JP2001103855A - 養液イオン濃度調整装置 - Google Patents

養液イオン濃度調整装置

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JP2001103855A
JP2001103855A JP28486999A JP28486999A JP2001103855A JP 2001103855 A JP2001103855 A JP 2001103855A JP 28486999 A JP28486999 A JP 28486999A JP 28486999 A JP28486999 A JP 28486999A JP 2001103855 A JP2001103855 A JP 2001103855A
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concentration
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Haruhisa Ida
晴久 位田
Yutaka Kubota
豊 久保田
Kazuo Kitahara
上雄 北原
Akiko Komiyama
晶子 小宮山
Masayuki Ito
正幸 伊東
Hiromi Hirayama
宏美 平山
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Kyushu Electric Power Co Inc
Nishimu Electronics Industries Co Inc
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Kyushu Electric Power Co Inc
Nishimu Electronics Industries Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 養液のイオン濃度調整において、養液中の主
要7要素のイオンバランスを壊すことなく、長期間、養
液を栽培に使用可能とする養液イオン濃度の調整装置を
提供する。 【解決手段】 イオン濃度調整装置において、養液中に
含まれる主要な7種類のイオン(NO3−N、P、S、
K、Ca、Mg、NH4−N)濃度をイオン濃度測定部
6で測定し、イオン濃度目標値と測定値の差分を薬品に
より補充する際に、補給する養液に薬品の最適な種類と
量を収束計算により演算装置9で計算し、計算結果に基
づいて薬品ポンプ11を制御して薬品を計量・補給し、
さらに養液タンク1を循環ポンプ2,撹拌ポンプ3で混
合する調整装置。補給の際にはポンプ駆動順に制限を設
定し、補給時の沈殿を防ぐ。調整後、再度イオン濃度を
測定し、予め設定していた許容範囲と比較して濃度が範
囲から逸脱していた場合、警報を発する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物養液栽培にお
ける養液イオン濃度調整に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、連作障害回避、省力化、高品質化
及び周年栽培等を目的として養液栽培が注目され、急激
な伸びを見せている。養液栽培には、養液の組成や濃度
を作物の種類や生育ステージに応じて調整することによ
り、植物の成長を制御できる長所がある。
【0003】しかしながら、植物が必要とする栄養分を
過不足なく毎日与えてやらなければならず、養液の濃度
管理技術の確立が課題となっている。
【0004】従来、養液の濃度管理は、電気伝導度(E
C)を測定することで行われている。ECを常時監視す
ることにより、EC値の変化に伴い濃厚薬品を比例供給
することで濃度調整が行われている。
【0005】ECは、養液中の全イオンの総量を示して
いるため、栽培経過に伴い植物が特定のイオン種のみを
吸収してECが低下しても、吸収されて低下した特定の
イオン種の不足には対応できない。また、ECは、全イ
オンの総量を示しているため、必要なイオンの量が不足
しているが、他のイオンの存在により見かけ上ECは変
化していないような場合には、ECで判断する濃度には
異常がないのに、栽培は失敗してしまうようなことが起
こってしまう。
【0006】このため、農家は定期的な養液交換をせざ
るを得ない。養液の交換は、肥料の冗費であり、また、
最近では大量の養液の廃棄が地下水汚染を引き起こし、
環境保護の見地から問題視されてきている。
【0007】養液栽培で必要なイオンは、多量要素で陰
イオンが硝酸態窒素(NO3−N)、リン(P)及びイ
オウ(S)の3種類で、陽イオンはカリウム(K)、カ
ルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)及びアンモニ
