JP2016517319A - 生体活性多孔性複合骨移植インプラント - Google Patents

生体活性多孔性複合骨移植インプラント Download PDF

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Abstract

骨組織の再生および/または修復における使用に適した生体活性多孔性複合骨移植インプラントが開示される。インプラントは生体活性ガラスから形成され、設計された多孔性を有する。インプラントは、臨床結果の向上および取り扱いの改善のためにポリマーの中に含有され得る。また、生体活性ガラスを含み、骨誘導のために同種移植材料を組み入れた合成の生体活性超多孔性骨移植インプラントが開示される。【選択図】図3

Description

本開示は、一般に、骨移植材料、および前記材料を骨組織の再成長のためのインプラントとして使用する方法に関する。より具体的には、本開示は、生体活性複合骨移植インプラントおよびその使用に関する。インプラントは、ポリマーの中にカプセル化された生体活性多孔性骨移植材料を含んでよく、または、インプラントは同種移植材料を組み入れた生体活性多孔性骨移植材料を含んでよい。生体活性複合骨移植インプラントは骨組織の再生および/または修復に使用することができる。
骨の治癒を促進するための臨床適用における骨移植材料の役割は長年にわたって十分に報告されてきた。しかしながら、現在利用可能な大部分の骨移植材料からは、それらの材料が再建手術における日常的な治療適用として常用されるようになるために必要な予想される結果が得られていない。そのため、信頼性のある一貫した結果を生み出すことができる骨組織インプラントを形成するための改良された骨移植材料が、依然として必要とされ、望まれている。
近年、理想的な骨移植インプラントを製造するために必要な鍵となる特徴を明らかにすることならびに骨組織の成長の成功をもたらす作用メカニズムの理論を提供することを目指して骨移植材料に関する集中的な研究がおこなわれて来た。少なくとも1つの最近の研究により、骨組織足場の成功のためには、治療される骨の物理化学的特性、形態学および分解速度論を考慮しなければならないことが示唆された(“Bone tissue engineering: from bench to bedside”, Woodruff et al., Materials Today, 15(10): 430-435 (2012))。この研究によれば、血管新生を可能にするために多孔性が必要であり、望ましい足場は、多孔性の相互接続する細孔のネットワークと細胞の接着、移動、増殖および分化に最適化された表面特性とを有するべきである。同時に、足場は生体適合性で、栄養および代謝老廃物の流動輸送を可能にするものでなければならない。同様に重要なのは、足場が制御可能な生分解速度を提供して、細胞および/または組織の成長および成熟を補完することができることである。最後に、個々の患者に合わせたカスタマイズを可能にするように、足場の外寸および形状を造形および/またはカスタマイズできることも同等に重要である。
Woodruffらは、足場の分解速度は骨組織の形成、再造形および成熟の速度と一致していなくてはならないことも示唆した。最近の研究により、最初の骨組織の内殖は組織の成熟および再造形と等しくないことが証明されている。研究によれば、現在利用可能な骨移植インプラントの大部分は、新しい組織が出現するとすぐに、かつ新しい骨組織が成熟可能であるよりも速い速度で分解するように処方されているため、望まれる臨床的成果に到達しない結果となる。
他の研究者らは、理想的な骨移植インプラントの核心となる特徴として異なる側面を強調する。例えば、多くの研究者は新しい細胞活性のための適切な構造的支持または機械的完全性を提供するというインプラントの能力が臨床的成功を達成するための主要因であると考えているが、その一方で、他の研究者は鍵となる特徴として多孔性の役割を強調する。血管再生の促進、治癒、および骨の再造形における多孔性、孔径および孔径分布の役割は、骨移植インプラントの成功のための重要な要因であると長い間認識されてきた。多くの研究が骨移植の成功を達成するための多孔性および孔径分布の理想的範囲を提案してきた。しかしながら、臨床結果は、新しい骨の成長のための正しい構造および機械的完全性を有する、または必要な多孔性および細孔分布を有する生体適合性骨移植片がそれのみで良好な臨床的成果を保証するものではないことを示している。この研究の集合体から明らかなことは、理想的な骨移植インプラントが、骨移植インプラントが時間の進行と共に生物学的活性および活動の効果的メカニズムを支持することができるように相乗的に作用する構造的および機能的特徴の組合せを持たなければならないことである。
現在利用可能な骨移植インプラントはこれらの要求を満たす水準に達しない。すなわち、多くの骨移植インプラントは先に述べた1つ以上の問題を起こす傾向があり、別のものは異なる、有害に関連する複雑な要因または欠点を有し得る。このような移植インプラントの一例は自家移植インプラントである。自家移植インプラントは容認できる物理的および生物学的特性を有し、骨の成長に適切な機械的構造および完全性を示す。しかしながら、自家移植インプラントを使用すると、患者は複数のまたは長期にわたる手術を受けることを要求され、その結果、患者が麻酔を受ける時間が増加し、かなりの痛みをもたらし、感染および他の合併症ならびにドナー部位における病的状態のリスクを増大させる。
合成骨移植インプラントに関して述べれば、最も急速に拡大しているカテゴリーは、硫酸カルシウム、ヒドロキシアパタイトおよびリン酸三カルシウムに基づく製品からなる。注射用セメント、ブロックまたは小片のいずれの形態であっても、これらの材料は、選択された臨床適用のための有効で安全な骨移植代用品であるという実績を有する。最近、生体活性ガラス("BAG")などの新材料が、天然骨由来移植材料の代替物または補足物として実現可能性を増してきている。自家移植インプラントと比較して、これらの新しい合成インプラントは、本質的に危険な患者に対する痛みを伴う採取処置を回避することができるという利点を有する。また、これらの骨に由来しない合成の材料の使用により、病気の伝染のリスクを減少させることができる。自家移植および同種移植インプラントと同様に、これらの新しい人工インプラントは骨の再成長を促進する骨伝導性足場としての役割を果たすことが可能である。好ましくは、移植インプラントは吸収性であり、最終的に新しい骨組織に置き換わる。
今日利用可能な多くの人工骨移植片は、リン酸カルシウムを含有するインプラントなどのように、天然の骨と類似する特性を有する材料を含む。代表的なリン酸カルシウムインプラントは、その組成が一般に(Ca5(PO4)3x(CO3)x(OH))と記載されるB型炭酸ヒドロキシアパタイトを含有する。リン酸カルシウムセラミクスは、成形体およびセメントを含むがこれらに限定されないさまざまな形態で製造され、哺乳類に移植されてきた。ヒドロキシアパタイト(HA)、リン酸三カルシウム(TCP)、リン酸四カルシウム(TTCP)、および他のリン酸カルシウム(CaP)塩および無機質などの異なる化学量論のインプラントがすべて、天然の骨の適応性、生体適合性、構造、および強度と一致させる試みにおいて使用された。リン酸カルシウム系材料が広く受け入れられているが、それらは、取り扱いの容易さ、柔軟性、および多様な臨床適用において使用するのに必要な液体担体/貯蔵媒体として働く能力が欠けている。リン酸カルシウム材料は本質的に柔軟性がなく、取り扱いの改善は一般に担体材料との混合物の一部とすることにより提供される。典型的には、このような混合物は、約50:50の活性リン酸カルシウム成分と担体との体積比を有し、10:90の低い比まで有し得る。
先に述べた通り、血管再生の促進、治癒、および骨の再造形における多孔性、孔径および孔径分布の役割が骨移植の成功のための重要な要因であると認識されてきた。現在利用可能な骨移植インプラントは、理想的な移植インプラントに要求される必要な化学的および物理的特性を依然として欠いている。例えば、現在利用可能な移植インプラントは吸収が速過ぎる(例えば、2、3週間以内)傾向がある一方で、いくつかのものはインプラントの化学組成および構造のために吸収に時間がかかりすぎる(例えば、数年)。例えば、ヒドロキシアパタイト製のあるインプラントは吸収に時間がかかり過ぎる傾向があるが、その一方で、硫酸カルシウムまたはβ-TCP製のインプラントはあまりに速く吸収される傾向がある。さらに、インプラントの多孔性が高すぎる場合(例えば約90%)、吸収が起こった後に骨伝導を支持するのに十分なベース材料が残されない可能性がある。反対に、インプラントの多孔性が低すぎる場合には(例えば10%)、非常に多くの材料を吸収しなければならないため、吸収速度が遅くなる。それに加えて、材料が過剰であることは、残った移植インプラント中に細胞浸潤のための十分な空間が残されていないことを意味する。他方では、移植インプラントが柔らか過ぎる場合には、臨床的に使用している間に加えられた何らかの物理的圧力のために、それらにより保持されていた流体を失うことになる。
したがって、より優れた骨移植インプラントの必要性は依然として存在する。例えば、上に記載した利点を提供し、取り扱いがさらに容易であり、より優れた臨床結果をもたらす形態を有する改良された骨移植インプラントを提供することが望まれる。本開示の実施形態はこれらおよび他の必要性に対処するものである。
"Bone tissue engineering: from bench to bedside", Woodruff et al., Materials Today, 15(10): 430-435 (2012)
本開示は、骨移植インプラントが長期間に渡って細胞増殖および新組織の成長を支持することができるように相乗的に作用する構造的および機能的特徴の組合せを有するように設計された骨移植材料およびこれらの材料から形成されたインプラントを提供する。インプラントは、適切な血管新生、最適化された細胞の接着、移動、増殖、および分化を可能にするために必要な多孔性および孔径分布を提供する細胞足場としての役割を果たす。インプラントは生体適合性合成材料から形成され、治癒過程全体を通して継続する細胞増殖を支持するのに必要な機械的完全性を提供する。さらに、前記材料は臨床的取り扱いが改善されるように処方され、解剖学的部位にカスタマイズされたインプラントを製造するために外寸および形状を容易に造形および/またはカスタマイズすることが可能になる。
一実施形態において、多孔性複合骨移植インプラントが提供される。インプラントは生体活性ガラスを含む第1成分およびポリマー材料を含む第2成分を含み得る。それぞれの成分は、他方の成分とは異なる吸収能力を有し得る。複合インプラントは約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有し得る。
第1成分は生体活性ガラス繊維または生体活性ガラス細粒を含み得る。第2成分は生体吸収性ポリマーを含み得る。一実施形態において、第2成分は多孔性コーティングである。別の実施形態において、第2成分は2種以上のポリマーの組合せを含む。
一実施形態において、第1成分は生体活性ガラス繊維を含み、第2成分はそれぞれの繊維を覆うコーティングを含み得る。別の実施形態において、第1成分は生体活性ガラス繊維を含み、第2成分は複数の繊維を覆うコーティングを含み得る。さらに別の実施形態において、第1成分は生体活性ガラス繊維を含み、第2成分は複数の繊維を取り囲む織物状の層を含み得る。
さらに別の実施形態において、第1成分は生体活性ガラス細粒を含み、第2成分はそれぞれの細粒を覆うコーティングを含み得る。さらに別の実施形態において、第1成分は生体活性ガラス細粒を含み、第2成分は複数の細粒を覆うコーティングを含み得る。さらに別の実施形態において、第1成分は生体活性ガラス細粒を含み、第2成分は複数の細粒を取り囲む織物状の層を含み得る。
いくつかの実施形態において、インプラントは複数の層を含んでよく、そこでは、それぞれの層内の第1成分と第2成分との体積比がインプラント全体に渡って同じである。別の実施形態において、インプラントは複数の層を含んでよく、そこでは、ある層内の第1成分と第2成分との体積比がインプラント内の隣接する層とは異なっている。第1成分はインプラント全体に渡って均一に分布してもよく、またはインプラント全体に渡って不均一に分布してもよい。
別の実施形態において、多孔性複合骨移植インプラントが提供される。インプラントは、生体活性ガラスを含む第1成分および同種移植材料を含む第2成分を含み得る。それぞれの成分は他方の成分とは異なる吸収能力を有し得る。インプラントはさらに約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有し得る。生体活性ガラスは、生体活性ガラス繊維、生体活性ガラス細粒、またはそれらの組合せを含み得る。同種移植材料は、脱灰骨マトリックス、骨細片、幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンとして提供され得る。
さらに別の実施形態において、多孔性複合骨移植インプラントが提供される。インプラントは、生体活性ガラス繊維を含む第1成分および同種移植材料を含む第2成分を含み得る。それぞれの成分は他方の成分とは異なる吸収能力を有し得る。インプラントはさらに約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有し得る。同種移植材料は、脱灰骨マトリックス、骨細片、幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンとして提供され得る。インプラントはさらに生体活性ガラス細粒を含み得る。さらに、インプラントは生体活性ガラス、ガラスセラミック、セラミックまたはポリマーにより被覆されていてもよい。
さらに別の実施形態において、多孔性複合骨移植インプラントが提供される。インプラントは、生体活性ガラス細粒を含む第1成分および同種移植材料を含む第2成分を含み得る。それぞれの成分は他方の成分とは異なる吸収能力を有し得る。インプラントはさらに約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有し得る。同種移植材料は、脱灰骨マトリックス、骨細片、幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンとして提供され得る。インプラントはさらに生体活性ガラス繊維を含み得る。さらに、インプラントは生体活性ガラス、ガラスセラミック、セラミックまたはポリマーにより被覆されていてもよい。
