JP2017003251A - 火格子及び火格子の製造方法 - Google Patents

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武裕 岡
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元史 有原
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Wenyuan Zhang
文淵 張
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書営 田
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tai shan Wang
泰山 王
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Abstract

【課題】市販性のある材料、又は均一な肉厚を有して高い鋳造精度が得られるような単純な形状の部品で形成され得る火格子を提供する。【解決手段】焼却炉に使用される火格子であって、第1の合金鋼材と、前記第1の合金鋼材とは異なる第2の合金鋼材と、を有する。前記第1の合金鋼材は、前記第2の合金材料よりも高い耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有し、前記焼却炉の炉内に露出する炉内露出面の少なくとも一部を構成する。また、前記第1の合金鋼材からなる部品と前記第2の合金鋼材からなる部品とが、ボルト67で互いに連結される。【選択図】図3

Description

本発明は、火格子及び火格子の製造方法に関する。
従来、廃棄物の焼却処理に伴って発生した有害物質の無害化処理を行う廃棄物処理施設の焼却炉として、ストーカ式焼却炉が知られている。ストーカ式焼却炉は、焼却炉の幅方向横列に沿って並列に配置される固定火格子列と可動火格子列を有する。固定火格子列と可動火格子列は、焼却炉の長手方向(焼却処理対象物の移送方向)に沿って交互に階段状に配置される。
近年、廃棄物処理施設の多くは、ボイラとタービン発電機を付設することにより、焼却処理としての機能に加え、熱回収施設として発電を行う発電所の機能を有するようになってきている。発電所は長期に安定した電力供給を確保する必要があるので、焼却炉を停止することなく、安定して長期にわたり連続運転できることが求められている。さらに、経済性の観点から、運営管理費用等(消耗部品の交換費用、整備費用等)を最小限にすることも求められる。
廃棄物焼却炉内で使用される火格子は、1200℃程度の高温火炎、腐食性ガス、及び溶融塩等に曝される。火格子の高温腐食が進行すると、定期的に火格子を交換又は整備するために焼却炉を停止しなくてはならない。火格子の交換又は整備の周期を長期化するために、火格子の耐久性を改善する必要がある。さらに、火格子の交換又は整備を短期間で行う必要がある。
また、高温腐食部分以外であっても、火格子の摺動部分は、摩耗が進行することで使用限界に達し、交換又は整備が必要になる。
図5A及び図5Bは、このようなストーカ式焼却炉の従来の火格子を示す。図5Aは、従来の火格子の上面斜視図を示し、図5Bは従来の火格子の下面斜視図を示す。図5A及び図5Bに示すように、火格子9は、上壁部91と、上壁部91の前端に設けられる前壁92と、上壁部91の後端に設けられる後壁部93と、上壁部91の裏面側に設けられる凹部94と、複数のフィン95とを有する。火格子9は、耐熱鋳鉄又は耐熱鋳鋼等の材質から形成される鋳造品であり、全体として複雑な形状を有する。
図示の例では、3つのフィン95が、前壁部92と凹部94との間に設けられ、火格子9を補強する。上壁部91と複数のフィン95との間に画定される隙間(内部空間)は、燃焼空気が通過する通路を形成する。即ち、火格子9は略中空ブロック状に形成される。また、フィン95は、長手方向中間部よりも後壁93側に、突面部95aを有する。それぞれの突面部95aは、通孔95bを有する。これらの通孔95bにピン96が挿入される。
ストーカ式焼却炉の炉床は、炉の規模に応じて数百から数千の同一形状の火格子から構成される。火格子の複雑な形状を再現する必要があるため、従来、火格子は一般的に砂型鋳造法により製造されていた。
このような鋳造火格子の耐久性を改善する方法として、火格子の表面をNi基自溶合金溶射又は肉盛により改質することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、火格子を構成する耐熱鋳鋼に粒界腐食を抑制する元素(例えば、MoやNb)を添加する
