JP2016526383A - 植物生育システム - Google Patents

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Abstract

植物の生育条件をモニタするシステム及び関連方法が提供される。システム及び方法は、複数個の検出器及び中央検出器データ処理手段を備え、各検出器は、植物生育基材の温度、含水量、及び養分量を示す複数の特性を測定するように構成され、各検出器はさらに、1つ若しくは複数の測定特性を通信回線で中央検出器データ処理手段に送信するように構成され、中央検出器データ処理手段は、植物生育基材の温度、含水量、pHレベル、及び/又は養分量に関する複数の値と複数の所望の灌漑出力値との間の関係を規定する所定の灌漑データを保存し、各検出器から受信した測定特性を処理して基板の算出特性を決定し、検出器から受信した算出特性と所定の灌漑データに基づいて、生育基材に関する所望の灌漑出力値を示す出力を提供するように構成される。システムには、検出器に関する構成データの通信を行う検出器通信用携帯デバイスが含まれてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は人工の基材を含む水耕生育システムにおける植物の生育に関する。詳細には、本発明は、限定はしないが、植物の生育条件をモニタするシステム及び方法に関し、さらに詳細には、植物の生育に使用されるミネラルウールの基材における植物生育条件に関する。
無機養分溶液を使用し土壌を使用せずに植物を生育することを目的とした水耕生育システム(つまり無土壌栽培)は公知である。水耕生育システムでは、例えばミネラルウール、グラスウール、ココピート(コイア)、又は泥炭スラブ等の様々な種類の基材で植物を生育することができる。
植物をミネラルウールの生育基材で生育することができることが公知である。そのような生育基材は、典型的には、ともに用いられる(coherent)プラグ、ブロック、スラブ(マット/ブランケット)として提供され、製品に構造的な一体性を与えるために、通常はバインダ(通常、有機バインダ)を含む。
典型的には、植物の生育過程は、2つの段階で管理される。「繁殖者」により管理され、植物が種子から生長する第1段階、及び「栽培者」により管理され、植物が養われ収穫が得られる第2段階である。例えば、トマトの木の場合には、繁殖者は、個々のトマトの種子を25〜30mmのオーダの厚さ及びおよそ20〜30mmの半径を有する円柱形のプラグに植え付けることができる。種子が発芽した後は、繁殖者は、プラグを直方体のブロック内に位置させ、根系及び植物をさらに生長させる。ブロック内の個々の植物は、続いて繁殖者から栽培者へと移すことができる段階まで養育される。
しばしば各ブロックには1つだけ植物が植えられるが、1つのブロックに複数の植物を植えることが可能である。いくつかの例では、ブロック内の1つの植物が生長の初期段階で茎を裂くことにより2つに分けられ、1つの根系を共有する2つの植物となる。他の代替例では、複数の植物が接木され、1つのブロック内で生育される。
繁殖者が、別個のプラグ及びブロックを用いることはすべての植物については重要ではないが、例えば、欧州特許出願公開第2111746号公報には、多数の好都合な点があるものとして説明されている。特に、プラグのサイズが小さいと、基材を飽和させることなく、初期段階の植物により定期的な水やりをすることができる。
繁殖者からブロックを受取った後、栽培者は、複数のブロックを単一のミネラルウールのスラブ上に位置させて植物生育システムを形成する。ミネラルウールのスラブは、典型的には、植物とともにブロックを受容するための上面の複数の孔及び底面の排液孔を除いて、フォイル又はその他の液不浸透性層で包まれている。
その後植物が生長する間、水及び養分は、水及び養分を含む液体をシステムに供給するドリッパを用いて、ブロックに直接的に或いはスラブに供給される。ブロック及びスラブ内の水及び養分は、植物の根に吸上げられ、植物はそれにしたがって生長する。植物により吸上げられない水及び養分は、基材システム内に留まるか、或いは排液孔を通って排出される。
生育過程で水分及び養分を可能な限り効率的に用いるという要望がある。これは、コスト面及び環境面の両方の理由のためである。特に、養分は入手が高価であり、そのような養分を含んだ排水は、環境法制のために廃棄するのが困難である。これらの圧力は、原材料(特に、リン酸塩等の肥料)が次第に乏しくなるにつれて増加していくであろう。そのような無駄を避ける要望は、植物生育条件を改善する要望と合致し、したがって、そのようにして植物から得られる果実の産出量及び品質を上げるという要望と合致する。
この観点から、ミネラルウールを用いることそれ自身は、従来の土壌に基づく生育方法と比較して大きな利益をもたらすが、これらの特性をさらに改善するという要求は引続いてある。特に、植物生育過程において、生産をより多くし、かつ消費を少なくするという相反する要望がある。すなわち、植物からの産出量がより多くなり、同時に、用いられる水分及び/又は養分の量を減少させることが要望されている。実際には、現存する生育方法及び/又は基材では、これらの側面の両方に制限が課されている。
この観点で、植物生育システムの重要な性質には、植物生育システムの保水、再飽和、及び水分/養分分布が含まれる。保水は、システムが保持することができる水分の量を反映し、水分分布は、スラブ内に存在する水分及び養分の位置を反映する。再飽和は、新たに加えられた溶液が、現存する溶液に置き換わったり、こぼれたりしないで基材の水分及び養分レベルに加わる傾向を指す。
保水、水分分布及び再飽和に影響を及ぼすとして特に考慮されることには、水分を下方に押しやり、したがって排液孔に向かわせる傾向のある重力の影響、及び水分を上方に吸上げることができる毛管効果が含まれる。実際には、スラブは、通常、わずかな傾斜面におかれ、排液孔が底面のうち最も低い端部に位置し、重力が水分を排液孔に確実に押しやる助けとなる。重力の効果及び毛管効果に加えて、水分がドリッパから排液孔にスラブを通過するのを妨げる効果を持つ媒質の流れ抵抗を考慮するべきである。全体として、根と植物の発達が最適化されるならば、根が生長している基材領域において最適条件が達成されることが保証されることが必要である。
想定されるように、基材内で最適に準ずる保水が行われると、水分の不足又は過剰が生じうる。不足の場合には、これより水分が失われ、したがって排液孔を通って排出される。スラブ内の水分が植物の根に達することが必要であるため、水分分布も重要である。例えば、植物が最近スラブ上に置かれた場合、根は、スラブの上部領域内へとゆっくりと伸びているであろう。もし、水分が根に到達しないならば、生長速度に低下を生じさせ、したがって生産に損失を生じさせるであろう。特に、スラブの上部領域内の植物の根に十分に水が供給されることを保証するためには、栽培者は、根の周囲で十分な水を保持するために過剰な水をスラブに供給することが必要であり、排液孔を通してより多くの損失を生じさせ、余分の費用を生じさせるかもしれない。過剰な水分レベルは、一方で菌類の生長のリスクを増加させ、他方で植物に害となりうる酸素の欠乏も生じさせうる。
植物生長における重要な要素は、養分の保持及び分布である。養分は、通常、水とともに導入されるが、養分は、スラブにより必ずしも同じようには分配され保持されない。養分は、通常、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の元素を含んだ溶解した塩を含む。養分は、水分に溶解され、養分のスラブを通過する動きは、移流、分散及び拡散等の過程により影響を受ける。移流は、スラブを通過する水分流とともに養分が移動することである。分散は、スラブ内の複雑な多孔構造を養分が通過するにつれて養分の混合が生じることである。拡散は、スラブ内での粒子のランダムな動きと、それが有する濃度勾配を減少させる統計的な傾向に関連している。
水それ自身と同様に、養分が植物の根に到達することは重要である。養分が十分に分配されないならば、若しくはスラブから失われるならば、植物が必要とする養分を受取るために、スラブ全体に過剰の養分が必要とされる。これは、もちろん、養分の無駄である。
人工基材における植物生長で役にたつ他の検討事項は、養分更新効率(nutrient refreshment efficiency)(すなわち、養分を更新するための灌漑効率)である。これは、新たな養分溶液を導入した際にスラブ内に現存する養分が流出されるかに関連している。いくつかの状況では、生育過程でスラブ内の養分濃度を変化させることが望ましいかもしれない。これを行う能力は、スラブ全体にわたってか若しくは少なくとも根の生長が行われるスラブの領域において、現存する養分が、効率的に置換えられることが可能かどうかに依存する。さらに、いくつかの例では、養分が置換えられない場合に、養分の増加が、脱水を引起しうるか或いは少なくとも植物の生長にとって非理想的なレベルに達しうる。
これを検討すると、植物に供給される水分及び養分の量は、植物の成長について重要な役割を果たしていることが認められる。これの選択は、通常、日照時間又は温度等の外的因子を分析し、システムに生じ得る振る舞い(蒸発に関して等)を推測することによりなされる。
植物生育基材内で含水量及び/又は養分量を測定することは公知である。例えば、国際特許出願公開第2010/031773号は、電気容量の測定をすることにより、ミネラルウール基材の含水量を決定する含水量測定装置を記載している。同様に、国際特許公開第03/005807号は、植物生育基材内における水分中の酸素レベルを測定するためのプロセスについて述べている。しかしながら、そのような技術は栽培者にとって有用な情報を提供しうるものの、それらの技術それ自身によっては、スラブ中における水分、養分及び酸素の量及び分布の改善は保証されない。さらに、このようなシステムを導入するには、ユーザーが比較的高い費用をかけて多くの高価な構成部品を設置しなければならない場合が多く、また、複数の領域や生育システムを測定する費用を削減するためにこれらのシステムを再配置するには多大な時間と労力が必要とされる。
米国特許出願第4015366には、農産物生産領域に配置されたセンサーが備えられた有線検出システム及び流体送達システムが記載されている。これらのセンサーは、農産物生産領域の土壌中の硝酸基、リン酸基、又はカリウムのレベルを測定して、土壌中のこれらの成分のうちの1つ若しくは複数の成分のレベルが十分であるかどうかを判定する。センサーの測定値に基づいて、養分分配循環が作動されてもよい。米国特許出願第2007/082600には、センサーとプローブを備え、気象及び/又は土壌のパラメータの測定と表示に使用される携帯用デバイスが記載されている。このようなシステムやデバイスは、農業用土壌の組成に関する有益な情報を提供することができると共に、土壌の灌漑の自動化に役立つものの、ミネラルウール基材などの水耕生育システムでの水分及び水分/養分分配を効果的に管理するための解決法を提供してはいない。
