JP2016531589A - 単離されたストレプトマイセス属の細菌 - Google Patents

単離されたストレプトマイセス属の細菌 Download PDF

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Abstract

本発明は、配列番号1の配列に100%相同である細菌の16SリボゾームRNAをコードするDNA配列、いわゆる16S rDNAを含む、単離された細菌であって、以下からなる群より選択される細菌に関する: − CNCMに対して寄託され、番号1−4467の下、登録された細菌、及びCNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された前記細菌の変異体。【選択図】なし

Description

本発明は、ストレプトマイセス(Streptomyces)属から単離された新規細菌、少なくとも1つのそのような細菌を含む組成物、及び少なくとも1つのそのような細菌を培養することにより得ることができる無細胞組成物に関する。
今日、世界的な食糧需要を満たすために、集約的な農業植物耕作地の開発が必要とされている。これらの集約的な耕作地は、農業での関心のある植物の栄養を最適化するため、それらの成長を促進するため、及び望ましくない植物の成長及び/又は病原性因子の増殖を最小化するために、薬剤の使用を必要とする。特に、植物の栄養を最適化することを目的とした薬剤、並びに病原性生物に対する、特に植物病原性細菌及び/又は植物の最適な成長に影響を与える可能性のある真菌に対する植物保護剤が用いられている。
化学肥料は、しばしば固体の形態を呈し、土壌中でほとんど溶けず、これらの肥料製品が植物の最適な成長のために必要とされる的確な時期に大量に与えられる必要がある。土壌に施され、植物に摂取されないこれらの固体肥料製品の余剰は、一時的に土壌中に留まり、雨水や灌漑水によって徐々に溶解され、河川や地下水面の汚染を導く。
したがって、完全に植物の成長を促進すると共に、環境、特に地下水面を汚染することなく、土壌肥沃化の効率を改善するための解決法が求められている。
よって、本発明は、この課題に対する解決策を提供することを目的としている。
また、多くの植物病原性因子が、植物耕作地において増殖して、その損害のために、作物生産の生産率と品質が低下する可能性がある。これらの植物病原性因子の中には、例えば、ジャガイモの栽培に損害を与える可能性があるストレプトマイセス・スカビエス(Streptomyces scabies)などの、非常に多くの細菌が見られる。また、例えば、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、特に灰色腐敗の原因となる灰色かび病菌(Botrytis cinerae)、又はフィチウム・ウルチムム(Pythium ultimum)、さらに又はブドウの病気の原因となるファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)、ファエモニエラ・アエロフィルム(Phaeomoniella aleophilum)、エウティパ・ラタ(Eutypa lata)、若しくはフォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)などの多くの植物病原性真菌も見られる。
本発明はまた、植物病原性の特定の生物−細菌及び/又は真菌−に対する植物の保護のための解決策をもたらすことも目的としている。
これを行うために、本発明は、配列番号1の配列に100%相同である細菌の16SリボゾームRNAをコードするDNA配列、いわゆる16S rDNAを含む単離された細菌に関し、前記単離された細菌は、以下の群:
− CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された細菌、及び
− CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された前記細菌の変異体
より選択される。
配列番号1の配列を以下に記載する:
Figure 2016531589
上記の配列番号1の配列において、配列番号1の配列の第1036位と第1049位における記号「n」は、IUPAC(「国際純正・応用化学連合」)に従い、a、t、c又はgの4つのヌクレオチドのうちの任意の1つを示す。したがって、第1036位のヌクレオチドnは、ヌクレオチド「a」、ヌクレオチド「t」、ヌクレオチド「g」、及びヌクレオチド「c」からなる群より選択され、第1049位のヌクレオチドnは、第1036位のヌクレオチドとは独立にヌクレオチド「a」、ヌクレオチド「t」、ヌクレオチド「g」、及びヌクレオチド「c」からなる群より選択される。
したがって、本発明は、配列番号1で同定される16S rDNAの配列を含む単離された細菌であって、以下の群:
− CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された細菌、及び
− CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された前記細菌の変異体
より選択される単離された細菌に関する。
本発明に係る細菌は、ストレプトマイセス属のものである。
本発明の第1の変形形態に係る細菌の株は、ブダペスト条約に基づく国際寄託機関の地位を有するパスツール研究所(その住所は75724パリ市ドクタールー通り25セデックス番号15である)CNCM(Collection Nationale de Cultures de Microorganismes)に対して、2011年4月7日付けで申請者により寄託され、番号I−4467の下、登録された。本発明に係る細菌は、したがって、CNCMに寄託され、番号I−4467の下、登録された。
本発明の第1の変形形態に係る細菌は、任意の自然環境から単離される、すなわち、任意の原産自然環境からの単離により得られる細菌である。細菌は、それが存在していた原産自然環境から単離された。
第2の変形形態では、本発明は、番号I−4467の下でCNCMに対して寄託された本発明の第1の変形形態に係る細菌の変異体細菌、すなわち、本発明の第1の変形形態に係る細菌の変異により得られる細菌に関する。本発明に係る変異体細菌はまた、配列番号1の配列と相同である16S rDNA配列も含む。
突然変異誘発の任意の方法、特に、ランダムな突然変異誘発法及び部位特異的突然変異誘発法からなる群より選択される方法によって、本発明の第1の変形形態に係る細菌を処理することにより、このような変異体細菌が得られる。
本発明の第1の変形形態に係る細菌を、物理的変異原−特に、例えば、本発明に係る細菌を紫外線又は電離放射線に曝露する−及び化学的変異誘発物質からなる群より選択される少なくとも1つの変異誘発剤にゆだねる、ランダム突然変異誘発による処理が行われる。
変異体細菌は、番号I−4467の下でCNCMに対して寄託された本発明の第1の変形形態に係る細菌と比べてDNA配列に相違を有する。これらのDNA配列の相違は、本発明に係る細菌の16S rDNA配列とは別のDNA配列に影響を与え得る。
有利には、本発明によれば、単離された細菌は、配列番号4に相同なRNAポリメラーゼのβサブユニット(polB)をコードするDNA配列を有する。したがって、単離された細菌は、RNAポリメラーゼのβサブユニット(polB)をコードする配列として、配列番号4の配列を有する。
有利には、本発明によれば、単離された細菌は配列番号5に相同なジャイレース(gyrB)をコードするDNA配列を有する。したがって、単離された細菌は、ジャイレース(gyrB)をコードする配列として、配列番号5の配列を有する。有利には、本発明によれば、単離された細菌は配列番号6に相同なリコンビナーゼ(RecA)をコードするDNA配列を有する。したがって、単離された細菌は、リコンビナーゼ(RecA)をコードする配列として、配列番号6の配列を有する。
有利には、本発明によれば、単離された細菌は、配列番号7に相同なトリプトファンシンターゼのβサブユニット(trpB)をコードするDNA配列を有する。したがって、単離された細菌は、トリプトファンシンターゼ(trpB)をコードする配列として、配列番号7の配列を有する。
有利には、本発明によれば、単離された細菌は、配列番号8に相同なATPシンターゼのβサブユニット(AtpB)をコードするDNA配列を有する。したがって、単離された細菌は、ATPシンターゼのβサブユニット(AtpB)をコードする配列として、配列番号8の配列を有する。
有利には、本発明によれば、単離された細菌は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8の配列の少なくとも1つを有する。有利には、本発明によれば、単離された細菌は、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7及び配列番号8の配列をそれぞれ有する。
有利には、本発明に係る細菌は、ミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)、枯草菌(Bacillus subtilis)、灰色かび病菌、フザリウム・クルモルム、フィチウム・ウルチムム、ファエモニエラ・クラミドスポラ、ファエモニエラ・アエロフィルム、エウティパ・ラタ、フォミチポリア・メジテラネア及びボトリオスフェリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)からなる群より選択される、標的微生物と呼ばれる少なくとも1つの微生物の増殖を遅らせる能力をもつ。
本発明に係る細菌は、以下の特徴の全て又は一部により特徴付けられる:
− ヒトに対して非病原性(無害)である;
− グラム陽性細菌である;
− 腐生菌、つまり、土壌の有機物を分解する能力をもつ菌である。
