JP6562909B2 - 分析物を含む試料の検知された物理的特性に由来する特定された抽出時間に基づいて決定された分析物測定値についての温度補償 - Google Patents

分析物を含む試料の検知された物理的特性に由来する特定された抽出時間に基づいて決定された分析物測定値についての温度補償 Download PDF

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Description

(優先権)
本出願は、2013年6月27日に出願された同題および代理人番号DDI5267USNPを有する先行出願である米国特許出願第13/929,495号、並びに2013年6月27日に出願された同題および代理人番号DDI5267USPSPを有する第61/840,176号からの、合衆国法典第35編第119条、第120条、第365条、第371条、およびパリ条約に基づく優先権を主張する。この先行特許出願の全ては、ここで、参照により本出願に組み込まれる。
ライフ・スキャン社(LifeScan,Inc.)より入手可能なOneTouch(登録商標)Ultra(登録商標)全血試験キットに使用されるものなどの、電気化学的グルコース試験ストリップは、糖尿病の患者の生理学的液体試料中のグルコース濃度を測定するように設計されている。グルコースの測定は、酵素グルコースオキシダーゼ(GO)によるグルコースの選択酸化によることができる。グルコース試験ストリップに起こる可能性のある反応は、以下の式1および式2にまとめられる。
式1 グルコース+GO(ox)→グルコン酸+GO(red)
式2 GO(red)+2 Fe(CN) 3−→GO(ox)+2 Fe(CN) 4−
式1に示すように、グルコースがグルコースオキシダーゼ(GO(ox))の酸化体によって酸化されてグルコン酸となる。GO(ox)は「酸化型酵素」とも呼ばれることに留意すべきである。式1の反応の間、酸化型酵素GO(ox)は、GO(red)で表されるその還元状態(即ち、「還元酵素」)に化学的に変換される。次に、還元型酵素GO(red)は、式2に示すようにFe(CN) 3−(酸化媒介物又はフェリシアン化物と呼ばれる)との反応によって再びGO(ox)へ再酸化される。GO(red)が酸化状態GO(ox)に戻る間、Fe(CN) 3−は還元されてFe(CN) 4−(還元伝達体又はフェロシアニドと呼ばれる)となる。
上記の反応が2つの電極間に試験信号を加えて行われる場合、電極表面で還元型メディエータが電気化学的に再酸化されることによって試験電流を発生させることができる。したがって、理想的な環境では、前述の化学反応の間に生成されたフェロシアニドの量は、電極間にある試料中のグルコースの量に正比例し、生成された試験電流は、試料のグルコース含有量に比例する。フェリシアニドなどの伝達体は、グルコースオキシダーゼなどの酵素からの電子を受け入れ、次に電子を電極に提供する化合物である。試料中のグルコース濃度が高くなると、生成される還元型伝達体の量も増えるため、還元型伝達体の再酸化によって生じる試験電流とグルコース濃度との間には直接的な関係がある。具体的には、電気的界面をまたいだ電子の移動によって、試験電流の流れが生じる(酸化されるグルコース1モルにつき2モルの電子)。したがってグルコースの導入によりもたらされる試験電流は、グルコース信号と呼ぶことができる。
電気化学的バイオセンサーは、測定値に好ましくない影響を与え得る特定の血液成分が存在することにより悪影響を受け、検出信号の誤りにつながる場合がある。この誤りにより不正確なグルコース値がもたらされ、患者が、例えば、潜在的に危険な血糖値に気付かないままとなる場合がある。一例として、血液ヘマトクリット値(即ち、赤血球が占める血液量の割合)は、分析物濃度測定の結果に誤った影響を与えることがある。
血液中の赤血球量が変化すると、使い捨て電気化学的試験ストリップで測定したグルコースの値が変動する原因になり得る。典型的には、高ヘマトクリット値で負のバイアス(即ち、低く算出された分析物濃度)がみられ、一方、低ヘマトクリット値で正のバイアス(即ち、参照分析物濃度よりも高く算出された分析物濃度)がみられる。高ヘマトクリット値において、例えば、赤血球は、酵素と電気化学的調節物質の反応を妨害し、化学反応物質を溶媒和する血漿量が少ないため化学的溶解率を減少し、調節物質の拡散を遅くする場合がある。これらの因子により、電気化学的プロセス中に生じる信号が少なくなり、予想されるグルコース測定値より低い結果となり得る。反対に低ヘマトクリット値において、予想より赤血球が少ないと電気化学的反応に影響を与える場合があり、その結果、信号がより高く測定され得る。加えて、生理学的液体試料の抵抗もまたヘマトクリット値に依存し、電圧および/又は電流の測定値に影響を与えうる。
ヘマトクリット値による血糖値の変動を低減する、又は防止するための幾つかの策が講じられている。例えば、試験ストリップは、試料から赤血球を除去するメッシュを組み込むように設計されており、又は赤血球の粘度を上げ、濃度判定への低ヘマトクリット値の影響を弱めるように設計される様々な化合物若しくは処方物を含んでいる。その他の試験ストリップは、ヘマトクリット値を補正する目的でヘモグロビン濃度を決定するよう構成された溶解剤および系を含む。更に、バイオセンサーは、交流信号を介する液体試料の電気的反応若しくは生理液試料に光を照射した後の光学的変動の変化を測定することにより又は試料チャンバ充填時間の関数に基づいたヘマトクリット値の測定により、ヘマトクリット値を測定するように構成されている。これらのセンサーには、特定の欠点がある。ヘマトクリット値の検出を含む、この方策における一般的な手法は、測定した分析物濃度の補正又は変更に測定したヘマトクリット値を用いることであり、この手法は一般に、米国特許出願公開第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0236237号、同第2010/0276303号、同第2010/0206749号、同第2009/0223834号、同第2008/0083618号、同第2004/0079652号、同第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0194432号、又は米国特許第7,972,861号および同第7,258,769号にそれぞれ示され、説明されており、これらのすべては本明細書に参照することにより本出願に組み込まれる。
出願人は、電気化学的反応の際の温度の効果を考慮した分析物測定を可能にする、新規な技術の種々の実施形態を提供している。有益なことに、この新規な技術は、100mg/dLを下回る測定についての±15mg/dLの範囲内、並びに100mg/dL以上の測定についての±15%の範囲内に、およそ97%のバイオセンサーを収めることで、出願人がこの分野に技術的貢献を提供することを可能にしている。平均的バイアス対名目上のバイアスが、100mg/dLを下回る測定について±10mg/dL、並びに100mg/dL以上の測定について±10%であるという更なる技術的貢献もまた、本発明によって提供される。
第1の態様において、出願人は、メーターと接続されるように構成されたバイオセンサーを備えた分析物測定システムを発明している。バイオセンサーは、電極の上に酵素が配置された少なくとも2つの電極を含む複数の電極を有する。メーターは、電源、メモリおよび上記のバイオセンサーの複数の電極と接続されたマイクロコントローラーを備える。マイクロコントローラーは、バイオセンサーに近接した周囲温度を測定し;分析物を含む液体試料が前記少なくとも2つの電極に近接して配置された場合、少なくとも2つの電極に対し信号を駆動し;電気化学的反応の間の前記少なくとも2つの電極からの信号出力を測定し;未補償分析物値を前記信号出力から計算し;未補償分析物値を、(a)温度補償タームは、未補償分析物値の増大に伴って増大する;温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および、温度補償タームは、約22℃〜約45℃であるバイオセンサーに近接した周囲温度について約ゼロである、という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に調整する。マイクロコントローラーはまた、最終分析物値を通知するように構成される。
第2の態様において、出願人は、試験ストリップおよび分析物メーターを備える分析物測定システムを提供した。試験ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに連結された複数の電極とを含む。分析物メーターは、試験ストリップの対応する電極コネクタに連結するように構成された試験ストリップポートコネクタを備えたハウジングと、試験ストリップポートコネクタと電気的に連通して、電気信号を印加する又は複数の電極からの電気信号を検知するマイクロプロセッサとを含む。マイクロプロセッサは、以下:(a)センサーに近接した環境の温度を検知し;(b)第1の信号を複数の電極に印加して、液体試料の物理的特性を決定し;(c)試験シーケンスの間の予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定し;(d)決定された物理的特性により確定された試験シーケンスの間の特定された抽出時点において、第2の信号を複数の電極に印加して、未補償分析物濃度を第2の信号から計算し;且つ、(e)未補償分析物濃度を、(i)未補償分析物値の増大に伴って増大し;(ii)約22℃から約5℃まで減少する試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大し;且つ(iii)約22℃〜約45℃であるバイオセンサーに近接した周囲温度について約ゼロである、温度補償タームによって補償する。マイクロプロセッサは、最終分析物値を通知するように構成される。
第3の態様において、出願人は、ハウジングを備え、このハウジング上に配置された試験ストリップポートコネクタを有する、グルコースメーターを開発している。試験ストリップポートコネクタは、試験ストリップの対応する電極コネクタに連結するように構成される。メーターは、以下:(a)ハウジングに近接した環境の温度を検知する手段;(b)試験ストリップの複数の電極に堆積された試料の検知又は推定された物理的特性に基づいて特定された抽出時間を決定する手段であって、この特定された抽出時間は、試験ストリップへの試料の堆積の際の、試験シーケンスの開始から参照される少なくとも1つの時点又は間隔である手段;(c)この特定された抽出時点に基づいて未補償分析物濃度を決定する手段;(d)この未補償分析物濃度を、(i)未補償分析物値の増大に伴って増大し;(ii)約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大し;且つ(iii)約22℃〜約45℃であるハウジングの温度又はバイオセンサーに近接した環境の温度について約ゼロである、温度補償タームによって、最終分析物値を通知する手段と共に、補償する手段を、有する。
第4の態様において、出願人は、電極の上に酵素が提供されている少なくとも2つの電極を有するバイオセンサーに対する温度の影響を調整する方法を発明している。この方法は、以下によって達成され得る:少なくとも2つの電極に信号を印加すること;少なくとも2つの電極と液体試料中の分析物との間に電気化学的反応を開始して、分析物を副産物へと変換させること;電気化学的反応の間の少なくとも2つの電極からの信号出力を測定すること;バイオセンサーに近接した温度を測定すること;信号出力から、液体試料における分析物の量を表す分析物値を計算すること;以下:(a)温度補償タームは、未補償分析物値の増大に伴って増大する;(b)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および、(c)温度補償タームは、約22℃〜約45℃であるバイオセンサーに近接した周囲温度について約ゼロである、という関係性によって定義される温度補償タームにより、分析物値を最終分析物値に調整すること;並びに、液体試料の量を表す最終値を通知すること。
第5の態様において、出願人は、液体試料からの分析物濃度を決定する方法を設計している。この方法は、以下によって達成され得る:液体試料をバイオセンサー上に堆積させて、試験シーケンスを開始すること;試料中の分析物に、酵素反応を起こさせること;試料中の分析物濃度を推定すること;試料中の少なくとも1つの物理的特性を測定すること;バイオセンサーに近接した環境の温度を検知すること;試験シーケンスの開始からバイオセンサーからの試料出力までの特定された時点を、推定工程から推定された分析物濃度および測定工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義すること;特定された時点におけるバイオセンサーの出力信号を抽出すること;特定された時点におけるバイオセンサーの抽出された出力信号から未補償分析物濃度を決定すること;並びに、以下:(a)温度補償タームは、未補償分析物値の増大に伴って増大する;(b)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および、(c)温度補償タームは、約22℃〜約45℃であるバイオセンサーに近接した周囲温度について約ゼロである、という関係性によって定義される温度補償タームによって未補償分析物値を補償して最終分析物値にすること。この方法は、最終分析物値を通知することを含む。
そして、これらの態様について、以下の特徴もまた、これらの以前に開示された態様との種々の組み合わせにおいて使用され得る。この関係性は、以下の式によって表される:
Figure 0006562909
式中、
は最終分析物値を含み、
は1以上である未補償分析物値を含み;
Tはメーターによって(℃で)測定される温度を含み;
は約22℃(名目上の温度)を含み、
は約4.69e−4を含み、
は約−2.19e−2を含み、
は約2.80e−1を含み、
は約2.99e0を含み、
は約−3.89e1を含み、
は約1.32e2を含む。
あるいは、関係性が、以下の式によって表される:
Figure 0006562909
式中、
は最終分析物値を含み、
は未補償分析物値を含み、
nominalは名目上の分析物値を含み、
Tはメーターによって(℃で)測定される温度であり、
は約22℃(名目上の温度)を含み、
は約4.80e−5を含み、
は約−6.90e−3を含み、
は約2.18e−1を含み、
は約9.18e−6を含み、
は約−5.02e−3を含み、
は約1.18e0を含み、
は約2.41e−2を含む。
これらの既に上で記載された態様において、マイクロコントローラーは、(a)第1の信号を複数の電極に印加し、液体試料の物理的特性を決定し、(b)試験シーケンスの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定し、(c)第2の信号を複数の電極に印加し、(d)決定された物理的特性により確定された試験シーケンスの間の抽出時間において、複数の電極からの出力信号を測定することにより、複数の電極からの出力信号から分析物濃度が計算され、以下の式を用いて特定された抽出時間が計算されるように、構成される:
Figure 0006562909
式中、
「特定された抽出時間」は、試験ストリップの出力信号を抽出する、試験シーケンスの開始からの時点として指定され、
Hは、試料の物理的特性を表し;
は、約4.3e5を表し;
は、約−3.9を表し;および
は、約4.8を表す。
これらの態様について、マイクロコントローラーが、以下の式によって、未補償分析物濃度を決定する:
Figure 0006562909
式中、
は未補償分析物濃度を表し、
は、特定された抽出時間において測定された信号を表し;
Slopeは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、
Interceptは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表す。
