JP2016533446A - タービンブレード内の冷却チャネルの配列 - Google Patents

タービンブレード内の冷却チャネルの配列 Download PDF

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Abstract

本発明は、冷却流体を搬送するための、タービンブレード内の複数の冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)の配列(1)であって、冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、ブレード根(2)、ブレード先端(4)、前縁(3)、および後縁(5)を具備したタービンブレードを貫通して、1つ以上の冷却流体出口(18、19a〜19g)に至っており、冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、選択された位置(8、10)において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びており、1つの冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)の領域においてタービンブレードが破損した場合、他の冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)によって冷却がほとんど損なわれていないままであり、少なくとも1つの冷却チャネルは、前縁(3)近傍且つブレード根(2)近傍の領域(8)を起点として、後縁(5)近傍且つブレード翼先端(4)近傍の領域(10)へと、タービンブレードを通じて斜めチャネル(9)として延びている配列(1)に関する。

Description

本発明は、タービンブレード内の冷却チャネルの配列に関する。
タービンブレード、特にガスタービンのブレードは、高い負荷を受ける部品である。作動時には、高回転速度において回転する。したがって、高い機械的強度が必要である。それに加えて、特にガスタービンブレードの場合、作動時には高温が生じる。タービンブレードを駆動する、より高温の混合ガスが、タスタービンの効率に良好な影響を与えることが、一般的な場合である。この意味において、タービンブレードが過度に高温になることを防止するために、タービンブレードは冷却される。この目的のために、冷却チャネルがタービンブレード内に頻繁に配置されている。
時折、タービンブレードは異物の衝突により損傷する。この結果は、空気が冷却チャネルから出て、実質的にタービンブレードの冷却を時々損なう。このことは、損傷したブレードが迅速に交換されなければならないことを頻繁に誘導する。
特許文献1は、タービンブレード内に冷却流体を分配するための配列が開示されている。この配列は冷却チャネルの列を提供し、冷却チャネルは、タービンブレードの内部空間内で、タービンブレードの前縁に平行に且つタービンブレードの後縁に平行に延びている。少なくともいくつかの冷却チャネルは、斜めチャネルによって接続されている。このことは、冷却を改善するように設計されている。
タービンブレードのためのさらなる冷却デバイスは、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5から知られている。
前述の文献、特に特許文献1による配列は、所定の規則において、その可能性、所定の範囲、タービンブレードの損傷の場合における冷却の維持に寄与しており、したがって、暗に冷却チャネルに寄与している。このことは文献内には特定されておらず、以下に記載された発明を考慮してのみ実際に認識されることが可能である。
米国特許第6,382,914号明細書 特開昭59−231103号公報 仏国特許出願公開第1 209,752号明細書 英国特許出願公開第827 289号明細書 米国特許第3,014,693号明細書
本発明の目的は、冷却チャネルの損傷の場合における冷却をさらに改良することである。
この目的は、独立請求項とともに達成される。有利な構成は、従属請求項に見ることができる。
提案されたことは、冷却流体を搬送するための、タービンブレード内の複数冷却チャネル、すなわち少なくとも2つの冷却チャネルの配列である。冷却流体は、一般的に空気である。
冷却チャネルは、タービンブレードを通じて1つ以上の冷却流体出口に至る。
この目的のために、タービンブレードは全体的にブレード根、ブレード翼先端、前縁、および後縁を備えている。
