JP2016531865A - ヒオデオキシコール酸ナトリウム(NaHDC)の多形形態およびその調製方法 - Google Patents

ヒオデオキシコール酸ナトリウム(NaHDC)の多形形態およびその調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明の対象は形態II(FII)と命名されたヒオデオキシコール酸ナトリウム(NaHDC)の新しい無水多形結晶形態およびそれを調製するための方法である。かかる方法により、無水多形形態II(FII)のヒオデオキシコール酸ナトリウムを高い化学的および多形純度で得ることが可能になる。本発明はまた、形態I(FI)および形態III(FIII)と命名されたNaHDCの無水多形結晶形態、4個および8個の水分子で水和されたNaHDCの結晶形態でそれぞれSIおよびSIIと命名されたNaHDCの水和形態、ならびに非晶質形態についても記載する。

Description

本発明の対象は、形態II(FII)と命名されたヒオデオキシコール酸ナトリウム(NaHDC)の新しい無水多形結晶形態およびそれを調製するための方法である。
かかる方法により、無水多形結晶形態II(FII)のヒオデオキシコール酸ナトリウムを高い化学的および多形純度で得ることが可能になる。
本発明はまた、形態I(FI)および形態III(FIII)と命名された無水多形結晶形態、それぞれ4個および8個の水分子で水和されたNaHDCの結晶形態であるSIおよびSIIと命名されたNaHDCの水和形態、ならびに非晶質形態も記載する。
次の化学式(式I)およびCAS RN 10421−49−5を有するヒオデオキシコール酸ナトリウム、すなわち3α,6α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸ナトリウムは、例えばAtheroNova Operations Inc.の米国特許第8304383号に記載されているように、アテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防に特に有用である。
Figure 2016531865
対応する酸、すなわち、一般にヒオデオキシコール酸(HDCA)と命名された、式IIの3α,6α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸は、豊富な割合という点で、ブタ胆汁中に存在する胆汁酸の総量に対しておよそ40質量%もブタ胆汁中に存在する最も重要な胆汁酸である。
Figure 2016531865
現在、HDCAは、様々な工程を含むプロセスでブタ胆汁から抽出される。先ず第一に、通常糖誘導体およびタウロ誘導体の形態で胆汁中に存在する胆汁酸を脱抱合するために必要な胆汁けん化過程、すなわち水溶液中における胆汁の塩基加水分解過程を実施する。
次に、この時点では遊離のカルボン酸の形態で溶液中に存在する胆汁酸の脂肪酸からの分離工程がある。この「脂肪除去」工程は、ケトン、酢酸エステル、炭化水素、炭化水素の混合物、例えば石油エーテル、アルカン、アルケン、芳香族炭化水素の混合物、等のような溶媒を用いて実施される。
その後、HDCAは、水溶液または含水アルコール性溶液による沈殿によってマグネシウム塩またはその他の塩の形態で分離される。これらの塩の分離に適したアルコールは鎖C1−C5を有する、例えばメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール、等のようなアルコールである。
(HDC)2Mgと略記される式IIIのヒオデオキシコール酸のマグネシウム塩は、酸性化後80〜90%の化学的純度を有するHDCAを得ることができるために、上記のような水性または含水アルコール性溶液による様々な再沈殿工程を通してさらに精製しなければならない。
Figure 2016531865
この手順および類似のプロセスは特許文献であるCanada Packers Ltdの米国特許第4186143号、Erregierre Industria Chimica S.p.A.の米国特許第5349074号、Dipharma S.p.A.の米国特許第7982062号、Dae Woong Pharmaの国際公開第2007/069814号および国際公開第2007/078039号に記載されている。
従来技術はHDCAまたはその塩の結晶形態について全く記載していないし、特にヒオデオキシコール酸のナトリウム塩の多形の存在に関する情報は全く公表されていない。例えば、Nonappaらの論文、Crystal Growth & Design, Vol 9, N. 11 (2009) p. 4710−4719は天然の胆汁酸中に見出される幾つかの多形の特性を決定しているが、市場で入手可能なHDCAのサンプルでは多形が発見されなかったことを指摘している。
従って、本発明の目的は、ヒオデオキシコール酸のナトリウム塩の新しい安定な多形形態(多形形態FII)およびNaHDCの前記形態を高い化学的および多形純度で提供することができるその調製方法を得ることである。
多形形態FIIは、NaHDCの他の記載されている形態のいずれとも異なり、25℃および40℃の等温曲線において湿気収着サイクルの非常に高い安定性を有する(図10、11、12および13参照)。多形形態FIIは認められた他の全ての多形形態と異なる非吸湿性挙動を有し(図27、28および58参照)、従って非常に安定であり、保管が容易である。この挙動は、高い吸湿性、従って結果としてその不安定性のために生じる保存の困難性という共通の問題を有する胆汁酸の他のナトリウム塩と完全に異なる。
多形形態FIIは25℃および40℃の等温曲線において湿気に対して極めて高い驚くべき安定性を有する。
実際、25℃での収着においてサンプルは70%RH(相対湿度)まで安定である(70%RHで2%未満の質量増大を示す)。70%RHを超えると湿気を吸収し、90%RHでは約35%の質量変化がある。以下で我々はこの多形形態FIIの湿度安定性試験の結果を示す。
25℃でのDVS(動的蒸気収着)分析から、多形形態FIは多形形態FIIより安定性が低く、多形形態FIIは25℃での収着で70%RHまで安定であるが、多形形態FIは20%RHですでに約2%の質量変化を示す(図27参照)。また、40℃でのDVS分析から、多形形態FIは多形形態FIIより安定性が低く、多形形態FIIは40℃での収着で70%RHまで安定であるが、多形形態FIは30%RHですでに約2%の質量変化を示す(図28参照)。さらに、NaHDC混合物(例えば無水アセトン中で行われる最後の再沈殿の前に得られる異なる多形形態の混合物)は、25℃でのDVS分析から多形形態FIIより安定性が低い(図58参照)。多形形態FIIは約70%RHまで収着において安定であるが、NaHDC混合物は20%RHですでに約3%の質量変化を示す。
本発明の方法により、特にアテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防において、医薬の有効成分としてNaHDCを使用するための確定した粒度(粒度分布)および最適な化学的−物理的特性を有するNaHDCの多形形態FIIを得ることが可能になる。
本発明の方法のさらなる利点はその再現性、そのスケールアップ可能性、ならびに、最終のバイオアベイラビリティーに影響を及ぼす可能性がある全ての作動パラメーターに対して最適な形態(晶癖)、すなわち粉末の嵩密度(見掛け密度)、ぎっしり詰めた後の密度(タップ密度)、圧縮性、溶解速度、流動性および吸湿性を有する粉末として多形形態FIIの有効成分を得る可能性である。
本発明の方法ではヒオデオキシコール酸ナトリウムの多形形態FIIを所望の粒度分布で得ることが可能となるので、その溶解速度の増大を通してそのバイオアベイラビリティーを改善するために通常行われる有効成分の摩砕および微粒子化のような操作を好都合に回避することができる。
このように、明白な省エネルギーのみならず、生成物の化学および/または多形純度に影響を及ぼす可能性がある、例えば、すでに形成された結晶形態中に様々な割合の無定形態を潜在的に創り出す可能性がある微粒子化(公知の無定形態化過程)のような操作を回避することが可能である。
最後に、本方法では、ヒオデオキシコール酸ナトリウムの多形形態FIIを高い収率で得ることが可能となる。
80〜90%の化学的純度を有する式IIの3α,6α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸(HDCA)(ヒオデオキシコール酸−HDCA)から、99.5%〜99.9%の化学的純度を有する多形的に純粋な形態、多形形態FIIのヒオデオキシコール酸のナトリウム塩(NaHDC)に至る過程の全収率は、65.0%〜85.0%(質量/質量)および62.0%〜80.0%(mol/mol)の範囲である。
HDCAは脱イオン/飲料水または含水アルコール溶液中でマグネシウム塩(HDC)2Mgを用いた塩化によって精製される。(HDC)2Mgは沈殿するが不純物の塩は溶解したまま残る。酸官能性は、(HDC)2Mgの水性懸濁液を酸性化することによって復元される。99.5%〜99.9%の純度が達成されるまでこの過程を反復して繰り返す。最初の塩化過程の収率は90%〜95%(w/w、mol/mol)であり、その後の塩化過程での収率は95%〜98%(w/w、mol/mol)である。こうして精製されたHDCAを水酸化ナトリウム水溶液に溶解した後アセトンで沈殿させる。収率は85%〜95%(w/w)および80%〜90%(mol/mol)である。この生成物(NaHDC)を、一旦乾燥させてから、90%〜95%(w/w、mol/mol)の収率で多形形態FIIが得られるまでアセトン中加熱下で懸濁させる。この過程の全収率は65%〜85%(w/w)および62%〜80%(mol/mol)である。
本発明の多形形態対象、すなわち多形形態FIIは、無水であり、室温で熱力学的に最も安定な形態であり、本発明のプロセス条件では他の形態に相互変換しない。さらに、医薬品の処方中に入れられているとき、以下に記載されるヒオデオキシコール酸ナトリウムの他の多形形態への相互変換が観察されないので経時的に安定である。既に指摘したように、他の形態と異なり湿気に対して極めて強固で驚くべき安定性を有しており、他の全ての形態と異なり非吸湿性挙動を有している。これは、胆汁酸のカテゴリーに属するナトリウム塩として尋常ではない。
本発明において、結晶多形または多形という用語は、X線粉末回折(XPRD)、FT−IR/ATR分光法(フーリエ変換赤外−減衰全反射分光法)、FT−RAMAN分光法、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)ならびに25℃および40℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析のような分析法によって特徴付けることができる医薬の有効成分の特定の結晶形態を指すために使用される。
本発明において、多形形態FIIは、区別することなく、次の用語の1つによって名付けることができる:
− 多形形態II、または
− 多形形態II(FII)、または
− 結晶多形形態II、または
− 結晶多形形態II(FII)、または
− 無水結晶多形形態II、または
− 無水結晶多形形態II(FII)、または
− 結晶形態FII、または
− 無水結晶形態FII。
多形形態FIは、区別することなく、次の用語の1つにより名付けることができる:
− 多形形態I、または
− 多形形態I(FI)、または
− 結晶多形形態I、または
− 結晶多形形態I(FI)、または
− 無水結晶多形形態I、または
− 無水結晶多形形態I(FI)、または
− 結晶形態FI、または
− 無水結晶形態FI。
多形形態FIIIは、区別することなく、次の用語の1つにより名付けることができる:
− 多形形態III、または
− 多形形態III(FIII)、または
− 結晶多形形態III、または
− 結晶多形形態III(FIII)、または
− 無水結晶多形形態III、または
− 無水結晶多形形態III(FIII)、または
− 結晶形態FIII、または
− 無水結晶形態FIII。
同様に、一例として使用される水和した多形形態SIに対して、区別することなく、次のタイプの用語を使用することが可能である:
− 水和多形形態SI、または
− 水和結晶多形形態SI。
一例として使用される水和した多形形態SIIに対して、区別することなく、次のタイプの用語を使用することが可能である:
− 水和多形形態SI、または
− 水和結晶多形形態SI。
