JP2016536171A - とりわけ穴の持続的な封止のためのダイカット - Google Patents

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Abstract

とりわけ板金またはプラスチック部品における、とりわけ穴を持続的に封止するためのダイカット(1)であって、少なくとも2つのプラスチックフィルム(2,3)から成るラミネートでできたキャリアを備えており、その際、下側のフィルム(3)の単位面積当たりの重量が少なくとも1.5kg/m2であり、かつ下側のフィルムのうち上側のフィルム(2)と反対の側に、接着剤(4)、とりわけ硬化性または自着性の接着剤が施されているダイカット。

Description

本発明は、とりわけ、好ましくは板金またはプラスチック部品にある穴を持続的に封止するためのダイカット、および穴を持続的に封止するための方法に関する。
金属板および/またはプラスチックから成る比較的複雑な構造体を作製する場合、構造上、塗装のためであれまたは溶接のためであれ、板金またはプラスチックに、その後ろにある中空空間に到達するために穴をあけざるを得ない。
これらの穴は、所望のプロセスが終わるとたいていは不要になり、それどころかしばしば邪魔である。なぜならこれらの穴を通って空気、空気中の湿気、または水が構造体に入り込み得るからであり、これは例えば酸化プロセス(さび)を生じさせ得る。
この問題を回避するための簡単な一解決策は、穴を使用後に再び封止することである。
まさに、現代の乗り物、例えば水上を走る乗り物、陸上を走る乗り物(トラック、自動車など)、空を飛ぶ乗り物、宇宙旅行用の乗り物、これらの組合せ、例えば水陸両用車を生産する際には、組立中に、板金製またはプラスチック製の多くの個々の部品に様々な大きさの穴が必要であることは避けられない。通常、穴の直径は5〜50mmの間である。これらの穴の多くは、より後のプロセスにおいて、前述の腐食作用を阻止するため、空気およびとりわけ水を通さないように再び封止しなければならない。
それだけでなく、穴の封止により客室内の騒音抑制を大幅に改善することが求められている。
以下では、本発明の基礎となる問題および自動車の車体を例としたこの問題の解決策を説明する。これは、この適用例に本発明思想を制限するものでは断じてない。この適用例は、本発明が特に有利に効力を発揮する技術分野の一部である。
これ以降、車体での使用を挙げる場合、当業者は、車体以外のそのほかすべての適用可能性を一緒に読む。
自動車製造では、車体の様々な部位に穴を設置、つまりパンチング加工しなければならない。これは一般的には、個々の板金部品またはアルミニウム部品のパンチングプロセスおよび変形プロセスの際に行われ、さらにプラスチック部材にも穴があけられ得る。続いて様々な接合プロセスにより、個々の金属部品を相互に結合し、そしてホワイトボディができる。ホワイトボディにある穴、開口部、または貫通口は、とりわけ(例えば陰極浸漬塗装用の塗料のための)塗料排出口、ワックス注入口、ワックス排出口、後の組立でのネジ留め用またはケーブル通し用の穴として用いられる。これらの穴の多くは、陰極浸漬塗料の乾燥後か、またはむしろ最終の透明塗料のプロセス後に、再び封止されなければならない(この場合、穴の封止は組立プロセスにおいて行われるであろう)。
穴封止の必要性には多くの理由があり得る。例えば
− 湿気
− 音響効果
− 腐食防止
一般的に、穴または開口部は、要求プロファイルに応じて作製された様々なプラスチックから成る射出成形部品(栓)によって封止される。これは例えば、PET、ABS、PP、PVC、EPDM、PA、およびさらなる一般に市販されているプラスチックから成る、またはむしろ挙げた材料からの組合せから成る、ならびにここでは挙げていない市販のプラスチック基材から成る栓であり得る。ガラス繊維の部分を有する材料も使用され、例えば穿刺に対して栓を強化する炭素繊維も考えられる。基本的には、気候条件下で塗装性、温度安定性、形状安定性について特定のパラメータを提供し、かつ栓の製造プロセスにおいてある程度の経済性も満たす限りにおいては、すべての流通しているプラスチック基材が可能である。
現在のところ、車体の穴の封止には一般的にはプラスチック栓が使用されており、このプラスチック栓は、一つには個々の場合に確実には穴を封止せず、もう一つには製造が比較的複雑で高価である。
各々の穴サイズのために、その穴サイズに適合した個別の栓が必要である。これは、栓の買い手にとってロジスティクスおよび管理技術に労力がかかることを意味する。
つまり生産ラインでは、様々なサイズの数多くの栓を、それぞれ割り当てられたストックボックス内に準備しておかなければならない。
さらに、この目的には、穴サイズに適合させて長さを短くされるかまたはダイカット加工される接着テープが適している。しかし接着テープも市場で高まる要求に常に対応しているわけではない。
WO2006/053827A1(特許文献1)で既に記載されているように、個別の穴封止には、耐熱性のキャリアから成り少なくとも部分的には片面が自着性に加工されたベース層から成るダイカットも適しており、このダイカットの面積は、封止すべき穴の面積より大きく、このダイカットはとりわけ、接着性に加工された側の中心に、熱活性化性接着フィルムの第1の区域を備えており、この第1の区域の面積は、封止すべき穴の面積より大きく、かつベース層の面積より小さい。このダイカットは、実質的には第1の区域によって穴を覆うように、封止すべき穴の上に施される。挙げた熱活性化性接着フィルムは、シーリングにはよく適しているが、比較的高価である。
ダイカットに、塗装工程での乾燥ステップのような温度上昇時に発泡して膨らむことによって穴を完全に塞ぐおよび/または覆う成分を加えるという可能性が、WO2005/097582A1(特許文献2)に記載されている。ただし片面自着性ダイカットにくっつく側でしか拡張方向を制限していないので、完全な穴封止を保証するには、未発泡の成分の膨張率が大きくなければならないことが分かっている。高い発泡度が必要なことにより、結果として生じる穴封止は比較的小さな材料密度しか有さず、これは、騒音抑制特性に不利に影響する。加えてこのような穴封止は、板金への発泡材のくっつきに関して低い強度しか示さない。なぜならこの材料は、ダイカットに面していない側では穴縁としか接触しておらず、板金とほとんど接触していないからである。その結果、前述の適用範囲に対して決定的な意味を持つ穿刺強度が低くなる。
ここでは、音響作用を達成しなければならない自着性の穴封止をより詳しく考察する。
組立においてこの音響的に重要な穴封止は、客室空間で、隔絶された領域、車室内を達成するためにしばしば用いられる。車室内で邪魔になる音響効果は、例えばタイヤの転動騒音によって、またはむしろ車両外板に対しおよび車両キャリアに対しても飛ばされる砂利道の砂利および小さな小石によって生成される。さらに、流体工学的に不利なデザインによって生じる風切音も、客室空間での比較的高い望ましくない騒音レベルの原因であり得る。
砂利道の砂利、小石、タイヤの転動騒音によって、および地面の凹凸によっても引き起こされる支持システム(サイドメンバーおよびクロスメンバー)の中空空間内の音は、しばしば車室内つまり客室空間内に伝わる。これにより、音響的に効果的な製品を車両の外側にも使用しなければならなくなる。効果的な音響保護とは、例えば車台つまり車両プラットフォームにおける穴をマスクすることである。サイドメンバーおよびクロスメンバーにはしばしば穴、パンチング加工部、または穿孔が施されている。これに関しては、あらゆるあり得る開口部を入念に封止することに特に注意しなければならない。
既に前もって説明したように、車体の板金部品つまり支持システムにおける多くの穴は、プロセス時間を保証するために陰極浸漬塗装用の塗料をできるだけ速く車体およびすべての種類の中空空間から排出し得るために用いられている。これは逆の推論では、陰極浸漬塗装用の乾燥機の直後に、開口部および穴を確実に封止しなければならないことを意味する。これは一般的には、いわゆるPVCラインにおいて実行される。この部分は、フィラーの塗装前、つまりベース塗料の塗装前に行われる製造ステップである。したがって満たされるべきさらなる特徴は、この生産区分で使用される製品が重ね塗り可能なことである。さらに、PVC継目シーリング材料に対する適合性が保証されなければならない。なぜなら、陰極浸漬塗装用の乾燥機と次の塗料層の間で、ポンプ輸送可能なPVC剤により隙間がシーリングされるからである。
WO2006/053827A1 WO2005/097582A1 DE4313008A1 EP1978069A1
Roempp、Georg Thieme Verlag、書類識別RD−19−04489、最後の更新:2012年9月 Donatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、New York 1989) T.G. Fox、Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123 Houben Weyl、Methoden der Organischen Chemie、Vol. E 19a、60〜147頁 P. E. Hinkamp、Polymer、1967、8、381
本発明の課題は、とりわけ自動車の車体の板金またはプラスチック部品における穴の持続的な封止に適しており、前述の穴を湿気が通り抜けられないように封止し、騒音抑制を改善させ、かつ床裏に石が打ち付けられても、つまり内部空間、とりわけ床領域での機械的負荷の際にも、穴を確実に封止するダイカットを提供することである。
この課題は、請求項1に記されているようなダイカットによって解決される。従属請求項の対象は、本発明の主題の有利なさらなる発展および穴の持続的な封止方法である。
これに応じて本発明は、とりわけ板金またはプラスチック部品における、とりわけ穴を持続的に封止するためのダイカットであって、少なくとも2つのプラスチックフィルムから成るラミネートでできたキャリアを備えており、その際、下側のフィルムの単位面積当たりの重量が少なくとも1.5kg/mであり、かつ下側のフィルムのうち上側のフィルムと反対の側に、接着剤、とりわけ硬化性または自着性の接着剤が施されているダイカットに関する。
本発明の好ましい一実施形態によれば、下側のフィルムの単位面積当たりの重量は、1.5〜6kg/mの間、好ましくは1.5〜3.9kg/mの間、より好ましくは1.5〜2.5kg/mの間である。
下側のフィルムは、とりわけ鉱物質を充填したポリオレフィンフィルムまたはエラストマーで修飾したビチューメンフィルムのような重量フィルムであることが好ましい。
このような重量フィルムの可能な製造形態は、押出成形プロセスまたは流し込みプロセスである。
重量フィルムは、任意の厚さ、とりわけ0.015mm〜12mm超のフィルム状の層から成っており、この重量フィルムはとりわけ、熱可塑性ポリマー、とりわけPE(ポリエチレン)、EPDM(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)、および/またはEVA(エチレン酢酸ビニル)、ならびに鉱物質充填剤、とりわけ石灰石粉つまり方解石(CaCO)および重晶石(BaSO)で構成されている。さらに、充填のためにタルカム、スレート粉、グラファイト、雲母、またはアスベスト(アスベストは今日ではむしろ比較的少ない)を使用することができる。
充填剤の割合は、とりわけ30〜90重量%、好ましくは40〜70重量%である。
この割合は、体積パーセントで表すと好ましくは30〜60体積%、さらに好ましくは45〜55体積%である。
重量フィルムは、充填剤を膨潤させ、かつ取り込み易くするために、さらに油を含有することができる。油含有率は8体積%〜20体積%の間であり得る。
