JP3782732B2 - 土壌のpF値の測定方法、並びに灌水制御方法及び灌水制御装置 - Google Patents

土壌のpF値の測定方法、並びに灌水制御方法及び灌水制御装置 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、土壌の水分量の測定、並びにそれを用いる栽培方法及び栽培装置に関し、特に土壌の管理を容易にし、節水、省資源及び省労力を可能とするために、土壌の水分量を測定し、これをpF値に換算して土壌のpF値を決定する方法、並びに測定されたpF値に基づいて土壌への水又は培養液の供給を制御する灌水制御方法及びその装置に関する。なお、ここでいう土壌とは、植物体の根、地下茎等の地中部位を支持するもの一般を指し、いわゆる「土」の他に、砂、礫、くん炭、軽石のような固形培地なども含む。
背景技術
土壌における農作物の栽培では、土壌の含水量が農作物の成長に大きく影響しているので、含水量の高い土地では排水を良くし、逆に含水量の低い土地では灌水をしており、また、季節的に雨の少ない時期には灌水量を多くするなどの工夫をしている。このため、農作物の成長を良好に行わせるようにするには、土壌中の含水量を正確に知る必要がある。
また、サラダナやトマトなどの高級野菜などを栽培する場合には、畑地などではなく、例えばオープンエリア施設やハウス施設などで精密に環境管理しながら、工場生産的に栽培する必要がある場合がある。このような栽培方法を施設栽培法と呼んでいる。畑地などでの栽培では、土壌に対して肥料等で栄養を与える一方で、作物に対して水を散布するという栽培方法が用いられているが、施設栽培法においては、砂、礫、くん炭などを敷き詰めて培地とし、これに灌水によって栄養水液を与えるという養液栽培法が好ましく用いられている。しかしながら、現実の栽培、特に養液栽培においては、必ずしも最適の灌水がなされてはいないのが現状である。
養液栽培は、大きく分類すると、水耕、噴霧耕及び固形培地耕の3種に分けられ、その中、固形培地耕の栽培方式では、点滴掛流しが多く用いられている。この点滴掛流しの方式では、一般にタイマー等による自動灌水が主流であるが、必ずしも最適な灌水がなされているわけではない。これは、栽培作物による培養液の吸収量は、日射量や温室の温度及び湿度等に左右されるからである。例えば、日射量が多くて、温室の温度が高く、湿度が低ければ、栽培作物からの蒸散量が極めて多くなる。また、逆に雨の日などは、栽培作物からの蒸散量は減少する。また、栽培作物の成長過程により培養液の吸収量が大きく左右され、栽培作物が成長すると培養液の吸収量が非常に大きくなる。また、果実類などは、ある程度まで成長したら水の供給量を抑えて栽培すると、糖度の高い高品質のものが得られることが知られている。しかしながら、タイマー等による自動灌水では、このような栽培作物の環境条件及び成長過程に追従することはできず、忠実に追従できるようにするためには、灌水回数、灌水開始時刻や、灌水時間を、日々設定し直さなければならない。
これでは、タイマー等による自動灌水とは言っても用をなさないし、最適灌水がなされているかどうか疑わしい。このような理由から、タイマー等による自動灌水においては、作物のしおれなどが起こらないように過剰気味に灌水されていることが多く、過剰灌水による根腐れや、排水量の増大(即ち廃棄される養液及び水の量の増大)などの問題を避けることができなかった。
ところで、土壌中の含水量と農作物の栽培との関係をみると、土壌中にある水がすべて農作物に利用できる訳ではなく、例えば土の中の結合水は農作物の生育には利用できない。また天候変化による土壌の含水量の変化を考えると、大雨が降ったときには土壌に水が一杯になるが、その後、水が徐々に下に吸い込まれていって、土壌の含水量が低下する。土壌に水が一杯になった状態は水耕栽培と同様の状態で、通気性が悪く、必ずしも露地栽培には適しない。次に土壌の含水量が低下する段階では、かなり下がってある限界以下まで低下したときには、根が水を吸い上げることができなくなり、根の毛管連絡が切断されるようになって、根枯れの状態に入ることになる。この状態となると、その後に水を供給しても根枯れは回復しないので、この状態を下限としてこれより上に土壌の含水量が保たれるようにすることが必要である。
このような土壌の含水状態は、土壌に含まれる水のポテンシャルによって決まるので、農作物の栽培と関係する土壌の含水状態は、単純に土壌の含水量で表わすことは適当でないと考えられている。そこで、土壌の水ポテンシャルに基づいた含水状態を表わす方法が好ましい。
ところで、土壌の含水状態を表す因子の一つに「pF値」がある。pF値とは、R.K.Schofieldによって1935年に提案されたもので、土壌の水ポテンシャルの内のマトリックスポテンシャルに関する指標値である。マトリックスポテンシャルとは、毛管力、分子間力、クーロン力などの水と土壌粒子との相互作用に基づく化学ポテンシャルの低下量である。要するに、マトリックスポテンシャルとは、土壌粒子が水分子を引きつける力の強弱を示す。水柱単位(cm)で示されたマトリックスポテンシャルの絶対値の常用対数を「pF値」と呼んでいる。水柱(cm)の単位で表された土壌水のポテンシャルφとpF値とは、pF=log(−10.2φ)の関係にある。
pF値は、土壌中に含まれる水(養液栽培では培養液である)の質を表わす量である。pF値が0近傍の場合は、土壌が水で満たされている状態を表す。降雨や灌漑の24時間後に土壌中に残った水分(圃場容水量)はpF1.7程度であり、ここから作物がしおれ始める初期しおれ点(pF3.8)までが有効水と呼ばれている。しかしながら、作物の生育は初期しおれ点よりも水分が多い時点で支障が出始める。それは、作物の根の毛管連絡が切れて作物の根からの水の移動が止まる状態の時で、これを毛管連絡切断点とよび、pF2.7程度である。したがって、一般に作物を栽培する場合、pF値はpF1.7〜pF2.7の間が適しているとされている。これらのことから、pF1.7〜pF2.7の間の水分を易効水と呼び、土壌における農作物の栽培には、このpF1.7〜pF2.7の易効水の状態を保つことが必要である。なお、pF値及び土壌の水ポテンシャルについては、例えば、「土壌環境分析法」,日本土壌肥料学会監修,土壌環境分析法編集委員会編,博友社刊,1997年第1刷発行,48〜51頁;「土の環境圏」,岩田進午ら監修,(株)フジテクノシステム発行,1997年,72〜76頁;「土壌診断の方法と活用」,藤原俊六郎ほか著,社団法人農山漁村文化協会発行,1996年,72〜77頁;「最新土壌学」,久馬一剛編,朝倉書店発行,1997年,101〜107頁;などに説明されている。
土壌での農作物の栽培においては、このpF値を基準にして灌水等の作業を行うことが望ましい。
pF値の測定法には、野外で土壌に対して直接行うことのできる測定法としてテンシオメータ法が知られている。
