JP2016521338A - ロック可能な作動装置を備えたクラッチ装置 - Google Patents

ロック可能な作動装置を備えたクラッチ装置 Download PDF

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Abstract

多数の変形例には、少なくとも1つのクラッチと、クラッチを作動させ、クラッチが開放される開放位置からクラッチが閉鎖される閉鎖位置へと移動可能である作動装置とを有するクラッチ装置が含まれてもよい。この作動装置は、閉鎖位置又は開放位置における形態合致動作によってロック可能である。【選択図】図5

Description

本発明は、少なくとも1つのクラッチと、クラッチを作動し、クラッチが開放される開放位置からクラッチが閉鎖される閉鎖位置へと移動可能な作動装置とを有するクラッチ装置に係る。
クラッチと、クラッチを作動する油圧式作動装置とを有するクラッチ装置が実用上、知られている。作動装置は、クラッチが開放される開放位置からクラッチが閉鎖される閉鎖位置へと油圧によって移動可能である。常時開放形態のクラッチを閉鎖状態に保持するため、油圧力を維持することによって作動装置をその閉鎖位置に保持しなければならない。一方、常時閉鎖位置にあるクラッチの場合、作動装置をその開放位置に保持するために油圧力を維持しなければならない。
本発明の目的は、クラッチと、クラッチを作動し、閉鎖位置又は開放位置に移動可能で、少ないエネルギー消費で各位置に保持可能な作動装置とを有するクラッチ装置を提供することにある。
以上の目的は、特許請求項1に特定した特徴によって達成される。また従属項は、本発明の有利な実施形態に関するものである。
本発明に係るクラッチ装置は、少なくとも1つのクラッチを有する。このクラッチは、マルチプレートクラッチの形態及び/又は湿式稼動クラッチの形態であることが好ましい。このクラッチは、常時開放クラッチ又は常時閉鎖クラッチの形態のいずれかであってもよく、非作動時、開放位置に戻されるか、又は開放位置に維持されてもよい。クラッチは、クラッチを作動する作動装置に割り当てられる。この作動装置は、クラッチを油圧作動する油圧式作動装置の形態であることが好ましい。この作動装置は、作動装置がクラッチを開放するようにクラッチと相互作用する開放位置から、作動装置がクラッチを閉鎖するようにクラッチと相互作用する閉鎖位置へと移動可能である。作動装置を閉鎖位置に保持するか又はクラッチを閉鎖状態に保持するか、若しくは作動装置を開放位置に保持するか又はクラッチを開放状態に保持するため、作動装置に導入された力は維持される必要がなく、又は完全に維持される必要はなく、代わりに作動装置が閉鎖位置又は開放位置において形態合致動作でロックできるように設計される。油圧式作動装置の場合、これは、例えば、閉鎖位置又は開放位置に達した後、特に形態合致動作によるロックで作動装置が閉鎖位置又は開放位置に保持されるので、作動装置を閉鎖位置又は開放位置に保持するのに作動装置を閉鎖位置又は開放位置に動かす油圧力を維持する必要がなく、又はこれを維持するのにより小さな力が必要とされるということを意味する。
本発明に係るクラッチ装置の好適な実施形態において、作動装置は、クラッチ装置の取扱いをより容易にするため、作動装置の閉鎖位置又は開放位置への移動の結果として自動的にロックされるように設計される。
本発明に係るクラッチ装置の特に好適な実施形態において、作動装置は、少なくとも1つの可動ロック要素に割り当てられる。可動ロック要素は、例えば、ローラー本体、ボール、ローラー、又は滑動本体であり、つまり、例えば、滑動動作で変位可能なロックである。本明細書で述べるロック要素はまた、クランピング要素と称されることもある。可動ロック要素の各設計上の違いに関わらず、ロック要素は、解放位置から作動装置がロックされるロック位置へ、またその逆に移動可能である。本明細書では少なくとも1つの可動ロック要素のみについて常に参照するが、少なくとも2つ又は3つの可動ロック要素が設けられることが好ましい。特に、閉鎖位置及び開放位置において作動装置を特に確実且つ均一にロックすることができるため、少なくとも2つ又は3つの可動ロック要素が円及び/又は周方向に沿うように、且つこの円に沿って互いに均一に離間するように配置されることがより好ましい。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素は、作動装置によって課し得る、又は課される作動力により、解放位置からロック位置へと移動することができる。これには、ロック要素が解放位置からロック位置へと移動する際、ロック要素にさらなる油圧やモーター駆動等の追加可動装置を必要とせず、クラッチ装置の構造がより簡易になるという利点がある。
本発明に係るクラッチ装置の有利な一実施形態において、ロック要素は、可動装置の第1力伝達要素と第2力伝達要素との間に配置される。これらの力伝達要素は、作動装置の作動力又はクラッチの回復動作を行うための回復力を伝達するよう機能する。ロック要素が間に配置されるこれら2つの力伝達要素、すなわち、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、移動方向に移動可能であり、2つの力伝達要素の移動方向は、クラッチ装置の軸方向に対応することが好ましい。従って、例えば、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、クラッチ装置の一方の軸方向と、クラッチ装置の他方の軸方向との双方に移動又は変位することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素の解放位置において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、ロック要素を介して力伝達要素の移動方向において互いに支持され得る、又は支持される。結果として、ロック要素の解放位置において、ロック要素を介して一方の力伝達要素から他方の力伝達要素に向かって移動方向に力の伝達が可能である。またロック要素の解放位置において、力伝達要素は、移動方向における一方の力伝達要素の移動が、結果として同一の移動方向における他方の力伝達要素の移動を生じるように連結され、これをロック要素による2つの力伝達要素の移動の連結とも称することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、移動方向に関して互いに分離される。結果として、本実施形態において、2つの力伝達要素は、他方の力伝達要素の移動方向への移動を結果的に生じる一方の力伝達要素の移動方向への移動を発生させることなく、互いに対して移動方向に分離することができる。本実施形態によると、作動装置を閉鎖位置又は開放位置でロックするために作動装置のすべての要素を所定の位置にロックすることを必要とせず、作動装置の少なくとも一部をロックし、作動装置の他の部分から分離することができる。
本発明に係るクラッチ装置の特に有利な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第1力伝達要素は、ロック要素がそのロック位置に保たれるように、第2力伝達要素に対して、ロック要素が第1力伝達要素に支持され得る、又は支持される保持位置へと移動することができる。これは、ロック位置への到達後、且つ、第1力伝達要素の第2力伝達要素に対する相対移動の後、作動装置が閉鎖位置又は開放位置にロックされることにより、クラッチが閉鎖又は開放されるように、ロック要素をしっかりとそのロック位置に保つことで確実に実施される。本実施形態の場合、力をほとんど消費しないか、又は全く消費しないで第1力伝達要素を保持位置に保つことができるようにするため、ロック位置にあるロック要素は、移動方向に直交することが好ましい第1力伝達要素に対して、且つ/又は、移動方向において第1力伝達要素に作用する支持力を生成しないで支持され得る、又は支持される。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、第1力伝達要素が第2力伝達要素に対してその保持位置から再び回復する動きを容易にするために回復要素が設けられ、第1力伝達要素は、第2力伝達要素に対して、回復要素の回復力に反して保持位置へと移動することができる。回復要素は、例えば、プレートばね等のばね要素によって形成されてもよい。ここで回復要素の回復力は、第1力伝達要素の保持位置において、第1力伝達要素をその保持位置へと保持するために課す必要のある力が小さくなるように、第1力伝達要素が作動装置を閉鎖位置又は開放位置へと移動させるために伝達する力に比して低くなるように選択されなければならない。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、支持要素に対して移動方向に移動可能である。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第2力伝達要素は、ロック要素を介して移動方向において支持要素に支持され得るか、又は支持される。結果として、本実施形態において、可動装置のごく一部、具体的には第2力伝達要素のみを形態合致動作でロックすることにより、形態合致動作による作動装置の閉鎖位置又は開放位置におけるロックを実現する。第2力伝達要素は、ロック要素とクラッチ要素との間の力伝達経路に配置された力伝達要素であることが好ましい。既に述べたとおり、第2力伝達要素のロックにより、第1力伝達要素を、例えば、第2力伝達要素に対して有利な保持位置に移動することができ、且つ/又は、ほとんど力を要することなく、その位置に保持することができるように、第1力伝達要素からの分離を実現することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、支持要素は、移動方向に関して、ロック要素がその解放位置に保たれるように支持され得る、又は支持される第1支持部と、ロック要素がロック位置へ達するように入り込み得る少なくとも1つの凹部を備えた第2支持部とを有する。従ってロック要素は、第1支持部により、2つの力伝達要素が互いに支持され得る、又は支持されるような特定の範囲に亘ってその解放位置に確実に留められる。対照的にロック要素は、例えば、中空又は切り欠き部であってもよい上述の凹部を備えた第2支持部により、解放位置からロック位置へと確実に移動することができる。本実施形態において、ロック要素は、第2支持部の領域内にあるとき、つまり、例えば、第2支持部に達したとき、第1力伝達要素の第2力伝達要素に対する移動方向への移動の結果として、凹部内に移動又は変位することが好ましい。このため、第1力伝達要素は、例えば、第2力伝達要素に対する移動方向への移動の際、ロック要素を凹部内のロック位置へと押し入れる対応案内部を有する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素を解放位置からロック位置へと変位させる斜面が第1力伝達要素に設けられる。この斜面は、互いに割り当てられた力伝達要素を移動方向において互いに確実に支持するため、ロック要素が解放位置において、適切な場合、面的又は線的に移動方向に支持され得る、又は支持される、以降第1斜面部と称する斜面部を有することが好ましい。従って、第1斜面部は、円弧状の輪郭を有することが好ましい。
