JP2016514145A - 5−(ハロメチル)フルフラールの精製方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書の開示内容では、処理の間における5−(ハロメチル)フルフラールの分解または変質を減少あるいは最小化させる操作条件において、5−(クロロメチル)フルフラールを含む、5−(ハロメチル)フルフラール組成物を精製する方法が提供される。上記方法は、特定の溶媒、操作条件および/または技術(例えば、気体分離)を活用し得る。上記方法にて生成される気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが、凝縮され、あるいは析出されることにより、液体状または固体状の5−(ハロメチル)フルフラールが得られる。上記固体状の5−(ハロメチル)フルフラールは、アモルファスまたは結晶であり得る。

Description

発明の詳細な説明
〔関連出願の相互参照〕
本願は、米国仮特許出願番号第61/785,760号(2013年3月14日出願)の優先権を主張する。この仮出願の内容の全てが、参照により本願明細書に組み込まれる。
[技術分野]
本明細書の開示内容は、一般に、フルフラール化合物の生成に関し、より具体的には、5−(ハロメチル)フルフラール(例えば、5−(クロロメチル)フルフラール)の精製に関する。
[背景技術]
輸送燃料のための化石燃料、および、工業用化学薬品の原料としての化石燃料の依存度を低下させる取り組みが、再生可能原料の経済的実現可能性に特に焦点を当てて、数十年間にわたって行われてきた。燃料費の長期間にわたる継続的な増大、環境に対する関心の増大、地政学的な安定性に関する継続的な問題および化石燃料の最終的な枯渇に関する新たな関心に起因して、再生可能資源のより効率の良い活用および「グリーン」技術の開発にかける労力が大きくなっている。
バイオマスにおけるセルロースは、通常、生物燃料の製造のための原料として使用される。例えば、セルロースは、エタノールの製造のために使用され得る。セルロースは、5−(ハロメチル)フルフラール(例えば、5−(クロロメチル)フルフラール(CMF))を経由するフランベースの生物燃料の製造にも使用され得る。CMFは、有望なディーゼル燃料添加剤とされる化合物である、5−(エトキシメチル)フルフラールに変換され得る。さらに、CMFは、有望な生物燃料の候補とされる別の化合物である、5−メチルフルフラールにも変換され得る。
セルロースからのCMFの製造は、1900年代初めに、最初に公表された。現在、CMFを製造する技術において、種々の合成ルートが知られている。CMFは、典型的に、蒸留によって精製され得る油状の残留物として製造される(例えば、Szmant & Chundury, J. Chem. Tech. Biotechnol. 1981, 31, 205-212 を参照)。しかしながら、CMFは、高温にて分解することが知られている。このことに対して、蒸留によるCMFの精製、または気体状態のCMFを得る試みが行われている。
従って、5−(ハロメチル)フルフラールの分解を減少あるいは最小化させる、商業的に実現可能な操作条件にて、5−(ハロメチル)フルフラール組成物を精製するための新たな方法、あるいは気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得るための新たな方法が望まれている。
[概要]
本明細書の開示内容は、5−(ハロメチル)フルフラールの分解を減少あるいは最小化させ得るように、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る方法、あるいは5−(ハロメチル)フルフラール組成物を精製する方法を提供することによって、上述の要望に対処する。5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであり得る。
一局面において、5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒を含む混合物を沸騰させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程を含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有し得る。5−(ハロメチル)フルフラールが5−(クロロメチル)フルフラールである特定の実施形態において、溶媒は、標準圧力(例えば、1気圧)にて少なくとも240℃の沸点を有し得る。
他の局面において、5−(ハロメチル)フルフラールと、分離剤とを接触させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程を含む方法を提供する。ここで、分離剤は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する。いくつかの実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒を含む混合物と、分離剤とを接触させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程を含む方法を提供する。ここで、分離剤は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する。
上述の方法におけるいくつかの実施形態において、溶媒には、1種以上の芳香族系溶媒、1種以上の重アルカン系溶媒、1種以上のエステル系溶媒、1種以上のシリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれる。特定の実施形態において、溶媒には、1種以上のアルキルフェニル系溶媒が含まれる。一実施形態において、溶媒には、スルホラン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、イコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ナフタレン、アントラセン、テトラメチルナフタレン、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれる。
前述の任意の実施形態の組み合わせであり得る、いくつかの実施形態において、上記方法は、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを収集する工程をさらに含む。前述の任意の実施形態の組み合わせであり得る、他の実施形態において、上記方法は、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを凝縮することにより、液体状態にて精製された5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程を含む。前述の任意の実施形態の組み合わせであり得る、さらに他の実施形態において、上記方法は、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを析出(deposited) させることにより、固体状態にて精製された5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程をさらに含む。
本明細書においては、精製装置、5−(ハロメチル)フルフラール、および5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有する溶媒を含むシステムも提供される。上記システムのいくつかの実施形態において、上記システムにおける溶媒には、1種以上の芳香族系溶媒、1種以上の重アルカン系溶媒、1種以上のエステル系溶媒、1種以上のシリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれ得る。特定の実施形態において、溶媒には、1種以上のアルキルフェニル系溶媒が含まれる。一実施形態において、溶媒には、スルホラン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、イコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ナフタレン、アントラセン、テトラメチルナフタレン、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれる。精製装置は、連続処理またはバッチ処理のために構成され得る。
〔図面の簡単な説明〕
本出願は、以下の記載と共に、その一部が番号によって参照され得る添付の図面を参照することによって最も理解され得る。
図1は、本明細書に記載の方法を用いる連続処理に好適な典型的な装置を示す。
図2は、本明細書に記載の方法を用いるバッチ処理に好適な典型的な装置を示す。
図3は、本明細書に記載の方法のための別の典型的な装置を示す。
〔詳細な説明〕