実際の栽培での灌水制御において有効に使用できる測定法としては、圃場において土壌の容水量をそのまま測れるものでなければならない。したがって、一般圃場においては、テンシオメータ法が土壌のpF値を簡単に測れる方法として、最適灌水などの管理を行うのに用いられている。テンシオメータ法とは、素焼きカップ(プローブ)と硬質透明塩化ビニル管から構成されるテンシオメータを土壌中に埋設し、テンシオメータを水で満たして、素焼きカップ(プローブ)壁を通して土壌水分と管内の水とを水理的に連続させ、土壌のマトリックスポテンシャルと管内の圧力とを平衡状態にして管内の圧力を土壌のマトリックスポテンシャルとして読取るというものである。「テンシオメータ法」の詳細については、例えば、上述の「土壌環境分析法」,59〜62頁などに記載されている。
しかしながら、従来使用されているテンシオメータ法は、その場で装置内への水分の補給を必要とするため、センサー(テンシオメータ)の管理が大変で、より簡単な手段、あるいはより簡単な装置で土壌のpF値を測定できるようにすることが望まれている。また、土壌でもその質によってはテンシオメータ法を使用するに適しない場合がある。
すなわち、粗い粒子からなる土壌、例えば養液栽培等において使用されている軽石粒子などのような多孔質表面を有する粗大な粒子の固形培地においては、このテンシオメータ法を使用することはできない。
これは、培地が粗いため、培地粒子がテンシオメータのプローブの表面の全体に密着せず、したがって培地粒子の水がプローブの表面に密着しないので、正確な測定ができないからである。そのため、従来では粗大粒子の固形培地耕においてもpF値による灌水制御が望ましいとされながら、pF値を指標とする灌水制御は全く行えなかったのが実情であった。
現在、土壌中のpF値を直接測定することのできる方法として、テンシオメータ法に代わる手段は見当たらない。
ところで、土壌の保水性を調べる手段として、最近注目されている方法の中に、土壌の誘電率を測定し、これから土壌の体積含水率を求める方法が注目されており、電気パルスの伝播時間から土壌の誘電率を求めるTDR(Time Domain Reflectometry)法、電気パルスの周波数領域における特性から土壌の誘電率を求めるFDR(Frequency Domain Reflectometry)法が実用化されている。また、より簡便且つ安価に土壌の体積含水率を測定する方法としてインピーダンス測定によるADR(Amplitude Domain Reflectometry)法が提案されている。これらの方法については、上述の「土壌環境分析法」,62〜64頁;Topp,G.C.et.al.(1980):Electromagnetic determination of soil water content:Measurements in coaxial transmission lines.Water Resources Research,16,574−582;堀野治彦・丸山利輔(1993):3線式プローブによる土壌水分のTDR計測,農業土木学会論文集,168,119〜120頁;巽北平ほか(1996):FDR法による現地土壌水分の測定,農業土木学会論文集,182,31〜38頁;中島誠ほか(1997):ADR法を用いた土壌水分量の測定,日本地下水学会1997年春季講演要旨集18〜23頁;などに記載されている。特に、ADR法を用いると、測定が非常に簡便であり、相関性も高く、測定装置が簡単な構造で保守が容易であり、取扱いも容易であり、連続的な測定ができ、いわゆるメンテナンスフリーである。しかしながら、これらの方法は土壌の体積含水率を求めるもので、土壌のpF値を直接求めることはできない。
本発明は、テンシオメータ法によらないで、土壌の保水性を調べる方法を利用して土壌のpF値を測定できる手段を提供することを目的とするものである。
また、本発明は、土壌の保水性を調べる方法を利用して即時にかつ連続的に土壌のpF値を測定し、その測定値を用いて灌水を制御する方法及び装置を提供することを目的とするものである。
さらに、本発明は、テンシオメータ法等で、土壌のpF値を直接測定できない場合においても、その土壌のpF値を測定できる手段、特に連続的に測定できる手段を提供し、その測定値を用いて灌水を制御する方法及び装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、更に、固形培地耕での養液栽培において、テンシオメータが使用できないような土壌、特に軽石のような多孔質の大径粒子の場合において、測定が簡単かつ容易な保水性の測定方法を利用しながら、pF値による灌水制御を可能にする土壌の水分量を測定する方法及び装置を提供することを目的とするものである。さらに、本発明は、固形培地耕での栽培においてpF値による灌水制御を可能にする灌水制御方法及び装置を提供することを目的とするものである。
発明の開示
本発明者は、上記の目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、上述のADR法などによって比較的簡単に測定することのできる土壌の体積含水率とpF値との間に、土壌の種類、即ち土性に依存する相関関係があることに着目し、予め測定対象の土壌に関する体積含水率とpF値との相関関係を求めた上で、土壌の体積含水率を測定することによって、これからpF値を求め、この値によって灌水制御を行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、土壌のpF値(土壌水分張力)を測定する方法であって、
(a)測定対象の土壌について予めpF値と体積含水率との相関関係を求め;
(b)土壌の体積含水率を測定し;
(c)上記工程(b)で測定された土壌の体積含水率の値を、上記工程(a)で得られたpF値と体積含水率との相関に基づいて、土壌のpF値に換算する;
ことを特徴とする土壌のpF値の測定方法を提供する。
発明を実施するための最良の形態
本発明に係る方法は、土壌の体積含水率を測定し、その体積含水率から土壌のpF値に求めるという概念に基づいている。
土壌の保水性は色々の因子で表わすことができ、体積含水率、pF値などもその一つである。体積含水率を測定する方法としては、土壌サンプルを採取してその水分重量を測定する重量法なども挙げることができるが、現場でその土壌の体積含水率を直接測定するには、サンプルを採取して測定する方法は連続測定ができないなどの点から使用できない。
土壌の体積含水率を圃場の現場で直接測定する手段として最近特に注目されている測定方法として、電気パルス方式により土壌の誘電率を測定して土壌の体積含水率を求める方法がある。この方法は土壌のある範囲を測定することから、測定値に変動が少なく、測定作業も簡単で優れている。また、測定が非常に早くでき、連続測定が容易で、電気的出力信号と体積含水率との相関性も高いものである。ただし、この電気パルス方式で測定できるのは土壌の体積含水率であり、これによって植物が利用可能な水分量の指標であるpF値を求める手段は開発されていない。
