JP2017001924A - コーティング膜つきガラス板 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視域の短波長域の光線透過率が高いコーティング膜つきガラス板を提供する。
【解決手段】ガラス板1と透明導電膜4との間に、低屈折率層2と中間屈折率層3とを、ガラス板1、低屈折率層2、中間屈折率層3、透明導電膜4、の順となるように含み、低屈折率層2の屈折率が、ガラス板1の屈折率よりも低く、中間屈折率層3の屈折率が、低屈折率層2の屈折率よりも高くかつ透明導電膜4の屈折率よりも低い、コーティング膜つきガラス板とする。低屈折率層2の厚みは5nm〜30mmが好ましく、中間屈折率層3の厚みは40〜100nmが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス板上に透明導電膜を含む積層膜が形成された、コーティング膜つきガラス板に関する。
太陽電池等の光電変換装置には、コーティング膜つきガラス板、より具体的には透明電極としての透明導電膜を備えたガラス板が基板として用いられている。光電変換装置の光電変換効率を高めるためには、コーティング膜つきガラス板の光線透過率を高めて光電変換装置内の光電変換層への入射光量を増加させることが望まれる。
特許文献1には、ガラス板上に、高屈折率膜、低屈折率膜及び透明導電膜がこの順に形成され、高屈折率膜の屈折率がガラス板の屈折率よりも高く、低屈折率膜の屈折率が高屈折率膜の屈折率及び透明導電膜の屈折率よりも低く、高屈折率膜の膜厚が22nm以上60nm以下であるコーティング膜つきガラス板が開示されている。このコーティング膜つきガラス板は、高屈折率膜及び低屈折率膜が介在していることにより可視光透過率が向上したものとなる。
特許文献2には、ガラス板の表面に、下地膜と導電膜とがこの順に形成され、下地膜が酸化錫を主成分とする層を含み、酸化錫を主成分とする層において塩素濃度及びフッ素濃度が共に0.5質量%以下であるコーティング膜つきガラス板が開示されている。このコーティング膜つきガラス板は、導電膜の導電性を確保しながら、高い可視光透過率を有するものとなる。なお、ガラス板に接して形成される酸化錫を主成分とする層の屈折率は、ガラス板の屈折率よりも高いものとなる。
特許文献3には、表面に機能素子用の膜を一体的に積層するためのコーティング膜つきガラス板であって、表面が平滑なアルカリ含有基板ガラス上に、凹凸を付与するための膜厚150Å以上の結晶性を有する金属酸化物の下地膜と、酸化ケイ素からなり下地膜の凹凸を反映する膜厚のアルカリバリア連続膜と、不純物をドープした酸化ケイ素からなり膜厚5000Å以上の透明導電膜とがこの順序で成膜されたコーティング膜つきガラス板が開示されている。このコーティング膜つきガラス板においても、基板ガラスに接して形成される結晶性を有する金属酸化物の下地膜の屈折率は、基板ガラスの屈折率よりも高いものとなる。
特開2001−36117号公報 特開2001−43741号公報 特開2000−261013号公報
光電変換装置用基板としてのコーティング膜つきガラス板の透過特性は、主として可視光透過率により、場合によっては近赤外域の透過率を加味して評価されている。これは、光電変換層として透明導電膜上に堆積されるアモルファスシリコンや結晶質シリコンの分光感度が一般に可視域から近赤外域にかけて高いことに対応している。コーティング膜つきガラス板の可視域から近赤外域にかけての波長域の光線透過率の向上は、特に光電変換装置の短絡電流密度の改善への寄与が大きい。
しかし、上記波長域の長波長域の光線透過率を向上させるためには、透明導電膜のキャリアの濃度を引き下げる必要性が高い。キャリアの濃度を低下させると、透明導電膜の導電性が低下(シート抵抗が増加)する結果を招く。したがって、透明導電膜の導電性の低下を抑制しながら光電変換装置の短絡電流密度を高めるためには、コーティング膜つきガラス板の可視域の短波長域の光線透過率を高めることが有効である。そこで、本発明は、可視域の短波長域の光線透過率が高いコーティング膜つきガラス板を提供することを目的とする。