水耕生育システムで植物を生育している間、ユーザーが植物の灌漑を管理することができるシステムには、依然として改良が必要とされている。水が体積に制限のない基材のあらゆる方向へ広がることができる土壌や土壌での輸送とは違い、水耕システムでは多くの場合、基材の体積が固定されている。現存する技術ではしばしば、水及び/若しくは養分の不足並びに/又は与えすぎが生じる、というのは、現存する技術では、生育条件を適切かつ柔軟にモニタし制御することができず、また、十分に正確かつ調整可能な応答戦略を提供することができず、また、現存のシステムを再構成するには多大な労力が必要となり、システムの個々の要素をそれぞれ個別に再構成するのに伴う工程が多くなるせいでエラーが引き起こされるおそれがあるからである。
このような従来技術の欠点を解消するため、本発明は、植物生育条件を制御するシステムであって、
少なくとも1つの検出器と、
中央検出器データ処理手段と
を備え、
前記少なくとも1つの検出器が、植物生育基材の温度、含水量、及び養分量を示す1つ若しくは複数の特性を測定するように構成され、
前記少なくとも1つの検出器がさらに、検出器識別子及び前記1つ若しくは複数の測定特性を通信回線で前記中央検出器データ処理手段に送信するよう構成され、
前記中央検出器データ処理手段が、
前記基材の温度、pHレベル、含水量及び/又は養分量のうちの1つ若しくは複数に関する複数の値と、複数の所望の灌漑出力値との関係を規定する所定の灌漑データをメモリに保持し、
各検出器から受信した前記測定特性を処理して前記基材の算出(可算)特性を算出決定し、
前記少なくとも1つの検出器から受信した算出(可算)特性と前記所定の灌漑データに基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力値を示す出力を提供する
ように構成されるシステムを提供する。
測定特性を中央処理手段に送信して変換し、基材に関する所望の灌漑入力を示す出力の生成に使用することで、より柔軟かつより正確な生育条件の制御が可能となり、この制御は、新しいデータに応じて、又はシステムで使用される植物若しくは基材若しくは他の材料に対する環境要因や環境変化などのその他の影響要因に応じて、容易かつ統括的に再構成することができる。本システムでは、1つ若しくは複数の検出器が使用されてもよく、好ましい実施形態では、3〜5つの検出器が備えられてもよい。後でより詳細に説明する通り、本システムの有利な点は、モニタ領域に無線配置されてもよいという点である。
したがって、本発明では、例えば温度(つまり根温)、含水量、及び養分量を示す特性を使用し、基材中の流体の電気伝導度を決定して、個々の要素のレベルではなく、人工の基材中の養分量を正確に決定する。
したがって、現存のシステムとは違い、本発明は、水耕システムの無土壌栽培に特有な水の浪費問題に対する解決策を提供する。上述のように、水が体積に制限のない基材のあらゆる方向へ広がることができる土壌や土壌での輸送とは違い、水耕システムでは一般的に、基材の体積が固定されている。水耕システムの固定水分体積は、典型的には1平方メートルあたり約1〜30リットル、最も一般的には1平方メートルあたり4〜15リットルである。植物1株あたりの固定水分体積は、典型的には1.5〜10リットルである。また、土壌の植物の根面積に比べ、水耕システムの固定水分体積はかなり小さい。
水耕システムの無土壌基材は、土壌、溝、移動テーブル等の上に設置されてもよい。水量が比較的少なくて済みまた土壌なしで成長するため、栽培者は余分な水を集めて消毒し、これを再利用して新しい養分溶液に加えることができる。排水量は比較的少ない(例えば、夏日では1ヘクタールにつき20〜60m)。(消毒目的のために例えば専用のポンプを使用する)現存の消毒システムでは、集められた排水は通常24時間以内に消毒され、翌日の使用に備えることができる。
人工の基材では、例えば、水の吸上げの際に植物により加えられる吸上げ圧力は、一般的にはpF0〜2の範囲内であり、最も一般的にはpF0〜1.5の範囲内である。植物の水の吸上げはこの範囲に限定はされないが、この範囲内での違いにより、植物内の乾燥物質の分布の違いを決定することができる。これに対し、農業用土壌では、pF範囲は通常pF2〜pF4.2(植物により加えられる吸上げ圧力は100〜16000atm)である。この範囲で、乾燥重量の分布に及ぼす影響ではなく、植物に対する水の有用性について論じる。
前記水耕システムは、前記システムの検出器から受信した測定特性を処理して前記基材の算出(可算)特性を算出決定し、前記算出(可算)特性をユーザーに表示するように構成される検出器通信用携帯デバイスをさらに備えてもよい。前記システムに検出器通信用携帯デバイスをさらに含めることにより、実行されるシステムの構成部品を個々に確認及びテストすることが可能となり、また、ユーザーが検出器を生育領域外に置くことが可能となり、システムの構成や性能を確認又は更新するために中央コンピューター又は処理装置まで戻ることなく出力を確認することができるため、システムのセットアップを容易に行うことができる。
前記検出器通信用携帯デバイスはさらに、前記システムの検出器から検出器データを受信し、前記検出器データを前記中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。これによりユーザーは、生育領域内の検出器の出力又は状況に関連する検出器データを確認することができ、さらに前記受信したデータを前記中央検出器データ処理手段に転送して後の分析のためにそのデータを保存するか、前記システムの構成部品の設置又は構成の補正若しくは更新後に、前記システムに対して入力又は構成データの更新を行うことができる。
前記中央検出器データ処理手段はさらに、各検出器から受信した前記測定特性を処理して各検出器に関連した基材の養分量を算出し、前記基材の前記算出養分量に基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力を提供するように構成されてもよい。通常は検出された輻射量や検出された水分レベルなどの他の入力が使用されるため、養分量に基づいて灌漑入力を操作することは知られていない。灌漑の操作に養分レベルを使用するのは、含水量レベルが養分レベルに有害な影響を及ぼす場合は、含水量レベルが特定のレベルで維持されるべきではない場合が少なくともあるという認識を示している。例えば、周到な取り組みにより基材中の含水量を減少させると、養分レベルが上昇する危険性がある。したがって、含水量レベルの制御を実施する際には、養分レベルを無視することは不適切であると考えられる。好ましい実施形態では、養分量を示す特性は生育基材中の流体の電気伝導度である。
前記検出器通信用携帯デバイスはさらに、前記システムの検出器から検出器識別子を受信し、前記検出器に関する検出器データを受信し、前記検出器識別子及び前記検出器データを前記中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。これにより、前記中央検出器データ処理手段が設置されている場所にいなくとも、前記中央処理手段への前記検出器データの入力を自由自在に行うことができるため、生育領域での構成をより効果的に行うことができる。
前記検出器通信用携帯デバイスはさらに、ユーザーの入力によりユーザー定義の検出器データを受信し、前記ユーザー定義の検出器データを前記検出器識別子に関連付け、前記検出器識別子と前記ユーザー定義の検出器データとを前記中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。ユーザーデータを入力することで、ユーザーが検出器に関するデータを定義することができ、また、そのデータを遠隔地の中央検出器データ処理手段に送信することができるため、生育領域での構成をより効果的に行うことができる。
前記検出器識別子に関連付けられたデータは、前記検出器の位置データ、前記検出器の電源状況、及び前記検出器と前記中央検出器データ処理手段間の通信回線状況、前記検出器によって測定された前記生育基材の種類及び/若しくは寸法を示す情報、並びに/又は前記検出器によって測定された前記生育基材の1つ若しくは複数の特性のうちのいずれか又は全てを含んでもよい。上記のデータのいくつか又は全ては検出器によって送信されてもよいし、ユーザーによって検出器通信用携帯デバイスに入力されてもよい。
前記検出器通信用携帯デバイスはさらに、前記検出器から測定された特性を受信し、前記測定特性を前記検出器の検出器識別子に関連付け、前記検出器識別子と前記関連付けた測定特性とを前記システムの前記中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。これにより、ユーザーは生育領域内の検出器の出力を確認することができ、さらにその出力を中央処理手段に転送して後の分析のためにそのデータを保存するか、前記システムの構成部品の設置又は構成の補正若しくは更新後に、システムに入力又は構成データの更新を行うことができる。
検出器通信用携帯デバイスは、前記デバイス又は検出器の位置データを決定するための位置決定手段をさらに備えてもよく、またさらに、前記検出器の識別子と決定した位置データとを関連付けて、前記検出器識別子と前記関連付けた位置データとを前記システムの前記中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。これにより、前記中央検出器データ処理手段にまで戻ることなく、前記システムの1つ若しくは複数の検出器の位置を前記中央検出器データ処理手段に送ることができる。
本発明はさらに、植物の生育条件を制御する方法を提供し、前記方法は、本発明に係るシステムを提供すること、及び、前記システムの中央検出器データ処理手段によって提供された前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力に基づいて、植物生育基材に対する灌漑入力を制御することを含む。
前記方法は、検出器構成データを前記システムの検出器通信用携帯デバイスに入力すること、及び前記検出器通信用携帯デバイスによって前記検出器構成情報を前記中央検出器データ処理手段に送信することをさらに含む。
