JP2016528165A - 神経障害性疼痛の処置方法 - Google Patents

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Abstract

哺乳類対象における神経障害性疼痛を処置する方法であって、有効量の脂肪酸誘導体を投与することを含む方法を提供する。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2013年8月22日に出願の米国仮特許出願第61/868,750号および2013年12月19日出願の米国仮特許出願第61/918,124号の優先権を主張し、それらの全体はここで参照することにより本明細書に包含される。
本発明は、哺乳類対象における神経障害性疼痛の処置のための、脂肪酸誘導体の使用に関する。
神経障害性疼痛は、通常組織損傷を伴う複雑で慢性的な疼痛状態である。神経障害性疼痛には、神経線維自体が損傷しているか、機能障害性になっているか、または傷ついている場合がある。これらの損傷神経線維は、他の痛み中枢に誤ったシグナルを送る。神経線維損傷の影響としては、損傷部位および損傷部位の周辺領域の両方における神経機能の変化が挙げられる。
神経障害性疼痛の一例は、幻肢症候群と称される。この珍しい症状は、病気または傷害により腕または脚を切除したが、切除した手足からのインパルスを元々伝達していた神経から痛みのメッセージを脳がまだ受ける場合に生じる。これらの神経が不発状態を起こし、疼痛を生じさせる。
神経障害性疼痛は、明らかな原因がないように見えることがしばしばである;しかし、神経障害性疼痛の共通の原因としては: アルコール依存、切断、背中、脚および臀部の問題、化学療法、糖尿病、顔面神経の問題、HIV感染またはAIDS、多発性硬化症、帯状疱疹、脊椎外科手術が挙げられる。神経障害性疼痛の症状としては、刺痛およびヒリヒリ痛が挙げられる。
いくつかの神経障害性疼痛の研究は、非ステロイド性抗炎症剤、例えばアリーブまたはモートリンの使用が疼痛を緩和し得ることを示している。人によっては、より強い鎮痛剤、例えばモルヒネを含有するものを必要とし得る。抗痙攣薬および抗鬱薬が有効であると考えられる場合もある。
他の症状、例えば糖尿病が関連する場合、該障害をよりよく処置することにより疼痛が緩和され得る。該症状の効果的な処置はまた、さらなる神経損傷を防ぐ上でも有用であり得る。
処置が困難である場合、疼痛の専門医は、疼痛を効果的に処置するために侵入型または埋め込み型のデバイスを使用し得る。神経障害性疼痛に関連する神経の電気刺激が、疼痛の症状を有意に制御し得る。
他の種類の処置も、神経障害性疼痛に有用であり得る。これらには、理学療法、カウンセラーとの協力、弛緩療法、マッサージ療法、鍼が挙げられる。
残念ながら、神経障害性疼痛は、標準的な疼痛処置に対する反応がよくないことがしばしばあり、時間の経過とともに、改善するのではなく悪化することがよくある。これは、人によっては、深刻な身体障害を引き起こし得る
(http://www.webmd.com/pain-management/guide/neuropathic-pain)。
脂肪酸誘導体は、ヒトまたは他の哺乳類の組織または器官に含まれており、広範な生理学的活性を示す、有機カルボン酸分類群のメンバーである。天然に存在する脂肪酸誘導体のいくつかは、一般的に式(A)に示すプロスタン酸骨格を有する:
Figure 2016528165
一方、いくつかのプロスタグランジン(PG)合成類似体は、修飾された骨格を持っている。天然PG類は5員環部分の構造によって、PGA類、PGB類、PGC類、PGD類、PGE類、PGF類、PGG類、PGH類、PGI類およびPGJ類に分類され、さらに炭素鎖部分の不飽和結合の数と位置によって、次の3つのタイプに分類される。
下付1:13,14-不飽和-15-OH
下付2:5,6-および13,14-ジ不飽和-15-OH
下付3:5,6-、13,14-および17,18-トリ不飽和-15-OH。
さらに、PGF類は9位のヒドロキシ基の配置によってαタイプ(ヒドロキシ基がα配置である)およびβタイプ(ヒドロキシ基がβ配置である)に分類される。
PG類は、種々の薬理学的および生理学的活性、例えば、血管拡張、炎症の誘導、血小板凝集、子宮筋刺激、腸管筋刺激、抗潰瘍効果などを有することが知られている。
プロスタン酸骨格の15位にオキソ基を持つプロストン類(15-ケト型)および13および14位間に単結合を、15位にオキソ基を持つプロストン類(13,14-ジヒドロ-15-ケト型)は、天然PG類の代謝中に酵素の作用によって自然に生成する物質として知られる脂肪酸誘導体であり、いくらかの治療上の効果を有する。
米国特許第8,202,909号明細書(上野)は、特定のプロスタグランジン化合物が、中枢神経系障害の処置に有用であることを記載しており、米国特許第8,143,316号明細書 (上野)は、特定のプロスタグランジン化合物が末梢血管障害の処置に有用であることを記載している。
米国特許第8,202,909号明細書 米国特許第8,143,316号明細書
しかし、脂肪酸誘導体が、複雑で、慢性的な疼痛状態であり、しばしば明らかな原因がないように見られ、標準的な疼痛処置に対する反応がよくない神経障害性疼痛にどのように作用するかは知られていない。
本発明は、式(I):
Figure 2016528165
[式中、
L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここで、該5員環は少なくとも1つの二重結合を有してもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
Figure 2016528165
または単結合であり;
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
Z1およびZ2は、酸素、窒素または硫黄であり;
R6およびR7は、置換されてよい低級アルキルであり、共に連結して低級アルキレンを形成してよく;
R1は、非置換であるか、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;そして