その意味で、冷却チャネルは、特定の位置において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びており、1つの冷却チャネルの領域内でタービンブレードが破損した場合、他の冷却チャネルを通じた冷却がほとんど損なわれていないままである。
先行技術においては、冷却チャネルがブレード根からブレード翼先端へ、前縁に沿って延びている場合が一般的である。この冷却チャネルにおける損傷による漏れは、その位置における冷却流体放出を生じる。このことは、それが漏れの下流にある領域において冷却を阻害するために、問題となる。
しかしながら、この冷却チャネルからの冷却流体が、タービンブレードを通じてさらに蛇行し、冷却に寄与するように設計されている場合に、特に問題となる。漏れが生じた場合、その後のタービンブレードの冷却は実質的に損なわれる。
この問題は、先に提示された概念とともに減少されることが可能であり、それによれば、冷却チャネルは特定の位置において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びている。特定の位置における接続により、冷却流体は、1つの冷却チャネルから別の冷却チャネルへと通じることが可能である。接続の上流の他の冷却チャネルにおいて漏れが生じた場合、下流の冷却は、その接続無しでは損なわれる。その接続は、接続の下流の冷却がほとんど維持されることを可能にしている。しかしながら、他の領域において互いから分離した冷却チャネルも必要である。分離がない場合、漏れが生じると、冷却流体は妨げられることなく漏れるように流れ、冷却は再度より著しく損なわれる。しかしながら、とりわけ通常運転の際に、すなわち漏れがない場合、タービンブレード全体を通じて冷却流体を実質的に案内するために、チャネル構造、すなわち冷却チャネルの分離も備えることが必要である。そうでなければ、冷却流体は、冷却流体入口から冷却流体出口へと、短い経路に沿って流れる。したがって、接続の間、および冷却チャネルと分離された領域との間の受け入れ可能なバランスを取ることが、常に必要である。これまでの説明を考慮すると、当業者は膨大な数の異なった配列に到達することが可能である。
その意味で、重要な態様は、少なくとも1つの冷却チャネルは、前縁近傍且つブレード根近傍の領域を起点として、後縁近傍且つブレード翼先端近傍の領域へと、タービンブレードを通じて斜めチャネルとして延びている。すなわち、斜めチャネルはブレード根または前縁を起点とする必要があるわけではなく、単にその領域を起点としていることを明確にすることが重要である。
しかしながら、ブレード根且つ前縁における起点は、排除されるべきではない。同じことが、後縁近傍且つブレード翼先端近傍の斜めチャネルの端部にも当てはまる。斜めチャネルは、冷却流体をタービンブレードの多様な領域に容易に案内することを可能にし、いずれの位置においても効率的な冷却を確実にしている。
前述の配列でさえ、冷却を損なうことを回避できないか、または漏れが生じた場合に、個別の領域において損なう。しかしながら、全体的な冷却流体の損失は概略減少し、損傷していないブレード領域内の冷却はほぼ確実に行われる。したがって、機械的安定性および強度は、ほとんど損なわれないままである。このことは、損傷したタービンブレードの継続的な運転を可能にしている。
長期間タービンブレードを交換する必要があるままであっても、この配列がタービンの次回に組み入れられた主要保守まで待つことを可能にする大きな利点となる。頻繁に、上昇した温度は、タービンブレードを直ちに受け入れられない破損に導くことはなく、過熱におけるより長い運転の後のみとされる。
描写は、ブレード根を用いてロータに取り付けられたロータブレードの冷却に関して一次的に選択されているが、想定された冷却の概念は、原理的にガイドベーンにも使用され得る。
本発明の一実施形態においては、冷却チャネルが互いに接続されて設けられており、配列が貫流された場合、冷却流体は通常は1つの冷却チャネルから別の冷却チャネル内へと流れる。しかしながら、漏れが生じた場合にのみ、これが提供されることも考えられる。効果的な貫流の目的のために、通常運転の際にこのことを提供することは、実績のある手段である。