上述の第1斜面部は、基本的には既に、第1力伝達要素が移動又は変位される際、ロック要素をそのロック位置へと好適な方法で変位させるのに十分であるといってもよい。しかしながら、ロック要素が解放位置に配置される際、まずロック要素を第1斜面部で確実に面的又は線的に支持するために、且つ、ロック要素を解放位置からロック位置へと簡易に移行するために、本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態では、上述の斜面が、第1斜面部に後続し、ロック要素が、適切な場合、線状又は点状に支持され得る、又は支持され、ロック要素が解放位置からロック位置へと移動可能である第2斜面部を有する。第2斜面部の輪郭は、第1斜面部の輪郭と異なることが好ましく、第2斜面部は、直線状の輪郭又は円弧輪郭から外れた輪郭を有することがさらに好ましい。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、第2力伝達要素は、ロック要素が互いに周方向に離間するように、且つ、任意で径方向に移動可能となるように受容される少なくとも2つの切り欠き部が設けられた環状部分を有する。ここで、環状部分の切り欠き部は、指摘のとおり、結果として均一なロック又は支持を実現できるようなロック要素の互いに対する対応配置を実現するために、環状部分の周方向において互いに離間し、又は均一に分布するように配置されることが好ましい。指摘の径方向における切り欠き部内でのロック要素の可動性により、ロック要素の解放位置からロック位置への移動及びその逆への移動をさらに許容する。また環状部分により、ロック要素の領域におけるクラッチ装置の小型且つ組立ての容易な構造を確保する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、環状部分は、作動装置のクラッチ負荷作用要素とともに1片として形成されるか、又は、クラッチ負荷作用要素に固定される。クラッチ負荷作用要素は、例えば、クラッチを作動する作動フィンガーを備えることが好ましい接合プレート又は遊離プレートであってもよい。この場合、クラッチ負荷作用要素は、クラッチに直接作用する作動装置の要素を意味すると理解されることが好ましい。クラッチ負荷作用要素とともに環状部分が単一片の形態、又は環状部分がクラッチ負荷作用要素に固定された形態を採ることにより、環状部分をクラッチ負荷作用要素とともに組み立てることができ、また任意で環状部分に設けられたロック要素とともに既に組み立てておくことができ、製作費用を抑えることができる。しかしながら、この代替として、環状部分は可動装置のクラッチ負荷作用要素とは別に形成されてもよく、第2力伝達要素とクラッチ負荷作用要素との間に両者間の力及び/又は移動の伝達を行うための対応動作連結が設けられる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素は解放位置に事前装填される。ここで、ロック要素は、遠心力作用の下、解放位置に事前装填されることが好ましい。この設計の変形例として、クラッチ装置の動作中、ロック要素に作用する遠心力により、ロック要素を解放位置に押し込む、又は事前装填することができる。これは、ロック要素がロック位置において、解放位置に関してクラッチ装置の径方向内側にオフセットするように配置される実施形態において特に好ましい。しかしながら、代替として、ロック要素は、ばね装置によって解放位置に事前装填することもできる。これは、ロック要素がロック位置において、解放位置に対してクラッチ装置の径方向外側にオフセットするよう配置される実施形態において特に有利である。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素の機能を特に信頼性高く、失敗を伴わないで確実に実現するために、このロック要素は球状又はボール形状を備える。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、少なくとも2つのロック要素が設けられる。ここで、既に指摘のとおり、少なくとも3つのロック要素が設けられることが有利である。本実施形態において、少なくとも2つのロック要素は、ロック要素を解放位置に事前装填するばね装置のばね要素によって互いに環状形態に連結されることが好ましい。ここで、このばね要素は、結果として、ロック要素が解放位置に向かって径方向内側に事前装填されるようにクラッチ装置の径方向内側にロック要素を事前装填する引張ばね及び/又は螺旋ばねによって形成されることが特に好ましい。既に指摘のとおり、ロック要素がそのロック位置において、解放位置に関して径方向外側にオフセットされるよう配置されるクラッチ装置の実施形態において特に好都合である。
本発明のさらに特に好適な実施形態において、クラッチ及び/又は力伝達要素のロック要素領域における磨耗と、これに関連して発生する閉鎖位置又は開放位置における作動装置の閉鎖力又は解放力の低減に対処するため、クラッチ装置は磨耗補償装置を有する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、磨耗補償装置は、磨耗補償を実現するために弾性変形することができ、且つ/又は、ロック要素のロック位置において弾性変形する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、磨耗補償装置は、ロック要素とクラッチとの間の力伝達経路内に配置される。ここで、磨耗補償装置は、弾性変形可能で、弾力があり、且つ/又は、プレートばねとして形成された作動装置のクラッチ負荷作用要素によって形成されることが有利であることも分かった。既に指摘のとおり、クラッチ負荷作用要素は、例えば、第2力伝達要素に対して動作可能に連結される接合プレート又は遊離プレートであってもよく、この設計の変形例において、第2力伝達要素は作動装置のクラッチ負荷作用要素とは別に形成されることが好ましい。
以降、一例としての実施形態に基づき、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図中、
図1は、作動装置が開放位置にあり、ロック要素が解放位置にある本発明に係るクラッチ装置の一実施形態の部分側面図である。 図2は、ロック要素の領域における図1の詳細を拡大して示している。 図3は、作動装置が閉鎖位置にあり、ロック要素が解放位置にある作動装置とともに図1のクラッチ装置を示している。 図4は、ロック要素の領域における図3の詳細を拡大して示している。 図5は、作動装置が閉鎖位置にあり、ロック要素がロック位置にあり、第1力伝達要素が保持位置にある図1及び図3のクラッチ装置を示している。 図6は、ロック要素の領域における図5の詳細を拡大して示している。
図1は、本発明に係るクラッチ装置2の一実施形態を示している。クラッチ装置2の互いに反対の軸方向4及び6、互いに反対の径方向8及び10、互いに反対の周方向12及び14は、対応する矢印に基づいて示されており、クラッチ装置2の回転軸16は軸方向4及び6に延びている。
クラッチ装置2は、少なくとも1つのクラッチ18を有しており、図1では、単に、内側プレート及び外側プレートからなるプレートパックに基づいて示されている。クラッチ18は、クラッチハウジング22に包囲された湿潤チャンバ20内に配置される。このように同図に示されるクラッチ18は、湿式稼動クラッチ18であり、より正確には湿式稼動マルチプレートクラッチである。クラッチ18は、油圧式作動装置であり、クラッチ18の作動を行うよう機能し、以下により詳細に説明する作動装置24に割り当てられる。作動装置24は、図1に示す、クラッチ18が開放する開放位置から、図5に示す、クラッチ18が閉鎖される閉鎖位置へと移動することができ、クラッチ18のプレートパックのプレートはともに、摩擦接合を実現するため、軸方向4及び6に押圧される。同図に示されるクラッチ18は、常時開放クラッチ18であり、図1に示す、作動装置24を開放位置に回復移動する回復要素は図示されていない。この種の回復要素は、例えば、回復ばね、螺旋ばね、又はプレートばねの形態とすることができる。