Raは、非置換であるか、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。]
で表される脂肪酸誘導体の、哺乳類対象における神経障害性疼痛を処置するための医薬組成物の製造のための使用に関する。
さらに、本発明は、上述の式(I)で示される脂肪酸誘導体を含む、哺乳類対象における神経障害性疼痛の処置のための医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、哺乳類対象における神経障害性疼痛の処置方法に用いるための、上述の式(I)で示される脂肪酸誘導体に関する。
さらに、本発明は、哺乳類対象における、神経障害性疼痛の処置方法であって、それを必要とする対象に、上述の式(I)で示される脂肪酸誘導体を有効量投与することを含む、方法に関する。
本明細書中で用いる脂肪酸誘導体の命名は、上記式(A)に示したプロスタン酸の番号付けシステムに基づく。
式(A)は、C-20脂肪酸誘導体の基本骨格を示すが、本発明は同じ炭素原子数を持つものに限定されない。式(A)において、脂肪酸誘導体の基本骨格を構成する炭素原子の番号は、カルボン酸から始まり(1と番号付け)、5員環に向かって2〜7をα鎖上の炭素原子に、8〜12を5員環の炭素原子に、13〜20をω鎖上の炭素原子に付している。炭素原子数がα鎖上で減少する場合、2位から順次番号を抹消し;α鎖上で炭素原子数が増加する場合、2位にカルボキシ基(C-1)に代わる各置換基を有する置換化合物として化合物を命名する。同様に、ω鎖上で炭素原子数が減少する場合、20位から番号を順次抹消し;ω鎖上で炭素原子数が増加する場合、21位以降の炭素原子は20位の置換基として命名する。化合物の立体配置は、特にことわりのない限り、上記式(A)と同じである。
一般に、PGD、PGEおよびPGFはそれぞれ、9位および/または11位にヒドロキシ基を有する脂肪酸誘導体を表すが、本明細書中では、9位および/または11位にヒドロキシ基以外の置換基を有するものも含む。かかる化合物は9-デオキシ-9-置換-脂肪酸誘導体または11-デオキシ-11-置換-脂肪酸誘導体と称する。ヒドロキシ基の代わりに水素を有する脂肪酸誘導体は、単に9-または11-デオキシ-脂肪酸誘導体と命名する。
上述のように、脂肪酸誘導体の命名はプロスタン酸骨格に基づいている。化合物が天然PGと類似の部分的構造を有する場合には、「PG」の略語を利用することがある。したがって、α鎖の炭素原子が2個延長された脂肪酸誘導体、すなわち、α鎖の炭素原子数が9である脂肪酸誘導体は、2-デカルボキシ-2-(2-カルボキシエチル)-PG化合物と命名する。同様に、α鎖の炭素原子数が11である脂肪酸誘導体は、2-デカルボキシ-2-(4-カルボキシブチル)-PG化合物と命名する。また、ω鎖の炭素原子が2個延長された脂肪酸誘導体、すなわち、ω鎖の炭素原子数が10である脂肪酸誘導体は、20-エチル-PG化合物と命名する。なお、これらの化合物はIUPAC命名法に基づいて命名することも可能である。
置換化合物を含む、上記脂肪酸誘導体の類似体または誘導体の例としては、α鎖の末端のカルボキシ基がエステル化された脂肪酸誘導体;α鎖が延長された脂肪酸誘導体、それらの生理学的に許容される塩;2位と3位の間に二重結合を有するか、または5位と6位の間に三重結合を有する脂肪酸誘導体;3、5、6、16、17、18、19および/または20位の炭素原子上に置換基を有する脂肪酸誘導体;9位および/または11位にヒドロキシ基の代わりに低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル基を有する脂肪酸誘導体が挙げられる。
本発明において、3、17、18および/または19位の炭素原子上の好ましい置換基としては、1〜4個の炭素原子を有するアルキル、特にメチルおよびエチルが挙げられる。16位の炭素原子上の好ましい置換基としては、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、およびアリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシが挙げられる。17位の炭素原子上の好ましい置換基としては、低級アルキル、例えばメチルおよびエチル、ヒドロキシ、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素、およびアリールオキシ、例えばトリフルオロメチルフェノキシが挙げられる。20位の炭素原子上の好ましい置換基としては、飽和または不飽和の低級アルキル、例えばC1-4アルキル、低級アルコキシ、例えばC1-4アルコキシ、および低級アルコキシアルキル、例えばC1-4アルコキシ-C1-4アルキルが挙げられる。5位の炭素原子上の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、例えば塩素およびフッ素が挙げられる。6位の炭素原子上の好ましい置換基としては、カルボニル基を形成するオキソ基が挙げられる。9位および11位の炭素原子上にヒドロキシ、低級アルキルまたはヒドロキシ(低級)アルキル置換基を有するPG類の立体配置は、α、βまたはそれらの混合であり得る。
さらに、上記の類似体または誘導体は、天然のPG類よりもω鎖が短く、その切断型ω鎖の末端にアルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、フェノキシおよびフェニル基のような置換基を有していてよい。
本発明で用いられる脂肪酸誘導体は、式(I):
Figure 2016528165

[式中、
L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここで、該5員環は少なくとも1つの二重結合を有してもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
Figure 2016528165
または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
Z1およびZ2は酸素、窒素または硫黄であり;
R6およびR7は、置換されてよい低級アルキルであり、共に連結して低級アルキレンを形成してよく;