本発明は、本発明の第1の変形形態に係る細菌から技術的方法によって作製され、配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含む任意の細菌に及ぶ。「技術的方法」とは、あらゆる細菌の培養方法、細菌の選択方法、単離方法、クローン化方法、及び/又は細菌の遺伝物質の改変方法−特に突然変異誘発−を意味する。
本発明はまた、本発明に係る少なくとも1つの細菌を含む細菌株にも及ぶ。
本発明に係る細菌株は、以下の特徴の全て又は一部により特徴付けられる:
− ISP−2培地又はベネット固形培地で培養された場合、固形培地の組成に応じて黄−褐色から灰−褐色に変化する色の、固形培地の奥で増殖した分枝した菌糸体、いわゆる基中菌糸を有する;
− ISP−2培地又はベネット固形培地で培養された場合、白色の空気/固体界面で増殖する空中菌糸を有する;
− 12℃から37℃、好ましくは28℃から30℃の至適増殖温度を有する;
− 6から8を含む至適増殖pHを有する;
− 炭素源として、D−グルコース、マンニトール、ラクトース、スクロース、マルトース及びデキストリンを利用する能力をもつ;
− 唯一の炭素源として、優先的にガラクトース、イノシトール、ソルボース、フルクトース、アラビノース、ラフィノース、ラムノース、セルロースを使用する能力をもたない;
− 窒素源として、アミノ酸、硝酸塩及びアンモニウム塩を使用する能力をもつ;
− 硝酸塩を亜硝酸塩に還元する能力をもち、アデニン、tween20及び酢酸ナトリウムを分解できる;
− デンプンを加水分解する能力をもたず、その加水分解産物を利用できない。
本発明はまた、本発明に係る少なくとも1つの細菌を含む組成物も対象としている。したがって、本発明は、配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含む、少なくとも1つの細菌を含む組成物を対象とする。本発明に係る組成物は、本発明に係る細菌とは異なる細菌を含むことも、含まないこともできる。本発明に係る組成物は、番号I−4467の下、CNCMに寄託されたもののような株の少なくとも1つの細菌、及び/又は配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含む、CNCMに寄託されたこの株の少なくとも1つの変異体細菌を含む。
本発明に係る組成物は、本発明に係る細菌を含むことができ、本発明に係る前記細菌は生菌(つまり、適応した栄養培地において成長し、増殖する能力をもつ)であっても、又は死菌(つまり、不活性で成長及び増殖できない菌)であってもよい。このような死菌は、当業者に既知の任意の微生物不活化処置、特に、本発明に係る細菌のタンパク質の変性の熱処理(例えば、90℃の温度で15分間の本発明に係る細胞の加熱)によって得られる。
有利には、本発明に係る組成物は、配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含むヌクレオチドを含む。
有利には、本発明に係る組成物は、生菌と死菌を同時に含むことができる。
有利には、本発明によれば、組成物は、それが含む細菌の保持及び増殖に適した少なくとも1つの培地を含む。
本発明に係る組成物は、本発明に係る細菌を液体培地中に含む液体組成物であり得る。有利には、液体培地は水性培地である。
本発明の第1の変形形態に係る液体組成物は、以下の特徴の全て又は一部により特徴付けられる:
− 液体組成物は栄養増殖期の細菌、つまり、活性な代謝を呈している、及び/又は細胞分裂により増殖している細菌を含む。生菌は、したがって、栄養増殖期又は定常期にある。
− 前記液体培地は水性培養培地、特に、本発明に係る細菌の増殖に必要な全ての無機成分と有機前駆体、特に、炭素源、窒素源、リン源、ビタミン及び痕跡元素を含む完全培地及び富栄養培地からなる群より選択される水性培養培地である。
− 前記液体培地は、D−グルコース、酵母抽出物、リン酸二カリウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、及びグリセリンを含む。
上述の変形形態と組み合わされ得る、本発明の第2の変形形態に係る液体組成物は、以下の特徴の全て又は一部により特徴付けられる:
− 液体組成物は、胞子の形態にある本発明に係る細菌を含む。本発明に係る細菌−例えば、番号I−4467の下、CNCMに対して寄託された本発明の第1の変形形態に係る細菌、又は本発明の第2の変形形態に係る細菌、番号I−4467の下、CNCMに寄託され、登録された前記細菌の変異体−が、空気/固体界面で増殖して一次菌糸体を形成し、空中増殖を開始するとき、胞子の形成が観察される。分岐していない空中のフィラメント又は「菌糸」は、そのとき、一次菌糸体から発生し、その端部に胞子前駆体の区画化構造を有する。これは、したがって、胞子の形態にある生菌である;
− 配列番号1の配列に100%相同であるDNA配列を含む前記胞子;
− 胞子は滑らかで、「S」型の螺旋状につながれており、これらの滑らかな胞子鎖は平均10から50個の胞子を有する;
