JP2016523313A - シム処理用途のための高弾性率エポキシ接着剤 - Google Patents
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Abstract
Description
a)硬化性組成物を提供することと、
b)硬化性組成物を間隙に適用することと、
c)組成物を硬化することと、
任意に、硬化された組成物を研磨すること、及び任意に、硬化された組成物を保護コーティング又は塗料でコーティングすることと、を含む。
硬化性組成物は、硬化剤の組み合わせを含有し、より正確には、本明細書において説明されるような少なくとも第1及び第2の硬化剤を含有する。本開示の一態様によると、第1の硬化剤は、モル量に基づいて、又は重量に基づくが、好ましくは、モル量に基づいて、第2の硬化剤よりも大きい量で存在し得る。別の態様において、第1の硬化剤は、モル量に基づいて、又は重量に基づくが、好ましくは、モル量に基づいて、第2の硬化剤と実質的に同一の量で存在し得る。なお別の態様によると、第1の硬化剤は、モル量に基づいて、又は重量に基づくが、好ましくは、モル量に基づいて、第2の硬化剤よりも小さい量で存在し得る。第1及び第2の硬化剤は、末端位に少なくとも1つの第1級アミノ基(−NH2基)を含有する。好ましい実施形態において、第1及び第2の硬化剤は、末端位に少なくとも2つの第1級アミノ基を含有する。
第1の硬化剤は、環状であり、そのことにより、それらが、少なくとも1つの環状部分、好ましくは、脂肪族環状部分又は芳香族環状部分を含有することを意味する。環状部分は、第1級アミノ基によって置換され得、即ち、第1級アミノ基は、環に直接的に結合され得る。好ましくは、環状部分は、好ましくは、末端位に第1級アミノ基を担持する、1つ又は2つ以上の残基によって置換される。その残基は、例えば、好ましくは、末端位に第1級アミノ基を有する、直鎖又は分岐アミノアルキル基であり得る。本開示の1つの特定の態様において、第1の硬化剤は、芳香族であり、そのことにより、それらが、芳香族基を含有することを意味する。別の態様によると、第1の硬化剤は、芳香族ではなく、そのことにより、それらが、いかなる芳香族基も含有しないことを意味する。
第2の硬化剤は、例えば、連結単位によって、互いから分離される、少なくとも1つのポリアミン、及び1つのポリエーテル単位を含有する、ポリエーテルポリアミンである。連結単位は、アミド(−HN(C=O)−)官能基を含有し得る。ポリアミノ、ポリエーテル、又はアミド単位、及びこれらの組み合わせは、繰り返し単位であり得る。したがって、第2の硬化剤はまた、ポリエーテル(ポリ)アミドポリアミンとも称され得る。
エポキシ硬化剤は、エポキシ成分と組み合わされて、硬化性組成物を提供し得る。エポキシ成分は、1つ又は2つ以上の芳香族エポキシ樹脂を含む。
芳香族エポキシ樹脂は、1分子あたり少なくとも1つのエポキシ官能基(即ち、オキシラン基)を含有する。本明細書で使用される際、オキシラン基という用語は、以下の式(VI)による二価基を指す。
硬化性組成物は、添加剤を含有してもよい。添加剤は、硬化性組成物の一部、又はエポキシ樹脂組成物の一部、又はその両方であってもよい。エポキシ樹脂と反応性である添加剤は、典型的に、硬化性組成物に添加され、硬化剤と反応性であり得る添加剤は、早期反応を回避するようにエポキシ−樹脂組成物に添加され得る。エポキシ樹脂又は硬化剤と反応性ではない添加剤は、硬化性組成物若しくはエポキシ樹脂組成物のいずれか、又は両方の一部であり得る。典型的な添加剤としては、更なる硬化剤、硬化触媒、反応性希釈剤、充填剤、乾燥剤、顔料、接着促進剤、油置換剤、湿潤剤、及び強靭化剤、難燃剤、並びにチキソトロープ剤(thiotropic agent)が挙げられる。有用な量は、それぞれの供給元によって示される、又は当該技術分野において既知のものであり得る。
硬化性組成物は、更なる硬化剤を含んでもよい。更なる硬化剤は、2次硬化剤を含んでもよい。これらの2次硬化剤は、多くの場合、イミダゾール若しくはその塩、イミダゾリン若しくはその塩、又は三級アミノ基で置換されたフェノールである。例としては、例えば、F.Audenaertへの欧州特許第EP 2495271 A1号の式(IXa)下に説明されるものが挙げられる。例示的な2次硬化剤は、Air Products Chemicals,Inc.(Allentown,PA、米国)から商品名ANCAMINE K54で商業的に入手可能である、トリス−2,4,6−(ジメチルアミノメチル)フェノールである。
