JP2017532551A - 測定温度、物理的特性、及び推定分析物値に基づいて分析物測定時間を決定するための電気化学試験ストリップの高精度分析物測定 - Google Patents
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Abstract
分析物を含んだサンプルを表す少なくとも1つの物理的特性信号を決定し、測定温度、物理的特性、及び推定分析物値に基づいて分析物測定サンプリング時間を選択することによって、バイオセンサーを用いて分析物濃度をより正確にする方法に関する様々な実施形態が開示される。【選択図】図6−1および図6−2
Description
LifeScan,Inc.より入手可能なOneTouch(登録商標)Ultra(登録商標)全血試験キットに使用されるものなどの電気化学的グルコース試験ストリップは、糖尿病患者の生理学的液体サンプル中のグルコース濃度を測定するように設計されている。グルコースの測定は、グルコースオキシダーゼ酵素(GO)によるグルコースの選択酸化に基づいて行うことができる。グルコース試験ストリップにおいて生じ得る反応は、以下の式1及び式2にまとめられる。
式1 グルコース+GO(OX)→グルコン酸+GO(red)
式2 GO(red)+2Fe(CN)6 3−→GO(OX)+2Fe(CN)6 4−
式1 グルコース+GO(OX)→グルコン酸+GO(red)
式2 GO(red)+2Fe(CN)6 3−→GO(OX)+2Fe(CN)6 4−
式1に示すように、グルコースはグルコースオキシダーゼの酸化型(GO(ox))により酸化されてグルコン酸となる。GO(ox)は「酸化型酵素」とも呼ばれる場合もあることに留意すべきである。式1の反応中、酸化型酵素GO(ox)は、GO(red)で表されるその還元状態(すなわち、「還元型酵素」)に変換される。次に、還元型酵素GO(red)は、式2に示すようにFe(CN)6 3−(酸化型伝達体又はフェリシアニドと呼ばれる)との反応によってGO(ox)へ再酸化される。GO(red)がその酸化状態GO(ox)に戻る際、Fe(CN)6 3−は還元されてFe(CN)6 4−(還元型伝達体又はフェロシアニドと呼ばれる)となる。
上記の反応が2つの電極間に試験信号を適用して行われる場合、電極表面で還元型伝達体が電気化学的に再酸化されることによって試験電流を作り出すことができる。したがって、理想的な環境では、前述の化学反応中に作り出されたフェロシアン化物の量は、電極間にあるサンプル中のグルコースの量に正比例し、生成される試験電流は、サンプルのグルコース含有量に比例する。フェリシアニドなどの伝達体は、グルコースオキシダーゼなどの酵素から電子を受け取り、その後、それらの電子を電極に提供する化合物である。サンプル中のグルコースの濃度が上昇するにつれて、形成される還元型伝達体の量もまた増加し、それ故に、還元型伝達体の再酸化から生じる試験電流とグルコース濃度との間には直接的な関係がある。具体的には、電気的界面をまたいだ電子の移動によって、試験電流の流れが生じる(酸化されるグルコース1モルにつき2モルの電子)。したがって、グルコースの導入によりもたらされる試験電流は、グルコース信号と呼ぶことができる。
電気化学的バイオセンサーは、測定値に好ましくない影響を与え得る特定の血液成分が存在することにより悪影響を受け、検出信号の誤りにつながる場合がある。この誤りにより不正確なグルコース読取値がもたらされ、患者が、例えば、潜在的に危険な血糖値に気付かないままとなる可能性がある。一例として、血液ヘマトクリットレベル(すなわち、赤血球が占める血液量の割合)は、分析物濃度測定の結果に誤った影響を与え得る。
血液中の赤血球の体積が変化すると、使い捨て電気化学的試験ストリップで測定したグルコース読取値が変動する原因となり得る。典型的には、高ヘマトクリット値で負のバイアス(即ち、低く算出された分析物濃度)がみられ、一方、低ヘマトクリット値で正のバイアス(即ち、高く算出された分析物濃度)がみられる。高ヘマトクリット値では、例えば、赤血球は、酵素と電気化学的伝達体との反応を妨害し、化学反応物質を溶媒和する血漿量が少ないため化学的溶解率を減少し、伝達体の拡散を遅くさせ得る。これらの因子により、電気化学的プロセス中に生じる信号が少なくなり、予想されるグルコース読取値より低い結果となり得る。反対に、低ヘマトクリット値では、予想よりも少ない赤血球が電気化学的反応に影響を与える場合があり、その結果、信号がより高く測定され得る。加えて、生理学的液体サンプルの抵抗もまたヘマトクリット値に依存し、電圧及び/又は電流の測定値に影響を与え得る。
ヘマトクリット値による血糖値の変動を低減する又は防止するためのいくつかの策が講じられてきた。例えば、試験ストリップは、サンプルから赤血球を除去するメッシュを組み込むように設計されており、又は赤血球の粘度を増大させ、濃度決定に対する低ヘマトクリット値の影響を弱めるように設計されている様々な化合物若しくは配合物を含んでいる。その他の試験ストリップは、ヘマトクリット値を補正する目的でヘモグロビン濃度を決定するように構成された溶解剤及び系を含む。更に、バイオセンサーは、交流信号による液体サンプルの電気的応答若しくは生理学的液体サンプルに光を照射した後の光学的変動の変化を測定することにより、又はサンプルチャンバ充填時間の関数に基づいたヘマトクリット値の測定により、ヘマトクリット値を測定するように構成されている。これらのセンサーには、特定の欠点がある。ヘマトクリットの検出を伴う計画の一般的な技術は、測定されたヘマトクリット値を用いて、測定される分析物濃度を補正するか又は変化させることであり、この技術は概して、以下のそれぞれの米国特許出願公開第2010/0283488号、第2010/0206749号、第2009/0236237号、第2010/0276303号、第2010/0206749号、第2009/0223834号、第2008/0083618号、第2004/0079652号、第2010/0283488号、第2010/0206749号、第2009/0194432号、又は、米国特許第7,972,861号及び同第7,258,769号に図示され説明されており、これらのすべてが参照によって本願に組み込まれる。
本発明者らは、温度からの分析物推定及び液体サンプルの物理的特性(例えば、粘度又はヘマトクリット値)に対して分析物濃度がより低感受性となるように、分析物濃度を測定する改善された技術(及びそれに対する変形形態)を考案した。一実施形態では、本発明者らは、試験ストリップと分析物メーターとを含む分析物測定システムを考案した。試験ストリップは、対応する電極コネクタに接続された複数の電極を含む。メーターは、試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される試験ストリップポートコネクタと、試験ストリップポートコネクタと電気的に通信して試験シーケンスの間に複数の電極に電気信号を印加するか複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。マイクロプロセッサは、試験シーケンスの間に、(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、(b)サンプルを表す物理的特性信号を決定するために、サンプルに信号を印加し、(c)サンプルに別の信号を流し、(d)少なくとも1つの電極からの少なくとも1つの出力信号を測定し、(e)サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、(f)測定温度に基づいて物理的特性信号の温度補償値を決定し、(g)試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、(h)測定温度に基づいて推定分析物濃度の温度補償値を決定し、(i)(1)物理的特性信号の温度補償値及び(2)推定分析物濃度の温度補償値に基づいて、試験シーケンスの開始を基準とした分析物測定サンプリング時点又は時間間隔を選択し、(j)選択された分析物測定サンプリング時点又は時間間隔における出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、(k)その分析物濃度を知らせるように構成される。
更に別の実施形態では、本発明者らは、試験ストリップと分析物メーターとを含む分析物測定システムを考案した。試験ストリップは、対応する電極コネクタに接続された複数の電極を含む。メーターは、試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される試験ストリップポートコネクタと、試験ストリップポートコネクタと電気的に通信して試験シーケンスの間に複数の電極に電気信号を印加するか複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。マイクロプロセッサは、試験シーケンスの間に、(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、(b)サンプルを表す物理的特性信号を決定するために、サンプルに信号を印加し、(c)サンプルに別の信号を加え、(d)少なくとも1つの電極からの少なくとも1つの出力信号を測定し、(e)サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、(f)試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、(g)(1)測定温度、(2)物理的特性信号、及び(3)推定分析物濃度に基づいて、試験シーケンスの開始を基準とした分析物測定サンプリング時点又は時間間隔を選択し、(i)選択された分析物測定サンプリング時点又は時間間隔における出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、(j)その分析物濃度を知らせるように構成される。
更に別の実施形態では、本発明者らは、試験ストリップと分析物メーターとを含む分析物測定システムを考案した。試験ストリップは、対応する電極コネクタに接続された複数の電極を含む。メーターは、試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される試験ストリップポートコネクタと、試験ストリップポートコネクタと電気的に通信して試験シーケンスの間に複数の電極に電気信号を印加するか複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。マイクロプロセッサは、試験シーケンスの間に、(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、(b)サンプルの物理的特性信号を決定するために、サンプルに信号を印加し、(c)サンプルに別の信号を加え、(d)少なくとも1つの電極からの少なくとも1つの出力信号を測定し、(e)サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、(f)試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、(g)測定温度が複数の温度範囲のうちの1つの中にあるかどうかを判定し、(h)複数の温度範囲のうちの選択された1つにおいて、推定分析物濃度及びサンプルを表す物理的特性信号に基づいて、分析物測定サンプリング時間を選択し、(i)選択された分析物測定サンプリング時間マップから、分析物測定サンプリング時間又は時間間隔における出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、(j)その分析物濃度を知らせるように構成される。
更に別の実施形態では、本発明者らは、少なくとも2つの電極及びそれらの電極のうちの少なくとも1つに配置された試薬を有する試験ストリップを用いて、液体サンプルから分析物濃度を測定する方法を考案した。この方法は、分析物試験シーケンスを開始するために、少なくとも2つの電極のいずれか一方に液体サンプルを付着させる工程と、第1の信号をサンプルに適用する工程であって、サンプルの物理的特性を測定する、工程と、第2の信号をサンプルに加える工程であって、分析物と試薬との酵素反応を引き起こす、工程と、試験シーケンスの開始から所定の抽出時点に基づいて分析物濃度を推定する工程と、バイオセンサー又は周囲環境の少なくとも一方の温度を測定する工程と、測定温度に対応付けられる複数のルックアップテーブルからルックアップテーブルを取得する工程であって、各ルックアップテーブルは、種々のサンプリング時点に対応付けられる、推定された分析物の種々の定性的分類と測定又は推定された物理的特性の種々の定性的分類とを有する工程と、取得する工程で取得されたルックアップテーブルからサンプリング時点を選択する工程と、取得する工程で取得されたルックアップテーブルからの選択された測定サンプリング時間においてサンプルから信号出力をサンプリングする工程と、以下の形式の式に従って、選択された測定サンプリング時間においてサンプリングされた測定出力信号から分析物濃度を計算する工程であって、