電気パルス方式の代表的な方法にTDR法があり、その測定原理は、水の比誘電率が81で、土壌固形物質の比誘電率の約4、空気の比誘電率の1と比べて著しく大きく、土壌のみかけの比誘電率と水分量との間に経験相関が成り立つことを利用して、土壌の体積含水率を測定するものである。具体的測定手段は、土壌内に2又は3針の平行電極を差し込み、それにマイクロ波を与え、その干渉反射波の伝播時間を測定する。電極の長さをL,反射波の伝播時間をtとすると、マイクロ波の伝播速度Vは、V=2L/tで与えられる。理論的に比誘電率Kaはマイクロ波の伝播速度Vの2乗に反比例するので、Ka=(C/V)によって比誘電率を求めることができる。なお、ここでCは真空中の光速度である。
類似する方法として、干渉反射波の周波数領域における特性から土壌の誘電率を求めるFDR法もある。これらの方法は、土壌の体積含水率を測定することができ、本発明方法において利用することができる方法である。
しかし、これらの方法は、パルスの伝播速度を測定するための高価なオシロスコープなどを必要とする欠点がある。
最近、これらの方法に匹敵する性能を有し、しかもより簡単に測定できる方法としてADR法が開発されている。このADR法は、簡単なインピーダンス測定により簡単かつ安価に土壌の体積含水率を測定する方法である。したがって、本発明において用いるのにより好ましい方法である。
ADR法は、土壌の比誘電率Kaは体積含水率(θ)に大きく左右されるという原理を利用してKa−θの関係からθを求めるものである点においては、上述のTDR法及びFDR法と同様であるが、ADR法は、比誘電率Kaの測定手段として、高周波の電気パルスが土壌中のプローブを通過して往復する際の伝送線のインピーダンス(Z)を測定してKaを求める点で異なる。
図1は、ADR法に基づく土壌水分センサー1の概要図である。(a)はその正面図であり、(b)は平面図である。このセンサープローブは、本体部2に100MHzのシヌソイド発振器、同軸伝送線区域及び測定電子回路を内蔵し、センサー部3は4本の平行なステンレス製のロッドからなる。(b)に示すように、センサー部3のロッドは中央の1本が信号ロッド5であり、外側の3本は信号ロッドの周囲に電気的な遮断を形成するシールドロッド6である。このセンサー部は、伝送線の付加的な区域としてふるまい、シールドロッド6に取り囲まれた直径26.5mmの範囲における土壌の誘電率にほぼ依存するZをもつ。
発振器の信号は、センサープローブの中を伝送線に沿って伝播し、センサー部3のZが本体部の同軸伝送線におけるZと異なる場合には、ある大きさの信号が信号ロッドと伝送線の接続部4から反射されて戻ってくる。この反射されて戻ってくる信号の割合を反射係数ρという。
反射係数は、入射波と反射波が干渉して生じる電圧定在波の原因である入射信号、すなわち送電線の長さに沿った電圧の振幅に干渉される。
そして、伝送線の初期のピーク電圧vと接続部でのピーク電圧vが一定の関係にあるように設計されているため、振幅の差は伝送線のインピーダンスと土壌マトリックス中におけるプローブのインピーダンスを関数とする関係式で表される。
この振幅の差を測定することにより、センサー部の相対的なインピーダンスZが評価され、次式:
Figure 0003782732
により誘電率Kaが求められる。上式において、rとrは信号電極と遮断電極の半径であり、Fは形状因子である。求められた土壌の比誘電率Kaから次式:
θ=−5.3×10−2+2.92×10−2Ka−5.5×10−4Ka+4.3×10−6Ka
の経験式によって、体積含水率θ(m・m−3)を求めることができる。
なお、電圧定在波の振幅は、土壌水分が多くなる(比誘電率が大きくなる)と小さくなる特性をもつ。この場合、その土壌の含水量を別に重量法などにより測定しておき、ADR法などで測定を行ってその出力信号値(例えば出力電圧)を求め、前記の土壌の含水量を変化させて測定を繰り返せば、土壌の含水量からの体積含水率と出力電圧との較正された関係線を得ることができ、現場でのADR法による測定で土壌の正確な体積含水率を得る手段が得られる。
このようにして、ADR法などの誘電率に基づく方法により土壌の体積含水率を求めることができる。ADR法におけるセンサーの出力電圧と体積含水率θとの関係を図2に示す。両者に相関関係があることが分かる。
上記したように、誘電率に基づく方法、特にADR法によれば、簡単かつ容易に土壌の体積含水率を求めることができ、しかもADR法では、ある直径の円筒状部分の土壌の平均誘電率の測定に基づいているので、センサーのプローブが土壌の粒子に密着していなくてもよく、軽石粒子などのような粒子の粗い土壌についても体積含水率を測定できるという利点がある。なお、上記並びに下記においては、ADR計によって電圧を出力させてこれに基づいて体積含水率を求める方法を説明しているが、本発明方法においては、ADR計による他の出力信号値に基づいて体積含水率を求めてもよいし、或いはTDR計やFDR計のような他の形式のセンサーの出力信号値に基づいて体積含水率を求めてもよい。
しかしながら、このような測定で得られる土壌の体積含水率、つまり含水量は、土壌の結合水などの植物が利用できない水の量も含んでいるので、植物が利用し得る水の量と良く対応しているpF値とは異なっている。
本発明においては、このようにしてADR法などにより得られる土壌の体積含水率の測定結果を、土壌のpF値に換算することによって、土壌のpF値を求める。
土壌試料のマトリクスポテンシャル(pF値)と体積水分率とは、その土性に依存して特有の相関関係があり、これを水分保持曲線と呼ぶ。土壌試料の水分保持曲線、即ちマトリクスポテンシャルと体積水分率との相関関係を測定する方法としては、砂柱法、吸引法、加圧板法、加圧膜法などが知られている。これらの方法のうち、砂柱法を除く他の方法はいずれも、所定の圧力を土壌試料にかけて平衡状態に達した際の土の重量を測定することにより、そのマトリクスポテンシャルに対応する体積含水率を求め、これを種々の圧力において行うことにより、その土壌試料についての水分保持曲線を得るというものである。また、砂柱法は、土壌試料に圧力をかける代わりに、砂柱上に載置された土壌試料に所定の位置ポテンシャルを与えることによって、同様の測定を行うものである。
本発明においては、このように、土壌の体積含水率とpF値との間に土性に依存する相関関係が存在することに着目し、測定対象の土壌について予め水分保持曲線(相関線)を求めておき、上記のADR法などの方法によって求められた土壌の体積含水率の値から、相関線によりその土壌のpF値を求める。なお、相関線は、表としたときには換算表に基づいてもよいし、可能であれば近似式としてもよい。相関線によって土壌の体積含水率の値から土壌のpF値を求める手段としては、例えば、予め求めた相関線を組み込んだ演算装置にADR計の出力信号を入力して土壌のpF値に対応する信号を出力するというプログラムを組み込んだマイコンなどの演算装置を利用する手段を用いることが好ましい。
