JP2017001326A - 液体吐出ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鏡面処理された支持基板10の表面上に液体吐出ヘッドのフェイス面となる板状の第1の部材7を形成し、その上に流路壁となる第二の部材8となる感光性樹脂層8Aを形成する。感光性樹脂層と素子基板1とを貼り合わせ、支持基板10を除去する。感光性樹脂層は支持基板を除去した後に第1の部材を通して露光硬化させるか、素子基板とを貼り合わせ前に露光して、貼り合わせ時に硬化させる。第1の部材7にはダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を用いる。
【選択図】図2−1
Description
第一の面に吐出エネルギー発生素子を有し、前記第一の面から前記第一の面と対向する第二の面に貫通する液体供給路を備えた素子基板と、前記素子基板の前記第一の面上に、前記液体供給路に連通する流路と前記流路から外部に液体を吐出する吐出口とを備えた吐出口形成部材とを含む液体吐出ヘッドにおいて、前記吐出口形成部材は、前記吐出口が形成された板状の第1の部材と、前記流路の壁部を規定する第2の部材とを備え、前記第1の部材は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜、またはダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド、が提供される。
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層の上に、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜を通して前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備える液体吐出ヘッドの製造方法、が提供される。
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記感光性樹脂層の上に、第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備える液体吐出ヘッドの製造方法、が提供される。
このように、支持基板10を除去した後、感光性樹脂層8Aを第1の部材7越しにパターニングする。パターニングは流路9に対応するマスク11を用い、流路壁となる部分を露光する(図2(f))。この時、第1の部材7の無機膜に含まれるDLCは、i線(波長365nm)吸収が大きいため、h線(425nm)以上の長波長露光機で露光する。感光性樹脂層8Aを構成する感光材料は、425nm以上に感度持つように調製する。
ドライエッチングにて、第1の部材7に吐出口4を形成する(図2(i))。
感光性樹脂層8Aの未露光部分と吐出口形成に使用したレジスト12を同時に除去する(図2(j))。
この後、第2の部材8を最終硬化(本硬化)させて、液体吐出ヘッドを完成させる。
次に、図3(c)に示すように、流路の反転パターンを有するマスク14を用いて、感光性樹脂層8Aを露光し、流路壁部分に潜像8Bを形成する。ここでは、第1の部材7を構成する無機膜越しに露光する必要はないため、感光性樹脂層8Aを構成する感光材料としてi線に感度を有する感光材料を用いることができる。もちろん、i線よりも短波長領域に感度を有する感光材料を用いても良いが、波長が短くなるほど焦点深度が浅くなり、ある程度の高さが必要な流路壁を形成するには露光エネルギーを高める必要がある。したがって、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を基材として365nm以上の波長に感度ピークを有する感光材料を用いることが好ましい。
その後は、第一の実施形態と同様に、第1の部材7への吐出口4の形成(図3(e))、未露光の感光性樹脂層8A及びレジスト12を除去して、液体吐出ヘッドを作製する(図3(f))。
本実施例では、支持基板10にシリコンウエハ(直径;200mm、厚み725μm、TTV;3μm以下)を使用して、第1の部材7を構成する無機膜として、CVD装置にて2μmのDLCを成膜した。その上に感光性樹脂層8Aを感光材料1として東京応化工業製「TMMR」(登録商標、マイクロ流路形成用感光性永久膜材料)を用いて5μmの厚みで塗布した。この感光材料1は、425nm以上に感度をもつように組成が調製されたものである。
一方で、公知の方法で吐出エネルギー発生素子2を形成したシリコン基板にインク供給のための液体供給路3を形成した素子基板1を準備する。この素子基板1と感光性樹脂層8Aの軟化点(上記材料では45℃)以上に加熱した支持基板10とを真空下に等押厚で貼り合わせる。十分に冷却した後、本例ではグラインダーにて、支持基板10を50μm以下になるまで削り、枚葉式ウエットエッチング装置で残りの支持基板10をTMAHでウエットエッチングした。DLCはTMAHでエッチングされないため、支持基板10を十分に除去することができる。
本実施例では、支持基板10にガラスウエハ(直径;200mm、厚み1mm、TTV;3μm以下)を使用して。CVD装置にて第1の部材となる無機膜を成膜した。この時、無機膜としてDLCとSiCN(C含有率20%)の膜を0.3μmずつ交互に積層して最終的に3μmの厚みに成膜した。その後、実施例1と同じ感光材料1を用いて感光性樹脂層8Aを8μmの厚みで塗布形成した。その後、実施例1と同様に基板1を真空下に等押圧で貼り合わせる。十分に冷却した後、本例では枚葉式のスピンエッチャー装置にて、支持基板をフッ酸にてウエットエッチングして除去した。DLC、SiCNはフッ酸ではエッチングされない。
