JP2016525087A - 気相酸化反応器を始動するための方法 - Google Patents

気相酸化反応器を始動するための方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも1種の芳香族炭化水素および分子酸素を含むガス流を熱搬送媒体によってサーモスタット管理された触媒上に連続的に通す、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法であって、反応器の始動中少なくとも24時間熱搬送媒体の温度を一定に保つ工程を含み、その間、炭化水素のガス流への投入量もガス流体積も3%超増加させない、方法。

Description

本発明は、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法に関する。
多数のカルボン酸および/またはカルボン酸無水物が、固定床反応器でベンゼン、キシレン、ナフタレン、トルエンまたはデュレンなどの炭化水素の触媒気相酸化によって工業的に製造されている。このようにして、例えば、安息香酸、無水マレイン酸、無水フタル酸(PA)、イソフタル酸、テレフタル酸または無水ピロメリト酸を得ることが可能である。一般に、含酸素(oxygenous)ガスと酸化させる出発材料の混合物を、触媒床が存在する多数の管を有する反応器に通す。温度調節のために、管を一般的に熱搬送媒体、例えば、塩融解物で囲む。
このサーモスタット管理にもかかわらず、反応の高い発熱性のために、触媒床内で温度が床の残りよりも有意に高い「ホットスポット」と呼ばれるものが生じ得る。これらの「ホットスポット」は、不要な副反応、例えば、出発材料の全酸化を引き起こす、または不要な副産物の形成をもたらす。さらに、触媒が、ホットスポットの温度に依存して、不可逆的に損傷される危険性が存在する。
これらのホットスポットを減弱するために、異なる活性の触媒を触媒床に一層ずつ配置する動きが産業界に存在する。触媒を、例えば、あまり活性でない触媒を最初に反応混合物と接触させるようにする(これが床のガス入口を向いていることを意味する)一方で、より活性の触媒がガス出口を向いているように配置してもよい(EP163231、EP2546268)。DE102005009473は、ガス入口側を向いている第1の触媒層が第2の触媒層よりも高い触媒活性を有する、PAを製造するための多層触媒を記載している。続く層の活性は、ガス出口側に向かって上昇する(第3の触媒層が第2の触媒層よりも高い活性を有することを意味する)。WO2006/053732は、個々の層の触媒活性がガス入口側からガス出口側へと増加する触媒構造を記載している。さらに、これらの構造中の個々の層がより活性の予備層または中間層に割り込まれる可能性が記載されている。したがって、ガス入口側すぐの触媒層(すなわち、第1の触媒層)が少なくとも活性層であり、これに第2の、より活性な触媒層が続き、今度はこれにあまり活性でない第3の触媒層(第1の層の活性と第2の層の活性との間の活性を有する)が続き、おそらく続く触媒層の活性が再度上昇する活性構造が考えられる。
触媒を流れにのせる(「始動する」)ために、触媒床を、典型的には反応器の外部加熱によって後の運転温度より上の温度にもっていく。一般的には、触媒を、一般的に酸素を含むガス流中この温度で数時間予備成形する(例えば、WO2006/131480)。
好ましくは、反応器を0.5〜1m(STP)/h/管の気流で、100℃で加熱する。100℃〜250℃の間で、触媒中の有機結合剤はおそらく分解するだろう(WO2005/11862)、またより好ましくは、管1本当たりの気流をこの温度範囲で増加させる。結合剤の熱分解は、後反応器(after−reactor)を用いて(EP1831147、EP2024351およびEP2027102に記載されている)または用いないで反応器出力流を分析することによって監視することができる。反応器または後反応器の後の環境への分解産物の以前の通常の分流は、オフガス処理施設が適切であれば、環境保護に有利なところまで低下させることができる。このようなオフガス処理の可能な実施形態は、熱もしくは触媒オフガス焼却炉と接続したオフガススクラバ、または直接オフガス焼却炉である。例えば、250℃より上の温度、最大400℃の最大温度で、管1本当たりの気流を好ましくは0.1〜1m(STP)/h/管に低下させる。温度を実際の開始温度に低下させる前に、反応器を好ましくは12〜48時間最大温度におく。
芳香族炭化水素をガス流に導入した結果として、実際の酸化反応が始まったらすぐに、反応温度が反応の重度の発熱性によって維持されるので、外部加熱を徐々に減少させ、最終的には切ることができる。しかしながら、触媒が一定のホットスポット温度より上で不可逆的に損傷を受けるために、重度のホットスポットの発生によって、ガス流の投入量の急速な増加が妨げられる。そのため、酸化される炭化水素のガス流への投入量を少しずつ増加させる一方で、ホットスポット温度の絶対レベルを最小化するために、同時に熱搬送媒体の温度を徐々に低下させる。