本発明の一実施形態においては、冷却チャネルは、タービンブレードの内壁から有孔プレートまたは有孔プレートと同様のデバイスを用いて分離されており、冷却流体は、原則的に後者に直交して、タービンブレードの内壁に到達することが可能である。これは、衝突冷却と称されることを達成する。これは、冷却流体が内壁において乱流となり、再度加熱されて流出するので効率的である。冷却流体が、タービンブレードの内壁を単に流れて通過するだけの場合、壁に直接隣接した比較的弱い流れの薄い層を形成するだろう。それに加えて、1つの領域内で加熱されたばかりの冷却流体は、他の領域を冷却するために使用される。
本発明の一実施形態においては、少なくとも1つの冷却チャネルは、タービンブレードの前縁近傍の領域内のブレード根を起点としている。先行技術から公知の配列の場合のように、冷却流体のための入り口は、構造的な理由から、一般的にブレード根にある。タービンブレードを駆動する混合ガスが、前縁にもいて最も高温であるので、ここでは、タービンブレードへの熱負荷が最も高くなる。したがって、前縁の領域において起点となることは、冷却チャネルに関して好都合である。
本発明のさらなる実施形態においては、2つの冷却チャネルは、前縁近傍の領域内のブレード根を起点とし、且つブレード根近傍の領域を終点としており、冷却チャネルは互いに、且つ斜めチャネルに接続されている。このことは、冷却流体が、ブレード根の冷却流体入口から斜めチャネルへと通過することを可能にしている。冷却流体が、漏れのために前述の冷却チャネルの1つから流出した場合、斜めチャネルは、他の冷却チャネルを通じてなお冷却流体を供給することが可能である。
本発明のさらなる実施形態においては、他の冷却チャネルは斜めチャネルから分岐しており、特に冷却チャネルは、後縁の方向に分岐し、および/または冷却チャネルはブレード翼先端の方向に分岐している。したがって、タービンブレード内の全領域において、冷却流体の分配をさらに最適化することが可能である。
本発明のさらなる実施形態においては、ブレード翼先端の方向に延びた、前述の冷却チャネルが開放された冷却チャネルは、ブレード翼先端に平行に延びている。ブレード翼先端に平行に延びた冷却チャネルは、その意味では、斜めチャネルと同じ領域内に開放されている。
本発明のさらなる実施形態においては、後縁の方向に分岐した冷却チャネルは、原則的に前記後縁に直交して延びている。それとは異なり、またはそれに加えて、ブレード翼先端の方向に延びた冷却チャネルは、原則的に前記後縁に平行に延びている。このことは、冷却流体の分配のさらなる最適化にも寄与している。この目的は、一箇所の漏れが可能な限りタービンブレードの冷却を損なうことを、常に小さくしている。
本発明のさらなる実施形態においては、冷却流体出口を通じて、冷却流体が、タービンブレード内の領域からタービンブレードの外側領域へと通ることが可能であり、冷却流体出口は、後縁の領域に形成されている。したがって、後縁の領域における外壁のさらなる冷却を達成することが可能である。流出した冷却流体は、随意的にさらなるタービンステージを駆動するために使用されることが可能である。
本発明のさらなる実施形態においては、少なくとも1つの冷却流体出口は、後縁の領域内のブレード根に形成されている。冷却流体は、通常は前縁の領域内のブレード根にある冷却流体入口からタービンブレードを通じて、後縁の領域内のブレード根に戻るように流れる。既存の冷却流体は、他のタービンブレードの冷却のために再利用されることが可能である。
本発明による冷却チャネルの配列を概略的に示した図である。
本発明は、冷却チャネルの配列を概略的に示した図を参照するとともに、以下により明確に現される。図示されているのは、ガスタービンブレード内の冷却チャネルの配列1である。選択された視点は、明確化の目的のために、原則的に冷却チャネルのみを示しているが、それにもかかわらず、冷却チャネルの経路のより良好な説明を可能にするために、タービンブレードの形状が最初に提示される。
底部はブレード根2であり、これを用いてタービンブレードは、ロータに取り付けられている。前縁3は左側に示されている。前縁3は、タービンブレードを駆動する混合ガスに最初に当たる領域である。ブレード翼先端4は上側に示されている。後縁5は右側に配置されている。タービンブレードは平坦ではなく、湾曲している。その意味で、前縁3および後縁5は直線とし得るが、曲線ともし得る。ブレード根2およびブレード翼先端は、その一方で常に湾曲しており、残りのブレード領域も同様である。曲率は、タービンブレードの空力形状による。
タービンブレードは、前縁から後縁まで広がった前壁(図示略)、および前壁から所定の距離だけ離れて広がって且つ同様に後縁から前縁に至る後壁を備えている。一般的に、前壁と後壁との間の距離は、前縁3および後縁5の領域において非常に小さく、ブレードの中央に向かって増大している。