NaHDCの無水結晶形態II(FII)のX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 無水結晶形態II(FII)の図1のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字で強調表示されたピークは形態FIIの特性ピークである。 NaHDCの無水結晶形態II(FII)の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの25℃でのXRPD無水形態FII、100℃でのXRPD無水形態FII、220℃でのXRPD無水形態FII、280℃でのXRPD無水形態FIIの、25℃での無水形態I(FI)に対する比較を示すグラフである。 図4のNaHDCの25℃での無水形態FII、100℃での無水形態FII、220℃での無水形態FII、280℃での無水形態FIIのXRPDピークのリストの、25℃でのXPRD無水形態FIに対する比較を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIIの熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの多形形態FIIのFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIの図7の特性ピークFT−IR/ATRのcm-1値を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIIのFT−RAMANスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIの25℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIの図10の25℃での等温比を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIIの40℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIの図12の40℃での等温比を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIのX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 無水結晶形態FIの図14のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字のピークは形態I(FII)に特徴的であるとして規定することができる。 NaHDCの無水結晶形態FIの示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIの熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの25℃でのXRPD無水結晶形態FI、100℃でのXRPD無水結晶形態FI、200℃でのXRPD無水結晶形態FIおよび280℃でのXRPD無水結晶形態FIの比較を示すグラフである。 図18のNaHDCの無水形態FIのピークのリスト、25℃でのXRPD無水形態FI、100℃でのXRPD無水形態FI、200℃でのXRPD無水形態FI、280℃でのXRPD無水形態FIの比較を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIのFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIの図20の特性ピークFT−IR/ATRのcm-1値を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIのFT−RAMANスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIの25℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIの図23の25℃での等温比を示す表である。 NaHDCの無水結晶形態FIの40℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIの図25の40℃での等温比を示す表である。 NaHDCの無水形態FIおよび無水形態FIIの25℃での等温曲線の比較を示すグラフである。 NaHDCの無水形態FIおよび無水形態FIIの40℃での等温曲線の比較を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態III(FIII)のX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 無水結晶形態FIIIの図29のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す。太字のピークは形態III(FIII)に特徴的であるとして規定することができる表である。 NaHDCの無水結晶形態FIIIの示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIIの熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIIのFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの無水結晶形態FIIIの図33のFT−IR/ATRの特性ピークのcm-1値を示す表である。 NaHDCの水和した結晶形態SIのX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 水和した結晶形態SIの図35のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字のピークは形態SI(SI)に特徴的であるとして規定することができる。 NaHDCの水和した結晶形態SI(SI)の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの水和した結晶形態SIの熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの水和した結晶形態SIのFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの水和した結晶形態SII(SII)のX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 水和した結晶形態SIIの図40のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字のピークは形態SII(SII)に特徴的であるとして規定することができる。 NaHDCの水和した結晶形態SIIの示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの水和した結晶形態SIIの熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの水和した結晶形態SII(SII)のFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態のX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態の図45のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字のピークは非晶質形態に特徴的であるとして規定することができる。 NaHDCの非晶質形態の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態の熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態のFT−IR/ATRスペクトルを示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態の図49のFT−IR/ATRの特性ピークのcm-1値を示す表である。 NaHDCの非晶質形態の25℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDCの非晶質形態の図51の25℃での等温比を示す表である。 NaHDC混合物のX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 NaHDC混合物の示差走査熱量測定(DSC)プロファイルを示すグラフである。 NaHDC混合物の熱重量測定プロファイル(TGA)を示すグラフである。 NaHDC混合物の25℃での等温曲線を示すグラフである。 NaHDC混合物の図56の25℃での等温比を示す表である。 NaHDC混合物およびNaHDCの無水形態FIIの25℃での等温曲線比較を示すグラフである。 HDCAとして酸形態にあるNaHDCの多形形態FIIのHPLC(クロマトグラム)プロファイルを示すグラフである。 HDCAとしての酸形態のNaHDCの多形形態FIIの純度を分析するためのHPLC法および機器条件を示す表である。 酢酸エチル中で48時間25℃の温度で再沈殿した後NaHDCの多形形態FIおよびNaHDCの多形形態FIIを1:1の割合(w/w)で混合することにより得られたNaHDCの多形形態FIIのX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)を示すグラフである。 NaHDCの多形形態FIIの図61のXPRDピークの2シータ値を対応する相対強度と共に示す表である。太字のピークは形態II(FII)に特徴的であるとして規定することができる。
従って、本発明の対象は多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムである。NaHDC結晶多形形態FII内の水の量は1%未満、好ましくは0.6%未満、さらにより好ましくは0.4%未満であり、ここで前記パーセントは結晶の全質量に対する。
NaHDCの多形形態FIIは、図1に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図3に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図6に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図7に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより、図9に一例として示されているようなFT−RAMANスペクトルにより、図10に一例として示されているような25℃における等温曲線での動的蒸気収着(DVS)分析により、および図12に一例として示されているような40℃における等温曲線での動的蒸気収着(DVS)分析により特徴付けられる。
NaHDCの多形形態FIIは図1に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図2の次の2シータ位置に見られる:6.94;9.84;13.92;20.13;23.30度。ここで各々のピークに対して示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図2は、多形形態FIIの前述のXPRDピークの値を対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの多形形態FIIは図3に示されているDSCプロファイルによって特徴付けられる。かかるグラフで、様々な温度でのX線粉末回折(XPRD)分析により確認される通り(図4、5参照)NaHDCの多形形態FIIの多形形態FIへの固体−固体相転移に基づく吸熱ピークを260℃に見ることが可能であり、ピークの立ち上がりは263.5℃、ピークは268.9℃にあり、エンタルピーは14.11ジュール/gに等しい。従って、多形形態FIIは融解せず、260℃まで安定であり、280℃では以下に記載される結晶形態FIに変換する。図3で観察することができる第2のピークは、310℃でのNaHDCの多形形態FIの融解に基づく吸熱ピークであり、ピークの立ち上がりは311.6℃、ピークは314.2℃、融解のエンタルピーは67.4ジュール/gに等しい。
NaHDCの多形形態FIIは図6に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。TGAプロファイルは、約40℃で浸潤水に帰すことができるおよそ0.4%の初期質量損失を示し、その後は350℃までそれ以上の質量の損失は観察されず、かかる形態がその「無水」形態にあるという事実を実験的に確認している。
NaHDCの多形形態FIIは図7に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられ、その特性ピークは図8において次の周波数で見られる:3254.5;2958.9;2917.3;2874.6;2851.0;1560.7;1474.9;1454.7;1443.6;1394.2;1347.4;1292.9;1261.0;1245.7;1218.6;1161.2;1002.3cm-1。ここで、各々のピークについて示されている値の誤差範囲は±1cm-1である。
NaHDCの多形形態FIIは図9に示されているFT−RAMANスペクトルにより特徴付けられる。
NaHDCの多形形態FIIは、図10に一例として示されているような25℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、そして図11に示されているように%で表わされる対応する値により特徴付けられる。
NaHDCの多形形態FIIは、図12に一例として示されているような40℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、そして図13に示されているように%で表わされる対応する値により特徴付けられる。
