JP2020527059A - バイオセンサの生体内特性を検出する方法および電子ユニット - Google Patents

バイオセンサの生体内特性を検出する方法および電子ユニット Download PDF

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Abstract

バイオセンサ(110)の生体内特性を検出する方法を開示する。ここでは、バイオセンサ(110)は、電子ユニット(202)との相互動作において、体液(140)の試料内の分析物(136)の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサ(110)は少なくとも1つの作用電極(120)を備え、作用電極(120)は、メンブレン(132)によって覆われ、分析物(136)との反応をもたらすための酵素(134)を含み、メンブレン(132)は電気抵抗を有し、作用電極(120)は電気容量を有する。さらに、電子ユニット(202)は、バイオセンサ(110)のアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成される。ここでは、当該方法は、a)バイオセンサ(110)の感度対アドミッタンスの関係を提供するステップと、b)バイオセンサ(110)内の生の電流を測定するステップと、c)バイオセンサ(110)の生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するステップであって、生体内電流応答が、少なくとも一つの第1の動作点(156)において、および少なくとも一つの第2の動作点(158)において測定され、第1の動作点(156)はメンブレン(132)の電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するために選択され、第2の動作点(158)は作用電極(120)の電気容量に関係する第2の特性値を提供するために選択されるステップと、d)生の電流を使用することと、第1の特性値を使用して感度の実際値を判定することにより生の電流についての測定値を補正することによってバイオセンサ内(110)内の生体内感度ドリフトを補償することとによって体液(140)の試料内の分析物(136)の値を判定するステップであって、それにより、ステップa)中に提供されるような感度対アドミッタンスの関係が考慮されるステップと、e)第1の特性値および/または第2の特性値に基づいて、バイオセンサ(110)のフェールセーフ動作を監視するステップとを含む。バイオセンサ(100)および電子ユニット(202)を備えるシステムおよび当該方法は主に、特に、ホームケアの分野において、ならびに、プロフェッショナルケアの分野において、血糖値の長期的な監視のために、体液(140)内の分析物(136)濃度の長期的な監視のために使用し得る。本方法は、特に、較正手順数の削減を可能にし、さらに、バイオセンサの工場較正を信頼することを可能にすることがある。

Description

本発明は、バイオセンサの生体内特性を検出する方法と、この方法を行うように構成された電子ユニットと、バイオセンサおよびそうした種類の電子ユニットを備えるシステムとに関する。本発明による方法、電子ユニット、およびシステムは主に、体液中の分析物濃度の長期的な監視に、特に、血糖値の、または体液中の1つまたは複数の他のタイプの分析物の濃度の長期的な監視に使用し得る。本発明は、ホームケアの分野において、および病院内などのプロフェッショナルケアの分野において適用し得る。しかし、他の適用も可能である。
特定の身体機能を監視すること、さらに特に、特定の分析物の1つまたは複数の濃度を監視することは、種々の疾病の予防および治療における重要な役割を果たす。考えられるさらなる適用を制限することなく、本発明は、間質液中のグルコース監視を参照して以下に説明される。しかし、本発明は、他のタイプの分析物にも適用可能である。血糖監視は、具体的には、光学的測定の他に電気化学バイオセンサを使用することによって行われ得る。具体的には血液または他の体液中のグルコースを測定するための電気化学バイオセンサの例は、米国特許第5,413,690号明細書、米国特許第5,762,770号明細書、米国特許第5,798,031号明細書、米国特許第6,129,823号明細書、または、米国特許出願公開第2005/0013731号明細書によって知られている。
体液の試料がユーザー、すなわちヒトまたは動物から標的化されたやり方で得られ、および分析物濃度に関して検査される「スポット測定」に加えて、連続測定は一層確立されてきている。よって、最近では、さらに、「連続グルコース監視」として表され、または「CGM」に略されている、間質組織内のグルコースの連続測定は、糖尿病状態を管理し、監視し、および制御するための別の重要な方法として確立されている。ここでは、アクティブセンサ領域が、一般に間質組織内に配置された測定部位に直接、施され、例えば、酵素、特に一般に「GOD」に略されるグルコースオキシダーゼを使用することにより、グルコースを補正物質に変換し得る。その結果、検出可能な電流は、グルコース濃度に関係する場合があり、よって、測定変数として使用することが可能である。そうした経皮測定システムの例は、米国特許第6,360,888号明細書または米国特許出願公開第2008/0242962号明細書に記載されている。
米国特許出願公開第2012/262298号明細書は、センサデータおよび自己較正を処理する方法および装置を開示している。ここでは、初期感度に基づいて連続分析物センサを較正し、次いで、基準測定を使用することなしで、または基準測定の削減された使用により、自己較正を連続して行うことができる方法および装置が提供されている。さらに、刺激信号を使用して分析物センサの特性を判定する方法および装置であって、センサの特性が、感度ドリフトに対してセンサデータを補償し、または、温度、センサメンブレン損傷、センサエレクトロニクスにおける水分の侵入、およびスケーリング因子などの、センサに関連付けられた別の特性を判定するために使用することが可能である方法および装置がここに開示されている。
通常、電流連続監視システムは、経皮システムまたは皮下システムである。よって、実際のバイオセンサ、またはバイオセンサの少なくとも測定部分は、ユーザーの皮膚の下に配置され得る。しかし、「パッチ」としても表され得る、システムの評価および制御部分は一般に、ユーザーの身体外に位置し得る。ここでは、バイオセンサは一般に、例示的なやり方で、米国特許第6,360,888号明細書に記載された挿入器具を使用することによって適用される。しかし、他のタイプの挿入器具も知られている。さらに、体組織外に位置する場合があり、バイオセンサと通信しなければならない制御部分が通常、必要であり得る。一般に、バイオセンサと制御部分との間の、永久的な電気的接触または解放可能な電気的接触であり得る少なくとも1つの電気的接触を設けることによって通信が確立される。適切なばね接触などにより、電気的接触を設ける他の手法も一般に知られており、上記手法も適用され得る。
連続グルコース測定システムでは、分析物グルコースの濃度は、少なくとも作用電極および対向電極を有する電気化学セルを備える電気化学センサを使用することによって判定され得る。ここでは、作用電極は、体液中の分析物の酸化を補助するように構成された酸化還元活性酵素補因子を有する酵素を備える試薬層を有し得る。
したがって、本発明の目的は、この種の公知の装置および方法の欠点を少なくとも部分的に回避する、バイオセンサの生体内特性を検出する方法、この方法を行うように構成された電子ユニット、および、バイオセンサとそうした電子ユニットとを備えるシステムを提供することである。
特に、当該方法は、高信頼度で、および繰り返し、バイオセンサ内の考えられる生体内ドリフトを検出することができることが望ましく、実際に検出された生体内ドリフトはその後、特に、高信頼度で、および繰り返し、分析物値を判定することができるために、バイオセンサ内のドリフトの影響を補償することに対して適用可能であり得る。
さらに、本発明による方法が、標準的なバイオセンサで動作可能であり得る電子ユニット内で容易に実現可能である場合があり、よって、本質的な修正なしで既存のバイオセンサシステムにおいて適用可能であり得ることが望ましい。
この課題は、バイオセンサの生体内特性を検出する方法、この方法を行うように構成された電子ユニット、および、バイオセンサと、独立クレームの特徴を有するそうした電子ユニットとを備えるシステムによって解決される。単離したやり方において、またはいかなる任意の組み合わせにおいても実現され得る、本発明の好ましい実施形態は、従属クレームに開示されている。
以下において使用されるように、「有する」、「備える」、または「含む」との語、またはそれらのいずれかの任意の文法的な変形は、非排他的に使用される。よって、これらの語は、これらの語によって導入される特徴の他に、この意味合いで記載された実体においてさらなる特徴がもう存在しない状況、および1つまたは複数のさらなる特徴が存在している状況をいずれも表し得る。例として、「AはBを有する」、「AはBを備える」、および「AはBを含む」との表現はいずれも、Bの他に、他の要素がAにおいてもう存在しない状況(すなわち、Aが単独で、および排他的にBからなる状況)、および、Bの他に、要素C、要素CおよびD、または、さらに、さらなる要素などの1つまたは複数のさらなる要素が実体Aにおいて存在している状況をいずれも表し得る。
さらに、「少なくとも1つ」、「1つまたは複数」との語、または、特徴または要素が通常、一度、または二度以上、存在し得ることを示す同様の表現は、かかる特徴または要素を導入する際に一度のみ、使用される。以下では、ほとんどの場合、かかる特徴または要素を表す際に、かかる特徴または要素が一度、または二度以上、存在し得るにもかかわらず、「少なくとも1つ」、または「1つまたは複数」との言い回しは反復されない。
さらに、以下に使用されるように、「好ましくは」、「さらに好ましくは」、「特に」、「さらに特に」、「具体的には」、「さらに具体的には」との語、または同様の語は、代替的な可能性を制限することなく、任意的な特徴とともに使用される。よって、これらの語によって導入される特徴は、任意的な特徴であり、いかなるやり方においても特許請求の範囲を制限することを意図するものでない。当業者が認識するように、本発明は代替的な特徴を使用することによって行われ得る。同様に、「本発明の実施形態において」または同様の言い回しによって導入される特徴は、本発明の代替的な実施形態に関するいかなる制限もなく、本発明の範囲に関するいかなる制限もなく、および、本発明の他の任意的な、または任意的でない特徴とともに、そうしたやり方で導入された特徴を組み合わせる可能性に関するいかなる制限もない、任意的な特徴であることを意図している。
本発明の第1の態様では、バイオセンサの生体内特性を検出する方法が開示され、バイオセンサは、電子ユニットとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサは少なくとも1つの作用電極を備え、作用電極は、メンブレンによって覆われ、および、分析物との反応をもたらすための酵素を含み、メンブレンは電気抵抗を有し、作用電極は電気容量を有し、電子ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流(raw current)を測定するように構成される。ここでは、方法は、以下に列挙するような下記の方法ステップを含む:
a)バイオセンサの感度対アドミッタンスの関係を提供するステップと、
b)バイオセンサ内の生の電流を測定するステップと、
c)バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するステップであって、生体内電流応答が、少なくとも一つの第1の動作点において、および少なくとも一つの第2の動作点において測定され、第1の動作点は、メンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するために選択され、第2の動作点は、作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を提供するために選択されるステップと、
d)生の電流を使用することと、第1の特性値を使用して感度の実際値を判定することにより生の電流についての測定値を補正することによってバイオセンサ内の生体内感度ドリフトを補償することとによって体液の資料内の分析物の値を判定するステップであって、それにより、ステップa)中に提供されるような感度対アドミッタンスの関係が考慮されるステップと、
e)第1の特性値および/または第2の特性値に基づいて、センサのフェールセーフ動作を監視するステップと
を含む。
本明細書において、示されたステップは、好ましくは、所定の順序で行われ、それにより、方法ステップa)から始め、方法ステップd)で終える場合があり、しかし、示されたステップのいずれかまたは全て、特に、方法ステップb)およびc)を、一定の期間などにわたって、少なくとも部分的に同時に行われ得る。さらに、示されたステップのいずれかまたは全てが、例えば、予め定められた時間後、または、予め定められた事象の発生の結果として、バイオセンサの生体内特性を検出することを可能にするために数回、繰返される場合もある。さらに、本明細書において記載されているか否かにかかわらず、さらなる方法ステップも行われ得る。
一般に使用されるように、「バイオセンサ」との語は、少なくとも1つの医療分析を行うように構成された任意の装置を表し得る。このため、バイオセンサは、少なくとも1つの診断目的を行うように構成され、および、具体的には、少なくとも1つの医療分析を行うための少なくとも1つの分析物センサを備える任意の装置であり得る。バイオセンサは具体的には、医療分析を行うためなどに、1つまたは複数の診断目的を行うためなどに、互いに相互作用することができる2つ以上の構成部分のアセンブリを備え得る。具体的には、2つ以上の構成部分は、体液中の少なくとも1つの分析物の少なくとも1つの検出を行い得る、および/または、体液中の少なくとも1つの分析物の少なくとも1つの検出に貢献し得ることがある。一般に、バイオセンサは、センサアセンブリ、センサシステム、センサキット、またはセンサ装置のうちの少なくとも1つの一部でもあり得る。さらに、バイオセンサは、電子ユニットなどの評価装置に接続可能であり得る。
