JP2016523369A - 分析物を含有する試料の、検知された物理的特性から導出された特定のサンプリング時間から決定される、分析物測定用の過渡信号エラートラップ - Google Patents

分析物を含有する試料の、検知された物理的特性から導出された特定のサンプリング時間から決定される、分析物測定用の過渡信号エラートラップ Download PDF

Info

Publication number
JP2016523369A
JP2016523369A JP2016522507A JP2016522507A JP2016523369A JP 2016523369 A JP2016523369 A JP 2016523369A JP 2016522507 A JP2016522507 A JP 2016522507A JP 2016522507 A JP2016522507 A JP 2016522507A JP 2016523369 A JP2016523369 A JP 2016523369A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
electrodes
sampling time
analyte
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016522507A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6456372B2 (ja
Inventor
ステファン マッキントッシュ
ステファン マッキントッシュ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
LifeScan Scotland Ltd
Original Assignee
LifeScan Scotland Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by LifeScan Scotland Ltd filed Critical LifeScan Scotland Ltd
Publication of JP2016523369A publication Critical patent/JP2016523369A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6456372B2 publication Critical patent/JP6456372B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells
    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
    • G01N27/3271Amperometric enzyme electrodes for analytes in body fluids, e.g. glucose in blood
    • G01N27/3274Corrective measures, e.g. error detection, compensation for temperature or hematocrit, calibration

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)

Abstract

分析物(特にグルコース)を含有する血液試料の少なくとも1つの物理的特性(特にヘマトクリット値)を決定し、この物理的特性と、推定された分析物濃度と、サンプリング時間との間の関係に基づいて、特定のサンプリング時間を導出することによって、バイオセンサを用い、より正確な分析物濃度を可能とする方法、システム、及び測定器の様々な実施形態。その後、バイオセンサを監視し、バイオセンサの信号出力が、特定の基準を満たさない場合には、エラーとしてフラグ付けすることにより、バイオセンサの少なくとも1つの出力過渡信号がエラーであるかどうかを決定する。【選択図】図6