始動時間は、一般的に、本質的に定常製造状態に到達するまでの、触媒と反応物質の最初の接触からの期間と理解される。一般に、始動時間は、数年の範囲にあることもある触媒の寿命の10%以下であるべきである(WO2011/128814参照)。EP2280921によると、始動時間は、例えば、PA触媒については2〜8週間またはそれ以上の範囲内にある。
いくつかの始動手順が先行技術から知られている。例えば、DE2212947Aは、塩浴を最初に370〜410℃に加熱し、少なくとも33gのo−キシレン/m(STP)を投入した少なくとも1m(STP)/hの量の空気を反応管に通して、床の初めの3分の1で450〜465℃のホットスポット温度にする、PAを製造するための方法を記載している。
DE19824532は、ガス流の投入量を、4m(STP)/hの一定流量で数日にわたって、40g/m(STP)から80g/m(STP)のo−キシレンに上昇させる、PAを製造するための方法を開示している。
DE102005031465は、触媒床を、360〜450℃の間で、気流量1〜3.5m(STP)/hおよびo−キシレンの投入量20〜65g/m(STP)で始動する方法を開示している。触媒床の初めの7〜20%で、360〜450℃未満のホットスポット温度になる。
EP22080921は、初期投入量が目標投入量よりも少なくとも30g/m(STP)低く、初期温度が目標温度よりも少なくとも30℃高い、多層触媒上でo−キシレンを無水フタル酸に酸化するために気相酸化反応器を始動するための方法を記載している。目標投入量は60〜110g/m(STP)と指定され、目標温度は340〜365℃と指定される。
DE102010006854は、最初に触媒床を365〜395℃に加熱し、10〜110g/m(STP)の炭化水素を投入した0.5〜5m(STP)/hの気流と接触させる方法を記載している。ホットスポットは、触媒床の最後の10〜25%で形成される。
触媒の最大性能を極めて速く利用することができるようにするために、始動時間は可能な限り短くなるべきである。しかしながら、触媒床のホットスポット温度を制限するために単位時間当たりの投入量の増加に制限があることに加えて、始動時間の初期段階でさえ生産性(すなわち、製造される生成物/単位時間)および生成物品質が重要な役割を果たす。例えば、o−キシレンのPAへの酸化は、種々の中間体、例えば、o−トリルアルデヒドおよびフタリドを介して進行する逐次反応である(Krajewskiら、React.Kinet.Catal.Lett.、1977.第6巻.461〜466頁)。反応物質o−キシレンと同様に、これらの中間体を反応の過程で量的に変換しなければならない。反応器出口ガスで、0.1質量%未満の濃度のo−キシレンおよびフタリドを目標とする。
DE102010006854によると、例えば、(a)熱床温度を上昇させる、または(b)同じ炭化水素投入量で空気の量を減少させることによって、反応温度の増加を通した生成物品質の悪化を相殺することができる。しかしながら、(a)の場合、選択性が下がり、(b)の場合、少量の反応物質が用いられ、したがって変換もされるために、これは生成物の量の減少を伴う。
芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法の性能は、得られる収率およびその純度によって主に測定される。例えば、酸化不足生成物と未変換o−キシレンおよびナフタレンは互いに分離するのが極めて困難であり、最終的な純PAの色数に有害な影響を及ぼし得るので、高品質PA(DE102010006854A1、WO2011/128814A1参照)は、酸化不足生成物(特に、フタリドおよびナフトキノン)と、未変換o−キシレンおよびナフタレンの両方の最小含量を特徴とする。
モデル実験においてo−キシレンからPAへの酸化のための触媒の安定性に対する始動および遮断工程の影響が研究され、H.Boら、Petrochemical Technology 2004、第5巻、421〜423頁に記載された。
高い選択性および生成物純度と合わせて最大の変換を可能にする改善した気相酸化方法が絶えず必要とされている。
EP163231 EP2546268 DE102005009473 WO2006/053732 WO2006/131480 WO2005/11862 EP1831147 EP2024351 EP2027102 WO2011/128814 EP2280921 DE2212947A DE19824532 DE102005031465 EP22080921 DE102010006854A1 WO2011/128814A1
Krajewskiら、React.Kinet.Catal.Lett.、1977.第6巻.461〜466頁 H.Boら、Petrochemical Technology 2004、第5巻、421〜423頁