以下の記載は、典型的な方法、パラメータ等を示す。しかしながら、以下の記載は、本明細書に開示された発明の範囲を限定する意図にて記載されたものではなく、むしろ、典型的な実施形態の説明を提供する。
一局面において、5−(ハロメチル)フルフラールおよび特定の溶媒を含む混合物を沸騰させることによって、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る方法、あるいは5−(ハロメチル)フルフラール組成物を精製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有し得る。5−(ハロメチル)フルフラールが5−(クロロメチル)フルフラールである、特定の実施形態において、溶媒は、標準圧力(例えば、1気圧)にて少なくとも240℃の沸点を有し得る。好適な溶媒の例には、例えば、アルキルフェニル系溶媒(例えば、直鎖アルキルベンゼン)、重アルカン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、シリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれ得る。5−(ハロメチル)フルフラールは、5−(クロロメチル)フルフラールまたは5−(ブロモメチル)フルフラールであり得る。
別の局面において、気体の分離によって、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る方法、あるいは5−(ハロメチル)フルフラール組成物を精製する方法を提供する。いくつかの実施形態において、上記方法は、分離剤と、5−(ハロメチル)フルフラールとを接触させ、該5−(ハロメチル)フルフラールを気化する工程を含む。他の実施形態において、上記方法は、分離剤と、5−(ハロメチル)フルフラールおよび本明細書に記載される特定の溶媒を含む混合物とを接触させ、5−(ハロメチル)フルフラール組成物中の5−(ハロメチル)フルフラールを気化する工程を含む。上記方法にて使用される分離剤は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する。
本明細書にて提供される方法は、5−(ハロメチル)フルフラールの分解を減少あるいは最小化させ得る条件における、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールの製造、または5−(ハロメチル)フルフラール組成物の精製のために利用され得る。さらに、本明細書にて提供される方法によって得られる5−(ハロメチル)フルフラールは、液体状態、または、結晶化状態を含む固体状態であり得る。例えば、一変形例において、5−(ハロメチル)フルフラールの分解を減少あるいは最小化させ得る条件において、本明細書に記載の溶媒の存在下にて、5−(ハロメチル)フルフラールを蒸留する方法を提供する。5−(ハロメチル)フルフラールの蒸留には、5−(ハロメチル)フルフラールを沸騰させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを生成する工程、および該気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを液体状態に凝縮させる工程、あるいは該気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを固体状態に析出させる工程を、それぞれ含むことが理解されるだろう。
気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールは、収集され、凝縮され、析出され、あるいは、気体状態のまま別の反応に送り込まれ得る。上記5−(ハロメチル)フルフラール組成物、上記方法、上記得られる精製された5−(ハロメチル)フルフラールの更なる詳細を、それぞれ、以下に説明する。
[方法のために供給される5−(ハロメチル)フルフラール]
本明細書に記載の方法に供給される5−(ハロメチル)フルフラールは、純粋であり得、上記方法は、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得るために利用される。本明細書に記載の方法に供給される5−(ハロメチル)フルフラールはまた、1種以上の不純物を含み得、上記方法は、上記1種以上の不純物と、5−(ハロメチル)フルフラールとを分離するために使用される。
本発明の分野において既知である、任意の好適な原料(任意の市販の原料を含む)および方法が、本明細書に記載の方法において使用するための、5−(ハロメチル)フルフラールを調製するために使用され得る。5−(ハロメチル)フルフラールを調製するための、本発明の分野において既知の方法は、例えば、米国特許第7,829,732号公報、Fenton & Gostling, J. Chem. Soc., 1899, 75, 423、Haworth & Jones, J. Chem. Soc., 1944, 667、Szmant & Chundury, J. Chem. Tech. Biotechnol. 1981, 31, 205-212、Mascal and Nikitin, ChemSusChem, 2009, 2, 859-861、およびBrasholz et al., Green Chem., 2011, 13, 1114-1117に記載されている。
[原料]
5−(ハロメチル)フルフラールを生成するために好適な原料は、六炭(C6)糖類を含む任意の物質であり得る。六炭糖類は、単量体、二量体または重合体であり得る。「六炭糖類」または「C6糖類」は、単量体単位が6つの炭素を有する糖類を意味することが理解されるだろう。さらに、C6糖類は、5−(ハロメチル)フルフラールに変換するために必要なアルコール基を有する。
一実施形態において、C6糖類は、セルロースであり得、あるいはヘミセルロースにて提供され得る。当業者は、セルロースおよびヘミセルロースが、バイオマス中に見出され得る(例えば、セルロース系バイオマスまたはリグノセルロース系バイオマスである)ことを理解するだろう。バイオマスは、酸素が比較的多い有機化合物(例えば、炭水化物)にて構成される任意の植物性物質であり得、また、種々の他の有機化合物を含み得る。バイオマスはまた、5−(ハロメチル)フルフラールに変換されない他の物質(例えば、無機塩および粘土)を含み得る。
バイオマスは、セルロースおよびヘミセルロースの結晶構造を崩壊させ、(存在する場合)リグニン構造を破壊することによって、バイオマスとして活用しやすい糖類とするために前処理され得る。本発明の分野において既知である通常の前処理には、例えば、機械的処理(例えば、破砕、微粉砕、研削)、濃酸処理、希酸処理、SO処理、アルカリ処理、過酸化水素処理、湿式酸化処理、蒸気爆砕処理、アンモニア繊維爆砕(AFEX)処理、超臨界CO爆砕処理、液体熱水処理および有機溶媒処理が含まれる。
バイオマスは、種々の原料に由来し得る。例えば、バイオマスには、農業材料(例えば、トウモロコシの葉茎、米のもみ殻、ピーナッツの殻、廃棄された穀物)、加工廃棄物(例えば、ペーパースラッジ)および再利用セルロース系物質(例えば、ボール紙、古段ボール箱(OCC)、古新聞(ONP)または混合紙)に由来し得る。好適なバイオマスの他の例には、麦わら、製紙工場廃水、新聞印刷用紙、都市ゴミ、木材チップ、木材の剥片、切り枝、ススキ、スイッチグラス、モロコシ、バガス、肥料、排水のバイオソリッド、植物性廃棄物、および、食品/飼料の加工残留物が含まれ得る。
他の実施形態において、C6糖類は、グルコース、フルクトース(例えば、高フルクトースコーンシロップ)、セロビオース、スクロース、ラクトースまたはマルトースであり得る。本明細書に記載の方法において、C6糖類の任意の立体異性体もまた、使用され得る。
さらに他の実施形態において、原料は、糖類組成物であり得る。例えば、該糖類組成物は、フルクトース、グルコース、スクロース、ラクトースおよびマルトースといった糖類のうち、単独の糖類または上記糖類の混合物を含み得る。
[不純物]
5−(ハロメチル)フルフラールを調製するための、本発明の分野において既知の方法においては、通常、製造混合物中に、1種以上の不純物が生じる。これらの不純物は、5−(ハロメチル)フルフラールを調製するために用いた反応に由来する、副生成物および/または出発物質の残余、または、それらの任意の分解生成物若しくは任意の変性生成物であり得る。