本発明の特に好ましい実施形態では、バイオセンサは、特に、皮下組織内の体液中、特に間質液中の分析物の検出を行うように構成され得る、完全にまたは部分的に埋め込み可能なバイオセンサであり得る。本明細書において使用されるように、「埋め込み可能なバイオセンサ」または「皮下バイオセンサ」は、患者またはユーザーの体組織内に完全にまたは少なくとも部分的に配置されるように構成された任意のバイオセンサを表し得る。この目的で、バイオセンサは挿入可能な部分を備え得る。本明細書において、「挿入可能な部分」との語は一般に、任意の体組織内に挿入可能であるように構成された構成要素の部分または構成部分を表し得る。好ましくは、バイオセンサは、生体適合性の表面、すなわち、少なくとも、通常の使用の持続時間中にユーザー、患者、または体組織に対して、できる限り少ない悪影響を有し得る表面を完全にまたは部分的に備え得る。この目的で、バイオセンサの挿入可能な部分は、生体適合性の表面を有し得る。本発明によれば、バイオセンサ、具体的には、その挿入可能な部分は、一方で、体液に対しては、または少なくともその中に含まれているような分析物に対しては透過可能である場合があり、他方で、センサ内の1つまたは複数の試験化学物質などのセンサ物質を保持し、よって、その、体組織への移動を阻止する、少なくとも1つのポリマーメンブレンまたはゲルメンブレンなどの少なくとも1つの生体適合性のメンブレンで完全にまたは部分的に覆われている。バイオセンサの他の部分または構成部分は、体組織外に留まり得る。
一般に使用されるように、「患者」および「ユーザー」との語は、ヒトまたは動物それぞれが健康状態にある場合があるか、または1つまたは複数の疾病を患っている場合があるかとは無関係に、ヒトまたは動物を表し得る。例として、患者またはユーザーは、糖尿病を患っているヒトまたは動物であり得る。しかし、追加的にまたは代替的に、本発明は、他のタイプのユーザー、患者、または疾病に適用可能であり得る。
本明細書においてさらに使用されるように、一般に、「体液」との語は通常、ユーザーまたは患者の身体または体組織内に存在し得る、および/または、ユーザーまたは患者の身体によって生成され得る流体、特に液体を表し得る。好ましくは、体液は、血液および間質液からなる群から選択され得る。しかし、追加的にまたは代替的に、唾液、涙液、尿、または他の体液などの、1つまたは複数の他のタイプの体液を使用し得る。少なくとも1つの分析物の検出中に、体液は、身体または体組織内に存在し得る。よって、バイオセンサは具体的には、体組織内の少なくとも1つの分析物を検出するように構成され得る。
本明細書においてさらに使用されるように、「分析物」との語は、体液中に存在している任意の要素、成分、または化合物を表す場合があり、分析物の存在および/または濃度は、ユーザー、患者、または医師などの医療スタッフにとって関心事であり得る。特に、分析物は、少なくとも1つのメタボライトなどの、ユーザーまたは患者の代謝に寄与し得る少なくとも1つの任意の化学物質または化合物である場合があり、または上記少なくとも1つの任意の化学物質または化合物を含む場合がある。一例として、少なくとも1つの分析物は、グルコース、コレステロール、トリグリセリド、ラクテートからなる群から選択され得る。代替的にまたは付加的に、しかし、他のタイプの分析物が使用される場合があり、および/または分析物の任意の組み合わせが判定され得る。具体的には、少なくとも1つの分析物の検出は、特に、分析物固有の検出であり得る。さらなる考えられる用途を制限することなく、本発明は、間質液中のグルコースの監視を特に参照しながら、以下に説明される。一般に使用されているように、分析物の少なくとも1つの特性は、分析物の濃度などの、この特性に関する「値」によって特徴付けられ得る。しかし、干渉性物質または「干渉物質」、すなわち、同様に酸化される場合があり、よって、さらなる電流として検出可能なさらなる電子を生成し得る体液に含まれる、さらなる酸化還元活性物質などの他の種類の特性も可能であり得る。
本明細書においてさらに使用されるように、「測定」との語は、少なくとも1つの測定の結果を特徴付ける、少なくとも1つの信号、特に、少なくとも1つの測定信号を生成する処理を表す。具体的には、少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの電圧信号、および/または、少なくとも1つの電流信号、特に、生の電流信号などの少なくとも1つの電子信号であり、または上記少なくとも1つの電子信号を備え得る。少なくとも1つの信号は、少なくとも1つのアナログ信号である場合があり、または少なくとも1つのアナログ信号を備えている場合があり、および/または、少なくとも1つのディジタル信号である場合があり、または少なくとも1つのディジタル信号を備えている場合がある。具体的には電気システムでは、所望の測定信号を記録することができるように、予め定められた信号を特定の装置に対して印加することを要することがある。例として、特に方法ステップb)によって生の電流を測定するステップは、装置に対する電圧信号の印加を必要とし、または逆の場合も同様であり得る。
さらに、本明細書において使用されるような「測定」との語はさらに、測定信号に関するさらなる値を生成することを表し、それぞれの測定信号は、測定信号に影響を及ぼし得る不確定要素によって影響され得る。よって、本明細書において使用されるように、バイオセンサの感度Sは、バイオセンサの生の電流Iを測定することによって測定され、それにより、グルコースなどの分析物の濃度cが考慮され得る。理想的な表現では、バイオセンサの感度Sは一般に、式(1)によって定義される場合があり、ここで、項I0は、干渉物質から発生し得る、考えられるゼロ電流を表す。実際には、式(1)は、100mg/dl〜150mg/dlグルコースの実験値未満の濃度の場合に該当する場合があり、バイオセンサの感度Sは、この実験値を上回る濃度に対して、より複雑な曲線を表し得る。実際には、生の電流Iが測定されてもよく、その後、感度ドリフトが起こったら、感度が補正されてもよい。あるいは、生の電流Iの値が、この場合に補正されてもよい。
Figure 2020527059
さらに本発明によれば、バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答は、方法ステップc)によって測定される。一般に使用されるように、「生体内」との語は、特に、製造されたような、または、患者またはユーザーに対して当初提供されたような、バイオセンサの状態と対照的であり得る、患者またはユーザーに対するその適用中のバイオセンサの実際の状態を表す。特に、生体内電流応答I(t)は、バイオセンサに対して時間変動電圧U(t)を印加することによって判定され得る。一般に知られているように、バイオセンサのアドミッタンスY(t)は、式(2)によって定義される場合があり、ここで、項Y’(t)およびY”(t)はそれぞれ、複素アドミッタンスY(t)の時間的に変動する実数部および虚数部を表す。代替としてまたは追加で、一般に、バイオセンサの「インピーダンス」として表される、アドミッタンスの逆数値を測定してもよい。バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答を実際に測定するための好ましい手順に関するさらなる詳細については、以下の説明を参照し得る。
Figure 2020527059
本明細書においてさらに使用されるように、「判定」の語は、測定の結果を特徴付ける少なくとも1つの信号、特に、少なくとも1つの測定信号を使用することにより、複数の代表的な結果などの少なくとも1つの代表的な結果を生成する処理に関する。本明細書において使用されるように、感度対アドミッタンスの関係はよって、バイオセンサの感度SとアドミッタンスY(t)との間の少なくとも1つの選択された関係を提供することによって決定される場合があり、バイオセンサの感度Sについての少なくとも1つの測定値、およびバイオセンサのアドミッタンスY(t)についての少なくとも1つの測定値は、この目的で使用され得る。一般に使用されるように、感度SおよびアドミッタンスY(t)などの2つの値の選択された「関係」は、例えば、感度Sに関係する少なくとも1つの第1の値と、例えば、アドミッタンスに関係する少なくとも1つの第2の値との間の、数学的演算などの演算を施すことによって提供され得る。例として、数学的演算は、比率、重み付け比率、または機能比率のうちの少なくとも1つから選択される場合があり、重み付け比率は、先行する重み付けに各項がかけられる比率を表し、機能比率は、各項が、比率を構成する前に多項式関数、指数関数、または対数関数などの関数にかけられる比率を表す。しかし、他の種類の演算および関数も可能であり得る。好ましい実施形態では、感度対アドミッタンスの関係は、好ましくは、アドミッタンスY(t)に対する感度Sの比率を構成することによって決定され得る感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)である場合があり、バイオセンサの感度Sについての少なくとも1つの測定値、およびバイオセンサのアドミッタンスY(t)についての少なくとも1つの測定値が使用され得る。しかし、他の種類の関係も、この目的に適していることがある。
本明細書においてさらに使用されるように、「監視」との語は、データを連続して記録し、ユーザーの相互作用なしで所望の情報をそこから導き出す処理を表す。この目的のために、複数の測定信号が、生成され、評価され、そこから、所望の情報が判定される。ここでは、複数の測定信号が、固定または可変の時間間隔内で、または、代替的にまたは追加で、少なくとも1つの予め定められた事象の発生時に記録され得る。特に、本発明によるバイオセンサは、例えば、糖尿病状態を管理し、監視し、および制御するための、1つまたは複数の分析物の、特に、グルコースを連続的に監視するように構成され得る。
本発明によるバイオセンサは、電気化学または電流測定センサである。本明細書において使用されるように、「電気化学センサ」または「電流測定センサ」との語は、電流測定方法を使用することにより、体液中に含まれるような少なくとも1つの物質を検出するために、少なくとも1つの電気化学測定、特に、複数または一連の電気化学測定を行うように構成されたセンサを表す。特に、「電気化学測定」または「電気化学測定」との語は、電流測定方法を使用することにより、電気化学検出反応などの、物質の電気化学的に検出可能な特性の検出を表す。よって、例えば、電気化学検出反応は、1つまたは複数の電極電位を印加し、比較することによって検出され得る。具体的には、電気化学センサは、少なくとも1つの電流信号および/または少なくとも1つの電圧信号などの、電気化学検出反応の存在および/または程度を直接的または間接的に示し得る少なくとも1つの電気センサ信号を生成するように構成され得る。測定は、定性および/または定量測定であり得る。なお、他の実施形態も実現可能である。
この目的で、本明細書において使用されるような電気化学センサは、電気化学セルの様式で配置され、よって、少なくとも1対の電極を使用する。一般に使用されるように、「電極」との語は、直接、または、少なくとも1つの半透過メンブレンまたは層を介して、体液に接触するように構成された試験要素の実体を表す。本発明に関し、電極の少なくとも1つはメンブレンによって覆われており、この電極は、電気化学反応がこの電極の少なくとも1つの表面において生じ得る様式で実施され得る。特に、この電極は、酸化プロセスおよび/または還元プロセスが、選択された電極の表面において行われ得る方法で実施され得る。本明細書において使用されるような特に好ましい実施形態では、バイオセンサは、作用電極、参照電極、および対向電極を有し、作用電極および参照電極はメンブレンによって覆われている場合があり、参照電極と対照的に、作用電極はさらに酵素を含み、作用電極は酵素から成っている場合があり、または、酵素層によって覆われている場合がある。対向電極は、付加的に、メンブレンによって覆われていても、いなくてもよい。しかし、異なる数の電極、またはメンブレンに覆われている、異なる数の電極を有する実施形態も実現可能であり得る。
さらに特に、電気化学センサは、複数フィールドセンサである場合があり、作用電極は、ポリイミド基板などの基板上の4つ、8つ、12つ、または16つのフィールドなどの、2つ以上のフィールドを覆っている場合がある一方、対向電極は、基板の背面上に配置され得る。好ましくは、作用電極は、基板上に堆積された金、および/または、銅層などの導電層に塗布された、カーボンペースト、触媒および/またはメディエータとしてのMnO2粒子、並びに、グルコースオキシダーゼ(GOD)および/またはグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)の組成物を備え得る一方、対向電極は、優先的には、金電極である場合があり、または金電極を備える場合があり、参照電極は、Ag/AgCl電極である場合がある。さらに、作用電極を覆うメンブレンは、お互いの上に積層され得る2つの個々の部分的なメンブレンを備え得る。ここでは、作用電極に隣接して配置され得る第1の部分的なメンブレンは、特に、親水性の側鎖および疎水性の側鎖の両方を有する親水性ポリウレタンなどの親水層であり得る拡散バリアを構成し得る。これとは対照的に、第1の部分的なメンブレンの上に配置される場合があり、よって、体液を受容するように構成された容積に隣接する場合がある第2の部分的なメンブレンは、疎水性の主鎖(backbone)および親水性の側鎖を有するポリアクリレートブロック共重合体などのバイオゲルを好ましくは備え得る生体適合性の層であり得る。特に、いずれの部分的なメンブレンも、ディップコーティングプロセスを使用することによって塗布され得る。
