JP2016519132A - アンジオテンシンペプチドによる眼外傷の修復促進 - Google Patents

アンジオテンシンペプチドによる眼外傷の修復促進 Download PDF

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Abstract

1または複数のアンジオテンシンペプチドを、眼外傷を有する対象に投与することによる眼外傷を治療する方法を本明細書に開示する。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2013年4月30日出願の米国特許仮出願第61/817596号 および2014年2月12日出願の同第61/938851号の優先権を主張し、それぞれの全体を参照により本明細書に組み込む。
眼外傷は、外科的処置、化学曝露、外傷、感染症を含む種々の傷害の結果または眼への異物外傷を介して起こり得る。これらの外傷は、治癒するとしても、極めて治りが遅く、外傷が長引くと、感染症や他の細菌汚染が始まり、視力障害または失明を引き起こし得る。
第1の態様において、本発明は、眼外傷を有する対象に、眼外傷を治療するために有効量のアンジオテンシンペプチドを投与することを含む、眼外傷を治療する方法を提供する。一実施形態において、眼外傷は、外傷、光曝露/放射線曝露もしくは化学曝露、疾患または外科的処置に起因する。別の実施形態において、眼外傷は、術後炎症、術後線維症、術後の眼圧上昇、角膜損傷、白内障切開、レーザー角膜切削形成術(LASIK)損傷、ドライアイおよびレーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)損傷からなる群から選択される損傷を含む。
さらなる実施形態において、眼外傷は、角膜上皮、角膜内皮、角膜ボーマン膜、デスメ膜および/または角膜実質の前部の穿通を含む、角膜損傷である。別の実施形態において、角膜外傷は角膜剥離または角膜裂傷を含む。さらなる実施形態において、治療することは、線維症、炎症、浮腫、眼圧の上昇、眼痛、通常と比べて流涙の増加、霧視、光に対する過敏症、視力の変化および眼に何かが刺さっている感じからなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む。別の実施形態において、治療することは、対照と比較して、角膜治癒および/または前房の形成の時間の短縮を含む。
一実施形態において、眼外傷は、ドライアイを含む。別の実施形態では、治療することは、眼への刺激、刺すような痛み、充血、砂が入った感じ、かゆさ、灼熱感、眼脂、何かが目に入っている感じ、涙目および霧視からなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む。
さらなる実施形態において、眼外傷は、眼科手術に起因する。種々の実施形態において、眼科手術は、角膜曲率形成術、レーザー角膜切削形成術(LASIK)、自動角膜層状切除術(ALK)、レーザー角膜上皮切除術(LASEK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)、レーザー熱角膜形成術(LTK)、伝導式角膜形成術(CK)、角膜輪部減張切開術(LRI)、乱視矯正角膜切開術(AK)、放射状角膜切開術(RK)、ミニ非対称放射状角膜切開術(M.A.R.K.)、六角形角膜切開術(HK)、インプランタブル・コンタクトレンズ、老視回復術、強膜放射状切開術(ACS)、老視のレーザー回復術(LRP)、強膜拡張バンド術、Kamraインレー、強膜補強手術、角膜移植手術、全層角膜移植術(PK)、人工角膜移植術(Kpro)、白内障手術、眼内レンズの挿入、治療的レーザー角膜切除術(PTK)、翼状片切除術、角膜刺青、硝子体切除術、汎網膜光凝固術(PRP)、網膜剥離修復、レーザー光凝固術、気体網膜復位術、網膜冷凍凝固術、黄斑円孔修復、部分的層状強膜切除術、部分的層状強膜毛様体脈絡膜切除術、部分的層状強膜脈絡膜切除術、後強膜切開術、放射状視神経乳頭切開術、黄斑移動術、眼筋手術、眼形成手術および白内障、緑内障と糖尿病網膜症を治療する手術からなる群から選択される。
別の実施形態において、治療することは、術後線維症、術後炎症、術後の眼圧の上昇、裂傷、眼脂、穿刺、眼痛、通常と比べて流涙の増加、霧視、光に対する過敏症、視力の変化、および眼に何かが刺さっている感じからなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む。
一実施形態において、アンジオオテンシンペプチドは、Nle3−A(1−7)[配列番号14]を含む、またはからなる。別の実施形態においては、アンジオテンシンペプチドは、重量(mg)/体積(mL)もしくは重量/重量(mg)に基づいて、約0.01%〜約1%の濃度で、または重量(mg)/体積(mL)もしくは重量/重量(mg)に基づいて、約0.03%〜約0.3%の濃度で投与される。さらなる実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、局所製剤で投与される。種々の実施形態において、局所製剤は、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される。別の実施形態において、製剤は、保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ(patched eye)、圧迫眼帯、および眼球保護帯からなる群から選択される送達補助を介して投与される。さらなる実施形態において、局所製剤は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%(もしくは約1%〜約3%)のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む。
さらなる実施形態において、本方法は、眼外傷を治療するために、人工涙液、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌薬、鎮痛剤および抗炎症薬からなる群から選択される活性薬剤の有効量を対象に投与することをさらに含む。
第2の態様において、本発明は、
(a)アンジオテンシンペプチドと;
(b)人工涙液、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌薬、鎮痛剤および抗炎症薬からなる群から選択される活性薬剤と;
(c)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、活性薬剤は人工涙液を含む。別の実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、Nle3 A(1−7)[配列番号14]を含む。さらなる実施形態において、アンギジテンシンペプチドは、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.01%〜約1%(もしく約0.03%〜約0.3%)の濃度で投与される。
別の実施形態において、医薬組成物は局所製剤として提供される。一実施形態において、局所製剤は、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される。さらなる実施形態において、局所製剤は、保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ、圧迫眼帯、および眼球保護帯からなる群から選択される送達補助上で供給される。別の実施形態において、局所製剤は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%(もしくは約1%〜約3%)のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む。
