JP2592969B2 - 養液制御装置 - Google Patents

養液制御装置

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    • G05D11/02Controlling ratio of two or more flows of fluid or fluent material
    • G05D11/13Controlling ratio of two or more flows of fluid or fluent material characterised by the use of electric means
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) この発明は、養液(植物を栽培するために無機肥料を
水に溶かしたもの)を供給して植物を栽培する装置に係
わり、特に、植物栽培の養液制御において、その制御の
自動化と長期に渡り安定的かつ効果的な養液管理を行う
ことができる養液制御装置に関する。
(従来の技術) この種の栽培装置の養液管理は、従来、pHおよび/ま
たは導電率を指標とし、これらを測定して行われてい
る。
例えば、養液の導電率が低下すれば、高濃度液肥を補
充して目標値まで上昇させ、逆に養液の導電率が上昇す
れば、水で希釈して目標値まで下げる様に制御させる。
pHによる制御でも同様に、酸およびアルカリを使用し
てい設定された目標値の範囲内に戻して対処している。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、pHおよび/または導電率とを指標とす
る従来の養液制御装置では、栽培すべき植物に必要な成
分の養液を的確に供給することが難しい。これは、栽培
の過程においては根より有機酸、その他の物質が溶出す
るために、植物の成長に不必要な成分が蓄積しているの
にも拘らず、pHや導電率に表れず、追肥や養液の更新が
行われずに植物の生育を遅らせたりまたは枯らしたりし
た。
また、pHおよび導電率の情報は、的確に養液の状態を
反映していないので、栽培途中に植物の異常に気付いた
としてもpHと導電率との情報からでは異常の原因を見つ
けることができず、従って、養液全体を更新しなくては
ならず、養液を無駄に使用することになる。
また、従来のpH制御は、酸・アルカリとも1つづつ用
意して行なっている。ところがある時期には少量で制御
可能であるが異なる時期では、多量に使用しても制御で
きないことがあり、使用する酸・アルカリの種類も時期
に合わせる必要がある。
本発明は上記従来の課題に基づきなされたものであ
り、その目的とするところは、植物栽培の養液制御にお
いて、その制御の自動化及び経済的かつ、効率的な養液
管理を行うことができ溶液制御装置を提供することにあ
る。
〔発明の効果〕
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために本発明は、 植物栽培に用いる養液中の導電率を測定する導電率計
と、 前記養液中のpHを測定するpH計と、 前記養液中の各イオン濃度を測定するイオン分析計
と、 測定された導電率が所定範囲外の場合には、高濃度液
肥または希釈水を補給して該導電率を目標値に一致させ
る導電率制御手段と、 導電率制御がされた後に測定されたpHが所定範囲外の
場合において、イオン分析された特定イオンが所定濃度
以下の場合には、前記特定イオンを含む陽イオンを成分
とするアルカリ性養液を補給し、または前記特定イオン
を含む陰イオンを成分とする酸性養液を補給して該pHと
該特定イオン濃度とを目標値に一致させるpH制御手段
と、 このpH制御手段によるpH制御がされた後に各イオン濃
度を分析し所定濃度以下の特定イオンがある場合には、
該特定イオンを含む養液を補給して各イオン濃度を目標
値に一致させるイオン濃度制御手段と、 このイオン濃度制御手段によりイオン濃度が調整され
た結果、pHが変動した場合には、再度前記pH制御を実行
させる手段と、 を備えて成ることを特徴とする。
また、前記イオン濃度制御手段は、イオン分析された
特定イオンが所定濃度以上の場合には、該特定イオン以
外のイオン濃度を上昇させて全体のイオン濃度を平衡さ
せる手段であることを特徴とする。
(作用) 植物は、その生育段階や日照、気温、養液温度などの
外部条件により特定成分のみを特に多く消費する場合が
ある。このような場合、導電率やpHだけで平均的に養液
を管理していると、個々の養液イオン成分が不足を来た
すことがある。
このような状態になると、植物がこのイオンを必要と
しても、あまりに低濃度であるため吸収できなくなって
しまう。ただし、養液中のある成分イオンを制御したく