高い変換および同時に高い選択性と合わせて最大純度の生成物の入手を可能にする、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法を提供することが本発明の目的であった。
この目的は、反応温度の一定の低下を、同じまたは実質的に同じ炭素投入量および同じまたは実質的に同じ体積流量で一定時間休止する、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法によって達成される。
したがって、本発明は、少なくとも1種の芳香族炭化水素および分子状酸素を含むガス流を熱搬送媒体によってサーモスタット管理された触媒上に連続的に通す、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法であって、反応器の始動中少なくとも24時間熱搬送媒体の温度を一定に保つ工程を含み、その間、炭化水素のガス流への投入量もガス流体積も3%超増加させない、方法を提供する。
本発明の好ましい実施形態では、熱搬送媒体の温度を一定に保つ期間中、炭化水素のガス流への投入量を最大1.5%増加させる。
本発明のさらに好ましい実施形態では、熱搬送媒体の温度を一定に保つ期間中のガス流体積を最大2.5%増加させる。
芳香族炭化水素の気相酸化によるカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造において、始動の開始に反応器を囲んでいる熱搬送媒体を、典型的には380〜410℃の温度に加熱し、次いで、これを340〜365℃の温度に徐々に低下させる一方で、炭化水素のガス流への投入量は同時に約25〜30g/m(STP)から約70〜120g/m(STP)まで上昇する。炭化水素のガス流への投入量を、例えば、0.5〜10g/m(STP)/日の速度で増加させることができる。
一般に、開始温度は、運転温度よりも少なくとも30℃高く、通常は運転温度よりも35〜50℃高い。運転温度は、定常状態、すなわち、反応器の生産運転中の始動期間が終わった後の熱搬送媒体の温度とみなされる。しかしながら、触媒活性の低下を補うために、熱搬送媒体の温度を、運転状態で長期的にわずかに(10℃/年未満)上昇させることができる。
熱搬送媒体の温度を徐々に低下させることは、本発明の文脈においては、少なくとも0.1℃/24時間の熱搬送媒体の温度の測定可能な低下を意味すると理解される。熱搬送媒体の温度を一定に保つことは、本発明の文脈においては、熱搬送媒体の温度の変化が0.1℃/24時間未満であることを意味すると理解される。
本発明による方法に使用されるガス流体積は、それぞれの反応に要する反応器サイズおよび滞留時間によって導かれ、典型的には0.5〜5m(STP)/h/反応器管の範囲、好ましくは2.5〜4.2m(STP)/hの範囲にある。
本発明による方法は、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、ナフタレンまたはデュレン(1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)などの芳香族C〜C10炭化水素の、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸および/または無水ピロメリト酸などのカルボン酸および/またはカルボン酸無水物への気相酸化に適している。この方法は、o−キシレンおよび/またはナフタレンから無水フタル酸を製造するのに特に適している。無水フタル酸を製造するための気相反応は一般常識であり、例えば、WO2004/103561の6頁に記載されている。
これらの酸化反応に有用な触媒は、触媒活性材料がステアタイトなどの不活性支持材料上にシェルの形態で塗布された被覆触媒と呼ばれるものであることが分かった。これらの被覆触媒の触媒活性材料に使用される触媒活性成分は、一般的に二酸化チタンおよび五酸化バナジウムである。さらに、促進剤として触媒の活性および選択性に影響を及ぼす少量の多数の他の酸化物化合物が触媒活性材料中に存在してもよい。
使用される不活性支持材料は、芳香族炭化水素をアルデヒド、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物へ酸化するための被覆触媒の製造に有利に使用される実質的に全ての先行技術の支持材料、例えば、石英(SiO)、磁器、酸化マグネシウム、二酸化スズ、炭化ケイ素、金紅石、アルミナ(Al)、ケイ酸アルミニウム、ステアタイト(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸セリウムまたはこれらの支持材料の混合物であり得る。触媒支持体は、例えば、球、リング、タブレット、螺旋、チューブ、押出物またはチップの形態で使用され得る。これらの触媒支持体の寸法は典型的には、芳香族炭化水素の気相反応のための被覆触媒の製造に慣用的に使用されている触媒支持体のものに相当する。直径3〜6mmの球または外径5〜9mmおよび長さ3〜8mmおよび壁厚1〜2mmのリングの形態のステアタイトを用いることが好ましい。