例えば、米国特許第7,829,732号公報に記載の方法に従ってセルロース系材料から調製された5−(ハロメチル)フルフラールには、例えば、2−(2−ヒドロキシアセチル)フラン、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、レブリン酸およびフミン物質といった副生成物が含まれ得る。他の副生成物、および、分解生成物または変性生成物の例には、フルフラールおよびギ酸が含まれ得る。出発物質の残余の例には、残留糖類(例えば、C5単糖類、C6単糖類、C5オリゴマー糖類、C6オリゴマー糖類)、残留バイオマス(例えば、麦わら、古段ボール箱、古新聞)が含まれ得る。残留した試薬の例には、残留した酸(例えば、塩酸)が含まれ得る。1種以上の副生成物、出発物質の残余、残留した薬品、並びに、それらの任意の分解生成物および任意の変性生成物は、本明細書に記載の方法に供給される5−(ハロメチル)フルフラール組成物の一部であり得る。
従って、いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法に供給される5−(ハロメチル)フルフラール組成物中に存在する1種以上の不純物には、2−(2−ヒドロキシアセチル)フラン、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、レブリン酸、フミン物質、フルフラール、ギ酸、残留糖類(例えば、C5単糖類、C6単糖類、C5オリゴマーの糖類、C6オリゴマー糖類)、残留バイオマス(例えば、麦わら、古段ボール箱、古新聞)および/または残留した酸(例えば、塩酸)が含まれる。
特定の実施形態において、本明細書に記載の方法にて使用される5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.4重量%未満、0.3重量%未満、0.2重量%未満、0.1重量%未満、0.01重量%未満、0.05重量%未満、0.001重量%未満の酸(例えば、塩酸)を有する。上記5−(ハロメチル)フルフラール組成物中に存在する酸は、5−(ハロメチル)フルフラールを調製するために使用した反応に由来する残留物で有り得、あるいは、5−(ハロメチル)フルフラールの分解、または変性の結果物であり得る。本明細書に記載の方法にて使用される5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、(例えば、食塩水を用いた)洗浄により、当該組成物中に存在する酸の量が減少され得ることが理解されるだろう。
本明細書に記載の方法にて使用される5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、液体状態若しくは固体状態、またはそれらの組み合わせであり得る。一実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、液体状態である。別の実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、固体状態である。
[沸騰]
5−(ハロメチル)フルフラールの分解または変性を減少あるいは最小化させ得る操作条件にて、特定の溶媒を用いることにより、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが得られ、あるいは、5−(ハロメチル)フルフラール組成物が精製され得る。
5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒は、別々に、あるいは共に、装置に供給され得る。例えば、5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒が共に液体状態の場合、それらは、個別の供給流または混合性の供給流として、装置に供給され得る。
さらに、いくつかの実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール、溶媒またはその両者は、装置に(別々に、あるいは共に)供給される前に、操作温度または操作温度に近い温度まで加熱され得る。その熱源は、装置の操作温度を主に維持するために役立ち得る。他の実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール、溶媒またはその両者が、操作温度以下の温度にて、装置に(別々に、あるいは共に)供給され得、その後、熱源を使用して操作温度まで加熱され得る。さらに他の実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール、溶媒またはその両者は、フラッシュ蒸留に(別々に、あるいは共に)供給される前に、操作温度よりも高い温度まで加熱され得る。当該予熱された5−(ハロメチル)フルフラールおよび/または溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧よりも低い操作圧力を受けることによって、沸騰が起こり得る。
[溶媒]
使用される溶媒は、任意の市販の供給源を含む任意の供給源から得られ得る。いくつかの実施形態において、本明細書にて使用される溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有する。いくつかの実施形態において、本明細書にて使用される溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点よりも高い沸点を有する。上記沸点は、任意の圧力(例えば、操作圧力)において測定され得る。
物質の沸点は、物質の蒸気圧と、(例えば、装置内における)液体の周囲の圧力とが等しくなり、当該液体が気体に変化する温度である。沸騰とは、液体をその沸点以上の温度まで加熱した際、および/または、液体における圧力がその蒸気圧以下まで減少した際に、当該液体が気化することである。さらに、液体の沸点は、(例えば装置中における)周囲の大気圧に依存して変化することを当業者は理解するだろう。例えば、減圧下における液体は、該液体が常圧下に存在する場合よりも低い沸点を有する。特定の圧力下における、物質(例えば、5−(ハロメチル)フルフラール)の沸点は、本発明の分野において既知である任意の好適な方法によって測定され得る。
溶媒の選択において使用される、溶媒の沸点および5−(ハロメチル)フルフラールの沸点は、5−(ハロメチル)フルフラール組成物が存在しない状態にて測定されることを意図し、そのことが理解される。一例として、溶媒の選択は、当該溶媒が装置に送り込まれ、5−(ハロメチル)フルフラール組成物と組み合わせる前における、当該溶媒の沸点に依存し得る。
特定の実施形態において、溶媒の沸点は、蒸留のための操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの沸点よりも、少なくとも20℃、少なくとも30℃、少なくとも40℃、少なくとも50℃、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも90℃、少なくとも100℃、少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも250℃、または少なくとも300℃高い。特有の実施形態において、溶媒の沸点は、操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの沸点よりも、20℃〜500℃の間、20℃〜300℃の間、20℃〜200℃の間、20℃〜100℃の間、50℃〜300℃の間または100℃〜300℃の間の温度だけ高い。
5−(ハロメチル)フルフラールが5−(クロロメチル)フルフラールである特定の実施形態において、溶媒は、標準圧力(例えば、1atm)において、少なくとも240℃、少なくとも245℃、少なくとも250℃、または少なくとも255℃の沸点を有し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書にて提供される方法にて使用するために好適な溶媒は、5−(ハロメチル)フルフラールの少なくとも一部を溶解する。
他の実施形態において、本明細書にて提供される方法にて使用するために好適な溶媒には、例えば、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点よりも高い沸点または沸点の範囲を有する、(アルキルフェニル系溶媒を含む)芳香族系溶媒、アルキル系溶媒、ハロゲン化溶媒、シリコーンオイル、または、それらの組み合わせ若しくは混合物が含まれ得る。溶媒は、上述の1種以上の部類に分類され得ることが理解されるだろう。例えば、Wibaryl(登録商標)Aは、芳香族系溶媒であり、より具体的には、アルキルフェニル系溶媒として分類され得る。
特定の実施形態において、溶媒には、例えば、1種以上の直鎖アルキルベンゼンといった1種以上のアルキルフェニル系溶媒が含まれ得る。本明細書にて使用する場合、「アルキルフェニル系溶媒」とは、1つ以上のフェニル基またはフェニル基を含む環系に結合している1つ以上のアルキル鎖を有する溶媒種を意味する。アルキルフェニル系溶媒は、アルキルベンゼンまたはフェニルアルカンとして表され得る。特定のフェニルアルカンは、アルキルベンゼンとしてもまた、交替できるように表され得る。例えば、(1−フェニル)ドデカンと、ドデシルベンゼンとは、同一の溶媒を表わす。