反応性希釈剤は、エポキシ樹脂混合物の粘度を低下させる傾向があり、飽和である分岐脂肪族骨格、又は飽和若しくは不飽和である環状骨格のいずれかを有するエポキシ樹脂である。反応性希釈剤の例としては、レゾルシノールのジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールのジグリシジルエーテル、及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。シクロヘキサンジメタノールのジグリシジルエーテルは、Hexion Specialty Chemicals(Columbus,OH)から商品名HELOXY MODIFIER 107で、並びに、Air Products and Chemical Inc.(Allentonwn,PA)から商品名EPODIL 757で商業的に入手可能である。
充填剤は、硬化性組成物の第1の部分(エポキシ成分)、硬化性組成物の第2の部分(エポキシ硬化性部分)、又は硬化性組成物の第1の部分及び第2の部分の両方に添加することができる。充填剤は、しばしば、接着を促進するため、腐食耐性を改善するため、組成物のレオロジー特性を制御するため、硬化中の収縮を低減するため、硬化を加速するため、汚染物質を吸収するため、耐熱性を改善するため、組成物に体積を提供するため、又はこれらの組み合わせのために添加される。充填剤は、無機材料、有機材料、又は無機材料及び有機材料を含有する複合材料であり得る。充填剤は、任意の好適な寸法及び形状を有することができる。一部の充填剤は、球、楕円、板形状を有する粒子の形態である。他の充填剤は、繊維形態である。
例えば、水分調整剤として、分子篩を使用してもよい。
顔料は、組成物に色を提供するように含まれる。顔料の例としては、酸化第二鉄、れんが粉、カーボンブラック、酸化チタンなどが挙げられる。
例示的な接着促進剤としては、種々のシラン化合物が挙げられるが、これらに限定されない。接着促進剤に好適である一部のシラン化合物は、硬化性組成物中の1つ又は2つ以上の成分と反応することができる、アミノ基又はグリシジル基を有する。他の例示的な接着促進剤としては、米国特許第6,632,872号(Pellerite et al.)に記載されているもの等の種々のキレート剤、並びにAdeka Corporation(日本、東京)から商品名EP−49−10N及びEP−49−20で入手可能なもの等の種々のキレート変性エポキシ樹脂が挙げられる。
特に、金属表面のために使用されるとき、組成物は、油変位剤を含有し得、これは、かかる基材上の組成物の湿潤を改善する。油変位剤は、エポキシ樹脂を含有する硬化性組成物の第1の部分、硬化剤を含有する硬化性組成物の第2の部分、又は第1の部分及び第2の部分の両方に添加することができる。油変位剤は、硬化された組成物と、炭化水素含有物質で汚染された基材の表面との間の接着を促進するために、添加することができる。湿潤剤は、基材上の試料の分散を改善し得る。典型的な油変位剤及び湿潤剤としては、無機エステル、例えば、リン酸エステル、グリシジルエステルなどが挙げられる。
本組成物は、強靭化剤を更に含んでもよい。強靭化剤は、強靭化剤を含有せず(かかる比較研究における量の差は、エポキシ樹脂によって補われる)、他の方法で同一処理した同じ組成物と比較して、硬化されたエポキシ樹脂の強靱性を増加することが可能な、エポキシ樹脂以外のポリマーである。典型的な強靭化剤としては、例えば、コア−シェルポリマー、又はブタジエン−ニトリルゴムが挙げられる。
典型的な難燃剤としては、赤リン元素、メラミンリン酸塩、ジメラミンリン酸塩、メラミンピロリン酸塩、及び、例えば、ホスフィン酸アルミニウム等の無機ホスフィン酸塩を含む群から選択される、リン含有材料が挙げられる。難燃系はまた、メタホウ酸バリウム、メタホウ酸カルシウム、メタホウ酸亜鉛、及びこれらの混合物からなる群から選択されるもの等のホウ素含有材料を含んでもよい。
硬化性組成物は、典型的に、エポキシ樹脂部分、及びそこから分離されて、エポキシ硬化性部分を含む、2成分製剤である。該部分は、早期硬化を回避するように、互いから分離され、エポキシ硬化性組成物及びエポキシ成分を混合することによって、硬化性組成物を得るように、組み合わされる。混合は、好ましくは、均質の混合物をもたらす。成分は、典型的に、硬化性組成物の適用の前に混合される。混合物中に含まれる各部分の量は、オキシラン基のアミン水素原子に対する所望のモル比、及び反応性液体改質剤のアミン水素原子に対する所望のモル比を提供するように、選択することができる。