上側のフィルムの代わりに、ダイカット可能なアルミニウム板、耐食性の鋼板、または強化もしくは強度のためのスクリムを備えたアルミニウムフィルムを、下側のフィルムの上にラミネートすることができる。
上側のフィルムは、単独または混合物のいずれかでの任意のポリマーから成ることができる。
適切なポリマーはオレフィン系ポリマーであり、例えばエチレン、プロピレン、もしくはブチレンのようなオレフィンのホモポリマーもしくはコポリマー(コポリマーという概念は、ここでは意味に即しターポリマーを一緒に含むという趣旨で理解されるべきである)、ポリプロピレンホモポリマー、またはブロック(インパクト)ポリマーおよびランダムポリマーを含むポリプロピレンコポリマーである。
さらなるポリマーは、とりわけポリエチレンテレフタラート(PET)のようなポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオキシメチレン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリカルボナート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリイミド(PI)、ポリアリーレンスルフィド、および/またはポリアリーレンオキシドの群から選択することができる。
単独でまたは混合物でのこれらのポリマーは、重量フィルムの形成にも適している。
上側のフィルムは、ポリエステル(とりわけポリエチレンテレフタラート(PET))、ポリウレタン、またはPVCから成るのが好ましい。
上側のフィルムおよび下側のフィルムを形成するためのポリマーは、純粋な形態で存在することができるか、または添加剤、例えば酸化防止剤、光安定剤、ブロッキング防止剤、潤滑助剤および加工助剤、充填剤、染料、顔料、発泡剤、もしくは核剤とのブレンドで存在することができる。
好ましいのは、フィルムが前述の添加剤を1つも含まないことである。
さらなる一実施形態によれば、キャリアが2枚より多いフィルムを有することもできる。とりわけ、上側の支持フィルムが、任意の材料(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、PA、および/またはPVC)から成る2つ以上のフィルム層でできた少なくとも2層のラミネートから成ることができる。
本発明の有利な一形態では、キャリア内に(上側のフィルムと下側のフィルムの間に)またはキャリアの表面に、金属、金属フィルム、例えばアルミニウムフィルム、または金属含有フィルムから成る層状体が存在している。
好ましい一実施形態によれば、上側のフィルムの厚さは15〜350μmの間、好ましくは30〜200μmの間、さらに好ましくは50〜150μmの間である。
好ましい一実施形態によれば、下側のフィルムの厚さは600〜3500μmの間、好ましくは1100〜3500μmの間、さらに好ましくは1700〜3500μmの間である。
さらなる好ましい一実施形態によれば、下側のフィルムの厚さは600〜1100μmの間、1100〜1700μmの間、または1700〜3500μmの間である。
本発明のさらなる有利な一実施形態では、上側のフィルムおよび/または下側のフィルムが、統合されたまたは添えられた繊維またはフィラメントによって強化されており、これによりこのフィルムの強度がとりわけ長手方向で強化されている。
本発明の意味において、フィラメントとは平行で真っ直ぐな単繊維の束のことであり、文献中ではしばしばマルチフィラメントとも呼ばれる。場合によっては、この繊維束をねじって収束させることができ、この場合、紡いだまたは撚ったフィラメントという言葉が用いられる。その代わりに、繊維束を圧縮空気またはウォータージェットによる渦流によって収束させることができる。以下では、これらすべての実施形態、および繊維で強化した実施形態に対し、フィラメントという概念だけを総称として使用する。
フィルムが、長手方向で統合された/添えられたフィラメントによってのみ強化されている場合は、モノフィラメント接着テープという言葉が用いられる。本発明の主題の有利な一変形形態では、上側のフィルムおよび/または下側のフィルムが、目の粗いフィラメント織布によって強化されている。この場合はクロスフィラメント接着テープと言う。
フィラメントとして、破断伸度の低い高強度の繊維、撚糸、混合撚糸、または糸を付け加えておく。
単一フィラメントは、好ましくは連続フィラメントであり、かつ/または細さが4〜8dtexの間、好ましくは5dtexである。有利な一実施形態では、すべてのフィラメントが連続フィラメントである。
好ましい一実施形態では、キャリア材料での1センチ幅当たりのフィラメント数が1〜30本の間、とりわけ1〜5本の間である。
このフィラメントは、有機または無機の材料から成ることができ、例えば、また好ましくは、ガラス、炭素(カーボン)、両方の繊維タイプの組合せ、アラミド繊維、または特殊なポリアミドから成ることができ、延伸ポリマー繊維、例えばポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維から成ることができ、さらに、キャリア材料を視覚的により好感を与えるように形成するため、強化繊維を少なくとも部分的に着色することができる。こうすることで、強化されたキャリアの視覚的な識別が問題なく可能である。このために、とりわけ着色されたガラス糸またはポリマー糸が提供されている。
さらに好ましいのは、フィルムがフィラメントでラミネートされていることである。フィラメントがフィルムと固定的に結合されることが望ましい。これは、繊維、糸、または撚糸もしくは混合撚糸をフィルム内に直接的に組み込むかまたは入れること、例えば織布での織り込み、ニットでの編み込み、製造方法での埋め込みまたは差し込みによって行うことができる。
ただしフィラメントを後からフィルムと結合してもよく、例えば、対応する結合層との溶着またはラミネートが挙げられる。
さらに、キャリアの負荷方向に対応して強化材を的確に、つまりまず第一には長手方向に差し込むことが好ましい。ただし、それがより目的にかなっているならば強化材をさらに短手方向もしくは斜め方向に、または例えば曲線状、螺旋状、もしくはジグザグ状に、または不規則に走らせてもよい。
本発明に従い、本発明の一形態で用いられる硬化性接着剤とは、構造用接着剤(建築用接着材料、組立用接着材料)のことである(Roempp、Georg Thieme Verlag、書類識別RD−19−04489、最後の更新:2012年9月(非特許文献1)を参照)。DIN EN 923:2006−01に基づき構造用接着材料とは、接合体において、所定の比較的長い期間、規定の強度を保ち続け得る接着結合を形成する接着材料である(ASTMの定義によれば:「bonding agents used for transferring required loads between adherends exposed to service environments typical for the structure involved」)。つまり、化学的および物理的に高い負荷を掛けることができる接着のための接着材料であり、これらの接着材料は、硬化状態で、接着された土台の固着に寄与し、かつ金属、セラミックス、コンクリート、木材、または強化プラスチックから成る構造物の製造に使用される。本発明による構造用接着材料は、とりわけ(熱硬化性)反応性接着材料(フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、およびポリウレタンなど)をベースとする。
この硬化性接着剤は、振動およびねじれに対して抵抗力のある持続的な封止を保証するため、硬化後に弾性であることができる。
本発明の有利な一実施形態によれば、硬化性接着剤が自着性であるか、または硬化性接着剤上に少なくとも部分的に自着剤層が施されている。
接着剤としては、とりわけ反応性の熱活性化性接着剤が使用される。
反応性の熱活性化性接着剤は、エラストマー成分が高い弾性を示す場合に、非常に良好な寸法安定性を有している。さらに反応性樹脂により、貼付強度を明らかに高める架橋反応を起こさせることができる。したがって例えば、ニトリルゴムおよびフェノール樹脂をベースとする熱活性化性接着剤を用いることができ、例えばtesa社の製品8401で市販されている。
有利な一実施形態によれば、接着剤は少なくとも
a)アミノ末端基および/または酸性末端基を有するポリアミド、
b)エポキシ樹脂、
c)場合によっては軟化剤
から成っており、このポリアミドは少なくとも150℃の温度でエポキシ樹脂と反応し、a)とb)の重量分率の比率は50:50〜99:1の間である。
さらに好ましいのは、接着剤が、
i)熱可塑性ポリマーの割合30〜89.9重量%、
ii)1種または複数の接着性付与樹脂の割合5〜50重量%、および/または
iii)硬化剤を含む、場合によっては促進剤も含むエポキシ樹脂の割合5〜40重量%
から成ることである。
この接着剤は、室温で架橋して3次元の高強度ポリマーネットワークを形成する反応性樹脂と、生成物の脆化に対抗する持続弾性エラストマーとの混合物である。このエラストマーは好ましくは、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリウレタン、またはポリアミドの群からのものであることができるか、または例えばニトリルゴムのような修飾されたゴムであることができる。
とりわけ好ましい熱可塑性ポリウレタン(TPU)は、ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールと、ジフェニルメタンジイソシアナートのような有機ジイソシアナートとからの反応生成物として公知である。これらの反応生成物は、主に直鎖状の巨大分子から構成されている。そのような生成物は、たいてい弾性顆粒の形態で市販されており、例えばBayer AGから商品名「Desmocoll」で市販されている。
TPUを、選択される適合する樹脂と組み合わせることにより、接着剤の軟化温度を下げることができる。しかもこれと並行して付着性が高くなる。適切な樹脂は、例えば特定のロジン樹脂、炭化水素樹脂、およびクマロン樹脂であることが分かった。
その代わりに、TPUを、ビスフェノールAおよび/またはFをベースとする選択されるエポキシ樹脂ならびに潜在性硬化剤と組み合わせることにより接着剤の軟化温度の低下を達成することができる。このような系から成る接着剤は、室温で徐々に、外部からの如何なるさらなる介入もなしにか、または短時間で、的確な温度調節によるかのいずれかで、接着継目を後硬化することができる。
樹脂の化学的架橋反応により、接着剤と貼付すべき表面との間の大きな強度が達成され、かつ生成物の高い内部強度が達成される。
この反応性樹脂/硬化剤系の添加は、上で挙げたポリマーの軟化温度も低下させ、これは、ポリマーの加工温度および加工速度を低下させることが有利である。適切な生成物は、室温または少し上昇した温度で自己付着性の生成物である。この生成物を加熱すると、短期間で粘度も低下し、これによりこの生成物は粗い表面にも濡れることができる。
この接着剤の組成は、原料の種類および割合の変更により、広い範囲で変化させることができる。例えば色、熱伝導性、または電気伝導性のようなさらなる生成物特性も、色素、鉱物質充填剤もしくは有機充填剤、および/または炭素粉末もしくは金属粉末を的確に添加することによって達成できる。
本発明による接着剤では、ニトリルゴムとして、アクリロニトリル含有率15〜50重量%のとりわけすべてのアクリロニトリル・ブタジエンコポリマーを使用することができる。同様にアクリロニトリルと、ブタジエンと、イソプレンとからのコポリマーも使用可能である。この場合、1,2−結合ブタジエンの割合は可変である。前述のポリマーは、様々な度合いで水素化することができ、二重結合の割合が1%未満の完全に水素化されたポリマーも利用可能である。