G0は、分析物濃度を表し、
ITは、選択されたサンプリング時間Tにおいて測定された信号(分析物濃度に比例する)を表し、
「傾き」は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
「切片」は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)によって分析物濃度を決定する。
更なる変形形態では、本発明者らは、少なくとも2つの電極及び電極のうち少なくとも1つに配置される試薬を有する試験ストリップを用いて、液体サンプルから分析物濃度を測定する方法を考案した。この方法は、試験シーケンスを開始するために、バイオセンサー上に液体サンプルを付着させる工程と、サンプル中の分析物に酵素反応を生じさせることと、サンプル中の分析物濃度を推定する工程と、サンプルの少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、バイオセンサー又は周囲環境の少なくとも一方の温度を測定する工程と、測定温度に対応付けられる複数のルックアップテーブルからルックアップテーブルを取得する工程であって、各ルックアップテーブルは、種々のサンプリング時点に対応付けられる、推定された分析物の種々の定性的分類と測定又は推定された物理的特性の種々の定性的分類とを有する工程と、取得する工程で取得されたルックアップテーブルからサンプリング時点を選択する工程と、取得する工程で取得されたルックアップテーブルからの選択された測定サンプリング時間においてサンプルから信号出力をサンプリングする工程と、選択された測定サンプリング時間において、サンプリングされた信号から分析物濃度を決定する工程とによって達成され得る。
またこれらの態様に関して言えば、以下の特徴がまた、既に開示されている態様との様々な組み合わせで利用することができ、取得する工程は、サンプルを表す物理的特性信号を導出するために、サンプルに第2の信号を流すことを含んでもよく、印加する工程は、サンプルを表す物理的特性信号を導出するために、サンプルに第1の信号を印加することを含んでもよく、第1の信号を印加することと第2の信号を流すことは順次に行われてもよく、第1の信号を印加することは、第2の信号を流すことと重なってもよく、印加する工程は、サンプルを表す物理的特性信号を導出するために、サンプルに第1の信号を印加することを含んでもよく、第1の信号を印加することは第2の信号を流すことと重なってもよく、第1の信号を印加することは、サンプルを表す物理的特性信号が交流信号の出力から決定されるように、交流信号をサンプルに方向付けることを含んでもよく、第1の信号を印加することは、サンプルを表す物理的特性信号が光学信号の出力から決定されるように、光学信号をサンプルに方向付けることを含んでもよく、物理的特性信号はヘマトクリット値を含んでもよく、分析物はグルコースを含んでもよく、物理的特性信号は、粘度、ヘマトクリット値、温度、及び密度のうちの少なくとも1つを含んでもよく、方向付けることは、第1の周波数が第2の周波数よりも低い、種々の対応する周波数で、第1及び第2の交流信号を加えることを含んでもよく、第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁小さくてもよく、第1の周波数は、約10kHz〜約250kHz、若しくは約10kHz〜約90kHzの範囲内の任意の周波数を含んでよく、かつ/または、指定された分析物測定サンプリング時間は、以下の形式の式を用いて計算されてもよく、
「指定されたサンプリング時間」は、試験ストリップの出力信号(例えば、出力信号)をサンプリングする、試験シーケンスの開始からの時点として指定され、
Hは、サンプルを表す物理的特性信号を表すか、又はその物理的特性信号であり、
x1は、約4.3e5であるか、又は4.3e5に等しいか、又は4.3e5の与えられた数値の±10%、5%、又は1%に等しく、
x2は、約−3.9であるか、又は−3.9に等しいか、又は−3.9の与えられた数値の±10%、5%、又は1%に等しく、
x3は、約4.8であるか、又は4.8に等しいか、又は4.8の与えられた数値の±10%、5%、又は1%に等しい。
留意されたいこととして、分析物測定サンプリング時点は、推定された分析物の異なる定性的分類がマトリックスの最も左側の縦列に記載されており、測定又は推定された物理的特性信号の異なる定性的分類がマトリックスの最上段の横列に記載されており、分析物測定サンプリング時間がマトリックスの残りの欄に提供されているマトリックスを含むルックアップテーブルから選択することができる。上記の態様のいずれかにおいて、液体サンプルは血液であり得る。上記の態様のいずれかにおいても、物理的特性信号は、サンプルの粘性、ヘマトクリット値、又は密度の少なくとも1つを含んでよく、又は、物理的特性信号はヘマトクリット値であってよく、場合によってヘマトクリット値は30%〜55%である。上記の態様のいずれかにおいて、Hが、サンプルを表す物理的特性信号を表すか又はその物理的特性信号である場合、それは測定、推定若しくは決定されたヘマトクリットであってもよく、又はヘマトクリットの形態であってもよい。上記の態様のいずれかにおいて、物理的特性信号は、サンプルのインピーダンス又は位相角のような測定された特性から決定され得る。上記の態様のいずれかにおいても、IE及び/又はITにより表される信号は電流であり得る。
本開示についての前述の態様において、決定する工程、推定する工程、計算する工程、演算する工程、導出する工程及び/又は利用する工程(おそらく式と併せて)は、電子回路又はプロセッサによって実行され得る。これらの工程は、コンピュータ可読媒体上に記憶されている実行可能命令として実装されてもよく、この命令は、コンピュータにより実行された場合、前述した方法の任意の1つの工程を実行し得る。
本開示の更なる態様では、コンピュータ可読媒体が存在し、各媒体は実行可能命令を含み、命令は、コンピュータにより実行された場合、前述した方法の任意の1つの工程を実行し得る。
本開示の更なる態様において、試験メーター又は分析物試験装置などの装置が存在し、各装置又はメーターは、前述の方法のうちの任意のいずれかの工程を実行するように構成された電子回路又はプロセッサを含む。
これら及びその他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明を、はじめに簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって、当業者にとって明らかになるであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の現在好ましい実施形態を示すものであって、上記に述べた一般的説明及び以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は、同様の要素を表す)。
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、所定の実施形態を示しており、本発明の範囲を限定するようには意図されていない。詳細な説明は、本発明の原理を限定ではなく一例として例証するものである。この説明により、当業者による本発明を実施すること及び使用することが明確に可能になり、本発明を実施する最良の形態であると現時点において考えられるものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適用例、変形例、代替例、及び使用が説明される。
本明細書で使用する場合、任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能とするような好適な寸法の許容範囲を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、81%〜99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用する「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」という用語は、任意の被験者又は被験動物を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。本明細書で使用する「振動信号」とは、それぞれ、電流の極性を変更するか、又は方向を交互に変化させるか、又は多方向的である電圧信号又は電流信号を含む。また本明細書で使用する語句「電気信号」又は「信号」は、直流信号、交流信号、又は電磁スペクトル内の任意の信号を含むことが意図される。「プロセッサ」、「マイクロプロセッサ」、又は「マイクロコントローラ」という用語は、同じ意味を有することを意図したものであり、互換的に使用されること意図したものである。
図1は、本明細書に説明及び記載する方法及び技術により製造された試験ストリップを用いて、個人の血液中の分析物(例えばグルコース)値を試験する試験メーター200を示す。試験メーター200は、データの入力、メニューのナビゲート、及びコマンドの実行用のボタンの形態であり得るユーザインターフェース入力装置(206、210、214)を含んでもよい。データには、分析物濃度、及び/又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、医薬使用、健康チェックの実施、全身の健康状態、及び運動レベルを挙げることができる。試験メーター200は、測定されたグルコース値を報告し、かつ生活習慣に関連した情報の入力を容易にするために使用され得るディスプレイ204も含み得る。
試験メーター200は、第1のユーザインターフェース入力装置206、第2のユーザインターフェース入力装置210、及び第3のユーザインターフェース入力装置214を含んでもよい。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、試験デバイス内に保存されたデータの入力及び分析を促進し、ユーザを、ディスプレイ204上に表示されたユーザインターフェースを介してナビゲートすることが可能である。ユーザインターフェース入力装置206、210及び214は、第1のマーキング208、第2のマーキング212、及び第3のマーキング216を含み、それらは、ユーザインターフェース入力装置をディスプレイ204上の文字と相関させるのに役立つ。
試験メーター200は、試験ストリップ100(又はその変形例400、500若しくは600)をストリップポートコネクタ220に挿入することにより、第1のユーザインターフェース入力206を押して、短時間保持することにより、又はデータポート218を横断するデータトラフィックの検出により、電源を入れることができる。試験メーター200は、試験ストリップ100(又はその変形例400、500若しくは600)を取り外すことにより、第1のユーザインターフェース入力206を押して、短時間保持することにより、メインメニュースクリーンからメータオフの選択肢にナビゲートしてそれを選択することにより、又は所定の時間、いずれのボタンも押さないことにより、電源を切ることができる。ディスプレイ104は、任意選択でバックライトを含み得る。
一実施形態において、試験メーター200は、第1の試験ストリップバッチから第2の試験ストリップバッチに切り替えるとき、例えば任意の外部ソースから、較正入力を受信しないように構成され得る。それ故、例示的な一実施形態では、メーターは、(入力装置206、210、214などの)ユーザインターフェース、挿入された試験ストリップ、別個のコードキー又はコードストリップ、データポート218などの外部ソースから較正入力を受信しないように構成される。かかる較正入力は、試験ストリップバッチの全てが実質的に均一の較正特性を有するときには、必要ではない。較正入力は、特定の試験ストリップバッチに帰する一組の値であり得る。例えば、較正入力は、特定の試験ストリップバッチに関するバッチ傾き及びバッチ切片値を含み得る。バッチ傾き及び切片値などの較正入力は、以下に記載するように、メーター内で予備設定され得る。