本願は、冷却チャネルの配列である。第1冷却チャネル6は、ブレード根2を起点として、前縁3に直接沿って延びている。冷却チャネル6の前縁3から離れた向きの側において、冷却チャネル6とは別個のさらなる冷却チャネル7が、ブレード根2から延びている。冷却チャネル6および7は、前縁3に近接し且つブレード根2に近接して位置した領域8において開いている。そこで、冷却チャネル6および7は互いに接続されている。さらに、後縁5に近接し且つブレード翼先端4に近接した領域10につながった斜めチャネル9は、領域8を起点としている。領域8から、冷却チャネル11はブレード根2に平行に延びている。冷却チャネル11は、後縁5に平行に延びた冷却チャネル12内へと開いている。前縁3に近接した領域8から後縁5に近接した領域10へと延びた斜めチャネル9に続いて、2つの冷却チャネル13および14が分岐しており、それらは冷却チャネル11に平行に延びて、冷却チャネル12内へと開いている。
さらに、前縁3に平行に延びた2つの冷却チャネル15および16が、斜めチャネル9から分岐している。これらは冷却チャネル17内へと開いており、このチャネルはブレード翼先端4の近傍においてブレード翼先端4に平行に延び、斜めチャネル9と接続した領域10において開いている。さらに、領域10は、後縁5に沿って延びた冷却チャネル12と接続している。冷却チャネル12は、冷却流体出口18のブレード根2において開いている。さらに、冷却流体出口19a〜19gは、後縁5に形成されている。
冷却チャネル6、7、9、11、12、13、14、15、16、17の配列1は、見られているように、「クリスマスツリーデザイン」と称される。
通常運転における、すなわち漏れのない冷却の際の流れの方向は、矢印によって示されている。多数の冷却チャネルの1つにおける漏れは、通常は冷却を制限するが、全体として冷却を中断しない。
本発明は、好適な例示的実施形態を用いて、より詳細に記載され図示されたが、本発明は開示された例によって制限されるものではなく、他の変形が、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者によってここから導き出されることが可能である。
1 ・・・冷却チャネルの配列
2 ・・・ブレード根
3 ・・・前縁
4 ・・・ブレード翼先端
5 ・・・後縁
6 ・・・第1冷却チャネル
7 ・・・さらなる冷却チャネル
8、10 ・・・領域
9 ・・・斜めチャネル
11、12、13、14、15、16、17 ・・・冷却チャネル
18、19a〜19g ・・・冷却流体出口
本発明は、タービンブレード内の冷却チャネルの配列に関する。
タービンブレード、特にガスタービンのブレードは、高い負荷を受ける部品である。作動時には、高回転速度において回転する。したがって、高い機械的強度が必要である。それに加えて、特にガスタービンブレードの場合、作動時には高温が生じる。タービンブレードを駆動する、より高温の混合ガスが、タスタービンの効率に良好な影響を与えることが、一般的な場合である。この意味において、タービンブレードが過度に高温になることを防止するために、タービンブレードは冷却される。この目的のために、冷却チャネルがタービンブレード内に頻繁に配置されている。
時折、タービンブレードは異物の衝突により損傷する。この結果は、空気が冷却チャネルから出て、実質的にタービンブレードの冷却を時々損なう。このことは、損傷したブレードが迅速に交換されなければならないことを頻繁に誘導する。
特許文献1は、タービンブレード内に冷却流体を分配するための配列が開示されている。この配列は冷却チャネルの列を提供し、冷却チャネルは、タービンブレードの内部空間内で、タービンブレードの前縁に平行に且つタービンブレードの後縁に平行に延びている。少なくともいくつかの冷却チャネルは、斜めチャネルによって接続されている。このことは、冷却を改善するように設計されている。
タービンブレードのためのさらなる冷却デバイスは、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5から知られている。
前述の文献、特に特許文献1による配列は、所定の規則において、その可能性、所定の範囲、タービンブレードの損傷の場合における冷却の維持に寄与しており、したがって、暗に冷却チャネルに寄与している。このことは文献内には特定されておらず、以下に記載された発明を考慮してのみ実際に認識されることが可能である。