o−キシレンおよび/またはナフタレンのPAへの触媒気相酸化に適した触媒は、少なくとも酸化バナジウムおよび二酸化チタンを含み、1つまたは複数のシェル中の支持材料に塗布することができる触媒活性材料を含む。異なるシェルはその組成が異なり得る。
好ましくは、触媒活性材料は、触媒活性材料の全量に対して、1〜40質量%のVとして計算される酸化バナジウムおよび60〜99質量%のTiOとして計算される二酸化チタンを含む。好ましい実施形態では、触媒活性材料が、最大1質量%のCsとして計算されるセシウム化合物、最大1質量%のPとして計算されるリン化合物および最大10質量%のSbとして計算される酸化アンチモンをさらに含んでもよい。触媒活性材料の組成についての全ての数字は、例えば、450℃で1時間触媒をか焼した後のそのか焼状態に基づく。
典型的には、アナターゼ修飾型の二酸化チタンを触媒活性材料に使用する。二酸化チタンは、好ましくはBET表面積が15〜60m/g、特に15〜45m/g、より好ましくは13〜28m/gである。使用される二酸化チタンは、単一二酸化チタンまたは二酸化チタンの混合物からなってもよい。後者の場合、BET表面積の値を、個々の二酸化チタンの寄与の加重平均として決定する。使用される二酸化チタンは、例えば、有利には、BET表面積が5〜15m/gのTiOとBET表面積が15〜50m/gのTiOの混合物からなる。
適当なバナジウム供給源は、特に五酸化バナジウムまたはメタバナジン酸アンモニウムである。適当なアンチモン供給源は、種々の酸化アンチモン、特に三酸化アンチモンである。バナジウムおよびアンチモンを、アンチモン酸バナジウム化合物の形態でさらに使用してもよい(WO2011/061132)。少なくとも1つの層の活性材料に組み込まれるアンチモン酸バナジウムは、任意の所望のバナジウム化合物とアンチモン化合物の反応によって製造することができる。酸化物の直接反応によって混合酸化物またはアンチモン酸バナジウムを得ることが好ましい。アンチモン酸バナジウムは、バナジウム対アンチモンの異なるモル比を有してもよく、場合によりさらなるバナジウム化合物またはアンチモン化合物を含み、さらなるバナジウム化合物またはアンチモン化合物との混合物で使用してもよい。
有用なリン供給源には、特にリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リン酸アンモニウムまたはリン酸エステル、特にリン酸二水素アンモニウムが含まれる。有用なセシウム供給源には、酸化物または水酸化物または酸化物に熱変換することができる塩、例えば、カルボン酸塩、特に酢酸塩、マロン酸塩またはシュウ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩または硝酸塩が含まれる。
セシウムおよびリンの任意の添加と同様に、例えば、その活性を低下または増加させることによって、促進剤として触媒の活性および選択性に影響を及ぼす少量の多数の他の酸化物化合物が触媒活性材料中に存在してもよい。このような促進剤の例としては、アルカリ金属、より具体的にはその酸化物または水酸化物の形態で通常使用される(言及したセシウムを除いて)リチウム、カリウムおよびルビジウム、酸化タリウム(I)、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化スズ、酸化銀、酸化銅、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化イリジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ヒ素、酸化アンチモン、酸化セリウムが挙げられる。
さらに、言及した促進剤の中で、有用な添加剤は、好ましくは触媒活性材料に対して0.01〜0.50質量%の量のニオブおよびタングステンの酸化物も含む。
被覆触媒のシェルを、適当には、場合により上記促進剤要素の供給源を含む、TiOおよびVの懸濁液の流動支持体への噴霧塗布によって塗布する(EP1670741、WO2005/030388)。被覆する前に、好ましくは懸濁液を十分に長期間、例えば、2〜30時間、特に12〜25時間攪拌して懸濁固体の凝集体を粉砕して均質な懸濁液を得る。懸濁液は、典型的には固形分が20〜50質量%である。懸濁媒体は、一般的に水性、例えば、水自体または水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ホルムアミドなどとの水性混合物である。
一般に、有機結合剤、好ましくは、有利にはアクリル酸/マレイン酸、酢酸ビニル/ラウリン酸ビニル、酢酸ビニル/アクリレート、スチレン/アクリレートおよび酢酸ビニル/エチレンの水性分散体の形態のコポリマーを懸濁液に添加する。結合剤は、固形分が例えば、35〜65質量%の水性分散体として市販されている。使用されるこのような結合剤分散体の量は、懸濁液の質量に対して一般的に2〜45質量%、好ましくは5〜35質量%、より好ましくは7〜20質量%である。