図2Aを参照すると、試験メーター200の例示的な内部レイアウトが示されている。試験メーター200は、プロセッサ300を含み得、それは、本明細書に記載及び例示されるいくつかの実施形態において、32ビットRISCマイクロコントローラである。本明細書に記載及び説明する好ましい実施形態では、プロセッサ300は、Texas Instruments(Dallas,TX)により製造される超低消費電力マイクロコントローラのMSP430ファミリーから選択されることが好ましい。プロセッサは、I/Oポート314を介して、メモリ302に双方向に接続されてもよく、メモリ302は、本明細書に記載及び説明するいくつかの実施形態では、EEPROMである。データポート218、ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214、並びにディスプレイドライバ320も、I/Oポート214を介してプロセッサ300に接続される。データポート218はプロセッサ300に接続されてよく、それによって、メモリ302とパーソナルコンピュータなどの外部デバイスとの間のデータ転送が可能になる。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、プロセッサ300に直接接続される。プロセッサ300は、ディスプレイドライバ320を介してディスプレイ204を制御する。メモリ302は、試験メーター200の製造中、バッチ傾き及びバッチ切片値などの較正情報がプレロードされてもよい。このプレロードされた較正情報は、ストリップポートコネクタ220を介してストリップから好適な(電流などの)信号を受信した後、プロセッサ300によりアクセス及び使用されて、任意の外部ソースから較正入力を受信することなく、信号及び較正情報を使用して、対応する(血中グルコース濃度などの)分析物濃度を計算することができる。
本明細書に記載及び説明する実施形態では、試験メーター200は、ストリップポートコネクタ220に挿入された試験ストリップ100(又はその変形例400、500若しくは600)に適用された血液中のグルコースレベルの測定に使用される電子回路を提供する、特定用途集積回路(ASIC)304を含むことができる。アナログ電圧は、アナログインターフェース306を経由してASIC 304へ及びASIC 304から通過し得る。アナログインターフェース306からのアナログ信号は、A/D変換器316によってデジタル信号に変換することができる。プロセッサ300は、コア308、ROM 310(コンピュータコードを含む)、RAM 312、及びクロック318を更に含む。一実施形態において、プロセッサ300は、例えば分析物測定後のある期間中など、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除くすべてのユーザインターフェース入力を無効にするように構成(又はプログラム)される。代替的な実施形態では、プロセッサ300は、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除く全てのユーザーインターフェース入力装置からの任意の入力を無視するよう構成(又はプログラム)されている。メーター200の詳細な説明及び実例は、国際公開第WO2006070200号に示され記載されており、当該公開が恰も本明細書に完全に記載されたものであるとして、参照により本出願に組み込まれる。
図3A(1)は、基板5上に配置された7つの層を含み得る試験ストリップ100の例示的な分解斜視図である。基板5上に配置された7つの層とは、(電極層50とも呼ばれ得る)第1の導電層50、絶縁層16、2つの重なる試薬層22a及び22b、接着部分24、26及び28を含む接着層60、親水性層70、並びに試験ストリップ100のカバー94を形成する最上層80であり得る。例えば、スクリーン印刷プロセスを用いて、導電層50、絶縁層16、試薬層22、及び接着層60を基材5の上に順次積層させる一連の工程で、試験ストリップ100を製造することができる。電極10、12、及び14)が試薬層22a及び22bと接触して配置され、一方、物理的特性信号検知電極19a及び20aは試薬層22から離間して接触していないことに留意されたい。親水層70及び最上層80は、ロールストックから配置され、一体化ラミネート、又は別個の層のいずれかとして基板5上に積層され得る。図3A(1)に示されるように、試験ストリップ100は、遠位側部分3及び近位側部分4を有している。
試験ストリップ100は、そこから生理学的液体サンプル95を抜き取るか又は付着させることができるサンプル受容チャンバ92を含み得る(図3A(2))。本明細書で考察される生理学的液体サンプルは血液であってよい。図3A(1)に示すように、サンプル受容チャンバ92は、試験ストリップ100の近位端に入口を、側縁部に出口を含み得る。液体サンプル95を軸L−L(図3A(2))に沿って入口に適用して、グルコースを測定できるようにサンプル受容チャンバ92を充填する。図3A(1)に示されるように、試薬層22に隣接して配置された第1の接着パッド24及び第2の接着パッド26の側縁部が、それぞれサンプル受容チャンバ92の壁を画定している。図3A(1)に示されるように、サンプル受容チャンバ92の底部、すなわち「床部」は、基板5、導電層50、及び絶縁層16の一部を含み得る。図3A(1)に示すように、サンプル受容チャンバ92の上部、すなわち「天井部」は、遠位側親水性部分32を含み得る。図3A(1)に示されるように、試験ストリップ100では、基板5は、後から適用される層を支持するのを助けるための基礎として用いることができる。基板5は、ポリエチレンテトラフタレート(PET)材料(ミツビシ社(Mitsubishi)により供給されるHostaphan PET)などのポリエステルシートの形態であり得る。基板5は、公称350マイクロメートル厚×370ミリメートル幅、長さおよそ60メートルのロール形態であってよい。
導電層は、グルコースの電気化学的測定に使用することができる電極を形成するために必要とされる。第1の導電層50は、基板5上にスクリーン印刷されるカーボンインクから作ることができる。スクリーン印刷プロセスでは、カーボンインクはスクリーン上に装填され、続いてスキージを用いてスクリーンを通して転写される。印刷されたカーボンインクは、約140℃の高温空気を用いて乾燥させることができる。カーボンインクは、VAGH樹脂、カーボンブラック、グラファイト(KS15)、並びに樹脂、カーボン、及びグラファイト混合物用のうちの1つ以上の溶媒を含み得る。より詳細には、カーボンインクは、カーボンインク中に約2.90:1の比のカーボンブラック:VAGH樹脂、及び約2.62:1の比のグラファイト:カーボンブラックを組み込むことができる。
図3A(1)に示されるような試験ストリップ100では、第1の導電層50は、参照電極10、第1の作用電極12、第2の作用電極14、第3及び第4の物理的特性信号検知電極19a及び20a、第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、参照接触パッド11、第1の作用電極トラック8、第2の作用電極トラック9、参照電極トラック7、並びにストリップ検出用バー17を含み得る。物理的特性信号検知電極19a及び20aは、それぞれの電極トラック19b及び20bと共に提供される。この導電層は、カーボンインクから形成され得る。第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、及び参照接触パッド11は、試験メーターに電気的に接続されるように適合されてもよい。第1の作用電極トラック8は、第1の作用電極12から第1の接触パッド13までの電気的に連続した経路を提供する。同様に、第2の作用電極トラック9は、第2の作用電極14から第2の接触パッド15に至る電気的に連続した経路を提供する。同様に、参照電極トラック7は、参照電極10から参照接触パッド11に至る電気的に連続した経路を提供する。ストリップ検出用バー17は、参照接触パッド11に電気的に接続されている。第3及び第4の電極トラック19b及び20bは、対応する電極19a及び20aに接続する。図3A(1)に示されるように、試験メーターは、参照接触パッド11とストリップ検出用バー17との連続性を測定することによって、試験ストリップ100が適切に挿入されたことを検出することができる。
試験ストリップ100の変形型(図3A(1)、3A(2)、3A(3)又は3A(4))は、図3B〜3Fに示されている。簡潔には、(図3A(2)、3A(2)及び3B〜3Fに例示的に示されている)試験ストリップ100の変形例に関して、これらの試験ストリップは、作用電極に配置されている酵素試薬層と、第1のパターン化導電層を覆って配置され、分析試験ストリップ内のサンプルチャンバを画定するように構成されているパターン化スペーサー層と、第1のパターン化導電層の上方に配置されている第2のパターン化導電層と、を含む。第2のパターン化導電層は、第1の位相シフト測定電極及び第2の位相シフト測定電極を含む。更に、第1及び第2の位相シフト測定電極は、サンプルチャンバ内に配置され、分析試験ストリップの使用の際にサンプルチャンバに導入された体液サンプルの中に強制的に通された電気信号の位相シフトを、手持ち式試験メーターによって測定するように構成される。このような位相シフト測定電極を本明細書では体液位相シフト測定電極とも呼ぶ。本明細書に記載されている多様な実施形態の分析試験ストリップは、例えば、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用及び参照電極の上方に配置され、これによって、サンプルチャンバの体積を小さくすることができる点において有利であると考えられる。これは、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用電極及び参照電極と同一平面上となる関係に配置されていることにより、体液サンプルが、第1及び第2の位相シフト測定電極ばかりでなく作用電極及び参照電極を覆うためにより大きな体液サンプルの体積及びサンプルチャンバを必要とするような構成とは対照的である。
図3A(1)の試験ストリップの変形型である図3A(2)の実施形態では、更なる電極10aが、複数の電極19a、20a、14、12、及び10のいずれかの延長部として設けられている。この内蔵遮蔽又は接地電極10aは、ユーザーの指又は体と、特性測定電極19a及び20aとの間の任意の静電容量結合を低減又は排除するために用いられることに留意するべきである。接地電極10aにより、任意の静電容量は、検知電極19a及び20aから離れる方向に向けることができる。これを行うには、対応するトラック7、8、及び9を介する接触パッド15、17、13の1つ以上の代わりに、メーターの接地接続のため、他の5つの電極のうち任意の1つ、又は自身の別個の接触パッド(及びトラック)に接地電極10aを接続できる。好ましい実施形態では、接地電極10aは、試薬22が上面に配置されている3つの電極のうちの1つに接続される。最も好ましい実施形態では、接地電極10aは電極10に接続される。接地電極であることにより、サンプル中のバックグラウンド干渉化合物によって生じ得る更なる電流が作用電極測定に寄与しないよう、接地電極を参照電極(10)に接続することが有利である。更に、遮蔽又は接地電極10aを電極10に接続することによって、とりわけ高い信号で制限することができる対電極10のサイズを効果的に増大させると考えられる。図3A(2)の実施形態では、試薬は、測定電極19a及び20aと接触しないように配置されている。別の方法として、図3A(3)の実施形態では、試薬22は、試薬22が検知電極19a及び20aのうちの少なくとも一方と接触するように配置されている。
図3A(4)に示されるような試験ストリップ100の代替的な形態では、最上層38、親水性フィルム層34、及びスペーサ29がともに組み合わせられることにより、絶縁層16’に近接して配置された試薬層22’と共に基板5に実装するための一体化されたアセンブリを形成している。
図3Bの実施形態において、分析物測定電極10、12及び14は、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と概ね同じ構成で配置される。しかしながら、物理的特性信号(例えばヘマトクリット)レベルを検知するための電極19a及び20aは互いに離間した形態で配置されており、一方の電極19aが試験チャンバ92への入口92aに近接して配置され、他方の電極20aは試験チャンバ92の反対側の端部に配置されている。電極10、12及び14は、試薬層22と接触して配置されている。
図3C、3D、3E及び3Fにおいて、物理的特性信号(例えば、ヘマトクリット値)感知電極19a及び20aは、互い隣接して配置されており、試験チャンバ92に対して入口92aの反対端92bに位置する(図3C及び3D)又は入口92aに隣接して位置する(図3E及び3F)ことができる。これらの実施形態の全てにおいて、物理的特性信号検知電極は、試薬層22から離間されており、その結果、これらの物理的特性検知電極は、グルコースを含有する液体サンプル(例えば、血液又は間質液)の存在下で、試薬の電気化学的反応の影響を受けない。