作動装置24は、軸方向4及び6に変位可能であり、この場合、周方向12及び14に取り囲む環状ピストンの形態である作動ピストン26を有する。作動ピストン26は、作動ピストン26を軸方向4に変位させ、作動装置24を介してクラッチ18に作動力を伝達するために、加圧油の充填が可能な環状圧力チャンバ28に割り当てられる。図示の実施形態において、圧力チャンバ28は、軸方向4及び6に延び、クラッチハウジング22とともに1片として形成された筒状支持要素30により、径方向10の内側に区切られている。圧力チャンバ28は、軸方向6において、クラッチハウジング22の径方向部分32によって区切られ、クラッチハウジング22の軸方向部分34によって径方向8の外側に区切られている。
作動ピストン26には、軸方向4において、作動装置24の第1力伝達要素36が後続し、また図示の実施形態では、第1力伝達要素36が作動ピストン26とともに1片として形成されている。しかしながら、第1力伝達要素36は同様に、ダッシュ線で示すとおり、作動ピストン26とは別に形成されてもよい。周方向12及び14に取り囲む形態の自由空間38が、径方向8及び10において第1力伝達要素36と支持要素30との間に形成される。
自由空間38内において、周方向12及び14に取り囲む形態の環状部分として形成された第2力伝達要素40が延び、この環状部分は筒状とも言える。環状部分によって形成された第2力伝達要素40において、周方向12及び14に分布した複数の切り欠き部42が設けられ、この切り欠き部42は、周方向12及び14において互いに均一に離間し、径方向8及び10に延びるように形成される。各切り欠き部42において、可動ロック要素44が設けられ、図示の実施形態では、ロック要素44は球状又はボール形状である。ロック要素44は、作動装置24の位置に応じて、ロック要素44が径方向8及び10に移動可能となるように、切り欠き部42に合致される。ロック要素44については、以下でさらに詳細に検討する。
作動装置24の力伝達経路において、第2力伝達要素40にはクラッチ負荷作用要素46が後続する。環状部分で形成される第2力伝達要素は、代わりに、クラッチ負荷作用要素46に固定することもできるが、図面から見て取れるとおり、第2力伝達要素40を形成する環状部分は、作動装置24のクラッチ負荷作用要素46とともに1片として形成される。さらなる代替として、環状部分で形成される第2力伝達要素40は、図2においてダッシュ線で示されるとおり、クラッチ負荷作用要素46とは別に形成されてもよい。クラッチ負荷作用要素46は、作動装置24の作動力をクラッチ18に及ばせるよう機能し、クラッチ負荷作用要素46は、径方向8に延びる径方向部分48と、径方向8の外側に向かって径方向部分48に隣接し、軸方向4に延びる軸方向部分50とを有する。ここで、軸方向部分50は、周方向12及び14において互いに離間した複数の作動フィンガー52によって形成され、この作動フィンガーは、作動装置24が図5の閉鎖位置に移動する際、自由端によってクラッチ18のプレートパックを押圧するために、軸方向4に突出している。
作動ピストン26、第1力伝達要素36、第1力伝達要素36と第2力伝達要素40との間に配置されたロック要素44、第2力伝達要素40、及びクラッチ負荷作用要素46は、互いに反対の移動方向54及び56において支持要素30に対して移動可能であり、図示の実施形態において、移動方向54及び56は軸方向4及び6に対応する。移動方向54及び56に関して、支持要素30は第1支持部58を有し、第1支持部58には、移動方向54において、第2支持部60が後続する。第1支持部58の領域において、径方向8の外側を向き、作動装置24に対向する外側62は、周方向12及び14に取り囲む形態の円筒面である。周方向12及び14に取り囲む形態の凹部64は、第2支持部60の領域において、支持要素30の外側62に形成されるため、この凹部は、溝状凹部64と称することができる。しかしながら、代わりに、各ケースにおける各凹部64をロック要素44の各々に設けることもできるであろう。
作動ピストン26とともに1片として形成された第1力伝達要素36は、移動方向54及び56に関して、第1保持部66と、移動方向54において第1保持部66に後続する第2保持部68とを有する。径方向10の内側を向き、自由空間38に対向する第1力伝達要素36の内側70は、移動方向54及び56と周方向12及び14において円筒形状に延びる。凹部72は、第1力伝達要素36の内側70において、第2保持部68の領域に設けられ、凹部64と同様に周方向12及び14を取り囲む形態であってもよく、従って溝のように形成されてもよい。同様に代替として、複数の個別凹部72を第1力伝達要素36の内側70において第2保持部68の領域に設けることもでき、この凹部は各ケースにおいてロック要素44の1つに割り当てられる。凹部72の基部は、少なくとも部分的に斜面74のように設けられる。ここで、斜面74は、円弧状の輪郭を備えた斜面部76を有する。
クラッチ装置2の機能及びそのさらなる特徴を、以下に、図1〜6を参照してさらに詳細に説明する。
図1及び図2によると、図示の常時開放クラッチ18の場合、作動装置24は開放位置に定められ、この開放位置は、作動装置24の初期位置と称されてもよい。作動装置24の初期位置において開放されていたクラッチ18を閉鎖するため、作動ピストン26を移動方向54に変位するように、圧力チャンバ28内の圧力を上げる。結果として移動方向54に作用する力を第1力伝達要素36に伝達する。図1及び図2に示す作動装置24の開放位置において、ロック要素44は解放位置に定められる。
解放位置において、ロック要素44は、ロック要素44が径方向10に関して解放位置に保たれるように、第1支持部58の領域において第1支持要素30の外側62で径方向10の内側に支持され得る、又は支持される。ロック要素44は、径方向8の外側に向かって、第1力伝達要素36の凹部72内に突き出る程度に第2力伝達要素40を越えて突出している。結果として、第1力伝達要素36は、解放位置におけるロック要素44を介して、移動方向54において、第2力伝達要素40に支持され得るか、又は支持され、第2力伝達要素40は、解放位置におけるロック要素44を介して、移動方向56において、第1力伝達要素36に支持され得るか、又は支持される。より正確にいうと、これは、第1力伝達要素36に関して、ロック要素44が解放位置にあると、移動方向56において斜面74の斜面部76に支持され得るか、又は支持されるケースであり、斜面部76及びロック要素44は、ここに面的支持又は線的支持を作りだすように設計されることが好ましい。ロック要素44の解放位置において、作動ピストン26又は第1力伝達要素36の移動方向54における移動は、結果として、ロック要素44を介して第2力伝達要素40に伝達され、さらにはクラッチ負荷作用要素46に伝達され、作動装置24のこれらの移動要素がともに図3〜図6示す閉鎖位置まで移動方向54に移動するようにする。
このプロセスの際、作動装置24が図3及び図4に示す閉鎖位置に達すると、ロック要素44は支持要素30の第2支持部60の領域に入り込む。結果として、ロック要素44はもはや、径方向10に関して支持要素30の第1支持部58の外側62に支持され得る、又は支持されることがなくなり、ロック要素44はもはや、その解放位置に保たれることがなくなる。圧縮チャンバ28内の圧力がさらに維持されると、作動ピストン26又は第1力伝達要素36が移動方向54に変位又は移動し、ロック要素44を第2力伝達要素40又はクラッチ負荷作用要素46に対して径方向10の内側に変位させる効果をもたらす。結果として、図1〜4に示す解放位置から進行させること、つまり第1力伝達要素36を移動方向54に移動させることにより、ロック要素44を、第2力伝達要素40に対して径方向10の内側に向かって第2支持部60の凹部64内へ、引いては図5及び図6に示すロック位置内へと移動又は変位させる。ここで、上述の斜面74により、解放位置からロック位置へのロック要素44の変位を容易にする。第1力伝達要素36は、第2力伝達要素40に対して、図5及び図6に示す保持位置を想定した程度に変位される。
ロック要素44のロック位置において、第2力伝達要素40及び引いてはクラッチ負荷作用要素46が、移動方向56においてロック要素44を介して支持要素30に支持され得る、又は支持され、2つの力伝達要素36及び40が移動方向54及び56に対して互いに分離され、つまり移動方向56においてクラッチ負荷作用要素46及び/又は第2力伝達要素40に作用する回復力が、好ましくは支持要素30を介して、しかしながら第1力伝達要素36又は作動ピストン26を介すことなく、若しくは第1力伝達要素36又は作動ピストン26を完全には介すことなく支持される。これは、ロック要素44がそのロック位置にあるとき、第1力伝達要素36の凹部72内に向かって径方向8に突出していないこと、或いは、図5及び6に示す保持位置において、第1力伝達要素36がロック要素44に対して、第1力伝達要素36の第1保持部66の内側70において径方向8に、ロック要素44をそのロック位置に保つように支持し得る、又は支持するように配置されることにより達成される。図示の実施形態において、ロック要素44は、移動方向54及び56に直交する第1保持部66の内側70に支持され得る、又は支持されることにより、移動方向56においてロック要素44を介して第1力伝達要素36に支持力を及ばせないように、または最大でもごく僅かな支持力しか及ばせないようにする。
以上の説明より、図5及び図6に示す作動装置24は、閉鎖位置において形態合致動作でロック可能であることが明らかである。ここで、作動装置24は、作動装置24が閉鎖位置に移動した結果として自動的にロックされる。最も正確には、ここ述べるのは、ロック要素44のロック位置において、第2力伝達要素40がクラッチ負荷作用要素46とともに移動方向56においてロック要素44を介して支持要素30上に支持され、引いてはロックされ、第1力伝達要素36及びこれに連結された作動ピストン26が第2力伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46から分離し、第2力伝達要素40がロック要素44とクラッチ18との間の力伝達経路内に配置されるケースである。以上の説明より、ロック要素44は、ロック要素44を移動させるために追加の作動装置を要することなく、圧力チャンバ28内の圧力で作動装置24により課し得る、又は課す作動力を排他的に用いることにより、図1〜4に示す解放位置からロック位置へと移動することができることも明白である。
