JP2016524027A - モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー、および該ブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとを含むポリマー組成物 - Google Patents

モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー、および該ブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとを含むポリマー組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、特定のブロック構造の、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー(モノビニルアレーンとも称する)および少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含む、新規ブロックコポリマー、とりわけスチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)に関する。さらに本発明は、少なくとも1つのブロックコポリマーと、少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマー、とりわけスチレン−メチルメタクリラートコポリマーとを含む、ポリマーブレンドに関する。製造に関連する方法、およびポリマーブレンドから製造される物品も提供される。

Description

本発明は、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー(モノビニルアレーンとも称される)および少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含む新規ブロックコポリマー、とりわけ特定のブロック構造の、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)に関する。本発明はさらに、少なくとも1つのブロックコポリマーと少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマー、とりわけスチレン−メチルメタクリラートコポリマー(SMMA)とを含む、ポリマーブレンドに関する。製造に関連する方法、およびポリマーブレンドから製造される物品も提供される。
モノビニルアレーン−共役ジエンコポリマー、とりわけスチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)は既知であり、様々な目的に有用である。耐衝撃性改質ポリスチレンを得るために、ポリスチレンとSBCコポリマーを混合することが知られている。スチレンとブタジエンのブロックコポリマーは、例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3に記載されている。
ランダマイザとしての少量のテトラヒドロフランの存在下でスチレンとブタジエンを重合すると、高比率のホモポリブタジエンブロック、およびポリスチレンブロックへの漸減遷移が生じる。テトラヒドロフランの量を増やすと、ある程度のランダム特性を有するブタジエン−スチレンコポリマーブロックが生じる。しかし、テトラヒドロフランを添加すると、ポリジエン中の1,2−結合の相対比率(1,2−ビニル含有量)も著しく増加する。また、1,2−ビニル含有量が多いと、対応するブロックコポリマーの熱安定性が害され、そのガラス転移温度が上昇する。
可溶性カリウム塩の存在下において、シクロヘキサン中で、スチレンとブタジエンをランダム共重合することが非特許文献1、および非特許文献2に記載されている。ここに言及される、適切な可溶性カリウム塩は、例えば、カリウム2,3−ジメチル−3−ペンタノラート、およびカリウム3−エチル−3−ペンタノラートである。
特許文献1は、カリウム塩の存在下で製造された1,2−ビニル含有量が20重量%未満のスチレン−ブタジエンコポリマー(SBC)を含む、無色明澄の衝撃性改質ポリスチレンを記載する。
SBCブロックコポリマーは、機械的特性、とりわけ耐衝撃性を向上させるために、例えばスチレンメチルメタクリラートコポリマー(SMMA)などのモノビニルアレーンアクリラートコポリマーのような、他のポリマーとブレンド可能であることも知られている。そのようなSBC/SMMAポリマーブレンド製の成形品は、澄んだ、高い透明度および靭性を示す高性能製品である。そのような製品は、食品容器、陳列棚、野菜室トレー(crisper tray)、および玩具の部品のような様々な応用がある。そのようなモノビニルアレーン共役ジエンブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとのポリマーブレンドの例は、特許文献4、特許文献5、特許文献6、および特許文献7に記載されている。
市販のスチレン−ブタジエンコポリマー(SBC)の例は、K−Resin(登録商標)(Chevron Phillips Chemical Co.、ザ・ウッドランズ、テキサス州)という登録商標で知られる。
特許文献3は、S1−B1−S/B−S2構造の、直鎖状で透明なスチレン−ブタジエンブロックコポリマーを記載する。ルイス塩基、具体的にはランダマイザとしてのテトラヒドロフランの存在下で、スチレンとブタジエンを重合して、漸減する、ブタジエンおよびスチレンのコポリマーブロックが得られる。S/Bセグメントの長さは、ルイス塩基の量に依存する。
特許文献5は、良好な機械的特性を維持しつつ向上した衝撃特性を有する、ポリマーブレンド組成物を記載する。ポリマーブレンド組成物は、ブレンド組成物の総重量に対し、(A)約90から25重量パーセントの範囲の量のモノビニルアレーン/共役ジエンブロックコポリマーと、(B)約10から75重量パーセントの範囲の量のスチレン/メチルメタクリラートからなるスチレンコポリマーとを含む。好ましくは、成分(A)は、成分(A)の総重量に対し、スチレン含有量が約95から71重量パーセントの範囲、ブタジエン含有量が約5から29重量パーセントの範囲の、スチレン−ブタジエンコポリマーである。
特許文献6は、ランダマイザとしてテトラヒドロフランを用いる、3つの漸減するS/Bブロックを有するスチレン−ブタジエンブロックコポリマーの製造について記載する。記載されるSBCブロックコポリマーは、30から40重量%のジエンモノマーを含む。
特許文献7は、ヘイズが低く、弾性率および衝撃強さが高い、モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマー(SBC)とモノビニルアレーンアクリラートコポリマー(SMMA)とのポリマーブレンドを記載する。特にSBCは、30から40重量%のブタジエン、および少なくとも1つの漸減するブロックS/Bを含む。
弾性率および衝撃強さが良好な、モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとの、よりヘイズの低いポリマーブレンドの開発がさらに求められている。
国際公開第2000/58380号 国際公開第1995/35335号 米国特許第4939208号 米国特許第4356190号 米国特許第5777030号 米国特許第7776965号 国際公開第2006/052623号
S.D.Smith、Polymer Preprints、34巻(2号)、1993年、672頁 S.D.Smith、Polymer Preprints、35巻(2号)、1994年、466頁