特定の実施形態において、溶媒には、1種以上のアルキルベンゼンが含まれる。例としては、(モノアルキル)ベンゼン、(ジアルキル)ベンゼンおよび(ポリアルキル)ベンゼンが含まれ得る。特定の実施形態においては、アルキルベンゼンは、1つのベンゼン環に結合した1つのアルキル鎖を有する。アルキル鎖は、ベンゼン環との結合箇所を、1箇所または2箇所有し得る。ベンゼン環との結合箇所を1つ有する1つのアルキル鎖を有するアルキルベンゼンの例には、ドデシルベンゼンが含まれる。アルキル鎖がベンゼン環との結合箇所を2つ有する実施形態において、アルキル鎖は、ベンゼンと縮合したシクロアルキル環を形成し得る。ベンゼン環との結合箇所を2つ有する1つのアルキル基を有するアルキルベンゼンの例には、テトラリンが含まれる。縮合シクロアルキル環は、1つ以上のアルキル鎖にてさらに置換され得ることが理解されるだろう。
他の実施形態において、アルキルベンゼンは、1つのベンゼン環と結合する2以上のアルキル鎖(例えば、2、3、4、5または6つのアルキル鎖)を有する。
さらに他の実施形態において、アルキルベンゼンは、アルキル置換された縮合ベンゼン環系である。縮合ベンゼン環系には、1つ以上のヘテロシクロ環と縮合したベンゼンが含まれ得る。一実施形態において、縮合ベンゼン環系は、2以上の縮合ベンゼン環(例えば、ナフタレン)であり得る。縮合ベンゼン環系は、1つ以上のアルキル鎖によって、任意に置換され得る。例えば、そのようなアルキル置換された縮合ベンゼン環系には、テトラメチルナフタレンが含まれ得る。
いくつかの実施形態において、溶媒には、フェニルアルカンが含まれる。その例には、(モノフェニル)アルカン、(ジフェニル)アルカン、(ポリフェニル)アルカンが含まれ得る。特定の実施形態において、フェニルアルカンは、1つのアルキル鎖に結合した1つのフェニル環を有する。一実施形態において、フェニル環と結合するアルキル鎖は、例えば、C8−20アルキルまたはC13−20アルキルといった、少なくとも8個の炭素を有するアルキル鎖(例えば、C8+アルキル)であり得る。フェニル環は、アルキル鎖における任意の炭素と結合し得る。例えば、1つのアルキル鎖を有するフェニルアルカンは、(1−フェニル)ドデカンまたは(2−フェニル)ドデカンであり得る。
他の実施形態において、フェニルアルカンは、1つのアルキル鎖と結合した2以上のフェニル環を有する。
アルキルフェニル系溶媒は、フェニル環またはフェニル基を含有する環系と結合するアルキル鎖に基づき、直鎖状または枝分かれ状であり得る。「アルキル」とは、モノラジカル飽和炭化水素鎖を意味する。アルキル鎖の長さは、多種多様であり得る。特定の実施形態において、アルキル鎖には、1〜20個の炭素原子(例えば、C1−20アルキル)が存在し得る。一実施形態において、アルキル鎖には、4〜15個の炭素(例えば、C4−15アルキル)、8〜20個の炭素(例えば、C8−20アルキル)または10〜13個の炭素(例えば、C10−13アルキル)が存在し得る。
アルキル鎖は、直鎖状または枝分かれ状であり得る。直鎖状のアルキル鎖は、例えば、n−プロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノナニル、n−デシル、n−ウンデシルおよびn−ドデシルを含み得る。枝分かれ状のアルキル鎖は、例えば、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルおよびネオペンチルを含み得る。溶媒が2つ以上のアルキル鎖を含むいくつかの実施形態において、特定のアルキル鎖は、直鎖状であり得、一方、他のアルキル鎖は、枝分かれ状であり得る。溶媒が2つ以上のアルキル鎖を含む他の実施形態において、全てのアルキル鎖が直鎖状であり得、あるいは全てのアルキル鎖が枝分かれ状であり得る。
例えば、溶媒には、1種以上の直鎖状アルキルベンゼン(「LABs」)が含まれ得る。直鎖状アルキルベンゼンは、化学式C2n+1を有する溶媒種である。例えば、一実施形態において、直鎖状アルキルベンゼンは、ドデシルベンゼンである。ドデシルベンゼンは、市販品であり、「ハードタイプ」または「ソフトタイプ」であり得る。ハードタイプのドデシルベンゼンは、枝分かれ状の異性体の混合物である。ソフトタイプのドデシルベンゼンは、直鎖状の異性体の混合物である。一実施形態において、溶媒には、ハードタイプのドデシルベンゼンが含まれる。
いくつかの実施形態において、溶媒には、上述のアルキルフェニル系溶媒の何れかが含まれ得、そのフェニル環は、1つ以上のハロゲン原子にて置換されている。特定の実施形態において、溶媒には、アルキル(ハロベンゼン)が含まれる。例えば、アルキル(ハロベンゼン)には、アルキル(クロロベンゼン)が含まれ得る。一実施形態において、フェニル環のハロゲン置換基は、例えば、クロロ、ブロモまたはこれらの組み合わせであり得る。
いくつかの実施形態において、溶媒には、1種以上の重アルカンが含まれ得る。「重アルカン」には、少なくとも8個の炭素原子(例えば、C8+アルカン)、少なくとも10個の炭素原子(例えば、C10+アルカン)または少なくとも13個の炭素原子(例えば、C13+アルカン)を含有する飽和炭化水素鎖が含まれる。いくつかの実施形態において、重アルカンは、8〜100個の炭素原子(例えば、C8−100アルカン)、8〜50個の炭素原子(例えば、C8−50アルカン)、8〜25個の炭素原子(例えば、C8−25アルカン)または10〜20個の炭素原子(例えば、C10−20アルカン)を有し得る。他の実施形態において、溶媒には、1種以上の重アルカンが含まれ得、少なくとも1つの重アルカンは、少なくとも13個の炭素原子を有する。一実施形態において、溶媒には、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、イコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、または、それらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれ得る。
他の実施形態において、溶媒には、1種以上のエステルが含まれ得る。いくつかの実施形態において、エステルは、脂肪酸であり得る。特定の実施形態において、エステルは、(重アルキル)−エステル(例えば、C8+アルキル−(O)OH)であり得る。いくつかの実施形態において、(重アルキル)−エステルは、8〜100個の炭素原子(例えば、C8−100アルキル−(O)OH)、8〜50個の炭素原子(例えば、C8−50アルキル−(O)OH)、8〜25個の炭素原子(例えば、C8−25アルキル−(O)OH)または10〜20個の炭素原子(例えば、C10−20アルキル−(O)OH)を有し得る。一実施形態において、溶媒には、ヘキサデカン酸が含まれる。
他の実施形態において、溶媒には、1種以上の芳香族系溶媒が含まれ得る。いくつかの実施形態において、芳香族系溶媒は、C6−20芳香族系溶媒またはC6−15芳香族系溶媒である。一実施形態において、溶媒には、ナフタレン、ナフテン油、アルキル化されたナフタレン、ジフェニル、ポリ塩化ビフェニル、多環式芳香族炭化水素、または、それらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物が含まれる。
さらに他の実施形態において、溶媒には、1種以上のシリコーンオイルが含まれ得る。特定の実施形態において、溶媒には、1種以上のアルキルシロキサンが含まれる。
溶媒は、単一の溶媒であり得、あるいは、複数の溶媒の混合物を含み得る。溶媒が、複数の溶媒の溶媒混合物である場合、その溶媒混合物は、操作圧力において、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有する。例えば、いくつかの実施形態において、溶媒は、(i)1種以上のアルキルフェニル系溶媒と、(ii)1種以上の芳香族系溶媒との混合物であり得る。例えば、別の実施形態において、溶媒は、トルエンと、例えば、カンファー、アントラセンおよびアントラキノンといった1種以上の他の溶媒との混合物であり得る。溶媒混合物の沸点が幅を有する場合には、その幅には、操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの沸点が含まれ得るが、その幅全体が、操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの沸点を超える必要はないことが理解されるだろう。
また、溶媒には、操作圧力および操作温度にて液体である任意の物質が含まれ得るが、上記物質は、標準状態の温度および圧力にて液体でなくともよいことも理解されるだろう。