既知であるように、従来の電気化学的分析物試験ストリップは、作用電極及び対応するカウンター/参照電極、並びに対象とする分析物との電気化学的反応を促進するための酵素試薬層を用いることによって、分析物の存在及び/又は濃度を求める。例えば、液体サンプル中のグルコース濃度判定用の電気化学的分析物試験ストリップは、酵素グルコースオキシダーゼ及び伝達体フェリシアニド(電気化学的反応中に伝達体フェロシアニドに還元される)を含む酵素試薬を利用できる。そのような従来の分析物試験ストリップ及び酵素試薬層が、例えば、米国特許第5,708,247号、同第5,951,836号、同第6,241,862号、及び同第6,284,125号に記載されており、これらはそれぞれ、参照によって本願に組み込まれる。この点において、本明細書に提供される様々な実施形態で利用される試薬層として、任意の好適なサンプル可溶性酵素試薬を挙げてよく、酵素試薬の選択は、測定される分析物及び体液サンプルに依存する。例えば、液体サンプル中のグルコースを判定する場合、酵素試薬層406は、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼを、酵素が機能するうえで必要とされる他の成分と共に含むことができる。
一般的に酵素試薬層406は少なくとも酵素及び伝達体を含む。好適な伝達体の例として、例えば、ルテニウム、塩化ヘキサアンミンルテニウム(III)、フェリシアニド、フェロセン、フェロセン誘導体、オスミウムビピリジル錯体、及びキノン誘導体が挙げられる。適当な酵素の例としては、グルコースオキシダーゼ、ピロロキノリンキノン(PQQ)補因子を用いるグルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)補因子を用いるGDH、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)補因子を用いるGDHが挙げられる。酵素試薬層406は、例えばスクリーン印刷などの任意の好適な手法を用いて、製造中に適用されてよい。
出願者たちは、酵素試薬層406が好適な緩衝剤(例えば、トリスHCl、シトラコン酸塩、クエン酸塩及びリン酸塩)、ヒドロキシエチルセルロース[HEC]、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及びアルギン酸塩、酵素安定剤、並びにこの分野に既知の他の添加剤も含有できることに注目する。
体液サンプル中の分析物の濃度の判定に対する電極及び酵素試薬層の使用についての詳細は、本明細書に記載の位相シフト測定電極、分析試験ストリップ、及び関連方法を欠いているが、米国特許第6,733,655号に記載されており、本明細書に参照することによってその全体を本出願に援用する。
実施形態による分析試験ストリップは、例えば、動作可能な電気的連結のため、並びに同時係属特許出願第13/250,525号[代理人整理番号DDI5209USNPと仮識別される](これは、本出願に本明細書の参照として組み込まれる)に記載されている手持ち式試験メーターの分析試験ストリップサンプルセルインターフェースによる使用のために構成され得る。
試験ストリップの様々な実施形態では、試験ストリップに付着させた液体サンプルがもたらす2つの測定値がある。1つの測定値は、液体サンプル中の分析物(例えばグルコース)の濃度であり、もう一方は、同一サンプル中の物理的特性信号(例えばヘマトクリット値)である。両方の測定(グルコース及びヘマトクリット値)は、順次、同時に、又は時間的に重ねて行うことができる。例えば、グルコース測定が最初に次いで物理的特性信号(例えばヘマトクリット)が実施され得るか、物理的特性信号(例えばヘマトクリット)測定が最初に次いでグルコース測定が実施され得るか、両方の測定が同時に実施され得るか、あるいは、一方の測定の期間がもう一方の測定の期間と重なり合い得る。各測定を、図4A及び4Bに関して以下に詳細に記載する。
図4Aは、本明細書の図3A〜3Fに示す試験ストリップ100及びその変形例に印加される試験信号の例示図である。液体サンプルを試験ストリップ100(又はその変形例400、500、又は600)に付着させる前には、試験メーター200は、第2の作用電極と参照電極との間に約400mVの第1の試験信号が印加された液体検出モードにある。約400mVの第2の試験信号を、第1の作用電極(例えばストリップ100の電極12)と参照電極(例えばストリップ100の電極10)との間に同時に適用することが好ましい。あるいは、第1の試験信号の適用の時間間隔が、第2の試験電圧の適用の時間間隔と重なるように、第2の試験信号を同時期に適用してもよい。試験メーターは、0の開始時間における生理学的液体検出の前に、液体検出時間間隔TFDの間、液体検出モードであってもよい。液体検出モードでは、試験メーター200は、液体が、参照電極10に対して、第1の作用電極12若しくは第2の作用電極14のいずれか(又は両方の作用電極)を湿潤するように液体が試験ストリップ100(又はその変形例400、500若しくは600)に適用される時を決定する。試験メーター200が、例えば第1の作用電極12及び第2の作用電極14のいずれか又は両方において測定された試験電流の十分な増加により、生理学的液体が適用されたことを認識すると、試験メーター200は、ゼロ時「0」にゼロ秒マーカーを割り当て、試験時間間隔TSを開始する。試験メーター200は、例えば、1ミリ秒毎〜100ミリ秒毎といった好適なサンプリング速度で過渡電流出力をサンプリングすることができる。試験時間間隔TSが完了する際に、試験信号を除去する。簡単のため、図4Aは、試験ストリップ100(又はその変形例400、500、又は600)に印加された第1の試験信号のみを示している。
以降、図4Aの試験電圧が試験ストリップ100又はその変形例400、500若しくは600)に適用されたときに測定される既知の信号過渡(例えば、時間の関数としてのナノアンペアでの測定された電気信号反応)から、グルコース濃度を決定する方法の記載。
図4Aでは、試験ストリップ100(又は本明細書に述べられるその変形型)に印加される第1及び第2の試験電圧は、一般的に約+100mV〜約+600mVである。電極がカーボンインクを含み、伝達体がフィリシアニドを含む一実施形態において、試験信号は約+400ミリボルトである。当業者に既知であるように、その他の伝達体と電極材料との組み合わせでは、異なる試験電圧が必要となるであろう。試験電圧の持続時間は一般に、反応時間後約1〜約5秒であり、典型的には、反応時間後約3秒である。典型的には、試験シーケンス時TSは、TOに対して測定される。図4Aで電圧401がTSの持続時間にわたって維持される場合、出力信号が生成され、図4Bに示されるように、第1の作用電極12の過渡電流702が時間0から生成し、同様に第2の作用電極14の過渡電流704も時間0に対して生成する。このプロセスを説明する目的で、過渡信号702及び704は、同じ0参照点上に置かれているが、物理的用語では、軸L−Lに沿った作用電極12及び14のそれぞれに向かうチャンバ内の液体の流れのために、2つの信号間にはわずかな時間差があることが知られている。しかしながら、過渡電流はサンプリングされ、マイクロコントローラにおいて同じ開始時間を有するように構成されている。図4Bでは、過渡電流はピーク時間Tpに近接したピークまで増加し、この時間において、およそゼロ時間後2.5秒又は5秒のうちの一方まで電流は緩やかに下降する。およそ5秒の点706において、作用電極12及び14のそれぞれの出力信号を測定し、互いに加え合わせることができる。代替的には、作用電極12及び14のうちの一方のみからの信号を2倍にすることができる。
再び図2Bを参照すると、システムは、複数の時点又は位置T1、T2、T3、...TNのいずれか1つにおいて、作用電極(12及び14)の少なくとも一方からの出力信号IEを測定又はサンプリングするように信号を加える。図4Bに見られるように、時間位置は、試験シーケンスTSの任意の時点又は間隔であってよい。例えば、出力信号が測定される時間位置は、1.5秒における単一の時点T1.5、又は2.8秒に近接した時点T2.8と重なる間隔708(例えば、システムのサンプリング速度に応じて約10m秒以上の間隔)であり得る。
特定の試験ストリップ100及びその変形例に対する、試験ストリップのパラメータ(例えば、バッチ較正コードオフセット及びバッチ傾き)を知っているため、分析物(例えばグルコース)濃度を算出できる。出力過渡電流702及び704をサンプリングして、試験シーケンス中の様々な時間間隔における、信号IEを導出することができる(電流IWE1及びIWE2のそれぞれを加え合わせる、又はIWE1若しくはIWE2の一方を2倍することによる)。図3B〜3Fにおける特定の試験ストリップ100又はその変形例のバッチ較正コードのオフセット及びバッチ傾きの知見より、分析物(例えばグルコース)濃度を計算することができる。
「切片」及び「傾き」は、1群(バッチ)の試験ストリップから較正データを測定することにより得られる値である点に留意されたい。典型的には、およそ1500個のストリップがランダムにロット又はバッチから選択される。ドナーの生理学的液体(例えば血液)が、様々な分析物濃度、典型的には6つの異なるグルコース濃度にスパイクされる。典型的には、12人の異なる提供者からの血液が、6つのレベルの各々にスパイクされる。8個のストリップが同一の提供者及びレベルから血液を与えられ、したがってそのロットに関して合計12×6×8=576試験が行われる。これらは、Yellow Springs Instrument(YSI)などの標準的な実験分析装置を用いてこれらの値を測定することによって、実際の分析物レベル(例えば、血中グルコース濃度)に対してベンチマークされる。測定されたグルコース濃度のグラフを実際のグルコース濃度に対して(又は、測定された電流をYSI電流に対して)プロットし、このグラフに式y=mx+cを最小二乗法によりフィッティングすることにより、このロット又はバッチからの残りのストリップについてのバッチ傾きm及びバッチ切片cの値が得られる。出願人らは、分析物濃度の決定中にバッチ傾きを導出する方法及びシステムについても提供している。そのため、「バッチ傾き」又は「傾き」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする、測定された又は導出された線の勾配であると定義することができる。そのため、「バッチ切片」又は「切片」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする線がy軸と交わる点であると定義することができる。
先に説明されている様々な構成要素、システム、及び方法が、出願人らによる当該技術分野においてこれまで存在しなかった分析物測定システムの提供を可能にすることを、本明細書に記載する価値がある。具体的には、このシステムは、基材及び対応する電極コネクタに接続される複数の電極を有する試験ストリップを含む。このシステムは更に、ハウジング、試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される試験ストリップポートコネクタ、及び本明細書の図2Bに示されるマイクロコントローラ300を有する、分析物メーター200を含む。マイクロプロセッサ300は、試験ストリップポートコネクタ220と電気通信して、電気信号を印加し、又は複数の電極の電気信号を検知する。
図2Bを参照すると、メーター200の好ましい実施について説明されており、図2A及び2B中の同じ番号は共通の説明である。図2Bにおいて、ストリップポートコネクタ220は、(複数の)物理的特性信号検知電極から信号を受け取るインピーダンス検知ラインEICと、(複数の)物理的特性信号検知電極に信号を駆動させる交流信号ラインACと、参照電極の参照ラインと、作用電極1と作用電極2のそれぞれからの信号検知ラインと、を含む5つのラインによって、アナログインターフェース306と接続されている。ストリップ検出ライン221はまた、コネクタ220に提供されて、試験ストリップの挿入を示し得る。アナログインターフェース306は、プロセッサ300への4つの入力、すなわち、(1)実数インピーダンスZ’、(2)虚数インピーダンスZ’’、(3)バイオセンサ又はIwelの作用電極1からサンプリング又は測定された信号、(4)バイオセンサ又はIwe2の作用電極2からサンプリング又は測定された信号を供給する。プロセッサ300からインターフェース306へは、物理的特性信号検知電極に対して25kHz〜約250kHz、又はそれ以上の任意の値の振動信号ACを加える、1つの出力がある。位相差P(度)は、実数インピーダンスZ’及び虚数インピーダンスZ’’から決定することができる。
P=tan−1{{Z’’/Z’}} 式3.1
大きさM(オーム、従来|Z|と記載される)は、インターフェース306の線Z’及びZ’’から以下の式で決定することができる。
P=tan−1{{Z’’/Z’}} 式3.1
大きさM(オーム、従来|Z|と記載される)は、インターフェース306の線Z’及びZ’’から以下の式で決定することができる。