また、本発明に係るシステムで使用される検出器通信用携帯デバイスが提供され、前記デバイスは、前記システムの検出器から受信した測定特性を処理して前記基材の算出(可算)特性を算出決定し、前記算出(可算)特性をユーザーに表示するように構成される。これにより、さらに、ユーザーが生育領域にいなくても、あたかも中央検出器処理手段で行われているように検出器の出力を処理することがでるため、構成を確認することができ、出力を前記検出器通信用携帯デバイスに保存される別の因子の変換モデルと必要に応じて比較することが可能である。
本発明はさらにコンピュータープログラム製品を提供し、前記コンピュータープログラム製品は、電子通信機器のメモリに読み込み可能であり、また、前記電子通信機器により実行されると、前記電子通信機器を請求項に記載の検出器通信用携帯デバイスとして構成する命令を含む。
本発明に係るシステム用の検出器がさらに提供され、前記検出器は
植物生育基材の温度、含水量、及び養分量のうちの少なくとも1つを示す特性を測定し、
前記1つ若しくは複数の測定特性を通信回線によって前記中央検出器データ処理手段に送信して、植物生育基材の温度値、含水量値、及び養分量値に変換する
ように構成される。
前記検出器はさらに、検出器識別子及び/又は植物生育基材の温度、含水量、及び養分量のうちの少なくとも1つを示す測定特性と、電力レベル状況と、通信回線状況とのうちの1つ若しくは複数を前記検出器通信用携帯デバイスに送信するように構成されてもよい。これらの工程は検出器通信用携帯デバイスからの呼びかけ信号に応じて実行されてもよい。
本発明のシステム用の中央検出器データ処理手段が提供されてもよく、前記中央検出器データ処理手段は、
前記1つ若しくは複数の検出器から通信回線によって1つ若しくは複数の測定特性を受信し、
前記植物生育基材の温度、含水量、及び養分量に関する複数の値と、複数の所望の灌漑出力値との関係を定義する所定の灌漑データを保存し、
各検出器からの前記測定特性を処理して前記基材の算出(可算)特性を算出決定し、
前記1つ若しくは複数の検出器から受信した測定特性と前記所定の灌漑データに基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力を提供する
ように構成されてもよい。
前記中央検出器データ処理手段はさらに、前記システムの1つ若しくは複数の検出器に関連した検出器情報を検出器通信用携帯デバイスから受信し、前記構成情報をデータ記憶手段に保存するように構成されてもよい。
本システムの検出器によってモニタされるいくつかの因子は単独または養分レベルとの組み合わせによって影響力を持つものであってもよく、これらの因子は規模の大きい植物生育システムの全域にわたって変化してもよい。本発明のシステムによって、ユーザーは低コストでシステムを実行することができ、また、温室又は他の生育領域の様々な領域に装置すなわち検出器を迅速かつ容易に再配置することができるため、それぞれの領域ごとに新しい装置を購入する必要なしに、複数の領域の状況を迅速かつ容易にモニタすることができる。
したがって、本発明は、スラブ内の養分レベルを、厳密にかつ確実にモニタし、このレベルに基づいて加えられる水を制御するべく用いることができるフィードバックシステムを提供することができる。1つ若しくは複数の基材内の養分レベルが直接モニタされる。例えば、基材から排出された水分を測定すること等の技術によって間接的に行われるのではなく、基材内の測定値を取得することにより行われる。これは、所定の水分及び/又は養分の供給に対して最大限の成果をもたらすべく、各植物の環境を制御することができるシステムを提供する。
従来のシステムにおけるように、入射放射レベルに頼るのではなく、本発明は、灌漑のための意思決定における重要な設定点として、基材内の養分レベル及び/又は温度を用いている(基材内の含水量及び/又はpHレベルも用いてよい)。従来の場合には、入射光を増加させると自動的により多くの灌漑が行われた。対照的に、本発明により、光量に基づくのではなく、或いは少なくとも光量のみ基づくのではなく、基材の直接測定に基づいて、灌漑をおこなうかどうかについての決定が可能となる。
他の基材を用いてもよいが、基材は、好ましくはMMVFの基材である。好ましい実施形態では、各基材は、スラブ及び1つのブロックを(好ましくは、MMVFのスラブ及び1つのMMVFのブロックを)含む。すなわち、植物が植えられた1つのそしてただ1つのブロックが各スラブに設けられ、このことは、植物が複数のブロックに植えられそれらのブロックがスラブからの資源を奪い合うシステムよりも、各スラブ内の含水量及び/又は養分量の制御がはるかにより正確に管理されうることを意味している。単一のブロックを用いると、関連のある養分レベルをより正確に測定することができ、かつそのためにこれらの特性に応じて加えられる水分及び養分をより正確に制御できることができるフィードバックシステムが可能となることが認められる。
好ましくは、前記1つ若しくは複数の検出器は、さらに、前記植物生育基材の少なくとも1つの含水量レベルをモニタするように構成され、前記少なくとも1つの灌漑装置による水分の供給は、モニタされた前記含水量レベルに応じて制御される。このようにして、基材内で実際に観察される養分レベル及び含水量レベルの両方に基づいて、水分の供給が正確に制御される。
少なくとも1つの灌漑装置による水分の供給の制御に加えて、制御手段は、少なくとも1つの灌漑装置による養分の供給も制御しうる。そのような制御は、測定された含水量及び/又は養分レベルに応じて行われうる。制御器が灌漑度や周期を制御する際に、温度を考慮に入れてもよい。
好ましい実施形態では、前記1つ若しくは複数の検出器は、さらに、前記植物生育基材の少なくとも1つの中の水分及び養分の少なくとも一方の分布をモニタするように構成されている。好ましくは、水分及び/又は養分の供給は、モニタされた水分、養分及び/又は酸素の分布の一様性が増すように、制御される。したがって、そのような物質の量が分かるだけでなく、どのようにそれらが、所定のシステムのブロック及び/又はスラブの中に及び/又は間に分布しているかについての情報が分かる。これにより、適当な水分及び養分が供給されていることを保証するために用いることができる詳細がさらに追加される。
水分及び/又は養分の分布が改善されることの利点は、植物が植えられたブロックが新たにスラブ上に置かれる初期段階では特に重要である。この時点で、スラブ内で十分に根が張られることが保証されるように、第1の層が十分な水分及び養分を含むことは重要である。これにより、最適かつ健康な根の生長が保証されるための有益な根発達が可能となる。本発明のスラブにより、十分な水分及び養分が供給されることが可能となるだけではなく、根の近傍で水分及び養分のレベルが厳密に制御されることが可能となることは有益である。これは、果実及び/又は野菜の生長を減少させうる植物への供給過多を避けるうえで助けとなる。
本発明の人造ガラス質繊維(MMVF)は、ガラス繊維、ミネラルウール又は耐火セラミック繊維であってよい。好ましい実施形態では、MMVFは、ストーンウールなどの鉱物繊維である。
1つ若しくは複数の検出器が、1つのスラブ又は基材に適用されてもよい。さらに、1つ若しくは複数の検出器が、いくつかのスラブ又は基材にわたって分配されてもよい。前記システムは1つの検出器又はセンサーで有効とすることもできる。
前記1つ若しくは複数の検出器は、前記基材に対して固定されていてよい。すなわち、前記1つ若しくは複数の検出器は、恒常的に所定位置にあってよく、そのため、水分又は養分レベルがモニタされるたびに再取付けを行う必要がない。1つのブロックが各スラブに置かれている状況では、制御システムに対してこの恒常性を確立することができることが理解できる。特に、植物及び/又は養分の自動制御を、システム内の各植物に理想的なレベルを与えるように用いることができる。
養分レベルは、基材内の全養分の全体的なレベル、幾つかの特定の養分のレベル、又は1つの養分のレベルを反映していてよい。本発明は、この点で、いずれか1つを実行することに限定されない。
前記1つ若しくは複数の検出器は、前記植物生育基材の少なくとも1つの含水量及び/又は養分量を定期的にモニタするように構成されていてよい。例えば、これらのレベルが、一定の間隔でモニタされてよい。代わりに、前記1つ若しくは複数の検出器は、水分量及び/又は養分量を連続的に測定するように構成されていてよい。
前記1つ若しくは複数の検出器は、前記植物生育基材の少なくとも1つの含水量及び養分量の両方をモニタするように構成されていることが好ましい。
いくつかの好ましい実施形態では、前記1つ若しくは複数の検出器は、さらに、前記植物生育基材の少なくとも1つの温度をモニタするように構成され、前記少なくとも1つの灌漑装置による水分及び/又は養分の供給は、さらに、モニタされた前記温度に応じて前記制御手段により制御される。
前記1つ若しくは複数の検出器は、少なくとも1つの植物生育基材の中の又は少なくとも1つの植物生育基材から排出された液体の電気伝導度から養分量を決定するように構成されていることが好ましい。電気伝導度により、液体中の塩(すなわちイオン)の数量が正確に示される。電気伝導度は、養分レベルの良い指標となる。
本発明の前記システムは、どのような植物生育システムでも使用することができ、また、天然材料又は人工材料で構成される基材、温室など管理された環境、ビニールトンネル内、又は外部環境に組み入れられる基材など、基本的にどのような植物生育基材でも実行することができる。本発明によってもたらされる利益は、本明細書に記載の生育条件がモニタされる用途であれば、基本的にどの農業又は園芸用途でも実現できる。
いくつかの好ましい実施形態では、システムは、スラブである基材で実現でき、3から20リットルの範囲の体積(容積)を有する。好ましくは、スラブは、5から15リットルの体積(容積)を有し、より好ましくは、5から11リットルの体積(容積)を有し、特に好ましい実施形態では、スラブは、6から8リットルの体積(容積)を有する。このような比較的小さな体積により、望ましい根の生長を妨げるほど小さくはせずに、水分及び養分レベルの厳密な制御が可能となる。
スラブのこのサイズによっても、従来の比較的大きなスラブと比較して、水分及び養分レベルのより効果的な制御が可能となる。通常、上面で植物が植えられた複数のブロックを受容するように設計された以前のスラブと異なり、本発明のスラブは、好ましい実施形態において、植物が植えられた1つのブロックと共に用いるために構成されている。このようにして、個々の植物に供給される、或いは個々のブロックの複数の植物に供給される水分及び養分を厳密に制御することができる。これにより、特に、栄養生長戦略と比べてより産出量が大きく無駄が少ない生殖生長戦略について、植物に与えられる水分及び養分のレベルを最適化することができる。