R1は、非置換であるか、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;そして
Raは、非置換であるか、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。]
により表される。
本発明に用いられる好ましい化合物は、式(II):
Figure 2016528165
[式中、
LおよびMは、水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここで、該5員環は1つ以上の二重結合を有してもよく;
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
Zは、
Figure 2016528165
または単結合であり、
ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
Z1およびZ2は酸素、窒素または硫黄であり;
R6およびR7は、置換されてよい低級アルキルであり、共に連結して低級アルキレンを形成してよく;
X1およびX2は、水素、低級アルキル、またはハロゲンであり;
R1は、非置換であるか、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;
R2は、単結合または低級アルキレンであり;
R3は、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。]
により表される。
上記式において、R1およびRaについての定義における用語「不飽和」は、主鎖および/または側鎖の炭素原子間に孤立して、分離してまたは連続して存在する、少なくとも1つまたはそれ以上の二重結合および/または三重結合を含むことを意図している。通常の命名法に従って、2つの連続した位置の間の不飽和結合は、2つの位置のうちの小さい数字を表示することによって表され、2つの遠位の間の不飽和結合は、その両方の位置を表示することにより表される。
用語「低級または中級の脂肪族炭化水素」は、1〜14個の炭素原子(側鎖においては、1〜3個の炭素原子が好ましい)、好ましくは1〜10個、特に1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の炭化水素基を意味する。
用語「ハロゲン原子」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を包含する。
用語「低級」は、本明細書を通して、特にことわりのない限り、1〜6個の炭素原子を有する基を含むことを意図する。
用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルが挙げられる。
用語「低級アルキレン」は、1〜6個の炭素原子を含有する、直鎖または分枝鎖の、二価の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、t-ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンが挙げられる。
用語「低級アルコキシ」は、低級アルキル-O-の基を意味し、ここで低級アルキルは上で定義するとおりである。
用語「ヒドロキシ(低級)アルキル」は、少なくとも1つのヒドロキシ基により置換されている、上に定義する低級アルキルを意味し、例えばヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチルおよび1-メチル-1-ヒドロキシエチルである。
用語「低級アルカノイルオキシ」は、式RCO-O-により表される基を意味し、ここでRCO-は、上に定義する低級アルキル基の酸化により形成されるアシル基、例えばアセチルである。
用語「シクロ(低級)アルキル」は、上に定義する低級アルキル基の環状化によって形成される、3個以上の炭素原子を含有する環式基を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルである。
用語「シクロ(低級)アルキルオキシ」は、シクロ(低級)アルキル-O-の基を意味し、ここでシクロ(低級)アルキルは上に定義するとおりである。
用語「アリール」は、非置換または置換芳香族炭化水素環(好ましくは単環式の基)を含み、例えば、フェニル、トリル、キシリルが挙げられる。置換基の例は、ハロゲン原子およびハロ(低級)アルキルであり、ここでハロゲン原子および低級アルキルは上に定義するとおりである。
用語「アリールオキシ」は、式ArO-により表される基を意味し、ここでArは上に定義するアリールである。
用語「複素環基」は、置換されてよい炭素原子、および、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1種または2種のヘテロ原子を1〜4個、好ましくは1〜3個有する、5〜14員、好ましくは5〜10員の環である、単環式〜三環式の、好ましくは単環式の複素環基を含んでいてよい。複素環基の例としては、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、2−ピロリニル、ピロリジニル、2−イミダゾリニル、イミダゾリジニル、2−ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリノ、インドリル、ベンゾチエニル、キノリル、イソキノリル、プリニル、キナゾリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナントリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイミダゾリニル、ベンゾチアゾリル、フェノチアジニルが挙げられる。この場合、置換基の例としては、ハロゲン、およびハロゲン置換低級アルキル基が挙げられ、ここでハロゲン原子および低級アルキル基は上記のとおりである。
用語「複素環オキシ基」は、式HcO-により表される基を意味し、ここでHcは上記の複素環基である。
Aの用語「官能性誘導体」は、塩(好ましくは医薬的に許容される塩)、エーテル、エステルおよびアミドを含む。