さらに、作用電極、参照電極、および対向電極は、好ましくは、ポテンショスタットを介して接続される場合があり、電位差は、作用電極と参照電極との間にポテンショスタットを介して印加され得る。よって、酸化還元反応の詳細な経過は、ここでは、1つまたは複数の電極電位、特に、作用電極と参照電極との間の電位差を比較することによって検出され得る。本明細書で使用されるように、「ポテンショスタット」との語は、電気化学セル内の電極のうちの2つの間、特に作用電極と参照電極との間の電位差を調節および/または測定するように構成された電子装置を表す。この目的で、ポテンショスタットは、対向電極を介して電気化学セルに電流を注入することができるために実現され、上記対向電極はこの理由で補助電極とも表される場合がある。このポテンショスタットの構成は、電気化学セル内の作用電極と参照電極との間の電位差を調節することと、代替的にまたは追加で、好ましくは作用電極と対向電極との間の生の電流Iを測定することとの両方を可能にし得る。さらに、ポテンショスタットは、同様に、生の電流Iを測定するために使用される場合があり、それにより、ポテンショスタットの能動的な電流調節のおかげで電位降下は生じない場合がある。その結果、ポテンショスタットは、作用電極と参照電極との間に、直流または交流電圧などの電圧、好ましくは直流電圧を印加し、そして好ましくは同時に、それによって発生した、好ましくは直流の、または交流の生の電流Iを作用電極と対向電極との間で測定し得る。その結果、バイオセンサは、作用電極と参照電極との間の生の電流Iを測定することができる場合がある。さらに、感度Sは、分析物の濃度cに対する、生の電流Iの時間的経過から得られる場合がある。以下にさらに詳細に説明するように、さらなる回路が好ましくは、電気化学セルの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答を判定するために使用される場合があり、それにより、さらに、電気化学セルの複素アドミッタンスY(t)、またはそれに関係する値が測定され得る。
作用電極はさらに、酵素を含む場合があり、または代替的に、酵素層によって覆われている場合があり、酵素または酵素層が、試験化学物質である場合があり、または試験化学物質を備えている場合がある一方、参照電極および対向電極は、好ましくは、試験化学物質がない状態に維持され得る。一般に、「試験化学物質」との語は、少なくとも1つの分析物の存在下で少なくとも1つの検出可能な特性を変化させるように構成された任意の材料または複数の材料の組成物を表し、検出可能な特性は、ここでは、上述された、電気化学的に検出可能な特性から選択される。具体的には、少なくとも1つの試験化学物質は、テストエレメントに適用された体液の試料内に分析物が存在している場合にのみその特性が変化する一方、分析物が存在し得ない場合には変化が生じない高選択性の試験化学物質であり得る。より好ましくは、少なくとも1つの特性の程度または変化は、分析物の定量的な検出を可能にするために、体液中の分析物の濃度に依存し得る。本明細書において使用されるように、試験化学物質は、グルコースオキシダーゼ(GOD)および/またはグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)などの1つまたは複数の酵素、好ましくは、それ自体で、および/または、検出物質の他の成分との組み合わせで、検出対象の少なくとも1つの分析物とともに酸化プロセスまたは還元プロセスを行うように構成された酵素であり得る。代替的または付加的に、試験化学物質は、1つまたは複数の補酵素などの1つまたは複数の補助成分を備えている場合があり、および/または、1つまたは複数の触媒、および/または酸化還元メディエータを備えている場合がある。さらに、試験化学物質は、1つまたは複数の色素であって、好ましくは1つまたは複数の酵素との相互作用において、検出対象の少なくとも1つの分析物の存在下でそれらの色が変化し得る1つまたは複数の色素を備え得る。
本発明の特に好ましい実施形態では、バイオセンサは、拡散律速バイオセンサ、特に、拡散律速電流測定バイオセンサであり得る。一般に使用されるように、「拡散」との語は、物質の高濃度を備える領域から物質の低濃度の領域への濃度勾配の下への、流体内の、分子または粒子などの物質の正味の移動を表す。理論によって縛られることを望むものではないが、バイオセンサにおいて、体液から作用電極の表面への、グルコースなどの分析物の拡散は、通常の濃度範囲における律速段階とみなされ得る。ここでは、バイオセンサは、酵素とともに作用電極の表面に達する分析物の反応、およびその反応に続く電子移動などのさらなる段階が、作用電極の表面における分析物の濃度が零になり得るほどすばやく起こり得るような方法で分析物の反応速度に対する拡散速度の比率を調節し得る状態における「拡散律速」と称され得る。この状態は、メンブレンの輸送特性、特に、メンブレンの厚さおよび透過率の、および、作用電極の表面において余剰に存在している酵素の組み合わせによって実現され得る。その結果、うまく調節された拡散律速バイオセンサは、よって、高い線形性を式(1)による分析物濃度cに対する感度について示し得る一方、特に、測定時間または保存時間の結果としての酵素活性の低下または喪失によって生じ得る、感度Sのドリフトが回避され得る。よって、バイオセンサの感度Sはしたがって、メンブレン輸送特性に、特に、メンブレンの厚さおよび透過率に依存し得る。すなわち、メンブレン特性の変化は、感度Sの変化の原因であるとみなされ得る。
他方で、バイオセンサの誘電特性を使用することにより、メンブレン特性を調査することが実現可能であり得る。特に、静的実験は、メンブレンの感度Sと電気抵抗またはコンダクタンスとの間の良好な相関を示している。一般に使用されるように、メンブレンの電気コンダクタンスは、DC回路の場合、メンブレンの電気抵抗RMの逆数に関係している。ここで、イオン拡散とグルコース拡散との間の良好な相関は、酵素が余剰に存在しており、イオン濃度が一定に留まっており、温度が一定に維持されている限り、メンブレンの全膨潤状態において実証され得る。
理論によって縛られることを望むものではないが、バイオセンサの機能試験はよって、感度Sの傾向をもたらす場合があり、分析物に関するメンブレンの透過率Pana、メンブレンの厚さd、および電極の幾何学的面積Aは、式(3)に従って計算に入れられる場合があり、符号〜は、一方の感度Sと、他方のメンブレンの厚さdおよび電極の幾何学的面積Aの積に対する、分析物に関するメンブレンの透過率Panaの比率との間の比例関係を表す。
Figure 2020527059
さらに、二重層の容量が、0.01Hz〜1MHzの、好ましくは0.1Hz〜100kHzの、さらに好ましくは1Hz〜10kHzの、特に10Hz〜1kHzの周波数に維持され得る作用電極の表面において形成され得る。その結果、アドミッタンスY(t)の測定は、限定されないがゼロ電流を含むファラデー電流によって判定されない場合がある一方、主に、メンブレン内のNa+またはCI-などのイオンの伝導率を表し得る。よって、バイオセンサの誘電特性は、アドミッタンスY(t)の以下の傾向をもたらす場合があり、イオンに対するメンブレンの透過率Pion、メンブレンの厚さd、および電極の実際の表面積Aは、式(4)に従って計算に入れられ得る。
Figure 2020527059
よって、感度対アドミッタンスの関係S(t)/Y(t)は、式(5)により、それぞれ、分析物およびイオンに関するそれぞれのメンブレンの透過率Pana、Pionの比率にのみ依存するように推定され得る。
Figure 2020527059
その結果、感度対アドミッタンスの関係S(t)/Y(t)は、固有のメンブレン輸送特性の現在の状態についての情報を提供するために使用することが可能である一方、メンブレンに関する幾何学的特性、特に、メンブレンの厚さd、および作用電極の表面積Aは無視することが可能である。よって、感度対アドミッタンスの関係S(t)/Y(t)を判定することにより、バイオセンサの動作中のメンブレンの膨潤などによる、メンブレンの透過率および厚さの変化は有利には無視され得る。すなわち、感度対アドミッタンスの関係S(t)/Y(t)は、バイオセンサが拡散律速バイオセンサとみなされ得る限り、バイオセンサの動作中に一定に留まるとみなされ得る。上述したように、「拡散律速」との語は、分析物の反応速度が、分析物の拡散速度と比較してかなり高い場合があるバイオセンサを表す。その結果、生体内ドリフトがバイオセンサにおいて生じない場合があり、ここで、「生体内ドリフト」との語は、バイオセンサの生体内動作における、メンブレン特性、特に固有のメンブレン特性などのバイオセンサの生体内特性の変化によるバイオセンサの感度の変化に関する。
ステップc)によれば、バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答、および生の電流Iは、2つの別々の動作点において、すなわち、第1の動作点において、および第2の動作点において測定される。本明細書において使用されるように、「動作点」との語は、バイオセンサに対して電子ユニットの一定の状態を適用することによって実現され得る、バイオセンサの特定の状態を表す。本発明によれば、メンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するための第1の動作点が選択される一方、作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を提供するための第2の動作点が選択される。本明細書においてさらに使用されるように、「特性値」との語は、動作点に関係し、対応する動作点におけるバイオセンサの状態の代表的な情報を提供する数値を表す。
以下にさらに詳細に説明するように、第1の特性値は、好ましくは、メンブレンの電気抵抗に関係し得る、特に比例している値、特には、少なくとも1つの種類のイオンに対するメンブレンの透過率、メンブレンの厚さ、およびメンブレンを担持する作用電極の幾何学的面積すなわち断面積に比例している値を含み得る。メンブレンの厚さおよび/または透過率に関し、本書類の別の箇所の記載を参照し得る。同様に、第2の特性値は、作用電極の電気容量の逆数に関係している、特に比例している値、特には、メンブレン内で利用可能な触媒および/またはメディエータの量、およびメンブレンを担持する作用電極の実際の表面積に比例している値を含み得る。触媒および/またはメディエータに関し、本書類における他の箇所の記載を参照し得る。しかし、他の種類の特性値も可能であり得る。
一般に使用されるように、「電極の幾何学的面積」との語は、電極に使用されるような物体の物理的寸法に依存する、よってバイオセンサの動作中に変わらないと見込まれる、電極の測定サイズを表す。これとは対照的に、「電極の実際の表面積」との語は、メンブレンを実際に担持する、電極の表面の区画を表す。その結果、電極の実際の表面積は、電極の幾何学的面積がメンブレンによって完全に覆われている限り、電極の幾何学的面積と同一であり得る。しかし、電極の実際の表面積は、バイオセンサの動作中、特に、電極化学物質の剥離後に活性電極表面とみなされ得る電極パッドから電極化学物質が少なくとも部分的に剥離され得る場合に、変化を受ける場合がある。この場合、電極パッドによって判定されたような拡散面積に対する、電極の表面の比率が維持され得る一方、電極ペーストの粗さおよび疑似容量の影響は無視することが可能である。よって、この手順は、バイオセンサの対応する生体内特性を判定するうえでバイオセンサにおいて存在している異なる種類の面積を考慮に入れることを可能にする。特に、この手順は有利には、バイオセンサの動作中にメンブレンの膨潤を理解するために、電極の実際の面積に依存しない値を使用することを可能にする。
方法ステップa)によれば、バイオセンサの基準感度対アドミッタンスの関係は一般に、さらなる参照のために設けられ得る。この目的で、基準感度対アドミッタンスの関係は、スポット測定のために好ましくは一般的なテストストリップなどの公知のバイオセンサが使用され得る較正手順を施すことにより、好ましくは、少なくとも一度、判定され得る。好ましくは、較正手順は、削減された「複数の較正」、特に、バイオセンサの定期較正、または、バイオセンサを実際に装着している患者の要求などの事象発生に応じた、または予め定められた事象に続く、較正として行われ得る。さらに好ましくは、較正手順は、患者におけるバイオセンサの初期生体内動作の前に、バイオセンサを実際に装着している特定の患者との初期フェーズの間に、好ましくは一回の間に、バイオセンサを較正することによる「初期較正」として行われ得る。しかし、最も好ましくは、較正手順は、製造設備内でバイオセンサを較正するステップを含む「工場較正」として、特に、バイオセンサの生体内動作を使用することによって行われ、それは特定のバイオセンサを装着することになる患者と無関係であり、よって、有利にも任意の患者に対する侵襲的スポット測定を回避し得る。しかし、他の可能性も考えられる。選ばれた較正手順と無関係に、基準感度対アドミッタンスの関係は、よって、予め定められた条件下で調査されたような固有のメンブレン特性と比較した実際の固有のメンブレン特性を判定することを可能にし、該当する場合、最も直近で判定された感度対アドミッタンスの関係が好ましくは、ステップd)の目的で使用され得る。
本発明によれば、バイオセンサの生体内特性がよって、検出される。本明細書において、「生体内特性」との語は、体液の試料内の分析物値の生体内判定中の特定のバイオセンサの実際の状態を表し、特定の状態において特定のバイオセンサによって判定されるような分析物値に影響を及ぼし得る場合がある、特定のバイオセンサの実際の物理および化学特性を表す。上述したように、特定のバイオセンサの物理および化学特性は、限定されないが、作用電極を覆うメンブレンの特性、特に固有の特性を含み得る。分析物値に影響を及ぼし得る場合があるさらなる種類の特性は、以下にさらに詳細に説明される。