また、上記の態様について、マイクロコントローラーは、以下:(a)液体試料の物理的特性;および(b)試料由来の推定分析物濃度に基づいて、特定された抽出時間を決定する。マイクロコントローラーは、以下の式によって分析物濃度を推定する:
Figure 0006562909
式中、Gestは、推定分析物濃度を表し;
は、約2.5秒にて測定された信号であり、
は、バイオセンサーの特定のバッチの較正勾配を含み;
は、バイオセンサーの特定のバッチの較正切片を含み;且つ
マイクロコントローラーは、以下の式によって、未補償分析物濃度を決定する:
Figure 0006562909
式中、Gは未補償分析物濃度を表し;
は、特定された抽出時間において測定された信号を含み;
は、バイオセンサーの特定のバッチの較正勾配を含み;且つ
は、バイオセンサーの特定のバッチの切片を含む。
上記の態様について、上記複数の電極は、物理的特性を測定するための少なくとも2つの電極、および分析物濃度を測定するための少なくとも2つの別の電極を含み、この少なくとも2つの電極および少なくとも2つの別の電極は、基板上に提供された同じチャンバ内に配置され;少なくとも2つの電極および少なくとも2つの別の電極は、基板上に提供されたそれぞれ異なる2つのチャンバ内に配置され;全ての電極は、基板によって画定される同一平面上に配置され;試薬は、少なくとも2つの別の電極に近接して配置されて、少なくとも2つの電極上には試薬は配置されず;最終分析物濃度は、試験シーケンスの開始の約10秒間以内に第2の新方から決定され;抽出時点が、マトリックスを含む参照表から選択され、推定された分析物の異なる定性的分類が該マトリックスの最も左側の縦列に記載されており、測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が該マトリックスの最上段の横列に記載されており、前記抽出時間が該マトリックスの残りの欄に提供されていて;決定するための手段が、第1の信号を複数の電極に印加することにより、液体試料の物理的特性により定義されたバッチ勾配が導き出されるようにする手段と、第2の信号を前記複数の電極に印加することにより、分析物濃度が該導き出されたバッチ勾配および特定された抽出時間に基づいて決定されるようにする手段とを含み;決定するための手段が、試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定するための手段と、推定された分析物濃度および検知又は推定された物理的特性のマトリックスから特定された抽出時点を選択するための手段とを含み;決定するための手段が、検知又は推定された物理的特性に基づいてバッチ勾配を選択するための手段と、バッチ勾配から特定された抽出時点を確認するための手段とを含み;信号の印加は、(a)第1の信号を試料に印加して試料の物理的特性を測定すること、および(b)第2の信号を試料に印加して、分析物と試薬との間の酵素的反応を引き起こすことを含み、ここで、計算する工程は、試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定すること、推定された分析物の異なる定性的分類および異なる抽出時点に対する指標となる測定されたか又は推定された物理的特性の異なる定性的分類を有する参照表から抽出時点を選択すること;選択された抽出時点における試料から信号出力を抽出すること;該選択された抽出時点で抽出された測定された出力信号から、以下の式に従って分析物濃度を計算すること:
Figure 0006562909
式中、
は未補償分析物濃度を表し、
は、該選択された抽出時間Tにおいて測定された信号(分析物濃度に比例する)を表し、
Slopeは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、
Interceptは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表す。
上記の態様において、印加する工程は、(a)第1の信号を試料に印加して液体試料の物理的特性を測定することと、(b)第2の信号を試料に加えて分析物と試薬との酵素反応を生じさせることとを含み、計算する工程は、試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定することと、測定又は推定された物理的特性および推定された分析物濃度の両方に基づいて抽出時点を選択することと、選択された抽出時点において試料から信号出力を抽出することと、選択された抽出時点において抽出された測定出力信号から分析物濃度を計算することとを含み、測定は、第1信号を試料に印加して試料の物理的特性を測定することを含み、生じさせる工程は、第2信号を試料に印加することを含み、測定は、試験シーケンスの前記開始後の時点でバイオセンサーの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価することを含み、ここで、該時点が、少なくとも測定又は推定された物理的特性の関数として設定され、並びに決定する工程は、該時点において測定された出力信号から分析物濃度を計算することを含み;試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定することを更に含み、定義する工程が、測定又は推定された物理的特性および推定された分析物濃度の両方に基づいて定義された時点を選択することを含み、予め決定された時間における出力信号の測定に基づいて分析物濃度を推定することを更に含み、所定の時間は、試験シーケンスの開始から約2.5秒を含み、推定が、異なる試料測定時間に対する指標となる試料の分析物濃度および物理的特性のそれぞれ異なる範囲を有する参照表に対して、推定された分析物濃度および測定又は推定された物理的特性を比較して、第2の信号の試料からの出力の測定についての時点が計算する工程のために得られるようにすることを含み、第1信号の印加および第2信号の駆動は順次であり;第1信号の印加は第2信号の印加に重なり;第1の信号の印加は試料へ交流信号を方向付けることを含むことにより、試料の物理的特性が電磁気的信号の出力から決定され、この物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、温度および密度のうちの少なくとも1つを含み、この物理的特性がヘマトクリット値を含み且つ分析物がグルコースを含み、方向付けることが、第1および第2の交流信号を互いに異なる周波数で駆動し、ここで第1周波数は第2周波数よりも低く、第1の周波数が第2の周波数よりも少なくとも1桁低く、第1の周波数は約10kHz〜約250kHzの範囲内の任意の周波数を含み、抽出することは、試験シーケンスの開始時から開始の少なくとも約10秒後まで連続的に信号出力を抽出することを含み、抽出時点は、マトリックスを含む参照表から選択され、ここで、推定された分析物の異なる定性的分類が該マトリックスの最も左側の縦列に記載されており、測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が該マトリックスの最上段の横列に記載されており、抽出時間が該マトリックスの残りの欄に提供されている。
開示についての前述の態様において、決定すること、推定すること、計算すること、演算すること、導出することおよび/又は利用すること(おそらく式と関連して)は、電子回路、又はプロセッサによって実行されてもよい。これらの工程は、コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能命令として実装されてもよく、命令は、コンピュータによって実行されると、前述の方法のうちの任意の1つについての工程を実行し得る。
開示の付加的な態様において、コンピュータ可読媒体が存在し、それぞれの媒体は実行可能命令を備えており、その命令がコンピュータによって実行されると、前述の方法の任意の1つについての工程を実施する。
開示の付加的な態様において、試験メーター又は分析物試験装置などの装置が存在し、それぞれの装置又は計測器は、前述の方法のうちの任意の1つについての工程を実行するように構成される電子回路又はプロセッサを含む。
これらおよび他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明を、はじめに下記に簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって当業者にとって明らかになるであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の目下好ましい実施形態を示したものであって、上記に述べた一般的説明および以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は、同様の要素を表す)。
メーターおよびバイオセンサーを備えた分析物測定システムを示す。 メーターおよびバイオセンサーを備えた、なお別の分析物測定システムを示す。 メーター200の構成要素の簡略化された概略形態を示す。 メーター200の変形例の好ましい実施の簡略化された概略形態を示す。 図1Aおよび1Bの手持ち式試験メーターの様々なブロックの簡略化ブロック図である。 本開示による実施形態に使用できるような、物理的特性測定ブロックの簡略化ブロック図である。 本開示による実施形態に使用できるような、デュアルローパスフィルタサブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示による実施形態に使用できるような、トランスインピーダンス増幅器(TIA)サブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示の実施形態の物理的特性測定ブロックで使用できるような、デュアルローパスフィルタサブブロック、較正負荷サブブロック、バイオセンサー試料セルインターフェースサブブロック、トランスインピーダンス増幅器サブブロック、XOR位相シフト測定サブブロック、およびQuadratur DEMUX位相シフト測定サブブロックを示す、簡略化注釈付き概略ブロック図である。 測定電極の上流に2つの物理的特性検知電極がある、図1のシステムの試験ストリップ100を示す。 分析物チャンバの入口に近接して遮蔽又は接地電極が提供される図3A(1)の試験ストリップの変形例を示す。 試薬領域が物理的特性検知電極の少なくとも1つを覆うように上流に延びている図3A(2)の試験ストリップの変形例を示す。 試験ストリップの特定の要素が1つのユニットに互いに統合されている図3A(1)、3A(2)、および3A(3)の試験ストリップ100の変形例を示す。 1つの物理的特性検知電極が入口に近接して配置され、他の物理的特性検知電極が試験セルの末端部にあり、測定電極が一対の物理的特性検知電極の間に配置されている、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の試験ストリップの変形例を示す。 物理的特性検知電極が試験チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形例を示す。 物理的特性検知電極が試験チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形例を示す。 一対の物理的特性検知電極が試験チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 一対の物理的特性検知電極が試験チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)および3B〜3Fのバイオセンサーに印加された電位の時間に対するグラフを示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)および3B〜3Fのバイオセンサーからの出力電流の時間に対するグラフを示す。 試験チャンバに適用された例示的な波長および波長間に時間遅延を示す、試験チャンバにおいて測定された波長を示す。 より正確な分析物の決定を実現するための例示的な方法の論理図を示す。 バイオセンサーの信号出力過渡および分析物の決定に利用される時点の範囲、並びに分析物濃度の推定を示す。 データが約30%〜約55%のヘマトクリット範囲において±10%未満のバイアスを示すような、本明細書の例示的な技術により実施された試験測定からのデータを示す。 未補償分析物測定値に適用する温度補償ファクターを示す。 液体試料中の分析物の電気化学的反応の際の温度の影響について参照値と比較して考慮するために結果が補償されている、バイオセンサーの24のバッチからの結果を示す。 種々の分析物測定値および環境温度における、24バッチの結果および名目上の温度に対する平均バイアスを示す。 種々の分析物測定値および環境温度における、24バッチの結果および名目上の温度に対する平均バイアスを示す。 種々の分析物測定値および環境温度における、24バッチの結果および名目上の温度に対する平均バイアスを示す。 種々の分析物測定値および環境温度における、24バッチの結果および名目上の温度に対する平均バイアスを示す。 種々の分析物測定値および環境温度における、24バッチの結果および名目上の温度に対する平均バイアスを示す。
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきもので、異なる図面中、同様の要素は同様の符号にて示してある。図面は、必ずしも一定の縮尺を有さず、選択された実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。この詳細な説明は、本発明の原理を、限定するのではなく、一例として例示するものである。この説明は、当業者による本発明の作製および使用を明確に可能とし、本発明を実施する最良のモードであると目下考えられるものを含む、本発明のいくつかの実施形態、適合物、変形物、代替物および使用を説明する。
本明細書で使用する任意の数値又は数値の範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が本明細書に記載の意図された目的に沿って機能することを可能とするような、好適な寸法の許容公差を示すものである。更に具体的には、「約」又は「およそ」という用語は、記載される値の±10%の値の範囲を示し得、例えば、「約90%」は、81%〜99%の値の範囲を示し得る。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、および「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。本明細書で使用するところの「振動信号」とは、それぞれ、電流の極性を変更するか、又は方向を交互に変化させるか、又は多方向的である電圧信号又は電流信号を含む。また本明細書で用いる語句「電気信号」又は「信号」は、直流信号、交流信号、又は電磁スペクトル内の任意の信号を含むことが意図される。用語「プロセッサ」「マイクロプロセッサ」又は「マイクロコントローラー」は、同じ意味を有することが意図され、互換的に使用されることが意図される。本明細書で用いる「通知された」という用語およびこの語幹の変形は、文字、音声、画像又は全ての通信の態様若しくは媒体の組み合わせを介してユーザーに通知されることを表す。
図1Aは、本明細書に図示および説明される方法および技術によって製造されたバイオセンサーを用いて個人の血中の分析物(例えばグルコース)濃度を分析物するための試験メーター200を示している。試験メーター200は、データの入力、メニューのナビゲート、およびコマンドの実行用のボタンの形態であってよいユーザーインターフェース入力装置(206、210、214)を含んでもよい。データには、分析物濃度、および/又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、医薬使用、健康チェックの実施、全身の健康状態、および運動レベルを挙げることができる。試験メーター200は、測定されたグルコース値を報告する、および生活習慣に関連した情報のエントリーを容易にするのに使用しうるディスプレイ204も含み得る。