Description

(優先権)
本特許出願は、既に出願された、本出願と同一名称の米国特許出願第13/929,782号(代理人整理番号第DDI5271USNP、2013年6月28日出願)、及び既に出願された、本出願と同一名称の米国特許出願第61/840,360号(代理人整理番号第DDI5271USPSP、2013年6月28日出願)により、米国特許法第119、120、365、371条、及びパリ条約に基づく優先権の利益を主張するものであり、これらの既に出願された出願はいずれも参照により本明細書に組み込まれる。
LifeScan社より入手可能なOneTouch(登録商標)Ultra(登録商標)全血検査キットに使用されるものなどの、電気化学的グルコース検査ストリップは、糖尿病の患者の生理学的流体試料中のグルコース濃度を測定するように設計されている。グルコースの測定は、酵素グルコースオキシダーゼ(GO)によるグルコースの選択酸化によることができる。グルコース検査ストリップに起こる可能性のある反応は、以下の式1及び式2にまとめられる。
式1 グルコース+GO(ox)→グルコン酸+GO(red)
式2 GO(red)+2Fe(CN) 3−→GO(ox)+2Fe(CN) 4−
式1に示すように、グルコースがグルコースオキシダーゼ(GO(ox))の酸化体によって酸化されてグルコン酸となる。GO(ox)は「酸化型酵素」とも呼ばれることに留意すべきである。式1の化学反応の間、酸化型酵素GO(ox)は、GO(red)で表わされるその還元状態(即ち、「還元酵素」)に変換される。次に、還元型酵素GO(red)は、式2に示すようにFe(CN) 3−(酸化型伝達体又はフェリシアン化物と呼ばれる)との反応によって再びGO(ox)へ再酸化される。GO(red)が酸化状態GO(ox)に戻る際、Fe(CN) 3−は還元されてFe(CN) 4−(還元型伝達体又はフェロシアニドと呼ばれる)となる。
上記の反応が2つの電極間に検査信号を加えて行われる場合、電極表面で還元型伝達体が電気化学的に再酸化されることによって検査電流を発生させることができる。したがって、理想的な環境では、前述の化学反応の際に生成されたフェロシアニドの量は、電極間にある試料中のグルコースの量に正比例し、生成される検査電流は、試料のグルコース含有量に比例する。フェリシアニドなどの伝達体は、グルコースオキシダーゼなどの酵素からの電子を受け入れ、次に電子を電極に提供する化合物である。試料中のグルコース濃度が高くなると、生成される還元型伝達体の量も増えるため、還元型伝達体の再酸化によって生じる検査電流とグルコース濃度との間には直接的な関係がある。具体的には、電気的界面をまたいだ電子の移動によって、検査電流の流れが生じる(酸化されるグルコース1モルにつき2モルの電子)。したがってグルコースの導入によりもたらされる検査電流は、グルコース信号と呼ぶことができる。
電気化学的バイオセンサは、測定値に好ましくない影響を与え得る特定の血液成分が存在することにより悪影響を受け、検出信号の誤りにつながる場合がある。この誤りにより不正確なグルコース値がもたらされ、患者が、例えば、潜在的に危険な血糖値に気付かないままとなる場合がある。一例として、血液ヘマトクリット値(即ち、赤血球が占める血液量の割合)は、分析物濃度測定の結果に誤った影響を与えることがある。
血液中の赤血球量が変化すると、使い捨て電気化学的検査ストリップで測定したグルコースの値が変動する原因になり得る。典型的には、高ヘマトクリット値で負のバイアス(即ち、低く算出された分析物濃度)がみられ、一方、低ヘマトクリット値で正のバイアス(即ち、基準となる分析物濃度に比べて、高く算出された分析物濃度)がみられる。高ヘマトクリット値において、例えば、赤血球は、酵素と電気化学的伝達体の反応を妨害し、化学反応物質を溶媒和する血漿量が少ないため化学的溶解率を減少し、伝達体の拡散を遅くする場合がある。これらの因子により、電気化学的プロセス中に生じる信号が少なくなり、予想されるグルコース測定値より低い結果となり得る。反対に低ヘマトクリット値において、予想より赤血球が少ないと電気化学的反応に影響を与える場合があり、その結果、信号がより高く測定され得る。加えて、生理学的流体試料の抵抗もまたヘマトクリット値に依存し、電圧及び/又は電流の測定値に影響を与え得る。
ヘマトクリット値による血糖値の変動を低減する、又は防止するためのいくつかの策が講じられている。例えば、検査ストリップは、試料から赤血球を除去するメッシュを組み込むように設計されており、又は赤血球の粘度を上げ、濃度決定への低ヘマトクリット値の影響を弱めるように設計される様々な化合物若しくは処方物を含んでいる。その他の検査ストリップは、ヘマトクリット値を補正する目的でヘモグロビン濃度を決定するように構成された溶解剤及び系を含む。更に、バイオセンサは、交流信号を介する流体試料の電気的反応若しくは生理学的流体試料に光を照射した後の光学的変動の変化を測定することにより又は試料チャンバ充填時間の関数に基づいたヘマトクリット値の測定により、ヘマトクリット値を測定するように構成されている。これらのセンサには、特定の欠点がある。ヘマトクリット値の検出を含む、この方策における一般的な手法は、測定した分析物濃度の補正又は変更に測定したヘマトクリット値を用いることであり、この手法は一般に、米国特許出願公開第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0236237号、同第2010/0276303号、同第2010/0206749号、同第2009/0223834号、同第2008/0083618号、同第2004/0079652号、同第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0194432号、又は米国特許第7,972,861号及び同第7,258,769号にそれぞれ示され、説明されており、これらの全てを本明細書に参照することにより本出願に組み込む。
出願人は、バイオセンサの出力信号過渡のエラーの決定を可能とするシステム及び方法を考案した。一態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、電気信号を適用し、又は複数の電極から電気信号を検知する、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、(a)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、(b)決定した物理的特性により規定される、検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、(c)第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、(d)第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間からの所定のオフセット時間間隔(Δt)における信号出力を測定し、(e)第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価し、(f)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての信号出力の傾きが減少している場合、特定のサンプリング時間における、第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算して、分析物濃度を通知し、(g)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーを通知するように構成される。
更なる第2の態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、電気信号を適用し、又は複数の電極から電気信号を検知する、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、(b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、(c)決定した物理的特性により規定される、検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、(d)第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、(e)第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価し、(f)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極に対する信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーフラグをアクティブに設定し、(g)特定のサンプリング時間における、第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算し、(h)エラーフラグが設定されている場合は、プロセスを終了させ、(i)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極に対する信号出力の傾きが減少している場合、分析物の値を通知するように構成される。
第3の態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、電気信号を適用し、又は複数の電極から電気信号を検知する、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、(b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、(c)決定した物理的特性により規定される、検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、(d)第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、(e)第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間からの所定のオフセット時間間隔(Δt)における信号出力を測定し、(f)特定のサンプリング時間からの所定のオフセット時間間隔における、それぞれの作用電極についての出力信号の大きさが、特定のサンプリング時間における作用電極の、測定又はサンプリングされた出力信号の大きさ以上であるかどうかを評価し、真である場合は、試料の分析物濃度を計算し、偽の場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグを設定し、(g)特定のサンプリング前のオフセット時間間隔における、それぞれの作用電極についての、出力信号の大きさが、特定のサンプリング時間Tssにおける作用電極についての大きさよりも小さいかどうかを決定して、真である場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグをアクティブに設定するように構成される。
第4の態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、電気信号を適用し、又は複数の電極から電気信号を検知する、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロコントローラと、を有する、ハウジングを含む。この測定器において、マイクロコントローラは、(a)第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、(b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、(c)複数の電極のうちの第1及び第2の電極に第2の信号を適用し、(d)式、
Figure 2016523369
(式中、
「SpecifiedSamplingTime」は、検査ストリップの出力信号をサンプリングする、検査シーケンスの開始からの時点として指定され、
Hは、試料の該物理的特性を表し、
は、約4.3e5を表し、
は、約−3.9を表し、
は、約4.8を表す)を用いて特定のサンプリング時間を計算し、
(e)検査シーケンス中の特定のサンプリング時間における第1及び第2の電極からの出力信号を測定し、(f)第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価し、(g)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての信号出力の傾きが減少している場合、特定のサンプリング時間における、第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算して、分析物濃度を通知し、(h)特定のサンプリング時間に対する所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーを通知するように構成される。
更なる第5の態様では、出願人は、バイオセンサにおける過渡出力エラーを決定する方法を考案した。バイオセンサは、第1、第2、第3及び第4の電極を有する、複数の電極を有し、該第1、第2、第3及び第4の電極上に、酵素が提供される。本方法は、第1及び第2の電極に第1の信号を適用する工程と、流体試料を、第1、第2、第3及び第4の電極に近接させて配する工程と、第3及び第4の電極に第2の信号を適用する工程と、第3及び第4の電極の出力信号から流体試料の物理的特性を決定する工程と、流体試料の物理的特性に基づいて特定のサンプリング時間を確定する工程と、第1及び第2の電極と、流体試料中の分析物との間で電気化学的反応を開始させて、分析物の分析物−副産物への変化と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、電気化学的反応中に、第1及び第2の電極からの、特定のサンプリング時間における信号出力を測定する工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、評価する工程が真であった場合、出力過渡エラーを通知し、処理を終了させる工程と、評価する工程が偽であった場合、信号出力から、流体試料中の分析物の量を表す分析物濃度を計算し、分析物濃度を通知する工程と、によって達成され得る。
更なる第6の態様では、出願人は、流体試料から分析物濃度を決定する方法を考案した。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、試料中の分析物濃度を推定する工程と、試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、バイオセンサの出力信号をサンプリングする、検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、第1及び第2の電極の各信号出力の大きさにおける差を、第2の電極の信号出力の大きさで割ることにより定義される値が、所定の閾値より大きいかどうかについて評価する工程と、評価する工程が真であった場合、エラーを通知し、以降の処理を終了させる工程と、評価する工程が偽であった場合、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における、各第1及び第2の電極のサンプリングされた出力信号から分析物濃度を決定する工程と、によって達成され得る。
更なる第7の態様では、出願人は、流体試料から分析物濃度を決定する方法を考案した。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、試料中の分析物濃度を推定する工程と、試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、バイオセンサの出力信号をサンプリングする、検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、評価する工程が真であった場合、エラーを通知し、以降の処理を終了させる工程と、評価する工程が偽であった場合、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における、各第1及び第2の電極のサンプリングされた出力信号から分析物濃度を決定する工程と、により達成される。
更なる第8の態様では、出願人は、流体試料から分析物濃度を決定する方法を考案した。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、試料中の分析物濃度を推定する工程と、試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、バイオセンサの出力信号をサンプリングする、検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、評価する工程が真であった場合、エラーフラグをアクティブに設定する工程と、評価する工程が偽であった場合、特定のサンプリング時間における、第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を計算する工程と、エラーフラグがアクティブかどうかを決定し、エラーフラグがアクティブでない場合は、分析物濃度を通知し、エラーフラグがアクティブである場合は、分析物濃度の通知を妨げる工程と、によって達成され得る。
第9の態様では、出願人は、流体試料から分析物濃度を決定する方法を考案した。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、試料中の分析物濃度を推定する工程と、試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、バイオセンサの出力信号をサンプリングする、検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間からの所定のオフセット間隔において測定された、バイオセンサの出力信号の大きさが、特定のサンプリング時間における出力信号の大きさよりも小さいかどうかを評価し、作用電極の少なくとも一方について真である場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグをアクティブに設定し、あるいは、特定のサンプリングからの所定のオフセット間隔において測定された、バイオセンサの出力信号の大きさが、第1及び第2の電極の少なくとも一方について、特定のサンプリング時間において測定された出力信号の大きさ以上である場合は、特定のサンプリング時間において測定された出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算する工程と、によって達成され得る。
したがって、先に記載した実施形態のいずれにおいても、次の特徴を、既に開示した実施形態と様々に組み合わせて用いることができる。例えば、複数の電極は、分析物濃度を測定する第1及び第2の電極と、物理的特性を測定する第3及び第4の電極と、を有する、4つの電極を含んでいてもよく;第1、第2、第3及び第4の電極は、基板上に設けられる同一のチャンバ内に配置され;第1及び第2の電極と、第3及び第4の電極とは、基板上に設けられる、対応する2つの異なるチャンバ内に配置され;電極の全てが、基板によって規定される同一の平面上に配置され;少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、少なくとも2つの電極上に試薬が配置されず;分析物濃度は、検査シーケンスの開始の約10秒以内の第2の信号から決定され、所定の閾値は、約10〜約30の任意の値を含んでよく;特定のサンプリング時間は、マトリックスを含む参照表から選択され、マトリックスでは、推定された分析物の異なる定性的分類がマトリックスの最も左側の列に記載されており、測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類がマトリックスの最上段の行に記載されており、サンプリング時間がマトリックスの残りの欄に提供され;マイクロコントローラは、式
Figure 2016523369
(式中、
は、分析物濃度を表し、
は、SpecifiedSamplingTimeにおいて測定された出力信号を表し、
Slopeは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、
Interceptは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表す)を用いて分析物濃度を決定する。
更に、先に記載した実施形態のいずれにおいても、次の特徴を、既に開示した実施形態と様々に組み合わせて用いることができる。例えば、マイクロコントローラは、
Figure 2016523369
(式中、Gestは、推定された分析物濃度を表し、
は、約2.5秒において測定された信号であり、
は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の傾きを含んでよく、
は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の切片を含んでよい)を用いて分析物濃度を推定し、
マイクロコントローラは、式
Figure 2016523369
(式中、Gは、分析物濃度を表し、
は、前記特定のサンプリング時間において測定された信号を含んでよく、
は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の傾きを含んでよく、
は、バイオセンサの特定のバッチの切片を含んでよい)を用いて分析物濃度を決定する。