多形形態FIIは、NaHDCの全ての他の記載されている形態と異なり、25℃および40℃での等温曲線の湿気収着サイクルにおいて極めて高い安定性を有する(図10、11、12、13参照)。既に上で指摘したように、多形形態FIIは見出された全ての他の多形形態(図27、28、58参照)と異なって非吸湿性挙動を有し、従って非常に安定であり、保管が容易である。この挙動は、高い吸湿性という共通の問題を有し、従って結果として生じるその不安定性に起因する保存の困難性を有する胆汁酸の他のナトリウム塩にとって完全に異常である。
多形形態FIIは25℃および40℃での等温曲線において湿気に対して非常に高い驚くべき安定性を有する。
実際、25℃での収着においてサンプルは70%RHまで安定である(70%RHにおいて、2%未満の質量増加を示す)。70%RHを超えると湿気を吸収し、90%RHにおいては約35%の質量変化がある。25℃での脱着においてサンプルは50%RHまで安定であり、約34%の質量の変化(約8個の水分子に対応する)を維持する。およそ40%RHで変曲を見ることができ、この時点でサンプルはまだ約18%の水(約4個の水分子に対応する)を含有しているようである。0%RHで質量変化はゼロである。40℃での収着においてサンプルは60%RHまで安定である(70%RHでは2%未満の質量増加を示す)。90%RHでは約45%の質量変化がある(おそらくサンプルは潮解性になる)。40℃での脱着において、50〜40%RHで曲線はおそらくサンプルの固化でプラトーを示す。0%RHで質量変化は約6%である。
25℃でのDVS分析から、多形形態FIは多形形態FIIより安定性が低い。すなわち、多形形態FIIは25℃での収着において約70%RHまで安定であるが、多形形態FIはすでに20%RHでおよそ2%の質量の変化を示す(図27参照)。40℃でのDVS分析から、多形形態FIは多形形態FIIより安定性が低い。すなわち、多形形態FIIは40℃での収着において約70%RHまで安定であるが、多形形態FIはすでに30%RHで約2%の質量の変化を示す(図28参照)。さらに、NaHDC混合物(例えば無水アセトン中の最後の再沈殿の前に得られる異なる多形形態の混合物)は、25℃でのDVS分析から多形形態FIIより安定性が低い(図58参照)。多形形態FIIは収着において約70%RHまで安定であるが、NaHDC混合物はすでに20%RHで約3%の質量の変化を示す。
多形形態FIのヒオデオキシコール酸ナトリウムはもう1つ別の無水結晶形態である。この結晶中の水の量は1%未満、好ましくは0.6%未満、さらにより好ましくは0.4%未満であり、ここでパーセントは結晶の全質量に対するものである。
NaHDCの多形の結晶形態FIは、図14に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図16に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図17に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図20に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより、図22に一例として示されているようなFT−RAMANスペクトルにより、図23に一例として示されているような25℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析により、そして図25に一例として示されているような40℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析により特徴付けられる。
さらに、図27および28に一例として示されているような多形形態FIおよび多形形態FIIの25℃および40℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析の比較について記載する。
NaHDCの多形形態FIは図14に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図15で次の2シータ位置:6.17;7.82;9.50;11.77;12.35;17.03;17.78;19.63;21.71;25.53度に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図15は、多形形態FIの前述のXPRDピークの値を、対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの多形形態FIは図16に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフで吸熱ピークは310℃に観察することができ、ピークの立ち上がりは306.5℃、ピークは309.7℃にあり、無水形態FIの融解に基づく融解のエンタルピーは54.84ジュール/gに等しい。さらに、回折分析(XPRD)を様々な温度で行ったところ(図18、19参照)、280℃まで安定であることが立証された。
NaHDCの多形形態FIは図17に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約50℃で浸潤水に帰すことができる約1%の初期質量損失を示し、それ以上の質量の損失は350℃まで観察されず、かかる形態がその「無水」形態にあることが実験的に確認される。これは、様々な温度での回折分析(XPRD)によって確認されている。既に上で示されたように、多形形態FIは図18、19に示されているように280℃まで安定であり、その後図16に示されているように融解する。
NaHDCの多形形態FIは図20に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられ、その特性ピークは図21で次の周波数:3259.0;2932.5;2916.1;2893.2;2867.4;2848.1;1557.5;1454.8;1435.3;1421.5;1405.8;1387.1;1334.2;1311.5;1084.6;1060.3cm-1に見られ、各々のピークについて示されている値の誤差範囲は±1cm-1である。
NaHDCの多形形態FIは図22に示されているFT−RAMANスペクトルにより特徴付けられる。
NaHDCの多形形態FIは、図23に一例として示されているような25℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、そして図24に示されている%で表わされた対応する値により特徴付けられる。
収着において、30%RHで、サンプルは約2%の質量変化を示し、70%RHでは15%である。90%RHでは約35%の質量変化がある。
脱着においてサンプルは50%RHまで安定であり、約34%の質量変化(約8個の水分子に対応する)を維持する。
約40%RHでは変曲を見ることができ、この時点でサンプルはまだ約18%の水(約4個の水分子に対応する)を含有するようである。0%RHで質量変化はゼロである。
NaHDCの多形形態FIは、図25に一例として示されているような40℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、そして図26に示されている%で表わされた対応する値により特徴付けられる。
収着において、30%RHで、サンプルは約2%の質量変化を示し、70%RHでは8%である。90%RHでは約43%の質量変化がある。脱着において50〜40%RHで曲線はプラトーを示し、サンプルは約17%の質量の変化を示す。0%RHで質量変化はゼロである。
さらに、図27および28に示されているNaHDCの多形形態FIおよび多形形態FIIの25℃および40℃での等温曲線において比較した。
本発明で特性が決定されたNaHDCのさらなる多形形態は、さらなる多形形態FIII、それぞれ4個および8個の水分子で水和されたNaHDCの形態であるSIおよびSIIと命名されたNaHDCの水和した多形形態、ならびに非晶質形態である。
多形形態FIIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムはもう1つ別の無水結晶形態である。この結晶中の水の量は1%未満、好ましくは0.6%未満、さらにより好ましくは0.4%未満であり、ここでパーセントは結晶の全質量に対するものである。
NaHDCの多形形態FIIIは、図29に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図31に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図32に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図33に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられる。
NaHDCの多形形態FIIIは図29に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図30で次の2シータ位置:5.54;10.20;11.24;12.63;14.63;14.96;15.78;16.91;18.13;18.62;19.16;22.22;24.24度に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図30は、多形形態FIIIの前述のXPRDピークの値を、対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの多形形態FIIIは図31に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフにおいて290℃に吸熱ピークを見ることが可能であり、ピークの立ち上がりは292.2℃、ピークは302.5℃、そして無水形態FIIIの融解に基づく融解のエンタルピーは50.15ジュール/gに等しい。
NaHDCの多形形態FIIIは図32に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約50℃で浸潤水に帰すことができる約1%の初期質量損失を示し、その後それ以上の質量損失は350℃まで観察されず、かかる形態がその「無水」形態にあるということが実験的に確認される。
NaHDCの多形形態FIIIは図33に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられ、その特性ピークは図34で次の周波数:2929.5;2863.5;1556.8;1408.0;1373.6;1038.2;1027.8;997.7;852.1;917.4cm-1に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±1cm-1である。

水和した多形形態SIのヒオデオキシコール酸ナトリウムは約4個の水分子で水和された水和形態である。
NaHDCの水和した多形形態SIは、図35に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図37に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図38に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図39に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられる。
NaHDCの水和した多形形態SIは図35に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図36で次の2シータ位置:4.92;12.34;14.89;15.70;16.46;17.72;21.01;25.78;29.93度に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図36は、水和した多形形態SIの前述のXPRDピークの値を、対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの水和した多形形態SIは図37に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフにおいて、約50〜70℃に水の損失を伴う吸熱事象(複合ピーク54.9℃および78.6℃)、および約310℃にピークの立ち上がりが310.4℃、ピークが316.2℃であり、そして水和形態SIが相互変換する無水形態FIの融解に基づく融解のエンタルピーが68.23ジュール/gに等しい吸熱ピークを見ることが可能である。
NaHDCの水和した多形形態SIは図38に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約70℃で、かかる形態の水の損失に帰すことができる約19%の初期質量損失を示す。
NaHDCの水和した多形形態SIは図39に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられる。
水和した多形形態SIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムは約8個の水分子で水和された水和形態である。