本発明の1つの課題は、靭性/剛性の比のバランスが良く、前述した欠点がない、モノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとの、無色明澄な衝撃性改質組成物(とりわけSBC/SMMA組成物)を提供することである。具体的には、組成物は、高い透明度および透過率、ならびに低いヘイズのような、改善された光学特性を有する。さらに、本発明のモノビニルアレーン−共役ジエンブロックコポリマーの屈折率は、対応するモノビニルアレーンアクリラートコポリマーと等しい。
驚くべきことに、特定のブロック配列を持つSBCブロックコポリマーを使用することで、向上した良好な衝撃強さおよび引張特性のような機械的特性を維持しつつ、光学特性、とりわけ透明度およびヘイズの向上が可能であることが見出された。少なくとも1つのブタジエンホモブロック、および少なくとも1つのランダム化されたS/Bブロックが、既知のSBCブロックコポリマーの配列に含まれることが効果的であることが見出された。したがって、既知の市販SBC(BK(登録商標)樹脂)の漸減するブロックの少なくとも1つの配列B−S/B−Sが、ランダム化されたブロックS/Bに置き換わる。
本発明は、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーおよび少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含むブロックコポリマーであって、少なくとも第1および第2のモノビニル芳香族モノマーホモブロック(S)、ならびに、それらのビニル芳香族ブロックの間に、少なくとも1つの共役ジエンホモブロック(B)、および少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーと少なくとも1つの共役ジエンとの少なくとも1つのランダムブロック(S/B)を含み、ブロックコポリマー全体に対し、20から60重量%、好ましくは20から50重量%、同様に好ましくは30から40重量%、より好ましくは35から38重量%の共役ジエンモノマーを含む、前記ブロックコポリマーに関する。
本発明において、「モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー」とは、各ブロックがモノビニル芳香族モノマー単位(モノビニルアレーン単位)および/または共役ジエンモノマー単位を含む、2つまたはそれ以上のブロックを含むポリマーを意味する。好ましくは、モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーは、1つまたはそれ以上のモノビニル芳香族(例えばスチレン)ブロック、および1つまたはそれ以上の共役ジエン(例えばブタジエン)ブロックを含む、ブロックコポリマーである。
より好ましくは、ビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーは、スチレンブロックおよびブタジエンブロック(スチレン−ブタジエンコポリマー、SBCとも称される)を含む、ブロックコポリマーである。
具体的には、ブロックが1種のモノマー単位のみを含む場合、それを「ホモブロック」と称する。特に、ブロックが1種のモノマー単位を、少なくとも95重量%、好ましくは少なくとも99重量%、より好ましくは99.5重量%を超えて含む場合、それを「ホモブロック」と称することができる。ブロックは、実質的に1種のモノマー単位のみからなるとき、「ホモブロック」である。このような状態は、偶発的に予測される水準の範囲内で、実質的にブロックのすべての区域に当てはまるものとする。この状態は、ブロックの区域(移行区域)、特にブロックの始まりおよび終わりの区域が、特定量の(例えば5重量%を超える)1つまたはそれ以上の異なるモノマー単位をも含む可能性を除外しない。
具体的には、ブロックが両方のモノマー(モノビニル芳香族モノマー単位および共役ジエンモノマー単位)を含む場合、それはホモブロックではなく、ランダムブロック、漸減ブロック、段階的ブロック、または任意のその他の種類のブロックである。
本発明のモノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーは、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーおよび少なくとも1つの共役ジエンを含む、少なくとも1つのランダムブロック(S/B)を含む。本発明において、ブロックのある区域における共役ジエン単位のモル分率が、ブロック全体の共役ジエン単位のモル分率と実質的に同じである場合、ブロックは「ランダムブロック」である。モノビニル芳香族モノマー単位についても同様である。この状態は、ブロックの区域が規則性を有する(例えばランダムでないように見える)可能性を除外しないが、そのような規則的な区域は、一般的に、おおよそ偶発的に予測される水準(絶えず起こるLiからK対イオンへの変化を伴う重合機構に起因する)で存在するに過ぎないであろう。特に、前述の状態が実質的にブロックのすべての区域に当てはまる場合、ブロックはランダムである。
本発明による「モノビニル芳香族モノマー」(モノビニルアレーンとも称される)は、1つの炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの芳香族部分、および、具体的には合計で8から18個の炭素原子、好ましくは8から12個の炭素原子を含有する、有機化合物を意味する。芳香族部分は、好ましくは単環部分であり、より好ましくは6員芳香族環を有する単環部分である。具体的には、モノビニル芳香族モノマーは、8から12個の炭素原子を有するモノビニル単環アレーンモノマーを意味する。
適切なモノビニル芳香族モノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、4−n−プロピルスチレン、4−t−ブチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−デシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(4−フェニル−n−ブチル)スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、およびそれらの混合物である。1つの好ましい実施形態において、モノビニル芳香族モノマーはスチレンである。一般的に、その重合の容易さから、スチレンは好ましいモノビニルアレーンモノマーである。
概して、モノビニル芳香族モノマーは、本発明のブロックコポリマー中に、ブロックコポリマーの重量に対し、(合計で)40から80重量%の範囲内で存在する。好ましくは、モノビニル芳香族モノマーは、ブロックコポリマー中に、ブロックコポリマーの重量に対し、60から70重量%、より好ましくは62から65重量%の範囲内で、多くの場合約64重量%存在する。
本発明による「共役ジエン」は、少なくとも2つの、好ましくは正確に2つの共役炭素−炭素二重結合、および具体的には合計で4から12個の炭素原子、好ましくは4から8個の炭素原子を含有する、有機化合物を意味する。そのような適切な共役ジエンの例として、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、およびそれらの混合物が挙げられる。1つの実施形態において、共役ジエンは、1,3−ブタジエンまたはイソプレン、より好ましくは1,3−ブタジエンである。好ましいジエンは、最も容易に入手できるため、1,3−ブタジエンである。