ア態窒素(NH4−N)の4種で計7種類である。微量
要素は、鉄(Fe)、ホウ素(B)、マンガン(M
n)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)及びモリブデン(M
o)の6種類である。
【0008】植物は、成長の過程で前記イオンを吸収す
る。吸収されるイオンの種類・量は、栽培ステージによ
って異なっており、また、天候等にも大きく左右され
る。植物が養液中の一部のイオンを吸収して養液中のイ
オンバランスが壊れた時、必要なイオンが存在するにも
かかわらず、他のイオンが過剰に存在するために、必要
なイオンが植物に吸収されにくくなってしまい植物の成
長に悪い影響を及ぼすこともある。養液栽培において、
養液中のイオン濃度を厳密に管理することは重要であ
る。
【0009】養液中のイオン濃度を測定して不足分イオ
ンを補給する調整方法は最近行われてきているが、薬品
は塩の形で供給されるため、不足するイオンのみを補充
することはできない。例えば、Kの補給のために硝酸カ
リウム(KNO3)を使うと補給したKと同量の硝酸イ
オン(NO3−N)が補給されてしまう。NO3−Nの不
足量がKと同じでない限り、Kの補給のためにNO3
Nの濃度が過剰になってしまう。同様に養液栽培の補給
薬品として通常硝酸カルシウム、硫酸マグネシウム、第
一リン酸アンモニウム等がよく使われるが、前記硝酸カ
リウムの例と同様に必要とされるイオンとその補給薬品
を構成する対イオンが同時に養液タンク中に補給される
ため、同時に補給される対イオンが補給される分だけ不
足していない限り、薬品の補給によりイオンバランスを
こわしてしまうことが起こる。
【0010】また、植物は生育の過程や環境により特定
のイオンのみを多量に吸収することがあることはよく知
られている。例えばトマトは果実肥大期にカリウムを大
量に吸収する。
【0011】養液のイオン濃度を測定して調整する方法
については、特開昭62−226号公報、特許第183
8887号明細書、特開平1−215223号公報、特
開平2−308731号公報、特開平3−94622号
公報、特開平3−183422号公報、特許第2747
101号明細書、特開平4−325035号公報、特開
平6−209661号公報、特開平6−253695号
公報、特開平7−227163号公報に見られる。この
公報中には、これら不足したイオンのみを補給するイオ
ン濃度調整を行うと記載されているが、薬品は必ず塩の
形で供給されるため、前記の公報中の方法では、対イオ
ンの影響が無視できず、必要なイオンの補給時に対イオ
ンも補給されるため、養液中のイオンバランスを壊さず
に過不足なく養液中のイオン濃度を調整することはでき
ない。
【0012】さらに、養液の調合に使われる原水は通常
地下水や雨水等安価な水が使われているが、原水に溶け
ているイオンの濃度は地域や環境によって異なってお
り、栽培作業者はある濃度の養液を作る場合、使用する
原水のイオン濃度を常に考慮して薬品の補給をしなくて
はならない。
【0013】このように、薬品で不足したイオンを補給
して養液のイオン濃度を調整するのは、熟練した能力が
必要となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、通常使
われているECを用いたイオン濃度調整方法では、特定
のイオンの減少に対応できないという問題点がある。ま
た、不足したイオンの補充のために薬品を補給する方法
でも、補給する薬品の対イオンが薬品補給時に同時に養
液中に入ってしまうため、薬品補給により養液中の特定
のイオン濃度の過剰供給やイオンバランスの破壊を引き
起こしてしまう問題がある。さらに、栽培経過に伴う養
液のイオン濃度変更や使用する原水の水質の考慮等、養
液のイオン濃度調整には熟練した能力を必要とする問題
点がある。そして、養液全体の交換は、肥料の冗費と廃
液の環境への影響という問題がある。
【0015】そこで本発明が解決しようとする課題は、
不足したイオンの補給を過不足なく行って、養液中のイ
オンバランスを保持することのできる養液栽培装置にお
ける養液イオン濃度調整装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の養液イオン濃度調整装置は、養液を供給し
て植物を栽培する養液栽培装置であって、養液中の硝酸
態窒素(NO3−N)、リン(P)、イオウ(S)、カ
リウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(M
g)及びアンモニア態窒素(NH4−N)の7種類のイ
オン濃度の測定手段と、前記7種類のイオン濃度の目標
値とイオン濃度許容範囲を予め設定できる目標値設定手
段と、前記目標値設定手段で設定した目標値と前記測定
手段で測定した測定値の差を計算し、差分の不足イオン