本発明は、
ガラス板と透明導電膜とを含むコーティング膜つきガラス板であって、
前記ガラス板と前記透明導電膜との間に、低屈折率層と中間屈折率層とを、前記ガラス板、前記低屈折率層、前記中間屈折率層、前記透明導電膜、の順となるように含み、
前記低屈折率層の屈折率が、前記ガラス板の屈折率よりも低く、
前記中間屈折率層の屈折率が、前記低屈折率層の屈折率よりも高くかつ前記透明導電膜の屈折率よりも低い、コーティング膜つきガラス板、を提供する。
本発明によれば、可視光の短波長域、具体的には波長420〜550nmの光線透過率が高いコーティング膜つきガラス板を提供することが可能となる。
本発明のコーティング膜つきガラス板の一形態を示す断面図である。
本明細書において、「金属酸化物」における「金属」は、慣用に従い、ケイ素(Si)を含む意味で使用する。また、「主成分」は、質量基準で含有率が最も高い成分を意味する。また、「実質的になる」は、各成分の含有率の合計が99.5質量%以上、好ましくは99.9質量%以上、より好ましくは99.95質量%以上を占めることを意味する。また、「短波長透過率」は波長域420nm〜550nmにおける光線透過率を意味する。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1において、コーティング膜つきガラス板は、ガラス板1と透明導電膜4とを備え、ガラス板1と透明導電膜4との間に、ガラス板1側から、低屈折率層2と中間屈折率層3とを、この順に備えている。以下、各層について説明する。
ガラス板1としては、量産されている汎用組成のガラス板、典型的にはフロート法により製造されたソーダライムシリカガラスからなるガラス板(屈折率1.52程度)を用いることができる。ただし、ガラス板1は、これに限らず、各種製法、例えばオーバーフローダウンドロー法等により得られたガラス板を用いてもよい。ガラス板の種類も上記に限らず、ボロシリケートガラス、アルミノシリケートガラス等の各種組成を有するガラス板を用いることもできる。
ガラス板1の厚みは、用途に応じて適切に選択すればよく、その範囲に特段の制限はない。ガラス板1の厚みは、例えば2mm〜6mm、特に3mm〜5mmである。
低屈折率層2は、ガラス板1よりも屈折率が低い層である。低屈折率層2は、例えば金属酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム等)を主成分とする薄膜である。好ましい低屈折率層2は、酸化ケイ素を主成分とする層である。アモルファスの酸化ケイ素から実質的になる層は、ガラス板1に含まれるアルカリ成分が透明導電膜に熱拡散することを防止することに適している。
低屈折率層2の厚みは、好ましくは5nm〜30nmであり、より好ましくは10nm〜30nm、特に好ましくは15nm〜25nmである。低屈折率層2の厚みが10nm未満だと、ガラス板1のアルカリ成分が透明導電膜4に拡散することを効果的に防止できず、透明導電膜4での光吸収が増加することがある。一方、低屈折率層2の厚みが30nmを超えると、短波長反射率が増加して短波長透過率が低下する傾向がある。
低屈折率層2の屈折率は、好ましくは1.38〜1.51であり、より好ましくは1.39〜1.48、特に好ましくは1.42〜1.47である。なお、酸化ケイ素膜の屈折率は、1.45〜1.46程度である。