以下において、土壌について、体積含水率とpF値との相関を調べて関係線を作り、誘電率に基づいてその土壌の体積含水率を求め、作成された関係線に基づいて、求められた体積含水率から土壌のpF値を求める本発明に係る手法について説明する。
まず、体積含水率とpF値との関係線(水分保持曲線)を作るための基礎データとなる、土壌の種々の体積含水率に対応するpF値を、当該技術において公知の方法により求める。pF値の測定は正確性が必要であるから、室内で行う測定法を採用する。公知の室内で行うpF値測定法としては、砂柱法、加圧板法、吸引法、加圧膜法、蒸気圧法を挙げることができる。この中で、砂柱法はpF値が0.5〜1.4の範囲、加圧板法はpF値が1.6〜2.7の範囲の測定に適しているといわれている。また、pF値の測定方法として「遠心法」という方法も提案されているが、この方法はまだ十分に実用化されていない。したがって、pF=1.7〜2.7の易効水の範囲内に土壌の含水量を保つという本発明の目的に合致する方法としては、加圧板法が最も適しているということができる。しかしながら、砂柱法などの他の方法も本発明において用いることができる。
例えば、加圧板法により土壌のpF値を測定する場合には、次のように行う。
まず、図3を用いて加圧板法の技術内容について簡単に説明する。加圧板装置10は加圧チャンバー12と加圧板13で構成されており、加圧板13は素焼板14の下側にスクリーン15をはさみ、それをゴム膜16で覆う構造になっている。加圧チャンバー12には圧力ゲージ18が設けられていて、チャンバー内の空気圧が読取られる。
水で飽和した素焼板14の上に土壌試料11を載せ、加圧装置連通管17から空気圧を加えると、その空気圧と平衡するマトリックスポテンシャルより大きいポテンシャルで保持されている土壌水は素焼板14を通して排水される。土壌水は金属製排水孔19から耐圧チューブ20、排水口21を通り、ピンチコック22を有する排水チューブ23から排水ビン24に入る。加圧チャンバー12の減圧のために排気バルブ25を設ける。空気圧を段階的に変えることにより、各マトリックスポテンシャルに対応した水分保持量を測定できる。サンプルの土壌は、その空気圧の大きさ毎に、加圧板ごと取り出して計量する。この測定された土壌試料の重量と乾燥状態の土壌試料の重量との差を算出することによって、含水量が求められる。ここで求められた含水量は、そのときの空気圧に対応するもの、すなわちその時の水分ポテンシャルに対応するものであるから、あるpF値に対応する含水量が求められる。また、土壌の嵩比重に基づいて、体積含水率も求められることになる。
この操作を、空気圧を段階的に変えて繰り返して行うことにより、種々のpF値とそれに対応する体積含水率との対比表が作成される。表の値を、横軸がpF値、縦軸が体積含水率のグラフにプロットすると、水分保持曲線が得られる。
また、同様に土壌のpF値を測定する方法である砂柱法の原理を図4を参照して説明する。
図4は、砂柱法装置51の概要を示す図である。通常、250μm以下のふるいを通過した細砂や300〜180μmに粒径を調整した石英砂が用いられる。事前に水洗いした砂52をカラムに充填し、コック60を開放して給水口59から水道水58を流入させて、砂を水で飽和させる。なお、カラムの底部には支持台61及びブラススクリーン62が配置されて、砂柱を保持するようになっている。そして、周囲をたたくなどして振動を与え、粒子配列を安定させる。砂柱上面からの蒸発を防ぐために、ポリエチレンシート又は蓋53をかぶせておく。採土円筒54にも蓋をつけておくと更に効果的である。土壌試料(採土円筒)54を砂柱52の上に載置し、可動式の排水口55の高さを砂柱上端に固定して、土壌試料54へ水を飽和させる。次に、可動排水口55を所定の位置まで下げ、コック56を開放して余剰水57を排出することによって、砂柱中の自由水面の水位を下げ、これにより土壌試料からの脱水を行わせる。水位Lは水位計63によって読取る。脱水が完了したらその時の土壌試料の質量を測定して、体積含水率を求める。この時点での、土壌試料のマトリクスポテンシャル(cm)は、土壌試料の厚さを1とすると、−(L+1/2)で示される。これにより、所定のpF値における土壌試料の体積含水率が求められる。
この操作を、水位Lを段階的に変えて繰り返して行うことにより、種々のpF値とそれに対応する体積含水率との対比表が作成される。表の値を、横軸がpF値、縦軸が体積含水率のグラフにプロットすると、水分保持曲線が得られる。
一方、同じ土壌について、体積含水率の分かったサンプルに関して例えばADR計でその出力信号値、例えば出力電圧を測定して、出力電圧と土壌の体積含水率との較正された換算表を作成する。この結果を、横軸が出力電圧、縦軸が体積含水率のグラフにプロットすると、図2のような関係線が得られる。
このように予め関係線を作成しておき、一般圃場の現場で例えばADR計を用いて土壌の含水量を測定すると、第1の工程として、ADR計の出力電圧から、予め作成された出力電圧と体積含水率との関係線に基づいて土壌の体積含水率が求められ、次に第2の工程として、求められた土壌の体積含水率から、予め作成された水分保持曲線(体積含水率とpF値との関係線)に基づいて土壌のpF値を求めることができる。
前記した2つの関係線を演算装置へ入れておけば、電子回路を用いてADR計の出力電圧の信号からその土壌のpF値を演算してその数値をディスプレイに表示することができ、測定作業が極めて簡便となる。
あるいはさらに、その演算で得た土壌のpF値の信号を灌水装置の制御回路に送り、灌水装置の給水装置を作動させるようにすることもできる。
本発明の方法によれば、従来用いられていたテンシオメータ法に比べて、遥かに簡便に土壌のpF値を直接且つ連続的に測定することができ、この測定結果を利用して灌水制御を行うことができる。また、テンシオメータ法では、軽石等のような多孔質表面を持つ粗い粒子からなる培地についてはpF値の測定を行うことができなかったが、本発明方法によれば、ADR法などのような多孔質培地にも適用可能な方法によって体積含水率の測定を行うことにより、pF値を求めることができる。
なお、本発明においてpF値と体積含水率との相関(水分保持曲線)を測定する方法として使用される加圧板法や砂柱法などによっては、特殊な土壌や培地、特に多孔質表面を有する粒子からなる土壌(培地)を測定することができない。これは、例えば培地として粒径が1〜5.6mmの軽石を使用した場合、加圧板法では、粒子間に圧力をかけても含有水が連続していないために正確なpF値を測定することができないからである。即ち、軽石粒子培地などでは含有水が連続して存在していないために、毛管現象の毛管水がつながらないので正しいpF値を測定することができない。また、砂柱法では、軽石培地の場合、水の液絡がないので、正確なpF値を測定することができない。そこで、本発明方法によって、多孔質表面を有する粒子からなる土壌についてpF値の測定を行う場合には、更なる工夫が必要となる。以下、この点について詳しく説明する。