角膜切開部位のヘマトキシリンエオジン染色画像であり、Nle3−A(1−7)を用いた有効な治療により、溶媒対照(パネルB)と比較して、線維症が減少し、正常化した構造を示す(パネルC)。切開しない対照をパネルAに示す。 共焦点顕微鏡画像であり、毎日の治療から1ヵ月後の溶媒群で見られた粗くて規則性のない配列と比較して、2つのNle3−A(1−7)処置群において角膜創傷近傍のコラーゲンの角膜実質ラメラの規則的な配列を示す。
本明細書で用いる場合、単数形「一つ(a)」、「一つ(an)」および「それ(the)」は、文脈上明らかに別の意味を示していると判断されない限り、複数の指示物を含む。本明細書で用いる場合、「および」は、明示的に別段の定めをしている場合を除き、「または」と同義で用いる。
本発明の異なる態様内および態様間のすべての実施形態は、文脈上明らかに別の意味を示していると判断されない限り、組み合わせることができる。
本明細書で用いる場合、「約」という用語は、適切な測定値または単位の±5%を意味する。
第1の態様において、本発明は、眼外傷を有する対象に、眼外傷を治療するために有効量のアンジオテンシンペプチドを投与することを含む、眼外傷を治療する方法を提供する。
本発明者らは、わずかな角膜混濁で、または角膜混濁をもたらすことなく眼外傷を治癒するために、アンジオテンシンペプチド(以下に定義される)を用いて、種々の眼外傷を治療することができることを発見した。現在、眼への外傷を閉じるためには、開発中の唯一の様式は、縫合、粘着剤または接着剤である。デバイスが取り外されると、これらは、治癒を促進することはなく、もはや効果的でない。
本発明者らは、いずれの作用機構に束縛されることなく、本発明の方法は眼外傷の無血管性治癒を促進すると考える。これは、組織損傷の治癒が常に血管治癒過程(すなわち、赤血球および白血球ならびに内皮チャネルまたは血管チャネルによって媒介される)を伴っていたので、当業者にとって予想外である。本発明の方法は、血管新生または視覚の歪みをもたらすことなく眼治癒を促進し、炎症および浮腫を減少させる。
対象は、ヒトまたは他の霊長類、ヤギ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ブタおよび他の哺乳動物を含むがこれらに限定されない、眼外傷を患ういずれの対象であり得る。
本明細書で用いる場合、「眼外傷」とは、視力の低下または角膜混濁、炎症および/または治癒の遅れをもたらし得る眼への損傷を生じる眼へのいずれかの外傷である。本方法は、眼組織の裂傷、眼組織の穿通、術後炎症、術後線維症、術後の眼圧増加、角膜損傷、白内障切開、角膜混濁、レーザー角膜切削形成術(LASIK)損傷、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)損傷、放射線もしくは化学曝露、角膜移植、ドライアイまたは眼感染症を含むがこれらに限定されない、任意のそのような眼外傷で用いることができる。
眼外傷は、外科的処置、外傷(大気中の砂、ガラス、木材、砂、ほこり、軍の発射体、金属、石または他の物質;野球ボール、テニスボール、拳、バスケットボール、爆竹などの高速物体)、化学曝露もしくは放射線曝露、感染症、潰瘍形成、乾性角結膜炎(KCS)、疾患、自己免疫障害、加齢および/または炎症を含むが、これらに限定されないいずれの手段によって起こり得る。
別の実施形態において、眼外傷は角膜損傷を含む。本明細書で用いる場合、「角膜損傷」とは、角膜に対するいずれの損傷も意味する。角膜は、眼の前面を覆っている透明な組織である。網膜上に像の焦点を合わせるために、角膜は眼のレンズとともに機能する。角膜上皮、角膜ボーマン膜、角膜内皮、デスメ膜および/または角膜実質の前部の穿通を含む角膜損傷が挙げられるが、これらに限定されない、どのような角膜損傷も本発明の方法によって治療することができる。角膜治癒は、保護上皮を再構築させるためだけでなく、角膜透明性および明視の回復のためにも重要である。角膜治癒反応は、損傷の種類、大きさと程度;損傷因子の性質;眼の状態;および対象の全身状態を含む、種々の要因に左右される。最も一般的な角膜損傷は、切開と切除ならびに剥離を含む上皮の表層穿通、ボーマン膜および角膜実質の前部の表層穿通が挙げられる。表層角膜欠損は、ジストロフィー、神経栄養疾患、中毒疾患、または細菌性、真菌性もしくはウイルス性感染性角膜炎などの外傷または疾患と関連し得るが、上皮デブリードマン、治療的レーザー角膜切除術、レーザー屈折矯正角膜切除術またはレーザー角膜切削形成術などの外科的処置の結果として生じることもあり得る。その露出した部位と薄さのため、角膜表面損傷は最も一般的な眼部の病訴であり、再発性びらんが、表面損傷の患者ならびに角膜縁に位置する幹細胞に変異を有する個人の亜集団において発症する。
別の例示的な実施形態において、角膜損傷は角膜剥離または角膜裂傷を含む。角膜剥離または裂傷は、化学的刺激、コンタクトレンズの過剰使用もしくは眼に合っていないコンタクトレンズの使用、引っ掻き傷、眼内の異物、感染症、または光に起因する角膜剥離(太陽光線、太陽灯、雪または水面反射の日差し、アーク溶接など)が挙げられるがこれらに限定されないいかなる原因から生じ得る。
角膜外傷は、外科的処置の結果として、または眼への異物外傷によって起こり得る。これらの外傷は、治癒するとしても、極めて治りが遅く、外傷が長引くと、感染症や他の細菌汚染が始まり、視力低下および/または失明を引き起こし得る。
一実施形態において、眼外傷は、眼科手術に起因する。本方法を用いて、眼科手術から生じる眼外傷を治療することができ、眼科手術としては、屈折手術(角膜曲率形成術、レーザー角膜切削形成術(LASIK)、自動角膜層状切除術(ALK)、レーザー角膜上皮切除術(LASEK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)、レーザー熱角膜形成術(LTK)、伝導式角膜形成術(CK)、角膜輪部減張切開術(LRI)、乱視矯正角膜切開術(AK)、放射状角膜切開術(RK)、ミニ非対称放射状角膜切開術(M.A.R.K.)、六角形角膜切開術(HK)、インプランタブル・コンタクトレンズ、老視回復術、強膜放射状切開術(ACS)、老視のレーザー回復術(LRP)、強膜拡張バンド術、Kamraインレー、および強膜補強手術が挙げられるがこれらに限定されない);角膜手術(上記の屈折手術と角膜移植手術、全層角膜移植術(PK)、人工角膜移植術(Kpro)、白内障手術、眼内レンズの挿入、治療的レーザー角膜切除術(PTK)、翼状片切除術、および角膜刺青が挙げられるがこれらに限定されない);硝子体網膜手術(硝子体切除術、汎網膜光凝固術(PRP)、網膜剥離修復、レーザー光凝固術、気体網膜復位術、網膜冷凍凝固術、黄斑円孔修復、部分的層状強膜切除術、部分的層状強膜毛様体脈絡膜切除術、部分的層状強膜脈絡膜切除術、後強膜切開術、放射状視神経乳頭切開術、および黄斑移動術が挙げられるがこれらに限定されない);眼筋手術、眼形成手術および白内障、緑内障と糖尿病網膜症を治療する手術が挙げられるがこれらに限定されない。