− 前記液体培地はストレス誘発因子として、D−グルコース、酵母抽出物、ペプトン、炭酸カルシウム(CaCO)を含む。
細菌のストレスを生じることができる培養培地、特に、炭素及び/又は窒素及び/又はリン及び/又はビタミン及び/又は痕跡元素が制限された、又は欠乏した液体培養培地中における本発明に係る細菌の培養により、本発明に係る細菌−例えば、番号I−4467の下、CNCMに対して寄託された本発明の第1の変形形態に係る細菌、又は本発明の第2の変形形態に係る、番号I−4467の下、CNCMに対して寄託され、登録された前記細菌の変異体−の胞子の産生が促進される。
有利には、このような胞子は、栄養培地中に置かれて、再水和の対象となり、栄養期にある本発明に係る細菌の集団を形成することができる。
本発明に係る液体組成物は、本発明に係る栄養期にある細菌及び本発明に係る胞子の形態にある細菌を含み得る。何れの場合も、本発明に係る増殖型及び胞子は、配列番号1の配列に100%相同な16S rDNA配列を有する。
本発明に係る組成物は、少なくとも1つの本発明に係る細菌を含む固体状態の組成物であり得る。
第1の変形形態では、本発明に係る固形組成物は、少なくとも1つの本発明に係る細菌と、固形培養培地−特に一定割合の寒天−寒天(E406)−を含む固形培地−を含む。
第2の変形形態では、本発明に係る固形組成物は、−20℃よりも低い温度−特に約−80℃又は液体窒素の温度に近い温度−において、細菌の保存培地中に少なくとも1つの本発明に係る細菌を含む。本発明は、したがって、本発明に係る少なくとも1つの細菌を含む保存培地−特にグリセロール及び/又はポリエチレングリコールを含む保存培地−を対象としている。
また、本発明は、以下の方法により得ることができる無細胞性組成物も対象としている:
− 本発明に係る少なくとも1つの細菌を、前記細菌の増殖を可能とするのに適した培養培地に播種し、24時間より長い期間、12℃から37℃の温度で培養し、それから;
− 無細胞性組成物を形成するように、培養培地から細胞を抽出するか、細菌を不活化する。
また、本発明は、配列番号1の配列に100%相同であるDNA配列を含む少なくとも1つのポリヌクレオチドを含む、無細胞性組成物も対象としている。そのような無細胞性組成物は特に、本発明に係る細菌の増殖が可能であったが、前記細菌を実質的に含まない培養培地である。そのような無細胞性組成物は、配列番号1の配列に100%相同な配列を含むDNAを有することも、呈さないこともできる。
本発明に係る株の培養の24時間後に得られる、本発明に係るそのような無細胞性組成物は、逆相カラムHPLC分析により、以下の表1に列挙された保持時間(t)を有する複数のピーク(P24,i)を呈し得る。
Figure 2016531589
本発明に係る株の培養の3日(72時間)後に得られる本発明に係る無細胞性組成物は、逆相カラムHPLC分析により、以下の表2に列挙された保持時間(t)と、相対値で表されたピーク(P72,i)下面積(A72,i)を有する、複数のピーク(P72,i)を呈し得る。
Figure 2016531589
酢酸エチルによる本発明に係る株の培養培地の抽出、酢酸エチル溶液の乾燥、及びメタノールにおける抽出物の可溶化によって得られる抽出物をHPLCによって分析する。HPLCクロマトグラフィーは25cm/4.6mm/5μmのサイズのXbridgeカラム(Waters Guyancourt France)により行われる。溶離は、水中20%から95%のアセトニトリル勾配により0.8mL/minの流速で行われる。検出は254nmの波長で行われる。
有利には、本発明によれば、無細胞性組成物は細菌の培養培地から形成され、水中20%から95%のアセトニトリル勾配により0.8mL/minの流速で25cm/4.6mm/5μmのサイズのXbridgeカラムで行われ、11.925分の保持時間における第1の主要なシグナル及び20.04分の保持時間における第2の主要なシグナルを含むHPLCのクロマトグラムを有する。
上記の抽出及び分析の条件において、有利には、本発明によれば、本発明に係る株の培養から3日(72時間後)に得られる無細胞性組成物は、11.925分の保持時間における第1の主要なシグナル(P72,6)及び20.04分の保持時間における第2の主要なシグナル(P72,14)を含むHPLCのクロマトグラムを有する。
上記の分析条件において、有利には、本発明によれば、本発明に係る株の培養から3日(72時間)後に得られる無細胞性組成物は、マイナーシグナルと呼ばれるシグナルを3.93分、5.30分、6.59分、8.83分、9.63分、12.39分、12.87分、13.76分、13.76分、15.93分、16.27分、18.41分及び19.38分の保持時間で含むHPLCのクロマトグラムを有する。