NaHDCの水和した多形形態SIIは、図40に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図42に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図43に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図44に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられる。
NaHDCの水和した多形形態SIIは図40に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図41で次の2シータ位置:4.88;8.81;12.82;15.30;15.47;16.24;17.45;19.12;19.52;20.05;20.83;21.68;22.32;22.95;25.30;26.64;27.33;27.64;28.07;29.75度に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図41は、水和した多形形態SIIの前述のXPRDピークの値を、対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの水和した多形形態SIIは図42に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフにおいて、吸熱事象を約50℃に(複合ピークの立ち上がり38.8℃、ピーク50.2℃、エンタルピー550.8ジュール/g、水の損失を伴う)、また吸熱ピークを約310℃に(ピークの立ち上がりは307.8℃、ピークは312.3℃、水和形態SIIが相互変換する無水形態FIの融解に基づく融解のエンタルピーは46.67ジュール/gに等しい)見ることが可能である。
NaHDCの水和した多形形態SIIは図43に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約100℃で、かかる形態の水の損失に帰すことができる約25%の初期質量損失を示す。
NaHDCの水和した多形形態SIIは図44に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられる。
非晶質形態のヒオデオキシコール酸ナトリウム。
NaHDCの非晶質形態は、図45に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図47に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図48に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図49に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより、図51に一例として示されているような25℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析により特徴付けられる。
NaHDCの非晶質形態は図45に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられ、その特性ピークは図46で次の2シータ位置:5.54;15.58度に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±0.20度2シータである。
図46は、非晶質形態の前述のXPRDピークの値を、対応する相対強度と共に示す。
NaHDCの非晶質形態は図47に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフにおいて、約50℃に吸熱事象(水の損失を伴う複合ピーク56.0℃)を見ることが可能である。さらに、200℃を超えるとおそらく無定形態の再結晶化に伴う2つの発熱ピーク(複合ピーク203.9℃および244.7℃)ならびに約300℃に融解に基づく吸熱事象(ピークの立ち上がり287.2℃、ピーク296.3℃)がある。
NaHDCの非晶質形態は図48に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約80℃に水の損失に帰すことができる約8%の初期質量損失を示す。
NaHDCの非晶質形態は図49に示されているFT−IR/ATRスペクトルにより特徴付けられ、その特性ピークは図50の次の周波数:3316.7;2928.4;2863.6;1557.3;1446.2;1404.4;1374.4;1334.4;1316.9;1038.4;1029.3;998.7.1;952.8;912.2cm-1に見られ、各々のピークについて示された値の誤差範囲は±1cm-1である。
NaHDCの非晶質形態は、図51に一例として示されているような25℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、および図52に示されている%で表わされた対応する値により特徴付けられる。
収着において、30%RHで、サンプルは約6%の質量変化を示し、70%RHで22%である。90%RHでは約35%の質量変化がある。脱着においてサンプルは50%RHまで安定であり、約34%の質量変化(約8個の水分子に対応する)を維持する。約40%RHで変曲を見ることが可能であり、この時点でサンプルはまだ約17%の水(約4個の水分子に対応する)を含有するようである。0%RHでサンプルは開始質量より少ない質量を示す。
例えばアセトン中加熱下で行われる最後の再沈殿段階の前に得られるヒオデオキシコール酸ナトリウムは、記載されている異なる形態の複雑な混合物である。NaHDC結晶混合物中の水の量は5%未満、好ましくは3%未満、さらにより好ましくは2%未満であり、ここで前記パーセントは結晶の全質量に対するものである。
NaHDCのかかる混合物は、図53に一例として示されているようなX線粉末ディフラクトグラム(XPRD)プロファイルにより、および/または図54に一例として示されているような示差走査熱量測定(DSC)プロファイルにより、および/または図55に一例として示されているような熱重量測定プロファイル(TGA)により、および/または図56に一例として示されているような25℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析により特徴付けられる。さらに、図58に一例として示されているように、異なる形態の混合物および無水結晶形態FIIの25℃での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析の比較について記載する。
NaHDCの形態のかかる混合物は図53に示されているXPRDプロファイルにより特徴付けられる。NaHDCの形態の混合物は図54に示されているDSCプロファイルにより特徴付けられる。かかるグラフにおいて、約50℃に水の損失を伴う吸熱事象(複合ピーク47.5℃)、200℃を超えておそらく無定形態の再結晶化に伴う2つの発熱事象、および310℃より高い温度で融解に基づく二重のピーク(複合ピークの立ち上がり312.3℃、ピーク314.3℃、ピーク319.3℃)により特徴付けられる吸熱事象を見ることが可能である。
NaHDCの形態の混合物は図55に示されているTGAプロファイルにより特徴付けられる。このTGAプロファイルは約70℃で水に帰すことができる約8%の初期質量損失を示す。
NaHDCの形態の混合物は、図56に一例として示されているような25℃±0.1での等温曲線におけるDVSグラフにより、および図57に示されている%で表わされた対応する値により特徴付けられる。サンプルは収着において20%RHで約3%、70%RHで15%の質量変化を示す。90%RHでは約35%の質量変化がある。脱着においてサンプルは50%RHまで安定であり、約34%の質量増加を有し(約8個の水分子に対応する)、約40%RHを過ぎて変曲を見ることが可能であり、サンプルは約18%の水を含有するようである(約4個の水分子に対応する)。
さらに、図58に示されているように、NaHDCの形態の混合物と多形形態FIIとの25℃での等温曲線において比較を行った。比較の目的で、図58は、説明されているように、99.5%の化学的純度を有する、異なる形態の複雑で再現不可能な混合物である未精製NaHDCのDVSプロファイルを示す。この混合物は工業的に、加熱下における反応塊の、例えばアセトン中での還流しながらの最後の再沈殿の前に得られる。
かかる未精製のNaHDCは無水および水和の多形形態ならびに潜在的に測定不可能な割合の非晶質部分の混合物である。多形形態、水和物および非晶質の混合物は、医薬の商業化の前に行われる臨床試験で使用される一義的な製品を得るようには処方することができない。従って、本発明は、医薬製剤に適した高い化学的および多形純度を有するNaHDCの新しい安定な無水多形形態、すなわち多形形態FIIを提供するという利点を有する。
実験の欄に一例として示されているように、多形形態FIIは、その経時的安定性および温度に対する安定性(260℃まで安定)のおかげもあって、有効成分として処方するのに好ましい形態であり、新しい医薬化合物の安定性試験を25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで行うための指針ICH Q1A(4版、2003年2月6日)に従って行われた試験により立証されるように、(既に記載したように)室温で最も熱力学的に安定であり湿気に対して最も安定で25℃および40℃の両方で湿気に対して驚くべき予見できない安定性を有する形態である。
さらに、以下に記載されるNaHDCの新しい多形形態FIIの合成方法により、かかる有効成分を医薬製剤として最適な粒度で得ることが可能になり、従って摩砕、微粒子化または篩い分けのような粒度を調節するための加工処理の必要性を回避することが可能になる。このような加工処理は、これらの操作に関与する大量のエネルギーのために多形形態FIIの多形純度および化学的純度を落とす可能性がある。
本発明のNaHDCの多形形態FIIの合成方法は、ケトン系溶媒、エステルのカテゴリーに属する溶媒、アルコール、ニトリルのカテゴリーに属する溶媒またはそれらの混合物から選択される有機溶媒による最後の再沈殿工程を含む。
好ましくは、ケトン系溶媒は炭素鎖C3−C6を有し、エステルのカテゴリーに属する溶媒は鎖C2−C5を有し、アルコール系溶媒は鎖C1−C5を有し、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒は鎖C2−C3を有する。
より好ましくは、ケトン系溶媒はアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)、メチル−エチル−ケトン(MEK)もしくはそれらの混合物から選択され、エステルのカテゴリーに属する溶媒は酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピルもしくはそれらの混合物から選択され、アルコール系溶媒はメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノールもしくはそれらの混合物から選択され、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒はアセトニトリル、プロピオニトリルもしくはそれらの混合物から選択される。
好ましい有機溶媒はケトンであり、さらにより好ましいのは加熱下のアセトンである。
NaHDCの無水結晶形態IIの再沈殿を行うのに好ましい温度は55〜120℃の範囲に含まれる。一般に、各溶媒の還流温度に近い温度を使用するのが好ましい。
アセトンを使用するとき、好ましい温度は55〜60℃に含まれ、さらにより好ましくは55〜56℃に含まれる。
再沈殿は6〜10時間、より好ましくは6〜8時間の時間行われる。
ケトン系溶媒が好ましく、これらの中でアセトンが好ましい溶媒である。
特に、NaHDCと溶媒(好ましくはケトン系、さらにより好ましくは無水アセトン)との好ましい比は1対8(NaHDCの質量対溶媒の体積)、さらにより好ましくは1対6(NaHDCの質量対溶媒の体積)である。
好ましい実施形態において、本発明の方法は次の工程を含む:
a)ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の塩の調製およびそれに続くその酸性化によって行われて精製されたHDCAを得る、式IIのHDCAの少なくとも一回の精製工程;
b)精製されたHDCAの、8.5〜9.5に含まれるpHまでのNaOHを用いた処理による、NaHDCの調製工程;
c)ケトン系溶媒、エステルのカテゴリーに属する溶媒、アルコール、ニトリルのカテゴリーに属する溶媒またはそれらの混合物から選択される有機溶媒による再沈殿によってNaHDCの多形形態FIIを得る工程。
好ましくは、上記工程c)において、ケトン系溶媒は鎖C3−C6を有し、エステルのカテゴリーに属する溶媒は鎖C2−C5を有し、アルコール系溶媒は鎖C1−C5を有し、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒は鎖C2−C3を有する。
