記憶部23)に記憶・蓄積されている。そのため、評価指標の推定を初めとする各種処理を実行する場合は、材料の名前(材料名)若しくは、その材料の分類に関する情報を特定する必要がある。
また、材料の形体情報も同様に、形体に応じて機械強度が異なり、形体ごとのデータがシステム内(後述する記憶部23)に記憶・蓄積されている。評価指標の推定を初めとする各種処理を実行する場合は、材料の形体情報を特定する必要がある。
なお、機械強度とは、例えば弾性率 、降伏強さ、塑性、引張強さ、伸び、破壊エネル
ギー、硬度等を指す。
また、形体情報としては、主として、厚み情報(厚み寸法)、CADデータ、三次元測定器による計測データ等の3D(三次元)データが挙げられる。その他の形体情報としては、例えば、材料における凹凸の位置、網状であるか、層状であるか等の情報が含まれていてもよい。
そして、評価指標の推定を初めとする各種処理を実行の際に材料の名前及び形体情報を特定する場合は、後述する入力部24からの入力か、後述する外部データ入力部25を通じた外部装置からの入力によって行われる。
[X線タルボ撮影装置について]
本実施形態においては、X線タルボ撮影装置1として、線源格子(マルチ格子やマルチスリット、G0格子等ともいう。)12を備えるタルボ・ロー干渉計を用いたものが採用されている。なお、線源格子12を備えず、第1格子(G1格子ともいう。)14と第2格子(G2格子ともいう。)15のみを備えるタルボ干渉計を用いたX線タルボ撮影装置を採用することもできる。
図1は、X線タルボ撮影装置1の全体像を表す概略図である。
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、X線発生装置11と、上記した線源格子12と、被写体台13と、上記した第1格子14と、上記した第2格子15と、X線検出器16と、支柱17と、基台部18と、を備えている。
このようなX線タルボ撮影装置1によれば、被写体台13に対して所定位置にある被写体Hのモアレ画像Moを縞走査法の原理に基づく方法で撮影したり、モアレ画像Moをフーリエ変換法を用いて解析したりすることで、少なくとも3種類の画像(二次元画像)を再構成することができる(再構成画像という)。すなわち、モアレ画像Moにおけるモアレ縞の平均成分を画像化した吸収画像(通常のX線の吸収画像と同じ)と、モアレ縞の位相情報を画像化した微分位相画像と、モアレ縞のVisibility(鮮明度)を画像化した小角散乱画像の3種類の画像である。なお、これらの3種類の再構成画像を再合成する等してさらに多くの種類の画像を生成することもできる。
なお、縞走査法とは、複数の格子のうちのひとつを格子のスリット周期の1/M(Mは正の整数、吸収画像はM>2、微分位相画像と小角散乱画像はM>3)ずつスリット周期方向に移動させてM回撮影したモアレ画像Moを用いて再構成を行い、高精細の再構成画
像を得る方法である。
また、フーリエ変換法とは、被写体が存在する状態で、X線タルボ撮影装置でモアレ画像Moを1枚撮影し、画像処理において、そのモアレ画像Moをフーリエ変換する等して微分位相画像等の画像を再構成して生成する方法である。
ここで、まず、タルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計に共通する原理について、図2を用いて説明する。
なお、図2では、タルボ干渉計の場合が示されているが、タルボ・ロー干渉計の場合も基本的に同様に説明される。また、図2におけるz方向が図1のX線タルボ撮影装置1における鉛直方向に対応し、図2におけるx、y方向が図1のX線タルボ撮影装置1における水平方向(前後、左右方向)に対応する。
また、図3に示すように、第1格子14や第2格子15には(タルボ・ロー干渉計の場合は線源格子12にも)、X線の照射方向であるz方向と直交するx方向に、所定の周期dで複数のスリットSが配列されて形成されている。このようなスリットSの配列は一次元格子とされており、x方向及びy方向にスリットSが配列されて形成されたものは二次元格子とされている。
なお、本実施形態の線源格子12、第1格子14、第2格子15においては、一次元格子が採用されているが、繊維配向についての詳細な評価精度が不要な場合は二次元格子が採用されてもよい。
図2に示すように、X線源11aから照射されたX線(タルボ・ロー干渉計の場合はX線源11aから照射されたX線が線源格子12(図2では図示省略)で多光源化されたX線)が第1格子14を透過すると、透過したX線がz方向に一定の間隔で像を結ぶ。この像を自己像(格子像等ともいう。)といい、このように自己像がz方向に一定の間隔をおいて形成される現象をタルボ効果という。
すなわち、タルボ効果とは、図3に示すように一定の周期dでスリットSが設けられた第1格子14を可干渉性(コヒーレント)の光が透過すると、上記のように光の進行方向に一定の間隔でその自己像を結ぶ現象をいう。
そして、図2に示すように、第1格子14の自己像が像を結ぶ位置に、第1格子14と同様にスリットSが設けられた第2格子15を配置する。その際、第2格子15のスリットSの延在方向(すなわち図2ではx軸方向)が、第1格子14のスリットSの延在方向に対して略平行になるように配置すると、第2格子15上でモアレ画像Moが得られる。
なお、図2では、モアレ画像Moを第2格子15上に記載するとモアレ縞とスリットSとが混在する状態になって分かりにくくなるため、モアレ画像Moを第2格子15から離して記載している。しかし、実際には第2格子15上およびその下流側でモアレ画像Moが形成される。そして、このモアレ画像Moが、第2格子15の直下に配置されるX線検出器16で撮影される。
また、図1,図2に示すように、X線源11aと第1格子14との間に被写体Hが存在すると、被写体HによってX線の位相がずれるため、モアレ画像Moのモアレ縞が被写体Hの辺縁を境界に乱れる。一方、図示を省略するが、X線源11aと第1格子14との間に被写体Hが存在しなければ、モアレ縞のみのモアレ画像Moが現れる。以上がタルボ干渉計やタルボ・ロー干渉計の原理である。
この原理に基づいて、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1においても、例えば図1に示すように、第2のカバーユニット130内で、第1格子14の自己像が像を結ぶ位置に第2格子15が配置されるようになっている。また、前述したように、第2格子15とX線検出器16とを離すとモアレ画像Mo(図2参照)がぼやけるため、本実施形態では、X線検出器16は第2格子15の直下に配置されるようになっている。また、第2格子15をシンチレーターやアモルファスセレンなどの発光材料で構成し、第2格子15とX線検出器16とを一体化させてもよい。
なお、第2のカバーユニット130は、人や物が第1格子14や第2格子15、X線検出器16等にぶつかったり触れたりしないようにして、X線検出器16等を防護するために設けられている。
図示を省略するが、X線検出器16は、照射されたX線に応じて電気信号を生成する変換素子が二次元状(マトリクス状)に配置され、変換素子により生成された電気信号を画像信号として読み取るように構成されている。そして、本実施形態では、X線検出器16は、第2格子15上に形成されるX線の像である上記のモアレ画像Moを変換素子ごとの画像信号として撮影するようになっている。X線検出器16の画素サイズは10~300(μm)であり、さらに好ましくは50~200(μm)である。
X線検出器16としては、FPD(Flat Panel Detector)を用いることができる。F
PDには、検出されたX線を光電変換素子を介して電気信号に変換する間接変換型、検出されたX線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
間接変換型は、CsIやGd2O2S等のシンチレータプレートの下に、光電変換素子がTFT(薄膜トランジスタ)とともに2次元状に配置されて各画素を構成する。X線検出器16に入射したX線がシンチレータプレートに吸収されると、シンチレータプレートが発光する。この発光した光により、各光電変換素子に電荷が蓄積され、蓄積された電荷は画像信号として読み出される。
直接変換型は、アモルファスセレンの熱蒸着により、100~1000(μm)の膜圧