このシステムでは、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に印加して、液体サンプルの物理的特性信号によって定義されるバッチ傾きを導出し、(b)第2の信号を複数の電極に印加して、導出されたバッチ傾きに基づいて分析物濃度を決定するように構成される。このシステムでは、試験ストリップ又はバイオセンサーの複数の電極は、物理的特性信号を測定する少なくとも2つの電極と、分析物濃度を測定する少なくとも2つの他の電極と、を含む。例えば、少なくとも2つの電極及び少なくとも2つの他の電極は、基板上に提供される同一のチャンバ中に配置される。代替的には、少なくとも2つの電極及び少なくとも2つの他の電極は、基板上に提供される異なるチャンバ中に配置される。いくつかの実施形態において、電極の全てが基板によって画定される同一平面上に配置される。具体的には、本明細書に記載される実施形態のいくつかにおいて、少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、少なくとも2つの電極上に試薬が配置されない。このシステムで記載すべき1つの特徴は、試験シーケンスの一環として、バイオセンサ上へ液体サンプル(生理学的サンプルであってよい)が配されて、約10秒以内に正確な分析物測定値を提供できることである。
ストリップ100(図3A(1)、3A(2)又は3A(3)及び図3B〜3Fのその変形例)の分析物の計算(例えば、グルコース)の例として、第1の作用電極12による706のサンプリングされた信号値は約1600ナノアンペアであり、一方、第2の作用電極14による706の信号値は、約1300ナノアンペアであり、試験ストリップの較正コードは、切片(Intercept)が約500ナノアンペアであり、傾き(Slope)が約18ナノアンペア/mg/dLであることを示すことが、図4Bにおいて想定される。グルコース濃度G0は、式3.3から以下のように決定され得る。
G0=[(IE)−切片]/傾き 式3.3
(式中、
IEは、バイオセンサの電極の全て(例えば、センサ100では、電極12及び14の両方(又はIwe1+Iwe2))からの合計信号である信号(分析物濃度に比例)であり、
Iwe1は、設定された分析物測定サンプリング時間で第1の作用電極に関して測定された信号であり、
Iwe2は、設定された分析物測定サンプリング時間で第2の作用電極に関して測定された信号である。
傾きは、この特定のストリップが帰属する試験ストリップバッチの較正試験から得られた値であり、
切片は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップバッチの較正試験から得られた値である。
式3.3 G0=[(1600+1300)−500]/18であり、したがってG0=133.33ナノアンペア〜133mg/dLである。
G0=[(IE)−切片]/傾き 式3.3
(式中、
IEは、バイオセンサの電極の全て(例えば、センサ100では、電極12及び14の両方(又はIwe1+Iwe2))からの合計信号である信号(分析物濃度に比例)であり、
Iwe1は、設定された分析物測定サンプリング時間で第1の作用電極に関して測定された信号であり、
Iwe2は、設定された分析物測定サンプリング時間で第2の作用電極に関して測定された信号である。
傾きは、この特定のストリップが帰属する試験ストリップバッチの較正試験から得られた値であり、
切片は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップバッチの較正試験から得られた値である。
式3.3 G0=[(1600+1300)−500]/18であり、したがってG0=133.33ナノアンペア〜133mg/dLである。
本明細書では、対応する作用電極からの測定された電流を加算して、合計測定電流IEを得るように、2つの作用電極(図3A(1)の12及び14)を有するバイオセンサ100に関連する例が提示されたが、1つのみの作用電極(電極12又は14のいずれか)がある試験ストリップ100の変形型においては、2つの作用電極のうちの1つのみからもたらされる信号を2倍してもよいことに留意されたい。合計信号の代わりに、各作用電極からの信号の平均を、本明細書に記載されている式3.3、6及び8〜11の合計測定電流IEとして使用することができ、測定された信号が加算された実施形態と比較して低い合計測定電流IEを説明するため、当然のことながら、演算係数への好適な変更(当業者には既知)を伴って使用することができる。あるいは、測定信号の平均値を2倍し、先の例のように演算係数を導出する必要なしに、式3.3、6、及び8〜11のIEとして使用することもできる。なお、本明細書の分析物(例えばグルコース)濃度は、任意の物理的特性信号(例えばヘマトクリット値)に対して補正されず、信号値Iwe1及びIwe2に対して特定のオフセットが提供されて、メーター200の電気回路中のエラー又は遅延時間を説明し得ることに留意されたい。温度補償も用いられて、結果が、例えば摂氏約20度の室温などの参照温度に較正されることを確実にし得る。
ここで、グルコース濃度(G0)を信号IEから決定することができ、液体サンプルの物理的特性信号(例えば、ヘマトクリット値)を決定するための出願人の技法を説明する。システム200(図2)において、マイクロコントローラが、第1の周波数(例えば、約25キロヘルツ)における第1の振動入力信号800を一対の感知電極に印加する。システムは、第3及び第4の電極からの第1の振動出力信号802を測定又は検出するようにも構成されており、これは具体的には第1の入力振動信号と出力振動信号との第1の時間差Δt1を測定することを伴う。同時に又は重なり合う持続時間において、システムは、第2の周波数(例えば約100kHz〜約1MHz又はそれ以上、好ましくは約250kHz)の第2の振動入力信号(簡素化のため示されていない)を1対の電極に適用した後、第3及び第4の電極からの第2の振動出力信号を測定又は検出してもよく、これは第1の入力振動信号と出力振動信号との間の第2の時間差Δt2(図示せず)を測定することを伴い得る。これらの信号から、システムは、1回目及び2回目の差動Δt1及びΔt2に基づいて液体サンプルの物理的特性信号(例えば、ヘマトクリット値)を推定する。この後、システムは、グルコース濃度を導出することができる。物理的特性信号(例えばヘマトクリット値)の推定は、以下の式を適用することによって行うことができる。
この代表的な手法の詳細は、参照することにより本明細書に援用する、2011年9月2日出願の米国特許仮出願第61/530,795号、表題「Hematocrit Corrected Glucose Measurements for Electrochemical Test Strip Using Time Differential of the Signals」(代理人整理番号DDI−5124USPSP)に見られる。
物理的特性信号(例えばヘマトクリット値)を決定する別の手法は、物理的特性信号(例えばヘマトクリット値)の2つの独立した測定値によるものであり得る。これは、(a)第1の周波数における液体サンプルのインピーダンス、及び(b)第1の周波数より実質的に高い第2の周波数における液体サンプルの位相角を決定することによって得ることができる。この手法では、液体サンプルは、未知のリアクタンス及び未知の抵抗を有する回路としてモデル化される。このモデルにおいて、測定(a)についてのインピーダンス(表記「|Z|」で表される)は、印加電圧、既知の抵抗(例えば、固有ストリップ抵抗)にわたる電圧、及び未知のインピーダンスVzにわたる電圧によって決定でき、同様に測定(b)については、位相角は、当業者によって、入力信号と出力信号との間の時間差から測定できる。この手法の詳細は、2011年9月2日出願の、同時係属中の米国特許仮出願第61/530,808号(代理人整理番号DDI5215PSP)に見られ、かつ説明されており、参照により本明細書に組み込まれる。液体サンプルの物理的特性信号(例えば、ヘマトクリット、粘度、温度又は密度)を決定する他の好適な技術を利用することもでき、例えば、米国特許第4,919,770号、米国特許第7,972,861号、米国特許出願公開第2010/0206749号、同第2009/0223834号又はExperimental Cell Research 259,158〜166(2000)doi:10.1006/excr.2000.4919から出版され、http://www.idealibrary.comlにおいてオンラインにより入手可能な、Joachim Wegener、Charles R.Keese及びIvar Giaeverによる「Electric Cell−Substrate Impedance Sensing(ECIS)as a Noninvasive Means to Monitor the Kinetics of Cell Spreading to Artificial Surfaces」、Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol.80,No.1,158〜165(2007)から出版された、Takuya Kohma、Hidefumi Hasegawa、Daisuke Oyamatsu及びSusumu Kuwabataによる「Utilization of AC Impedance Measurements for Electrochemical Glucose Sensing Using Glucose Oxidase to Improve Detection Selectivity」であり、これらの文献は全て参照として組み込まれる。
物理的特性信号(例えばヘマトクリット値、密度、又は温度)を決定する別の手法は、サンプルのインピーダンスの位相差(例えば位相角)及び大きさを知ることにより得ることができる。一例では、サンプルの物理的特性信号又はインピーダンス特性(「IC」)の推定に、式4.2で定義される以下の関係性が提供される。
Pが、入力信号と出力信号との間の位相差(度)を表し、
y1は、約−3.2e−08及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
y2は、約4.1e−03及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
y3は、約−2.5e+01及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
y4は、約1.5e−01及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
y5は、約5.0及び得られたその数値の±10%、5%又は1%である(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよい)。
本明細書では、入力AC信号の周波数が高い(例えば75kHz超)場合、インピーダンスMの大きさに関連するパラメータ項y1及びy2は、本明細書で与えられる例示的な値の±200%であってよく、そのため、パラメータ項のそれぞれが、ゼロ又は更には負の値を含み得ることに留意されたい。一方、入力AC信号の周波数が低い(例えば、75kHz未満の)場合、位相角Pに関連するパラメータ項y4及びy5は、本明細書で与えられる例示的な値の±200%であってよく、そのため、パラメータ項のそれぞれは、ゼロ又は更には負の値を含み得る。なお本明細書では、H又はHCTの大きさは、本明細書で用いられるとき、一般にICの大きさに等しいことに留意されたい。1つの例示的な実施では、H又はHCTがこの用途で本出願において使用されるとき、H又はHCTはICに等しい。
別の代替の実施では、式4.3が提供される。式4.3は、式4.2中の位相角を用いずに、二次関係を正確に導出したものである。
ICは、インピーダンス特性[%]であり、
Mは、インピーダンスの大きさ[Ω]であり、
y1は、約1.2292e1、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
y2は、約−4.3431e2、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
y3は、約3.5260e4、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%である。
本明細書において提供される多様な構成成分、システム及び洞察によって、(生理学的サンプルであってもよい)液体サンプルにおける分析物濃度を決定する少なくとも4つの技術(及びそのような技術の変形例)が出願者たちにより成し遂げられる。これらの技術は、先行する共通所有の2014年4月24日に出願された米国特許出願第14/353,870号(2011年12月29日に対する優先権の利益を主張する代理人整理番号DDI5220USPCT)、2014年4月24日に出願された米国特許出願第14/354,377号(優先権の利益が2011年12月29日までである代理人整理番号DDI5228USPCT)、2014年4月25日に出願された米国特許出願第14/354,387号(優先権の利益が2012年5月31日まで請求されている代理人整理番号DDI5246USPCT)に詳細に示され、記載されており、すべての先行する出願(以下「先出願」と称する)は、本明細書に記載されたものとして、参照によって本明細書に組み込まれる。