より好ましくは、上記工程c)において、ケトン系溶媒はアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)、メチル−エチル−ケトン(MEK)もしくはそれらの混合物から選択され、エステルのカテゴリーに属する溶媒は酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピルもしくはそれらの混合物から選択され、アルコール系溶媒はメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノールもしくはそれらの混合物から選択され、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒はアセトニトリル、プロピオニトリルもしくはそれらの混合物から選択される。
上述した本発明の方法のより好ましい実施形態において、工程c)は55〜120℃の温度で、6〜10時間の時間行われる。
工程a)で使用されるヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の好ましい塩は式IIIのヒオデオキシコール酸のマグネシウム塩((HDC)2Mg)である。
工程a)で行われる精製は塩基を用いたHDCAの塩化によって行われ、ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の塩、好ましくは式IIIの((HDC)2Mg)を得、その酸性化により精製されたHDCAを得る。
好ましくは、段階a)の出発HDCAは80〜90%の化学的純度を有し、従来技術の方法に従って得ることができる。
好ましくは、工程a)の終了時に得られるHDCAは99.5%〜99.9%の最終化学的純度を有する。
工程a)は二回繰り返すのが好ましい。
この最後の場合、80〜90%の化学的純度のHDCAから出発して、最初の精製の後98.5%〜99.0%の化学的純度のHDCAが得られ、第2の精製の後99.5%〜99.9%の化学的純度が得られる。
工程b)では、好ましくは、99.5%〜99.9%の化学的純度を有するNaHDCが得られる。
工程c)では、好ましくは99.5%〜99.9%の化学的純度を有するNaHDCの多形形態FIIが得られる。
工程a)において本発明で使用される塩基は好ましくは例えばNaOH、KOH、NH3のような無機塩基、または例えば第一級、第二級もしくは第三級アミン、例えばイソプロピルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン等のような有機塩基である。
本発明の方法の好ましい実施形態において、工程a)の出発HDCAは、脱イオンもしくは飲料水自体、または例えばメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール等のような鎖C1−C5を有するアルコール、好ましくはエタノールとの混合物に加えられる。
水とアルコールの混合物は、そのうちの好ましいものは水とエタノールであるが、7〜2(体積/体積)で変化することができる比を有する。
これらの水とアルコールの混合物で、そのうちの好ましいものは水とエタノールであるが、溶媒(水およびアルコール)の全体積に対するHDCAの質量の比は1:9〜1:25で変化する。水とアルコールの前記混合物は室温(20〜25℃)で使用するのが好ましい。
その後、塩基を加えるが、これは上述したように無機または有機の塩基であることができる。
工程a)において塩基は化学量論量で、好ましくはHDCAの各当量に対して1〜1.3当量、さらにより好ましくは出発HDCAの各当量に対して1.0〜1.1当量の量で加えられる。おそらくは水自体または上述したようなアルコールとの混合物に加えられる、HDCAおよび選択された塩基を用いて得られる懸濁液は、好ましくは30〜60分の時間、好ましくは60〜90℃の温度で、好ましくは6.5〜8.5、さらにより好ましくは7.5のpHを有する「溶液A」と名付けられる澄んだ溶液が得られるまで撹拌下に放置される。
もう1つ別の反応器で、化学量論量のアルカリ土類金属、好ましくはマグネシウムの塩を、好ましくは出発HDCAの各当量に対して1〜1.3当量、さらにより好ましくは1〜1.1当量の量で、室温において、アルカリ土類金属の塩の乾燥質量に対して10〜15体積の脱イオンまたは飲料水の量の水に加える。こうして、「溶液B」と名付けられる澄んだ溶液が得られる。
水に加えられるアルカリ土類金属、好ましくはマグネシウムの塩は、例えば、例えば硫酸マグネシウム七水和物、塩化マグネシウム、等のような硫酸塩または塩酸塩であることができる。
溶液Aへの溶液Bの添加は好ましくは60〜90℃の温度で、好ましくは20〜50分の時間行われ、これによりヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属、好ましくはマグネシウムの塩の水性または含水アルコール性懸濁液を得ることが可能になる。
この懸濁液の最終pHは5〜7に含まれるのが好ましい。
この懸濁液をさらに30〜60分の時間60〜90℃の温度に保った後、2〜4時間で室温に冷却し、ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属、好ましくはマグネシウムの塩を、例えばろ過により、白色の固体として回収する。
その後ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の塩、好ましくは式IIIのマグネシウム塩を、1対5〜1対10の比(水の体積に対するHDCAの質量)で、水中に懸濁させ、続いて撹拌下で、好ましくは60〜80℃まで軽く加熱し、さらに1〜2のpHになるまで鉱酸を添加することにより、1〜2時間の時間で室温に冷却した後、精製されたHDCAを、例えばろ過により白色の固体として得ることが可能になる。
特に好ましい鉱酸は塩酸、硫酸またはリン酸等であり、使用される鉱酸の好ましい量は式IIIのマグネシウム塩の各当量に対して1〜1.5当量、さらにより好ましくは1〜1.3当量に含まれる。
精製されたHDCAを好ましくはろ過により回収し、フィルター上の残渣を水で中性のpHになるまで洗浄して残留する酸性度を除く。
この最初の精製の後、80〜90%の化学的純度を有する出発HDCAの場合、98.5%〜99.0%の化学的純度を有するHDCAが得られる。
好ましくはその好ましい形態において、最初の精製の後得られた98.5%〜99.0%の化学的純度のHDCAに対して行われる工程a)の反復により、99.5%〜99.9%の化学的純度を有する最終のHDCAを工程a)で得ることが可能になる。
次の工程、すなわち工程b)は、精製されたHDCAの塩基による処理を介するNaHDCの調製を意図している。好ましくは、工程a)に由来する精製されたHDCAは99.5%〜99.9%の化学的純度を有する。
本発明の方法の好ましい実施形態において、工程a)に由来する精製されたHDCAは、撹拌下、室温(20〜25℃)で、水が1対4〜1対8の比で存在する(水の体積に対するHDCAの質量)水、好ましくは脱イオン水に加えられる。
脱イオン水のこの工程における使用により、活性医薬成分(API)の分類のために必要とされる仕様に準拠したNaHDCを得ることが可能になる。
工程b)で、塩基NaOHは化学量論量、好ましくはHDCAの各当量に対して1〜1.1当量の量で加えられる。
得られた懸濁液は、8.5〜9.5の最終pHを有する澄んだ溶液が得られるまで、撹拌下、好ましくは30〜60分の時間、40〜70℃の温度に放置される。
存在する水の真空蒸留は、極めて粘稠な油性の残渣が得られるまで、周囲圧力に対して−1/−0.9バールで行われる。
次に、油性の残渣に有機溶媒を、3〜6時間の時間、1対6〜1対8の比(溶媒の体積に対するHDCAの質量)、好ましくは1対6の比(溶媒の体積に対するHDCAの質量)で、好ましくは45〜50℃の温度で加え、こうしてやや曇った溶液を得る。
好ましくは、段階b)のこの部分で使用される溶媒は、例えば、好ましくは例えばアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)、メチル−エチル−ケトン(MEK)、等のような鎖C3−C6を有するケトン系溶媒、好ましくは例えば酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピル等のような鎖C2−C5を有するエステルのカテゴリーに属する溶媒、好ましくは例えばメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノール等のような鎖C1−C5を有するアルコール、例えばアセトニトリル、プロピオニトリル等のような鎖C2−C3を有するニトリルのような有機溶媒である。
NaHDCの沈殿が起こる好ましい温度は55〜120℃の範囲に含まれる。
好ましい溶媒は無水アセトンであり、この場合好ましい温度は55〜60℃に含まれ、さらにより好ましくは55〜56℃に含まれる。
少し加熱した後、溶液を3〜6時間の時間で室温に冷却する。
その後8〜10時間の時間NaHDCの沈殿が観察される。これは、使用される好ましくはケトン系の溶媒がこの化合物に対して非溶媒であるからである。
NaHDC生成物をろ過により回収し、フィルター上の残渣をアセトン/水の80:20(v/v)、好ましくはアセトン/水の90:10(v/v)溶液、より好ましくは無水アセトンで洗浄し、その後乾燥に供する。
こうして得られるNaHDCは上記の6つの多形形態、すなわち多形形態FI、FII、FIII、SI、SIIおよび非晶質形態の混合物であり、今後「NaHDC混合物」と略記される。
乾燥後のNaHDC混合物中に存在する水の量は5%未満、好ましくは3%未満、さらにより好ましくは2%未満であり、前記パーセントはNaHDC混合物結晶の全質量に対するものである。
好ましくは、工程b)の終了時に得られるNaHDC混合物は99.5%〜99.9%の化学的純度を有する。
図54は、使用されたケトン系溶媒が無水アセトンである場合に沈殿により得られ、乾燥されたNaHDC混合物生成物のさらなる最終の再沈殿を行っていないNaHDC混合物のDSCプロファイルを示す。
NaHDCの多形形態FIIは、工程b)で得られたNaHDC混合物の有機溶媒、好ましくはケトン系による処理を介して工程c)で得られる。
NaHDCの多形形態FIIを再沈殿するのに使用され、すなわち非溶媒として作用する有機溶媒の例は、例えば、好ましくは鎖C3−C6を有する、例えばアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)およびメチル−エチル−ケトン(MEK)のようなケトン系溶媒、好ましくは鎖C2−C5を有する、例えば酢酸エチル、ギ酸エチルおよび酢酸プロピルのようなエステル系溶媒、好ましくは鎖C1−C5を有する、例えばメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノールおよび2−ペンタノールのようなアルコール系溶媒、および/または、好ましくは鎖C2−C3を有する、例えばアセトニトリルおよびプロピオニトリルのようなニトリルのカテゴリーに属する溶媒から選択される有機溶媒である。
NaHDCの無水結晶形態IIの再沈殿が行われる好ましい温度は55〜120℃の範囲に含まれる。
アセトンを使用するとき、好ましい温度は55〜60℃に含まれ、さらにより好ましくは55〜56℃に含まれる。
再沈殿は6〜10時間、より好ましくは6〜8時間の時間起こる。
ケトン系溶媒が好ましく、これらのうちでアセトンが好ましい溶媒である。
特に、NaHDCと溶媒、好ましくはケトン系、さらにより好ましくは無水アセトンとの好ましい比は1〜8(NaHDCの質量対溶媒の体積)、さらにより好ましくは1〜6である(NaHDCの質量対溶媒の体積)。
懸濁液が得られ、これを溶媒の還流温度にゆっくり加熱する。
溶媒がアセトンである場合は55〜60℃、好ましくは55〜56℃の温度まで加熱される。
次に、懸濁液を3〜6時間の時間で25℃に冷却する。
生成物をろ過により回収し、フィルター上の残渣をアセトン/水(80:20(v/v))、好ましくはアセトン/水(90:10(v/v))の溶液、より好ましくは無水アセトンで洗浄する。
こうして得られるNaHDCは、好ましくは99.5%〜99.9%の化学的純度を有するNaHDCの無水多形形態FIIである。
NaHDCの形態FII結晶中の水の量は1%未満、好ましくは0.6%未満、さらにより好ましくは0.4%未満であり、前記パーセントは結晶の全質量に対するものである。
好ましくは、本発明のNaHDCの多形形態FIIは非晶質のNaHDCを含有しない。
さらに、本発明のNaHDCの多形形態FIIは上に記載したNaHDCの他の多形形態をいずれも含有しない。
無水のNaHDCの多形形態FIIは純粋な多形であり、ここで「純粋」という用語は無水のNaHDCの多形形態FIIが好ましくは1%未満、さらにより好ましくは0.7%未満、さらにより好ましくは0.5%未満の不純物含有率を有することを意味し、これらのパーセントは結晶の全質量に対するものである。
好ましくは、NaHDCの多形FII中の各単一の不純物の量は0.5%未満、より好ましくは0.3%未満、さらにより好ましくは0.1%未満であり、ここでパーセントは結晶の全質量に対するものである。
