JP2017001326A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出口面の厚みが薄くなっても強度を維持でき、かつフェイス面が平坦である、吐出口形成部材を備える液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】鏡面処理された支持基板10の表面上に液体吐出ヘッドのフェイス面となる板状の第1の部材7を形成し、その上に流路壁となる第二の部材8となる感光性樹脂層8Aを形成する。感光性樹脂層と素子基板1とを貼り合わせ、支持基板10を除去する。感光性樹脂層は支持基板を除去した後に第1の部材を通して露光硬化させるか、素子基板とを貼り合わせ前に露光して、貼り合わせ時に硬化させる。第1の部材7にはダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を用いる。
【選択図】図2−1

Description

本発明は、液体吐出ヘッド及びその製造方法に関するものである。
液体吐出ヘッドはインクジェット記録装置等の液体吐出装置に用いられ、吐出口形成部材と基板とを有する。吐出口形成部材は基板上(基板の表面側)に樹脂等で形成されており、吐出口面に吐出口が開口している。また、吐出口形成部材は、その内部に吐出口と連通する液体流路を形成している。基板はシリコン等で形成されており、基板には、基板を貫通する液体供給路が形成されている。液体供給路からは液体流路に液体が供給され、供給された液体は、基板が有する吐出エネルギー発生素子によってエネルギーを与えられて吐出口から吐出され、記録媒体に着弾する。
このような液体吐出ヘッドを、より高品位で、かつ安価にするために、吐出口形成部材の吐出口周辺面(以下、フェイス面という)をより平坦に、かつ吐出口形成部材の液体流路上の厚み(以下、プレート厚みという)を薄くする要望がある。
現状の液体吐出ヘッドでは、基板の表面側の段差がフェイス面に転写されており、吐出口以外の部分のフェイス面が平坦でないため、液体の残りなどが発生する。この結果、所定の液体吐出毎にフェイス面の洗浄をしないと、記録品位が低下することがある。また、プレート厚みが大きくなると、吐出口経路長が長くなり、その抵抗により吐出時に液滴が分断飛散してミストになりやすく、印字品位が低下するため、薄いプレート厚みが望まれている。しかしながら、現状の液体吐出ヘッドでは、プレート厚みの薄化は、吐出エネルギー発生素子表面からフェイス面までの距離の分布精度を低下させ、かつ樹脂製の吐出口形成部材では強度が低く、フェイス面にき裂が生じる場合がある。
特許文献1では、流路壁を形成し、将来流路となるところに型材を埋め込んだ後、化学機械研磨(CMP)で表面を研磨して流路壁上面を平坦化してから、フェイス面となる部材を形成する製法で、フェイス面の平坦度を上げている。
また、特許文献2では、吐出口の変形の抑制や強度の向上を図るために、流路壁構造を変えることが記載されている。
特開2007−55240号公報 特開2007−216416号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、CMPなどの追加の工程が必要になり、製造コストが上昇する。特許文献2に記載の方法でも、オリフィスプレートの厚みを5μm以下にすると、部材の強度不足ため、吐出口の変形や、内部応力によるフェイス面のうねりが発生し、所望の吐出口形状が維持できなくなることがある。
したがって、本発明は、吐出口面の厚みが薄くなっても強度を維持でき、かつフェイス面が平坦である、吐出口形成部材を備える液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
本発明の一形態によれば、
第一の面に吐出エネルギー発生素子を有し、前記第一の面から前記第一の面と対向する第二の面に貫通する液体供給路を備えた素子基板と、前記素子基板の前記第一の面上に、前記液体供給路に連通する流路と前記流路から外部に液体を吐出する吐出口とを備えた吐出口形成部材とを含む液体吐出ヘッドにおいて、前記吐出口形成部材は、前記吐出口が形成された板状の第1の部材と、前記流路の壁部を規定する第2の部材とを備え、前記第1の部材は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜、またはダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド、が提供される。
また、本発明の一形態では、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層の上に、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜を通して前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備える液体吐出ヘッドの製造方法、が提供される。