通例、ブロックコポリマー(例えばSBC)中の共役ジエンモノマー(例えばブタジエン)の含有量は、ブレンドされるモノビニルアレーンアクリラートコポリマー(例えばSMMA)およびブロックコポリマー(例えばSBC)の屈折率が等しくなるよう選択される。このことは、成形用ポリマー組成物が高い透過性を有するために通常求められる。ブロックコポリマー中に存在する共役ジエンの量は、一般的に、ブロックコポリマーの重量に対し、20から60重量%、好ましくは20から50重量%の範囲内である。好ましくは、ブロックコポリマー中に存在する共役ジエンの量は、ブロックコポリマーの重量に対し、30から40重量%、より好ましくは35から38重量%の範囲内である。好ましい実施形態において、ブロックコポリマー中に存在する共役ジエンの量は、ブロックコポリマー全体に対し、36重量%以上、より好ましくは36から40重量%、多くの場合36から38重量%、多くの場合約36重量%である。
好ましい実施形態において、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーはスチレンであり、少なくとも1つの共役ジエンは1,3−ブタジエンである。
好ましくは、本発明は、共役ジエンを含むブロックの1,2−ビニル含有量が、好ましくは10から20%、とりわけ12から16%である、ブロックコポリマーに関する。本発明の目的においてビニル含有量とは、共役ジエンを含むブロック中の結合の合計(1,2;1,4−cis、および1,4−trans結合)に対する、ジエン単位の1,2−結合の相対比率である。
好ましい実施形態は、
ブロックコポリマーの重量に対し、40から80重量%、好ましくは50から80重量%、好ましくは60から70重量%、より好ましくは62から65重量%、最も好ましくは約64重量%のスチレン、および
ブロックコポリマーの重量に対し、20から60重量%、好ましくは20から50重量%、好ましくは30から40重量%、より好ましくは35から38重量%、最も好ましくは約36重量%のブタジエン
を含む(またはからなる)、ブロックコポリマーに関する。
好ましい実施形態において、本発明のブロックコポリマーは、
S1−S2−B1−S3/B2−S4(配列1)、および
S2−B1−S3/B2−S4(配列2)
(式中、Sはモノビニル芳香族モノマーホモブロック(例えばスチレンホモブロック)を表し、Bは共役ジエンホモブロック(例えばブタジエンホモブロック)を表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロック(例えばランダムスチレンブタジエンブロック)を表す)の配列のうち少なくとも1つを含む。具体的には、本発明のブロックコポリマーは、前述の、S1−S2−B1−S3/B2−S4(配列1)およびS2−B1−S3/B2−S4(配列2)の2つの配列を含む。
好ましくは、少なくとも2つのモノビニル芳香族モノマーブロック(第1および第2のブロック)は、モノビニル芳香族モノマー、とりわけスチレンで構成される(またはからなる)、2つのホモブロックS2およびS4である。
具体的には、少なくとも2つのモノビニル芳香族モノマーホモブロック(第1および第2のブロック)の(好ましくはホモブロックS2およびS4の、より好ましくはスチレンホモブロックS2およびS4の)モル質量は、それぞれ1,000から15,000g/mol、好ましくは3,000から13,000g/molの範囲内である。好ましい実施形態において、本発明は、第2のモノビニル芳香族モノマーブロックのモル質量が1,000から10,000g/molの範囲内、好ましくは1,000から8,000g/molの範囲内、より好ましくは2,000から5,000g/molの範囲内の、前述のブロックコポリマーに関する。さらなる実施形態において、第1のモノビニル芳香族モノマーブロックの(好ましくはホモブロックS2の、より好ましくはスチレンホモブロックS2の)モル質量は、5,000から15,000g/mol、より好ましくは10,000から13,000g/molの範囲内であり、第2のモノビニル芳香族モノマーブロックの(好ましくはホモブロックS4の、より好ましくはスチレンホモブロックS4の)モル質量は、1,000から10,000g/molの範囲内、好ましくは1,000から8,000g/molの範囲内、より好ましくは2,000から5,000g/molの範囲内である。
好ましくは、少なくとも1つの共役ジエンホモブロックは、共役ジエンモノマー、とりわけブタジエンで構成される(またはからなる)、ホモブロックB1である。
具体的には、少なくとも1つの共役ジエンモノマーホモブロックの(好ましくはホモブロックB1の、より好ましくはブタジエンホモブロックB1の)モル質量は、1,000から5,000g/mol、好ましくは1,000から3,500g/mol、より好ましくは2,000から3,500g/molの範囲内である。
好ましくは、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーと少なくとも1つの共役ジエンとの少なくとも1つのランダムブロックは、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー、とりわけスチレン、および少なくとも1つの共役ジエン、とりわけブタジエンで構成される(またはからなる)、ランダムブロック(好ましくはS3/B2)である。
好ましくは、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーと少なくとも1つの共役ジエンとの、少なくとも1つのランダムブロックの(好ましくはランダムブロックS3/B2の、より好ましくはスチレン−ブタジエンランダムブロックS3/B2の)モル質量は、15,000から30,000g/mol、好ましくは20,000から25,000g/molの範囲内である。少なくとも1つのランダムブロック(S3/B2)中のモノビニル芳香族モノマーのモル質量は、5,000から8,000g/molの範囲内とすることができる。少なくとも1つのランダムブロック(S3/B2)中の共役ジエンモノマーのモル質量は、10,000から20,000g/mol、より好ましくは15,000から18,000g/molの範囲内とすることができる。
具体的には、少なくとも1つのランダムブロック(S3/B2)中に存在するモノビニル芳香族モノマーの量は、ランダムブロック全体に対し、10から50重量%、より好ましくは20から40重量%、最も好ましくは25から30重量%であり、25から28重量%も好ましい。具体的には、少なくとも1つのランダムブロック(S3/B2)中に存在する共役ジエンモノマーの量は、ランダムブロック全体に対し、50から90重量%、より好ましくは60から80重量%、最も好ましくは70から75重量%であり、72から75重量%も好ましい。
好ましい実施形態において、少なくとも1つのランダムブロック(S/B)は、
ランダムブロック全体に対し、60から80重量%、より好ましくは70から75重量%、最も好ましくは72から75重量%の共役ジエンモノマー、好ましくは1,3−ブタジエン;および
ランダムブロック全体に対し、20から40重量%、より好ましくは25から30重量%、最も好ましくは25から28重量%のモノビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレンを含む(またはからなる)。
好ましくは、少なくとも1つのランダムブロック中の(好ましくはランダムブロックS3/B2中、より好ましくはスチレンおよびブタジエンで構成される(またはからなる)ランダムブロックS3/B2中の)、モノビニル芳香族モノマーの共役ジエンモノマーに対するモル比は、0.1から0.5、好ましくは0.1から0.4、より好ましくは0.1から0.3、最も好ましくは0.15から0.25の範囲内である。