ことも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
日本国特開2007−255814号公報 日本国特開2007−254842号公報
火格子は耐熱合金鋼から形成されることが一般的であり、その構造が複雑である。また、火格子は、焼却炉において多数使用されるので、大量に生産する必要がある。このため、火格子は従来鋳造法により製造されていた。しかしながら、耐熱合金鋼から形成される火格子を鋳造により製造する場合、寸法精度を保証するために高い鋳造技術が要求される。また、鋳造により製造される火格子は、多くの製造プロセスを経て製造されるので、製造コストがかかるという問題があった。
また、火格子の焼却炉内に露出する面(炉内露出面)は、1200℃程度の高温火炎、腐食性ガス、及び溶融塩等の高温腐食雰囲気に曝される。一方で、火格子の焼却炉内に露出しない面(炉内非露出面)は、一次燃焼空気により空冷されるので、通常300℃程度に維持され、最大でも450℃以下になるように管理される。したがって、火格子の炉内露出面のみが耐熱耐食性合金から形成されることが好ましい。しかしながら、火格子が鋳造により一体成型されると、高温腐食雰囲気に曝されない炉内非露出面も耐熱耐食性合金から形成されるので、不経済である。
また、鋳造は、製品全体の肉厚を可能な限り均等にすること、及び抜け勾配を設けることを必要とする。このため、鋳造品は製品強度に対して必要以上の肉厚を有する。したがって、火格子が鋳造により製造される場合、高価な材料を多く必要とするので、不経済である。
火格子が鋳造により製造される場合、粒界腐食抑制元素を含む高価な耐熱耐食性合金を母材とすることで火格子の耐久性を改善することも考えられる。しかしながら、耐久性の改善が不要な炉内非露出面までも母材合金と同一合金から形成せざるを得ない。また、火格子の一部が焼損して減肉しても、部分的に補修することができないので、火格子を1個単位で廃棄又は交換しなければならず、不経済であった。
火格子を一体成型で鋳造する場合、経済的な鋳造法として、一般的に木型模型による砂型鋳造が行われている。しかしながら、火格子の形状は複雑であり、且つ火格子の各部位の肉厚が不均一であるので、鋳放しの火格子が製品寸法精度を満たすことは困難である。このため、所望の寸法精度を達成するためには火格子を機械加工する必要があった。例えば、火格子幅150mmの火格子の設計要求精度は+0〜−0.3mmであるが、鋳造法の寸法精度は±0.5mm程度である。
火格子に一般的に用いられる高クロム低ニッケル耐熱鋳鋼(JIS SCH2 相当材)の曲げ強さ及び耐衝撃性は、一般構造用圧延鋼鋼材等と比較すると低い。このため、焼却炉運転中に廃棄物中の不燃物等が火格子間に噛み込まれて折損事故が発生したり、火格子を取付ける際に誤って破損したりする恐れがある。このため、火格子の取り扱いには十分注意する必要があった。
本発明は、従来技術の有する上記問題点に鑑み、市販性のある材料、又は均一な肉厚を有して高い鋳造精度が得られるような単純な形状の部品で形成され得る火格子を提供する
ことを課題とする。
また、本発明は、製品寸法精度の再現性に優れた火格子の製造方法を提供することを他の一つの課題とする。
また、本発明は、火格子の機械的強度を安定して確保することを他の一つの課題とする。
また、本発明は、部分的に交換又は補修をすることができ、点検整備を容易にする火格子を提供することを他の一つの課題とする。
本発明は、上記の課題のうち少なくとも一つを解決するためになされたものである。
本発明の一形態によれば、火格子が提供される。この火格子は、焼却炉に使用される火格子であって、第1の合金鋼材と、前記第1の合金鋼材とは異なる第2の合金鋼材と、を有する。
本発明の他の一形態によれば、上記火格子において、前記第1の合金鋼材は、前記第2の合金鋼材よりも高い耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する。
本発明の他の一形態によれば、上記火格子において、前記第1の合金鋼材は、前記焼却炉の炉内に露出する炉内露出面の少なくとも一部を構成する。
本発明の他の一形態によれば、上記火格子において、前記第1の合金鋼材からなる部品と前記第2の合金鋼材からなる部品とが、ボルトで互いに連結される。
本発明の他の一形態によれば、火格子の製造方法が提供される。この製造方法は、焼却炉に使用される火格子の製造方法であって、第1の合金鋼材からなる部品と前記第1の合金鋼材とは異なる第2の合金鋼材からなる部品とをボルトで連結する工程を有する。
上記火格子によれば、第1の合金鋼材及び/又は第2の合金鋼材を、市販性のある材料又は均一な肉厚を有して高い鋳造精度が得られるような単純な形状として形成することができる。