さらに別の実施形態において、複合骨移植インプラントが提供される。インプラントは、生体活性ガラス材料、同種移植材料、および担体材料を含み得る。インプラントは約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有し得る。生体活性ガラスは、生体活性ガラス繊維、生体活性ガラス細粒、またはそれらの組合せを含み得る。同種移植材料は、脱灰骨マトリックス、骨細片、幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンとして提供され得る。インプラントはパテまたは発泡体として提供され得る。
前記の一般的説明および以下の詳細な説明の両方が例示および説明のみを目的とするものであり、開示を限定するものではないことが理解されるべきである。本開示のさらなる特徴は、一部は以下の説明において記載され、または開示の実施により知ることができるであろう。
添付する図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成するものであるが、本開示のいくつかの実施形態を説明し、詳細な説明と合わせて開示の原理を説明する役割を果たす。
本開示のポリマーコーティングを有する個々の生体活性ガラス繊維の代表的実施形態を示す横断面図である。 ポリマーシェルにより被覆された繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す横断面図である。 ポリマーシェルにより被覆され、繊維クラスターを含む繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す横断面図である。 図4Aは、ポリマーシェルにより被覆された繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図4Bは、ポリマーシェルにより被覆された融着された繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図4Cは、ポリマーシェルにより被覆された焼結された多孔性細粒を含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 ポリマーシェルにより被覆され、細粒を含む繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 ポリマーシェルにより被覆され、表面特徴を有し、細粒を含む繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 ポリマーシェルにより被覆され、繊維クラスター内に繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 ポリマーシェルにより被覆された細粒マトリックスを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 ポリマーシェルにより被覆され、繊維マトリックス内に繊維クラスターを含む、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図10Aは、多層複合移植インプラントの代表的実施形態を示す分解立体図である。 図10Bは、ロール状の形態に組み立てられた図10Aの多層複合移植インプラントを表す図である。 図11Aは、全体に選択的に分布する異なる形態の材料を含む多層複合移植インプラントの代表的実施形態を示す分解立体図である。 図11Bは、ロール状の形態に組み立てられた図10Aの多層複合移植インプラントを表す図である。 全体に均一に分布する異なる形態の材料を含む多層複合移植インプラントの代表的実施形態を示す横断面図である。 図13Aは、同種移植片を含有する繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図13Bは、全体にランダムに分散する同種移植片の断片を含有する繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図14Aは、同種移植片を含有する細粒マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図14Bは、全体に分離して分散された同種移植片の断片を含有する細粒マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 細粒および同種移植片を含む繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図16Aは、骨細片を含有する細粒マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図16Bは、骨細片を含有する繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図16Cは、骨細片を含有する繊維および細粒マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図17Aは、細粒および同種移植片を含有し、かつポリマーシェルにより被覆された繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図17Bは、細粒および同種移植片を含有し、かつ表面特徴を有するポリマーシェルにより被覆された繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の骨移植インプラントの代表的実施形態を示す部分断面図である。 図18Aは、ポリマーコーティングにより被覆され、かつ細粒および同種移植片を含む繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の複合骨移植インプラントの別の代表的実施形態を示す透視図である。 図18Bは、表面特徴を有するポリマーコーティングにより被覆され、かつ細粒および同種移植片を含む繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の複合骨移植インプラントの別の代表的実施形態を示す透視図である。 図19Aは、ポリマーコーティングにより被覆され、かつ細粒およびランダムに分散された同種移植片の断片を含む繊維マトリックスがインプラントに含まれる、本開示の複合骨移植インプラントの別の代表的実施形態を示す透視図である。 図19Bは、表面特徴を有するポリマーコーティングにより被覆され、かつ細粒およびランダムに分散された同種移植片の断片を含む繊維マトリックスを含む、本開示の複合骨移植インプラントの別の代表的実施形態を示す透視図である。 本開示の繊維状生体活性ガラスインプラントの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。 細粒を含む繊維マトリックスを含む本開示の生体活性ガラスインプラントの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。 本開示の繊維クラスターの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。 図22のクラスター内の繊維マトリックスの走査電子顕微鏡写真(SEM)を示す図である。
本開示の前記および他の特徴は、本開示が関連する技術分野の当業者には、添付される図面を参照しながら以下の代表的実施形態の説明を考慮することにより明らかになるであろう。
実施形態の詳細な説明
本開示は、骨移植インプラントが長期間に渡って細胞増殖および新組織の成長を支持することができるように相乗的に作用する構造的および機能的特徴の組合せを有するように設計された骨移植材料およびこれらの材料から形成されたインプラントを提供する。前記インプラントは、適切な血管新生、最適化された細胞の接着、移動、増殖、および分化を可能にするために必要な多孔性および孔径分布を提供する。インプラントは生体適合性合成材料から形成され、治癒過程全体を通して継続する細胞増殖を支持するのに必要な機械的完全性を提供する。さらに、前記材料は取り扱いが改善されるように処方され、解剖学的部位にカスタマイズされたインプラントを製造するためにインプラントの外寸および形状を容易に造形および/またはカスタマイズすることが可能になる。
骨移植インプラントは、生体適合性および生体吸収性(bioabsorbable)または生体吸収性(bioresorbable)の両方の特性を有する合成材料から形成し得る。さらに、合成材料は生体活性であり得る。一実施形態において、材料は生体活性であり、移植するとその表面にリン酸カルシウム層を形成する材料であり得る。別の実施形態において、材料は生体活性ガラス("BAG")を含み得る。好適な生体活性ガラスとしては、ゾルゲル由来生体活性ガラス、メルト由来生体活性ガラス、シリカ系生体活性ガラス、シリカを含まない生体活性ガラス、例えばホウ酸塩系生体活性ガラスおよびリン酸塩系生体活性ガラス、結晶化生体活性ガラス(部分的または全体的のいずれか)、および微量元素または金属(例えば、銅、亜鉛、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛、フッ化物、鉱物学的カルシウム源等)を含有する生体活性ガラスが挙げられる。ゾルゲル由来生体活性ガラスの例としては、70 mol% SiO2、30 mol% CaOの一般インプラントを特徴とするS70C30が挙げられる。メルト由来生体活性ガラスの例としては、46.1 mol% SiO2、26.9 mol% CaO、24.4 mol% Na2Oおよび2.5 mol% P2O5の一般インプラントを特徴とする45S5、S53P4、ならびに60 mol% SiO2、36 mol% CaOおよび4 mol% P2O5の一般インプラントを特徴とする58Sが挙げられる。また、別の好適な生体活性ガラスは13-93生体活性ガラスであり得る。
生体活性ガラスは、本開示の人工骨移植インプラントを構成するベース材料を形成する。生体活性ガラスは、繊維、細粒、または両方の組合せの形態を取り得る。細粒という用語により意味するものは、棒状ではない形態(例えば、丸みを帯びた、球形の、小球形の、または不規則な物体)を有する材料の少なくとも1つまたはそれ以上の断片である。
生体活性ガラスは材料的に純粋な形で提供され得る。さらに、生体活性ガラスは、臨床的取り扱いを容易にするために担体と混合することができ、例えば、パテまたは発泡体状インプラントを作ることができる。パテの形態の柔軟なインプラントは、生体活性ガラスを流動性または粘性担体と混合することにより提供し得る。発泡体状インプラントは、コラーゲン(ヒトまたは動物由来のいずれか)または多孔性ポリマーマトリックスなどの多孔性マトリックス中に生体活性ガラスを埋め込むことにより提供し得る。発泡体状インプラントの利点の1つは、多孔性担体が細胞および成長因子と接着する部位としても作用することが可能であり、より十分に管理された治癒につながり得ることである。
担体材料は多孔性であってよく、治癒に寄与するための助けとなり得る。例えば、担体材料は、移植部位に細胞および/または栄養を運び入れる毛細管効果を作り出すのに適切な多孔性を有し得る。担体材料はまた、プロセス中に栄養をその部位に運び入れ、素早く吸収するための浸透圧または膨潤圧を作り出す化学的性質を有し得る。例えば、担体材料は水に高い親和性を有するポリエチレングリコール(PEG)であり得る。
生体活性ガラスは電界紡糸により、または均一性のためにレーザー紡糸により製造することができる。例えば、材料を繊維の形態にすることが望まれる場合、レーザー紡糸により均一な直径の繊維が製造される。さらに、生体活性ガラス繊維はさまざまな直径および/または断面形状を有するように形成してもよく、中空管であってもよい。さらに、繊維は、さまざまな形状で提供するために網状、織物、絡まり合った状態等としてもよい。
骨移植材料は、さまざまな吸収速度を有する繊維を用いて設計することができる。繊維の吸収速度は、その材料組成およびその直径により決定または制御される。材料組成は、製品が速く反応するか遅く反応するかの違いをもたらす。同様に、直径の小さい繊維は、同じインプラントの直径の大きい繊維よりも速く吸収され得る。また、材料の全体としての多孔性も吸収速度に影響を与え得る。多孔性が高い材料は、細胞が除去する材料が少ないことを意味する。逆に、多孔性が低い材料は、細胞がより多く働かなくてはならず、吸収が遅いことを意味する。したがって、骨移植インプラントは、最適な性能のために適切な材料組成ならびに直径を有する繊維を含有し得る。所望の結果を達成するために、インプラントの中に異なる繊維の組合せが含有されてもよい。
材料組成および直径と同様に重要なのは開放細孔の孔径分布、および特に開放細孔の表面積である。本発明の骨移植インプラントは他の骨移植インプラントよりも改善された孔径分布のみでなく、より高い開放細孔の表面積を提供する。本発明のインプラントは、その開放細孔の表面積が大きいので流体が細孔に到達しやすくなり、体液による吸収が速くなる。
生体活性ガラス繊維と同様に、生体活性ガラス細粒の含有は、粗い表面、非常に大きい表面積等を含むさまざまなサイズまたは形状を有する細粒を使用して達成することができる。例えば、細粒は、細粒内部の表面の曝露を可能にするために、穿孔により内腔を含むように作ることができる。このような細粒はより速く吸収され、差動的吸収性を特徴とするインプラントを作ることが可能になる。穿孔されたまたは多孔性の細粒は、例えば均一な直径または均一な穿孔サイズを特徴とし得る。前記細粒により提供される多孔性は、骨移植材料または骨移植材料から形成されたインプラントに与えられる多孔性の二次的範囲として見ることができる。含有される場合には生体活性ガラス繊維および細粒のサイズ、横径、表面の質感、および形状を変えることにより、製造者は、患者に移植される前および後のインプラントの機能に大きな影響を与え得る選択的に変えることができる特徴を有する生体活性ガラス骨移植インプラントを提供することが可能になる。ナノおよびミクロサイズの細孔は、優れた流体吸収および保持能力を提供するので、生体活性が向上し、それにより修復過程が向上する。
