JP2016510688A - 長鎖分岐状フルオロポリマー膜 - Google Patents

長鎖分岐状フルオロポリマー膜 Download PDF

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Abstract

本発明は、長鎖分岐状フルオロポリマー、特に、たとえばKYNAR樹脂のようなポリフッ化ビニリデンの長鎖分岐状ホモポリマーおよびコポリマーから形成される膜に関する。それらの新規な膜は、フルオロポリマー膜のすべての長所(特に強酸および酸化剤に対する優れた耐薬品性ならびに良好な機械的強度)を維持しながらも、さらには、改良された透過性、改良された歪み硬化性、およびさらにアルカリ腐食に対する、より良好な抵抗性も提供する。それらの改良は、長鎖分岐状フルオロポリマーが理由で、よりオープンな構造が生成したことによる、それらの膜の微細構造の改良に関連しているものと考えられる。歪み硬化によって、膜の機械的性質にさらなる改良をもたらすことも可能である。

Description

本発明は、長鎖分岐状フルオロポリマー、特に、たとえばKYNAR樹脂のようなポリフッ化ビニリデンの長鎖分岐状ホモポリマーおよびコポリマーから形成される膜に関する。それらの新規な膜は、フルオロポリマー膜のすべての長所(特に強酸および酸化剤に対する優れた耐薬品性ならびに良好な機械的強度)を維持しながらも、さらには、改良された透過性、改良された歪み硬化性、およびさらにはアルカリ腐食に対する、より良好な抵抗性も提供する。それらの改良は、長鎖分岐状フルオロポリマーが理由で、よりオープンな構造が生成したことによる、それらの膜の微細構造の改良に関連しているものと考えられる。膜を歪み硬化またはドロー(draw)させることによって、膜の機械的性質におけるさらなる改良をもたらすことができる。
フルオロポリマー膜、特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜は、精密濾過水処理膜としてよく知られている。それらの膜は、(都市用および工業用の両方の)廃水処理、逆浸透(RO)系のための予備濾過、および工業用水処理などを含めて、各種の用途で使用することができる。フルオロポリマー膜は、(特に、酸化剤および酸に対する)耐薬品性および良好な機械的強度の面で、他の膜材料から形成された膜よりも優れている。フルオロポリマーから、各種の孔径を有する中空繊維およびフラットシート(らせん織り(spiral wound))膜を製造することができる。
PVDF樹脂は、水濾過膜において一般的に使用されているすべてのポリマー材料の中でも、最も広範な耐薬品性を有している。しかしながら、PVDFは、膜材料としてはある種の欠点も有している。PVDFは、膜のポリマーマトリックスの中で高密度で不透過性の領域を形成するであろう半晶質のポリマーである。そのことの結果の一つとして、PVDF限外濾過膜は、ポリエーテルスルホンなど、その他の材料から製造された膜よりも、水フラックスが低い。PVDF樹脂が、水濾過膜において一般的に使用されているすべてのポリマー材料の中でも、最も広範な耐薬品性を有しているので、これは残念なことである。
水透過性は、膜の性能のキーとなるパラメータであり、膜濾過系の総原価に直接関係する。PVDF膜の水透過性を改良するための、各種の親水性添加剤および後処理化学反応が報告されてきた。特に小さな孔径を有する限外濾過膜の場合には、PVDF膜の多孔度および水フラックスにおける改良が依然として必要とされている。
TIPSおよびNIPSも含めて、膜を形成させるために現在使用されているいくつかの方法が存在する。非溶媒誘導相分離法(NIPS=Non−solvent Induced Phase Separation)は、最も一般的に使用されているプロセスであって、フルオロポリマーの溶液を形成させ、この膜溶液を非溶媒転相浴の中に流し込むことが含まれている。その溶液相が逆転して、多孔度を有する制御された多孔質な微細構造が生成する。
熱誘導相分離法(TIPS=Thermally Induced Phase Separation)は、急激な温度変化を使用して、ポリマーおよび潜在的溶媒および/または可塑剤の溶融相またはゲル相溶液中で、相分離を起こさせる、多孔質膜を製作するためのプロセスである。冷却すると、その混合物がデミキシングに関して熱力学的に不安定となり、相分離が起きる。このプロセスは、非溶媒の導入によってその相分離が促されるのではないという点で、非溶媒誘導相分離法とは異なっている。TIPSプロセスでは、その配合物の中の固形分含量がより高く、そして結晶化度もより高いために、より高い膜の機械的強度が得られる。しかしながら、TIPSプロセスは複雑であり、また、200℃以上の温度で実施する必要があるために、運転コストが高い。それらの条件では、特別な装置と安全な手順が必要となる。
