JP6404932B2 - 分析物測定のための異常信号エラートラップ - Google Patents

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Description

本発明は、分析物測定のための異常信号エラートラップに関する。
LifeScan,Inc.より入手可能なOneTouch(登録商標)Ultra(登録商標)全血試験キットに使用されるものなどの電気化学的グルコース検査ストリップは、糖尿病患者の生理学的流体試料中のグルコース濃度を測定するように設計されている。グルコースの測定は、酵素グルコースオキシダーゼ(GO)によるグルコースの選択酸化によることができる。グルコース検査ストリップにおいて生じ得る反応は、以下の式1及び式2にまとめられる。
式1 グルコース+GO(ox)→グルコン酸+GO(red)
式2 GO(red)+2Fe(CN) 3−→GO(ox)+2Fe(CN) 4−
式1に示すように、グルコースはグルコースオキシダーゼの酸化型(GO(ox))により酸化されてグルコン酸となる。GO(ox)は「酸化型酵素」とも呼ばれることに留意すべきである。式1の反応中、酸化型酵素GO(ox)は、GO(red)で表されるその還元状態(すなわち、「還元型酵素」)に化学的に変換される。次に、還元型酵素GO(red)は、式2に示すようにFe(CN) 3−(酸化型メディエーター又はフェリシアン化物と呼ばれる)との反応によってGO(ox)へ再酸化される。GO(red)がその酸化状態GO(ox)に再生成される際、Fe(CN) 3−は還元されてFe(CN) 4−(還元型メディエーター又はフェロシアン化物と呼ばれる)となる。
上記の反応が2つの電極間に試験信号を適用して行われる場合、電極表面で還元型メディエーターが電気化学的に再酸化されることによって試験電流を作り出すことができる。したがって、理想的な環境では、前述の化学反応中に作り出されたフェロシアン化物の量は、電極間にある試料中のグルコースの量に正比例し、生成される試験電流は、試料のグルコース含有量に比例する。フェリシアン化物などのメディエーターは、グルコースオキシダーゼなどの酵素からの電子を受け入れ、次いで電子を電極に提供する化合物である。試料中のグルコース濃度が高くなると、形成される還元型メディエーターの量も増えるため、還元型メディエーターの再酸化によって生じる試験電流とグルコース濃度との間には直接的な関係がある。具体的には、電気的界面をまたいだ電子の移動によって、試験電流の流れが生じる(酸化されるグルコース1モルにつき2モルの電子)。したがって、グルコースの導入によりもたらされる試験電流は、グルコース信号と呼ぶことができる。
電気化学的バイオセンサは、測定値に好ましくない影響を与え得る特定の血液成分が存在することにより悪影響を受け、検出信号の誤りにつながり得る。この誤りにより不正確なグルコース読取値がもたらされ、患者が、例えば、潜在的に危険な血糖値に気付かないままとなる可能性がある。一例として、血液ヘマトクリットレベル(すなわち、赤血球が占める血液量の割合)は、分析物濃度測定の結果に誤った影響を与え得る。
血液中の赤血球の体積が変化すると、使い捨て電気化学的検査ストリップで測定したグルコース読取値が変動する原因となり得る。典型的には、高ヘマトクリット値では負のバイアス(すなわち、低く算出された分析物濃度)がみられ、一方、低ヘマトクリット値では正のバイアス(すなわち、基準となる分析物濃度に比べて、高く算出された分析物濃度)がみられる。高ヘマトクリット値では、例えば、赤血球は、酵素と電気化学的メディエーターとの反応を妨害し、化学反応物質を溶媒和する血漿量が少ないため化学的溶解率を減少し、メディエーターの拡散を遅くさせ得る。これらの因子により、電気化学的プロセス中に生じる信号が少なくなり、予想されるグルコース読取値より低い結果となり得る。反対に、低ヘマトクリット値では、予想よりも少ない赤血球が電気化学的反応に影響を与える場合があり、その結果、信号がより高く測定され得る。加えて、生理学的流体試料の抵抗もまたヘマトクリット値に依存し、電圧及び/又は電流の測定値に影響を与え得る。
ヘマトクリット値による血糖値の変動を低減する又は防止するためのいくつかの策が講じられてきた。例えば、検査ストリップは、試料から赤血球を除去するメッシュを組み込むように設計されており、又は赤血球の粘度を増大させ、濃度決定に対する低ヘマトクリット値の影響を弱めるように設計されている様々な化合物若しくは配合物を含んでいる。その他の検査ストリップは、ヘマトクリット値を補正する目的でヘモグロビン濃度を決定するように構成された溶解剤及び系を含む。更に、バイオセンサは、交流信号による流体試料の電気的応答若しくは生理学的流体試料に光を照射した後の光学的変動の変化を測定することにより、又は試料チャンバ充填時間の関数に基づいたヘマトクリット値の測定により、ヘマトクリット値を測定するように構成されている。これらのセンサには、特定の欠点がある。ヘマトクリット値の検出を伴うこの方策における一般的な手法は、測定した分析物濃度の補正又は変更に測定したヘマトクリット値を用いることであり、この手法は概して、米国特許出願公開第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0236237号、同第2010/0276303号、同第2010/0206749号、同第2009/0223834号、同第2008/0083618号、同第2004/0079652号、同第2010/0283488号、同第2010/0206749号、同第2009/0194432号、又は米国特許第7,972,861号及び同第7,258,769号にそれぞれ示され説明されており、これらの全てを本明細書で参照することにより本出願に組み込む。
出願人は、バイオセンサの出力信号過渡のエラーの決定を可能にするシステム及び方法を考案した。一態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタと、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して複数の電極に電気信号を適用するか複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を有する、ハウジングを含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、検査シーケンス中の所定のサンプリング時間における信号出力に基づいて分析物濃度を推定し、決定された物理的特性により規定される検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、所定のサンプリング時間における信号出力を測定し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び所定のサンプリング時間におけるそれぞれの信号出力の大きさの間の差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、各電極についての差が所定の閾値に等しいか又はそれよりも大きい場合には、指定サンプリング時間における第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算して前記分析物濃度を通知し、各電極についての大きさの差が所定の閾値よりも小さい場合には、エラーを通知するように構成される。
更なる第2の態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに連結するように構成された検査ストリップポートコネクタを備えたハウジングと、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して複数の電極に電気信号を適用するか又は複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、検査シーケンス中の所定のサンプリング時間に基づいて分析物濃度を推定し、決定された物理的特性により規定される検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び所定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び所定の時間における信号出力の大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、各電極についての大きさの差が所定の閾値よりも小さい場合には、エラーフラグをアクティブに設定し、指定サンプリング時間における第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算し、エラーフラグが設定された場合にはプロセスを終了し、各電極についての大きさの差が所定の閾値よりも大きい場合には、分析物の値を通知するように構成される。
第3の態様では、出願人は、検査ストリップと、分析物測定器と、を含む、分析物測定システムを考案した。検査ストリップは、基板と、対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含む。分析物測定器は、検査ストリップの対応する電極コネクタに連結するように構成された検査ストリップポートコネクタを備えたハウジングと、検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して複数の電極に電気信号を適用するか又は複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を含む。この測定器において、マイクロプロセッサは、第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、検査シーケンス中の所定のサンプリング時間に基づいて分析物濃度を推定し、決定された物理的特性により規定される検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び所定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、各作用電極について指定サンプリング時間及び所定のサンプリング時間における出力信号間の差の大きさが所定の閾値よりも大きいか否かを評価し、真である場合には、試料の分析物濃度を計算し、偽である場合には、エラーを通知するか又はエラーフラグを設定し、指定サンプリング前のオフセット時間間隔における各作用電極についての出力信号の大きさが指定サンプリング時間における作用電極についての大きさよりも小さいか否かを決定し、真である場合は、エラーを通知するか又はエラーフラグをアクティブに設定するように構成される。
第4の態様では、出願人は、第1、第2、第3、及び第4の電極によって複数の電極を有するバイオセンサにおける過渡電流出力エラーを決定する方法を考案した。本方法は、第1及び第2の電極に第1の信号を適用する工程と、流体試料を、第1、第2、第3及び第4の電極に近接して付着させる工程と、第3及び第4の電極に第2の信号を適用する工程と、第3及び第4の電極の出力信号から流体試料の物理的特性を決定する工程と、流体試料の物理的特性に基づいて指定サンプリング時間を定義する工程と、第1及び第2の電極と流体試料中の分析物との電気化学的反応を開始することによって、分析物を酵素反応副生成物に変換するための検査シーケンスを開始する工程と、指定サンプリング時間において、電気化学反応中の第1及び第2の電極のそれぞれから所定のサンプリングから信号出力を測定する工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間における出力信号及び所定のサンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、評価することが真であった場合には、出力過渡エラーを通知し、検査シーケンスを終了させる工程と、評価する工程が偽であった場合には、信号出力から流体試料中の分析物の量を表す分析物濃度を計算し、分析物濃度を通知する工程と、によって行うことができる。
更なる第5の態様では、出願人は、バイオセンサにおける過渡出力エラーを決定する方法を考案した。バイオセンサは、上に酵素が提供された第1、第2、第3及び第4の電極を含む複数の電極を有する。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、前記試料中の前記分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記指定サンプリング時間の出力信号及び前記所定のサンプリング時間の出力信号のそれぞれの大きさの差が、所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、前記評価する工程が真である場合には、エラーを通知し、更なる処理を終了させる工程と、前記評価する工程が偽である場合には、前記指定サンプリング時間を含む複数の時点における対応する第1及び第2の電極の前記サンプリングされた出力信号から分析物濃度を決定する工程と、により行うことができる。
更なる第6の態様では、出願人は、バイオセンサにおける過渡出力エラーを決定する方法を考案した。バイオセンサは、上に酵素が提供された第1、第2、第3及び第4の電極を含む複数の電極を有する。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、前記試料中の前記分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記指定サンプリング時間における出力信号及び前記所定のサンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、これが作用電極のうちの少なくとも1つについて真である場合には、エラーを通知するか又はエラーフラグをアクティブに設定し、前記指定サンプリング時間における出力信号及び前記所定のサンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値に等しいか又はこれよりも大きい場合には、前記指定サンプリング時間において測定された前記出力信号の大きさに基づいて分析物濃度を計算する工程と、によって行うことができる。
更なる第7の態様では、出願人は、バイオセンサにおける過渡出力エラーを決定する方法を考案した。バイオセンサは、上に酵素が提供された第1、第2、第3及び第4の電極を含む複数の電極を有する。本方法は、流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、前記試料中の前記分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記指定サンプリング時間における出力信号及び前記所定のサンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、前記評価する工程が真である場合には、エラーフラグをアクティブに設定する工程と、前記評価する工程が偽である場合には、前記指定サンプリング時間における前記第1及び第2の電極の信号出力から前記分析物濃度を計算する工程と、前記エラーフラグがアクティブであるか否かを決定し、エラーフラグがアクティブでない場合には、前記分析物濃度を通知し、前記エラーフラグがアクティブである場合には、前記分析物濃度の通知を禁止する工程と、により行うことができる。