のアモルファスセレン膜がガラス上に形成され、2次元状に配置されたTFTのアレイ上にアモルファスセレン膜と電極が蒸着される。アモルファスセレン膜がX線を吸収するとき、電子正孔対の形で物質内に電圧が遊離され、電極間の電圧信号がTFTにより読み取られる。
なお、CCD(Charge Coupled Device)、X線カメラ等の撮影手段をX線検出器16
として用いてもよい。
本実施形態では、X線タルボ撮影装置1は、いわゆる縞走査法を用いてモアレ画像Moを複数枚撮影するようになっている。すなわち、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1では、第1格子14と第2格子15との相対位置を図1~図3におけるx軸方向(すなわちスリットSの延在方向(y軸方向)に直交する方向)にずらしながらモアレ画像Moを複数枚撮影する。
そして、X線タルボ撮影装置1から複数枚分のモアレ画像Moの画像信号を受信した画像処理装置2(図4参照)における画像処理で、複数枚のモアレ画像Moに基づいて、吸収画像や、微分位相画像や、小角散乱画像等を再構成(すなわち、画像再構成)するようになっている。
そのため、本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1は、縞走査法によりモアレ画像Moを複数枚撮影するために、第1格子14をx軸方向に所定量ずつ移動させることが可能となっている。なお、第1格子14を移動させる代わりに第2格子15を移動させたり、或いは両方とも移動させたりするように構成することも可能である。
また、X線タルボ撮影装置1で、第1格子14と第2格子15との相対位置を固定したままモアレ画像Moを1枚だけ撮影し、画像処理装置2における画像処理で、このモアレ画像Moをフーリエ変換法等を用いて解析する等して吸収画像や微分位相画像等を再構成するように構成することも可能である。
本実施形態に係るX線タルボ撮影装置1における他の部分の構成について説明する。本実施形態では、いわゆる縦型であり、X線発生装置11、線源格子12、被写体台13、第1格子14、第2格子15、X線検出器16が、この順序に重力方向であるz方向に配置されている。すなわち、本実施形態では、z方向が、X線発生装置11からのX線の照射方向ということになる。
X線発生装置11は、X線源11aとして、例えば医療現場で広く一般に用いられているクーリッジX線源や回転陽極X線源等を備えている。また、それ以外のX線源を用いることも可能である。本実施形態のX線発生装置11は、焦点からX線をコーンビーム状に照射するようになっている。つまり、図1に示すように、z方向と一致するX線照射軸Caを中心軸としてX線発生装置11から離れるほどX線が広がるように照射される(すなわち、X線照射範囲)。
そして、本実施形態では、X線発生装置11の下方に線源格子12が設けられている。その際、X線源11aの陽極の回転等により生じるX線発生装置11の振動が線源格子12に伝わらないようにするために、本実施形態では、線源格子12は、X線発生装置11には取り付けられず、支柱17に設けられた基台部18に取り付けられた固定部材12aに取り付けられている。
なお、本実施形態では、X線発生装置11の振動が支柱17等のX線タルボ撮影装置1の他の部分に伝播しないようにするために(あるいは伝播する振動をより小さくするために)、X線発生装置11と支柱17との間に緩衝部材17aが設けられている。
本実施形態では、上記の固定部材12aには、線源格子12のほか、線源格子12を透過したX線の線質を変えるためのろ過フィルター(付加フィルターともいう。)112や、照射されるX線の照射野を絞るための照射野絞り113、X線を照射する前にX線の代わりに可視光を被写体に照射して位置合わせを行うための照射野ランプ114等が取り付けられている。
なお、線源格子12とろ過フィルター112と照射野絞り113とは、必ずしもこの順番に設けられる必要はない。また、本実施形態では、線源格子12等の周囲には、それらを保護するための第1のカバーユニット120が配置されている。
また、コントローラー19(図1参照)は、本実施形態では、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory
)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターで構成されている。なお、コントローラー19を、本実施形態のような汎用のコンピューターではなく、専用の制御装置として構成することも可能である。また、コントローラー19には、図示はしないが、操作部を含む入力手段や出力手段、記憶手段、通信手段等の適宜の手段や装置が設けられている。
出力手段には、X線タルボ撮影装置1の各種操作を行うために必要な情報や、生成された再構成画像を表示する表示部(図示省略)が含まれている。
コントローラー19は、X線タルボ撮影装置1に対する全般的な制御を行うようになっている。すなわち、例えば、コントローラー19は、X線発生装置11に接続されており
、X線源11aに管電圧や管電流、照射時間等を設定することができるようになっている。また、例えば、コントローラー19が、X線検出器16と外部の画像処理装置2等との信号やデータの送受信を中継するように構成することも可能である。
つまり、本実施形態におけるコントローラー19は、被写体Hの再構成画像の生成に必要な複数のモアレ画像Mo(フーリエ変換法の場合は1枚のモアレ画像)を取得するための一連の撮影を行わせる制御部として機能している。
[制御装置について]
本実施形態においては、評価指標の推定を始めとする各種処理を実行する制御装置20として、汎用のコンピューター装置(制御PC)が採用されている。ただし、これに限られるものではなく、制御装置20の機能の一部をネットワーク上に設け、通信によりデータを授受することで各処理を実行できるようにしてもよい。
制御装置20は、図4に示すように、CPU21(Central Processing Unit)や、R
AM22(Random Access Memory)、記憶部23、入力部24、外部データ入力部25、表示部26、通信部27等を備えて構成されている。
CPU21は、記憶部23に記憶されているシステムプログラムや処理プログラム等の各種プログラムを読み出してRAM22に展開し、展開されたプログラムに従って、後述する評価指標の推定を始めとする各種処理を実行する。すなわち、当該CPU21が、X線撮影システム全体における制御部として機能することになる。
RAM22は、CPU21により実行制御される各種処理において、記憶部23から読み出されたCPU21で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメーター等を一時的に記憶するワークエリアとして機能する。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリー等により構成
される。記憶部23には、上記した各種プログラムが記憶されている他、後述する評価指標の推定を始めとする各種処理を実行するために必要な第一データベース23a及び第二データベース23bを有している。
第一データベース23aは、X線タルボ撮影装置1によって取得した被写体Hの再構成画像に係るデータベースである。
第二データベース23bは、被写体Hである検査対象物を構成する材料(複合素材)に係るデータベースである。
なお、これら第一データベース23a及び第二データベース23bは、制御装置20の記憶部23に記憶されるだけでなく、ネットワーク上に設けられていてもよい。
より詳細に説明すると、第一データベース23aは、材料ごとに異なる検査対象物の再構成画像における信号強度と、検査対象物を構成する材料の品質情報と、の相関を表すものである。
検査対象物の再構成画像における信号強度とは、再構成画像(小角散乱画像又は微分位相画像)の各画素における信号値の大小を指している。
検査対象物を構成する材料の品質情報とは、材料(すなわち、複合素材)の品質に係り、材料に生じたクラックの密度(クラック密度)、材料を構成する繊維の配向(繊維配向度)、材料を構成する繊維の密度(繊維密度)、材料の密度(材料密度)、材料に生じたボイドの密度(ボイド密度)、材料に生じた剥離の密度(剥離密度)、材料に生じた化学変化量、材料を覆うコーティングの被覆密度等の各種情報を指す。
