JP2017000995A - 塗膜の形成方法 - Google Patents

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量子 浅井
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Naoki Kurata
直記 倉田
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Satoshi Suzuki
聡 鈴木
平松 剛
Takeshi Hiramatsu
平松  剛
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Abstract

【課題】水中構造物に塗装する防汚塗料であって、人体や環境に優しい、塗膜の形成方法の提供。【解決手段】構造物の表面に塗膜を形成する方法であって、第一の液体100上に展開した、第一の液体100よりも比重が小さい液状塗料10の上に、構造物20を侵入させ、該第一の液体100との接触によって該液体塗料10の重合反応が進行して塗膜が形成する方法。第1の液体100が水溶液であり、海水である、液体状塗料10が、縮合型シリコーン樹脂であり、更に液体状塗料10が80重量%以下のシリコーンをオイルを含む、5Pa・s未満の粘度を有する塗膜の形成方法。【効果】構造物20としては、任意の適切な構造物20を採用し得て、構造物が、好ましくは水中構造物20であり、具体的には、例えば、船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路等が挙げられる。【選択図】図1

Description

本発明は、塗膜の形成方法に関する。詳細には、本発明は、水中構造物(船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路など)の表面に塗膜を形成する方法に関する。
例えば、船舶などの水中構造物は、海水に接触する部分において、フジツボ、カキ、ムラサキイガイ、ヒドラ、セルプラ、ホヤ、コケムシ、アオサ、アオノリ、付着珪藻などの水生生物が付着して繁殖し、流体抵抗の増加や熱伝導性の低下といった設備機械性能の低下や、付着した水生生物の海外への拡散など、好ましくない状態を引き起こしている。また、付着した水生生物を除去する作業には大きな労力と膨大な時間が必要であり、経済的な損失を被っている。
上記のような被害を防止するため、従来、防汚塗料が水中構造物に塗装されている(例えば、特許文献1)。
防汚塗料には、古くは有機スズ化合物や現在では亜酸化銅などの毒性防汚剤が含まれている。防汚塗料の毒性によって水生生物の付着成長はほぼ抑制できるが、有機スズ化合物や亜酸化銅などの毒性防汚剤は人体や環境に少なからず悪影響を与えるため、長期的にみれば深刻な問題となる。
また、防汚塗料を塗装後に乾燥させる際には、30重量%程度の有機溶剤(VOC)が揮発し、作業環境や周辺の環境に悪影響を与えている。スプレー式塗装では、VOCの大気中への排出の他に、塗料の10重量%〜20重量%は風により周囲に飛散していると言われている。一方で、長年使用した防汚塗料を塗り替える際には、古くなった防汚塗料をサンドブラストや金属研磨機で剥離するが、その際に、有機スズ化合物や亜酸化銅などの毒性防汚剤を含んだ大量の塗膜片が周囲に飛散して作業者や環境に悪影響を与えると共に、剥離した防汚塗料は産業廃棄物として処理されるため、大きな問題となっている。
以上の様に、これまでの防汚塗料では、防汚効果は発現できているものの、人体や環境に対して大きな悪影響があり、多くの問題が解決されないまま現在に至っているのが現状である。
特開2011−168707号公報
本発明の課題は、人体や環境に優しい、塗膜の形成方法を提供することにある。
本発明の塗膜の形成方法は、
構造物の表面に塗膜を形成する方法であって、
第一の液体上に展開した、第一の液体よりも比重が小さい液状塗料の上に、構造物を侵入させ、
該第一の液体との接触によって該液体塗料の重合反応が進行して塗膜が形成する。
1つの実施形態においては、上記第一の液体が水溶液である。
1つの実施形態においては、上記液体塗料が縮合型シリコーン樹脂を含む。
1つの実施形態においては、上記第一の液体が海水である。
1つの実施形態においては、本発明の塗膜の形成方法は、オイルフェンス内にて行う。
1つの実施形態においては、水圧によって上記第一の液体上に展開した液状塗料が塗膜として上記構造物に転写される。
1つの実施形態においては、上記液状塗料の粘度が5Pa・s未満である。
1つの実施形態においては、上記液状塗料がシリコーンオイルを含む。
1つの実施形態においては、上記シリコーンオイルの上記液状塗料中の含有割合が80重量%以下である。
1つの実施形態においては、上記液状塗料が接着付与剤を含む。
1つの実施形態においては、上記接着付与剤の上記液状塗料中の含有割合が1重量%〜20重量%である。
1つの実施形態においては、上記液状塗料を上記第一の液体上に展開した後に、該液状塗料表面に接着剤を展開し、その上に上記構造物を侵入させる。
本発明によれば、人体や環境に優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法の一例を模式的に示す概略断面図である。
本発明の塗膜の形成方法は、構造物の表面に塗膜を形成する方法である。
塗膜としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な塗膜であり得る。このような塗膜としては、例えば、防汚塗膜が挙げられる。
構造物としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な構造物を採用し得る。本発明の塗膜の形成方法が液体上で行われることを考慮すると、構造物は、好ましくは水中構造物であり、具体的には、例えば、船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路などが挙げられる。