試験メーター200は、第1のユーザーインターフェース入力装置206、第2のユーザーインターフェース入力装置210、および第3のユーザーインターフェース入力装置214を含んでもよい。ユーザーインターフェース入力装置206、210、および214は、試験デバイス内に保存されたデータの入力および分析を促進し、利用者がディスプレイ204上に表示されたユーザーインターフェースを介してナビゲートすることが可能になる。ユーザーインターフェース入力装置206、210、および214は、第1のマーキング208、第2のマーキング212、および第3のマーキング216を含み、それらは、ユーザーインターフェース入力装置をディスプレイ204上の文字と相互に関連付けるのに役立つ。
試験メーター200は、バイオセンサー100(又はその変形例)をストリップポートコネクタ220に挿入するか、又は第1のユーザーインターフェース入力装置206を押し込んで少しの間保持するか、又はデータポート218を横切るデータトラフィックの検出によってスイッチを入れることができる。試験メーター200は、バイオセンサー100(又はその変形例)を取り外すこと、第1のユーザーインターフェース入力装置206を押し込んで短時間押し続けること、メインメニュー画面からナビゲートして測定器オフの選択肢を選択すること、又は予め決定された時間の間いかなるボタンも押さずにいることによって、動作を停止させてもよい。ディスプレイ104は場合により背面照明を含んでもよい。
一実施形態において、試験メーター200は、第1の試験ストリップのバッチから第2の試験ストリップのバッチに切り替える場合、任意の外部ソースからの、例えば較正入力を受信しないように構成されてもよい。それ故、例示的な一実施形態では、測定器は、(入力装置206、210、214などの)ユーザーインターフェース、挿入される試験ストリップ、別個のコードキー又はコードストリップ、データポート218などの外部ソースからの較正入力を受信しないように構成される。このような較正入力は、バイオセンサーバッチのすべてが、ほぼ均一な較正特性を有する場合には、必要ない。較正入力は、特定のバイオセンサーバッチに属する一連の値としてもよい。例えば、較正入力は、特定のバイオセンサーバッチにおけるバッチ勾配およびバッチ切片値を含んでもよい。バッチ傾きおよび切片値などの較正入力は、下記に記載するように、測定器内で予備設定され得る。
図2Aを参照すると、試験メーター200の例示的な内部レイアウトが示されている。試験メーター200は、プロセッサ300を含み得、それは、本明細書に記載および説明するいくつかの実施形態では、32ビットRISCマイクロコントローラーである。本明細書に記載および説明する好ましい実施形態では、プロセッサ300は、Dallas,TexasのTexas Instrumentsにより製造される超低消費電力マイクロコントローラーのMSP 430ファミリーから選択されることが好ましい。プロセッサは、I/Oポート314を介して、メモリ302に双方向に接続されてもよく、メモリ302は、本明細書に記載および説明するいくつかの実施形態では、EEPROMである。データポート218、ユーザーインターフェース入力装置206、210、および214、並びにディスプレイドライバー320もI/Oポート214を介してプロセッサ300に接続される。データポート218は、プロセッサ300に接続されてもよく、それによって、メモリ302とパーソナルコンピュータなどの外部デバイスとの間のデータ転送を可能にする。ユーザーインターフェース入力装置206、210、および214は、プロセッサ300に直接接続されている。プロセッサ300は、ディスプレイドライバー320によってディスプレイ204を制御する。メモリ302は、試験メーター200の製造中、バッチ勾配およびバッチ切片値などの較正情報と共にプレロードされてもよい。このプレロードされた較正情報は、ストリップポートコネクタ220を介してストリップから好適な(電流などの)信号を受信した後、プロセッサ300によりアクセスおよび使用されて、任意の外部ソースから較正入力を受信することなく、信号および較正情報を使用して、対応する(血中グルコース濃度などの)分析物レベルを計算することができる。
本明細書に記載および説明する実施形態では、試験メーター200は、ストリップポートコネクタ220に挿入された試験ストリップ100(又はその変形例)に塗布されている血中のグルコース値の測定に使用される電子回路を提供する、特定用途向け集積回路(ASIC)304を含み得る。アナログ電圧は、アナログインターフェース306を経由してASIC 304へおよびASIC 304から通過しうる。アナログインターフェース306からのアナログ信号は、A/D変換器316によってデジタル信号に変換することができる。プロセッサ300は更に、コア308、ROM 310(コンピュータコードを含む)、RAM 312およびクロック318を含む。一実施形態では、プロセッサ300は、例えば分析物測定後のある期間中など、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の間に、単一の入力を除くすべてのユーザーインターフェース入力を無効にするように構成(又はプログラム)される。代替的な実施形態では、プロセッサ300は、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の間に、単一の入力を除くすべてのユーザーインターフェース入力装置からの任意の入力を無視するよう構成(又はプログラム)されている。メーター200の詳細な説明および実例は、国際公開第WO2006070200号に示され、記載されており、当該公開を恰も本明細書に完全に記載されたものと同様にして、参照により本出願に組み込まれる。
図1Bおよび2C〜2Gを参照して、手持ち式試験メーター200の別の実施形態が、提供される。このバージョンのメーター200は、ディスプレイ102と、複数個のユーザーインターフェースボタン104と、ストリップポートコネクタ106と、USBインターフェース108と、ハウジングとを含む。特に、図1Bおよび2Cを参照すると、手持ち式試験メーター200はまた、マイクロコントローラーブロック112と、物理的特性測定ブロック114と、ディスプレイ制御ブロック116と、メモリブロック118と、試験電圧をバイオセンサーに印加するため、かつ、また電気化学応答(例えば、複数の試験電流値)を測定する、および電気化学応答に基づいて、分析物を判定するための他の電子構成要素(図示せず)とを含む。目下の説明を簡素化するため、図は、全てのそのような電子回路を示すというわけではない。
ディスプレイ102は、例えば、スクリーン画像を示すように構成された液晶ディスプレイ又は双安定ディスプレイとすることができる。画面画像の例には、グルコース濃度、日付および時間、エラーメッセージ、並びにエンドユーザーがどのように試験を実行するかを指示するためのユーザーインターフェースが挙げられる。
ストリップポートコネクタ106は、全血試料内のグルコースの判定のために構成される、電気化学系バイオセンサー等のバイオセンサー100と動作可能にインターフェース接続するように構成される。したがって、バイオセンサーは、ストリップポートコネクタ106の中への動作的挿入のために、および例えば、好適な電気接触を介して、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114と動作可能にインターフェース接続するように構成される。
USBインターフェース108は、当業者に既知の任意の好適なインターフェースであってもよい。USBインターフェース108は、本質的に、手持ち式試験メーター200に給電し、データラインを提供するように構成される、受動構成要素である。
いったん、バイオセンサーが、手持ち式試験メーター200とインターフェース接続属されると、又はその前に、体液試料(例えば、全血試料)がバイオセンサーの試料チャンバの中に導入される。バイオセンサーは、分析物を別の予め決定された化学形態に選択的かつ定量的に転換させる、酵素試薬を含むことができる。例えば、バイオセンサーは、グルコースを酸化型に物理的に転換させることができるように、フェリシアン化物およびグルコースオキシダーゼを伴う酵素試薬を含むことができる。
手持ち式試験メーター200のメモリブロック118は、好適なアルゴリズムを含み、マイクロコントローラーブロック112と共に、バイオセンサーの電気化学応答、および導入された試料のヘマトクリット値に基づいて、分析物を判定するように構成することができる。例えば、分析物血液グルコースの判定において、ヘマトクリット値は、電気化学的に判定された血液グルコース濃度へのヘマトクリット値の効果を補うために使用することができる。
マイクロコントローラーブロック112は、ハウジング内に配置され、当業者に既知の任意の好適なマイクロコントローラーおよび/又はマイクロプロセッサを含むことができる。1つのそのような好適なマイクロコントローラーは、Texas Instruments,Dallas,TX USAから商業的に入手可能な、部品番号MSP430F5138のマイクロコントローラーである。このマイクロコントローラーは、25〜250kHzの方形波、および同じ周波数の90度位相シフトした波を生成することができ、それにより、以下で更に説明される信号生成サブブロックとして機能する。MSP430F5138はまた、本開示の実施形態で使用される位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロックによって生成された電圧の測定に好適な、アナログ・デジタル(A/D)処理能力も有する。
特に、図2Dを参照すると、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114は、信号生成サブブロック120と、ローパスフィルタサブブロック122と、バイオセンサー試料セルインターフェースサブブロック124と、任意の較正ロードブロック126(図2Dの破線内)と、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128と、位相検出器サブブロック130とを含む。
以下で更に説明されるように、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114およびマイクロコントローラーブロック112は、例えば、体液試料によって動作される1つ以上の高周波数電気信号の位相シフトを測定することによって、手持ち式試験メーターに挿入されるバイオセンサーの試料セル内の体液試料の位相シフトを測定するように構成される。加えて、マイクロコントローラーブロック112は、測定された位相シフトに基づいて、体液のヘマトクリット値を算出するように構成される。マイクロコントローラー112は、例えば、位相検出器サブブロックから受信される電圧を測定し、電圧を位相シフトに変換するように、A/Dコンバータを採用し、次いで、位相シフトをヘマトクリット値に変換するように、好適なアルゴリズム又は参照表を採用することによって、ヘマトクリット値を算出することができる。いったん本開示を知らされると、当業者は、そのようなアルゴリズムおよび/又は参照表が、ストリップ形状(電極面積および試料チャンバ体積を含む)並びに信号周波数等の様々な要因を考慮するように構成されることを認識するであろう。
全血試料のリアクタンスと、その試料のヘマトクリット値との間に関係が存在することが判定されている。平行な容量性および抵抗性構成要素としての体液試料(即ち、全血試料)の電気的モデリングは、交流電流(AC)信号が、体液試料を強制通過される時、AC信号の位相シフトが、AC電圧の周波数および試料のヘマトクリット値の双方に依存することを示す。更に、モデリングは、信号の周波数がおよそ10kHz〜25kHzの範囲内である時に、ヘマトクリット値は、位相シフトに対して比較的小さい影響を有し、信号の周波数がおよそ250kHz〜500KHzの範囲内である時、位相シフトに対して最大の影響を有することを示す。したがって、体液試料のヘマトクリット値は、例えば、体液試料を通じて既知の周波数のAC信号を駆動し、それらの位相シフトを検出することによって、測定することができる。例えば、10kHz〜25kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、そのようなヘマトクリット値測定における参照読取値として使用することができる一方、250kHz〜500kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、一次測定として使用することができる。
特に、図2C〜2Gを参照すると、信号生成サブブロック120は、任意の好適な信号生成ブロックとすることができ、所望の周波数の方形波(0V〜Vref)を生成するように構成される。そのような信号生成サブブロックは、所望される場合、マイクロコントローラーブロック112に一体化することができる。
信号生成サブブロック120によって生成される信号は、方形波信号を予め決定された周波数の正弦波信号に変換するように構成される、デュアルローパスフィルタサブブロック122に通信される。図2EのデュアルLPFは、第1の周波数の信号(10kHz〜25kHzの範囲内の周波数等)および第2の周波数の信号(250kHz〜500kHzの範囲内の周波数)の双方を、バイオセンサー試料セルインターフェースサブブロックおよびバイオセンサーの試料チャンバ(HCT測定セルとも称される)に提供するように構成される。第1および第2の周波数の選択は、図2EのスイッチIC7を使用して達成される。図2EのデュアルLPFは、高速、電圧フィードバック、CMOS動作増幅器部品番号OPA354として、Texas Instruments,Dallas,Texas,USAから入手可能な演算増幅器等の2つの好適な演算増幅器(IC4およびIC5)を含む。
図2Eを参照すると、F−DRVは、低又は高周波数(例えば、25kHz又は250kHz)のいずれかの方形波入力を表し、IC4およびIC5の双方に接続される。信号Fi−高/低(マイクロコントローラーから)は、スイッチIC7を介して、デュアルローパスフィルタサブブロック122の出力を選択する。図2EのC5は、HCT測定セルからのデュアルローパスフィルタサブブロック122の動作電圧をブロックするように構成される。
特定のデュアルLPFが図2Eにおいて描写されるが、デュアルローパスフィルタサブブロック122は、例えば、任意の好適な多重フィードバックローパスフィルタ、又はSallenおよびKeyローパスフィルタを含む、当業者に既知の任意の好適なローパスフィルタサブブロックとすることができる。
ローパスフィルタサブブロック122によって生成される正弦波は、バイオセンサー試料セルインターフェースサブブロック124に通信され、そこで、正弦波は、バイオセンサーの試料セル(HCT測定セルとも称される)にわたって動作される。バイオセンサー試料セルインターフェースブロック124は、例えば、試料セル内に配置されるバイオセンサーの第1の電極および第2の電極を介して、バイオセンサーの試料セルと動作可能にインターフェース接続するように構成される、インターフェイスブロックを含む、任意の好適な試料セルインターフェースブロックとすることができる。そのような構成において、信号は、図2Gに描写されるように、第1の電極を介して、試料セルに(ローパスフィルタサブブロックから)動作させることができ、試料セルから(トランスインピーダンス増幅器サブブロックによって)拾い上げることができる。
試料セルにわたって信号を動作させることによって生成される電流は、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128によって拾い上げられ、位相検出器サブブロック130への通信のために電圧信号に変換される。