米国特許第6,382,914号明細書 特開昭59−231103号公報 仏国特許出願公開第1 209,752号明細書 英国特許出願公開第827 289号明細書 米国特許第3,014,693号明細書
本発明の目的は、冷却チャネルの損傷の場合における冷却をさらに改良することである。
この目的は、独立請求項とともに達成される。有利な構成は、従属請求項に見ることができる。
提案されたことは、冷却流体を搬送するための、タービンブレード内の複数冷却チャネル、すなわち少なくとも2つの冷却チャネルの配列である。冷却流体は、一般的に空気である。
冷却チャネルは、タービンブレードを通じて1つ以上の冷却流体出口に至る。
この目的のために、タービンブレードは全体的にブレード根、ブレード翼先端、前縁、および後縁を備えている。
その意味で、冷却チャネルは、特定の位置において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びており、1つの冷却チャネルの領域内でタービンブレードが破損した場合、他の冷却チャネルを通じた冷却がほとんど損なわれていないままである。
先行技術においては、冷却チャネルがブレード根からブレード翼先端へ、前縁に沿って延びている場合が一般的である。この冷却チャネルにおける損傷による漏れは、その位置における冷却流体放出を生じる。このことは、それが漏れの下流にある領域において冷却を阻害するために、問題となる。
しかしながら、この冷却チャネルからの冷却流体が、タービンブレードを通じてさらに蛇行し、冷却に寄与するように設計されている場合に、特に問題となる。漏れが生じた場合、その後のタービンブレードの冷却は実質的に損なわれる。
この問題は、先に提示された概念とともに減少されることが可能であり、それによれば、冷却チャネルは特定の位置において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びている。特定の位置における接続により、冷却流体は、1つの冷却チャネルから別の冷却チャネルへと通じることが可能である。接続の上流の他の冷却チャネルにおいて漏れが生じた場合、下流の冷却は、その接続無しでは損なわれる。その接続は、接続の下流の冷却がほとんど維持されることを可能にしている。しかしながら、他の領域において互いから分離した冷却チャネルも必要である。分離がない場合、漏れが生じると、冷却流体は妨げられることなく漏れるように流れ、冷却は再度より著しく損なわれる。しかしながら、とりわけ通常運転の際に、すなわち漏れがない場合、タービンブレード全体を通じて冷却流体を実質的に案内するために、チャネル構造、すなわち冷却チャネルの分離も備えることが必要である。そうでなければ、冷却流体は、冷却流体入口から冷却流体出口へと、短い経路に沿って流れる。したがって、接続の間、および冷却チャネルと分離された領域との間の受け入れ可能なバランスを取ることが、常に必要である。これまでの説明を考慮すると、当業者は膨大な数の異なった配列に到達することが可能である。
その意味で、重要な態様は、少なくとも1つの冷却チャネルは、前縁近傍且つブレード根近傍の領域を起点として、後縁近傍且つブレード翼先端近傍の領域へと、タービンブレードを通じて斜めチャネルとして延びている。すなわち、斜めチャネルはブレード根または前縁を起点とする必要があるわけではなく、単にその領域を起点としていることを明確にすることが重要である。
しかしながら、ブレード根且つ前縁における起点は、排除されるべきではない。同じことが、後縁近傍且つブレード翼先端近傍の斜めチャネルの端部にも当てはまる。斜めチャネルは、冷却流体をタービンブレードの多様な領域に容易に案内することを可能にし、いずれの位置においても効率的な冷却を確実にしている。
前述の配列でさえ、冷却を損なうことを回避できないか、または漏れが生じた場合に、個別の領域において損なう。しかしながら、全体的な冷却流体の損失は概略減少し、損傷していないブレード領域内の冷却はほぼ確実に行われる。したがって、機械的安定性および強度は、ほとんど損なわれないままである。このことは、損傷したタービンブレードの継続的な運転を可能にしている。
さらに、2つの冷却チャネルは、前縁近傍の領域内のブレード根を起点として、且つブレード根近傍の領域内を終点としており、それによりそれらのチャネルは互いにおよび斜めチャネルに接続されている。このことは、冷却流体が、ブレード根の冷却流体入口から斜めチャネルへと通過することを可能にしている。冷却流体が、漏れのために前述の冷却チャネルの1つから流出した場合に、斜めチャネルは他の冷却チャネルを通じて冷却流体を供給されることが可能である。