また、本発明の一形態では、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記感光性樹脂層の上に、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備える液体吐出ヘッドの製造方法、が提供される。
本発明によれば、プレート厚みが薄くなっても、フェイス面が平坦であり、かつ、吐出口の変形を抑制した液体吐出ヘッドを提供することができる。
本発明で製造する液体吐出ヘッドの一例を示す斜視図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第一の実施形態による製造工程(a)〜(e)を示す模式的断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第一の実施形態による製造工程(f)〜(j)を示す模式的断面図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの第二の実施形態による製造工程(b)〜(f)を示す模式的断面図である。
図1に、本発明で製造する液体吐出ヘッドの一例を示す。この液体吐出ヘッド100は、吐出エネルギー発生素子2を有する素子基板1と、吐出口4を規定する板状の第1の部材7と流路9の壁部(流路壁)を規定する第2の部材8からなる吐出口形成部材5とを有する。
吐出エネルギー発生素子2としては、例えば発熱抵抗体や圧電素子が挙げられる。吐出エネルギー発生素子は、素子基板1の表面に接するように形成されていてもよいし、素子基板の表面から一部が離間するように中空状に形成されていてもよい。
素子基板1の主基板としては、シリコンで形成されたシリコン基板が挙げられる。基板の第一の面(表面)側に、吐出エネルギー発生素子2が形成されている。第一の面と、その反対側の面である第二の面(裏面)は、シリコンの結晶面方位が(100)であることが好ましい。即ち、主基板はシリコンで形成された(100)基板であることが好ましい。
素子基板1には、液体供給路3が形成されている。液体供給路3は、素子基板1の第一の面から第一の面と対向する第二の面までを貫通するように形成されている。液体供給路3は、流路9に連通している。吐出エネルギー発生素子2は、素子基板1の第一の面側において、液体供給路3の開口の両側に2列で並んで形成されている。基板上には、これら以外にも絶縁膜や耐キャビテーション膜等(不図示)が形成されている。
吐出口形成部材5の第1の部材7は、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond-like carbon:DLC)を含む無機膜で形成されている。吐出口形成部材5の第1の部材7には吐出口4が形成されており、吐出口4は吐出エネルギー発生素子2に対応する位置に配置されている。DLCは機械的強度が高く、5μm以下の膜厚でもフェイス面のき裂や、吐出口4の変形を抑制することができる。流路壁を規定する第2の部材8は、樹脂材料で形成されている。液体供給路3から流路9に供給された液体は、吐出エネルギー発生素子2によってエネルギーを与えられ、吐出口4から吐出される。素子基板1の端部には端子(バンプ)6があり、この端子を液体吐出ヘッドを搭載する液体吐出装置(不図示)に電気的に接続することで、吐出エネルギー発生素子2が端子6を経由して外部と電気的に接続される。これにより、外部からの吐出信号に応じて吐出エネルギー発生素子2からエネルギーを発生させることが、所望の吐出口から液体を吐出できる。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、図1に示す例に限定されず、多色に対応したヘッド、例えば、各色に対応した吐出口列を並列に配置したものや、各色に対応した吐出口列を直列に配置したものであっても良い。
次に、本発明の液体吐出ヘッドの製造工程を、図2([図2−1]及び[図2−2])を用いて説明する。図2は、図1に示すA−A’おける断面に相当する部分を含む第一の実施形態に係る製造工程の断面図である。