本発明は、11.925分の保持時間における第1の主要なシグナルと20.04分の保持時間における第2の主要なシグナルを含むHPLCのクロマトグラムを有する細菌の培養培地から形成される組成物も対象としている。有利には、HPLCのクロマトグラムは、マイナーシグナルと呼ばれるシグナルを3.93分、5.30分、6.59分、8.83分、9.63分、12.39分、12.87分、13.76分、13.76分、15.93分、16.27分、18.41分及び19.38分の保持時間に有する。
本発明者らは、本発明に係る少なくとも1つの細菌との接触により得られるが本発明に係る細菌を実質的に含まない、並びに/又は配列番号1の配列に100%相同な配列を含むDNAを含まない若しくは含み得る、そのような無細胞性組成物が、ヒマワリ、トウモロコシ、ナタネ、コムギ及びトマトなどの栽培中の植物の成長への刺激効果を有し、また、ブドウの葉における抗真菌活性−特に灰色かび病菌に対する活性−も有することを明らかにした。
また、本発明は、細菌の増殖を可能とするのに適した培養培地において、24時間より長い期間、本発明に係る少なくとも1つの細菌を培養する方法により得ることができる無細胞性組成物にも及ぶ。
有利には、本発明によれば、細菌を少なくとも実質的に含まない無細胞性組成物を形成するように、培養培地から細菌を取り除く。
有利には、本発明によれば、無細胞性組成物の配列番号1の配列に100%相同な配列を含むDNAを例えば、ヌクレアーゼによる無細胞性組成物の処理によって取り除く。
変形形態としては、有利には、本発明によれば、培養培地から細菌を取り除かない。
変形形態としては、有利には、本発明によれば、配列番号1の配列に100%相同な配列を含むDNAを無細胞性組成物から取り除かない。
有利には、本発明に係る細菌をその増殖を可能とするのに適した培養培地に播種し、十分な期間、すなわち、1日から10日の期間、12℃から37℃、好ましくは28℃から30℃、特におよそ30℃の温度で培養し、それから、無細胞性組成物を形成するように、例えば培養培地の遠心によって、培養培地から細胞を抽出するか、細菌を不活化する。したがって、このような無細胞性組成物は、細菌の増殖に適した条件で培養培地において本発明に係る細胞を接触させ、培養することにより得られた、もはや本発明に係る細菌を含まない培養培地であるか、又は、死滅した細菌を含む培養培地である。本発明に係るこのような無細胞性組成物は、本発明に係る細菌の特性−特に抗真菌性−に近い特性か、そうでなければ等価な特性−特に抗真菌性−を有する。
また、本発明は、本発明に係る細菌、又は細菌の株、又は組成物−液体若しくは固体の組成物−のあらゆる使用−特に農業における使用−にも関する。
また、本発明は、配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含む植物処置組成物の農業における使用にも関する。
特に、有利には、本発明によれば、以下からなる群より選択される少なくとも1つの生物学的物質を含む処置組成物を植物に接触させる:
− 本発明に係る細菌;
− 本発明に係る液体組成物;
− 本発明に係る固形組成物;
− 本発明に係る無細胞性組成物。
本発明は同様に、上記又は下記の特徴の全て又は一部の組み合わせを特徴とする、細菌、細菌の株、細菌組成物(液体又は固体)及び無細胞性組成物にも関する。
本発明の他の目的、特徴及び利点は、以下の説明、非限定的にのみ与えられている例示的な実施例、及び以下の添付の図面を読むことで明らかになるであろう:
図1は、本発明に係る処置組成物による処置の灰色かび病菌に対する保護/治療効果を示しているブドウの葉の対比写真を再現したものである(1a及び1b)。 図2は、本発明に係る細菌による、ファエモニエラ・クラミドスポラの増殖の阻害を示しているペトリ皿の写真を再現したものである。 図3は、本発明に係る細菌によるリン酸カルシウムの可溶化の例示的な写真を再現したものである。 図4は、本発明に係る液体組成物によるヒマワリの種の処置による、ヒマワリの苗の成長の刺激の例示的な写真を再現したものである。 図5は、本発明に係る液体組成物によるトウモロコシの種子の処置による、トウモロコシの苗の成長の刺激の例示的な写真を再現したものである。 図6a及び図6bは、本発明に係る細菌を含む液体組成物による、ナタネの実生の根の成長の刺激の例示的な写真を再現したものである。
本発明に係る細菌の株は、ブドウの株の根圏の試料及び深部の根から単離された。この根圏の試料は、採取の表面部を除いて、土壌表面の下10cmから50cmの深さから採取され、それから、密封した滅菌小袋に入れられ、ストレプトマイセスの株の単離に先立ち、+4℃で保存された。
採取された試料は、30分間、毎分200回転の速度で磁気撹拌しながら、水36mLに試料4gの割合で、滅菌蒸留水中に懸濁させられる。得られた懸濁液は次に、10分間、50℃の温度に置かれ、それから、滅菌蒸留水で希釈(×10)される。この希釈液0.1mLは、抗生物質としてナリジクス酸(10mg/L)若しくはノボビオシン(25mg/L)、並びに/又は抗真菌剤のシクロヘキシミド(40mg/L)を補充した固形寒天培地SEA(「土壌抽出液寒天」)を含むペトリ皿に塗布される。ペトリ皿はその後、21日間、30℃のインキュベーター中に置かれる。