それに加えて、他の冷却チャネルは斜めチャネルから分岐しており、特に、冷却チャネルは後縁の方向に分岐し、冷却チャネルはブレード翼先端の方向に分岐している。したがって、タービンブレードの全領域の冷却流体の分配を、さらに最適化することが可能である。
さらに、後縁の方向に分岐した冷却チャネルは、原則的に後縁に直交して延びている。これに加えて、ブレード翼先端の方向に延びた冷却チャネルは、原則的に後縁に平行に延びている。このことも、さらに最適化された冷却流体の分配に寄与している。この目的は常に、一箇所の漏れが、タービンブレードの冷却を損なうことを可能な限り小さくすることである。長期間タービンブレードを交換する必要があるままであっても、この配列がタービンの次回に組み入れられた主要保守まで待つことを可能にする大きな利点となる。頻繁に、上昇した温度は、タービンブレードを直ちに受け入れられない破損に導くことはなく、過熱におけるより長い運転の後のみとされる。
描写は、ブレード根を用いてロータに取り付けられたロータブレードの冷却に関して一次的に選択されているが、想定された冷却の概念は、原理的にガイドベーンにも使用され得る。
本発明の一実施形態においては、冷却チャネルが互いに接続されて設けられており、配列が貫流された場合、冷却流体は通常は1つの冷却チャネルから別の冷却チャネル内へと流れる。しかしながら、漏れが生じた場合にのみ、これが提供されることも考えられる。効果的な貫流の目的のために、通常運転の際にこのことを提供することは、実績のある手段である。
本発明の一実施形態においては、冷却チャネルは、タービンブレードの内壁から有孔プレートまたは有孔プレートと同様のデバイスを用いて分離されており、冷却流体は、原則的に後者に直交して、タービンブレードの内壁に到達することが可能である。これは、衝突冷却と称されることを達成する。これは、冷却流体が内壁において乱流となり、再度加熱されて流出するので効率的である。冷却流体が、タービンブレードの内壁を単に流れて通過するだけの場合、壁に直接隣接した比較的弱い流れの薄い層を形成するだろう。それに加えて、1つの領域内で加熱されたばかりの冷却流体は、他の領域を冷却するために使用される。
本発明の一実施形態においては、少なくとも1つの冷却チャネルは、タービンブレードの前縁近傍の領域内のブレード根を起点としている。先行技術から公知の配列の場合のように、冷却流体のための入り口は、構造的な理由から、一般的にブレード根にある。タービンブレードを駆動する混合ガスが、前縁にもいて最も高温であるので、ここでは、タービンブレードへの熱負荷が最も高くなる。したがって、前縁の領域において起点となることは、冷却チャネルに関して好都合である。
本発明のさらなる実施形態においては、ブレード翼先端の方向に延びた、前述の冷却チャネルが開放された冷却チャネルは、ブレード翼先端に平行に延びている。ブレード翼先端に平行に延びた冷却チャネルは、その意味では、斜めチャネルと同じ領域内に開放されている。
本発明のさらなる実施形態においては、後縁の方向に分岐した冷却チャネルは、原則的に前記後縁に直交して延びている。それとは異なり、またはそれに加えて、ブレード翼先端の方向に延びた冷却チャネルは、原則的に前記後縁に平行に延びている。このことは、冷却流体の分配のさらなる最適化にも寄与している。この目的は、一箇所の漏れが可能な限りタービンブレードの冷却を損なうことを、常に小さくしている。
本発明のさらなる実施形態においては、冷却流体出口を通じて、冷却流体が、タービンブレード内の領域からタービンブレードの外側領域へと通ることが可能であり、冷却流体出口は、後縁の領域に形成されている。したがって、後縁の領域における外壁のさらなる冷却を達成することが可能である。流出した冷却流体は、随意的にさらなるタービンステージを駆動するために使用されることが可能である。
本発明のさらなる実施形態においては、少なくとも1つの冷却流体出口は、後縁の領域内のブレード根に形成されている。冷却流体は、通常は前縁の領域内のブレード根にある冷却流体入口からタービンブレードを通じて、後縁の領域内のブレード根に戻るように流れる。既存の冷却流体は、他のタービンブレードの冷却のために再利用されることが可能である。
本発明による冷却チャネルの配列を概略的に示した図である。