更に、既に記載した方法のそれぞれにおいて、次の工程を、既に開示した実施形態と様々に組み合わせて用いることができる。例えば、測定する工程は、第1の信号を試料に適用して、試料の物理的特性を測定する工程を含んでもよく、引き起こす工程は、第2の信号を試料に加える工程を含んでもよく、測定する工程は、検査シーケンスの開始後の時点において、バイオセンサの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価する工程であって、該時点は、少なくとも測定又は推定された物理的特性に応じて設定される、工程を含んでもよく、決定する工程は、前記時点における測定された出力信号から分析物濃度を計算する工程、検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて、分析物濃度を推定する工程を含んでもよく;確定する工程は、測定又は推定された物理的特性及び推定された分析物濃度の両方に基づいて、確定された時点を選択する工程、所定の時間における出力信号の測定に基づいて、分析物濃度を推定する工程を含んでもよく;所定の時間は、検査シーケンスの開始から約2.5秒を含んでもよく;推定する工程は、第2の信号の試料からの出力の測定のための時点が、計算する工程に対して得られるように推定された分析物濃度及び測定又は推定された物理的特性を、異なる試料測定時間に対して指標されている、試料の分析物濃度及び物理的特性のそれぞれ異なる範囲を有する参照表に対して比較する工程を含んでもよく;第1の信号を適用する工程及び第2の信号を加える工程は、連続的であり;第1の信号を適用する工程が、第2の信号を加える工程と重複し;第1の信号を適用する工程は、交流信号を試料に方向付ける工程であって、試料の物理的特性が、試料からの該交流信号の出力から決定される工程を含んでもよく;第1の信号を適用する工程は、電磁的な信号を試料に方向付ける工程であって、試料の物理的特性が該電磁的な信号の出力から決定される工程を含んでもよく;物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、温度及び密度のうちの少なくとも1つを含んでもよく;物理的特性は、ヘマトクリット値を含んでもよく、分析物は、グルコースを含んでもよく;方向付ける工程は、第1及び第2の交流信号を互いに異なる周波数で加える工程を含んでもよく、第1の周波数は、第2の周波数よりも低く;第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低く;第1の周波数は、約10kHz〜約250kHzの範囲の任意の周波数を含んでもよく;40;サンプリングする工程は、検査シーケンスの開始において、開始後、少なくとも約10秒まで、信号出力を連続的にサンプリングする工程を含んでもよく、所定の閾値は、約10〜約30の任意の値を含んでよく;計算する工程は、式
Figure 2016523369
(式中、
は、分析物濃度を表し、
は、特定のサンプリング時間Tssにおいて測定された信号を表し、
Slopeは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、
Interceptは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表す)を用いる工程を含んでもよい。
開示についての前述の態様において、決定する工程、推定する工程、計算する工程、演算する工程、導出する工程及び/又は利用する工程(おそらく式と関連して)は、電子回路、又はプロセッサによって実行されてもよい。これらの工程は、コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能命令として実装されてもよく、命令は、コンピュータによって実行されると、前述の方法のうちの任意の1つについての工程を実行し得る。
開示の付加的な態様において、コンピュータ可読媒体が存在し、それぞれの媒体は実行可能命令を備えており、その命令がコンピュータによって実行されると、前述の方法の任意の1つについての工程を実施する。
開示の付加的な態様において、検査測定器又は分析物検査装置などの装置が存在し、それぞれの装置又は計測器は、前述の方法のうちの任意の1つについての工程を実行するように構成される電子回路又はプロセッサを含む。
これら及び他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の目下好ましい実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明及び以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は、同様の要素を表す)。
測定器と、バイオセンサと、を含む、分析物測定システムを示す。 測定器と、バイオセンサと、を含む、他の分析物測定システムを示す。 測定器200の構成要素の簡略化された概略形態を示す。 測定器200の変形例の好ましい実施の簡略化された概略形態を示す。 図1A及び1Bの手持ち式検査測定器の様々なブロックの簡略化ブロック図である。 本開示による実施形態にて使用できるような、物理的特性測定ブロックの簡略化ブロック図である。 本開示による実施形態に使用できるような、デュアル・ローパスフィルタ・サブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示による実施形態に使用できるような、トランスインピーダンス増幅器(TIA)サブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示の実施形態の物理的特性測定ブロックで使用できるような、デュアル・ローパスフィルタ・サブブロック、校正ロードサブブロック、バイオセンサ試料セル・インターフェース・サブブロック、トランスインピーダンス増幅器サブブロック、XOR位相シフト測定サブブロック、及びQuadratur DEMUX位相シフト測定サブブロックを示す、簡略化注釈付き概略ブロック図である。 測定電極の上流に2つの物理的特性検知電極がある、図1のシステムの検査ストリップ100を示す。 検査チャンバの入口に近接して遮蔽又は接地電極が設けられた図3A(1)の検査ストリップの変形例を示す。 試薬領域が物理的特性検知電極の少なくとも1つを覆うように上流に延びている図3A(2)の検査ストリップの変形例を示す。 検査ストリップの特定の要素が1つのユニットに互いに統合されている図3A(1)、3A(2)、及び3A(3)の検査ストリップ100の変形例を示す。 1つの物理的特性検知電極が入口に近接して配置され、他の物理的特性検知電極が検査セルの末端部にあり、測定電極が一対の物理的特性検知電極の間に配置されている、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の検査ストリップの変形例を示す。 物理的特性検知電極が検査チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形例を示す。 物理的特性検知電極が検査チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形例を示す。 一対の物理的特性検知電極が検査チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 一対の物理的特性検知電極が検査チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)、及び3B〜3Fのバイオセンサに印加された電位の時間に対するグラフを示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)、及び3B〜3Fのバイオセンサからの出力電流の時間に対するグラフを示す。 検査チャンバに適用された例示的な波長及び波長間に時間遅延を示す、検査チャンバにおいて測定された波長を示す。 バイオセンサに試料が十分に充填されなかった場合のエラー検出を伴う、より正確な分析物決定を達成する例示的な方法の論理図を示す。 バイオセンサの信号出力過渡及び分析物の決定に利用される時点の範囲、並びに分析物濃度の推定を示す。 データが約30%〜約55%のヘマトクリット値の範囲において約±10%未満のバイアスを示すような、本明細書の例示的な手法により実施された検査測定からのデータを示す。 傾きが時間に対して増加しているため、分析物測定に好適でない場合の出力信号過渡の傾きを示す。 傾きが減少していることにより、過渡電流が、分析物測定に好適なサンプリング信号となり得る、定常状態へ向かっていることを示すような、2つのサンプリング時点間の出力信号過渡の傾きを示す。
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は、必ずしも一定の縮尺を有さず、選択された実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形例、代替例、並びに使用例を述べるものである。
本明細書で使用する任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が本明細書に記載の意図された目的に沿って機能することを可能とするような、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指してよく、例えば、「約90%」は、81%〜99%の値の範囲を指してよい。更に、本明細書で使用する「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」という用語は、任意の被験者又は被験動物を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。本明細書で使用するところの「振動信号」とは、それぞれ、電流の極性を変更するか、又は方向を交互に変化させるか、又は多方向的である電圧信号又は電流信号を含む。また本明細書で用いる語句「電気信号」又は「信号」は、直流信号、交流信号、又は電磁スペクトル内の任意の信号を含むことが意図される。用語「プロセッサ」「マイクロプロセッサ」又は「マイクロコントローラ」は、同じ意味を有することが意図され、互換的に使用されることが意図される。本明細書で用いる「通知された」という用語及びこの語幹の変形は、文字、音声、画像又は全ての通信の態様若しくは媒体の組み合わせを介してユーザに通知されることを表す。
図1Aは、本明細書に図示及び説明される方法及び手法によって製造されたバイオセンサを用いて個人の血中の分析物(例えばグルコース)濃度を検査するための検査測定器200を示している。検査測定器200は、データの入力、メニューのナビゲート、及びコマンドの実行用のボタンの形態であってよいユーザインターフェース入力装置(206、210、214)を含んでもよい。データには、分析物濃度、及び/又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、医薬使用、健康チェックの実施、全身の健康状態、及び運動レベルを挙げることができる。検査測定器200は、測定されたグルコース値を報告する、及び生活習慣に関連した情報の入力を容易にするのに使用し得るディスプレイ204も含み得る。
検査測定器200は、第1のユーザインターフェース入力装置206、第2のユーザインターフェース入力装置210、及び第3のユーザインターフェース入力装置214を含んでもよい。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、検査デバイス内に保存されたデータの入力及び分析を促進し、利用者を、ディスプレイ204上に表示されたユーザインターフェースを介してナビゲートすることが可能である。ユーザインターフェース入力装置206、210及び214は、第1のマーキング208、第2のマーキング212、及び第3のマーキング216を含み、それらは、ユーザインターフェース入力装置をディスプレイ204上の文字と相互に関連付けるのに役立つ。
検査測定器200は、バイオセンサ100(又はその変形例)をストリップポートコネクタ220に挿入するか、又は第1のユーザインターフェース入力装置206を押し込んで少しの間保持するか、又はデータポート218を通るデータトラフィックの検出によってスイッチを入れることができる。検査測定器200は、バイオセンサ100(又はその変形例)を取り出すか、又は第1のユーザインターフェース入力装置206を押し込んで少しの間保持するか、又はメインメニュースクリーンから測定オフの選択肢にまでナビゲートしてこれを選択するか、又は所定の時間どのボタンも押さないことによって、スイッチを切ることができる。ディスプレイ104は場合により背面照明を含んでもよい。
一実施形態において、検査測定器200は、第1の検査ストリップバッチから第2の検査ストリップバッチに切り替える際、任意の外部ソースからの、例えば校正入力を受信しないように構成されてもよい。それ故、例示的な一実施形態では、測定器は、(入力装置206、210、214などの)ユーザインターフェース、挿入される検査ストリップ、別個のコードキー又はコードストリップ、データポート218などの外部ソースからの校正入力を受信しないように構成される。このような校正入力は、バイオセンサバッチの全てが、ほぼ均一な校正特性を有する場合には、必要ない。校正入力は、特定のバイオセンサバッチに属する一連の値としてもよい。例えば、校正入力は、特定のバイオセンサバッチにおけるバッチ「傾き」値及びバッチ「切片」値を含んでもよい。バッチ傾き及び切片値などの校正入力は、下記に記載するように、測定器内で予備設定され得る。
図2Aを参照すると、検査測定器200の例示的な内部レイアウトが示されている。検査測定器200は、プロセッサ300を含み得、それは、本明細書に記載及び説明するいくつかの実施形態では、32ビットRISCマイクロコントローラである。本明細書に記載及び説明する好ましい実施形態では、プロセッサ300は、Texas Instruments(Dallas,TX USA)により製造される超低消費電力マイクロコントローラのMSP430ファミリーから選択されることが好ましい。プロセッサは、I/Oポート314を介して、メモリ302に双方向に接続されてもよく、メモリ302は、本明細書に記載及び説明するいくつかの実施形態では、EEPROMである。データポート218、ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214、並びにディスプレイドライバ320もI/Oポート214を介してプロセッサ300に接続される。データポート218は、プロセッサ300に接続されてもよく、それによって、メモリ302とパーソナルコンピュータなどの外部デバイスとの間のデータ転送を可能にする。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、プロセッサ300に直接接続されている。プロセッサ300は、ディスプレイドライバ320によってディスプレイ204を制御する。メモリ302は、検査測定器200の製造中、バッチ傾き及びバッチ切片値などの校正情報と共にプレロードされてもよい。このプレロードされた校正情報は、ストリップポートコネクタ220を介してストリップから好適な(電流などの)信号を受信した後、プロセッサ300によりアクセス及び使用されて、任意の外部ソースから校正入力を受信することなく、信号及び校正情報を使用して、対応する(血中グルコース濃度などの)分析物濃度を計算することができる。
本明細書に記載及び説明する実施形態では、検査測定器200は、ストリップポートコネクタ220に挿入された検査ストリップ100(又はその変形例)に適用された血液中のグルコースレベルの測定に使用される電子回路を提供する、特定用途集積回路(ASIC)304を含むことができる。アナログ電圧は、アナログインターフェース306を経由してASIC 304へ及びASIC 304から通過し得る。アナログインターフェース306からのアナログ信号は、A/D変換器316によってデジタル信号に変換することができる。プロセッサ300は更に、コア308、ROM 310(コンピュータコードを含む)、RAM 312及びクロック318を含む。一実施形態では、プロセッサ300は、例えば分析物測定後のある期間中など、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除く全てのユーザインターフェース入力を無効にするように構成(又はプログラム)される。代替的な実施形態では、プロセッサ300は、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除く全てのユーザインターフェース入力装置からの任意の入力を無視するように構成(又はプログラム)されている。測定器200の詳細な説明及び図示は、国際特許出願公開第WO2006070200号に図示、及び述べられており、当該公開内容は恰も本出願に全体が記載されているのと同様に、参照により組み込まれる。
図1B、及び2C〜2Gを参照すると、手持ち式検査測定器200の他の実施形態が提供されている。測定器200のこの変形例は、ディスプレイ102と、複数のユーザ・インターフェース・ボタン104と、ストリップポートコネクタ106と、USBインターフェース108と、ハウジングと、を含む。特に、図1B及び2Cを参照すると、手持ち式検査測定器200はまた、マイクロコントローラブロック112と、物理的特性測定ブロック114と、ディスプレイ制御ブロック116と、メモリブロック118と、検査電圧をバイオセンサに印加するため、かつ、また電気化学応答(例えば、複数の検査電流値)を測定し、その電気化学応答に基づいて、分析物を測定するための他の電子部品(図示せず)と、を含む。目下の説明を簡素化するため、図は、全てのそのような電子回路を示すというわけではない。
ディスプレイ102は、例えば、スクリーン画像を示すように構成された液晶ディスプレイ又は双安定ディスプレイとすることができる。画面画像の例には、グルコース濃度、日付及び時間、エラーメッセージ、並びにエンドユーザがどのように検査を実行するかを指示するためのユーザインターフェースが挙げられる。
ストリップポートコネクタ106は、全血試料中のグルコースの測定のために構成される、電気化学系バイオセンサなどのバイオセンサ100と動作可能にインターフェース接続するように構成される。それ故、バイオセンサは、ストリップポートコネクタ106の中への動作的挿入のために、及び例えば、好適な電気接触を介して、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114と動作可能にインターフェース接続するように構成される。
USBインターフェース108は、当業者に既知の任意の好適なインターフェースであってもよい。USBインターフェース108は、本質的に、手持ち式検査測定器200に給電し、データラインを提供するように構成される、受動構成要素である。
バイオセンサが、手持ち式検査測定器200とインターフェース接続された後、又はその前に、体液試料(例えば、全血試料)がバイオセンサの試料チャンバの中に導入される。バイオセンサは、分析物を別の所定の化学形態に選択的かつ定量的に変化させる、酵素試薬を含むことができる。例えば、バイオセンサは、グルコースを酸化型に物理的に変化させることができるように、フェリシアン化物及びグルコースオキシダーゼを含む酵素試薬を含むことができる。
手持ち式検査測定器200のメモリブロック118は、好適なアルゴリズムを含み、マイクロコントローラブロック112と共に、バイオセンサの電気化学応答、及び導入された試料のヘマトクリット値に基づいて、分析物を測定するように構成することができる。例えば、分析物血液グルコースの測定において、ヘマトクリット値は、電気化学的に決定された血液グルコース濃度へのヘマトクリットの影響を補償するために使用することができる。
マイクロコントローラブロック112は、ハウジング内に配置され、当業者に既知の任意の好適なマイクロコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含むことができる。そのような好適なマイクロコントローラの1つとして、Texas Instruments(Dallas,TX USA)から市販されている、部品番号MSP430F5138のマイクロコントローラがある。このマイクロコントローラは、25〜250kHzの方形波、及び同じ周波数の90度位相シフトした波を生成することができ、それにより、以下で更に説明される信号生成サブブロックとして機能する。MSP430F5138はまた、本開示の実施形態で使用される位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロックによって生成された電圧の測定に好適な、アナログ・デジタル(A/D)処理能力も有する。
特に、図2Dを参照すると、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114は、信号生成サブブロック120と、ローパス・フィルタ・サブブロック122と、バイオセンサ試料セル・インターフェース・サブブロック124と、任意の校正ロードブロック126(図2Dの破線内)と、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128と、位相検出器サブブロック130と、を含む。