塗布、光学顕微鏡による観察、及びその形態学的特徴の認識により、放線菌株を単離する。このようにして単離された純粋な放線菌株は、クローニングのためにベネット培地上に移される。単離されたコロニーは2カ月間、4℃で維持され、採取され、20%の滅菌グリセロール中に懸濁され、その後、−20℃に置かれ、保存される。
本発明に係る細菌の16S rDNAのシークエンシング
当業者に公知の方法により、細菌の16S rDNAの配列を解析する。このために、本発明に係る細菌を液体培地中で培養し、それから、そのゲノムDNAを抽出し、以下を用いたPCR(「ポリメラーゼ連鎖反応」)によって、16S rDNAの配列を選択的に増幅させる:
− 以下の配列番号2の配列のユニバーサルプライマー「27f」、
「agagtttgat cctggctcag」、及び;
− 以下の配列番号3の配列のユニバーサルプライマー「1492r」、
「ggttaccttg ttacgactt」。
これを行うには、本発明に係る細菌を30℃で5日間、100mLの液体ISP−2培地(「ISP培地2、国際ストレプトマイセスプロジェクト酵母麦芽エキス寒天」)中で撹拌培養する。得られた菌糸体と培養培地を遠心によって分離し、再蒸留水で2回洗浄する。菌糸体の溶解は環境温度で10分間、500μlの溶解バッファー(400mM Tris−HCl、60mM EDTA、150mM NaCl、1% SDS、pH8.0)中で行う。次に、60mLの5M酢酸カリウム、11.5mLの氷酢酸及び28.5の蒸留水の混合により得られる溶液(pH4.8)150μLを溶解液に加え、強く撹拌する。得られた溶解液を10000gで1分間、遠心する。再度10000g、1分間の遠心工程を行い、上清を回収する。上清を回収し、これに等量のイソプロパノールを加える。撹拌後、10000gで2分間、遠心する。沈殿したDNAは、300μLの70%エタノールで洗浄し、遠心し、その後、風乾し、50μLの滅菌再蒸留水に溶解させる。
キット(InVitrogen)を用いて、以下の熱プロファイルに従い、PCRを行う(「テクネタッチジーンPCRサーマルサイクラー」):
− 98℃で3分間、変性;
− 「Taqポリメラーゼ」の添加;
− 以下を含む30サイクルの増幅:
■ 94℃で1分間の加熱段階、続いて;
■ 52℃で1分間の加熱段階、続いて;
■ 72℃で2分間の加熱段階、続いて;
− 72℃で10分間の伸長段階。
PCR産物はゲル電気泳動によって分析され、紫外光下で臭化エチジウムによって回収される。「NCBI Blast」ソフトウェアを使用した本発明に係る細菌の16S rDNAの配列番号1の配列とゲノムデータベース中の参照配列との比較は、配列番号1の配列に99%より高い相同性を有する配列をゲノムデータベース中に1つも見つけない。
実施例1 − 本発明に係る細菌の生産
番号I−4467の下、CNCMに寄託されたもののような本発明に係る細菌の一定量の種菌を20倍量の富栄養培地に播種する。バイオマスの生産のための、そのような富栄養培地は例えば、pH7.2でD−グルコース、酵母抽出物、リン酸水素二カリウム(KHPO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、塩化カリウム(KCl)及びグリセロールを含む。培養を5日間、30℃の温度に維持する。
変形形態としては、本発明に係る細菌を少なくとも実質的に含まない本発明に係る無細胞性組成物を形成するように、本発明に係る細菌と培養培地とを分離することができる。
実施例2 − 本発明に係る胞子の生産
本発明に係る細菌の一定量の種菌を20倍量の胞子形成培地に播種する。例えば、胞子形成液体培地は、pH7.2でD−グルコース、酵母抽出物、ペプトン、炭酸カルシウム(CaCO)及び蒸留水から形成される。
培養を6日間、30℃の温度に維持する。本発明に係る胞子を含む、本発明に係る組成物が得られる。次いで、例えば遠心又は濾過による、液体/固体の任意の分離方法によって、本発明に係る主に胞子の形態にある細菌と培養培地とを分離することができる。
実施例3 − 病原体に対する保護
本発明に係る細菌を含む液体組成物は、例えば、ミクロコッカス・ルテウス、枯草菌及びストレプトマイセス・スカビエスなどの特定の細菌の増殖の阻害能を有する。
ブドウの葉に対する本発明に係る胞子のあらかじめの適用は、ブドウの葉に対して後で適用された真菌の灰色かび病菌の胞子の発芽と、その増殖を阻害できる。また、そのような適用は、前処理したブドウの葉において、真菌である灰色かび病菌の症状(図1bで灰色の模様(1)によって表されている、葉の茶色の斑点)の出現を予防/排除することもできる。本発明に係る細菌の胞子の組成物で前処理し、灰色かび病菌に感染させたブドウの葉(図1a)、及び前処理せずに感染させたブドウの葉(図1b)の写真を再現したものが図1に示されている。図1aの葉は、灰色かび病菌による感染の症状を呈しておらず、したがって、本発明に係る細菌の胞子によって灰色かび病菌に対して保護されている。