適切な「医薬的に許容される塩」は、慣用される非毒性塩、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)、アンモニウム塩のような、無機塩基との塩;または、例えばアミン塩(例えばメチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、ベンジルアミン塩、ピペリジン塩、エチレンジアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチルアミノ)エタン塩、モノメチル−モノエタノールアミン塩、プロカイン塩およびカフェイン塩)、塩基性アミノ酸塩(例えばアルギニン塩およびリジン塩)、テトラアルキルアンモニウム塩などのような、有機塩基との塩を含む。これらの塩類は、例えば対応する酸および塩基から常套の反応によって、または塩交換によって調製し得る。
エーテルの例としては、アルキルエーテル、例えば、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、イソブチルエーテル、t-ブチルエーテル、ペンチルエーテルおよび1-シクロプロピルエチルエーテルのような低級アルキルエーテル;およびオクチルエーテル、ジエチルヘキシルエーテル、ラウリルエーテルおよびセチルエーテルのような中級または高級アルキルエーテル;オレイルエーテルおよびリノレニルエーテルのような不飽和エーテル;ビニルエーテル、アリルエーテルのような低級アルケニルエーテル;エチニルエーテルおよびプロピニルエーテルのような低級アルキニルエーテル;ヒドロキシエチルエーテルおよびヒドロキシイソプロピルエーテルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエーテル;メトキシメチルエーテルおよび1-メトキシエチルエーテルのような低級アルコキシ(低級)アルキルエーテル;フェニルエーテル、トシルエーテル、t-ブチルフェニルエーテル、サリチルエーテル、3,4-ジメトキシフェニルエーテルおよびベンズアミドフェニルエーテルのような、置換されてよいアリールエーテル;ならびにベンジルエーテル、トリチルエーテルおよびベンズヒドリルエーテルのようなアリール(低級)アルキルエーテルが挙げられる。
エステルの例としては、脂肪族エステル、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステルおよび1-シクロプロピルエチルエステルのような低級アルキルエステル;ビニルエステルおよびアリルエステルのような低級アルケニルエステル;エチニルエステルおよびプロピニルエステルのような低級アルキニルエステル;ヒドロキシエチルエステルのようなヒドロキシ(低級)アルキルエステル;メトキシメチルエステルおよび1-メトキシエチルエステルのような低級アルコキシ(低級)アルキルエステル;および、例えばフェニルエステル、トリルエステル、t-ブチルフェニルエステル、サリチルエステル、3,4-ジメトキシフェニルエステルおよびベンズアミドフェニルエステルのような、置換されてよいアリールエステル;およびベンジルエステル、トリチルエステルおよびベンズヒドリルエステルのようなアリール(低級)アルキルエステルが挙げられる。
Aのアミドは、式-CONR'R''で表される基を意味し、ここで、R'およびR''はそれぞれ水素、低級アルキル、アリール、アルキルもしくはアリールスルホニル、低級アルケニルおよび低級アルキニルであり、例えば、メチルアミド、エチルアミド、ジメチルアミドおよびジエチルアミドのような低級アルキルアミド;アニリドおよびトルイジドのようなアリールアミド;および、メチルスルホニルアミド、エチルスルホニルアミドおよびトリルスルホニルアミドのようなアルキルもしくはアリールスルホニルアミドが挙げられる。
好ましいLおよびMの例としては、水素、ヒドロキシおよびオキソが挙げられ、特に、LとMがともにヒドロキシであるか、またはLがオキソでMが水素またはヒドロキシである。
好ましいAの例は、-COOH、その医薬的に許容される塩、エステルまたはアミドである。
好ましいX1およびX2の例は、両方が水素またはハロゲン原子であり、ハロゲン原子である場合は、より好ましくはフッ素原子であり、16,16-ジフルオロ型と称される。
好ましいR1は、1〜10個の炭素原子、好ましくは6〜10個の炭素原子を含有する炭化水素残基である。さらに、脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。
R1の例には、例えば、以下の基が含まれる:
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-O-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-O-CH2-、
-CH2-C≡C-CH2-O-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH=CH-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-、
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH=CH-、
-CH2-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-および
-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-CH(CH3)-CH2-。
好ましいRaは、1〜10個の炭素原子、より好ましくは1〜8個の炭素原子を含有する炭化水素である。Raは1個の炭素原子を有する1または2個の側鎖を有し得る。さらに、脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい。
本発明の態様において、式(I)および式(II)の代表的な化合物の例としては、
Raがハロゲンにより置換されており、および/またはZがC=Oである式(I)の化合物;
X1およびX2の1つがハロゲンにより置換されており、および/またはZがC=Oである式(II)の化合物;