すべてのこれらのニトリルゴムは、ある程度の度合いでカルボキシル化されており、酸性基の割合が2〜15重量%であることが好ましい。そのような系は、例えばZeon社の名称Nipol 1072またはNipol NX 775で市販されている。水素化されカルボキシル化されたニトリルゴムは、Lanxess社からTherban XT VP KA 8889の名称で市販されている。
付着性を高めるために、ニトリルゴムと適合する接着樹脂を添加してもよい。
エポキシ樹脂は、通常は、1分子につき複数のエポキシ基を有するモノマー化合物のことでもオリゴマー化合物のことでもある。これらの化合物は、グリシドエステルまたはエピクロロヒドリンと、ビスフェノールAもしくはビスフェノールFまたはこの両方から成る混合物との反応生成物であることができる。エピクロロヒドリンと、フェノールおよびホルムアルデヒドからの反応生成物との反応によって獲得されるノボラック型エポキシ樹脂も使用可能である。複数のエポキシ末端基を有するモノマー化合物も使用可能であり、これらの化合物は、エポキシ樹脂のための希釈材として用いられる。弾性に修飾されたエポキシ樹脂も使用可能である。
エポキシ樹脂の例は、Ciba GeigyのAraldite(商標)6010、CY−281(商標)、ECN(商標)1273、ECN(商標)1280、MY720、RD−2、Dow ChemicalsのDER(商標)331、732、736、DEN(商標)432、Shell ChemicalsのEpon(商標)812、825、826、828、830など、同様にShell ChemicalsのHPT(商標)1071、1079、Bakelite AGのBakelite(商標)EPR161、166、172、191、194などである。
市販の脂肪族エポキシ樹脂は、例えばUnion Carbide Corp.のERL−4206、4221、4201、4289、または0400のようなビニルシクロヘキサンジオキシドである。
弾性化されたエポキシ樹脂は、Noveon社からHycarの名称で入手可能である。
エポキシ希釈材、複数のエポキシ基を有するモノマー化合物は、例えばBakelite AGのBakelite(商標)EPD KR、EPD Z8、EPD HD、EPD WF、またはUCCP社のPolypox(商標)R9、R12、R15、R19、R20である。
さらに好ましいのは、接着剤が複数のエポキシ樹脂を含有することである。
ノボラック樹脂として、例えばCelaneseのEpi−Rez(商標)5132、住友化学のESCN−001、Ciba GeigyのCY−281、Dow ChemicalのDEN(商標)431、DEN(商標)438、Quatrex 5010、日本化薬のRE 305S、大日本インキ化学のEpiclon(商標)N673、またはShell ChemicalのEpicote(商標)152を用いることができる。
さらに、反応性樹脂として例えばCytecのCymel(商標)327および323のようなメラミン樹脂を用いてもよい。
さらに、反応性樹脂として例えばArizona ChemicalのNIREZ(商標)2019のようなテルペンフェノール樹脂を用いてもよい。
さらに、反応性樹脂として例えばToto KaseiのYP50、Union Carbide Corp.のPKHC、および昭和ユニオン合成のBKR2620のようなフェノール樹脂を用いてもよい。
さらに、反応性樹脂としてフェノールレゾール樹脂を用いてもよく、他のフェノール樹脂と組み合わせて用いてもよい。
さらに、反応性樹脂として例えば日本ポリウレタン工業のCoronate(商標)L、BayerのDesmodur(商標)N3300またはMondur(商標)489のようなポリイソシアナートを用いてもよい。
ニトリルゴムをベースとする本発明による接着剤の有利な一実施形態では、接着力増強(接着性付与)樹脂が、非常に有利には接着剤に対して最大30重量%の割合でさらに添加されている。
添加すべき接着性付与樹脂としては、既に公知であり、文献中に記載されているすべての接着樹脂を例外なく使用することができる。なかでも、インデン、ロジン、およびロジン誘導体をベースとする非水素化、部分水素化、もしくは完全水素化された樹脂、ジシクロペンタジエンの水素化された重合体、C−、C/C−、もしくはC−モノマー流をベースとする非水素化、部分水素化、選択的水素化、もしくは完全水素化された炭化水素樹脂、テルペンフェノール樹脂、α−ピネンおよび/もしくはβピネンおよび/もしくはδ−リモネンをベースとするテルペン樹脂、または好ましくは純粋なC−およびC−芳香族類の水素化された重合体、クマロン・インデン樹脂のような芳香族樹脂、またはスチレンもしくはαメチルスチレンから成る樹脂、例えばロジンおよびその反応生成物、例えば不均化、二量化、もしくはエステル化された樹脂が適していることが好ましく、エステル化の際は、グリコール、グリセリン、またはペンタエリトリトールである。
結果として生じる接着剤の特性を希望通りに調整するため、これらの樹脂およびさらなる樹脂の任意の組合せを用いることができる。一般的には、対応するポリマーと適合する(可溶性の)すべての樹脂を用いることができる。Donatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、1989)(非特許文献2)における知識水準の表現を明示的に指摘しておく。
既に挙げた酸修飾または酸無水物修飾されたニトリルゴムだけでなく、なおもさらなるエラストマーを用いてもよい。さらなる酸修飾または酸無水物修飾されたエラストマーと共に、非修飾エラストマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、スチレンブロックコポリマー、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、または可溶性ポリエステルも使用可能である。
無水マレイン酸とのコポリマー、例えばポリビニルメチルエーテルと無水マレイン酸から成るコポリマーも使用可能であり、例えばGantrez(商標)の名称でISP社から販売されている。
樹脂とエラストマーの化学的架橋により、接着剤中の非常に大きな強度が達成される。
さらなる添加剤として、典型的には下記のものを利用することができる。
− 一次酸化防止剤、例えば立体障害性フェノール
− 二次酸化防止剤、例えば亜リン酸塩またはチオエーテル
− プロセス安定化剤、例えばCラジカルスカベンジャー
− 光安定剤、例えばUV吸収剤または立体障害性アミン
− 加工助剤
− 充填剤、例えば二酸化ケイ素、(粉砕された、または球の形態での)ガラス、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、二酸化チタン、カーボンブラック、金属粉末など
− 着色顔料および色素ならびに光学的増白剤
軟化剤の使用により、架橋された接着剤の弾性を上昇させることができる。この場合、軟化剤としては、例えば低分子のポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、もしくはポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを用いることができるか、またはポリエチレンオキシド、リン酸エステル、脂肪族カルボン酸エステル、および安息香酸エステルをベースとする軟化剤を用いることができる。さらに芳香族カルボン酸エステル、比較的高分子のジオール、スルホンアミド、およびアジピン酸エステルを用いてもよい。
用いられるニトリルゴムは高い温度でも粘度が低くなりすぎないので、貼付およびホットプレス中に接着継目から接着剤が流出しない。この工程中にエポキシ樹脂がエラストマーと架橋して3次元ネットワークを生じさせる。
いわゆる促進剤の添加により、反応速度をさらに上げることができる。
促進剤は、例えば下記のものであることができる。
− 第三級アミン、例えばベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール
− 三ハロゲン化ホウ素・アミン錯体
− 置換イミダゾール
− トリフェニルホスフィン
促進剤としては、例えばイミダゾールが適しており、四国化成から2M7、2E4MN、2PZ−CN、2PZ−CNS、P0505、L07Nで、またはAir ProductsからCurezol 2MZで市販されている。さらに架橋剤としてHMTA(ヘキサメチレンテトラミン)の添加が適している。
さらに任意選択で充填剤(例えば繊維、カーボンブラック、酸化亜鉛、二酸化チタン、チョーク、中実ガラス球または中空ガラス球、そのほかの材料から成るマイクロ球、ケイ酸、ケイ酸塩)、核形成剤、発泡剤、接着増強性の添加剤および熱可塑性物質、コンパウンド化剤、ならびに/または例えば一次および二次酸化防止剤の形態もしくは光安定剤の形態での老朽化防止剤を添加することができる。
さらなる好ましい一実施形態では、接着剤に、さらなる添加剤、例えばポリビニルホルマール、ポリアクリラートゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、メチル・ビニル・シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、テトラフルオロエチレン・プロピレン・コポリマーゴム、ブチルゴム、スチレン・ブタジエンゴムが添加される。
ポリビニルブチラールは、SoluciaからButvar(商標)で、WackerからPioloform(商標)で、およびKurarayからMowital(商標)で市販されている。ポリアクリラートゴムは、ZeonからNipol AR(商標)で市販されている。クロロプレンゴムは、BayerからBaypren(商標)で市販されている。エチレン・プロピレン・ジエンゴムは、DSMからKeltan(商標)で、Exxon MobileからVistalon(商標)で、およびBayerからBuna EP(商標)で市販されている。メチル・ビニル・シリコーンゴムは、Dow CorningからSilastic(商標)で、およびGE SiliconesからSilopren(商標)で市販されている。フルオロシリコーンゴムは、GE SiliconesからSilastic(商標)で市販されている。ブチルゴムは、Exxon MobileからEsso Butyl(商標)で市販されている。スチレン・ブタジエンゴムは、BayerからBuna S(商標)で、およびEni ChemからEuroprene(商標)で、およびBayerからPolysar S(商標)で市販されている。
ポリビニルホルマールは、Ladd ResearchからFormvar(商標)で市販されている。
さらに好ましい一実施形態では、接着剤にさらなる添加剤、例えば下記のポリマーの群、すなわちポリウレタン、ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンターポリマー、ポリエステル、硬質ポリ塩化ビニル、軟質ポリ塩化ビニル、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタラート、ポリカルボナート、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素化されたポリマー、ポリアミド、エチレン酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリイミド、ポリエーテル、コポリアミド、コポリエステル、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソブテン、およびポリ(メタ)アクリラートの群からの熱可塑性材料が添加される。