実施例4 − 標的微生物の増殖の阻止
CNCMに寄託された株の細菌を固形寒天ベネット培地に播種し、固体処理組成物を形成するように、この播種した培地を5日間、30℃に置く円筒法(Bauer等, 1996)により、標的微生物の増殖の阻止活性を測定し、定量する。固体処理組成物の円筒形の断片、例えば、直径6mmの円筒形の断片を採取し、標的微生物、例えば、植物病原性の標的微生物を播種した培養培地の表面に、この円筒形の断片を置く。標的微生物の培養培地は、例えば、植物病原性真菌用のPDA(「ポテトデキストロース寒天」)培地又は植物病原性細菌用のベネット培地であり得る。標的微生物を播種した培地における本発明に係る細菌の培養培地の化合物の拡散を可能とするように、標的微生物を播種した培養培地の表面に4℃で4時間、円筒形の断片を維持する。
標的微生物を播種した培地を48時間、30℃に置き、それから、標的微生物の増殖阻害区域の直径を測定する。
本発明に係る細菌は、細菌及び/又は真菌の増殖の阻害活性を有する。微生物の増殖に対する本発明に係る細菌の活性スペクトルを以下の表3に示すが、ここで、記号(−)は阻止活性がないことに対応し、記号(+)は10mmから15mmの阻止直径に対応し、記号(++)は15mmから20mmの阻止直径に対応し、そして、記号(+++)は20mmより大きい阻止直径に対応している。
Figure 2016531589
これらの条件において、本発明に係る株による、灰色かび病菌株の菌糸増殖の阻止直径は28mmであり、フザリウム・クルモルム株の菌糸増殖の阻止直径は30mmであり、フィチウム・ウルチムム株の菌糸増殖の阻止直径は26mmである。
本発明に係る細菌は、有利には、例えば、ファエモニエラ・クラミドスポラ、ファエモニエラ・アエロフィルム、エウティパ・ラタ、フォミチポリア・メジテラネア及びボトリオスフェリア・オブツサのようなブドウの植物病原性因子の増殖の阻止能を有する。
図2には、本発明に係る株の細菌2による、ブドウの木の病原因子として選択されたファエモニエラ・クラミドスポラ真菌の菌糸8の増殖の阻害距離が大きいことが、本発明に係る株とは別のコレクション株3、4及び5による病原性因子の菌糸8の増殖の阻害との比較で視覚化されている。株7及び8が、病原性因子の菌糸8の増殖を阻止しないことは注目に値する。本発明に係る細菌は、細菌性又は真菌性の植物病原性因子の増殖を制限することができる。
実施例5 − 施肥
本発明に係る細菌は、培養培地の固形栄養素−特にリン−の可溶化を促進する。本発明者らは、リン酸カルシウム粉末によって不透明化された固形寒天培地(9)において、本発明に係る細菌のコロニー(2)を取り囲む半透明の光輪(10)の形成を観察した(図3)が、これは、細菌によるリン酸カルシウムの可溶化を証明している。本発明に係る細菌は、植物により吸収されない固形施肥製品の−植物の根圏における−溶解を増大させ、植物の栄養を改善することができる。
実施例6 − ヒマワリ及びトウモロコシの成長の刺激
本発明に係る細菌の栄養型の細胞と胞子を含む、本発明に係る液体組成物を調製し、ヒマワリの種子とトウモロコシの種子に対して薄膜コーティングによって適用する。液体組成物は、組成物1リットル当たり1から2gの細菌を含むが、ここで細菌の質量は、細菌の湿重量である。並行して、本発明に係る組成物によって処置していない対照として、ヒマワリ(図4a)及びトウモロコシ(図5c)の種まきと苗の栽培を行う。また、本発明者らは、ヒマワリの苗(図4b)及びトウモロコシの苗(図5d)の初期の成長の刺激も観察した。種子に対して適用した本発明に係る細菌は、ヒマワリやトウモロコシのような植物の成長−特に植物の地上部の成長−を刺激することができる。
実施例7 − ナタネの実生の根の成長の刺激
CNCMに寄託された株の前培養1体積を60体積の水に懸濁させることにより、本発明に係る細菌の栄養型細胞と胞子を含む本発明に係る液体組成物を調製する。前培養は、定常増殖期にある培養であり、前培養液1リットル当たり約10g(湿重量)の細菌を含む。16.4グラムのナタネと490μlの液体組成物(つまり、30リットルの液体組成物中に約1トンのナタネ種子)を混合して均質化することによって、ナタネの種子上に本発明に係る液体組成物の膜を形成するように、本発明に係る液体組成物を種子に適用する。液体組成物は、組成物1リットル当たり1から2gの細菌を含むが、ここで細菌の質量は、細菌の湿重量である。「Pikaw」培養培地上に、本発明に係る組成物でコーティングされたナタネの種子の種まきを行う。実生の成長の8日後、本発明に係る組成物で処置した種子から得られた実生の根の部分12を回収し、秤量する。本発明の組成物で処置した種子から得られたナタネ実生の根部の質量は85mgであり、コントロールとして本発明に係る細菌を含まない組成物で処置した種子から得られたナタネ実生の根部12の質量(59mg)を上回っている。図6a及び図6bにそれぞれ示されている処置及び未処置のナタネ実生の写真を再現したものは、コントロールとして本発明に係る細菌を含まない組成物で処置したナタネ実生の根部11に比べて増大した、本発明に係る組成物で処置したナタネ実生の根部12の成長を示している。CNCMに寄託されたもののような本発明に係る細菌を含む液体組成物は、ナタネの発芽と実生の成長を刺激する。