この繊維状移植材料がたわみ性を有するので、これらの同じ生体活性ガラス繊維から比較的容易に繊維クラスターを形成または形作ることができる。これらのクラスターは生体活性ガラス繊維材料を少し機械的に撹拌することにより達成することができる。得られた繊維クラスターは非常に高い多孔性を有し、流体または他の栄養を容易に吸い上げることができる。それゆえ、生体活性ガラス材料を多孔性繊維クラスターの形で提供することにより、さらに優れた臨床結果および改善された取り扱いを達成することができる。
形成され、形作られた本開示の生体活性ガラス材料は、焼結を行うか否かに関わらず、その加工およびベース材料の繊維の大きさ(例えば、繊維の直径および長さ)により規定される有限の密度を有する材料と同様の特質を共有し、その結果としてクラスターが形成される。超多孔性クラスターはクラスター全体に勾配でナノ、ミクロ、メソ、およびマクロ多孔性を有し得る。限定するものではないが、ナノ孔は約1ミクロン未満で100ナノメートル以下までの直径を有する細孔を表すことが意図され、ミクロ孔は約1〜10ミクロンの間の直径を有する細孔を表すことが意図され、メソ孔は約10〜100ミクロンの間の直径を有する細孔を表すことが意図され、マクロ孔は約100ミクロンよりも大きく、1 mmまたはそれ以上までの直径を有する細孔を表すことが意図される。一貫した製造工程において形成された生体活性ガラスのクラスターを、骨欠損を満たすために容積測定投与量で使用することができる。種々の臨床適用のために任意の数の異なるサイズのクラスターを提供することができる。
クラスターの形態の超多孔性生体活性ガラス材料を提供する利点の1つは、材料の取り扱いを改善することができることである。材料のクラスターを取り扱う1つの方法において、クラスターを担体と共にシリンジに充填し、容易に骨欠損の中に注入することができる。もう1つの利点は、複数の互いに近接して充填された繊維のクラスターを有し、材料の足場全体に付加的なマクロ構造を形成することの付加的構造的効果である。個々のクラスター間の開口は、ふるいのように、例えば、血液または骨髄中のさまざまな栄養に関して、移植位置においてある所望の栄養を濃縮するためにフィルターが望まれる場合などに有益であり得る。
当然ながら、クラスターとの用語は材料の形状を説明するために使用されるものであるが、この用語は本発明を球形に限定することを意図するものではないと理解される。事実、形成されたクラスターの形状は、棒状でない限り、任意の丸いまたは不規則な形状を含み得る。本開示において、繊維クラスターとの用語は、ある範囲のサイズおよび長さを有するランダムな方向を向いた繊維マトリックスを表す。付加的なの利点を提供するために、追加の材料の細粒または微粒子をこのマトリックスの内側にランダムに配置してもよい。場合により、吸収速度、骨刺激、骨形成、圧縮抵抗、放射線不透過性、抗微生物活性、薬物溶出速度を制御し、特定の適用に対する最適な臨床的取り扱いを提供するためにさまざまな材料および構造を使用することができる。
融着または硬化された繊維クラスターは、融着がクラスターに相対硬度を与えることにより硬化されたクラスターが機械的に強くなるので、ある場合には有利であり得る。それらをガラス細粒と組み合わせることにより、インプラントの構造的完全性、機械的強度、および耐久性がさらに向上する。大きいサイズの細粒またはクラスターは長い吸収時間を有する傾向があるので、以前の事例では使用者は速度のために強度を犠牲にしなければならなかった。しかしながら、吸収速度を有意に犠牲にすることなく機械的強度を達成する大きいサイズの細粒またはクラスターを提供することが可能である。この目的で、繊維ベースおよびガラスベースのクラスターに関して記載した通りに、超多孔性クラスターを利用することができる。中実の球またはクラスターを使用するのではなく、本開示は、吸収のスピードをもたらす多孔性と同時に、全体として大きいサイズのクラスターが提供する完全性を有する超多孔性クラスターを提供する。これらの超多孔性クラスターはより多くの栄養を吸収し、より速く吸収され、欠損のはるかに速い治癒および再造形を導く傾向を有するであろう。
いくつかの実施形態において、繊維クラスターは部分的にまたは完全に融着または硬化されて硬クラスターを提供し得る。当然ながら、融着繊維クラスター(硬クラスター)および非融着または緩い繊維クラスター(軟クラスター)の両方の組合せを1回の適用に同時に使用することが考えられる。同様に、さらに洗練された多孔性勾配を作り出し、最終的により良い治癒反応を提供するために、単一の適用の中でパテ、発泡体、クラスターおよび繊維状移植材料の他の製剤の組合せを使用してもよい。いくつかの事例において、生体活性ガラス材料の中実の多孔性細粒もインプラントに組み入れることができる。
先に論じた通り、理想的な骨移植インプラントは、骨移植材料が時間の進行に伴って組織成長の生物学的活性および作用メカニズムを支持することができるように相乗的に作用する特徴の組合せを持たなければならない。多孔性および孔径分布が骨移植材料の臨床的成功において重要な役割を果たすことが知られている。より具体的には、骨移植インプラントは、最適な細胞の接着、移動、増殖および分化を提供するため、および栄養および代謝老廃物の流動による輸送を可能にするために、適切な孔径分布を有する必要がある。さらに、多孔性構造において、細孔の量およびサイズ(集合的に孔径勾配を形成する)は、材料の機械的完全性に直接関連し、その吸収速度に影響を与える。重層的な多孔性勾配を有することは、骨移植材料に一層複雑な吸収プロファイルを提供し、好適な孔径勾配を持つ材料を設計することは、吸収速度が速過ぎるまたは遅過ぎることを防止するであろう。
出願人が発見した通り、この望ましい孔径分布は、マクロ、メソ、ミクロおよびナノ孔を含む多孔性範囲を含む。先に述べた通り、限定するものではないが、ナノ孔は約1ミクロン未満で100ナノメーターまたはそれ以下までの直径を有する細孔を表すことが意図され、ミクロ孔は約1〜10ミクロンの間の直径を有する細孔を表すことが意図され、メソ孔は約10〜100ミクロンの間の直径を有する細孔を表すことが意図され、マクロ孔は約100ミクロンよりも大きく、1 mmまたはそれ以上までの直径を有する細孔を表すことが意図される。したがって、生体活性ガラス材料はさまざまな程度の多孔性で提供することができ、好ましくは超多孔性である。一実施形態において、材料はマクロ、メソ、ミクロおよびナノ孔を含む多孔性の範囲を有し得る。得られた人工インプラントも、繊維状足場内部および材料周囲のマトリックスの多孔性ネットワークとして提供され得る同じ範囲の多孔性を含み得る。したがって、多孔性は、実際の生体活性ガラス材料それ自体、ならびにインプラント全体の内部の材料を分けているマトリックスにより本質的に提供され得る。
本開示の人工骨移植インプラントの別の特徴は、新組織の成長を支持する機械的完全性を提供する能力である。インプラントは適切な生体適合性および吸収速度を提供するべきであるのみならず、細胞増殖を完全に支持するために表面積が最大化されなければならない。人工インプラントは差動的(differential)または段階的吸収能力を有するように選択的に構成および構築することができるが、その一方で、異なる外科的および解剖学的適用のために必要な臨床的に妥当な形状に容易に型取られるまたは形作られることができる。さらに、これらの人工インプラントは差動的生体吸収性、圧縮抵抗および放射線不透過性を有し、また、例えばコラーゲンなどの担体材料に対する活性成分の含有量を最大化することができる。
本開示は、治癒過程全体を通して組織の成長を維持することが可能な改良された骨移植材料およびこれらの材料から形成された骨移植インプラントを提供する。現在利用可能な骨移植インプラントの欠陥の1つは、長期間に渡って細胞増殖を支持している間に適切な機械的足場を提供する能力が欠けている点である。本開示の人工材料およびインプラントは、とりわけ、組織の成長のための理想的な足場としての役割を果たす多孔性(すなわち、孔径分布)と多孔性生体活性ガラス下部構造内部の高い表面積との適切な組合せを提供することによりこの問題を克服する。より重要なことは、多孔性の範囲が多孔性生体活性ガラス下部組織全体に分布していることであり、それにより治癒過程全体を通して継続する細胞増殖の支持が可能になる。
移植されると最初に、人工インプラントは、繊維状生体活性ガラスマトリックス内部に分布するマクロ、メソ、ミクロおよびナノ孔のネットワークを提供する。これらの細孔は相互接続して、マトリックス全体への細胞移動を可能にする。表面積は細孔の直径に反比例するので、人工インプラントは、ナノサイズの細孔の所望の表面対体積の比を提供することにより細胞接着のための表面積を最大化する。物理法則は、これらの小さい細孔が血管新生に最適であることを示唆している。環境の浸透圧のために、ナノおよびミクロサイズの細孔では毛細管効果が観察され、その結果、生物体液が生体活性ガラスマトリックスの中心に向かって吸い上げられる。同様に、マクロサイズの細孔のような比較的大きい細孔は、マトリックス内の酸素化および栄養交換に最適である。
移植の後、リン酸カルシウム(CaP)層が構造物の周りに形成される。このリン酸カルシウム層は生体活性ガラス材料と周囲の生物学的環境との化学的相互作用により生じたものである。同時に、ナノサイズの細孔のような比較的小さいサイズの細孔はインプラントの他の部分よりも速い速度で吸収が起こる。これらのナノサイズの細孔は吸収または細胞による置換を受けるので、それらは細胞活性を引き込み、その内部にそれ自体多孔性を有する三次元の生物学的構造を作り出す。そのため、時間の経過と共に、新しい構築物の機械的完全性を維持する速度で、新しい細胞が吸収された材料に置き換わる。新しい細胞は、繊維状生体活性ガラスマトリックスの周りにそれら自体のネットワークを形成し、その繊維が組織の成長に接続性を提供する。より重要なことには、繊維マトリックス全体に広がったナノ孔の分布のために、新しい細胞がインプラントを機械的に堅固にする濃度で存在する。
伝統的な骨移植の足場と異なり、本発明の骨移植インプラントは、臨床的成功に必要な構造および機能の両方を提供し、細胞増殖の過程が、新しい細胞増殖が吸収された移植材料に置き換わるのに適切なバランスの取れた速度で、不均一な、多面的な方式で起こることを可能にする。より重要なことは、この置き換えは全体の機械的完全性を損なうことなく、構築物内の選択された位置で起こる。さらに、材料およびインプラントは、この新しい組織の成長が、過程の開始時のみでなく、治癒過程全体を通して起こることを可能にする。細胞増殖および吸収の一定で同時に起こる活動は、本発明の骨移植材料およびインプラントにより治癒時間全体を通して起こる。
いくつかの実施形態において、インプラントの土台を形成する下層の生体活性材料は生体活性ガラスである。生体活性ガラスは、臨床的植込みにおいて取り扱いを容易にするような繊維の形態を取ることができる。したがって、一実施形態において、人工インプラントは繊維状生体活性ガラス繊維により形成された繊維状足場であり得る。これらの繊維は拘束されておらず、互いに自由に動くことが可能であってよい。あるいは、繊維は部分的にまたは完全に融着されて、より組織的な、堅い、構造化した繊維のネットワークを提供してもよい。このような繊維状足場は、そのメカニズムが新骨形成と同様であるフィブリンクロットにおいて見いだされる天然の生物学的治癒過程の刺激および誘導を可能にする。足場の繊維としての性質により提供される作用メカニズムの1つの理論を下に提供する。
合成材料により天然の組織を治療するための標準的方法は、望まれる最終産物のミクロ構造およびマクロ構造を有する器具を提供するものであった。望まれる最終産物が海綿骨である場合、伝統的骨移植片は海綿骨の構造を模倣するように設計された。これは骨移植の現在の標準であるが、骨が生きている組織であるという事実を考慮に入れていない。それぞれの骨梁は、負荷、ストレスおよび/または損傷に応じて絶えず活性な生物学的再造形を行っている。さらに、海綿骨および皮質骨は脈管構造の膨大なネットワークを支え得る。このネットワークは、骨の周囲の生体環境を維持するために栄養を運ぶのみでなく、基本的生物学的機能に必要な赤血球および髄を支持する。したがって、単に同じ構造を有する非生物の合成材料を提供することでは、最適な骨の治癒および骨の健康には不十分である。そうではなく、要求されるのは、骨の生きている構造を再創造することができるメカニズムである。
伝統的合成物は、正常な骨組織が組織化し、形成するための鋳型、またはテンプレートとして作用する。これらの合成物は天然には存在しないので、最終的に鋳型またはテンプレートは吸収されて正常な骨が発達することを可能にしなければならない。これらの構築された合成物が吸収されず、適切な骨の治癒を可能にしない場合には、それらは単に、骨の治癒にとって障害であるのみでなく、有害になる可能性のある異物になる。この現象は、吸収が遅いまたは吸収されない合成物を使用した多くの研究において観察されてきた。これらの合成物は、単に化学的に不活性な、骨に似ているだけの非生物学的構造物なので、それらは正常な骨の治癒および発達に対する機械的障害物として挙動する。
骨は生きている生物学的組織であり、不活性な構造物は骨の治癒を妨げるのみであるという理解の下で、本発明により異なる生理的アプローチが提供される。治癒はいくつかの初期反応により開始する位相性の過程である。それぞれの相は前の相において起こった反応の上に築かれる。相のカスケードの後に初めて最終産物、すなわち新しい骨組織の最終的な発達が起こる。伝統的な方法は、治癒過程の触媒として不活性な最終産物を置くことにより、置換または何らかの治癒の刺激をおこなうものであった。この時期尚早の行為は、確かに骨の発達および治癒の生理的過程の原因となるものではない。
骨の治癒の生理的過程は3つの相:(a)炎症;(b)骨形成;および(c)再造形に分けることができる。炎症は損傷に対する最初の反応であり、治癒過程を開始する走化性因子を供給することによる天然の触媒である。骨形成は次の相であり、骨芽細胞が応答し、骨の基本材料である類骨を作り始める。再造形は最後の相であり、破骨細胞および骨細胞が骨の三次元構造を再創造する。