トランスインピーダンスサブブロック128は、当業者に既知の任意の好適なトランスインピーダンスサブブロックとすることができる。図2Fは、1つのそのようなトランスインピーダンス増幅器サブブロック(2つのOPA354演算増幅器、IC3およびIC9に基づく)の簡略化された、注釈付き概略ブロック図である。TIAサブブロック128の第1の段階は、例えば、400mVで動作し、これは、AC振幅を+/−400mVに制限する。TIAサブブロック128の第2の段階は、Vref/2で動作し、これは、マイクロコントローラーA/D入力のフルスパンの出力の生成を可能にする構成である。TIAサブブロック128のC9は、AC正弦波信号が通過することのみを可能にする、ブロッキング構成要素として作用する。
位相検出器サブブロック130は、捕捉機能を使用してマイクロコントローラーブロック112によって読み取ることができるデジタル周波数、又はアナログ・デジタルコンバータを使用してマイクロコントローラーブロック112によって読み取ることができるアナログ電圧のいずれかを生成する、任意の好適な位相検出器サブブロックとすることができる。図2Gは、2つのそのような位相検出器サブブロック、即ち、XOR位相検出器(図2Gの上半分にあり、IC22およびIC23を含む)、並びに直交DEMUX位相検出器(図2Gの下半分にあり、IC12およびIC13を含む)を含む、回路図を描写する。
図2Gはまた、スイッチ(IC16)、並びにダミーロードR7およびC6を含む、較正ロードサブブロック126を描写する。較正ロードサブブロック126は、レジスタR7によって生成されるゼロ度の既知の位相シフトの位相オフセットの動的測定のために構成され、このため、較正において使用するための位相オフセットを提供する。C6は、予め決定されたわずかな位相シフトを強制的に変えるように、例えば、試料セルへの信号トレースにおける寄生容量によって生じる位相遅延、又は電気回路(LPFおよびTIA)における位相遅延を補うように構成される。
図2Gの直交DEMUX位相検出器回路は、2つの部分を含み、1つの部分は着信AC信号の抵抗部分に対するものであり、1つの部分は着信AC信号の反応部分に対するものである。そのような2つの部分の使用は、AC信号の抵抗部分および反応部分の双方の同時測定、並びに0度〜360度を網羅する測定範囲を可能にする。図2Gの直交DEMUX回路は、2つの別個の出力電圧を生成する。これらの出力電圧のうちの一方は、「同相測定」を表し、AC信号の「抵抗」部分に比例し、他方の電圧は、「直交測定」を表し、信号の「反応」部分に比例する。位相シフトは、以下のように計算される:
Φ=tan−1(VQUAD−PHASE/VIN−PHASE
そのような直交DEMUX位相検出器回路はまた、試料セル内の体液試料のインピーダンスを測定するために、採用することができる。インピーダンスは、身体試料のヘマトクリット値を判定するように、位相シフトと共に、又はそれから独立して、採用されできることが、拘束されずに仮定される。試料セルを通して強制通過される信号の振幅は、以下のように、直交DEMUX回路の2つの電圧出力を使用して計算することができる:
振幅=SQR((VQUAD−PHASE+(VIN−PHASE
次いで、この振幅は、インピーダンスを判定するように、較正ロードブロック126の既知のレジスタに対して測定される振幅と比較することができる。
XOR位相検出器部分は、「μCからの方形波入力」が、正弦波に対して同相であるか、又は90°位相シフトに設定されるかどうかに依存して、0°〜180°の測定範囲、又は代替的に、−90°〜+90°の測定範囲を有する。XOR位相検出器は、常に入力周波数の2倍である出力周波数を生成するが、しかしながら、デューティサイクルは変化する。双方の入力が完全に同相である場合、出力は低であり、双方の入力が180°シフトされる場合、出力は常に高である。出力信号を積分することによって(例えば、単純なRC要素を介して)、双方の入力間で位相シフトに直接比例する電圧を生成することができる。
本書中で提供されるように、当業者は、本開示の実施形態で使用される位相検出器サブブロックが、例えば、立ち上がりエッジキャプチャ法、デュアルエッジキャプチャ法、XOR法、および同期復調法を使用する形状を含む、任意の好適な形状を取りうることを認識するであろう。
ローパスフィルタサブブロック122、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128、および位相検出器サブブロック130は、残留位相シフトを位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114に導入することができるため、較正ロードブロック126は、任意に、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック内に含めることができる。較正ロードブロック126は、本質的に抵抗性の性質(例えば、33kオームロード)であるように構成され、したがって、励起電圧と生成された電流との間で位相シフトを誘導しない。較正ロードブロック126は、「ゼロ」較正読取値をもたらすように、回路にわたって切り替えられるように構成される。いったん較正されると、手持ち式試験メーターは、体液試料の位相シフトを測定し、「ゼロ」読取値を減算して、補正された位相シフトを算出し、その後、補正された位相シフトに基づいて、試料の物理的特性を算出することができる。
図3A(1)は、基板5上に配置された7つの層を有しうる試験ストリップ100の代表的な分解斜視図である。基板5上に配置された7つの層とは、(電極層50とも呼ばれうる)第1の導電層50、絶縁層16、2つの重なる試薬層22aおよび22b、接着部分24、26および28を含む接着層60、親水層70、並びに試験ストリップ100のカバー94を形成する最上層80であってよい。例えば、スクリーン印刷プロセスを用いて、導電層50、絶縁層16、試薬層22、および接着層60を基板5の上に順次堆積させる一連の工程で、試験ストリップ100を製造することができる。電極10、12、および14が試薬層22aおよび22bと接触して配置され、一方、物理的特性検知電極19aおよび20aは試薬層22から離間して接触していないことに留意されたい。親水層70および最上層80は、ロールストックから配置され、一体化ラミネート、又は別個の層のいずれかとして基板5上に積層されてもよい。図3A(1)に示されるように、試験ストリップ100は、遠位側部分3および近位側部分4を有している。
試験ストリップ100は、そこから生理学的液体試料95を抜き取るか又は入れることができる試料受容チャンバ92を有し得る(図3A(2))。本明細書で記載する生理学的液体試料は血液であってよい。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92は、試験ストリップ100の近位端に入口を、側縁部に出口を有し得る。液体試料95を軸L−L(図3A(2))に沿って入口に加え、グルコースを測定できるように、試料受取チャンバ92を充填する。図3A(1)に示されるように、試薬層22に隣接して配置された第1の接着パッド24および第2の接着パッド26の側縁部が、それぞれ試料受容チャンバ92の壁を形成している。図3A(1)に示されるように、試料受容チャンバ92の底部すなわち「床部」は、基板5、導電層50、および絶縁層16の一部を含みうる。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92の上部すなわち「天井部」は、遠位側親水性部分32を含みうる。図3A(1)に示されるように、試験ストリップ100では、基板5は、後から適用される層を支持する助けとなる基礎として用いることができる。基板5は、ポリエチレンテトラフタレート(PET)材料(ミツビシ社(Mitsubishi)により供給されるHostaphan PET)などのポリエステルシートの形態であってもよい。基板5は、公称350マイクロメートル厚×370ミリメートル幅、長さおよそ60メートルのロール形態であってもよい。
導電層は、グルコースの電気化学的測定に使用することができる電極を形成するために必要とされる。第1の導電層50は、基板5上にスクリーン印刷されるカーボンインクから作ることができる。スクリーン印刷プロセスでは、カーボンインクはスクリーン上に乗せられ、続いてスキージを用いてスクリーンを通して転写される。印刷されたカーボンインクは、約140℃の高温空気で乾燥させることができる。カーボンインクは、VAGH樹脂、カーボンブラック、グラファイト(KS15)、並びに樹脂、カーボン、およびグラファイト混合物用の1つ以上の溶媒を含みうる。より詳細には、カーボンインクは、カーボンインク中に約2.90:1の比のカーボンブラック:VAGH樹脂、および、約2.62:1の比のグラファイト:カーボンブラックを含むことができる。
図3A(1)に示されるような試験ストリップ100では、第1の導電層50は、参照電極10、第1の作用電極12、第2の作用電極14、第3および第4の物理的特性検知電極19aおよび19b、第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、参照接触パッド11、第1の作用電極トラック8、第2の作用電極トラック9、参照電極トラック7、およびストリップ検出用バー17を有することができる。物理的特性検知電極19aおよび20aは、対応する電極トラック19bおよび20bと共に提供される。この導電層は、カーボンインクから形成することができる。第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、および参照接触パッド11は、試験測定器と電気的に接続されるように適合されてもよい。第1の作用電極トラック8は、第1の作用電極12から第1の接触パッド13までの電気的に連続した経路を与える。同様に、第2の作用電極トラック9は、第2の作用電極14から第2の接触パッド15に至る電気的に連続した経路を提供する。同様に、参照電極トラック7は、参照電極10から参照接触パッド11に至る電気的に連続した経路を提供する。ストリップ検出用バー17は、参照接触パッド11と電気的に接続されている。第3および第4の電極トラック19bおよび20bは、対応する電極19aおよび20aと接続する。図3A(1)に示されるように、試験メーターは、参照接触パッド11とストリップ検出用バー17との連続性を測定することによって、試験ストリップ100が適切に挿入されたことを検出することができる。
試験ストリップ100の変形例(図3A(1)、3A(2)、3A(3)又は3A(4))は、図3B〜3Fに示されている。簡潔には、(図3A(2)、3A(2)に例示的に示されている)試験ストリップ100の変形例に関して、これらの試験ストリップは、作用電極に配置されている酵素試薬層と、第1のパターン化導電層を覆って配置され、バイオセンサー内の試料チャンバを画定するように構成されているパターン化スペーサー層と、第1のパターン化導電層の上方に配置されている第2のパターン化導電層とを含む。第2のパターン化導電層は、第1の位相シフト測定電極および第2の位相シフト測定電極を有している。更に、第1および第2の位相シフト測定電極は試料チャンバ内に配置され、手持ち式試験メーターとともに、バイオセンサーの使用時に試料チャンバに導入される体液試料を通じて強制的に流される電気信号の位相シフトを測定するように構成されている。このような位相シフト測定電極を本明細書では体液位相シフト測定電極とも呼ぶ。本明細書に述べられる様々な実施形態のバイオセンサーは、第1および第2の位相シフト測定電極が作用電極および参照電極の上に配置されることにより、効果的に低容量の試料チャンバが実現されるという点で有利であると考えられる。これは、第1および第2の位相シフト測定電極が作用電極および参照電極と同一平面上となる関係に配置されていることにより、体液試料が、第1および第2の位相シフト測定電極ばかりでなく作用電極および参照電極を覆うためにより大きな体液試料の体積および試料チャンバを必要とするような構成とは対照的である。
図3A(1)の試験ストリップの変形例である図3A(2)の実施形態では、更なる電極10aが、複数の電極19a、20a、14、12、および10のいずれかの延長部として設けられている。この内蔵遮蔽又は接地電極10aは、ユーザーの指又は体と、特性測定電極19aおよび20aとの間の任意の静電容量結合を低減又は排除するために用いられることに留意するべきである。接地電極10aは、任意の静電容量を、検知電極19aおよび20aから離れる方向に向けることができる。これを行うには、対応するトラック7、8、および9を介する1つ以上の接触パッド15、17、13の代わりに、測定器の接地のため、他の5つの電極のうち任意の1つ、又は、自身の別個の接触パッド(およびトラック)に接地電極10aを接続できる。好ましい実施形態では、接地電極10aは、試薬22が上面に配置されている3つの電極のうち1つに接続される。最も好ましい実施形態では、接地電極10aは電極10に接続される。接地電極であることにより、試料中のバックグラウンド干渉化合物によって生じ得る更なる電流が作用電極測定に寄与しないよう、接地電極を参照電極(10)に接続することが有利である。更に、遮蔽又は接地電極10aを電極10に連結することによって、とりわけ高い信号を制限することができる対電極10のサイズを効果的に増加することができると考えられる。図3A(2)の実施形態では、試薬は、測定電極19aおよび20aと接触しないように配置されている。別の方法として、図3A(3)の実施形態では、試薬22は、試薬22が検知電極19aおよび20aの少なくとも一方と接触するように配置されている。
図3A(4)に示されるような試験ストリップ100の代替的な形態では、最上層38、親水性フィルム層34、およびスペーサー29が互いに組み合わせられることにより、絶縁層16’に近接して配置された試薬層22’とともに基板5に実装するための一体化されたアセンブリを形成している。
図3Bの実施形態において、分析物測定電極10、12および14は、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と概ね同じ構成で配置される。しかし、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)レベルを検知する電極19aおよび20aは、一方の電極19aが試験チャンバ92の入口92aに近接しており、他方の電極20aが試験チャンバ92の反対端にあるように離れている構成で配置される。電極10、12および14は、試薬層22と接触して配置されている。
図3C、3D、3Eおよび3Fにおいて、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)検知電極19aおよび20aは、互い隣接して配置されており、試験チャンバ92に対して入口92aの反対端92bに位置する(図3Cおよび3D)又は入口92aに隣接して位置する(図3Eおよび3F)ことができる。これらすべての実施形態では、物理的特性検知電極は、試薬層22から離間されており、これら物理的特性検知電極が、グルコースを含有する液体試料(例えば、血液又は組織液)の存在下で、試薬の電気化学的反応の影響を受けないようにする。
バイオセンサーの様々な実施形態では、バイオセンサーに付着した液体試料がもたらす2つの測定値がある。1つの測定値は、液体試料中の分析物(例えばグルコース)の濃度であり、もう一方は、同一試料中の物理的特性(例えばヘマトクリット値)である。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の測定値を用いて、グルコース測定値を修正又は補正し、グルコース測定値における赤血球の影響を排除又は軽減する。両方の測定(グルコースおよびヘマトクリット値)を、順次、同時に、又は時間的に重ねて行ってよい。例えば、グルコースを最初に、物理的特性(例えばヘマトクリット値)を次に測定してよく、物理的特性(例えばヘマトクリット値)測定を最初に、グルコース測定を次に行ってよく、両方の測定を同時に行ってよく、又は、1つの測定の時間と別の測定の時間を重ねてもよい。各測定値について、図4A、4Bおよび5に関して以下に詳細に述べる。