特にクラッチ18の閉鎖力が第2力伝達要素40及び引いてはクラッチ負荷作用要素46のロックの結果として維持されるため、第1力伝達要素36及び第2力伝達要素40の分離により、圧力チャンバ28内の圧力はもはや維持される必要がなくなり、若しくは完全に維持される必要はなくなる。しかしながら、作動ピストン26とこれに連結された第1力伝達要素36に残留した力は依然として、第1力伝達要素36を図5及び6に示すその保持位置に保持するために、移動方向54に維持されなければならない。これは、図面から明白であるとおり、本例では例えばプレートばね等のばね要素である回復要素78が、第1力伝達要素36を保持位置から回復移動させるために設けられるため、なおさらに当てはまる。回復要素78により、第1力伝達要素36は、第2力伝達要素40に対して、回復要素78の回復力に反して図5及び図6に示す保持位置内へと移動される。図示の実施形態において、回復要素78は、各移動方向54及び56において、一方ではクラッチ負荷作用要素46に支持され、他方では第1力伝達要素36又は作動ピストン26に支持される。作動装置24を図1及び図2に示すその開放位置に戻したい場合、作動ピストン26に課された残りの力を圧力チャンバ28内の圧力をさらに低下させることによって低減させればよく、これによって回復要素78が第1力伝達要素36の移動方向56における図3及び図4に示す位置への回復移動をもたらすようにする。
図示の実施形態において、ロック要素44は、遠心力作用の下、解放位置内へ径方向8の外側に事前装填され、これによってロック要素44は、図3及び4に示す解放位置へと入り込むため、遠心力の作用の下、径方向8の外側に移動するようにする。しかしながら、代替又は追加として、ロック要素44を解放位置に事前装填するためにばね装置を設けることができ、この種のばね装置は、例えば、径方向8の外側に向かってロック要素44に作用するように凹部64内に設けられてもよい。この解放位置に達すると、クラッチ負荷作用要素46に作用する上述の回復要素(図示せず)は、クラッチ負荷作用要素46、第2力伝達要素40、第1力伝達要素36、及び作動ピストン26が図1及び図2に示す位置へと移動方向56に沿って戻る効果をもたらし、解放位置におけるロック要素44により、移動結合が再び実現される。
図1〜図6を参照して上述した実施形態に対する有利な追加又は変更をいくつか以下に説明するが、他の点においては以上の説明が対応して当てはまるものとする。
上述の斜面74は、上述の円弧状の輪郭を備えた第1斜面部76のみを有する。ロック要素44の解放位置からロック位置への変位を容易にするため、斜面74はさらに、軸方向6又は移動方向56において第1斜面部76に後続し、直線状の輪郭、又は円弧輪郭から外れた輪郭を有し、ロック要素44が、適切な場合、線状又は点状に支持され得る、又は支持される、ロック要素44が解放位置からロック位置へと移動又は変位可能となる第2斜面部を有することができる。
上述のクラッチ装置2のさらに有利な変形例として、磨耗補償装置が設けられる。磨耗補償装置は、ロック要素44とクラッチ18との間の力伝達経路に配置されることが好ましい。これは、第1力伝達要素36の特に斜面74や、第2力伝達要素40の特に切り欠き部42の縁部や、ロック要素44自体、及び/又は、クラッチ18に磨耗が発生したとしても、略一定の閉鎖力がクラッチ18に確実に働くように意図されたものである。磨耗補償装置は、磨耗補償を実現するために弾性変形可能であることが好ましく、図5及び図6に示すように、ロック要素44のロック位置において弾性変形される。従って、第2伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46が互いに別々に形成された場合、この種の磨耗補償装置は、例えば、第2力伝達要素40とクラッチ負荷作用要素46との間で弾性変形可能又は弾力性の要素によって形成することができる。ここで、磨耗補償装置は、クラッチ負荷作用装置46自体によって形成されることが有利であることが分かっており、この目的のため、クラッチ負荷作用装置46は移動方向54及び56又は軸方向4及び6に弾性変形可能又は弾力を有するように設計される。従って、クラッチ負荷作用要素46は、例えば、径方向部分48の領域において弾性変形可能または弾力を有する形態とすることができるであろう。ここで、クラッチ負荷作用要素46、また適切な場合、その径方向部分48は、プレートばねとして形成することが特に有利であることが分かっており、この場合、第2力伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46は互いに別々に形成されることが同じく好ましい。
図1〜図6に示す上述の実施形態において、ロック要素44は解放位置にあると、そのロック位置に関して径方向8の外側にオフセットされる。しかしながら、さらに有利な変形例によると、作動装置24は、ロック要素44が解放位置にあると、そのロック位置に関して径方向内側にオフセットするように設計されてもよく、これによってロック要素44が解放位置からロック位置へと移行するには、径方向8の外側にオフセットしなければならない。またこれに対応して、第2力伝達要素40が間に定められた状態で、支持要素30が径方向8の外側において力伝達要素36を包囲する必要が出てくるであろう。しかしながら、ここで、ロック要素44が、遠心力作用の下、解放位置でなくロック位置に事前装填されてしまうリスクがある。これに対処し、なおロック要素44を径方向10のさらに内側に定められた解放位置へと事前装填するため、ロック要素44を径方向10の内側に事前装填するために既に述べたばね要素が設けられることが好ましい。これを特に簡易な方法で達成するために、ばね装置のばね要素、特に好ましくは引張ばね及び/又は螺旋ばねによって少なくとも2つのロック要素44を互いに環状に連結することで、このばね力により、ロック要素44を径方向10の内側に事前装填し、引いてはロック要素44を解放位置内へと事前装填する。
2 クラッチ装置
4 軸方向
6 軸方向
8 径方向
10 径方向
12 周方向
14 周方向
16 回転軸
18 クラッチ
20 湿潤チャンバ
22 クラッチハウジング
24 作動装置
26 作動ピストン
28 圧力チャンバ
30 支持要素
32 径方向部分
34 軸方向部分
36 第1力伝達要素
38 自由空間
40 第2力伝達要素
42 切り欠き部
44 ロック要素
46 クラッチ負荷作用要素
48 径方向部分
50 軸方向部分
52 作動フィンガー
54 移動方向
56 移動方向
58 第1支持部
60 第2支持部
62 外側
64 凹部
66 第1保持部
68 第2保持部
70 内側
72 凹部
74 斜面
76 斜面部
78 回復要素
本願は、2014年4月30日出願のPCT出願シリアル番号2014/036033及び2013年5月10日出願のドイツ国特許出願シリアル番号DE102013008071.1の利益を主張する。
本発明は、少なくとも1つのクラッチと、クラッチを作動し、クラッチが開放される開放位置からクラッチが閉鎖される閉鎖位置へと移動可能な作動装置とを有するクラッチ装置に係る。
クラッチと、クラッチを作動する油圧式作動装置とを有するクラッチ装置が実用上、知られている。作動装置は、クラッチが開放される開放位置からクラッチが閉鎖される閉鎖位置へと油圧によって移動可能である。常時開放形態のクラッチを閉鎖状態に保持するため、油圧力を維持することによって作動装置をその閉鎖位置に保持しなければならない。一方、常時閉鎖位置にあるクラッチの場合、作動装置をその開放位置に保持するために油圧力を維持しなければならない。
本発明の目的は、クラッチと、クラッチを作動し、閉鎖位置又は開放位置に移動可能で、少ないエネルギー消費で各位置に保持可能な作動装置とを有するクラッチ装置を提供することにある。
以上の目的は、特許請求項1に特定した特徴によって達成される。また従属項は、本発明の有利な実施形態に関するものである。
本発明に係るクラッチ装置は、少なくとも1つのクラッチを有する。このクラッチは、マルチプレートクラッチの形態及び/又は湿式稼動クラッチの形態であることが好ましい。このクラッチは、常時開放クラッチ又は常時閉鎖クラッチの形態のいずれかであってもよく、非作動時、開放位置に戻されるか、又は開放位置に維持されてもよい。クラッチは、クラッチを作動する作動装置に割り当てられる。この作動装置は、クラッチを油圧作動する油圧式作動装置の形態であることが好ましい。この作動装置は、作動装置がクラッチを開放するようにクラッチと相互作用する開放位置から、作動装置がクラッチを閉鎖するようにクラッチと相互作用する閉鎖位置へと移動可能である。作動装置を閉鎖位置に保持するか又はクラッチを閉鎖状態に保持するか、若しくは作動装置を開放位置に保持するか又はクラッチを開放状態に保持するため、作動装置に導入された力は、維持される必要がなく、又は完全に維持される必要はなく、代わりに作動装置が閉鎖位置又は開放位置において形態合致動作でロックできるように設計される。油圧式作動装置の場合、これは、例えば、閉鎖位置又は開放位置に達した後、特に形態合致動作によるロックで作動装置が閉鎖位置又は開放位置に保持されるので、作動装置を閉鎖位置又は開放位置に保持するのに、作動装置を閉鎖位置又は開放位置に動かす油圧力を維持する必要がなく、又はこれを維持するのにより小さな力が必要とされるということを意味する。
本発明に係るクラッチ装置の好適な実施形態において、作動装置は、クラッチ装置の取扱いをより容易にするため、作動装置の閉鎖位置又は開放位置への移動の結果として自動的にロックされるように設計される。