少なくとも1つのランダムブロック(S3/B2)が存在する好ましい量は、ブロックコポリマー全体に対し、20から50重量%であり、好ましくは40から50重量%である。
本発明の好ましい実施形態は、前述のブロックコポリマー(例えばSBC)に関し、該ブロックコポリマーは星型構造を有する。本発明における星型構造とは、少なくとも1つの、好ましくは少なくとも2つの、好ましくは連結剤により結合する、分岐を含む構造であり、ここで各分岐は前述のブロックコポリマー構造を有していてもよい。より好ましくは、本発明における星型ブロック構造は、1から8個、好ましくは2から8個、好ましくは2から5個、より好ましくは3から4個の、同一または異なる配列が連結剤により結合する、分岐を含む構造であり、ここで各分岐は前述のブロックコポリマー構造を有していてもよい。
さらに、本発明における星型構造ブロックコポリマーは、逐次重合によってコポリマーの分岐を形成し、次いで多官能(polyfunctional)(二官能または多官能(multi-functional))カップリング剤などの適切なカップリング剤の添加により分岐を結合することによって得ることが可能な(または得られる)、ブロックコポリマーである。適切なカップリング剤は当業者に公知であり、後述する。本発明のブロックコポリマーの製造方法を以下に述べる。一部の活性ポリマー鎖は、カップリング剤と反応せずに終端となることが可能であろうことは、当業者の知るところである。
本発明において、星型構造を有するブロックコポリマーは、星型構造ポリマーおよび末端単鎖を含む混合製品であってもよい。
好ましくは、ブロックコポリマー(SBC)は、ブロック配列S1−S2−B1−S3/B2−S4(配列1)および/またはS2−B1−S3/B2−S4(配列2)との少なくとも1つの分岐を含む、星型構造を有し、ここでSはモノビニル芳香族モノマーホモブロック(例えばスチレンホモブロック)を表し、Bは共役ジエンホモブロック(例えばブタジエンホモブロック)を表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロックを表す。
1つの好ましい実施形態において、本発明は前述のブロックコポリマーに関し、該ブロックコポリマーは、ブロック配列
(i)S2−B1−S3/B2−S4
との星の少なくとも1つの分岐、およびブロック配列
(ii)S1−S2−B1−S3/B2−S4
との星の1つの分岐を有する星型構造を有し、ここでSはモノビニル芳香族モノマーホモブロックを表し、Bは共役ジエンホモブロックを表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロックを表す。
他の好ましい実施形態において、本発明は前述のブロックコポリマーに関し、該ブロックコポリマーは、ブロック配列
(i)S2−B1−S3/B2−S4
との星の少なくとも1つの分岐、およびブロック配列
(ii)S1−S2−B1−S3/B2−S4
との星の1つの分岐を有する星型構造を有し、ここでS、B、およびS/Bは前に規定したとおりであり、ここでブロック配列S2−B1−S3/B2−S4との分岐の、ブロック配列S1−S2−B1−S3/B2−S4との分岐に対するモル比は、4:1から2:1の範囲内であり、好ましいモル比は2.3:1である。
好ましくは、本発明のブロックコポリマーは、下記のポリマー鎖構造
1 S1−S2−B1−S3/B2−S4 X
2、3 S2−B1−S3/B2−S4 X
を形成および結合して製造される、星型ブロックコポリマーであり、ここでS、B、およびS/Bは前に規定したとおりであり、Xはカップリング剤を表す。
一般的に、各ブロックは、所望のブロック単位が誘導される、モノマーまたはモノマーの混合物を重合することによって形成される(逐次アニオン重合)。後述する重合方法は、本発明のブロックコポリマーにおける、すべてのタイプのブロックの形成に広く適用される。
さらに本発明は、逐次アニオン重合によりブロックコポリマーを形成する工程を含み、少なくとも1つのランダムブロック(S/B)の重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われる、方法によって得ることが可能な(または得られる)、前述のブロックコポリマーに関する。
さらに本発明は、星型構造を有し、逐次アニオン重合によりブロックコポリマーを形成する工程を含み、少なくとも1つのランダムブロックの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われ、次いで適切なカップリング剤、具体的には多官能(polyfunctional)(二官能または多官能(multi-functional))カップリング剤の添加により分岐を結合する、方法によって得ることが可能である(または得られる)、前述のブロックコポリマーに関する。適切なカップリング剤については、本発明のブロックコポリマー形成方法に関連して後述する。
好ましくは、本発明は、星型構造を有し、ブロック配列S1−S2−B1−S3/B2−S4(配列1)および/またはS2−B1−S3/B2−S4(配列2)(式中、Sはモノビニル芳香族モノマーホモブロック(例えばスチレンホモブロック)を表し、Bは共役ジエンホモブロック(例えばブタジエンホモブロック)を表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロックを表す)との少なくとも1つの分岐を逐次アニオン重合により形成し結合する工程を含み、ランダムブロックS/Bの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われる、方法によって得ることが可能である(または得られる)、前述のブロックコポリマーに関する。
ポリマー組成物
本発明はまた、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーおよび少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含む前述のブロックコポリマーと、少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとを含むポリマー組成物であって、組成物全体に対し、6から31重量%、好ましくは10から20重量%の共役ジエン(単位)を含む、前記ポリマー組成物にも関する。好ましい実施形態は、組成物全体に対し12から15重量%の共役ジエン(単位)を含むポリマー組成物に関する。
ブロックコポリマーに関して記載された好ましい実施形態は、該ブロックコポリマーを含む本発明のポリマー組成物にも適用される。
モノビニルアレーンアクリラートコポリマーは、少なくとも1つの前述のモノビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレン、α−メチルスチレン、o−、m−もしくはp−ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジエチルスチレン、2−クロロスチレン、2−クロロ−5−メチルスチレン、ビニルナフタレン、またはそれらの混合物と、好ましくはメチルアクリラート、エチルアクリラート、イソプロピルアクリラート、ブチルアクリラート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、ブチルメタクリラート、ヘキシルメタクリラート、シクロヘキシルメタクリラート、およびメチルエタクリラートなどから選択される、少なくとも1つの置換または無置換のアルキルアクリラート、またはそれらの混合物を共重合することによって製造することができる。