濃度分を補充するために、補給する薬品の補給量を計算
する演算部と、演算結果に基づき、予め準備した数種の
濃厚薬品の中から補給すべき薬品のポンプを駆動させて
濃厚薬品を補給し、さらに養液タンクを攪拌して養液イ
オン濃度を均一化させる制御部を有するものである。
【0017】前記演算部は、前記測定値と前記イオン濃
度目標値との差を計算し、差分の不足イオン濃度分を濃
厚薬品を使用して補充するために、収束計算を行い、収
束計算の際に、前記補給に用いる濃厚薬品を構成する薬
品中の陽イオンと陰イオンの補給を考慮して、養液中へ
の薬品補給により、同時に補給される対イオンの影響に
より養液中のイオンバランスが壊れないような計算を行
って、予め準備した濃厚薬品の中から補給に必要な薬品
のみの種類及び補給量を求め、補給する薬品を厳密に選
択することにより、不足した前記7種類のイオンの必要
量だけを補給する。
【0018】この演算部はさらに、濃厚薬品を補給しタ
ンク内を一定時間攪拌した後、前記測定手段を用いて第
2回目の養液のイオン濃度測定を行って、その測定結果
を前記目標値設定手段にて設定したイオン濃度許容範囲
と比較して、調整後のイオン濃度が許容範囲から逸脱し
ていた場合、自動で警報を発する。
【0019】また前記制御部は、濃厚薬品補給の際に、
予め濃厚薬品の補給順番を制限として登録しておき、前
記濃厚薬品の補給時に養液タンク中で沈殿を生じさせな
いようにして濃厚薬品を補給し、補給中には養液タンク
内を攪拌して養液タンク中の養液イオン濃度をすばやく
均一化させる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明においては、植物の生育に
必要な主要7要素、硝酸態窒素(NO3−N)、リン
(P)、イオウ(S)、カリウム(K)、カルシウム
(Ca)、マグネシウム(Mg)及びアンモニア態窒素
(NH4−N)を測定する測定手段と、予め前記7要素
のイオン濃度の目標値とイオン濃度許容範囲を設定でき
る目標値設定手段と、前記測定値と前記イオン濃度目標
値との差を計算し、差分の不足イオン濃度分を濃厚薬品
を使用して補充するために、収束計算を行い、収束計算
の際に、補給の際の前記補給に用いる濃厚薬品を構成す
る前記7種類のイオン以外の対イオンの補給を考慮し
て、養液中への薬品補給により、前記主要7イオンとと
もに補給される対イオンにより養液中のイオンバランス
が壊れないような計算を行って、予め準備した濃厚薬品
の中から補給に必要な薬品のみの種類及び補給量を求
め、補給する薬品を厳密に選択することにより、不足し
た前記7種類のイオンの必要量だけ補給でき、また、必
要イオンの補給に伴う対イオンの過剰供給による養液中
の全体のイオンバランスを壊すことがなく補給できるた
め、植物の生育に必要な養液成分中の前記7種類のイオ
ンバランスを一定に保つことができる演算部と、濃厚薬
品補給の補給の際には、予め濃厚薬品の補給順番を制限
として登録しておき、前記濃厚薬品の補給時に養液タン
ク中で沈殿を生じさせないようにして濃厚薬品を補給
し、補給中には養液タンク内を攪拌して養液タンク中の
養液イオン濃度をすばやく均一化させることができる制
御部を有するため、不足したイオンの補給が過不足なく
でき、薬品の補給による対イオンの過剰供給や養液中の
イオンバランスを壊すことはない。
【0021】また、本養液栽培装置により作業者は前記
目標値設定手段にイオン濃度調整の目標値を設定しさえ
すれば、簡便にイオン濃度調整ができるので、イオン濃
度調整のための高い管理能力は必要ない。さらに、濃厚
薬品を補給しタンク内を一定時間攪拌した後、前記測定
手段を用いて第2回目の養液のイオン濃度測定を行っ
て、その測定結果を前記目標値設定手段にて設定したイ
オン濃度許容範囲と比較して、調整後のイオン濃度が許
容範囲から逸脱していた場合、自動で警報を発すること
ができる演算部を有するので、イオン濃度調整後の状態
の可否を容易に判断できる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明を実施するための装置の概略
構成を示すブロック図である。養液タンク1に養液を貯
蔵し、栽培時には循環ポンプ2で養液を養液タンク1か
ら栽培ベッド5へ循環させて作物4を栽培する。養液タ
ンク1には、攪拌ポンプ3が設置されており、調整時等
に養液を攪拌均一化させる。イオン濃度測定部6は、サ
ンプリング用ポンプ8とイオン濃度測定器7からなる。
イオン濃度測定器7は、イオン濃度を測定する手段、イ
オンクロマト測定器、イオン電極、原子吸光分析計、分
光光度計等の分析機器や滴定分析や簡易分析キット等い
ずれでもよい。イオン濃度測定部6は自動、手動いずれ
でもかまわない。手動の場合、サンプリングポンプ8
は、手動による養液のサンプリングという手段となる。
【0023】イオン濃度測定部6で計測されたイオン濃
度は演算装置9へ送られる。演算装置9には予め目標と
するイオン濃度及び許容範囲を設定しておく。さらに演
算装置9はコントローラ10につながっている。
【0024】薬品を補給するために複数の薬品タンク1
2に濃厚薬品を準備し、それぞれ薬品タンク12に薬品
ポンプ11を設置する。各薬品ポンプはコントローラ1
0につながっている。
【0025】通常の栽培は、養液タンク1の養液を栽培
ベッド5に循環ポンプ2を用いて循環させて行われる。
過剰の養液は栽培ベッド5から養液タンク1へ戻る。
【0026】養液イオン濃度調整時には、サンプリング
ポンプ8により養液タンク1の養液がイオン濃度測定器
7へ送られる。イオン濃度測定器7で測定されたイオン
濃度が、演算装置9へ送られ収束計算が行われる。
【0027】演算装置9には予めイオン濃度の目標値、
薬品タンク12に準備された薬品の種類・濃度・純度を
入力しておく。薬品の種類については薬品に含まれるイ
オンの種類も正確に入力しておく。また、薬品の価格も
入力することができる。
【0028】収束計算では、まず、測定したイオン濃度
と目標値との差を求める。求めた差分のうち不足してい
るものが補給すべきイオン種であり、補充すべき量であ
る。不足しているイオンの濃度を補填しさらに、一部の
イオンのみが過剰に供給されることがないように、必要
な補給薬品の種類の組み合わせと補給量を計算する。収
束計算の際に条件として、不足しているイオン種を過不
足ないように補充すること、また、補給する薬品量が最
小ですむようにする。最後に薬品タンク12の薬品濃度
を考慮して補給量を計算する。計算結果はコントローラ
へ送られる。
【0029】コントローラ10は、計算結果を基に必要
な薬品の入っている薬品タンク12の薬品ポンプ11を
薬品ポンプ11の吐出量を考慮して一定時間作動させ
る。また、補給する薬品の性質上、同時に補給すると沈
殿等が生じる薬品については、予め薬品ポンプ11の作
動順を設定することができるようにする。
【0030】コントローラ10は、一連のイオン濃度調
整作業中は、攪拌ポンプ3を動かして、早く養液タンク
1内の濃度が均一になるようにする。
【0031】一定時間後、再度サンプリングポンプ8で
イオン濃度調整後の養液タンク1内の養液をイオン濃度
測定器7にて計測し、演算装置9にて予め設定しておい
たイオン濃度の許容範囲と比較して、調整後のイオン濃
度が許容範囲から逸脱していた場合、自動的に警報を発
生させる。
【0032】実験の一例を示すと、養液イオン濃度調整
時にサンプリングポンプ8を作動させ、養液をイオン濃
度測定器7へ送る。実験では、イオン濃度測定器7とし
て陽・陰イオンクロマト測定器を使用した。計測した結
果は、演算装置9へ送られた。表1中の測定値の各項に
結果を示す。演算装置9には、予め目標値を入力してお
いた。その後収束計算により、目標値−計測値=不足し
ているイオンの量を補充するための薬品の種類と補給量
が計算された。
【0033】
【表1】
【0034】収束計算の結果では表2の通りで、この実
験例では、準備した薬品のうちリン酸2水素カリウムと
硫酸アンモニウムは補給の対象とはならなかった。結果
は、コントローラ10へ送られた。
【0035】
【表2】
【0036】コントローラ10では、演算結果を基に薬
品ポンプ11を作動させた。薬品ポンプ11は予め設定
した補給順の制限に従って駆動させた。薬品補給中は均
一化のために攪拌ポンプ3を作動させた。
【0037】本装置を用いた栽培とEC制御での栽培の
養液中のイオン濃度の変化の比較を図2、3に示す。
【0038】必要とするイオンに対して過不足なく補給
を行っているので、本装置では目標値に一致した推移を
示しているが、EC制御では徐々に目標値からイオン濃
度がずれてきており養液中のイオンバランスを壊してい
る。イオン調整の間隔を短くすると本装置を用いた場合
のイオン濃度変化は目標値に非常に近くなる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、養液のイオン濃度調整
において養液中に含まれるイオン濃度を測定し、目標値
との差分に相当するイオンの補充を、収束計算によって
最適な補給薬品の組み合わせと量を計算し、計算結果に
基づいて薬品ポンプを制御して行うために、不足したイ
オンの補給が過不足なくできるため、養液中のイオンバ
ランスを壊すことはない。
【0040】また、生育段階に応じたイオン濃度の変更
や原水の水質に対する考慮も、イオン濃度の目標値の変
更や原水の水質を現状の養液のイオン濃度として入力す
ることで対応できるので、熟練した能力を必要としな
い。
【0041】また、調整後に再度イオン濃度を計測し、
予め入力しておいた許容範囲と比較して警報を発すこと
ができるので容易に調整の可否について判断することが