いくつかの好ましい実施形態において、各植物生育基材は、MMVFのブロック内に配置された単一のMMVFのプラグをさらに含む。このプラグは、植物がブロックと関わる前に、種子から生育するために用いることができる。
好ましくは、前記MMVFのスラブが、MMVFの第1の層と、前記第1の層と界面で接触するMMVFの第2の層とを含み、前記第1の層は、前記第2の層よりも大きな密度を有する。別個の密度を与えることにより、基材内の水分及び養分の分布について制御が強化されることが見いだされた。好ましい実施形態において、MMVFの前記第1の層は、40から90kg/mの範囲の密度を有し、MMVFの前記第2の層は、35から85kgの範囲の密度を有する。より好ましくは、前記第1の層の密度は、50から80kg/mであり、及び/又は、前記第2の層の密度は、45から75kg/mである。特に好ましい実施形態では、前記第1の層の密度は、70kg/mであり、前記第2の層の密度は、50kg/mである。これらの密度は、水分及び養分の保持を含む、植物生育のために良好な特性を与えることが見出された。
第2の層の密度は、第1の層の密度より小さくてよい。好ましくは、第2の層の密度は、第1の層の密度より少なくとも5kg/m小さく、より好ましくは、少なくとも10kg/m小さく、最も好ましくは、およそ20kg/m小さい。これらの層の密度の差異は、水分及び養分がスラブにわたって適切に分配されることが保証される助けとなり、特に、第2の層で水分及び/又は養分の割合が過剰となるのを避ける助けとなりうる。
いくつかの好ましい実施形態において、基材は、親水性のバインダ物質系(バインダシステム)(binding system)を含み、及び/又は、ホルムアルデヒドを含まないバインダから選択された有機バインダを含むバインダ物質系を含む。バインダ物質系は、バインダ及び湿潤剤を含んでよく、又はバインダのみを含んでよい。バインダ物質系が親水性であることにより、スラブの保水特性を、非親水性又は疎水性であるバインダ物質系に対して、改善することができる。
好ましくは、バインダには、ポリカルボン酸成分と、ポリオール及び/又はアミン成分との反応生成物が、好ましくは糖成分及び/又はフェノールと混合されて含まれている。より好ましくは、バインダは、ポリカルボン酸又はその無水物、アミン(好ましくはアルカノールアミン)及び糖(好ましくは還元糖)の反応生成物である。これらのバインダは、MMVFのスラブにおいて、特に好ましい特性を示すことが見出された。
MMVFのブロックは、第1の層と接触させて設けられることが好ましい。さらに、使用時において、第1の層は、第2の層の上方にあることが好ましい。さらに、水分及び養分は、ブロックに又は第1の層に与えられることが好ましい。このようにして、水分及び養分は、第1のより密度の高い層で受取られうる。これは、良好な保水特性及び水分布特性をもたらすことが見出された。
好ましい実施形態において、第1の層の厚さは、第2の層の厚さよりも小さい。好ましい実施形態において、第1の層の厚さの第2の層の厚さに対する比は、1:(1−3)の範囲に、好ましくは1:(1.2−2.5)の範囲に、より好ましくは1:(1.2−1.8)の範囲にある。例えば、第1の層の厚さは、第2の層の厚さの半分以上であってよい。第1の層及び第2の層の厚さが好ましい相対厚さにあると、基材のいたるところで水分及び養分保持の厳密な制御が行われることが見出された。
好ましい実施形態において、ブロックは、50mlから5000mlの範囲の体積(容積)を持ち、及び/又は、各ブロックは、30kg/mから150kg/mの範囲の密度を有する。これらのサイズ及び密度は、植物生育システムで用いられる際に効果的であることが見出された。
好ましい実施形態において、第1の層の厚さは、第2の層の厚さよりも小さい。好ましくは、第1の層の厚さは、第2の層の厚さの少なくとも半分である。これらの割合は、スラブ内での水分及び養分の好ましい分布を維持する助けとなることが見出された。
好ましい実施形態において、第1及び第2の層の繊維の主たる向きは、水平である。この文脈において、水平は、第1及び第2の層の間の層間接触に平行であることを意味している。他の好ましい実施形態において、第1及び第2の層の一方又は両方の繊維の主たる向きは、垂直である(すなわち、層間接触に対して直交している)。例えば、特に好ましい実施形態において、第1の層の繊維の主たる向きは、垂直であり、第2の層の繊維の主たる向きは、水平である。代わりの実施形態において、第1の層の繊維の主たる向きは、水平であってよく、第2の層の繊維の主たる向きは、垂直である。繊維の向きは、スラブを通過する液体の流れ速度に影響しうる。例えば、水平な繊維向きは、スラブを通過する液体の流れ速度を減少させ、結果として、こぼれる液体の量に有益な効果を持ちうる。
本発明の好ましい実施形態を、添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による植物生育のためのスラブを示す。 図2は、図1のスラブと共にブロックを含む植物生育システムを示す。 図3は、図2のブロックをプラグ及び植物と共に示す。 図4は、図2の植物生育システムの隣に置かれた灌漑装置を示す。 図5は、図2の植物生育システム上の水分及び養分検出器の位置を示す。 図6は、図2の植物生育システムを複数含む植物生育制御システムを概略的に示す。 図7Aは、第1の例による植物生育システムを示す。 図7Bは、第2の例による植物生育システムを示す。 長期研究の過程で測定された第1及び第2の例の植物生育基材における含水量レベルを示す。 長期研究の過程におけるスラブ内のECレベルの連続変化を示す。 長期研究の過程における植物の葉の長さを示す。 本発明の要素を備えるシステムを示す。
図1を参照して、第1の密度を有する第1の層が第2の密度を有する第2の層の上に配置されたミネラルウールのスラブ1を示す。スラブ1は、6.8リットルの体積(容積)を持つが、より一般的には、好ましい実施形態において、体積(容積)は、3リットルから20リットルの範囲にあればよく、より好ましくは、5リットルから15リットルの範囲にあればよく、最も好ましくは、5リットルから11リットルの範囲にあればよい。ある実施形態では、6リットルから8リットルの範囲の体積(容積)を備えたスラブを含む。他の実施形態では、体積(容積)は、例えば、3リットルから15リットルの範囲にあればよく、或いは3リットルから10リットルの範囲にあればよい。他の好ましい実施形態では、9リットルの体積(容積)を有するスラブを含む。このスラブは底層と頂層を含む多層構造であり、これらの層の育成条件は互いに関連して変化しうる。
図1に示す実施形態においてそうであるように、下層の高さが上層の高さよりも大きいことは好ましい。例えば、上層及び下層の高さの比は、1:(1−3)であればよく、又は1:(1.2−2.5)であれば好ましい。より好ましくは、この比は、1:(1.2−1.8)である。
好ましい実施形態のスラブにおいて、異なる2つの密度を用いること及びスラブの相対的なサイズが小さいことにより、水分及び養分の保持が助けられ、水及び水分がスラブの至る所で実質的に一様に分配されることが見いだされた。
次に、図2を参照して、ブロック2が上面に位置したスラブ1を示す。スラブ1は、さらに、ミネラルウールの周囲に2つの開口部を備えた液不透過性のカバーを有する。まず、スラブ1のミネラルウール及びブロック2の間で接触することが可能となるように、上面に開口部がある。また、排液孔3として働く開口部が下面にある。
ブロック2及びスラブ1は、同一の又は同様の素材で形成されていることが好ましい。したがって、スラブ1の素材に関する以下の説明を、ブロック2に同じように当てはめてよい。特に、ブロック2は、以下で説明するストーンウール、バインダ及び/又は湿潤剤を含んでよい。
ブロックの寸法は、生育する植物に応じて選択することができる。例えば、辛子又はキュウリの木にとってブロックの好ましい長さ及び幅は、10cmである。トマトの木では、長さが、15cmに(20cmまでも)増やされる。ブロックの高さは、好ましくは、7cmから12cmの範囲であり、より好ましくは、8cmから10cmの範囲である。
したがって、辛子及びキュウリにとって好ましい寸法は、10cm×10cm×7cmから10cm×10cm×12cmの範囲であり、より好ましくは、10cm×10cm×8cmから10cm×10cm×10cmの範囲である。
図3に、図2で示したようなブロック2内に配置されたプラグ4内で適切な位置を取る植物5を示す。ブロック2と同様に、プラグ4は、以下でスラブ1に関連して説明するように、通常、バインダ及び/又は湿潤剤を含んだミネラルウールで形成されている。
いくつかの実施形態では、プラグ4は設けられず、種子は、ブロック内の孔の中に直接入れられ、続いてそこから植物5が生長する。この方法が取られる植物の一例は、キュウリである。
好ましくは、植物5は、トマトの木等の果物又は野菜の木である。他の好ましい実施形態では、植物は、キュウリ、ナス、又は甘唐辛子、パプリカ、ピーマン等の苗である。本発明の好ましい実施形態では、植物からの果実又は野菜の収穫高を増加させることができ、植物が生長する基材の生育条件をより正確に制御することにより、果実又は野菜の品質を向上させることもできる。
上で述べたように、スラブ1は、いくつかの好ましい実施形態において、ミネラルウールのスラブである。用いられる鉱物繊維は、ガラス繊維、セラミック繊維、玄武岩繊維、スラグウール、ストーンウール等の任意の人造ガラス質繊維(MMVF)でよいが、通常は、ストーンウール繊維である。ストーンウールは、一般的に、酸化鉄を少なくとも3%の含有量で含み、アルカリ土類金属(酸化カルシウム及び酸化マグネシウム)を10から40%の含有量で含み、ミネラルウールの他の通常の酸化物成分を含む。それらは、通常は低い含有量で存在するシリカ、アルミナ、アルカリ金属(酸化ナトリウム、酸化カリウム)であり、チタニア及び他の少量の酸化物も含みうる。一般に、製品は、生育基材の製造のために従来知られている任意のタイプの人造ガラス質繊維から形成することができる。
ミネラルウールは、通常、バインダ成分及び追加的な湿潤剤を含むバインダ物質系により結合されている。