1.組立体の2つの組み立てられた部分間の間隙を充填するための硬化性シムとしての、少なくとも1つの芳香族エポキシ樹脂及び少なくとも1つのエポキシ硬化性組成物を含む、硬化性組成物の使用であって、前記エポキシ硬化性組成物が、少なくとも第1及び第2の硬化剤を含み、前記第1の硬化剤が、少なくとも1つの第1級アミノ(−NH2)基を有する環状アミンから選択され、第2の硬化剤が、少なくとも1つのポリエーテル単位を含む少なくとも1つのポリエーテルポリアミンから選択され、連結基である少なくとも1つのポリアミン単位によってそこから分離され、分岐状である少なくとも1つの末端アミノアルキル残基を更に含み、第1級アミノ基(−NH2)、及び第1級アミノ基に対してα、β、又はγ位のアルキル分岐を含み、アルキル分岐が、1〜6個の炭素原子を含有する、組成物の使用。
2.第1の硬化剤が、第2の硬化剤よりも多い重量による量で存在する、実施形態1の使用。
3.前記第2の硬化剤が、脂肪族である、実施形態1又は2のいずれか1つに記載の使用。
4.第2の硬化剤が、アクリル酸アルキル及びポリアルキレンイミンとポリエーテルアミンとの2工程反応によって得られるが、前記ポリエーテルアミン及び前記ポリアルキレンイミンが、少なくとも2つの第1級アミノ基を有し、第1の工程が、前記ポリエーテルアミンの前記アクリル酸アルキルへの付加反応を含み、第2の工程が、前記ポリアルキレンイミンと前記第1の工程の付加生成物との反応を含み、任意に、繰り返し単位が、前記反応生成物を、前記第1の工程によるアクリル酸アルキルと、及び更なる工程において、ポリアルキレンイミン、ポリエーテルアミン、又はこれらの混合物と反応させることによって創出され得、ただし、前記ポリエーテルアミン及びポリアルキレンイミンは、得られるポリエーテルポリアミンが、分岐状である少なくとも1つの末端アミノアルキル基を含み、第1級アミノ基(−NH2)を含み、第1級アミノ基に対してα、β、又はγ位のC1〜C6アルキル分岐を含有するように選択されることを条件とする、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の使用。
5.第2の硬化剤が、式(III)〜(V):
6.エポキシ樹脂が、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノール(bishpenol)Fのグリシジルエーテル、又はトリス(ヒドロキシフェニル)メタンのグリシジルエーテル、並びにこれらの組み合わせ、及びこれらのブレンドから選択されるグリシジルエーテルを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の使用。
7.該部分が、互いから独立して、金属部分、又は樹脂マトリクスに埋め込まれる繊維を含む複合部分から選択される、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の使用。
8.組立体が、飛行機のための構成要素である、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の使用。
9.少なくとも2つの組み立てられた部分間の少なくとも1つの残存する間隙を充填する方法であって、
a)実施形態1〜6のいずれか1つに記載の硬化性組成物を提供することと、
b)硬化性組成物を間隙に適用することと、
c)組成物を硬化することと、
任意に、硬化された組成物を研磨すること、及び任意に、硬化された組成物を保護コーティング又は塗料でコーティングすることと、を含む、方法。
10.該部分が、互いから独立して、金属部分、又は樹脂マトリクスに埋め込まれる繊維を含む複合部分から選択される、実施形態9に記載の方法。
11.組立体が、飛行機のための構成要素である、実施形態9又は10のいずれか1つに記載の方法。
12.少なくとも2つの組み立てられた部分を含有する組立体を含む物品であって、組み立てられた部分間の少なくとも1つの間隙が、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化することによって得られる組成物によって充填される、物品。
13.飛行機の構成要素である、実施形態12に記載の物品。
14.飛行機の翼の構成要素である、実施形態12に記載の物品。
15.航空機の翼又は尾翼のフラップである、請求項14に記載の物品。