正常な組織修復過程において、最初の相で、細胞が接着する繊維状構造を提供するフィブリンクロットが作られる。これはすべての結合組織の治癒の基礎である。直接の細胞接着および細胞間の連結性を可能にするのはこの繊維状構造である。最終的に、目標は初期治癒相において細胞増殖および骨形成を刺激すること、および次いで生理的再造形を起こすことである。望まれる最終産物が生きている組織であるので、第1の目標は、イニシエーションおよび骨形成ならびに血管新生に関与する天然の繊維ネットワークを増強することにより可能な限り多くの生きている骨を刺激することである。
これらの繊維状材料から形成された繊維状骨移植材料および骨移植インプラントは、以前に、「骨移植材料(Bone Graft Material)」という名称の米国特許出願公開第2011/0144764号公報、「設計された多孔性を有する動的生体活性骨移植材料(Dynamic Bioactive Bone Graft Material Having an Engineered Porosity)」という名称の米国特許出願公開第2011/0144763号公報、および「動的生体活性骨移植材料および取り扱いの方法(Dynamic Bioactive Bone Graft Material and Methods for Handling)」という名称の米国特許第8,567,162号に開示されており、これらすべては出願人により同時係属中および/または共有されており、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれるものとする。これらの骨移植インプラントは、フィブリンクロットの繊維状構造を提供することにより正常な生理的治癒過程の再現を試みる。これらの繊維でできた生体活性インプラントは骨伝導性ならびに骨刺激性の両方の特性を有するので、繊維ネットワークはさらに骨誘導を増強および加速するであろう。さらに、生体活性繊維マトリックスまたは足場の自由流動性の性質は、現在の移植材料を用いた場合に最終的な形成を妨げ得る堅いテンプレートを置くのと比較して、骨形成の天然の開始および刺激を可能にする。インプラントの繊維は、骨芽細胞の増殖または他の細胞表現型を選択的に刺激することが知られる化学反応を提供するように設計することも可能である。
本開示は、出願人により先に開示されたものと同様の生体活性ガラス繊維から形成された繊維状骨移植インプラントのいくつかの実施形態を提供する。生体活性ガラス繊維の束は超多孔性であり、ナノ、ミクロ、メソおよびマクロ孔の組合せを含む。材料の繊維としての性質のため、生体活性ガラス繊維は、材料の多孔性を維持したまま、種々の外科的および解剖学的適用のために必要な臨床的に妥当な形状に容易に型取るまたは形作ることができる。足場を型取るまたは形作るための1つの方法は、「動的生体活性骨移植材料および取り扱いの方法(Dynamic Bioactive Bone Graft Material and Methods for Handling)」という名称の米国特許第8,567,162号に記載される方法と同様に、鋳型トレーの中に繊維を置くことによる。インプラントは生体活性ガラス繊維のみを含んでもよく、または上記の通りの添加物を含んでもよい。
インプラントを形作るための別の方法は治具を使用するものである。ベース材料の繊維状で柔軟な性質のために、繊維マトリックスに生物体液を加えて、そこに含まれる流体と共に圧縮して形を形成することも可能である。当然ながら、繊維状材料を単に鋳型の中で簡単に圧縮してもよいと理解される。成形の前に骨髄穿刺液、接着剤または他の結合剤のような液体を材料に加えてもよい。さらに、溶媒交換を利用して、形作られた材料を乾燥または硬化させて移植のための硬化した固体の足場を形成することもできる。
インプラントは臨床的に妥当な形状で提供され得る。円柱もしくは棒状またはストリップのような単純な形が容易な移植のために便利であり得る。あるいは、インプラントは、患者の解剖学に厳密に合わせた複雑な形状であってもよい。例えば、インプラントは、例えば寛骨臼シェルなどのシェルの形に形成してもよい。別の例において、材料は、創傷包帯のように、骨欠損部位などの治療する骨領域の周りを包むことができる薄いシートまたはストリップとして形成してもよい。その例において、材料のシートまたはストリップは必ずしも傷の部位に挿入する必要はなく、傷の部位を覆うことにより、本明細書に記載されるインプラントと同じ利益を提供し、同じ方式で作用する。
インプラントは臨床的に有用で使いやすいトレーの中に包装されてもよい。トレーは濃度を制御し、その結果としてインプラントの投与量を制御するために閉じてもよい。投与量は臨床適用により規定され得る。トレーを鋳型として使用して、トレーの形が臨床的に妥当な形状のインプラントを作るようにすることも可能である。トレーの別の利点はインプラントに流体または液体を加えることを可能にすることである。このような流体としては、生理食塩水、骨髄、骨髄濃縮物、幹細胞、多血小板血漿等が挙げられる。また、閉じられたトレーは、移植の前の臨床的取り扱いの必要を最低限にして、輸送に便利であるので、移植前に手術室にある間のインプラントの汚染を回避する。
人工足場を形成する繊維は比較的小さい直径を有し、特に、約500ナノメートルから約50ミクロンまでの範囲の直径、または約0.1〜約100ミクロンの範囲の直径を有する。一実施形態において、繊維直径は約10ナノメートル未満であり、別の実施形態において、繊維直径は約5ナノメートルであり得る。いくつかの実施形態において、繊維直径は約0.5〜約30ミクロンの範囲であり得る。別の実施形態において、繊維直径は約2〜約10ミクロンの間の範囲に入り得る。さらに別の実施形態において、繊維直径は約3〜約4ミクロンの間の範囲に入り得る。
生体活性ガラス繊維は、あらかじめ決められた所望の断面径を有するように製造することができる。一実施形態において、骨移植インプラントは均一な直径を有する繊維のランダムに配向したマトリックスから形成することができる。さらに、生体活性ガラス繊維はさまざまな直径および/または断面形状を有するように形成することができ、さらには中空管として設計することもできる。さらに、繊維は、非常に多様な形状を提供するために、網状、織物、絡み合ったもの等であってよい。
例えば、生体活性ガラス繊維インプラントは、それぞれの繊維が並置されるか、または一直線にならないようにして、インプラント内の個々のガラス繊維のランダムな関係により作り出される多くの空間のために他の繊維がランダムに配向した繊維マトリックスの外観となるように製造することができる。このような製造により、インプラントを全体として柔らかいまたはしなやかな質感とすることができるので、外科医が特定の患者の外科手術の外科的または解剖学的要求に合わせて任意の望まれる全体的形状に手でインプラントを形作ることが可能になる。このようなインプラントはまた、先に記載したものならびに生体活性ガラス細粒、抗微生物繊維、粒子状薬物、微量元素または金属(例えば、銅(血管新生に高度に関与する金属である)、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛等)、鉱物学的カルシウム源等などの、繊維全体にランダムに分散された添加物を取り込むのに適している。さらに、生体活性ガラス繊維は、有機酸(例えばギ酸、ヒアルロン酸等)、鉱物学的カルシウム源(例えば、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム等)、抗微生物薬、抗ウイルス薬、ビタミン類、X線不透過剤、または他の材料によりコーティングされてもよい。
インプラントはさまざまな吸収速度を有する繊維を用いるように設計することができる。繊維の吸収速度は、とりわけ、その材料組成およびその直径により決定または制御される。材料組成により製品の反応が遅いか速いかが決定され得る。同様に、繊維の直径を小さくすると、直径の大きい繊維よりも速く吸収され得る。また、材料の全体的多孔性も吸収速度に影響を与え得る。材料が高い多孔性を有することは、細胞が除去しなければならない材料が少ないことを意味する。反対に、材料が低い多孔性を有することは、細胞がより多く働かなければならず、吸収が遅いことを意味する。したがって、インプラントは、最適な性能のために適切な材料組成ならびに直径を有する繊維を含有し得る。所望の結果を達成するためにインプラントに異なる繊維の組合せを含有せしめてもよい。例えば、インプラントは、異なる材料から作られた2種以上の繊維(それぞれの材料の繊維の平均直径は同じであっても異なっていてもよい)の複合物を含んでもよい。
材料組成および直径と同様に重要なのは開放細孔の孔径分布、および特に開放細孔の表面積である。本発明の骨移植インプラントは他の骨移植インプラントよりも改善された孔径分布のみでなく、大きい表面積の開放細孔を提供する。本発明のインプラントの開放細孔の表面積が大きいことにより、体液が細孔に届きやすくなるため、体液による吸収が速くなる。
本開示の生体活性移植材料をさらに改良するための別の方法は、個々の繊維の形または成形された繊維クラスターの形の材料を覆うさらなるポリマーの層またはコーティングを提供することである。例えば、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ-L-乳酸(PL-LA)、ポリスルホン類、ポリオレフィン類、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアルケン類、ポリアクリル酸類(PAA)、PEG、PLGA、ポリエステル類等などの生体適合性、生体吸収性ポリマーまたはフィルム形成剤が、本発明の繊維状移植材料のコーティングまたは結合に好適な材料である。その結果得られる製品は強く、削ることが可能で、圧縮性であり、それにも関わらず血液を吸収し得る。また、他の好適な材料としては、ポリ(酸無水物)類、ポリ(ヒドロキシ酸)類、ポリエステル類、ポリ(オルトエステル)類、ポリカーボネート類、ポリ(プロピレンフメレート(propylene fumerates))類、ポリ(カプロラクトン)類、ポリアミド類、ポリアミノ酸類、ポリアセタール類、ポリラクチド類、ポリグリコリド類、ポリスルホン類、ポリ(ジオキサノン)類、ポリヒドロキシブチレート類、ポリヒドロキシバリレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、生物分解性ポリシアノアクリレート類、生物分解性ポリウレタン類、多糖類、チロシン系ポリマー、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリ(無水マレイン酸)、ポリ(グリコネート(glyconates))類、ポリホスファジン類、ポリ(エステルアミド)類、ポリケタール類、ポリ(オルトカーボネート)類、ポリ(マレイン酸)、ポリ(アルキレンオキサレート)類、ポリ(アルキレンスクシネート)類、ポリ(ピロール)、ポリ(アニリン)、ポリ(チオフェン)、ポリスチレン、非生物分解性ポリウレタン類、ポリ尿素類、ポリ(エチレンビニルアセテート)、ポリプロピレン、ポリメタクリレート、ポリエチレン、ポリ(エチレンオキシド)、ならびにそれらのコポリマー、付加物、および混合物より選択される人工ポリマーが挙げられる。材料は、部分的または完全に水溶性であり得る。
本開示の繊維状移植材料にこの特徴を適用して、一実施形態において、生体活性ガラス繊維材料の個々の繊維が前記生体適合性ポリマーによりコーティングされ得る。コーティングそれ自体は十分に薄いため、前記の基本材料の物理的属性および生体活性の特性から得られる利点が妨げられることはない。言い換えると、ポリマーコーティングされた繊維は依然としてたわみ性を保持し、使用者は繊維状材料から移植のための所望の形状へと容易に型取りまたは成形することが可能である。このようなポリマーコーティングは、繊維状材料の取り扱いをさらに向上させるが、その一方で、下に存在する基本材料は先に記載したものと同じ方式で使用可能である。また、ポリマー成分は、移植片の封じ込め、制御された吸収、および制御された生体活性または細胞活性のためのメカニズムを提供するであろう。このポリマー成分は、その中に含有される栄養、細胞または他の因子の交換のためのチャネルを有する材料の中実の層、多孔性もしくは穴のあいた層、または網状もしくは織物状の層を含み得る。
別の実施形態において、繊維状移植材料は、最初の形状に形成または成形された後、生体適合性ポリマーによりコーティングされ得る。例えば、繊維状移植材料を前記の通りの繊維クラスターに形成し得る。次に、これらの繊維クラスターを生体適合性ポリマーの中にカプセル化することができる。得られたインプラントは、繊維BAG中心を取り囲むポリマーコーティングまたはシェルを有するであろう。
さらに別の実施形態において、繊維状移植材料は平らなシートまたは細片の形に形成することができる。生体適合性ポリマーは、シートまたは細片を封筒に入れるようにして、シートまたは細片の周囲を包むことができる。複合シートまたは細片は、切ったり、折ったり、巻いたり、くしゃくしゃにしたり、または他の方法で臨床適用に適切な所望の形状に形作ることができる。
さらに別の実施形態において、繊維と細粒またはクラスター(繊維BAGまたは固体BAGのいずれか)との組合せを生体適合性ポリマーのシート上に散在させてもよい。繊維または細粒は、ポリマーシート上にランダムに配置しても、組織的なパターンで層にしてもよい。例えば、層のある部分が繊維のみを含有し、隣接する部分が細粒のみを含有することが可能である。次に、ポリマーシートを折り重ねるか、円筒状に巻くか、ボール状に丸めてもよい。あるいは、繊維を単独で、またはBAG細粒(繊維BAGまたは固体BAGのいずれか)を加えて、円板、ブロック、棒、または他の均一な形状に形作ることができる。BAG材料とポリマーとの重なり合った層は、複合インプラントの深さ方向に制御された吸収および細胞活性プロファイルを提供する。すなわち、全体としてのインプラントに対する位置の変化ならびに複合体の材料により、使用者が設計された多孔性を有するインプラントを設計することが可能になる。
この実施形態の別の変化形は、吸収および細胞活性プロファイルが複合インプラントの長さ方向に制御されるように、インプラントの一方の末端における材料の濃度が他方の末端よりも大きい複合インプラントを含む。このタイプの複合インプラントは、成分材料をポリマーシート上に分離して配置した後、ロール状の構造物の長さ方向に材料が不均一に分布するような角度で巻くことにより達成することができる。