本発明に係るクラッチ装置の特に好適な実施形態において、作動装置は、少なくとも1つの可動ロック要素に割り当てられる。可動ロック要素は、例えば、ローラー本体、ボール、ローラー、又は滑動本体であり、つまり、例えば、滑動動作で変位可能なロックである。本明細書で述べるロック要素はまた、クランピング要素と称されることもある。可動ロック要素の各設計上の違いに関わらず、ロック要素は、解放位置から作動装置がロックされるロック位置へ、またその逆に移動可能である。本明細書では少なくとも1つの可動ロック要素のみについて常に参照するが、少なくとも2つ又は3つの可動ロック要素が設けられることが好ましい。特に、閉鎖位置及び開放位置において作動装置を特に確実且つ均一にロックすることができるため、少なくとも2つ又は3つの可動ロック要素が円及び/又は周方向に沿うように、且つこの円に沿って互いに均一に離間するように配置されることがより好ましい。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素は、作動装置によって課し得る、又は課される作動力により、解放位置からロック位置へと移動することができる。これには、ロック要素が解放位置からロック位置へと移動する際、ロック要素にさらなる油圧やモーター駆動等の追加可動装置を必要とせず、クラッチ装置の構造がより簡易になるという利点がある。
本発明に係るクラッチ装置の有利な一実施形態において、ロック要素は可動装置の第1力伝達要素と第2力伝達要素との間に配置される。これらの力伝達要素は、作動装置の作動力又はクラッチの回復動作を行うための回復力を伝達するよう機能する。ロック要素が間に配置されるこれら2つの力伝達要素、すなわち、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、移動方向に移動可能であり、2つの力伝達要素の移動方向は、クラッチ装置の軸方向に対応することが好ましい。従って、例えば、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、クラッチ装置の一方の軸方向と、クラッチ装置の他方の軸方向との双方に移動又は変位することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素の解放位置において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、ロック要素を介して力伝達要素の移動方向において互いに支持され得る、又は支持される。結果として、ロック要素の解放位置において、ロック要素を介して一方の力伝達要素から他方の力伝達要素に向かって移動方向に力の伝達が可能である。またロック要素の解放位置において、力伝達要素は、移動方向における一方の力伝達要素の移動が、結果として同一の移動方向における他方の力伝達要素の移動を生じるように連結され、これをロック要素による2つの力伝達要素の移動の連結とも称することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、移動方向に関して互いに分離される。結果として、本実施形態において、2つの力伝達要素は、他方の力伝達要素の移動方向への移動を結果的に生じる一方の力伝達要素の移動方向への移動を発生させることなく、互いに対して移動方向に分離することができる。本実施形態によると、作動装置を閉鎖位置又は開放位置でロックするために作動装置のすべての要素を所定の位置にロックすることを必要とせず、作動装置の少なくとも一部をロックし、作動装置の他の部分から分離することができる。
本発明に係るクラッチ装置の特に有利な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第1力伝達要素は、ロック要素がそのロック位置に保たれるように、第2力伝達要素に対して、ロック要素が第1力伝達要素に支持され得る、又は支持される保持位置へと移動することができる。これは、ロック位置への到達後、且つ、第1力伝達要素の第2力伝達要素に対する相対移動の後、作動装置が閉鎖位置又は開放位置にロックされることにより、クラッチが閉鎖又は開放されるように、ロック要素をしっかりとそのロック位置に保つことで確実に実施される。本実施形態の場合、力をほとんど消費しないか、又は全く消費しないで第1力伝達要素を保持位置に保つことができるようにするため、ロック位置にあるロック要素は、移動方向に直交することが好ましい第1力伝達要素に対して、且つ/又は、移動方向において第1力伝達要素に作用する支持力を生成しないで支持され得る、又は支持される。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、第1力伝達要素が第2力伝達要素に対してその保持位置から再び回復する動きを容易にするために回復要素が設けられ、第1力伝達要素は、第2力伝達要素に対して、回復要素の回復力に反して保持位置へと移動することができる。回復要素は、例えば、プレートばね等のばね要素によって形成されてもよい。ここで回復要素の回復力は、第1力伝達要素の保持位置において、第1力伝達要素をその保持位置へと保持するために課す必要のある力が小さくなるように、第1力伝達要素が作動装置を閉鎖位置又は開放位置へと移動させるために伝達する力に比して低くなるように選択されなければならない。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、第1力伝達要素及び第2力伝達要素は、支持要素に対して移動方向において移動可能である。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素のロック位置において、第2力伝達要素は、ロック要素を介して移動方向において支持要素に支持され得るか、又は支持される。結果として、本実施形態において、可動装置のごく一部、具体的には第2力伝達要素のみを形態合致動作でロックすることにより、形態合致動作による作動装置の閉鎖位置又は開放位置におけるロックを実現する。第2力伝達要素は、ロック要素とクラッチ要素との間の力伝達経路に配置された力伝達要素であることが好ましい。既に述べたとおり、第2力伝達要素のロックにより、第1力伝達要素を、例えば、第2力伝達要素に対して有利な保持位置に移動することができ、且つ/又は、ほとんど力を要することなく、その位置に保持することができるように、第1力伝達要素からの分離を実現することができる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、支持要素は、移動方向に関して、ロック要素がその解放位置に保たれるように支持され得る、又は支持される第1支持部と、ロック要素がロック位置へ達するように入り込み得る少なくとも1つの凹部を備えた第2支持部とを有する。従ってロック要素は、第1支持部により、2つの力伝達要素が互いに支持され得る、又は支持されるような特定の範囲に亘ってその解放位置に確実に留められる。対照的にロック要素は、例えば、中空又は切り欠き部であってもよい上述の凹部を備えた第2支持部により、解放位置からロック位置へと確実に移動することができる。本実施形態において、ロック要素は、第2支持部の領域内にあるとき、つまり、例えば、第2支持部に達したとき、第1力伝達要素の第2力伝達要素に対する移動方向への移動の結果として、凹部内に移動又は変位することが好ましい。このため、第1力伝達要素は、例えば、第2力伝達要素に対する移動方向への移動の際、ロック要素を凹部内のロック位置へと押し入れる対応案内部を有する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素を解放位置からロック位置へと変位させる斜面が第1力伝達要素に設けられる。この斜面は、互いに割り当てられた力伝達要素を移動方向において互いに確実に支持するため、ロック要素が解放位置において、適切な場合、面的又は線的に移動方向に支持され得る、又は支持される、以降第1斜面部と称する斜面部を有することが好ましい。従って、第1斜面部は、円弧状の輪郭を有することが好ましい。
上述の第1斜面部は、基本的には既に、第1力伝達要素が移動又は変位される際、ロック要素をそのロック位置へと好適な方法で変位させるのに十分であるといってもよい。しかしながら、ロック要素が解放位置に配置された際、まずロック要素を第1斜面部で確実に面的又は線的に支持するために、且つ、ロック要素を解放位置からロック位置へと簡易に移行するために、本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態では、上述の斜面が、第1斜面部に後続し、ロック要素が、適切な場合、線状又は点状に支持され得る、又は支持され、ロック要素が解放位置からロック位置へと移動可能である第2斜面部を有する。第2斜面部の輪郭は、第1斜面部の輪郭と異なることが好ましく、第2斜面部は、直線状の輪郭又は円弧輪郭から外れた輪郭を有することがさらに好ましい。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、第2力伝達要素は、ロック要素が互いに周方向に離間するように、且つ、任意で径方向に移動可能となるように受容される少なくとも2つの切り欠き部が設けられた環状部分を有する。ここで、環状部分の切り欠き部は、指摘のとおり、結果として均一なロック又は支持を実現できるようなロック要素の互いに対する対応配置を実現するために、環状部分の周方向において互いに離間し、又は均一に分布するように配置されることが好ましい。指摘の径方向における切り欠き部内でのロック要素の可動性により、ロック要素の解放位置からロック位置への移動及びその逆への移動をさらに許容する。また環状部分により、ロック要素の領域におけるクラッチ装置の小型且つ組立ての容易な構造を確保する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、環状部分は、作動装置のクラッチ負荷作用要素とともに1片として形成されるか、又は、クラッチ負荷作用要素に固定される。