また、品質情報には、検査対象物を構成する材料の厚み情報(厚み寸法)に比例して再構成画像における信号強度が変動する種類の品質情報として、クラック密度、材料密度、ボイド密度、剥離密度、化学変化量、被覆密度が含まれている。
第一データベース23aには、上記した各品質情報ごとに、また、検査対象物の構成材料ごとに、検査対象物の再構成画像における信号強度との相関を表す相関データが含まれている。このような相関データの具体例として、図6には、検査対象物の再構成画像における信号強度と、クラック密度等の材料の品質情報には相関関係が示されている。すなわち、検査対象物の再構成画像(タルボ画像)における信号密度(単位面積当たりの信号強度の積分値)が大きければクラック密度も高くなる。クラック密度以外の品質情報のうち、繊維配向度及び繊維密度を除く上記の品質情報についても、その相関データは、クラック密度の場合と同様に、信号強度の大小に応じたものとなる。
また、図6に示すように、検査対象物の再構成画像における信号強度と、クラック密度等の材料の品質情報との相関関係は、検査対象物を構成する材料の種類だけでなく、検査対象物の厚みに応じて異なる。そのため、評価指数の推定を行う場合は、検査対象物を構成する材料の厚み情報が必要となる。なお、このような、厚み情報に対応する信号強度と品質情報との相関関係に係るデータは記憶部23に記憶・蓄積されており、同種の材料で構成された他の検査対象物の良否判定を行う場合に、その蓄積データが使用される。
以下では、第一データベース23aに記憶されたデータベースの具体例として、検査対象物の再構成画像における信号強度と、検査対象物を構成する材料のクラック密度と、の相関を表すものを第一相関データ31と称する。また、図示はしないが、クラック密度、繊維配向度及び繊維密度を除く上記の品質情報(材料密度やボイド密度等)についても検査対象物の再構成画像における信号強度との相関データがあり、以下では、第一データベース23aにおける他の相関データと称する。
また、検査対象物の再構成画像における撮影時の検査対象物に対する格子配列方向の角度に応じた信号強度の変化と、検査対象物を構成する材料の繊維配向度と、の相関を表すものを第二相関データ32と称する。
さらに、検査対象物の再構成画像における信号強度と、検査対象物を構成する材料の繊維密度と、の相関を表すものを第三相関データ33と称する。
品質情報が繊維配向度及び/又は繊維密度である場合は、検査対象物が、当該検査対象物の強度を向上させる繊維を含んで構成されたものである。そして、X線タルボ撮影装置1は、検査対象物のモアレ画像を取得する場合に、検査対象物をX線照射軸Caの軸周りに回転させて撮影し、かつ、回転角度に対する信号強度を記憶する。
複数の格子12,14,15は一次元格子とされているか、もしくは、各格子12,14,15の形状に異方性を持たせる必要がある。そのため、第一データベース23aにおいて、再構成画像における信号強度に係る情報には、再構成画像における信号強度の変化の角度依存性に係る情報が含まれている。
第二データベース23bは、検査対象物を構成する材料(すなわち、複合素材)の品質情報と、当該品質情報に対応する機械強度に係る情報と、の相関を表すものである。なお、機械強度とは、材料に対して引張力等の負荷がかかった場合の材料の強さを指す。
材料の品質情報は、上記したクラック密度等の各種情報を指す。
クラックやボイド等のような材料に生じた各種症状や材料を構成する繊維の配向、繊維密度が、検査対象物を構成する材料に対して影響する。すなわち、クラック等の各種症状や繊維配向、繊維密度は、材料の機械強度と相関関係があり、第二データベース23bにおける、品質情報に対応する機械強度に係る情報とは、クラック等の各種症状の大小や繊維配向度、繊維密度に応じた材料の機械強度の強弱を指す。
以下では、第二データベース23bに記憶されたデータベースの具体例として、検査対象物を構成する材料のクラック密度と、検査対象物を構成する材料の機械強度と、の相関を表すものを第四相関データ34と称する。また、図示はしないが、クラック密度、繊維配向度及び繊維密度を除く上記の品質情報(材料密度やボイド密度等)についても検査対
象物を構成する材料の機械強度との相関データがあり、以下では、第二データベース23bにおける他の相関データと称する。
また、検査対象物を構成する材料の繊維配向度と、検査対象物を構成する材料の機械強度と、の相関を表すものを第五相関データ35と称する。
さらに、検査対象物を構成する材料の繊維密度と、検査対象物を構成する材料の機械強度と、の相関を表すものを第六相関データ36と称する。
入力部24は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成される。入力部24は、キーボードで押下操作されたキーの押下信号やマウスによる操作信号を、入力信号としてCPU21に出力する。CPU21は、入力部24からの操作信号に基づいて、各種処理を実行することができる。
また、入力部24からは、検査対象物を構成する材料(複合素材)の名前や形体情報、検査対象物に対して行われた各種試験の結果を表す試験データなどを入力することもできる。入力された情報は記憶部23に記憶され、CPU21によって、検査対象物の注目箇所における評価指標を推定したり、検査対象物の注目箇所における機械強度を推定したりする際に用いられる。すなわち、入力部24は、X線撮影システムにおける入力手段として機能する。
外部データ入力部25は、外部装置から取得したデータをX線撮影システムに入力するためのものであり、当該外部データ入力部25を通じて、外部装置から検査対象物を構成する材料(複合素材)の名前や形体情報、検査対象物に対して行われた各種試験の結果を表す試験データなどを入力することができる。
当該外部データ入力部25としては、例えば、外部装置との有線又は無線によるデータ送受信を可能とするUSB(Universal Serial Bus)ポートやBluetooth(登録商標)、外部装置に相当する記録媒体からデータを読み込むドライブなど、様々なものを採用することができる。すなわち、X線撮影システム外から、X線撮影システム内へのデータ入力を可能するものであればよく、このような外部データ入力部25は、X線撮影システムにおける入力手段として機能する。また、特に、外部データ入力部25を通じて入力されるデータは、板状部材の厚さなどを除き、手入力が困難なものである場合が多く、例えば材料の形体情報としてCADデータ等を採用することができる。
表示部26は、例えばCRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニターを備えて構成されている。表示部26は、CPU21から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。また、表示部26としてタッチパネルを採用する場合は、表示部26は、入力部24としての機能も併せ持つものとする。
また、この表示部26には、コントローラー19の表示部と同様に、生成された再構成画像を表示できる他、検査対象物の良否判定を行った結果を表示したり、良否判定の結果が不合格だった場合にNGとなった箇所を表示したりすることができる。
通信部27は、通信インターフェースを備えており、ネットワーク上の外部装置と通信する。なお、この通信部27は、上記した外部データ入力部25と共用されるものとしてもよい。
ネットワーク上の外部装置には、X線タルボ撮影装置1のコントローラー19が含まれており、通信部27を介して、コントローラー19と制御装置20とが通信可能に接続されている。
制御装置20(CPU21)は、以上の各種データベース31,32,33,34,335,36を用いて検査対象物の良否判定を行うための各種処理を行うが、その処理は、記憶部23に記憶されたプログラムに基づいて実行される。
記憶部23に記憶されたプログラムには、評価指標推定プログラム、画像生成プログラム、強調表示プログラム、材料強度推定プログラム、合否判定プログラム、不合格箇所表示プログラム、信号強度区別プログラム、検査対象範囲指定プログラム等が含まれている。