ステップd)によれば、体液の試料内の分析物値はよって、一方で、生の電流を使用することによって、および、以下に説明するような、バイオセンサの感度内の生体内ドリフトを補償することによって、他方で、少なくとも第1の特性値を、しかし、好ましくは、第2の特性値も考慮に入れることによって判定される。特に、第1の特性値、および、好ましくは、さらに、第2の特性値が、ステップd)による第1の点において、この目的で、考慮に入れられる一方、ステップe)による第2の点では、バイオセンサのフェールセーフ動作がさらに考慮に入れられ、フェールセーフ動作は、以下にさらに説明されるように、第1の特性値および第2の特性値の少なくとも一方に基づく。さらに特に、メンブレンの電気抵抗の逆数に関係する第1の特性値が任意の事象において本発明によって使用される一方、作用電極の電気容量に関係する第2の特性値は、上述したようにバイオセンサ内に存在している異なる種類の面積と無関係であるため、特に、生の電流と分析物値との間の相関を改善させるうえで有用であり得る。
本発明によれば、バイオセンサ内の生体内感度ドリフトは、生体内アドミッタンスの第1の特性値、および、好ましくは第2の特性値を使用することにより、感度についての実際に判定された値を訂正することによって補償される場合があり、それにより、ステップa)中に提供されるような感度対アドミッタンスの関係の値が考慮される。式(1)によれば、生の電流Iは、バイオセンサの感度Sに応じて変わってくる場合があり、温度および時間依存性を有していると思われるバイオセンサの感度Sは、保存状態に応じたメンブレン再編成などのために有効期間にわたって減衰し得る一方、メンブレンの膨潤などのためにバイオセンサの生体内動作中に増加し得る。このようにして、バイオセンサ内の生体内感度ドリフトは特に、経時的な、または、予期しない事象の結果としての、バイオセンサの作用電極を覆っているメンブレンの固有のメンブレン特性の変化に関係する場合があり、よって、生の電流Iからの分析物値の判定に影響を及ぼし得る。
本明細書においてさらに使用されるように、「補償」との語は、副作用によって影響され得る測定値を修正する処理に関し、その目的で、それによって副作用を減らし得るか、または特に好ましくは完全になくし得るさらなる考慮が施される場合があり、ここで、さらなる考慮は特に、同じバイオセンサ上のさらなる測定結果に基づき得る。本明細書において使用されるように、バイオセンサ内の生体内感度ドリフトは、生の電流Iに影響を及ぼし得て、そのため、方法ステップd)に従って、上記で定義されたような第1の特性値、および好ましくは第2の特性値を考慮に入れることによって補償される。第1の特性値および第2の特性値を判定する目的で、バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答は、本書類における他の箇所で説明されるような2つの異なる動作点において測定される。好ましい実施形態では、バイオセンサ内の生体内感度ドリフトはよって、第1の特性値、および、好ましくは、第2の特性値を使用することにより感度の実際値を判定することによって生の電流についての測定値を補正することによって補償される場合があり、それにより、ステップa)中に提供されるような感度対アドミッタンスの関係の値が考慮される。しかし、補償を導き出す他のやり方も適用可能であり得る。
しかし、感度S(t)の時間的ドリフトのみが測定され、そして所定の時間間隔が経過した後に、および/または、感度S(t)の時間的ドリフトが所定の閾値を超えた際にバイオセンサが較正され得る従来技術とは対照的に、本発明は同時に、感度S(t)の時間的ドリフトに対する、アドミッタンスY(t)の時間的な変動を考慮に入れることを可能にする。特に、式(5)によって表されるように、生体内感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)は、生体内動作中のバイオセンサ内の多くの変動に対して反応しない場合があり、よって、感度S(t)のみの同時の変化にかかわらず、変わらない場合がある。しかし、特に、式(5)の背景にある、バイオセンサの実際の動作メカニズムによって表されるように、所定の閾値を超える感度S(t)の時間的ドリフト、および/または、所定の時間間隔後のバイオセンサの再較正はよって、もう要求されない場合がある。その結果、本方法は、従来技術と比較すれば、較正の数を削減し、さらに、バイオセンサの、初期較正を、または、さらに好ましくは、工場較正を信頼することを可能にすることがある。これらの考慮事項に基づいて、本発明の方法はさらに、以下にさらに詳細に説明される、バイオセンサのフェールセーフ動作を監視するためにも適用することができる。
本発明の特に好ましい実施形態では、バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答を測定することは、特に、作用電極と参照電極との間のバイオセンサにおける電位差に少なくとも1つの電位ステップを印加することによる、非ファラデー法の適用によって実現され得る。この目的で、好ましくは、ポテンショスタットが使用され得る。本明細書において使用されるように、「電位ステップ」との語は、電気パルスの形式で提供され得るさらなる電位による、メンブレンを備える作用電極への衝撃を表し得る。ここでは、さらなる電位は好ましくは、電位ステップの印加後に、10μs、より好ましくは50μsから、1000μs、より好ましくは250μsまでの、特には略100μsの時間間隔にわたる電気パルスによって提供され得る。
これにより、電位ステップの高さは、バイオセンサのメンブレンに対して印加され得る、最大電圧Umaxまたは最大電流Imaxの一方を規定するために選択され得る。例として、電位ステップは、メンブレンにおける主たる電位E1に対する、時間間隔Δtにわたる、より高い、またはより低い電位E2の印加を含み、よって、時間間隔Δtにわたり、メンブレンに対する電位差ΔEを提供する。これに関して、正または負として電位ステップの符号が選択され得るということが強調され得る。ここでは、電位差ΔEは、好ましくは、10mVから500mVまでの、さらに好ましくは50mVから100mVまでのさらなる電圧を、主たる電位E1に対して提供し得る。
しかし、バイオセンサに対して時間変動電位を提供し得る場合がある、他の種類の手段も実現可能である。本明細書において使用されるように、これらの種類の手段も、「電位ステップ」との語に含まれ得る。特に、正弦または余弦波、または、正弦および/または余弦波の線形または非線形の組み合わせ、少なくとも1つの線形または非線形のスイープ(sweep)、例えばボルタンメトリ(voltammetry)によって提供される少なくとも1つの周期的に変動する信号も、バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答を判定することを可能にし得る限り、適用可能である。さらなる代替策として、バイオセンサの生体内電流応答は、交流電流信号の印加によって判定され得る。
作用電極の容量Cをさらに考慮に入れれば、電位ステップの印加後の電流I(t)の応答は、式(6)または式(7)の指数関数的減衰に従う場合があり、ここでImaxは最大電流を表し、I0はゼロ電流を表し、RMはメンブレンの電気抵抗を表し、RDは電子移動抵抗を表し、項τは、式(8)で表され、電位ステップによる電流の減衰に対して設定され、よって、バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示し得る時定数τを表す。
Figure 2020527059
Figure 2020527059
Figure 2020527059
さらなる結果として、以下の関係が生じており、ここで、式(12)の項Qは、電位ステップを介して電極表面に提供されるさらなる電荷を表す。
Figure 2020527059
Figure 2020527059
Figure 2020527059
Figure 2020527059
本発明によれば、これらの種類の測定は、好ましくは、2つの異なる時定数における生体内電流応答を観測することによって選択され得る2つの異なる動作点を使用することにおいて行われ得る。式(8)によれば、時定数τは、作用電極の電気容量Cおよびメンブレンの電気抵抗RMにより、式(8)によって判定される。
Figure 2020527059
特に好ましい実施形態では、第1の動作点はよって、τ未満で選択される場合がある一方、第2の動作点は、τを超えて、好ましくは、2τ、3τ、4または5τを超えて選択され得る。その結果、第1の動作点は、メンブレンの電気抵抗に関係し、よってメンブレンを担持する作用電極の幾何学的面積、メンブレンの厚さ、および少なくとも1つの種類のイオンに対するメンブレンの透過率についての情報を提供する第1の特性値を反映しており、一方第2の動作点は、作用電極の電気容量に関係し、よってメンブレンを担持する作用電極の実際の表面積、およびメンブレンにおいて利用可能な触媒および/またはメディエータの量についての情報を提供する第2の特性値を反映する。よって、第2の動作点は、バイオセンサのアーキテクチャに応じて、好ましくは、メンブレンの厚さおよび/またはメディエータ充填量に応じて選択され得る。さらに、さらなる考慮事項が考えられ得る。よって、この種の測定は、メンブレンの膨潤および解膨潤(swelling and de-swelling)中に生じ得る、メンブレンの異なる厚さ全てを一体的に考慮に入れるように構成され得る。
体液の試料内の分析物値を判定することとの関係において、本発明の方法は、バイオセンサのフェールセーフ動作を監視するために同時に使用される。一般に使用されるように、「フェールセーフ動作」との語は、分析物値に影響を及ぼし得る場合がある、バイオセンサ内の誤動作の検出を含む、バイオセンサの動作のモードを表し、誤動作は、触媒、メディエータ、および/または酵素活性などの、バイオセンサの動作に必要であるような物質の喪失、および/またはバイオセンサの、ある期間にわたるその動作中の構造変態によって生じ得る。好ましくは、フェールセーフ動作は、有効値なしの表示、再較正の推奨、およびバイオセンサの停止の要求のうちの少なくとも1つから選択される、バイオセンサの動作のモードを含む。この目的で、感度S、作用電極の電気容量C、およびメンブレンの電気抵抗RMが判定される場合があり、作用電極の電気容量Cおよびメンブレンの電気抵抗RMは、式(8)に従って時定数τによって互いに関係している。特に、バイオセンサの構造変態はよって、感度S、作用電極の電気容量C、およびメンブレンの電気抵抗RMのうちの少なくとも2つの変化を組み合わせることによって判定され得る。バイオセンサのフェールセーフ動作を監視するのに特に適した例示的な実施形態を以下に示す。
特に好ましい実施形態では、体液の試料内の分析物値、およびバイオセンサのフェールセーフ動作に関する情報はいずれも、予め定められた形式で患者またはユーザーに示され得る。ここでは、分析物値は、明示的な形式で、好ましくは、mg/dlにおいて、または、分析物値の時間的変動を示す曲線として表示され得る。バイオセンサのフェールセーフ動作に関して取得された明確な結果を示すか、または表示する代わりに、予定された反応に関するフラグが設けられてもよく、一方で、患者またはユーザーに明示的に通知することなく感度ドリフト補償が行われてもよい。例として、バイオセンサがフェールセーフ動作モードにある場合に、「有効値」を示すフラグを表示することが可能である一方で、バイオセンサがフェールセーフ動作モード外にある場合に、「有効値なし」、「再較正要」、または「停止(shut-off)」のうちの1つから選択されたフラグがその代わりに表示され得る。しかし、得られた結果を示すさらなる方法も実現可能であり得る。
さらに上述したように、本明細書において使用されるようなバイオセンサは、完全に埋め込み可能なバイオセンサ、または、代替的に、部分的に埋め込み可能なバイオセンサであり得る。特に、バイオセンサは、体液中の分析物の連続監視のために、好ましくは、皮下組織内、特に、血液などの間質液中の分析物の連続測定のために構成され得る。しかし、他の種類のバイオセンサの、および、バイオセンサの他の種類の適用も実現可能であり得る。さらに上述したように、分析物は、好ましくは、グルコースを含む場合があり、酵素はグルコースオキシダーゼ(GOD)である場合がある。あるいは、グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)などの他の種類の酵素も使用され得る。
本発明のさらなる態様において、上記方法を行うことにより、バイオセンサの生体内特性を検出する電子ユニットを開示する。この目的で、電子ユニットは、バイオセンサとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、電子ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するようにさらに構成される。
本明細書において使用されるように、「電子ユニット」との語は、バイオセンサと無関係に取り扱われ得る任意の装置、好ましくは電子装置を表し得る。電子ユニットは特に、電極のうちの少なくとも1つに対して電圧を印加し、および、同時に、またはその後、バイオセンサの電極のうちの1つによって生成される少なくとも1つの信号を検出するために、バイオセンサと相互作用するように構成され得る。この目的で、電子ユニットは、少なくとも1つの電気パルスを印加するように、および/または、以上および/または以下で説明するような少なくとも1つのインピーダンス測定を行うように構成され得る。この目的で、電子ユニットは特に、バイオセンサの少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの参照電極との間に電位を印加するように、および、それによって好ましくはバイオセンサの少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの参照電極との間に発生した生の電流を測定するように構成され得る。