構造物の表面とは、構造物の少なくとも一部の表面を意味する。すなわち、構造物の一部の表面(例えば、下側の表面など)でも良いし、構造物の全部の表面でも良い。
本発明の塗膜の形成方法においては、まず、液状塗料を第一の液体上に展開する。
第一の液体としては、液体であれば、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な液体を採用し得る。このような液体としては、好ましくは、水溶液であり、より好ましくは、海水である。ここでいう「海水」は、一般にいう「海水」(自然海水)および一般に「人工海水」と称されるものを含む意である。
本発明の塗膜の形成方法において、液状塗料を第一の液体上に展開するとは、該液状塗料を第一の液体上に均一に流し込んで展開することを意味する。第一の液体上に展開された液状塗料の厚みは、第一の液体の成分や表面張力など、展開する液状塗料の成分や表面張力など、風などの外的環境などによって、適宜設定される。
本発明の塗膜の形成方法においては、次に、第一の液体上に展開した液状塗料上に構造物を侵入させる。構造物を侵入させる方法としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な方法を採用し得る。このような方法としては、例えば、第一の液体上に展開した液状塗料の上方から侵入させる方法、第一の液体が海水の場合には陸地から海水上に侵入させる方法などが挙げられる。
本発明の塗膜の形成方法においては、液状塗料を第一の液体上に展開した後に、該液状塗料表面に接着剤を展開し、その上に構造物を侵入させても良い。このようにすることにより、塗膜がより確実に構造物に貼着する。
図1は、本発明の塗膜の形成方法の一例を模式的に示す概略断面図である。図1の(a)に示すように、陸地200の端部から海水100が広がっており、オイルフェンス300によって海水がガードされている。まず、オイルフェンス300の内側において、液状塗料10を海水100上に展開する(図1の(b))。なお、液状塗料10は、図1の(b)に示すように、オイルフェンス300の内側全体に展開されていても良いし、オイルフェンス300の内側の一部に展開されていても良い。海水100上に展開された液状塗料10は、後述するその特定の構成成分により、海水面側から硬化して薄膜を形成し始める。すなわち、第一の液体との接触によって液体塗料の重合反応が進行して塗膜が形成する。次に、陸地200から、構造物20を海水100に侵入させる(図1の(c))。図1の(c)においては、構造物20として船舶を例に挙げて図示してある。構造物20を海水100に侵入させる手段は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な手段を採用し得る。図1の(c)においては、構造物20は、転がり部材50を利用して海水100に侵入させている。構造物20が海水100に侵入することにより、海水100上に展開された液状塗料10上に構造物20が載置される形態となる(図1の(d))。図1の(d)において、海水100上に展開された液状塗料10が、水圧によって、塗膜として構造物20に転写される。このような本発明の塗膜の形成方法によれば、スプレー塗装やハケ塗装なしで、構造物の表面に塗膜を形成し得るという効果を発現できる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、第一の液体よりも比重が小さい塗料である。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料が第一の液体よりも比重が小さいことにより、第一の液体上に展開した際に第一の液体面上に均一に広がる。したがって、例えば、図1の(b)に示すように、オイルフェンス300の内側において液状塗料10を海水100上に展開すると、液状塗料10が、オイルフェンス300の内側において、海水100の海面上に均一に展開される。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、粘度が、好ましくは5Pa・s未満であり、より好ましくは1Pa・s〜5Pa・sであり、さらに好ましくは0.3Pa・s〜1Pa・sであり、特に好ましくは0.01Pa・s〜0.3Pa・sである。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料の粘度を上記範囲内に調整することにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、好ましくは、縮合型シリコーン樹脂を含む。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料が縮合型シリコーン樹脂を含むことにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより効果的に実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料が縮合型シリコーン樹脂を含む場合、液状塗料中の縮合型シリコーン樹脂の含有割合は、好ましくは10重量%〜100重量%であり、より好ましくは20重量%〜100重量%であり、さらに好ましくは30重量%〜90重量%であり、特に好ましくは40重量%〜80重量%である。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料が縮合型シリコーン樹脂を含む場合、液状塗料中の縮合型シリコーン樹脂の含有割合を上記範囲内に調整することにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