評価指標推定プログラムは、入力される材料の名前及び形体情報と、第一データベース23a(第一相関データ31、第二相関データ32、第三相関データ33)とに基づいて、検査対象物の注目箇所における評価指標を推定するためのプログラムである。CPU21が、この評価指標推定プログラムを実行することで、検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標(クラック密度や繊維配向度等の品質情報)を推定することができるようになっている。
なお、注目箇所とは、検査対象物のうち検査を特に行いたい箇所を指しており、放射線技師や検査員等のユーザーによって任意に選択されてもよいし、後述する検査対象範囲指定プログラムを実行することによって選択されてもよい。
また、検査が行われる注目箇所の範囲は、X線タルボ撮影装置1によって撮影可能な範囲(上記のX線照射範囲を指す。)によって規定される。
より具体的には、入力された材料の名前から検査対象物を構成する材料の種類が特定され、入力された材料の形体情報から検査対象物を構成する材料の厚み情報(又は3Dデータ)が特定される。
また、検査対象物の材料の良否判定を、上記クラック密度を以て行う場合は、第一データベース23aのうち第一相関データ31や、第一データベース23aにおける他の相関データが用いられる(ここでは、第一相関データ31を挙げて説明する。)
そして、被写体Hである検査対象物をX線タルボ撮影装置1によって実際に撮影して得られた再構成画像(小角散乱画像又は微分位相画像であり、ここでは小角散乱画像)から、その検査対象物のクラック密度が判明することになる。すなわち、図5、図6に示すように、タルボ画像(小角散乱画像)の信号密度が撮影により判明するので、そこからクラック密度を導き出すことができる。
信号密度は、図6に示すように、材料の厚みによって異なるので、特定された材料の厚み情報に応じて、クラック密度を導き出すことができるようになっている。つまり、材料の厚み情報に比例して再構成画像における信号強度が変動する。すなわち、上記のように、検査対象物の再構成画像における信号強度と、クラック密度等の材料の品質情報との相関関係は、材料の厚み情報に応じて異なる。
検査対象物を構成する材料の注目箇所における、厚み情報に応じたクラック密度が判明すれば、そのデータを、X線タルボ撮影装置1で撮影して得られた再構成画像から推定される検査対象物の評価指標として取り扱うことができる。すなわち、検査対象物を構成する材料の良否判定を行うための評価指標として用いることができる。
なお、上記のように、厚み情報に対応する信号強度と品質情報との相関関係に係るデータは記憶部23に記憶・蓄積されており、その蓄積データを検査対象物の良否判定を行う場合に使用することができるが、その蓄積データに含まれない厚み情報を持った新規の検査対象物の良否判定を行う場合がある。そのような場合、すなわち、新規の厚み情報の入力を受けた場合には、CPU21は、第一データベース23aに記憶されている材料の厚み情報を利用し、新規の厚み情報に対応する評価指標を推定する。
より具体的に説明すると、例えば図6に示すように、厚み情報が10mm、20mm、30mmとされた蓄積データが記憶部23に記憶され、その上で、新規の検査対象物の良否判定を行う場合には、記憶されている複数のデータ間の中間値を採用する。つまり、新規の検査対象物を構成する材料の厚み情報が15mmの場合は、厚み情報が10mmとされた蓄積データと、20mmとされた蓄積データとの間の数値が、評価指標の推定を行う
際に用いられる。このようにすれば、新規の厚み情報の入力を受けた場合であっても、得られた再構成画像から評価指標の推定を行うことができる。
一方、検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものであり、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合は、第一データベース23aのうち第二相関データ32及び/又は第三相関データ33が用いられる(第二相関データ32を挙げて説明する。)。
すなわち、CPU21が、入力される材料の名前及び形体情報と、第一データベース23aにおける第二相関データ32(及び/又は第三相関データ33)とに基づいて、評価指標推定プログラムを実行することで、検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標(繊維配向度や繊維密度)を推定することができるようになっている。
そして、被写体Hである検査対象物をX線タルボ撮影装置1によって実際に撮影して得られた再構成画像(小角散乱画像又は微分位相画像であり、ここでは小角散乱画像)から、その検査対象物の繊維配向度が判明することになる。第三相関データ33を用いて推定すれば繊維密度が判明し、第二相関データ32と第三相関データ33の双方を用いれば、評価指標として、繊維配向度と繊維密度の双方が判明することになる。
繊維配向度は、X線タルボ撮影装置1における各格子12,14,15が一次元格子とされていることによって判明する。すなわち、各格子12,14,15に異方性を持たせることにより、材料を構成する繊維の配向が判断できるようになっている。
より詳細に説明すると、X線タルボ撮影装置1は、検査対象物のモアレ画像を取得する場合に、検査対象物をX線照射軸Caの軸周りに回転させて撮影し、かつ、回転角度に対する信号強度を記憶する。そのため、第一データベースにおける第二相関データ32及び第三相関データ33において、再構成画像における信号強度に係る情報には、再構成画像における信号強度の変化の角度依存性に係る情報が含まれている。つまり、検査対象物をX線照射軸Caの軸周りに回転させた際の信号強度の変化がどれだけ撮影角度(軸周りの回転角度)に依存しているか、という情報が含まれている。
繊維の配向は一定ではないため、検査対象物の注目箇所の中でも、繊維の配向にはばらつきがあり、様々な角度に繊維が配向している。そのため、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合、X線タルボ撮影装置1による撮影は、複数の角度で撮影され、角度ごとの再構成画像を得ることができるようになっている。そして、CPU21は、図7に示すように、複数の角度で撮影されて得られた再構成画像を演算処理にて合成することにより、着目する複数の繊維配向度の比率における面内分布を抽出することができる。
図7の左側に示す画像1及び画像2は、検査対象物を異なる複数の角度で撮影して得られた再構成画像(小角散乱画像)であり、CPU21によって、両画像の差分を取ることによって、図7の中ほどに示す画像(A,B方向の繊維配向比率の面内分布)を生成することができる。すなわち、検査対象物を構成する繊維が、異なる複数の角度に配向していることを画像として示すことができる。
なお、記憶部23には、複数の角度で撮影して得られた再構成画像をデータとして演算(差分処理)し、面内分布表示画像を生成する画像生成プログラムが記憶されている。画像生成プログラムは、評価指標推定プログラムと連動しており、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合にCPU21によって実行される。
さらに、CPU21は、図7の右側に示す画像のように、予め設定された信号の振り分け基準に従い、再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、繊維配向度の比率が面内で変化する境界線を強調して抽出することができる。すなわち、図7の中央に示す繊維配向比率の面内分布を示す画像を、回転させて撮影した角度ごとに強調して表示することができる。より具体的には、図7の右側に示す画像においては、角度
Aの繊維が多い箇所と、角度Bの繊維が多い箇所とが色分けされて強調表示されている。また、双方の箇所の境界が更に他の色もしくは無色で強調表示されている。
信号の振り分け基準はユーザーによって予め設定されており、例えば、信号強度の数値が基準とされている。
なお、記憶部23には、信号の振り分け基準に従って、再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、繊維配向度の比率の面内における境界を強調して抽出する強調表示プログラムが記憶されている。強調表示プログラムは、画像生成プログラムと連動しており、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合にCPU21によって実行される。