熱活性化性接着剤の接着力は、さらなる的確な添加によって高めることができる。したがって例えばポリイミンコポリマーまたはポリ酢酸ビニルコポリマーは、接着力増進性添加剤としても使用することができる。
さらなる好ましい一形態では、キャリア上に施される接着剤が感圧接着剤であり、つまり、比較的弱い押圧力で既にほぼすべての被接着下地との持続的な結合が可能であり、かつ使用後に実質的に残留物なしで被接着下地から再び剥離できる接着剤である。感圧接着剤は、室温で永続的に感圧接着性に作用し、つまり十分に低い粘度および高い初期粘着性を有しており、したがって感圧接着剤は、それぞれの被接着下地の表面に、既に低い押圧力で濡れる。接着剤の貼付性はその付着特性に、および再剥離性はその凝集特性に基づいている。
この場合、すべての公知の接着剤系を用いることができる。天然ゴムまたは合成ゴムをベースとする接着剤と共に、とりわけシリコーン接着剤およびポリアクリラート接着剤、好ましくは低分子のアクリラート溶融感圧接着剤を使用することができる。
好ましいのはアクリラートまたはシリコーンをベースとする接着剤である。
接着剤は、天然ゴムもしくは合成ゴムの群から、または天然ゴムおよび/もしくは合成ゴムから成る任意のブレンドから選択することができ、これに関し、1種または複数の天然ゴムは、基本的に、例えばクレープタイプ、RSSタイプ、ADSタイプ、TSRタイプ、またはCVタイプのようなすべての入手可能な品質から、必要な純度および粘度レベルに応じて選択することができ、1種または複数の合成ゴムは、統計的に共重合されたスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(XIIR)、アクリラートゴム(ACM)、エチレン・酢酸ビニルコポリマー(EVA)、およびポリウレタン、ならびに/またはそれらのブレンドの群から選択することができる。
さらに好ましいのは、ゴムに、加工性を改善するため、詳しくはエラストマー全体の割合に対して10〜50重量%の重量分率で熱可塑性エラストマーを添加できることである。
ここでは代表して、なかでも特に適合するスチレン・イソプレン・スチレン(SIS)タイプおよびスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)タイプを挙げておく。例えばEPDMゴムもしくはEPMゴム、ポリイソブチレン、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル、ジエンから成る水素化ブロックコポリマー(例えばSBR、cSBR、BAN、NBR、SBS、SIS、またはIRの水素化による、このようなポリマーは例えばSEPSおよびSEBSとして公知である)、またはACMのようなアクリラートコポリマーも、混合に適したエラストマーである。
それと共に、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)の100%系が適していることが分かった。
架橋は、適用後の接着テープの再剥離性の改善に有利であり、熱によって行うことができるか、またはUV光もしくは電子線での照射によって行うことができる。
熱誘発の化学的架橋には、すべての既に公知の熱活性化性化学的架橋剤を使用可能であり、例えば促進された硫黄系もしくは硫黄供与体系、イソシアナート系、反応性のメラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、および(任意選択でハロゲン化された)フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、または対応する活性化剤を含有する反応性のフェノール樹脂架橋系もしくはジイソシアナート架橋系、エポキシ化されたポリエステル樹脂およびアクリラート樹脂、ならびにそれらの組合せを使用可能である。
架橋剤は、50℃超の温度で、とりわけ100℃〜160℃の温度で、特に好ましくは110℃〜140℃の温度で活性化されるのが好ましい。
架橋剤の熱による励起は、IR線または高エネルギーの交流場によっても行うことができる。
溶剤ベースの接着剤、水ベースの接着剤、またはホットメルト系としての接着剤も使用可能である。アクリラートホットメルトをベースとする接着剤も適しており、この接着剤は、K値が少なくとも20、とりわけ30超であることができ、このような接着剤の溶液をホットメルトとして加工可能な系へと濃縮することで入手可能である。
濃縮は、これに対応して装備されたボイラーまたは押出機内で行うことができ、とりわけガス抜きを伴う場合はベント式押出機が好ましい。
このような接着剤は、DE4313008A1(特許文献3)で説明されており、この特許文献の内容を本明細書に援用し、かつその内容を本開示および本発明の一部とする。
ただし、アクリラートホットメルトをベースとする接着剤は化学的に架橋されていてもよい。
さらなる一実施形態では、自着剤として、(メタ)アクリル酸およびその1〜25個のC原子を有するエステルから、マレイン酸、フマル酸、および/もしくはイタコン酸ならびに/またはそのエステルから、置換(メタ)アクリルアミド、無水マレイン酸、ならびにそのほかのビニル化合物、例えばビニルエステル、とりわけ酢酸ビニル、ビニルアルコール、および/またはビニルエーテルから成る重合体が用いられる。
残留溶剤の含有率は1重量%未満であることが望ましい。
同様に適していると分かっている接着剤は、BASFからacResin UVまたはAcronal(登録商標)、とりわけAcronal(登録商標)DS3458またはAC Resin A 260UVの名称で売られているような、低分子のアクリラート溶融感圧接着剤である。K値の低いこの接着剤は、その用途に応じた特性を、最終的な放射線化学的に引き起こされる架橋によって得る。
最後に、ポリウレタンをベースとする接着剤も適していることを述べておく。
特性を最適化するため、使用する自着剤を1種または複数の添加剤、例えば接着性付与剤(樹脂)、軟化剤、充填剤、顔料、UV吸収剤、光安定剤、老朽化防止剤、架橋剤、架橋促進剤、またはエラストマーと混合することができる。
接着性付与剤としては、既に詳細に記載した樹脂が使用される。
適切な充填剤および顔料は、例えばカーボンブラック、二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸塩、またはケイ酸である。
適切な軟化剤は、例えば脂肪族の、脂環式の、および芳香族の鉱油、フタル酸、トリメリット酸、もしくはアジピン酸のジエステルもしくはポリエステル、液状ゴム(例えばニトリルゴムもしくはポリイソプレンゴム)、ブテンおよび/もしくはイソブテンから成る液状重合体、アクリル酸エステル、ポリビニルエーテル、接着樹脂の原料をベースとする液状樹脂および軟質樹脂、ラノリンおよびそのほかのワックス、または液状シリコーンである。
架橋剤は、例えばフェノール樹脂またはハロゲン化フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびホルムアルデヒド樹脂である。適切な架橋促進剤は、例えばマレインイミド、トリアリルシアヌラートのようなアリルエステル、アクリル酸およびメタクリル酸の多官能性エステルである。
「ポリ(メタ)アクリラート」とは、モノマーベースが少なくとも60重量%でアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、および/またはメタクリル酸エステルから成るポリマーのことであり、その際、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを少なくともその配分に応じて、好ましくは当該ポリマーのモノマーベース全体に対して少なくとも50重量%で、含有している。とりわけ、「ポリ(メタ)アクリラート」とはアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーならびに場合によってはさらなる共重合性モノマーのラジカル重合によって得られる重合体のことである。
本発明によれば、感圧接着剤の総重量に対して30〜65重量%で、1種または複数のポリ(メタ)アクリラートが含有されている。本発明による感圧接着剤は、少なくとも1種のポリ(メタ)アクリラートを、感圧接着剤の総重量に対して35〜55重量%含有しているのが好ましい。
本発明により使用可能なポリ(メタ)アクリラートのガラス転移温度は、好ましくは<0℃、より好ましくは−20〜−50℃の間である。
ポリマーまたはブロックコポリマーのポリマーブロックのガラス転移温度は、本発明では示差走査熱量測定(DSC)によって決定される。
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリラートは、官能性で、好ましくはエポキシ基と架橋し得るモノマーを、少なくともその配分に応じて組込み重合することによって得られるのが好ましい。この場合特に好ましいのは、酸性基(特にカルボン酸基、スルホン酸基、もしくはホスホン酸基)および/またはヒドロキシ基および/または酸無水物基および/またはエポキシ基および/またはアミン基を有するモノマーであり、とりわけ好ましいのはカルボン酸基含有モノマーである。ポリアクリラートが、組込み重合されたアクリル酸および/またはメタクリル酸を有する場合がとりわけ有利である。これらすべての基は、エポキシ基との架橋能力を有しており、これによりポリアクリラートは、加えられたエポキシドと熱架橋できることが有利である。
ポリ(メタ)アクリラートのためのコモノマーとして使用可能なさらなるモノマーは、1分子につき最大30個のC原子を有するアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルと共に、例えば最大20個のC原子を有するカルボン酸のビニルエステル、最大20個のC原子を有するビニル芳香族類、エチレン性不飽和ニトリル、ハロゲン化ビニル、1〜10個のC原子を有するアルコールのビニルエーテル、2〜8個のC原子および1つもしくは2つの二重結合を有する脂肪族炭化水素、またはこれらモノマーの混合物である。
当該のポリ(メタ)アクリラートの特性には、とりわけ、個々のモノマーの重量分率の違いによるポリマーのガラス転移温度の変化を介して影響を及ぼすことができる。本発明の1種または複数のポリ(メタ)アクリラートは、下記のモノマー組成に基づき得ることが好ましい。
a)下式のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
CH=C(R)(COORII
式中、R=HまたはCHであり、RIIは4〜14個のC原子を有するアルキル残基である
b)エポキシ基との反応性に関して既に定義した種類の官能基を有するオレフィン性不飽和モノマー
c)任意選択で、成分(a)と共重合性であるさらなるアクリラートおよび/またはメタクリラートおよび/またはオレフィン性不飽和モノマー
対応する成分(a)、(b)、および(c)の割合は、重合生成物のガラス転移温度が<0℃、より好ましくは−20〜−50℃の間(DSC)であるように選択するのが好ましい。特に有利なのは、成分(a)のモノマーの割合を45〜99重量%、成分(b)のモノマーの割合を1〜15重量%、および成分(c)のモノマーの割合を0〜40重量%と選択することである(データは、「ベースポリマー」のためのモノマー混合物に対してであり、つまり出来上がったポリマーへの場合によってはあり得る樹脂などのような添加剤の添加を含まない)。