本発明は、冷却チャネルの配列を概略的に示した図を参照するとともに、以下により明確に現される。図示されているのは、ガスタービンブレード内の冷却チャネルの配列1である。選択された視点は、明確化の目的のために、原則的に冷却チャネルのみを示しているが、それにもかかわらず、冷却チャネルの経路のより良好な説明を可能にするために、タービンブレードの形状が最初に提示される。
底部はブレード根2であり、これを用いてタービンブレードは、ロータに取り付けられている。前縁3は左側に示されている。前縁3は、タービンブレードを駆動する混合ガスに最初に当たる領域である。ブレード翼先端4は上側に示されている。後縁5は右側に配置されている。タービンブレードは平坦ではなく、湾曲している。その意味で、前縁3および後縁5は直線とし得るが、曲線ともし得る。ブレード根2およびブレード翼先端は、その一方で常に湾曲しており、残りのブレード領域も同様である。曲率は、タービンブレードの空力形状による。
タービンブレードは、前縁から後縁まで広がった前壁(図示略)、および前壁から所定の距離だけ離れて広がって且つ同様に後縁から前縁に至る後壁を備えている。一般的に、前壁と後壁との間の距離は、前縁3および後縁5の領域において非常に小さく、ブレードの中央に向かって増大している。
本願は、冷却チャネルの配列である。第1冷却チャネル6は、ブレード根2を起点として、前縁3に直接沿って延びている。冷却チャネル6の前縁3から離れた向きの側において、冷却チャネル6とは別個のさらなる冷却チャネル7が、ブレード根2から延びている。冷却チャネル6および7は、前縁3に近接し且つブレード根2に近接して位置した領域8において開いている。そこで、冷却チャネル6および7は互いに接続されている。さらに、後縁5に近接し且つブレード翼先端4に近接した領域10につながった斜めチャネル9は、領域8を起点としている。領域8から、冷却チャネル11はブレード根2に平行に延びている。冷却チャネル11は、後縁5に平行に延びた冷却チャネル12内へと開いている。前縁3に近接した領域8から後縁5に近接した領域10へと延びた斜めチャネル9に続いて、2つの冷却チャネル13および14が分岐しており、それらは冷却チャネル11に平行に延びて、冷却チャネル12内へと開いている。
さらに、前縁3に平行に延びた2つの冷却チャネル15および16が、斜めチャネル9から分岐している。これらは冷却チャネル17内へと開いており、このチャネルはブレード翼先端4の近傍においてブレード翼先端4に平行に延び、斜めチャネル9と接続した領域10において開いている。さらに、領域10は、後縁5に沿って延びた冷却チャネル12と接続している。冷却チャネル12は、冷却流体出口18のブレード根2において開いている。さらに、冷却流体出口19a〜19gは、後縁5に形成されている。
冷却チャネル6、7、9、11、12、13、14、15、16、17の配列1は、見られているように、「クリスマスツリーデザイン」と称される。
通常運転における、すなわち漏れのない冷却の際の流れの方向は、矢印によって示されている。多数の冷却チャネルの1つにおける漏れは、通常は冷却を制限するが、全体として冷却を中断しない。
本発明は、好適な例示的実施形態を用いて、より詳細に記載され図示されたが、本発明は開示された例によって制限されるものではなく、他の変形が、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、当業者によってここから導き出されることが可能である。
1 ・・・冷却チャネルの配列
2 ・・・ブレード根
3 ・・・前縁
4 ・・・ブレード翼先端
5 ・・・後縁
6 ・・・第1冷却チャネル
7 ・・・さらなる冷却チャネル
8、10 ・・・領域
9 ・・・斜めチャネル
11、12、13、14、15、16、17 ・・・冷却チャネル
18、19a〜19g ・・・冷却流体出口

Claims (10)

  1. 冷却流体を搬送するための、タービンブレード内の複数の冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)の配列(1)であって、
    前記冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、ブレード根(2)、ブレード翼先端(4)、前縁(3)、および後縁(5)を備えた前記タービンブレードを通じて、1つ以上の冷却流体出口(18、19a〜19g)に至っており、