なお、繊維配向度だけでなく、繊維密度も同様に、画像生成プログラムによって、複数の角度で撮影されて得られた再構成画像を演算処理にて合成することにより、繊維密度における面内分布を抽出することができる。さらに、強調表示プログラムによって、予め設定された信号の振り分け基準に従い、再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、繊維密度の面内における境界を強調して抽出することができる。
また、繊維の配向は、X線タルボ撮影装置1における各格子12,14,15が一次元格子とされていることによって判明するとしたが、二次元格子を用いた場合には、例えば撮影画像をフーリエ変換するなど、従来の手法を組み合わせることで繊維の配向を推定することができるが、縞走査を使った方法よりも、分解能は落ちる。
以上のような評価指標推定プログラムによって評価指数として推定された、クラック密度、繊維配向度、繊維密度等の品質情報は、検査対象物を構成する材料の良否判定を行う判定基準として用いられる。すなわち、例えば、検査対象物の注目箇所におけるクラック密度が推定できれば、当該検査対象物の注目箇所におけるクラックの多さが判明するため、検査対象物の良否判定を行うことが可能となる。また、繊維配向度や繊維密度が推定できれば、検査対象物の注目箇所におけるクラック密度、繊維配向度、繊維密度等の品質情報が推定できれば、それらが検査者の定めた基準値を満たすかどうかを判定することで、良否判定を行うことが可能となる。
なお、検査対象物の良否判定を行う場合は、良否判定のための、クラック密度や繊維配向度等の品質情報の基準値を検査者の使用目的に応じて任意に設定できるようにしておく。つまり、CPU21は、評価指数推定プログラムを実行して得られた品質情報を、その基準値に基づいて良否判定できるものとし、記憶部23には、そのためのプログラムやデータが記憶されているものとする。
続いて、材料強度推定プログラムは、入力される材料の名前及び形体情報と、第二データベース23b(第四相関データ34、第五相関データ35、第六相関データ36)とに基づいて、検査対象物の注目箇所における機械強度を推定するためのプログラムである。CPU21が、この材料強度推定プログラムを実行することで、検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標として材料の機械強度を推定することができるようになっている。
より具体的には、入力された材料の名前から検査対象物を構成する材料の種類が特定され、入力された材料の形体情報から検査対象物を構成する材料の厚み情報(又は3Dデータ)が特定される。
また、検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものでない場合、もしくは、繊維を含んでいても繊維配向度や繊維密度以外の品質情報(上記したクラック密度等。)を以て良否判定を行う場合は、第二データベース23bのうち第四相関データ34や、第二データベース23bにおける他の相関データが用いられる(ここでは、第四相関データ34を挙げて説明する。)。
そして、第二データベース23b(ここでは、第四相関データ34)は、検査対象物を構成する材料の品質情報(ここでは、クラック密度)と、当該品質情報に対応する機械強度に係る情報と、の相関を表すので、評価指標推定プログラムが実行されることによって導き出されたクラック密度から、このクラック密度に対応する機械強度が判明することになる。すなわち、X線タルボ撮影装置1によって実際に撮影された検査対象物を構成する材料の機械強度を導き出すことができる。結果的には、被写体Hである検査対象物をX線タルボ撮影装置1によって実際に撮影して得られた再構成画像(小角散乱画像又は微分位相画像であり、ここでは小角散乱画像)から、その検査対象物の機械強度が判明することになる。
一方、検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものであり、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合は、第二データベース23bのうち第五相関データ35及び/又は第六相関データ36が用いられる(第五相関データ35を挙げて説明する。)。
すなわち、CPU21が、入力される材料の名前及び形体情報と、第二データベース23bにおける第五相関データ35(及び/又は第六相関データ36)とに基づいて、材料強度推定プログラムを実行することで、検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標(繊維配向度や繊維密度に対応する機械強度)を推定することができるようになっている。第六相関データ36を用いて推定すれば繊維密度に対応する機械強度が判明し、第五相関データ35と第六相関データ36の双方を用いれば、評価指標として、繊維配向度と繊維密度の双方の組み合わせに対応する機械強度が判明することになる。
以上のように機械強度を導き出すことができれば、その機械強度が高いか低いかを判断できるので、品質情報のみを評価指標として検査対象物の良否判定を行う場合よりも、検査対象物の性能が直接的に判明するため、材料知識のないユーザーでも良否判定を行うことが可能となる利点がある。
続いて、合否判定プログラムは、ユーザーによって予め設定された機械強度の判定基準に基づいて、検査対象物を構成する材料の、機械強度における合否判定を自動で行うためのものである。
このような合否判定プログラムは、記憶部23に記憶されており、材料強度推定プログラムによって材料の機械強度が推定された後に、CPU21によって実行される。合否判定の結果、合格だった場合は、機械強度がどの程度であったかが、表示部26に定量的に表示される。
不合格だった場合は、機械強度がどの程度であったかが、表示部26に定量的に表示されると共に、不合格箇所表示プログラムによって、表示部26に表示された再構成画像上に不合格箇所を表示する(後述する。)。
なお、機械強度の判定基準は、検査対象物の種類やその部位によって適宜変更されるものとしてもよい。例えば検査対象物の種類が、航空用エンジンのタービンである場合と、建物の屋根材である場合とでは、たとえ同じ材料が用いられていても、機械強度の判定基準が異なることが考えられる。また、検査対象物の種類が航空用エンジンのタービンであっても、部位によって荷重が異なることが考えられるため、機械強度の判定基準が部位ごとに異なることは十分に考えられる。そのため、機械強度の判定基準は、検査対象物の種類やその部位によって適宜変更されるものとすることが望ましい。
また、検査対象物の良否判定を行うにあたり、各種製品の構成部材(部品)として判定するのか、材料を判定するのかによって、良否の基準が異なる場合があるため、図5(a)に示すように、「部品」と「材料」とで、判定基準が異なるように設定されている。
さらに、検査対象物の良否判定を行うにあたり、様々な種類の品質情報を組み合わせて判定を行う場合は、図5(b)に示すように、判定基準が多次元的に認識されるようにな
っている。
続いて、不合格箇所表示プログラムは、機械強度における合否判定の判定結果に基づいて、材料の不合格箇所を、再構成画像上に表示するためのものである。
このような不合格箇所表示プログラムは、記憶部23に記憶されており、合否判定プログラムによって機械強度における合否判定がなされ、不合格となった場合に、CPU21によって実行される。そして、不合格箇所は、表示部26に表示された再構成画像上に表示される。
また、不合格箇所を表示部26に表示された再構成画像上に表示する場合は、例えば、再構成画像上の不合格箇所の色を他の箇所とは異なるものとしたり、不合格箇所の輪郭を強調したり、矢印で指したり、円で囲んだりすることで、不合格箇所がどこかを容易に判別できるようにする。
なお、不合格箇所の表示は、制御装置20の表示部26に表示された再構成画像上だけでなく、X線タルボ撮影装置1におけるコントローラー19の表示部に表示された再構成画像上に表示されてもよいし、制御装置20と通信可能に接続された外部装置における表示部に表示された再構成画像上に表示されてもよい。