したがって、先に記載した実施形態のいずれにおいても、次の特徴を、既に開示した実施形態と様々に組み合わせて用いることができる。例えば、複数の電極は、分析物濃度を測定するための第1及び第2の電極と、物理的特性を測定するための第3及び第4の電極とからなる、4つの電極を含むことができ、前記第1、第2、第3及び第4の電極は、基板上に設けられた同じチャンバ内に配置され、前記第1及び第2の電極並びに前記第3及び第4の電極は、前記基板上に設けられた対応する2つの異なるチャンバ内に配置され、前記電極の全ては、前記基板によって画定される同じ平面上に配置され、前記少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、前記第3及び第4の電極上には試薬は配置されず、前記分析物濃度は、前記検査シーケンスの開始の約10秒以内に前記第2の信号により決定され、前記所定の閾値は、約10〜約30の任意の値を含み得、前記指定サンプリング時間は、前記推定された分析物の異なる定性的分類が行列の最も左側の列に記載され、前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が前記行列の最上段の行に記載され、前記サンプリング時間が行列の残りのセルに示された行列を含むルックアップテーブルから選択され、前記所定の閾値は約100ナノアンペアであり、前記マイクロコントローラは、以下の式:
Figure 0006404932
(式中、
は、分析物濃度を表し、
は、指定サンプリング時間において測定された出力信号を表し、
「傾き」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
「切片」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)によって分析物濃度を決定する。
更に、上記に述べた実施形態のいずれにおいても、以下の特徴を上記に開示した実施形態と様々な組み合わせで用いることができる。例えば、マイクロコントローラは、以下の式:
Figure 0006404932
(式中、Gestは、推定された分析物濃度を表し、
は、前記所定のサンプリング時間において測定された信号であり、
は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の傾きを含み得、
は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の切片を含み得る)によって分析物濃度を推定し、
ここで、マイクロコントローラは、以下の式:
Figure 0006404932
(式中、Gは、分析物濃度を表し、
は、前記指定サンプリング時間において測定された信号を含み得、
は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の傾きを含み得、
は、バイオセンサの特定のバッチの切片を含み得る)によって分析物濃度を決定する。
更に、上記に述べた方法のそれぞれにおいて、以下の工程を上記に開示した実施形態と様々な組み合わせで用いることもできる。例えば、測定する工程は、第1の信号を試料に適用して、試料の物理的特性を測定する工程を含み得;引き起こす工程は、第2の信号を試料に駆動させる工程を含み得;測定する工程は、検査シーケンスの開始後の時点において、バイオセンサの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価することであって、該時点が、少なくとも測定又は推定された物理的特性に応じて設定されることを含み得;決定する工程は、該時点における測定された出力信号から分析物濃度を計算すること、検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定することを含み得;定義する工程は、測定又は推定された物理的特性及び推定された分析物濃度の両方に基づいて定義された時点を選択すること、所定の時間における出力信号の測定値に基づいて分析物濃度を推定することを含み得;所定の時間は、検査シーケンスの開始から所定のサンプリング時間を含み得;推定する工程は、第2の信号の試料からの出力を測定するための時点が、計算する工程のために得られるように、推定された分析物濃度及び測定又は推定された物理的特性を、異なる試料測定時間に対してインデックスされた試料の分析物濃度及び物理的特性の異なるそれぞれの範囲を有するルックアップテーブルに対して比較することを含み得;第1の信号を適用する工程及び第2の信号を駆動する工程は逐次的であり;第1の信号を適用する工程は、第2の信号を駆動する工程と重複し;第1の信号を適用する工程は、試料の物理的特性が試料からの交流信号の出力から決定されるように交流信号を試料に流すことを含み得;第1の信号を適用する工程は、試料の物理的特性が電磁気信号の出力から決定されるように電磁気信号を前記試料に流す工程を含み得;物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、温度及び密度の少なくとも1つを含み得;物理的特性は、ヘマトクリット値を含み、分析物は、グルコースを含み得;流す工程は、第1及び第2の交流信号を異なるそれぞれの周波数で駆動することを含み得、第1の周波数は第2の周波数よりも低く;第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低く;第1の周波数は、約10kHz〜約250kHzの範囲の任意の周波数を含み得;40;サンプリングする工程は、検査シーケンスの開始において、開始から少なくとも約10秒後まで、信号出力を連続的にサンプリングすることを含み得、所定の閾値は、約10〜約30の任意の値を含み得;計算する工程は、以下の式:
Figure 0006404932
(式中、
は、分析物濃度を表し、
は、指定サンプリング時間Tssにおいて測定された信号を表し、
「傾き」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
「切片」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)を用いることを含み得る。
本開示についての前述の態様において、決定する工程、推定する工程、計算する工程、演算する工程、導出する工程及び/又は利用する工程(おそらく式と併せて)は、電子回路又はプロセッサによって実行され得る。これらの工程は、コンピュータ可読媒体に記憶された実行可能命令として実装されてもよく、命令は、コンピュータによって実行されると、前述の方法のうちの任意のいずれかの工程を実行し得る。
本開示の更なる態様において、コンピュータ可読媒体が存在し、各媒体は実行可能命令を備えており、その命令がコンピュータによって実行されると、前述の方法の任意のいずれかの工程を実施する。
本開示の更なる態様において、検査測定器又は分析物検査装置などの装置が存在し、各装置又は測定器は、前述の方法のうちの任意のいずれかの工程を実行するように構成された電子回路又はプロセッサを含む。
これら及びその他の実施形態、特徴並びに利点は、以下に述べる本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明を、はじめに簡単に述べる付属の図面とあわせて参照することによって、当業者にとって明らかになるであろう。
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本発明の現在好ましい実施形態を示すものであって、上記に述べた一般的説明及び以下に述べる詳細な説明と共に、本発明の特徴を説明する役割を果たすものである(同様の数字は、同様の要素を表す)。
測定器と、バイオセンサと、を含む、分析物測定システムを示す。 測定器と、バイオセンサと、を含む、更に別の分析物測定システムを示す。 測定器200の構成要素の簡略化された概略形態を示す。 測定器200の変形型の好ましい実装の簡略化された概略形態を示す。 図1A及び1Bの手持ち式検査測定器の様々なブロックの簡略化ブロック図である。 本開示による実施形態で使用できる、物理的特性測定ブロックの簡略化ブロック図である。 本開示の実施形態で使用できる、デュアルローパスフィルタサブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示の実施形態で使用できる、トランスインピーダンス増幅器(TIA)サブブロックの簡略化注釈付き概略図である。 本開示の実施形態の物理的特性測定ブロックで使用できる、デュアルローパスフィルタサブブロック、較正ロードサブブロック、バイオセンサ試料セルインターフェースサブブロック、トランスインピーダンス増幅器サブブロック、XOR位相シフト測定サブブロック、及びQuadratur DEMUX位相シフト測定サブブロックを示す、簡略化注釈付き概略ブロック図である。 測定電極の上流に2つの物理的特性検知電極がある、図1のシステムの検査ストリップ100を示す。 検査チャンバの入口に近接して遮蔽又は接地電極が設けられた、図3A(1)の検査ストリップの変形型を示す。 試薬領域が物理的特性検知電極の少なくとも1つを覆うように上流に延びている、図3A(2)の検査ストリップの変形型を示す。 検査ストリップの特定の構成要素が1つのユニットに互いに統合されている、図3A(1)、3A(2)、及び3A(3)の検査ストリップ100の変形型を示す。 1つの物理的特性検知電極が入口に近接して配置され、他方の物理的特性検知電極が検査セルの末端部にあり、測定電極が一対の物理的特性検知電極の間に配置されている、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の検査ストリップの変形型を示す。 物理的特性検知電極が検査チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形型を示す。 物理的特性検知電極が検査チャンバの末端部に互いに隣接して配置され、測定電極が物理的特性検知電極の上流にある、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)の変形型を示す。 一対の物理的特性検知電極が検査チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)のものと類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 一対の物理的特性検知電極が検査チャンバの入口に近接している、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)のものと類似した物理的特性検知電極の配置を示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)、及び3B〜3Fのバイオセンサに印加された電位の時間に対するグラフを示す。 図3A(1)、3A(2)、3A(3)、及び3B〜3Fのバイオセンサからの出力電流の時間に対するグラフを示す。 対応する第1及び第2の作用電極からの正常出力過渡電流及び異常出力過渡電流を示す。 検査チャンバに適用された例示的な波長、及び波長間に時間遅延を示す検査チャンバにおいて測定された波長を示す。 バイオセンサに試料が十分に充填されなかった場合のエラー検出を伴う、より正確な分析物決定を達成する例示的な方法の論理図を示す。 図6Aの論理図の代替的な論理図を示す。 バイオセンサの信号出力過渡電流及び分析物の決定に利用される時点の範囲、並びに分析物濃度の推定を示す。 データが約30%〜約55%のヘマトクリット値の範囲において約±10%未満のバイアスを示す、本明細書の例示的な手法で実施された検査測定からのデータを示す。
以下の詳細な説明は、図面を参照しつつ読まれるべきものであり、異なる図面中、同様の要素は同様の参照符号にて示してある。図面は、必ずしも一定の縮尺を有さず、選択された実施形態を示したものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。詳細な説明は、本発明の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。この説明文は、当業者による発明の製造及び使用を明確に可能ならしめるものであり、出願時における発明を実施するための最良の形態と考えられるものを含む、発明の複数の実施形態、適応例、変形型、代替例、及び使用例を述べるものである。
本明細書で使用する任意の数値又は範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は構成要素の集合が本明細書に記載の意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、挙げられた値の±10%の値の範囲を指し得、例えば、「約90%」は、81%〜99%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で用いる「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物患者を指し、システム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における本発明の使用は好ましい実施形態を代表するものである。本明細書で使用するところの「振動信号」とは、それぞれ、電流の極性を変更するか、又は電流の方向を交互にするか、又は多方向的である、電圧信号又は電流信号を含む。また本明細書で用いる語句「電気信号」又は「信号」は、直流信号、交流信号、又は電磁スペクトル内の任意の信号を含むことが意図される。用語「プロセッサ」「マイクロプロセッサ」又は「マイクロコントローラ」は、同じ意味を有することが意図され、互換的に使用されることが意図される。本明細書で用いる「通知された」という用語及びこの語幹の変形は、文字、音声、視覚又は全ての通信の態様若しくは媒体の組み合わせを介してユーザに通知されることを表す。
図1Aは、本明細書に図示及び説明される方法及び手法によって製造されたバイオセンサを用いて個人の血中の分析物(例えばグルコース)濃度を検査するための検査測定器200を示している。検査測定器200は、データの入力、メニューのナビゲート、及びコマンドの実行用のボタンの形態であってよいユーザインターフェース入力装置(206、210、214)を含み得る。データには、分析物濃度、及び/又は個人の日常の生活習慣に関連した情報を表す値が含まれ得る。日常の生活習慣に関連した情報には、個人の食物摂取、医薬使用、健康チェックの実施、全身の健康状態、及び運動レベルを挙げることができる。検査測定器200は、測定されたグルコース濃度を報告する、及び生活習慣に関連した情報の入力を容易にするのに使用し得るディスプレイ204も含み得る。
検査測定器200は、第1のユーザインターフェース入力装置206、第2のユーザインターフェース入力装置210、及び第3のユーザインターフェース入力装置214を含んでもよい。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、検査デバイス内に保存されたデータの入力及び分析を促進し、これによって利用者は、ディスプレイ204上に表示されたユーザインターフェースを介してナビゲートすることができる。ユーザインターフェース入力装置206、210及び214は、第1のマーキング208、第2のマーキング212、及び第3のマーキング216を含み、それらは、ユーザインターフェース入力装置をディスプレイ204上の文字と相関させるのに役立つ。
検査測定器200は、バイオセンサ100(又はその変形型)をストリップポートコネクタ220に挿入するか、第1のユーザインターフェース入力装置206を押し少しの間保持するか、又はデータポート218を通るデータトラフィックの検出によってオンにすることができる。検査測定器200は、バイオセンサ100(又はその変形型)を取り出すか、第1のユーザインターフェース入力装置206を押し少しの間保持するか、メインメニュースクリーンから測定器オフの選択肢までナビゲートしこれを選択するか、又は所定の時間どのボタンも押さないことによって、オフにすることができる。ディスプレイ204は場合により背面照明を含んでもよい。
一実施形態において、検査測定器200は、第1の検査ストリップバッチから第2の検査ストリップバッチに切り替える際、任意の外部ソースからの、例えば較正入力を受信しないように構成されてもよい。それ故、例示的な一実施形態では、測定器は、(入力装置206、210、214などの)ユーザインターフェース、挿入された検査ストリップ、別個のコードキー又はコードストリップ、データポート218などの外部ソースから較正入力を受信しないように構成される。このような較正入力は、バイオセンサバッチの全てが、ほぼ均一な較正特性を有する場合には、必要ない。較正入力は、特定のバイオセンサバッチに属する一連の値としてもよい。例えば、較正入力は、特定のバイオセンサバッチにおけるバッチ「傾き」値及びバッチ「切片」値を含んでもよい。バッチ傾き及び切片値などの較正入力は、以下に記載するように、測定器内で予備設定され得る。