まず、図2(a)に示すように、支持基板10を用意する。支持基板10は第1の部材7を構成する無機膜の成膜に形成されるので、成膜された無機膜と分離可能で、平坦な表面を有するものであれば特に制限されない。例えば、シリコン基板や酸化シリコン基板などの表面を鏡面処理した基板が望ましい材料として挙げられる。支持基板10の表面平坦度は、製造される液体吐出ヘッドのフェイス面の表面平坦度に反映される。このため、支持基板の裏面を基準面として厚み方向に測定した高さの支持基板全面における最大値と最小値の差(Total Thickness Variation:TTV)は3μm以下であることが好ましい。このように鏡面処理された支持基板10の表面上(鏡面上)に第1の部材7となる無機膜を成膜する。第1の部材7が薄い場合は、無機膜としてDLCの単層膜を使用することができる。第1の部材7の厚みの増加と共に、DLCの単層膜では内部応力が大きくなるため、DLCとSiC、SiCNなどのシリコンカーバイト系膜(SiC系膜)との積層構造とすることにより、内部応力を低減させてもよい。積層構造としては、DLCとSiC系膜の交互積層膜とすることができる。支持基板10と接する側が液体吐出ヘッドのフェイス面(最表面)となるため、第1の部材7のフェイス面に0.5μm以下の撥水層を設けても良い。このような撥水層としてはフッ素をドープしたDLCを用いることができる。DLCやSiC系膜の成膜方法は特に制限はなく、公知の方法で形成することができる。例えば、DLCはアセチレンなどの炭化水素ガスをチャンバー内でプラズマ化して、支持基板10上に蒸着するプラズマCVD法や、原料ガスを熱分解して蒸着する熱CVD法などの化学蒸着法が挙げられる。また、真空蒸着法やスパッタ法などの物理蒸着法(PVD法)でも形成することができる。
第1の部材7の厚みは、後工程で形成する吐出口4からの液体吐出が正常に行える吐出口経路長の範囲であれば特に制限されないが、5μm以下であることが好ましく、4μm以下がより好ましい。また、液体吐出時の圧力変化や外部からの押圧などに耐える厚みであることが望ましく、0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。
次に、第1の部材7上に第2の部材8となる感光性樹脂層8Aを塗布形成する(図2(b))。感光性樹脂層8Aは、アクリル樹脂やエポキシ樹脂を基材として、光重合開始剤等を添加して感光性を付与した感光材料を用いている。また、本硬化前では、100℃以下で軟化するように調整されていることが好ましい。第1の部材7と第2の部材8との密着性を改善するため、感光性樹脂層8Aの塗布前に、第1の部材7の上面にシランカップリング剤処理やOプラズマ処理などの密着向上処理を施しても良い。
感光性樹脂層8Aの厚みは、最終的に形成される液体吐出ヘッドに要求される流路高さに応じて適宜設定すれば良い。通常は、第1の部材7の厚み以上の厚みに形成され、3μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましい。また、感光性樹脂層8Aの厚みは、20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましい。
次に、図2(c)に示すように、吐出エネルギー発生素子2が第一の面に形成されており、第一の面から第二の面に貫通した液体供給路3を備えた素子基板1を用意し、素子基板1の第一の面側を感光性樹脂層8A上に貼り合わせる。この時、感光性樹脂層8Aの硬化物の軟化点以上に温度を上げた状態で、素子基板1を低圧〜真空下で貼り合わせることが好ましい。通常、素子基板1としては、各チップにそれぞれ所定数の吐出エネルギー発生素子2と液体供給路3が形成された多数個のチップ取り可能なウエハサイズを用いる。したがって、支持基板10には、素子基板1と同等かそれよりも大きいウエハサイズを選択して使用することが好ましい。また、この時、チップ毎の流路高さの偏差が生じないように、ウエハサイズの素子基板1はウエハ保持部材(不図示)に吸着保持して、支持基板10に等押圧で貼り合わせることが好ましい。支持基板10上の感光性樹脂層8Aは、その硬化膜の軟化点以上に加熱されているため、低押圧下でも容易に変形が可能である。また、素子基板1側の液体供給路3内に押しまれる量は最小で、素子基板1の第一の面に形成されている不図示の配線などの凹凸には倣うように貼り合わせることができる(図2(d))。支持基板10への素子基板1の貼り合わせは、支持基板10を下側、素子基板1を上側として、低圧〜真空下に貼り合わせる方法が望ましい。素子基板1の第一の面が無機材料である場合、有機材料からなる第2の部材8との密着性を向上させるために密着向上層の形成や前述のような前処理を素子基板1の第一の面上に施しても良い。
本発明の液体吐出ヘッドの製造方法では、表面が平坦で、十分な強度を有する支持基板10を用いるのでフェイス面となる第1の部材7の表面は平坦となる。また、DLCは物性的に、カーボン含有の無機膜としては硬度の高い物質であるため、支持基板10の除去後にもその平坦性を維持しうる。