また、不合格箇所は、画像生成プログラムが実行されることによって再構成画像から生成された繊維配向度又は繊維密度の面内分布表示画像や、強調表示プログラムによって強調表示された画像の上に重ねて表示することも可能となっている。
続いて、信号強度区別プログラムは、再構成画像と、入力される材料の形体情報とに基づいて、検査対象物の品質情報に起因する信号強度と、検査対象物の形体に起因する信号強度と、を区別するためのものである。
このような信号強度区別プログラムは、記憶部23に記憶されており、評価指標推定プログラムによって検査対象物を構成する材料の品質情報が評価指標として推定された場合に、CPU21によって実行される。
より具体的に説明すると、微分位相画像や小角散乱画像の信号値は、撮影方向に対する検査対象物の面の角度に応じて大きくなる。また、一次元格子若しくは二次元格子においては、格子配列方向に垂直な方向の端面形状は信号値が大きくなる。このようなことを踏まえ、検査対象物の撮影前において、検査対象物を構成する材料の形体情報(例えばCADデータ)があれば、正常な状態での撮影画像がどのような状態になるかを概略として予想することが可能となる。そのため、撮影後においては、生成された再構成画像と、材料の形体情報から推測される正常状態の信号を比較することで、設計本来の意図した形状による信号の影響を判定から除外することができる。また、合格品の既知の撮影サンプルが使用できる場合は、合格品の撮影データにおいて、信号が出ている箇所を除外することもできる。
続いて、検査対象範囲指定プログラムは、各種製品の構成部材としての検査対象物自体又は当該検査対象物を構成する材料について、検査対象範囲(すなわち、注目箇所)を予め指定するためのものである。
このような検査対象範囲指定プログラムは、記憶部23に記憶されており、検査対象物の撮影前にCPU21によって実行される。指定された検査対象範囲に係る情報は、X線タルボ撮影装置1に送信され、送信された検査対象範囲に係る情報に基づいて撮影を行うことができるようになっている。
検査対象範囲は、例えば、欠陥が発生することが経験上予測される箇所や、強度不足が重大な問題を引き起こす箇所(例えば上記したような航空用エンジンのタービンにおける取付根元部分で使用中の応力が集中する箇所など)等であり、欠陥が発生しにくい箇所や強度不足が重大な問題を引き起こしにくい箇所は、撮影や検査を省略できるようにする。
次に、図8を参照して、以上のように構成されたX線撮影システムによる良否判定処理
の流れについて説明する。
まず、被写体Hである検査対象物を構成する材料(複合素材)を特定するために、入力部24又は外部データ入力部25から、材料の名前を入力する(ステップS1)。
材料の種類ごとのデータが記憶部23に記憶・蓄積されているため、入力データに基づいて、検査対象物を構成する材料の種類を特定することができる。
続いて、被写体Hである検査対象物を構成する材料の形体情報(厚み情報)を特定するために、入力部24又は外部データ入力部25から、材料の形体情報を入力する(ステップS2)。
材料の形体ごとのデータが記憶部23に記憶・蓄積されているため、入力データに基づいて、検査対象物を構成する材料の形体情報を特定することができる。
続いて、部材としての検査対象物自体又は当該検査対象物を構成する材料について、検査対象範囲(注目箇所)を指定する(ステップS3)。
検査対象範囲の指定は、ユーザーによって入力部24から任意に行われてもよいし、検査対象範囲指定プログラムを実行することによって行われてもよい。
続いて、X線タルボ撮影装置1によって、被写体Hである検査対象物における注目箇所の撮影を行い、モアレ画像Moを取得する(ステップS4)。
検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものであり、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報について、特に詳細な判定基準を設けて良否判定を行う場合は、撮影時、X線タルボ撮影装置1は、検査対象物をX線照射軸Caの軸周りに回転させて撮影し、かつ、被写体に対する撮影時の格子の、回転角度に対する信号強度を記憶するようにする。
続いて、画像処理装置2によって、X線タルボ撮影装置1によって撮影されたモアレ画像Moの画像信号を画像処理し、モアレ画像Moに基づいて、吸収画像や、微分位相画像や、小角散乱画像等の再構成画像を生成する(ステップS5)。
なお、複数の角度で撮影されて得られた再構成画像を演算処理にて合成することにより、着目する複数の繊維配向度の比率における面内分布及び/又は繊維密度の面内分布を抽出するステップと、ユーザーが設定した信号の振り分け基準に従い、再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、繊維配向度の比率及び/又は繊維密度の面内における境界を強調して抽出するステップと、をステップS5の後に挿入してもよい。
続いて、生成された再構成画像と、入力された材料の形体情報(CADデータ)に基づいて、検査対象物の品質情報に起因する信号強度若しくは合格であることが既知のサンプルを撮影した際の信号強度と、検査対象物の形体に起因する信号強度と、を区別する(ステップS6)。
X線タルボ撮影装置1による撮影後、再構成画像と、材料の形体情報から推測される正常状態の信号を比較することで、設計本来の意図した形状による信号の影響を判定から除外する。
続いて、ステップS1,S2で入力された材料の名前及び形体情報と、再構成画像における信号強度に係る情報と材料の品質情報との相関を表す第一データベース23aと、に基づいて、モアレ画像に基づいて生成された再構成画像から、検査対象物の注目箇所における品質情報を評価指標として推定する(ステップS7)。
検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものであり、繊維配向度及び/又は繊維密
度である品質情報を以て良否判定を行う場合は、第一データベース23aのうち第二相関データ32及び/又は第三相関データ33が用いられ、繊維配向度及び/又は繊維密度を評価指標として推定する。
続いて、ステップS1,S2で入力された材料の名前及び形体情報と、材料の品質情報と当該品質情報に対応する機械強度に係る情報との相関を表す第二データベース23bと、に基づいて、検査対象物の注目箇所における機械強度を評価指標として推定する(ステップS8)。
検査対象物の材料が繊維を含んで構成されたものであり、繊維配向度及び/又は繊維密度である品質情報を以て良否判定を行う場合は、第二データベース23bのうち第五相関データ35及び/又は第六相関データ36が用いられ、繊維配向度及び/又は繊維密度に基づいた機械強度を評価指標として推定する。
続いて、ユーザーによって予め設定された機械強度の判定基準に基づいて、検査対象物を構成する材料の、機械強度における合否判定を行う(ステップS9)。
合否判定の結果、合格だった場合は、機械強度がどの程度であったかが、表示部26に表示される。合否判定の結果は、注目箇所ごとに判定した結果でもよいし、複数の注目箇所における合否判定の結果に基づいて導き出された検査対象物全体としての判定結果でもよい。
続いて、機械強度における合否判定の判定結果に基づいて、材料の不合格箇所を、再構成画像上に表示する(ステップS10)。
合否判定の結果、合格であれば検査対象物は良品とされる。以上のような流れで、検査対象物の良否判定を行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、X線タルボ撮影装置1は、X線源11aと、複数の格子12,14,15と、X線検出器16とがX線照射軸Ca方向に並んで設けられ、X線源11aから被写体Hである検査対象物及び複数の格子12,14,15を介してX線検出器16にX線を照射して検査対象物の再構成画像の生成に必要なモアレ画像Moを取得するものであり、制御部であるCPU21と、モアレ画像Moに基づいて生成された再構成画像における信号強度に係る情報と、検査対象物を構成する材料の品質情報と、の相関を表す第一データベース23a(第一相関データ31、第二相関データ32、第三相関データ33)と、を備えており、CPU21は、入力される材料の名前及び形体情報と、第一データベース23aとに基づいて、再構成画像から、検査対象物の注目箇所における品質情報(クラック密度、繊維配向度、繊維密度等)を評価指標として推定するので、少数の画像再構成による二次元画像から、短時間に検査対象物の構造全体を大きな面積範囲で一度に検証でき、かつ、回転機構を用いずに大型の検査対象物にも対応できる。