図2Aを参照すると、検査測定器200の例示的な内部レイアウトが示されている。検査測定器200は、プロセッサ300を含み得、それは、本明細書に記載及び説明するいくつかの実施形態では、32ビットRISCマイクロコントローラである。本明細書に記載及び説明する好ましい実施形態では、プロセッサ300は、Texas Instruments(Dallas,TX USA)により製造される超低消費電力マイクロコントローラのMSP 430ファミリーから選択されることが好ましい。プロセッサは、I/Oポート314を介して、メモリ302に双方向に接続されてもよく、メモリ302は、本明細書に記載及び説明するいくつかの実施形態では、EEPROMである。データポート218、ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214、並びにディスプレイドライバ320も、I/Oポート214を介してプロセッサ300に接続される。データポート218はプロセッサ300に接続されてよく、それによって、メがリ302とパーソナルコンピュータなどの外部デバイスとの間のデータ転送が可能になる。ユーザインターフェース入力装置206、210、及び214は、プロセッサ300に直接接続されている。プロセッサ300は、ディスプレイドライバ320によってディスプレイ204を制御する。メモリ302は、検査測定器200の製造中、バッチ傾き及びバッチ切片値などの較正情報がプレロードされてもよい。このプレロードされた較正情報は、ストリップポートコネクタ220を介してストリップから好適な(電流などの)信号を受信した後、プロセッサ300によりアクセス及び使用されて、任意の外部ソースから較正入力を受信することなく、信号及び較正情報を使用して、対応する(血中グルコース濃度などの)分析物濃度を計算することができる。
本明細書に記載及び説明する実施形態では、検査測定器200は、ストリップポートコネクタ220に挿入された検査ストリップ100(又はその変形型)に適用された血液中のグルコースレベルの測定に使用される電子回路を提供する、特定用途集積回路(ASIC)304を含むことができる。アナログ電圧は、アナログインターフェース306を経由してASIC 304へ及びASIC 304から通過し得る。アナログインターフェース306からのアナログ信号は、A/D変換器316によってデジタル信号に変換することができる。プロセッサ300は更に、コア308、ROM 310(コンピュータコードを含む)、RAM 312及びクロック318を含む。一実施形態では、プロセッサ300は、例えば分析物測定後のある期間中など、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除く全てのユーザインターフェース入力を無効にするように構成(又はプログラム)される。代替的な実施形態では、プロセッサ300は、ディスプレイユニットによる分析物の値の表示の際に、単一の入力を除く全てのユーザインターフェース入力装置からの任意の入力を無視するよう構成(又はプログラム)されている。測定器200の詳細な説明及び実例は、国際公開第WO2006070200号に示され記載されており、当該公開が恰も本明細書に完全に記載されたものであるとして、参照により本出願に組み込まれる。
図B、及び2C〜2Gを参照すると、手持ち式検査測定器200の別の実施形態が提供されている。測定器200のこの変形型は、ディスプレイ102と、複数のユーザインターフェースボタン104と、ストリップポートコネクタ106と、USBインターフェース108と、ハウジングと、を含む。特に、図1B及び2Cを参照すると、手持ち式検査測定器200はまた、マイクロコントローラブロック112と、物理的特性測定ブロック114と、ディスプレイ制御ブロック116と、メモリブロック118と、検査電圧をバイオセンサに印加するため、また電気化学応答(例えば、複数の試験電流値)を測定し、その電気化学応答に基づいて、分析物を測定するためのその他の電子部品(図示せず)と、を含む。現在の説明を簡素化するために、図は、全てのそのような電子回路を示すというわけではない。
ディスプレイ102は、例えば、スクリーン画像を示すように構成された液晶ディスプレイ又は双安定ディスプレイとすることができる。画面画像の例には、グルコース濃度、日付及び時間、エラーメッセージ、並びにエンドユーザにどのように検査を実行するかを指示するためのユーザインターフェースが挙げられる。
ストリップポートコネクタ106は、全血試料中のグルコースの測定のために構成される電気化学系バイオセンサなどのバイオセンサ100と動作可能にインターフェースするように構成される。それ故、バイオセンサは、ストリップポートコネクタ106への動作的挿入のために、及び例えば、好適な電気接触を介して、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114と動作可能にインターフェースするように構成される。
USBインターフェース108は、当業者に既知の任意の好適なインターフェースであってよい。USBインターフェース108は、本質的に、手持ち式検査測定器200に給電し、データラインを提供するように構成される、受動構成要素である。
バイオセンサが、手持ち式検査測定器200とインターフェースした後、又はその前に、体液試料(例えば、全血試料)がバイオセンサの試料チャンバの中に導入される。バイオセンサは、分析物を別の所定の化学形態に選択的かつ定量的に変化させる酵素試薬を含むことができる。例えば、バイオセンサは、グルコースを酸化型に物理的に変化させることができるように、フェリシアン化物及びグルコースオキシダーゼを含む酵素試薬を含むことができる。
手持ち式検査測定器200のメモリブロック118は、好適なアルゴリズムを含み、マイクロコントローラブロック112と共に、バイオセンサの電気化学応答及び導入された試料のヘマトクリット値に基づいて分析物を測定するように構成することができる。例えば、分析物血液グルコースの測定において、ヘマトクリット値は、電気化学的に決定された血液グルコース濃度へのヘマトクリット値の影響を補償するために使用することができる。
マイクロコントローラブロック112は、ハウジング内に配置され、当業者に既知の任意の好適なマイクロコントローラ及び/又はマイクロプロセッサを含むことができる。そのような好適なマイクロコントローラの1つとして、Texas Instruments(Dallas,TX USA)から市販されている、部品番号MSP430F5138のマイクロコントローラがある。このマイクロコントローラは、25〜250kHzの方形波、及び同じ周波数の90度位相シフトした波を生成することができ、それにより、以下で更に説明される信号生成サブブロックとして機能する。MSP430F5138はまた、本開示の実施形態で使用される位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロックによって生成された電圧の測定に好適な、アナログーデジタル(A/D)処理能力も有する。
特に、図2C及び2Dを参照すると、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114(図2C)は、信号生成サブブロック120と、ローパスフィルタサブブロック122と、バイオセンサ試料セルインターフェースサブブロック124と、任意の較正ロードブロック126(図2Dの破線内)と、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128と、位相検出器サブブロック130と、を含む。
以下で更に説明されるように、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114及びマイクロコントローラブロック112は、例えば、体液試料により駆動される1つ又は2つ以上の高周波数電気信号の位相シフトを測定することによって、手持ち式検査測定器に挿入されたバイオセンサの試料セル内の体液試料の位相シフトを測定するように構成される。加えて、マイクロコントローラブロック112は、測定された位相シフトに基づいて、体液のヘマトクリット値を算出するように構成される。マイクロコントローラ112は、例えば、位相検出器サブブロックから受信される電圧を測定し、電圧を位相シフトに変換するように、A/Dコンバータを用い、次いで、位相シフトをヘマトクリット値に変換するように、好適なアルゴリズム又はルックアップテーブルを採用することによって、ヘマトクリット値を算出することができる。本開示を知ると、当業者は、そのようなアルゴリズム及び/又はルックアップテーブルが、ストリップ形状(電極面積及び試料チャンバ体積を含む)並びに信号周波数などの様々な要因を考慮するように構成されることを認識するであろう。
全血試料のリアクタンスとその試料のヘマトクリット値との間に関連性が存在することがわかっている。平行な容量性及び抵抗性構成要素としての体液試料(すなわち、全血試料)の電気的モデリングは、交流電流(AC)信号が、体液試料を強制通過する時、AC信号の位相シフトが、AC電圧の周波数及び試料のヘマトクリット値の双方に依存することを示す。更に、モデリングは、信号の周波数がおよそ10kHz〜25kHzの範囲内である時に、ヘマトクリット値が位相シフトに対して比較的小さい影響を有し、信号の周波数がおよそ250kHz〜500KHzの範囲内である時に、位相シフトに対して最大の影響を有することを示す。したがって、体液試料のヘマトクリット値は、例えば、体液試料を通して既知の周波数のAC信号を駆動させ、それらの位相シフトを検出することによって、測定することができる。例えば、10kHz〜25kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、そのようなヘマトクリット測定における参照読取値として使用することができる一方、250kHz〜500kHzの範囲内の周波数を有する信号の位相シフトは、一次測定値として使用することができる。
特に、図2C〜2Gを参照すると、信号生成サブブロック120は、任意の好適な信号生成ブロックとすることができ、所望の周波数の方形波(0V〜Vref)を生成するように構成される。そのような信号生成サブブロックは、必要に応じて、マイクロコントローラブロック112に一体化することができる。
信号生成サブブロック120によって生成される信号は、方形波信号を所定の周波数の正弦波信号に変換するように構成されたデュアルローパスフィルタサブブロック122に通信される。図2EのデュアルLPFは、第1の周波数の信号(10kHz〜25kHzの範囲内の周波数など)及び第2の周波数の信号(250kHz〜500kHzの範囲内の周波数)の双方を、バイオセンサ試料セルインターフェースサブブロック及びバイオセンサの試料チャンバ(HCT測定セルとも称される)に提供するように構成されている。第1及び第2の周波数の選択は、図2EのスイッチIC7を使用して達成される。図2EのデュアルLPFは、高速電圧フィードバックCMOS動作増幅器部品番号OPA354として、Texas Instruments(Dallas,TX USA)から入手可能な演算増幅器などの2つの好適な演算増幅器(IC4及びIC5)を含む。
図2Eを参照すると、F−DRVは、低周波数又は高周波数(例えば、25kHz又は250kHz)のいずれかの方形波入力を表し、IC4及びIC5の双方に接続される。信号Fi−高/低(マイクロコントローラから)は、スイッチIC7を介して、デュアルローパスフィルタサブブロック122の出力を選択する。図2EのC5は、HCT測定セルからのデュアルローパスフィルタサブブロック122の動作電圧をブロックするように構成される。
特定のデュアルLPFが図2Eに描写されているが、デュアルローパスフィルタサブブロック122は、例えば、任意の好適な多重フィードバックローパスフィルタ、又はSallen及びKeyローパスフィルタを含む、当業者に既知の任意の好適なローパスフィルタサブブロックとすることができる。
ローパスフィルタサブブロック122によって生成される正弦波は、バイオセンサ試料セルインターフェースサブブロック124に通信され、そこで、正弦波は、バイオセンサの試料セル(HCT測定セルとも称される)を横切るように駆動される。バイオセンサ試料セルインターフェースブロック124は、例えば、試料セル内に配置されるバイオセンサの第1の電極及び第2の電極を介してバイオセンサの試料セルと動作可能にインターフェースするように構成されるインターフェースブロックを含む、任意の好適な試料セルインターフェースブロックとすることができる。そのような構成において、信号を、図2Gに描写されるように、第1の電極を介して、試料セルへと(ローパスフィルタサブブロックから)駆動することができ、試料セルから(トランスインピーダンス増幅器サブブロックによって)拾い上げることができる。
試料セルを横切るように信号を駆動させることによって生成された電流は、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128によって拾い上げられ、位相検出器サブブロック130への通信のために電圧信号に変換される。
トランスインピーダンスサブブロック128は、当業者に既知の任意の好適なトランスインピーダンスサブブロックとすることができる。図2Fは、1つのそのようなトランスインピーダンス増幅器サブブロック(2つのOPA354演算増幅器、IC3及びIC9に基づく)の、簡略化された注釈付き概略ブロック図である。TIAサブブロック128の第1の段階は、例えば400mVで動作し、これは、AC振幅を+/−400mVに制限する。TIAサブブロック128の第2の段階は、Vref/2で動作し、これは、マイクロコントローラA/D入力のフルスパンの出力の生成を可能にする構成である。TIAサブブロック128のC9は、AC正弦波信号が通過することのみを可能にする、ブロッキング構成要素として作用する。
位相検出器サブブロック130は、捕捉機能を使用してマイクロコントローラブロック112によって読み取られることができるデジタル周波数、又はアナログーデジタルコンバータを使用してマイクロコントローラブロック112によって読み取られることができるアナログ電圧のいずれかを生成する、任意の好適な位相検出器サブブロックとすることができる。図2Gは、2つのそのような位相検出器サブブロック、すなわち、XOR位相検出器(図2Gの上半分にあり、IC22及びIC23を含む)、並びに直交DEMUX位相検出器(図2Gの下半分にあり、IC12及びIC13を含む)を含む概略図を描写する。
図2Gはまた、スイッチ(IC16)並びにダミーロードR7及びC6を含む較正ロードサブブロック126を描写する。較正ロードサブブロック126は、抵抗器R7によって生成されるゼロ度の既知の位相シフトの位相オフセットの動的測定のために構成され、このため、較正において使用するための位相オフセットを提供する。C6は、所定のわずかな位相シフトを強制するように、例えば、試料セルへの信号トレースにおける寄生容量によって引き起こされる位相遅延、又は電気回路(LPF及びTIA)における位相遅延を補償するように構成される。
図2Gの直交DEMUX位相検出器回路は2つの部分を含み、1つの部分は着信AC信号の抵抗部分に対するものであり、もう1つの部分は着信AC信号の反応部分に対するものである。そのような2つの部分の使用により、AC信号の抵抗部分及び反応部分の双方の同時測定、並びに0度〜360度を網羅する測定範囲が可能になる。図2Gの直交DEMUX回路は、2つの別個の出力電圧を生成する。これらの出力電圧のうちの一方は「同相測定」を表し、これはAC信号の「抵抗」部分に比例し、他方の出力電圧は「直交測定」を表し、これは信号の「反応」部分に比例する。位相シフトは、以下のように計算される。
φ=tan−1(V直交位相/V同位相