中間屈折率層3は、低屈折率層2よりも屈折率が高く透明導電膜4よりも屈折率の低い層である。中間屈折率層3は、ガラス板1よりも屈折率が高いことが好ましい。中間屈折率層3は、例えば酸化ケイ素、酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化ジルコニウム及び酸化インジウムから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を主成分とする薄膜である。好ましい金属酸化物は、酸化ケイ素、酸化錫、及び酸化ケイ素と酸化錫との混合物(SnSiOx)であり、より好ましい金属酸化物は、SnSiOxである。中間屈折率層3は、低屈折率層2の主成分である金属酸化物と、後述する透明導電膜4の主成分である金属酸化物との混合物から実質的になる層であってもよい。
中間屈折率層3の屈折率は、好ましくは1.60〜1.90、より好ましくは1.65〜1.85、特に好ましくは1.69〜1.78である。
SnSiOxにおける、ケイ素原子と錫原子の合計モル数に対する錫原子のモル数の比[Sn/(Sn+Si)]は、好ましくは0.3〜0.8であり、より好ましくは0.4〜0.7、特に好ましくは0.45〜0.60である。Sn/(Sn+Si)が0.3未満又は0.8より大きいと、短波長反射率及び可視光反射率が増加し、短波長透過率及び可視光透過率が低下することがある。中間屈折率層3におけるSnの存在は、中間屈折率層3とSnを主成分とする透明導電膜4との密着性の向上に寄与し、かつ中間屈折率層3を低すぎない屈折率を有する層とすることにも貢献する。
中間屈折率層3の厚みは、好ましくは40nm〜100nmであり、より好ましくは50nm〜90nm、特に好ましくは60nm〜80nmである。中間屈折率層3の厚みが100nmを超えると、コーティング膜における光吸収が増加し、短波長透過率及び可視光透過率が低下することがある。一方、中間屈折率層3の厚みを40nm未満とすると、短波長反射率及び可視光反射率が増加し、短波長透過率及び可視光透過率が低下する傾向がある。
透明導電膜4としては、酸化錫等の金属酸化物を主成分とする膜、具体的には、フッ素及び/又はアンチモンであるドーパントを含む酸化錫を主成分とする膜、特にフッ素をドープした酸化錫(SnO2:F)を主成分とする薄膜が好適である。また、酸化錫を主成分とする膜には、上述したドーパントに加え、シリコン、アルミニウム、亜鉛、銅、インジウム、ビスマス、ガリウム、ホウ素、バナジウム、マンガン、ジルコニウム等の他の微量成分が含まれていてもよい。ただし、これら微量成分の含有率は、透明導電膜4全体に対して0.02質量%以下であることが好ましい。
透明導電膜4の屈折率は、好ましくは1.8〜2.4であり、より好ましくは1.9〜2.3、特に好ましくは2.0〜2.2である。なお、フッ素をドープした酸化錫膜の屈折率は、2.0〜2.2程度である。
透明導電膜4の厚みは、好ましくは600nm〜990nmであり、より好ましくは700nm〜900nm、特に好ましくは750nm〜890nmである。厚い透明導電膜4は、低いシート抵抗値及び高いヘイズ率の実現に有利である。透明導電膜4の中間屈折率層3側には圧縮応力が生じ、反対側には引張応力が生じるため、厚すぎる透明導電膜4は、剥離の原因となることがある。
本実施形態においては、低屈折率層2の厚みが5nm〜30nmであり、中間屈折率層3の厚みが40nm〜100nmであることが好ましい。
本実施形態においては、低屈折率層2の屈折率が1.38〜1.51であり、中間屈折率層3の屈折率が1.60〜1.90であり、透明導電膜4の屈折率が1.8〜2.4であることが好ましい。
本実施形態においては、低屈折率層2、中間屈折率層3及び透明導電膜4が、それぞれ主成分として金属酸化物を含み、中間屈折率層3が、低屈折率層2の主成分である金属酸化物と、透明導電膜4の主成分である金属酸化物との混合物、例えばSnSiOx、から実質的になる、ことが好ましい。
本実施形態においては、低屈折率層2がアモルファスの酸化ケイ素から実質的になり、中間屈折率層3が酸化ケイ素と酸化錫との混合物(SnSiOx)を主成分とし、透明導電膜4はフッ素をドープした酸化錫を主成分とする、ことが好ましい。
本実施形態においては、低屈折率層の厚みが5nm〜30nmであり、中間屈折率層の厚みが40nm〜100nmであり、透明導電膜の厚みが600nm〜990nmであり、Sn/(Sn+Si)が0.3〜0.8である、ことが好ましい。