支持体を、例えば、上昇ガス流、特に空気中、流動床装置で流動化する。装置は通常、流動ガスを、浸漬管を通して底部または上部から導入する円錐形または球形容器からなる。懸濁液を上部から、側面でまたは下からノズルを介して流動床に噴霧する。浸漬管の周りに中心的にまたは同心円状に配置された上昇管を用いることが有利である。上昇管内には、支持体粒子を上向きに輸送する高いガス流速が存在する。外輪内では、ガス流速が流動化速度よりわずかに上であるにすぎない。したがって、粒子は円形に垂直に移動する。適当な流動床装置は、例えば、DE−A4006935に記載されている。
触媒活性材料による触媒支持体の被覆では、20〜500℃の被覆温度を一般的に使用し、被覆を大気圧または減圧下で行うことができる。一般に、被覆を0〜200℃、好ましくは20〜150℃、特に60〜120℃で行う。
触媒活性材料のシェル厚は、一般的に0.02〜0.2mm、好ましくは0.05〜0.15mmである。触媒中の活性材料含量は、典型的には5〜25質量%、通常は7〜15質量%である。
こうして得られたプレ触媒(precatalyst)を200〜500℃より上の温度で熱処理する結果として、結合剤が熱分解および/または燃焼を通して塗布されたシェルから漏れ出る。気相酸化反応器中においてその場で熱処理を行うことが好ましい。
その活性材料の触媒活性および/または化学組成の点で異なり、反応器の異なるゾーンに層として連続的に導入される種々の触媒で構成された触媒床を用いる場合が特に有利であることが分かった。好ましくは、2つの反応ゾーンを使用する場合、第1の反応ゾーン、すなわち、ガス流の入口に向かうものに使用される触媒が第2の反応ゾーン、すなわち、ガス流の出口に向かうものの中に存在する触媒と比べて触媒活性がいくぶん低いものである。一般に、ガス流中に存在する芳香族炭化水素の大部分が第1のゾーンにおいて最大収率で変換されるような温度設定を通して反応を制御する。3〜5ゾーン触媒系、特に3および4ゾーン触媒系を用いることが好ましい。o−キシレンのPAへの酸化のための3ゾーン触媒系は、例えば、EP1084115に記載されている。
異なる触媒の相互に区切られたゾーンの代わりに、あるゾーンから次のゾーンへの移行で連続的触媒の混合物を有するゾーンを挿入することによって、ゾーンの準連続(quasi−continuous)移行、したがって活性材料組成またはその含量の準均質変化をもたらすことも可能である。
第1の触媒ゾーン(CZ1)の床長は、好ましくは反応器の全触媒充填長の10〜50%の範囲、より好ましくは15〜30%の範囲にある。典型的な反応器は、充填長が250cm〜400cmである。触媒ゾーンが、場合によりいくつかの反応器に分布していてもよい。
本発明による方法により、未変換芳香族炭化水素および酸化不足生成物、例えば、o−キシレンおよび/またはナフタレンからPAを製造する場合、フタリドまたはナフトキノンの含量減少で表される生成物品質の別個の改善が達成される。
本発明による方法を触媒気相酸化に使用して生成物品質を改善することもできる。
本発明は、芳香族炭化水素の気相酸化によるカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造において生成物品質を改善するために上記方法を使用する方法をさらに提供する。
以下の例は、本発明を限定することなく本発明を説明するものである。
例A:o−キシレンの無水フタル酸への酸化
触媒ゾーンの製造
触媒ゾーン1(CZ1)(VおよびSb供給源としてのアンチモン酸バナジウム):
アンチモン酸バナジウムの製造:
五酸化バナジウム2284.1gおよび三酸化アンチモン1462g(Antraco ACC−BS、約4%バレンチン鉱および96%方安鉱;Sb≧99.8質量%;As≦800質量ppm、Pb≦800質量ppm、Fe≦30質量ppm、平均粒子径=1.4μm)を脱塩水5.6lに懸濁し、懸濁液を還流下15時間攪拌した。その後、懸濁液を80℃に冷却し、噴霧乾燥によって乾燥させた。入口温度は340℃であり、出口温度は110℃であった。こうして得られた噴霧粉末は、BET表面積が89m/gであり、バナジウム含量が32質量%およびアンチモン含量が30質量%であった。生成物は以下の結晶成分を有していた:バレンチン鉱(ICPDS:11−0689):約3%;方安鉱(ICPDS:43−1071):約2%;アンチモン酸バナジウム(ICPDS:81−1219):約95%。アンチモン酸バナジウムの平均結晶径は約9nmであった。
懸濁液混合および被覆:
流動床装置中で、寸法が7mm×7mm×4mmのステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、炭酸セシウム4.4g、二酸化チタン413.3g(Fuji TA 100CT;アナターゼ型、BET表面積27m/g)、二酸化チタン222.5g(Fuji TA 100;アナターゼ型、BET表面積7m/g)、アンチモン酸バナジウム86.9g(上記のように製造した)、脱塩水1870.1gおよび有機結合剤76.7g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液752gを被覆した。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は8.3%であった。活性材料の分析組成は、7.1%V、4.5%Sb、0.50%Cs、残りTiOからなっていた。
触媒ゾーン2(CZ2)(それぞれV供給源およびSb供給源としての五酸化バナジウムおよび三酸化アンチモン):
流動床装置中で、寸法が7mm×7mm×4mmのステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、炭酸セシウム3.0g、二酸化チタン446.9g(Fuji TA 100C;アナターゼ型、BET表面積20m/g)、二酸化チタン133.5g(Fuji TA 100;アナターゼ型、BET表面積7m/g)、五酸化バナジウム45.4g、三酸化アンチモン11.6g、脱塩水1660.1gおよび有機結合剤104.5g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液920gを被覆した。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は10.0%であった。活性材料の分析組成は、7.1%V、1.8%Sb、0.38%Cs、残りTiOからなっていた。
触媒ゾーン3(CZ3)(それぞれV供給源およびSb供給源としての五酸化バナジウムおよび三酸化アンチモン):
流動床装置中で、寸法が7mm×7mm×4mmのステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、炭酸セシウム2.33g、二酸化チタン468.7g(Fuji TA 100C;アナターゼ型、BET表面積20m/g)、二酸化チタン76.3g(Fuji TA 100;アナターゼ型、BET表面積7m/g)、五酸化バナジウム48.7g、三酸化アンチモン16.7g、脱塩水1588.0gおよび有機結合剤85.2g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液750gを被覆した。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は8.5%であった。活性材料の分析組成は、7.95%V、2.7%Sb、0.31%Cs、残りTiOからなっていた。
触媒ゾーン4(CZ4)(それぞれV供給源およびSb供給源としての五酸化バナジウムおよび三酸化アンチモン):
流動床装置中で、寸法が7mm×7mm×4mmのステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、炭酸セシウム1.7g、二酸化チタン370.1g(Fuji TA 100CT;アナターゼ型、BET表面積27m/g)、二酸化チタン158.6g(Fuji TA 100;アナターゼ型、BET表面積7m/g)、五酸化バナジウム67.3g、三酸化アンチモン14.8g、脱塩水1587.9gおよび有機結合剤86.3g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液760gを被覆した。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は8.5%であった。活性材料の分析組成は、11%V、2.4%Sb、0.22%Cs、残りTiOからなっていた。
触媒ゾーン5(CZ5)(それぞれV供給源およびSb供給源としての五酸化バナジウムおよび三酸化アンチモン):
流動床装置中で、寸法が7mm×7mm×4mmのステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、二酸化チタン389.8g(Fuji TA 100CT;アナターゼ型、BET表面積27m/g)、二酸化チタン97.5g(Fuji TA 100;アナターゼ型、BET表面積7m/g)、五酸化バナジウム122.4g、脱塩水1587.9gおよび有機結合剤96.5g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液850gを被覆した。
450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は9.1%であった。活性材料の分析組成は、20%V、0.38%P、残りTiOからなっていた。
例1(本発明):工業規模でのo−キシレンの無水フタル酸への触媒酸化