別の実施形態において、眼外傷はドライアイである。ドライアイのある人は、チカチカ痛む、突き刺すように痛む、充血、ゴロゴロする、かゆみ、または焼けるような痛み、何かが目に入っている感じ、涙目および霧視を経験することもあろう。治療しないまま放置すると、この状態は角膜の痛み、潰瘍または瘢痕をもたらし得る。ドライアイは、細菌感染症または炎症を起こしやすいこともある。ドライアイが進行すると、眼の前面に損傷を与え、視力を低下させることもある。種々の実施形態において、ドライアイは、外科手術の結果、乾性角結膜炎(KCS)、自己免疫疾患、加齢および/または炎症および/または涙を適切に生成することができない、または涙が適切な濃度でなく、すぐに蒸発する場合に起こり得る。
一実施形態において、本発明で用いるアンジオテンシンペプチドは、一般式I:
−R−R−R−R−R−R−R[配列番号1]
(式中、Rは、H、Asp、Glu、Asn、Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボン酸)、Ala、MeGly、Pro、Bet、Glu(NH)、Gly、Asp(NH)およびSucからなる群から選択されるか、または存在せず;
は、Arg、Lys、Ala、Cit、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−ArgおよびD−Lysからなる群から選択され;
は、Val、Ala、Leu、norLeu、Ile、Gly、Lys、Pro、Aib、AcpcおよびTyrからなる群から選択され;
は、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、homoSer、azaTyrおよびAlaからなる群から選択され;
は、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValおよびGlyからなる群から選択され;
は、His、Argまたは6−NH−Pheからなる群から選択され;
は、ProまたはAlaからなる群から選択され;および
は、Phe、Phe(Br)、IleおよびTyrからなる群から選択され、および末端Tyr基としてRを含む配列を除く)の配列においてR〜R基のうちの少なくとも4連続するアミノ酸の配列を含む、または該配列からなる。
本発明の実施に有用な例示的なAT2アゴニストとしては、Rがp−NH−Pheであるという制限を前提として、上に記載のAII類似体が挙げられる。
上記の実施形態[配列番号15]の各々のさらなる好適な実施形態において、
は、AspおよびGluからなる群から選択されるか、または存在せず;
は、Arg、LysおよびAlaからなる群から選択され;
は、Val、Ala、Leu、norLeu、Ile、Gly、LysおよびProからなる群から選択され;
は、TyrおよびhomoSerからなる群から選択され;
は、Ile、Ala、Leu、norLeu、ValおよびGlyからなる群から選択され;
は、HisおよびArgからなる群から選択され;
は、ProまたはAlaからなる群から選択され;および
は、Phe、Ileからなる群から選択されるか、または存在しない。
本発明で用いる他のAT2アゴニストとしては、Wallinder,C, 2008.Design,Synthesis,and Biological Evaluation of Selective Nonpeptide AT2 Receptor Agonists and Antagonists.Acta Universitatis Upsaliensis. Digital Comprehensive Summaries of Uppsala Dissertations from the Faculty of Pharmacy 78.96pp.UPPSALA.ISBN 978−91−554−7263−4に開示されるものが挙げられる。
代替実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、一般式Iの配列中のR〜R基のうちの少なくとも5、6、7または8連続するアミノ酸を含む、または該アミノ酸からなる。さらなる代替実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、一般式I配列中のR〜R基の少なくとも4、5、6、7または8連続するアミノ酸から本質的になる。
特に、RおよびRの好ましい組み合わせは、Asp−Arg、Asp−Lys、Glu−ArgおよびGlu−Lysである。特に、この種類の好適な実施形態は、以下を含む:AIIIまたはAII(2−8),Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号2];AII(3−8)、別名des1−AIIIまたはAIV,Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号3];AII(1−7),Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号4];AII(2−7).Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号5];AII(3−7),Val−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号6];AII(5−8),Ile−His−Pro−Phe[配列番号7];AII(1−6),Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His[配列番号8];AII(1−5),Asp−Arg−Val−Tyr−Ile[配列番号9];AII(1−4),Asp−Arg−Val−Tyr[配列番号10];およびAII(1−3),Asp−Arg−Val。他の好適な実施形態は以下を含む:Arg−norLeu−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号11]およびArg−Val−Tyr−norLeu−His−Pro−Phe[配列番号12]。本発明の範囲内に包含されるさらに別の好適な実施形態は、配列Asp−Arg−Pro−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号13]を有するペプチドである。
別の実施形態において、本発明で用いるアンジオテンシンペプチドは、Nle3−A(1−7)の少なくとも5連続のアミノ酸を含む、またはアミノ酸からなる。
Nle3−A(1−7)は、アミノ酸配列Asp−Arg−Nle−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号14]からなるペプチドである。種々のさらなる実施形態において、対象に投与されるペプチドは、Asp−Arg−Nle−Tyr−Ile[配列番号16]、Asp−Arg−Nle−Tyr−Ile−His[配列番号17]、またはAsp−Arg−Nle−Tyr−Ile−His−Pro[配列番号14]であり得る。
他の好適な実施形態は、以下を含む、または以下からなる:
Asp−Arg−Val−Tyr−Val−His−Pro−Phe 配列番号18
Asn−Arg−Val−Tyr−Val−His−Pro−Phe 配列番号19
Ala−Pro−Gly−Asp−Arg−Ile−Tyr−Val−His−Pro−Phe 配列番号20