縮合型シリコーン樹脂としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な縮合型シリコーン樹脂を採用し得る。縮合型シリコーン樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このような縮合型シリコーン樹脂は、例えば、末端シラノール基を有するオルガノポリシロキサンと、末端シラノール基と反応可能な官能基を有する多官能性の有機ケイ素架橋剤とを組み合わせて製造され、ポリシロキサンの末端のそれぞれが、通常2個以上の官能基を有する構造を有し得る。縮合型シリコーン樹脂は、代表的には、湿気により縮合反応が進み、その結果、架橋したオルガノポリシロキサンのネットワーク構造を形成し得る。
縮合型シリコーン樹脂としては、具体的には、例えば、信越化学工業(株)製の1液縮合型RTVゴム(例えば、KE−3423、KE−347、KE−3475、KE−3495、KE−4895、KE−4896、KE−3479、KE−348、KE−4897、KE−4898、KE−3424G、KE−3494、KE−3490、KE−40RTV、KE−4890、KE−3497、KE−3498、KE−3493、KE−3466、KE−3467、KE−3491、KE−3492、KE−3417、KE−3418、KE−3427、KE−3428、KE−41、KE−42、KE−44、KE−45、KE−441、KE−445、KE−45Sなど)、信越化学工業(株)製の2液縮合型RTVゴム(例えば、KE−66、KE−200、KE−118、KE−108、KE−119、KE−513−A/B、KE−12、KE−14、KE−17、KE−113、KE−24、KE−26、KE−1414、KE−1415、KE−1416、KE−1417など)などが挙げられる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、好ましくは、シリコーンオイルを含む。
シリコーンオイルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
シリコーンオイルは、シリコーン樹脂との反応性や自己縮合性を有さないものが好ましい。このようなシリコーンオイルとしては、シリコーン樹脂に含まれるオルガノポリシロキサンとある程度不相溶であるものが好ましく、長期間にわたって防汚効果を持続できるものが好ましい。このようなシリコーンオイルとしては、例えば、末端水酸基含有ジメチルシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、高級脂肪酸エステル系シリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイルは、25℃における粘度が、好ましくは10センチストークス〜10000センチストークスであり、より好ましくは50センチストークス〜5000センチストークスであり、より好ましくは50センチストークス〜4000センチストークスであり、さらに好ましくは80センチストークス〜1000センチストークスであり、特に好ましくは100センチストークス〜500センチストークスである。シリコーンオイルの25℃における粘度を上記範囲内に調整することにより、フジツボなどの動物系水生生物だけでなく植物系水生生物に対しても優れた付着防止効果を発現できる水生生物付着防止粘着テープを提供し得る。特に、シリコーンオイルの粘度を上記範囲内に調整することにより、本発明の水生生物付着防止粘着テープは、植物系水生生物に対する付着効果を長期間にわたって持続し得る。
シリコーンオイルとしては、好ましくは、例えば、一般式(I)で表されるシリコーンオイルが挙げられる。
Figure 2017000995
一般式(I)中、Rは、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、フルオロアルキル基、ポリエーテル基、または水酸基を表し、Rは、同一または異なって、炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ポリエーテル基、フルオロアルキル基を表し、nは0〜150の整数を表す。
一般式(I)中のRとしては、好ましくは、メチル基、フェニル基、水酸基である。一般式(I)中のRとしては、好ましくは、メチル基、フェニル基、4−トリフルオロブチル基である。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルは、数平均分子量が、好ましくは180〜20000、より好ましくは1000〜10000である。
一般式(I)で表されるシリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、両末端または片末端のRが水酸基である末端水酸基含有ジメチルシリコーンオイル、RおよびRの全てがメチル基であるジメチルシリコーンオイル、これらのジメチルシリコーンオイルのメチル基の一部がフェニル基に置換されたフェニルメチルシリコーンオイルなどが挙げられる。
シリコーンオイルとしては、具体的には、例えば、信越化学工業(株)製のシリコーンオイル(例えば、KF96Lシリーズ、KF96シリーズ、KF69シリーズ、KF99シリーズ、KF50シリーズ、KF54シリーズ、KF410シリーズ、KF412シリーズ、KF414シリーズ、FLシリーズなど)、東レダウコーニング株式会社製のシリコーンオイル(例えば、BY16−846シリーズ、SF8416シリーズ、SH200シリーズ、SH203シリーズ、SH230シリーズ、SF8419シリーズ、FS1265シリーズ、SH510シリーズ、SH550シリーズ、SH710シリーズ、FZ−2110シリーズ、FZ−2203シリーズなど)などが挙げられる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中のシリコーンオイルの含有割合は、好ましくは80重量%以下であり、より好ましくは0重量%〜80重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜70重量%であり、特に好ましくは20重量%〜60重量%である。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中のシリコーンオイルの含有割合を上記範囲内に調整することにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、好ましくは、接着付与剤を含む。