Lが=Oまたは-OHであり、MがHまたはOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1がハロゲン(例えば、XがCl、Br、IまたはFである)または水素であり、X2がハロゲン(例えば、X2がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、Rが、飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が直鎖または分枝鎖の、酸素、窒素または硫黄によって置換されてよい、低級アルキル(例えば、C4-6アルキル)である、式(II)の化合物;
Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、Xがハロゲン(例えば、XがCl、Br、IまたはFである)または水素であり、X2がハロゲン(例えば、X2がCl、Br、IまたはFである)または水素であり、Rが飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が直鎖または分枝鎖の、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい低級アルキルである、式(II)の化合物;
Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、XおよびX2がハロゲン原子(例えば、XおよびX2が、Cl、Br、IまたはFである)であり、Rが、飽和または不飽和の二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、Rが単結合であり、そして、Rが直鎖または分枝鎖の低級アルキル(例えば、C4アルキルまたはC5アルキル)である、式(II)の化合物;
Lが=Oであり、MがOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1およびX2がフッ素原子であり、R1が、飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、そして、R3が直鎖または分枝鎖の低級アルキル(例えば、C4アルキルまたはC5アルキル)である、式(II)の化合物;および、
Lが=Oであり、MがHまたはOHであり、AがCOOHまたはその官能性誘導体であり、Bが-CH2-CH2-であり、ZがC=Oであり、X1およびX2がハロゲン原子(例えば、XおよびX2がCl、Br、IまたはFである)であり、Rが飽和または不飽和の、二価の直鎖C6脂肪族炭化水素残基であり、R2が単結合であり、R3が-CH2-CH2-CH2-CH3または-CH2-CH(CH3)-CH2-CH3である、式(II)の化合物
が挙げられる。
さらなる態様において、本発明で用いる代表的な化合物としては、
(-)-7-[(2R,4aR,5R,7aR)-2-(1,1-ジフルオロペンチル)-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル]ヘプタン酸(ルビプロストン)、
(-)-7-{(2R,4aR,5R,7aR)-2-[(3S)-1,1-ジフルオロ-3-メチルペンチル]-2-ヒドロキシ-6-オキソオクタヒドロシクロペンタ[b]ピラン-5-イル}ヘプタン酸(コビプロストン)、
(+)-イソプロピル (Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-(3-オキソデシル)シクロペンチル]ヘプタ-5-エノアート(イソプロピルウノプロストン)、
(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸、
(E)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタ-2-エン酸、
その異性体(互変異性体を含む)およびその官能性誘導体が挙げられる。
好ましくは、(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸または(E)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタ-2-エン酸を本発明に用いてよい。
上記の式(I)および(II)において、環並びにαおよび/またはω鎖の立体配置は、天然のPG類の立体配置と同じであっても異なっていてもよい。しかしながら、本発明は、天然タイプの立体配置を有する化合物および非天然タイプの立体配置の化合物の混合物も含む。
本発明において、13位と14位の間がジヒドロであり、15位がケト(=O)である脂肪酸誘導体は、11位のヒドロキシと15位のケトの間にヘミアセタールが形成されることにより、ケト-ヘミアセタール平衡の状態にあってよい。
例えば、X1およびX2の両方がハロゲン原子、特にフッ素原子である場合は、その化合物は互変異性体として二環式化合物を含むことが確認されている。
上記のような互変異性体が存在する場合、両互変異性体の比率は、分子の残りの構造または存在する置換基の種類により変動する。場合により、一方の異性体が他方と比較して優勢に存在することもある。しかしながら、本発明は両方の異性体を含むと解するべきである。
さらに、本発明に用いる脂肪酸誘導体は、二環式化合物およびその類似体または誘導体を含む。
二環式化合物は、式(III)により表される:
Figure 2016528165
[式中、
Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
X1'およびX2'は、水素、低級アルキルまたはハロゲンであり;
Yは、
Figure 2016528165
であり、
ここで、R4'およびR5'は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4'およびR5'が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく、
R1は、非置換であるか、またはハロゲン、アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;