以下で更に説明されるように、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114及びマイクロコントローラブロック112は、例えば、体液試料を通して加えられる1つ又は2つ以上の高周波数電気信号の位相シフトを測定することによって、手持ち式検査測定器に挿入されるバイオセンサの試料セル内の体液試料の位相シフトを測定するように構成される。加えて、マイクロコントローラブロック112は、測定された位相シフトに基づいて、体液のヘマトクリット値を算出するように構成される。マイクロコントローラ112は、例えば、位相検出器サブブロックから受信される電圧を測定し、電圧を位相シフトに変換するように、A/Dコンバータを用い、次いで、位相シフトをヘマトクリット値に変換するように、好適なアルゴリズム又は参照表を採用することによって、ヘマトクリット値を算出することができる。本開示を知ると、当業者は、そのようなアルゴリズム及び/又は参照表が、ストリップ形状(電極面積及び試料チャンバ体積を含む)並びに信号周波数などの様々な要因を考慮するように構成されることを認識するであろう。
全血試料のリアクタンスと、その試料のヘマトクリット値との間に関連性が存在することが決定されている。平行な容量性及び抵抗性構成要素としての体液試料(即ち、全血試料)の電気的モデリングは、交流電流(AC)信号が、体液試料を強制通過される時、AC信号の位相シフトが、AC電圧の周波数及び試料のヘマトクリット値の双方に依存することを示す。更に、モデリングは、信号の周波数がおよそ10kHz〜25kHzの範囲内である時に、ヘマトクリット値は、位相シフトに対して比較的小さい影響を有し、信号の周波数がおよそ250kHz〜500KHzの範囲内である時、位相シフトに対して最大の影響を有することを示す。したがって、体液試料のヘマトクリット値は、例えば、体液試料を通じて既知の周波数のAC信号を加え、それらの位相シフトを検出することによって、測定することができる。例えば、10kHz〜25kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、そのようなヘマトクリット値測定における参照読取値として使用することができる一方、250kHz〜500kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、一次測定として使用することができる。
特に、図2C〜2Gを参照すると、信号生成サブブロック120は、任意の好適な信号生成ブロックとすることができ、所望の周波数の方形波(0V〜Vref)を生成するように構成される。そのような信号生成サブブロックは、所望される場合、マイクロコントローラブロック112に一体化することができる。
信号生成サブブロック120によって生成される信号は、方形波信号を所定の周波数の正弦波信号に変換するように構成される、デュアル・ローパスフィルタ・サブブロック122に通信される。図2EのデュアルLPFは、第1の周波数の信号(10kHz〜25kHzの範囲内の周波数など)及び第2の周波数の信号(250kHz〜500kHzの範囲内の周波数)の双方を、バイオセンサ試料セル・インターフェース・サブブロック及びバイオセンサの試料チャンバ(HCT測定セルとも称される)に提供するように構成されている。第1及び第2の周波数の選択は、図2EのスイッチIC7を使用して達成される。図2EのデュアルLPFは、高速、電圧フィードバック、CMOS動作増幅器部品番号OPA354として、Texas Instruments(Dallas,TX USA)から入手可能な演算増幅器などの2つの好適な演算増幅器(IC4及びIC5)を含む。
図2Eを参照すると、F−DRVは、低又は高周波数(例えば、25kHz又は250kHz)のいずれかの方形波入力を表し、IC4及びIC5の双方に接続される。信号Fi−高/低(マイクロコントローラから)は、スイッチIC7を介して、デュアル・ローパスフィルタ・サブブロック122の出力を選択する。図2EのC5は、HCT測定セルからのデュアル・ローパスフィルタ・サブブロック122の動作電圧をブロックするように構成される。
特定のデュアルLPFが図2Eにおいて描写されるが、デュアル・ローパスフィルタ・サブブロック122は、例えば、任意の好適な多重フィードバックローパスフィルタ、又はSallen及びKeyローパスフィルタを含む、当業者に既知の任意の好適なローパス・フィルタ・サブブロックとすることができる。
ローパス・フィルタ・サブブロック122によって生成される正弦波は、バイオセンサ試料セル・インターフェース・サブブロック124に通信され、そこで、正弦波は、バイオセンサの試料セル(HCT測定セルとも称される)を通るように加えられる。バイオセンサ試料セル・インターフェース・ブロック124は、例えば、試料セル内に配置されるバイオセンサの第1の電極及び第2の電極を介して、バイオセンサの試料セルと動作可能にインターフェース接続するように構成される、インターフェースブロックを含む、任意の好適な試料セル・インターフェース・ブロックとすることができる。そのような構成において、信号を、図2Gに描写されるように、第1の電極を介して、試料セルへと(ローパス・フィルタ・サブブロックから)加えることができ、試料セルから(トランスインピーダンス増幅器サブブロックによって)拾い上げることができる。
試料セルを通るように信号を加えることによって生成される電流は、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128によって拾い上げられ、位相検出器サブブロック130への通信のために電圧信号に変換される。
トランスインピーダンスサブブロック128は、当業者に既知の任意の好適なトランスインピーダンスサブブロックとすることができる。図2Fは、1つのそのようなトランスインピーダンス増幅器サブブロック(2つのOPA354演算増幅器、IC3及びIC9に基づく)の簡略化された、注釈付き概略ブロック図である。TIAサブブロック128の第1の段階は、例えば、400mVで動作し、これは、AC振幅を+/−400mVに制限する。TIAサブブロック128の第2の段階は、Vref/2で動作し、これは、マイクロコントローラA/D入力のフルスパンの出力の生成を可能にする構成である。TIAサブブロック128のC9は、AC正弦波信号が通過することのみを可能にする、ブロッキング構成要素として作用する。
位相検出器サブブロック130は、捕捉機能を使用してマイクロコントローラブロック112によって読み取ることができるデジタル周波数、又はアナログ・デジタルコンバータを使用してマイクロコントローラブロック112によって読み取ることができるアナログ電圧のいずれかを生成する、任意の好適な位相検出器サブブロックとすることができる。図2Gは、2つのそのような位相検出器サブブロック、即ち、XOR位相検出器(図2Gの上半分にあり、IC22及びIC23を含む)、並びに直交DEMUX位相検出器(図2Gの下半分にあり、IC12及びIC13を含む)を含む、回路図を描写する。
図2Gはまた、スイッチ(IC16)、並びにダミーロードR7及びC6を含む、校正ロードサブブロック126を描写する。校正ロードサブブロック126は、抵抗器R7によって生成されるゼロ度の既知の位相シフトの位相オフセットの動的測定のために構成され、このため、校正において使用するための位相オフセットを提供する。C6は、所定のわずかな位相シフトを強制的に変えるように、例えば、試料セルへの信号トレースにおける寄生容量によって引き起こされる位相遅延、又は電気回路(LPF及びTIA)における位相遅延を補償するように構成される。
図2Gの直交DEMUX位相検出器回路は、2つの部分を含み、1つの部分は着信AC信号の抵抗部分に対するものであり、1つの部分は着信AC信号の反応部分に対するものである。そのような2つの部分の使用は、AC信号の抵抗部分及び反応部分の双方の同時測定、並びに0度〜360度を網羅する測定範囲を可能にする。図2Gの直交DEMUX回路は、2つの別個の出力電圧を生成する。これらの出力電圧のうちの一方は、「同相測定」を表し、AC信号の「抵抗」部分に比例し、他方の電圧は、「直交測定」を表し、信号の「反応」部分に比例する。位相シフトは、以下のように計算される:
Φ=tan−1(VQUAD−PHASE/VIN−PHASE
そのような直交DEMUX位相検出器回路はまた、試料セル内の体液試料のインピーダンスを測定するために、採用することができる。限定するわけではないが、身体試料のヘマトクリット値を決定するために、位相シフトと共に、又はそれから独立して、このインピーダンスを用い得ることが仮定される。試料セルを通して強制通過される信号の振幅は、以下のように、直交DEMUX回路の2つの電圧出力を使用して計算することができる:
振幅=SQR((VQUAD−PHASE+(VIN−PHASE
次いで、この振幅は、インピーダンスを決定するように、校正ロードブロック126の既知の抵抗に対して測定される振幅と比較することができる。
XOR位相検出器部分は、「μCからの方形波入力」が、正弦波に対して同相であるか、又は90°位相シフトに設定されるかどうかに依存して、0°〜180°の測定範囲、又は代替的に、−90°〜+90°の測定範囲を有する。XOR位相検出器は、常に入力周波数の2倍である出力周波数を生成するが、しかしながら、デューティサイクルは変化する。双方の入力が完全に同相である場合、出力は低であり、双方の入力が180°シフトされる場合、出力は常に高である。出力信号を積分することによって(例えば、単純なRC要素を介して)、双方の入力間で位相シフトに直接比例する電圧を生成することができる。
本明細書に提供されるように、当業者は、本開示の実施形態で使用される位相検出器サブブロックが、例えば、立ち上がりエッジキャプチャ法、デュアルエッジキャプチャ法、XOR法、及び同期復調法を使用する形態を含む、任意の好適な形態を取り得ることを認識するであろう。
ローパス・フィルタ・サブブロック122、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128、及び位相検出器サブブロック130は、残留位相シフトを位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114に導入することができるため、校正ロードブロック126は、任意に、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック内に含めることができる。校正ロードブロック126は、本質的に抵抗性の性質(例えば、33kΩの負荷)であるように構成され、したがって、励起電圧と生成された電流との間で位相シフトを誘導しない。校正ロードブロック126は、「ゼロ」校正読取値をもたらすように、回路に渡って切り替えられるように構成される。いったん校正されると、手持ち式検査測定器は、体液試料の位相シフトを測定し、「ゼロ」読取値を減算して、補正された位相シフトを算出し、その後、補正された位相シフトに基づいて、その試料の物理的特性を算出することができる。
図3A(1)は、基板5上に配置された7つの層を有し得る検査ストリップ100の例示的な分解斜視図である。基板5上に配置された7つの層とは、(電極層50とも呼ばれ得る)第1の導電層50、絶縁層16、2つの重なる試薬層22a及び22b、接着部分24、26及び28を含む接着層60、親水層70、並びに検査ストリップ100のカバー94を形成する最上層80であってよい。例えば、スクリーン印刷プロセスを用いて、導電層50、絶縁層16、試薬層22、及び接着層60を基板5の上に順次配していく一連の工程で、検査ストリップ100を製造することができる。電極10、12、及び14が試薬層22a及び22bと接触して配置され、一方、物理的特性検知電極19a及び20aは試薬層22から離間して接触していないことに留意されたい。親水層70及び最上層80は、ロールストックから配置され、一体化ラミネート、又は別個の層のいずれかとして基板5上に積層されてもよい。図3A(1)に示されるように、検査ストリップ100は、遠位側部分3及び近位側部分4を有している。
検査ストリップ100は、そこから生理学的流体試料95を抜き取るか又は配することができる試料受容チャンバ92を有し得る(図3A(2))。本明細書で記載する生理学的流体試料は血液であってよい。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92は、検査ストリップ100の近位端に入口を、側縁部に出口を有し得る。流体試料95を軸L−L(図3A(2))に沿って入口に加え、グルコースを測定できるように、試料受取チャンバ92を充填する。図3A(1)に示されるように、試薬層22に隣接して配置された第1の接着パッド24及び第2の接着パッド26の側縁部が、それぞれ試料受容チャンバ92の壁を画定している。図3A(1)に示されるように、試料受容チャンバ92の底部、即ち「床部」は、基板5、導電層50、及び絶縁層16の一部を含み得る。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92の上部、即ち「天井部」は、遠位側親水性部分32を含み得る。図3A(1)に示されるように、検査ストリップ100では、基板5は、後から適用される層を支持する助けとなる基礎として用いることができる。基板5は、ポリエチレンテトラフタレート(PET)材料(ミツビシ社(Mitsubishi)により供給されるHostaphan PET)などのポリエステルシートの形態であってもよい。基板5は、公称350マイクロメートル厚×370ミリメートル幅、長さおよそ60メートルのロール形態であってもよい。
導電層は、グルコースの電気化学的測定に使用することができる電極を形成するために必要とされる。第1の導電層50は、基板5上にスクリーン印刷されるカーボンインクから作ることができる。スクリーン印刷プロセスでは、カーボンインクはスクリーン上に乗せられ、続いてスキージを用いてスクリーンを通して転写される。印刷されたカーボンインクは、約140℃の高温空気で乾燥させることができる。カーボンインクは、VAGH樹脂、カーボンブラック、グラファイト(KS15)、並びに樹脂、カーボン、及びグラファイト混合物用の1つ又は2つ以上の溶媒を含み得る。より詳細には、カーボンインクは、カーボンインク中に約2.90:1の比のカーボンブラック:VAGH樹脂、及び、約2.62:1の比のグラファイト:カーボンブラックを含むことができる。
図3A(1)に示されるような検査ストリップ100では、第1の導電層50は、参照電極10、第1の作用電極12、第2の作用電極14、第3及び第4の物理的特性検知電極19a及び19b、第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、参照接触パッド11、第1の作用電極トラック8、第2の作用電極トラック9、参照電極トラック7、及びストリップ検出用バー17を有することができる。物理的特性検知電極19a及び20aは、対応する電極トラック19b及び20bと共に提供される。この導電層は、カーボンインクから形成することができる。第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、及び参照接触パッド11は、検査測定器と電気的に接続されるように適合されてもよい。第1の作用電極トラック8は、第1の作用電極12から第1の接触パッド13までの電気的に連続した経路を与える。同様に、第2の作用電極トラック9は、第2の作用電極14から第2の接触パッド15に至る電気的に連続した経路を提供する。同様に、参照電極トラック7は、参照電極10から参照接触パッド11に至る電気的に連続した経路を提供する。ストリップ検出用バー17は、参照接触パッド11と電気的に接続されている。第3及び第4の電極トラック19b及び20bは、対応する電極19a及び20aと接続する。図3A(1)に示されるように、検査測定器は、参照接触パッド11とストリップ検出用バー17との連続性を測定することによって、検査ストリップ100が適切に挿入されたことを検出することができる。
検査ストリップ100の変形例(図3A(1)、3A(2)、3A(3)又は3A(4))は、図3B〜3Fに示されている。簡潔には、(図3A(2)、3A(2)に例示的に示されている)検査ストリップ100の変形例に関して、これらの検査ストリップは、作用電極に配置されている酵素試薬層と、第1のパターン化導電層を覆って配置され、バイオセンサ内の試料チャンバを画定するように構成されているパターン化スペーサ層と、第1のパターン化導電層の上方に配置されている第2のパターン化導電層と、を含む。第2のパターン化導電層は、第1の位相シフト測定電極及び第2の位相シフト測定電極を有している。更に、第1及び第2の位相シフト測定電極は試料チャンバ内に配置され、手持ち式検査測定器と共に、バイオセンサの使用時に試料チャンバに導入される体液試料を通じて強制的に流される電気信号の位相シフトを測定するように構成されている。このような位相シフト測定電極を本明細書では体液位相シフト測定電極とも呼ぶ。本明細書に述べられる様々な実施形態のバイオセンサは、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用電極及び参照電極の上に配置されることにより、効果的に低容量の試料チャンバが実現されるという点で有利であると考えられる。これは、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用電極及び参照電極と同一平面上となる関係に配置されていることにより、体液試料が、第1及び第2の位相シフト測定電極ばかりでなく作用電極及び参照電極を覆うためにより大きな体液試料の体積及び試料チャンバを必要とするような構成とは対照的である。
図3A(1)の検査ストリップの変形例である図3A(2)の実施形態では、更なる電極10aが、複数の電極19a、20a、14、12、及び10のいずれかの延長部として設けられている。この内蔵遮蔽又は接地電極10aは、ユーザの指又は体と、特性測定電極19a及び20aとの間の任意の静電容量結合を低減又は排除するために用いられることに留意するべきである。接地電極10aは、任意の静電容量を、検知電極19a及び20aから離れる方向に向けることができる。これを行うには、対応するトラック7、8、及び9を介する1つ又は2つ以上の接触パッド15、17、13の代わりに、測定器の接地のため、他の5つの電極のうち任意の1つ、又は、自身の別個の接触パッド(及びトラック)に接地電極10aを接続できる。好ましい実施形態では、接地電極10aは、試薬22が上面に配置されている3つの電極のうち1つに接続される。最も好ましい実施形態では、接地電極10aは電極10に接続される。接地電極であることにより、試料中のバックグラウンド干渉化合物によって生じ得る更なる電流が作用電極測定に寄与しないよう、接地電極を参照電極(10)に接続することが有利である。更に、遮蔽又は接地電極10aを電極10に接続することによって、とりわけ高い信号を制限することができる対電極10のサイズを効果的に増加することができると考えられる。図3A(2)の実施形態では、試薬は、測定電極19a及び20aと接触しないように配置されている。別の方法として、図3A(3)の実施形態では、試薬22は、試薬22が検知電極19a及び20aの少なくとも一方と接触するように配置されている。
図3A(4)に示されるような検査ストリップ100の代替的な形態では、最上層38、親水性フィルム層34、及びスペーサ29が互いに組み合わせられることにより、絶縁層16’に近接して配置された試薬層22’と共に基板5に実装するための一体化されたアセンブリを形成している。
図3Bの実施形態において、分析物測定電極10、12及び14は、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と概ね同じ構成で配置される。しかし、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)レベルを検知する電極19a及び20aは、一方の電極19aが検査チャンバ92の入口92aに近接しており、他方の電極20aが検査チャンバ92の反対端にあるように離れている構成で配置される。電極10、12及び14は、試薬層22と接触して配置されている。
図3C、3D、3E及び3Fにおいて、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)検知電極19a及び20aは、互いに隣接して配置されており、検査チャンバ92に対して入口92aの反対端92bに位置する(図3C及び3D)又は入口92aに隣接して位置する(図3E及び3F)ことができる。これら全ての実施形態では、物理的特性検知電極は、試薬層22から離間されており、これら物理的特性検知電極が、グルコースを含有する流体試料(例えば、血液又は組織液)の存在下で、試薬の電気化学的反応の影響を受けないようにする。
バイオセンサの様々な実施形態では、バイオセンサに配した液体試料に対してもたらされる2つの測定値がある。1つの測定値は、流体試料中の分析物(例えばグルコース)の濃度であり、もう一方は、同一試料中の物理的特性(例えばヘマトクリット値)である。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の測定値を用いて、グルコース測定値を修正又は補正し、グルコース測定値における赤血球の影響を排除又は軽減する。両方の測定(グルコース及びヘマトクリット値)を、順次、同時に、又は時間的に重ねて行ってよい。例えば、グルコースを最初に、物理的特性(例えばヘマトクリット値)を次に測定してよく、物理的特性(例えばヘマトクリット値)測定を最初に、グルコース測定を次に行ってよく、両方の測定を同時に行ってよく、又は、1つの測定の時間と別の測定の時間を重ねてもよい。各測定値について、図4A、4B及び5に関して以下に詳細に述べる。