接着付与剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
接着付与剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な接着付与剤を採用し得る。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中の接着付与剤の含有割合は、好ましくは1重量%〜20重量%であり、より好ましくは1重量%〜15重量%であり、さらに好ましくは1重量%〜10重量%であり、特に好ましくは1重量%〜5重量%である。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中の接着付与剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、分散剤を含んでいても良い。
分散剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な分散剤を採用し得る。このような分散剤としては、好ましくは、変性シリコーンオイルである。変性シリコーンオイルとしては、例えば、側鎖型変性シリコーンオイル、両末端型変性シリコーンオイル、片末端型変性シリコーンオイル、側鎖両末端型変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
側鎖型変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖の一部に有機基を導入したものであり、例えば、一般式(II)で表され、具体的には、例えば、信越化学工業製の側鎖型変性シリコーンオイルが挙げられる。
Figure 2017000995
一般式(II)中、X、Yの少なくとも一方が「−R−有機基」であり、Rはアルキレン基または単結合であり、XまたはYが「−R−有機基」でない場合はメチル基である。また、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。
側鎖型変性シリコーンオイルに導入される有機基としては、例えば、ポリエーテル基、アラルキル基、フロロアルキル基、長鎖アルキル基、高級脂肪酸エステル基、高級脂肪酸アミド基、アミノ基、ジアミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基などが挙げられる。
両末端型変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの両方の末端に有機基を導入したものであり、例えば、一般式(III)で表され、具体的には、例えば、信越化学工業製の両末端型変性シリコーンオイルが挙げられる。
される。
Figure 2017000995
一般式(III)中、X、Yの両方が「−R−有機基」であり、Rはアルキレン基または単結合である。また、mは0以上の整数である。
両末端型変性シリコーンオイルに導入される有機基としては、例えば、ポリエーテル基、メトキシ基、アミノ基、エポキシ基、脂環式エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、カルボキシル基、フェノール基、水酸基、アクリル基、カルボン酸無水物基などが挙げられる。
片末端型変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンのどちらか片方の末端に有機基を導入したものであり、例えば、一般式(IV)で表され、具体的には、例えば、信越化学工業製の片末端型変性シリコーンオイルが挙げられる。
Figure 2017000995
一般式(IV)中、Xが「−R−有機基」であり、Rはアルキレン基または単結合である。また、mは0以上の整数である。
片末端型変性シリコーンオイルに導入される有機基としては、例えば、エポキシ基、カルビノール基、メタクリル基、カルボキシル基、ジオール含有有機基などが挙げられる。
側鎖両末端型変性シリコーンオイルとしては、ポリシロキサンの側鎖の一部と両方の末端に有機基を導入したものであり、例えば、一般式(V)で表され、具体的には、例えば、信越化学工業製の側鎖両末端型変性シリコーンオイルが挙げられる。
Figure 2017000995
一般式(V)中、X、Yの少なくとも一方が「−R−有機基」であり、Rはアルキレン基または単結合であり、XまたはYが「−R−有機基」でない場合はメチル基であり、P、Qの両方が「−R−有機基」であり、Rはアルキレン基または単結合である。また、mは0以上の整数であり、nは1以上の整数である。
側鎖両末端型変性シリコーンオイルに導入される有機基としては、例えば、アミノ基、メトキシ基、エポキシ基などが挙げられる。
変性シリコーンオイルの中でも、本発明の効果を一層発現させ得る点で、側鎖型変性シリコーンオイル、両末端型変性シリコーンオイルが好ましい。
側鎖型変性シリコーンオイルとしては、本発明の効果を一層発現させ得る点で、導入される有機基として、ポリエーテル基、アラルキル基、長鎖アルキル基が好ましく、ポリエーテル基、アラルキル基、長鎖アルキル基がより好ましい。