NaHDCの多形FII中の不純物は、表1に記載されているように決定され、表1に示されているケノデオキシコール酸(3α,7α−ジヒドロキシ−5β−コラン−24−酸、CDCAと略記される)およびヒオコール酸(3α,6α,7α−トリヒドロキシ−5β−コラン−24−酸、HCAと略記される)のような既知の不純物、ならびに結晶の全質量に対して0.01%未満のパーセント量または検出可能性の限界の知られていない不純物(未知)であることが立証された。
化学的純度プロファイルは図59に記載されている。
本発明の方法で得られたNaHDCの多形形態FIIの純度を、図60に記載されている分析法を用いてHPLC/RI(高性能液体クロマトグラフィー/屈折率検出器)によって評価して、次の表1に示されている結果を得た:
Figure 2016531865
上に記載したその他の多形形態は以下に概説する方法に従って得られた。
多形形態FIは、凍結乾燥器5PascalモデルLIO100Pを用いて凍結乾燥過程によって得られた。
特に、工程a)およびb)に記載したプロセスに従って得られたNaHDC混合物を30〜40℃の温度で脱イオン水に溶解し、澄んだ溶液を得る。これは25℃の温度で24時間後そのままである。次に、溶液を−20℃の一定の温度で72時間にわたって凍結乾燥し、凍結乾燥の終了時に5×10-2ミリバールの圧力をかける。この凍結乾燥過程によってNaHDCの結晶形態FIが非常に微細な白色の結晶性固体として得られる。かかるNaHDCの結晶形態Iは上記の分析法によって特性を決定した。
多形形態FIIIを得るために、上で工程a)およびb)に記載したプロセスに従って得られたNaHDC混合物を50℃の温度で脱イオン水に溶解した。得られた澄んだ溶液をゆっくり室温に冷却する。白色の沈殿が得られ、これをろ過し、ストーブで230℃において15時間乾燥する。かかる沈殿は上に記載した分析法によってNaHDCの結晶形態IIIとして特性が決定された。
水和多形形態SIを得るために、上で工程a)およびb)に記載したプロセスに従って得られたNaHDC混合物を50℃の温度で脱イオン水に溶解した。得られた澄んだ溶液をゆっくり室温に冷却する。白色の沈殿が得られ、これをろ過し、24時間空気中に放置して乾燥する。かかる沈殿は、上に記載した分析法によってNaHDCの結晶形態SIとして特性が決定された。
水和多形形態SIIは、上で工程a)およびb)に記載したプロセスに従って得られたNaHDC混合物を25℃の一定の温度で90%の相対湿度(RH)に2日間放置することによって得られた。
かかるNaHDCの水和多形形態SIIは、上に記載した分析法によって特性が決定された。
NaHDCの非晶質形態は、上で工程a)およびb)に記載したプロセスに従って得られたNaHDC混合物を室温で脱イオン水に溶解することによって得られた。
噴霧乾燥機のBuchiミニスプレードライヤーB−290を用いた溶液の噴霧化および乾燥によって粉末が得られた。
水和多形形態SIおよびSIIは310℃を超える温度に加熱することにより多形形態FIに相互変換することも観察された。
また、例6に示されているように、多形形態FIと多形形態FIIの混合物(1:1質量/質量)は、酢酸エチル中における再沈殿により48時間後室温(20〜25℃)で、完全に多形形態FIIに変換することも観察された。従って前記形態は上で示された分析により既に指摘されたように室温から260℃まで最も熱力学的に安定なものである。
このように、本発明の方法によって、化学的かつ多形的に純粋なNaHDCの新規な多形形態FIIを好都合に得ることが可能になる。
本方法の利点は、確定した粒度(粒度分布)を有し、かつ活性な医薬成分として、特にアテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防においてNaHDCを使用するのに最適な化学的−物理的特性を有するNaHDCの多形形態FIIを得ることである。
従って、既に上で指摘したように、均質化のために、または対象の多形形態を変化させる可能性がある粒度を定めるために、いかなる処理も必要ない。
本発明の方法で得られるNaHDC粉末多形形態FIIは25μm〜425μm、好ましくは25μm〜250μm、さらにより好ましくは75μm〜250μmの粒度分布を有する。
特に、本発明の方法で得られるNaHDC粉末多形形態FIIの60〜80質量%は75μm〜425μmの粒度分布を有し、15〜20質量%は250μm未満の粒度分布を有し、95質量%は25μm超の粒度分布を有する。
従って、本発明の対象は、NaHDCの多形FIIを含む、好ましくは経口、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、鼻内、局所(例えば経皮もしくは経粘膜)または直腸投与用の医薬組成物である。
特に、例えば粉末、細粒、顆粒、カプセル、丸薬、ボーラス、錠剤、カプレット、カシェ剤、液体製剤、好ましくは溶液、シロップ、懸濁液、乳剤の形態のような経口投与用の医薬形態が好ましい。
本発明の組成物はNaHDCの多形FIIを1またはそれ以上の医薬として許容される賦形剤と共に含むことができる。
NaHDCの多形FIIはアテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防に使用するのに適している。
従って、本発明のさらなる対象は、NaHDCの多形形態FIIを含むことを特徴とする、アテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防に使用するための医薬製剤である。
材料および方法
記載されている多形形態の熱的性質は示差走査熱量測定(DSC)によって得た。DSCプロファイルは熱流機器DSC 200 F3 Maia(登録商標)(Netzsch)を用いて得た。DSC 200 F3 Maia(登録商標)機器は、温度およびエンタルピーに関して、インジウム標準(融点:156.6℃;ΔHf=28.45Jg-1)を用いて較正した。サンプルは次の条件に従って分析した:
− 温度範囲:25〜350℃;
− 加熱速度:10℃/分;
− サンプルホルダー:有孔アルミニウムるつぼ;
− ガス:無水窒素、流量60mL/分。
記載されている多形形態の溶媒および/または水(H2O)による質量の損失は、熱天秤TGA/DSC 1 Stare System Mettler Toledoを用いて熱重量分析(TGA)によって決定した。各サンプルについて、質量変化%を温度の関数として測定した。TGA/DSC 1 Stare System Mettler Toledoは温度に関してインジウムおよびアルミニウムを用いて較正した。
サンプルは次の条件に従ってTGA/DSCで分析した:
− 温度範囲:25〜450℃;
− 加熱速度:10℃/分;
− サンプルホルダー:有孔アルミニウムるつぼ;
− ガス:無水窒素、流量100mL/分。
X線粉末回折プロファイル(XPRD)を決定するために、検出器X’Celeratorならびに電流強度40mAおよび電圧40kVのX線管(PW3373/00 Cu LFF DK312503)を備えた回折計Panalytical X’Pert Proを使用した。この機器はケイ素粉末標準PANalytical640を用いて較正した。サンプルはガラスサンプルキャリヤーに載せ、次のパラメーターを用いて分析した:
− スキャン範囲(°):3.0010−39.9997
− データ取得範囲(°):0.0167
− スキャンモード:連続
− 計数時間(s):12,700
− ソーラスリット(rad):0.04
− 発散スリット:1/4
− 散乱防止スリット:1/2。
IRスペクトルはNicolet FT−IR 6700 ThermoFischer分光計を用いて得た。スペクトルはATRモードでZnSe結晶上で次の測定パラメーターを用いて取得した:
− サンプル当たりのスキャン数:16
− 分解能:4.000
− バックグラウンド当たりのスキャン数:16
− 測定範囲:649.9−4000.2
− データ取得範囲:0.482124
− 検出器:DTGS KBr
− DetectorBeamsplitter:KBr
Ramanスペクトルは液体窒素で冷却されたGe−ダイオード検出器を備えたFT−Raman Bruker MultiRam分光計で記録した。励起源は後方散乱構成(180°)のレーザーNd3+−YAG(1064nm)である。集光レーザービームの直径は約100μmであり、スペクトルの分解能は4cm-1である。スペクトルは約60mWのレーザー出力で記録した。
サンプルの安定性を検査するために、DVS Intrinsic SMS機器を用いてDVS(動的蒸気収着)測定を行った。一定の温度におけるチャンバー内の湿度の変化に伴うサンプルの質量変化を決定した。各サンプルを1g〜4gの範囲で秤量し(質量変化は±150mgに等しく、質量分解能は±0.1μgに等しい)、機器に入れ、25℃±0.1および40℃±0.1において10%RHずつ増加させて0%RH〜90%RHの相対湿度範囲(精度は±1%RHに等しい)で分析した。さらに、サンプルを10%RHずつ0−90−0%RHにする。これらの段階の持続時間は質量の安定化の関数であり、質量変化が10分間0.002dm(%)/dt(分)未満のままであれば次の段階に進む。しかし、各々の段階の安定化が6時間より長く続くことはできず、その場合機器は次の段階に移される。最後の段階は0%RHで4時間のサンプルの安定化を意図している。
一例として、本発明を限定することはないが、以下に本発明に関わる幾つかの例を掲げる。
(例1)アセトン中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、900mlのアセトン(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して6体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。還流温度56℃に加熱し、撹拌下に4時間放置する。
3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を56℃から25℃にする。
ブフナーでろ過し、得られた白色の固体を150mlのアセトン/水(80/20v/v)の混合物(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。得られた湿潤質量は195.6gに等しく、オーブン内で50℃で15時間乾燥する(この場合、NaHDC混合物を得る場合と同様に、乾燥中固体は軟化しない)。
得られた乾燥質量は141.0gに等しく、これは94.0%w/w(モルでは93.9%)に等しい収率%(w/w)に相当する。
この固体は0.59%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIとして特徴付けられた。
(例2)メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、900mlのメチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して6体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。還流温度110℃に加熱し、撹拌下に4時間放置する。
3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を110℃から25℃にする。
ブフナーでろ過し、得られた白色の固体を150mlのMIBK(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は188.2gに等しく、オーブン内で50℃で15時間乾燥する(この場合固体は、NaHDC混合物を得る場合と同様に乾燥中軟化しない)。
得られた乾燥質量は140.3gに等しく、これは93.5%w/w(モルでは93.4%)に等しい収率%w/wに相当する。
得られた固体は多形形態FIIであり、0.5%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIとして特徴付けられた。
(例3)イソプロピルアルコール(2−プロパノール)中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、900mlのイソプロピルアルコール(2−プロパノール−IPA)(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して6体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。還流温度80℃に加熱し、撹拌下に4時間放置する。
3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を80℃から25℃にする。
ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を150mlのIPA/H2O混合物(80/20v/v)(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。洗液中に含有される水はろ過された固体を溶解する傾向がある(この場合固体は、NaHDC混合物を得る場合と同様に乾燥中軟化しない)。
得られた湿潤質量は128.0gに等しく、これをオーブン内で50℃で15時間乾燥する。
得られた乾燥質量は94.1gに等しく、これは62.7%w/w(モルでは62.7%)に等しい収率%w/wに相当する。
得られた固体は多形形態FIIであり、0.27%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は、本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIとして特徴付けられた。
(例4)酢酸エチル(EtOAc)中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、900mlの酢酸エチル(EtOAc)(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して6体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。還流温度74℃に加熱し、撹拌下に4時間放置する。
3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を74℃から25℃にする。
ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を150mlのEtOAc(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は218.4gに等しく、これをオーブン内で50℃で15時間乾燥する(この場合固体は、NaHDC混合物を得る場合と同様に乾燥中軟化しない)。
得られた乾燥質量は145.7gに等しく、これは97.1%w/w(モルでは97.0%)に等しい収率%w/wに相当する。
得られた固体は多形形態FIIであり、0.24%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIとして特徴付けられた。
(例5)アセトニトリル(ACN)中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、900mlのアセトニトリル(ACN)(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して6体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。還流温度80℃に加熱し、撹拌下に4時間放置する。
3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を80℃から25℃にする。
ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を150mlのACN(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は226.2gに等しく、これをオーブン内で50℃で15時間乾燥する(この場合固体は、NaHDC混合物を得る場合と同様に乾燥中軟化しない)。
得られた乾燥質量は146.2gに等しく、これは97.5%w/w(モルでは97.5%)に等しい収率%w/wに相当する。
得られた固体は多形形態FIIであり、0.47%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIとして特徴付けられた。
(例6)多形形態FIと多形形態FIIの1:1(質量/質量)混合物の室温(20〜25℃)における48時間酢酸エチル(EtOAc)中での再沈殿によるNaHDCの多形形態FIIの調製
2リットルのジャケット付反応器に、1000mlの酢酸エチル(EtOAc)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を200rpmに設定した後、25gの多形形態FIと25gの多形形態FIIをゆっくり加える。これを48時間25℃の温度で撹拌下に放置する。
ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を50mlのEtOAc(装填された全乾燥固体NaHDCの多形形態FIおよびNaHDCの多形形態FIIに対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は75.1gに等しく、これをオーブン内で50℃で15時間乾燥する(この場合固体は、NaHDC混合物を得る場合と同様に乾燥中軟化しない)。
得られた乾燥質量は48.5gに等しく、これは97.0%w/w(モルでは96.7%)に等しい収率%w/wに相当する。
この固体は0.26%w/wに等しい水含有率を有する。
分析された粉末は無水形態FIIのXPRDパターンを示す(図61、62参照)。
従って、このように多形形態FIが多形形態FII、すなわち室温で最も熱力学的に安定な形態に相互変換することが立証された。
(例7)無水アセトン中での再沈殿によるNaHDC混合物の調製(3時間の還流および3時間の冷却)
2リットルのジャケット付反応器に、300mlの脱イオン水(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して2体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を180rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。これを60℃の温度に加熱し、固体が完全に溶解するまで撹拌下に放置する。こうして得られた黄色がかった粘稠な溶液を、反応器内に最後は135mlに等しい水含有率および285gの全質量を有する極めて粘稠な油性の残渣が得られるまで真空蒸留する。
蒸留温度は60℃を超えない。蒸留が完了したら、温度を45〜50℃に下げ、900mlのアセトン(装填された乾燥固体NaHDCに対して6体積)を3時間の間滴下する。これを56℃に等しい還流温度に加熱し、3時間の間撹拌下に放置する。3時間の冷却ランプを用いて塊の温度を56℃から25℃にする。ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を150mlのアセトン/水の80/20(v/v)混合物(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は232.6gに等しく、これをオーブン内で真空下25℃の温度で15時間乾燥し、これを4時間30℃に、その後15時間50℃に上昇する。
得られた乾燥質量は135.7gに等しく、これは90.5%w/w(モルでは90.3%)に等しい収率%w/wに相当する。固体は2.17%w/wに等しい水含有率を有する。この固体は図53−54−55−56−57−58−59−60に示されているように異なる多形形態の混合物である。
(例8)無水アセトン中での再沈殿によるNaHDC混合物の調製(30分の還流および6時間の冷却)
2リットルのジャケット付反応器に、300mlの脱イオン水(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して2体積)を装填し、メカニカルスターラーを作動させて速度を180rpmに設定した後、150g(0.362mol)のNaHDC混合物をゆっくり加える。これを60℃の温度に加熱し、固体が完全に溶解するまで撹拌下に放置する。こうして得られた黄色がかった粘稠な溶液を、反応器内で最後には135mlに等しい水含有率および285gの全質量を有する極めて粘稠な油性の残渣が得られるまで真空蒸留する。
蒸留温度は60℃を超えない。
蒸留が完了したら、温度を45℃〜50℃に下げ、900mlのアセトン(装填された乾燥固体NaHDCに対して6体積)を3時間の間滴下する。これを56℃に等しい還流温度に加熱し、30分の間撹拌下に放置する。
6時間の冷却ランプを用いて塊の温度を56℃から25℃にする。
ブフナー上でろ過し、得られた白色の固体を150mlのアセトン/水の80/20(v/v)混合物(乾燥固体装填NaHDC混合物に対して1体積)で洗浄する。
得られた湿潤質量は191.3gに等しく、これをオーブン内で真空下25℃の温度で15時間乾燥し、30℃に4時間、次いで50℃に15時間上昇する。
得られた乾燥質量は136.1gに等しく、これは90.7%w/w(モルでは90.6%)に等しい収率%w/wに相当する。2.13%w/wに等しい水含有率を有する固体は、図53−54−55−56−57−58−59−60に示されているように異なる多形形態の混合物である。
(例9)多形形態FIIと多形形態FIとの25℃±0.1での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析の比較例
サンプルの安定性を確かめるために、DVS Intrinsic SMS機器を用いてDVS(動的蒸気収着)測定を実施した。一定の温度におけるチャンバー内の湿度の変化に伴うサンプルの質量変化を決定した。各サンプルを機器内に設置し、25℃±0.1において10%RHずつ増加しながら0%〜90%RHの範囲の湿度範囲で分析した(RH精度は±1%RHに等しい)。サンプルは0%RHに4時間安定化する。単一の段階の持続時間は質量の安定化の関数であり、質量変化が10分間0.002dm(%)/dt(分)未満のままであれば、次の段階に進む。安定化は6時間を超えて続くことはできず、その場合は次の段階に移る。最後の段階は0%RHで4時間のサンプルの安定化を意図している。
4gのNaHDC多形形態FIIを正確に秤量し(質量変化は±150mgに等しく、質量分解能は±0.1μgに等しい)、25℃±0.1の一定の温度でチャンバー内に配置した後、相対湿度(RH)%の変化と共に質量変化を記録する。図10〜27のグラフおよび図11に%で表わされている値から見ることができるように、サンプルは70%RHまで驚くべきほどに安定である。実際、25℃±0.1での収着において、多形形態FIIは70%RHまで安定である(70%RHで2%未満の質量増加を示す)。70%RHを超えると湿気を吸収し、90%RHでは約35%の質量変化がある。
25℃での収着における多形形態FIとは異なり、すでに30%RHでサンプルは約2%の質量変化を示し、70%RHでは15%である。90%RHでは約35%の質量変化がある。
25℃±0.1での脱着において、多形形態FIIは50%RHまで安定であり、約34%の質量変化を維持する(約8個の水分子に相当する)。約40%RHで変曲を見ることが可能であり、この時点でサンプルはまだ約18%の水を含有するようである(約4個の水分子に相当する)。0%RHで質量変化はゼロである。
25℃±0.1での脱着において、多形形態FIは50%RHまで安定であり、約34%の質量変化を維持する(約8個の水分子に相当する)。約40%RHで変曲を見ることが可能であり、この時点でサンプルはまだ約18%の水を含有するようである(約4個の水分子に相当する)。
0%RHで質量変化はゼロである。
25℃±0.1でのDVS分析から、多形形態FIは多形形態FIIより安定性が低く、多形形態FIIは25℃での収着において約70%RHまで安定であるのに対して、多形形態FIはすでに20%RHで約2%の質量の変化を示し、一方70%RHでは約15%の水という非常に高い増大を有する(図23、24、27参照)。
(例10)多形形態FIIと多形形態FIとの40℃±0.1での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析の比較例
サンプルの安定性を検査するために、DVS Intrinsic SMS機器を用いてDVS(動的蒸気収着)測定を行った。一定の温度においてチャンバー内の湿度の変化に伴うサンプルの質量変化を決定した。各サンプルを機器内に設置し、40℃±0.1において10%RHずつ増加しながら0%〜90%RHの湿度範囲で分析する(RHの精度は±1%RHに等しい)。サンプルは0%RHで4時間安定化する。単一の段階の持続時間は質量の安定化の関数であり、質量変化が10分間0.002dm(%)/dt(分)未満のままであれば、次の段階に進む。安定化は6時間を超えて続くことはできず、その場合は次の段階に移る。最後の段階は0%RHで4時間のサンプルの安定化を意図している。
4gのNaHDC多形形態FIIを正確に秤量し(質量変化は±150mgに等しく、質量分解能は±0.1μgに等しい)、40℃±0.1の一定の温度でチャンバー内に配置し、その後質量変化を相対湿度(RH)%の変化と共に記録する。図12、28のグラフおよび図13に%で表わされている値から見ることができるように、サンプルは70%RHまで驚くべきほどに安定である。40℃±0.1での収着において、サンプルは60%RHまで安定である(70%RHでは2%未満の質量増加を示す)。90%RHでは約45%の質量変化がある(おそらくサンプルは潮解性になる)。40℃±0.1での収着の場合とは異なり、多形形態FIはすでに30%RHで、サンプルは約2%の質量変化を示し、70%RHでは8%である。
90%RHでは約43%の質量変化がある。
40℃±0.1での脱着において、多形形態FIIは50〜40%RHで曲線がおそらくはサンプルの固化におけるプラトーを示す。0%RHにおいて質量変化は約6%である。40℃での脱着において多形形態FIは50〜40%RHで曲線がプラトーを示し、サンプルは約17%の質量の変化を示す。
0%RHで質量変化はゼロである。
40℃±0.1でのDVS分析から、形態FIは形態FIIより安定性が低く、形態FIIは収着において約70%RHまで安定であるのに対して、形態FIはすでに30%RHで約2%の質量の変化を示す。