図4に、図1から3のスラブ1、ブロック2及びプラグ4並びに灌漑装置を含む植物生育システムを示す。灌漑装置6は、システムに水分及び養分の溶液を、ブロックに直接的に又はスラブに供給するように構成されている。好ましい実施形態では、灌漑装置は、水分及び/又は養分溶液をブロック2に直接的に供給するように構成されている。ブロックは、(図2を参照して上で述べたように)排液孔3から離されて配置されているため、灌漑装置から出た溶液は、排液孔3に到達するまでに、スラブ1に沿った距離の50%よりも長く通過しなければならない。他の好ましい実施形態では、灌漑装置は、水及び養分溶液をスラブ1に直接供給してよいが、そのようにするために、灌漑装置は、ブロックに隣接して配置されるか、又は排液孔3に対してブロック2の遠位側に配置される。
灌漑装置6は、別体の水のタンク及び養分のタンクに接続されてよく、水及び養分の適当な比率を選択するように制御されてよい。代わりに、単一の組合された水及び養分のタンクを、灌漑装置がタンク内の水及び養分の比率と同一の比率の水及び養分をシステムに供給するように設けてもよい。
灌漑装置の制御は制御システムを用いて行うことが好ましい。制御システムは、植物が植えられたブロック2が配置されたスラブ1を各々が有する複数の植物生育システムに水及び養分を供給する灌漑装置を制御してよい。制御システムは、1つ若しくは複数のスラブにおける水及び養分の検出レベルに基づいて制御される。1つ若しくは複数のスラブにおいて検出された含水量レベル及び/又は温度に基づいて、追加的な制御を行ってよい。一実施形態においてこれらのレベルを検出するために用いられる検出器7の位置を図5に示す。検出器7は、公知のタイプのものであってよく、通常は、本体部、及び本体部からスラブ内へと延出する1つ若しくは複数の(通常は3つの)プローブを含む。プローブは、通常、ステンレススチール他の導電性素材から形成され、基材の温度、電気抵抗及び/又は電気容量を分析することにより、基材の含水量及び/又は電気伝導度(EC)レベルを測定するように用いられる。ECレベルは、溶液のイオン量を反映するため、スラブ1内の溶液中の養分レベルを推測するために用いることができる。
好ましくは、ECレベルは、1.2mS/cmから8.5mS/cmの範囲に保たれ、より好ましくは、2mS/cmから7mS/cmの範囲に保たれる。好ましいECレベルを作物のタイプに応じて選択してよい。ECが低すぎるならば(例えば、1.2mS/cm未満)、植物には養分が不足している。ECが2mS/cmから3.5mS/cmの範囲にあるならば、生産量が最大化される。ECがこれよりわずかに高いならば、果実の品質が改善される(例えば、ECが3.5mS/cmから5mS/cmの範囲)。ECが高すぎる場合(例えば、辛子及びキュウリについて5mS/cmを超え、或いはトマトについて8.5mS/cmを超える場合)、尻腐れのような果実の品質に関わる問題が生じ得る。高いECは、基材内に収率不足をもたらし得る高いレベルのナトリウム及び塩素が存在していることを暗示しており、温室から水を捨てる必要がある。
従来技術のシステムでは、検出器7をスラブ1の上面に位置させ、プローブを上下方向にスラブを介して延在させる。このアプローチは、スラブ1の上下範囲にわたって水分又は養分の全体的な量を反映した測定値を得ることを意図している。しかしながら、実際には、このようなプローブは、通常、スラブ1の1つ若しくは複数の領域(スラブの上部等)の条件により不釣り合いに影響を受けた結果を返してくる。この不均衡が発生しうる1つの理由は、スラブ1のいたるところでECレベルが変化していることであり、このECレベルの変化は、明らかに、例えば含水量を計算する元となる電気抵抗及び/又は電気容量等の測定される電気特性に影響を及ぼす。
従来技術のアプローチでは、スラブ1に通常置かれるブロック2の数により、他の困難が生じる。特に、スラブ1の一端にある排液孔3の位置により生じるシステムに内在する非対称性を考慮すると、各ブロック2にとって機能的に同等なスラブ1上の位置を見出すのはしばしば困難である。
本発明では、これらの困難が解消される。特に、図5は、検出器7がスラブ1の側面に配置されていること(すなわち、検出器7の本体部が、スラブの上下方向面に接して配置され、プローブが水平方向に延在している)を示している。スラブ1内の含水量及びECの分布が改善されているために、このアプローチの使用が可能である。これらは、好ましい実施形態のスラブ1では、実質的に一様であるため、プローブの水平範囲から、正確な読取値が得られる。
実際に、図5のスラブ1は、複数の検出器7と共に示されているが、全ての好ましい実施形態にはこの状況は当てはまらない。図5に示す検出器7の配列は、含水量分布及びEC分布の測定を可能とし、スラブ1の特性を分析するために用いられ、以下に詳細に述べるような結果が得られてきた。しかしながら、実際には、1つの検出器7だけが必要とされうることが見いだされた。この検出器7は、排液孔3に向かってブロックからずらされた箇所に位置し水平方向に延在するプローブを含むことが好ましい。特に、好ましい実施形態において、検出器7は、排液孔3から200mmの間隔で、ブロック2から100mmの間隔に位置する。ブロック2及び検出器7の位置は、本文脈においてそれらの中央点から測定される。
検出器7は、図6に示すような制御システムを用いることにより、スラブ1に供給される水分量を制御するために用いられる。制御システムは、灌漑装置6によりスラブ1に供給される溶液内の養分濃度を変化させることもできる。図6に見ることができるように、検出器7は、スラブ1内のデータを観測し、このデータを、ネットワーク8を介して制御ユニット9に通信する。続いて、制御ユニットは、スラブ1に水及び養分を供給するために、ネットワーク8を介して灌漑装置(ドリッパ)6を動作させる。制御ユニット9は、(以下でより詳細に述べるように)所望の灌漑戦略でプログラム可能であり、スラブ1内の養分レベルを制御するべく灌漑が実行されることを自動的に保障し、このようにして含水量レベルを制御することもできる。このようにして、灌漑プロセスの自動制御が所望の結果が得られるように達成される。
通常は、各制御システムが多数のスラブ1を含む。検出器7が各スラブに位置してよく、或いは代表的な結果を与えるように検出器が選択されたスラブ1に位置してよい。検出器1は、一定時間ごとに制御ユニット9に結果を供給することができるように、スラブ1に固定的に取付けられている。例えば、検出器は、1分ごとに、5分ごとに、又は他の適当な時間ごとに検出結果を供給する。これにより、システム内のスラブ1は、適当に灌漑可能となるように、定常的に又は定期的にモニタされることが可能となる。
システムの灌漑装置6を、特定の灌漑戦略を適用するべく制御してよい。例えば、そのような戦略は、植物を生殖生長及び栄養生長を通じて管理をするように計画された複数の異なる段階を含んでよい。本技術分野において理解されているように、生殖生長は、花/果実の生産が促進されるタイプの生長を指すが、植物が栄養生長する間は、葉や他の緑色の要素が高い割合で生産される。植物に水が相対的に不足すると生殖生長が促進され、水が十分に供給されると栄養生長が促進される。栄養生長は、植物の全体的な生物量に大きな増加を発生させ、生殖生長は、果実又は花の生産に寄与する生長の割合を増加させる。
好ましい含水量レベルを変化させる灌漑戦略を適用することにより、これらの異なる生長タイプを利用することが公知である。そのような灌漑戦略によれば、植物生育基板は、所望の含水量レベルに到達させることを試みて、毎日、水が与えられる。基材の含水量は、基材が完全に飽和した際の含水量に対する百分率として測定される。したがって、0%の数値は、乾燥した基材を表し、100%の数値は、完全に飽和した基材を表す。
通常、このタイプの灌漑戦略は、複数の異なる段階を含む。まず、ブロック2をスラブ1に位置させる前に、スラブ1を、通常、水で飽和するか又はほとんど飽和にする。これは、ブロック2が最初にスラブ1に置かれた際に、根がスラブ1内へ生長することを確実に促進する助けとなる。しかしながら、この時点では、栽培者は、植物5が果実をできるだけ早くつけることを望んでいる。これを達成するために、栽培者は、「生殖誘発(generative impulse)」(すなわち、生殖成長を開始させるための誘発)を与えることを目指している。これは、灌漑戦略の第1の期間において、所望の含水量を最低レベルまで減少させてその後に再び増加させることにより行われる。それの原理は、含水量を減少させると植物の生殖成長が促進され、植物の開花により、最も早い時期に果実をつけさせることである。
「生殖誘発」が行われた後、栽培者は、現在成長している果実を支持する葉及び植物構造を得るために栄養生長が支配的となる持続可能な段階に植物を戻すことを希望する。こうして、灌漑戦略の第1の期間の終わりに向けて、所望の含水量は増加される。所望の含水量レベルは、灌漑戦略の第2の期間の間、実質的に一定に保たれる持続可能な値に達するまで増加される。
第2の期間では、基材内の含水量がより多いことにより、栄養成長が促進される。第2の期間は、比較的日光の量が多いことにより、植物が高い速度で蒸散を行う夏季におおよそ対応する。したがって、比較的高い割合の水分を植物に供給しなければならない。この期間の間は他の期間よりも生長は栄養生長に向けて管理されうるが、この管理により速度は制御されるといっても、果実は生長し続けることを認識すべきである。季節が秋に代わり、続いて冬になると、蒸散の割合は減少する。結果として、もはや基材内で同じ含水量を維持する必要はない。さらに、この段階では、植物がサイクルの終わりに達する前にさらに果実の生長を促進したいという希望もある。これら両方の理由のため、灌漑戦略は、含水量レベルを減少させた第3の期間を有してよい。減少の速度は、比較的緩やかである。
第3の期間の間に含水量を減少させることにより、植物の生殖生長が促進され、それにより、有用な果実を植物から収穫可能な時期が延長される。
こうして、植物から得られる果実の産出量を増加させるために、植物を生殖生長状態と栄養生長状態との間で管理することを試みて灌漑戦略を用いることができる。従来では、このプロセスは、基材内で含水量レベルを所望のレベルに変化させることにより実行されてきた。
しかしながら、現在では、そのような制御は、最適な生長条件を準備するためには十分ではないことが認知されている。特に、本発明の発明者らは、最適に準じる結果を生じさせ得る、スラブ内の含水量レベル及び養分レベルの変化の間の関連性を特定した。特に、含水量レベルの減少は、養分レベルの増加を生じさせえて、それは植物の生長を阻害しうることが見いだされている。したがって、本実施形態では、望まれない効果を避けるために、スラブに供給される水分のレベルは、養分レベルに応じて制御される。
含水量及び養分のレベルの間の関係は、図7A、図7B、図8、図9及び図10を参照して理解できる。これらの図は、灌漑戦略の効果についての長期研究の結果を示している。図7A及び図7Bに、比較のために用いた2つの植物生育基材を示す。植物生育基材は、トマトの木を生育するために用いられた。図から見て取ることができるように、各システムは、スラブの一端に1つの排液孔を有していた。図7Aの第1の例のシステムは、スラブの上面に置かれた3つの別個のブロックを有し、図7Bの第2の例のシステムは、ブロックを1つだけ有している。