貼り合わせた後に感光性樹脂層8Aの硬化物の軟化点以下の温度、例えば、室温に戻して、感光性樹脂層8Aの流動性が無くなった状態で、支持基板10の除去を行う。支持基板10の除去にあたり、図2(e)に示すように、上下を逆転して行う。支持基板10の除去方法としては、第1の部材7の平坦性を損なうことなく、支持基板10の材料に適した除去方法を適用すれば良い。例えば、支持基板10が酸化シリコンであるならば、枚葉式のスピンエッチャー装置でエッチング液としてフッ酸を用いるエッチング方法で除去することができる。また支持基板10がシリコンであるならば、グラインダーなどで50μm厚以下に削った後、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)などのアルカリを含むエッチング液でエッチングして除去しても良い。この時も素子基板1側にエッチング液が回りこまない枚葉式のスピンエッチャー装置を用いることが望ましい。
このように、支持基板10を除去した後、感光性樹脂層8Aを第1の部材7越しにパターニングする。パターニングは流路9に対応するマスク11を用い、流路壁となる部分を露光する(図2(f))。この時、第1の部材7の無機膜に含まれるDLCは、i線(波長365nm)吸収が大きいため、h線(425nm)以上の長波長露光機で露光する。感光性樹脂層8Aを構成する感光材料は、425nm以上に感度持つように調製する。
露光後、必要に応じて加熱処理(Post-exposure bake:PEB)して、流路壁となる第2の部材8に硬化させる(図2(g))。
次に、第1の部材7上に吐出口を形成するためのレジスト12を塗布して、吐出口4に対応するマスク13を用いてパターニングする。この時、レジスト12としてi線に感度を有する感光材料を用いることができる。吐出口形成エリアの感光性樹脂層8Aは未露光であるが、第1の部材7にはi線吸収が大きいDLCを含んでいるため、未露光の感光性樹脂層8Aが感光されない程度でパターニングすることができる。
ドライエッチングにて、第1の部材7に吐出口4を形成する(図2(i))。
感光性樹脂層8Aの未露光部分と吐出口形成に使用したレジスト12を同時に除去する(図2(j))。
この後、第2の部材8を最終硬化(本硬化)させて、液体吐出ヘッドを完成させる。
上記の第一の実施形態に係る製造工程では、無機膜越しに感光性樹脂層8Aを露光するため、感光性樹脂層8Aに使用する感光材料の感光波長が制限されていた。しかしながら、本発明ではこれに限定されず、感光波長の制限のない感光材料を用いて感光性樹脂層8Aを形成することができる。以下に、第二の実施形態として説明する。
図3は、第二の実施形態に係る液体吐出ヘッドの製造工程を説明する工程断面図であり、図1に示すA−A’における断面に相当する部分を含む。なお、図2に示す第一の実施形態と同様の工程は省略する。
図2(a)と同様に、支持基板10上に、DLCを含む無機膜からなる第1の部材7を形成し、その上に、感光性樹脂層8Aを形成する(図3(b))。
次に、図3(c)に示すように、流路の反転パターンを有するマスク14を用いて、感光性樹脂層8Aを露光し、流路壁部分に潜像8Bを形成する。ここでは、第1の部材7を構成する無機膜越しに露光する必要はないため、感光性樹脂層8Aを構成する感光材料としてi線に感度を有する感光材料を用いることができる。もちろん、i線よりも短波長領域に感度を有する感光材料を用いても良いが、波長が短くなるほど焦点深度が浅くなり、ある程度の高さが必要な流路壁を形成するには露光エネルギーを高める必要がある。したがって、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を基材として365nm以上の波長に感度ピークを有する感光材料を用いることが好ましい。
次に、図3(d)に示すように、吐出エネルギー発生素子2が第一の面に形成されており、第一の面から第二の面に貫通した液体供給路3を備えた素子基板1を用意し、素子基板1の第一の面側を感光性樹脂層8A上に貼り合わせる。この時、感光性樹脂層8Aの硬化物の軟化点以上に温度を上げた状態で、素子基板1を低圧〜真空下で貼り合わせることが好ましい。温度を上げることにより、潜像8Bでの硬化反応が進行し、流路壁部となる第2の部材8となり、さらに軟化することで密着する。
その後は、第一の実施形態と同様に、第1の部材7への吐出口4の形成(図3(e))、未露光の感光性樹脂層8A及びレジスト12を除去して、液体吐出ヘッドを作製する(図3(f))。
以上の第一及び第二の実施形態では、支持基板10と貼り合わせる素子基板1として、予め液体供給路3を形成したものを使用したが、液体供給路3は支持基板10と貼り合わせた後に形成してもよい。例えば、支持基板10がシリコン基板であれば、支持基板10の除去と同時に液体供給路3を形成することも可能である。
また、液体供給路3の形状も、多段構造として、素子基板1の第二の面側に開口する共通液室と、素子基板1の第一の面側に吐出エネルギー発生素子2を挟んで対称的に開口する個別供給路の様な形状としても良い。