好ましい実施形態において、少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマーは、スチレンメチルメタクリラートコポリマー(SMMA)である。具体的には、NAS(登録商標)30、NAS(登録商標)90、およびNAS(登録商標)21のような、Styrolution社のNAS(登録商標)モデルなどの、市販のSMMAを用いることができる。
ポリマー組成物中に存在する、本発明のブロックコポリマー(モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー)の量は、典型的には、ポリマー組成物全体に対し、20から50重量%、好ましくは30から40重量%、より好ましくは35から38重量%の範囲内、最も好ましくは約36重量%である。
モノビニルアレーンアクリラートコポリマーは、典型的には、ポリマー組成物全体に対し、50から80重量%、好ましくは60から70重量%、より好ましくは62から65重量%の範囲内、最も好ましくは約64重量%の量で存在する。
ビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーとモノビニルアレーンアクリラートコポリマーとの比は、所望の機械的特性によって選択することができる。ビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーの量が不十分であると、結果としてポリマーブレンド組成物が耐衝撃性を示さない可能性があり、モノビニルアレーンアクリラートコポリマーの量が不十分であると、結果としてポリマーブレンド組成物が所望の剛性を示さない可能性がある。
ポリマー組成物はまた、安定化剤;酸化防止剤;エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドなどのブロッキング防止剤;離型剤;ホワイトオイル、鉱油などの流動性向上剤;増量剤;染料;顔料;難燃剤;充填剤;補強材(例えばガラス繊維)のような、一般に知られる添加剤も含有することができる。一般的に、添加剤は、ポリマー組成物全体に対し、0から5重量%、好ましくは0から2重量%、より好ましくは0から1重量%、多くの場合10から10,000ppmの量で存在する。
好ましい実施形態において、前述のポリマー組成物は、少なくとも1つの共役ジエン(例えばブタジエン)を、ポリマー組成物全体に対し、6から31重量%、好ましくは10から20重量%、最も好ましくは12から15重量%含む。好ましくは、ポリマー組成物は、ポリマー組成物全体に対し20重量%以下の共役ジエンモノマーを含む。
典型的には、前述のポリマー組成物は、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー(例えばスチレン)を、ポリマー組成物全体に対し、54から73重量%、好ましくは62から70重量%、最も好ましくは66.5から68重量%含む。典型的には、前述のように、ポリマー組成物は、少なくとも1つのアクリラートモノマー(例えばメチルメタクリラート)を、ポリマー組成物全体に対し、15から21重量%、好ましくは18から20重量%、最も好ましくは18.5から20重量%含む。
好ましい実施形態において、ポリマー組成物は、次のモノマー単位を含む(またはからなる):
ポリマー組成物全体に対し、10から20重量%、好ましくは12から15重量%、最も好ましくは約13.2重量%の、少なくとも1つの共役ジエン(例えばブタジエン);
ポリマー組成物全体に対し、62から70重量%、最も好ましくは66.5から68重量%、最も好ましくは約67.7重量%の、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー(例えばスチレン);
ポリマー組成物全体に対し、18から20重量%、最も好ましくは18.5から20重量%、最も好ましくは約19.2重量%、同様に好ましくは約19.1重量%の、少なくとも1つのアクリラートモノマー(例えばメチルメタクリラート)。
ポリマー組成物(本発明のポリマー組成物で構成される各製品、例えば成形品)は、90%を超える、具体的には最大99%までの透明度を示す。透明度は、入射光線に対し、ポリマー試料により2.5°未満の角度で散乱された光の部分として規定することができる。ビニル芳香族−共役ジエンブロックコポリマーは、メルトフローレートが3.0から12g/10分、より好ましくは約3.0から10g/10分となるよう、選択または製造される。
ブロックコポリマーの製造方法
さらに、本発明は、逐次アニオン重合によってブロックコポリマーを形成する工程を含み、少なくとも1つのランダムブロックの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で、好ましくは少なくとも7個の炭素原子を有するカリウムアルコキシドの第三級アルコールから選択される、例えばカリウム2−メチルブタノラート、カリウム2,3−ジメチル−3−ペンタノラート、カリウム3,7−ジメチル−3−オクタノラート、およびカリウム3−エチル−3−ペンタノラートから選択される、最も好ましくはカリウム2−メチルブタノラート(KTA)である、ランダマイザの存在下で行われる、前述のブロックコポリマー(モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー)の製造方法に関する。好ましくは、少なくとも1つのランダムブロックは、モノマー混合物を2回またはそれ以上、具体的には2から5回に分けて添加することによって製造することができる。
前述の、ブロックコポリマーに関する好ましい実施形態は、本発明のブロックコポリマーの製造方法にも適用される。
典型的には、各ブロックは、所望のブロック単位が誘導される、モノマーまたはモノマーの混合物を重合して形成される。典型的には、モノマーまたはモノマーの混合物は、1つの重合工程で1回または複数回に分けて、具体的には2から5回に分けて添加することができる。具体的には、重合工程における、反応および熱発生は、モノマーまたはモノマーの混合物を、2回または複数回に分けて添加することによって制御することができる。重合方法は、本発明のポリマーにおける、すべてのタイプのブロックの形成に一般的に適用される。逐次アニオン重合の一般的な手順は、例えば国際公開第2000/58380号に記載される。
好ましくは、前述の本発明のブロックコポリマー(モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマー)の製造方法は、少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマー、有機モノアルカリ金属開始剤、少なくとも1つの共役ジエンモノマーを重合条件において逐次的に接触させる工程、次いで場合により多官能カップリング剤と結合させ星型ブロックコポリマーを形成させる工程を含む。