o−キシレンの無水フタル酸への触媒酸化を、合計18900個の管を有する塩浴冷却シェルアンドチューブ型反応器で、工業規模で行った。反応器入口から反応器出口まで、各場合で、CZ1 80cm、CZ2 60cm、CZ3 70cm、CZ4 50cmおよびCZ5 60cmを内部幅25mmの個々の管に導入した。CZ1〜CZ5の上記製造に基づく触媒層を、各場合で、ステアタイトリング150kgのバッチで製造した。温度調節のために、鉄管を塩融解物で囲んだ。
触媒の予備成形を空気の下400℃で行った。
触媒を386℃で始動し、以下のガス流を、上部から下向きに管に流した(個々の管当たりの流量として計算):30〜100g/m(STP)の98.8〜99.4質量%のo−キシレンを投入した3.0〜4.0m(STP)/hの空気。熱床温度(塩浴温度)を、386℃から進めて低下させ、同時に、o−キシレンの投入量を以下の表にしたがって変化させた。PA収率を反応器出口ガスで測定し、100%o−キシレンに対する質量%(PAのkg/変換されたo−キシレンのkg)で報告する。
Figure 2016525087
反応器出口ガス中のo−キシレンおよびフタリド、酸化不足生成物の含量が、この場合、o−キシレンの投入量の同時のわずかな増加と共に、温度低下を休止することによって(576〜624時間後または648〜672時間後)減少することが明らかである。
例2(本発明):パイロット管規模でのo−キシレンの無水フタル酸への触媒酸化
o−キシレンの無水フタル酸への触媒酸化を、管の内径が25mmの塩浴冷却管型反応器で行った。反応器入口から反応器出口まで、各場合で、CZ1 80cm、CZ2 60cm、CZ3 70cm、CZ4 50cmおよびCZ5 60cmを長さ3.5mおよび内部幅25mmの鉄管に導入した。温度調節のために、鉄管を塩融解物で囲んだ。設置した引張要素を有する4mm外径サーモウェルが触媒温度測定に役立った。
触媒の予備成形を0.1m(STP)/hの空気の下400℃で約38時間行った。
触媒を386℃で始動した後、毎時3.0〜4.0m(STP)の空気を、30〜100g/m(STP)の99〜99.4質量%のo−キシレンを投入して上部から下向きに管に流した。熱床温度(塩浴温度)を、386℃から進めて低下させた。PA収率を反応器出口ガスで測定し、100%o−キシレンに対する質量%(PAのkg/変換されたo−キシレンのkg)で報告する。
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
反応器出口ガス中のo−キシレンおよびフタリド、酸化不足生成物の含量が、この場合、体積流量の同時のわずかな増加と共に、温度低下を休止することによって(288〜312時間後)減少することが明らかである。
以下の例3〜8は、例1および2と同様に386℃で始動し、記載される運転点に達するまで、塩浴温度を連続的に低下させた。
例3(本発明):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
例4(本発明):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
例3および4で塩浴温度の低下を休止すると、生成物ガス組成の改善がもたらされた一方で、他の反応パラメータは変化しないままであった。
例5(本発明でない):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
塩浴温度を絶えず低下させることによって、生成物ガス組成の悪化がもたらされる。
例6(本発明でない):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
例5および6で(o−キシレンの投入量の増加と組み合わせて)塩浴温度を絶えず低下させることによって、生成物ガス組成の悪化がもたらされた。
例7(本発明でない):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
投入量およびガス流体積が同一な場合でさえ(192時間および216時間後の分析)、絶えず低下させることによって、生成物ガス組成の悪化がもたらされる。投入量または滞留時間を減少させることによって、生産性を犠牲にして、生成物品質を改善することができる(240時間後および264時間後の分析)。
例B:ナフタレンまたはナフタレンとo−キシレンの混合物の無水フタル酸への酸化
触媒ゾーンの製造
触媒ゾーン1(CZ1)
流動床装置中で、寸法が8mm×6mm×5mmのリングの形態のステアタイトリング(ケイ酸マグネシウム)2kgに、炭酸セシウム6.92g、二酸化チタン562.34g(Fuji TA 100C;アナターゼ型、BET表面積20m/g)、五酸化バナジウム42.86g、五酸化ニオブ1.75g、脱塩水1587.96gおよび有機結合剤97.7g(50質量%の水性分散体の形態の酢酸ビニルとラウリン酸ビニルのコポリマー)の懸濁液860gを被覆した。
450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性組成物は9.0%であった。活性材料の分析組成は、7%V、0.2%Nb、0.92%Cs、残りTiOからなっていた。