図4Aは、検査ストリップ100及び本明細書の図3A〜3Tに示されるその変形例に適用される検査信号の例示的なグラフである。流体試料を検査ストリップ100(又はその変形例)に付着させる前には、検査測定器200は、第2の作用電極と参照電極との間に約400mVの第1の検査信号が適用された流体検出モードにある。約400mVの第2の検査信号を、第1の作用電極(例えばストリップ100の電極12)と参照電極(例えばストリップ100の電極10)との間に同時に適用することが好ましい。あるいは、第1の検査信号の適用の時間間隔が、第2の検査電圧の適用の時間間隔と重複するように、第2の検査信号を同時期に適用してもよい。検査測定器は、0の開始時間における生理学的流体検出の前に、流体検出時間間隔TFDの間、流体検出モードであってもよい。流体検出モードでは、検査測定器200は、流体が、参照電極10に対して、第1の作用電極12若しくは第2の作用電極14のいずれか(又は両方の作用電極)を濡らすように流体が検査ストリップ100(又はその変形例)に適用される時を決定する。検査測定器200が、例えば第1の作用電極12及び第2の作用電極14のいずれか又は両方において測定された検査電流の十分な増加により、生理学的流体が適用されたことを認識すると、検査測定器200は、ゼロ時「0」にゼロ秒マーカーを割り当て、検査時間間隔Tを開始する。検査測定器200は、例えば、1ミリ秒毎〜100ミリ秒毎といった好適なサンプリングレートで過渡電流出力をサンプリングしてよい。検査時間間隔Tが完了すると、検査信号を除去する。簡単のため、図4Aは、検査ストリップ100(又はその変形例)に適用された第1の検査信号のみを示している。
以降、図4Aの検査電圧が検査ストリップ100(又はその変形例)に適用されたときに測定される既知の信号過渡(例えば、時間の関数としてのナノアンペアでの測定された電気信号反応)から、分析物(例えば、グルコース)濃度を決定する方法の記載。
図4Aでは、検査ストリップ100(又は本明細書に述べられるその変形例)に適用される第1及び第2の検査電圧は、一般的に約+100mV〜約+600mVである。電極がカーボンインクを含み、伝達体がフィリシアニドを含む一実施形態では、検査信号は約+400mVである。当業者に既知であるように、その他の伝達体及び電極材料の組み合わせでは、異なる検査電圧が必要となるであろう。電圧の持続時間は一般に、反応時間後約1〜約5秒であり、典型的には、反応時間後約3秒である。典型的には、検査シーケンス時間Tは、tに対して測定される。Tの間、図4A中で電圧401が維持されるとき、本明細書の図4Bに示される出力信号が発生するが、第1の作用電極12に対しては、ゼロ時間で開始して過渡電流702が発生し、同様に第2の作用電極14に対しても、過渡電流704がゼロ時間に対して発生する。この過程を説明する目的で、過渡信号702及び704は、同じ0参照点上に置かれているが、物理的観点からは、軸L−Lに沿った作用電極12及び14のそれぞれに向かう、チャンバ内の流体の流れのために、2つの信号間にはわずかな時間差がある。しかしながら、これらの過渡電流は、サンプリングされ、マイクロコントローラにおいて、同じ開始時間となるように設定される。図4Bでは、過渡電流はピーク時間Tに近接したピークまで増加し、この時間において、およそゼロ時間後2.5秒又は5秒のうちの一方まで電流は緩やかに下降する。およそ5秒の点706において、作用電極12及び14のそれぞれの出力信号を測定し、互いに加え合わせることができる。あるいは、作用電極12及び14のうちの一方のみからの信号を2倍してもよい。
再び図2Bを参照すると、システムは、複数の時点又は位置T、T、T、...、Tのいずれか1つにおいて、作用電極(12及び14)の少なくとも一方からの出力信号Iを測定又はサンプリングするように信号を加える。図4Bに見られるように、時間位置は、検査シーケンスTの任意の時点又は間隔であってよい。例えば、出力信号が測定される時間位置は、1.5秒における単一の時点T1.5、又は、2.8秒に近接した時点T2.8と重なる間隔708(例えば、システムのサンプリング速度に応じて約10m秒以上)であり得る。
特定の検査ストリップ100及びその変形例に対する、バイオセンサのパラメータ(例えば、バッチ校正コードオフセット及びバッチ傾き)が既知であることから、分析物(例えばグルコース)濃度を算出できる。出力過渡702及び704をサンプリングし、検査シーケンス中の様々な時間位置における、信号Iを導出する(電流IWE1及びIWE2のそれぞれを足す、又はIWE1又はIWE2の一方を2倍することによる)。特定の検査ストリップ100のバッチ校正コードのオフセット及びバッチ傾きの知見より、分析物(例えばグルコース)濃度を計算することができる。
「切片」及び「傾き」は、バイオセンサのバッチから校正データを測定することにより得られる値である点に留意されたい。典型的には、およそ1500個のバイオセンサがランダムにロット又はバッチから選択される。提供者の生理学的流体(例えば血液)が、様々な分析物濃度、典型的には6種類のグルコース濃度にスパイクされる。一般的には、12人の異なるドナーからの血液を6つの濃度のそれぞれにスパイクする。8個のバイオセンサ(又はこの実施形態におけるストリップ)が同一の提供者及びレベルから血液を与えられ、したがってそのロットに関して合計12×6×8=576回検査が行われる。これらは、Yellow Spring Instrument(YSI)などの標準的な実験分析装置を用いてこれらの値を測定することによって、実際の分析物濃度(例えば、血中グルコース濃度)に対してベンチマークされる。測定されたグルコース濃度のグラフを実際のグルコース濃度に対して(又は、測定された電流をYSI電流に対して)プロットし、このグラフに式y=mx+cを最小二乗法によりフィッティングすることにより、このロット又はバッチからの残りのストリップについてのバッチ傾きm及びバッチ切片cの値が得られる。出願人らは、分析物濃度の決定中にバッチ傾きを導出する方法及びシステムについても提供している。そのため、「バッチ傾き」又は「傾き」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする、測定された又は導出された線の勾配であると定義してよい。そのため、「バッチ切片」又は「切片」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする線がy軸と交わる点であると定義してよい。
先に説明されている様々な構成要素、システム、及び方法が、出願人らによる当該技術分野においてこれまで存在しなかった分析物測定システムの提供を可能にすることを、本明細書に記載する価値がある。具体的には、このシステムは、基板及び対応する電極コネクタに接続される複数の電極を有するバイオセンサを含む。このシステムは更に、ハウジング、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタ、及び本明細書の図2Bに示されるマイクロコントローラ300を有する、分析物測定器200を含む。マイクロコントローラ300は、検査ストリップポートコネクタ220と電気的に通信して、電気信号を適用し、又は複数の電極の電気信号を検知する。
図2Bを参照すると、測定器200の好ましい実施について説明されており、図2A及び2B中の同じ番号は共通の説明である。図2Bにおいて、ストリップポートコネクタ220は、(複数の)物理的特性検知電極から信号を受け取るインピーダンス検知ラインEICと、(複数の)物理的特性検知電極に信号を加える交流信号ラインACと、参照電極の参照ラインと、作用電極1と作用電極2のそれぞれからの信号検知ラインと、を含む5つのラインによって、アナログインターフェース306と接続されている。ストリップ検出線221をコネクタ220に提供し、検査ストリップの挿入を示してもよい。アナログインターフェース306は、以下の4つの入力、(1)実数インピーダンスZ’、(2)虚数インピーダンスZ”、(3)バイオセンサの作用電極1からサンプリング若しくは測定された信号、即ち、Iwe1、(4)バイオセンサの作用電極2からサンプリング若しくは測定された信号、即ち、Iwe2、をプロセッサ300に提供する。プロセッサ300からインターフェース306へは、物理的特性検知電極に対して25kHz〜約250kHz、又はそれ以上の任意の値の振動信号ACを加える、1種類の出力がある。位相差P(度)は、実数インピーダンスZ’及び虚数インピーダンスZ”から以下の式で決定することができ、
P=tan−1{Z”/Z’} 式3.1
大きさM(Ω、慣習的に|Z|と記載される)は、インターフェース306の線Z’及びZ”から以下の式で決定することができる。
Figure 2016523369
このシステムでは、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性によって定義されるバッチ傾きを導出し、(b)第2の信号を複数の電極に適用して、導出されたバッチ傾きに基づいて分析物濃度を決定するように構成される。このシステムでは、検査ストリップ又はバイオセンサの複数の電極は、物理的特性を測定する少なくとも2つの電極と、分析物濃度を測定する少なくとも2つの別の電極と、を備える。例えば、少なくとも2つの電極及び少なくとも2つの別の電極は、基板上に提供される同一のチャンバ中に配置される。あるいは、少なくとも2つの電極及び少なくとも2つの他の電極は、基板上に設けられる、対応する2つの異なるチャンバ内に配置される。なお、いくつかの実施形態において、電極の全てが基板によって規定される同一平面上に配置される。具体的には、本明細書に記載される実施形態のいくつかにおいて、少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、少なくとも2つの電極上に試薬が配置されない。このシステムで記載すべき1つの特徴は、検査シーケンスの一環として、バイオセンサ上へ流体試料(生理学的試料であってよい)が配されて、約10秒以内に正確な分析物測定値を提供できることである。
ストリップ100(図3A(1)、3A(2)又は3A(3)及び図3B〜3Tのその変形例)の分析物の計算(例えば、グルコース)の例として、第1の作用電極12による706のサンプリングされた信号値は約1600ナノアンペアであり、一方、第2の作用電極14による706の信号値は、約1300ナノアンペアであり、検査ストリップの校正コードは、切片(Intercept)が約500ナノアンペアであり、傾き(Slope)が約18ナノアンペア/mg/dLであることを示すことが、図4Bにおいて想定される。グルコース濃度Gは、式3.3から以下のように決定され得る。
=[(I)−Intercept]/Slope 式3.3
(式中、
(式中、Iは、バイオセンサの全ての電極(例えば、センサ100では、電極12及び14の両方(又はIwe1+Iwe2))からの合計信号である信号(分析物濃度と比例する)であり、
we1は、設定サンプリング時間で第1の作用電極に測定された信号であり、
we2は、設定サンプリング時間で第2の作用電極に測定された信号であり、
傾きは、この特定のストリップが由来する検査ストリップバッチの校正試験から得られた値であり、
切片は、この特定のストリップが由来する検査ストリップバッチの校正試験から得られた値である。
式3.3により、G=[(1600+1300)−500]/18であり、したがって、G=133.33ナノアンペア約133mg/dLである。
対応する作用電極からの測定された電流を加算して、合計測定電流Iを提供するように、2つの作用電極(図3A(1)の12及び14)を有するバイオセンサ100に関連する例が提示されたが、2つの作用電極のうちの1つのみからもたらされる信号を、1つのみの作用電極(電極12又は14のいずれか)がある検査ストリップ100の変形例として、2倍にできることに留意されたい。合計信号の代わりに、それぞれの作用電極からの信号の平均を、本明細書に記載されている式3.3、6及び5〜7の合計測定電流Iとして使用することができ、測定された信号が加算された実施形態と比較して低い合計測定電流Iを説明するため、当然のことながら、演算係数への好適な変更(当業者には知られている)を伴って使用することができる。あるいは、測定信号の平均値を2倍し、先の例のように操作係数を導出する必要なくして、式3.3、6、及び5〜7のIとして使用することもできる。なお、本明細書の分析物(例えばグルコース)濃度は、任意の物理的特性(例えばヘマトクリット値)に対して補正されず、信号値Iwe1及びIwe2に対して特定のオフセットが提供され、測定器200の電気回路中のエラー又は遅延時間を説明する。温度補償も用いられて、結果が例えば摂氏約20度の室温などの参照温度に校正されることを確実にし得る。
ここで、分析物(例えばグルコース)濃度(G)は、信号Iから決定することができ、流体試料の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)を決定する出願者の手法についての記載は、図5に関連して提供される。図5において、システム200(図2)は、第1の振動入力信号800を第1周波数(例えば、約25キロヘルツ)で一対の検知電極に適用する。システムは、第3及び第4の電極からの第1の振動出力信号802を測定又は検出するようにも構成されており、これには詳細には第1の入力及び出力信号間の第1の時間差Δtを測定することを行う。同時に、又は重なり合う持続時間において、システムは、第2の周波数(例えば約100kHz〜約1MHz又はそれ以上、好ましくは約250kHz)の第2の振動入力信号(簡単のため示されていない)を1対の電極に印加した後、第3及び第4の電極からの第2の信号出力信号を測定又は検出してもよく、これには第1の入力及び出力振動信号間の第2の時間差Δt(図に示されていない)を測定することを行い得る。これらの信号から、システムは、第1及び第2の時間差Δt及びΔtに基づいて流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値)を推定する。この後、システムは、グルコース濃度を導出することができる。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の推定は、以下の形の式を適用することによって行うことができる。
Figure 2016523369
(式中、
、C、及びCはそれぞれ、検査ストリップに関する演算子定数であり、
は、回帰データからのパラメータを表す。
この例示的な手法の詳細は、参照することによって本明細書に組み込まれる、2011年9月2日出願の米国特許仮出願第61/530,795号、表題「Hematocrit Corrected Glucose Measurements for Electrochemical Test Strip Using Time Differential of the Signals」(代理人整理番号DDI−5124USPSP)に見られる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値)決定の別の手法は、物理的特性(例えばヘマトクリット値)の2つの独立した測定値によるものであってよい。これは、(a)第1の周波数における流体試料のインピーダンス、及び(b)第1の周波数より実質的に高い第2の周波数における流体試料の位相角を決定することによって得ることができる。この手法では、流体試料は、未知のリアクタンス及び未知の抵抗を有する回路のモデルになる。このモデルにおいて、測定(a)について、インピーダンス(表記「|Z|」で表される)は、印加電圧、既知の抵抗(例えば、固有ストリップ抵抗)の両端の電圧、及び未知のインピーダンスVzの両端の電圧によって決定でき、同様に測定(b)について、位相角は、当業者によって、入力信号と出力信号との間の時間差から測定できる。この手法の詳細は、2011年9月2日出願の、同時係属中の米国特許仮出願第61/530,808号(代理人整理番号第DDI5215PSP)に見られ、かつ説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれる。流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度、温度、又は密度)を決定する別の好適な手法は、例えば、米国特許第4,919,770号、同第7,972,861号、米国特許出願公開第2010/0206749号、同第2009/0223834、又は「Electric Cell−Substrate Impedance Sensing(ECIS) as a Noninvasive Means to Monitor the Kinetics of Cell Spreading to Artificial Surfaces」Joachim Wegener、Charles R.Keese,and Ivar Giaever、Experimental Cell Research 259,158〜166(2000)、doi:10.1006/excr.2000.4919、オンラインhttp://www.idealibrary.comで利用可能、「Utilization of AC Impedance Measurements for Electrochemical Glucose Sensing Using Glucose Oxidase to Improve Detection Selectivity」Takuya Kohma,Hidefumi Hasegawa,Daisuke Oyamatsu,and Susumu Kuwabata、Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol.80,No.1,158〜165(2007)などでも利用されており、これらの資料の全てが参照することにより組み込まれる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値、密度、又は温度)を決定する他の手法は、試料のインピーダンスの位相差(例えば位相角)及び大きさを知ることにより得ることができる。一例では、試料の物理的特性又はインピーダンス特性(「IC」)の推定に、以下の関係性が提供される。
Figure 2016523369
式中、Mは、測定したインピーダンスの大きさ|Z|(Ω)を表し、
Pは、入力信号と出力信号との間の位相差(度)を表し、
は、約−3.2e−08及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(及び、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−4.1e−03及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(及び、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−2.5e+01及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−1.5e−01及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(及び、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約5.0及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%である(及び、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよい)。
なお本明細書では、入力AC信号の周波数が高い(例えば75kHz超)場合、インピーダンスMの大きさに関連するパラメータ項y及びyは、本明細書で与えられる例示的な値の±200%であってよく、各パラメータ項が、ゼロ又は更に負の値を含めるようにできる。一方、入力AC信号の周波数が低い(例えば、75kHz未満の)場合、位相角Pに関連するパラメータ項y及びyは、それぞれのパラメータ項がゼロ又は負の値さえも含み得るように、与えられる例示的な値の±200%であってもよい。なお本明細書では、H又はHCTの大きさは、本明細書で用いられるとき、一般にICの大きさに等しい。1つの例示的な実施では、H又はHCTがこの用途で本出願において使用されるとき、H又はHCTはICに等しい。
別の代替の実施では、式4.3が提供される。式4.3は、式4.2中の位相角を用いない、二次関係を正確に導出したものである。
Figure 2016523369
式中、
ICは、インピーダンス特性[%]であり、
Mは、インピーダンスの大きさ[Ω]であり、
は、約1.2292e1、及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−4.3431e2、及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約3.5260e4、及び与えられたその数値の±10%、5%又は1%である。
本明細書に提供される様々な部品、システム、及び知識により、図6に関連して、出力過渡エラーをトラップする分析物測定法を達成する手法が理解される。この手法は、工程604における、(生理学的試料又は対照溶液であってもよい)流体試料を、測定器に挿入された(工程602)バイオセンサ(例えば、図3A(1)、3A(2)、3A(3)〜3Fに示されている検査ストリップの形態のもの)に配する工程を伴う。測定器200の電源が入ると、信号がストリップ100(又はその変形例)に適用され、試料が検査チャンバに配されると、適用された信号は(適切な試薬と共に)、検査チャンバ内での分析物と試薬との酵素反応により、試料中の分析物(例えば、グルコース)を、異なる物理的形態(例えば、グルコン酸)に物理的に変化させる。試料が検査セルの毛管チャンネルに流入すると、試料に加えられる他の信号の出力から、分析物濃度の推定(工程610)と共に、試料の少なくとも1つの物理的特性が得られる(工程608)。得られた物理的特性(工程608)及び推定された分析物濃度(工程610)から、特定のサンプリング時間Tssが確定され(工程612)、その時点において、検査シーケンス中の試料からの(式1及び2に示される電子の移動による)信号出力が測定され(工程614)、工程616における分析物濃度の計算に使用される。特に、物理的特性を得る工程(工程608)は、第1の信号を試料に適用して、試料の物理的特性を測定する工程を含むことができ、一方、酵素反応を開始する工程606は、第2の信号を試料に加える工程を伴うことができ、測定する工程(工程614)は、検査シーケンスの開始後の時点において、少なくとも2つの電極からの出力信号を評価する工程を伴うことができ、ここで、この時点は、少なくとも測定又は推定された物理的特性(工程608)及び推定された分析物濃度(工程610)に応じて設定される(工程612)。