図4Aは、本明細書の図3A〜3Tに示す試験ストリップ100およびその変形例に印加される試験信号の例示図である。液体試料が試験ストリップ100(又はその変形例)に適用される前、試験メーター200は、第2の作用電極と参照電極との間に約400mVの第1の試験信号が印加される液体検出モードにある。約400mVの第2の試験信号を、第1の作用電極(例えばストリップ100の電極12)と参照電極(例えばストリップ100の電極10)との間に同時に印加することが好ましい。あるいは、第1の試験信号の印加の時間間隔が、第2の試験電圧の印加の時間間隔と重複するように、第2の試験信号を同時期に印加してもよい。試験メーターは、0の開始時間における生理液検出の前に、流体検出時間間隔TFDの間、流体検出モードであってもよい。流体検出モードでは、試験メーター200は、流体が、参照電極10に対して、第1の作用電極12若しくは第2の作用電極14のいずれか(又は両方の作用電極)を湿潤するように流体が試験ストリップ100(又はその変形例)に適用される時を決定する。試験メーター200が、例えば第1の作用電極12および第2の作用電極14のいずれか又は両方において測定された試験電流の十分な増加により、生理液が適用されたことを認識すると、試験メーター200は、ゼロ時「0」にゼロ秒マーカーを割り当て、試験時間間隔Tを開始する。試験メーター200は、例えば、1ミリ秒毎〜100ミリ秒毎といった好適な抽出レートで電流トランジェント出力を抽出してよい。試験時間間隔Tが完了すると、試験信号を除去する。簡潔化のため、図4Aは、試験ストリップ100(又はその変形例)に印加された第1の試験信号のみを示している。
以下は、図4Aの試験電圧が試験ストリップ100(又はその変形例)に印加される場合に測定される既知の過渡信号(例えば、時間の関数としてnAで測定される信号応答)からどのように分析物(例えばグルコース)濃度が決定されるかについての説明である。
図4Aでは、試験ストリップ100(又は本明細書に述べられるその変形例)に印加される第1および第2の試験電圧は、一般的に約+100mV〜約+600mVである。電極がカーボンインクを含み、伝達体がフィリシアニドを含む一実施形態では、試験信号は約+400mVである。当業者に既知であるように、その他の伝達体および電極材料の組み合わせでは、異なる試験電圧が必要となるであろう。電圧の持続時間は一般に、反応時間後約1〜約5秒であり、典型的には、反応時間後約3秒である。典型的には、試験シーケンス時間Tは、tに対して測定される。図4Aで電圧401がTの持続時間にわたって維持される場合、出力信号が生成され、図4Bに示されるように、第1の作用電極12の過渡電流702が時間0から生成し、同様に第2の作用電極14の過渡電流704も時間0に対して生成する。この過程を説明する目的で、過渡信号702および704は、同じO参照点上に置かれているが、物理的用語では、軸L−Lに沿った作用電極12および14のそれぞれに向かう流体の流れのために、2つの信号間にはわずかな時間差がある。しかし、過渡電流が抽出され、マイクロコントローラーにおいて同じ開始時間を有するように構成される。図4Bでは、過渡電流はピーク時間Tに近接したピークまで増加し、この時間において、およそゼロ時間後2.5秒又は5秒のうちの一方まで電流は緩やかに下降する。約5秒の点706において、作用電極12および14のそれぞれの出力信号を測定し、互いに加え合わせることができる。あるいは、作用電極12および14のうちの一方のみからの信号を2倍してもよい。
再び図2Bを参照すると、システムは、複数の時点又は位置T、T、T、...、Tのいずれか1つにおいて、作用電極(12および14)の少なくとも一方からの出力信号Iを測定又は抽出するように信号を操作する。図4Bに見られるように、時間位置は、試験シーケンスT中の任意の時点又は間隔であってよい。例えば、出力信号が測定される時間位置は、1.5秒の単一時点T1.5又は2.8秒に近似する時点T2.8と重複する間隔708(例えば、システムの抽出速度に応じて約10ミリ秒以上の間隔)であってもよい。
特定の試験ストリップ100およびその変形例に対する、バイオセンサーのパラメーター(例えば、バッチ較正コードオフセットおよびバッチ傾き)を知っているため、分析物(例えばグルコース)濃度を算出できる。出力過渡702および704を抽出して、試験シーケンスの間の多様な時間位置において信号Iを(それぞれの電流IWE1およびIWE2を合計する又はIWE1若しくはIWE2のうちの1つを2倍にすることにより)導き出すことができる。特定の試験ストリップ100に関するバッチ較正コードオフセットおよびバッチ勾配の知識から、分析物(例えばグルコース)濃度を計算することができる。
「切片」および「傾き」は、1群(バッチ)のバイオセンサーから較正データを測定することにより得られる値である点に留意されたい。典型的には、およそ1500個のバイオセンサーがランダムにロット又はバッチから選択される。提供者の生理学的液体(例えば血液)が、様々な分析物レベル、典型的には6種類のグルコース濃度にスパイクされる。一般的には、12人の異なるドナーからの血液を6つの濃度のそれぞれにスパイクする。8個のバイオセンサー(又は、この実施形態においてはストリップ)が同一の提供者およびレベルから血液を与えられ、したがってそのロットに関して合計12×6×8=576試験が行われる。これらは、Yellow Springs Instrument(YSI)などの標準的な実験分析装置を用いてこれらの値を測定することによって、実際の分析物濃度(例えば、血中グルコース濃度)に対してベンチマークされる。測定されたグルコース濃度のグラフを実際のグルコース濃度に対して(又は、測定された電流をYSI電流に対して)プロットし、このグラフに式y=mx+cを最小二乗法によりフィッティングすることにより、このロット又はバッチからの残りのストリップについてのバッチ傾きmおよびバッチ切片cの値が得られる。出願人らは、分析物濃度の判定中にバッチ傾きを導出する方法およびシステムについても提供している。そのため、「バッチ勾配」又は「勾配」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする、測定された又は導出された線の傾きであると定義してよい。そのため、「バッチ切片」又は「切片」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする線がy軸と交わる点であると定義してよい。
先に説明されている様々な構成要素、システム、および方法が、出願人らによる当該技術分野においてこれまで存在しなかった分析物測定システムの提供を可能にすることを、本明細書に記載する価値がある。具体的には、このシステムは、基板および対応する電極コネクタに接続される複数の電極を有するバイオセンサーを含む。このシステムは更に、ハウジング、試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される試験ストリップポートコネクタ、および本明細書の図2Bに示されるマイクロコントローラー300を有する、分析物メーター200を含む。マイクロコントローラー300は、試験ストリップポートコネクタ220と電気通信して、電気信号を印加し、又は複数の電極の電気信号を検知する。
図2Bを参照すると、メーター200の好ましい実施について説明されており、図2Aおよび2B中の同じ番号は共通の説明である。図2Bにおいて、ストリップポートコネクタ220は、(複数の)物理的特性検知電極から信号を受け取るインピーダンス検知ラインEICと、(複数の)物理的特性検知電極に信号を加える交流信号ラインACと、参照電極の参照ラインと、作用電極1と作用電極2のそれぞれからの信号検知ラインとを含む5つのラインによって、アナログインターフェース306と連結されている。ストリップ検出線221をコネクタ220に提供し、試験ストリップの挿入を示してもよい。アナログインターフェース306は、以下の4つの入力をプロセッサ300に提供する。(1)実数インピーダンスZ’、(2)虚数インピーダンスZ”、(3)バイオセンサーの作用電極1から抽出若しくは測定された信号、すなわち、I we1、(4)バイオセンサーの作用電極2から抽出若しくは測定された信号、すなわち、I we2。プロセッサ300からインターフェース306へは、物理的特性検知電極に対して25kHz〜約250kHz、又はそれ以上の任意の値の振動信号ACを流す、1種類の出力がある。位相差P(度)は、実数インピーダンスZ’および虚数インピーダンスZ”から以下の式で求めることができ、
P=tan−1{Z”/Z’} 式3.1
および大きさM(Ω、従来|Z|と記載される)は、インターフェース306の線Z’およびZ”から以下の式で求めることができる。
Figure 0006562909
このシステムでは、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に印加して、液体試料の物理的特性によって定義されるバッチ傾きを導出し、(b)第2の信号を複数の電極に印加して、導出されたバッチ傾きに基づいて分析物濃度を測定するように構成される。このシステムでは、試験ストリップ又はバイオセンサーの複数の電極は、物理的特性を測定する少なくとも2つの電極と、分析物濃度を測定する少なくとも2つの別の電極とを備える。例えば、少なくとも2つの電極および少なくとも2つの別の電極は、基板上に提供される同一のチャンバ中に配置される。あるいは、少なくとも2つの電極および少なくとも2つの別の電極は、基板上に提供される2つのそれぞれ異なるチャンバ中に配置される。なお、いくつかの実施形態において、電極のすべてが基板によって画定される同一平面上に配置される。具体的には、本明細書に記載される実施形態のいくつかにおいて、試薬は少なくとも2つの別の電極に隣接して配置され、少なくとも2つの電極上には試薬は配置されない。このシステムで記載すべき1つの特徴は、試験シーケンスの一環として、バイオセンサー上への液体試料(生理的試料であってよい)の付着約10秒以内に正確な分析物測定値を提供できることである。
ストリップ100(図3A(1)、3A(2)又は3A(3)および図3B〜3Tのその変形例)の分析物の計算(例えば、グルコース)の例として、第1の作用電極12による706の抽出された信号値は約1600ナノアンペアであり、一方、第2の作用電極14による706の信号値は、約1300ナノアンペアであり、試験ストリップの較正コードは、Intercept(切片)が約500ナノアンペアであり、Slope(勾配)が約18ナノアンペア/mg/dLであることを示すことが、図4Bにおいて想定される。グルコース濃度Gは、等式3.3から以下のように決定され得る。
=[(I)−Intercept]/Slope 式3.3
式中、
は、バイオセンサーの全ての電極(例えば、センサー100では、電極12および14の両方(又はIwe1+Iwe2))からの合計信号である信号(分析物濃度と比例する)であり、
we1は、設定抽出時間で第1の作用電極に測定された信号であり、
we2は、設定抽出時間で第2の作用電極に測定された信号であり、
勾配は、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値である。
切片は、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値である。
式3.3からG=[(1600+1300)−500]/18であり、したがってG=133.33ナノアンペア〜133mg/dLである。
対応する作用電極からの測定された電流を加算して、合計測定電流Iを提供するように、2つの作用電極(図3A(1)の12および14)を有するバイオセンサー100に関連する例が提示されたが、2つの作用電極のうちの1つのみからもたらされる信号を、1つのみの作用電極(電極12又は14のいずれか)がある試験ストリップ100の変形例として、2倍にできることに留意されたい。合計信号の代わりに、それぞれの作用電極からの信号の平均を、本明細書に記載されている式3.3、6および5〜7の合計測定電流Iとして使用することができ、測定された信号が加算された実施形態と比較して低い合計測定電流Iを説明するため、当然のことながら、演算係数への好適な変更(当業者には知られている)を伴って使用することができる。あるいは、前の例のように演算係数を導き出す必要なく、測定された信号の平均を2倍して、式3.3、6および5〜7においてIとして使用してもよい。なお、本明細書の分析物(例えばグルコース)濃度は、任意の物理的特性(例えばヘマトクリット値)に対して補正されず、信号値Iwe1およびIwe2に対して特定のオフセットが提供され、メーター200の電気回路中の誤差又は遅延時間を説明する。温度補償も用いられて、結果が例えば摂氏約20度の室温などの参照温度に較正されることを確実にしうる。
ここで、分析物(例えば、グルコース)濃度(G)は、信号Iから決定することができ、液体試料の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)を決定する出願者の技術についての記載は、図5に関連して提供される。図5において、システム200(図2)は、第1の振動入力信号800を第1周波数(例えば、約25キロヘルツ)で一対の検知電極に印加する。システムは、第3および第4の電極からの第1の振動出力信号802を測定又は検出するようにも構成されており、これには詳細には第1の入力および出力信号間の第1の時間差Δtを測定することを行う。同時に又は重複期間の間、システムは、第2の振動入力信号(簡潔さのために示されず)を第2周波数(例えば、約100キロヘルツ〜約1メガヘルツ又以上、好ましくは約250キロヘルツ)で一対の電極に印加し、第3および第4の電極からの第2の振動出力信号を測定又は検出することもでき、これは、第1の入力振動信号と出力振動信号との間の2回目の差動Δt(図示されず)を測定することを伴うことができる。これらの信号から、システムは、1回目および2回目の差動ΔtおよびΔtに基づいて液体試料の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)を推定する。この後、システムは、グルコース濃度を導出することができる。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の推定は、以下の形の式を適用することによって行うことができる。すなわち、
Figure 0006562909
式中、
、C、およびCはそれぞれ、試験ストリップに関する演算子定数であり、
は、回帰データからのパラメーターを表す。