コーティング膜つきガラス板は、ガラス板1、低屈折率層2、中間屈折率層3及び透明導電膜4を構成要素として含んでいればよく、各構成要素層の間に、別の層を含んでいてもよい。透明導電膜4の厚みを均一にするために、中間屈折率層3上に微粒子を含むバッファ層を設け、このバッファ層上に透明導電膜4を形成してもよい。ただし、本発明のコーティング膜つきガラス板は、ガラス板1上に、低屈折率層2、中間屈折率層3及び透明導電膜4を、この順に直接積層した構成であってもよい。
本実施形態においては、コーティング膜つきガラス板の短波長透過率が、好ましくは86.3%以上、より好ましくは86.8%以上、特に好ましくは87.1%以上である。また、短波長反射率が、好ましくは10.7%以下、より好ましくは10.5%以下、特に好ましくは10.0%以下である。
本実施形態においては、コーティング膜つきガラス板の可視光透過率(波長380〜800nmの透過率の平均値)が、好ましくは85.5%以上、より好ましくは86.0%以上、特に好ましくは86.9%以上である。また、可視光反射率(波長380〜800nmの反射率の平均値)が、好ましくは10.5%以下、より好ましくは10.3%以下、特に好ましくは9.6%以下である。
本実施形態においては、コーティング膜つきガラス板のシート抵抗が、好ましくは25Ω/□以下、より好ましくは16Ω/□以下、特に好ましくは14Ω/□以下である。
本実施形態においては、透明導電膜4が耐剥離性に優れている。具体的には、プレッシャークッカー試験(PCT試験、温度125℃、相対湿度85%、圧力2気圧の恒湿恒温条件下で65時間保持)後に、透明導電膜4が剥離しないという特性を有しうる。
本実施形態においては、コーティング膜つきガラス板の短波長透過率が好ましくは86.3%以上であり、短波長反射率が好ましくは10.7%以下であり、可視光透過率が好ましくは85.5%以上であり、可視光反射率が好ましくは10.5%以下であり、シート抵抗が好ましくは25Ω/□以下であり、PCT試験後に透明導電膜4が剥離しない、という特性を有しうる。
コーティング膜つきガラス板の製造方法としては、化学気相法(CVD法)、溶液原料を加熱した基体に噴霧する溶液スプレー法等の熱分解法が適している。
溶液スプレー法は、比較的簡便な装置で実施できるという利点があるが、液滴の制御や排気されるべき生成物(反応生成物、未分解生成物等)の制御が難しいため、均一な膜厚を得にくい。また、ガラスの歪みも大きくなる。このため、総合的にはCVD法が優れている。
CVD法は、所定の大きさに切断し、加熱したガラス板に、ガス状の原料を吹きつけることにより行うことができる。例えば、ガラス板をメッシュベルトに乗せて加熱炉を通過させる間にガス状の原料を供給し、高温のガラス板の表面で原料を反応させる方法が例示できる。CVD法による成膜は、フロート法によるガラス製造工程における高温のガラスリボン上で実施できる。この好ましい製法は、ガラス成形時の熱エネルギーを利用できる点で好ましく、面積の広いガラス板への成膜が求められる太陽電池用基板の製造には特に適している。また、CVD法を錫フロート槽空間で行えば、軟化点以上の温度を有するガラス表面で成膜が行えるので、膜の性能及び成膜反応速度、成膜反応効率の向上が可能となる。さらに、ピンホール(膜抜け)等の欠点も抑制される。
なお、ガラスリボン上への成膜は、CVD法とスプレー法とを併用して行ってもよい。例えば、CVD法とスプレー法とをこの順に実施することにより(例えば、錫フロート槽空間内においてCVD法による成膜を実施し、錫フロート槽空間よりガラスリボン進行方向下流側においてスプレー法による成膜を実施することにより)、所定の積層構造を実現してもよい。