Glu−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号21
Asp−Lys−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号22
Asp−Arg−Ala−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号23
Asp−Arg−Val−Thr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号24
Asp−Arg−Val−Tyr−Leu−His−Pro−Phe 配列番号25
Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−Arg−Pro−Phe 配列番号26
Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Ala−Phe 配列番号27
Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Tyr 配列番号28
Pro−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号29
Asp−Arg−Pro−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号13
Asp−Arg−Val−Tyr(PO−Ile−His−Pro−Phe 配列番号30
Asp−Arg−norLeu−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号31
Asp−Arg−Val−Tyr−norLeu−His−Pro−Phe 配列番号32
Asp−Arg−Val−homoSer−Tyr−Ile−His−Pro−Phe 配列番号33。
本発明による、特に関心があるアンジオテンシンペプチドの別の種類は、一般式II:
−R−R−R−R−R−R[配列番号34]
(式中、Rは、H、Arg、Lys、Ala、Orn、Citron、Ser(Ac)、Sar、D−ArgおよびD−Lysからなる群から選択され;
〜Rは、上記で定義した通りであり、および
末端Tyr基としてRを含む配列を除く)
のものである。
一般式IIの化合物の特に好ましいサブクラスは、式:
−R−Tyr−R−His−Pro−Phe[配列番号35]
(式中、R、RおよびRは、前述で定義した通りである)
を有する。式Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[配列番号2]のアンジオテンシンIIIが特に好ましい。他の好ましい化合物としては、構造Arg−Val−Tyr−Gly−His−Pro−Phe[配列番号36]およびArg−Val−Tyr−Ala−His−Pro−Phe[配列番号37]を有するペプチドが挙げられる。
上記の式において、アミノ酸残基の標準3文字省略形を使用する。他の残基は、以下の通りに省略する:
表1
アミノ酸のための略語
Figure 2016519132
特に関心がある類似体としては、以下が挙げられる:
表2
アンジオテンシンIIの類似体
Figure 2016519132
他の特に好適な実施形態としては、以下が挙げられる:
Figure 2016519132
別の実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、米国特許出願第20100055146号に開示されているもののいずれであってもよい。この出願全体を参照により本明細書に組み込む。種々の実施形態において、ポリペプチドは以下の通りである:
アンジオテンシンII(Ang(1−8)の4,7−環化類似体、もしくは本明細書に開示されるその類似体のいずれか;
アンジオテンシンIII(Ang(2−8))の4,7−環化類似体、もしくは本明細書に開示されるその類似体のいずれか;
アンジオテンシンIV(Ang(3−8))の4,7−環化類似体、もしくは本明細書に開示されるその類似体のいずれか;または
Ang(1−7)の4,7−環化類似体、もしくは本明細書に開示されるその類似体のいずれか。
別の実施形態において、本方法は、MAS受容体のアゴニストを投与することを含む。MAS受容体の任意の好適なポリペプチドまたは非ポリペプチドアゴニストを用いてもよく、A(1−7)およびその類似体、A779(D−Ala A(1−7);Sigma Chemical Co.から入手可能)、およびAVE0991、(例えば、Pinheiroら,Hypertension,2004 Oct;44(4):490−6,Epub 2004 Aug 23を参照されたい)が挙げられるがこれに限定されない。
本発明で用いるアンジオテンシンペプチドとしては、直鎖状でもよく、国際公開第2008/018792号に記載されているものなど、任意の適切な方法で環化されてもよく、4位と7位の間、または他の位置の間にチオエーテル架橋を含むポリペプチドが挙げられるが、これに限定されない。
アンジオテンシンペプチドは、十分に当業者のレベル範囲内にある、任意の適切な手法を用いて、組換えで発現し得る、または化学的に合成し得る。
本明細書で用いる場合、眼外傷を「治療する」または「治療すること」とは、以下のうちの1つまたは複数を達成することを意味する:(a)眼外傷の重症度を軽減すること;(b)治療される眼外傷に特徴的な症状の発症を制限する、または防止すること;(c)治療される眼外傷に特徴的な症状の悪化を抑制すること;(d)これまで障害(複数可)があった患者において眼外傷の再発を制限する、または防止すること;および(e)これまでに眼外傷の症状があった患者において症状の再発を制限する、または防止すること。例えば、治療される眼外傷によって、症状としては、術後線維症、術後炎症、術後眼圧の上昇、裂傷、穿刺、眼痛、通常と比べて流涙の増加、霧視、光に対する過敏症、視力の変化、および/または眼に何かが刺さっている感じが挙げられ得る。
ポリペプチドは、すべての関連する要因を考慮して決定された任意の適切な投与用量で投与され得る。本発明のすべての態様の一実施形態において、ポリペプチドまたはその塩は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.001%〜約3%の濃度の医薬製剤で投与される。種々のさらなる実施形態において、ポリペプチドまたはその塩は、すべて重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.005%〜約3%;約0.01%〜約3%;約0.05%〜約3%;約0.01%〜約3%;約0.5%〜約3%;約1%〜約3%;約2%〜約3%;約0.005%〜約2%;0.01%〜約2%;約0.05%〜約2%;約0.01%〜約2%;約0.5%〜約2%;約1%〜約2%;約0.005%〜約1%;約0.01%〜約1%;約1%;約0.05%〜約1%;約0.01%〜約1%;約0.5%〜約1%;約0.005%〜約0.75%;約0.01%〜約0.75%;約0.005%〜約0.75%;約0.01%〜約0.75%;約0.03%〜約1%;約0.03%〜約0.75%;約0.03%〜約0.3%;約0.03%〜約0.5%;約0.03%〜約0.25%;約0.03%〜約0.1%;約0.03%〜約0.075%;約0.03%〜約0.05%;および約0.03%〜約0.3%;または約0.03%もしくは約0.3%の濃度の医薬組成物で投与される。