両末端型変性シリコーンオイルとしては、本発明の効果を一層発現させ得る点で、導入される有機基として、ポリエーテル基、カルボキシル基、フェノール基、水酸基が好ましく、ポリエーテル基がより好ましい。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中の分散剤の含有割合は、好ましくは0.1重量%〜10重量%であり、より好ましくは0.1重量%〜5重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%〜3重量%であり、特に好ましくは0.2重量%〜2重量%である。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料中の分散剤の含有割合を上記範囲内に調整することにより、図1に示すような塗膜の形成方法をより実現することができ、人体や環境により優しい、塗膜の形成方法を提供することができる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な他の成分を含んでいても良い。このような他の成分は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このような他の成分としては、例えば、流動パラフィン、界面活性剤、液状炭化水素、フッ化オイル、抗菌剤、除草剤、防藻剤、ワックス、ペトロラタム、動物脂類、脂肪酸、珪藻付着防止剤、農薬、医薬品(メデトミジンなど)、酵素活性阻害剤(アルキルフェノール、アルキルレゾルシノールなど)、生物忌避剤などが挙げられる。
流動パラフィンとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な流動パラフィンを採用し得る。流動パラフィンとしては、例えば、(株)MORESCO製のP−40、P−55、P−60、P−70、P−80、P−100、P−120、P−150、P−200、P−260、P−350、和光純薬工業(株)製の炭化水素系流動パラフィンなどが挙げられる。
界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン系界面活性剤、などが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なアニオン界面活性剤を採用し得る。このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキルまたはアルケニルリン酸エステルまたはその塩などが挙げられる。アニオン界面活性剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ノニオン界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なノニオン界面活性剤を採用し得る。このようなノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルまたはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまたはそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコキシド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオキサイドなどが挙げられる。ノニオン界面活性剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
両性界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な両性界面活性剤を採用し得る。このような両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシ型またはスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。両性界面活性剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
カチオン界面活性剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なカチオン界面活性剤を採用し得る。このようなカチオン界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
液状炭化水素としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な液状炭化水素を採用し得る。例えば、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1−テトラデセンなどが挙げられる。液状炭化水素は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
フッ化オイルとしては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切なフッ化オイルを採用し得る。このようなフッ化オイルとしては、例えば、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。化学的安定性の点でパーフルオロポリエーテルが好ましい。パーフルオロポリエーテルとしては、例えば、構造式:A−(CO)x(CFO)y(CO)z―B(式中、末端基Aは、−F、−CF、−C、−C、−CF(CF)OCF、−OF、−OCF、−OC、−OC、−OCF(CF)OCFのいずれかであり、末端基Bは、−CF、−C、−C、−CF(CF)OCFのいずれかであり、x、y、zは0または正の整数であり、x+y+z>1であって、25℃における粘度が50cs〜500000csである。)で表される化合物が挙げられる。パーフルオロポリエーテルの具体例としては、例えば、CFO−(CFCF(CF)O)x(CFO)y−CF(式中、x、yは上記の通りである。)、CFO−(CFO)y(CO)z−CF(式中、y、zは上記の通りである)、CFO−(CFCF(CF)O)x−CF(式中、xは上記の通りである)、及び、F−(CFCFCFO)x−C(式中、xは上記の通りである)などが挙げられる。フッ化オイルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