R2'は、非置換であるか、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基により置換された、飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄によって置換されてよく;
R3'は、水素、低級アルキル、シクロ(低級)アルキル、アリールまたは複素環基である]。
さらに、本発明に用いる化合物は、異性体の存在の有無にかかわらずケト型に基づく式または名称により表し得るが、かかる構造または名称はヘミアセタール型の化合物を除外することを意図するものではないことに留意するべきである。
本発明においては、いずれかの異性体、例えば、個々の互変異性体、それらの混合物、または光学異性体、それらの混合物、ラセミ混合物、および他の立体異性体を、同じ目的に用いることが可能である。
本発明に用いるいくつかの化合物は、米国特許第5,073,569号、第5,166,174号、第5,221,763号、第5,212,324号、第5,739,161号、第6,242,485号および第8,202,909号明細書に開示されている方法により調製し得る(これらの引用文献は引用により本明細書に組み込まれる)。
哺乳類対象は、ヒトを含む、任意の哺乳類対象であってよい。該化合物は、全身または局所的に適用してよい。化合物は、通常、経口投与、鼻腔内投与、吸入投与、静脈内投与(点滴を含む)、皮下注入、眼局所投与、直腸内投与、膣内投与、経皮投与などによって投与されてよい。
用量は、動物の種、年齢、体重、処置する症状、所望の治療効果、投与経路、処置期間などによって変わり得る。満足な効果は、1日に1〜4回の全身投与、または1日あたり、0.00001〜500mg/kg、より好ましくは0.0001〜l00mg/kgの量での連続投与(例えば反復投与)によって得ることができる。例えば、本明細書に記載の化合物(例えば実施例で用いる化合物A)を10〜200μg/日(例えば30、60、120μg/日)で(例えば注射によって)ヒトに投与してよい。本明細書に記載の化合物は反復投与してもよい(例えば2週間)。
該化合物は、好ましくは、慣用的な投与に適した医薬組成物に製剤されてよい。該組成物は、経口投与、鼻腔内投与、眼局所投与、吸入投与、注射または灌流に適した医薬組成物に製剤されてよく、同様に、外用剤、坐剤または膣坐剤であってもよい。
本発明の組成物はさらに、生理学的に許容される添加剤を含んでよい。かかる添加剤としては、賦形剤、希釈剤、注入剤、溶解剤、滑剤、アジュバント、結合剤、崩壊剤、被覆剤、カプセル化剤、軟膏基剤、坐剤基剤、エアロゾル化剤、乳化剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化薬、保存剤、抗酸化剤、矯正剤、香味剤、着色剤、機能性材料、例えばシクロデキストリン、および、生分解性ポリマー、安定剤のような、本発明の化合物とともに用いる成分が挙げられる。かかる添加剤は、当該技術分野でよく知られているものであり、一般的な薬学の参考文献に記載されているものから選択されてよい。
本発明の組成物中の、上記化合物の量は、組成物の処方によって変わり得るものであり、一般的に、0.000001〜10.0%、より好ましくは0.00001〜5.0%、最も好ましくは0.0001〜1%であってよい。例えば、本明細書に記載の化合物(例えば実施例で使用する化合物A)10〜200μg(例えば30、60、120μg)が、本発明の組成物に含まれていてよい。
経口投与用の固体組成物の例としては、錠剤、トローチ剤、舌下錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤などが挙げられる。かかる固体組成物は、1種以上の有効成分を、少なくとも1種の不活性な希釈剤と混合することによって調製し得る。該組成物は、かかる不活性な希釈剤以外の添加剤、例えば、滑剤、崩壊剤および安定剤をさらに含んでよい。錠剤および丸剤は、必要であれば、腸溶性フィルムまたは胃腸溶性フィルムによって被覆されてよい。それらは、2つ以上の層で被覆されていてもよい。それらはまた、持続性放出物質に吸着しているか、またはマイクロカプセル化されていてよい。さらに、該組成物は、容易に分解される物質、例えばゼラチンによってカプセル化されていてよい。それらはさらに、適切な溶媒、例えば脂肪酸またはそのモノ、ジもしくはトリグリセリドに溶解して、軟カプセル剤となっていてよい。舌下錠剤は、即効性が必要な場合に用いてよい。
経口投与用の液体組成物の例としては、乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤などが挙げられる。該組成物はさらに、慣用される不活性希釈剤、例えば精製水またはエチルアルコールを含んでよい。該組成物は、アジュバント、例えば湿潤剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、香料および保存剤といったような、該不活性希釈剤以外の添加剤を含んでいてよい。
本発明の組成物は、スプレー用組成物の形態であってよく、該組成物は、1以上の有効成分を含み、公知の方法により調製されてよい。
経鼻製剤の例は、1種以上の有効成分を含む水性または油性の液剤、懸濁剤または乳剤であってよい。吸入による有効成分の投与のために、本発明の組成物は、エアロゾルを提供し得る懸濁剤、液剤または乳剤の形態か、または乾燥粉末吸入に好適な粉末の形態であってもよい。吸入投与のための組成物は、慣用される噴霧剤をさらに含んでいてよい。
非経口投与のための本発明の注射用組成物の例としては、滅菌した水性もしくは非水性液剤、懸濁剤および乳剤が挙げられる。水性液剤または懸濁剤のための希釈剤としては、例えば、注射用蒸留水、生理食塩水およびリンゲル液などが含まれ得る。
液剤および懸濁剤のための非水性希釈剤としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、エタノールなどのアルコールおよびポリソルベートが挙げられる。組成物は、保存剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤などの添加剤をさらに含んでもよい。それらは、例えば細菌保留フィルターを通した濾過、滅菌剤の配合、またはガスもしくは放射性同位体照射滅菌によって滅菌してよい。注射用組成物は、滅菌粉末組成物として提供し、使用前に注射用の滅菌溶媒に溶解させてもよい。