上記火格子によれば、例えば、炉内露出面を構成する火格子の部品を、耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する合金鋼材とすることができる。一方で、耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性の改善が不要な炉内非露出面を構成する火格子の部品を、機械的強度の高い一般構造用圧延鋼材とすることができる。また、火格子温度が高い主燃焼部を構成する火格子の部品を、ステンレス鋼板にすることもできる。したがって、上記火格子によれば、使用雰囲気に応じた経済的、耐久性に有利な部品で、部分的に構成することができる。
一般構造用圧延鋼板やステンレス鋼板等は、曲げ強度及び耐衝撃性が耐熱鋳鋼より優れている。上記火格子の第1の合金鋼材を鋳鋼とした場合であっても、第2の合金鋼材として一般構造用圧延鋼板やステンレス鋼板等を使用して、例えば補強リブを形成することができる。これにより、上記火格子は安定した機械的強度が得ることができ、鋳造火格子の欠点である折損事故を防止することができる。
上記火格子では構成部品がボルトで接合されるので、火格子の整備時に火格子の炉内露
出面を構成する部品と炉内非露出面を構成する部品とを簡単に分解することができる。したがって、焼損又は摩耗した炉内露出面を構成する部品を部分的に容易に交換又は補修することができ、整備時間の短縮、整備費用の削減が見込まれる。この結果、貴重な金属資源の再生利用も可能となり、資源の無駄な廃棄を回避できる。
火格子を組み付けるためのストーカフレームは、一般構造用圧延鋼材等の市販性のある材料から構成され、溶接により組み立てられるので、一般的な製缶工場で製造されている。製缶技術は、工業界で広く実績を有し且つ安定した技術である。製缶技術は、工作機械(旋盤、切断機、及びボール盤等)及び溶接設備が有れば、特殊な設備がなくとも部品を製造することができるという利点を有する。上記火格子をストーカフレームと共に同一の製缶工場で製造すれば大幅にコストを低減することができる。上記火格子の炉内露出面を市販性のある耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する材料で構成した場合、コスト低減率の試算では、購入価格ベースで20%から40%までコストを低減することができる。
また、第1の合金鋼材と第2の合金鋼材とをボルトで連結することで、上記火格子を製造することができる。このため、例えば溶接で接合するような場合に比べて、製品寸法精度の再現性に優れた火格子を提供することができる。
本実施形態に係る火格子が使用されるストーカ式焼却炉の炉床部分を示す全体図である。 本実施形態に係る火格子の上面側斜視図である。 本実施形態に係る火格子の下面側斜視図である。 本実施形態に係る火格子の構成部品を示す図である。 図1に示したストーカ式焼却炉の炉床部分における固定火格子及び可動火格子を示す概略拡大断面図である。 従来の火格子の上面斜視図である。 従来の火格子の下面斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する図面において、同一の又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1は、本実施形態に係る火格子が使用されるストーカ式焼却炉の炉床部分を示す全体図である。図示のように、ストーカ式焼却炉1は、全体として階段状の構造を有する炉床部11を備える。炉床部11は、多段のストーカ2が配列されて構成される。ストーカ2は、焼却処理対象物の移送方向に沿って、乾燥領域2a、第1燃焼領域2b、第2燃焼領域2c、及び後燃焼領域2dを有する。
炉床部11は、幅方向中央部に仕切り3を有する。図1に示す例では、ストーカ式焼却炉1に1つの仕切り3を設けて、ストーカ2を左右2列に分割している。しかしながら、これに限らずストーカ式焼却炉1に複数の仕切り3を幅方向に設けて、ストーカ2を左右3列、又は左右4列等に分割してもよい。
また、ストーカ式焼却炉1は、炉床部11のストーカ2の乾燥領域2a、第1燃焼領域2b、第2燃焼領域2c、及び後燃焼領域2dにそれぞれ燃焼空気を送るための風道12を備える。
ストーカ2は、炉床部11の幅方向に配列された複数の固定火格子と、同様に幅方向に
配列された複数の可動火格子とを有する。固定火格子の列と可動火格子の列は、炉床部11の焼却処理対象物の移送方向に沿って階段状に交互に配置される。
図2Aは、本実施形態に係る火格子である火格子の上面側斜視図であり、図2Bは、同火格子の下面側斜視図である。図2A及び図2Bに示される火格子は、図1に示したストーカ2を構成する固定火格子及び可動火格子の一部を構成する。