この代表的な手法の詳細は、参照により本明細書に組み込まれる、2011年9月2日出願の米国特許仮出願第61/530,795号、表題「Hematocrit Corrected Glucose Measurements for Electrochemical Test Strip Using Time Differential of the Signals」(代理人整理番号DDI−5124USPSP)に見られる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値)測定の別の手法は、物理的特性(例えばヘマトクリット値)の2つの独立した測定値によるものであってよい。これは、(a)第1の周波数における液体試料のインピーダンス、および(b)第1の周波数より実質的に高い第2の周波数における液体試料の位相角を測定することによって得ることができる。この手法では、液体試料は、未知のリアクタンスおよび未知の抵抗を有する回路のモデルになる。このモデルにおいて、測定(a)について、インピーダンス(表記「|Z|」で表される)は、印加電圧、既知の抵抗(例えば、固有ストリップ抵抗)の両端の電圧、および未知のインピーダンスVzの両端の電圧によって決定でき、同様に測定(b)について、位相角は、当業者によって、入力信号と出力信号との間の時間差から測定できる。この手法の詳細は、2011年9月2日出願の、同時係属中の米国特許仮出願第61/530,808号(代理人整理番号DDI5215PSP)に見られ、かつ説明されており、参照により本明細書に組み込まれる。液体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度、温度又は密度)を測定する別の好適な手法は、例えば、米国特許第4,919,770号、同第7,972,861号、米国特許出願公開第2010/0206749号、同第2009/0223834、又は「Electric Cell−Substrate Impedance Sensing(ECIS) as a Noninvasive Means to Monitor the Kinetics of Cell Spreading to Artificial Surfaces」Joachim Wegener、Charles R.Keese,and Ivar Giaever、Experimental Cell Research 259,158〜166(2000)、doi:10.1006/excr.2000.4919、オンラインhttp://www.idealibrary.comで利用可能、「Utilization of AC Impedance Measurements for Electrochemical Glucose Sensing Using Glucose Oxidase to Improve Detection Selectivity」Takuya Kohma,Hidefumi Hasegawa,Daisuke Oyamatsu,and Susumu Kuwabata、Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol.80,No.1,158〜165(2007)などでも利用されており、これらの資料のすべてが参照により組み込まれる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値、密度、又は温度)は、試料のインピーダンスの位相差(例えば位相角)および大きさを知ることにより得ることができる。一例では、試料の物理的特性又はインピーダンス特性(「IC」)の推定に、以下の関係性が提供される。
Figure 0006562909
式中、Mは、測定したインピーダンスの大きさ|Z|(Ω)を表し、
Pが、入力信号と出力信号との間の位相差(度)を表し、
は、約−3.2e−08および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(および、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−4.1e−03および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(および、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−2.5e+01および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−1.5e−01および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり(および、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、並びに
は、約5.0および与えられたその数値の±10%、5%又は1%である(および、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよい)。
なお本明細書では、入力AC信号の周波数が高い(例えば75kHz超)場合、インピーダンスMの大きさに関連するパラメーター項目yおよびyは、本明細書で与えられる代表値の±200%であってよく、各パラメーター項目が、ゼロ又は更に負の値を含めるようにできる。一方、入力AC信号の周波数が低い(例えば、75kHz未満の)場合、位相角Pに関連するパラメーターの用語yおよびyは、それぞれのパラメーターの用語がゼロ又は負の値さえも含み得るように、与えられる例示的値の±200%であってもよい。なお本明細書では、H又はHCT大きさは、本明細書で用いられるとき、一般にICの大きさに等しい。1つの代表的な実施では、H又はHCTがこの用途で本明細書において使用されるとき、H又はHCTはICに等しい。
別の代替の実施では、等式4.3が提供される。等式4.3は、等式4.2中の位相角を用いない、二次関係を正確に導出したものである。
Figure 0006562909
上式において、
ICは、インピーダンス特性[%]であり、
Mは、インピーダンスの大きさ[Ω]であり、
は、約1.2292e1、および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−4.3431e2、および与えられたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約3.5260e4、および与えられたその数値の±10%、5%又は1%である。
本書中で提供されている様々な構成要素、システム、および洞察により、温度補償された分析物測定を達成するための技術が、図6を参照して理解され得る。この技術は、工程604における、(生理学的試料であってもよい)液体試料を、メーターに挿入された(工程602)バイオセンサー(例えば、図3A(1)、3A(2)、3A(3)〜3Fに示されている試験ストリップの形態)に堆積する工程を伴う。メーター200の電源が入ると、信号がストリップ100(又はその変形例)に印加され、試料が試験チャンバに堆積されると、印加された信号は、試料中の分析物(例えば、グルコース)を、試験チャンバにおける分析物と試薬との酵素反応に起因して、異なる物理的形態(例えば、グルコン酸)に物理的に変換する。試料が試験セルの毛管チャンネルに流入すると、試料の少なくとも1つの物理的特性が、分析物濃度の推定(工程610)と共に得られる(工程608)。得られた物理的特性(工程608)および推定された分析物濃度(工程610)から、抽出時点が(工程612において)定義され、試験シーケンスの試料からの信号出力が測定され(工程614)、工程616における分析物濃度の計算に使用される。特に、物理的特性を得る工程(工程608)は、第1の信号を試料に印加する工程であって、試料の物理的特性を測定する、工程を含むことができ、一方、酵素反応を開始する工程606は、第2の信号を試料に加える工程を伴うことができ、測定する工程(工程614)は、試験シーケンスの開始後の時点において少なくとも2つの電極からの出力信号を評価する工程を伴うことができ、ここで時点は、少なくとも測定又は推定された物理的特性(工程608)および推定された分析物濃度(工程610)の関数として設定される(工程612)。
工程612における測定又は推定された(複数の)物理的特性の関数としての、試験シーケンスTの間の適切な時点(又は時間間隔)の決定は、システムのマイクロプロセッサにプログラム化された参照表の使用により決定することができる。例えば、システムが試料の測定された又は既知の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値又は粘度)により分析物(例えば、グルコース又はケトン)に適切な抽出時間を選択することを可能にする、参照表が提供されてもよい。
特に、適切な抽出時点は、基準値と比較して最低の誤差又はバイアスをもたらす適切な抽出時間に到達するため、分析物および測定された又は既知の物理的特性の早期推定に基づいてもよい。この技術では、定義された抽出時点が(a)推定された分析物濃度および(b)試料の物理的特性と相関する、参照表が提供される。例えば、表1は、メーターにプログラム化されて、推定された分析物の定性的分類(低、中および高グルコース)が主な縦列を形成し、測定又は推定された物理的特性の定性的分類(低、中および高)が標題横列を形成するマトリックスを提供することができる。第2の縦列において、t/Hctは、公称ヘマトクリット値の42%とのヘマトクリット値1%あたりの差のタイムシフトの実験的に決定された値である。一例として、「中グルコース」における55%のヘマトクリット値では、(42−55)90=−1170msのタイムシフトを示す。−1170ミリ秒の時間を元の試験時間の約5000ミリ秒に加えて、(5000−1170=3830ミリ秒)約3.9秒を得る。
Figure 0006562909
システムがバイオセンサーの出力信号を抽出又は測定するべき時間T(すなわち、特定された抽出時間)は、推定された分析物および測定又は推定された物理的特性の両方の定性的分類に基づいており、実際の生理液試料の大きな試料のサイズの回帰分析基づいて予め決定される。出願人らは、適切な抽出時間は、試験シーケンスの開始から測定されるが、任意の適切なデータを利用して、出力信号を抽出するタイミングを決定してよいことについて、留意する。実際に、システムを、試験シーケンスの間、適切な抽出時間間隔(例えば、100ミリ秒又は更に約1ミリ秒といった短い間毎に1回抽出するなど)で出力信号を抽出するようプログラムしてよい。試験シーケンスの間に信号出力トランジェント全体を抽出することによって、システム遅延によってタイミングエラーを引き起こす恐れがある抽出時間を設定時点に合わせる試みよりも、システムは、試験シーケンスの終了付近で必要な計算をすべて行うことができる。
出願人は、以降、生理液試料中の特定の分析物であるグルコースに関して、参照表1を考察する。血中グルコースの定性的分類は、表1の第1の縦列に定義されており、ここでは、低血中グルコース濃度の約70mg/dL未満が「低グルコース」と指定され、約70mg/dLより高く約250mg/dL未満の血中グルコース濃度が「中グルコース」と指定され、約250mg/dLを超える血中グルコース濃度が「高グルコース」と指定されている。
試験シーケンスの間、「推定された分析物」は、都合の良い時点、典型的には典型的な10秒間の試験シーケンスの5秒で信号を抽出することにより、得ることができる。5秒の時点で抽出された測定は、分析物(この場合は、血中グルコース)の正確な推定を可能にする。次にシステムは参照表(例えば、表1)を参照して、2つの基準(a)推定された分析物および(b)試料の物理的特性の定性値に基づいて、特定された抽出時間Tにおいて試験チャンバからの信号出力をいつ測定するかを決定することができる。基準(b)では、物理的特性の定性値は、3つの下位分類の低Hct、中Hctおよび高Hctに細分化される。したがって、測定又は推定された物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)が高く(例えば、46%を超える)、推定されたグルコースも高い場合、表1によると、試験チャンバの信号出力を測定するシステムの試験時間は、約3.6秒である。一方、測定されたヘマトクリット値が低く(例えば、38%未満)、推定されたグルコースも低い場合、表1によると、試験チャンバの信号出力を測定するシステムの試験時間Tは、約5.5秒である。
試験チャンバの信号出力Iが(測定又は推定された物理的特性により決められる)指定された時間で測定されると、信号Iは、その後、下記の式5による分析物濃度(この場合は、グルコース)の計算に使用される。
Figure 0006562909
式中、
は分析物濃度を表し、
は、特定された抽出時間Tで測定される終了信号の合計から決定された信号(分析物濃度と比例)を表し、これは特定された抽出時間Tで測定される合計電流であってもよく、
Slopeは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、典型的には約0.02であり、
Interceptは、この特定のストリップが属する試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、典型的には約0.6〜約0.7である。
第1の信号を印加する工程および第2の信号を加える工程は、順序化されており、順序は、その順序は、第1の信号、次に第の2信号であってもよく、又は両方の信号が順に重複してもよく、あるいは最初に第2の信号、次に第1の信号、又は両方の信号が順に重複してもよいことに留意するべきである。あるいは、第1の信号を印加する工程および第2の信号を流す工程は、同時に起こってもよい。
本方法において、第1の信号を印加する工程は、適切な電源(例えば、メーター200)により提供される交流信号を試料に方向付ける工程であって、試料の物理的特性が交流信号の出力によって決定される、工程を伴う。検出される物理的特性は、粘性、ヘマトクリット値、又は密度の1以上であってよい。方向付ける工程は、第1および第2の交流信号をそれぞれ異なる周波数で加える工程を含んでもよく、第1周波数は第2周の波数よりも低い。第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低いことが好ましい。一例として、第1の周波数は、約10kHz〜約100kHzの範囲の任意の周波数であってよく、第2の周波数は約250kHz〜約1MHz又はそれ以上であってよい。本明細書で使用されるとき、語句「交流信号」又は「振動信号」は、極性が交流する信号の一部又は全ての交流信号又は直流オフセットを有する交流又は更には直流信号と組み合わされた多方向信号を有することができる。
技術の追加的な調査に基づいた表1の更なる精査により、出願人らは、下記に示されている表2を考案することができた。
Figure 0006562909
表1と同様に、測定又は推定された物理的特性は、試料が測定される時間Sを導き出すため、推定された分析物濃度と一緒に表2において使用される。例えば、測定された特性が約30%であり、推定されたグルコース(例えば、約2.5〜3秒で抽出された)が約350である場合、マイクロコントローラーが流体を抽出するべき時間は、約7秒である。別の例では、推定されたグルコースが約300mg/dLであり、測定又は推定された物理的特性が60%である場合、特定された抽出時間は約3.1秒である。
表2を利用する実施形態において、推定されたグルコース濃度は、式、
Figure 0006562909
式中、Gestは、推定されたグルコース濃度を表し、
は、約2.5秒にて測定された信号であり、
は、勾配(例えば、x=1.3e01)であり;
は、切片(例えば、x=6.9e02)であり;
推定されたグルコースから、グルコース濃度は、
Figure 0006562909
式中、Gは、グルコース濃度を表し、
は、表2の特定された抽出時間Sにおいて測定された信号であり、
は、勾配(例えば、x=9.6)であり、
は、切片(例えば、x=4.8e02)であり;
出願人の技術は1つの抽出時点のみを特定するが、方法は、例えば試験シーケンスの開始から開始の少なくとも約10秒後まで信号出力を連続的に(例えば、1ミリ秒から100ミリ秒毎のような特定された抽出時間)抽出するように、必要に応じて多くの時点での抽出する工程を含むことができ、結果は、試験シーケンスの終了頃に処理のために記憶されてもよい。この変形例において、(予め決定された抽出時点と異なることがあってもよい)特定された抽出時点において抽出された信号出力は、分析物濃度を計算するために使用される値である。
好ましい実施形態において、分析物(例えば、グルコース)濃度に幾らか比例している値の信号出力の測定は、ヘマトクリット値の推定の前に実施されることに留意されたい。あるいは、ヘマトクリット値は、予備グルコース濃度測定の前に推定されてもよい。いずれの場合でも、推定されたグルコース測定Gは、図7のように、約2.5秒又は約5秒のうちの1つで抽出されたIを用いて式3.3により得られ、物理的特性(例えば、Hct)は、式4により得られ、グルコース測定Gは、信号過渡100の指定された(複数の)抽出時点(例えば、測定された信号出力Iは、3.5秒又は6.5秒で抽出される)における測定された信号出力Iを使用して得られる。