図7Aの第1の例のスラブは、1330mm×195mm×75mm(長さ×幅×高さ)の寸法を有し、ブロックは、100mm×100mm×65mm(長さ×幅×高さ)の寸法を有している。ブロックは、スラブに沿って排液孔から離れるように、150mmから200mm、650mmから700mm、1100mmから1150mmの位置に位置しており(ブロックの中央から測って)、灌漑装置が、各ブロックに設けられ、排液孔に対してブロックの遠位側でブロックに水分及び養分の溶液を供給する。
図7Bの第2の例のスラブは、450mm×150mm×100mm(長さ×幅×高さ)の寸法を有し、ブロックは、100mm×100mm×65mm(長さ×幅×高さ)の寸法を有する。ブロックは、スラブに沿って排液孔から離れるように、300mmのところに位置しており(ブロックの中央から測って)、灌漑装置が、排液孔に対してブロックの遠位側でブロックに水分及び養分の溶液を供給するように設けられている。
図8に、研究過程において測定された第1の例のスラブの含水量(破線)及び第2の例のスラブの含水量(実線)を示す。第1の期間では、含水量は、初期の比較的高い点から減少され、続いて上で述べた生殖誘発の概念と合致するように増加されているのを見て取ることができる。
図9に、第1の例の基材(破線)及び第2の例の基材(実線)について研究の過程で測定されたECレベルを示す。ECレベルは、スラブ中の養分レベルを表していることが思い起こされたい。ECレベルが、植物に生殖誘発が行われている初期段階で急速に増加していることは注目すべきである。この増加は、ECレベルにピークを生じさせ、このピークは、概して灌漑戦略のその後の段階の間に期待されるレベルよりも高い。
図10に、ECレベルと植物生長への影響の関連を示す。図10は、第1の例の基材(破線)及び第2の例の基材(実線)の両者について研究の過程で測定された葉の長さを示している。葉の長さについて、明確な減少が研究の5週目あたりで見られる。この減少は、この期間に見られるECレベルの増加と関連している。したがって、ECレベルが植物の生長に対して影響を有することが理解される。ECレベルは、含水量レベルの変化により変化を受けることも示されているため、ECレベルを望ましい範囲内で維持するように、植物に加えられる水分を制御することが望ましい。このことは、従来技術のアプローチと対照的である。従来技術のアプローチでは、所望のECレベルを達成するために養分の濃度は変更されるかもしれないが、加えられる水の全体量が所望の基材の養分量により限定を受けるべきだということは認知されていない。
図11に、本発明の実施形態に係るシステムを示す。本システム11は、複数の検出器(センサーとも呼ぶ)1101、受信器1102、中央検出器データ処理機器(ある実施形態ではスマートボックスとも呼ぶ)1103、信号変換器(コンバーター)1104、及び検出器通信用携帯デバイス(携帯用デバイスと呼ばれることもある)1105を備える。また、本システムは気象コンピューター1106に接続することができる。ノート型パソコン、デスクトップ型パソコン、モバイル通信機器、又はその他の電子インターフェースなどのユーザー端末が、1107で示すように物理ネットワーク又は無線ネットワークを介して本システムに接続されてもよい。本発明のシステムは、上記の要素のうちのいくつか又は全てで構成することができ、本発明は上記の構成要素及び/又は特徴的要素の一部で実行することができるため、本実施形態に関連するこれらの要素の説明により、いずれか又は全ての要素が必須であると示唆されるものではない。
本システムの各検出器又はセンサー1101は、植物生育基材上に設置されると、又はそれに接触すると、又は少なくとも部分的にその中に差し込まれると、この植物生育基材の温度、含水量、pHレベル、及び養分量を示す少なくとも1つの特性を検出することができるように構成される。あるシステムでは、検出器は基材の温度、含水量、pHレベル又は養分量を直接測定し算出を行うことができる。しかし、本発明のシステムにおいては、基材の温度、含水量、養分量、又はpHレベルを示す関連特性を読み取り、その特性を遠隔プロセッサ(例えば、好ましい実施形態ではスマートボックス)に直接送信し、記憶及び送信されたパラメータの変換を中央で、及び検出器又はセンサー1101から離れた場所で、制御、管理、実行できるのが好ましいということが分かっている。上記の特性を示す関連特性の例としては、含水量を示す静電容量又は養分量を示す電気伝導度を挙げることができる。全体の養分レベル又は個々の養分レベルを示す特性が電気伝導値から算出されてもよい。また、スラブの空気量を間接的に測定することができる、というのも、スラブの空気量はスラブの容積と関係があり(このことは多分知られている)、またスラブの繊維密度、含水量、及び養分量と関係があるためである。したがって、一旦これらの特性を測定すれれば、空気量を算出することができる。例えば、いくつかの実施例では、スラブが11リットルの容積を有するとすると、2%が繊維、98%が細孔となる。含水量を60%とすると、細孔容積−含水量は98%−60%で空気量は38%となる。11リットルの38%で空気量は4.18リットルとなる。温度を直接測定し直接送信することができるため、検出器又はセンサーからの送信後に行う変換が最小限で済むか、変換が不要となる。
本発明のシステムのスマートボックス又は中央検出器データ処理機器又は携帯用デバイスに標示特性を送信し実測値を算出することで、性能要件を維持することができ、また、検出器又はセンサー自体で算出を実行する場合に比べて検出器又はセンサー1101の電子機器にかかるコストが少なくて済む。さらにこれにより、必要となる補正及び変換のための較正係数を中央管理することができ、またさらに、システム全体としての測定及び変換処理の正確性を高めることができる。また、これにより、検出器1101が電池式の場合は、この検出器の電源にかかる負担を減らして電池の寿命を節約することができる、というのも、例えば、電源接続、太陽光発電源又は風力発電源、又はより頑丈な電池など、より容量が大きい又は長寿命の電源が使用され得る中央制御機器で処理が実行されるため、検出器で必要となる処理が少なくなるからである。これらの要因により、検出器1101の重量を減らすことができる。これにより、検出器を定位置に保持するために大きな取り付け機器や保持手段を必要とすることなく、検出器1101を植物生育基材上または基材中に配置することができる。
好ましい実施形態のセンサー又は検出器のデータは、好ましくは5分の間隔で、電気通信手段として公知のRFID−UHF帯の特定の周波数で送信される。有用な時間間隔は、必要とされる更新の頻度およびユーザーの要望によって、例えば、20秒〜10分の間で変えることができる。
ある実施形態では、検出器は長尺のプローブ1108を複数個含んでもよく、これらのプローブは植物生育基材に差し込まれてその基材の特性を測定するように構成される。また、この検出器は案内要素又は案内板1109をさらに含んでもよく、この案内要素又は案内板は、長尺のプローブ1108を植物生育基材の表面(この表面は実質的に上面であってよい)から設定された距離分離して維持するように構成されている。限られた電子機器、軽量の電源、及び簡易な取り付け機構を使用することで、1つ若しくは複数の検出器を容易に持ち運ぶことができ、したがって、最小限の労力と最小限の実行すべき再取り付工程で、温室又は灌漑領域などの植物生育領域内の複数の場所に容易に配置することができる。
検出器又はセンサー1101は、好ましい実施形態ではスマートボックスとして知られる中央検出器データ処理機器1103又は本システムに関連して説明される携帯用デバイスと通信回線により通信するよう構成されてもよい。この通信回線は直接有線接続されてもよい。しかし、検出器を容易に再配置でき、設置に要する労力が最小限で済むため、無線接続が好ましいことが分かっている。無線通信は無線通信機能を有する中央検出器データ処理機器1103と直接行われてもよい。ただし、無線受信器1102を別個に備えて検出器1101から無線通信を受信し、必要に応じて検出器1101に無線通信を送信するのが好ましい場合もある。この受信器1102は、イーサネット(登録商標)などの物理回線、ケーブル接続、又は無線回線1110を介して中央検出器データ処理機器1103に接続されてもよい。受信器とスマートボックスの両方が電池パックを備えて電力を供給することができる。電池パックはスマートボックス中央検出器データ処理機器1103に内蔵されてもよい。
この無線通信は、800〜1000MHzの範囲のRFID−UFH帯など、電気通信で広く使用される公知の技術で提供されてよい。これに代えて、例えば、IEEE802.11などの他の無線通信手段が使用されてもよい。必要であれば、システムの種々の機器間の物理接続は、移動データ通信網を含む電気及びコンピューター関連通信で一般的に知られている銅線、光ファイバー、及びその他の好適な通信手段を介したイーサネット接続でもよい。
中央検出器データ処理機器すなわちスマートボックス1103は、少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリを含む。このメモリは、1つ若しくは複数の灌漑戦略又は灌漑周期に関する1つ若しくは複数のデータファイルを、データベースに、又は別々のデータファイルとして、又は好適なデータ記憶手段に保存してもよい。このデータセットにより、検出器により提供された測定パラメータと所望の灌漑出力との関係が提供されてもよい。灌漑出力は、所望の灌漑周期や単に灌漑装置のオン/オフ表示に関するものであってもよく、又は灌漑の流量、灌漑周期のオン期間とオフ期間の長さを規定する灌漑周期、及び灌漑周期が適用されるべき期間など、さらに詳細な事項を含んでもよい。好ましい実施形態では2つのデータベースが備えられているが、さらに多くの、例えば3つ又は4つのデータベースが含まれてもよい。第1のデータベースは未加工の記憶済みパラメータを保持し、第2のデータベースは含水量、電気伝導度、及び温度などの特性に関する変換後の変換済みパラメータを保持する。また、機器1103のメモリには、1つ若しくは複数の、好ましくは2つのモデルが保持される。第1のモデルは基材モデルとして公知のモデルでよく、未加工の検出器又はセンサー出力データを含水量、電気伝導度、及び温度に関する実測値に変換する命令を含む。機器1103に保持されるもう一つのモデルは灌漑モデルと称することができ、2つの灌漑周期間における含水量の減少などの新しい値の算出、又は、分析、提案説明、若しくは比較のためのデータの準備に関する命令を含んでいる。そうすることで、基材に関するさらなる灌漑周期を出力することができる。また、これらのモデルは1つのデータベースにまとめておくことができる。中央検出器データ処理機器からの他の出力が、複数の検出器から経時で収集された及び/又は少なくとも1つの検出器のそれぞれの場所に関連して表示された集約データを含んでもよい。