本発明の外用剤には、皮膚科学および耳鼻咽喉科学の分野において用いられるあらゆる外用製剤が含まれ、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤およびスプレー剤などが挙げられる。
本発明の他の形態は坐剤または腟坐剤であり、これらは慣用的な基剤、例えば体温で軟化するカカオバターに有効成分を混合することによって調製することができ、吸収性を向上させるために適切な軟化温度を有する非イオン性界面活性剤を用いてもよい。
本発明によれば、本発明の脂肪酸誘導体は、それを必要とする対象への投与を含む、哺乳類対象における、神経障害性疼痛およびその症状の処置に有用である。特に、本発明の脂肪酸誘導体の効果は、反復投与、例えば2日間の投与、4日間の投与、または7日間の投与により上昇し、該投与をやめた後でも効果は維持され、数日間の連続的な投与は、1日のみの処置よりもよい。したがって、本発明の脂肪酸誘導体はまた、反復投与で神経障害性疼痛を処置することについて優位性を有する。さらに、本発明の脂肪酸誘導体は、疼痛に関連するクオリティオブライフを改善する。
本明細書で用いる「神経障害性疼痛」という語は、任意の神経障害性の疼痛および任意の原因による、または明らかな原因が見られない症状を含む。神経障害性疼痛の共通の原因としては、アルコール依存、切断(幻肢症候群を含む)、背中(例えば背下部)、四肢(例えば下肢)および臀部の問題、例えば変形性関節症、関節リウマチおよび骨粗鬆症などの関節炎、癌、化学療法(例えば抗がん剤誘発性)、糖尿病、顔面神経の問題、帯状疱疹(Herpes zoster)、HIV感染またはAIDS、多発性硬化症、帯状疱疹(shingles)、脊椎外科手術(例えば、脊髄損傷後)が挙げられるが、これらに限定されない。神経障害性疼痛の症状としては、刺痛、ヒリヒリ痛、キリキリ痛、痛覚過敏および異痛が挙げられるが、これらに限定されない。上述するように、神経障害性疼痛はしばしば明らかな原因が見られない場合がある。本発明はまた、MRI、CT、X線または他の検査により器質性変化が見られない神経傷害性疼痛を含む。
本明細書中で使用する「処置すること」または「処置」という語は、予防的および治療的な処置を含み、症状の予防、治療、軽減、症状の減弱化、進行の停止などの、あらゆる制御方法を含む。
本発明の医薬組成物は、本発明の目的に反しないかぎり、単一の有効成分または2種以上の有効成分の組み合わせを含んでよい。
複数の有効成分の組み合わせにおいて、それぞれの含有量は、その治療効果および安全性を考慮して適宜増減させてよい。
本明細書中で使用する「組み合わせ」という語は、2種以上の有効成分が、単一の実体または投与の形態で、同時に、または別の実体で、同時にもしくは具体的な時間的制限がなく連続的に、両方が患者に投与されることを意味し、ここで、かかる投与は、体内で、好ましくは同時に、2種の成分の治療上有効なレベルをもたらす。
本発明は、以下の実施例で詳細に記述されるが、これは、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例1
8週齢のオスのCD(SD)ラットを用いて、神経障害性疼痛モデルを準備した。ペントバルビタールナトリウムを用いてラットに麻酔し、背中の皮膚を正中線に沿って、L3からS1(胸椎から仙椎)まで切開した。骨突起に沿った筋層を椎骨上でL4からL6まで切開した。L4〜L6の椎骨の周囲の筋肉を骨のみでそり落とし、L4〜L6上の腹側の骨突起を、彫骨鉗子を用いて切除した。L4およびL5の腹側(椎弓)の左側を彫骨鉗子で切除した後、各神経根を露出した。L4およびL5の神経根を、解剖用マイクロピンセットを用いて椎骨から離した。各神経根を滅菌した絹糸(No. 5-0)で軽く繋いだ。筋層を滅菌ナイロン糸(No. 4-0)を用いて3〜5箇所縫合した。その後、背中の皮膚を滅菌ナイロン糸(No. 4-0)を用いて縫合した。該動物を、該手術を行ってから4日間、一般的な健康状態および体重について観察した。モデル調製のための外科手術の4日後、モデルの足底表面における該動物の痛覚閾値を、Dynamic Planter Aesthesiometer(37400, Ugo Basile)、すなわち、機械的圧刺激を用いて測定した。該圧刺激は、該動物が刺激から逃げるまで40秒間で徐々に0から30gに上昇させながら、足底表面に適用した。モデル足において、8.0gを超える痛覚閾値を示す動物を、試験から除外した。モデル動物に試験物質を、外科手術から5日後から7日間にわたって、1日2回静脈内投与した。痛覚閾値を、投与を開始する前、すなわち、モデル動物の調製のための外科手術の4日後、および投与開始から2、4、7および10日後に測定した。痛覚閾値の測定は、10日目の測定以外は、測定日の1回目の投与の30分後に行った。
化合物A ((-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸)を30μg/kgで、1日に2回、7日間静脈内投与することにより、ビヒクル対照群と比較して,モデル動物の足の痛覚閾値が、統計学的に有意に上昇した。
Figure 2016528165
実施例2
実施例1と同様に、化合物B ((E)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタ-2-エン酸)を1 mg/kg で、1日2回、7日間経口投与することにより、ビヒクル対照群と比較して、モデル動物の足の痛覚閾値が統計学的に有意に上昇した。
Figure 2016528165
上記の結果は、本発明の化合物Aおよび化合物Bが、神経障害性疼痛の処置に有用であること、ならびに本発明の化合物の効果が、反復投与により上昇することを示す。
実施例3
化合物Aおよび対応するプラシーボを、背下部および下肢の周辺に神経障害性疼痛を有する患者に、1日2回、14日間注射した。最初の3日間、化合物A 30μgを1日2回投与し(60μg/日)、その後の11日間は、化合物A 60μgを1日2回投与した(120μg/日)。