Figure 2016531589
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Claims (16)

  1. 16S rDNAと呼ばれる配列番号1の配列に100%相同である細菌の16SリボゾームRNAをコードするDNA配列を含む、単離された細菌であって、以下からなる群:
    − CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された細菌、及び
    − CNCMに対して寄託され、番号I−4467の下、登録された前記細菌の変異体
    より選択される細菌。
  2. ストレプトマイセス(Streptomyces)属のものであることを特徴とする、請求項1に記載の細菌。
  3. 配列番号4に相同なRNAポリメラーゼのβサブユニット(polB)をコードするDNA配列を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の細菌。
  4. 配列番号5に相同なジャイレース(gyrB)をコードするDNA配列を有することを特徴とする、請求項1から3の何れか一項に記載の細菌。
  5. 配列番号6に相同なリコンビナーゼ(RecA)をコードするDNA配列を有することを特徴とする、請求項1から4の何れか一項に記載の細菌。
  6. 配列番号7に相同なトリプトファンシンターゼのβサブユニット(trpB)をコードするDNA配列を有することを特徴とする、請求項1から5の何れか一項に記載の細菌。
  7. 配列番号8に相同なATPシンターゼのβサブユニット(AtpB)をコードするDNA配列を有することを特徴とする、請求項1から6の何れかに記載の細菌。
  8. 灰色かび病菌(Botrytis cinerae)、フザリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)、フィチウム・ウルチムム(Pythium ultimum)、ファエモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)、ファエモニエラ・アエロフィルム(Phaeomoniella aelophilum)、エウティパ・ラタ(Eutypa lata)、フォミチポリア・メジテラネア(Fomitiporia mediterranea)及びボトリオスフェリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)からなる群より選択される、標的微生物と呼ばれる少なくとも1つの微生物の増殖を遅らせる能力をもつことを特徴とする、請求項1から7の何れか一項に記載の細菌。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の少なくとも1つの細菌を含む組成物。
  10. 請求項1から8の何れか一項に記載の細菌を液体培地中に含む液体組成物であることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
  11. 栄養増殖期の細菌を含むことを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
  12. 胞子の形態にある細菌を含むことを特徴とする、請求項9から11の何れか一項に記載の組成物。
  13. 固体であることを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
  14. − 請求項1から8の何れか一項に記載の少なくとも1つの細菌を、細菌の増殖を可能とするのに適した培養培地に播種し、24時間より長い期間、12℃から37℃の温度で培養し、次いで;
    − 無細胞性組成物を形成するように、培養培地から細菌を抽出するか、細菌を不活性化する
    方法によって得ることができる無細胞組成物。
  15. 配列番号1の配列に100%相同なDNA配列を含む、少なくとも1つのポリヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
  16. 11.925分の保持時間における第1の主要なシグナルと20.04分の保持時間における第2の主要なシグナルを含む、水中20%から95%のアセトニトリル勾配により0.8mL/minの流速で25cm/4.6mm/5μmのサイズのXbridgeカラムにより行われるHPLCのクロマトグラムを示すことを特徴とする、細菌の培養培地から形成される請求項14又は15に記載の組成物。
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