生体適合性ポリマーコーティングは、下に存在する繊維状骨移植材料の周りに熱ラッピングまたは熱収縮され得る。さらに、生体適合性ポリマーコーティングはポリマーと他の成分との混合物であり得る。例えば、ポリマーコーティングが100%の特定のポリマー(例えば、PLA)を含み得ることが考えられる。しかしながら、50% PLAと50% PEGとの混合物も利用可能である。同様に、コーティングはBAG組成物であるポリマーから形成され得る。この場合には、コーティングは50%のポリマーおよび例えばBAG細粒または繊維を含む残りの50%を含み得る。当然ながら、個々の成分のパーセンテージは所望の通りに変えることができ、ここに提供されるパーセンテージは概念を伝える目的のための例に過ぎないことが理解される。
繊維状移植材料を結合または含有するのに好適な別の材料はコラーゲンであり、これはスラリーとして提供された後、凍結乾燥などにより硬化することができる。このコラーゲンは、例えば、ヒト由来コラーゲンまたは動物由来コラーゲンであり得る。
それに加えて、インプラント部位への接着のために表面を増大させる目的で、付加的なBAG細粒、クラスター、球等または個々の繊維がポリマーコーティングに接着していてもよいと考えられる。これらのBAG細粒または繊維は、構造的特徴として作用して、患者に合わせた改善された摩擦をもたらす。例えば、加えられる表面特徴は繊維、細粒、微粒子等を含んでよく、これらをコーティングに加えて、細胞活性を引きつけ、in situでのインプラントの接着を改善するための生体活性固定点を有する外側を提供する。
同時に、これらのBAG細粒および繊維はそれ自体も生体活性を開始することが可能なので、これらの付加的なBAG細粒または繊維は、異なるメカニズムの吸収およびより洗練された生体活性プロファイルをもたらす生体活性を有する特徴としての役割も果たす。BAG細粒または繊維は付加的なコーティングを施してしてまたは施さずに、例えば付加的なポリマーコーティングを施してまたは施さずに使用することができる。さらに、これらの適用において、BAG繊維および材料の一部または全部が焼結されてもされなくてもよい。
基本の繊維状移植材料にポリマー成分を加えると、取り扱いが容易になるという利益が得られるのみでなく、吸収速度および生体活性を制御する層が付加される。前記のすべての実施形態において、ポリマー成分自体が多孔性であり得ることが容易に考えられ、それにより制御された流体相互作用を有する複合インプラントが提供される。単一のインプラント内に別々のBAGの層を提供する能力はまた、深さによる生体活性の制御、ならびに制御された移植片の封じ込めを提供する。
しかしながら、本開示の実施形態は繊維のみに限定されない。他の実施形態において、インプラントの土台を形成する生体活性ガラス繊維は生体活性細粒により置換または補足されてもよい。これらの細粒は直径が均一であっても不均一であってもよく、異なるサイズの直径を有する細粒の混合物を含んでもよい。さらに、細粒は同じタイプの生体活性ガラス材料から形成されても、先に述べた好適な材料の群より選択される異なる材料の混合物から形成されてもよい。細粒は中実または多孔性であってよく、いくつかの例においては中実および多孔性の両方の細粒の混合物を使用してもよい。いずれにしても、細粒の土台を含む人工インプラントは、マクロ、メソ、ミクロおよびナノ孔を含む多孔性の範囲を含む所望の孔径分布を提供しなければならない。
繊維と同様に、人工インプラントを形成する少なくとも一部または全部の細粒は、ポリマーコーティングによりコーティングされ得る。コーティングは中実または多孔性であってよい。このコーティングは個々の細粒に提供されてもよく、または細粒のクラスターまたは群を包んでもよい。他の実施形態において、コーティングはコラーゲンを含み得る。例えば、コーティングは中実のコラーゲンまたは穿孔処理されたコラーゲンであり得る。繊維、細粒、微粒子等を含む付加的な表面特徴をコーティングに含有せしめて、細胞活性を引きつけ、in situでのインプラントの接着を改善するための生体活性固定点を有する外側を提供することができる。
さらに、いくつかの実施形態は、第1材料としての細粒生体活性ガラスと、担体材料としての第2の生体活性ガラス繊維の両方の混合物を含み得る。このような場合には、第1および第2の材料の両方が活性である。繊維状担体は急速に吸収されて、新しい細胞活性を誘導するための化学的に豊かな環境を創造することが可能である。さらに、繊維状材料は骨形成細胞のための選択的接着または固定部位としての役割を果たす。
いくつかの例において、人工足場を形成する繊維または細粒の少なくとも一部または全部はガラス、ガラス-セラミック、またはセラミックコーティングによりコーティングされ得る。コーティングは中実または多孔性であってよい。一実施形態において、コーティングは45S5またはS53P4などの生体活性ガラスであり得る。別の実施形態において、コーティングは、部分的にまたは完全に融着されている。このコーティングは個々の繊維または細粒に施されてもよく、またはクラスターまたは繊維もしくは細粒の群を包んでもよい。コーティングは部分的に融着もしくは硬化されてもよく、または完全に融着されて、足場の一部または全部の周囲にやや柔らかい外皮から完全に硬化した外皮までを提供し得る。ポリマーコーティングまたはシェルが構造物全体を包んでもよい。
さらに別の実施形態において、インプラントは多種または交互の材料からなる多層の複合体を含み得る。例えば、一例において、生体活性ガラス繊維または細粒を上記の通りにポリマーの中に包み、次にさらに生体活性ガラスの中に包むことができる。この付加的な生体活性ガラス層は下に存在する生体活性ガラスと同じであっても異なっていてもよい。得られた構造物は異なる材料の層により規定される変化する吸収速度を有するであろう。
構造的に堅固なインプラントならびに細胞増殖に適切な材料および多孔性および孔径勾配を提供することに加えて、本発明の骨移植材料およびインプラントは細胞シグナルも提供し得る。これは成長因子などの生物学的薬剤を組み入れることにより達成し得る。これらの因子は合成、組換えまたは異質遺伝子型であってよく、例えば、幹細胞、脱灰骨マトリックス(DBM)、ならびに他の公知の細胞シグナル伝達物質を含み得る。
いくつかの実施形態において、人工インプラントは骨伝導性および/または骨刺激性であってもよい。本実施形態において使用される成分の直径および化学組成を変えることにより、人工インプラントは差動的活性化(すなわち、吸収性)を有し得るので、例えば抗生物質などの薬物の薬物送達のような先進的機能が促進され得る。インプラントに骨刺激特性を提供する1つの方法は、繊維マトリックスの中に骨髄を組み入れることである。骨髄を組み入れることにより、細胞増殖を加速する骨刺激性インプラントが作り出される。
他の実施形態において、人工インプラントは、銅、亜鉛、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛、フッ化物、鉱物学的カルシウム源等などの微量元素または金属を含んでもよい。これらの微量元素は、本開示の設計された構造および機能を有するインプラントに選択的な利益を提供する。例えば、ストロンチウムのようなこれらの微量元素の添加はX線不透過度を増大させ、その一方で、銅の添加はインプラントに特に有効な血管新生特性を提供する。材料は、有機酸(例えば、ギ酸、ヒアルロン酸等)、鉱物学的カルシウム源(例えば、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム等)、抗微生物薬、抗ウイルス薬、ビタミン類、X線不透過剤、または他の材料によりコーティングされてもよい。これらの骨移植材料は抗微生物特性を有してもよく、また、薬物送達を可能にしてもよい。例えば、抗微生物特性を提供するためにナトリウムまたは銀を加えてもよい。一実施形態において、人工インプラントの周囲に銀の層またはコーティングを施して、インプラントの広範な表面領域に渡って直接の抗微生物作用の恩恵を提供することができる。添加することができる他の好適な金属としては、金、白金、インジウム、ロジウムおよびパラジウムが挙げられる。これらの金属は時間をかけて吸収され得るナノ粒子の形態であってよい。
さらに、人工インプラントに生物学的薬剤を加えてもよい。これらの生物学的薬剤は、いくつか例を挙げると、骨形態形成タンパク質(BMP)、ペプチド、骨成長因子、例えば血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、インスリン由来成長因子(IDGF)、ケラチン生成細胞由来成長因子(KDGF)または線維芽細胞由来成長因子(FDGF)、幹細胞、骨髄、および多血小板血漿(PRP)を含み得る。他の薬物も、例えば細粒または繊維の形で足場に組み入れることができる。
一般に、本開示は、骨移植インプラントが長期間に渡って細胞増殖および新組織の成長を支持することができるように相乗的に作用する構造的および機能的特徴の組合せを有するように設計された骨移植材料およびこれらの材料から形成されたインプラントを提供する。前記インプラントは、適切な血管新生、最適化された細胞の接着、移動、増殖、および分化を可能にするために必要な多孔度、孔径分布および高い表面積を提供する。インプラントは生体適合性合成材料から形成され、治癒過程全体を通して継続する細胞増殖を支持するために必要な機械的完全性を提供する。これらのインプラントは多孔性材料の繊維状または細粒状下部構造を含んでよく、それが生体活性材料またはポリマーにより被覆されていてもよい。さらに、これらのインプラントには、骨細片、幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンの形の同種移植材料を組み入れてもよい。
本開示の実施形態を図面を参照して説明および例証する。しかしながら、図面は一定の縮尺で描いたものではなく、実寸または相対的サイズを表すことを意図するものではないことを理解すべきである。そうではなく、図面は本明細書に記載される概念を説明するのに役立つ。
上で述べた通り、本開示は繊維状生体活性ガラス材料から形成され得る人工インプラントを提供する。インプラントは、インプラントの組成を変化させるために1種以上の異なるガラス材料を含み得る。それに加えて、それぞれの材料の直径も変化させて、差動的または段階的吸収能力を有するように選択的に構成および構築された人工インプラントを作ることができる。それに加えて、図1に示される通り、それぞれの繊維をポリマーコーティングにより個々にコーティングし得る。個々の生体活性ガラス繊維20は、ポリマーシェル30によりコーティングまたは被覆することができる。コーティングは多孔性であってよく、繊維状生体活性ガラス材料の取り扱いを改善する。
個々の繊維をコーティングするのではなく、図2に示される通りに繊維マトリックス全体をコーティングすることが可能である。繊維マトリックスは自由流動性の、ランダムに配向した繊維20を含み、それがポリマーコーティングまたはシェル30により被覆されていてもよい。シェル30は多孔性であってよく、繊維状生体活性ガラス材料の取り扱いを改善する。これらの細孔または穴34は繊維マトリックス内部での細胞および栄養の自由移動を可能にすることにより、治癒過程を改善する。いくつかの実施形態において、繊維または細粒のいずれか、または両方の組合せをコーティングに加え得ると考えられる。繊維または細粒(それ自体がコーティングされていてもいなくてもよい)は、足場の外面から外に延びて、接着を増強し、細胞接着表面を作り出す表面特徴を提供する。図6はこの概念を図示する。
図3は、繊維20のマトリックスと組み合わせて細粒40を含み得る人工インプラント10の代表的実施形態を表す。いくつかの実施形態において、マトリックスはさまざまな生体活性ガラス材料からなる繊維20を含み得る。インプラント10の吸収速度および吸収プロファイルを変更または制御するため、ならびに機械的強度および圧縮抵抗を提供するために、細粒物質の存在を利用し得る。細粒は、生体活性ガラス、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、またはヒドロキシアパタイトであり得る。細粒は中実であっても多孔性であってもよい。これらの細粒は、細胞接着のためのアンカーとして、分布および投与量を制御するための繊維間のスペーサーとして、または抗微生物特性を提供する生物学的薬剤もしくは骨刺激剤の担体としての役割を果たす。
生体活性ガラス細粒の含有は広範囲のサイズまたは形状を有する細粒を用いて達成されて、粗い表面、非常に大きい表面積等を含有せしめることができる。。例えば、細粒は、細粒内部の表面の曝露を可能にする穿孔を有する内腔を含むように作ることができる。このような細粒は急速に吸収され、差動的吸収性を特徴とする材料を作ることが可能になる。穿孔を有するまたは多孔性の細粒は、例えば、均一な直径または均一な穿孔サイズを特徴とし得る。細粒により提供される多孔性は、骨移植材料または骨移植材料から形成されたインプラントに与えられる第2の多孔度の範囲として見ることができる。含まれる場合には、生体活性ガラス繊維および細粒のサイズ、横径、表面の質感、および形状を変えることにより、製造者は、患者にインプラントを移植する前および後の材料の機能に大きな影響を与え得る、選択的に変えることができる特徴を有する生体活性ガラス骨移植材料を提供することが可能になる。ナノおよびマクロサイズの細孔は、生体活性を向上させ、それにより修復過程を向上させる優れた流体吸収能力および保持能力を提供する。
したがって、人工インプラントは、生体活性ガラス繊維の直径、サイズ、形状、および表面特性ならびに生体活性細粒含有量および構造的特徴、および例えばリン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト等などのさらなる添加物の含有などの組成および製造に関する可変部分を制御することにより選択的に決定することができる。そのような製造に関する可変部分を選択的に制御することにより、選択された程度の多孔性、生体吸収性、組織および/または細胞の侵入、カルシウムのバイオアベイラビリティ、柔軟性、強度、圧縮性等などの特徴を有する人工骨移植材料を提供することが可能になる。