該患者の疼痛に関連するクオリティオブライフ(QOL)を、日本整形外科学会腰痛疾患質問票(JOABPEQ)を用いて評価した。患者は、化合物Aまたはプラシーボでの処置の開始前(処置前)、開始後8日目(8日目)および15日目(15日目)に、QOLを自己評価した。
JOABPEQの要素の1つである社会生活機能が、化合物A処置群では有意に改善しており、このことは、化合物Aが、疼痛により損なわれるQOLを改善することを示す。
Figure 2016528165
実施例4
化合物Aおよび対応するプラシーボを、背下部および下肢の周辺に神経障害性疼痛を有する患者に、1日2回、14日間注射した。最初の3日間は、化合物A 30μgを1日2回投与し(60μg/日)、次の11日間は、化合物A 60μgを1日2回投与した(120μg/日)。
痛みの強度を、VAS(Visual Analogue Scale)を用いて評価した。VASは、通常、長さ100 mmの水平に引いた線で、それぞれの端が、痛みはない、および、ひどい痛みがあるとして位置を示すものである。患者は自身が知覚する現在の状態を示していると感じる線上の位置に印をつける。VASスコアは、線の左端から、患者が印を付けた位置までの長さ(mm)を測定することにより決定する。VASスコアは、化合物Aまたはプラシーボでの処置を開始する前(処置前)および開始後15日目(15日目)に測定した。15日目におけるVASスコアの処置前のスコアに対する比率が25%を上回っている場合、疼痛は改善されたものとし、疼痛の改善を示した患者を、レスポンダーとした。
該レスポンダーの比率は、化合物A処置群において、プラシーボ処置群よりも有意に高く、このことは、化合物Aが疼痛を改善することを示す。
Figure 2016528165

Claims (9)

  1. 式(I):
    Figure 2016528165
    [式中、
    L、MおよびNは、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ(低級)アルキル、低級アルカノイルオキシまたはオキソであり、ここで、5員環は少なくとも1つの二重結合を有していてもよく;
    Aは、-CH3、または-CH2OH、-COCH2OH、-COOHまたはそれらの官能性誘導体であり;
    Bは、単結合、-CH2-CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-CH2-CH2-CH2-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-、-C≡C-CH2-または-CH2-C≡C-であり;
    Zは、
    Figure 2016528165
    または単結合であり、
    ここでR4およびR5は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、低級アルコキシまたはヒドロキシ(低級)アルキルであり、R4およびR5が同時にヒドロキシおよび低級アルコキシであることはなく;
    Z1およびZ2は、酸素、窒素または硫黄であり;
    R6およびR7は、置換されてよい低級アルキルであり、共に連結して低級アルキレンを形成してもよく;
    R1は、非置換であるか、またはハロゲン、低級アルキル、ヒドロキシ、オキソ、アリールまたは複素環基により置換された、二価の飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基であり、該脂肪族炭化水素中の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよく;
    Raは、非置換であるか、またはハロゲン、オキソ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイルオキシ、シクロ(低級)アルキル、シクロ(低級)アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、複素環基または複素環オキシ基によって置換された、飽和または不飽和の低級または中級の脂肪族炭化水素残基;低級アルコキシ;低級アルカノイルオキシ;シクロ(低級)アルキル;シクロ(低級)アルキルオキシ;アリール;アリールオキシ;複素環基;複素環オキシ基であり、該脂肪族炭化水素の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、窒素または硫黄により置換されてよい。]
    で表される脂肪酸誘導体の、哺乳類対象における神経障害性疼痛の処置のための医薬組成物の製造のための、使用。
  2. ZがC=Oである、請求項1記載の使用。
  3. Bが-CH2-CH2-である、請求項1または2記載の使用。
  4. Lがヒドロキシまたはオキソであり、
    Mが水素またはヒドロキシであり、
    Nが水素であり、
    Bが-CH2-CH2-であり、
    ZがC=Oである、
    請求項1〜3のいずれか記載の使用。
  5. Raが、1以上のハロゲン(例えば1または2のハロゲン)で置換されている飽和C4〜C7(例えばC5またはC6)脂肪族炭化水素残基である、請求項1〜4のいずれか記載の使用。
  6. R1が飽和または不飽和の、二価の直鎖または分枝鎖のC5-C9(例えばC6またはC7)脂肪族炭化水素残基である、請求項1〜5のいずれか記載の使用。
  7. 該脂肪酸誘導体が、(-)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタン酸、(E)-7-[(1R,2R)-2-(4,4-ジフルオロ-3-オキソオクチル)-5-オキソシクロペンチル]ヘプタ-2-エン酸、その異性体および官能性誘導体からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか記載の使用。
  8. 該医薬組成物が、対象に反復投与される、請求項1〜7のいずれか記載の使用。
  9. 該医薬組成物が、疼痛に関連するクオリティオブライフを改善させるためのものである、請求項1〜8のいずれか記載の使用。
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