ともイオンは塩(例KNO3)の形で存在するので、簡単に
制御することはできない。
また、ある種のイオンが非常に低濃度になる場合は、
最初に調製したイオンのバランスが崩れ、pHが大きく変
動していることが多く見うけられる。
そこで、本発明では従来行われていた導電率の制御以
外に先ずpHの測定を行う。
その結果pHが低ければ予め準備されているアルカリ性
養液に対応するイオン濃度を測定してアルカリ性溶液の
投入を制御し、前記の結果pHが高ければ予め準備されて
いる酸性養液に対応するイオン濃度を測定して酸性養液
の投入を制御することにより、pHとイオン濃度の両方を
同時に制御可能とした。
この場合、先ず導電率制御を実行し、次いでpH制御を
実行し、pH制御後のイオン分析の結果、あるイオン濃度
が所定濃度以下の場合には各イオン濃度値を目標値に一
致させるイオン濃度制御を実行し、さらに、イオン濃度
制御の結果、pHが変動した場合には、再度pH制御を実行
する。
(実施例) 第1図は本発明に係る溶液制御装置の一実施例の構成
図であり、本実施例はNFT栽培に本発明を適用したもの
である。
同図に示すように、栽培パネル1上には植物が植え付
けられており、この栽培パネル1の上流側にはタンク2
内の養液が循環ポンプ3により組み上げられ、植物に栄
養素を与えた後、栽培パネル1の下流側から再びタンク
2内に戻されるようになっている。
タンク2内の養液を制御するセンサ系としては、導電
率計4と、pH計5と、イオン分析計6とが設けられてい
る。
導電率計4は、養液中にどれだけの電流が流れるかを
測定するもので、この導電率は養液濃度と比例し、養液
全体のイオン濃度の指標となる。
pH計5は、酸(H+)とアルカリ(OH-)の平衡状態を
測定する。
イオン分析計6は、タンク2内の養液中の各イオン濃
度を測定するものである。
また、タンク2内に養液を供給するために、各種栄養
素イオンが高い濃度で含有されている複数の高濃度液肥
タンク7と、この高濃度液肥の供給量を制御可能な液肥
用ポンプ8とが設けられている。
さらに、複数の酸タンク9と、複数のアルカリタンク
10と、これら酸及びアルカリの供給量を制御可能な酸タ
ンク用ポンプ11及びアルカリタンク用ポンプ12とが設け
られ、また、タンク2内の養液を希釈するための水道水
13の供給量を制御可能な水道水用電磁弁14が設けられて
いる。
前記酸タンク9内には、HNO3,H3PO4,H2SO4等の主成分
イオンを持つ酸と、H3BO3,H2MoO4等の微量成分イオンを
持つ酸が各タンク別に貯えられている。
前記アルカリタンク9内には、KOH,Ca(OH)2,Mg(O
H)2,NH4OH等の主成分イオンを持つアルカリと、Fe(O
H)2,Fe(OH)3,Mn(OH)2,Zn(OH)2,Cu(OH)等の
微量成分イオンを持つアルカリが各タンク別に貯えられ
ている。
前記導電率計4、pH計5及びイオン分析計6の各計測
信号はコントローラ15へ供給されており、このコントロ
ーラ15では、第2図のフローチャートに示す処理を実行
して、液肥用ポンプ8、酸タンク用ポンプ11、アルカリ
タンク用ポンプ12及び水道水用電磁弁14を制御してタン
ク2内の養液を栽培パネル1に植え付けられた植物の種
類やその生育段階等に応じて最適制御する。
次に、本実施例の作用を第2図に示すコントローラ15
の処理手順に基づいて系統的に説明する。
先ず、栽培に必要な養液を新たに作る場合には、植物
の生育段階に合わせ、液肥用ポンプ8及び水道用電磁弁
14の動作時間を制御してタンク2内の養液を調製する。
調製された養液には、植物の成長に必要なイオンがバ
ランス良く含有されている。
しかし、タンク2内の養液を栽培パネル1へ循環する
操作を繰返していると、吸収されやすい養液イオンが減
小したり、pHが変動したりする。
そこで、コントローラ15では、導電率計4、pH計5及
びイオン分析計6により、ある一定周期で検出された導
電率、pH及び各イオン濃度を取り込む(ステップST
1)。
次に、検出された導電率が許容範囲内にあるか否かが
判定される(ステップST2)。
導電率が許容範囲内にない場合(ステップST2NO)、
導電率が低いときには液肥用ポンプ8が駆動されてタン
ク2内に高濃度液肥タンク7内の高濃度液肥が所定量補
充される。また、導電率が高い場合には水道水用電磁弁
14が開かれ、水道水13により希釈される(ステップST
3)。
導電率が許容範囲内にある場合、あるいは許容範囲内
に制御された場合には、次にpH制御が実行される(ステ
ップST4)。
pHが高い場合、すなわち養液がアルカリ性に傾いてい
る場合には、イオン分析の結果、イオン濃度が小さいも
のを酸の形で酸タンク9から供給する(ステップST
5)。