次に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例1>
本実施例では、支持基板10にシリコンウエハ(直径;200mm、厚み725μm、TTV;3μm以下)を使用して、第1の部材7を構成する無機膜として、CVD装置にて2μmのDLCを成膜した。その上に感光性樹脂層8Aを感光材料1として東京応化工業製「TMMR」(登録商標、マイクロ流路形成用感光性永久膜材料)を用いて5μmの厚みで塗布した。この感光材料1は、425nm以上に感度をもつように組成が調製されたものである。
一方で、公知の方法で吐出エネルギー発生素子2を形成したシリコン基板にインク供給のための液体供給路3を形成した素子基板1を準備する。この素子基板1と感光性樹脂層8Aの軟化点(上記材料では45℃)以上に加熱した支持基板10とを真空下に等押厚で貼り合わせる。十分に冷却した後、本例ではグラインダーにて、支持基板10を50μm以下になるまで削り、枚葉式ウエットエッチング装置で残りの支持基板10をTMAHでウエットエッチングした。DLCはTMAHでエッチングされないため、支持基板10を十分に除去することができる。
次に、図2(f)に示すように、第1の部材7側よりブロードバンドの光源をもつ露光機で流路壁部分の感光性樹脂層8Aを露光して潜像させる。その後、レジストを塗布し吐出口をパターニングする。この時レジストはi線感度を持つものを用いる。本例では、東京応化工業製「THMR(登録商標)iP5700」を使用しi線で露光した。この時DLCは、i線透過率が約30%なので、感光性樹脂層8Aが硬化をはじめない露光量で露光した。その後、ドライエッチングでレジスト12をマスクにDLCをエッチングして吐出口4を形成した。
残存するレジスト12と未露光の感光性樹脂層8Aは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に共に溶解可能なので、レジスト12と感光性樹脂層8Aの未露光部を一括に除去した。除去時は、超音波を付加して除去した。その後、200℃、60分で最終硬化させた。完成した基板をダイシングソー等により分離切断、チップ化する。その後、吐出エネルギー発生素子2を駆動させるための電気的接合を行った後、インク供給のためのチップタンク部材を接続して、インクジェットヘッドを完成させた。
<実施例2>
本実施例では、支持基板10にガラスウエハ(直径;200mm、厚み1mm、TTV;3μm以下)を使用して。CVD装置にて第1の部材となる無機膜を成膜した。この時、無機膜としてDLCとSiCN(C含有率20%)の膜を0.3μmずつ交互に積層して最終的に3μmの厚みに成膜した。その後、実施例1と同じ感光材料1を用いて感光性樹脂層8Aを8μmの厚みで塗布形成した。その後、実施例1と同様に基板1を真空下に等押圧で貼り合わせる。十分に冷却した後、本例では枚葉式のスピンエッチャー装置にて、支持基板をフッ酸にてウエットエッチングして除去した。DLC、SiCNはフッ酸ではエッチングされない。
その後は、実施例1と同様の製造工程でインクジェットヘッドを完成させた。
<実施例3>
本実施例では、支持基板にシリコン(直径;200mm、厚み725μm、TTV;3μm以下)を使用して、CVD装置にて第1の部材となる無機膜を成膜した。この時、無機膜としてDLC膜を3μmに成膜した。この無機膜上に感光材料2として東京応化工業製「TMMR」(登録商標)を8μm塗布した。この感光材料2は、365nmに感度を持つように調製している。次に図3(c)に示すように、流路壁となる部分を露光して潜像8Bを形成させる。当然転写して流路壁になるため、マスク14は反転パターン(ミラーイメージ)でパターニングされている。図3(d)に示すように、吐出エネルギー発生素子2と液体供給路3を形成した素子基板1をアライメントして貼り合わせる。この時、支持基板10は感光性樹脂層8Aの硬化膜の軟化温度である90℃以上に加熱した状態で、真空下に等圧で貼り合わせる。続いて、十分に冷却したした後、枚葉式のスピンエッチャーで、TMAHにて支持基板10をウエットエッチングして除去した。次に図3(e)に示すように、実施例1と同様にレジスト12を塗布しパターニングし、吐出口4をドライエッチングで形成した。
レジスト12と未露光の感光性樹脂層8Aは、PGMEAを用いて一括に除去した。除去時は、超音波を付加して除去した。その後、200℃、60分で液流路となる第2の部材8を最終硬化させた。その後、そのシリコン基板をダイシングソー等により分離切断、チップ化する。その後は、実施例1と同様の製造工程で完成させた。
<評価>
本製法で作成した、液体吐出ヘッドのフェイス面は平坦で、吐出口の変形がなく、割れもなかった。
1 素子基板
2 吐出エネルギー発生素子
3 液体供給路
4 吐出口
5 吐出口形成部材
6 端子
7 第1の部材
8 第2の部材