熱分解法により酸化ケイ素を含む層を形成する際の酸化ケイ素の好適な原料としては、モノシラン、ジシラン、トリシラン、モノクロロシラン、ジクロロシラン、1,2−ジメチルシラン、1,1,2−トリメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメチルジシラン、テトラメチルオルソシリケート、テトラエチルオルソシリケート等が挙げられる。また、この場合の酸化ケイ素を生成するための酸化原料としては、酸素、水蒸気、乾燥空気、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化窒素、オゾン等が挙げられる。なお、シランを使用した場合に、ガラス表面に到達するまでにシランが反応することを防止する目的で、エチレン、アセチレン、トルエン等の不飽和炭化水素ガスを併用してもよい。
好適な酸化錫の原料としては、塩化錫(四塩化錫)と共に、ジメチル錫ジクロライド、ジブチル錫ジクロライド、テトラメチル錫、テトラブチル錫、ジオクチル錫ジクロライド、モノブチル錫トリクロライド等が挙げられる。酸化錫にフッ素をドープするための原料としては、フッ化水素、トリフルオロ酢酸、ブロモトリフルオロメタン、クロロジフルオロメタン等が挙げられる。アンチモンをドープする場合には、五塩化アンチモン、三塩化アンチモン等を用いてもよい。
SnSiOxは、前述の酸化ケイ素の原料と酸化錫の原料とを適宜併用することで生成可能である。
酸化ケイ素及び酸化錫以外の金属酸化物の好適な原料としては、塩化チタン、塩化亜鉛、塩化タンタル、塩化ニオブ、塩化セリウム、塩化ジルコニウム、塩化インジウム等の金属の塩化物を例示できる。また、酸化原料としては、上記で例示したものを用いればよい。
本実施形態のコーティング膜つきガラス板は、光電変換装置用基板として好適であり、その場合の透明導電膜4の厚みは好ましくは600nm〜990nmであり、より好ましくは700nm〜900nmである。この光電変換装置用基板は、太陽電池用基板、特にアモルファスシリコン太陽電池用基板としての使用に適し、その場合には、透明導電膜4上に、光電変換層としてアモルファスシリコン膜が形成される。アモルファスシリコン膜は、例えば、水素ガスで希釈されたモノシランを原料とし、グロー放電を用いたプラズマCVD法により成膜される。アモルファスシリコン層は、通常、pin接合が形成されるように適宜メタン、ジボラン、フォスフィン等をシリコン膜に添加しながら、透明導電膜4側から順に、p層、i層、n層を成膜することにより形成される。さらに、アモルファスシリコン膜上には、アルミニウム膜等からなる金属電極層が形成される。アモルファスシリコン膜に代えて結晶質シリコン膜を光電変換層として形成してもよい。
本実施形態のコーティング膜つきガラス板は、Low−E(Low Emissivity)ガラスとしても使用できる。Low−Eガラスに含まれる透明導電膜4の厚みは好ましくは250nm〜650nmであり、より好ましくは200nm〜500nmである。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により制限を受けるものではない。
<No.1〜18>
オンラインCVD法を利用して、ガラスリボン上に低屈折率層、中間屈折率層及び透明導電膜をこの順で形成した。具体的には、フロートバス内がバス外よりもやや高圧に維持されるように、フロートバス空間内に98体積%の窒素と2体積%の水素とを供給した。フロートバス内を非酸化性雰囲気に保持した状態で、最上流側に位置する第1のコータから、モノシラン、エチレン、酸素及び窒素からなる混合ガスを供給し、ガラスリボン上に、アモルファス酸化ケイ素からなる低屈折率層(屈折率:1.45)を形成した。引き続き、第2のコータから、モノシラン、エチレン、ジメチル錫ジクロライド(蒸気)、酸素、水蒸気、窒素及びヘリウムからなる混合ガスを供給し、低屈折率層上にSnSiOxからなる中間屈折率層を形成した。さらに、下流側に設置したコータを使って、塩化第二スズ(蒸気)、水蒸気、塩化水素、酸素、窒素及びフッ化水素からなる混合ガスを供給し、中間屈折率層上に、SnO2:Fからなる透明導電膜(屈折率:2.0)を成膜し、コーティング膜つきガラス板を作製した。