クラッチ負荷作用要素は、例えば、クラッチを作動する作動フィンガーを備えることが好ましい接合プレート又は遊離プレートであってもよい。この場合、クラッチ負荷作用要素は、クラッチに直接作用する作動装置の要素を意味すると理解されることが好ましい。クラッチ負荷作用要素とともに環状部分が単一片の形態、又は環状部分がクラッチ負荷作用要素に固定された形態を採ることにより、環状部分をクラッチ負荷作用要素とともに組み立てることができ、また任意で環状部分に設けられたロック要素とともに既に組み立てておくことができ、製作費用を抑えることができる。しかしながら、この代替として、環状部分は可動装置のクラッチ負荷作用要素とは別に形成されてもよく、第2力伝達要素とクラッチ負荷作用要素との間に両者間の力及び/又は移動の伝達を行うための対応動作連結が設けられる。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素は解放位置に事前装填される。ここで、ロック要素は、遠心力作用の下、解放位置に事前装填されることが好ましい。この設計の変形例として、クラッチ装置の動作中、ロック要素に作用する遠心力により、ロック要素を解放位置に押し込む、又は事前装填することができる。これは、ロック要素がロック位置において、解放位置に関してクラッチ装置の径方向内側にオフセットするように配置される実施形態において特に好ましい。しかしながら、代替として、ロック要素は、ばね装置によって解放位置に事前装填することもできる。これは、ロック要素がロック位置において、解放位置に対してクラッチ装置の径方向外側にオフセットするよう配置される実施形態において特に有利である。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、ロック要素の機能を特に信頼性高く、失敗を伴わないで確実に実現するため、このロック要素は球状又はボール形状を備える。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、少なくとも2つのロック要素が設けられる。ここで、既に指摘のとおり、少なくとも3つのロック要素が設けられることが有利である。本実施形態において、少なくとも2つのロック要素は、ロック要素を解放位置に事前装填するばね装置のばね要素によって互いに環状形態に連結されることが好ましい。ここで、このばね要素は、結果として、ロック要素が解放位置に向かって径方向内側に事前装填されるようにクラッチ装置の径方向内側にロック要素を事前装填する引張ばね及び/又は螺旋ばねによって形成されることが特に好ましい。既に指摘のとおり、ロック要素がそのロック位置において、解放位置に関して径方向外側にオフセットされるよう配置されるクラッチ装置の実施形態において特に好都合である。
本発明のさらに特に好適な実施形態において、クラッチ及び/又は力伝達要素のロック要素領域における磨耗と、これに関連して発生する閉鎖位置又は開放位置における作動装置の閉鎖力又は解放力の低減に対処するため、クラッチ装置は磨耗補償装置を有する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに有利な実施形態において、磨耗補償装置は、磨耗補償を実現するために弾性変形することができ、且つ/又は、ロック要素のロック位置において弾性変形する。
本発明に係るクラッチ装置のさらに好適な実施形態において、磨耗補償装置は、ロック要素とクラッチとの間の力伝達経路内に配置される。ここで、磨耗補償装置は、弾性変形可能で、弾力があり、且つ/又は、プレートばねとして形成された作動装置のクラッチ負荷作用要素によって形成されることが有利であることも分かった。既に指摘のとおり、クラッチ負荷作用要素は、例えば、第2力伝達要素に対して動作可能に連結される接合プレート又は遊離プレートであってもよく、この設計の変形例において、第2力伝達要素は作動装置のクラッチ負荷作用要素とは別に形成されることが好ましい。
以降、一例としての実施形態に基づき、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図中、
図1は、作動装置が開放位置にあり、ロック要素が解放位置にある本発明に係るクラッチ装置の一実施形態の部分側面図である。 図2は、ロック要素の領域における図1の詳細を拡大して示している。 図3は、作動装置が閉鎖位置にあり、ロック要素が解放位置にある作動装置とともに図1のクラッチ装置を示している。 図4は、ロック要素の領域における図3の詳細を拡大して示している。 図5は、作動装置が閉鎖位置にあり、ロック要素がロック位置にあり、第1力伝達要素が保持位置にある図1及び図3のクラッチ装置を示している。 図6は、ロック要素の領域における図5の詳細を拡大して示している。
図1は、本発明に係るクラッチ装置2の一実施形態を示している。クラッチ装置2の互いに反対の軸方向4及び6、互いに反対の径方向8及び10、互いに反対の周方向12及び14は、対応する矢印に基づいて示されており、クラッチ装置2の回転軸16は軸方向4及び6に延びている。
クラッチ装置2は、少なくとも1つのクラッチ18を有しており、図1では、単に、内側プレート及び外側プレートからなるプレートパックに基づいて示されている。クラッチ18は、クラッチハウジング22に包囲された湿潤チャンバ20内に配置される。このように同図に示されるクラッチ18は、湿式稼動クラッチ18であり、より正確には湿式稼動マルチプレートクラッチである。クラッチ18は、油圧式作動装置であり、クラッチ18の作動を行うよう機能し、以下により詳細に説明する作動装置24に割り当てられる。作動装置24は、図1に示す、クラッチ18が開放する開放位置から、図5に示す、クラッチ18が閉鎖される閉鎖位置へと移動することができ、クラッチ18のプレートパックのプレートはともに、摩擦接合を実現するため、軸方向4及び6に押圧される。同図に示されるクラッチ18は、常時開放クラッチ18であり、図1に示す、作動装置24を開放位置に回復移動する回復要素は図示されていない。この種の回復要素は、例えば、回復ばね、螺旋ばね、又はプレートばねの形態とすることができる。
作動装置24は、軸方向4及び6に変位可能であり、この場合、周方向12及び14に取り囲む環状ピストンの形態である作動ピストン26を有する。作動ピストン26は、作動ピストン26を軸方向4に変位させ、作動装置24を介してクラッチ18に作動力を伝達するために、加圧油の充填が可能な環状圧力チャンバ28に割り当てられる。図示の実施形態において、圧力チャンバ28は、軸方向4及び6に延び、クラッチハウジング22とともに1片として形成された筒状支持要素30により、径方向10の内側に区切られている。圧力チャンバ28は、軸方向6において、クラッチハウジング22の径方向部分32によって区切られ、クラッチハウジング22の軸方向部分34によって径方向8の外側に区切られている。
作動ピストン26には、軸方向4において、作動装置24の第1力伝達要素36が後続し、また図示の実施形態では、第1力伝達要素36が作動ピストン26とともに1片として形成されている。しかしながら、第1力伝達要素36は同様に、ダッシュ線で示すとおり、作動ピストン26とは別に形成されてもよい。周方向12及び14に取り囲む形態の自由空間38が、径方向8及び10において第1力伝達要素36と支持要素30との間に形成される。
自由空間38内において、周方向12及び14に取り囲む形態の環状部分として形成された第2力伝達要素40が延び、この環状部分は筒状とも言える。環状部分によって形成された第2力伝達要素40において、周方向12及び14に分布した複数の切り欠き部42が設けられ、この切り欠き部42は、周方向12及び14において互いに均一に離間し、径方向8及び10に延びるように形成される。各切り欠き部42において、可動ロック要素44が設けられ、図示の実施形態では、ロック要素44は球状又はボール形状である。ロック要素44は、作動装置24の位置に応じて、ロック要素44が径方向8及び10に移動可能となるように、切り欠き部42に合致される。ロック要素44については、以下でさらに詳細に検討する。
作動装置24の力伝達経路において、第2力伝達要素40にはクラッチ負荷作用要素46が後続する。環状部分で形成される第2力伝達要素は、代わりに、クラッチ負荷作用要素46に固定することもできるが、図面から見て取れるとおり、第2力伝達要素40を形成する環状部分は、作動装置24のクラッチ負荷作用要素46とともに1片として形成される。さらなる代替として、環状部分で形成される第2力伝達要素40は、図2においてダッシュ線で示されるとおり、クラッチ負荷作用要素46とは別に形成されてもよい。クラッチ負荷作用要素46は、作動装置24の作動力をクラッチ18に及ばせるよう機能し、クラッチ負荷作用要素46は、径方向8に延びる径方向部分48と、径方向8の外側に向かって径方向部分48に隣接し、軸方向4に延びる軸方向部分50とを有する。ここで、軸方向部分50は、周方向12及び14において互いに離間した複数の作動フィンガー52によって形成され、この作動フィンガーは、作動装置24が図5の閉鎖位置に移動する際、自由端によってクラッチ18のプレートパックを押圧するために、軸方向4に突出している。
作動ピストン26、第1力伝達要素36、第1力伝達要素36と第2力伝達要素40との間に配置されたロック要素44、第2力伝達要素40、及びクラッチ負荷作用要素46は、互いに反対の移動方向54及び56において支持要素30に対して移動可能であり、図示の実施形態において、移動方向54及び56は軸方向4及び6に対応する。移動方向54及び56に関して、支持要素30は第1支持部58を有し、第1支持部には、移動方向54において、第2支持部60が後続する。第1支持部58の領域において、径方向8の外側を向き、作動装置24に対向する外側62は、周方向12及び14に取り囲む形態の円筒面である。周方向12及び14に取り囲む形態の凹部64は、第2支持部60の領域において、支持要素30の外側62に形成されるため、この凹部は、溝状凹部64と称することができる。しかしながら、代わりに、各ケースにおける各凹部64をロック要素44の各々に設けることもできるであろう。