(工程612において)測定又は推定された(複数の)物理的特性に応じた、検査シーケンスT中の適切な時点(又は時間間隔)Tssの決定は、システムのマイクロプロセッサにプログラムされた参照表の使用により決定することができる。例えば、システムが試料の測定された又は既知の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値又は粘度)により分析物(例えば、グルコース又はケトン)に適切なサンプリング時間Tssを選択することを可能にする、参照表が提供されてもよい。
特に、適切なサンプリング時点は、基準値と比較して最低のエラー又はバイアスをもたらす適切なサンプリング時間に到達するため、分析物及び測定された又は既知の物理的特性の早期推定に基づいてもよい。この手法では、確定されたサンプリング時点が(a)推定された分析物濃度及び(b)試料の物理的特性と相関する、参照表が提供される。例えば、表1は、測定器にプログラム化されて、推定された分析物の定性的分類(低、中及び高グルコース)が主な列を形成し、測定又は推定された物理的特性の定性的分類(低、中及び高)が標題行を形成するマトリックスを提供することができる。第2の列において、t/Hctは、公称ヘマトクリット値の42%とのヘマトクリット値1%あたりの差のタイムシフトの実験的に決定された値である。一例として、「中グルコース」における55%のヘマトクリット値では、(42−55)90=−1170msのタイムシフトを示す。−1170ミリ秒の時間を元の検査時間の約5000ミリ秒に加えて、(5000−1170=3830ミリ秒)約3.9秒を得る。
Figure 2016523369
システムがバイオセンサの出力信号をサンプリング又は測定するべき時間Tss(即ち、特定のサンプリング時間)は、推定された分析物、及び測定又は推定された物理的特性の両方の定性的分類に基づいており、また、大きな試料サイズでの、実際の生理学的流体試料の回帰分析に基づいて予め決定される。出願人は、適切なサンプリング時間は、検査シーケンスの開始から測定されるが、任意の適切なデータを利用して、出力信号をサンプリングするタイミングを決定してよいことに言及する。実際に、システムを、検査シーケンスの間、適切なサンプリング時間間隔(例えば、100ミリ秒又は更に約1ミリ秒といった短い間毎に1回サンプリングするなど)で出力信号をサンプリングするようプログラムしてよい。検査シーケンス中に信号出力過渡全体をサンプリングすることによって、システム遅延によってタイミングエラーを引き起こす恐れがあるサンプリング時間を設定時点に合わせる試みよりも、システムは、検査シーケンスの終了付近で必要な計算を全て行うことができる。
出願者たちは、以降、生理学的流体試料中の特定の分析物であるグルコースに関して、参照表1を考察する。血中グルコースの定性的分類は、表1の第1の列に規定されており、ここでは、低血中グルコース濃度の約70mg/dL未満が「低グルコース」と指定され、約70mg/dLより高く約250mg/dL未満の血中グルコース濃度が「中グルコース」と指定され、約250mg/dLを超える血中グルコース濃度が「高グルコース」と指定されている。
検査シーケンス中、「推定された分析物」は、都合の良い時点、典型的には典型的な10秒間の検査シーケンスの5秒で信号をサンプリングすることにより、得ることができる。5秒の時点でサンプリングされた測定は、分析物(この場合は、血中グルコース)の正確な推定を可能にする。次にシステムは参照表(例えば、表1)を参照して、2つの基準、即ち、(a)推定された分析物及び(b)試料の物理的特性の定性値に基づいて、特定のサンプリング時間Tssにおいて検査チャンバからの信号出力をいつ測定するかを決定することができる。基準(b)では、物理的特性の定性値は、3つの下位分類の低Hct、中Hct及び高Hctに細分化される。したがって、測定又は推定された物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)が高く(例えば、46%を超える)、推定されたグルコース値も高い場合、表1によると、検査チャンバの信号出力を測定するシステムの検査時間は、約3.6秒である。一方、測定されたヘマトクリット値が低く(例えば、38%未満)、推定されたグルコース値も低い場合、表1によると、システムが検査チャンバの信号出力を測定する、特定のサンプリング時間Tssは、約5.5秒である。
検査チャンバの信号出力Iが(測定又は推定された物理的特性により決められる)特定のサンプリング時間Tssで測定されると、信号Iは、その後、下記の式5による分析物濃度(この場合は、グルコース)の計算に使用される。
Figure 2016523369
式中、
は、分析物濃度を表し、
は、特定のサンプリング時間Tssで測定される終了信号の合計から決定された信号(分析物濃度と比例)を表し、これは特定のサンプリング時間Tssで測定される合計電流であってもよく、
Slopeは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、典型的には約0.02であり、
Interceptは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、典型的には約0.6〜約0.7である。
第1の信号を適用する工程及び第2の信号を加える工程は、連続的であり、その順序は、第1の信号の次に第の2信号というものであってもよく、又は両方の信号が連続的に重複してもよく、あるいは、最初に第2の信号、次に第1の信号というものであってもよく、又は両方の信号が連続的に重複してもよいことに留意するべきである。あるいは、第1の信号を適用する工程及び第2の信号を加える工程は、同時に起こってもよい。
本方法において、第1の信号を適用する工程は、適切な電源(例えば、測定器200)により提供される交流信号を試料に方向付ける工程であって、試料の物理的特性が、その試料からの交流信号の出力によって決定される、工程、を伴う。検出される物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、又は密度のうちの1つ又は2つ以上であってよい。方向付ける工程は、第1及び第2の交流信号を互いに異なる周波数で加える工程を含んでもよく、第1の周波数は、第2の周波数よりも低い。第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低いことが好ましい。一例として、第1の周波数は、約10kHz〜約100kHzの範囲の任意の周波数であってよく、第2の周波数は約250kHz〜約1MHz又はそれ以上であってよい。本明細書で使用されるとき、語句「交流信号」又は「振動信号」は、極性が交番する信号の一部又は全ての交流信号又は直流オフセットを有する交流又は更には直流信号と組み合わされた多方向信号を有することができる。
本手法の追加的な調査に基づき、表1を更に改良することにより、出願者たちは、下に示す表2を考案することができた。
Figure 2016523369
表1と同様に、測定又は推定された物理的特性は、試料が測定されるTssを導出するため、推定された分析物濃度と一緒に表2において使用される。例えば、測定された特性が約30%であり、推定されたグルコース値(例えば、約2.5〜3秒でサンプリングされた)が約350である場合、マイクロコントローラが流体をサンプリングするべき時間は、約7秒である。別の例では、推定されたグルコース値が約300mg/dLであり、測定又は推定された物理的特性が60%である場合、特定のサンプリング時間は約3.1秒である。
表2を利用する実施形態において、推定グルコース濃度は、式
Figure 2016523369
(式中、Gestは、推定されたグルコース濃度を表し、
は、約2.5秒において測定された信号であり、
は、傾きであり(例えば、x=1.3e01)、
は、切片である(例えば、x=6.9e02))を用いてもたらされる。
推定されたグルコース値から、グルコース濃度は、
Figure 2016523369
(式中、Gは、グルコース濃度を表し、
は、表2からの、特定された特定のサンプリング時間Tssにおいて測定された信号であり、
は、傾き(例えば、x=9.6)であり、
は、切片である(例えば、x=4.8e02))から決定することができる。
出願人の手法では、1つのサンプリング時点のみを特定してもよいが、本方法は、例えば、検査シーケンスの開始から開始の少なくとも約10秒後まで信号出力を連続的に(例えば、1ミリ秒から100ミリ秒毎のような特定のサンプリング時間Tssにおいて)サンプリングするなど、必要に応じて多くの時点においてサンプリングする工程を含むことができ、結果は、検査シーケンスの終了頃に処理のために記憶されてもよい。この変形例において、(所定のサンプリング時点と異なることがあってもよい)特定のサンプリング時間Tssにおいてサンプリングされた信号出力は、分析物濃度を計算するために使用される値である。
好ましい実施形態において、分析物(例えば、グルコース)濃度にいくらか比例している値の信号出力の測定は、ヘマトクリット値の推定の前に実施されることに留意されたい。あるいは、ヘマトクリットレベルは、予備グルコース濃度測定の前に推定されてもよい。いずれの場合でも、推定されたグルコース測定値Gは、図7のように、約2.5秒又は約5秒のうちの1つでサンプリングされたIを用いて式3.3により得られ、物理的特性(例えば、Hct)は、式4により得られ、グルコース測定Gは、信号過渡1000の指定された(複数の)サンプリング時点(例えば、測定された信号出力Iは、3.5秒又は6.5秒でサンプリングされる)における測定された信号出力Iを使用して得られる。
分析物濃度又は分析物値を決定する他の手法は、PCT/GB2012/053276(代理人整理番号第DDI5220WOPCT、2012年12月28日出願)、PCT/GB2012/053279(代理人整理番号第DDI5246WOPCT、2012年12月28日出願)、及びPCT/GB2012/053277(代理人整理番号第DDI5228WOPCT、2012年12月28日出願)に示され、かつ記載されており、これらの出願はいずれも、本出願の付録に複製を添付することにより、本明細書に全体が述べられているのと同様に、参照により本明細書に組み込まれる。
再び図6の工程616を参照すると、本システムは、作用電極のそれぞれからの出力過渡が、正確な分析物決定に対する最適条件に近いかどうかを検出するように構成される。作用電極から測定又はサンプリングされるべき出力信号の最適状態は、出力信号の定常状態に可能な限り近い点にあるべきである。10秒未満の予期される検査シーケンスに渡って、出力信号が定常状態に到達することはないが、重要な前提条件は、出力過渡信号が定常状態へ向かう傾向を有することである。
結果的に、出願人は、定常状態へ向かう傾向がない出力信号についての、この問題に対して解決法を考案した。
エラーをトリガし得る評価の数学的表現を、次の式8.1及び8.2に示す。
Figure 2016523369
式中、
we1(Δt+Tss)は、(Tss+Δt)によって定義される時点に近接した出力信号であり、Tssは、特定のサンプリング時間であり、Δtは、正又は負の時間差であり、好ましくは、約−30ミリ秒であり、
we2(Δt+Tss)は、(Tss+Δt)によって定義される時点に近接した出力信号であり、Tssは、特定のサンプリング時間であり、Δtは、正又は負の時間差であり、好ましくは、約−30ミリ秒であり、
we1(Tss)は、特定のサンプリング時間Tssに近接した出力信号であり、
we2(Tss)は、特定のサンプリング時間Tssに近接した出力信号であり、
Δtは、約±100ミリ秒〜±600ミリ秒の所定の時間間隔を含み、
m1は、特定のサンプリング時間に近接した、第1の作用電極についての出力信号の傾きの推定値であり、
m2は、特定のサンプリング時間に近接した、第1の作用電極についての出力信号の傾きの推定値であり、
m1又はm2≧0は、出力信号におけるエラーを示し、
m1又はm2<は、出力信号に減少傾向があり、それ故、出力信号が正常である(即ち、エラーではない)ことを示す。
工程616又は618の評価において、(Tss及びTss−Δtにおける)「過渡電流」に沿った、これら2つの電流サンプル900から902の傾き(即ち、「m」)が、正である(即ち、およそゼロであるか、又は増加している)場合、この過渡電流は、定常状態へと近づいているわけではなく、それ故、分析物濃度の決定に好適ではないと推論される。このシナリオは、図9において見て取ることができ、ここでは、第1の作用電極についての過渡電流の勾配又は傾きが、特定のサンプリング時間Tssと、Tss−Δtにおける検査シーケンス中の所定のオフセット時間間隔Δt(例えば、300ミリ秒)との間の間隔で、増加している。図9での900から902への傾きが正であるか、又は増加しているため、この過渡電流出力が定常状態へ向かう傾向がなく、それ故、分析物濃度の決定に好適ではないと推論される。このとき、工程616(又は工程618)は、真を返すことになり、プロセスは直ちに、エラーを通知し、分析物決定プロセスを終了させる工程620に移ることになる。
一方、(TssとTss−Δtとのサンプリング時間間隔における)、(図10の)これら2つの電流サンプル900から902の傾き(即ち、「m」)が、負である(即ち、減少している)場合、この過渡電流は、定常状態へと近づいており、それ故、分析物濃度の決定に好適であると推論される。このシナリオは、図10において見て取ることができ、ここでは、第1の作用電極についての過渡電流の勾配又は傾きが、特定のサンプリング時間Tssと、所定のオフセット時間間隔、即ちΔt(例えば、30ミリ秒)に対する、900と902との間の間隔で、又はTss−Δtにおける、検査シーケンス中に、減少している。図10での900から902への傾きが負であるか、又は減少しているため、この過渡電流出力は定常状態へ向かう傾向があり、それ故、分析物濃度の決定に好適であると推論される。このように、工程616(又は工程618)は、偽を返し、プロセスは、本システムが分析物濃度を決定するための工程622に移る。好ましい実施形態では、オフセット時間は、100ミリ秒〜500ミリ秒間の任意の値であってよく、最も好ましくは、約300ミリ秒であってよい。
必要な計算能力がより少ない代替的な実施形態では、出願人は、サンプリング時間Tss−Δtにおける、(作用電極1及び2の)それぞれの作用電極についての出力信号の大きさが、特定のサンプリング時間Tssにおける作用電極の大きさ以上であるとき(即ち、この場合、Iwe1(Tss−Δt)≧Iwe1(Tss)、又はIwe2(Tss−Δt)≧Iwe2(Tss))は常に、エラーフラグをアクティブ(およそ1の状態)に設定するか、又はエラーを通知するロジックを考案した。同様に、サンプリング時間Tss−Δtにおける、(作用電極1及び2の)それぞれの作用電極についての出力信号の大きさが、Tssにおける作用電極の測定又はサンプリングされた出力信号の大きさより小さいとき(即ち、この場合、Iwe1(Tss−Δt)<Iwe1(Tss)、又はIwe2(Tss−Δt)<Iwe2(Tss))は常に、エラーフラグは設定されない(およそ0)。好ましい実施形態では、所定のオフセット時間間隔Δtは、約100ミリ秒〜600ミリ秒、又は約−100ミリ秒〜約−600ミリ秒の任意の値であってよい。
出願人は、工程616又は工程618において、このような出力過渡エラーが検出された場合、本システムが、直ぐにエラーを通知し(工程616から直に工程620へ)、メインルーチンに戻るか、又はアッセイプロセスを終了させるように、本手法が設計されることに言及する。
また、出願人は、システムがエラーフラグを設定することが可能である一方で、分析物濃度の取得を続行させ、その後でのみ、アッセイを終了させることが可能な、代替的な手法も考案している。具体的には、この手法は、作用電極からの出力過渡信号を評価するために使用される工程616(又は工程618)に関連して達成することができる。工程616(又は工程618)が真を返した場合、プロセスは、(工程620の代わりに)システムがエラーフラグを設定する工程617に移る。617(又は619)においてエラーフラグが設定された後も、システムは、Tssにおいて測定された出力信号を使用して分析物濃度を計算する工程622へと進む。工程623において、本システムは、1つ又は2つ以上のエラーフラグ(加えて、工程617又は619からの過渡出力エラーフラグ)が設定されているかどうかを調べる。真の場合、本システムは、エラーを通知する工程620に移り、さもなければ、分析物濃度を通知する。この代替的な手法では、他の手法のような即時的なフィードバックは提供されないが、システムは、エラーが発生したことを実際に宣言する前に、設定されたエラーフラグの数を調べることが可能となる。
本明細書に記載の手法はグルコースの決定を目的としているが、この手法を、分析物が流体試料中に配置される流体試料の物理的特性によって影響される、別の分析物(当業者によって適切に修正して)に適用することもできる。例えば、生理学的流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度又は密度など)は、生理学的液体、校正液、又は対照液であってよい、流体試料中のケトン又はコレステロールの決定によって説明され得る。別のバイオセンサ構成も利用できる。例えば、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6860421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132号(これら全ての開示全体が、参照により本出願に組み込まれる)に示され、説明されるバイオセンサを、本明細書に記載の様々な実施形態で利用できる。
既知であるように、物理的特性の検出は、交流信号でなされる必要はなく、別の手法で実施できる。例えば、好適なセンサを利用し(例えば、米国特許出願公開第20100005865号又は欧州特許第1804048 B1号)、粘度又は別の物理的特性を決定できる。あるいは、粘度を決定し、「Blood Rheology and Hemodynamics」Oguz K.Baskurt,M.D.,Ph.D.,1 and Herbert J.Meiselman,Sc.D.,Seminars in Thrombosis and Hemostasis,volume 29,number 5,2003に記載されるように、ヘマトクリット値と粘度との間の既知の関係性に基づくヘマトクリット値の導出に使用してよい。
先に記載したように、マイクロコントローラ又は同等のマイクロプロセッサ(及び、例えば、図2Bのプロセッサ300など、マイクロコントローラを、意図した環境においてその本来の目的で機能できるようにする関連構成要素)を、コンピュータコード又はソフトウェア命令と共に利用して、本明細書に記載の方法及び手法を実行できる。出願者たちは、図2Bの例示的なマイクロコントローラ300には(プロセッサ300の機能的な動作に好適な構成要素と共に)、ファームウェアが埋め込まれているか、又は図6の論理図に表されるコンピュータソフトウェアが装填され、マイクロコントローラ300は、関連するコネクタ220及びインターフェース306、並びにこれらの同等物と共に、(a)検知又は推定された物理的特性に基づいて特定のサンプリング時間(特定のサンプリング時間は、検査ストリップへ試料を配することによる検査シーケンスの開始により参照される少なくとも1つの時点又は間隔である)を決定する手段であり、(b)特定のサンプリング時間に基づいて分析物濃度を決定する手段である。あるいは、決定する手段が、流体試料の物理的特性により確定されたバッチ傾きが導出されるように第1の信号を複数の電極に適用する手段と、並びに分析物濃度が、導出されたバッチ傾き及び特定のサンプリング時間に基づいて決定されるように第2の信号を複数の電極に適用するための手段と、を含んでもよい。更に、決定する手段が、検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定する手段と、推定された分析物濃度及び検知又は推定された物理的特性のマトリックスから特定のサンプリング時間を選択する手段と、を含んでもよい。なお、更に、決定する手段が、検知又は推定された物理的特性に基づいてバッチ傾きを選択する手段と、バッチ傾きから特定のサンプリング時間を確実にする手段と、を含んでもよい。
更に、本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上記に述べた方法及び工程が、所定の順序で起こる所定の事象を示している場合、所定の工程は述べられた順序で行われる必要はなく、各工程が、各実施形態がそれらの意図される目的で機能することを可能とするものである限り、任意の順序で行われることを意図している。したがって、開示の趣旨及び請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形例が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。