分析物濃度又は値を決定するための他の技術は、PCT/GB2012/053276(代理人番号DDI 5220WOPCT)2012年12月28日出願、PCT/GB2012/053279(代理人番号DDI5246WOPCT)2012年12月28日出願、PCT/GB2012/053277(代理人番号DDI5228WOPCT)2012年12月28日出願において示されて説明されており、この出願の全ては、本出願の付表に付けられた複写によって本書中に完全に示されているのと同様に、参照として援用される。
実際の操作条件の下で、バイオセンサー100は、約22℃の試験温度から広範に変動する周囲温度を有する環境において、使用され得る。このような場合、電気化学的反応は、低い温度においてより効率性が低く、実際の測定の広範なバイアスを生じさせる。結果として、分析物結果が環境温度の影響に動じないことを確実にする必要がある。
図6の工程618を参照すると、このシステムは、例えばメーター200の回路基板内に構築されたサーミスタなどの、好適な温度センサーによって、バイオセンサー100に近接した温度を測定する。一旦、工程618において温度が測定されると、このシステムは、(1)23℃以外の測定温度に基づき、および(2)異なる濃さの測定された分析物濃度の関数として、付加的温度補償ターム(測定の単位(例えば、mg/dL)であっても、又は百分率であってもよい)を利用して、工程620における未補償分析物値Gを改変し、工程622における改変されたか若しくは補償された最終分析物値G を予測する。
1つの実施形態において、このシステムは、図9の工程620について、複数の温度補償タームを利用し得る。補償タームは、未補償分析物値に補償タームを適用して未補償値を調整するか又は正すために使用される。この補償が未補償値に対して有する影響は、参照値に対するバイアスの関数として、図9に示される。結果として、このシステムは、所定の閾値(例えば、100mg/dLのグルコース)を下回る未補償分析物値について、補正若しくは補償タームを直接加える一方で、未補償値が閾値以上であった場合、補償ファクターは、未補償値の百分率として加えられるものであるとみられ得る。第1の場合の例として、未補償値が100mg/dLの閾値を下回り、未補償分析物値は、約25mg/dLであると決定され、周囲温度が5℃であった場合、補償線CL1が、約3mg/dLの補償タームを決定するために利用され、これは、25mg/dLの未補償値に直接加えられて、28mg/dLの最終補償値を与えた。第2の場合の例として、未補償値が、予め決定された閾値(例えば、100mg/dLのグルコース)以上、例えば、350mg/dLであり、周囲温度が10℃であった場合、このシステムは、補償線CL5を利用して350mg/dLの未補償値に、未補償値の20%(20%×350=70mg/dL)の補償タームを加え、これは、(350mg/dLに)加えられて、420mg/dLの最終値を与えた。
図9を振り返って参照すると、分析物(例えば、グルコース)が約25mg/dLである場合、温度についての温度補償タームは、一般的に、補償線CL1から導かれ得、約75mg/dLの場合、温度補償タームは、一般的に、補償線CL2に従い、約150mg/dLの場合、温度補償タームは、一般に、補償線CL3に従い、約250mg/dLの場合、未補償分析物値に適用される温度補償タームは、一般に、補償線CL4に従い、約350mg/dLの場合、未補償分析物値に適用される温度補償タームは、一般に、補償線CL5に従う。未補償分析物測定値が任意の2つの補償線の間である事象において、内挿が行われてもよい。図9をまとめると、未補償分析物値についての温度補償線又は補償タームは、図9において規定される関係性に暗黙的に従うことが確認される必要がある。ここで:
(a)温度補償タームは、未補償分析物値を増大するにつれて増大する(これは、CL1〜CL5線が分析物値が増大する(25、75、150、250および350mg/dL)につれて増大する)図9において見られ得る);および
(b)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
(c)温度補償タームは、約22℃〜約45℃である前記バイオセンサーに近接した周囲温度について約ゼロである;
図9における関係性と比較してより正確な温度の補償については、以下の式(式8)が利用され得る:
Figure 0006562909
式中、
は最終グルコース結果であり、
は、未補償分析物値Gグルコース結果(1以上でなければならない)であり、
Tはメーターによって(℃で)測定される温度であり、
=22℃(又は名目上の温度)
=4.69e−4、x=−2.19e−2、x=2.80e−1、x=2.99e0、x=−3.89e1、x=1.32e2
式8の性質に起因して、未補償分析物測定値Goは、1未満である場合1に設定されなければならず、さもなければ、式8は、(1未満の未補償分析物値についてのlogタームによって管理される)適合関数としての全ての意味を失い、予測される測定値から劇的に逸脱する。式8は、バイオセンサー100の24バッチについて利用された。結果を、図10および11A〜11Eにグラフの形でまとめる。図10は、同じデータについての個々のバイアス値を表す。図11A〜11Eは、完全なデータセットを記載する。
図10において示され得るように、多くの分析物値は、参照分析物値と比較して、分析物(例えば、グルコース)の100mg/dL未満の分析物測定値について10mg/dLのバイアスの範囲内であり、100mg/dL以上の分析物測定値について、±10%の範囲内である。補償測定値の曲線適合(線CT)は、測定値が、これらの2のバイアス境界の範囲内であることを示す。
図11A〜11Eの各7において見られ得るように、種々の環境温度(例えば、6℃、12度、22℃、35℃および44℃)に関する種々の濃度(例えば、40mg/dL、65mg/dL、120mg/dL、350mg/dL)の全てのバッチについての名目上の温度と比較して、平均バイアスは、バッチが、100mg/dL未満の測定値についての±10mg/dLのバイアス境界(図11Aおよび11B)並びに100mg/dL以上の測定値についての±10%のバイアス境界(図11C〜11E)の、充分な範囲内であることを示す。
本書中で提供されたデータをまとめると、出願人の発明は、出願人が、バイオセンサーのおよそ97%を、100mg/dL未満の測定値について±15mg/dLの、100mg/dL以上の測定値について±15%の範囲内におさめることを可能にするという技術的寄与を得ることを可能にした。平均的バイアス対名目上のバイアスが、100mg/dLを下回る測定について±10mg/dL、並びに100mg/dL以上の測定について±10%であるという更なる技術的貢献が、本発明によって提供される。(出願人の発明によって可能になる)これらの両技術的貢献は、ここで、出願人の現行のシステム(すなわち、ワンタッチ超血液グルコース測定システム)によっては可能にならなかった。
このシステムが十分な計算力を有する場合、式9が、式8の代わりに利用されてもよい。具体的には、式9は、以下である:
Figure 0006562909
式中、
は最終分析物値であり、
は未補償分析物値であり、
nominalは名目上の分析物値であり、
Tはメーターによって(℃で)測定される温度であり;
は約22℃(名目上の温度)であり、
は、約4.80e−5であり、xは、約−6.90e−3であり、xは、約2.18e−1であり、xは、約9.18e−6であり、xは、約−5.02e−3であり、xは、約1.18e0であり、およびxは、約2.41e−2である。
本明細書に記載の手法はグルコースの判定および環境温度の影響についての補償を目的としているが、この手法を、分析物が液体試料中に配置される液体試料の物理的特性によって影響される、別の分析物(当業者によって適切に修正して)に適用することもできる。例えば、生理学的液体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度又は密度など)は、生理学的液体、較正液、又は対照液であってよい、液体試料中のケトン又はコレステロールの判定によって説明されうる。別のバイオセンサー構成も利用できる。例えば、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6860421号、同第7045046号、同第7291256号、および同第7498132(これらすべての全体は参照により本明細書に組み込まれる)に示され、説明されるバイオセンサーを、本明細書に記載の様々な実施形態で利用できる。
物理的特性の検出は、交流信号でなされる必要はなく、別の手法で実施できることが、公知である。例えば、好適なセンサーを利用し(例えば、米国特許出願公開第20100005865号又は欧州特許第1804048 B1号)、粘度又は別の物理的特性を測定できる。また、下記文献に述べられるヘマトクリット値と粘性との間の既知の関係に基づいて粘性を決定し、これを用いてヘマトクリット値を導出することもできる(「Blood Rheology and Hemodynamics」by Oguz K.Baskurt,M.D.,Ph.D.,1 and Herbert J.Meiselman,Sc.D.,Seminars in Thrombosis and Hemostasis,volume 29,number 5,2003)。
先に記載したように、マイクロコントローラー又は同等のマイクロプロセッサ(および、例えば、図2Bのプロセッサ300など、マイクロコントローラーを、意図した環境においてその本来の目的で機能できるようにする関連構成要素)を、コンピュータコード又はソフトウェア命令と共に利用して、本明細書に記載の方法および手法を実行できる。出願人らは、図2Bの例示的なマイクロコントローラー300には(プロセッサ300の機能的な動作に好適な構成要素と共に)、ファームウエアが埋め込まれている又は図6の論理図に表されるコンピュータソフトウエアが装填され、マイクロコントローラー300は、関連するコネクタ220およびインターフェース306、並びにこれらの同等物と共に、(a)検知又は推定された物理的特性に基づいて特定された抽出時間(特定された抽出時間は、試験ストリップへの試料の堆積による試験シーケンスの開始により参照される少なくとも1つの時点又は間隔である)を決定する手段であり、(b)特定された抽出時点に基づいて分析物濃度を決定する手段である。あるいは、決定する手段が、液体試料の物理的特性により定義されたバッチ勾配が導き出されるように第1の信号を複数の電極に印加する手段と、並びに分析物濃度が、導き出されたバッチ勾配および特定された抽出時間に基づいて決定されるように第2の信号を複数の電極に印加するための手段とを含んでもよい。更に、決定する手段が、試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定する手段と、推定された分析物濃度および検知又は推定された物理的特性のマトリックスから特定された抽出時間を選択する手段とを含んでもよい。なお、更に、決定する手段が、検知又は推定された物理的特性に基づいてバッチ勾配を選択する手段と、バッチ勾配から特定された抽出時間を確認する手段とを含んでもよい。
更に、本発明を特定の変形例および説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形例又は図に限定されないことが認識されよう。更に、上記に述べた方法および工程が、所定の順序で起こる所定の事象を示している場合、所定の工程は述べられた順序で行われる必要はなく、各工程が、各実施形態がそれらの意図される目的で機能することを可能とするものであるかぎり、任意の順序で行われることを意図している。したがって、開示の趣旨又は請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形例をも包含することが意図されるところである。

Claims (26)

  1. 電極の上に酵素が配置された少なくとも2つの該電極を含む複数の電極を有する試験ストリップ;
    並びに
    電源、メモリおよび前記試験ストリップの前記複数の電極と接続されたマイクロコントローラーを備えたメーター
    を備える、分析物測定システムであって、
    前記マイクロコントローラーは、
    前記試験ストリップに近接した周囲温度を測定し;
    分析物を含む液体試料が前記少なくとも2つの電極に近接して配置された場合、前記少なくとも2つの電極に対し信号を駆動し;
    電気化学的反応の間の前記少なくとも2つの電極からの信号出力を測定し;
    未補償分析物濃度を前記信号出力から計算し;
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物濃度に調整し;
    並びに
    前記最終分析物濃度を通知するように構成され、
    前記関係性が、以下の式によって表される:
    Figure 0006562909
    式中、
    は前記最終分析物濃度を含み、
    は1以上である前記未補償分析物濃度を含み、
    Tは前記メーターによって(℃で)測定される前記温度を含み、
    は約22℃を含み、
    は約4.69e−4を含み、
    は約−2.19e−2を含み、
    は約2.80e−1を含み、
    は約2.99e0を含み、
    は約−3.89e1を含み、
    は約1.32e2を含む、
    分析物測定システム。
  2. 電極の上に酵素が配置された少なくとも2つの該電極を含む複数の電極を有する試験ストリップ;
    並びに
    電源、メモリおよび前記試験ストリップの前記複数の電極と接続されたマイクロコントローラーを備えたメーター
    を備える、分析物測定システムであって、
    前記マイクロコントローラーは、
    前記試験ストリップに近接した周囲温度を測定し;
    分析物を含む液体試料が前記少なくとも2つの電極に近接して配置された場合、前記少なくとも2つの電極に対し信号を駆動し;
    電気化学的反応の間の前記少なくとも2つの電極からの信号出力を測定し;
    未補償分析物濃度を前記信号出力から計算し;
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物濃度に調整し;
    並びに
    前記最終分析物濃度を通知するように構成され、
    前記関係性が、以下の式によって表される:
    Figure 0006562909
    式中、
    は前記最終分析物濃度を含み、
    は前記未補償分析物濃度を含み、
    nominalは名目上の分析物濃度を含み、
    Tは前記メーターによって(℃で)測定される前記温度を含み、
    は約22℃(名目上の温度)を含み、
    は約4.80e−5を含み、
    は約−6.90e−3を含み、
    は約2.18e−1を含み、
    は約9.18e−6を含み、
    は約−5.02e−3を含み、
    は約1.18e0を含み、
    は約2.41e−2を含む、
    分析物測定システム。
  3. 前記マイクロコントローラーは、
    (a)第1の信号を前記複数の電極に印加して、前記液体試料の物理的特性を決定し;
    (b)試験シーケンスの間の予め決定された抽出時点における測定された出力信号に基づいて分析物濃度を推定し;
    (c)第2の信号を前記複数の電極に印加し;
    (d)前記決定された物理的特性によって確定される試験シーケンスの間の特定された抽出時間における前記複数の電極からの出力信号を測定する
    ように構成され、これにより、前記複数の電極の前記出力信号から分析物濃度が計算され、
    前記特定された抽出時間は、以下の式を用いて計算される:
    Figure 0006562909
    式中、
    「特定された抽出時間」は、試験ストリップの出力信号を抽出する、試験シーケンスの開始からの時点として指定され、