図2A及び図2Bに示すように、火格子6は、上壁部61と、上壁部61の前端に設けられる前壁部62と、前壁部62の下端から延在する前壁下部63と、を有する。さらに、火格子6は、上壁部61の後端に設けられる後壁部64と、補強兼冷却用の複数のフィン65とを、火格子6の支持体として有する。フィン65は、後壁部64に近接する位置に後端凹部65dを有する。図示の例では、2つのフィン65が、前壁部62と後壁部64との間に設けられる。
上壁部61と複数のフィン65により画定される隙間(内部空間)は、燃焼空気が通過する通路を形成する。即ち、火格子6は略中空ブロック状に形成される。また、フィン65は、長手方向中間部より後壁部64側に、突面部65aを有する。それぞれの突面部65aは、通孔65bを有する。これらの通孔65bにピン66が挿入される。2つのフィン65の互いに対向する面には、上壁部61及び前壁部62をフィン65に接続するボルト67を受けるための板状の4つのボルト受座65cが溶接される。即ち、2つのフィン65は、ボルト受座65cを介して互いに接合される。ボルト受座65cには、ボルト67を挿入するための2つの穴が形成される。
図3は、本実施形態に係る火格子6の構成部品を示す図である。図示のように、上壁部61の内側面には、ボルト67が螺合される3つのボルト固定座61aが溶接される。ボルト固定座61aには、内周面にネジ溝が形成された2つの穴が形成される。ボルト受座65cに形成される穴の位置と、ボルト固定座61aの穴の位置とを合わせた状態で、ボルト67をボルト受座65cの穴に挿入し、ボルト固定座61aの穴に螺合することにより、上壁部61がフィン65にボルト接合される。
また、前壁部62の内側面には、ボルト67が螺合される1つのボルト固定座62aが溶接される。ボルト固定座62aには、内周面にネジ溝が形成された2つの穴が形成される。ボルト受座65cに形成される穴の位置と、ボルト固定座62aの穴の位置とを合わせた状態で、ボルト67をボルト受座65cの穴に挿入し、ボルト固定座62aの穴に螺合することにより、前壁部62がフィン65にボルト接合される。
ここで、火格子6の上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63は、第1合金(第1の合金鋼材の一例に相当する)層と第2合金(第2の合金鋼材の一例に相当する)層とからなる2層構造の板材(以下、2層板材という)を有する。第1合金層は、高い耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する合金層であり、第2合金層は、高い溶接性を有する合金層である。
本実施形態では、2層板材の第1合金層が図1に示したストーカ式焼却炉1の炉内に露出するように、火格子6が構成される。言い換えれば、ストーカ式焼却炉1の炉内に露出する面(炉内露出面)が、火格子6の2層構造の板材の第1合金層により構成される。
火格子6の上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63は、炉内露出面を有する。したがって、本実施形態では、火格子6の上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63が上述した2層板材から構成される。また、上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63の炉内露出面は、2層板材の第1合金層により構成される。上壁部61、前壁部62、及び前壁
下部63のストーカ式焼却炉1の炉内に露出しない面(炉内非露出面)は、2層板材の第2合金層により構成される。また、支持体である後壁部64及びフィン65は、例えば溶接用鋼材(第2の合金鋼材の一例に相当する)から形成される。
第1合金層としては、例えば5〜6C−28〜32Cr−2〜3Nb−3〜5W−5〜6C合金又は2〜3.5C−18〜30Cr合金等が採用され得る。また、第2合金層は、火格子6が使用される雰囲気の温度に応じて、市販性がある一般構造用圧延鋼板、溶接構造用圧延鋼板、圧延ステンレス鋼板等の、溶接性に優れた材料から選定することができる。なお、第1合金層は、第2合金層よりも高い耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する合金層であればよく、第2合金層は、第1合金層よりも高い溶接性を有する合金層であればよい。