9 流路
10 支持基板
100 液体吐出ヘッド

Claims (11)

  1. 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有し、前記第一の面から前記第一の面に対向する第二の面に貫通する液体供給路を備えた素子基板と、前記素子基板の前記第一の面上に、前記液体供給路に連通する流路と前記流路から外部に液体を吐出する吐出口とを備えた吐出口形成部材とを含む液体吐出ヘッドにおいて、
    前記吐出口形成部材は、前記吐出口が形成された板状の第1の部材と、前記流路の壁部を規定する第2の部材とを備え、
    前記第1の部材は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜、またはダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記第1の部材は、5μm以下の厚さである請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第2の部材は、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を基材として365nm以上の波長に感度ピークを有する感光材料を硬化させた樹脂材料である請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
    前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
    前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
    前記支持基板を除去する工程、
    前記無機膜を通して前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
    前記無機膜に吐出口を形成する工程、
    前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
    を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記感光性樹脂層が、425nm以上の波長に感度を持つ感光材料で形成される、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  6. 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
    前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
    前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
    前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
    前記支持基板を除去する工程、
    前記無機膜に吐出口を形成する工程、
    前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
    を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 前記感光性樹脂層が、365nm以上の波長に感度を持つ感光材料で形成される、請求項6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  8. 前記支持基板は、シリコン基板または酸化シリコン基板である請求項4乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  9. 前記無機膜は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜である請求項4乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  10. 前記無機膜は、ダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜である請求項4乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  11. 前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程は、前記感光性樹脂層の硬化膜の軟化点以上の温度に加熱した状態で行う請求項4乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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