成分(a)のモノマーは、とりわけ軟化性および/または非極性のモノマーである。好ましいのは、モノマー(a)として、4〜14個のC原子、特に好ましくは4〜9個のC原子から成るアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを用いることである。このようなモノマーの例は、n−ブチルアクリラート、n−ブチルメタクリラート、n−ペンチルアクリラート、n−ペンチルメタクリラート、n−アミルアクリラート、n−ヘキシルアクリラート、n−ヘキシルメタクリラート、n−ヘプチルアクリラート、n−オクチルアクリラート、n−オクチルメタクリラート、n−ノニルアクリラート、およびそれらの分枝異性体、例えばイソブチルアクリラート、イソオクチルアクリラート、イソオクチルメタクリラート、2−エチルヘキシルアクリラート、または2−エチルヘキシルメタクリラートである。
成分(b)のモノマーはとりわけ、官能基を有する、とりわけエポキシ基と反応し得る官能基を有するオレフィン性不飽和モノマーである。
成分(b)のために、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン酸基、またはホスホン酸基、酸無水物、エポキシド、アミンを含む群から選択される官能基を有するモノマーを用いることが好ましい。
成分(b)のモノマーのとりわけ好ましい例は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、ビニル酢酸、ビニルホスホン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリラート、とりわけ2−ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、とりわけ3−ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシブチルアクリラート、とりわけ4−ヒドロキシブチルアクリラート、ヒドロキシヘキシルアクリラート、とりわけ6−ヒドロキシヘキシルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、とりわけ2−ヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート、とりわけ3−ヒドロキシプロピルメタクリラート、ヒドロキシブチルメタクリラート、とりわけ4−ヒドロキシブチルメタクリラート、ヒドロキシヘキシルメタクリラート、とりわけ6−ヒドロキシヘキシルメタクリラート、アリルアルコール、グリシジルアクリラート、グリシジルメタクリラートである。
原理的には、成分(c)として、成分(a)および/または成分(b)と共重合性であるすべてのビニル官能化された化合物を用いることができる。成分(c)のモノマーは、結果として生じる感圧接着剤の特性を調整するために用いることができる。
成分(c)の例示的なモノマーは、
メチルアクリラート、エチルアクリラート、プロピルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ベンジルアクリラート、ベンジルメタクリラート、sec−ブチルアクリラート、tert−ブチルアクリラート、フェニルアクリラート、フェニルメタクリラート、イソボルニルアクリラート、イソボルニルメタクリラート、tert−ブチルフェニルアクリラート、tert−ブチルフェニルメタクリラート、ドデシルメタクリラート、イソデシルアクリラート、ラウリルアクリラート、n−ウンデシルアクリラート、ステアリルアクリラート、トリデシルアクリラート、ベヘニルアクリラート、シクロヘキシルメタクリラート、シクロペンチルメタクリラート、フェノキシエチルアクリラート、フェノキシエチルメタクリラート、2−ブトキシエチルメタクリラート、2−ブトキシエチルアクリラート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアクリラート、3,5−ジメチルアダマンチルアクリラート、4−クミルフェニルメタクリラート、シアノエチルアクリラート、シアノエチルメタクリラート、4−ビフェニルアクリラート、4−ビフェニルメタクリラート、2−ナフチルアクリラート、2−ナフチルメタクリラート、テトラヒドロフルフリルアクリラート、ジエチルアミノエチルアクリラート、ジエチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、2−ブトキシエチルアクリラート、2−ブトキシエチルメタクリラート、3−メトキシアクリル酸メチルエステル、3−メトキシブチルアクリラート、フェノキシエチルアクリラート、フェノキシエチルメタクリラート、2−フェノキシエチルメタクリラート、ブチルジグリコールメタクリラート、エチレングリコールアクリラート、エチレングリコールモノメチルアクリラート、メトキシポリエチレングリコールメタクリラート350、メトキシポリエチレングリコールメタクリラート500、プロピレングリコールモノメタクリラート、ブトキシジエチレングリコールメタクリラート、エトキシトリエチレングリコールメタクリラート、オクタフルオロペンチルアクリラート、オクタフルオロペンチルメタクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリラート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルアクリラート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリラート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリラート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルアクリラート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルメタクリラート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチルメタクリラート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、N−(1−メチルウンデシル)アクリルアミド、N−(n−ブトキシメチル)アクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−(n−オクタデシル)アクリルアミド、さらにN,N−ジアルキル置換アミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、エチルビニルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエステル、例えば酢酸ビニル、塩化ビニル、ハロゲン化ビニル、塩化ビニリデン、ハロゲン化ビニリデン、ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルラクタム、N−ビニルピロリドン、スチレン、αおよびp−メチルスチレン、α−ブチルスチレン、4−n−ブチルスチレン、4−n−デシルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、マクロモノマー、例えば2−ポリスチレンエチルメタクリラート(GPCによって決定された重量平均分子量Mw4000〜13000g/mol)、ポリ(メチルメタクリラート)エチルメタクリラート(Mw2000〜8000g/mol)である。
成分(c)のモノマーは、後の(例えば電子線、UVによる)放射線化学的な架橋を補助する官能基を有するようにも選択できることが有利である。適切な共重合性光開始剤は、例えばベンゾインアクリラートおよびアクリラート官能化ベンゾフェノン誘導体である。電子照射による架橋を補助するモノマーは、例えばテトラヒドロフルフリルアクリラート、N−tert−ブチルアクリルアミド、およびアリルアクリラートである。
ポリアクリラート(「ポリアクリラート」は本発明内では「ポリ(メタ)アクリラート」と同義に理解される)の製造は、当業者に周知の方法に基づいて行うことができ、とりわけ有利には従来のラジカル重合または制御ラジカル重合によって行うことができる。ポリアクリラートは、通常の重合開始剤および場合によっては調節剤を使用したモノマー成分の共重合によって製造することができ、その際、通常の温度で、塊状で、乳液中で、例えば水もしくは液状炭化水素中で、または溶液中で重合される。
好ましいのは、ポリアクリラートが、モノマーの総重量に対して一般的に0.01〜5、とりわけ0.1〜2重量%の通常の量の重合開始剤を使用した、溶剤中、とりわけ沸点範囲が50〜150℃、好ましくは60〜120℃の溶剤中でのモノマーの重合によって製造されることである。
原理的には、当業者に周知のすべての通常の開始剤が適している。ラジカル源の例は、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、およびアゾ化合物、例えばジベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルカルボナート、t−ブチルペルオクトアート、ベンゾピナコールである。非常に好ましい手順では、ラジカル開始剤として、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(DuPont社のVazo(登録商標)67(商標))または2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル;AIBN;DuPont社のVazo(登録商標)64(商標))が使用される。
ポリ(メタ)アクリラートを製造するための溶剤としては、アルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノール、nブタノールおよびイソブタノール、好ましくはイソプロパノールおよび/またはイソブタノール、ならびに炭化水素、例えばトルエンおよびとりわけ沸点範囲が60〜120℃のベンジンが考慮される。さらにケトン、例えば好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、およびエステル、例えば酢酸エチルエステル、ならびに挙げた種類の溶剤の混合物を用いることができ、とりわけ、用いられる溶剤混合物に対して2〜15重量%、好ましくは3〜10重量%の量でイソプロパノールを含有する混合物が好ましい。
好ましいのは、ポリアクリラートの製造(重合)後に濃縮が行われ、ポリアクリラートのさらなる加工が実質的に溶剤なしで行われることである。重合体の濃縮は、架橋剤物質および促進剤物質の不在下で行うことができる。ただし、これらの化合物クラスの1つを濃縮前に既に重合体に添加してもよく、つまりその場合、濃縮はこの(これらの)物質の存在下で行われる。
ポリアクリラートの重量平均分子量Mは、好ましくは20,000〜2,000,000g/molの範囲内、非常に好ましくは100,000〜1,500,000g/molの範囲内、極めて好ましくは150,000〜1,000,000g/molの範囲内である。本明細書における平均分子量Mおよび多分散度PDのデータは、ゲル浸透クロマトグラフィによる決定に関する。これに関し、所望の平均分子量を調整するため、適切な重合調節剤、例えばチオール、ハロゲン化合物、および/またはアルコールの存在下で重合を実施することが有利であり得る。
ポリアクリラートは、トルエン中(1%溶液、21℃)で測定したK値が30〜90、特に好ましくは40〜70であることが好ましい。フィケンチャー法に基づくK値は、重合体の分子量および粘度に関する尺度である。