本発明者らは、加圧板法や砂柱法によって、軽石培地のpF値を測定することができないかどうかを検討したところ、粗い培地粒子のみの試料ではpF値の正確な測定はできないが、粗い培地粒子に細かい培地粒子を混合したものについてはそのpF値を測定できることが分かった。そして、粗い培地粒子の土壌試料と、当該培地試料を粉砕して作成した培地微粒子試料とを用意し、更に、粗い培地粒子の土壌試料と培地微粒子試料とを混合して分散させた混合土壌試料を用意し、この培地微粒子試料と混合土壌試料とについてpF値の測定を行い、得られた結果を以下に説明する「減算処理」にかけることにより、粗い培地粒子の土壌試料のpF値を求めることができることを見出した。以下において、この方法に関して詳細に説明する。
まず、粗い培地、例えば粒径1〜5.6mmの軽石粗粒子からなる培地を用意する。次に、この粗粒子培地を粉砕して微粒子とした培地微粒子を調製する。また、上記の軽石粗粒子と培地微粒子とを混合して分散させた混合土壌試料を調製する。この場合、軽石粗粒子と培地微粒子とは、等重量ずつ混合することが好ましいが、必ずしも等重量である必要はない。但し、その場合には混合重量比を確認する。
このようにして得られた培地微粒子試料と混合土壌試料について、加圧板法などの方法によってpF値と体積含水率との関係、即ち水分保持曲線を求める。この方法について以下に説明する。以下の説明においては、便宜上、軽石粗粒子培地試料を試料B、軽石粗粒子から調製した培地微粒子試料を試料A、試料Aと試料Bとを混合して得られた混合土壌試料を試料Cと呼び、加圧板法によるpF値測定を例として挙げる。
培地微粉末からなる試料Aは加圧板法によりpF値を測定することができるが、軽石粗粒子試料Bは加圧板法によりpF値を測定することができない。しかしながら、混合土壌試料CについてはpF値を測定することができる。これは、粗い粒子の間隙に細かい微粒子が入り込むことにより、ブロ−スル−が起きないためであると考えられる。したがって、混合土壌試料の調製に用いる培地微粒子試料の粒径は、微粒子が粗粒子の間隙に入り込むようなものであることが望ましい。更には、微粒子が多孔質粗粒子の孔に入り込まない程度の大きさである必要がある。これは、微粒子が多孔質粗粒子の孔に入り込んでしまうと、挙動が変化してしまい、正確なpF値を計測することができなくなってしまうからである。一般に微粒子試料の粒径は、50〜200μm程度であることが好ましいが、この数値に限定されるものではない。
上述のように、粗粒子試料BについてはpF値の測定を行うことができないが、微粒子試料A及び混合土壌試料CについてはpF値の測定を行うことができる。そこで、混合土壌試料Cについての測定結果と微粒子試料Aについての測定結果から、試料Bについての測定結果を以下に説明する「減算処理」によって求める。
混合土壌試料C及び微粒子試料Aについて、加圧板法により、pF値と体積含水率との関係、即ち水分保持曲線を測定する。これらの測定は、各試料の含水状態を変えて幾通りにも測定する。
あるpF値における混合土壌試料Cの体積含水率をx(v/v%)、所定容量の混合土壌試料の含水量をc(g)とすると、その混合土壌試料のうち微粒子が保持する水の量[c(g)]は、同じ容量の培地微粒子試料AがそのpF値において有する含水量[a(g)]に、混合土壌試料中の培地微粒子の重量割合を乗じた値となる。即ち、上記所定容量の混合土壌試料中の培地微粒子の重量をzca(g)、同容量の培地微粒子試料の重量をz(g)とすると、c=a×(zca/z)となる。次に、混合土壌試料Cの含水量[c(g)]から混合土壌試料中の培地微粒子が保持する水の量[c(g)]を減じれば、混合土壌試料C中の粗粒子が保持する水の量[c(g)]が求められる。即ち、c=c−cとなる。そして、この水の量を、混合試料における粗い培地の割合で割ると、粗粒子培地試料Bの含水量を算出することができる。即ち、同容量の粗粒子培地試料Bの重量をz(g)、粗粒子培地試料Bの含水量をb(g)とすると、b=c×(z/zcb)となる。これにより得られた粗粒子培地試料の含水量b(g)から、粗粒子培地試料Bの体積含水率(v/v%)を求めることができる。
上述の測定においては試料はすべて重量で測定されている。なお、混合試料中の粗い培地粒子がその周囲を培地微粒子により囲まれることによって粗い培地粒子の表面での水分ポテンシャルが減少する。しかしながら、粗い培地粒子が多孔質であるため、培地微粒子によって囲まれる表面積が粗い培地粒子が全体として有する表面積に比して僅かなものであるため(1/100以下)、無視することができる程度のものである。
このようにして求められた粗粒子培地試料の体積含水率は、そのpF値に対応していると考えることができる。そして、このような測定/計算を、種々の圧力において繰り返せば、粗粒子培地の体積含水率とpF値との相関関係(水分保持曲線)を作成することができる。
また、同様に、砂柱法についても、粗粒子試料については水の液絡が遮断されるために正確なpF値の測定ができないが、粗粒子を粉砕して得られる微粒子試料及び粗粒子試料にこの微粒子試料を混合して得られる混合土壌試料については、正確なpF値の測定を行うことができることが分かった。これは、粗粒子の間隙に微粒子が入り込んで水の液絡が形成されるためであると考えられる。したがって、砂柱法によっても、上述のような手順を取ることによって、軽石などのような粗い粒子の土壌についても、pF値と体積含水率との関係、即ち水分保持曲線を求めることができる。
このようにして求められた水分保持曲線と、上述の方法で得られたADR計の出力電圧値と体積含水率との較正された相関関係とを用いて、ADR計で土壌の測定を行うことにより、その体積含水率を経てpF値を求めることができる。
即ち、本発明によって土壌のpF値を測定する方法は、土壌の質によって以下のような構成をとる。
まず、通常の土壌については、
(1)測定対象の土壌について、加圧板法や砂柱法などの方法によって、pF値と体積含水率との関係である水分保持曲線を求める;
(2)土壌について、ADR法などのような電気パルス式土壌誘電率測定法によって、土壌における出力信号値(ADR法の場合には出力電圧)を計測して、出力電圧と体積含水率との関係から、土壌の体積含水率を求める。なお、測定対象の土壌に関する出力信号値と体積含水率との関係(較正値)は、予め求めておく;
(3)上記(2)工程で求められた体積含水率から、上記(1)工程で作成された水分保持曲線に基づいて、土壌のpF値を求める;
という手順によって土壌のpF値を測定する。
また、軽石等の多孔質粗大粒子の土壌については、
(1)測定対象の粗粒子土壌の試料を粉砕して微粒子試料を形成し、また、粗粒子土壌試料と微粒子試料とを混合した混合土壌試料を形成し、同容量の粗粒子土壌試料、微粒子試料及び混合土壌試料を用意して、その重量を計測する。次に、微粒子試料及び混合土壌試料について、加圧板法や砂柱法などの方法によって、pF値と体積含水率との関係である水分保持曲線を求める。次に、得られた結果から、上述した「減算処理」によって粗粒子土壌についての水分保持曲線を求める;