抗菌剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の適切な抗菌剤を採用し得る。このような抗菌剤としては、いわゆる抗菌剤、除草剤などが挙げられる。抗菌剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
いわゆる抗菌剤としては、例えば、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベノミル、ビテルタノール、ブロムコナゾール、キャプタホール、キャプタン、カルベンダジム、キノメチオネート、クロロタロニル、クロゾリナート、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロフェン、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジチアノン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェナリモル、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンピクロニル、フェンチン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルオルイミド、フルキンコナゾール、フルスルファミド、フルトラニル、ホルペット、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イポコナゾール、イプロジオン、クレソキシムメチル、マンゼブ、マンネブ、メパニピリム、メプロニル、メトコナゾール、メチラム、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、ヌアリモル、オキシン銅、オキソリン酸、ペンシクロン、フタリド、プロシミドン、プロピネブ、キントゼン、硫黄、テブコナゾール、テクロフタラム、テクナゼン、チフルザミド、チオフェネートメチル、チラム、トルクロホスメチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリホリン、トリチコナゾール、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラムなどが挙げられる。また、天然物の抗菌剤として、例えば、孟宗竹抽出物、ヒノキチオール、ニンニクエキス、カンゾウなどの漢方成分が挙げられる。また、銀、銅、亜鉛、錫、鉛、金などの無機抗菌剤が挙げられる。また、必要に応じて、これら無機抗菌剤の担体として、ゼオライト、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、シリカゲル、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ポリシロキサン化合物、リン酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、イオン交換体、酸化亜鉛などが使用できる。合成物の抗菌剤としては、例えば、2−ピリジンチオール−1−オキサイド、p−クロロ−m−クレゾール、ポリヘキサメチレンヒグアナイド、ハイドロクロライド、塩化ベンゼトニウム、アルキルポリアミノエチルグリシン、ベンズイソチアゾリン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2,2’−ジチオ−ビス−(ピリジン−1−オキサイド)などが挙げられる。
除草剤としては、例えば、ベンスルフロンメチル、ピラゾスルフロンエチル、イマゾスルフロン、シクロスルファムロン、エトキシスルフロン、フルセトスルフロン、アジムスルフロン、プリミスルフロン、プロスルフロン、リムスルフロン、ハロスルフロンメチル、ニコスルフロン、チフェンスルフロンメチル、トリトスルフロン、ホラムスルフロン、アミドスルフロン、クロルスルフロン、ヨードスルフロン、メトスルフロンメチル、スルホスルフロン、フラザスルフロン、クロリムロンエチル、トリフルスルフロンメチル、オキサスルフロン、スルホメツロンメチル、トリフロキシスルフロンナトリウム、フルピルスルフロンエチルナトリウム、イマザモックス、イマゼタピル、イマザキン、イマザピル、イマザピック、フルカルバゾンナトリウム、プロポキシカルバゾンナトリウム、ビスピリバックナトリウム、ピリフタリド、ピリミノバックメチル、ピリミスルファン、ピリチオバックナトリウム、フルメツラム、ペノキススラム、メトスラム、メタゾスルフロン、プロピリスルフロン、ベンタゾン、アトラジン、シマジン、ジメタメトリン、ピリデート、ピリダホル、テルブチラジン、テルブトリン、ブロモキシニル、アイオキシニル、メトリブジン、レナシル、ブロマシル、デスメディファム、フェンメディファム、メタミトロン、シメトリン、プロメトリン、ジウロン、イソウロン、リニュロン、シデュロン、クロロトルロン、ベンゾフェナップ、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾビシクロン、イソキサフルトール、テフリルトリオン、テンボトリオン、イソキサクロルトール、メソトリオン、スルコトリオン、ベンゾイルヘキサジオン、プラチラクロール、ブタクロール、カフェンストロール、フェントラザミド、メフェナセット、エトベンザニド、テニルクロール、フルフェナセット、インダノファン、アニロホス、メトラクロール、メタザクロール、アラクロール、プロパクロール、ピペロホス、ジメテナミド、アセトクロール、ナプロパミド、チオベンカルブ、モリネート、ベンフレセート、ピリブチカルブ、エトフメセート、エスプロカルブ、プロスルホカルブ、ダラポン、ブチレート、ペントキサゾン、ピラクロニル、オキサジアゾン、オキサジアルギル、ピラゾジル、オキシフルオルフェン、アシフルオルフェン、ビフェノックス、ピラフルフェンエチル、フルアゾレート、フルチアセットメチル、ブタフェナシル、ベンズフェンジゾン、カルフェントラゾンエチル、スルフェントラゾン、フルミオキサジン、アクトニフェン、フルミクロラック、プロフェキサジノン、セトキシジム、クレソジム、テプラロキシジム、アロキシジム、フェノキサプロップ−P−エチル、ジクロホップメチル、フルアジホップ−P−ブチル、キザロホップ−P−エチル、シハロホップブチル、グルホシネート、グルホシネートP、ビアラホス、グリホサート、グリホサートイソプロピルアミン、スルホサート、ピクロラム、トリクロピル、クロメプロップ、MCPB、2,4−D,MCPA、ジカンバ、キンクロラック、メコプロップ、ジクロルクロップ、ジフルフェニカン、フルルタモン、ピコリナフェン、フルリドン、ノルフルラゾン、ベンフルブタミド、フルロクロリドン、パラコート、ジクワット、ブタミホス、ペンディメタリン、トリフルラリン、ジチオピル、チアゾピル、アミプロホスメチル、ブロモブチド、クミルロン、ダイムロン、イソキサベン、ジクロベニル、フルポキサム、クロルチアミド、オキサジクロメホン、イプフェンカルバゾン、フェノキサスルホン、SW−065、ペラルゴン酸、クロマゾン、およびその塩などが挙げられる。
防藻剤としては、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な防藻剤を採用し得る。防藻剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。このような防藻剤としては、好ましくは、光化学系II阻害剤である。光化学系II阻害剤としては、例えば、ウレア系防藻剤、トリアジン系防藻剤などが挙げられる。
ウレア系防藻剤としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチルウレア、1,1−ジメチル−3−フェニルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア、3−(4−クロロフェニル)−1−メチル−1−(1−メチル−2−プロピニル)ウレア、1−ブチル−3−(3,4−ジクロロフェニル)−1−メチルウレア、1−(2−メチルフェニル)−3−フェニルウレア、3−(5−tert−ブチルイソオキサゾール−3−イル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
トリアジン系防藻剤としては、2−メチル−チオ−4−tert−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン、2−クロロ−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、2−〔(4−クロロ−6−エチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)アミノ〕−2−メチルプロピオニトリルなどが挙げられる。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の適切な紫外線吸収剤を含んでいても良い。このような紫外線吸収剤としては、具体的には、例えば、BASF社製のTINUVIN571、TINUVIN460、TINUVIN213、TINUVIN234、TINUVIN329、TINUVIN326などが挙げられる。紫外線吸収剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、形成される塗膜の強度を向上させるために、フィラーを含んでいても良い。フィラーとしては、例えば、シリカ粒子、珪藻土などが挙げられる。また、フィラーとしては、分散性の観点から、表面が疎水性処理された粒子が好ましい。このような表面処理方法としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチレンジシラザン、環状ジメチルシロキサンなどで表面処理する方法が挙げられる。このような表面が疎水性処理された粒子の大きさとしては、好ましくは、平均粒径が5nm〜300nmである。このような表面が疎水性処理された粒子の大きさを上記範囲内に調整することにより、形成される塗膜に十分な強度を付与し得るとともに、形成される塗膜中に該粒子が均一に分散し得、形成される塗膜に衝撃が加わった際にクラックが生じにくくなり得る。このような表面が疎水性処理された粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の疎水性フュームドシリカが挙げられ、具体的には、日本アエロジル社製の、商品名「AEROSIL(登録商標)RXシリーズ」(RX50、RX200、RX300など)、「AEROSIL(登録商標)RYシリーズ」(RY50、RY200、RY200Sなど)、「AEROSIL(登録商標)NY50シリーズ」、「AEROSIL(登録商標)NAXシリーズ」、「AEROSIL(登録商標)Rシリーズ」などが挙げられる。フィラーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料は、架橋剤を含んでいても良い。本発明の塗膜の形成方法で用いる液状塗料が架橋剤を含むことにより、形成される塗膜の防汚効果がより十分に発現できるとともに、形成される塗膜の機械的特性がより十分に発現できる。架橋剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
架橋剤としては、水酸基と反応し得る官能基を有する架橋剤が好ましく、例えば、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、メラミン系化合物、金属キレート化合物、オキサゾリン系化合物、アジリジン系化合物、エチレンイミンなどが挙げられる。架橋剤としては、これらの中でも、本発明の効果をより一層発現させ得る点で、イソシアネート系化合物が好ましい。