電子ユニットは、さらに、バイオセンサの電極を使用することによって少なくとも1つの電流測定を行うように、特に、好ましくは同時に、または後に、少なくとも1つの直流電流信号および少なくとも1つの電流応答を検出するように構成され得る。この目的で、電子ユニットは特に、バイオセンサの電極に対して主たる電位および電位ステップの両方を印加することができるように、および、本明細書における別の箇所で記載するような応答を検出するように構成され得る。特に、電子ユニットはよって、直流電流測定ユニットを備え、電位ステップ応答測定ユニットを備えていてもよく、直流電流測定ユニットは生の電流を測定するように構成され得る一方、電位ステップ応答測定ユニットはバイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するように構成される。この目的で、電位ステップ応答測定ユニットは、少なくとも電荷カウンタ(charge counter)およびピーク検出器(peak detector)を備える。しかし、他の実施形態も実現可能であり得る。
電子ユニットはさらに、この検出から、体液の試料内の分析物に関係する分析物値に関する少なくとも1つの情報を導き出すように構成され得る。この目的で、電子ユニットは、特に、少なくとも1つの信号から少なくとも1つの分析物値を導き出すために、電極と相互作用する少なくとも1つの電子評価装置を備え得る。よって、電子ユニットは、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のうちの1つまたは複数などの、少なくとも1つのデータ処理装置を備える少なくとも1つの評価装置を備え得る。しかし、他の種類の装置も実現可能であり得る。
本発明のさらなる態様において、体液の試料内の少なくとも1つの分析物値を電気化学的に検出するバイオセンサを動作させるシステムを開示する。よって、システムは、体液の試料内の少なくとも1つの分析物値を電気化学的に検出するように構成された、以上および/または以下に説明するような、少なくとも1つのバイオセンサを備え、バイオセンサは、以上および/または以下に説明するような電子ユニットであって、よって、生の電流を測定し、バイオセンサの感度およびアドミッタンスを判定するように構成された電子ユニットを使用することにより、以上および/または以下に説明するような方法を行うことによって動作可能である。この目的で、電子ユニットは、本明細書の他の箇所で説明するような方法を行うことにより、バイオセンサ内の生体内感度ドリフトを補償するように構成される。
本発明による方法、電子ユニット、およびシステムは、従来技術に対するいくつかの利点を表す。従来技術と比べて、本発明の方法は特に、較正の数を削減することがあり、さらに、バイオセンサの初期較正を、または特に好ましい、製造業者によって一度だけ感度対アドミッタンスの関係を判定することなどによる工場較正を信頼することを可能にすることがある。
まとめれば、以下の実施形態は、本発明の可能性のある実施形態である。しかし、他の実施形態も実現可能である。
実施形態1: 体液の試料内の少なくとも1つの分析物値を判定する方法であって、バイオセンサは、電子ユニットとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサは少なくとも1つの作用電極を備え、作用電極は、メンブレンによって覆われ、分析物との反応をもたらすための酵素を含み、メンブレンは電気抵抗を有し、作用電極は電気容量を有し、電子ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成され、方法は、
a)バイオセンサの感度対アドミッタンスの関係を提供するステップと、
b)バイオセンサ内の生の電流を測定するステップと、
c)バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するステップであって、生体内電流応答が、少なくとも一つの第1の動作点において、および少なくとも一つの第2の動作点において測定され、第1の動作点はメンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するために選択され、第2の動作点は作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を提供するために選択されるステップと、
d)生の電流を使用することと、第1の特性値を使用して感度の実際値を判定することにより生の電流についての測定値を補正することによってバイオセンサ内の生体内感度ドリフトを補償することとによって体液の試料内の分析物値を判定するステップであって、それにより、ステップa)中に提供されるような感度対アドミッタンスの関係が考慮されるステップと、
e)第1の特性値および/または第2の特性値に基づいて、バイオセンサのフェールセーフ動作を監視するステップと
を含む方法。
実施形態2: バイオセンサの生体内特性を検出する方法であって、バイオセンサは、電子ユニットとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサは少なくとも1つの作用電極を備え、作用電極は、メンブレンによって覆われ、分析物との反応をもたらすための酵素を含み、メンブレンは電気抵抗を有し、作用電極は電気容量を有し、電子ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成され、方法は、
a)バイオセンサの感度対アドミッタンスの関係を提供するステップと、
b)バイオセンサ内の生の電流を測定するステップと、
c)バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するステップであって、生体内電流応答が、少なくとも一つの第1の動作点において、および少なくとも一つの第2の動作点において測定され、第1の動作点はメンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するために選択され、第2の動作点は作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を提供するために選択されるステップと、
d)生の電流を使用することと、第1の特性値と第1の特性値および/または第2の特性値に基づくバイオセンサのフェールセーフ動作とを考慮することによりバイオセンサ内の生体内感度ドリフトを補償することとによって体液の試料内の分析物値を判定するステップとを含む方法。
実施形態3: 第1の特性値および第2の特性値の両方が、分析物値を判定するために考慮される、実施形態1または2記載の方法。
実施形態4: 少なくとも、バイオセンサが少なくとも2つの電極を有する、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
実施形態5: バイオセンサが少なくとも、メンブレンを備える作用電極と、参照電極と、対向電極とを備え、作用電極と参照電極との間に電位差が印加される、実施形態4記載の方法。
実施形態6: 作用電極、参照電極、および対向電極がポテンショスタットを介して接続され、作用電極と参照電極との間にポテンショスタットを介して電位差が印加される、実施形態5記載の方法。
実施形態7: バイオセンサの感度は、分析物値に対する生の電流の経過を観測することから判定される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
実施形態8: 生の電流は、作用電極と対向電極との間で測定される、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の方法。
実施形態9: 分析物値は、体液中の分析物の濃度を表す、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
実施形態10: バイオセンサの感度Sは、バイオセンサの生の電流Iを測定することによって判定され、それにより、式(1)
Figure 2020527059
により、分析物の濃度cが考慮に入れられ、ここでI0は考えられるゼロ電流である、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
実施形態11: 第1の特性値は、メンブレンの電気抵抗に関係し、好ましくは比例する値を含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
実施形態12: 第1の特性値は、メンブレンを担持する作用電極の幾何学的面積、メンブレンの厚さ、および、少なくとも1つの種類のイオンに対するメンブレンの透過率に比例する、実施形態11に記載の方法。
実施形態13: 第2の特性値は、作用電極の電気容量に関係し、好ましくは比例する値を含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
実施形態14: 第2の特性値は、メンブレンを担持する作用電極の実際の表面積、および、電極内で利用可能な触媒および/またはメディエータの量に比例する、実施形態13記載の方法。
実施形態15: 時定数τは、作用電極の電気容量Cおよびメンブレンの電気抵抗RMにより、
Figure 2020527059
による式(8)によって判定され、ここで、第1の動作点はτ未満で選択され、第2の動作点はτを超えて選択される、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
実施形態16: 第2の動作点は、2τ、3τ、4τ、または5τのうちの1つを超えて選択される、実施形態15に記載の方法。
実施形態17: バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答は、バイオセンサが備える2つの電極間への少なくとも1つの時間変動電位の印加によって判定される、実施形態1〜16のいずれか1つに記載の方法。
実施形態18: バイオセンサの生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答は、2つの電極間に提供された電位差に対する少なくとも1つの電位ステップの印加によって判定される、実施形態17に記載の方法。
実施形態19: 少なくとも1つの電位ステップは、2つの電極間に、正または負の符号のいずれかを有するさらなる電位を印加することを含む、実施形態18に記載の方法。
実施形態20: さらなる電位は、電位ステップの印加後、10μs、好ましくは50μsから、1000μs、好ましくは250μsまでの、特には略100μsの時間間隔にわたる電気パルスによって提供される、実施形態19に記載の方法。
実施形態21: さらなる電位は、電位差に加えて、10mVから500mVまでの、さらに好ましくは50mVから100mVまでのさらなる電圧を有する電気パルスによって提供される、実施形態19または20記載の方法。
実施形態22: 生体内電流応答は最大電流を表す、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の方法。
実施形態23: 最大電流は、第1の動作点において、好ましくは、電位ステップの印加後、10μsから100μsまでの時間間隔内で観測される、実施形態22に記載の方法。
実施形態24: メンブレンの電気抵抗RMは、
Figure 2020527059
による式(9)によって判定され、ここで、ΔEはバイオセンサに対して印加された電位差の高さであり、Imaxは電流応答によって示される最大電流である、実施形態22または23記載の方法。
実施形態25: 作用電極の電気容量Cは、電位ステップの結果としてのバイオセンサの蓄積電荷Q(t)の第2の動作点までの時間的経過を観測することによって、および、電位ステップ中にバイオセンサに対して印加された電位差ΔEの高さを使用することによって判定される、実施形態23または24記載の方法。
実施形態26: バイオセンサの構造変態は、感度S、メンブレンの電気抵抗RM、および作用電極の電気容量Cのうちの少なくとも2つの変化を組み合わせることによって判定される、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の方法。
実施形態27: 分析物値は、明示的な形式で、好ましくは、mg/dlで、および/または、分析物値の時間的変動を示す曲線として表示され、および、好ましくは同時に、バイオセンサがフェールセーフ動作モードにある場合、「有効値」を示すフラグが表示され、バイオセンサがフェールセーフ動作モード外の場合、「有効値なし」、「再較正要」、または「停止」のうちの1つから選択されたフラグが表示される、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態28: 感度対アドミッタンスの関係は、バイオセンサの感度についての少なくとも1つの値を使用することによって判定され、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答についての少なくとも1つの値が使用される、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の方法。
実施形態29: フェールセーフ動作は、有効値なし、再較正の推奨、および、バイオセンサの停止の要求のうちの少なくとも1つから選択された、バイオセンサの動作のモードを含む、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の方法。
実施形態30: バイオセンサの較正は、複数の較正、好ましくは初期較正、および最も好ましくは工場較正のうちの少なくとも1つから選択される、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の方法。
実施形態31: バイオセンサは、完全に埋め込み可能なバイオセンサ、または部分的に埋め込み可能なバイオセンサである、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の方法。
実施形態32: バイオセンサは、分析物を連続して監視するためのバイオセンサである、実施形態31記載の方法。