本発明のすべての態様において、ポリペプチドまたはその塩は、全身投与(経口投与を含む);好ましくは、点眼剤(すなわち、懸濁剤、液剤でまたは軟膏として)、保護コンタクトレンズ、徐放性コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、または眼帯もしくは付着型アイパッチの使用を含むがこれに限定されない局所投与などの任意の適切な経路によって投与することができる。一実施形態において、本発明の方法は、適切とみなされる頻度、すなわち1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回などの頻度で局所製剤を投与することを含み得る。本方法は、主治医が望ましいと考える限り、ポリペプチドまたはその塩の投与をさらに含み得る。
本発明のすべての態様の一実施形態において、局所投与は、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤(懸濁剤または液剤)、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される製剤での投与を含む。製剤は、ヒト患者または介護者が適切と思う任意の送達補助(保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ、圧迫眼帯または眼球保護帯などが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る、任意の適切な方法で適用することができる。
本明細書に記載の実施形態のいずれかの実施形態の別の実施形態または組み合わせにおいて、アンジオテンシンペプチドは、当技術分野で既知の任意の適切な方法で、持続放出または徐放用に調合することができる。一実施形態において、ペプチドは、持続放出製剤もしくは徐放製剤としてゲル剤、ペレット剤、ナノ粒子剤、ポリマー送達剤、シクロデキストリン剤または任意の形態に調製され、患者への持続放出もしくは徐放のために結膜円蓋に配置される。
本発明のすべての態様の別の実施形態において、局所製剤は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む。種々のさらなる実施形態において、局所製剤は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約1%〜約3%もしくは約2%のHECを含み得る。
本発明のすべての態様において、ポリペプチドまたはその塩は、(a)凍結乾燥保護剤;(b)界面活性剤;(c)充填剤;(d)浸透圧調整剤;(e)安定剤;(f)保存剤および/または(g)緩衝液のうちの1または複数とともに投与され得る。一部の実施形態において、医薬組成物中の緩衝液は、トリス緩衝液、ヒスチジン緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液または酢酸緩衝液である。ペプチドは、凍結乾燥保護剤、例えばショ糖、ソルビトールまたはトレハロースとともに投与され得る。特定の実施形態において、ペプチドは、保存剤、例えば、塩化ベンザルコニウム、ベンゼトニウム、クロロヘキシジン、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、クロロブタノール、o−クレゾール、p−クレゾール、クロロクレゾール、硝酸フェニル水銀、チメロサル、安息香酸およびそれらの種々の混合物とともに投与され得る。他の実施形態において、ペプチドは、グリシンなどの充填剤とともに投与され得る。さらに他の実施形態において、ペプチドは、界面活性剤、例えば、ポリソルベート−20、ポリソルベート−40、ポリソルベート−60、ポリソルベート−65、ポリソルベート−80、ポリソルベート−85、ポロキサマー−188、モノラウリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、またはそれらの組み合わせとともに投与され得る。ペプチドは、浸透圧調整剤、例えば、製剤をヒト血液と実質的に等張または等浸透圧にする化合物とともに投与され得る。例示的な浸透圧調整としては、ショ糖、ソルビトール、グリシン、メチオニン、マンニトール、デキストロース、イノシトール、塩化ナトリウム、アルギニンおよび塩酸アルギニンが挙げられる。他の実施形態において、ペプチドは、安定剤、例えば、ペプチドと組み合わせた場合、凍結乾燥形態または液体形態での関心があるタンパク質の化学的および/または物理的不安定性を実質的に防止するまたは減少させる分子とともに投与され得る。例示的な安定剤としては、ショ糖、ソルビトール、グリシン、イノシトール、塩化ナトリウム、メチオニン、アルギニンおよび塩酸アルギニン、パラベンおよびメチルパラベンとプロピルパラベンとの組み合わせが挙げられる。
本発明のすべての態様および実施形態において、ポリペプチドと塩を形成することができる好適な酸としては、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、リン酸などの無機酸;およびギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、アントラニル酸、ケイ皮酸、ナフタレンスルフォン酸、スルファニル酸などの有機酸が挙げられるが、これらに限定されない。ペプチドと塩を形成することができる好適な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基;およびモノアルキル、ジアルキルとトリアルキルおよびアリールアミン(例えば、トリエチラミン、ジイソプロピルアミン、メチルアミン、ジメチルアミンなど)などの有機塩基、ならびに任意選択で置換されたエタノールアミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリペプチドまたはその塩をさらに誘導体化して、例えば、ポリエチレングリコールへの結合によって半減期の向上をもたらすことができる。ペプチドまたはその塩は、特異的性質を伝達するために、L−アミノ酸、D−アミノ酸(in vivoでL−アミノ酸特異的プロテアーゼに対して耐性を示す)、D−アミノ酸と−アミノ酸の組み合わせ、および種々の「デザイナー」アミノ酸(例えば、β−メチルアミノ酸、Cα−メチルアミノ酸およびNα−メチルアミノ酸など)を含み得る。
ポリペプチドは、医薬組成物中の唯一の活性薬剤であり得、またはこの組成物は、所望の治療に好適な1種または複数種の他の活性薬剤をさらに含み得る。そのような他の活性薬剤としては、人工涙液(カルメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、サイクロデキストリンなど)、抗生物質(クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ポリミキシンBなど)、抗ウイルス剤(アシクロビルなど)、抗真菌剤(フルコナゾールなど)、鎮痛剤、および抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬、局所ステロイド、シクロスポリンおよび抗アレルギー薬など)のうちの1または複数が挙げられ得るが、これらに限定されない。
このように、別の態様において、本発明は、
(a)アンジオテンシンペプチドと;