したがって、データ処理機器1103のプロセッサは、検出器で測定されたパラメータに関する検出器出力データを受信し、この検出器出力データを処理して、生育基材の温度、含水量、pHレベル、及び養分量のうちの1つ若しくは複数を決定し、集約された検出器データ、所望の灌漑戦略、又は灌漑命令を出力するように構成されてもよい。
また、このデータ処理機器1103は、気象コンピューター1106とユーザー端末1107の一方又は両方に接続されてもよい。この気象コンピューターは、生育領域における輻射、温度、湿度などの様々な気象要因をモニタし制御するように構成されてもよい。処理機器1103と気象コンピューター1106の間の接続1111は、無線接続、物理接続、又はイーサネット又はその他のコンピューターネットワーク接続であってよい。しかし、場合によっては、中央処理機器1103と気象コンピューター1106は1つのデバイスに統合されてもよいし、単に共通のハードウェアデバイスで動く別々の論理コンピュータープログラムに相当してもよい。この場合、この2つの要素の通信は、単に、例えばハードウェアデバイスのプロセッサバス若しくはメモリなどの、ハードウェアの内部通信手段を介していてもよく、又はデバイスで動く論理コンピュータープロセス間で関数及び変数をやりとりすることによって行われてもよい。または、中央検出器データ処理手段と気象コンピューターは共通のコンピューターデバイスで別々の論理プロセスとして実行されてもよい。したがって本システムが、気象コンピューターと一緒に機能することで、本システムが灌漑及び/又は施肥潅漑を制御しつつ、必要であれば気象コンピューターが加熱、換気、及び/又は空調条件などの気象条件を制御することができる。
これに代わって、ある状況では、気象コンピューターとの通信をアナログ入力通信及びアナログ出力通信を介して行わなければならない。この場合は、デジタルアナログ変換器1104が必要となり、このデジタルアナログ変換器1104は物理接続を介して中央検出器データ処理機器1103に接続されてもよく、又はデータ処理機器内に一体形成されてもよく、中央検出器データ処理機器から出力されたデジタル値をアナログ電気出力信号に変換するよう構成されてもよい。このアナログ電気出力信号は、デジタルインターフェース1113を通過した後にアナログインターフェース1112を介して気象コンピューターに送られる。
ユーザー端末1107は、気象コンピューター1106と中央データ処理機器1103の一方又は両方に接続されてもよいし、又は上述のように論理的に統合されてもよい。このユーザー端末はスクリーン、キーボードとしての入力手段、タッチスクリーン、音声入力手段、又は電子機器としては周知のその他のヒューマン・マシン・インターフェースを含んでもよい。このユーザー端末は、データファイルを処理手段にアップロードして、検出器入力と灌漑制御出力との関係を定義し、全体的構成設定をこの処理手段に適用することにより、中央検出器データ処理手段を構成するように使用することができる。多くの場合、灌漑の操作は、灌漑を開始する設定開始時間、停止時間、滴下速度、滴下周期長、及び/又は滴下頻度、灌漑を再開する前の設定間隔時間(静止時間)などの設定値に基づき行われる。
本発明のシステムは、生育領域内領域にある1つ若しくは複数の検出器からの入力を測定し、変換し、1つのシステム内にまとめることができ、これにより、所望の灌漑入力制御又は養分入力制御を出力して灌漑入力又は養分入力を開始又は停止し、灌漑又は養分入力の周期及び頻度などを適合させることができる。
本システムは、携帯用デバイスとしても公知の検出器通信用携帯デバイス1105をさらに含んでもよい、というのも、ユーザーが片手で携帯することができるように構成することで、このデバイスを容易に持ち運ぶことができ、例えば1つ若しくは複数の検出器1101などの他のアイテムをもう片方の手で持ち運ぶことができるという利点があるからである。複数の検出器1101が、時には数ヘクタールにも及ぶ温室や灌漑領域の周囲の離れた場所又は性質が異なる場所に設置されることが多くある。したがって、多くの場合、ユーザーはこの検出器の構成若しくは取り付けを確認又はこの検出器を新しい場所に移動するために非常に長い距離を移動して検出器までたどり着かなければならない。したがって、軽量かつ持ち運び可能な携帯用デバイスを有することで、システムの検出器の取り付け、較正、構成、及び全体的状況の確認がしやすくなるという利点がある。これにより、検出器とユーザー端末又は中央処理機器との間を何度も行き来して取り付け状況を変更し、その後構成又は出力を確認する必要がなくなる。したがって、この携帯用デバイスには専用の電源が備えられていて、単独で持ち運べるようになっている。また、この携帯用デバイスは一体化ディスプレイを含み、いずれの検出器1101からの出力又は状況情報もこの携帯用デバイスに表示することができる。また、この携帯用デバイスは耐久性があり、本体は農業環境又は園芸環境で使用された場合の損傷に耐えるように耐衝撃性の材料で作製されている。この携帯用デバイスは一般的に、本システムの検出器にたどり着くまでに徒歩で長い道のりを移動しなければならないユーザーが容易に持ち運べるように構成されている。ただし、この携帯用デバイスは、検出器及びシステム全体としての取り付け、確認、設定を容易にする何らかの機能的側面を持ち合わせている必要がある。
この中央データ処理手段は各検出器のいくつかの因子を認識する必要があり、携帯用デバイスはこの因子のうちのいくつか又は全てを読み取り、この中央検出器データ処理機器(スマートボックス)に出力し送信するのに使用されてもよい。これらの因子は、現在位置の詳細、検出器がその現在位置に設置された日時、どの特性がモニタされ送信されるよう設定されたかに関する検出器の設定、検出器の電源の電源状況、検出器と中央処理機器の接続状況、センサー読み取り出力のチェック、センサー又は検出器がシステム通信のために割り当てられているアクセスポイントのチェック、未加工の出力データの概要、又は検出器又はセンサーが適用される基材の特性(例えば材料、種類、寸法、及びその他センサーに関連するデータなど)を含む。
したがって、この携帯用デバイスは以下の機能を有することになる。この携帯用デバイスでそれ自体の位置を特定することができるようになるか、又は、そのデバイス及び/又は関連する検出器の位置に関するユーザー入力を受信することができるようになる。ユーザー入力又は検出器1101との直接的な通信により、この携帯用デバイスと通信する検出器の少なくとも1つの識別子を受信することができるようになる。識別子の受信には、バーコード、英数字識別子、QRコード若しくはその他の光学的若しくは視覚的識別子の光学的読み取り、又はRFID若しくは近距離無線通信(NFC)識別子の読み取りが含まれてもよい。好ましい形態では、通常は800〜1000Mhzの周波数範囲内で選択されるRFID-UFH帯を用いる。この識別子は検出器又はセンサーのシリアルナンバー及び/又は製品コードを含んでもよい。この携帯用デバイスは、その位置データと特定の検出器を関連付けて、その位置データと検出器識別子を中央データ処理機器に送信するように構成されてもよく、そうすることで、中央データ処理機器は各検出器の位置記録を保存することができ、この中央データ処理手段により、この位置記録を検出器が経時で出力したパラメータに関連付けることができる。また、携帯用デバイス1105により、検出器をテストモードに設定することができてもよい。
好ましい実施形態では、スマートボックス中央検出器データ処理機器と携帯用デバイスは、多くの側面で機能が共通している。この機能には、使用可能又は接続されたノード(センサー又は検出器)とこの検出器又はセンサーに関するデータとをユーザーに表示すること、ノード(センサー又は検出器)を選択して出力機能や通信機能などのテストを行うこと、センサー読み取りの正確さを検証すること、ノードの位置を設定すること、センサーと中央データ処理手段の接続を検証すること、ノードを正しいアクセスポイント/中央検出器データ処理機器にアドレス指定すること、含水量(WC)、電気伝導度(EC)、及び温度値を算出することが含まれる。
好ましい実施形態の携帯用デバイスは、例えば、測定値を複数の測定値ブロックに記憶させる、結果の基本的な統計分析を例えばブロックごとに行うことができる、平均値及び標準偏差を算出できる、テキストベースのヘルプ機能を含み様々な言語を設定できる、電源状況の読み出しを行うことができるなど、付加的な特徴をさらに有してもよい。
この携帯用デバイスはさらに、検出器と通信して検出器のモードを周期出力から連続出力に切り替えるように構成されてもよい。周期出力は検出器の電池寿命を節約するのに使用することができるのに対し、連続出力は検出器を十分に調査して検出器の状態を確認するのに使用することができる。
また、好ましい携帯用デバイスは、検出器に関するデータを中央データ処理手段1103に送るように構成される。
したがって、本発明は、検出器と通信を行う通信インターフェースを備える携帯用電子デバイスを提供する。このデバイスはさらに、検出器と通信してその検出器の識別子を決定し、その検出器識別子を位置情報と結合し、その情報を中央検出器データ処理手段に転送するように構成されてもよい。位置情報はユーザーによって携帯用デバイス1105に入力されてもよいし、又はGPSハードウェア若しくはその他の位置決定手段を使用してこの携帯用デバイス自体で決定されてもよく、あるいはその両方を行ってもよい。この位置決定手段は、バーコード、英数字識別子、QRコード、又はその他の光学的若しくは視覚的識別子を光学的に読み取るように構成された手段、この携帯用デバイスに設けられたRFID又は近距離無線通信(NFC)機器、及び位置に関する標示情報を含んでもよい。位置情報は、生育領域内の基材の位置に関する地図座標又はGPS座標又は列と行の情報を含んでもよい。位置情報は、温室番号又はコード、灌漑部分コード、フードコード、行番号、及びスラブ番号をさらに含んでもよい。好ましい実施形態では、位置情報は少なくとも特に灌漑部分コードと行番号を含む。この携帯用デバイスはさらに、検出器の出力を測定してそれをユーザーに表示し、必要に応じてその測定出力を中央データ処理機器に別の通信回線で転送するように構成されてもよい。このデバイスは、ユーザーの入力に応じて検出器をセットアップモード又はテストモードに設定し、この状況変化の結果又はテストの結果を別の通信回線で中央検出器データ処理手段に送信するように構成されてもよい。この通信回線は物理回線でも無線回線でもよいが、無線回線を使用すると設置時間及びセットアップ時間を減らすことができ、また距離が長いことに伴う材料費を削減することができる。