本明細書に記載の方法および組成物において使用され得る典型的な溶媒には、アルキルベンゼン、スルホラン、重アルカン、ジフェニルエーテルおよびポリフェニルエーテル、並びに、他の芳香族系溶媒が含まれる。特定の実施形態において、溶媒には、アルキルベンゼンが含まれる。一実施形態において、溶媒には、ドデシルベンゼンが含まれる。上記ドデシルベンゼンの例は、Marlican(登録商標)である。他の実施形態において、アルキルベンゼンは、少なくとも10個の炭素原子、少なくとも13個の炭素原子、または、10〜40個の炭素原子、10〜20個の炭素原子、10〜13個の炭素原子、若しくは13〜30個の炭素原子を有するアルキル側鎖を有し得る。好適なアルキルベンゼンは、例えば、Wibaryl(登録商標)(例えば、C10−13アルキル鎖にて置換されたベンゼン)、Wibaryl(登録商標)F(重アルキレート)、Wibaryl(登録商標)A(アルキル鎖がC10−13アルキル鎖であるジフェニルアルカン)、Wibaryl(登録商標)B(アルキル鎖がC10−13アルキル鎖であるジアルキルベンゼン)、Wibaryl(登録商標)AB(ジフェニルアルカンと、ジアルキルベンゼンとの混合物)、Wibaryl(登録商標)R(オリゴアルキルベンゼンおよびポリアルキルベンゼン)、Cepta Petrelab(登録商標)500−Q(10〜13個の炭素原子を有する側鎖のアルキル鎖を含有する直鎖状のアルキルベンゼン)、Cepta Petrelab(登録商標)550−Q(10〜13個の炭素原子を有する側鎖のアルキル鎖を含有する直鎖状のアルキルベンゼン)、Cepta Petrelab(登録商標)900−Q(1級ジアルキルベンゼンを含有する重アルキルベンゼン)、Synnaph(登録商標)AB3(重アルキルベンゼン)、Synnaph(登録商標)DAB4(ジアルキルベンゼン)、およびTherminol(登録商標)55(C13−30アルキル鎖にて置換されたベンゼン)を含む。
他の実施形態において、溶媒には、モノフェニルエーテル、ジフェニルエーテルおよびポリフェニルエーテルを含む、フェニルエーテルが含まれる。好適なフェニルエーテルは、例えば、Santovac(登録商標)5またはSantovac(登録商標)7を含む。さらに他の実施形態において、溶媒には、他の芳香族系溶媒が含まれる。上記芳香族系溶媒は、少なくとも1つのアルキル鎖置換基を含み得、単環式の芳香環、または、2環式の芳香環若しくは多環式の芳香環(縮合環系を含む)の系を含み得る。上記芳香族系溶媒の例は、例えば、ナフタレン、アントラセン、Dowtherm(登録商標)(ジフェニルと、ジフェニルオキシドとの混合物)、Dowtherm(登録商標)G(ジアリールエーテルおよびトリアリールエーテル)、Dowtherm(登録商標)Q(ジフェニルエタンと、アルキル化された芳香族との混合物)、およびDowtherm(登録商標)MX(アルキル化された芳香族の混合物)を含む。上述のように、上記溶媒の組み合わせ、または混合物もまた使用され得る。
[操作条件]
上述の溶媒を使用する場合、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る方法、あるいは5−(ハロメチル)フルフラールを精製するための方法は、本発明の分野にて一般に行われている方法よりも、高い圧力にて実施され得る。
操作圧力は、装置において、底部の液体と気相との間の界面における圧力を意味する。いくつかの実施形態において、操作圧力は、少なくとも30トル(torr)、少なくとも50トル、少なくとも100トル、少なくとも125トル、少なくとも150トル、少なくとも200トル、または少なくとも250トルである。特定の実施形態において、操作圧力は、50トル〜2000トルの間、50トル〜1250トルの間、100トル〜1400トルの間、100トル〜1000トルの間、100トル〜800トルの間、100トル〜400トルの間、125トル〜350トルの間、150トル〜250トルの間、50トル〜500トルの間、または50トル〜300トルの間である。
操作温度は、装置において、底部の液体と気相との間の界面における温度を意味する。以下において更に詳細に説明するように、装置は、外部熱源、内部熱源またはそれらの組み合わせにて構成され得る。例えば、装置は、熱交換器といった外部熱源にて構成され得る。また、装置は、例えば熱コイルといった内部熱源にて構成され得る。
いくつかの実施形態において、操作温度は、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも100℃、少なくとも150℃、または少なくとも200℃である。特定の実施形態において、操作温度は、60℃〜400℃の間、80℃〜350℃の間、80℃〜300℃の間、80℃〜200℃の間、100℃〜180℃の間、または120℃〜160℃の間である。
圧力がトルにて記載され、温度が摂氏温度として記載される一方、当業者は、圧力の単位および温度の単位を、一般に知られる他の単位に変換することができるだろう。例えば、温度をケルビン温度として表し得る。また、圧力をバール(bar)、パスカル(Pa)または重量ポンド/平方インチ(psi)として表し得る。
[気体分離工程]
5−(ハロメチル)フルフラールの分解または変性を減少あるいは最小化させ得る操作条件にて、分離剤を用いる気体分離工程によって、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが得られ得、あるいは5−(ハロメチル)フルフラールが精製され得る。いくつかの実施形態において、気体分離工程は、本明細書に記載の溶媒の非存在下にて実施され得る。他の実施形態において、気体分離工程は、本明細書に記載の溶媒の存在下にて実施され得る。
[分離剤]
分離剤は、装置に送り込まれ、5−(ハロメチル)フルフラール組成物と接触し、5−(ハロメチル)フルフラールを気化させ得る。分離剤は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧以上の蒸気圧を有する任意の物質であり得、市販品を含む任意の原料から得られ得る。
分離剤は、気体または液体として装置に供給され得る。一実施形態において、分離剤は、気体である。いくつかの実施形態において、上記気体は、5−(ハロメチル)フルフラール組成物とは別に装置に供給され得る。例えば、上記気体は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物)であり得る。
他の実施形態において、分離剤は、装置に供給される5−(ハロメチル)フルフラール組成物中に溶解するか、あるいは一部溶解する気体であり得る。
さらに他の実施形態において、分離剤は、操作温度および操作圧力において気体である任意の物質であり得るが、上記物質は標準温度および標準圧力においては気体でなくともよい。例えば、分離剤は、操作条件において、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧以上の蒸気圧を有する液体であり得る。一実施形態において、分離剤は、操作条件(例えば、100℃および100トル)において気体状態であるが、標準温度および標準圧力においては液体である、トルエンであり得る。
分離剤は、単一の物質であり得、複数の物質の混合物であり得る。分離剤が、複数の物質の混合物である場合、操作条件における上記混合物は、5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧以上の蒸気圧を有する。上記溶媒混合物の蒸気圧が幅を有する場合には、その幅には、操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧が含まれ得るが、その幅全体が、操作圧力における5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧を超える必要はないことが理解されるだろう。
特定の典型的な実施形態において、5−(ハロメチル)フルフラール組成物および本明細書に記載された特定の溶媒は、混合され、分離剤と接触することによって、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが得られ得、あるいは5−(ハロメチル)フルフラールが精製され得ることが理解されるだろう。
[溶媒]
上述の任意の溶媒は、上述の気体分離工程にて使用され得る。例えば、気体分離工程において使用するための好適な溶媒には、アルキルフェニル系溶媒、芳香族系溶媒、アルキル系溶媒、ハロゲン化溶媒、シリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物であって、5−(ハロメチル)フルフラールの沸点を超える沸点または沸点の幅を有する溶媒が含まれ得る。特定の実施形態において、溶媒には、1種以上のアルキルフェニル系溶媒(例えば、1種以上の直鎖状アルキルベンゼン)が含まれ得る。
[操作条件]
上述の気体分離工程を利用する場合、上記方法は、5−(ハロメチル)フルフラールの分解を減少あるいは最小化させ得る操作条件にて実施され得る。