実施形態33: バイオセンサは、皮下組織内の分析物の連続測定のためのバイオセンサである、実施形態32に記載の方法。
実施形態34: バイオセンサは、体液中の分析物の連続測定のためのバイオセンサである、実施形態33に記載の方法。
実施形態35: バイオセンサは、間質液中の分析物の連続測定のためのバイオセンサである、実施形態34に記載の方法。
実施形態36: バイオセンサは、血液中の分析物の連続測定のためのバイオセンサである、実施形態35に記載の方法。
実施形態37: 分析物がグルコースを含む、実施形態32〜26のいずれか1つに記載の方法。
実施形態38: 酵素がグルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼのうちの1つである、実施形態37に記載の方法。
実施形態39: 先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法を行うことにより、バイオセンサの生体内特性を検出する電子ユニットであって、電子ユニットは、バイオセンサとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサは少なくとも1つの作用電極を備え、作用電極は、メンブレンによって覆われ、および、分析物との反応をもたらすための酵素を含み、電子ユニットはさらに、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成される。
実施形態40: 直流電流測定ユニットおよび電位ステップ応答測定ユニットを備え、直流電流測定ユニットは生の電流を測定するように構成され、電位ステップ応答測定ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答を測定するように構成される、実施形態39記載の電子ユニット。
実施形態41: 電位ステップ応答測定ユニットは少なくとも、電荷カウンタおよびピーク検出器を備える、実施形態40記載の電子ユニット。
実施形態42: ピーク検出器は、メンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を測定するように構成される、実施形態41記載の電子ユニット。
実施形態43: 電荷カウンタは、作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を測定するように構成される、実施形態41または42記載の電子ユニット。
実施形態44: 先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法を行うことにより、バイオセンサの生体内特性を検出する電子ユニットであって、電子ユニットは、バイオセンサとの相互動作において、体液の試料内の分析物の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、バイオセンサは少なくとも1つの作用電極を備え、作用電極は、メンブレンによって覆われ、および、分析物との反応をもたらすための酵素を含み、電子ユニットはさらに、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成され、電子ユニットは、電位ステップ応答測定ユニットを備え、電位ステップ応答測定ユニットは、バイオセンサのアドミッタンスを示す電流応答を測定するように構成され、電位ステップ応答測定ユニットは、少なくとも1つの電荷カウンタおよび少なくとも1つのピーク検出器を備え、ピーク検出器は、メンブレンの電気抵抗に関係する第1の特性値を測定するように構成され、電荷カウンタは、作用電極の電気容量に関係する第2の特性値を測定するように構成される、電子ユニット。
実施形態45: 電子ユニットが直流電流測定ユニットを備え、直流電流測定ユニットは生の電流を測定するように構成される、実施形態44記載の電子ユニット。
実施形態46: 電子ユニットはさらに、バイオセンサの少なくとも1つの作用電極と少なくとも1つの参照電極との間の電位を印加するように、および、それによって発生した生の電流を好ましくはバイオセンサの作用電極と対向電極との間で測定するように構成される、電子ユニットを参照する先行する実施形態のいずれか1つに記載の電子ユニット。
実施形態47: 体液の試料内の少なくとも1つの分析物値を電気化学的に検出するバイオセンサを動作させるシステムであって、システムは、方法を参照する先行する実施形態のいずれか1つに記載の方法を行うことによって動作可能であって体液の試料内の少なくとも1つの分析物値を電気化学的に検出する少なくとも1つのバイオセンサと、電子ユニットを参照する先行する実施形態のいずれか1つに記載の電子ユニットと、を備える。
本発明のさらなる詳細は、以下の好ましい実施形態の開示から導き出し得る。実施形態の特徴は、単離されたやり方で、または任意の組み合わせで実現され得る。本発明は、実施形態に制限されるものでない。実施形態は、図において概略的に描かれている。図中の同一の参照番号は同一の構成要素、または機能的に同一の構成要素、または、機能に関して互いに対応している構成要素それぞれを表す。
バイオセンサの感度を判定するように構成された電気回路を概略的に示す。 バイオセンサの感度を測定するための概略的なメカニズムを示す。 バイオセンサの誘電特性を測定するための概略的なメカニズムを示す。 バイオセンサに対する電位ステップの印加を示す。 対応するバイオセンサの電流応答の経過を示す。 バイオセンサの関連する電荷を示す。 バイオセンサの周波数挙動を可視化したボード線図中の対応するバイオセンサのインピーダンスの経過の図示を示す。 バイオセンサの感度の時間的経過を示す。 バイオセンサのアドミッタンスの時間的経過を示す。 バイオセンサの感度対アドミッタンス比の時間的経過を示す。 バイオセンサの中央値からの感度対アドミッタンス比の相対偏差の時間的経過を示す。 バイオセンサの容量の時間的経過を示す。 バイオセンサ内の電流の時間的経過を示す。 バイオセンサ内のアドミッタンスの時間的経過を示す。 バイオセンサ内の電流対アドミッタンス比の時間的経過を示す。 バイオセンサおよび電子装置を備えるシステムの概略的な回路図を示す。 電荷判定に特に構成された回路の好ましい例を示す。 ピーク判定に特に構成された回路の好ましい例を示す。 ピーク判定に特に構成された回路の好ましい例を示す。 ピーク判定に特に構成された回路の好ましい例を示す。
図1は、バイオセンサ110の感度Sの判定に関するいくつかの態様を概略的に示す。全体として電気化学セルを構成するバイオセンサ110を特徴付ける目的で、図1において概略的に示すような電気回路112が適用可能であり得る。ここでは、ポテンショスタット114が使用され、ポテンショスタット114は、バイオセンサ110の電極118、すなわち作用電極120、参照電極122、および対向電極124のうちの1つにそれぞれが共に接続された出力116を備える。ポテンショスタット114は、バイオセンサ110内の電極118のうちの2つの間、特に、作用電極120と参照電極122との間の電位差を調節し、および/または測定するように構成され得る。この目的で、ポテンショスタット114は、対向電極124を介してバイオセンサ110に電流を注入することができるために実現され得る。よって、電気回路112は、作用電極120と参照電極122との間の電位差を調節し、および、代替的にまたは付加的に、作用電極120と対向電極124との間の生の直流電流Iを測定することの両方を可能にし得る。その結果、電気回路112は、作用電極120と対向電極124との間の生の電流Iを測定し得る場合がある。
Figure 2020527059
式(1)において、項I0は、考えられるゼロ電流を表し、式(1)によれば、さらに、バイオセンサ110の感度Sは、バイオセンサ110によって判定されるグルコースなどの分析物の濃度cに対する生の直流電流Iの経過から得ることができる。よって、電気回路112は、バイオセンサ110に対して適用されるような、グルコースプロファイルなどの分析物プロファイルに対するバイオセンサ110の応答全体を提供し得る場合がある。しかし、生のDC電流Iは、以下にさらに詳細に説明するように、バイオセンサ110の異なる区画から生じ得る影響間で区別することができない。電気回路112では、アーチファクトを検出するためのさらなる電気化学手法は作用電極120だけに適用され得る一方、参照電極122または対向電極124に関するアーチファクトは、これによっても検出不能なままであり得る。
図2Aは、バイオセンサ110の「機能試験」としても表され得る、バイオセンサ110の感度Sの生体内判定の特に好ましいメカニズムを、非常に概略的な方法で示す。バイオセンサ110では、ある表面積Aを有する作用電極120は通常、基板126上、好ましくはフレキシブルプリント回路板128上に配置される場合があり、ソルダーレジスト130を備え得る。さらに、作用電極120は、ある厚さdを有するメンブレン132によって覆われている。ここでは、メンブレン132は、好ましくは、酵素134、特に、しばしば「GOD」と略されるグルコースオキシダーゼを含み得る。体液140によって供給されるような分析物136、特にグルコース、および酸素138の反応は、触媒および/またはメディエータとして作用電極120の表面においても存在している二酸化マンガンMnO2と反応し得る過酸化水素H22の形成につながり、それにより、作用電極120に対して自由電子2e-を供給し、それにより、生の直流電流Iが生成される。
Figure 2020527059
式(3)によれば、作用電極120の表面積Aおよびメンブレンの厚さd以外に、グルコースなどの分析物に対するメンブレン132の透過率Panaが、バイオセンサ110の感度Sに影響を及ぼし得る場合がある。その結果、バイオセンサ110の機能試験は、製造の影響によって変動し得るメンブレン132の厚さdおよび面積などのいくつかの不確定要素に依存し得るバイオセンサ110の感度Sをもたらし得る。
図2Bは、バイオセンサ110の生体内「誘電特性」または「生体内特性の検出」としても表し得る、バイオセンサ110の生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答の測定の特に好ましいメカニズムを、非常に概略的な方法で示す。やはり、表面積Aを有する、バイオセンサ110の作用電極120は通常、フレキシブルプリント回路板128などの基板126上に配置される場合があり、ソルダーレジスト130を備え得る。特に好ましいものとして、作用電極120は、厚さdを有するメンブレン132によって覆われ得る。やはり、メンブレン132は好ましくは、酵素134、特にグルコースオキシダーゼを含み得る。
Figure 2020527059
式(4)によれば、バイオセンサ110のアドミッタンスY(t)は、Na+またはCl-イオンなどのイオンに対する、メンブレンの透過率Pion、メンブレンの厚さd、および電極118の面積Aに依存し得る。
図2Bにさらに示すように、電極118の表面積Aは、以下の図8で概略的に描くように、二重層容量によって表される二重層を有することによって説明される場合があり、二重層容量はバイオセンサ110の生体内電流応答を測定することによって判定され得る。本明細書において使用されるように、二重層容量は、電極118の表面積Aを表す量として使用され得る。二重層容量の測定は、電極表面に関する変化、特に、電極118の接触の喪失、枯渇、または剥離を明らかにし得る。その結果、二重層容量の測定は、さらなるパラメータとして採り入れられ、特に、バイオセンサの動作に関するさらなるフェールセーフ情報を提供するように適用され得る。
図2Aおよび図2Bに概略的に示すように、それぞれの結果を比較することにより、有利には、式(5)により、分析物およびイオンそれぞれに対するメンブレンの透過率Pana、Pionの比率のみに依存する感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)が判定され得る。
Figure 2020527059
上述したように、判定された感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)は、メンブレン132のそれぞれの透過率に関する固有のメンブレン輸送特性の現在の状態についての情報を提供することを可能にし得る一方、バイオセンサの幾何学的特性、特に、メンブレン132の厚さdおよび作用電極120の幾何学的面積Aは無視することが可能である。その結果、感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)を判定することにより、バイオセンサ110の生体内動作中のメンブレン132の膨潤などによる、メンブレン132の厚さdの変化を無視することが可能である。
図3は、バイオセンサの生体内アドミッタンスY(t)を示す生体内電流応答を判定するように構成された好ましい実施形態としての、バイオセンサ110に対する電位ステップ150の印加と、電位ステップ150の印加に対するバイオセンサ110の応答とを示す。
図3Aに概略的に表すように、電位ステップ150は、メンブレンにおける主たる電位E1に対する、時間間隔Δt=t1−t0にわたる高電位E2の印加とみなされ、よって、メンブレンに対して時間間隔Δtにわたる電位差ΔEを提供し得る。代替策(ここでは図示せず)として、メンブレンにおける主たる電位E1に対して、時間間隔Δtにわたる低電位E2を印加し、よって、ここでも、メンブレンに対して時間間隔Δtにわたる電位差ΔEを設け得る。さらなる代替策は、異なる時間変動電位、特に、時間変動波形、少なくとも1つの線形または非線形のスイープ、または、さらに詳細に上述したものなどの少なくとも1つの周期的に変動する信号を使用し得る。単純化するために、電位ステップ150は、以下において、これらの時間変動電位のいずれかを含む。