その後は、実施例1と同様の製造工程でインクジェットヘッドを完成させた。
本実施例では、支持基板にシリコン(直径;200mm、厚み725μm、TTV;3μm以下)を使用して、CVD装置にて第1の部材となる無機膜を成膜した。この時、無機膜としてDLC膜を3μmに成膜した。この無機膜上に感光材料2として東京応化工業製「TMMR」(登録商標)を8μm塗布した。この感光材料2は、365nmに感度を持つように調製している。次に図3(c)に示すように、流路壁となる部分を露光して潜像8Bを形成させる。当然転写して流路壁になるため、マスク14は反転パターン(ミラーイメージ)でパターニングされている。図3(d)に示すように、吐出エネルギー発生素子2と液体供給路3を形成した素子基板1をアライメントして貼り合わせる。この時、支持基板10は感光性樹脂層8Aの硬化膜の軟化温度である90℃以上に加熱した状態で、真空下に等圧で貼り合わせる。続いて、十分に冷却したした後、枚葉式のスピンエッチャーで、TMAHにて支持基板10をウエットエッチングして除去した。次に図3(e)に示すように、実施例1と同様にレジスト12を塗布しパターニングし、吐出口4をドライエッチングで形成した。
本製法で作成した、液体吐出ヘッドのフェイス面は平坦で、吐出口の変形がなく、割れもなかった。
2 吐出エネルギー発生素子
3 液体供給路
4 吐出口
5 吐出口形成部材
6 端子
7 第1の部材
8 第2の部材
9 流路
10 支持基板
100 液体吐出ヘッド
Claims (11)
- 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有し、前記第一の面から前記第一の面に対向する第二の面に貫通する液体供給路を備えた素子基板と、前記素子基板の前記第一の面上に、前記液体供給路に連通する流路と前記流路から外部に液体を吐出する吐出口とを備えた吐出口形成部材とを含む液体吐出ヘッドにおいて、
前記吐出口形成部材は、前記吐出口が形成された板状の第1の部材と、前記流路の壁部を規定する第2の部材とを備え、
前記第1の部材は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜、またはダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜であることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第1の部材は、5μm以下の厚さである請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2の部材は、エポキシ樹脂またはアクリル樹脂を基材として365nm以上の波長に感度ピークを有する感光材料を硬化させた樹脂材料である請求項1または2に記載の液体吐出ヘッド。
- 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜を通して前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記感光性樹脂層が、425nm以上の波長に感度を持つ感光材料で形成される、請求項4に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板の前記第一の面上に、流路壁及び吐出口を備える吐出口形成部材が形成されている液体吐出ヘッドの製造方法であって、
鏡面処理された支持基板の表面上にダイヤモンドライクカーボンを含む無機膜を成膜する工程、
前記無機膜上に感光性樹脂層を成膜する工程、
前記感光性樹脂層を露光して、流路壁部分に潜像を形成する工程、
前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程、
前記支持基板を除去する工程、
前記無機膜に吐出口を形成する工程、
前記感光性樹脂層の未露光部を除去し、前記潜像を硬化して流路壁を形成する工程、
を備えることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。 - 前記感光性樹脂層が、365nm以上の波長に感度を持つ感光材料で形成される、請求項6に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記支持基板は、シリコン基板または酸化シリコン基板である請求項4乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記無機膜は、ダイヤモンドライクカーボンの単層膜である請求項4乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記無機膜は、ダイヤモンドライクカーボンとシリコンカーバイト系膜の積層膜である請求項4乃至8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
- 前記感光性樹脂層の上に、前記第一の面に吐出エネルギー発生素子を有する素子基板を前記第一の面側で貼り合わせる工程は、前記感光性樹脂層の硬化膜の軟化点以上の温度に加熱した状態で行う請求項4乃至10のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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