いくつかの実施形態において、操作温度は、少なくとも60℃、少なくとも70℃、少なくとも80℃、少なくとも100℃、少なくとも150℃、または少なくとも200℃である。特定の実施形態において、操作温度は、80℃〜400℃の間、80℃〜300℃の間、80℃〜250℃の間、80℃〜240℃の間、80℃〜200℃の間、100℃〜180℃の間、または120℃〜160℃の間である。
いくつかの実施形態において、操作圧力は、少なくとも30トル、少なくとも50トル、少なくとも100トル、少なくとも125トル、少なくとも150トル、少なくとも200トル、または少なくとも250トルである。特定の実施形態において、操作圧力は、50トル〜10,000トルの間、50トル〜9000トルの間、50トル〜8000トルの間、50トル〜7000トルの間、50トル〜6000トルの間、50トル〜5000トルの間、50トル〜4000トルの間、50トル〜3000トルの間、100トル〜10,000トルの間、100トル〜4000トルの間、100トル〜3000トルの間、100トル〜2000トルの間、100トル〜400トルの間、125トル〜350トルの間、または150トル〜250トルの間である。
[方法によって得られる5−(ハロメチル)フルフラール]
いくつかの局面にて、本明細書に記載の方法にて、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが製造される。気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールは、収集され得、凝縮され得、析出され得、あるいは気体状態にて別の反応に送り込まれ得る。
いくつかの実施形態において、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールは、任意の好適な容器内に収集され得、さらに、その後使用するために貯蔵され得る。
他の実施形態において、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを凝縮することにより、液体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが得られ得る。本発明の分野にて既知である、気体を凝縮して液体とするための任意の好適な方法または好適なシステム(例えば、凝縮装置を含む)が使用され得る。
さらに他の実施形態において、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを析出することにより、固体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが得られ得る。本発明の分野にて既知である、気体を析出して固体を得るための任意の好適な方法または好適なシステムが使用され得る。固体の5−(ハロメチル)フルフラールが生成される場合、生成物の固体の性質により、液体状態(例えば、油を含む)の生成物よりもその取り扱いが容易となり得る。例えば、固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、より容易に、かつ、より都合よく、貯蔵され得、輸送され得る。得られる固体の5−(ハロメチル)フルフラールは、アモルファスまたは結晶であり得る。
さらに他の実施形態において、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールは、還流システムにて収集され得、装置内の平衡を維持するために、上記システムへと送られ得る。例えば、還流システムは、装置が、トレーまたは充填材料を含む蒸留カラムである場合に使用され得る。
[純度]
得られる5−(ハロメチル)フルフラール全体の純度は増大し得る。サンプルの純度を測定する様々な方法や技術を、当業者は理解するだろう。例えば、高速液体クロマトグラフィ(本発明の分野において、高圧液体クロマトグラフィまたはHPLCとしても知られる)、ガスクロマトグラフィ−質量分析法(GS−MS)、磁気共鳴スペクトロスコピー(例えば、H−NMR、13C−NMR)、示差走査熱量測定法(DSC)、または上記方法の組み合わせを用いることによって、サンプル中の成分を同定し得、その成分の量を測定し得る。
いくつかの実施形態において、本明細書にて提供される方法によって得られる5−(ハロメチル)フルフラールの純度は、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.5%、または少なくとも99.9%であり得る。一実施形態において、本明細書にて提供される方法によって得られる5−(ハロメチル)フルフラールの純度は、95%〜100%の間、95%〜99%の間、98%〜100%の間、または、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、若しくは約100%である。
[蒸留/分離の収率]
本明細書にて提供される方法において、5−(ハロメチル)フルフラールが、少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、若しくは少なくとも99重量%、または、10重量%〜99重量%の間、50重量%〜99重量%の間、60重量%〜99重量%の間、若しくは70重量%〜90重量%の間の(場合によっては利用される方法に依存する)蒸留の収率または分離の収率にて製造され得る。蒸留の収率または分離の収率は、装置に供給された5−(ハロメチル)フルフラールの量に対する収集された5−(ハロメチル)フルフラールの量の割合である。5−(ハロメチル)フルフラールが受容フラスコ内に収集される特定の実施形態において、蒸留の収率は、処理の初めに蒸留フラスコに供給した5−(ハロメチル)フルフラールの量に対する、処理の終わりにおいて受容フラスコ内に収集された5−(ハロメチル)フルフラールの量の割合である。連続処理を利用する他の事例において、蒸留の収率は、装置に送り込んだ5−(ハロメチル)フルフラールの量に対する、凝縮され、あるいは析出された5−(ハロメチル)フルフラールの量の割合であり得る。
本明細書における数値またはパラメータにおける「約」との表現は、その数値またはパラメータそのものにて表される実施形態を含む(示す)ことが理解されるだろう。例えば、「約x」にて表される記載には、「x」そのものを示す記載が含まれる。他の事例において、「約」との語句が他の測定値に付随して使用される場合、または、数値、単位、定数、若しくは数値の幅を修正するために使用される場合には、「約」との語句は、±5%の変動を意味する。
2つの数値またはパラメータの「間」との表現は、これらの2つの数値またはパラメータそのものを含む実施形態を含む(示す)。例えば、「x〜yの間」との記載には、「x」および「y」そのものを示す記載が含まれる。
[下流生成物]
本明細書に記載の方法に従って製造される5−(ハロメチル)フルフラールは、他の化学反応またはさらなる処理にて使用され得、あるいは、生物燃料、ディーゼル燃料添加剤またはプラスチックのための他のフラール誘導体へとさらに処理され得る。例えば、CMFは、本発明の分野にて既知の方法を使用することによって、ジメチルフランおよびエトキシメチルフランへと変換され得る。
[装置]
任意の好適な装置が、本明細書に記載の方法において使用され得る。上記方法は、連続方式またはバッチ方式の装置にて実施され得る。
図1を参照することにより、典型的な連続方式の装置が示される。装置100は、供給口102、底部出口104および蒸気出口106を備えるカラム108を備える。装置100を利用する典型的な処理において、5−(ハロメチル)フルフラール(液体状態)および溶媒が、(個別の供給流、または混合された供給流のどちらかとして)供給口102を介してカラム108に供給される。5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒は、カラム108内にて混合物を形成し、外部加熱装置110によって、カラム108内にて混合物が沸騰するために好適な温度まで加熱されることにより、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが生成される。内部加熱装置もまた、別の方法において使用され得、あるいは加熱装置110と併用して使用され得ることが理解されるだろう。生成される5−(ハロメチル)フルフラールは、蒸気出口106を通して流出し、混合物に由来する残油が残留する。残油には、例えば、溶媒および供給された5−(ハロメチル)フルフラール内に存在し得る任意の不純物が含まれ得る。カラム108に残存している残油は、底部出口104を介して除去され得る。5−(ハロメチル)フルフラールおよび随意的に添加される溶媒が、供給口102を介して連続的に装置に加えられる一方、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが、蒸気出口106を介して、連続的に流出する。