<No.19、20>
オンラインCVD法を利用して、ガラスリボン上に中間屈折率層、低屈折率層及び透明導電膜をこの順で形成した。具体的には、フロートバス内がバス外よりもやや高圧に維持されるように、フロートバス空間内に98体積%の窒素と2体積%の水素とを供給した。フロートバス内を非酸化性雰囲気に保持した状態で、最上流側に位置する第1のコータから、ジメチル錫ジクロライド(蒸気)、酸素、水蒸気、窒素及びヘリウムからなる混合ガスを供給し、ガラスリボン上に、酸化錫からなる中間屈折率層を形成した。引き続き、第2のコータから、モノシラン、エチレン、酸素及び窒素からなる混合ガスを供給し、中間屈折率層上に酸化ケイ素からなる低屈折率層を形成した。さらに、下流側に設置したコータを使って、塩化第二スズ(蒸気)、水蒸気、塩化水素、窒素、酸素、ヘリウム及びフッ化水素からなる混合ガスを供給し、低屈折率層上に、SnO2:Fからなる透明導電膜を成膜し、コーティング膜つきガラス板を作製した。
<No.21>
低屈折率層を形成する工程を除いた以外はNo.1〜18と同様にして、コーティング膜つきガラス板を作製した。
No.1〜21で作製したコーティング膜つきガラス板の性能を、以下の方法により評価した。結果を表1に示す。
<透過率、反射率>
透過率、反射率の測定は、透明導電膜の表面凹凸による光散乱が透過率及び反射率に与える影響を除去して行った。具体的には、透明導電膜の表面に屈折率マッチング液を塗布し、マッチング液に気泡が残らないように透明導電膜にカバーガラスを密着させた状態で測定した。屈折率マッチング液にはヨウ化メチレンを用いた。ヨウ化メチレンは屈折率が1.79以上であり、透明導電膜の屈折率と近似するため、屈折率マッチング液と透明導電膜との界面における光の散乱が除去できる。カバーガラスには、厚さ1mmの平板ガラス板「#7059」(コーニング社製)を用いた。このカバーガラスの透過率は充分に高く、屈折率マッチング液の厚みは十分に薄いので、透過率の測定値に影響を与えない。
透過率、反射率の測定には、測定装置として分光光度計「UV−3100PC」[(株)島津製作所製]を用いた。コーティング膜つきガラス板のガラス板側から光を入射させ、波長380nm〜800nmの透過率の平均値及び反射率の平均値を、それぞれ可視光透過率及び可視光反射率とした。また、波長420nm〜550nmの10nm毎の透過率の平均値及び反射率の平均値を、それぞれ短波長透過率及び短波長反射率とした。
<ヘイズ率>
ヘイズメータ「NDH2000」[日本電色工業(株)製]を用い、コーティング膜つきガラス板のガラス板側から光を入射させて、透明導電膜つきガラス板のヘイズ率を測定した。なお、ヘイズ率の測定波長範囲は380nm〜760nmである。
<シート抵抗>
透明導電膜のシート抵抗は、(株)ダイアインスツルメント製「MCP−TESTER LORESTA−FP」を用いて測定した。シート抵抗の数値が低いほど、透明導電膜の導電性が優れることを意味する。
<耐剥離性>
透明導電膜の耐剥離性は、PCT試験後に透明導電膜が剥離しているか否かを目視で観察することにより評価した。PCT試験は、恒温恒湿試験の一つであり、被試験体を所定の温度、湿度で所定の時間保持した前後での被試験体の変化を評価する試験である。プレッシャークッカー試験機「TPC−411」[タバイエスペック(株)製]にコーティング膜つきガラス板をセットし、温度125℃、相対湿度85%、圧力2気圧の恒湿恒温条件下で65時間保持した後、PCT試験を実施し、透明導電膜が剥離しているか否かを目視で観察した。
Figure 2017001924
なお、低屈折率層を形成するための混合ガスの成分比を変更した以外はNo.1〜17と同様にして、低屈折率層の厚みが3nmのコーティング膜つきガラス板を作製してその可視光透過率を測定したところ、85.5%であった。