作動ピストン26とともに1片として形成された第1力伝達要素36は、移動方向54及び56に関して、第1保持部66と、移動方向54において第1保持部66に後続する第2保持部68とを有する。径方向10の内側を向き、自由空間38に対向する第1力伝達要素36の内側70は、移動方向54及び56と周方向12及び14において円筒形状に延びる。凹部72は、第1力伝達要素36の内側70において、第2保持部68の領域に設けられ、凹部64と同様に周方向12及び14を取り囲む形態であってもよく、従って溝のように形成されてもよい。同様に代替として、複数の個別凹部72を第1力伝達要素36の内側70において第2保持部68の領域に設けることもでき、この凹部は各ケースにおいてロック要素44の1つに割り当てられる。凹部72の基部は、少なくとも部分的に斜面74のように設けられる。ここで、斜面74は、円弧状の輪郭を備えた斜面部76を有する。
クラッチ装置2の機能及びそのさらなる特徴を、以下に、図1〜6を参照してさらに詳細に説明する。
図1及び図2によると、図示の常時開放クラッチ18の場合、作動装置24は開放位置に定められ、この開放位置は、作動装置24の初期位置と称されてもよい。作動装置24の初期位置において開放されていたクラッチ18を閉鎖するため、作動ピストン26を移動方向54に変位するように、圧力チャンバ28内の圧力を上げる。結果として移動方向54に作用する力を第1力伝達要素36に伝達する。図1及び図2に示す作動装置24の開放位置において、ロック要素44は解放位置に定められる。
解放位置において、ロック要素44は、ロック要素44が径方向10に関して解放位置に保たれるように、第1支持部58の領域において第1支持要素30の外側62で径方向10の内側に支持され得る、又は支持される。ロック要素44は、径方向8の外側に向かって、第1力伝達要素36の凹部72内に突き出る程度に第2力伝達要素40を越えて突出している。結果として、第1力伝達要素36は、解放位置におけるロック要素44を介して、移動方向54において、第2力伝達要素40に支持され得るか、又は支持され、第2力伝達要素40は、解放位置におけるロック要素44を介して、移動方向56において、第1力伝達要素36に支持され得るか、又は支持される。より正確にいうと、これは、第1力伝達要素36に関して、ロック要素44が解放位置にあると、移動方向56において斜面74の斜面部76に支持され得るか、又は支持されるケースであり、斜面部76及びロック要素44は、ここに面的支持又は線的支持を作りだすように設計されることが好ましい。ロック要素44の解放位置において、作動ピストン26又は第1力伝達要素36の移動方向54における移動は、結果として、ロック要素44を介して第2力伝達要素40に伝達され、さらにはクラッチ負荷作用要素46に伝達され、作動装置24のこれらの移動要素がともに図3〜図6示す閉鎖位置まで移動方向54に移動するようにする。
このプロセスの際、作動装置24が図3及び図4に示す閉鎖位置に達すると、ロック要素44は支持要素30の第2支持部60の領域に入り込む。結果として、ロック要素44はもはや、径方向10に関して支持要素30の第1支持部58の外側62に支持され得る、又は支持されることがなくなり、ロック要素44はもはや、その解放位置に保たれることがなくなる。圧縮チャンバ28内の圧力がさらに維持されると、作動ピストン26又は第1力伝達要素36が移動方向54に変位又は移動し、ロック要素44を第2力伝達要素40又はクラッチ負荷作用要素46に対して径方向10の内側に変位させる効果をもたらす。結果として、図1〜4に示す解放位置から進行させること、つまり第1力伝達要素36を移動方向54に移動させることにより、ロック要素44を、第2力伝達要素40に対して径方向10の内側に向かって第2支持部60の凹部64内へ、引いては図5及び図6に示すロック位置内へと移動又は変位させる。ここで、上述の斜面74により、解放位置からロック位置へのロック要素44の変位を容易にする。第1力伝達要素36は、第2力伝達要素40に対して、図5及び図6に示す保持位置を想定した程度に変位される。
ロック要素44のロック位置において、第2力伝達要素40及び引いてはクラッチ負荷作用要素46が、移動方向56においてロック要素44を介して支持要素30に支持され得る、又は支持され、2つの力伝達要素36及び40が移動方向54及び56に対して互いに分離され、つまり移動方向56においてクラッチ負荷作用要素46及び/又は第2力伝達要素40に作用する回復力が、好ましくは支持要素30を介して、しかしながら第1力伝達要素36又は作動ピストン26を介すことなく、若しくは第1力伝達要素36又は作動ピストン26を完全には介すことなく支持される。これは、ロック要素44がそのロック位置にあるとき、第1力伝達要素36の凹部72内に向かって径方向8に突出していないこと、或いは、図5及び6に示す保持位置において、第1力伝達要素36がロック要素44に対して、第1力伝達要素36の第1保持部66の内側70において径方向8に、ロック要素44をそのロック位置に保つように支持し得る、又は支持するように配置されることにより達成される。図示の実施形態において、ロック要素44は、移動方向54及び56に直交する第1保持部66の内側70に支持され得る、又は支持されることにより、移動方向56においてロック要素44を介して第1力伝達要素36に支持力を及ばせないように、または最大でもごく僅かな支持力しか及ばせないようにする。
以上の説明より、図5及び図6に示す作動装置24は、閉鎖位置において形態合致動作でロック可能であることが明らかである。ここで、作動装置24は、作動装置24が閉鎖位置に移動した結果として自動的にロックされる。最も正確には、ここ述べるのは、ロック要素44のロック位置において、第2力伝達要素40がクラッチ負荷作用要素46とともに移動方向56においてロック要素44を介して支持要素30上に支持され、引いてはロックされ、第1力伝達要素36及びこれに連結された作動ピストン26が第2力伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46から分離し、第2力伝達要素40がロック要素44とクラッチ18との間の力伝達経路内に配置されるケースである。以上の説明より、ロック要素44は、ロック要素44を移動させるために追加の作動装置を要することなく、圧力チャンバ28内の圧力で作動装置24により課し得る、又は課す作動力を排他的に用いることにより、図1〜4に示す解放位置からロック位置へと移動することができることも明白である。
特にクラッチ18の閉鎖力が第2力伝達要素40及び引いてはクラッチ負荷作用要素46のロックの結果として維持されるため、第1力伝達要素36及び第2力伝達要素40の分離により、圧力チャンバ28内の圧力はもはや維持される必要がなくなり、若しくは完全に維持される必要はなくなる。しかしながら、作動ピストン26とこれに連結された第1力伝達要素36に残留した力は依然として、第1力伝達要素36を図5及び6に示すその保持位置に保持するために、移動方向54に維持されなければならない。これは、図面から明白であるとおり、本例では例えばプレートばね等のばね要素である回復要素78が、第1力伝達要素36を保持位置から回復移動させるために設けられるため、なおさらに当てはまる。回復要素78により、第1力伝達要素36は、第2力伝達要素40に対して、回復要素78の回復力に反して図5及び図6に示す保持位置内へと移動される。図示の実施形態において、回復要素78は、各移動方向54及び56において、一方ではクラッチ負荷作用要素46に支持され、他方では第1力伝達要素36又は作動ピストン26に支持される。作動装置24を図1及び図2に示すその開放位置に戻したい場合、作動ピストン26に課された残りの力を圧力チャンバ28内の圧力をさらに低下させることによって低減させればよく、これによって回復要素78が第1力伝達要素36の移動方向56における図3及び図4に示す位置への回復移動をもたらすようにする。
図示の実施形態において、ロック要素44は、遠心力作用の下、解放位置内へ径方向8の外側に事前装填され、これによってロック要素44は、図3及び4に示す解放位置へと入り込むため、遠心力の作用の下、径方向8の外側に移動するようにする。しかしながら、代替又は追加として、ロック要素44を解放位置に事前装填するためにばね装置を設けることができ、この種のばね装置は、例えば、径方向8の外側に向かってロック要素44に作用するように凹部64内に設けられてもよい。この解放位置に達すると、クラッチ負荷作用要素46に作用する上述の回復要素(図示せず)は、クラッチ負荷作用要素46、第2力伝達要素40、第1力伝達要素36、及び作動ピストン26が図1及び図2に示す位置へと移動方向56に沿って戻る効果をもたらし、解放位置におけるロック要素44により、移動結合が再び実現される。
図1〜図6を参照して上述した実施形態に対する有利な追加又は変更をいくつか以下に説明するが、他の点においては以上の説明が対応して当てはまるものとする。
上述の斜面74は、上述の円弧状の輪郭を備えた第1斜面部76のみを有する。ロック要素44の解放位置からロック位置への変位を容易にするため、斜面74はさらに、軸方向6又は移動方向56において第1斜面部76に後続し、直線状の輪郭、又は円弧輪郭から外れた輪郭を有し、ロック要素44が、適切な場合、線状又は点状に支持され得る、又は支持される、ロック要素44が解放位置からロック位置へと移動又は変位可能となる第2斜面部を有することができる。