そのような直交DEMUX位相検出器回路はまた、試料セル内の体液試料のインピーダンスを測定するために、採用することができる。限定するわけではないが、身体試料のヘマトクリット値を決定するために、位相シフトと共に、又はそれから独立して、このインピーダンスを用い得ることが仮定される。試料セルを通して強制通過される信号の振幅は、以下のように、直交DEMUX回路の2つの電圧出力を使用して計算することができる。
振幅=SQR((V直交位相+(V同位相
次いで、この振幅は、インピーダンスを決定するように、較正ロードブロック126の既知の抵抗に対して測定される振幅と比較することができる。
XOR位相検出器部分は、「μCからの方形波入力」が、正弦波に対して同相であるか、又は90°位相シフトに設定されるかどうかに依存して、0°〜180°の測定範囲、又は代替的に−90°〜+90°の測定範囲を有する。XOR位相検出器は、常に入力周波数の2倍である出力周波数を生成するが、デューティサイクルは変化する。双方の入力が完全に同相である場合、出力は低であり、双方の入力が180°シフトされる場合、出力は常に高である。出力信号を積分することによって(例えば、単純なRC要素を介して)、双方の入力間の位相シフトに直接比例する電圧を生成することができる。
本明細書に提供されるように、当業者は、本開示の実施形態で使用される位相検出器サブブロックが、例えば、立ち上がりエッジキャプチャ法、デュアルエッジキャプチャ法、XOR法、及び同期復調法を使用する形態を含む、任意の好適な形態を取り得ることを認識するであろう。
ローパスフィルタサブブロック122、トランスインピーダンス増幅器サブブロック128、及び位相検出器サブブロック130は、残留位相シフトを位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック114に導入することができるため、較正ロードブロック126を、位相シフト系ヘマトクリット値測定ブロック内に任意に含めることができる。較正ロードブロック126は、本質的に抵抗性の性質(例えば、33kΩの負荷)であるように構成され、したがって、励起電圧と生成された電流との間で位相シフトを誘導しない。較正ロードブロック126は、「ゼロ」較正読取値をもたらすように、回路に渡って切り替えられるように構成される。いったん較正されると、手持ち式検査測定器は、体液試料の位相シフトを測定し、「ゼロ」読取値を減算して、補正された位相シフトを算出し、その後、補正された位相シフトに基づいて、その試料の物理的特性を算出することができる。
図3A(1)は、基板5上に配置された7つの層を含み得る検査ストリップ100の例示的な分解斜視図である。基板5上に配置された7つの層とは、(電極層50とも呼ばれ得る)第1の導電層50、絶縁層16、2つの重なる試薬層22a及び22b、接着部分24、26及び28を含む接着層60、親水性層70、並びに検査ストリップ100のカバー94を形成する最上層80であり得る。検査ストリップ100は、例えば、スクリーン印刷プロセスを用いて、導電層50、絶縁層16、試薬層22a及び22b、及び接着層60を基板5の上に順次付着させていく一連の工程で製造することができる。電極10、12、及び14が試薬層22a及び22bと接触して配置され、一方、物理的特性検知電極19a及び20aは離間しており、試薬層22a及び22bとは接触していないことに留意されたい。親水性層70及び最上層80は、ロールストックから配置され、一体化ラミネート、又は別個の層のいずれかとして基材5上に積層されてよい。図3A(1)に示されるように、検査ストリップ100は、遠位側部分3及び近位側部分4を有している。
検査ストリップ100は、そこから生理学的流体試料95を抜き取るか又は付着させることができる試料受容チャンバ92を含み得る(図3A(2))。本明細書で記載する生理学的流体試料は血液であり得る。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92は、検査ストリップ100の近位端に入口を、側縁部に出口を含み得る。流体試料95を軸L−L(図3A(2))に沿って入口に適用して、グルコースを測定できるように試料受容チャンバ92を充填する。図3A(1)に示されるように、試薬層22(22a及び22bを含み得る)に隣接して配置された第1の接着パッド24及び第2の接着パッド26の側縁部はそれぞれ、試料受容チャンバ92の壁を画定している。図3A(1)に示されるように、試料受容チャンバ92の底部、すなわち「床部」は、基板5、導電層50、及び絶縁層16の一部を含み得る。図3A(1)に示すように、試料受容チャンバ92の上部、すなわち「天井部」は、遠位側親水性部分32を含み得る。図3A(1)に示されるように、検査ストリップ100では、基板5は、後から適用される層を支持するのを助けるための基礎として用いることができる。基板5は、ポリエチレンテトラフタレート(PET)材料(Mitsubishiにより供給されるHostaphan PET)などのポリエステルシートの形態であってよい。基板5は、公称350マイクロメートル厚×370ミリメートル幅、長さおよそ60メートルのロール形態であってよい。
導電層は、グルコースの電気化学的測定に使用することができる電極を形成するために必要とされる。第1の導電層50は、基板5上にスクリーン印刷されるカーボンインクから作ることができる。スクリーン印刷プロセスでは、カーボンインクはスクリーン上に装填され、続いてスキージを用いてスクリーンを通して転写される。印刷されたカーボンインクは、約140℃の高温空気を用いて乾燥させることができる。カーボンインクは、VAGH樹脂、カーボンブラック、グラファイト(KS15)、並びに樹脂、カーボン、及びグラファイト混合物用の1つ又は2つ以上の溶媒を含み得る。より詳細には、カーボンインクは、カーボンインク中に約2.90:1の比のカーボンブラック:VAGH樹脂、及び約2.62:1の比のグラファイト:カーボンブラックを組み込むことができる。
図3A(1)に示されるような検査ストリップ100では、第1の導電層50は、参照電極10、第1の作用電極12、第2の作用電極14、第3及び第4の物理的特性検知電極19a及び20a、第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、参照接触パッド11、第1の作用電極トラック8、第2の作用電極トラック9、参照電極トラック7、並びにストリップ検出用バー17を含むことができる。物理的特性検知電極19a及び20aは、対応する電極トラック19b及び20bと共に提供される。この導電層は、カーボンインクから形成することができる。第1の接触パッド13、第2の接触パッド15、及び参照接触パッド11は、検査測定器と電気的に接続されるように適合され得る。第1の作用電極トラック8は、第1の作用電極12から第1の接触パッド13までの電気的に連続した経路を提供する。同様に、第2の作用電極トラック9は、第2の作用電極14から第2の接触パッド15に至る電気的に連続した経路を提供する。同様に、参照電極トラック7は、参照電極10から参照接触パッド11に至る電気的に連続した経路を提供する。ストリップ検出用バー17は、参照接触パッド11と電気的に接続されている。第3及び第4の電極トラック19b及び20bは、対応する電極19a及び20aと接続する。図3A(1)に示されるように、検査測定器は、参照接触パッド11とストリップ検出用バー17との連続性を測定することによって、検査ストリップ100が適切に挿入されたことを検出することができる。
検査ストリップ100の変形型(図3A(1)、3A(2)、3A(3)又は3A(4))は、図3B〜3Fに示されている。簡潔には、検査ストリップ100の変形型に関して、これらの検査ストリップは、作用電極に配置されている酵素試薬層と、第1のパターン化導電層を覆って配置され、バイオセンサ内に試料チャンバを画定するように構成されているパターン化スペーサ層と、第1のパターン化導電層の上方に配置されている第2のパターン化導電層と、を含む。第2のパターン化導電層は、第1の位相シフト測定電極及び第2の位相シフト測定電極を含む。更に、第1及び第2の位相シフト測定電極は試料チャンバ内に配置され、手持ち式検査測定器と共に、バイオセンサの使用時に試料チャンバに導入される体液試料を通じて強制的に流される電気信号の位相シフトを測定するように構成されている。このような位相シフト測定電極を本明細書では体液位相シフト測定電極とも呼ぶ。本明細書に述べられる様々な実施形態のバイオセンサは、例えば、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用電極及び参照電極の上に配置されることにより、効果的に低容量の試料チャンバが実現されるという点で有利であると考えられる。これは、第1及び第2の位相シフト測定電極が作用電極及び参照電極と同一平面上となる関係に配置されていることにより、体液試料が、第1及び第2の位相シフト測定電極ばかりでなく作用電極及び参照電極を覆うためにより大きな体液試料の体積及び試料チャンバを必要とするような構成とは対照的である。
図3A(1)の検査ストリップの変形型である図3A(2)の実施形態では、更なる電極10aが、複数の電極19a、20a、14、12、及び10のいずれかの延長部として設けられている。この内蔵遮蔽又は接地電極10aは、ユーザの指又は体と、特性測定電極19a及び20aとの間の任意の静電容量結合を低減又は排除するために用いられることに留意するべきである。接地電極10aにより、任意の静電容量は、検知電極19a及び20aから離れる方向に向けることができる。これを行うには、対応するトラック7、8、及び9を介する接触パッド15、17、13の1つ又は2つ以上の代わりに、測定器の接地接続のため、他の5つの電極のうち任意の1つ、又は自身の別個の接触パッド(及びトラック)に接地電極10aを接続できる。好ましい実施形態では、接地電極10aは、試薬22が上面に配置されている3つの電極のうちの1つに接続される。最も好ましい実施形態では、接地電極10aは電極10に接続される。接地電極であることにより、試料中のバックグラウンド干渉化合物によって生じ得る更なる電流が作用電極測定に寄与しないよう、接地電極を参照電極(10)に接続することが有利である。更に、遮蔽又は接地電極10aを電極10に接続することによって、とりわけ高い信号で制限することができる対電極10のサイズを効果的に増大させると考えられる。図3A(2)の実施形態では、試薬は、測定電極19a及び20aと接触しないように配置されている。別の方法として、図3A(3)の実施形態では、試薬22は、試薬22が検知電極19a及び20aのうちの少なくとも一方と接触するように配置されている。
図3A(4)に示されるような検査ストリップ100の代替的な形態では、最上層38、親水性フィルム層34、及びスペーサ29がともに組み合わせられることにより、絶縁層16’に近接して配置された試薬層22’と共に基板5に実装するための一体化されたアセンブリを形成している。
図3Bの実施形態において、分析物測定電極10、12及び14は、図3A(1)、3A(2)又は3A(3)と概ね同じ構成で配置される。しかし、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)レベルを検知する電極19a及び20aは、一方の電極19aが検査チャンバ92の入口92aに近接しており、他方の電極20aが検査チャンバ92の反対端にあるように、離れている構成で配置される。電極10、12及び14は、試薬層22と接触して配置されている。
図3C、3D、3E及び3Fにおいて、物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)検知電極19a及び20aは、互いに隣接して配置されており、検査チャンバ92への入口92aの反対端に位置(図3C及び3D)してもよいし、入口92aに隣接して位置(図3E及び3F)してもよい。これらの実施形態の全てにおいて、物理的特性検知電極は、試薬層22から離間されており、その結果、これらの物理的特性検知電極は、グルコースを含有する流体試料(例えば、血液又は間質液)の存在下で、試薬の電気化学的反応の影響を受けない。
バイオセンサの様々な実施形態では、バイオセンサに付着した流体試料に対してなされる2つの測定値がある。1つの測定値は、流体試料中の分析物(例えばグルコース)の濃度であり、もう一方は、同一試料中の物理的特性(例えばヘマトクリット値)である。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の測定値を用いて、グルコース測定値を修正又は補正して、グルコース測定値に対する赤血球の影響を排除又は軽減する。両方の測定(グルコース及びヘマトクリット値)は、順次、同時に、又は時間的に重ねて行うことができる。例えば、グルコースを最初に、次いで物理的特性(例えばヘマトクリット値)を測定してもよいし、物理的特性(例えばヘマトクリット値)測定を最初に、次いでグルコース測定を行ってもよいし、両方の測定を同時に行ってもよいし、1つの測定期間が別の測定期間と重なってもよい。各測定値について、図4A、4B及び5に関して以下に詳細に述べる。
図4Aは、検査ストリップ100及び本明細書に示されるその変形型に適用される試験信号の例示的なグラフである。流体試料を検査ストリップ100(又はその変形型)に適用する前に、検査測定器200は、第2の作用電極と参照電極との間に約400mVの第1の試験信号が適用された流体検出モードにある。約400mVの第2の試験信号を、第1の作用電極(例えばストリップ100の電極12)と参照電極(例えばストリップ100の電極10)との間に同時に適用することが好ましい。あるいは、第1の試験信号の適用の時間間隔が、第2の検査電圧の適用の時間間隔と重なるように、第2の試験信号を同時期に適用してもよい。検査測定器は、0の開始時間における生理学的流体の検出前に、流体検出時間間隔TFDの間、流体検出モードであってよい。流体検出モードでは、検査測定器200は、流体が、参照電極10に対して、第1の作用電極12若しくは第2の作用電極14のいずれか(又は両方の作用電極)を濡らすように、流体が検査ストリップ100(又はその変形型)に適用される時を決定する。検査測定器200が、例えば第1の作用電極12及び第2の作用電極14のいずれか又は両方において測定された試験電流の十分な増加により、生理学的流体が適用されたことを認識すると、検査測定器200は、ゼロ時「0」にゼロ秒マーカーを割り当て、検査時間間隔Tを開始する。検査測定器200は、例えば、1ミリ秒毎〜100ミリ秒毎といった好適なサンプリング速度で過渡電流出力をサンプリングすることができる。検査時間間隔Tが完了すると、試験信号が除去される。簡単にするため、図4Aは、検査ストリップ100(又はその変形型)に適用された第1の試験信号のみを示している。
以下、図4Aの検査電圧が検査ストリップ100(又はその変形型)に印加されたときに測定される既知の信号過渡電流(例えば、時間に応じたナノアンペアでの測定された電気信号反応)から、分析物(例えば、グルコース)濃度を決定する方法の記載。
図4Aでは、検査ストリップ100(又は本明細書に述べられるその変形型)に印加される第1及び第2の検査電圧は、一般的に約+100mV〜約+600mVである。電極がカーボンインクを含み、メディエーターがフェリシアン化物を含む一実施形態では、試験信号は約+400mVである。当業者に既知であるように、その他のメディエーター及び電極材料の組み合わせでは、異なる検査電圧が必要となるであろう。電圧の持続時間は一般に、反応時間後約1〜約5秒であり、典型的には、反応時間後約3秒である。典型的には、検査シーケンス時間Tは、tに対して測定される。Tの間、図4A中で電圧401が維持されるとき、本明細書の図4Bに示される出力信号が発生するが、第1の作用電極12に対しては、ゼロ時間で開始して過渡電流702が発生し、同様に第2の作用電極14に対しても、過渡電流704がゼロ時間に対して発生する。このプロセスを説明する目的で、過渡信号702及び704は、同じO参照点上に置かれているが、物理的用語では、軸L−Lに沿った作用電極12及び14のそれぞれに向かうチャンバ内の流体の流れのために、2つの信号間にはわずかな時間差があることが知られている。しかしながら、過渡電流はサンプリングされ、マイクロコントローラにおいて同じ開始時間を有するように構成されている。図4Bでは、過渡電流はピーク時間Tに近接したピークまで増加し、この時、電流は、およそゼロ時間後2.5秒又は5秒のうちの一方まで緩やかに下降する。およそ5秒の点706において、作用電極12及び14のそれぞれの出力信号を測定し、互いに加え合わせることができる。あるいは、作用電極12及び14のうちの一方のみからの信号を2倍してもよい。