(b)人工涙液(カルメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、サイクロデキストリンなど)、抗生物質(クロラムフェニコール、シプロフロキサシン、ゲンタマイシン、ネオマイシン、ポリミキシンBなど)、抗ウイルス剤(アシクロビルなど)、抗真菌剤(フルコナゾールなど)、鎮痛剤、および抗炎症薬(非ステロイド系抗炎症薬、局所ステロイド、シクロスポリンおよび抗アレルギー薬など)からなる群から選択される活性薬剤と;
(c)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
一実施形態において、活性薬剤は人工涙液(カルメロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、サイクロデキストリンなど)を含む。さらなる実施形態において、アンジオテンシンペプチドは、Nle3−A(1−7)[配列番号14]を含む、またはからなる。
アンジオテンシンポリペプチドは、本発明の方法について上記で開示されたものを含むすべての関連する要因を考慮して決定された任意の適切な用量で、医薬組成物中に存在し得る。医薬組成物は、全身投与(経口投与を含む);点眼剤(すなわち、懸濁剤、液剤でまたは軟膏として)、保護コンタクトレンズ、徐放性コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、または眼帯もしくは付着型アイパッチの使用を含むがこれに限定されない局所投与などの任意の適切な経路による投与のために調製することができる。局所医薬組成物は、例えば、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤(懸濁剤または液剤)、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される製剤を含み得る。医薬組成物は、ヒト患者または介護者が適切と思う任意の送達補助(保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ、圧迫眼帯または眼球保護帯などが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る、任意の適切な方法での投与用に調製し得る。一実施形態において、医薬組成物は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む。種々のさらなる実施形態において、局所製剤は、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約1%〜約3%もしくは約2%のHECを含み得る。
医薬製剤は、本発明の方法用に本明細書に記載のものなどの(a)凍結乾燥保護剤;(b)界面活性剤;(c)充填剤;(d)浸透圧調整剤;(e)安定剤;(f)保存剤および/または(g)緩衝液のうちの1または複数を含み得る。
本方法は、関連する障害を治療するために好適な他の治療法と組み合わせて用いることができる。
本方法および組成物は、下記の実施例で開示するいずれの他の実施形態も含み得る。そのような実施形態は、文脈上明らかに別の意味を示していると判断されない限り、本発明の方法と任意の組み合わせで用いることができる。
角膜治癒は、保護上皮を再構築させるためだけでなく、角膜透明性および明視の回復のためにも重要である。角膜治癒反応は、損傷の種類、大きさと程度;損傷因子の性質;眼の状態;および対象の全身状態を含む、種々の要因に左右される。最も一般的な角膜損傷としては、上皮、ボーマン膜および角膜実質の前部の表層穿通が挙げられる。表層角膜欠損は、外傷、またはジストロフィー、神経栄養疾患、中毒疾患、もしくは感染性角膜炎などの疾患と関連し得るが、上皮デブリードマン、治療的レーザー角膜切除術、レーザー屈折矯正角膜切除術またはレーザー角膜切削形成術などの外科的処置の結果として生じることもあり得る。これらのすべての症例において、病因に関係なく、主な治療目標は、最高の眼に関する結果を提供するように最小限の瘢痕で構造修復を促進することである。角膜治癒のための種々の機序は、異なる成長因子、それらの調節因子および受容体の役割を含めて仮定され、記述されてきた。外傷の深さに関係なく、角膜実質細胞は常に治癒の過程に関与しており、線維症を促進させずに再生によって治癒を促進するという課題は残っている。その露出した部位と薄さのため、角膜表面損傷は最も一般的な眼部の病訴であり、再発性びらんが、表面損傷の患者の亜集団において発症する。本検査の目的は、角膜再上皮形成および角膜実質の創傷治癒に対する新規の局所薬物の効果を評価することである。
動物の準備と手法:
各手法の前に、塩酸ケタミン(50〜80mg/kg)と塩酸キシラジン(5〜9mg/kg)の混合物の皮下注射でウサギに麻酔をかけた。動物に無菌条件下で行われる無菌手術の準備を施した。眼窩周辺部位を、5%ポビドンヨード溶液を用いて消毒し、次いでこの溶液の滴下剤を円蓋に滴下し、開瞼器を用いて眼瞼を開いた状態に保った。ヒトの水晶体超音波吸引術と同様に、角膜刃(角膜切開刀3.2mm)を使用して、透明角膜全層トンネルを作成した。角膜トンネル作成後の眼球崩壊を予防するために、少量の粘弾性物質を穿刺によって前房に注射した。ゲンタマイシン25mgとデキサメタゾン2mgを結膜下に注射した。手術後に、麻酔を投与した。追跡検査期間中、毎日、治療群に割り当てた動物は、結膜嚢に(点滴ピペットを用いて)点滴する調査中の活性薬剤(0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解した2%ヒドロキシエチルセルロースに溶解した0.03%または0.3%のNle3A(1−7))の1滴(約50μL)で処置した。他方では、対照群に割り当てた動物は、追跡調査期間中、毎日、溶媒(0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解した2%ヒドロキシエチルセルロース)の点眼液で処置する。
追跡検査:
前述のように動物が麻酔下にある間、これらの眼科追跡検査を行った。前眼部画像診断は、無赤色画像と、Spectralis(Heildelberg Engineering,Germany)を用いる前眼部フルオレセイン画像とを含む。この蛍光造撮法は、10%フルオレセイン(Akorn,Abit Springs,LA)を1滴、結膜嚢に点滴し、眼球に軽い圧迫をかけてから、連続写真を撮る。これは、ザイデル試験として一般に知られており、10%フルオレセインを含んでいるフルオレセイン試験片を患部に局所的につけて、コバルトブルーフィルターで検査した。この時点で、フルオレセインは緑色にみえる。蛍光部位の色または表面のいずれの変化も、角膜の漏出の存在を示す。この画像診断データを用いて、角膜創傷治癒の程度ならびに創口漏出の範囲を評価した。眼圧の測定は、Tonopen−AVTVA(TPA,Reichert Inc.)を使用して行った。
画像診断と組織学:
損傷も、ハイデルベルグ網膜断層撮影(HRT)機器を使用して画像化した。これは、標準レンズに取り付けた追加の顕微鏡レンズを使用して、角膜共焦点顕微鏡に変換した共焦点レーザー走査検眼鏡である。この追加のレンズにより、治癒のインライフ相の評価を可能にするための角膜内の細胞および細胞層と、角膜構造および症状の詳細な考察を可能にするための角膜の構造とを画像化することが可能になった。
結果