図4A〜4Cは、ポリマー内部に含有される繊維の代表的実施形態を表す。図4Aは、繊維クラスターを形成した繊維20を含み得る人工インプラント110の代表的実施形態を表す。生体活性ガラス繊維は比較的容易にこれらのクラスターを形成し得る。これらのクラスターは、生体活性ガラス繊維材料を少し機械的に撹拌することにより達成することができる。得られた繊維クラスターは高度に多孔性で、流体または他の栄養を容易に吸い上げることができる。それ故、多孔性繊維クラスターの形態の生体活性ガラス材料を提供することにより、さらに優れた臨床結果および改善された取り扱いを達成することができる。繊維20の材料は同じであっても、さまざまな生体活性ガラス材料であってもよい。図4Aに示す通り、繊維クラスターはさらにポリマーコーティング30を含み得る。
場合により、短い繊維状材料がクラスターの外部から延びて、固定部位を作ってもよい。個々の繊維は、既に記載したものと同様に、ポリマーコーティングによりコーティングされてもよい。あるいは、繊維ボール全体がポリマー(多孔性であってよい)によりコーティングされてもよい。
さらに、これらの繊維クラスター120は、図4Bに示されるように、それらを高温で加熱することにより硬化されてもよい。融着された繊維クラスター120は、一定の繊維が融着された交点22において付着しているので、もはや自由に動く繊維20を持たない。クラスター120は、ポリマーコーティングまたはシェル30を含み得る。さらに、クラスター120は、場合により、クラスター120の周囲のスパイク146として作用する、外表面上の硬化した繊維を含み得る。
いくつかの例において、焼結された繊維クラスター130は、図4Cに示すような繊維アーキテクチャを提供してもしなくてもよい。この例において、多孔性クラスター130は、元の繊維アーキテクチャが識別されないように融着されている。その代わりに、クラスター130は、細孔または空隙28を有する多孔性生体活性ガラス細粒26であるように見える。
先に述べた通り、繊維クラスターの吸収速度および吸収プロファイルを変更または制御するために細粒物質の存在を利用することができる。図5は、先に記載したものと同様の繊維20および細粒40を含む人工インプラント140の実施形態を示す。細粒は、中実、多孔性、または焼結されたものであってよく、さらにポリマーコーティング30によりコーティングされていてもよい。先の実施形態と同様に、インプラントは、柔軟な波状の短い繊維または硬化した繊維スパイクなどの外側の表面特徴を含んでもよい。
形成され、形作られた本開示の生体活性ガラス材料は、焼結を行ったものも行わないものも、その加工により規定された有限密度材料の同じ属性および基礎材料の繊維の大きさ(例えば、繊維の直径および長さ)を共有し、それがクラスターの形成をもたらす。超多孔性クラスターは、ボール全体に渡って勾配を有するミクロ、メソ、およびマクロ多孔性を有し得る。一貫した製造プロセス下で形成された生体活性ガラスのクラスターは骨欠損を満たすために容積測定投与により使用することができる。さまざまな臨床適用のために任意の数の異なるサイズのクラスターを提供することができる。
ポリマーコーティングを適用するいくつかの実施形態において、繊維または細粒のいずれか、または両方の組合せをコーティングに加え得ると考えられる。繊維または細粒(それら自体がコーティングされていてもいなくてもよい)はインプラントの外面から延びて、接着を増強し、細胞付着表面を作る表面特徴42を提供する。図6に示される通り、シェル30は短い波状の繊維断片42を含んでもよく、それがin situでのインプラント150の固定を増強するための表面特徴としての役割を果たす。これらの短い波状の繊維断片42は、シェル30から外部に延びる繊維20であってよく、またはシェル30に加えられた別個の短い繊維断片42であってもよい。
図7は、断面図が2層の繊維がポリマー30に包まれているように見える、一方が他方の内部に存在する2種の繊維クラスター20A、20Bを含む人工インプラント200の代表的実施形態を表す。先に記載したクラスターと同様に、クラスター20A、20Bは中実、多孔性、または焼結されたものであってよく、さらにポリマーコーティング30によりコーティングされていてもよい。繊維クラスターの材料20A、20Bは同じであっても異なっていてもよい。インプラントは場合により細粒、繊維または先に述べた他の添加物を含み得る。
さらに、異なる形状(すなわち、繊維か細粒か)であるのみでなく、異なる処方の生体活性ガラス材料の複合体である構造物を提供することも可能である。例えば、一実施形態において、生体活性ガラス材料は、インプラントの第1の生体活性ガラス成分である繊維または細粒の中に組み込むことができる溶解した濃縮溶液として提供される。ある例において、ホウ酸塩系生体活性ガラスを溶解し、シリカ系ホウ酸生体活性ガラス材料の細孔の中に導入する。溶解されたホウ酸塩系材料は薬剤として作用し、移植された際に、下に存在する第1のシリカ系生体活性ガラス材料が溶解するのを待つ必要なく、一気に溶解産物を放出する。すなわち、溶解した生体活性ガラス材料が第1の生体活性ガラス材料により形成された多孔性マトリックス内に運ばれ、この多孔性マトリックスを通して送達される。これは、使用者に、担体のインプラントまたは第1の生体活性ガラス材料を変える必要なく、第2の生体活性ガラス成分の利益を提供する。それに加えて、このような例は、反応または吸収の速いガラスの利益を失うことなく、化学的により安定なガラスを使用することを可能にする。溶解産物は、例えば、BMPなどの生物学的に活性な薬物の上方制御を助ける役割も果たす。
クラスターまたは細粒の形態の超多孔性生体活性ガラス材料を提供する利点の1つは、材料の取り扱いを改善することができることである。細粒材料を取り扱う1つの方法において、細粒を担体と共にシリンジに充填し、容易に骨欠損の中に注入することができる。別の利点は、密集して充填される複数のクラスターを有し、さらなるマクロ構造を形成して全体として材料の足場となるという付加的な構造的効果である。個々のクラスター間の開口は、ふるいのように、インプラントの位置においてある所望の栄養を濃縮するために血液または骨髄中のさまざまな栄養に対するフィルターが望まれる場合などに有益であり得る。
細粒物質を使用して、繊維クラスターの吸収速度および吸収プロファイルを変更または制御することができるが、同様に、繊維を含まない人工インプラントを提供することも可能である。図8は、ポリマー30により被覆された繊維クラスター40を含むインプラント220を示す。当然ながら、クラスターそれ自体もガラス、ガラス-セラミック、またはセラミックにより被覆されていてよい。いくつかの実施形態において、クラスターは繊維クラスター40内部に存在し得る細粒により置換または補足され得る。細粒(図示しない)は中実、多孔性、または焼結されたものであってよく、さらにガラス、ガラス-セラミック、またはセラミックコーティングによりコーティングされていてもよい。クラスター40は骨形成細胞のベースを提供し、この例において、クラスターをベースとするマトリックスは細粒の担体材料としての役割を果たし得る。図9に示される通り、インプラントは場合により繊維20または先に述べた他の添加物を含み得る。これらの繊維20はクラスターと同じ材料または異なる材料から作られてよく、さらに上記の通りにコーティングされてもよい。
臨床適用に有用な別のインプラントは、捏和性、形状適合性、または他の成形可能な製剤またはパテである。パテは注入または塗布のいずれかにより傷害部位に直接適用することができるので、パテインプラントは望ましい。また、パテインプラントは取り扱いが容易であり、成形可能であり、臨床医が材料を容易に素早く任意の所望の形状に形成できる自由度を有する。それに加えて、パテは展性、塗沫可能性、および注入可能性の属性を有する。
したがって、生体活性ガラス材料はパテまたは発泡体状インプラントを作るなど、改善された臨床的取り扱いのために担体材料と混合してもよい。パテの形態の柔軟なインプラントは、生体活性ガラス材料を流動性または粘性の担体と混合することにより提供することができる。発泡体状インプラントは、生体活性ガラス材料をコラーゲン(ヒトまたは動物由来)などの多孔性マトリクスまたは多孔性ポリマーマトリックスの中に埋め込むことにより提供することができる。発泡体状インプラントの利点の1つは、多孔性担体が細胞および成長因子の接着部位としても作用することが可能であり、より十分に管理された治癒につながり得ることである。
担体材料は多孔性であってよく、治癒への寄与を促進し得る。例えば、担体材料は、繊維が提供する利点と同様の、細胞および/または栄養を移植部位に運搬する毛管作用を作り出すのに適切な多孔性を有し得る。また、担体材料は、過程の中で栄養を部位に運搬し、急速に吸収するための浸透圧または膨潤圧を作り出すための化学を有し得る。例えば、担体材料は水に対して高い親和性を有するポリエチレングリコール(PEG)であってよい。
一実施形態において、パテは、シリンジまたは他の注入システムから容易に注入できるように、捏和可能な稠度よりも高い粘性を有し得る。これは、損傷部位および患者に対する破壊を可能な限り小さくしたいと考える、侵襲性を最小限にした系において非常に有用であり得る。例えば、治療は、シリンジ、カニューレ、注射針、送達スクリュー、または注入用材料の分散のための他の医療用送達ポータルを用いて材料の流動性パテを骨損傷の領域に単に注入することを含み得る。この治療は外科的であっても非外科的であってもよい。
生体活性ガラスにより形成された超多孔性繊維クラスターと多孔性生体活性ガラス細粒および担体材料との組合せは、現在利用可能なパテと比較して改善されたパテインプラントを形成する。一実施形態において、パテは、担体材料中に繊維および繊維クラスターを含み得る。別の実施形態において、パテは、先に述べた通りの繊維クラスター、生体活性ガラス細粒、および担体材料を含んでよく、繊維および細粒は上記の通りポリマーによりコーティングされ得る。焼結された繊維クラスターならびに生体活性ガラス細粒は多孔性であってよく、そこではそれぞれの成分が全体に渡ってある範囲または勾配の多孔度を有し得る。そのため、組合せによりさまざまな吸収速度を有するパテが提供される。上で述べた通り、これらの繊維およびガラスクラスターはさまざまな多孔度を有するように設計することができ、パテ処方のカスタマイズを可能にする。いくつかの実施形態において、パテは、ナノ孔、マクロ孔、メソ孔、およびミクロ孔の任意の組合せを含む。
パテインプラントの担体材料は、リン脂質、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グリセリン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ乳酸(PLA)、乳酸-グリコール酸共重合体(PLGA)、または他の同じファミリーの共重合体であり得る。他の好適な材料としては、例えば、ヒアルロン酸、またはアルギン酸ナトリウムが挙げられる。担体材料は、水性または非水性のいずれであってもよく、粘性であってもよい。別の担体材料の選択肢は、インプラントに粘着性を与える生理食塩水または骨髄穿刺液である。上記のものなどの添加物、例えば銀または別の抗微生物成分も、さらなる生物学的強化を提供するために加えることができる。
他の実施形態において、流体の添加によりコラーゲンを軟化させるために、コラーゲンは完全にまたは部分的に水溶性の形態のコラーゲンであり得る。さらに別の実施形態において、コラーゲンは可溶性コラーゲンと繊維状コラーゲンとの組合せであり得る。コラーゲンは、いくつかの例においてヒト由来コラーゲンであってよく、または動物由来コラーゲンであってよい。
焼結がクラスターに相対的硬度を与える結果として、焼結されたクラスターが機械的に強くなるので、焼結された繊維クラスターの使用はいくつかの例において有利であり得る。それらをガラス細粒と組み合わせることにより、インプラントの構造的完全性、機械的強度、および耐久性がさらに向上する。大きいサイズの細粒またはクラスターは長い吸収時間を有する傾向があるので、以前の事例では、使用者はスピードのために強度を犠牲にしなければならなかった。しかしながら、出願人が発見した通り、吸収のスピードを犠牲にすることなく機械的強度を達成するために、大きいサイズの細粒またはクラスターを提供することが可能である。この目的で超多孔性クラスターを使用し得る。中実の球または細粒を使用するのではなく、全体として大きいサイズのクラスターが提供する完全性と吸収におけるスピードをもたらす多孔性とを有する超多孔性クラスターを使用することができる。これらの超多孔性クラスターはより多くの栄養を吸収し、より速く吸収される傾向があり、欠損のはるかに速い治癒および再造形につながる。
注入による送達のためにパテを製剤することができると考えられる。例えば、パテを適用する1つの方法は生体活性材料を含有するシリンジを含み、このシリンジを開いて、パテを形成するために必要な流体をシリンジの中に吸引することができ、一方で同じシリンジを形成されたパテインプラントを注入するために使用することができる。他の例において、除去可能な蓋などのねじ山の付いた付属物を有するシリンジを部位特異的送達のために利用し得る。
いくつかの実施形態において、先に記載した方法によりクラスターを形成した繊維、ならびに異なる材料からなる未焼結の繊維を含む人工インプラントが提供される。未焼結の繊維は、繊維クラスターの担体としての役割を果たす。パテインプラントは、インプラントに粘着性を与えるために、生理食塩水または血液骨髄穿刺液(blood marrow aspirate)を加えることにより形成することができる。それにより、パテは2つの異なる生体活性ガラス材料を含有し得る。
さらに別の実施形態において、移植材料は発泡体の形態で提供されてもよい。例えば、基本的移植材料へのコラーゲンの添加により発泡体状インプラントが製造され、これを、細片、シート、または円筒状ロールに形作ることが可能である。次に、これらの細片、シートまたはロールは容易に切断、折り曲げ、または他の方法によりインプラントの最終的な幾何学的形状に形成することができる。さらに、これらのシートは、治癒のための骨欠損部位の周囲の創傷被覆材またはラップとして使用することが可能である。
先に述べた通り、繊維クラスターは硬いクラスターを提供するために焼結されてもよい。当然ながら、焼結された繊維クラスター(硬い細粒)と焼結されていないクラスター(軟らかい細粒)の両方の組合せを1回の適用において同時に使用することも考えられる。同様に、本明細書に記載される通りのパテ、発泡体、およびクラスターの組合せを1回の適用において使用して、さらに洗練された多孔性勾配を作り出し、最終的に改善された治癒反応を提供することができる。いくつかの例において、生体活性ガラス材料の固体の多孔性クラスターも組成物に組み入れることができる。