再び図2Bを参照すると、システムは、複数の時点又は位置T、T、T、...Tのいずれか1つにおいて、作用電極(12及び14)の少なくとも一方からの出力信号Iを測定又はサンプリングするように信号を駆動する。図4Bに見られるように、時間位置は、検査シーケンスTの任意の時点又は間隔であってよい。例えば、出力信号が測定される時間位置は、1.5秒における単一の時点T1.5、又は2.8秒に近接した時点T2.8と重なる間隔708(例えば、システムのサンプリング速度に応じて約10m秒以上の間隔)であり得る。
特定の検査ストリップ100及びその変形型に関する、バイオセンサのパラメータ(例えば、バッチ較正コードオフセット及びバッチ傾き)が既知であることから、分析物(例えばグルコース)濃度を算出できる。出力過渡電流702及び704をサンプリングして、検査シーケンス中の様々な時間位置における、信号Iを導出することができる(電流IWE1及びIWE2のそれぞれを加え合わせる、又はIWE1若しくはIWE2の一方を2倍することによる)。特定の検査ストリップ100のバッチ較正コードのオフセット及びバッチ傾きの知識から、分析物(例えばグルコース)濃度を計算することができる。
「切片」及び「傾き」は、バイオセンサのバッチから較正データを測定することにより得られる値である点に留意されたい。典型的には、およそ1500個のバイオセンサがランダムにロット又はバッチから選択される。ドナーの生理学的流体(例えば血液)が、様々な分析物濃度、典型的には6つの異なるグルコース濃度にスパイクされる。一般的には、12人の異なるドナーからの血液を6つの濃度のそれぞれにスパイクさせる。8つのバイオセンサ(又はこの実施形態ではストリップ)に同一のドナー及び濃度から血液が与えられ、その結果、そのロットに関して合計12×6×8=576回の検査が行われる。これらは、Yellow Spring Instrument(YSI)などの標準的な実験分析装置を用いてこれらを測定することによって、実際の分析物濃度(例えば、血中グルコース濃度)に対してベンチマークされる。測定されたグルコース濃度のグラフを実際のグルコース濃度に対して(又は、測定された電流をYSI電流に対して)プロットし、このグラフに式y=mx+cを最小二乗法によりフィッティングすることにより、このロット又はバッチからの残りのストリップについてのバッチ傾きm及びバッチ切片cの値が得られる。出願人らは、分析物濃度の決定中にバッチ傾きを導出する方法及びシステムについても提供している。そのため、「バッチ傾き」又は「傾き」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする、測定された又は導出された線の勾配であると定義することができる。そのため、「バッチ切片」又は「切片」は、測定されたグルコース濃度を実際のグルコース濃度に対してプロットした(又はYSI電流に対する測定された電流)グラフに最もフィットする線がy軸と交わる点であると定義することができる。
先に説明されている様々な構成要素、システム、及び方法により、当該技術分野においてこれまで存在しなかった分析物測定システムの提供が出願人らにより可能になることを、本明細書に記載する価値がある。具体的には、このシステムは、基板及び対応する電極コネクタに接続される複数の電極を有するバイオセンサを含む。このシステムは更に、ハウジング、検査ストリップの対応する電極コネクタに接続するように構成される検査ストリップポートコネクタ、及び本明細書の図2Bに示されるマイクロコントローラ300を有する、分析物測定器200を含む。マイクロコントローラ300は、検査ストリップポートコネクタ220と電気的に連通して、電気信号を適用するか、又は複数の電極からの電気信号を検知する。
図2Bを参照すると、測定器200の好ましい実施について説明されており、図2A及び2B中の同じ番号は共通の説明である。図2Bにおいて、ストリップポートコネクタ220は、(複数の)物理的特性検知電極から信号を受け取るインピーダンス検知ラインEICと、(複数の)物理的特性検知電極に信号を駆動させる交流信号ラインACと、参照電極の参照ラインと、作用電極1と作用電極2のそれぞれからの信号検知ラインと、を含む5つのラインによって、アナログインターフェース306と接続されている。ストリップ検出ライン221をコネクタ220に提供して、検査ストリップの挿入を示してもよい。アナログインターフェース306は、以下の4つの入力、つまり(1)実数インピーダンスZ’、(2)虚数インピーダンスZ’’、(3)バイオセンサの作用電極1からサンプリング若しくは測定された信号、すなわち、Iwe1、(4)バイオセンサの作用電極2からサンプリング若しくは測定された信号、すなわち、Iwe2、をプロセッサ300に提供する。プロセッサ300からインターフェース306へは、物理的特性検知電極に対して25kHz〜約250kHz、又はそれ以上の任意の値の振動信号ACを駆動させる、1つの出力がある。位相差P(度)は、実数インピーダンスZ’及び虚数インピーダンスZ’’から決定することができる。
P=tan−1{Z’’/Z’} 式3.1
また、インターフェース306の線Z’及びZ’’から大きさM(単位=Ω、慣例的に│Z│として書き表す)を求めることができる。
Figure 0006404932
このシステムでは、マイクロプロセッサは、(a)第1の信号を複数の電極に適用して、流体試料の物理的特性によって定義されるバッチ傾きを導出し、(b)第2の信号を複数の電極に適用して、導出されたバッチ傾きに基づいて分析物濃度を決定するように構成される。このシステムでは、検査ストリップ又はバイオセンサの複数の電極は、物理的特性を測定する少なくとも2つの電極と、分析物濃度を測定する少なくとも2つの別の電極と、を含む。例えば、第3及び第4の電極並びに少なくとも2つのその他の電極は、基板上に設けられる同一のチャンバ中に配置される。あるいは、第3及び第4の電極並びに少なくとも2つのその他の電極は、基板上に設けられる、対応する2つの異なるチャンバ内に配置される。なお、いくつかの実施形態においては、電極の全てが基板によって画定される同一平面上に配置されることに留意されたい。具体的には、本明細書に記載される実施形態のいくつかにおいては、少なくとも2つのその他の電極に近接して試薬が配置され、第3及び第4の電極上には試薬は配置されない。このシステムで記載すべき1つの特徴は、検査シーケンスの一環として、バイオセンサ上へ流体試料(生理学的試料であり得る)が付着されて約10秒以内に正確な分析物測定値を提供できることである。
ストリップ100(図3A(1)、3A(2)又は3A(3)及び本明細書のその変形型)の分析物の計算(例えば、グルコース)の例として、第1の作用電極12に関する706のサンプリングされた信号値は約1600ナノアンペアであり、一方、第2の作用電極14に関する706の信号値は約1300ナノアンペアであり、検査ストリップの較正コードは、切片が約500ナノアンペアであり、傾きが約18ナノアンペア/mg/dLであることを示すことが、図4Bにおいて想定される。グルコース濃度Gは、式3.3から以下のように決定され得る。
=[(I)−切片]/傾き 式3.3
式中、
は、バイオセンサの電極の全て(例えば、センサ100では、電極12及び14の両方(又はIwe1+Iwe2))からの合計信号である信号(分析物濃度に比例)であり、
we1は、設定サンプリング時間で第1の作用電極に関して測定された信号であり、
we2は、設定サンプリング時間で第2の作用電極に関して測定された信号であり、
傾きは、特定のストリップが帰属する検査ストリップバッチの較正試験から得られた値であり、
切片は、特定のストリップが帰属する検査ストリップバッチの較正試験から得られた値である。
式3.3により、G=[(1600+1300)−500]/18であり、したがって、G=133.33ナノアンペア、約133mg/dLである。
本明細書では、対応する作用電極からの測定された電流を加算して、合計測定電流Iを得るように、2つの作用電極(図3A(1)の12及び14)を有するバイオセンサ100に関連する例が提示されたが、1つのみの作用電極(電極12又は14のいずれか)がある検査ストリップ100の変形型においては、2つの作用電極のうちの1つのみからもたらされる信号を2倍してもよいことに留意されたい。合計信号の代わりに、各作用電極からの信号の平均を、本明細書に記載されている式3.3、6及び5〜7の合計測定電流Iとして使用することができ、測定された信号が加算された実施形態と比較して低い合計測定電流Iを説明するため、当然のことながら、演算係数への好適な変更(当業者には既知)を伴って使用することができる。あるいは、測定信号の平均値を2倍し、先の例のように演算係数を導出する必要なしに、式3.3、6、及び5〜7のIとして使用することもできる。なお、本明細書の分析物(例えばグルコース)濃度は、任意の物理的特性(例えばヘマトクリット値)に対して補正されず、信号値Iwe1及びIwe2に対して特定のオフセットが提供されて、測定器200の電気回路中のエラー又は遅延時間を説明することに留意されたい。温度補償も用いられて、結果が例えば摂氏約20度の室温などの参照温度に較正されることを確実にすることができる。
ここで、分析物(例えばグルコース)濃度(G)を信号Iから決定することができ、流体試料の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)を決定する出願者の手法についての記載は、図5に関連して提供される。図5において、システム200(図2)は、第1の振動入力信号800を第1周波数(例えば、約25キロヘルツ)で一対の検知電極に適用する。システムは、第3及び第4の電極からの第1の振動出力信号802を測定又は検出するようにも構成されており、これは具体的には第1の入力振動信号と出力振動信号との第1の時間差Δtを測定することを伴う。同時に又は重なり合う持続時間において、システムは、第2の周波数(例えば約100kHz〜約1MHz又はそれ以上、好ましくは約250kHz)の第2の振動入力信号(簡素化のため示されていない)を1対の電極に適用した後、第3及び第4の電極からの第2の振動出力信号を測定又は検出してもよく、これは第1の入力振動信号と出力振動信号との間の第2の時間差Δt(図示せず)を測定することを伴い得る。これらの信号から、システムは、第1及び第2の時間差Δt及びΔtに基づいて流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値)を推定する。この後、システムは、グルコース濃度を導出することができる。物理的特性(例えばヘマトクリット値)の推定は、以下の式を適用することによって行うことができる。
Figure 0006404932
式中、
、C、及びCはそれぞれ、検査ストリップに関する演算子定数であり、
は、回帰データからのパラメータを表す。
この代表的な手法の詳細は、参照することにより本明細書に援用する、2011年9月2日出願の米国特許仮出願第61/530,795号、表題「Hematocrit Corrected Glucose Measurements for Electrochemical Test Strip Using Time Differential of the Signals」(代理人整理番号DDI−5124USPSP)に見られる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値)を決定する別の手法は、物理的特性(例えばヘマトクリット値)の2つの独立した測定値によるものであり得る。これは、(a)第1の周波数における流体試料のインピーダンス、及び(b)第1の周波数より実質的に高い第2の周波数における流体試料の位相角を決定することによって得ることができる。この手法では、流体試料は、未知のリアクタンス及び未知の抵抗を有する回路としてモデル化される。このモデルにおいて、測定(a)についてのインピーダンス(表記「|Z|」で表される)は、印加電圧、既知の抵抗(例えば、固有ストリップ抵抗)にわたる電圧、及び未知のインピーダンスVzにわたる電圧によって決定でき、同様に測定(b)については、位相角は、当業者によって、入力信号と出力信号との間の時間差から測定できる。この手法の詳細は、2011年9月2日出願の、同時係属中の米国特許仮出願第61/530,808号(代理人整理番号DDI5215PSP)に見られ、かつ説明されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度、温度又は密度)を決定するためのその他の好適な手法は、例えば、米国特許第4,919,770号、同第7,972,861号、米国特許出願公開第2010/0206749号、同第2009/0223834、又は「Electric Cell−Substrate Impedance Sensing(ECIS)as a Noninvasive Means to Monitor the Kinetics of Cell Spreading to Artificial Surfaces」、Joachim Wegener、Charles R.Keese,and Ivar Giaever、Experimental Cell Research 259,158〜166(2000)、doi:10.1006/excr.2000.4919、オンラインhttp://www.idealibrary.comで入手可能、「Utilization of AC Impedance Measurements for Electrochemical Glucose Sensing Using Glucose Oxidase to Improve Detection Selectivity」、Takuya Kohma,Hidefumi Hasegawa,Daisuke Oyamatsu,and Susumu Kuwabata、Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol.80,No.1,158〜165(2007)などでも利用され得、これらの文献の全ては参照により組み込まれる。
物理的特性(例えばヘマトクリット値、密度、又は温度)を決定する別の手法は、試料のインピーダンスの位相差(例えば位相角)及び大きさを知ることにより得ることができる。一例では、試料の物理的特性又はインピーダンス特性(「IC」)の推定に、以下の関係性が提供される。
Figure 0006404932
式中、Mは、測定したインピーダンスの大きさ|Z|(Ω)を表し、
Pは、入力信号と出力信号との間の位相差(度)を表し、
は、約−3.2e−08及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−4.1e−03及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約−2.5e+01及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−1.5e−01及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよく)、
は、約5.0及び得られたその数値の±10%、5%又は1%である(また、入力信号の周波数に応じて、ゼロであってよい)。