全層損傷のウサギモデルにおいて、眼にNle3−A(1−7)を毎日投与することにより、ザイデル試験で漏出がないと定義される角膜治癒までの期間が、溶媒処置動物での7日間から、活性薬物(両濃度で)で処置したすべての動物での4日間に減少した。さらに、臨床観察による目測で、炎症/浮腫の減少が観察された。動物を溶媒で処置した場合、炎症/浮腫は7日目に中程度状態で持続された。低い濃度のNle3A(1−7)(0.03%)による処置は、7日目に浮腫を極めて軽くした。高い薬物濃度(0.3%)による処置では、術後の最初の5日間だけ浮腫が観察された。これは、炎症を軽減し、角膜治癒を促進する両方を行えるこの活性化合物の独特な能力を示している。これは、眼圧ならびに通常の眼底検査および蛍光眼底撮影で何ら変化を伴わなかった。
Figure 2016519132
HRTおよび組織学的評価による切開部位の評価も行った(10日目)。溶媒処置した動物において、切開部位に線維症と正常な角膜構造の破壊が認められた。この所見の代表的な例は、以下のHRT画像で見ることができる。溶媒処置をした眼における切開部位に、角膜構造を破壊する大量の線維性物質の沈着が認められた。Nle3−A(17)での処置により、創傷が治癒し、組織は正常な外見と構造を示した。組織を採取して微視的評価を準備すると、このことがさらに、剖検で認められた(21日目)。切開部位のヘマトキシリンエオジン染色は、活性薬剤治療により線維症が減少することで、構造が正常化したことを示した(図1)。
全層角膜切開に続いて0.3%と0.03%のNle3−A(1−7)を塗布すると、溶媒対照動物と比較して、浮腫と炎症の早い消散、角膜創口漏出期間の縮小、および正常な構造で線維症が見られない治癒がもたらされた。高い濃度の0.3%のNle3−A(1−7)では、浮腫と炎症の持続期間が最も短く、他のすべてのパラメータは両濃度のNle3−A(1−7)間では同じであった。
試験の原則:ウサギにおいて全層角膜切開に続いて、溶媒(0.05Mリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解した2%ヒドロキシエチルセルロース(HEC))に溶解したNle3−A(1−7)の角膜治癒に及ぼす影響を測定し、斜光検査、ザイデル試験、共焦点顕微鏡観察およびin vivo漏出圧によって決定した。
動物:雌と雄、有色ウサギ、右眼だけ、1群当たり5匹、体重5〜6ポンド。塩酸ケタミン(50〜80mg/kg)と塩酸キシラジン(5〜9mg/kg)の混合物の皮下注射でウサギに麻酔した。動物に無菌条件下で行われる無菌手術の準備を施した。眼窩周辺部位を、5%ポビドンヨード溶液を用いて消毒し、次いでこの溶液の滴下剤を円蓋に滴下した。開瞼器を用いて眼瞼を開いた状態に保った。角膜刃(角膜切開刀3.2mm)を使用して、透明角膜全層切開を作成した。術後、麻酔に続いて被験物質を投与した。約30分〜1時間後、抗生物質軟膏を投与した。
試験と参照物質および治療スケジュール:
Figure 2016519132
評価:
Figure 2016519132
結果:
斜光検査:すべての動物は、2日目に眼脂または眼にひどい充血が認められた。4日目に、眼脂は、0.3%Nle3−A(1−7)群で1匹、0.03%Nle3−A(1−7)群で1匹、溶媒処置群に2匹だけに認められた。前房(AC)形成が最初に観察されたのは、4日目、0.3%群であり、6日目には5匹の高投与量動物のすべてでACが完全に形成された。0.03%群においては、6日目に5匹中4匹の動物が完全なACを有し、8日目には残りの動物が完全にACを形成した。溶媒群での100%AC形成の最初の記録は、12日目であり、14日目(2週目)にはすべてのACが完了した。
ザイデル試験:5日目、0.3%Nle3−A(1−7)群で2匹、0.03%Nle3−A(1−7)群で1匹の計3匹を除くすべての動物はザイデル試験で陽性を示した。10日目、Nle3−A(1−7)処置したすべての動物は、ザイデス試験で陰性を示したが、溶媒処置したすべの動物は、加圧による漏出が引き続き認められた。さらに、6日目の斜光検査では0.3%NorLeu3−A(1−7)群のいずれの動物にも漏出は認められず、0.03%Nle3−A(1−7)群の3匹の動物においても漏出は認められなかった。
In vivo漏出圧:各処置群からの3匹の動物は、in vivoで圧の測定を行った。0.3%または0.03%Nle3−A(1−7)を投与された動物の平均圧は、それぞれ79.3±6mmHgと77.3±3.2mmHgであった。溶媒処置動物の平均圧は、38.7±3.2mmHgであった。溶媒処置創傷と比較して、Nle3−A(1−7)処置創傷において漏出を引き起こす圧力は約2倍であったという点で、Nle3−A(1−7)による処置は、治癒強度を高めた。
共焦点顕微鏡観察(図2):毎日の治療から1ヵ月後の溶媒群で見られた粗くて規則性のない配列と比較して、2つのNle3−A(1−7)治療群における、角膜創傷近傍のコラーゲンの角膜実質ラメラの規則的な配列を示す。
考察と結論:
全層角膜切開に続いて0.3%と0.03%のNle3−A(1−7)を塗布すると、溶媒対照動物と比較して、それぞれ、6日目、8日目、14日目に、早い前房形成がもたらされた。ザイデル試験で房水漏出によって測定した角膜治癒は、10日目までにすべてのNle3−A(1−7)処置動物において認められたが、ザイデル試験で陰性を呈した溶媒対照動物はなかった。治癒強度は、溶媒対照動物と比較して、0.3%と0.03%Nle3−A(1−7)処置に続いて増加した。角膜実質細胞とラメラの規則的な分布は、Nle3−A(1−7)処置動物の角膜治癒を示す。

Claims (33)

  1. 眼外傷を治療する方法であって、眼外傷を有する対象に、前記眼外傷を治療するために有効量のアンジオテンシンペプチドを投与することを含む方法。
  2. 前記眼外傷が外傷、光曝露/放射線曝露もしくは化学曝露、疾患または外科的処置に起因する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記眼外傷が術後炎症、術後線維症、術後の眼圧上昇、角膜損傷、白内障切開、レーザー角膜切削形成術(LASIK)損傷、ドライアイおよびレーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)損傷からなる群から選択される損傷を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記眼外傷が角膜損傷であり、および前記角膜損傷が角膜上皮、角膜内皮、角膜ボーマン膜、デスメ膜および/または角膜実質の前部の穿通を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記角膜損傷が角膜剥離または角膜裂傷を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記治療することが、線維症、炎症、浮腫、眼圧の上昇、眼痛、通常と比べて流涙の増加、霧視、光に対する過敏症、視力の変化および眼に何かが刺さっている感じからなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む、請求項4または5に記載の方法。