本発明のブロックコポリマーは例えば、逐次アニオン重合によって形成してもよく、少なくともブロック(S/B)の重合はカリウム塩の存在下で行われる。典型的には、本発明のブロックコポリマーは、逐次アニオン重合によって形成してもよく、少なくとも1つのランダムブロック、特にブロック(S/B)の重合は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下、およびアニオン重合開始剤(例えば有機モノアルカリ金属開始剤)の存在下で行われる。一般的にカリウム塩は、アニオン重合開始剤に対して不足したモル濃度で使用される。好ましくは、アニオン重合開始剤のカリウム塩に対するモル比は、10:1から100:1、特に好ましくは30:1から70:1である。好ましい実施形態において、逐次アニオン重合における、アニオン重合開始剤のカリウム塩に対するモル比は、10:1から100:1、特に好ましくは30:1から70:1である。好ましくは、少なくとも1つのランダムブロック、特にブロック(S/B)の重合は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下、およびアニオン重合開始剤の存在下で行われ、ここでアニオン重合開始剤のカリウム塩に対するモル比は、10:1から100:1、特に好ましくは30:1から70:1である。
使用するカリウム塩は、一般的に反応媒体に可溶である必要がある。適切なカリウム塩は、例えばカリウムアルコキシドであり、具体的には、少なくとも7個の炭素原子を有するカリウムアルコキシドの第三級アルコールである。カリウム2−メチルブタノラート、カリウム2,3−ジメチル−3−ペンタノラート、カリウム2−メチルヘキサノラート、カリウム3,7−ジメチル−3−オクタノラート(カリウムテトラヒドロリナロオラート)、またはカリウム3−エチル−3−ペンタノラートの使用が特に好ましい。カリウムアルコキシドは、例えば、単体カリウム、カリウム/ナトリウム合金、またはアルキル化カリウムを不活性溶媒中で適切なアルコールと反応させることによって得ることができる。
アニオン重合開始剤の添加が完了するまで、カリウム塩を反応混合物に添加しないことが有用である。この方法により、微量の非プロトン性汚染物質による、カリウム塩の加水分解を防ぐことができる。ランダムブロックS/Bの重合の直前にカリウム塩を添加することが特に好ましい。
重合工程は、開始剤、とりわけアニオン重合開始剤の存在下で行うことができる。用いることができるアニオン重合開始剤は、通常の単官能、二官能、または多官能の、アルカリ金属アルキル化合物、アルカリ金属アリール化合物、またはアルカリ金属アラルキル化合物である。開始剤は、既知の開始剤である有機モノアルカリ金属化合物であってもよい。開始剤は、式RMを有していてもよく、式中Rは、n−ブチル基のような、4から8個の炭素原子を含有する、アルキル、シクロアルキル、またはアリール基であり、Mは、リチウムのようなアルカリ金属である。好ましい開始剤は、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、およびt−ブチルリチウムである。有利には、エチル−、プロピル−、イソプロピル−、n−ブチル−、sec−ブチル−、tert−ブチル−、フェニル−、ジフェニルヘキシル−、ヘキサメチルジ−、ブタジエニル−、イソプロピル−、もしくはポリスチリルリチウムのような、有機リチウム化合物、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−ブテン、または1,4−ジリチオベンゼンを使用する。好ましくは、n−ブチルリチウム(BuLi)をアニオン重合開始剤として使用する。
当技術分野で知られるように、必要な重合開始剤の量は所望のモル重量によって決まり、供給流中の微量な反応疎外物質を十分に考慮して、容易に決定することができる。一般的に、重合開始剤の使用量は、モノマー総量に対し0.001から5モル%である。
本発明のビニル芳香族−共役ジエンブロックコポリマーを製造するための重合方法は、溶媒(例えば炭化水素溶媒)の存在下で、−100℃から150℃の範囲の、好ましくは0℃から150℃の範囲の、適切な任意の温度、および反応混合物を実質的に液相に維持するのに十分な圧力で行うことができる。適切な溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、もしくはエチルベンゼンなどのアルキルベンゼン、またはデカリンのような、炭素原子を4から12個有し、アニオン重合に一般的な、脂肪族、脂環式、もしくは芳香族炭化水素、または適切な混合物である。シクロヘキサン、およびメチルシクロヘキサンが優先的に選ばれる。好ましい溶媒として、ペンタン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、シクロペンタンのような、直鎖および環状パラフィン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。シクロヘキサンが好ましい。重合工程は、不活性ガス雰囲気下などの、酸素および水の実質的な非存在下で行うことができる。
重合はまた、アルキルマグネシウム化合物、アルキルアルミニウム化合物、またはアルキル亜鉛化合物のような、重合速度を遅くする有機金属化合物の存在下で、溶媒を用いずに行うことができる。
重合が終了した時点で、連鎖停止剤を用いてリビングポリマー鎖をキャップしてもよい。適切な連鎖停止剤は、水、アルコール、脂肪族もしくは芳香族カルボン酸、または同様に炭酸もしくはホウ酸などの無機酸のような、プロトン化物質またはルイス酸である。
重合が終了した時点で連鎖停止剤を添加する代わりに、多官能の、アルデヒド、ケトン、エステル、無水物、またはエポキシドのような、多官能カップリング剤によってリビングポリマー鎖を結合して星型ブロックコポリマーを得てもよい。好ましくは、多官能カップリング剤は、平均して2から6個、好ましくは2から4個の官能基を分子中に有する。
同一、または異なるブロックを結合させることによって、前述のブロック構造をアームに有する、対称または非対称の星型ブロックコポリマーがここに得られる。非対称星型ブロックコポリマーは、例えば、星の個々のアームを独立して製造、および/または複数回開始(例えば、1:2から10:1の割合で、好ましくは1:2.3の割合で分割した開始剤を用いて2回開始)することによって得ることができる。カップリング剤は、重合完了後に添加することができる。適切なカップリング剤は当業者に公知である。そのようなものとして、二または多ビニルアレーン化合物;アルコキシスズ化合物;ハロゲン化ケイ素、およびハロシランなどの二または多ハロゲン化物;一価アルコールとポリカルボン酸のエステルなどの二または多エステル;一塩基酸と多価アルコールのエステルである、グリセロールなどのジエステル;およびそのような化合物の2つまたはそれ以上の混合物が挙げられる。有用な多官能カップリング剤として、エポキシ化大豆油が挙げられる。
カップリング反応の完了後、水、二酸化炭素、アルコール、フェノール類、または直鎖状飽和脂肪族のモノ、もしくはジカルボン酸のような、停止剤によって重合反応混合物を処理し、色調制御のためにアルカリ金属をブロックコポリマーから除去することができる。
停止後、ポリマー組成物、具体的には一次重合生成物(例えば、重合溶媒中のポリマー)は、通常10から40重量%の固形物を含有する。固形分を50から99重量%の間まで増大させるよう、ポリマーセメント、具体的にはポリマー組成物をフラッシュして、溶媒を蒸発させ、続く真空オーブンまたは脱揮押出機により乾燥させて残存溶媒を除去し、ペレットを形成することができる。
さらなる態様において、本発明は、前述の方法によって得ることが可能な(または得られる)ブロックコポリマーに関する。
ポリマーブレンド(ポリマー組成物)の製造
さらなる態様において、本発明は、ポリマー成分および場合により添加剤を混合する工程を含む、前述のポリマー組成物(モノビニル芳香族共役ジエンブロックコポリマーとビニルアレーンアクリラートコポリマーとを含むポリマー組成物)の製造方法に関する。