できる。
【0042】さらに、養液中に含まれる栽培に必要なイ
オンの種類・量の目標値に対する変動を少なくして栽培
を続けられるので、長期間の養液使用が可能となり養液
の更新に伴う薬品肥料の冗費や廃液の環境への影響も低
減できるという特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の養液の制御方法を実施するための装
置の概略構成図である。
【図2】 トマト栽培における本装置による制御とEC
制御の比較(養液中のKイオン濃度の変化)を示すグラ
フである。
【図3】 トマト栽培における本装置による制御とEC
制御の比較(養液中のCaイオン濃度の変化)を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 養液タンク、2 循環ポンプ、3 攪拌ポンプ、4
作物、5 栽培ベッド、6 イオン濃度測定部、7
イオン濃度測定器、8 サンプリングポンプ、9演算装
置、10 コントローラ、11 薬品ポンプ、12 原
液タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 位田 晴久 宮崎県宮崎市学園木花台西一丁目1番地 宮崎大学農学部内 (72)発明者 久保田 豊 宮崎県宮崎市学園木花台西一丁目1番地 宮崎大学農学部内 (72)発明者 北原 上雄 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 小宮山 晶子 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 伊東 正幸 福岡県福岡市博多区美野島一丁目2番8号 NTビル ニシム電子工業株式会社内 (72)発明者 平山 宏美 福岡県福岡市博多区美野島一丁目2番8号 NTビル ニシム電子工業株式会社内 Fターム(参考) 2B314 MA18 MA52 PA03 PA05 PA18 PB02 PB08 PB44 PB61

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 養液を供給して植物を栽培する養液栽培
    装置であって、養液中の硝酸態窒素(NO3−N)、リ
    ン(P)、イオウ(S)、カリウム(K)、カルシウム
    (Ca)、マグネシウム(Mg)及びアンモニア態窒素
    (NH4−N)の7種類のイオン濃度の測定手段と、前
    記7種類のイオン濃度の目標値とイオン濃度許容範囲を
    予め設定できる目標値設定手段と、前記目標値設定手段
    で設定した目標値と前記測定手段で測定した測定値の差
    を計算し、差分の不足イオン濃度分を補充するために、
    補給する薬品の補給量を計算する演算部と、演算結果に
    基づき、予め準備した数種の濃厚薬品の中から補給すべ
    き薬品のポンプを駆動させて濃厚薬品を補給し、さらに
    養液タンクを攪拌して養液イオン濃度を均一化させる制
    御部を有する養液のイオン濃度調整装置。
  2. 【請求項2】 演算部は、前記測定値と前記イオン濃度
    目標値との差を計算し、差分の不足イオン濃度分を濃厚
    薬品を使用して補充するために、収束計算を行い、収束
    計算の際に、前記補給に用いる濃厚薬品を構成する薬品
    中の陽イオンと陰イオンの補給を考慮して、養液中への
    薬品補給により、同時に補給される対イオンの影響によ
    り養液中のイオンバランスが壊れないような計算を行っ
    て、予め準備した濃厚薬品の中から補給に必要な薬品の
    みの種類及び補給量を求め、補給する薬品を厳密に選択
    することにより、不足した前記7種類のイオンの必要量
    だけを補給するものである請求項1記載の養液イオン濃
    度調整装置。
  3. 【請求項3】 演算部は、濃厚薬品を補給しタンク内を
    一定時間攪拌した後、前記測定手段を用いて第2回目の
    養液のイオン濃度測定を行って、その測定結果を前記目
    標値設定手段にて設定したイオン濃度許容範囲と比較し
    て、調整後のイオン濃度が許容範囲から逸脱していた場
    合、自動で警報を発するものである請求項2記載の養液
    イオン濃度調整装置。
  4. 【請求項4】 制御部は、濃厚薬品補給の際に、予め濃
    厚薬品の補給順番を制限として登録しておき、前記濃厚
    薬品の補給時に養液タンク中で沈殿を生じさせないよう
    にして濃厚薬品を補給し、補給中には養液タンク内を攪
    拌して養液タンク中の養液イオン濃度をすばやく均一化
    させるものである請求項1から3のいずれかの項に記載
    の養液イオン濃度調整装置。
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