Claims (44)

  1. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、
    を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、
    電気信号を適用し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、
    を含み、
    前記マイクロプロセッサは、
    (a)第1の信号を前記複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定した物理的特性により規定される、前記検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記特定のサンプリング時間からの所定のオフセット時間間隔(Δt)における信号出力を測定し、
    (f)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のオフセット時間間隔(Δt)と前記特定のサンプリング時間との間の前記信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを評価し、
    (g)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット時間(Δt)における、それぞれの電極についての前記信号出力の前記傾きが減少している場合、前記特定のサンプリング時間における、前記第1及び第2の電極の前記信号出力から前記分析物濃度を決定又は計算して、前記分析物濃度を通知し、
    (h)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット(Δt)時間における、それぞれの電極についての前記信号出力の前記傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーを通知するように構成される、分析物測定システム。
  2. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、
    を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、
    電気信号を適用し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、
    を含み、
    前記マイクロプロセッサは、
    (a)第1の信号を前記複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定した物理的特性により規定される、前記検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と前記特定のサンプリング時間との間の前記信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価し、
    (f)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット時間における、それぞれの電極に対する前記信号出力の前記傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーフラグをアクティブに設定し、
    (g)前記特定のサンプリング時間における、前記第1及び第2の電極の前記信号出力から前記分析物濃度を決定又は計算し、
    (h)前記エラーフラグが設定されている場合は、プロセスを終了させ、
    (i)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット時間における、それぞれの電極に対する前記信号出力の前記傾きが減少している場合、分析物の値を通知するように構成される、分析物測定システム。
  3. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、
    を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、
    電気信号を適用し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロプロセッサと、
    を含み、
    前記マイクロプロセッサは、
    (a)第1の信号を前記複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定した物理的特性により規定される、前記検査シーケンス中の特定のサンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、特定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記特定のサンプリング時間からの所定のオフセット時間間隔(Δt)における信号出力を測定し、
    (f)前記特定のサンプリング時間からの前記所定のオフセット時間間隔における、それぞれの作用電極についての出力信号の大きさが、前記特定のサンプリング時間における前記作用電極の、前記測定又はサンプリングされた出力信号の大きさ以上であるかどうかを評価し、真である場合は、前記試料の分析物濃度を計算し、偽の場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグを設定し、
    (g)特定のサンプリング前のオフセット時間間隔における、それぞれの作用電極についての、前記出力信号の大きさが、前記特定のサンプリング時間Tssにおける前記作用電極についての大きさよりも小さいかどうかを決定して、真である場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグをアクティブに設定するように構成される、分析物測定システム。
  4. それぞれの作用電極についての前記傾きは、各式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    we1(Δt+Tss)は、(Tss+Δt)によって定義される時点に近接した出力信号であり、
    Tssは、前記特定のサンプリング時間であり、Δtは、正又は負の時間差であり、好ましくは、約−30ミリ秒であり、
    we2(Δt+Tss)は、(Tss+Δt)によって定義される時点に近接した出力信号であり、
    Tssは、前記特定のサンプリング時間であり、Δtは、正又は負の時間差であり、好ましくは、約−30ミリ秒であり、
    we1(Tss)は、前記特定のサンプリング時間Tssに近接した出力信号であり、
    we2(Tss)は、前記特定のサンプリング時間Tssに近接した出力信号であり、
    Δtは、約±100ミリ秒〜±600ミリ秒の所定の時間間隔を含み、
    m1は、前記特定のサンプリング時間に近接した、第1の作用電極についての前記出力信号の傾きの推定値であり、
    m2は、前記特定のサンプリング時間に近接した、第1の作用電極についての前記出力信号の傾きの推定値である)
    によって定義される、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記複数の電極は、前記分析物濃度を測定する前記第1及び第2の電極と、前記物理的特性を測定する第3及び第4の電極と、を有する、4つの電極を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 第1、第2、第3及び第4の電極は、前記基板上に設けられる同一のチャンバ内に配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記第1及び第2の電極と、前記第3及び第4の電極とは、前記基板上に設けられる、対応する2つの異なるチャンバ内に配置される、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記電極の全ては、前記基板によって規定される同一の平面上に配置される、請求項5に記載のシステム。
  9. 少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、少なくとも2つの電極上に試薬が配置されない、請求項5に記載のシステム。
  10. 前記分析物濃度は、前記検査シーケンスの開始の約10秒以内の前記第2の信号から決定され、前記所定のオフセット時間間隔(Δt)は、約+0.1秒〜約+0.6秒、又は約−0.1秒〜約−0.6秒の任意の値を含む、請求項5に記載のシステム。
  11. 前記特定のサンプリング時間は、マトリックスを含む参照表から選択され、前記マトリックスでは、推定された分析物の異なる定性的分類が前記マトリックスの最も左側の列に記載されており、前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が前記マトリックスの最上段の行に記載されており、前記サンプリング時間が前記マトリックスの残りの欄に提供されている、請求項5に記載のシステム。
  12. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、
    を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、
    電気信号を適用し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信するマイクロコントローラと、
    を含み、
    前記マイクロコントローラは、
    (a)第1の信号を前記複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記複数の電極のうちの第1及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    「SpecifiedSamplingTime」は、前記検査ストリップの出力信号をサンプリングする、前記検査シーケンスの開始からの時点として指定され、
    Hは、前記試料の前記物理的特性を表し、
    は、約4.3e5を表し、
    は、約−3.9を表し、
    は、約4.8を表す)
    を用いて特定のサンプリング時間を計算し、
    (e)前記検査シーケンス中の前記特定のサンプリング時間における前記第1及び第2の電極からの出力信号を測定し、
    (f)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と前記特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価し、
    (g)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての前記信号出力の前記傾きが減少している場合、前記特定のサンプリング時間における、前記第1及び第2の電極の前記信号出力から前記分析物濃度を決定又は計算して、前記分析物濃度を通知し、
    (h)前記特定のサンプリング時間に対する前記所定のオフセット時間における、それぞれの電極についての前記信号出力の前記傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加している場合、エラーを通知するように構成される、分析物測定システム。
  13. 前記マイクロコントローラは、式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、前記SpecifiedSamplingTimeにおいて測定された出力信号を表し、
    Slopeは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、この特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表す)
    を用いて前記分析物濃度を決定する、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記マイクロコントローラは、式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    estは、推定された分析物濃度を表し、
    は、約2.5秒において測定された信号であり、
    は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の傾きを含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の切片を含む)
    を用いて前記分析物濃度を推定し、
    前記マイクロコントローラは、式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    は、前記分析物濃度を表し、
    は、前記特定のサンプリング時間において測定された信号を含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの校正用の傾きを含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの切片を含む)
    を用いて前記分析物濃度を決定する、請求項12に記載のシステム。
  15. 前記複数の電極は、前記分析物濃度を測定する前記第1及び第2の電極と、前記物理的特性を測定する第3及び第4の電極と、を有する、4つの電極を含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記第1、第2、第3及び第4の電極は、前記基板上に設けられる同一のチャンバ内に配置される、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記第1及び第2の電極と、前記第3及び第4の電極とは、前記基板上に設けられる、対応する2つの異なるチャンバ内に配置される、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記電極の全てが、前記基板によって規定される同一の平面上に配置される、請求項15に記載のシステム。
  19. 少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、少なくとも2つの電極上に試薬が配置されない、請求項15に記載のシステム。
  20. 前記分析物濃度は、前記検査シーケンスの開始の約10秒以内の前記第2の信号から決定され、前記所定のオフセット時間間隔Δtは、約10ミリ秒〜約60ミリ秒の任意の値を含む、請求項15に記載のシステム。
  21. 第1、第2、第3及び第4の電極を有する、複数の電極を有し、前記第1、第2、第3及び第4の電極上に、酵素が提供される、バイオセンサにおいて、過渡電流出力エラーを決定する方法であって、前記方法は、
    前記第1及び第2の電極に第1の信号を適用する工程と、
    流体試料を、前記第1、第2、第3及び第4の電極に近接させて配する工程と、
    前記第3及び第4の電極に第2の信号を適用する工程と、
    前記第3及び第4の電極の出力信号から前記流体試料の物理的特性を決定する工程と、
    前記流体試料の前記物理的特性に基づいて特定のサンプリング時間を確定する工程と、
    前記第1及び第2の電極と、流体試料中の分析物との間で電気化学的反応を開始させて、前記分析物の分析物−副産物への変化と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、
    前記電気化学的反応中に、第1及び第2の電極からの、前記特定のサンプリング時間における信号出力を測定する工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と前記特定のサンプリング時間との間の前記信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、
    前記評価する工程が真であった場合、出力過渡エラーを通知し、処理を終了させる工程と、
    前記評価する工程が偽であった場合、前記信号出力から、前記流体試料中の分析物の量を表す分析物濃度を計算し、前記分析物濃度を通知する工程と、を含む、方法。
  22. 前記計算する工程は、
    前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定する工程と、
    異なるサンプリング時点に対して指標されている、前記推定された分析物の異なる定性的分類、及び前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類を有する参照表から特定のサンプリング時間を選択する工程と、
    前記選択されたサンプリング時点を含む、複数の時点において前記試料から信号出力をサンプリングする工程と、
    前記選択された特定のサンプリング時間でサンプリングされた、測定出力信号から、式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、前記選択されたサンプリング時間Tにおいて測定された信号を表し、
    Slopeは、特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表す)
    に従って分析物濃度を計算する工程と、
    を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 前記計算する工程は、
    前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて、分析物濃度を推定する工程と、
    前記測定又は推定された物理的特性及び前記推定された分析物濃度の両方に基づいて、特定のサンプリング時間を選択する工程と、
    を含む、請求項21に記載の方法。
  24. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、前記方法は、
    流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、
    前記試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングする、前記検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、
    前記特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と前記特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、
    前記評価する工程が真であった場合、エラーを通知し、以降の処理を終了させる工程と、
    前記評価する工程が偽であった場合、前記特定のサンプリング時間を含む複数の時点における、各第1及び第2の電極の前記サンプリングされた出力信号から分析物濃度を決定する工程と、
    を含む、方法。
  25. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、前記方法は、
    流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、
    前記試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングする、前記検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、
    前記特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記特定のサンプリング時間からの所定のオフセット間隔において測定された、前記バイオセンサの出力信号の大きさが、前記特定のサンプリング時間における前記出力信号の大きさよりも小さいかどうかを評価し、作用電極の少なくとも一方について真である場合は、エラーを通知するか、又はエラーフラグをアクティブに設定し、あるいは、前記特定のサンプリングからの所定のオフセット間隔において測定された、前記バイオセンサの出力信号の大きさが、前記第1及び第2の電極の少なくとも一方について、前記特定のサンプリング時間において測定された前記出力信号の大きさ以上である場合は、前記特定のサンプリング時間において測定された前記出力信号の大きさに基づいて、前記分析物濃度を計算する工程と、
    を含む、方法。
  26. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、前記方法は、
    流体試料をバイオセンサ上に配する工程と、
    前記試料中の分析物の酵素反応と、検査シーケンスの開始とを引き起こす工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングする、前記検査シーケンスの開始からの特定のサンプリング時間を確定する工程と、
    前記特定のサンプリング時間を含む複数の時点において、前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のオフセット時間間隔と前記特定のサンプリング時間との間の信号出力の傾きがおよそゼロであるか、又は経時的に増加しているかどうかを、評価する工程と、
    前記評価する工程が真であった場合、エラーフラグをアクティブに設定する工程と、
    前記評価する工程が偽であった場合、前記特定のサンプリング時間における、前記第1及び第2の電極の前記信号出力から前記分析物濃度を計算する工程と、
    前記エラーフラグがアクティブかどうかを決定し、前記エラーフラグがアクティブでない場合は、前記分析物濃度を通知し、前記エラーフラグがアクティブである場合は、前記分析物濃度の通知を妨げる工程と、を含む、方法。
  27. 前記測定する工程は、第1の信号を前記試料に適用して、前記試料の物理的特性を測定する工程を含み、前記引き起こす工程は、第2の信号を前記試料に加える工程を含み、前記測定する工程は、前記検査シーケンスの開始後の時点において、前記バイオセンサの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価する工程であって、前記時点は、少なくとも前記測定又は推定された物理的特性に応じて設定される、工程を含み、前記決定する工程は、前記時点における前記測定された出力信号から分析物濃度を計算する工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  28. 前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて、分析物濃度を推定する工程を更に含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  29. 前記確定する工程は、前記測定又は推定された物理的特性及び前記推定された分析物濃度の両方に基づいて、確定された時点を選択する工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  30. 所定の時間における出力信号の測定に基づいて、分析物濃度を推定する工程を更に含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  31. 所定の時間は、前記検査シーケンスの開始から約2.5秒を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  32. 前記推定する工程は、第2の信号の前記試料からの出力の測定のための時点が、計算する工程に対して得られるように前記推定された分析物濃度及び前記測定又は推定された物理的特性を、異なる試料測定時間に対して指標されている、前記試料の分析物濃度及び物理的特性のそれぞれ異なる範囲を有する参照表に対して比較する工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  33. 計算する工程は、式:
    Figure 2016523369
    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、特定のサンプリング時間Tssにおいて測定された信号を表し、
    Slopeは、特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、特定のストリップが属する検査ストリップのバッチの校正試験から得られる値を表す)
    を用いる工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  34. 第1の信号を適用する工程及び第2の信号を加える工程は、連続的である、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  35. 第1の信号を適用する工程が、第2の信号を加える工程と重複する、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  36. 第1の信号を適用する工程は、交流信号を前記試料に方向付ける工程であって、前記試料の物理的特性が、前記試料からの前記交流信号の出力から決定される、工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  37. 第1の信号を適用する工程は、電磁的な信号を前記試料に方向付ける工程であって、前記試料の物理的特性が前記電磁的な信号の出力から決定される、工程を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  38. 前記物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、温度及び密度のうちの少なくとも1つを含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  39. 前記物理的特性は、ヘマトクリット値を含み、前記分析物は、グルコースを含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  40. 方向付ける工程は、第1及び第2の交流信号を互いに異なる周波数で加える工程を含み、第1の周波数は、第2の周波数よりも低い、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  41. 第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低い、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  42. 第1の周波数は、約10kHz〜約250kHzの範囲の任意の周波数を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  43. 前記サンプリングする工程は、前記検査シーケンスの開始において、前記開始後、少なくとも約10秒まで、信号出力を連続的にサンプリングする工程を含み、所定のオフセット時間間隔Δtは、約10ミリ秒〜約60ミリ秒の任意の値を含む、請求項24、25、又は26に記載の方法。
  44. 前記特定のサンプリング時間は、マトリックスを含む参照表から選択され、前記マトリックスでは、前記推定された分析物の異なる定性的分類が前記マトリックスの最も左側の列に記載されており、前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が前記マトリックスの最上段の行に記載されており、前記サンプリング時間が前記マトリックスの残りの欄に提供されている、請求項24、25、又は26に記載の方法。
JP2016522507A 2013-06-27 2014-06-26 分析物を含有する試料の、検知された物理的特性から導出された特定のサンプリング時間から決定される、分析物測定用の過渡信号エラートラップ Active JP6456372B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201361840360P 2013-06-27 2013-06-27
US61/840,360 2013-06-27
US13/929,782 US9435764B2 (en) 2013-06-27 2013-06-28 Transient signal error trap for an analyte measurement determined from a specified sampling time derived from a sensed physical characteristic of the sample containing the analyte
US13/929,782 2013-06-28
PCT/EP2014/063588 WO2014207138A1 (en) 2013-06-27 2014-06-26 Transient signal error trap for an analyte measurement determined from a specified sampling time derived from a sensed physical characteristic of the sample containing the analyte