好ましくは、一般に知られる添加剤、具体的には安定化剤;酸化防止剤;ブロッキング防止剤;エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドなどの離型剤;ホワイトオイル(鉱油)などの流動性向上剤;増量剤;染料;顔料;難燃剤;充填剤;補強材(例えばガラス繊維)から選択される添加剤をさらに使用することができる。
ブロックコポリマーおよびポリマー組成物に関して記載された、好ましい実施形態は、本発明のポリマー組成物製造方法にも適用される。
典型的には、本発明におけるポリマー組成物のポリマー成分の適切な混合は、好ましくは一軸式または二軸押出機を用いる、機械的混合によって達成することができる。この目的を達成するための押出機の操作は、当業者の理解の範囲内である。例えば、LとDの比が約30:1である、1インチ半の押出機の場合、押出機は、好ましくは75から125rpmで操作される。そのような操作中の、押出機のバレル温度は、具体的には200から250℃、好ましくは215から235℃の範囲である。
ポリマー組成物の成分は、個別に押出機に供給してもよい。別法として、それらの成分を混合した後に押出機に供給してもよく、または混合した後に押し出し、その後場合により刻んでペレットにしてもよい。一方、本発明のポリマー組成物の成分は、例えばタンブルブレンダ中で、乾式混合してもよい。乾式混合したポリマー組成物は、押出成形、射出成形、またはブロー成形などの、物品製造の工程に直接使用することができる。さらに、乾式混合したポリマー組成物は押し出すことができ、押し出したポリマー組成物は、押出成形、射出成形、またはブロー成形などの、物品製造の工程に使用することができる。
本発明のポリマー組成物は、場合により安定化剤;酸化防止剤;エルカ酸アミド、ステアリン酸アミドなどのブロッキング防止剤;離型剤;ホワイトオイル(鉱油)などの流動性向上剤;増量剤;染料;顔料;難燃剤;充填剤;補強材(例えばガラス繊維)のような既知の添加剤を添加して、成形品または薄片などの、物品の製造に使用することができる。典型的には、物品は、押出成形、射出成形、またはブロー成形によって製造することができる。
別の手順において、組成物を正確に制御するため、ロスインウェイト式供給機を用いてポリマーを押出機に直接供給してもよい。二軸押出機によくあるように、一部のポリマーは、正確に測定されて主供給域下流の押出機に供給される。
さらに、本発明は、前述のポリマー組成物を含む(またはで構成される)成形品に関する。成形品は、様々な透明の、具体的には、高透明ポリマー物品(例えば成形品)の応用分野で使用することができ、食品容器、陳列棚、野菜室トレー、および玩具の部品とすることができる。
さらに、本発明は、家財道具、電子部品、住宅設備、庭設備、医療技術設備、自動車部品、および車体部品の製造のための、前述のポリマー組成物の使用に関する。とりわけ、前述のポリマー組成物は、食品容器の製造に使用することができる。とりわけ、前述のポリマー組成物は、高透明な物体(例えば成形品または薄片)の製造に使用することができる。
下記の実施例、および請求項によって本発明をさらに説明する。
実施例I:スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)の製造
実施例1〜5
スチレンとブタジエンを、溶媒としてのシクロヘキサン中、60から90℃で逐次アニオン重合し、S1−S2−B1−(S3/B2)−(S3/B2)−(S3/B2)−S4(ポリマー鎖1)、およびS2−B1−(S3/B2)−(S3/B2)−(S3/B2)−S4(ポリマー鎖2)構造の、直鎖状スチレン−ブタジエンブロックコポリマー(SBC)を得た。ポリマー鎖1の開始剤BuLi(BuLi1)の、ポリマー鎖2の開始剤BuLi(BuLi2)に対する比は、1:2.3であった。DehysolD82を用いて、ポリマー鎖1と2を結合した。このようにして、下記のSBCブロックコポリマーを得た。
Figure 2016524027
以下では、SBCブロックコポリマーのブロックの逐次重合について詳細に記載する(実施例5):
S1:初めに、シクロヘキサン4786ml、および、開始剤として1.4M sec−ブチルリチウム溶液(n−ヘキサン/シクロヘキサン中)(BuLi1)6.7ml(9.39mmol)を撹拌容器に入れた。追加の1.4M sec−ブチルリチウム溶液、約1.6mlを用い、50℃で、淡紅色を呈するまで混合物を滴定した。ブロックS1の製造に要するスチレンの量、321.28g(354ml)を計り入れた。最高温度は72.2℃であった。試料1(固形分7.92%)を得た。
S2:すべてのスチレンが消費された後、1.4M sec−ブチルリチウム溶液(n−ヘキサン/シクロヘキサン中)(BuLi2)15.4ml(21.60mmol)、およびブロックS2の製造に要するスチレンの量、379.04g(418ml)を計り入れた。最高温度は74.9℃であった。試料2(固形分15.80%)を得た。
B1:すべてのスチレンが消費された後、ブロックB1の製造に要するブタジエンの量、80g(122ml)を添加した。最高温度は74.9℃であった。試料3(固形分17.29%)を得た。
S3/B2:すべてのブタジエンが消費された後、ランダマイザとしてカリウムtert−アミラート(KTA、カリウム2−メチルブタノラート)(濃度5.76%のKTA溶液/0.357M)2.89mlを添加し、スチレン65.92g(72.7ml)とブタジエン168.5g(257ml)の混合物を3回添加することにより、3つのS3/B2ブロックを結合させた。各添加の後、最高温度79.3℃で重合を行った。開始剤/ランダマイザ(Li/K)のモル比は、30/1であった。試料4(固形分28.44%)を得た。
S4:最後に、スチレンを116.16g(128ml)添加してスチレンブロックS4を重合した。最高温度は71℃であった。試料5(固形分30%)を得た。
カップリング:DehysolD82を添加し、コポリマー分岐S1−S2−B1−(S3/B2)−(S3/B2)−(S3/B2)−S4(ポリマー分岐1)、およびS2−B1−(S3/B2)−(S3/B2)−(S3/B2)−S4(ポリマー分岐2)を結合させた。混合物を、緩速撹拌下で10分間反応させた。
最終的に、イソプロパノールを用いて反応混合物を停止し、1重量%のCOおよび0.5重量%の水を用いて酸性化した。安定化のため、Irganox1010およびSumilizerGSをポリマー組成物に対し0.2重量%の量で添加した。
すべての実施例1から5において、BuLi1:BuLi2の比は1:2.3であり、BuLiのランダマイザKTAに対する比は30:1であった。
わずかに異なる量のスチレンおよびブタジエンを用いて、前述と同様に実施例1から5を行った。異なるブロックのモル質量Mおよび重量パーセントを表1にまとめる。
Figure 2016524027
ブロックの分子量の計算値は、GPCおよびメルトフローインデックスによって確認した。合成したSBCブロックコポリマーの分子量は、それぞれの重合シーケンス後に、単分散標準ポリスチレンを用いたポリスチレンゲルカラム(Polymer Labs、MIXED Bタイプ)上で、溶離液としてテトラヒドロフランを用いて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって、室温にて分析した。
純粋なSBCブロックコポリマーに関するデータを表2にまとめる。
Figure 2016524027
実施例II:SMMA/SBCポリマーブレンドの製造
実施例5に従って得られたSBCブロックコポリマーを、二軸押出機ZSK25を用いて脱気した。