本発明により特に適しているのは、狭い分子量分布(多分散度PD<4)を有するポリアクリラートである。このポリアクリラートは、分子量が比較的低いにもかかわらず、架橋後に特に良好なせん断強度を有する。加えて比較的低い多分散度は、適用特性がほぼ同じであれば、より幅広く分布したポリアクリラートに比べて流動粘度が低いので、融体状での加工を比較的容易にすることができる。狭く分布したポリ(メタ)アクリラートは、アニオン重合または制御ラジカル重合法によって製造し得ることが有利であり、制御ラジカル重合法が特によく適している。N−オキシルにより、対応するポリアクリラートを製造することもできる。さらに、狭く分布したポリアクリラートの合成に原子移動ラジカル重合(ATRP)を用い得ることが有利であり、その際、開始剤として、単官能性または二官能性の第二級または第三級のハロゲン化物、およびこの(これらの)ハロゲン化物の引き抜きのためにCu錯体、Ni錯体、Fe錯体、Pd錯体、Pt錯体、Ru錯体、Os錯体、Rh錯体、Co錯体、Ir錯体、Ag錯体、またはAu錯体を用いることが好ましい。
ポリ(メタ)アクリラートを製造するためのモノマーは、エポキシ基との連結反応に適した官能基をその配分に応じて有することが好ましい。これは、エポキシドとの反応によるポリアクリラートの熱架橋を可能にすることが有利である。連結反応とは、とりわけ付加反応および置換反応のことである。つまりとりわけ、エポキシ基を担持する連結ブリッジとしての架橋分子を介して、官能基を担持するポリマー構成体を架橋するという意味における、官能基を担持する構成体とエポキシ基を担持する構成体との連結が生じることが好ましい。エポキシ基含有物質は、多官能性エポキシド、つまり少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシドであることが好ましく、したがって総括すると、官能基を担持する構成体の間接的な連結が生じることが好ましい。
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリラートは、熱架橋により、ポリ(メタ)アクリラートに含有されている官能基が、とりわけ付加反応または置換反応の意味における連結反応によって架橋されるのが好ましい。加工プロセス、とりわけ押出成形プロセス中にゲル化が生じない十分に長い加工時間を保証すると共に、加工温度より低い温度、とりわけ室温での、所望の架橋度へのポリマーの迅速な後架橋をもたらすすべての熱架橋剤を使用することができる。架橋剤としては、例えばカルボキシル基、アミン基、および/またはヒドロキシ基を有するポリマー、ならびにイソシアナート、とりわけ脂肪族イソシアナートまたはアミンによって不活化され三量化されたイソシアナートからの組合せが可能である。
適切なイソシアナートは、とりわけMDI[4,4−メチレン−ジ(フェニルイソシアナート)]、HDI[ヘキサメチレンジイソシアナート、1,6−ヘキシレンジイソシアナート]、および/またはIPDI[イソホロンジイソシアナート、5−イソシアナート−1−イソシアナートメチル−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン]の三量化された誘導体であり、例えばDesmodur(登録商標)N3600およびXP2410タイプ(それぞれBAYER AG:脂肪族ポリイソシアナート、低粘度のHDIの三量体)である。微粒子化され三量化されたIPDI BUEJ339(登録商標)、現在はHF9(登録商標)(BAYER AG)の表面不活化された分散系も適している。
ただし他のイソシアナート、例えばDesmodur VL 50(MDIベースのポリイソシアナート、Bayer AG)、Basonat F200WD(脂肪族ポリイソシアナート、BASF AG)、Basonat HW100(HDIベースの水乳化性多官能性イソシアナート、BASF AG)、Basonat HA 300(HDIイソシアヌラートベースのアロファナート修飾されたポリイソシアナート、BASF)、またはBayhydur VPLS2150/1(親水性に修飾されたIPDI、Bayer AG)も、基本的に架橋に適している。
熱架橋剤は、架橋すべきポリマーの総量に対して0.1〜5重量%で、とりわけ0.2〜1重量%で用いられるのが好ましい。
本発明による感圧接着剤のポリ(メタ)アクリラートは、エポキシドまたは1種もしくは複数のエポキシ基含有物質によって架橋されるのが好ましい。エポキシ基含有物質は、とりわけ多官能性エポキシド、つまり少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシドであり、したがって総括すると、官能基を担持するポリ(メタ)アクリラート構成体の間接的な連結が生じる。エポキシ基含有物質は、芳香族化合物であっても脂肪族化合物であってもよい。
ことさら適した多官能性エポキシドは、エピクロロヒドリンのオリゴマー、多価アルコール(とりわけエチレングリコール、プロピレングリコール、およびブチレングリコール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール、およびその類似物)のエポキシエーテル、多価フェノール[とりわけレゾルシン、ヒドロキノン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロムフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジフルオロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)−プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4’−メチルフェニルメタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−(4−クロロフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、2,2’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン]のエポキシエーテルおよびヒドロキシエチルエーテル、フェノール−ホルムアルデヒド縮合生成物、例えばフェノールアルコール、フェノールアルデヒド樹脂、およびその類似物、S含有およびN含有のエポキシド(例えばN,N−ジグリシジルアニリン、N,N’−ジメチルジグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン)、ならびに通常の方法に基づいて多価不飽和カルボン酸または不飽和アルコールの一価不飽和カルボン酸エステルから製造されたエポキシド、グリシジルエステル、不飽和酸のグリシジルエステルの重合もしくは混合重合によって獲得し得るか、またはそのほかの酸性化合物(シアヌル酸、ジグリシジルスルフィド、環状トリメチレントリスルホン、もしくはそれらの誘導体など)から得られるポリグリシジルエステルである。
非常に適したエーテルは、例えば1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、ポリグリセロール−3−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、ビスフェノール−A−ジグリシジルエーテル、およびビスフェノール−F−ジグリシジルエーテルである。
架橋すべきポリマーとしてのポリ(メタ)アクリラートのために特に好ましいのは、加工時間、架橋キネティクス、および架橋度についてのより良いコントロールを得るために、例えばEP1978069A1(特許文献4)に記載された架橋剤・促進剤系(「架橋系」)を使用することである。架橋剤・促進剤系は、架橋剤として、少なくとも1種のエポキシ基含有物質を、および促進剤として、架橋すべきポリマーの融解温度未満の温度でエポキシ基含有化合物による架橋反応に促進性に作用する少なくとも1種の物質を含んでいる。
促進剤としては、本発明によりアミン(正式にはアンモニアの置換生成物と解釈され;下記の式では、これらの置換基を「R」で表しており、かつとりわけアルキル残基および/もしくはアリール残基ならびに/またはそのほかの有機残基を含んでいる)が用いられるのが特に好ましく、とりわけ用いられるのが好ましいのは、架橋すべきポリマーの構成体と反応しないかまたは僅かにしか反応しないアミンである。
原理的には、促進剤として第一級アミン(NRH)も、第二級アミン(NRH)も、第三級アミン(NR)も、もちろん複数の第一級アミン基および/または第二級アミン基および/または第三級アミン基を有するアミンも選択することができる。ただし特に好ましい促進剤は、第三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール、2,4,6−トリス−(N,N−ジメチルアミノメチル)−フェノール、N,N’−ビス(3−(ジメチルアミノ)プロピル)尿素である。ジアミン、トリアミン、および/またはテトラミンのような多官能性アミンも促進剤として用い得ることが有利である。ことさら適しているのは、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルヘキサメチレンジアミンである。
それだけでなくアミノアルコールを促進剤として使用することが好ましい。第二級および/または第三級のアミノアルコールが用いられるのが特に好ましく、その際、1分子にアミン官能基が複数ある場合には、好ましくは少なくとも1つの、好ましくはすべてのアミン官能基が、第二級および/または第三級である。好ましいアミノアルコール促進剤としては、トリエタノールアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)エタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、2−アミノシクロヘキサノール、ビス(2−ヒドロキシシクロヘキシル)メチルアミン、2−(ジイソプロピルアミノ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、N−ブチルジエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、2−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、1−[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エタノール、2−(ジエチルアミノ)エタノール、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、および/またはN,N,N’−トリメチルアミノプロピルエタノールアミンを用いることができる。
さらなる適切な促進剤は、ピリジン、イミダゾール(例えば2−メチルイミダゾール)、および1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンである。脂環式ポリアミンも促進剤として用いることができる。リン酸塩ベースの促進剤、例えばホスフィンおよび/またはホスホニウム化合物、例えばトリフェニルホスフィンまたはテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラートも適している。