触媒ゾーン2(CZ2):CZ1と同様に製造、懸濁液の組成を変える。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は9.1%であった。活性材料の分析組成は、7%V、0.2%Nb、0.67%Cs、残りTiOからなっており、平均BET表面積は20m/g(Fuji TA 100Cアナターゼ型)であった。
触媒ゾーン3(CZ3):CZ1と同様に製造、懸濁液の組成を変える。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は9.0%であった。活性材料の分析組成は、7%V、0.2%Nb、0.35%Cs、0.04%K(硫酸塩として懸濁液に導入された)、0.03%P(リン酸二水素塩として懸濁液に導入された)、残りTiOからなっており、平均BET表面積は22.1m/g(Fuji TA 100Cアナターゼ型、BET表面積20m/gとFuji TA 100CTアナターゼ型、BET表面積27m/gの混合物)であった。
触媒ゾーン4(CZ4):CZ1と同様に製造、懸濁液の組成を変える。450℃で1時間触媒をか焼した後、ステアタイトリングに塗布した活性材料は8.0%であった。活性材料の分析組成は、20%V、0.18%P(リン酸二水素塩として懸濁液に導入された)、0.24%W(WOとして懸濁液に導入された)、残りTiOからなっており、平均BET表面積は20m/g(Fuji TA 100Cアナターゼ型)であった。
モデル管規模でのナフタレンまたはナフタレンとo−キシレンの混合物の、無水フタル酸への触媒酸化
o−キシレンの無水フタル酸への触媒酸化を、管の内径が25mmの塩浴冷却管型反応器で行った。反応器入口から反応器出口まで、各場合で、CZ1 80cm、CZ2 80cm、CZ3 90cmおよびCZ4 90cmを長さ3.5mおよび内部幅25mmの鉄管に導入した。温度調節のために、鉄管を塩融解物で囲んだ。設置した引張要素を有する4mm外径サーモウェルが触媒温度測定に役立った。
触媒の予備成形を0.1m(STP)/hの空気の下400℃で約24時間行った。
触媒を386℃で始動した後、毎時3.0〜4.0m(STP)の空気を、合計30〜80g/m(STP)の97.5質量%のナフタレンまたは97.5質量%のナフタレンと99〜99.4質量%のo−キシレンの混合物を投入して上部から下向きに管に流した。熱床温度(塩浴温度)を、386℃から進めて低下させた。PA収率を反応器出口ガスで測定し、100%反応物質に対する質量%(PAのkg/変換されたナフタレンまたはナフタレンとo−キシレンのkg)で報告する。
例8(本発明):
異なる運転パラメータを以下の表に要約する:
Figure 2016525087
塩浴温度の低下を休止することによって、ナフトキノン、酸化不足生成物のレベルの低下、したがって、生成物ガス組成の改善がもたらされる。

Claims (9)

  1. 少なくとも1種の芳香族炭化水素および分子状酸素を含むガス流を熱搬送媒体によってサーモスタット管理された触媒上に連続的に通す、芳香族炭化水素の気相酸化によってカルボン酸および/またはカルボン酸無水物を製造するための方法であって、反応器の始動中少なくとも24時間熱搬送媒体の温度を一定に保つ工程を含み、その間、炭化水素のガス流への投入量もガス流体積も3%超増加させない、方法。
  2. 熱搬送媒体の温度を少なくとも48時間一定に保つ、請求項1に記載の方法。
  3. 熱搬送媒体の温度を一定に保つ期間中における炭化水素のガス流への投入量を最大1.5%増加させる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 熱搬送媒体の温度を一定に保つ期間中におけるガス流体積を最大2.5%増加させる、請求項1または2に記載の方法。
  5. 始動の過程における熱搬送媒体の温度を、380〜410℃の範囲の温度から340〜365℃の範囲の温度まで低下させる、請求項1または2に記載の方法。
  6. 炭化水素のガス流への投入量を、始動の過程において25〜30g/m(STP)から70〜120g/m(STP)まで増加させる、請求項1または2に記載の方法。
  7. 無水フタル酸をo−キシレンおよび/またはナフタレンから製造する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 触媒の触媒活性材料が少なくとも五酸化バナジウムおよび二酸化チタンを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 芳香族炭化水素の気相酸化によるカルボン酸および/またはカルボン酸無水物の製造において生成物品質を改善するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を使用する方法。
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