なお、図2及び図3に示した火格子6において、上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63は、2層板材に代えて、耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する単一の合金(第1の合金鋼材の一例に相当する)からなる板材(1層板材)で構成されてもよい。この場合、上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63は、鋳造により製造され得る。上壁部61及び前壁部62を鋳造で製造する場合は、ボルト固定座61a及びボルト固定座62aを、上壁部61及び前壁部62にそれぞれ一体成型することができる。したがって、ボルト固定座61a及びボルト固定座62aを上壁部61及び前壁部62に溶接する必要がない。この場合、ボルト固定座61a及びボルト固定座62aの2つの穴は、鋳造後にネジ切り加工される。
図4は、図1に示したストーカ式焼却炉の炉床部分における固定火格子、可動火格子、及びサイド火格子を示す概略拡大断面図である。図示のように、複数の固定火格子からなる固定火格子列4Aと複数の可動火格子からなる可動火格子列4Bは、それぞれ図2A及び図2Bに示した火格子6を有する。なお、図の例では、一つの固定火格子及び一つの可動火格子が示される。
固定火格子列4A及び可動火格子列4Bの火格子6は、それぞれ固定フレーム5Aと可動フレーム5Bの上端に、火格子受梁8を介して固定される。可動火格子列4Bは焼却処理対象廃棄物を移送するため、固定火格子列4Aに接触しながら前後に摺動する。
各列の隣接する火格子6間の間隙は均一に保たれ、燃焼空気がこの間隙から吹き抜けること及び塵がこの間隙へ落下することが極力防止される。交互に配置した固定火格子列4Aと可動火格子列4Bにより、効果的な燃焼処理対象廃棄物の移動、反転、及び攪拌を行うことができる。
固定火格子列4A及び可動火格子列4Bは、火格子6の上面と摺動するスクレーパ7を有する。スクレーパ7は、火格子受梁8の上面前端に設けられた突部81に嵌合する。また、火格子6の後端凹部65dを保持するための保持部82と、火格子6のピン66に係合するためのフック形断面を有する係合凹部83とが、火格子受梁8と一体に形成される。係合凹部83は、突部81の後方に形成される。なお、図示されていないが、固定火格子列4A及び可動火格子列4Bにスクレーパ7を設けずに、隣接する列の火格子6の上壁部61に、火格子6の前壁下部63が直接接触して摺動するように構成されてもよい。
保持部82は、火格子受梁8の上面に設けられた前側突部82aと、前側突部82aの後側に設けられた後側突部82bと、両突部間に設けられるスペーサ部材82cと、スペーサ部材82cを両突部間に固定するボルト等の固定具82dとを有する。
火格子6は、火格子受梁8の上に載置され、火格子6の後壁部64がスペーサ部材82
cと前側突部82aとの間に配置される。固定具82dは、後側突部82bに形成された通孔に螺合してスペーサ部材82cを固定することで、火格子6の後壁部64がスペーサ部材82cと前側突部82aとの間に挟まれる。これにより、火格子6が所定位置に保持される。
なお、図2に示す火格子6は、図5A及び図5Bに示した鋳造で製造される従来の火格子9と略同一の形状を有する。このため、図2に示す火格子6と、図5A及び図5Bに示した火格子9は、同一の方法で図4に示す火格子受梁8に取り付けることができる。言い換えれば、図2に示す火格子6は、図5A及び図5Bに示した火格子9と互換性を有する。
次に、図2に示した火格子6を製造する方法について説明する。まず、図3に示す火格子6の構成部品のうち、炉内露出面を有する上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63を、2層板材から板取りし、切断加工する。炉内露出面を有さないフィン65及び後壁部64は、溶接用鋼板から板取りし、切断加工する。切断加工のためにプラズマ切断機を使用する場合は、必要に応じて、部品精度の要求を満たすために、切断された各構成部品にグラインダ加工等を行う。
続いて、上壁部61のボルト固定座61aの穴とフィン65に溶接されたボルト受座65cの穴との位置を合わせて、ボルト67をボルト受座65cに挿入し、ボルト固定座61aに螺合する。これにより、上壁部61がフィン65にボルト接合される。
また、前壁部62のボルト固定座62aの穴と、フィン65に溶接されたボルト受座65cの穴との位置を合わせて、ボルト67をボルト受座65cに挿入し、ボルト固定座61aに螺合する。これにより、前壁部62及び前壁部62に一体に形成される前壁下部63がフィン65にボルト接合される。
上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63が腐食又は摩耗等により交換時期に達したときは、ボルト67を取り外すことで、これらをフィン65から容易に取り外して交換することができる。