Claims (15)
- 組立体の2つの組み立てられた部分間の間隙を充填するための硬化性シムとしての、少なくとも1つの芳香族エポキシ樹脂及び少なくとも1つのエポキシ硬化性組成物を含む、硬化性組成物であって、前記エポキシ硬化性組成物が、少なくとも第1及び第2の硬化剤を含み、前記第1の硬化剤が、少なくとも1つの第1級アミノ(−NH2)基を有する環状アミンから選択され、第2の硬化剤が、少なくとも1つのポリエーテル単位を含む少なくとも1つのポリエーテルポリアミンから選択され、連結基である少なくとも1つのポリアミン単位によってそこから分離され、分岐状である少なくとも1つの末端アミノアルキル残基を更に含み、第1級アミノ基(−NH2)、及び第1級アミノ基に対してα、β、又はγ位のアルキル分岐を含み、アルキル分岐が、1〜6個の炭素原子を含有する、組成物。
- 前記第1の硬化剤が、前記第2の硬化剤よりも多い重量による量で存在する、請求項1に記載の組成物。
- 前記第2の硬化剤が、脂肪族である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記第2の硬化剤が、アクリル酸アルキル及びポリアルキレンイミンとポリエーテルアミンとの2工程反応によって得られるが、前記ポリエーテルアミン及び前記ポリアルキレンイミンが、少なくとも2つの第1級アミノ基を有し、第1の工程が、前記ポリエーテルアミンの前記アクリル酸アルキルへの付加反応を含み、第2の工程が、前記ポリアルキレンイミンと前記第1の工程の付加生成物との反応を含み、任意に、繰り返し単位が、前記反応生成物を、前記第1の工程によるアクリル酸アルキルと、及び更なる工程において、ポリアルキレンイミン、ポリエーテルアミン、又はこれらの混合物と反応させることによって創出され得、ただし、前記ポリエーテルアミン及びポリアルキレンイミンは、得られるポリエーテルポリアミンが、分岐状である少なくとも1つの末端アミノアルキル基を含み、第1級アミノ基(−NH2)を含み、第1級アミノ基に対してα、β、又はγ位のC1〜C6アルキル分岐を含有するように選択されることを条件とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記第2の硬化剤が、式(III)〜(V):
- 前記部分が、互いから独立して、金属部分、又は樹脂マトリクスに埋め込まれる繊維を含む複合部分から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、ビスフェノール(bishpenol)Fのグリシジルエーテル、又はトリス(ヒドロキシフェニル)メタンのグリシジルエーテル、並びにこれらの組み合わせ、及びこれらのブレンドから選択されるグリシジルエーテルを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組立体が、飛行機のための構成要素である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- 少なくとも2つの組み立てられた部分間の少なくとも1つの残存する間隙を充填する方法であって、
a)請求項1〜6のいずれか一項に記載の硬化性組成物を提供することと、
b)前記硬化性組成物を前記間隙に適用することと、
c)組成物を硬化することと、
任意に、硬化された組成物を研磨すること、及び任意に、硬化された組成物を保護コーティング又は塗料でコーティングすることと、を含む、方法。 - 前記部分が、互いから独立して、金属部分、又は樹脂マトリクスに埋め込まれる繊維を含む複合部分から選択される、請求項9に記載の方法。
- 前記組立体が、飛行機のための構成要素である、請求項9又は10のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも2つの組み立てられた部分を含有する組立体を含む物品であって、前記組み立てられた部分間の少なくとも1つの間隙が、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記硬化性組成物を硬化することによって得られる組成物によって充填される、物品。
- 飛行機の構成要素である、請求項12に記載の物品。
- 飛行機の翼の構成要素である、請求項13に記載の物品。
- 航空機の翼又は尾翼のフラップである、請求項13に記載の物品。
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