イソシアネート系化合物としては、好ましくは、多官能イソシアネート化合物を採用し得る。このような多官能イソシアネート化合物としては、例えば、多官能脂肪族系イソシアネート化合物、多官能脂環族系イソシアネート、多官能芳香族系イソシアネート化合物などが挙げられる。
多官能脂肪族系イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能脂環族系イソシアネート化合物としては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能芳香族系ジイソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソソアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,2’一ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、上記のような各種多官能イソシアネート化合物のトリメチロールプロパンアダクト体、水と反応したビュウレット体、イソシアヌレート環を有する3量体なども挙げられる。また、これらを併用しても良い。
多官能イソシアネート化合物としては、具体的には、商品名「コロネートHK」、「コロネートHX」、「コロネート2096」、「コロネートL」、「コロネートHL」(以上、日本ポリウレタン工業社製)、商品名「デュラネートTPA−100」(旭化成ケミカルズ社製)などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。
<液状塗料の粘度>
液状塗料の粘度は、Pa・sで表される粘度であり、「JIS K 6249」によるブルックフィールド形回転粘度計により測定した値である。
<塗膜形成方法>
実施例ならびに比較例に記載の液状塗料を、水槽に張った人工海水(比重=1.03)の上にゆっくりと流し入れた。5分後、全長16cm、幅6cmのボート模型を静かに侵入させ、浮かべたまま静置した。
<塗膜形成状態の評価>
液状塗料が人工海水上に均一に展開するか目視で観察した。また、液状塗料が硬化するまでの時間を観測した。硬化後構造物を回収し、人工海水面下に塗膜が均一に形成されたか目視で観察した。
〔実施例1〕
縮合型シリコーン樹脂(KE−445T、信越化学工業(株)製):50重量部とシリコーンオイル(KF96−100cs、信越化学工業(株)製):50重量部とを混合して撹拌し、塗料(1)を得た。
塗料(1)を用いて、塗膜形成を行った。
結果を表1に示した。
〔実施例2〕
縮合型シリコーン樹脂(KE−445T、信越化学工業(株)製):50重量部とシリコーンオイル(KF96−100cs、信越化学工業(株)製):10重量部とを混合して撹拌し、塗料(2)を得た。
塗料(2)を用いて、塗膜形成を行った。
結果を表1に示した。
〔比較例1〕
縮合型シリコーン樹脂(KE−445T、信越化学工業(株)製)を撹拌し、塗料(C1)を得た。
塗料(C1)を用いて、塗膜形成を行った。
結果を表1に示した。
〔比較例2〕
付加型シリコーン樹脂(KE1950−50、付加型液状シリコーン樹脂(LIMS)、信越化学工業(株)製):50重量部とシリコーンオイル(KF90−100cs、信越化学工業(株)製):50重量部とを混合して撹拌し、塗料(C2)を得た。
塗料(C2)を用いて、塗膜形成を行った。
結果を表1に示した。
Figure 2017000995
本発明の塗膜の形成方法で得られる塗膜は、例えば、水中構造物(船舶、ブイ、港湾設備、海上油田設備、発電所冷却水用の水路、工場冷却水用の水路、水上浮遊通路など)の防汚のために好適に利用できる。
10 液状塗料
20 構造物
50 転がり部材
100 海水
200 陸地
300 オイルフェンス

Claims (12)

  1. 構造物の表面に塗膜を形成する方法であって、
    第一の液体上に展開した、第一の液体よりも比重が小さい液状塗料の上に、構造物を侵入させ、
    該第一の液体との接触によって該液体塗料の重合反応が進行して塗膜が形成する、
    塗膜の形成方法。
  2. 前記第一の液体が水溶液である、請求項1に記載の塗膜の形成方法。
  3. 前記液体塗料が縮合型シリコーン樹脂を含む、請求項1または2に記載の塗膜の形成方法。
  4. 前記第一の液体が海水である、請求項1から3までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  5. オイルフェンス内にて行う、請求項1から4までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  6. 水圧によって前記第一の液体上に展開した液状塗料が塗膜として前記構造物に転写される、請求項1から5までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  7. 前記液状塗料の粘度が5Pa・s未満である、請求項1から6までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  8. 前記液状塗料がシリコーンオイルを含む、請求項1から7までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  9. 前記シリコーンオイルの前記液状塗料中の含有割合が80重量%以下である、請求項8に記載の防汚塗膜の形成方法。
  10. 前記液状塗料が接着付与剤を含む、請求項1から9までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
  11. 前記接着付与剤の前記液状塗料中の含有割合が1重量%〜20重量%である、請求項10に記載の塗膜の形成方法。
  12. 前記液状塗料を前記第一の液体上に展開した後に、該液状塗料表面に接着剤を展開し、その上に前記構造物を侵入させる、請求項1から11までのいずれかに記載の塗膜の形成方法。
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