本発明者らの以前の出願に広く記載されているように、測定又は推定された物理的特性ICが、試験アッセイシーケンスの開始点など、適切な基準として参照される、サンプルが測定される測定時間Tを導出するために、推定された分析物濃度GEと共に表1において使用される。例えば、測定された特性が約30%であり、推定されたグルコース値(例えば、約2.5〜3秒でサンプリングされた)が約350である場合、マイクロコントローラが液体をサンプリングするべき時間は、表1において約7秒(試験シーケンス開始基準を参照して)である。別の例では、推定されたグルコース値が約300mg/dLであり、測定又は推定された物理的特性が60%である場合、指定サンプリング時間は、表1に示す約3.1秒となる。
出願人が留意することとして、適切な分析物測定サンプリング時間は、試験シーケンスの開始から測定されるが、出力信号をいつサンプリングすべきかを決定するために、任意の適切なデータを利用することができる。実際に、システムを、試験シーケンス全体において、適切なサンプリング時間間隔(例えば、100ミリ秒又は更には約1ミリ秒といった短い時間毎に1回サンプリングするなど)で出力信号をサンプリングするようプログラムしてよい。試験シーケンス中に信号出力過渡全体をサンプリングすることによって、システムは、システム遅延によってタイミングエラーを引き起こす恐れがある、分析物測定サンプリング時間を設定時点に合わせる試みよりも、試験シーケンスの終了付近で必要な計算を全て行うことができる。この技術の詳細は、先出願に示され、記載されている。
試験チャンバの信号出力ITが(測定又は推定された物理的特性により決められる)指定された時間で測定されると、信号ITは、その後、下記の式9による分析物濃度(この場合は、グルコース)の計算に使用される。
G0は、分析物濃度を表し、
ITは、特定された分析物測定サンプリング時間Tで測定される終了信号の合計から決定された信号(分析物濃度と比例)を表し、これは特定された分析物測定サンプリング時間Tで測定される合計電流であってもよく、
傾きは、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、これは典型的には約0.02であり、
切片は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、これは典型的には約0.6〜約0.7である。
第1の信号を印加する工程及び第2の信号を流す工程は、順次的であり、その順序は、第1の信号の次に第2の信号というものであってもよく、又は両方の信号が順々に重複してもよく、あるいは、最初に第2の信号、次に第1の信号というものであってもよく、又は両方の信号が順々に重複してもよいことに留意するべきである。あるいは、第1の信号を適用する工程及び第2の信号を加える工程は、同時に起こってもよい。
本方法において、第1の信号を印加する工程は、適切な電源(例えば、メーター200)により提供される交流信号をサンプルに方向付ける工程であって、サンプルの物理的特性信号表現が交流信号の出力によって決定される、工程を伴う。検出される物理的特性信号は、粘度、ヘマトクリット値、又は密度のうちの1つ以上であり得る。方向付ける工程は、第1及び第2の交流信号をそれぞれの異なる周波数で加える工程を含み得、第1の周波数は、第2の周波数よりも低い。第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低いことが好ましい。一例として、第1の周波数は、約10kHz〜約100kHzの範囲の任意の周波数であってよく、第2の周波数は、約250kHz〜約1MHz又はそれ以上であってよい。本明細書で使用されるとき、語句「交流信号」又は「振動信号」は、極性が交番する信号の一部、又は全ての交流信号若しくは直流オフセットを有する交流、又は更には直流信号と組み合わされた多方向信号を有することができる。
2012年12月28日に出願され、WO2013/098563として公開された国際特許出願第PCT/GB2012/053276号の表2に関連して、更なる改良が示され、記載されており、したがってここでは繰り返さない。
本発明者らが最近に発見したこととして、本発明者らの先出願に記載された現在の測定システムでは、グルコース推定値及びインピーダンス特性に対する温度の影響(ここでは「tmp」と示す)に起因する変化が存在する。これは、このようなシステムにおいて室温で得られた測定サンプリング時間Tが、同じグルコースとヘマトクリットの組み合わせに対して極端な温度では適切でないことがあり、結果として、メーターの出力結果が不正確になる可能性があることを意味する。この問題は、図5A及び5Bに関連して示されている。
図5Aでは、本発明者らの既知の技術(種々のグルコース値及びヘマトクリット値について約5秒で測定が行われる)の性能が、22℃及び44℃で試験されている。この試験は、22℃及び44℃の温度を含むため、図5Aは、左パネルと右パネルとに分割されている。図5Aの左側のパネルでは、基準目標値(すなわちバイアス)と比較した、様々なグルコース測定に関する22℃におけるヘマトクリット値に対するシステムの感度は、100mg/dLにおいて±0.5%以内であるとして示されている(参照符号502)。依然として22℃にある間に、符号504で参照されるように、目標グルコース濃度が増加するにつれて(100mg/dLから400mg/dLへ)、バイアスが増加し始める。従来システムを44℃で試験した場合、ヘマトクリット値に対して感度が増大する同様のパターンが現れ、図5Aの右側のパネルに示されている。すべての測定が44℃で行われた図5Aの右側のパネルでは、基準グルコースが506において約100℃又はそれ未満のバイアスである場合、バイアスは一般に許容範囲内である。しかしながら、100mg/dLを超える基準グルコースでは、バイアス又はエラーが508において増加しており、そのため、バイアスが許容範囲外になっていることが分かる。
図5Bでは、同じ実験セット(図5Aで用いられたもの)が、本発明者らの先出願からの技術と共に用いられ、ここで、測定サンプリング時間Tは、(a)所定の時間(例えば、約2.5秒)に取られた推定測定値GE、及び(b)サンプルのインピーダンス特性ICによって表される液体サンプルの物理的特性の関数として選択される。図5Bの左パネルでは、510で示すように、システムが22℃で100gm/dL未満から300mg/dL超のグルコース濃度に対して試験されるとき、バイアス又はエラーは許容範囲内にあることが分かる。44℃(図5Bの右パネル)では、ヘマトクリット値に対するバイアス又はエラーは、512で示す、約250mg/dLを超える基準又は標的グルコース濃度に対して、概ね範囲内にある。しかしながら、約250mg/dL〜100mg/dL未満を下回る基準グルコース濃度の場合、バイアス又はエラーは、514で示される44℃における試験では相当に増大している。
したがって、本発明者らは、これまでに、本発明者らの以前の技術を改善する新規な技術を考案した。具体的に言えば、この新規な技術は、両方の作用電極からの信号をサンプリング又は測定し、測定された出力信号の合計を計算し、次いでグルコース濃度推定値を決定するために傾き及び切片項を適用することによって、約2.5秒で取られたグルコース推定値、つまりGEの決定値を利用する。WE1信号とWE2信号との合計から推定グルコース値を計算するための式が、式6に与えられており、ここで、GEは推定グルコース値であり、IWE,2.54sは2.54秒における信号(またはナノアンペア単位の電流)であり、cEは切片、mEは傾きである。式6では、mEの値は約12.1nA/mg/dLであり、cEは約600nAである。
同様に特筆されることとして、本発明者らの技術へのインピーダンス及びグルコース推定値の入力は、本明細書でそれぞれ図5C及び図5Dに示す温度に敏感であり、ここで、図5Cにおけるインピーダンスは、温度tmpが変化するのにつれて変化するものとして示されており、平均バイアス(又はエラー)は、測定された温度tmpの変化に比例して変化するものであることが図5Dから分かる。温度の影響を補正するために、本発明者らは、式7でGETCとして示される、グルコース推定値(GE)が温度の影響に関して補償される技術を考案した。
インピーダンス特性として表される物理的特性は、式8によって補償される。
すべての係数が以下の表3にまとめられている。
本発明者らの技術の一実現形態では、様々な表(表4〜8)が、試験シーケンスの間に測定温度tmpに対応付けられるものとして作成されている。すなわち、適切な表(時間Tが見出される)は、測定温度tmpによって特定される。適切な表が得られると、その表の列がインピーダンス特性(又は|Z|TC)によって、またその行がGETCによって指定される。システム入力によって決定される測定温度tmpにおいて、各液体サンプル(例えば、血液又は対照溶液)に対して利用可能なアッセイ時間Tが1つのみ存在する。列ヘッダは、各列のインピーダンス特性IC(|Z|TCで指定)に境界を与えるものである。表4〜8の各々の最初と最後の列ヘッダにおける変化は、極端な温度及びヘマトクリット値における平均温度補正インピーダンスからの6つの標準偏差によって定義される。これは、インピーダンス特性IC(|Z|TCで指定)の大きさが範囲内にあるとみなされるときに、メーターがエラーを返すのを防止するために行われたものである。各表内の温度補償グルコース推定値GETCは、行に対する上限のグルコース値を示す。最後の行は、588mg/dLを超えるすべての推定値に適用される。
適切なサンプリング時間を選択するための5つの表が、温度しきい値tmp1、tmp2、tmp3、及びtmp4によって規定される。これらの表は、それぞれ表4〜表8として示されている。表4では、しきい値tmp1は約15℃として指定され、表5では、tmp2は約20℃として指定され、表6では、tmp3は約28℃として指定され、表7では、tmp4は約33℃として指定され、表8では、tmp5は約40℃として指定される。温度範囲のこれらの値は、本明細書で説明するシステムに対するものであり、実際の値は、試験ストリップのパラメータ及び利用するメーターによって異なることがあり、本発明者らは、特許請求の範囲に関してこれらの値によって束縛されることを意図していないことに留意されたい。
現時点で、図6及び7を参照して、本発明者らが考案した技術について説明することは有意義である。図6で始めるが、先に説明したマイクロコントローラは、メーター及びストリップシステムの操作中に一連の工程を実施するように構成することができる。具体的に言えば、工程606において、液体サンプルが試験ストリップの試験チャンバの上に配置することができ、試験ストリップはメーターの中に挿入される(工程604)。マイクロプロセッサは、工程608において、サンプルの配置後に試験シーケンスをいつ開始すべきかを決定するために、試験アッセイシーケンスウォッチを開始し(すなわち、開始試験シーケンスクロックを設定)、液体サンプルが検出されると(工程608において「はい」を返す)、マイクロプロセッサは、工程612において入力信号をサンプルに印加して、サンプルを表す物理的特性信号表現を決定する。この入力信号は一般には交流信号であり、したがって、サンプルの(インピーダンスの形態をなす)物理的特性が取得され得る。ほぼ同時に、サンプル、試験ストリップ又はメーターのうちの1つの測定温度tmpがまた、インピーダンスの温度補償のために(メーターに内蔵されたサーミスタを介して)決定することができる。温度補償は、工程614において(上記の式8に関して説明したように)インピーダンス特性に対して行うことができる。工程616において、マイクロコントローラは、別の信号をサンプルに加え、試験シーケンスの開始から参照して複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、電極のうちの少なくとも1つから少なくとも1つの出力信号を測定して少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度GEを導出する。工程618において、プロセッサは、測定温度tmpに基づいて、推定分析物濃度に対して温度補償を実施する。プロセッサは次いで、(1)物理的特性信号|Z|TCの温度補償値及び(2)推定分析物濃度GETCの温度補償値に基づいて、試験シーケンスの開始に関する適切な計算値から分析物測定サンプリング時点T又は時間間隔を選択する。処理電力を節約するため、(1)測定温度(tmp)、(2)温度補償グルコース値GETC、及び(3)温度補償物理的特性信号又はインピーダンス|Z|TCに基づいて、(工程622、626、630、634、636などのうちの1つにおいて)指定されたサンプリング時間Tに到達するための膨大な計算をプロセッサが実施する代わりに、表4〜8に対応する複数のルックアップテーブルを用いることができる。プロセッサは工程644において、出力信号の大きさに基づいて、工程636’など、工程622、626、630、634、636などのうちの1つで取得された、選択された分析物測定サンプリング時点又は時間間隔Tにおいて、分析物濃度を計算する。工程636(又は工程636’)において上限を設定することによって無限ループを防止するために、工程638においてエラーを返すエラートラップがロジック600に組み込まれていることに留意されたい。工程636(又は636’)にエラーが存在しない場合、プロセッサは、工程646において画面又はオーディオ出力を介して分析物濃度を知らせることができる。