本明細書では、入力AC信号の周波数が高い(例えば75kHz超)場合、インピーダンスMの大きさに関連するパラメータ項y及びyは、本明細書で与えられる例示的な値の±200%であってよく、そのため、パラメータ項のそれぞれが、ゼロ又は更には負の値を含み得ることに留意されたい。一方、入力AC信号の周波数が低い(例えば、75kHz未満の)場合、位相角Pに関連するパラメータ項y及びyは、本明細書で与えられる例示的な値の±200%であってよく、そのため、パラメータ項のそれぞれは、ゼロ又は更には負の値を含み得る。なお本明細書では、H又はHCTの大きさは、本明細書で用いられるとき、一般にICの大きさに等しいことに留意されたい。1つの例示的な実施では、H又はHCTがこの用途で本出願において使用されるとき、H又はHCTはICに等しい。
別の代替の実施では、式4.3が提供される。式4.3は、式4.2中の位相角を用いずに、二次関係を正確に導出したものである。
Figure 0006404932
式中、
ICは、インピーダンス特性[%]であり、
Mは、インピーダンスの大きさ[Ω]であり、
は、約1.2292e1、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約−4.3431e2、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%であり、
は、約3.5260e4、及び得られたその数値の±10%、5%又は1%である。
本明細書に提供される様々な部品、システム、及び知識により、図6に関連して、出力過渡エラーをトラップする分析物測定法を達成する手法が理解される。この手法は、工程604における、(生理学的試料又は対照溶液試料であり得る)流体試料を、測定器に挿入された(工程602)バイオセンサ(例えば、図3A(1)、3A(2)、3A(3)〜3Fに示されている検査ストリップの形態)に付着させる工程を伴う。測定器200の電源が入ると、信号がストリップ100(又はその変形型)に適用され、試料が検査チャンバに付着されると、適用された信号は(適切な試薬と共に)、検査チャンバ内での分析物と試薬との酵素反応により、試料中の分析物(例えば、グルコース)を、異なる物理的形態(例えば、グルコン酸)に物理的に変化させる。試料が検査セルの毛管チャンネルに流入すると、試料に駆動される別の信号の出力から、分析物濃度の推定(工程610)と共に、試料の少なくとも1つの物理的特性が得られる(工程608)。得られた物理的特性(工程608)及び推定された分析物濃度(工程610)から、指定サンプリング時間Tsstが規定され(工程612)、その時点において、検査シーケンス中の試料からの(式1及び2に示される電子の移動による)信号出力が測定され(工程614)、工程616における分析物濃度の計算に使用される。特に、物理的特性を得る工程(工程608)は、第1の信号を試料に適用して、試料の物理的特性を測定する工程を含むことができ、一方、酵素反応を開始する工程606は、第2の信号を試料に駆動する工程を伴うことができ、測定する工程(工程614)は、検査シーケンスの開始後の時点において、第3及び第4の電極からの出力信号を評価する工程を伴うことができ、ここで、この時点は、少なくとも測定又は推定された物理的特性(工程608)及び推定された分析物濃度(工程610)に応じて設定される(工程612)。
測定又は推定された(複数の)物理的特性に応じた、検査シーケンスT中の適切な時点(又は時間間隔)Tsstの決定(工程612)は、システムのマイクロプロセッサにプログラムされたルックアップテーブルの使用により決定することができる。例えば、システムが試料の測定された又は既知の物理的特性(例えば、ヘマトクリット値又は粘度)により分析物(例えば、グルコース又はケトン)に適切なサンプリング時間Tsstを選択することを可能にするルックアップテーブルが提供されてもよい。
特に、適切なサンプリング時点は、基準値と比較して最低のエラー又はバイアスをもたらす適切なサンプリング時間に到達するため、分析物及び測定された又は既知の物理的特性の早期推定に基づき得る。この手法では、規定されたサンプリング時点が(a)推定された分析物濃度及び(b)試料の物理的特性と相関するルックアップテーブルが提供される。例えば、表1は、測定器にプログラムされて、推定された分析物の定性的分類(低、中及び高グルコース)が主な列を形成し、測定又は推定された物理的特性の定性的分類(低、中及び高)が標題行を形成する行列を提供することができる。第2の列において、t/Hctは、公称ヘマトクリット値の42%とのヘマトクリット値1%あたりの差のタイムシフトの実験的に決定された値である。一例として、「中グルコース」における55%のヘマトクリット値は、(42−55)90=−1170msのタイムシフトを示す。−1170ミリ秒の時間を元の検査時間の約5000ミリ秒に加えて、(5000−1170=3830ミリ秒)約3.9秒を得る。
Figure 0006404932
システムがバイオセンサの出力信号をサンプリング又は測定するべき時間Tsst(すなわち、指定サンプリング時間)は、推定された分析物、及び測定又は推定された物理的特性の両方の定性的分類に基づいており、また、大きな試料サイズでの、実際の生理学的流体試料の回帰分析に基づいて予め決定される。出願人は、適切なサンプリング時間は、検査シーケンスの開始から測定されるが、任意の適切なデータを利用して、出力信号をサンプリングするタイミングを決定してよいことに言及する。実際に、システムを、検査シーケンス全体において、適切なサンプリング時間間隔(例えば、100ミリ秒又は更には約1ミリ秒といった短い時間毎に1回サンプリングするなど)で出力信号をサンプリングするようプログラムしてよい。検査シーケンス中に信号出力過渡全体をサンプリングすることによって、システムは、システム遅延によってタイミングエラーを引き起こす恐れがある、サンプリング時間を設定時点に合わせる試みよりも、検査シーケンスの終了付近で必要な計算を全て行うことができる。
出願者は、以下、生理学的流体試料中の特定の分析物であるグルコースに関して、ルックアップテーブル1を考察する。血中グルコースの定性的分類は、表1の第1の列に規定されており、ここでは、約70mg/dL未満の低血中グルコース濃度が「低グルコース」と指定され、約70mg/dLより高く約250mg/dL未満の血中グルコース濃度が「中グルコース」と指定され、約250mg/dLを超える血中グルコース濃度が「高グルコース」と指定されている。
検査シーケンス中、「推定された分析物」は、都合の良い時点、通常は典型的な10秒間の検査シーケンス中の5秒たったところで信号をサンプリングすることにより、得ることができる。5秒の時点でサンプリングされた測定は、分析物(この場合は、血中グルコース)の正確な推定を可能にする。次にシステムはルックアップテーブル(例えば、表1)を参照して、2つの基準、すなわち、(a)推定された分析物及び(b)試料の物理的特性の定性値に基づいて、指定サンプリング時間Tsstにおける検査チャンバからの信号出力をいつ測定するかを決定することができる。基準(b)では、物理的特性の定性値は、低Hct、中Hct及び高Hctの3つの下位分類に細分化される。したがって、測定又は推定された物理的特性(例えば、ヘマトクリット値)が高く(例えば、46%超)、推定されたグルコース値も高い場合、表1によると、検査チャンバの信号出力を測定するシステムの検査時間は、約3.6秒である。一方、測定されたヘマトクリット値が低く(例えば、38%未満)、推定されたグルコース値も低い場合、表1によると、検査チャンバの信号出力を測定するシステムの指定サンプリング時間Tssは、約5.5秒である。
検査チャンバの信号出力Iが(測定又は推定された物理的特性により決められる)指定サンプリング時間Tssで測定されると、信号Iは、その後、下記の式5による分析物濃度(この場合は、グルコース)の計算に使用される。
Figure 0006404932
式中、
は、分析物濃度を表し、
は、指定サンプリング時間Tsstで測定される終了信号の合計から決定された信号(分析物濃度と比例)を表し、これは指定サンプリング時間Tsstで測定される合計電流であり得、
傾きは、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、これは典型的には約0.02であり、
切片は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られる値を表し、これは典型的には約0.6〜約0.7である。
第1の信号を適用する工程及び第2の信号を駆動させる工程は、順次的であり、その順序は、第1の信号の次に第の2信号というものであってもよく、又は両方の信号が順々に重複してもよく、あるいは、最初に第2の信号、次に第1の信号というものであってもよく、又は両方の信号が順々に重複してもよいことに留意するべきである。あるいは、第1の信号を適用する工程及び第2の信号を駆動させる工程は、同時に起こってもよい。
本方法において、第1の信号を適用する工程は、適切な電源(例えば、測定器200)により提供される交流信号を試料に流す工程を伴い、その結果、試料の物理的特性が、その試料からの交流信号の出力によって決定される。検出される物理的特性は、粘度、ヘマトクリット値、又は密度のうちの1つ又は2つ以上であり得る。流す工程は、第1及び第2の交流信号をそれぞれの異なる周波数で駆動させる工程を含み得、第1の周波数は、第2の周波数よりも低い。第1の周波数は、第2の周波数よりも少なくとも1桁低いことが好ましい。一例として、第1の周波数は、約10kHz〜約100kHzの範囲の任意の周波数であってよく、第2の周波数は、約250kHz〜約1MHz又はそれ以上であってよい。本明細書で使用されるとき、語句「交流信号」又は「振動信号」は、極性が交番する信号の一部、又は全ての交流信号若しくは直流オフセットを有する交流、又は更には直流信号と組み合わされた多方向信号を有することができる。
本手法の追加的な調査に基づいて表1を更に改良することにより、出願者たちは、下に示す表2を考案することができた。
Figure 0006404932
表1にあるように、測定又は推定された物理的特性は、試料が測定される時間Tsstを導出するため、推定された分析物濃度とともに表2において使用される。例えば、測定された特性が約30%であり、推定されたグルコース値(例えば、約2.5〜3秒でサンプリングされた)が約350である場合、マイクロコントローラが流体をサンプリングするべき時間は、約7秒である。別の例では、推定されたグルコース値が約300mg/dLであり、測定又は推定された物理的特性が60%である場合、指定サンプリング時間は約3.1秒である。
表2で利用する実施形態において、推定グルコース濃度は、式
Figure 0006404932
(式中、Gestは、推定されたグルコース濃度を表し、
は、所定のサンプリング時間において測定された信号であり、
は、傾き(例えば、x=1.3e01)であり、
は、切片(例えば、x=6.9e02)である)で得られる。
推定されたグルコース値から、グルコース濃度は、
Figure 0006404932
(式中、Gは、グルコース濃度を表し、
は、表2からの指定サンプリング時間Tsstにおいて測定された信号であり、
は、傾き(例えば、x=9.6)であり、
は、切片(例えば、x=4.8e02)である)から決定することができる。
出願人の手法では、1つのサンプリング時点のみを特定し得るが、本方法は、例えば、検査シーケンスの開始から開始の少なくとも約10秒後まで信号出力を連続的に(例えば、1ミリ秒から100ミリ秒毎のような指定サンプリング時間Tsstにおいて)サンプリングするなど、必要に応じて多くの時点においてサンプリングする工程を含むことができ、結果は、検査シーケンスの終了頃の処理のために記憶されることができる。この変形型において、(所定のサンプリング時点と異なってもよい)指定サンプリング時間Tsstにおいてサンプリングされた信号出力は、分析物濃度を計算するのに使用される値である。
好ましい実施形態において、分析物(例えば、グルコース)濃度にいくらか比例している値のための信号出力の測定は、ヘマトクリット値の推定の前に実施されることに留意されたい。あるいは、ヘマトクリットレベルは、予備グルコース濃度の測定の前に推定されてもよい。いずれの場合も、推定されたグルコース測定値Gは、図7のように、2.5秒又は5秒のうちのおよそ1つでサンプリングされたIを用いて式3.3により得られ、物理的特性(例えば、Hct)は、式4により得られ、グルコース測定Gは、信号過渡電流1000の指定された(複数の)サンプリング時点(例えば、測定された信号出力Iは、3.5秒又は6.5秒でサンプリングされる)における測定された信号出力Iを使用して得られる。
分析物濃度又は分析物値を決定するための他の手法は、PCT/GB2012/053276(代理人整理番号第DDI 5220WOPCT、2012年12月28日出願)、PCT/GB2012/053279(代理人整理番号第DDI5246WOPCT、2012年12月28日出願)、及びPCT/GB2012/053277(代理人整理番号第DDI5228WOPCT、2012年12月28日出願)に示され記載されており、これらの出願はいずれも、本出願の付録に添付された複製とともに、本明細書に全体が述べられているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に述べられるバイオセンサにおいて、本発明者は、問題のある対電極又は参照電極によって引き起こされると考えられる異常な出力信号過渡電流を特定した。詳細には、対電極の炭素表面が、その表面プロファイル、面積、被覆率、又は幾何形状(すなわち「付着物」)に関して欠陥を有する場合、バイオセンサは、例えば図4Cに示される作用電極のそれぞれにおいてこれらの異常出力信号過渡電流(第1の作用電極ではWE1、第2の作用電極ではWE2)を生成することがわかっている。図4Cでは、各作用電極の正常な過渡電流は、約1200ナノアンペア〜1600ナノアンペアの大きさの明瞭なピークを有する一次曲線に従うのに対して、異常過渡電流は、一般的に、約400ナノアンペア〜約700ナノアンペアの顕著に低い大きさのより平らな曲線のものであることが可能である。
表3に示されるように、測定値L53、L60及びL13の3つの異常測定値が特定された。これらの異常測定値では、これらの測定値が、指定サンプリング時間及び所定のサンプリング時間において各出力信号の微分値ΔIが求められる場合に、欠陥を有するバイオセンサの真陽性の大きさの微分値ΔIは100ナノアンペアよりも小さくなる傾向にあるという共通の特徴を有することがわかる。L53、L60及びL13の第2の作用電極の測定値では、大きさの微分値はいずれも、第2の作用電極で100ナノアンペアよりも小さかった。L53及びL113の第1の電極の測定値では、大きさの微分値ΔIは、100ナノアンペアよりも小さかった。第1の作用電極の測定値(すなわち測定値L60)の微分値ΔIの大きさは100ナノアンペアよりも大きかった(151ナノアンペア)にも関わらず、このエラーフラグ又はトラップをトリガするのに必要な作用電極は1個のみ(すなわち61nAの第2の作用電極)であると決定された。本発明者は、このエラーフラグ又はトラップをトリガするのに最適な閾値を決定するための試験を行った。閾値が、100ナノアンペアよりも大きいものとして定義される場合、偽陽性の数は真陽性の数と一致しはじめ、所定の閾値(すなわち150ナノアンペア)では、偽陽性が真陽性をおよそ12倍上回った(すなわち431個の偽陽性に対して36個の真陽性)。本明細書に述べられるバイオセンサの構成において好ましい閾値として100ナノアンペアが示されているが、偽陽性の数が真陽性の70%以下であれば他の閾値を用いることもできる。
Figure 0006404932
ユーザにエラーシグナルを与えるためにこれらの異常出力信号を確実に特定するため、本発明者は、所定のサンプリング時間(例えば開始から2.5秒)及び上記に述べた指定サンプリング時間における各作用電極の電流間の差を比較する方法を考案した。この差(各電極について2つのサンプリング時間における大きさ)が所定の閾値又は値よりも小さい場合には、エラーフラグ又はトラップが作動される。上記に述べたように、所定の閾値は、両方の作用電極上で低電流を有する複数の前に特定された過渡電流のトラッピングを保証するが、公称試験条件で生成される更なる偽陽性の数を限定する、実験に基づいて選択された。