    Hは、試料の物理的特性を表し;
    は、約4.3e5を表し;
    は、約−3.9を表し;
    は、約4.8を表す、
    請求項1又は請求項2に記載の分析物測定システム。
  4. 前記マイクロコントローラーが、以下の式によって、前記未補償分析物濃度を決定する:
    Figure 0006562909
    式中、
    は未補償分析物濃度を表し、
    は、特定された抽出時間において測定された信号を表し;
    Slopeは、前記試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、前記試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表す、
    請求項3に記載の分析物測定システム。
  5. 前記マイクロコントローラーは、(a)前記液体試料の物理的特性;および(b)前記試料から推定された分析物濃度に基づいて、特定された抽出時間を決定する、請求項1又は請求項2に記載の分析物測定システム。
  6. 前記マイクロコントローラーは、前記分析物濃度を、以下の式によって推定する:
    Figure 0006562909
    式中、Gestは、推定された前記分析物濃度を表し;
    は、約2.5秒にて測定された前記信号であり、
    は、試験ストリップの特定のバッチの較正勾配を含み;
    は、試験ストリップの特定のバッチの較正切片を含み;且つ
    前記マイクロコントローラーは、以下の式によって、未補償分析物濃度を決定する:
    Figure 0006562909
    式中、Gは未補償分析物濃度を表し;
    は、特定された抽出時間において測定された信号を含み;
    は、試験ストリップの特定のバッチの較正勾配を含み;且つ
    は、試験ストリップの特定のバッチの切片を含む、
    請求項5に記載の分析物測定システム。
  7. 試験ストリップと、
    分析物メーターと
    を備える、分析物測定システムであって、
    前記試験ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに連結されている複数の電極とを含み、
    前記分析物メーターは、
    ハウジングと、
    前記試験ストリップの対応する電極コネクタに接続するよう構成される試験ストリップポートコネクタと、
    電気信号を印加し、又は前記複数の電極から電気信号を検知する、試験ストリップポートコネクタと電気通信するマイクロプロセッサと
    を備え、
    前記マイクロプロセッサは、
    (a)センサーに近接した環境の温度を検知し;
    (b)第1の信号を前記複数の電極に印加して、液体試料の物理的特性を決定し;
    (c)試験シーケンスの間の予め決定された抽出時点における測定された出力信号に基づいて分析物濃度を推定し;
    (d)前記決定された物理的特性により確定された前記試験シーケンスの間の特定された抽出時点において、第2の信号を前記複数の電極に印加して、未補償分析物濃度を前記第2の信号から計算し;
    (e)前記未補償分析物濃度を、
    (i)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (ii)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という温度補償タームによって補償し;並びに
    (f)最終分析物濃度を通知する
    ように構成される、分析物測定システム。
  8. 前記複数の電極が、物理的特性を測定する少なくとも2つの電極と、分析物濃度を測定する少なくとも2つの別の電極とを含む、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記少なくとも2つの電極および前記少なくとも2つの別の電極が、前記基板上に提供される同一チャンバ内に配置される、請求項8に記載の分析物測定システム。
  10. 前記少なくとも2つの電極および前記少なくとも2つの別の電極が、前記基板上に提供されるそれぞれ異なる2つのチャンバ内に配置される、請求項8に記載の分析物測定システム。
  11. 前記電極の全てが前記基板によって画定される同一平面上に配置される、請求項8に記載の分析物測定システム。
  12. 試薬が、前記少なくとも2つの別の電極に近接して配置され、試薬が、前記少なくとも2つの電極に配置されない、請求項8に記載の分析物測定システム。
  13. 最終分析物濃度が、前記試験シーケンスの開始の約10秒以内に前記第2の信号により決定される、請求項8に記載の分析物測定システム。
  14. 前記抽出時点が、マトリックスを含む参照表から選択され、前記推定された分析物濃度の異なる定性的分類が該マトリックスの最も左側の縦列に記載されており、測定された物理的特性の異なる定性的分類が該マトリックスの最上段の横列に記載されており、抽出時間が該マトリックスの残りの欄に提供されている、請求項8に記載の分析物測定システム。
  15. グルコースメーターであって、
    ハウジングと、
    試験ストリップの対応する電極コネクタに連結するように構成された試験ストリップポートコネクタと、
    (a)前記ハウジングに近接した環境の温度を検知する手段と、
    (b)前記試験ストリップの複数の電極に堆積された試料の検知又は推定された物理的特性に基づいて特定された抽出時間を決定するための手段であって、該特定された抽出時間は、前記試験ストリップへの試料の堆積の際の、試験シーケンスの開始から参照される少なくとも1つの時点又は間隔である手段と、
    (c)該特定された抽出時間における測定された出力信号に基づいて未補償分析物濃度を決定するための手段と、
    (d)前記未補償分析物濃度を、
    (i)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (ii)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という温度補償タームによって補償する手段と、
    (e)最終分析物値を通知する手段と
    を備える、グルコースメーター。
  16. 未補償分析物濃度を決定するための手段が、第1の信号を前記複数の電極に印加するための手段であって、液体試料の物理的特性により定義されたバッチ勾配が導き出されるようにする、手段と、第2の信号を前記複数の電極に印加するための手段であって、分析物濃度が該導き出されたバッチ勾配および前記特定された抽出時間に基づいて決定されるようにする、手段とを含む、請求項15に記載のメーター。
  17. 特定された抽出時間を決定するための手段が、前記試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点に基づいて分析物濃度を推定するための手段と、推定された分析物濃度および検知又は推定された物理的特性のマトリックスから特定された抽出時間を選択するための手段とを含む、請求項16に記載のメーター。
  18. 未補償分析物濃度を決定するための手段が、前記検知又は推定された物理的特性に基づいてバッチ勾配を選択するための手段と、前記バッチ勾配から前記特定された抽出時間を確認するための手段とを含む、請求項16に記載のメーター。
  19. 電極の上に酵素が提供された少なくとも2つの該電極を備えた複数の電極を有する試験ストリップにおける温度の影響について調整する方法であって、
    前記少なくとも2つの電極に信号を印加する工程;
    前記少なくとも2つの電極と液体試料中の分析物との間で電気化学的反応を開始して分析物の副生成物への変換を引き起こす工程;
    前記電気化学的反応の間の前記少なくとも2つの電極からの信号出力を測定する工程;
    前記試験ストリップに近接した温度を測定する工程;
    前記液体試料中の分析物の量を表す分析物値を、前記信号出力から計算する工程;
    前記分析物値を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に調整する工程;並びに
    前記液体試料中の分析物の量を表す最終値を通知する工程を含み、
    前記信号を印加する工程が、
    (c)第1の信号を前記試料に印加して、前記試料の物理的特性を測定することと、
    (d)第2の信号を前記試料に加えて、前記分析物と試薬との酵素反応を生じさせることとを含み、
    前記計算する工程は、
    試験シーケンスの開始から予め決定された抽出時点における測定された出力信号に基づいて分析物濃度を推定することと、
    異なる抽出時点に対する指標となる、前記推定された分析物濃度の異なる定性的分類および前記測定された物理的特性の異なる定性的分類を有する参照表から抽出時点を選択することと、
    前記参照表からの前記選択された抽出時点において試料から信号出力を抽出することと、
    前記選択された抽出時点で抽出された測定された出力信号から、以下の式:
    Figure 0006562909
    (式中、
    は未補償分析物濃度を表し、
    は、選択された抽出時間Tにおいて測定された信号(分析物濃度に比例する)を表し、
    Slopeは、試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、前記試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表す)
    に従って分析物濃度を算出することと
    を含む、方法。
  20. 電極の上に酵素が提供された少なくとも2つの該電極を備えた複数の電極を有する試験ストリップにおける温度の影響について調整する方法であって、
    前記少なくとも2つの電極に信号を印加する工程;
    前記少なくとも2つの電極と液体試料中の分析物との間で電気化学的反応を開始して分析物の副生成物への変換を引き起こす工程;
    前記電気化学的反応の間の前記少なくとも2つの電極からの信号出力を測定する工程;
    前記試験ストリップに近接した温度を測定する工程;
    前記液体試料中の分析物の量を表す分析物値を、前記信号出力から計算する工程;
    前記分析物値を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に調整する工程;並びに
    前記液体試料中の分析物の量を表す最終値を通知する工程を含み、
    前記印加する工程が、
    (c)第1の信号を前記試料に印加して、試料の物理的特性を測定することと、
    (d)第2の信号を前記試料に加えて、前記分析物と試薬との酵素反応を生じさせることとを含み、
    前記計算する工程は、
    試験シーケンスの開始からの予め決定された抽出時点における測定された出力信号に基づいて分析物濃度を推定することと
    前記測定された物理的特性および前記推定された分析物濃度の両方に基づいて、抽出時点を選択することと、
    前記選択された抽出時点において前記試料から信号出力を抽出することと、
    前記選択された抽出時点において抽出された測定された出力信号から分析物濃度を計算することと
    を含む、方法。
  21. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    前記測定する工程が、第1の信号を前記試料に印加して、前記試料の物理的特性を測定することを含み、前記生じさせる工程が、第2の信号を前記試料に加えることを含み、前記測定する工程が、前記試験シーケンスの開始後の時点で前記試験ストリップの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価することを含み、該評価することにおいて、前記時点が、少なくとも前記測定された物理的特性の関数として設定され、前記決定する工程が、前記時点における前記測定された出力信号から分析物濃度を計算することを含む、方法。
  22. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    前記定義することが、前記測定された物理的特性および前記推定された分析物濃度の両方に基づいて定義された時点を選択することを含む、方法。
  23. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    前記定義する工程が、異なる試料測定時間に対する指標となる、前記試料の分析物濃度および物理的特性のそれぞれ異なる範囲を有する参照表に対して、前記推定された分析物濃度および前記測定された物理的特性を比較して、第2の信号の前記試料からの出力の測定の時点が計算する工程のために得られるようにすることを含む、方法。
  24. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    未補償分析物濃度を決定する工程が、以下の式を用いることを含み:
    Figure 0006562909
    式中、
    は未補償分析物濃度を表し、
    は、特定された抽出時間Tにおいて測定された信号(分析物濃度と比例する)を表し、特定された抽出時間は、試験ストリップの出力信号を抽出する、試験シーケンスの開始からの時点として指定され、
    Slopeは、試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、
    Interceptは、前記試験ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表す、方法。
  25. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    前記物理的特性が、粘度、ヘマトクリット値、温度および密度のうちの少なくとも1つを含む、方法。
  26. 液体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    液体試料を試験ストリップに堆積して、試験シーケンスを開始させる工程と、
    該試料中の分析物に酵素反応を生じさせる工程と、
    該試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    該試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記試験ストリップに近接した環境の温度を検知する工程と、
    前記試験シーケンスの開始から前記試験ストリップの出力信号を抽出するまでの時点を前記推定された分析物濃度および前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づいて定義する工程と、
    定義された時点において試験ストリップの出力信号を抽出する工程と、
    定義された時点において抽出された信号から未補償分析物濃度を決定する工程と、
    前記未補償分析物濃度を、
    (a)温度補償タームは、約22℃から約5℃まで減少する前記試験ストリップに近接した周囲温度につれて増大する;および
    (b)温度補償タームは、約22℃から約45℃まで変化する前記試験ストリップに近接した前記周囲温度につれて約ゼロの値を維持する
    という関係性によって定義される温度補償タームによって最終分析物値に補償する工程と、
    前記最終分析物値を通知する工程と、
    を含み、
    抽出時点が、マトリックスを含む参照表から選択され、前記推定された分析物濃度の異なる定性的分類が該マトリックスの最も左側の縦列に記載されており、前記測定された物理的特性の異なる定性的分類が該マトリックスの最上段の横列に記載されており、抽出時間が該マトリックスの残りの欄に提供されている、方法。
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