(例11)多形形態FIIとNaHDC混合物との25℃±0.1での等温曲線における動的蒸気収着(DVS)分析の比較例
サンプルの安定性を検査するために、DVS Intrinsic SMS機器を用いてDVS(動的蒸気収着)測定を行った。一定の温度においてチャンバー内の湿度の変化に伴うサンプルの質量変化を決定した。各サンプルを機器内に設置し、25℃±0.1において10%RHずつ増加しながら0%RH〜90%RHの湿度範囲で分析した(精度は±1%RHに等しい)。サンプルは0%RHで4時間安定化する。単一の段階の持続時間は質量の安定化の関数であり、質量変化が10分間0.002dm(%)/dt(分)未満のままであれば、次の段階に進む。安定化は6時間を超えて続くことはできず、その場合は次の段階に移る。最後の段階は0%RHで4時間のサンプルの安定化を意図している。
4g/mgのNaHDC多形形態FIIを正確に秤量し(質量変化は±150mgに等しく、質量分解能は±0.1μgに等しい)、40℃±0.1の一定の温度でチャンバー内に配置し、25℃±0.1の一定の温度でチャンバー内に配置し、その後質量変化を相対湿度(RH)%の変化と共に記録する。図10、58のグラフおよび図11に%で表わされている値から見ることができるように、サンプルは70%RHまで驚くほど安定である。
実際、25℃±0.1での収着において、多形形態FIIは70%RHまで安定である(70%RHで2%未満の質量増加を示す)。70%RHを超えると湿気を吸収し、90%RHでは約35%の質量変化である。25℃±0.1での収着におけるNaHDC混合物とは異なり、すでに20%RHで、サンプルは約3%の質量変化を示し、70%RHでは15%である。90%RHでは約35%の質量変化がある。
25℃±0.1での脱着において、多形形態FIIは50%RHまで安定であり、約34%の質量変化を維持する(約8個の水分子に相当する)。約40%RHに変曲を見ることが可能であり、この時点でサンプルはまだ約18%の水を含有するようである(約4個の水分子に相当する)。0%RHで質量変化はゼロである。
脱着においてNaHDC混合物は50%RHまで安定で約34%の質量増加を有し(約8個の水分子に相当する)、約40%RHを過ぎると変曲を見ることが可能であり、サンプルは約18%の水を含有するようである(約4個の水分子に相当する)。
25℃±0.1でのDVS分析から、NaHDC混合物は多形形態FIIより安定性が低く、多形形態FIIは25℃±0.1での収着において約70%RHまで安定であるのに対して、NaHDC混合物はすでに20%RHで約3%の質量の変化を示し、一方70%RHでは約15%水という非常に高い増大を有する(図56、57、58参照)。
(例12)多形形態FIを得る
形態FIは、凍結乾燥過程によって得られた。
5PascalモデルLIO100P凍結乾燥器を用いた。
5gのNaHDC混合物を30〜40℃の温度で95mlの脱イオンH2Oに溶解して澄んだ溶液を得たが、これは25℃の温度で24時間後そのままであった。
溶液を−20℃の一定の温度で72時間の間凍結乾燥し、凍結乾燥終了時に5.10〜2ミリバールの圧力をかけた。極めて微細な結晶性の白色固体が得られ、これは本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIとして特徴付けられた。
(例13)多形形態FIIIを得る
多形形態FIIIは、1.5gのNaHDC混合物を50℃の温度で3.5mlの脱イオンH2Oに溶解することによって得られた。得られた澄んだ溶液を25℃の温度までゆっくり冷却した。白色の沈殿が得られ、これをろ過し、オーブン内で230℃で15時間乾燥した。
前記沈殿は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって多形形態FIIIとして特徴付けられた。
(例14)水和多形形態SIを得る
水和多形形態SIは、1.5gのNaHDC混合物を50℃の温度で3.5mlの脱イオンH2Oに溶解することによって得られた。澄んだ溶液を25℃の室温までゆっくり冷却した。白色の沈殿が得られ、これをろ過し、24時間空気中に放置して乾燥した。
前記沈殿は本特許出願の明細書および図に記載されている方法によって水和多形形態SIとして特徴付けられた。
(例15)水和多形形態SIIを得る
水和多形形態SIIは、1gのNaHDC混合物を25℃の室温、90%の相対湿度(RH)で2日間等温に放置することによって得られた。
(例16)NaHDCの非晶質形態を得る
非晶質形態は、2gのNaHDC混合物を室温で500mlの脱イオンH2Oに溶解することによって得られた。噴霧乾燥機のBuchiミニスプレードライヤーB−290を用いて溶液を噴霧化および乾燥することによって粉末を得た。入口温度140℃、出口温度60℃、空気流473L/hおよびポンプ速度9ml/分を使用した。

Claims (24)

  1. 次のピーク(2シータ):6.94;9.84;13.92;20.13;23.30±0.20度を有する粉末X線回折スペクトルを有することを特徴とする多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウム。
  2. ピークの立ち上がりが263.5℃、ピークが268.9℃で、エンタルピーが14.11ジュール/gに等しい吸熱ピークを260℃に示すDSCプロファイルを有する、請求項1に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウム(NaHDC)。
  3. 350℃まで質量の有意な損失が観察されない熱重量測定プロファイルを特徴とする、請求項1に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウム。
  4. 図8で次の周波数に次の特性ピーク:3254.5;2958.9;2917.3;2874.6;2851.0;1560.7;1474.9;1454.7;1443.6、1394.2;1347.4;1292.9;1261.0;1245.7;1218.6;1161.2;1002.3cm-1を示すFT−IR/ATRスペクトルを有し、各々のピークに対して示された値の誤差範囲が±1cm-1である、請求項1に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウム。
  5. NaHDC結晶の結晶形態FII中の水の量が1%未満、好ましくは0.6%未満、さらにより好ましくは0.4%未満であり、前記パーセントは結晶の全質量を指す、請求項1に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウム。
  6. ヒオデオキシコール酸ナトリウムを、ケトン系溶媒、エステルのカテゴリーに属する溶媒、アルコール、ニトリルのカテゴリーに属する溶媒またはそれらの混合物から選択される有機溶媒により再沈殿に供することを含む、請求項1から5までのいずれか1項に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムの製造方法。
  7. ケトン系溶媒が鎖C3−C6を有し、エステルのカテゴリーに属する溶媒が鎖C2−C5を有し、アルコール系溶媒が鎖C1−C5を有し、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒が鎖C2−C3を有する、請求項6に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムの製造方法。
  8. ケトン系溶媒がアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)、メチル−エチル−ケトン(MEK)もしくはそれらの混合物から選択され、エステルのカテゴリーに属する溶媒が酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピルもしくはそれらの混合物から選択され、アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノールもしくはそれらの混合物から選択され、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリルもしくはそれらの混合物から選択される、請求項6または7に記載の多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムの製造方法。
  9. 再沈殿が55〜120℃に含まれる温度で行われる、請求項6から8までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 再沈殿が6〜10時間、好ましくは6〜8時間に含まれる時間行われる、請求項6から9までのいずれか1項に記載の方法。
  11. 以下の工程:
    a)ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の塩の調製およびそれに続くその酸性化によって行われて精製されたヒオデオキシコール酸を得る、式IIのヒオデオキシコール酸の少なくとも一回の精製工程;
    b)精製されたヒオデオキシコール酸の、8.5〜9.5に含まれるpHまでのNaOHを用いた処理による、ヒオデオキシコール酸ナトリウムの調製工程;
    c)ケトン系溶媒、エステルのカテゴリーに属する溶媒、アルコール、ニトリルのカテゴリーに属する溶媒またはそれらの混合物から選択される有機溶媒による再沈殿によってヒオデオキシコール酸ナトリウムの多形形態FIIを得る工程
    を含む、請求項6から10までのいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程c)において、ケトン系溶媒が鎖C3−C6を有し、エステルのカテゴリーに属する溶媒が鎖C2−C5を有し、アルコール系溶媒が鎖C1−C5を有し、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒が鎖C2−C3を有する、請求項11に記載の方法。
  13. 工程c)において、ケトン系溶媒がアセトン、メチル−イソ−ブチルケトン(MIBK)、メチル−エチル−ケトン(MEK)もしくはそれらの混合物から選択され、エステルのカテゴリーに属する溶媒が酢酸エチル、ギ酸エチル、酢酸プロピルもしくはそれらの混合物から選択され、アルコール系溶媒がメタノール、エタノール、1−プロピルアルコール(1−プロパノール)、イソプロピルアルコール(2−プロパノール)、1−ブタノール、2−ブタノール、2−ペンタノールもしくはそれらの混合物から選択され、および/またはニトリルのカテゴリーに属する溶媒がアセトニトリル、プロピオニトリルもしくはそれらの混合物から選択される、請求項11または12に記載の方法。
  14. 工程c)が55〜120℃に含まれる温度で実施され、および/または前記工程c)が6〜10時間、好ましくは6〜8時間に含まれる時間行われる、請求項11から13までのいずれか1項に記載の方法。
  15. ヒオデオキシコール酸のアルカリ土類金属の塩が式IIIのヒオデオキシコール酸のマグネシウム塩である、請求項11から14までのいずれか1項に記載の方法。
    Figure 2016531865
  16. 工程a)を二回繰り返す、請求項11から15までのいずれか1項に記載の方法。
  17. 工程a)の終了時に得られる式IIのヒオデオキシコール酸が99.5%〜99.9%に含まれる化学的純度を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 工程b)の終了時に得られるヒオデオキシコール酸ナトリウムが99.5%〜99.9%に含まれる化学的純度を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 工程c)の終了時に得られるヒオデオキシコール酸ナトリウムの多形形態FIIが99.5%〜99.9%に含まれる化学的純度を有する、請求項18に記載の方法。
  20. 請求項1から5までのいずれか1項に記載の結晶多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムを含む医薬組成物。
  21. 25μm〜425μm、好ましくは25μm〜250μm、さらにより好ましくは75μm〜250μmに含まれる粒度分布を有する多形形態FIIのヒオデオキシコール酸ナトリウムを含む、請求項20に記載の組成物。
  22. 経口、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、鼻内、局所(例えば経皮もしくは経粘膜)または直腸投与用である、請求項20または21に記載の組成物。
  23. アテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防に使用するための、請求項1から5までのいずれか1項に記載のヒオデオキシコール酸ナトリウムの多形II(FII)。
  24. アテローム性動脈硬化性疾患の治療および/または予防に使用するための、請求項20から22までのいずれか1項に記載の医薬組成物。
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