実施例5のSBC36重量%を、ペレット化したスチレンメチルメタクリラート(SMMA)製品(StyrolutionのNAS(登録商標)30)64重量%に混合した。目的に合わせ、最初に、SBCブロックコポリマーのペレットおよびSMMAポリマー成分のペレットを、加工安定化剤1200重量ppmと共にタンブルブレンダ中で混合した。結果得られたブレンドを、次いで直径1.5インチ、LとDの比が30:1の一軸押出機に供給した。バレル温度は218から232℃の範囲であった。ポリマーは押出機からストランドダイスを介して射出され、次いでポリマー合金を、冷却されたストランドを円筒状のペレットに最終的に切断する前に、水浴中で冷却する。
市販の、SBC製品BK19(登録商標)およびNAS(登録商標)30を用いたポリマーブレンドを、対照試料として用いた。市販のSBCは、ブタジエンを30から40重量%含み、少なくとも1つの漸減ブロックを含む、スチレン−ブタジエンコポリマーである。SBC製品およびSBC/SMMAブレンドは、例えば国際公開第2006/052623号に記載されている。配合を表3にまとめる。
Figure 2016524027
実施例III:ポリマーブレンドの物理データ
メルトフローレート、機械的特性、および光学的性質を前述のように決定した。実施例1から5の射出成形試験片、および対照例についての、分析および機械的データを下記表4にまとめる。
Figure 2016524027
市販のSBC製品BK19(登録商標)を含む対照試料と比較し、本発明の射出成形試験片(実施例P5)は、よりよい透過率、および低いヘイズを示すことがわかる。さらに、本発明のSBCを用いて、引張弾性率および引張ひずみのような、SBC/SMMA試験片の十分な機械的特性を達成することができる。
実施例IV:試験方法
SBCブロックコポリマーおよびポリマーブレンドの特性を示すために用いた、物理的試験および光学的試験は、次のように行った。
Figure 2016524027
透明度、ヘイズ、および透過率の特性は、ヘイズ−ガードプラス(BYK Gardner GmbH)(CIE−C光源)を用いて決定した。透明度は、ASTM D−1044に基づき決定した。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーおよび少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含むブロックコポリマーであって、
    少なくとも第1および第2のモノビニル芳香族モノマーホモブロック、ならびに
    それらのビニル芳香族ブロックの間に、少なくとも1つの共役ジエンホモブロック、および少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーと少なくとも1つの共役ジエンとの少なくとも1つのランダムブロック
    を含み、
    該ブロックコポリマー全体に対し20から50重量%の共役ジエンモノマーを含む、前記ブロックコポリマー。
  2. 少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーはスチレンであり、少なくとも1つの共役ジエンは1,3−ブタジエンである、請求項1に記載のブロックコポリマー。
  3. 少なくとも1つの共役ジエンホモブロックのモル質量は、1,000から3,500g/molの範囲内である、請求項1または2に記載のブロックコポリマー。
  4. 第2のモノビニル芳香族モノマーブロックのモル質量は、1,000から10,000g/molの範囲内である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
  5. S1−S2−B1−S3/B2−S4およびS2−B1−S3/B2−S4(式中、Sはモノビニル芳香族モノマーホモブロックを表し、Bは共役ジエンホモブロックを表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロックを表す)の配列のうち少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
  6. 逐次アニオン重合によってブロックコポリマーを形成する工程を含み、少なくとも1つのランダムブロックの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われる、方法によって得られる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
  7. 星型構造を有し、
    ブロック配列S1−S2−B1−S3/B2−S4および/またはS2−B1−S3/B2−S4(式中、Sはモノビニル芳香族モノマーホモブロックを表し、Bは共役ジエンホモブロックを表し、S/Bはビニル芳香族モノマーおよび共役ジエンからなるランダムブロックを表す)との少なくとも1つの分岐を逐次アニオン重合によって形成し結合する工程を含み、ランダムブロックS/Bの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われる、方法によって得られる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のブロックコポリマー。
  8. 少なくとも1つのモノビニル芳香族モノマーおよび少なくとも1つの共役ジエンモノマーを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブロックコポリマーと、
    少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマーと
    を含むポリマー組成物であって、
    組成物全体に対し6から31重量%の共役ジエン単位を含む、前記ポリマー組成物。
  9. 組成物全体に対し12から15重量%の共役ジエン単位を含む、請求項8に記載のポリマー組成物。
  10. 少なくとも1つのモノビニルアレーンアクリラートコポリマーは、スチレンメチルメタクリラートコポリマーである、請求項8または9に記載のポリマー組成物。
  11. 逐次アニオン重合によってブロックコポリマーを形成する工程を含み、少なくとも1つのランダムブロックの重合工程は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下で行われる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のブロックコポリマーの製造方法。
  12. 逐次アニオン重合において、アニオン重合開始剤のカリウム塩に対するモル比は、10:1から100:1である、請求項11に記載のブロックコポリマーの製造方法:
    好ましくは、少なくとも1つのランダムブロック、特にブロック(S/B)の重合は少なくとも、ランダマイザとしてのカリウム塩の存在下、およびアニオン重合開始剤の存在下で行われ、ここでアニオン重合開始剤のカリウム塩に対するモル比は、10:1から100:1、特に好ましくは30:1から70:1である方法。
  13. ポリマー組成物および場合により添加剤を混合する工程を含む、請求項8〜10のいずれか1項に記載のポリマー組成物の製造方法。
  14. 請求項8〜10のいずれか1項に記載のポリマー組成物を含む、成形品。
  15. 家財道具、電子部品、住宅設備、庭設備、医療技術設備、自動車部品、および車体部品の製造のための、請求項8〜10のいずれか1項に記載のポリマー組成物の使用。
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