一例として、測定温度tmpがtmp1よりも低いために、表4が選択されることが想定される。したがって、工程614による補償された物理的特性IC(ここでは|Z|TC)が48605オーム〜51459オームの間の値として決定され、工程618における推定及び補償されたグルコース値GETCが、約163を超えかつ約188mg/dL以下の値を返す場合、システムは、表4に強調して示す約3.8秒の測定サンプリング時間Tを選択する。
測定温度tmpの実際値に応じて、同じ技法が残りの表5〜8に適用される。
T(Tは表4〜8のいずれかから選択される)において測定された出力信号(通常はナノアンペア単位)は次いで、式9でグルコース濃度GUを計算するために工程644(図6)で用いられる。
mの値は約9.2nA/mg/dLであり、cは約5秒の基準アッセイ時間において材料セットバッチの較正値から約350nAである。式9のグルコース濃度GUは次いで、工程646においてディスプレイ画面又はオーディオ出力によって知らされる。
温度補償グルコース推定値GETC及び温度補償インピーダンス特性(又は|Z|TC)を表4〜8の各々に対する入力として用いる代わりに、各表は非補償グルコース推定値GE及び非補償|Z|を利用し得るが、表内の測定時間Tは、測定温度tmpをカバーする各温度範囲における基準グルコース目標値に関して正規化し得る。これは、本明細書で図7に示す、本発明者らの別の変形例で示される。
図7は、ほとんどの態様で図6と類似しており、したがって、図6と7との間の同様の工程についてはここで繰り返さない。しかしながら、図7の技術に関して、グルコース推定値の補正もインピーダンス特性の補正もないことに留意されたい。測定時間Tの選択は次いで、複数のマップに依存し、それによって、各マップは測定温度tmp、測定温度tmpにおける非補償グルコース値GE、及び測定温度tmpにおける非補償インピーダンス|Z|に相関する。
結果
炭素材料の3つの別々のロットから選択された試験ストリップの5つのバッチに対して、本発明者らの技術を利用した。すべての試薬インクは同じタイプのものであった。試験ストリップバッチをヘマトクリット試験の実験で試験した(10、14、22、30、35及び44℃の温度において、5つのグルコースレベル(mg/dL単位で40、65、120、350及び560)及び3つのヘマトクリットレベル(29、42、56%))。5秒における既知の技術のヘマトクリット感度(本発明者らのUltra試験ストリップのラインで)を図9Aに示し、本発明者らの最新技術のヘマトクリット感度を図9Bに示す。
炭素材料の3つの別々のロットから選択された試験ストリップの5つのバッチに対して、本発明者らの技術を利用した。すべての試薬インクは同じタイプのものであった。試験ストリップバッチをヘマトクリット試験の実験で試験した(10、14、22、30、35及び44℃の温度において、5つのグルコースレベル(mg/dL単位で40、65、120、350及び560)及び3つのヘマトクリットレベル(29、42、56%))。5秒における既知の技術のヘマトクリット感度(本発明者らのUltra試験ストリップのラインで)を図9Aに示し、本発明者らの最新技術のヘマトクリット感度を図9Bに示す。
図9Aの既知の技術において、10℃に対するパネル(図9Aの左上のパネル)で、ヘマトクリット値に対する感度は、約100gm/dL〜約400mg/dLの%ヘマトクリット値当たりに0.5%バイアスの許容範囲外にあり、また温度が図9Aにおいて14℃(中央のパネル)から20℃(右上のパネル)へと上昇するにつれて、増大するグルコース値に対してエラーも増大する。30℃(図9Aの左下のパネル)から35℃(中央下のパネル)、44℃(図9Aの右下のパネル)へと、ヘマトクリット値に対する感度は、%ヘマトクリット当たり±0.5%の許容範囲内にある。
本発明者らの技術を用いると、図9Bにおける結果は、本発明者らの従来の結果(図9A)とは明確に対照をなしている。エラー又はバイアスは、10℃、14、22、30、35、及び44℃でほぼ同一である。したがって、広い温度範囲(例えば、10〜44℃)にわたってヘマトクリット感度の差が緩和され、それによってグルコース測定が改善されている。
本方法は1つの分析物測定サンプリング時点のみを特定するが、方法は、例えば試験シーケンスの開始から開始の少なくとも約10秒後まで信号出力を連続的に(例えば、1ミリ秒から100ミリ秒毎のような特定された分析物測定サンプリング時間)サンプリングするように、必要に応じて多くの時点でのサンプリングする工程を含むことができ、結果は、試験シーケンスの終了頃に処理のために記憶されてもよい。この変形例において、(所定の分析物測定サンプリング時点と異なることがあってもよい)特定された分析物測定サンプリング時点においてサンプリングされた信号出力は、分析物濃度を計算するために使用される値である。
好ましい実施形態において、分析物(例えば、グルコース)濃度にいくらか比例している値のための信号出力の測定は、ヘマトクリット値の推定の前に実施されることに留意されたい。あるいは、ヘマトクリットレベルは、予備グルコース濃度の測定の前に推定されてもよい。いずれの場合でも、推定されたグルコース測定GEは、図8のように、約2.5秒又は約5秒のうちの1つで抽出されたIEを用いて式3.3により得られ、物理的特性信号(例えば、Hct)は、式4により得られ、グルコース測定Gは、信号過渡100の指定された(複数の)分析物測定時点(例えば、測定された信号出力IDは、3.5秒又は6.5秒で抽出される)における測定された信号出力IDを使用して得られる。
本明細書に記載の手法はグルコースの決定を目的としているが、この手法を、分析物が液体サンプル中に配置される液体サンプルの物理的特性によって影響される、別の分析物(当業者によって適切に修正して)に適用することもできる。例えば、生理学的液体サンプルの物理的特性信号(例えばヘマトクリット値、粘度又は密度など)は、生理学的液体、較正液、又は対照液であり得る、液体サンプル中のケトン又はコレステロールの決定において説明され得る。他のバイオセンサ構成も利用できる。例えば、次の米国特許、すなわち、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6890421号、同第7045046号、同第7291256号、同第7498132号において示され、説明されたバイオセンサは、本明細書で説明した様々な実施形態と共に利用することができ、これらの特許はすべて、参照によって本明細書にすべての内容を組み込まれる。
知られているように、物理的特性信号の検出は交流信号によって行う必要はなく、他の方法によって行うことができる。例えば、好適なセンサを利用して(例えば、米国特許出願公開第20100005865号又は欧州特許第1804048B1号)、粘度又はその他の物理的特性を測定できる。あるいは、「Blood Rheology and Hemodynamics」、Oguz K.Baskurt,M.D.,Ph.D.,1 and Herbert J.Meiselman,Sc.D.,Seminars in Thrombosis and Hemostasis,volume 29,number 5,2003に述べられるように、ヘマトクリット値と粘性との間の既知の関係に基づいて粘性を決定し、これを用いてヘマトクリット値を導出することもできる。
先に記載したように、マイクロコントローラー又は同等のマイクロプロセッサ(及び、例えば、図2Bのプロセッサ300など、マイクロコントローラーを、意図した環境においてその本来の目的で機能できるようにする関連構成要素)を、コンピュータコード又はソフトウェア命令と共に利用して、本明細書に記載の方法及び手法を実行できる。出願人らは、図2Bの例示的なマイクロコントローラ300には(プロセッサ300の機能的な動作に好適な構成要素と共に)、ファームウェアが埋め込まれているか、又は図6及び7の論理図に表されるコンピュータソフトウェアが装填され、マイクロコントローラ300は、関連するコネクタ220及びインターフェース306、並びにこれらの同等物と共に、(a)検知又は推定された物理的特性に基づいて指定分析物測定サンプリング時間(指定分析物測定サンプリング時間は、試験ストリップ上へサンプルを付着させることによる試験シーケンスの開始により参照される少なくとも1つの時点又は間隔である)を決定する手段であり、(b)指定分析物測定サンプリング時間に基づいて分析物濃度を決定する手段であることを述べている。
更に、本発明を特定の変形例及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上記に述べた方法及び工程が、特定の順序で起こる特定の事象を示している場合、特定の工程は述べられた順序で行われる必要はなく、工程が、実施形態がそれらの意図される目的で機能することを可能とするものである限り、任意の順序で行われることを意図している。したがって、本開示の趣旨又は請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形例が存在する範囲では、本特許がこうした変形例をも包含することが意図される。
Claims (38)
- 試験ストリップであって、
基板と、
対応する電極コネクタに接続されている複数の電極と、
を含む、試験ストリップと、
分析物メーターであって、
ハウジングと、
前記試験ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
試験シーケンス中に電気信号を印加し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記試験ストリップポートコネクタと電気通信するマイクロプロセッサと、
を備える、分析物メーターと、
を備える、分析物測定システムであって、
前記試験シーケンス中に前記マイクロプロセッサが、
(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、
(b)前記サンプルを表す物理的特性信号を決定するために、前記サンプルに信号を印加し、
(c)前記サンプルに別の信号を加え、
(d)前記電極のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの出力信号を測定し、
(e)前記サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、
(f)測定温度に基づいて前記物理的特性信号の温度補償値を決定し、
(g)前記試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、前記少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、
(h)前記測定温度に基づいて前記推定分析物濃度の温度補償値を決定し、
(i)(1)前記物理的特性信号の前記温度補償値及び(2)前記推定分析物濃度の前記温度補償値に基づいて、前記試験シーケンスの開始に関する分析物測定サンプリング時点又は時間間隔を選択し、
(j)前記選択された分析物測定サンプリング時点又は時間間隔における前記出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、
(k)前記分析物濃度を知らせるように構成されているシステム。 - 試験ストリップであって、
基板と、
対応する電極コネクタに接続されている複数の電極と、
を含む、試験ストリップと、
分析物メーターであって、
ハウジングと、
前記試験ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
試験シーケンス中に電気信号を印加し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記試験ストリップポートコネクタと電気通信するマイクロプロセッサと、
を備える、分析物メーターと、
を備える、分析物測定システムであって、
前記マイクロプロセッサは、前記試験シーケンス中に、
(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、
(b)前記サンプルの物理的特性信号を決定するために、前記サンプルに信号を印加し、
(c)前記サンプルに別の信号を加え、