(2)土壌について、ADR法などのような電気パルス式土壌誘電率測定法によって、土壌における出力信号値(ADR法の場合には出力電圧)を計測して、出力電圧と体積含水率との関係から、土壌の体積含水率を求める。なお、測定対象の土壌に関する出力信号値と体積含水率との関係(較正値)は、予め求めておく;
(3)上記(2)工程で求められた体積含水率から、上記(1)工程で作成された水分保持曲線に基づいて、土壌のpF値を求める;
という手順によって土壌のpF値を測定する。
本発明にしたがって、上記に説明したように土壌の水分量を測定する方法によってpF値を求め、得られたpF値によって灌水を制御することによって、最適条件下で作物の栽培を行うことができる。即ち、上記のように土壌のpF値を一定時間毎に測定し、測定されたpF値と目標とするpF値とを比較して、作物の栽培に最適の条件であるpF1.7〜2.7の域を出ないように灌水又は培養液の供給量を制御することができる。これは、例えば、目標pFを2.0と設定し、これより高いpF値が測定されたら灌水又は培養液の供給を行い、これより低いpF値が測定されたら灌水又は培養液の供給を停止するという方法によって行うことができる。
また、本発明はかかる灌水制御を行うための装置を提供する。即ち、本発明の他の態様は、養液栽培装置であって、点滴式培養液かけ流し装置と;培養液流路弁を有する点滴装置の送出水量制御手段と;培地の体積含水率を測定する体積含水率測定器と;栽培培地について予め求められたpF値と体積含水率との相関関係が取込まれており、体積含水率測定器によって測定された培地の体積含水率からpF値への換算を演算処理して、体積含水率測定器の出力結果に基づいて培地のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算装置から出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への送出水量を制御する点滴装置制御手段;とを有することを特徴とする養液栽培装置を提供する。更に、本発明の他の好ましい態様は、養液栽培装置であって、点滴式培養液かけ流し装置と;培養液流路弁を有する点滴装置の送出水量制御手段と;培地に挿入されるプローブを有するADR計と;栽培培地について予め求められたpF値と体積含水率との相関及びADR計出力電圧と体積含水率との相関関係が取込まれており、ADR計の出力電圧から培地の体積含水率への換算及び培地の体積含水率からpF値への換算を演算処理して、ADR計の出力電圧に基づいて培地のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算装置から出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への送出水量を制御する点滴装置制御手段;とを有することを特徴とする養液栽培装置を提供する。
即ち、上記のような灌水制御を行う方法を実施するための装置として、点滴式培養液かけ流し装置と、培地に挿入されるプローブを有するADR計と、該ADR計の出力電圧に追従して点滴装置への送出水量を制御する制御手段とを有するように構成して、固形培地耕式養液栽培装置を構成して、ADR計の出力電圧についての追従をタイマーにより一定時間間隔毎に行うようにした固形培地耕式養液栽培装置を構成することができる。なお、ADR計の出力電圧に追従して点滴装置への送出水量を制御することは、好ましくは、対象の栽培培地について予め求められたpF値と体積含水率との相関及びADR計出力電圧と体積含水率との相関関係を演算装置に予め取込んでおき、ADR計の出力電圧から培地の体積含水率への換算及び培地の体積含水率からpF値への換算を演算装置によって演算処理して、ADR計の出力電圧に基づいて培地のpF値の信号が出力されるように構成し、この出力pF値信号に基づいて点滴装置への送出水量を制御する点滴装置制御手段を設けることによって行うことができる。pF値の測定値に基づいて培養液流路弁の開閉度を調整する周期については、どの程度の厳密さで制御が求められているかどうかに依存し、これは栽培する作物の種類などによっても異なるが、一般に、10分〜2時間、好ましくは10分〜30分毎に、pF値の測定値に基づいて灌水又は培養液供給の制御を行うことが好ましい。
なお、上記の測定では体積含水率を求める方法としてADR法を使用したが、誘電率に基づいて体積含水率を測定できる計器であればTDR計、FDR計などのその他の測定計器を用いることができることは上述した通りである。また、土壌の体積含水率を測定する方法は、誘電率に基づく計測方法でなくとも、土壌の体積含水率を圃場で直接測定することのできる方法であれば、本発明において用いることができる。
本発明方法によってpF値を測定できる土壌は、前記したいわゆる土壌ならばよいし、また多孔質の培地としては軽石、木炭などが挙げられ、軽石としてはシラス軽石培地についても精度よく測定することができる。
なおここで「シラス軽石」については、例えば、上述の「土の環境圏」,30〜32頁にその定義と共に説明がなされている。これによれば、「シラス」とは、「後期更新世の大規模なカルデラ火山から噴出した火砕軽石流堆積物の非溶結部またはその2次堆積物」の総称であり、我が国においては、南九州のものがよく知られている。また、これ以外にも、屈斜路湖、十勝岳、支笏湖、洞爺湖、十和田湖、阿蘇山などのカルデラ火山周辺に同様のシラスが分布するが、国土庁の土地分類基本調査等の表層地質図では軽石流堆積物として図示されている。
本発明に係る栽培方法によって養液栽培を行うことのできる作物の例としては、果菜類、例えば、トマト、ミニトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、パプリカ、ジャンボシシトウ、オクラ、インゲン、エンドウ、ニガウリ、ヘチマ、スイカ、メロンなど;葉菜類、例えば、サラダナ、ホウレンソウ、コマツナ、ミョウガ、モロヘイア、エンサイ、チンゲンサイ、リーフレタス、コリアンダー、アロエ、ミツバ、ハネギ、ミニセロリ、パセリ、シュンギク、ラディシュなど;果実類、例えば、パインアップル、パッションフルーツ、パパイア、イチゴなど;花卉類、例えばカーネーション、キク、バラ、サボテン、テッポウユリ、トルコキキョウ、クルクス、ラン、パンジーなど;を挙げることができる。
実施例
以下実施例により本発明を具体的に説明する。ただし本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1(ADR法による体積含水率の測定)
粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラス軽石培地を用いて、その含水状態を変化させてADR法により測定を行ってその出力電圧を計り、出力電圧と軽石培地の体積含水率との関係を調べた。その関係を、横軸がADR計の出力電圧、横軸が体積含水率のグラフにプロットすると、図2に示すグラフが得られた。
実施例2(体積含水率からpF値の算出)
1.試料の調製
粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラス軽石試料と、前記軽石を粉砕して粒径が凡そ50〜200μmの範囲にある軽石微粒子試料とをそれぞれ用意した。軽石試料と軽石微粒子試料とを100mlずつ秤量した。その重量は軽石試料が53gであり、軽石微粒子試料が79.4gであった。次に、軽石試料と軽石微粒子試料とをほぼ等重量ずつ混合することによって、混合土壌試料を調製した。混合土壌試料100mlの重量は72.5gであり、その内訳は、軽石試料が35.2g、軽石微粒子試料が37.3gであった。
2.混合土壌試料等のpF値及び体積含水率の測定
混合土壌試料について、加圧板法により種々のpF値に対応する体積含水率を測定した。また、軽石微粒子試料についても、同様に加圧板法により種々のpF値に対応する体積含水率を測定した。これらの測定は、各試料の含水状態を変えて幾通りにも測定した。なお、pF値の測定に加圧板法を使用したのは、加圧板法で測定できるpF値の範囲が実際の好適な栽培条件のpF値範囲に良く入るためである。
3.混合土壌試料中の軽石成分の含水量の算出
測定結果によると、表1に示すように、混合試料Mの体積含水率が44.8(v/v%)のとき、pF値は1.6であった。また、このpF値において、軽石微粒子試料Pの体積含水率は53.3(v/v%)であった。
この混合試料Mの含水量(g)から、混合試料中の軽石微粒子分の含水量を減ずることにより、混合試料中の軽石分の含水量を求め、それから軽石試料の体積含水率を算出する。
100mlの混合試料Mの含水量〔A3〕は、その体積含水率〔A2〕から44.8gであることが分かる。このうち、混合試料100ml中の軽石微粒子成分(37.3g)が保持する含水量〔A4〕は、[53.3×(37.3/79.4)]=25.1gと計算される。
そうすると、混合試料M中の軽石成分が保持する含水量〔A5〕は、(〔A3〕−〔A4〕)=(44.8−25.1)=19.7gとなる。
これは、35.2gの軽石試料が保持する含水量であるから、これを容積100mlを軽石全部で満たした場合(軽石重量は53gである)に換算すると、[19.7×(53/35.2)]=29.7gとなる。
この含水量は、容積100mlの軽石試料に含まれるものであるから、その軽石試料の体積含水率は29.7(v/v%)ということになる。したがって、この軽石試料は、pF1.6において29.7(v/v%)の体積含水率を有すると考えることができる。
同様の作業を幾つかのpF値について行ない、pF値と体積含水率との相関関係を求めた。得られた結果を表1に示す。表1には、上記の試料について、pF1.6;1.8;2;2.2;2.5及び2.7における結果を示すものであるが、軽石微粒子試料及び混合土壌試料について、それぞれpF0.4〜2.8の範囲について測定して得られた結果をグラフとして示したのが図4(a)及び(b)であり、この結果から算出された軽石試料の水分保持曲線のグラフを図4(c)として示す。
図4(c)のグラフで示される軽石試料のpF値と体積含水率との関係をみると、本実施例の場合には、pF値1.6〜2.0の間ではグラフが平らなため十分には使えないが、pF値2.0〜2.7の間ではpF値と体積含水率との間に一定の相関関係が認められ、これを基にして培地の灌水制御に使用することができる。
実施例2で得られた水分保持曲線を用いて、実施例1で得られたADR法による体積含水率の値を換算することによって、その培地のpF値を容易に算出することができる。
Figure 0003782732
実施例3(ADR法による灌水制御)
粒径が1〜5.6mmの範囲にある鹿児島県産出のシラス軽石培地を用いて、サラダナの栽培を行った。培養液としては園芸試験所標準処方の培養液(「園試処方」と略称されているもので、成分濃度N:16meq/リットル(以下同じ)、P:4、K:8、Ca:8、Mg:4)を用いた。まず、セルトレーにそれぞれサラダナの種子を1粒播種して育苗した。育苗21日後に葉菜用栽培ベッドに、栽培密度42株/mで定植した。栽培面積は4mであった。灌水は、育苗、定植栽培共に、図6に示すような自動制御によって行った。即ち、ADRセンサーで培地の誘電率を測定し、上記実施例1及び2で得られた相関関係をインプットした演算・制御装置によって誘電率測定値から換算されたpF値に基づき、灌水の制御を行った。具体的には、設定pF値を2.0に定め、測定されたpF値がこの値を上回ったら、演算・制御装置によって電源盤を操作してポンプ及び電磁弁を作動させて灌水を行ない、pF値が2.0になったら灌水を停止するという自動灌水制御を行った。定植35日後に収穫したところ、収穫量は3203g/mであった。また、定植から収穫までの培養液の使用量は84.6リットル/mであった。
比較例1(タイマーによる灌水制御)
実施例3と同様の方法で、実施例3の試験と並行してサラダナの栽培を行った。但し、灌水はタイマーにより午前9時及び午後3時の2回行い、それぞれ、栽培ベッドから余剰の培養液が排出されるまで灌水を継続した。収穫は2694g/m、定植から収穫までの培養液の使用量は148.6リットル/mであった。また、収穫時近くには栽培ベッドの表面に苔様のものが発生していたことが認められた。これは、実際の生育に必要な量よりも多い量の培養液が供給されていたことを示すものである。
実施例3と比較例1とを比較すると、本発明に係る灌水制御方法を用いた栽培方法によれば、従来のタイマーによる灌水制御方法と比較して、より少ない培養液量でより高い収穫量を得ることができた。即ち、本発明方法によれば、作物が実際に必要としている量の培養液を正確に制御して供給することが可能になるので、排液等となる余分な供給を防ぐことができる。
産業上の利用の可能性
本発明によれば、従来のテンシオメータを用いることなく土壌培地のpF値を簡単に測定することができる。この測定は、簡便なADR法などを用いて行うことができるので、装置が簡単であり、簡便であって、得られるデータに再現性があり、一般圃場で簡単に測定ができる。また、粒子が粗い軽石などの固形培地耕の培地などについては、従来の加圧板法などではpF値と体積含水率との相関関係(水分保持曲線)を正確に測定することができなかったが、本発明の好ましい態様においては、粗粒子土壌試料についても加圧板法などによって正確な水分保持曲線を求めることが可能になり、かかる土壌についてもそのpF値を簡単に測定することができるようになった。そのため、土質にとらわれずに広く土壌の管理が容易になり、土壌の乾燥を防ぐ作業を行ったり、灌水作業を行うことができるようになった。
さらに、固形培地耕において、pF値に基づいて培養液の供給などの制御を行うことができるようになり、栽培作物の成長に合わせた培養液の供給を行えるので、栽培作物の収量も増大した。また、pF値の測定が自動的にできるので、制御が容易となり、人手を要さず、省力化ができるようになった。