No.1〜9のコーティング膜つきガラス板は、短波長透過率が高いだけでなく、可視光透過率が高く、可視光反射率、短波長反射率及びシート抵抗が低く、耐剥離性に優れる。一方、No.10〜18のコーティング膜つきガラス板は、No.1〜9のコーティング膜つきガラス板と比較して、短波長透過率がほぼ同等レベルであるが、可視光透過率、可視光反射率、短波長反射率、シート抵抗及び耐剥離性のすべてがNo.1〜9のコーティング膜つきガラス板と同等に優れるものではない。
本発明のコーティング膜つきガラス板は、短波長透過率が高いことから、特に、太陽電池等の光電変換装置用基板等として有用である。
1 ガラス板
2 低屈折率層
3 中間屈折率層
4 透明導電膜

Claims (10)

  1. ガラス板と透明導電膜とを含むコーティング膜つきガラス板であって、
    前記ガラス板と前記透明導電膜との間に、低屈折率層と中間屈折率層とを、前記ガラス板、前記低屈折率層、前記中間屈折率層、前記透明導電膜、の順となるように含み、
    前記低屈折率層の屈折率が、前記ガラス板の屈折率よりも低く、
    前記中間屈折率層の屈折率が、前記低屈折率層の屈折率よりも高くかつ前記透明導電膜の屈折率よりも低い、コーティング膜つきガラス板。
  2. 前記低屈折率層の厚みが5nm〜30nmであり、前記中間屈折率層の厚みが40nm〜100nmである、請求項1に記載のコーティング膜つきガラス板。
  3. 前記低屈折率層の屈折率が1.38〜1.51であり、前記中間屈折率層の屈折率が1.60〜1.90であり、前記透明導電膜の屈折率が1.8〜2.4である、請求項1又は2に記載のコーティング膜つきガラス板。
  4. 前記低屈折率層、前記中間屈折率層及び前記透明導電膜が、それぞれ主成分として金属酸化物を含み、前記中間屈折率層が、前記低屈折率層の主成分である金属酸化物と前記透明導電膜の主成分である金属酸化物との混合物から実質的になる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板。
  5. 前記低屈折率層がアモルファスの酸化ケイ素から実質的になり、
    前記中間屈折率層が酸化ケイ素と酸化錫との混合物を主成分とし、
    前記透明導電膜はフッ素をドープした酸化錫を主成分とする、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板。
  6. 前記中間屈折率層が酸化ケイ素と酸化錫との混合物を主成分とし、前記混合物におけるケイ素原子と錫原子の合計モル数に対する錫原子のモル数の比[Sn/(Sn+Si)]が0.3〜0.8である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板。
  7. 前記ガラス板上に、前記低屈折率層、前記中間屈折率層、前記透明導電膜を、この順に直接積層した、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板。
  8. 前記低屈折率層の厚みが5nm〜30nmであり、前記中間屈折率層の厚みが40nm〜100nmであり、前記透明導電膜の厚みが600nm〜990nmである、請求項6に記載のコーティング膜つきガラス板。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板を含む光電変換装置用基板であって、前記透明導電膜の厚みが600nm〜990nmである、光電変換装置用基板。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のコーティング膜つきガラス板を含むLow−Eガラスであって、前記透明導電膜の厚みが250nm〜650nmであるLow−Eガラス。
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