さらに、これらの繊維クラスターをポリマーにより包んでも、またはコーティングしてもよい。コーティング材料それ自体が多孔性であり得る。したがって、繊維クラスターは、ポリマーで形成されたコーティングによりさらに保護され得る。高度に多孔性の材料は強度が低い傾向があり、破損を生じやすく、もつれる可能性があるので、これらの繊維クラスターをコーティングすることの利点は改善された取り扱いを提供することである。下に存在する繊維基盤と同じ特性を有するコーティングを加えることで、さらに別の保護層ならびにさらなる多孔性勾配を有するクラスター様組成物が作り出されるであろう。
本開示の発明のさまざまな組成物および製剤を、前記の生体活性ガラスインプラントの主成分とポリマー封じ込め層との組合せにより達成することができると考えられる。例えば、1つの組合せは、ポリマーベース層の上に置かれた繊維または細粒のいずれかの生体活性材料の単一の材料を含み、次にそれを円筒形に巻いて移植部位に送達することができる。あるいは、巻いた後、インプラントを所望の形に成形または切断して、部位に挿入してもよい。所望の場合には、ロールを密封してもよい。
図10Aは、穴34を有するポリマーのシート30およびその上に置かれた本開示の繊維20のマトリックスを示す。シート30を巻き上げると、図10Bに図示される通りの複合層状インプラント300が作られる。インプラント300は、層全体に(すなわち、深さ方向に)、かつロール状インプラント300の長さ方向に均一に分散する繊維20を有し得る。
当然ながら、材料の濃度が変化する複合骨移植インプラントを作ることができると考えられる。例えば、図11Aに示される通り、ポリマーの層は分離して置かれた一定量の異なる材料を含んでもよい。この例において、繊維20をポリマーシート30の一方の端に置き、繊維クラスター40を他方の端に置く。シート30を巻くと層状の複合インプラント320が作られ、それにより、図11Bに示される通り、繊維クラスター40がロールの中心近くに存在し、繊維20がロールの外側近くに存在する。場合により、ポリマーシート30はさらに、例えば、流体および栄養の交換を可能にするために細孔または穴34を含んでもよい。
ポリマーシートを別の角度で巻いた場合には、図11Aに示される同じ形状から異なる構造物が製造される。最終製品として、ロール状インプラントの異なる末端で材料が濃縮されている複合インプラントが製造される。したがって、複合的吸収プロファイルを作り出すために、インプラントに関して多くの形状が考えられる。
図12は、生体活性ガラス材料の繊維20および細粒またはクラスター40を含む複数の材料がポリマーベース層30の上に置かれ、次いで円筒形に巻かれて移植部位に送達することができる1つの組合せの代表的実施形態を表す。あるいは、巻いた後、インプラントを所望の形に成形または切断してから部位に挿入してもよい。所望の場合には、図12に示す通り、ロールを密封してインプラント340を形成してもよい。抗微生物薬などの先に記載したもののような付加的な他の薬剤または成分も加えることができる。
先に述べた通り、ある材料がロールの内部に濃縮される一方で、異なる材料がロールの外側近くに濃縮されるように、材料をあらかじめ決められた順序で分離して置くことができる。言い換えると、ポリマーベース層の上の材料の配置に依存して、材料を別々のポケットに選択的に濃縮することができる。このタイプの分離した材料の配置は、移植材料の層状効果をもたらす。図12は、複数の材料がポリマーベース成分の上に均一にまき散らされて、ロールの深さ全体に渡って実質的に均一に分布する材料を有するロールを作る複合インプラント340の実施形態を図示する。
当然ながら、複数の層の材料は、望まれる層の数に依存して、分離した層としてまたは混合物としてのいずれかで適用し得ることが理解される。さらに、材料の層を有するポリマーベースの複数の層の複合体(単一の層の上の別個の部分の形で、またはそれ自体が全体の層として)を想定することが可能であり、それにより材料がスタッキング効果を作り出して、骨移植材料のブロックを形成する。
図13Aは、中に同種移植材料60を組み入れた繊維状生体活性ガラス材料20から形成され得る人工インプラント400の代表的実施形態を表す。繊維マトリックスは自由流動性のランダムに配向した繊維20を含み得る。図示される通り、同種移植材料60はインプラント400の分離したポケット(例えば、インプラント400の中心または中央に存在する)に濃縮され得る。
図13Bは、中に同種移植材料60を組み入れた繊維状生体活性ガラス材料20から形成され得る人工インプラント410の代表的実施形態を表す。しかしながら、図13Aとは異なり、同種移植材料60は小さい断片またはチップとして提供され、インプラント410の全体に渡って均一に分散されるか、広がっている。
図14Aは、中に同種移植材料60を組み入れた細粒状生体活性ガラス材料40から形成され得る人工インプラント420の代表的実施形態を表す。図示される通り、同種移植材料60はインプラント400の分離したポケット(例えば、インプラント420の中心または中央に存在する)に濃縮され得る。すべての例において、インプラントはさらにコーティングされ得る。場合によりコラーゲンなどの担体も提供され得る。
図14Bは、中に同種移植材料60を組み入れた細粒状生体活性ガラス材料40から形成され得る人工インプラント430の代表的実施形態を表す。しかしながら、図14Aとは異なり、同種移植材料60は小さい断片またはチップとして提供され、インプラント430内の特定の場所に分離して配置される。例えば、図示される通り、同種移植片の断片60はインプラント430の外側表面の近くに配置されて、外側表面において濃縮された活性を提供し得る。
図15は、中に同種移植材料を組み入れた、繊維20と組み合わせた細粒40を含み得る人工インプラント440の代表的実施形態を表す。いくつかの例において、繊維はさまざまな生体活性ガラス材料製であり得る。図示される通り、同種移植材料60はインプラント440の分離したポケット(例えば、インプラント440の中心または中央に存在する)に濃縮され得る。場合により、同種移植材料は脱灰骨マトリックス(DBM)の形態であってよいが、DBMに代えてまたは補足して骨細片も使用することができる。
図16Aは、中に骨細片70および生体活性ガラス細粒40を組み入れた人工インプラント450の代表的実施形態を表す。図16Bは、中に骨細片70および生体活性ガラス繊維20を組み入れた人工インプラント460の代表的実施形態を表す。図16Cは、中に骨細片70ならびに繊維20および細粒40の両方を組み入れた人工インプラント470の代表的実施形態を表す。
上に述べた通り、インプラントの吸収速度および吸収プロファイルを変更または制御し、機械的強度および圧縮抵抗を提供するために細粒物質の存在を利用することができる。細粒は生体活性ガラス、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、水素化カルシウム、リン酸カルシウム、またはヒドロキシアパタイトであり得る。細粒は中実であってよく、または多孔性であってもよい。これらの細粒は、細胞接着のためのアンカーとして、分布および投与量を制御するための繊維間のスペーサーとして、または抗微生物特性を提供する生物学的薬剤もしくは骨刺激剤の担体としての役割を果たす。
図示される通り、これらの骨細片はインプラント450、460、470の全体に均一に分布し得る。あるいは、骨細片70は分離されたポケットに濃縮されてもよい。さらに、それぞれの材料の直径を変えて、差動的または段階的吸収能力を有するように選択的に構成および構築された人工インプラントを製造することができる。先に述べた通り、これらの繊維は個々にコーティングされてもよく、または同種移植材料を含む繊維状インプラント全体がコーティングされてもよい。
他の実施形態において、同種移植材料は骨細片ではなく脱灰骨マトリックスを含み得る。さらに、インプラントは、インプラントの組成を変化させるために1種以上の異なるガラス材料を含み得る。先に述べたものなどの付加的な生物学的薬剤および添加物を利用してもよい。
複合インプラント500、および/または繊維および/または細粒はさらに、図17Aおよび17Bに示す通り、ポリマーコーティングを含み得る。コーティング30は多孔性34であってよく、繊維状生体活性ガラス材料の取り扱いを改善する。これらの細孔または穴34は、内部の繊維マトリックス内の細胞および栄養の自由移動を可能にすることにより治癒過程を改善する。上で述べた通り、下に存在するインプラント500は焼結されていてもいなくてもよい。コーティングは、インプラント500全体、繊維のみ、細粒のみ、またはそれぞれの両方または一部分に選択的に施され得る。
いくつかの実施形態において、繊維もしくは細粒のいずれか、または両方の組合せをコーティングに加え得ると考えられる。表面の繊維32または細粒52(それ自体がコーティングされていてもいなくてもよい)は足場の外面から外に延びて、接着を増強し、細胞接着表面を作り出す表面特徴を提供する。図17Bはこの概念を図示し、繊維20と生体活性ガラスの細粒40との組合せならびに同種移植材料60を含有し、その全体がポリマーコーティング30の中に含有されている複合インプラント510を示す。このコーティングは、図示される通り密封することができ、表面の繊維32および細粒52を有し得る。
図18A、18B、19A、および19Bは、繊維状または細粒状のいずれかの生体活性材料からなる複数の材料を同種移植片成分と共にポリマーベース層の上に置き、次いでそれを円筒形に巻いて移植部位に送達する、組合せを図示する。あるいは、巻いた後、インプラントを所望の形に成形または切断し、次いで部位に挿入してもよい。所望の場合には、ロールを密封してもよい。抗微生物剤などの先に記載されたもののような付加的な他の薬剤または成分を加えてもよい。
図18Aおよび18Bに示される通り、ある材料がロールの内部に濃縮される一方で、異なる材料がロールの外側近くに濃縮されるように、材料をあらかじめ決められた順序で分離して置くことができる。言い換えると、ポリマーベース層の上の材料の配置に依存して、材料を別々のポケットに選択的に濃縮し得る。このタイプの分離した材料の配置は、移植材料の層状効果をもたらす。図18Aおよび18Bの場合には、複合インプラント600、610は、インプラント600のコア内に存在する同種移植材料60のコアの周囲に繊維20および細粒40のマトリックスを含む。ロール状のインプラント600の縁を密封し、円筒形または棒形のインプラント600を製造する。
図18Bに図示される通り、インプラント610は細粒52または短い波状の繊維32のような表面特徴を含んでもよい。これらの加えられた表面特徴はコーティング30に含まれて、細胞活性を引きつけ、in situでのインプラントの接着を改善するための生体活性固定点を有する外側を提供する。
図19Aおよび19Bは、インプラント610全体にランダムに分散する複数の同種移植片の断片60の周囲の繊維20および細粒40のマトリックスを含む複合インプラント620の代表的実施形態を表す。巻いたインプラント620の縁を密封すると、円筒形または棒形のインプラント620が製造される。
図19Bに図示される通り、インプラント630は細粒52または短い波状の繊維32のような表面特徴を含んでもよい。これらの加えられた表面特徴はコーティング30に含まれて、細胞活性を引きつけ、in situでのインプラントの接着を改善するための生体活性固定点を有する外側を提供する。
当然ながら、同種移植片の断片60は組立の前にポリマーシート30の上に分離して置いて、同種移植片の断片60がインプラント内の分離したポケットに濃縮されるようにするか、または同種移植片の断片60が多層ロール状複合インプラントの分離した層に濃縮される形状にすることが可能であると理解される。
図20〜23の走査電子顕微鏡写真に示される通り、インプラントの繊維マトリックスは、図20(インプラントの繊維アーキテクチャが明瞭に認められる)に示されるようなクラスターの形態を取り得る。この繊維アーキテクチャはヒトフィブリンクロットの構造を模倣する構造を有するインプラントを提供する。細粒が繊維マトリックスに組み込まれてもよく、図21に示す通り、このような細粒はインプラントの外側に延びてもよい。
図22は部分的に硬化したシェルを有する繊維細粒を示す。また、このシェルは多孔性で、細胞および栄養の交換が可能である。図23にさらに詳細に示される通り、細粒の繊維マトリックス内の個々の繊維も多孔性である。
いくつかの実施形態において、繊維直径は、約0.1〜約100ミクロンの範囲であり得る。別の実施形態において、直径は約0.5〜約30ミクロンの範囲であり得る。さらに別の実施形態において、直径は約10ミクロン未満であり得る。一実施形態において、繊維直径は約2〜約10ミクロンの範囲に含まれ得る。
いくつかの実施形態において、繊維クラスターは約0.75〜約4.0 mmの範囲の直径を有し得る。他の実施形態において、繊維クラスターは約2.0〜4.0 mmの範囲の直径を有し得る。
いくつかの実施形態において、ガラス細粒は約1〜5 mm、または約950ミクロン〜約3 mm、または約850ミクロン〜約3 mmの範囲の直径を有し得る。他の実施形態において、ガラス細粒は約50〜450ミクロン、または約150〜450ミクロンの範囲の直径を有し得る。
以下は、1種以上のポリマーコーティング、ポリマー複合コーティング、またはポリマー/ポリマー複合容器を用いて生体活性ガラス繊維、多孔性クラスター、または他の生物学的成分を包装および送達する方法の実施例である。
実施例1
実施例1は、M45多孔性生体活性クラスターなどの単一の生物学的成分を含有する容器または袋を提供する。袋は薄膜キャスティング法により成形されたPCLシートから作られ得る。PCLシートを半分に折り、2辺を密封(熱処理)して、M45を挿入するために1辺を開けておく。M45を袋に入れた後、最後の辺を密封することができる。本実施形態のこの形態により、クラスターを含有することにより担体を加えることなく臨床医が生物剤(M45)を容易に取り扱い、骨欠損部位に配置することが可能になる。この設計の他の形態は、(a)複数の生物学的材料(複数のガラス/セラミクス/繊維/フリット/インプラント/多孔性クラスター);(b)骨髄穿刺液またはヒト骨;(c)移植の前に血液または他の液体(注入液/薬物一般)がクラスターと相互作用できるようにする多孔性の袋;(d)その生体活性を増大させるためのPCLへの生体活性ガラスまたは他の生物剤の添加;(e)PCLへの銀/金属イオン放出剤の添加または生物学的殺菌;および(f)複数の袋を一緒に積み重ねて、それらを密閉して層状の複合体を形成する机上の実施例(a paper example)を含み得る。