図3Bは、時点t0=0sにおけるバイオセンサ110に対する第1の電位ステップの第1の印加、および、その後、時点t1=0.24sにおけるバイオセンサ110に対する第2の電位ステップの第2の印加によって影響を受けるときのバイオセンサ110の電流応答I(t)の対応する経過152を概略的に示し、これにより、この特定の例では、第2の印加は、第1の電位ステップの第1の印加に対する第2の電位ステップの反転符号を示す。しかし、電位ステップの他の種類の印加も実現可能であり、電位ステップ150の符号を変化させる以外に、代替的にまたは付加的に、電位差ΔEの高さも変化させ得る。
これにより、メンブレン132の容量Cを考慮に入れれば、電位ステップ150の印加後のメンブレン132における電流I(t)は、図3Bに概略的に表すように、正の符号を示す第1の電位ステップの第1の印加後に、式(6)または(7)のいずれか1つによって表し得る指数関数的減衰154を示す場合があり、ここで、Imaxは最大電流を表し、I0はゼロ電流を表す。負の符号の電位ステップ150の場合、第2の電位ステップの第2の印加後のメンブレン132における電流I(t)は、符号を互い違いにすることで表すことが可能である。
Figure 2020527059
Figure 2020527059
図3Bおよび式(8)においてさらに示すように、指数関数的減衰154は、項τを参照することによって表すことが可能であり、ここで、項τは、バイオセンサ110に対する電位ステップ150の印加の結果として、電流I(t)の指数関数的減衰154に対して設定され得る時定数τに関する。一般に使用されるように、時定数τは、ある時間間隔の開始時における初期強度からその時間間隔の経過後に初期強度の約l/e≒0.367879の値まで減少する当該時間間隔に関係するものとして定義され得る。しかし、当該時間間隔後の当初強度の約1/2の値への強度の減衰などの、時定数τに対する他の種類の定義も適用可能であり得る。
Figure 2020527059
特に、図3Bにおいて概略的に表すような指数関数的減衰154は、よって、式(9)により、メンブレン132の電気抵抗RMを判定するために使用される場合があり、これにより、電位ステップ150中にバイオセンサ110に対して印加されたような電位差ΔEの高さ、および観測された最大電流Imaxのみを、時定数τ未満の第1の動作点156における、好ましくは電位ステップ150の印加後10μs〜100μsの時間間隔における、バイオセンサ110の電流応答I(t)の経過152から導き出すことが可能である。
Figure 2020527059
加えて、図3Bにさらに概略的に表すように、第2の動作点158は、作用電極120の電気容量Cを判定するために、τを超えて、好ましくは、2τ、3τ、4τ、または5τを超えて選択される。式(11)による、容量Cの一般的な定義を適用することにより、これは、電位ステップ150の印加により、メンブレン132に対して提供された、式(12)のさらなる電荷Q(t)を判定することを可能にし得る。
Figure 2020527059
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図3Cは、時点t0=0sにおける、バイオセンサ110に対する第1の電位ステップの第1の印加、および、その後の、時点t1=0.24sにおける、バイオセンサ110に対する第2の電位ステップの第2の印加によって影響を受けるような、バイオセンサ110のさらなる電荷Q(t)の対応する経過160を概略的に示しており、それにより、この特定の例では、第2の印加は、ここでも、第1の電位ステップの第1の印加に対する、第2の電位ステップの反転符号を表す。
図4は、通常、強度対印加周波数fを表すボードゲイン線図と、位相シフト対印加周波数fを表すボード位相線図との組み合わせを表す「ボード線図」を概略的に表している。図4に示すように、バイオセンサ110に対して印加されるような交流電圧または電流の周波数fの10を底とする対数に対して、左側では、インピーダンスZ(単位:Ω)の絶対値の対数を、および、右側では、バイオセンサ110の応答の位相シフトをプロットしている。図4では、種々の曲線162は、周波数fの対数に対する、インピーダンスZの絶対値の対数に関するボードゲイン線図を表す。
図4においてさらに見られるように、曲線162は、所定の周波数範囲において生じ得る種々の特徴を表す。一方で、より低い周波数に向かって観測可能なインピーダンスZの増加164は通常、図2Bを参照して上述したように、二重層CDLの容量性挙動に起因すると考えられる。他方で、より高い周波数に向かって観測可能なインピーダンスZの減少166は通常、メンブレン抵抗の高周波オーミック挙動に起因すると考えられる。
図4によってさらに開示されるように、曲線群162は、特に、1Hz〜10kHzの、特に3Hz〜3kHzの、特に10Hz〜1kHzの範囲において、互いに対する相違168を表す。メンブレン132の電気抵抗の変化170を表すこの挙動は一般に、上述したように、バイオセンサ110の生体内動作中のメンブレン132の膨潤の結果などとして、メンブレン132の透過率および厚さの変化に起因する場合がある。よって、特に、示された範囲における単一の周波数の印加により、バイオセンサ110のインピーダンスZを測定することは、有利であり得る。
図5は、本明細書に記載されたような測定によって提供され得る、バイオセンサ110に関するいくつかの数量の時間的経過を示す。
まず、図5Aは、式(1)により、バイオセンサ110の感度Sに比例する、分析物の一定の濃度cにおけるバイオセンサ110の電流応答I(t)の時間的経過を示す。図5Aから導き出すことが可能であるように、最大100%まで累積する大きな感度変動は、特に、例えば式(3)によって表されるように、メンブレン132の膨潤によって生じ得る。その結果、バイオセンサ110の感度Sは、バイオセンサ110の動作に対して、感受性を有しており、よって、分析物の濃度cが一定に留まり得る場合でも、バイオセンサ110内の生体内ドリフトを判定するのに適していない。
同様に、図5Bは、バイオセンサ110のアドミッタンスY(t)の時間的経過を示し、曲線172が電位ステップ150の印加によって得られている一方、曲線174は、特に、比較の目的で、電気化学インピーダンス分光法(EIS)の適用によって得られている。曲線172、174の生成の方法にかかわらず、バイオセンサ110のアドミッタンスYは、例えば、式(4)によって表されるように、メンブレン132の膨潤によってその値が変化するので、バイオセンサ110の幾何学的特性に依存する。
これとは対照的に、図5Cは、式(5)によれば、バイオセンサの幾何学的特性に、特に、メンブレン132の厚さdにも、作用電極120の表面積Aにも依存しない、バイオンセンサ110の感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)の時間的経過を示す。ここでも、曲線172が電位ステップ150の印加によって得られている一方、曲線174はEISの適用によって得られている。その結果、バイオセンサ110の感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)は、分析物およびイオンに対する、メンブレン132の透過率Pana、Pionに関する固有のメンブレン輸送特性の現在の状態についての情報を提供することを可能にする。図5Cから導き出すことが可能であるように、固有のメンブレン輸送特性が一定に留まる限り、バイオセンサ110の感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)の時間的経過は、ここに表すような時間間隔にわたるメンブレン132の膨潤などの、メンブレン132の他の変化によって影響を受けない状態に留まる。その結果、図5Cに表すように、バイオセンサ110の感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)は、その後、生の電流を使用することによって分析物値を判定する際に補償されるバイオセンサ110の生体内ドリフトを判定することを可能にする。
図5Cの一種の拡大図として、図5Dは、中央値からの偏差のパーセントで表される中央値からの感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)の相対偏差の時間的経過を示し、ここでも、曲線172が電位ステップ150の印加によって得られている一方、曲線174はEISの適用によって得られている。図5Dから導き出すことが可能であるように、中央値からの、感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)の相対偏差は、バイオセンサ110内のメンブレン132の温度がわずかに変化する期間176以外の、表された時間間隔にわたって一定の状態に留まる。実際に、温度の変化は、図5Cにおいて注目を集めるには小さすぎるため、特に小さいものとみなし得る。温度変化がバイオセンサ110の生体内ドリフトを引き起こす要因とみなされ得るので、この種の挙動はよって、感度対アドミッタンス比S(t)/Y(t)の判定が、バイオセンサ110の生体内ドリフトを判定するのに特に適した妥当な数量であるように思われるということを明確に表している。
代替的な手法として、図5Eは、やはり、曲線174がEISの適用によって得られている一方で、電位ステップ150の印加によって得られている曲線172を示す、バイオセンサ110の容量Cの時間的経過を示す。図5Cと同様に、バイオセンサ110の容量Cの時間的経過は事実上、表された時間間隔にわたって一定の状態に留まっている。
図6は、本明細書において記載したような電位ステップ150の印加によって提供される、バイオセンサ110に関するいくつかの生体内特性の時間的経過のさらなる例を示し、図5A〜図5Eとは対照的に、時間の目盛は、ここでは、丸2日半超におよぶ。
ここでは、図6Aは、分析物グルコースの一定の濃度c=10mMにおけるバイオセンサ110の電流応答I(t)の時間的経過を示す。バイオセンサ110の対応するアドミッタンスY(t)を図6Bに表す一方、図6Cに示すような対応する電流対アドミッタンス比I(t)/Y(t)は、ここで該当するような分析物の一定の濃度における、バイオセンサ110の感度対アドミッタンスS(t)/Y(t)比に比例する。ここでも、図6Cから、動作の最初の数時間以外は、バイオセンサ110の感度対アドミッタンスS(t)/Y(t)比が、±5%の閾値内で一定の状態に留まっており、よって、ここでは、バイオセンサ110の完全に補償された感度ドリフトを示唆している。
図7は、バイオセンサ110および電子ユニット202を備えるシステム200の概略的な回路図を示し、電子ユニット202は、直流電流測定ユニット204および電位ステップ応答測定ユニット206を備える。考えられる他の実施形態と比較すれば、図7の回路は、マイクロコントローラに対する負荷を削減し、よって、削減された技術的努力で電子ユニット202内のより高速な処理を提供することを可能にする、より多くのアナログ電子素子を備える。
図7に表すように、直流電流測定ユニット204は、上述したようなポテンショスタット114を制御し得、入力210によって駆動され得、特に、生の電流Iを測定するための電位の印可、および付加的に、バイオセンサ110の生体内アドミッタンスを測定するための電位ステップ150の印加により、電極118、特に、作用電極120、参照電極122、および対向電極124を駆動させるアナログコントローラ208を備える。さらに、直流電流測定ユニット204は、分析物グルコースについて測定されるような、生の電流I、または当該生の電流Iに関する値、好ましくは電圧変換された生の電流Iである、DC出力214を測定および提供するように構成された、グルコース電流測定ユニット212を備える。しかし、他の種類の値もDC出力214において提供され得る。
図7の例示的な実施形態においてさらに示すように、電子ユニット202は、直流電流測定ユニット204が備えるようなグルコース電流測定ユニット212と、電位ステップ応答測定ユニット206が備えるような1つまたは複数のユニットとの間で、バイオセンサ110の、特に、作用電極120の出力を切り換えることを可能にするように、特に、生の電流Iに加え、バイオセンサ110のアドミッタンスを測定することを可能にするように構成された、いくつかのスイッチ216(ここでは、4つのスイッチ216が実際に表されている)をさらに備える。
この目的で、電位ステップ応答測定ユニット206は、作用電極120のメンブレン132内に蓄積された電荷Cに関する値を電荷出力220に提供し得る電荷カウンタ218を備え得る。電荷カウンタ218として使用されるように構成された回路の好ましい例を図8に示す。
さらに、電位ステップ応答測定ユニット206は、作用電極120のメンブレン132内に蓄積されたピーク電荷に関する情報をピーク情報出力224に提供し得るピーク検出器222を備える場合があり、ピーク情報は好ましくは、最大電流Imax、またはそれに関する値、特に、電圧変換最大電流Imaxであり得る。ピーク検出器222として使用されるように構成された回路の3つの異なる例示的な実施形態を図9A〜9Cに示す。
図7に表すような例示的な実施形態によれば、電位ステップ応答測定ユニット206はさらに、バイオセンサ110への電位ステップ150の印加に対する電流応答I(t)の経過152の高速サンプリングを可能にするように構成され得る、高速サンプリングブロック226を備え得る。ここでは、電流応答I(t)の経過152は、よって、電位ステップ応答測定ユニット206の他の2つのユニット218、222によって提供されるような電荷Cおよび最大電流Imaxに加えて、使用することが可能なさらなる情報を提供し得る。これに加えて、電位ステップ応答測定ユニット206は、バイオセンサ110によって提供されるような出力を処理し、それにより、さらなる情報、または、特に冗長性の目的で同じ情報を取得するためのさらなるユニットを備え得る。