図2を参照することにより、典型的なバッチ方式の装置が示される。装置200は、入口/出口202を有するカラム204を備える。装置200を利用する典型的な処理において、5−(ハロメチル)フルフラール(液体状態)および溶媒が、(個別の供給流、または混合性の供給流のどちらかとして)入口/出口202を介してカラム204に供給される。5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒は、カラム204内にて混合物を形成し、外部加熱装置210によって、カラム204内にて混合物が沸騰するために好適な温度まで加熱されることにより、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールが生成される。上述のように、内部加熱装置もまた、別の方法において使用され得、あるいは加熱装置210と併用して使用され得ることが理解されるだろう。生成される5−(ハロメチル)フルフラールは、入口/出口202を通して流出し、混合物に由来する残油が残留する。
図3を参照することにより、別の典型的な装置が示される。装置300は、(本発明の分野にて留出フラスコとしても知られる)受容フラスコ306と連結する蒸留フラスコ302を備える。粗製の5−(ハロメチル)フルフラールが、蒸留フラスコ302に供給され、熱源304によって加熱される。熱源は、例えば、オーブンであり得る。加熱時、5−(ハロメチル)フルフラールを含む気相が形成され、上記気相が、受容フラスコ306に導入され、冷却源308によって冷却されることによって、精製された5−(ハロメチル)フルフラールが得られる。冷却源は、例えば、冷水槽であり得る。図3にて示す通り、減圧機が受容フラスコ306と連結されることによって、揮発性材料(例えば、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラール)が受容フラスコ306内に流入する。
上述の装置は、1つ以上の追加の構成要素を含み得る。例えば、装置は、液滴が蒸気出口に残留することを防ぐために、デミスタを備え得る。装置は、供給原料(例えば、液体の5−(ハロメチル)フルフラール)の表面積を増大させるために、入り口ディフューザー(inlet diffuser)を備え得る。
他の装置が、本明細書に記載の方法にて使用され得る。例えば、一実施形態において、装置は、1つ以上のトレーを含み得る。別の実施形態において、装置は、分留カラムであり得る。さらに別の実施形態において、装置は、輸送容器を含み得る。さらに別の実施形態において、装置は、フラッシュ・ドラムであり得、ここで、供給流は、5−(ハロメチル)フルフラールにて飽和され得る。さらに別の実施形態において、装置は、ワイプトフィルム蒸発器(wiped film evaporator) であり得、ここで、供給流は、5−(ハロメチル)フルフラールを含む。
従って、上述の任意の装置、5−(ハロメチル)フルフラールおよび本明細書に記載の任意の溶媒を含むシステムもまた提供される。
[実施例]
以下の実施例は、単なる例示であり、本明細書における開示内容のいかなる局面をいかなる方法にて限定することを意味するものでもない。
[実施例1]
トルエンを用いた5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)の精製のための蒸留
粗製のCMFおよびトルエンを混合し、微量の塩酸および水を除去するために、分液漏斗中において、食塩水(2×100mL、20℃、飽和塩化ナトリウム水溶液)を用いて洗浄した。クーゲルロール装置におけるオーブンを110℃まで予熱した。クーゲルロール装置における底部フラスコに、粗製のCMFおよびトルエンを含有する洗浄した上記液体を入れ、該底部フラスコを上記オーブン内に設置した。次に、受容フラスコを0℃まで冷却し、そのシステムを90トルまで減圧した。トルエンの蒸留を、可視できる物質が観測されなくなるまで継続し、(約1時間)底部フラスコからの蒸留を行った。クーゲルロール装置の圧力を大気圧まで戻した。次に、トルエンが入っている受容フラスコを、清浄な留出フラスコに交換した。そのシステムを90トルまで減圧し、上記オーブンの温度を190℃まで昇温し、上記留出フラスコを0℃まで冷却した。この条件下において、CMFを蒸留球部(bulb)に蒸留し(6.01g収集)、収集されたCMF内において不純物は検出されなかった。底部からCMFのすべてを除去するための実行時間は、1時間45分であった。蒸留の収率は、測定されず、食塩水による洗浄後は、分析のためにサンプルを取らなかった。
[分析方法]
以下の手順に従ってCMFを分析した。HPLCによるCMFの定量を、280nmにおけるUV検出を用いて、アジレント社製1100HPLCにおいて実施した。カラムは、アジレント社製RX−Sil(4.6×100mmのカラム、粒径1.8μm)であった。移動相は、50℃の温度、1mL/分にて投入されたヘキサン:テトラヒドロフラン=4:1であった。投入量は、1μLであった。CMFの保持時間は、典型的に、約2.7分と観測された。そのピーク面積を、既知の標準濃度のCMFのピーク面積と比較することによって、CMFを定量した。
[実施例2]
直鎖状アルキルベンゼンを用いた5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)の精製のための蒸留
クーゲルロール装置におけるオーブンを190℃まで予熱した。クーゲルロール装置における底部フラスコに、粗製のCMF、トルエンおよび直鎖状アルキルベンゼン(実行#1:Cepta Petrelab 550−Q、実行#2:Cepta Petrelab 900−Q)を入れた。それぞれの反応に関する粗製のCMF、トルエンおよび直鎖状アルキルベンゼンの量を以下の表1にまとめた。次に、受容フラスコを0℃まで冷却し、クーゲルロール装置を90トルまで減圧した。この条件下において、CMFを蒸留球部(bulb)に蒸留した。収集されたCMF内において不純物は検出されなかった。上述の実施例1に記載の手順に従って、CMFを分析した。
Figure 2016514145
[実施例3]
溶媒無しでの粗製の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)の精製のための蒸留
クーゲルロール装置における底部フラスコに、粗製のCMF6.35g(5.2gのCMFから構成、純度82%)を加えた。そのシステムを20トルまで減圧し、その後、受容フラスコを−78℃まで冷却した。CMFは、151℃にて蒸留が開始された。温度を160℃までゆっくり上昇させることによって、より多くのCMFを蒸留した。全体の継続時間:3時間。蒸留により3.23gのCMF(純度102%)を得、0.2gのCMFが底部フラスコにて回収され、CMFにおいて66%の質量回収率が示された。
蒸留の収率および質量回収率を以下のように算出した:
蒸留の収率=(工程終了時における留出フラスコ内のCMFの質量/工程開始時における蒸留フラスコ内のCMFの質量)×100%、
CMFの質量回収率=[(工程終了時における蒸留フラスコ内のCMFの質量+工程終了時における留出フラスコ内のCMFの質量)/工程開始時における蒸留フラスコ内のCMFの質量]×100%。
その結果を以下のようにまとめた:
CMFの初期純度:82%、
CMFの最終純度:102%、
蒸留の収率:62%、
CMFの質量回収率:66%。
[実施例4]
Wibaryl(登録商標)A中における粗製の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)の蒸留
クーゲルロール装置における蒸留フラスコに、粗製のCMF39g(CMF19.4g(49%)およびトルエン17.3g(39%)から構成)、NaCl3.9gおよびWibaryl(登録商標)A40.5gを加えた。上記粗製油のCMFは、500mLの有機廃液(CMF5.2g、含有量1%)を、トルエンを除去するために減圧下にて濃縮することによって得た。
Wibaryl(登録商標)A中において、蒸留のために含有されるCMFは、25%であった。そのシステムを約1トルまで減圧し、その後、留出フラスコを−78℃まで冷却した。最初に、35℃〜40℃にて、1.5時間にわたって、トルエンを蒸留した。減圧及び加熱を止め、トルエンを除去した。それから、そのシステムを約1トルまで再度減圧した後、新たな留出フラスコを−78℃まで再度冷却した。CMCが、80℃にて留出し始めた。温度を110℃までゆっくり上昇させることによって、より多くのCMFを蒸留した。全体の継続時間:4.5時間。
蒸留の収率および質量回収率を上述の実施例3にて示したように算出した。その結果を以下のようにまとめた:
CMFの初期純度:49%、
CMFの最終純度:96.5%、
蒸留の収率:80%、
CMFの質量回収率:81%。
[実施例5]
Wibaryl(登録商標)A中における粗製の5−(クロロメチル)フルフラール(CMF)のアルゴン分離