例えば、NO3 -イオン濃度が小さい場合には、HNO3を所
定量混入する(ステップST6,ST7)。また、▲PO3- 4▼イ
オン濃度が小さい場合には、H3PO4を所定量混入する
(ステップST8,ST9)。
一方、pHが低い場合、すなわち養液が酸性に傾いてい
る場合には、イオン分析の結果、イオン濃度が小さいも
のをアルカリの形でアルカリタンク10から供給する(ス
テップST10)。
例えば、K+イオン濃度が小さい場合には、KOHを所定
量混入する(ステップST11,ST12)。また、Mg2+イオン
濃度が小さい場合には、Mg(OH)を所定量混入させる
のである(ステップST13,ST14)。
ところで、pH濃度が許容範囲内にあっても、養液中の
各イオン濃度が全て許容範囲内にあるとは限らない。
そこで、イオン分析の結果、各イオン濃度が小さい場
合、陽イオン濃度の補正にはアルカリ性であるKOHやMg
(OH)等を所定量混入し(ステップST15〜ST19)、ま
た陰イオン濃度の補正には酸性であるHNO3やH3PO4等を
所定量混入させる(ステップST20〜ST23)。
この場合、イオン濃度を調整した結果、pHが変動した
場合には、再度ステップST4以降のpH制御が実行され
る。
なお、本実施例では、イオン濃度の分析の結果、イオ
ン濃度が小さい場合について説明したが、養液中に一定
範囲より高い濃度のイオンがある場合には、このイオン
を含む酸タンク9又はアルカリタンク10は使用しないよ
う制御し、その他のイオン濃度を上昇させ、全体のイオ
ンバランスが平衡した後に、水道水で希釈するようにし
てもよい。
また、上記実施例ではNFT方式の水耕作栽培について
説明したが、この発明はロックウール方式あるいはDFT
方式等の養液制御にも適用することができるものであ
る。
また、タンク2内の養液の各種イオンの濃度設定値は
栽培する植物の種類の違いにより、また植物の栽培時期
の違い、生育段階の違い等により異なったものとなるた
め、コントローラ15において対応する。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明の養液制御装置によれ
ば、植物の成長状態に応じて導電率のみならず、pH及び
イオン濃度をも最適に制御できる。
また、養液中のイオン濃度に応じて酸・アルカリの制
御ができるので、pH制御に酸・アルカリを使い過ぎるこ
とがない。このため、植物成育を効果的かつ安定的に制
御可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る養液制御装置の一実施例を示す構
成図、第2図は同実施例の作用を説明するフローチャー
トである。 1……栽培パネル 2……タンク 3……循環ポンプ 4……導電率計 5……pH計 6……イオン分析計 7……高濃度液肥タンク 8……液肥用ポンプ 9……酸タンク 10……アルカリタンク 11……酸タンク用ポンプ 12……アルカリタンク用ポンプ 13……水道水 14……水道水用電磁弁 15……コントローラ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物栽培に用いる養液中の導電率を測定す
    る導電率計と、 前記養液中のpHを測定するpH計と、 前記養液中の各イオン濃度を測定するイオン分析計と、 測定された導電率が所定範囲外の場合には、高濃度液肥
    または希釈水を補給して該導電率を目標値に一致させる
    導電率制御手段と、 導電率制御がされた後に測定されたpHが所定範囲外の場
    合において、イオン分析された特定イオンが所定濃度以
    下の場合には、前記特定イオンを含む陽イオンを成分と
    するアルカリ性養液を補給し、または前記特定イオンを
    含む陰イオンを成分とする酸性養液を補給して該pHと該
    特定イオン濃度とを目標値に一致させるpH制御手段と、 このpH制御手段によるpH制御がされた後に各イオン濃度
    を分析し所定濃度以下の特定イオンがある場合には、該
    特定イオンを含む養液を補給して各イオン濃度を目標値
    に一致させるイオン濃度制御手段と、 このイオン濃度制御手段によりイオン濃度が調整された
    結果、pHが変動した場合には、再度前記pH制御を実行さ
    せる手段と、 を備えて成ることを特徴とする養液制御装置。
  2. 【請求項2】前記イオン濃度制御手段は、イオン分析さ
    れた特定イオンが所定濃度以上の場合には、該特定イオ
    ン以外のイオン濃度を上昇させて全体のイオン濃度を平
    衡させる手段であることを特徴とする請求項第1項記載
    の養液制御装置。
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