このため、本発明によれば、省エネルギー、省資源、省労化ができるので、環境資源の上で非常に有効である。また、栽培に要する水を最小限にすることができるし、肥料も最大限に利用されるので、吸収されないで排出される肥料の量が極めて少なくなり、排水による水域の富栄養化、藻の繁茂などの問題が起こりにくくなる。特に、現在広く用いられているロックウール培地を用いた点滴かけ流し方式の栽培方法においては、使用済みのロックウール培地が産業廃棄物として極めて重大な問題を引き起こしており、更に培養液の余剰供給による排液の問題も注目されているが、軽石培地を用い且つ本発明に係る灌水制御方法を用いることにより、この両方の問題点を一挙に解決することができ、資源保護及び環境保護の面からもその効果は大である。
【図面の簡単な説明】
図1は、ADR法による測定計の概要説明図である。(a)は正面図、(b)は平面図である。
図2は、実施例1において行ったADR法によるシラス軽石土壌の測定におけるセンサーの出力電圧と体積含水率θとの関係を表わすグラフである。
図3は、pF値と体積含水率との相関関係(水分保持曲線)の測定に使用される加圧板法の概要説明図である。
図4は、水分保持曲線の測定に使用される砂柱法の概要説明図である。
図5は、培地の体積含水率とpF値との関係を表わすグラフであり、(a)は粉末試料についてのグラフ、(b)は混合試料についてのグラフ、(c)は軽石試料についてのグラフである。
図6は、本発明の実施例において用いた灌水自動制御栽培装置の概略を示す図である。

Claims (10)

  1. 多孔質表面を有する大粒径の粒子からなる粗土壌のpF値(土壌水分張力)を測定する方法であって、
    (a)(イ)測定対象の粗土壌試料を粉砕して微粒子試料を調製し;
    (ロ)粗土壌試料に微粒子試料を予め定めた重量比で混合して、混合土壌試料を調製し;
    (ハ)混合土壌試料及び微粒子試料について、体積含水率とpF値との相関関係を求め;
    (ニ)混合土壌試料及び微粒子試料について得られた体積含水率とpF値との相関値に基づいて、粗土壌試料についての体積含水率とpF値との相関を求める;
    ことによって測定対象の粗土壌について予めpF値と体積含水率との相関関係を求め;
    (b)測定対象の粗土壌の体積含水率を測定し;
    (c)上記工程(b)で測定された粗土壌の体積含水率の値を、上記工程(a)で得られたpF値と体積含水率との相関に基づいて、土壌のpF値に換算する;
    ことを特徴とする粗土壌のpF値の測定方法。
  2. 粗土壌の体積含水率の測定を、ADR法、TDR法又はFDR法によって行う請求項1に記載の方法。
  3. 測定対象の粗土壌について、予めADR計、TDR計及びFDR計から選択されるセンサーの出力信号値と粗土壌の体積含水率との相関関係を求め、センサーによって計測された出力信号値を、上記で求められた出力信号値と粗土壌の体積含水率との相関に基づいて、粗土壌の体積含水率に換算する請求項2に記載の方法。
  4. 測定対象の粗土壌について予め求められたpF値と体積含水率との相関及びセンサーの出力信号値と体積含水率との相関を演算装置に取込み、センサーの出力信号値から粗土壌の体積含水率への換算、及び粗土壌の体積含水率からpF値への換算を演算装置の演算処理によって行う請求項3に記載の方法。
  5. 粗土壌が軽石である請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 混合土壌試料及び微粒子試料についての体積含水率とpF値との相関関係を、加圧板法又は砂柱法によって求める請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の方法により測定した粗土壌のpF値に基づいて、その粗土壌が栽培作物に適切なpF値になるように、水又は培養液の灌水量を制御することを特徴とする、多孔質表面を有する大粒径の粒子からなる粗土壌の灌水制御方法。
  8. タイマーにより周期的に粗土壌のpF値測定を行い、その測定した粗土壌のpF値に基づいて、水又は培養液の灌水量を制御することを特徴とする請求項7に記載の粗土壌の灌水制御方法。
  9. 多孔質表面を有する大粒径の粒子からなる粗土壌からなる栽培培地を用いた養液栽培装置であって、点滴式培養液かけ流し装置と;培養液流路弁を有する点滴装置の送出水量制御手段と;培地の体積含水率を測定する体積含水率測定器と;栽培培地について予め求められたpF値と体積含水率との相関関係が取込まれており、体積含水率測定器によって測定された培地の体積含水率からpF値への換算を演算処理して、体積含水率の出力結果に基づいて培地のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算装置から出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への送出水量を制御する点滴装置制御手段;とを有し、演算装置に取り込まれている栽培培地についてのpF値と体積含水率との相関関係が、
    (イ)測定対象の粗土壌試料を粉砕して微粒子試料を調製し;
    (ロ)粗土壌試料に微粒子試料を予め定めた重量比で混合して、混合土壌試料を調製し;
    (ハ)混合土壌試料及び微粒子試料について、体積含水率とpF値との相関関係を求め;
    (ニ)混合土壌試料及び微粒子試料について得られた体積含水率とpF値との相関値に基づいて、粗土壌試料についての体積含水率とpF値との相関を求める;
    ことによって予め求められたものであることを特徴とする養液栽培装置。
  10. 多孔質表面を有する大粒径の粒子からなる粗土壌からなる栽培培地を用いた養液栽培装置であって、点滴式培養液かけ流し装置と;培養液流路弁を有する点滴装置の送出水量制御手段と;培地に挿入されるプローブを有するADR計、TDR計及びFDR計から選択されるセンサーと;栽培培地について予め求められたpF値と体積含水率との相関及びセンサーの出力信号値と体積含水率との相関関係が取込まれており、センサーの出力信号値から培地の体積含水率への換算及び培地の体積含水率からpF値への換算を演算処理して、センサーの出力信号値に基づいて培地のpF値の信号を出力する演算装置と;該演算装置から出力されたpF値信号に基づいて点滴装置への送出水量を制御する点滴装置制御手段;とを有し、演算装置に取り込まれている栽培培地についてのpF値と体積含水率との相関関係が、
    (イ)測定対象の粗土壌試料を粉砕して微粒子試料を調製し;
    (ロ)粗土壌試料に微粒子試料を予め定めた重量比で混合して、混合土壌試料を調製し;
    (ハ)混合土壌試料及び微粒子試料について、体積含水率とpF値との相関関係を求め;
    (ニ)混合土壌試料及び微粒子試料について得られた体積含水率とpF値との相関値に基づいて、粗土壌試料についての体積含水率とpF値との相関を求める;
    ことによって予め求められたものであることを特徴とする養液栽培装置。
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