なお、図3に示した火格子6の構成部品では、上壁部61と前壁部62とがそれぞれ2層板材から板取りされるが、これらは鋳鋼品であってもよい。その場合、上壁部61及び前壁部62は、一体に鋳造されてもよいし、別々の構成部品として鋳造されてもよい。
また、ボルト67としては、ボルトヘッドの上面に六角穴が形成された六角穴付きボルト又はボルトヘッド外周が六角形に形成された六角ボルトを使用することができる。火格子6においては、上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63をフィン65にボルト接合する際、ボルト67を火格子6の内部側から螺合する。このため、ボルト67を締める治具のためのスペースが小さいので、六角穴付きボルトを用いることが好ましい。また、ボルト67の材質は、使用温度による強度が保証される金属であって、且つボルト固定座61a及び62aのネジ溝とかじりが発生しないようなボルト固定座61a及び62aと異なる金属であることが望ましい。
以上で説明したように、本実施形態に係る火格子6によれば、高温腐食雰囲気に接する炉内露出面を構成する部品のみを耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する第1合金(第1の合金鋼材の一例に相当する)からなる部品、又は単純な形状(板状等)の部品で構成することができる。このため、一体鋳造される火格子に比べて、製造コストを低減することができ、且つ耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性に優れた火格子6を提供することができる。
また、本実施形態に係る火格子6によれば、火格子6の使用環境に応じて、火格子6の構成部品毎に適した材質を選択することができる。なお、本実施形態では、炉内露出面を構成する上壁部61、前壁部62、及び前壁下部63の一部を耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する第1合金層(第1の合金鋼材)から形成している。
また、本実施形態において市販性の高い2層板材を使用した場合、図5に示した各構成部品は溶接構造であるので、鋳造のような特殊な技術、特殊な設備を必要とせず、一般的な製缶工場で火格子6を製造することができる。
また、本実施形態に係る火格子6によれば、火格子6が部分的に焼損して減肉しても、使用施設において部分的な補修をすることができる。したがって、整備期間を短縮することができるとともに、金属資源の廃棄量を削減することができる。
また、本実施形態に係る火格子6によれば、フィン65に溶接用鋼材等(第2の合金鋼材)を使用することができるので、曲げ、衝撃等に対する機械的性質を著しく向上させることができる。
また、本実施形態に係る火格子6によれば、発電設備として長期安定運転が要求される廃棄物処理施設のストーカ式焼却炉における火格子6の耐熱性、耐食性、耐摩耗性、及び/又は機械的強度等の耐久性を低コストで改善することができる。ひいては、火格子に起因する事故を低減し、且つ点検整備を容易にすることができる。
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載のない何れの形状や材質であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。
6…火格子
61…上壁部
62…前壁部
63…前壁下部
64…後壁部
65…フィン
67…ボルト

Claims (5)

  1. 焼却炉に使用される火格子であって、
    第1の合金鋼材と、
    前記第1の合金鋼材とは異なる第2の合金鋼材と、を有する、火格子。
  2. 請求項1に記載された火格子において、
    前記第1の合金鋼材は、前記第2の合金鋼材よりも高い耐熱性、耐食性、及び/又は耐摩耗性を有する、火格子。
  3. 請求項1又は2に記載された火格子において、
    前記第1の合金鋼材は、前記焼却炉の炉内に露出する炉内露出面の少なくとも一部を構成する、火格子。
  4. 請求項1又は2に記載された火格子において、
    前記第1の合金鋼材からなる部品と前記第2の合金鋼材からなる部品とが、ボルトで互いに連結される、火格子。
  5. 焼却炉に使用される火格子の製造方法であって、
    第1の合金鋼材からなる部品と前記第1の合金鋼材とは異なる第2の合金鋼材からなる部品とをボルトで連結する工程を有する、火格子の製造方法。
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