2首丸底フラスコ(蒸留フラスコ)に対して、粗製のCMF82.5g(CMF58.1g、純度70.5%)およびWibaryl(登録商標)A253.5g(粗製のCMFに対して3:1の割合)を加えた。その後、上記フラスコの一方の首と、別の2首丸底フラスコ(留出フラスコ)とを、蒸留アダプターを介して連結した。他方の首には、溶液混合物を通過するアルゴンの流れを確実に均一とするためにガス分散用装置を設けた。留出フラスコを−90℃まで冷却した(液体Nと液体ヘリウムとの混合物)。留出フラスコの残りの首と、−90℃まで冷却された(液体Nと液体ヘリウムとの混合物)コールドフィンガートラップ(cold finger trap)とを、ホースを介して連結した。粗製のCMFを入れたフラスコ内においてアルゴンが活発に泡立っており(2psi)、また、この溶液を9時間かけて60℃〜190℃まで段階的に加熱することによって、留出フラスコにおいてCMFの分離および単離をより促進した。CMFは、約90℃にてゆっくり留出し始めたが、約165℃においてより多くの物質がトラップされた。上述の分離実験において、6.5gのCMF(純度97.6%)が得られ、6.15gのCMFが、蒸留フラスコ内において回収され、22%の質量回収率が示された。
分離の収率および質量回収率を以下のように算出した:
分離の収率=(工程終了時における留出フラスコ内のCMFの質量/工程開始時における蒸留フラスコ内のCMFの質量)×100%、
CMFの質量回収率=[(工程終了時における蒸留フラスコ内のCMFの質量+工程終了時における留出フラスコ内のCMFの質量)/工程開始時における蒸留フラスコ内のCMFの質量]×100%。
その結果を以下のようにまとめた:
CMFの初期純度:70.5%、
CMFの最終純度:97.6%、
分離の収率:11.2%、
CMFの質量回収率:22%。
図1は、本明細書に記載の方法を用いる連続処理に好適な典型的な装置を示す。 図2は、本明細書に記載の方法を用いるバッチ処理に好適な典型的な装置を示す。 図3は、本明細書に記載の方法のための別の典型的な装置を示す。

Claims (20)

  1. 5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒を含む混合物を沸騰させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを生成する工程を含み、
    上記溶媒は、上記5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有する、方法。
  2. 5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒を含む混合物と、分離剤とを接触させ、気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを生成する工程を含み、
    上記分離剤は、上記5−(ハロメチル)フルフラールの蒸気圧よりも高い蒸気圧を有する、方法。
  3. 上記分離剤が、不活性ガスである、請求項2に記載の方法。
  4. 上記分離剤が、水素、窒素、アルゴン、ヘリウム、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物である、請求項2に記載の方法。
  5. 上記方法を、少なくとも20トルの操作圧力にて実施する、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記方法を、30トル〜2000トルの間の操作圧力にて実施する、請求項5に記載の方法。
  7. 上記溶媒が、1種以上の芳香族系溶媒、1種以上の重アルカン系溶媒、1種以上のエステル系溶媒、1種以上のシリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  8. 上記溶媒が、1種以上のアルキルフェニル系溶媒を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  9. 上記溶媒が、ドデシルベンゼン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、イコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ナフタレン、アントラセン、テトラメチルナフタレン、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物を含む、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。
  10. 上記気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを凝縮し、液体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程をさらに含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  11. 上記気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを析出し、固体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを得る工程をさらに含む、請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。
  12. 上記5−(ハロメチル)フルフラールが、5−(クロロメチル)フルフラールである、請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。
  13. 上記5−(ハロメチル)フルフラールが、5−(ハロメチル)フルフラール組成物にて提供され、
    上記5−(ハロメチル)フルフラール組成物は、5重量%未満の酸を有する、請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。
  14. 精製装置、5−(ハロメチル)フルフラールおよび溶媒を含み、
    上記溶媒は、上記5−(ハロメチル)フルフラールの沸点以上の沸点を有する、システム。
  15. 上記溶媒が、1種以上の芳香族系溶媒、1種以上の重アルカン系溶媒、1種以上のエステル系溶媒、1種以上のシリコーンオイル、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物を含む、請求項14に記載のシステム。
  16. 上記溶媒が、1種以上のアルキルフェニル系溶媒を含む、請求項14に記載のシステム。
  17. 上記溶媒が、ドデシルベンゼン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、イコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ナフタレン、アントラセン、テトラメチルナフタレン、またはそれらの組み合わせ、若しくはそれらの混合物を含む、請求項14に記載のシステム。
  18. 上記精製装置が、カラム、供給口、蒸気出口、底部出口および熱源を含み、
    上記供給口は、上記カラムに連結されており、5−(ハロメチル)フルフラールを含む供給流を上記カラムに流入させるように構成され、
    上記蒸気出口は、上記カラムに連結されており、生成される気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールをカラムから流出させるように構成され、
    上記底部出口は、上記カラムに連結されており、上記供給流に由来する残油をカラムから排出させるように構成され、
    上記熱源は、上記カラムを加熱するために構成される、請求項14〜17の何れか1項に記載のシステム。
  19. 上記精製装置が、カラム、入口/出口および熱源を含み、
    上記入口/出口は、上記カラムに連結されており、5−(ハロメチル)フルフラールを含む供給流を上記カラムへ流入させ、生成される気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールをカラムから流出させるように構成され、
    上記熱源は、上記カラムを加熱するために構成される、請求項14〜17の何れか1項に記載のシステム。
  20. 上記精製装置が、蒸留フラスコ、受容フラスコ、熱源および冷却源を含み、
    上記蒸留フラスコは、5−(ハロメチル)フルフラールを含む供給流を受容するために構成され、
    上記受容フラスコは、上記蒸留フラスコにて上記供給流から生成する気体状態の5−(ハロメチル)フルフラールを受容するために構成され、
    上記熱源は、上記蒸留フラスコを加熱するために構成され、
    上記冷却源は、上記受容フラスコを冷却するために構成される、請求項14〜17の何れか1項に記載のシステム。
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