    前記冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、特定の位置(8、10)において互いに接続されて、他の領域内で互いから別個に延びており、1つの冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)の領域においてタービンブレードが破損した場合、他の冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)を通じた冷却がほとんど損なわれていないままであり、
    少なくとも1つの前記冷却チャネルは、前記前縁(3)近傍且つ前記ブレード根(2)近傍の領域(8)を起点として、前記後縁(5)近傍且つ前記ブレード翼先端(4)近傍の領域(10)へと、前記タービンブレードを通じて斜めチャネル(9)として延びていることを特徴とする配列(1)。
  2. 前記冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は互いに接続されて、前記配列(1)が貫流された場合、冷却流体は、通常は1つの冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)から別の冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)へと流れることを特徴とする請求項1に記載の配列(1)。
  3. 前記冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、有孔プレートまたは有孔プレートのようなデバイスを用いて、前記タービンブレードの内壁から分離されており、前記冷却流体は、原則的に後者に直交して、前記タービンブレードの内壁に到達することが可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の配列(1)。
  4. 少なくとも1つの前記冷却チャネル(6、7、9、11、12、13、14、15、16、17)は、前記前縁(3)近傍の領域内の前記ブレード根(2)を起点としていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の配列(1)。
  5. 前記冷却チャネル(6、7)は、前記前縁(3)近傍の領域内の前記ブレード根(2)を起点とし、且つ前記ブレード根(2)近傍の領域(8)を終点としており、前記冷却チャネルは互いに、および前記斜めチャネル(9)に接続されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の配列(1)。
  6. 他の冷却チャネル(11、13、14、15、16)は、前記斜めチャネル(9)から分岐しており、特に冷却チャネル(11、13、14)は、前記後縁(5)の方向に分岐し、および/または冷却チャネル(15、16)は前記ブレード翼先端(4)の方向に分岐していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の配列(1)。
  7. 前記ブレード翼先端(4)の方向に延びた前記冷却チャネル(15、16)が開放された冷却チャネルは、前記ブレード翼先端(4)に平行に延びていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の配列(1)。
  8. 前記後縁(5)の方向に分岐した前記冷却チャネル(11、13、14)は、原則的に前記後縁(5)に直交しており、および/または前記ブレード翼先端(4)の方向に延びた前記冷却チャネル(15、16)は、原則的に前記後縁(5)に平行に延びていることを特徴とする請求項6または7に記載の配列(1)。
  9. 冷却流体出口(19a〜19g)において、冷却流体が、前記タービンブレード内の領域から前記タービンブレードの外側領域へと通過することが可能であり、前記冷却流体出口(19a〜19g)は、前記後縁(5)の領域に形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の配列(1)。
  10. 少なくとも1つの冷却流体出口(18)は、前記後縁(5)の領域内の前記ブレード根(2)に形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の配列(1)。
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