上述したように、図8は、電荷判定のための回路228の好ましい例を示す。そこに示すように、回路228は、連続する3つの段230、232、234を備え、各段230、232、234は演算増幅器(operational amplifier)を有する。ここでは、第1の段230は、出力としての抵抗器R24後の接続点236における、電圧変換された電流応答I(t)の経過152を提供する電流電圧変換器(current-voltage converter)である。第2の段232が差動増幅器(differential amplifier)である一方、第3の段234は、回路228の出力において電荷Cについての所望の値を提供するように構成された積分ユニット(integration unit)である。
図9A〜9Cはそれぞれ、特に、ピーク判定に対して構成された回路238の好ましい例を示す。
図9Aに示すように、回路238は、連続する3つの段240、242、244を備え、各段240、242、244は演算増幅器を有する。ここでは、第1の段240は、ここでも、電流‐電圧変換器である一方、第3の段244は、ここでも、差動増幅器である。第2の段242は、入来する電荷が、逆バイアスダイオードD1のために直ちに放電し得ないキャパシタC1に蓄えられることをもたらすキャパシタC1および逆バイアスダイオードD1の組み合わせを備える。その結果、キャパシタC1および逆バイアスダイオードD1の組み合わせにより、その後、第3の段244において増幅されるピーク値が判定され得る。この特定の実施形態によれば、キャパシタC1の最終的な放電は、ある期間後にのみ、実現され得る。この期間後にのみ、回路238のこの特定の実施形態を使用することにより、さらなるピーク値が判定され得る。
よって、測定のより高速の反復を可能にするために、図9Bおよび9Cに示すような、ピーク判定のための修正された回路238が好ましくは、使用され得る。ここでは、図9Bの回路238は、ダイオードD2、キャパシタC2、およびスイッチSW1の組み合わせを有する第2の段246を備え、スイッチSW1は、必要に応じて、キャパシタC2を放電するために使用され得る。さらに、図9Cの回路238は、改善されたピーク判定を可能にする4つの段240、250、248、244を有する構成を備える。
上述したように、本方法はさらに、バイオセンサ110のフェールセーフ動作を監視するステップを備える。この目的で、少なくとも2つ、好ましくは3つの測定値の組み合わせを使用し得る。特に、以下の値が、対応する技術的部分および効果に関係するものとみなされ得る。
− バイオセンサ110の感度Sは、メンブレン132内の酵素活性、メンブレン132内の触媒および/またはメディエータの量、および、特に、工場較正によってまたは初期較正によって取得された較正値に関係する場合があり、
− メンブレン132の電気抵抗RMは、一方で、生体内のメンブレン132の膨潤(膨潤時に遅い反応をもたらす)に関係する場合があり、および、他方で、電極材料とのメンブレン132の接触(喪失の場合に、速い反応をもたらす)に関係する場合があり、並びに、
− 作用電極120の電気容量Cは一方で、作用電極120における触媒および/またはメディエータの量(喪失の場合に、遅い反応をもたらす)に関係する場合があり、および、他方で、電極パッドとの作用電極120の接触(喪失の場合に、速い反応をもたらす)の喪失に関係する場合がある。
よって、バイオセンサ110の感度Sの挙動に関する情報は、それらがバイオセンサ110内の多くの異なる変化の結果であり得るため、不十分な場合がある。しかし、それでもなお、バイオセンサ110の感度Sの挙動に関する情報を、メンブレン132の電気抵抗RMおよび作用電極120の電気容量Cについてのさらなる情報と組み合わせることが、特に、以下の表に従ってバイオセンサ110のフェールセーフ動作を監視するために可能な場合がある。ここでは、生体内較正によるバイオセンサ110の感度Sの利用可能性によって、メンブレン132の電気抵抗RMおよび作用電極120の電気容量Cについての情報を、補償のために、またはフェールセーフ動作時において使用し得るか否かが判定されてもよい。
Figure 2020527059
表に示すように、バイオセンサ110の感度S、メンブレン132の電気抵抗RM、および作用電極120の電気容量Cのうちの少なくとも1つにおける変化の観測に関する考えられる反応は、
− 自動的な「感度ドリフト補償」、
− 「有効値なし」の表示、
− 「再較正」の推奨、または、
− バイオセンサ110の「停止」の要求
の少なくとも1つから選択され得る。
110 バイオセンサ
112 電気回路
114 ポテンショスタット
116 出力
118 電極
120 作用電極
122 参照電極
124 対向電極
126 基板
128 プリント回路板
130 ソルダーレジスト
132 メンブレン
134 酵素
136 分析物
138 酸素
140 体液
150 電位ステップ
152 電流応答の経過 I(t)
154 指数関数的減衰
156 第1の動作点
158 第2の動作点
160 さらなる電荷の経過 Q(t)
162 ボード位相線図中の曲線
164 より低い周波数に向かっての増加
166 より高い周波数に向かっての減少
168 相違
170 電気抵抗の変化
172 電位ステップの印加によって得られる曲線
174 交流電流の印加によって得られる曲線
200 システム
202 電子ユニット
204 直流電流測定ユニット
206 電位ステップ応答測定ユニット
208 アナログコントローラ
210 入力
212 グルコース電流測定ユニット
214 DC出力
216 スイッチ
218 電荷カウンタ
220 電荷出力
222 ピーク検出器
224 ピーク情報出力
226 高速サンプリングブロック
228 電荷判定のための回路
230 段
232 段
234 段
236 接続点
238 ピーク判定のための回路
240 段
242 段
244 段
246 段
248 段
250 段

Claims (15)

  1. バイオセンサ(110)の生体内特性を検出する方法であって、前記バイオセンサ(110)は、電子ユニット(202)との相互動作において、体液(140)の試料内の分析物(136)の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、前記バイオセンサ(110)は少なくとも1つの作用電極(120)を備え、前記作用電極(120)は、メンブレン(132)によって覆われ、前記分析物(136)との反応をもたらすための酵素(134)を含み、前記メンブレン(132)は電気抵抗を有し、前記作用電極(120)は電気容量を有し、前記電子ユニット(202)は、前記バイオセンサ(110)のアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成され、前記方法は、
    a)前記バイオセンサ(110)の感度対アドミッタンスの関係を提供するステップと、
    b)前記バイオセンサ(110)内の生の電流を測定するステップと、
    c)前記バイオセンサ(110)の前記生体内アドミッタンスを示す生体内電流応答を測定するステップであって、前記生体内電流応答が、少なくとも一つの第1の動作点(156)において、および少なくとも一つの第2の動作点(158)において測定され、前記第1の動作点(156)は前記メンブレン(132)の前記電気抵抗に関係する第1の特性値を提供するために選択され、前記第2の動作点(158)は前記作用電極(120)の前記電気容量に関係する第2の特性値を提供するために選択されるステップと、
    d)前記生の電流を使用することと、前記第1の特性値を使用して前記感度の実際値を判定することにより前記生の電流についての測定値を補正することによって前記バイオセンサ(110)内の生体内感度ドリフトを補償することとによって体液(140)の試料内の分析物(136)の値を判定するステップであって、それにより、ステップa)中に提供されるような前記感度対アドミッタンスの関係が考慮されるステップと、
    e)前記第1の特性値および/または前記第2の特性値に基づいて、前記バイオセンサ(110)のフェールセーフ動作を監視するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記第1の特性値および前記第2の特性値の両方が、前記分析物(136)の値を判定するために考慮される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バイオセンサ(110)の前記生体内電流応答は、前記バイオセンサ(110)における電位差に対する少なくとも1つの電位ステップ(150)の印加によって判定され、前記少なくとも1つの電位ステップ(150)は、時間間隔にわたって前記バイオセンサ(110)の前記作用電極(120)と参照電極(122)との間にさらなる電位を印加することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の特性値は、前記メンブレン(132)を担持する前記作用電極(120)の幾何学的面積、前記メンブレン(132)の厚さ、および、少なくとも1つの種類のイオンに対する、前記メンブレン(132)の透過率に関係し、前記第2の特性値は、前記作用電極(120)の実際の表面積、および、前記作用電極(120)内で利用可能な触媒および/またはメディエータの量に関係する、請求項3に記載の方法。
  5. 時定数τは、前記作用電極(120)の電気容量Cおよび前記メンブレン(132)の電気抵抗RMにより、τ=RM・Cとして決定され、前記第1の動作点(156)はτ未満で選択され、前記第2の動作点(158)はτを超えて選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記第2の動作点(158)は3τを超えて選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記バイオセンサ(110)の前記フェールセーフ動作は、前記バイオセンサ(110)の前記感度対アドミッタンスの関係から判定される前記感度、前記作用電極(120)の前記電気容量C、前記メンブレン(132)の前記電気抵抗RMのうちの少なくとも1つを使用することによって監視される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記バイオセンサ(110)の構造変態は、前記感度対アドミッタンスの関係から判定される前記感度、前記作用電極(120)の前記電気容量C、および前記メンブレン(132)の前記電気抵抗RMのうちの少なくとも2つの変化を監視することによって判定される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記感度対アドミッタンスの関係は前記バイオセンサ(110)の較正中に得られ、前記バイオセンサ(110)の前記較正は、複数の較正、初期較正、および工場較正のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記バイオセンサ(110)の前記生体内ドリフトは、前記生の電流についての前記測定値、および前記感度についての補正値を使用することによって補償される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記バイオセンサ(110)は、前記分析物(136)を連続して監視するための、完全にまたは部分的に埋め込み可能なバイオセンサである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記分析物(136)はグルコースを含み、前記分析物(136)の値は、グルコースオキシダーゼまたはグルコースデヒドロゲナーゼを前記酵素(134)として使用することによって判定される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を行うことにより、バイオセンサ(110)の生体内特性を検出する電子ユニット(202)であって、前記電子ユニット(202)は、前記バイオセンサ(110)との相互動作において、体液(140)の試料内の分析物(136)の少なくとも1つの値を電気化学的に判定するように構成され、前記バイオセンサ(110)は少なくとも1つの作用電極(120)を備え、前記作用電極(120)は、メンブレン(132)によって覆われ、および、前記分析物(136)との反応をもたらすための酵素(134)を含み、前記電子ユニット(202)はさらに、前記バイオセンサ(110)のアドミッタンスを示す電流応答および生の電流を測定するように構成され、前記電子ユニット(202)は、電位ステップ応答測定ユニット(206)を備え、前記電位ステップ応答測定ユニット(206)は、前記バイオセンサ(110)の前記アドミッタンスを示す前記電流応答を測定するように構成され、前記電位ステップ応答測定ユニット(206)は、少なくとも1つの電荷カウンタ(218)および少なくとも1つのピーク検出器(222)を備え、前記ピーク検出器(222)は、前記メンブレン(132)の電気抵抗に関係する第1の特性値を測定するように構成され、前記電荷カウンタ(218)は、前記作用電極(120)の電気容量に関係する第2の特性値を測定するように構成される、電子ユニット。
  14. 前記電子ユニット(202)は、さらに、前記バイオセンサ(110)の前記作用電極(120)と少なくとも1つの参照電極(122)との間の電位を印加するように、および、それによって発生する前記生の電流を測定するように構成され、前記電子ユニット(202)が直流電流測定ユニット(204)を備え、前記直流電流測定ユニット(204)は前記生の電流を測定するように構成される、請求項13に記載の電子ユニット。
  15. 体液(140)の試料内の少なくとも1つの分析物(136)の値を電気化学的に検出するバイオセンサ(110)を動作させるシステム(200)であって、前記システムは、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を行うことによって動作可能であって体液(140)の試料内の少なくとも1つの分析物(136)の値を電気化学的に検出する少なくとも1つのバイオセンサ(110)と、請求項13または14に記載の電子ユニット(202)と、を備えるシステム。
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