実施例2
実施例2は、ロール状に巻かれ、最後に取り扱いを改善するためにPCLの外側層によりコーティングされた、PCLによりコーティングされたM45多孔性クラスターを提供する。このインプラントもクラスターを含有し、パテ成分を加えずに容易に移植位置に配置することが可能である。巻かれたシートは、溶解すべきパテが存在せず、シートが溶解しない限りシートがクラスターを原位置に保持して、それが欠損部位において起こり得る何らかの沈殿の発生を延長するので、組織の浸透を早めるであろう。
実施例3
実施例3は、インプラントの作成を少し容易にするように、クラスターを含有するために袋を使用する点を除いて、実施例2と同様である。この実施例において、クラスターはシートに結合されず、それらは複数回包まれる。異なる実施形態では、生物剤を先にシートに結合することができるが、一般には、生物剤を袋の中に均一に分散した後、ロール状に巻き、密封して円筒状のだぼ型インプラントを作る。
実施例4
実施例4は実施例3の延長であり、袋が複数の生物学的材料を含有するように使用される。実施例4において、第1のインプラント材料はF45であり、これを密封した後、M45多孔性クラスターを含む第2の材料を加えて密封し、最後に銅を含有する(血管新生を刺激するため)ホウ酸ガラスフリットを含有する第3の層を加えて密封する。袋をロール状に巻いて密封するが、巻くことにより、外側から中心に向かってインプラント材料の層が効果的に形成される。これは、異なる生物学的反応を引き出すためまたはインプラント全体の多孔性および微小構造を有意に変化させるために使用することができる。
本開示の人工インプラントを骨移植における使用について説明したが、本開示のインプラントは軟部組織または軟骨修復にも適用可能であると考えられる。したがって、本明細書において提供されるインプラントの適用は、多くの異なる医学的使用、特に新しい結合組織の形成が望まれる場合の使用を含み得る。このような臨床適用の1つは核置換の領域におけるものであり、そこでは核置換療法の一部として人工インプラントを円板核の中に挿入することができる。別の好適な臨床適用は、特にインプラント組成物に多血小板血漿(PRP)を加えて使用する、大きい骨欠損または損傷のためのものである。さらに、インプラントは、骨欠損修復における骨セメントの置換物または代替物などの骨充填剤として適用され得る。インプラントをその能力に一層適したものにするために、インプラントにシランコーティングを施すことができる。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考慮および本明細書に提供される開示の実施から当業者に明らかになるであろう。明細書および実施例は例示のみとして考慮されることを意図しており、開示の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲により示される。

Claims (71)

  1. 生体活性ガラスを含む第1成分;および
    ポリマー材料を含む第2成分
    を含み、それぞれの成分が他方の成分とは異なる吸収能力を有する多孔性複合骨移植インプラントであって、前記複合インプラントが、約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有する、前記インプラント。
  2. 生体活性ガラスが、ゾルゲル由来生体活性ガラス、メルト由来生体活性ガラス、シリカ系生体活性ガラス、シリカを含まない生体活性ガラス、結晶化生体活性ガラス、および微量元素を含有する生体活性ガラスからなる群より選択される、請求項1に記載のインプラント。
  3. 生体活性ガラスが、ホウ酸塩系生体活性ガラスおよびリン酸塩系生体活性ガラスからなる群より選択されるシリカを含まない生体活性ガラスを含む、請求項2に記載のインプラント。
  4. 生体活性ガラスが、部分的に結晶化されたまたは完全に結晶化された生体活性ガラスを含む、請求項2に記載のインプラント。
  5. 生体活性ガラスが、S70C30、45S5、S53P4、58S、または13-93ガラスを含む、請求項2に記載のインプラント。
  6. 第1成分が生体活性ガラス繊維または生体活性ガラス細粒を含む、請求項1に記載のインプラント。
  7. 第1成分が部分的にまたは完全に焼結されている、請求項1に記載のインプラント。
  8. 第2成分が生体吸収性ポリマーを含む、請求項1に記載のインプラント。
  9. 第2成分が多孔性コーティングである、請求項1に記載のインプラント。
  10. 第2成分が2種以上のポリマーの組合せを含む、請求項1に記載のインプラント。
  11. 少なくとも一方の成分が多孔性である、請求項1に記載のインプラント。
  12. 第1成分が生体活性ガラス繊維を含み、第2成分がそれぞれの繊維を覆うコーティングを含む、請求項6に記載のインプラント。
  13. 第1成分が生体活性ガラス繊維を含み、第2成分が複数の繊維を覆うコーティングを含む、請求項6に記載のインプラント。
  14. 第1成分が生体活性ガラス繊維を含み、第2成分が複数の繊維を取り囲む織物状の層を含む、請求項6に記載のインプラント。
  15. 第1成分が生体活性ガラス細粒を含み、第2成分がそれぞれの細粒を覆うコーティングを含む、請求項6に記載のインプラント。
  16. 第1成分が生体活性ガラス細粒を含み、第2成分が複数の細粒を覆うコーティングを含む、請求項6に記載のインプラント。
  17. 第1成分が生体活性ガラス細粒を含み、第2成分が複数の細粒を取り囲む織物状の層を含む、請求項6に記載のインプラント。
  18. さらにインプラント上にインプラントの固定を増強するための表面特徴を含む、請求項1に記載のインプラント。
  19. 表面特徴が繊維、細粒、スパイク、または粗面処理を含む、請求項18に記載のインプラント。
  20. さらに、細粒の形態の生体活性材料を含む第三成分を含む、請求項1に記載のインプラント。
  21. 細粒が多孔性である、請求項20に記載のインプラント。
  22. 細粒が、生体活性ガラス、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、またはヒドロキシアパタイトを含み得る、請求項20に記載のインプラント。
  23. 細粒がコーティングの中に含有され、インプラントを固定するための表面の増大の役割を果たすように構成されている、請求項20のインプラント。
  24. 細粒が部分的にまたは完全に焼結されている、請求項20に記載のインプラント。
  25. さらに、薬物、微量元素または金属、有機酸、鉱物学的カルシウム源、抗微生物薬、抗ウイルス薬、ビタミン、およびX線不透過剤からなる群より選択される添加物を含む、請求項1に記載のインプラント。
  26. 微量元素が銅、ストロンチウム、マグネシウム、または亜鉛を含む、請求項25に記載のインプラント。
  27. 有機酸がギ酸またはヒアルロン酸を含む、請求項25に記載のインプラント。
  28. 鉱物学的カルシウム源が、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、または硫酸カルシウムを含む、請求項25に記載のインプラント。
  29. 抗微生物薬がナトリウムまたは銀を含む、請求項25に記載のインプラント。
  30. 添加物が繊維または細粒の形態である、請求項25に記載のインプラント。
  31. さらに生物学的薬剤を含む、請求項1に記載のインプラント。
  32. 生物学的薬剤が、骨形態形成タンパク質、ペプチド、骨成長因子、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、インスリン由来成長因子、ケラチン生成細胞由来成長因子、線維芽細胞由来成長因子、幹細胞、骨髄、または多血小板血漿を含む、請求項31に記載のインプラント。
  33. さらに複数の層を含み、それぞれの層内の第1成分と第2成分との体積比がインプラント全体を通して同じである、請求項1に記載のインプラント。
  34. さらに複数の層を含み、ある層内の第1成分と第2成分との体積比がインプラント内の隣接する層と異なっている、請求項1に記載のインプラント。
  35. 第1成分がインプラント全体に渡って均一に分布している、請求項1に記載のインプラント。
  36. 第1成分がインプラント全体に渡って不均一に分布している、請求項1に記載のインプラント。
  37. さらに複数の層を含み、それぞれの層内の第1および第2成分と第3成分との体積比がインプラント全体を通して同じである、請求項20に記載のインプラント。
  38. さらに複数の層を含み、ある層内の第1および第2成分と第3成分との体積比がインプラント内の隣接する層と異なっている、請求項20に記載のインプラント。
  39. 第3成分がインプラント全体に渡って均一に分布している、請求項20に記載のインプラント。
  40. 第3成分がインプラント全体に渡って不均一に分布している、請求項20に記載のインプラント。
  41. 生体活性ガラスを含む第1成分;および
    同種移植材料を含む第2成分
    を含み、それぞれの成分が他方の成分とは異なる吸収能力を有する多孔性複合骨移植インプラントであって、前記複合インプラントが、約100ナノメートルから約1ミリメートルまでの範囲の孔径を特徴とする細孔を含む孔径分布を有する、前記インプラント。
  42. 同種移植材料が、脱灰骨マトリックス、骨細片、もしくは幹細胞保存骨細片、またはヒト由来コラーゲンを含む、請求項41に記載のインプラント。
  43. 生体活性ガラスが、ゾルゲル由来生体活性ガラス、メルト由来生体活性ガラス、シリカ系生体活性ガラス、シリカを含まない生体活性ガラス、結晶化生体活性ガラス、および微量元素を含有する生体活性ガラスからなる群より選択される、請求項41に記載のインプラント。
  44. 生体活性ガラスが、ホウ酸塩系生体活性ガラスおよびリン酸塩系生体活性ガラスからなる群より選択されるシリカを含まない生体活性ガラスを含む、請求項43に記載のインプラント。
  45. 生体活性ガラスが、部分的に結晶化されたまたは完全に結晶化された生体活性ガラスを含む、請求項43に記載のインプラント。
  46. 生体活性ガラスが、S70C30、45S5、S53P4、58S、または13-93ガラスを含む、請求項43に記載のインプラント。
  47. 第1成分が生体活性ガラス繊維または生体活性ガラス細粒を含む、請求項41に記載のインプラント。
  48. さらに生体活性材料を含む第3成分を含む、請求項41に記載のインプラント。
  49. 第1および第3成分の少なくとも一方が部分的にまたは完全に焼結されている、請求項48に記載のインプラント。
  50. 第1および第3成分の少なくとも一方が多孔性である、請求項48に記載のインプラント。
  51. 第1成分が生体活性ガラス繊維を含み、第3成分がそれぞれの繊維を覆うコーティングを含む、請求項48に記載のインプラント。
  52. 第1成分が生体活性ガラス繊維を含み、第3成分が複数の繊維および同種移植材料を覆うコーティングを含む、請求項48に記載のインプラント。
  53. 第1成分が生体活性ガラス細粒を含み、第3成分がそれぞれの細粒を覆うコーティングを含む、請求項48に記載のインプラント。
  54. 第1成分が生体活性ガラス細粒を含み、第3成分が複数の細粒および同種移植材料を覆うコーティングを含む、請求項48に記載のインプラント。
  55. さらにインプラント上にインプラントの固定を増強するための表面特徴を含む、請求項41に記載のインプラント。
  56. 表面特徴が繊維、細粒、スパイク、または粗面処理を含む、請求項55に記載のインプラント。
  57. 第1および第3成分の両方が生体活性繊維を含む、請求項48に記載のインプラント。
  58. 第1成分の繊維が第3成分の繊維とは異なる直径を有する、請求項57に記載のインプラント。
  59. さらに生体活性微粒子を含む、請求項41に記載のインプラント。
  60. 微粒子が多孔性である、請求項59に記載のインプラント。
  61. 微粒子が、生体活性ガラス、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、またはヒドロキシアパタイトを含み得る、請求項59に記載のインプラント。
  62. 微粒子がコーティングの中に含有され、インプラントを固定するための表面の増大の役割を果たすように構成されている、請求項59のインプラント。
  63. 微粒子が部分的にまたは完全に焼結されている、請求項59に記載のインプラント。
  64. さらに、薬物、微量元素または金属、有機酸、鉱物学的カルシウム源、抗微生物薬、抗ウイルス薬、ビタミン、およびX線不透過剤からなる群より選択される添加物を含む、請求項41に記載のインプラント。
  65. 微量元素が銅、ストロンチウム、マグネシウム、または亜鉛を含む、請求項64に記載のインプラント。
  66. 有機酸がギ酸またはヒアルロン酸を含む、請求項64に記載のインプラント。
  67. 鉱物学的カルシウム源が、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、または硫酸カルシウムを含む、請求項64に記載のインプラント。
  68. 抗微生物薬がナトリウムまたは銀を含む、請求項64に記載のインプラント。
  69. 添加物が繊維または微粒子の形態である、請求項64に記載のインプラント。
  70. さらに生物学的薬剤を含む、請求項41に記載のインプラント。
  71. 生物学的薬剤が、骨形態形成タンパク質、ペプチド、骨成長因子、血小板由来成長因子、血管内皮成長因子、インスリン由来成長因子、ケラチン生成細胞由来成長因子、線維芽細胞由来成長因子、幹細胞、骨髄、または多血小板血漿を含む、請求項70に記載のインプラント。
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