アクリラート感圧接着剤は、典型的には、C1〜C20−アルコールのアクリル酸アルキルエステルまたはメタクリル酸アルキルエステル、例えばメチルアクリラート、エチル(メタ)アクリラート、n−ブチル(メタ)アクリラート、t ブチル(メタ)アクリラート、シクロヘキシル(メタ)アクリラート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリラート、n−オクチル(メタ)アクリラート、イソ オクチル(メタ)アクリラート、n−デシル(メタ)アクリラート、n−ドデシル(メタ)アクリラート、テトラデシル(メタ)アクリラート、ラウリル(メタ)アクリラート、オレイル(メタ)アクリラート、パルミチル(メタ)アクリラート、およびステアリル(メタ)アクリラート、加えてさらなる(メタ)アクリル酸エステル、例えばイソボルニル(メタ)アクリラート、ベンジル(メタ)アクリラート、フェニル(メタ)アクリラート、および2 ブロモエチル(メタ)アクリラート、アルコキシアルキル(メタ)アクリラート、例えばエトキシエチル(メタ)アクリラートから成るラジカル重合されたコポリマーである。さらに、エチレン性不飽和ジカルボン酸およびトリカルボン酸のエステル、ならびに無水物、例えばマレイン酸エチル、フマル酸ジメチル、およびイタコン酸エチルメチルがこれに属している。ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、ビニルトルエン、メチルスチレン、n ブチルスチレン、デシルスチレンもこれに属している。
さらなる可能なモノマーは、最大20個の炭素原子を有するカルボン酸からのビニルエステル、例えば酢酸ビニルまたはラウリン酸ビニル、最大10個の炭素原子を有するアルコールからのビニルエーテル、例えばビニルメチルエーテルまたはビニルイソブチルエーテル、塩化ビニルまたは二塩化ビニリデンのようなハロゲン化ビニル、アクリロニトリルまたはメタクリロニトリルのようなニトリル、アクリルアミドまたはメタクリルアミドのような酸アミド、および2〜8個の炭素原子を有する不飽和炭化水素、例えばエチレン、プロペン、ブタジエン、イソプレン、1−ヘキセン、または1−オクテンである。
感圧接着剤の物理的特性および光学的特性に影響を及ぼすために、架橋モノマーとして多官能性のエチレン性不飽和モノマーが考慮される。これに関する例は、ジビニルベンゼン、アルキルジアクリラート、例えば1,2−エチレングリコールジアクリラート、1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,6 ヘキサンジオールジアクリラート、1,8−オクタンジオールジアクリラート、または1,12−ドデカンジオールジアクリラート、トリアクリラート、例えばトリメチロールプロパントリアクリラート、およびテトラアクリラート、例えばペンタエリトリトールテトラアクリラートである。多官能性モノマーの群には、例えばベンゾフェノンまたはベンゾインの(メタ)アクリラート官能化された誘導体のようなUV架橋性モノマーも属している。
モノマーのもう1つの群は、ポリマー中で潜在的な架橋ポテンシャルを生成し、接着剤の乾燥後に自然に(しばしば触媒的に)ネットワーク構造を生じさせるモノマーである。そのようなモノマーは、例えばグリシジルメタクリラートであり、そのオキシラン環は、開環してヒドロキシル官能基またはとりわけカルボキシラート官能基と共有結合する。この反応は、亜鉛イオンの存在下で、または特にカルボキシル官能基、アミンの存在下で促進される。
感圧接着特性を達成するには、接着剤の加工温度は、粘弾特性を有するために接着剤のガラス転移温度より高くなければならない。
さらに、アクリラートベースの本発明による活性化性接着剤を用いることができる。つまりこの場合、活性化性接着剤は、下記から成るベースポリマーa)についての特に好ましい一設計において存在する。
a1)下式のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル40〜95重量%
CH=C(R)(COOR)、
式中、R=HまたはCHであり、R=Hおよび/または1〜30個のC原子を有するアルキル鎖である。
a2)少なくとも1つのカルボン酸基および/またはスルホン酸基および/またはホスホン酸基を有する共重合性ビニルモノマー5〜30重量%
a3)少なくとも1つのエポキシ基または酸無水物官能基を有する共重合性ビニルモノマー1〜10重量%
a4)凝集性の上昇、架橋の反応性の上昇、または直接的な架橋に、官能基によって寄与し得る共重合性ビニルモノマー0〜20重量%、ならびに
b)エポキシ樹脂または複数のエポキシ樹脂から成る混合物5〜50重量%
ポリマーa)は、温度作用下および任意選択の圧力下で感圧接着性になり、かつ貼付および冷却後に固化によって高い接着力を発生させる活性化性感圧接着剤を含むことができる。この活性化性感圧接着剤は、適用温度に応じ、様々な静的ガラス転移温度TG,Aまたは融点TS,Aを有する。
非常に好ましい一設計では、モノマーa1)のために、4〜14個のC原子、好ましくは4〜9個のC原子から成るアルキル基を有するアクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルを含むアクリルモノマーが用いられる。特異的な例は、この列挙によって制限する意図はないが、n−ブチルアクリラート、n−ペンチルアクリラート、n−ヘキシルアクリラート、n−ヘプチルアクリラート、n−オクチルアクリラート、n−ノニルアクリラート、ラウリルアクリラート、ステアリルアクリラート、ベヘニルアクリラート、およびこれらの分枝異性体、例えば2−エチルヘキシルアクリラートである。c1)として同様に少量で添加し得るさらなる使用可能な化合物クラスは、メチルメタクリラート、シクロヘキシルメタクリラート、イソボルニルアクリラート、およびイソボルニルメタクリラートである。
好ましい1つのやり方では、モノマーa2)として、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、フマル酸、クロトン酸、アコニット酸、ジメチルアクリル酸、β−アクリロイルオキシプロピオン酸、トリクロロアクリル酸、ビニルホスホン酸、ビニルスルホン酸、およびビニルスルホン酸が用いられる。
好ましい1つのやり方では、モノマーa3)として、グリシジルメタクリラート、無水マレイン酸、および無水イタコン酸が用いられる。
非常に好ましい一設計では、モノマーa4)のために、ビニルエステル、ビニルエーテル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、α位で芳香族環および複素環を有するビニル化合物が用いられる。ここでも、他にもあるが幾つかの例を挙げれば、酢酸ビニル、ビニルホルムアミド、ビニルピリジン、エチルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、およびアクリロニトリルである。
さらなる非常に好ましい一設計では、モノマーa4)のために、以下の官能基、すなわちヒドロキシ基、酸アミド基、イソシアナート基、またはアミノ基を有するモノマーが用いられる。
成分a4)のためのさらなる特に好ましい例は、ヒドロキシエチルアクリラート、ヒドロキシプロピルアクリラート、ヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシプロピルメタクリラート、アリルアルコール、アクリルアミド、ベンジルアクリラート、ベンジルメタクリラート、フェニルアクリラート、フェニルメタクリラート、t−ブチルフェニルアクリラート、t−ブチルフェニルメタクリラート、フェノキシエチルアクリラート、フェノキシエチルメタクリラート、2−ブトキシエチルメタクリラート、2−ブトキシエチルアクリラート、ジメチルアミノエチルメタクリラート、ジメチルアミノエチルアクリラート、ジエチルアミノエチルメタクリラート、ジエチルアミノエチルアクリラート、シアノエチルメタクリラート、シアノエチルアクリラート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリラート、N−tert.−ブチルアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−(エトキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、テトラヒドロフルフリルアクリラートであり、この列挙はこれで終わりではない。
さらなる好ましい一設計では、成分a4)のために芳香族ビニル化合物が用いられ、これに関し好ましいのは、芳香族核がC〜C18から成ることができ、かつヘテロ原子も有し得ることである。特に好ましい例は、スチレン、4−ビニルピリジン、N−ビニルフタルイミド、メチルスチレン、3,4−ジメトキシスチレン、4−ビニル安息香酸であり、この列挙はこれで終わりではない。
重合のために、モノマーをここでも、結果として生じるポリマーが工業用に使用可能な接着剤または感圧接着剤として用いることができ、とりわけ、結果として生じるポリマーがDonatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、New York 1989)(非特許文献2)に対応する接着特性または感圧接着特性を有するように選択する。ここでも、所望のガラス転移温度の制御は、重合の基礎となるモノマー混合物の構成にFox式(G1)を適用することによって達成できる。感圧接着剤に関しては、結果として生じるポリマーの静的ガラス転移温度が15℃未満であることが有利である。
熱活性化性接着剤のためのTG,A≧30℃のポリマーのガラス転移温度TG,Aを達成するには、上で述べたことに対応して、Fox式(G1)(T.G. Fox、Bull. Am. Phys. Soc. 1 (1956) 123(非特許文献3)を参照)に基づいてポリマーの所望のTG,A値が生じるようにモノマーを選び出すことが非常に好ましく、かつそのようにモノマー混合物の量的組成を選択することが有利である。
Figure 2016536171
式中、nは用いるモノマーの通し番号を表し、wはそれぞれのモノマーnの質量分率(重量%)を表し、かつTG,nはそれぞれのモノマーnから成るホモポリマーのそれぞれのガラス転移温度をKで表している。
接着剤の製造には、従来のラジカル重合または制御ラジカル重合を実施するのが有利である。ラジカルによって進行する重合には、重合のためのさらなるラジカル開始剤、とりわけ熱によって分解してラジカルを生成するアゾ開始剤またはペルオキソ開始剤を追加的に含有する開始剤系を用いるのが好ましい。ただし原理的には、アクリラートに関して当業者に周知の通常のすべての開始剤が適している。炭素中心ラジカルの生成は、Houben Weyl、Methoden der Organischen Chemie、Vol. E 19a、60〜147頁(非特許文献4)に記載されている。これらの方法を相応に適用することが好ましい。
ラジカル源の例は、ペルオキシド、ヒドロペルオキシド、およびアゾ化合物であり、典型的なラジカル開始剤の幾つかの例としては、他にもあるがここでは、ペルオキソ二硫酸カリウム、ジベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、アゾジイソ酸ブチロニトリル、シクロヘキシルスルホニルアセチルペルオキシド、ジイソプロピルペルカルボナート、t−ブチルペルオクトアート、ベンゾピナコールを挙げておく。非常に好ましい一設計では、ラジカル開始剤として、1,1’−アゾ−ビス−(シクロヘキサンカルボン酸ニトリル)(DuPont社のVazo 88(商標))が使用される。
ラジカル重合で生じる感圧接着剤の平均分子量Mは、20,000〜2,000,000g/molの範囲内にあるように選択されるのが非常に好ましく、溶融感圧接着剤としてのさらなる使用のためには特に、平均分子量Mが100,000〜500,000g/molの感圧接着剤を製造する。
重合は、塊状で、1種もしくは複数の有機溶剤の存在下で、水の存在下で、または有機溶剤および水から成る混合物中で実施することができる。その際、使用する溶剤量をできるだけ少なく保つことを目標とする。