すなわち、材料の名前及び形体情報が入力されることによって検査対象物を構成する材料の種類と形体情報が特定され、モアレ画像Moに基づいて生成された再構成画像における信号強度に係る情報と、検査対象物を構成する材料の品質情報と、の相関を表す第一データベース23aに基づいて、再構成画像における信号強度に係る情報から、撮影された検査対象物の品質情報を導き出すことができる。そのため、例えばコンピューター断層撮影(いわゆるCT:Computed Tomography)などの三次元的な画像再構成手段を用いるこ
となく、少ないデータ量で短時間に検査対象物の大きな面積での検査を行うことが可能となる。さらに、コンピューター断層撮影のように、検査対象物を多方向に(三次元的に)回転させる必要がないので、検査対象物が大型であっても対応することができる。
また、材料の品質情報(クラック密度、繊維配向度、繊維密度等)と、当該品質情報に対応する機械強度に係る情報と、の相関を表す第二データベース23b(第四相関データ34、第五相関データ35、第六相関データ36)を備えており、CPU21は、材料の
名前及び形体情報と、第二データベース23bとに基づいて、検査対象物の注目箇所における機械強度を評価指標として推定するので、例えばコンピューター断層撮影などの三次元的な画像再構成手段を用い、時間をかけて詳細な構造解析を行うことなく、簡便に、検査対象物を構成する材料の機械強度を推定することができる。さらに、材料の品質情報と機械強度の双方を評価指標とすることができるので、評価指標としての精度を高めると同時に、材料に関する知識の浅い評価者でも良否判定を行うことができる。
また、CPU21は、ユーザーが設定した機械強度の判定基準に基づいて、材料の、機械強度における合否判定を自動で行うので、ユーザーの負担を減らすことができるとともに、判定基準に基づいて正確な判定を行うことができる。
さらに、CPU21は、機械強度における合否判定の判定結果に基づいて、材料の不合格箇所を、再構成画像上に表示するので、発生した不合格箇所の位置が判りやすく、不合格箇所の発生原因等を解析する際の効率が向上する。
また、CPU21は、複数の角度で撮影されて得られた再構成画像を演算処理にて合成することにより、着目する複数の繊維配向度の比率における面内分布及び/又は繊維密度の面内分布を抽出するので、二次元画像である再構成画像上の、繊維配向度及び/繊維密度の分布状態が判りやすくなる。
また、CPU21は、ユーザーが設定した信号の振り分け基準に従い、再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、繊維配向度の比率及び/又は繊維密度の面内における境界を強調して抽出するので、二次元画像である再構成画像上の、繊維配向度及び/繊維密度の分布状態がより一層判りやすくなる。
また、CPU21は、再構成画像と、入力される材料の形体情報とに基づいて、検査対象物の品質情報に起因する信号強度と、検査対象物の形体に起因する信号強度と、を区別するので、生成された再構成画像と、材料の形体情報から推測される正常状態の信号を比較することで、設計本来の意図した形状による信号の影響を判定から除外することができ、良否判定を行う際の精度を向上できる。
また、CPU21は、検査対象物自体又は当該検査対象物を構成する材料について、検査対象範囲(注目箇所)を予め指定するので、欠陥が発生しにくい箇所や強度不足が重大な問題を引き起こしにくい箇所は、撮影や検査を省略できる。そのため、検査対象物を構成する材料の検査に係る処理の高速化やデータの軽量化を図ることができる。
〔変形例〕
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。以下、変形例について説明する。以下に挙げる変形例は可能な限り組み合わせてもよい。
〔変形例1〕
本変形例における制御装置20は、機械学習機能を有している。そして、X線タルボ撮影装置1によって得られる再構成画像と、撮影後に検査対象物に対して実際に行われる各種試験によって得られる試験データと、検査対象物を構成する材料及び形体情報と、良否判定の結果を教師データとし、機械学習を行った良否判定AIにより、第一データベース23a及び第二データベース23bを用いずに検査対象物の良否判定を行う。
なお、記憶部23には、機械学習を行うための機械学習プログラムが記憶されており、機械学習プログラムは、機械学習を行う場合にCPU21によって実行される。
教師データを取得するにあたり、検査対象物は、X線タルボ撮影装置1による撮影後、
実際に外的な負荷が掛けられるような機械強度試験や、耐熱条件下や耐振条件下での機械強度試験が行われる。また、これらの試験は、計算機上で物性情報を元に仮想的に機械強度を評価する、強度シミュレーションで代用される場合もある。すなわち、図示しない機械強度試験装置や計算機による仮想試験環境が用いられて、検査対象物の機械強度試験又は強度シミュレーションが行われる。
そして、このような機械強度試験や強度シミュレーションの結果と、その良否判定の結果として、教師データを得ることができる。
図9を参照して、本変形例における機械学習の流れについて説明すると、まず、被写体Hである検査対象物を構成する材料(複合素材)を特定するために、入力部24又は外部データ入力部25から、材料の名前を入力する(ステップS11)。
続いて、被写体Hである検査対象物を構成する材料の形体情報(厚み情報)を特定するために、入力部24又は外部データ入力部25から、材料の形体情報を入力する(ステップS12)。
続いて、X線タルボ撮影装置1によって、被写体Hである検査対象物における注目箇所の撮影を行い、モアレ画像Moを取得する(ステップS13)。
続いて、画像処理装置2によって、X線タルボ撮影装置1によって撮影されたモアレ画像Moの画像信号を画像処理し、モアレ画像Moに基づいて、吸収画像や、微分位相画像や、小角散乱画像等の再構成画像を生成する(ステップS14)。
続いて、機械強度試験装置や計算機による仮想試験環境によって、検査対象物の機械強度試験又は強度シミュレーションを行う(ステップS15)。そして、その結果として、強度マップやシミュレーションの判定結果を取得する(ステップS16)。
続いて、機械強度に関して設定された判定基準を基に良否判定を行う(ステップS17)。続いて、ステップS18に進み、ここまでの処理の結果を教師データとし、機械学習の処理を実行する。
以上のような流れで、検査対象物の良否判定について、機械学習を行うことができる。
また、検査対象物の良否判定には、合否の結果の他に、強度の数値情報を含めることができる。機械学習の結果(学習パラメーター)は、図10に示す、機械学習結果を使った良否判定のプロセスにおいて、AIによる良否判定を行うための判定機(例えば、汎用のコンピューター装置からなる。)にインプットされる。
図10には、機械学習結果を使った良否判定の流れが示されている。ステップS11からステップS14までは、図9に示す機械学習の流れと同じく、検査対象の材料名もしくは種類の情報と形状情報を入力した後、注目箇所の撮影を行って得たモアレ画像Moを使い、微分位相画像や、小角散乱画像等の再構成画像を生成する(ステップS11~ステップS14)。
その後、機械学習を行ったAIによる良否判定(ステップS19)により、検査対象物の良否判定を行う。
本変形例によれば、制御装置20は、機械学習機能を有しており、X線タルボ撮影装置1によって得られる再構成画像と、撮影後に検査対象物に対して実際に行われる各種試験によって得られる試験データと、検査対象物を構成する材料の形体情報と、を機械学習機能によって結び付けて蓄積された教師データに基づき、第一データベース23a及び第二データベース23bを用いずに検査対象物の良否判定を行うので、機械学習機能により、再構成画像から信号強度を推定する精度を、使用するごとに改善していくことが可能とな
る。また、第一データベース23a及び第二データベース23bを照合することなく、検査を行うことができるので、検査を高速化することが可能となる。
〔変形例2〕