この携帯用デバイスはPDAや携帯電話などの標準的な電子通信装置製品であってよく、したがって本発明は、遠隔通信手段を含む電子通信機器のプロセッサで実行されると、検出器と通信回線を確立するための携帯用デバイスを、検出器に検出器識別子を決定するように問い合わせ、その識別子を検出器の構成情報に関連付けて、その構成情報を中央検出器データ処理手段に送信するように構成する命令を含むコンピュータープログラム製品として具体化されてもよい。この構成情報は、携帯用デバイスに関連して上述した機能及びパラメータに加え、位置データ、検出器構成データ、電源情報や使用時間などの検出器状況データを含んでもよい。
上で述べた実施形態への変形及び変更は、当業者には明らかであろう。そのような変形及び変更は、既に公知でありかつ本明細書で述べた特徴の代わりに或いはそれに加えて用いられうる均等な他の特徴を含みうる。別々の実施形態について述べた特徴を1つの実施形態において組合せて設けてよい。逆に、1つの実施形態について述べた複数の特徴を別々に或いは任意の適当なサブコンビネーションで設けてもよい。
「含む(“comprising”)」なる語は、他の要素又は工程を除外せず、「1つの(“a” or “an”)」なる語は、複数を除外せず、単一の特徴は、クレームに記載された複数の特徴の機能を満たしえて、クレーム内の参照符号は、クレームの範囲を限定するように解釈してはならないことに注意するべきである。図は、必ずしも原寸通りではなく、その代わりに本発明の原理を図示するうえで概して強調がなされていることにも注意するべきである。

Claims (20)

  1. 植物生育条件を制御するシステムであって、
    少なくとも1つの検出器と
    中央検出器データ処理手段と
    を備え、
    前記少なくとも1つの検出器が、植物生育基材の温度、含水量、及び養分量を示す1つ若しくは複数の特性を測定するように構成され、
    前記少なくとも1つの検出器がさらに、検出器識別子及び前記1つ若しくは複数の測定特性を通信回線で前記中央検出器データ処理手段に送信するよう構成され、
    前記中央検出器データ処理手段が、
    前記基材の温度、pHレベル、含水量及び/又は養分量のうちの1つ若しくは複数に関する複数の値と、複数の所望の灌漑出力値との関係を規定する所定の灌漑データをメモリに保持し、
    各検出器から受信した前記測定特性を処理して前記基材の算出特性を決定し、
    前記少なくとも1つの検出器から受信した算出特性と前記所定の灌漑データに基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力値を示す出力を提供する
    ように構成されるシステム。
  2. 前記システムの検出器から受信した測定特性を処理して前記基材の算出特性を決定し、
    前記算出特性をユーザーに表示するように構成される検出器通信用携帯デバイスをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記検出器通信用携帯デバイスがさらに、
    前記システムの検出器から検出器データを受信し、
    前記検出器データを前記中央検出器データ処理手段に送信する
    ように構成される、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記中央検出器データ処理手段がさらに、
    各検出器から受信した前記測定特性を処理して各検出器に関連した基材の養分量を算出し、
    前記基材の前記算出養分量に基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力を提供する
    ように構成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記検出器通信用携帯デバイスがさらに、
    前記システムの検出器から検出器識別子を受信し、
    前記検出器に関する検出器データを受信し、
    前記検出器識別子及び前記検出器データを前記中央検出器データ処理手段に送信する
    ように構成される、請求項2〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記検出器通信用携帯デバイスがさらに、
    ユーザーの入力によりユーザー定義の検出器データを受信し、
    前記ユーザー定義の検出器データを前記検出器識別子に関連付け、
    前記検出器識別子と前記ユーザー定義の検出器データとを前記中央検出器データ処理手段に送信する
    ように構成される、請求項2〜5のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記検出器識別子に関連付けられたデータが、
    前記検出器の位置データ、
    前記検出器の電源状況、
    前記検出器と前記中央検出器データ処理手段間の通信回線状況、
    前記検出器によって測定された前記生育基材の種類及び/若しくは寸法を示す情報、並びに/又は
    前記検出器によって測定された前記生育基材の1つ若しくは複数の特性
    のうちのいずれか又は全てを含む、請求項5又は6に記載のシステム。
  8. 前記検出器通信用携帯デバイスがさらに、
    前記検出器から測定された特性を受信し、
    前記測定特性を前記検出器の検出器識別子に関連付け、
    前記検出器識別子と前記関連付けた測定特性とを前記システムの前記中央検出器データ処理手段に送信する
    ように構成される、請求項2〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記検出器通信用携帯デバイスが、前記デバイス又は検出器の位置データを決定するための位置決定手段をさらに備え、またさらに、
    前記検出器の識別子と決定した位置データとを関連付け、
    前記検出器識別子と前記関連付けた位置データとを前記システムの前記中央検出器データ処理手段に送信する
    ように構成される、請求項2〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. 前記少なくとも1つの検出器がさらに、前記植物生育基材のpHレベルを示す1つ若しくは複数の特性を測定するように構成される、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 養分量を示す特性が、植物生育基材中の流体の電気伝導度である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のシステム。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステムを提供する工程、及び
    前記システムの前記中央検出器データ処理手段によって提供された前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力に基づいて、植物生育基材に対する灌漑入力を制御する工程
    を含む、植物の生育条件を制御する方法。
  13. 前記システムの前記検出器通信用携帯デバイスに検出器構成データを入力する工程、及び
    前記検出器通信用携帯デバイスによって前記検出器構成情報を前記中央検出器データ処理手段に送信する工程
    をさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1に記載のシステムで使用する検出器通信用携帯デバイスであって、
    前記システムの検出器から受信した測定特性を処理して前記基材の算出特性を決定し、
    前記算出特性をユーザーに表示する
    ように構成される検出器通信用携帯デバイス。
  15. 請求項3〜11に記載のシステムの前記検出器通信用携帯デバイスのいずれかの特徴的要素をさらに備える、請求項14に記載の検出器通信用携帯デバイス。
  16. コンピュータープログラム製品であって、
    電子通信機器のメモリに読み込み可能であり、また、前記電子通信機器により実行されると、前記電子通信機器を請求項14又は15のいずれかに記載の検出器通信用携帯デバイスとして構成する命令を含むコンピュータープログラム製品。
  17. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム用の検出器であって、
    植物生育基材の温度、含水量、及び養分量を示す特性を測定し、
    前記1つ若しくは複数の測定特性を通信回線によって前記中央検出器データ処理手段に送信して、植物生育基材の温度値、含水量値、及び養分量値に変換する
    ように構成される検出器。
  18. さらに、
    検出器識別子及び/又は
    植物生育基材の温度、含水量、及び養分量を示す測定特性と、電力レベル状況と、通信回線状況とのうちの1つ若しくは複数
    を前記検出器通信用携帯デバイスに送信するように構成される請求項17に記載の検出器。
  19. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のシステム用の中央検出器データ処理手段であって、
    前記1つ若しくは複数の検出器から通信回線によって1つ若しくは複数の測定特性を受信し、
    前記植物生育基材の温度、含水量、pHレベル、及び/又は養分量に関する複数の値と、複数の所望の灌漑出力値との関係を定義する所定の灌漑データを保存し、
    各検出器からの前記測定特性を処理して前記基材の算出特性を決定し、
    前記1つ若しくは複数の検出器から受信した測定特性と前記所定の灌漑データに基づいて、前記生育基材に関する所望の灌漑入力を示す出力を提供する
    ように構成される中央検出器データ処理手段。
  20. さらに、前記システムの1つ若しくは複数の検出器に関連した検出器情報を検出器通信用携帯デバイスから受信し、前記構成情報をデータ記憶手段に保存するように構成される請求項19に記載の中央検出器データ処理手段。
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