重合時間は、転化率および温度に応じて4〜72時間の間である。反応温度をより高く選択し得るほど、つまり反応混合物の熱安定性が高ければそれだけ、反応期間をより短く選択することができる。
接着剤とフィルムの間の凝集性を高めるために、フィルムにコロナ処理を施すことができる。
さらに、接着剤の定着を可能にするにはフィルムのエッチングが有利である。
本発明の一形態では、フィルムへの接着剤のくっつき性を改善するために、下側のフィルムと接着剤の間にプライマーが存在している。
通常使用されるプライマーの記載は、例えば、Donatas Satasの「Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology」(van Nostrand、1989)(非特許文献2)にある。
上側および下側のフィルムは、ダイカットにおいて同じ形状およびサイズを有しており、合同に配置されているのが好ましい。
さらに好ましいのは、これらの条件が、場合によっては存在するさらなるフィルムにも適用されることである。
比較的小さな穴の多くを封止できるダイカットのための典型的なサイズは、直径が10〜60mm、とりわけ30〜40mmの(まん丸の)円盤である。
下側のフィルムは、面全体を接着剤でコーティングされているのが好ましい。
本発明によるダイカットを用いて、とりわけ車体における穴を封止するための本発明による方法は、下記のステップ、すなわち
・ ダイカットによって穴が完全に覆われるように、封止すべき穴上にダイカットを施すステップ、
・ ダイカットに、120℃〜200℃、とりわけ175℃の温度で15分間作用し、これにより熱活性化性接着剤が硬化し、よって穴が封止されるステップを特徴とする。
例えば設備異常があり、(自動車の)車体が比較的長く乾燥炉内にある場合、ダイカットは、例えば190℃以上の温度にも数分間耐える。
熱供給による接着剤の硬化は、ホワイトボディの通常の加工プロセス中に、とりわけ塗装の乾燥、床裏保護剤の乾燥、または陰極浸漬塗装の乾燥中に行われるのが好ましい。こうすることで、追加的な作業工程は必要ない。
前述の乾燥プロセス中に必要な車体の加熱により、エネルギーは十分に存在する。
その代わりに、熱放射器または赤外線放射器による局所的なエネルギー供給によることができる。
ダイカットが、封止すべき穴を覆って同心的に施されている場合が好ましい。
ダイカットの輪郭が、封止すべき穴の輪郭に対応することが有利である。こうすることで、ダイカットの個々の層の張出部が対称的になる。張出部は、好ましくは1〜20mmの間、さらに好ましくは5〜10mmの間である。
本発明によるダイカットは、特に機械的な負荷の上昇に際し、従来技術から公知の解決策に勝っている。同じことが、騒音抑制の考察の場合に当てはまる。騒音抑制および強度は、重量フィルムを備えたキャリアラミネートの使用により、大幅に改善される。
さらに、ダイカットの1つの実施形態だけで、サイズの異なる数多くの穴を覆うことができる。
このダイカットは、
・ 非常に高い負荷耐性/破裂強度
・ 非常に良好な湿気に対するシーリング性/湿気バリア
・ 良好な騒音に対するシーリング性/騒音抑制
を特徴とする。
穿刺強度は、ダイカットで穴を封止し、かつ的確に穿刺することによって決定される。これに関しては、引張検査機内で突きぎりを挟持し、この突きぎりを一定の速度で、水平に位置決めされた封止した穴へと動かし、穴を30mm穿刺する。その際に費やされる力を測定する。
本発明の有利な一実施形態によれば、ダイカットの穿刺強度は200〜2000Nである。
ダイカットの表面は、外観および手触りの点で、好感を与えかつ平滑な表面を提供している。
検査法
測定は、(別の記載がない限り)23±1℃および相対湿度50±5%の検査雰囲気で実施される。
モル質量Mnおよび重量平均モル質量Mw
本明細書での数平均モル質量Mnおよび重量平均モル質量Mwのデータは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)による決定に関する。この決定は、清澄ろ過した試料100μl(試料濃度4g/l)に対して行われる。溶離液としては、トリフルオロ酢酸を0.1体積%含むテトラヒドロフランを用いる。測定は25℃で行われる。
プレカラムとして、PSS−SDVタイプ、5μm、10Å、8.0mm×50mmのカラム(データはここおよび以下では順番に:タイプ、粒子サイズ、多孔度、内径×長さ;1Å=10−10m)を使用する。分離には、PSS−SDVタイプ、5μm、10Åならびに10Åおよび10Å、それぞれ8.0mm×300mmのカラムの組合せを用いる(Polymer Standards Service社のカラム;示差屈折計Shodex RI71によって検出)。貫流量は1分当たり1.0mlである。較正は、ポリアクリラートの場合はPMMA標準に対して(ポリメチルメタクリラート較正)、およびそのほか(樹脂、エラストマー)はPS標準に対して(ポリスチレン較正)行われる。
ポリアクリラートは、トルエン(1%溶液、21℃)中で測定したK値が30〜90、特に好ましくは40〜70であることが好ましい。フィケンチャー法に基づくK値は、重合体の分子量および粘度に関する尺度である。
K値
この方法の原理は、相対的な溶液粘度を毛管粘度計によって決定することに基づいている。このために、試験物質をトルエン中に、30分振動させることで溶解させ、これにより1%溶液を得る。Vogel−Ossag粘度計において流出時間を25℃で測定し、それを基に、純粋な溶剤の粘度に対する試料溶液の相対粘度を決定する。フィケンチャー法[P. E. Hinkamp、Polymer、1967、8、381(非特許文献5)]に基づき、表からK値を読み取ることができる(K=1000k)。
ガラス転移温度
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)によって決定する。このために、未処理のポリマー試料5mgをアルミニウム製るつぼ(容積25μL)に量り入れ、穴の開いた蓋で閉じる。測定にはNetzsch社のDSC 204 F1を使用する。不活化のため窒素下で作業する。試料を最初に−150℃に冷却し、その後、加熱率10K/minで+150℃まで加熱し、改めて−150℃に冷却する。続く第2の加熱曲線は、改めて10K/minで進行させて熱容量の変化を記録する。ガラス転移は、サーモグラムにおける段差として認識される。
ガラス転移温度は次のように評価する(図2を参照)。
段差の前(1)および後(2)のサーモグラムのベースラインにそれぞれ接線を当てがう。段差の領域で、最良適合直線(5)を縦座標に平行に、この最良適合直線が両方の接線と交わるように、つまり同じ面積の2つの面(3)および(4)(それぞれ1つの接線と、最良適合直線と、測定曲線との間)が生じるように置く。このように位置決めされた最良適合直線と測定曲線との交点がガラス転移温度になる。
以下では、とりわけ自動車の車体の板金またはプラスチック部品における穴を持続的に封止するためのダイカットを図に基づいてより詳しく説明するが、如何なる形態においても制限的には作用しない。
車体における封止が必要な穴、および封止すべき穴を熱作用によって封止した後の状態を示す図である。 ガラス転移温度の評価方法を示す。
車体5に、封止が必要な穴6が構造上の制約により存在している。
これに関し、少なくとも2つのプラスチックフィルム、つまり上側のフィルム2および下側のフィルム3から成るラミネートでできており、下側のフィルム3の単位面積当たりの重量が少なくとも1.5kg/mのキャリアと、硬化性接着剤4とを備えたダイカット1が、穴6を完全にダイカットで覆うように、穴6上で固定されている。
ダイカット1の面積は、封止すべき穴6の面積より大きい。
接着剤4を活性化させる高い温度が短時間ダイカットに作用することにより、ダイカット1が車体5と持続的に結合される。

Claims (14)

  1. とりわけ板金またはプラスチック部品における、とりわけ穴を持続的に封止するためのダイカットであって、
    少なくとも2つのプラスチックフィルムから成るラミネートでできたキャリアを備えており、その際、
    下側のフィルムの単位面積当たりの重量が少なくとも1.5kg/mであり、かつ
    下側のフィルムのうち上側のフィルムと反対の側に、接着剤、とりわけ硬化性または自着性の接着剤が施されているダイカット。
  2. 下側のフィルムの単位面積当たりの重量が、1.5〜6kg/mの間、好ましくは1.5〜3.9kg/mの間、1.5〜2.5kg/mの間であることを特徴とする、請求項1に記載のダイカット。
  3. 下側のフィルムが、とりわけ鉱物質を充填したポリオレフィンフィルムまたはエラストマーで修飾したビチューメンフィルムであることを特徴とする、請求項1または2に記載のダイカット。
  4. 上側のフィルムが、ポリエステルから、さらに好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)から成ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のダイカット。
  5. 上側のフィルムの厚さが15〜350μmの間、好ましくは30〜200μmの間、さらに好ましくは50〜150μmの間であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載のダイカット。
  6. 下側のフィルムの厚さが600〜3500μmの間、好ましくは1100〜3500μmの間、さらに好ましくは1700〜3500μmの間であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載のダイカット。
  7. 接着剤として、アクリラートベースの自着剤が選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載のダイカット。
  8. 接着剤として、反応性の熱活性化性接着剤が選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つに記載のダイカット。
  9. ニトリルゴムおよびフェノール樹脂から成る反応性の熱活性化性接着剤が用いられることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載のダイカット。
  10. ダイカットが、封止すべき穴を覆って同心的に施されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載のダイカット。
  11. ダイカットの輪郭が、封止すべき穴の輪郭に対応することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載のダイカット。
  12. 請求項1〜11のいずれか一つに記載のダイカットによる、とりわけ車体における穴を封止するための方法において、下記のステップ、すなわち
    ダイカットによって穴がとりわけ完全に覆われるように、封止すべき穴上にダイカットを施すステップ、
    ダイカットに、120℃〜200℃の温度で15分間作用し、これにより熱活性化性接着剤が硬化し、よって穴が封止されるステップを特徴とする、方法。
  13. ダイカットの輪郭が、封止すべき穴の輪郭に対応すること、
    とりわけ、張出部が1〜20mmの間、さらに好ましくは5〜10mmの間であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1〜11のいずれか一つに記載のダイカットを備えたとりわけ車体における穴。
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