本変形例における制御装置20は、機械学習機能を有している。そして、複数種類の評価指標の組み合わせを機械学習機能によって結び付けて検査対象物の良否判定を行う。
複数種類の評価指標としては、クラック密度、材料密度、繊維配向度、繊維密度等の各種品質情報に対する、検査対象物に対して行われる上記(変形例1)のような各種試験の試験結果により判明した、それら評価指標に対する機械強度の関係に係る情報が挙げられる。
すなわち、良否判定を行うにあたって、クラック密度等の品質情報や機械強度だけでなく、その他の情報も加味されることになり、複合評価が可能となる。
図5(b)においては、クラック密度、繊維配向度に対する機械強度において良否判定を行う状態を示しているが、本変形例によれば、その他の情報を加味した場合、更に複雑化した多次元的な良否判定を行うことが可能となる。
さらに、複数種類の評価指標のうち単体評価で不合格があったとしても、その他の評価指標で合格であった場合には検査対象物として良品であるようにするなどして、判定に柔軟性を持たせ、これにより、歩留まりの改善を図ることも可能となる。
1 X線タルボ撮影装置
11 X線発生装置
11a X線源
112 ろ過フィルター
113 照射野絞り
114 照射野ランプ
12 線源格子
120 第1のカバーユニット
12a 固定部材
13 被写体台
130 第2のカバーユニット
14 第1格子
15 第2格子
16 X線検出器
17 支柱
17a 緩衝部材
18 基台部
19 コントローラー
2 画像処理装置
20 制御装置
21 CPU(制御部)
22 RAM
23 記憶部
23a 第一データベース
23b 第二データベース
24 入力部
25 外部データ入力部
26 表示部
27 通信部
31 第一相関データ
32 第二相関データ
33 第三相関データ
34 第四相関データ
35 第五相関データ
36 第六相関データ
H 被写体(検査対象物)
S スリット
d 周期
Mo モアレ画像
Ca 照射軸

Claims (12)

  1. X線タルボ撮影装置によって撮影された検査対象物の再構成画像を基に、当該検査対象物の良否判定を行う際に用いられる評価指標を推定するためのX線撮影システムであって、
    前記X線タルボ撮影装置は、X線源と、複数の格子と、X線検出器とがX線照射軸方向に並んで設けられ、前記X線源から被写体である前記検査対象物及び前記複数の格子を介して前記X線検出器にX線を照射して前記検査対象物の再構成画像の生成に必要なモアレ画像を取得するものであり、
    制御部と、
    前記モアレ画像に基づいて生成された前記再構成画像における信号強度に係る情報と、前記検査対象物を構成する材料の品質情報との、材料の名前若しくは種類ごとの相関を表す第一データベースを備えており、
    前記制御部は、入力される前記材料の名前若しくは種類に関する情報及び形体情報と、前記第一データベースとに基づいて、前記再構成画像から、前記検査対象物の注目箇所における品質情報を前記評価指標として推定することを特徴とするX線撮影システム。
  2. 前記材料の品質情報と、当該品質情報に対応する機械強度に係る情報との、材料の名前若しくは種類ごとの相関を表す第二データベースを備えており、
    前記制御部は、前記材料の名前若しくは種類に関する情報及び形体情報と、前記第二データベースとに基づいて、前記検査対象物の注目箇所における機械強度を前記評価指標として推定することを特徴とする請求項1に記載のX線撮影システム。
  3. 前記制御部は、
    ユーザーが設定した前記機械強度の判定基準に基づいて、前記材料の、前記機械強度における合否判定を自動で行い、
    前記機械強度における合否判定の判定結果に基づいて、前記材料の不合格箇所を、前記再構成画像上に表示することを特徴とする請求項2に記載のX線撮影システム。
  4. 前記材料の形体情報には、厚み情報とされており、
    前記材料の品質情報には、前記材料の厚み情報に比例して前記再構成画像における信号強度が変動する種類の品質情報が含まれており、
    前記第一データベースは、前記材料の厚み情報に対応しており、
    新規の厚み情報の入力を受けた場合に、前記制御部は、前記第一データベースに記憶されている前記材料の厚み情報を利用し、前記新規の厚み情報に対応する評価指標を推定することを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  5. 前記X線タルボ撮影装置は、前記検査対象物のモアレ画像を取得する場合に、前記検査対象物をX線照射軸の軸周りに回転させて撮影し、かつ、前記検査対象物に対する前記格子の、回転角度に対する信号強度を記憶するものであり、
    前記検査対象物は、当該検査対象物の強度を向上させる繊維を含んで構成され、
    前記第一データベースにおいて、前記再構成画像における信号強度に係る情報には、前記再構成画像における信号強度の変化の角度依存性に係る情報が含まれ、前記品質情報には、前記繊維の配向度及び/又は繊維密度に係る品質情報が含まれており、
    前記制御部は、前記検査対象物の注目箇所における評価指標として、前記検査対象物の注目箇所における繊維配向度及び繊維密度を推定することを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  6. 前記制御部は、複数の角度で撮影されて得られた前記再構成画像を演算処理にて合成することにより、着目する複数の前記繊維配向度の比率における面内分布及び/又は前記繊
    維密度の面内分布を抽出することを特徴とする請求項5に記載のX線撮影システム。
  7. 前記制御部は、ユーザーが設定した信号の振り分け基準に従い、前記再構成画像における信号強度の分布を簡素化して表示することにより、前記繊維配向度の比率及び/又は前記繊維密度の面内における傾向若しくは分布の境界を強調して抽出することを特徴とする請求項6に記載のX線撮影システム。
  8. 前記第二データベースにおいて、前記材料の品質情報には、前記繊維配向度及び/又は繊維密度に係る情報が含まれ、前記品質情報に対応する機械強度に係る情報には、前記繊維配向度及び/又は繊維密度に対応する機械強度に係る情報が含まれており、
    前記制御部は、前記検査対象物の注目箇所における機械強度として、前記繊維配向度及び/又は繊維密度に基づいた機械強度を推定することを特徴とする請求項2又は3を引用する請求項5~7のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  9. 前記制御部は、機械学習機能を有しており、
    前記制御部は、
    前記X線タルボ撮影装置によって得られる前記再構成画像と、撮影後に前記検査対象物に対して実際に行われる各種試験によって得られる試験データと、前記検査対象物を構成する材料の名前及び種類と、形体情報に対する良否判定結果と、
    前記再構成画像と前記試験データと前記材料の名前及び種類と前記形体情報に対する強度推定若しくは検証結果を教師データとし、前記機械学習機能によって結び付けることで、前記第一データベース及び前記第二データベースを用いずに前記検査対象物の良否判定若しくは強度の推定を行うことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  10. 前記制御部は、機械学習機能を有しており、複数種類の前記評価指標の組み合わせを前記機械学習機能によって結び付けて前記検査対象物の良否判定を行うことを特徴とする請求項2~8のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  11. 前記制御部は、前記再構成画像と、入力される前記材料の形体情報とに基づいて、前記検査対象物の前記品質情報に起因する信号強度と、前記検査対象物の形体に起因する信号強度と、を区別することを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
  12. 前記制御部は、前記検査対象物自体又は当該検査対象物を構成する材料について、検査対象範囲を予め指定することを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のX線撮影システム。
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