図6の工程616に戻ると、システムは、対電極又は参照電極10に問題があるかどうかを決定するように第1及び第2の作用電極それぞれからの信号出力を評価する。エラーをトリガする評価の数学的表現は、式8.1及び8.2によって示される。
Figure 0006404932
式中、
は、第1の作用電極の出力信号の大きさの差を含み、
は、第2の作用電極の出力信号の大きさの差を含み、
we1@Tpstは、所定のサンプリング時間Ppstに近接した第1の作用電極の出力信号であり、
we1@Tsstは、指定サンプリング時間Tsstに近接した第1の作用電極の出力信号であり、
we2@Tpstは、所定のサンプリング時間Tpstに近接した第2の作用電極の出力信号であり、
we2@Tsstは、指定サンプリング時間Tsstに近接した第2の作用電極の出力信号であり、
m1<PredTH又はm2<PredTHならばエラーであり、
Tsstは、インピーダンス測定値又は推定されたグルコース測定値に基づいて決定され、Tpstは、所定のサンプリング時間(例えば約2秒〜約7秒の任意の時点又は間隔)である。
出願人は、工程616においてそのような出力過渡エラーが検出された場合、本システムが、直ぐにエラーを通知し(工程616から直接に工程620へ)、メインルーチンに戻る(工程626)か、又はアッセイプロセスを終了させるように、本手法が設計されることに言及する。
また、出願人は、システムがエラーフラグを設定することが可能である(工程617の〜1つの状態)一方で、分析物濃度の取得を続行させ、その後でのみ、アッセイを終了させることが可能な、代替的な手法も考案している。具体的には、この手法は、作用電極からの出力過渡信号を評価するために使用される工程616に関連して達成することができる。工程616が真を返した場合、プロセスは、(工程620の代わりに)システムがエラーフラグを設定するように工程617に移る。617においてエラーフラグが設定された後、システムは、Tsstにおいて測定された出力信号を使用して分析物濃度を計算する工程618へと進む。工程623において、本システムは、1つ又は2つ以上のエラーフラグ(工程617からの過渡出力エラーフラグ以外)が設定されたかどうかを調べる。真の場合、本システムは、エラーを通知する工程620に移り、さもなければ、分析物濃度を工程624において通知する。この代替的な手法では、他の手法のような即時的なフィードバックは提供されないが、システムは、エラーが発生したことを実際に宣言する前に、設定されたエラーフラグの数を調べることが可能となる。
図6Aで述べた方法に他の閾値を与えることもできる。例えば、本発明者は、16℃未満のバイオセンサの近傍で測定される温度では、16℃以下での多くの正確なグルコース測定値が本発明者のエラートラップ法によって除去されることがないように、予想されるエラーメッセージは迂回又は回避される必要があることを明らかにした。このことは、測定された温度が16℃未満である場合に、ロジックがグルコース値(工程618において予め決定されたもの)の通知へと直接進む図6Bの工程620〜工程624に見ることができる。また、測定又は推定されたグルコースGeが275mg/dLであるか又はそれよりも高い場合には、予想されるエラーメッセージは、工程622〜工程624においてグルコースの結果を与えるためにやはり迂回される必要があり、そうでなく、推定されたグルコースGeが275mg/dL未満である場合には、予想されるエラーメッセージはユーザに与えられる。
本明細書に記載の手法はグルコースの決定を目的としているが、この手法を、分析物が流体試料中に配置される流体試料の物理的特性によって影響される、別の分析物(当業者によって適切に修正して)に適用することもできる。例えば、生理学的流体試料の物理的特性(例えばヘマトクリット値、粘度又は密度など)は、生理学的流体、較正液、又は対照液であり得る、流体試料中のケトン又はコレステロールの決定において説明され得る。他のバイオセンサ構成も利用できる。例えば、米国特許第6179979号、同第6193873号、同第6284125号、同第6413410号、同第6475372号、同第6716577号、同第6749887号、同第6863801号、同第6860421号、同第7045046号、同第7291256号、及び同第7498132号(これら全ての開示全体が、参照により本出願に組み込まれる)に示され説明されるバイオセンサを、本明細書に記載の様々な実施形態で利用できる。
知られているように、物理的特性の検出は交流信号によって行う必要はなく、他の方法によって行うことができる。例えば、好適なセンサを利用して(例えば、米国特許出願公開第20100005865号又は欧州特許第1804048 B1号)、粘度又はその他の物理的特性を測定できる。あるいは、「Blood Rheology and Hemodynamics」、Oguz K.Baskurt,M.D.,Ph.D.,1 and Herbert J.Meiselman,Sc.D.,Seminars in Thrombosis and Hemostasis,volume 29,number 5,2003に述べられるように、ヘマトクリット値と粘性との間の既知の関係に基づいて粘性を決定し、これを用いてヘマトクリット値を導出することもできる。
先に記載したように、マイクロコントローラ又は同等のマイクロプロセッサ(及び、例えば、図2Bのプロセッサ300など、マイクロコントローラを、意図した環境においてその本来の目的で機能できるようにする関連構成要素)を、コンピュータコード又はソフトウェア命令と共に利用して、本明細書に記載の方法及び手法を実行できる。出願者たちは、図2Bの例示的なマイクロコントローラ300には(プロセッサ300の機能的な動作に好適な構成要素と共に)、ファームウェアが埋め込まれているか、又は図6の論理図に表されるコンピュータソフトウェアが装填され、マイクロコントローラ300は、関連するコネクタ220及びインターフェース306、並びにこれらの同等物と共に、(a)検知又は推定された物理的特性に基づいて指定サンプリング時間(指定サンプリング時間は、検査ストリップ上へ試料を付着することによる検査シーケンスの開始により参照される少なくとも1つの時点又は間隔である)を決定する手段であり、(b)指定サンプリング時間に基づいて分析物濃度を決定する手段であることを述べている。あるいは、決定するための手段は、流体試料の物理的特性により画定されたバッチ傾きが導出されるように第1の信号を複数の電極に適用する手段、並びに分析物濃度が、導出されたバッチ傾き及び指定サンプリング時間に基づいて決定されるように第2の信号を複数の電極に適用するための手段を含んでもよい。更に、決定する手段は、検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定する手段、並びに推定された分析物濃度及び検知又は推定された物理的特性の行列から指定サンプリング時間を選択する手段を含んでもよい。なお、更に、決定するための手段は、検知又は推定された物理的特性に基づいてバッチ傾きを選択する手段、及びバッチ傾きから指定サンプリング時間を確実にする手段を含んでもよい。
更に、本発明を特定の変形型及び説明図に関して述べたが、当業者には本発明が上述された変形型又は図に限定されないことが認識されよう。加えて、上記に述べた方法及び工程が、所定の順序で起こる所定の事象を示している場合、所定の工程は述べられた順序で行われる必要はなく、工程は、実施形態がそれらの意図される目的で機能することを可能とするものである限り、任意の順序で行われることを意図している。したがって、開示の趣旨又は請求項に見出される本発明の同等物の範囲内にある本発明の変形型が存在する範囲では、本特許請求がこうした変形型をも包含することが意図されるところである。

Claims (43)

  1. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された検査ストリップポートコネクタと、
    前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して前記複数の電極に電気信号を適用するか又は前記複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を含み、
    前記マイクロプロセッサが、
    (a)第1の信号を前記複数の電極のうちの特定の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時間における信号出力に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定された物理的特性により規定される前記検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間における信号出力を測定し、
    (f)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間及び前記指定サンプリング時間におけるそれぞれの信号出力の大きさの間の差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、
    (g)各電極についての差が前記所定の閾値に等しいか又はそれよりも大きい場合には、前記指定サンプリング時間における前記第1及び第2の電極の信号出力から分析物濃度を決定又は計算して前記分析物濃度を通知し、
    (h)各電極についての大きさの差が前記所定の閾値よりも小さい場合には、エラーを通知するように構成された、分析物測定システム。
  2. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された検査ストリップポートコネクタと、
    前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して前記複数の電極に電気信号を適用するか又は前記複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を含み、
    前記マイクロプロセッサが、
    (a)第1の信号を前記複数の電極のうちの特定の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時間における信号出力に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定された物理的特性により規定される前記検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び前記所定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間及び前記指定サンプリング時間における前記信号出力の大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、
    (f)各電極についての大きさの差が前記所定の閾値よりも小さい場合には、エラーフラグをアクティブに設定し、
    (g)前記指定サンプリング時間における前記第1及び第2の電極の前記信号出力から分析物濃度を決定又は計算し、
    (h)前記エラーフラグが設定されている場合には、プロセスを終了させ、
    (i)各電極についての大きさの差が前記所定の閾値よりも大きい場合には、分析物の値を通知するように構成された、分析物測定システム。
  3. 検査ストリップと、
    分析物測定器と、
    を含む、分析物測定システムであって、
    前記検査ストリップは、
    基板と、
    対応する電極コネクタに接続された複数の電極と、を含み、
    前記分析物測定器は、
    ハウジングと、
    前記検査ストリップの前記対応する電極コネクタに接続するように構成された検査ストリップポートコネクタと、
    前記検査ストリップポートコネクタと電気的に通信して前記複数の電極に電気信号を適用するか又は前記複数の電極から電気信号を検知するマイクロプロセッサと、を含み、
    前記マイクロプロセッサが、
    (a)第1の信号を前記複数の電極のうちの特定の電極に適用して、流体試料の物理的特性を決定し、
    (b)検査シーケンス中の所定のサンプリング時間における信号出力に基づいて分析物濃度を推定し、
    (c)前記決定された物理的特性により規定される前記検査シーケンス中の指定サンプリング時点又は間隔において、前記複数の電極のうちの第1の電極及び第2の電極に第2の信号を適用し、
    (d)前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、指定サンプリング時間及び前記所定のサンプリング時間を含む複数の時点における信号出力を測定し、
    (e)各作用電極について前記所定のサンプリング時間及び前記指定サンプリング時間における出力信号間の差の大きさが所定の閾値よりも大きいか否かを評価し、真である場合には、試料の分析物濃度を計算し、偽である場合には、エラーを通知するか又はエラーフラグを設定し、
    (f)指定サンプリング前のオフセット時間間隔における各作用電極についての前記出力信号の大きさが前記指定サンプリング時間における前記作用電極についての大きさよりも小さいか否かを決定し、真である場合は、エラーを通知するか又はエラーフラグをアクティブに設定するように構成された、分析物測定システム。
  4. 各作用電極についてのそれぞれの大きさが以下のそれぞれの式:
    Figure 0006404932
    (式中、
    は、第1の作用電極の出力信号の大きさの差を含み、
    は、第2の作用電極の出力信号の大きさの差を含み、
    we1@Tpstは、所定のサンプリング時間Tpstに近接した第1の作用電極の出力信号であり、
    we1@Tsstは、指定サンプリング時間Tsstに近接した第1の作用電極の出力信号であり、
    we2@Tpstは、所定のサンプリング時間Tpstに近接した第2の作用電極の出力信号であり、
    we2@Tsstは、指定サンプリング時間Tsstに近接した第2の作用電極の出力信号である)により定義される、請求項2に記載のシステム。
  5. 前記複数の電極が、前記分析物濃度を測定するための前記第1及び第2の電極、前記物理的特性を測定するための第3及び第4の電極、並びに参照電極を含む第5の電極からなる第1〜第5の電極を含み、前記所定の閾値が約100ナノアンペアの大きさを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記複数の電極が、前記基板上に設けられた同じチャンバ内に配置された第1〜第5の電極を含み、前記所定の閾値が約100ナノアンペアの大きさを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  7. 前記第1及び第2の電極並びに前記第3及び第4の電極が、前記基板上に設けられた対応する2つの異なるチャンバ内に配置される、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記電極の全てが、前記基板によって画定される同じ平面上に配置される、請求項5に記載のシステム。
  9. 少なくとも2つの他の電極に近接して試薬が配置され、前記第3及び第4の電極上には試薬が配置されない、請求項5に記載のシステム。
  10. 前記分析物濃度が前記検査シーケンスの開始の約10秒以内に前記第2の信号から決定され、前記所定のサンプリング時間が、検査測定シーケンスの開始からの前記所定のサンプリング時間を含む、請求項5に記載のシステム。
  11. 前記指定サンプリング時間が、前記推定された分析物の異なる定性的分類が行列の最も左側の列に記載され、前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が前記行列の最上段の行に記載され、前記サンプリング時間が行列の残りのセルに示された行列を含むルックアップテーブルから選択される、請求項5に記載のシステム。
  12. マイクロコントローラが、以下の式:
    Figure 0006404932
    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、指定サンプリング時間において測定された出力信号を表し、
    「傾き」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
    「切片」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)によって前記分析物濃度を決定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  13. マイクロコントローラが、以下の式:
    Figure 0006404932

    (式中、Gestは、推定された分析物濃度を表し、
    は、前記所定のサンプリング時間において測定された信号であり、
    は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の傾きを含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の切片を含む)によって前記分析物濃度を推定し、更に、
    前記マイクロコントローラが、以下の式:
    Figure 0006404932

    (式中、Gは、前記分析物濃度を表し、
    は、前記指定サンプリング時間において測定された信号を含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの較正用の傾きを含み、
    は、バイオセンサの特定のバッチの切片を含む)によって、分析物濃度を決定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  14. 前記所定の閾値が約100ナノアンペアを含む、請求項5に記載のシステム。
  15. マイクロコントローラが、前記マイクロコントローラの近傍で測定された温度が所定の温度よりも高いか否か、及び、グルコース濃度の推定値が所定のグルコース閾値であるか又はそれよりも高いか否かを判定するように構成されている、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記マイクロコントローラが、測定された温度が前記所定の温度よりも低く、前記大きさの差のいずれかが前記所定の閾値よりも小さい場合に、グルコース濃度を通知する、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記マイクロコントローラが、前記大きさの差のいずれかが前記所定の閾値よりも小さく、前記測定された温度が前記所定の温度であるか又はそれよりも高く、グルコース推定値が所定の値よりも低い場合に、エラーを通知する、請求項15に記載のシステム。
  18. 前記マイクロコントローラが、前記大きさの差のいずれかが前記所定の閾値よりも小さく、前記測定された温度が前記所定の値よりも低い場合に、グルコース濃度を通知し、前記大きさの差のいずれかが前記所定の閾値よりも小さく、前記測定された温度が前記所定の温度であるか又はそれよりも高く、前記推定されたグルコース値が前記所定の値であるか又はそれよりも高い場合に、グルコース濃度を通知する、請求項15に記載のシステム。
  19. 第1、第2、第3及び第4の電極によって複数の電極を有するバイオセンサにおける過渡電流出力エラーを決定する方法であって、
    前記第1及び第2の電極に第1の信号を適用する工程と、
    流体試料を、前記第1、第2、第3及び第4の電極に近接して付着させる工程と、
    前記第3及び第4の電極に第2の信号を適用する工程と、
    前記第3及び第4の電極の出力信号から前記流体試料の物理的特性を決定する工程と、
    前記流体試料の前記物理的特性に基づいて指定サンプリング時間を定義する工程と、
    前記第1及び第2の電極と流体試料中の分析物との電気化学反応を開始することによって前記分析物を酵素反応副生成物に変換するための検査シーケンスを開始する工程と、
    前記指定サンプリング時間において、前記電気化学反応中の前記第1及び第2の電極のそれぞれから所定のサンプリングから信号出力を測定する工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間における出力信号及び前記指定サンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、
    前記評価する工程が真であった場合には、出力過渡エラーを通知し、検査シーケンスを終了させる工程と、
    前記評価する工程が偽であった場合には、前記信号出力から前記流体試料中の分析物の量を表す分析物濃度を計算し、前記分析物濃度を通知する工程と、
    を含む、方法。
  20. 前記計算する工程が、
    前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定することと、
    異なるサンプリング時点に対してインデックスされた前記推定された分析物の異なる定性的分類、及び前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類を有するルックアップテーブルから指定サンプリング時間を選択することと、
    前記選択されたサンプリング時点を含む複数の時点において前記試料から信号出力をサンプリングすることと、
    前記選択された指定サンプリング時間においてサンプリングされた測定出力信号から以下の式:
    Figure 0006404932

    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、前記選択されたサンプリング時間Tにおいて測定された信号を表し、
    「傾き」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
    「切片」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)にしたがって前記分析物濃度を計算することと、を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記計算する工程が、
    前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点に基づいて分析物濃度を推定することと、
    前記測定又は推定された物理的特性及び前記推定された分析物濃度の両方に基づいて指定サンプリング時点を選択することと、を含む、請求項19に記載の方法。
  22. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、
    前記試料中の分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの前記推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、
    前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間における出力信号及び指定サンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、
    前記評価する工程が真である場合には、エラーを通知し、更なる処理を終了させる工程と、
    前記評価する工程が偽である場合には、前記指定サンプリング時間を含む複数の時点における対応する第1及び第2の電極の前記サンプリングされた出力信号から分析物濃度を決定する工程と、を含む、方法。
  23. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、
    前記試料中の分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、
    前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間における出力信号及び指定サンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価し、作用電極のうちの少なくとも1つについて真である場合には、エラーを通知するか又はエラーフラグをアクティブに設定し、前記指定サンプリング時間における出力信号及び前記所定のサンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値に等しいか又はこれよりも大きい場合には、前記指定サンプリング時間において測定された前記出力信号の大きさに基づいて分析物濃度を計算する工程と、を含む、方法。
  24. 流体試料から分析物濃度を決定する方法であって、
    流体試料をバイオセンサ上に付着させる工程と、
    前記試料中の分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程と、
    前記試料中の分析物濃度を推定する工程と、
    前記試料の少なくとも1つの物理的特性を測定する工程と、
    前記推定する工程からの推定された分析物濃度、及び、前記測定する工程からの少なくとも1つの物理的特性に基づき、前記バイオセンサの出力信号をサンプリングするための前記検査シーケンスの開始からの指定サンプリング時間を定義する工程と、
    前記指定サンプリング時間を含む複数の時点において前記バイオセンサの第1の電極及び第2の電極からの出力信号をサンプリングする工程と、
    前記第1及び第2の電極のそれぞれについて、前記所定のサンプリング時間における出力信号及び指定サンプリング時間における出力信号のそれぞれの大きさの差が所定の閾値よりも小さいか否かを評価する工程と、
    前記評価する工程が真である場合には、エラーフラグをアクティブに設定する工程と、
    前記評価する工程が偽である場合には、前記指定サンプリング時間における前記第1及び第2の電極の信号出力から前記分析物濃度を計算する工程と、
    前記エラーフラグがアクティブであるか否かを決定し、エラーフラグがアクティブでない場合には、前記分析物濃度を通知し、前記エラーフラグがアクティブである場合には、前記分析物濃度の通知を禁止する工程と、を含む、方法。
  25. 前記測定する工程が、第1の信号を前記試料に適用して、前記試料の物理的特性を測定する工程を含み、前記試料中の分析物に酵素反応を行わせ検査シーケンスを開始する工程が、第2の信号を前記試料に駆動する工程を含み、前記測定する工程が、前記検査シーケンスの開始後の時点において、前記バイオセンサの少なくとも2つの電極からの出力信号を評価することであって、前記時点が、少なくとも前記測定又は推定された物理的特性に応じて設定されることを含み、前記決定する工程が、前記時点における前記測定された出力信号から分析物濃度を計算することを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記検査シーケンスの開始からの所定のサンプリング時点における信号出力に基づいて、分析物濃度を推定することを更に含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記定義する工程が、前記測定又は推定された物理的特性及び前記推定された分析物濃度の両方に基づいて定義された時点を選択することを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  28. 所定の時間における出力信号の測定値に基づいて分析物濃度を推定する工程を更に含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記所定の時間が、前記検査シーケンスの開始から約2.5秒を含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  30. 推定する工程が、第2の信号の前記試料からの出力を測定するための時点が、計算する工程のために得られるように、推定された分析物濃度及び測定又は推定された物理的特性を、異なる試料測定時間に対してインデックスされた前記試料の分析物濃度及び物理的特性の異なるそれぞれの範囲を有するルックアップテーブルに対して比較することを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  31. 計算する工程が、以下の式:
    Figure 0006404932

    (式中、
    は、分析物濃度を表し、
    は、指定サンプリング時間Tssにおいて測定された信号を表し、
    「傾き」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験から得られた値を表し、
    「切片」は、特定のストリップが帰属する検査ストリップのバッチの較正試験より得られた値を表す)を用いることを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  32. 第1の信号を適用する工程及び第2の信号を駆動する工程が逐次的である、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  33. 第1の信号を適用する工程が、第2の信号を駆動する工程と重複する、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  34. 第1の信号を適用する工程が、前記試料の物理的特性が前記試料からの交流信号の出力から決定されるように前記交流信号を前記試料に流す工程を含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  35. 第1の信号を適用する工程が、前記試料の物理的特性が電磁気信号の出力から決定されるように電磁気信号を前記試料に流す工程を含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記物理的特性が、粘度、ヘマトクリット値、温度及び密度の少なくとも1つを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記物理的特性がヘマトクリット値を含み、前記分析物がグルコースを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  38. 流す工程が、第1及び第2の交流信号を異なるそれぞれの周波数で駆動することを含み、第1の周波数が第2の周波数よりも低い、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  39. 第1の周波数が第2の周波数よりも少なくとも1桁低い、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  40. 第1の周波数が、約10kHz〜約250kHzの範囲の任意の周波数を含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  41. サンプリングする工程が、前記検査シーケンスの開始時から検査シーケンスの開始の少なくとも約10秒後まで連続的に信号出力をサンプリングすることを含む、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記指定サンプリング時間が、推定された分析物の異なる定性的分類が行列の最も左側の列に記載され、前記測定又は推定された物理的特性の異なる定性的分類が前記行列の最上段の行に記載され、前記サンプリング時間が行列の残りのセルに示された行列を含むルックアップテーブルから選択される、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記所定の閾値が約100ナノアンペアである、請求項19、22、23又は24のいずれか一項に記載の方法。
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