(d)前記電極のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの出力信号を測定し、
(e)前記サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、
(f)前記試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、前記少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、
(g)前記試験シーケンスの開始に関する分析物測定サンプリング時点又は時間間隔を、
(1)測定温度、
(2)前記物理的特性信号、
(3)前記推定分析物濃度、に基づいて選択し、
(i)前記選択された分析物測定サンプリング時点又は時間間隔における前記出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、
(j)前記分析物濃度を知らせるように構成されているシステム。 - 試験ストリップであって、
基板と、
対応する電極コネクタに接続されている複数の電極と、
を含む、試験ストリップと、
分析物メーターであって、
ハウジングと、
前記試験ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
試験シーケンス中に電気信号を印加し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、前記試験ストリップポートコネクタと電気通信するマイクロプロセッサと、
を備える、分析物メーターと、
を備える、分析物測定システムであって、
前記マイクロプロセッサは、前記試験シーケンス中に、
(a)サンプルの付着によって分析物試験シーケンスを開始し、
(b)前記サンプルの物理的特性信号を決定するために、前記サンプルに信号を印加し、
(c)前記サンプルに別の信号を加え、
(d)前記電極のうちの少なくとも1つからの少なくとも1つの出力信号を測定し、
(e)前記サンプル、試験ストリップ、又はメーターのうちの1つの温度を測定し、
(f)前記試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて、前記少なくとも1つの出力信号から推定分析物濃度を導出し、
(g)測定温度が複数の温度範囲のうちの1つの中にあるかどうかを判定し、
(h)複数の温度範囲のうちの選択された1つにおいて、前記推定分析物濃度及び前記サンプルを表す前記物理的特性信号に基づいて、分析物測定サンプリング時間を選択し、
(i)前記選択された分析物測定サンプリング時間マップから、前記分析物測定サンプリング時間又は時間間隔における前記出力信号の大きさに基づいて、分析物濃度を計算し、
(j)前記分析物濃度を知らせるように構成されているシステム。 - 前記複数の温度範囲のうちの各温度範囲は、それぞれの推定分析物値及び物理的特性信号に相関する複数の測定サンプリング時間を含む、請求項3に記載の測定システム。
- 前記複数の電極は、前記物理的特性信号を測定する少なくとも2つの電極と、前記分析物濃度を測定する少なくとも2つの別の電極と、を含む、請求項3に記載のシステム。
- 少なくとも2つの電極及び少なくとも2つの別の電極が、前記基板上に提供される同一チャンバ内に配置される、請求項3に記載のシステム。
- 前記複数の電極が、前記物理的特性信号及び前記分析物濃度を測定する2つの電極を含む、請求項3に記載のシステム。
- 前記電極の全てが、前記基板によって画定される同じ平面上に配置される、請求項3に記載のシステム。
- 試薬が少なくとも2つの別の電極に隣接して配置されてよく、試薬が少なくとも2つの電極上に配置されなくてよい、請求項3に記載のシステム。
- 前記試験シーケンス中に少なくとも1つの出力信号を測定するための前記複数の所定の時間間隔のうちの1つは、前記試験シーケンスの開始から約2.5秒後であってよい、請求項3に記載のシステム。
- 前記複数の所定の時間間隔のうちの1つは、前記試験シーケンスの開始から2.5秒後の時点に重なる時間間隔を含む、請求項3に記載のシステム。
- 前記試験シーケンス中に少なくとも1つの出力信号を測定するための前記複数の所定の時間間隔のうちの別の1つは、前記試験シーケンスの開始から約5秒後の時点であってよい、請求項3に記載のシステム。
- 前記複数の所定の時間間隔のうちの1つは、前記試験シーケンスの開始から5秒未満の任意の時点を含む、請求項3に記載のシステム。
- 前記複数の所定の時間間隔のうちの別の1つは、前記試験シーケンスの開始から10秒未満の任意の時点を含む、請求項3に記載のシステム。
- 前記複数の所定の時間間隔のうちの1つは、前記試験シーケンスの開始から2.5秒後の時点に重なる時間間隔を含み、前記複数の所定の時間間隔のうちの別の時間間隔は、前記試験シーケンスの開始から5秒後の時点に重なる時間間隔を含む、請求項3に記載のシステム。
- グルコースメーターであって、
ハウジングと、
バイオセンサの対応する電気コネクタに接続するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
(a)試験シーケンス中に、前記バイオセンサに付着されたサンプルに第1及び第2の入力信号を印加するための手段と、
(b)前記第1及び第2の入力信号の一方の出力信号から前記サンプルを表す物理的特性信号を測定するための手段と、
(c)前記バイオセンサ又は前記メーターの一方の温度を測定するための手段と、
(d)前記第1及び第2の入力信号の別の入力信号に基づいて、前記試験シーケンスの開始から参照される複数の所定の時間間隔のうちの1つにおいて推定グルコース濃度を導出するための手段と、
(e)測定温度、物理的特性信号及び前記推定グルコース濃度に基づいて測定サンプリング時間を決定するための手段と、
(f)前記測定サンプリング時間に基づいてグルコース濃度を計算するための手段と、
前記手段による前記グルコース濃度の出力を提供するアナンシエータと、
を備える、グルコースメーター。 - 前記測定するための手段が、前記バイオセンサに第1の交流信号を印加する手段と、前記バイオセンサに第2の一定信号を印加する手段と、を含む、請求項16に記載のメーター。
- 前記導出するための手段は、前記試験シーケンスの開始以降の所定の分析物測定サンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定するための手段を含む、請求項16に記載のメーター。
- 前記導出するための手段は、前記物理的特性信号を前記推定グルコース濃度及び前記測定温度に相関させる手段を含む、請求項16に記載のメーター。
- 所定の分析物測定サンプリング時間間隔は、前記試験シーケンスの開始から約2.5秒の時間間隔を含む、請求項18に記載のメーター。
- 少なくとも2つの電極及び前記電極のうち少なくとも1つに配置された試薬を有する試験ストリップを用いて、液体サンプルから分析物濃度を決定する方法であって、
前記少なくとも2つの電極のいずれか一方に液体サンプルを付着させて、分析物試験シーケンスを開始する工程と、
第1の信号を前記サンプルに印加して、前記サンプルの物理的特性を測定する工程と、
前記分析物と前記試薬との酵素反応を引き起こすために、前記サンプルに第2の信号を加える工程と、
前記試験シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定する工程と、
前記バイオセンサ又は周囲環境の少なくとも一方の温度を測定する工程と、
測定温度に対応付けられる複数のルックアップテーブルからルックアップテーブルを取得する工程であって、
各ルックアップテーブルは、種々のサンプリング時点に対応付けられる、前記推定された分析物の種々の定性的分類と前記測定又は推定された物理的特性の種々の定性的分類とを有する工程と、
前記取得する工程で取得された前記ルックアップテーブルからサンプリング時点を選択する工程と、
前記取得する工程で取得された前記ルックアップテーブルからの前記選択された測定サンプリング時間において前記サンプルから信号出力をサンプリングする工程と、
以下の形式の式に従って、前記選択された測定サンプリング時間においてサンプリングされた測定出力信号から分析物濃度を計算する工程であって、
G0は、分析物濃度を表し、
ITは、前記選択されたサンプリング時間Tにおいて測定された信号(分析物濃度に比例する)を表し、
「傾き」は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
「切片」は、この特定のストリップが帰属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表す、工程と、を含む、方法。 - 液体サンプルから分析物濃度を決定する方法であって、
液体サンプルをバイオセンサに付着させて、試験シーケンスを開始させる工程と、
前記サンプル中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
前記サンプル中の分析物濃度を推定する工程と、
前記サンプルの少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
前記バイオセンサ又は周囲環境の少なくとも一方の温度を測定する工程と、
測定温度に対応付けられる複数のルックアップテーブルからルックアップテーブルを取得する工程であって、
各ルックアップテーブルは、種々のサンプリング時点に対応付けられる、前記推定された分析物の種々の定性的分類と前記測定又は推定された物理的特性の種々の定性的分類とを有する工程と、
前記取得する工程で取得された前記ルックアップテーブルからサンプリング時点を選択する工程と、
前記取得する工程で取得された前記ルックアップテーブルからの前記選択された測定サンプリング時間において前記サンプルから信号出力をサンプリングする工程と、
前記選択された測定サンプリング時間において、サンプリングされた信号から分析物濃度を決定する工程と、
を含む、方法。 - 前記測定する工程は、前記サンプルの物理的特性を測定するために、前記サンプルに第1の信号を印加する工程を含み、前記生じさせる工程は、前記サンプルに第2の信号を加える工程を含み、前記測定する工程は、前記試験シーケンスの開始後の前記選択された測定サンプリング時間において、前記バイオセンサの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価することを含み、前記時間は、少なくとも前記測定又は推定された物理的特性及び前記推定された分析物濃度の関数として設定される、請求項22に記載の方法。
- 前記試験シーケンスの開始以降の所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定することを更に含む、請求項23に記載の方法。
- 画定する工程は、前記推定する工程から、前記測定又は推定された物理的特性と前記推定された分析物濃度との両方に基づいて、画定された時点を選択することを含む、請求項24に記載の方法。
- 所定の時間における前記出力信号の測定に基づいて分析物濃度を推定することを更に含む、請求項23に記載の方法。
- 前記所定の時間が、前記試験シーケンスの開始から約2.5秒を含む、請求項26に記載の方法。
- 前記第1の信号を印加する工程及び前記第2の信号を加える工程が、順序化されている、請求項28に記載の方法。
- 前記第1の信号を印加する工程が、前記第2の信号を加える工程と重複する、請求項28に記載の方法。
- 前記第1の信号を印加する工程が、交流信号を前記サンプルに方向付けて、前記サンプルの物理的特性が前記交流信号の出力から決定されることを含む、請求項30に記載の方法。
- 前記第1の信号を印加する工程が、電磁的な信号を前記サンプルに方向付けて、前記サンプルの物理的特性が前記電磁的な信号の出力から決定されることを含む、請求項31に記載の方法。
- 前記物理的特性が、粘度、ヘマトクリット値、温度及び密度のうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の方法。
- 前記物理的特性はヘマトクリット値を含み、前記分析物はグルコースを含む、請求項23に記載の方法。
- 方向付ける工程が、第1及び第2の交流信号を互いに異なる周波数で加える工程を含み、第1の周波数が第2の周波数よりも低い、請求項23に記載の方法。
- 前記第1の周波数が前記第2の周波数よりも少なくとも1桁低い、請求項35に記載の方法。
- 前記第1の周波数が約10kHz〜約250kHzの範囲の任意の周波数を含む、請求項35に記載の方法。
- 前記サンプリングする工程が、前記試験シーケンスの開始時から前記開始の少なくとも約10秒後まで連続的に前記信号出力をサンプリングすることを含む、請求項23に記載の方法。
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