上述のクラッチ装置2のさらに有利な変形例として、磨耗補償装置が設けられる。磨耗補償装置は、ロック要素44とクラッチ18との間の力伝達経路に配置されることが好ましい。これは、第1力伝達要素36の特に斜面74や、第2力伝達要素40の特に切り欠き部42の縁部や、ロック要素44自体、及び/又は、クラッチ18に磨耗が発生したとしても、略一定の閉鎖力がクラッチ18に確実に働くように意図されたものである。磨耗補償装置は、磨耗補償を実現するために弾性変形可能であることが好ましく、図5及び図6に示すように、ロック要素44のロック位置において弾性変形される。従って、第2伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46が互いに別々に形成された場合、この種の磨耗補償装置は、例えば、第2力伝達要素40とクラッチ負荷作用要素46との間で弾性変形可能又は弾力性の要素によって形成することができる。ここで、磨耗補償装置は、クラッチ負荷作用装置46自体によって形成されることが有利であることが分かっており、この目的のため、クラッチ負荷作用装置46は移動方向54及び56又は軸方向4及び6に弾性変形可能又は弾力を有するように設計される。従って、クラッチ負荷作用要素46は、例えば、径方向部分48の領域において弾性変形可能または弾力を有する形態とすることができるであろう。ここで、クラッチ負荷作用要素46、また適切な場合、その径方向部分48は、プレートばねとして形成することが特に有利であることが分かっており、この場合、第2力伝達要素40及びクラッチ負荷作用要素46は互いに別々に形成されることが同じく好ましい。
図1〜図6に示す上述の実施形態において、ロック要素44は解放位置にあると、そのロック位置に関して径方向8の外側にオフセットされる。しかしながら、さらに有利な変形例によると、作動装置24は、ロック要素44が解放位置にあると、そのロック位置に関して径方向内側にオフセットするように設計されてもよく、これによってロック要素44が解放位置からロック位置へと移行するには、径方向8の外側にオフセットしなければならない。またこれに対応して、第2力伝達要素40が間に定められた状態で、支持要素30が径方向8の外側において力伝達要素36を包囲する必要が出てくるであろう。しかしながら、ここで、ロック要素44が、遠心力作用の下、解放位置でなくロック位置に装填充填されてしまうリスクがある。これに対処し、なおロック要素44を径方向1のさらに内側に定められた解放位置へと事前装填するため、ロック要素44を径方向10の内側に事前装填するために既に述べたばね要素が設けられることが好ましい。これを特に簡易な方法で達成するために、ばね装置のばね要素、特に好ましくは引張ばね及び/又は螺旋ばねによって少なくとも2つのロック要素44を互いに環状に連結することで、このばね力により、ロック要素44を径方向10の内側に事前装填し、引いてはロック要素44を解放位置内へと事前装填する。
2 クラッチ装置
4 軸方向
6 軸方向
8 径方向
10 径方向
12 周方向
14 周方向
16 回転軸
18 クラッチ
20 湿潤チャンバ
22 クラッチハウジング
24 作動装置
26 作動ピストン
28 圧力チャンバ
30 支持要素
32 径方向部分
34 軸方向部分
36 第1力伝達要素
38 自由空間
40 第2力伝達要素
42 切り欠き部
44 ロック要素
46 クラッチ負荷作用要素
48 径方向部分
50 軸方向部分
52 作動フィンガー
54 移動方向
56 移動方向
58 第1支持部
60 第2支持部
62 外側
64 凹部
66 第1保持部
68 第2保持部
70 内側
72 凹部
74 斜面
76 斜面部
78 回復要素

Claims (11)

  1. 少なくとも1つのクラッチ(18)、特に複数のクラッチと、前記クラッチ(18)を作動し、前記クラッチ(18)が開放される開放位置から前記クラッチ(18)が閉鎖される閉鎖位置に移動可能な作動装置(24)、特に油圧式作動装置(24)とを有するクラッチ装置(2)であって、
    前記作動装置(24)は、前記閉鎖位置又は前記開放位置において、形態合致動作でロック可能であるクラッチ装置(2)。
  2. 前記作動装置(24)は、作動装置(24)が前記閉鎖位置又は前記開放位置に移動した結果として自動的にロック可能である請求項1に記載のクラッチ装置(2)。
  3. 前記作動装置(24)は、解放位置から前記作動装置(24)がロックされるロック位置へと移動可能な少なくとも1つの可動ロック要素(44)に割り当てられ、
    前記ロック要素(44)は、前記作動装置(24)によって課し得る、又は課す駆動力によって、前記解放位置から前記ロック位置へと移動可能であることが好ましい請求項1及び2のいずれか一項に記載のクラッチ装置(2)。
  4. 前記ロック要素(44)は、前記作動装置(24)の第1力伝達要素(36)と第2力伝達要素(40)との間に配置され、
    前記力伝達要素は、移動方向(54、56)に移動可能であり、これは、前記ロック要素(44)の前記解放位置において、前記力伝達要素(36、40)が前記ロック要素(44)を介して前記移動方向(54、56)に互いに支持され得る、又は支持されるケース、及び/又は、前記ロック要素(44)の前記ロック位置において、前記力伝達要素(36、40)が前記移動方向(54、56)に関して互いに分離されるケースであることが好ましい請求項3に記載のクラッチ装置(2)。
  5. 前記ロック要素(44)の前記ロック位置において、前記第1力伝達要素(36)は、前記第2力伝達要素(40)に対して、前記ロック要素(44)がそのロック位置に保たれた状態で、前記移動方向(54、56)に直交することが好ましい前記第1力伝達要素(36)に対して、且つ/又は、前記移動方向(54、56)において前記第1力伝達要素(36)に作用する支持力を生成しないで支持され得る、又は支持される保持位置へと移動可能であり、
    前記第1力伝達要素(36)は、前記第2力伝達要素(40)に対して、回復要素(78)の回復力に反して前記保持位置へと移動可能であることが特に好ましい請求項4に記載のクラッチ装置(2)。
  6. 前記第1力伝達要素(36)及び前記第2力伝達要素(40)は、支持要素(30)に対して前記移動方向(54、56)に移動可能であり、これは、前記ロック要素(44)の前記ロック位置において、前記ロック要素(44)と前記クラッチ(18)との間の力伝達経路に配置されることが特に好ましい前記第2力伝達要素(40)が、前記ロック要素(44)を介して前記移動方向(54、56)において前記支持要素(30)に支持され得るか、又は支持されるケースであることが好ましい請求項4及び5のいずれか一項に記載のクラッチ装置(2)。
  7. 前記支持要素(30)は、前記移動方向(54、56)に関して、前記ロック要素(44)がその開放位置に保たれるように支持され得る第1支持部(58)と、前記ロック要素(44)が前記ロック位置へ達するように入り込み得る少なくとも1つの凹部(64)を備えた第2支持部(60)とを有し、
    前記ロック要素(44)は、前記第2支持部(60)の領域内にあるとき、好ましくは前記第1力伝達要素(36)の前記第2力伝達要素(40)に対する前記移動方向(54)への移動の結果として、前記凹部(64)内に移動することができる請求項6に記載のクラッチ装置(2)。
  8. 前記ロック要素(44)を前記解放位置から前記ロック位置へと変位させる斜面(74)が前記第1力伝達要素(36)に設けられ、
    前記斜面(74)は、任意で円弧状の輪郭を有し、前記ロック要素(44)が前記開放位置にあると、適切な場合、面的又は線的に前記移動方向(56)に支持され得る、又は支持される第1斜面部(76)を有することが好ましく、前記第1斜面部(76)に後続し、任意で直線状の輪郭、又は円弧輪郭から外れた輪郭を有し、前記ロック要素(44)が、適切な場合、線状又は点状に支持され得る、又は支持され、前記ロック要素(44)が前記解放位置から前記ロック位置へと移動可能である第2斜面部を有することが特に好ましい請求項4〜7のいずれか一項に記載のクラッチ装置(2)。
  9. 前記第2力伝達要素(40)は、ロック要素(44)が、周方向(12、14)において互いに離間するように、また任意で径方向(8、10)に移動可能となるように受容される少なくとも2つの切り欠き部(42)を備えた環状部分を有し、
    前記環状部分は、前記作動装置(24)のクラッチ負荷作用要素(46)とともに1片として形成されるか、又は前記クラッチ負荷作用要素(46)に固定されるか、又は前記作動装置(24)の前記クラッチ負荷作用要素(46)とは別に形成されることが好ましい請求項4〜8に記載のクラッチ装置(2)。
  10. 前記ロック要素(44)は、遠心力作用の下、又はばね装置により、開放位置に事前装填され、且つ/又は、球状又はボール形状を有し、且つ/又は、前記ばね装置のばね要素、特に好ましくは引張ばね又は螺旋ばねによって互いに環状に連結されることが好ましい少なくとも2つのロック要素(44)が設けられる請求項3〜9のいずれか一項に記載のクラッチ装置(2)。
  11. 前記力伝達要素(36、40)及び/又は前記クラッチ(18)において、前記ロック要素(44)の磨耗を補償する磨耗補償装置が設けられ、
    前記磨耗補償装置は、前記ロック要素(44)と前記クラッチ要素(18)との間の力伝達経路に配置され、磨耗補償を実現するために弾性変形可能であり、且つ/又は、前記ロック要素(44)の前記ロック位置において弾性変形されることが好ましく、
    前記磨耗補償装置は、弾性変形可能で、弾力があり、且つ/又は、プレートばねとして形成された前記作動装置(24)のクラッチ負荷作用要素(46)によって形成されることが特に好ましい請求項3〜10のいずれか一項に記載のクラッチ装置(2)。
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