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016523369A true JP2016523369A (ja) 2016-08-08
JP6456372B2 JP6456372B2 (ja) 2019-01-23

Family

ID=52114529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016522507A Active JP6456372B2 (ja) 2013-06-27 2014-06-26 分析物を含有する試料の、検知された物理的特性から導出された特定のサンプリング時間から決定される、分析物測定用の過渡信号エラートラップ

Country Status (12)

Country Link
US (1) US9435764B2 (ja)
EP (1) EP3014258A1 (ja)
JP (1) JP6456372B2 (ja)
KR (1) KR20160024387A (ja)
CN (1) CN105579837B (ja)
AU (1) AU2014301060B2 (ja)
BR (1) BR112015032574A8 (ja)
CA (1) CA2916627C (ja)
HK (1) HK1223683A1 (ja)
RU (1) RU2669550C2 (ja)
TW (1) TWI639827B (ja)
WO (1) WO2014207138A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018503086A (ja) * 2015-01-26 2018-02-01 ライフスキャン・スコットランド・リミテッド 指定のサンプリング時間及び所定のサンプリング時間から決定される基準電極エラートラップ
JP2020527059A (ja) * 2017-07-03 2020-09-03 エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト バイオセンサの生体内特性を検出する方法および電子ユニット

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019066592A1 (ko) * 2017-09-29 2019-04-04 주식회사 비바이오 전기화학 바이오센서 에러 판별 장치 및 방법
WO2020226623A1 (en) * 2019-05-07 2020-11-12 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Fluid analysis with channels formed in lids

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004011921A1 (ja) * 2002-07-25 2004-02-05 Arkray, Inc. 試料分析方法および試料分析装置
WO2007026683A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-08 Arkray, Inc. 試料供給状態の検出方法および分析用具
WO2008013225A1 (en) * 2006-07-26 2008-01-31 Panasonic Corporation Biosensor measurement system and abnormal waveform detection method in biosensor
JP2011164116A (ja) * 2008-01-17 2011-08-25 Lifescan Inc サンプル中の検体を測定するシステムおよび方法
JP2012053061A (ja) * 2008-03-27 2012-03-15 Panasonic Corp 試料測定装置、試料測定システム及び試料測定方法
WO2012042211A2 (en) * 2010-09-28 2012-04-05 Lifescan Scotland Limited Analyte measurement method and system with error trapping
WO2012153535A1 (ja) * 2011-05-10 2012-11-15 パナソニック株式会社 生体試料測定装置とそれを用いた生体試料測定方法
WO2012164271A1 (en) * 2011-05-27 2012-12-06 Lifescan Scotland Limited Peak offset correction for analyte test strip

Family Cites Families (34)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3228542A1 (de) 1982-07-30 1984-02-02 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Verfahren zur bestimmung der konzentration elektrochemisch umsetzbarer stoffe
AUPN363995A0 (en) 1995-06-19 1995-07-13 Memtec Limited Electrochemical cell
US6413410B1 (en) 1996-06-19 2002-07-02 Lifescan, Inc. Electrochemical cell
AUPN661995A0 (en) 1995-11-16 1995-12-07 Memtec America Corporation Electrochemical cell 2
US6863801B2 (en) 1995-11-16 2005-03-08 Lifescan, Inc. Electrochemical cell
AUPO581397A0 (en) 1997-03-21 1997-04-17 Memtec America Corporation Sensor connection means
US6475372B1 (en) * 2000-02-02 2002-11-05 Lifescan, Inc. Electrochemical methods and devices for use in the determination of hematocrit corrected analyte concentrations
US6193873B1 (en) 1999-06-15 2001-02-27 Lifescan, Inc. Sample detection to initiate timing of an electrochemical assay
US6716577B1 (en) 2000-02-02 2004-04-06 Lifescan, Inc. Electrochemical test strip for use in analyte determination
US6767441B1 (en) 2001-07-31 2004-07-27 Nova Biomedical Corporation Biosensor with peroxidase enzyme
US6749887B1 (en) 2001-11-28 2004-06-15 Lifescan, Inc. Solution drying system
KR100475634B1 (ko) 2001-12-24 2005-03-15 주식회사 아이센스 일정 소량의 시료를 빠르게 도입할 수 있는 시료도입부를구비한 바이오 센서
ITMI20020369A1 (it) 2002-02-25 2003-08-25 Gi Bi Effe Srl Scatola con pannello di chiusura e sigillo di garanzia e con elementiper tenere il pannello chiuso dopo la rottura del sigillo
AU2003234944A1 (en) 2002-08-27 2004-03-18 Bayer Healthcare, Llc Methods of Determining Glucose Concentration in Whole Blood Samples
US7291256B2 (en) 2002-09-12 2007-11-06 Lifescan, Inc. Mediator stabilized reagent compositions and methods for their use in electrochemical analyte detection assays
MXPA06013233A (es) 2004-05-14 2007-02-28 Bayer Healthcare Llc Metodos para realizar un ajuste del hematocrito en ensayos de glucosa y dispositivos para los mismos.
WO2006070200A1 (en) 2004-12-29 2006-07-06 Lifescan Scotland Limited Analyte measurement meter or system incorporating an improved measurement circuit
DK1742063T3 (da) * 2005-07-07 2010-12-20 Asulab Sa System til differentiel bestemmelse af mængden af et proteolytisk enzym i en legemsvæske
DK1804048T3 (da) 2005-12-30 2010-09-06 Sclumberger Technology B V Densitets- og viskositetssensor
CA2656952C (en) 2006-07-05 2014-09-23 Panasonic Corporation Liquid sample measurement method and apparatus
EP1882745A1 (fr) * 2006-07-25 2008-01-30 The Swatch Group Research and Development Ltd. Système électrochimique de dosage d'un composé biologique par une enzyme
US20080083618A1 (en) 2006-09-05 2008-04-10 Neel Gary T System and Methods for Determining an Analyte Concentration Incorporating a Hematocrit Correction
US20100276303A1 (en) 2006-10-19 2010-11-04 Panasonic Corporation Method for measuring hematocrit value of blood sample, method for measuring concentration of analyte in blood sample, sensor chip and sensor unit
US8101062B2 (en) 2007-07-26 2012-01-24 Nipro Diagnostics, Inc. System and methods for determination of analyte concentration using time resolved amperometry
EP2193367B1 (en) 2007-09-27 2019-01-23 Philosys CO., LTD. Method for correcting erroneous results of measurement in biosensors and apparatus using the same
JP4555368B2 (ja) 2008-07-10 2010-09-29 株式会社セコニック 液体の粘弾性測定法
US20110057671A1 (en) * 2009-09-04 2011-03-10 Lifescan Scotland, Ltd. Methods, system and device to identify a type of test strip
ES2604306T3 (es) * 2009-09-04 2017-03-06 Lifescan Scotland Limited Método y sistema para medir la glucosa
IL209760A (en) * 2009-12-11 2015-05-31 Lifescan Scotland Ltd A system and method for measuring filling is satisfactory
KR20130009975A (ko) * 2010-02-25 2013-01-24 라이프스캔 스코트랜드 리미티드 전기화학적 분석에서의 커패시턴스 검출
ES2478255T3 (es) * 2010-08-02 2014-07-21 Cilag Gmbh International Sistema y métodos para una mayor presión para corrección de temperatura de resultados de glucosa para solución control
WO2013030375A1 (en) 2011-09-02 2013-03-07 Lifescan Scotland Limited Hematocrit Corrected Glucose Measurements for Electrochemical Test Strip Using Time Differential of the Signals
US9903830B2 (en) * 2011-12-29 2018-02-27 Lifescan Scotland Limited Accurate analyte measurements for electrochemical test strip based on sensed physical characteristic(s) of the sample containing the analyte
KR20150036605A (ko) * 2012-07-27 2015-04-07 바이엘 헬쓰케어, 엘엘씨 사용되고 건조된 센서들을 검출하는 시스템 및 방법

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004011921A1 (ja) * 2002-07-25 2004-02-05 Arkray, Inc. 試料分析方法および試料分析装置
WO2007026683A1 (ja) * 2005-09-02 2007-03-08 Arkray, Inc. 試料供給状態の検出方法および分析用具
WO2008013225A1 (en) * 2006-07-26 2008-01-31 Panasonic Corporation Biosensor measurement system and abnormal waveform detection method in biosensor
JP2011164116A (ja) * 2008-01-17 2011-08-25 Lifescan Inc サンプル中の検体を測定するシステムおよび方法
JP2012053061A (ja) * 2008-03-27 2012-03-15 Panasonic Corp 試料測定装置、試料測定システム及び試料測定方法
WO2012042211A2 (en) * 2010-09-28 2012-04-05 Lifescan Scotland Limited Analyte measurement method and system with error trapping
WO2012153535A1 (ja) * 2011-05-10 2012-11-15 パナソニック株式会社 生体試料測定装置とそれを用いた生体試料測定方法
WO2012164271A1 (en) * 2011-05-27 2012-12-06 Lifescan Scotland Limited Peak offset correction for analyte test strip

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018503086A (ja) * 2015-01-26 2018-02-01 ライフスキャン・スコットランド・リミテッド 指定のサンプリング時間及び所定のサンプリング時間から決定される基準電極エラートラップ
JP2020527059A (ja) * 2017-07-03 2020-09-03 エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト バイオセンサの生体内特性を検出する方法および電子ユニット
US11701037B2 (en) 2017-07-03 2023-07-18 Roche Diabetes Care, Inc. Method and electronics unit for detecting in-vivo properties of a biosensor

Also Published As

Publication number Publication date
EP3014258A1 (en) 2016-05-04
CN105579837A (zh) 2016-05-11
WO2014207138A1 (en) 2014-12-31
KR20160024387A (ko) 2016-03-04
RU2016102343A (ru) 2017-08-01
TWI639827B (zh) 2018-11-01
HK1223683A1 (zh) 2017-08-04
AU2014301060B2 (en) 2018-08-09
BR112015032574A8 (pt) 2020-01-07
US20150001070A1 (en) 2015-01-01
US9435764B2 (en) 2016-09-06
AU2014301060A1 (en) 2016-01-28
CA2916627C (en) 2022-11-29
CA2916627A1 (en) 2014-12-31
JP6456372B2 (ja) 2019-01-23
RU2016102343A3 (ja) 2018-03-19
CN105579837B (zh) 2018-09-18
RU2669550C2 (ru) 2018-10-11
TW201518717A (zh) 2015-05-16
BR112015032574A2 (pt) 2017-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6404932B2 (ja) 分析物測定のための異常信号エラートラップ
JP6562909B2 (ja) 分析物を含む試料の検知された物理的特性に由来する特定された抽出時間に基づいて決定された分析物測定値についての温度補償
JP6456372B2 (ja) 分析物を含有する試料の、検知された物理的特性から導出された特定のサンプリング時間から決定される、分析物測定用の過渡信号エラートラップ
JP6925269B2 (ja) 指定のサンプリング時間及び所定のサンプリング時間から決定される基準電極エラートラップ
JP6444397B2 (ja) 分析物を含むサンプルの感知された物理的特性に由来する特定された抽出時間に基づいて決定された分析物測定値についての充填エラートラップ
JP6404931B2 (ja) 試験測定シーケンス中の誤った測定信号を判定するための方法及びシステム
JP2017532551A (ja) 測定温度、物理的特性、及び推定分析物値に基づいて分析物測定時間を決定するための電気化学試験ストリップの高精度分析物測定

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170509

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180718

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181218

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6456372

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250