  7. 前記治療することが、対照と比較して、角膜治癒および/または前房の形成の時間の短縮を含む、請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記眼外傷がドライアイを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記治療することが、眼への刺激、刺すような痛み、充血、砂が入った感じ、かゆさ、灼熱感、眼脂、何かが目に入っている感じ、涙目および霧視からなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記眼外傷が眼科手術に起因する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記眼科手術が、角膜曲率形成術、レーザー角膜切削形成術(LASIK)、自動角膜層状切除術(ALK)、レーザー角膜上皮切除術(LASEK)、レーザー屈折矯正角膜切除術(PRK)、レーザー熱角膜形成術(LTK)、伝導式角膜形成術(CK)、角膜輪部減張切開術(LRI)、乱視矯正角膜切開術(AK)、放射状角膜切開術(RK)、ミニ非対称放射状角膜切開術(M.A.R.K.)、六角形角膜切開術(HK)、インプランタブル・コンタクトレンズ、老視回復術、強膜放射状切開術(ACS)、老視のレーザー回復術(LRP)、強膜拡張バンド術、Kamraインレー、強膜補強手術、角膜移植手術、全層角膜移植術(PK)、人工角膜移植術(Kpro)、白内障手術、眼内レンズの挿入、治療的レーザー角膜切除術(PTK)、翼状片切除術、角膜刺青、硝子体切除術、汎網膜光凝固術(PRP)、網膜剥離修復、レーザー光凝固術、気体網膜復位術、網膜冷凍凝固術、黄斑円孔修復、部分的層状強膜切除術、部分的層状強膜毛様体脈絡膜切除術、部分的層状強膜脈絡膜切除術、後強膜切開術、放射状視神経乳頭切開術、黄斑移動術、眼筋手術、眼形成手術、および白内障、緑内障と糖尿病網膜症を治療する手術からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  12. 前記治療することが、術後線維症、術後炎症、術後の眼圧の上昇、裂傷、眼脂、穿刺、眼痛、通常と比べて流涙の増加、霧視、光に対する過敏症、視力の変化、および眼に何かが刺さっている感じからなる群から選択される症状の進行および/または重症度を減少させることを含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記アンジオテンシンペプチドがNle3−A(1−7)[配列番号14]を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記アンジオテンシンペプチドがNle3−A(1−7)[配列番号14]からなる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 前記アンジオテンシンペプチドが、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.01%〜約1%の濃度で投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記アンジオテンシンペプチドが、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.03%〜約3%の濃度で投与される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記アンジオテンシンペプチドが局所製剤で投与される、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記局所製剤が、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
  19. 前記局所製剤が、保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ、圧迫眼帯、および眼球保護帯からなる群から選択される送達補助によって投与される、請求項17〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記局所製剤が、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記局所製剤が、約1%〜約3%のHECを含む、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記方法が、眼外傷を治療するために、人工涙液、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌薬、鎮痛剤および抗炎症薬からなる群から選択される活性薬剤の有効量を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 医薬組成物であって、
    (a)アンジオテンシンペプチドと;
    (b)人工涙液、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌薬、鎮痛剤および抗炎症薬からなる群から選択される活性薬剤と;
    (c)薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
  24. 前記活性薬剤が人工涙液を含む、請求項23に記載の医薬組成物。
  25. 前記アンジオテンシンペプチドが、Nle3−A(1−7)[配列番号14]を含む、請求項23または24に記載の医薬組成物。
  26. 前記アンジオテンシンペプチドが、Nle3−A(1−7)[配列番号14]からなる、請求項23または24のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  27. 前記アンジオテンシンペプチドが、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.01%〜約1%の濃度で投与される、請求項23〜26のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  28. 前記アンジオテンシンペプチドが、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.03%〜約0.3%の濃度で存在する、請求項23〜27のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  29. 前記医薬組成物が局所製剤として提供される、請求項23〜28のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  30. 前記局所製剤が、ヒドロゲル剤、クリーム剤、粘弾性物質、軟膏、ペースト剤、点眼剤、ナノ粒子剤、ポリマー系製剤およびローション剤からなる群から選択される、請求項29に記載の医薬組成物。
  31. 前記局所製剤が、保護コンタクトレンズ、コンタクトレンズ、円蓋部基底インプラント、眼帯もしくは付着型アイパッチ、圧迫眼帯、および眼球保護帯からなる群から選択される送達補助上で供給される、請求項29〜30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  32. 前記局所製剤が、重量(mg)/体積(mL)または重量/重量(mg)に基づいて、約0.5%〜約4%のヒドロキシエチルセルロース(HEC)を含む、請求項29〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  33. 前記局所薬剤が、約1%〜約3%のHECを含む、請求項29〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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