ポリマーの主鎖の中に長鎖の分岐を導入すると、そのポリマーのレオロジー的性質が影響を受けることが知られている。長鎖分岐状ポリオレフィンについて精力的に研究が行われてきたが、たとえば、国際公開第9612744号パンフレットおよびMacromolecules(2003),36(24),9014〜9019においては、触媒を使用してエチレンを、より高級なアルファ−オレフィンと共重合させることによって、制御された長鎖分岐状ポリエチレンを作り出しており;重縮合ポリマーにおいては、長鎖分岐を作り出すために、国際公開第2001066617号パンフレットに記載されているような官能性モノマーの使用;Polymer Preprints(ACS Polymer Chemistry)(2002),43(2),472〜473に記載されているような分岐状の二酸鎖の使用;米国特許第7,514,480号明細書にあるような放射線の使用:ならびにポリスチレンにおける、LUPEROX JWEBのような多官能性重合開始剤の使用(Kasehagenら,Society of Plastics Engineering,2002,論文集)などである。
長鎖分岐状フルオロポリマーを製造するのは一層難しいが、その理由は、それらのモノマーが、水素引き抜き反応の影響を極めて受けやすく、そして先に挙げたような他のモノマー系において分岐させる従来からのアプローチ方法が、必ずしも使用できる訳ではないからである。しかしながら、長鎖分岐状フルオロポリマーは、Macromolecular Symposia(2004),206(Polymer Reaction Engineering V)、347〜360および米国特許出願公開第2004−0192868号明細書に記載されているようなヨウ素をベースとする可逆連鎖移動反応によるか、三官能の長鎖分岐を生成するポリマーへの転移機構(transfer−to−polymer mechanism)(Macromolecules(2000),33(5),1656〜1663)によるか、米国特許出願公開第2006−0287409号明細書に開示されているような、低レベルの放射線を使用することによって、これまでも製造されてきた。
米国特許出願公開第2007/010610号明細書には、また別な長鎖分岐状フルオロポリマーの製造方法が開示されているが、それによって長鎖分岐状フルオロポリマーが製造される。本出願の実施例で用いられている、長鎖分岐を有するPVDFは、その特許出願の記載に従って製造したものである。
より高い多孔度と、より高い透過性と、改良された機械的性質とを併せ持つフルオロポリマー膜を製造する必要がある。
驚くべきことには、長鎖分岐状フルオロポリマーから製造したフルオロポリマー膜が、典型的な直鎖状フルオロポリマーを使用した膜に比較して、改良されたフラックスおよび多孔度を与えることが、今や見いだされた。それに加えて、その新規な膜は、より良好な耐アルカリ性も有している。長鎖分岐状フルオロポリマーから形成された膜は、フルオロポリマーの密度が高く、孔径が小さいので、限外濾過に特に有用である。長鎖分岐状フルオロポリマーは、直鎖状フルオロポリマーと同様にして、(たとえば、NIPSまたはTIPSプロセスによって)膜に加工することが可能であり、その新規な膜組成物を、現行の膜プロセスおよび用途における、容易な(drop−in)代替え物とすることができる。
いかなる特定の理論に拘束されることもないが、長鎖分岐状の(LCB=Long Chain Branched)フルオロポリマーを存在させることによって、膜の微細構造に変化がもたらされ、性能が改良されるのだと考えられる。長鎖の分岐が、通常の直鎖状フルオロポリマーに比較して、溶液中におけるフルオロポリマーの分子サイズに変化を与える。この分岐状フルオロポリマーが、よりオープンで多孔質な構造を有する膜を与え、その結果、膜フラックスが改良される。
本発明は、5〜100重量パーセントの長鎖分岐状フルオロポリマーを含む膜に関する。この膜は、フルオロポリマーの優れた性質を保持すると同時に、改良された透過性、歪み硬化、および耐アルカリ性を有している。
長鎖分岐状フルオロポリマーを含まない膜と比較した、本発明の長鎖分岐状フルオロポリマーを含むサンプルについての引っ張り粘度(extensional viscosity)の関係を示すプロットである。 非分岐状および長鎖分岐状のPVDF膜のSEM断面画像である。 実施例2の中空繊維膜の断面および外側表面のSEM画像である。 実施例2の中空繊維膜の断面および外側表面のSEM画像である。
本明細書で使用するとき、特に断らない限り、分子量は重量平均分子量を意味し、パーセントは重量パーセントである。引用したすべての参考文献は、参照することにより本明細書に取り入れたものとする。
長鎖分岐は、ポリマー技術において通常の技能を有する者には周知である。本明細書で使用するとき、「長鎖分岐」という用語は、その平均分岐量が、絡み合いの間の臨界分子量よりも大きいということを意味している。ポリフッ化ビニリデンポリマーの場合、これは、約2,500g/モルとなるであろう。
「膜(membrane)」という用語は、その中を流体が通過する多孔質膜を記述するのに使用され、流体の流れを阻止するために設計されたフィルムとは区別して使用される。膜はいかなる形態であってもよいが、フラット膜および中空繊維膜が好ましい。
本発明のフルオロポリマーは、長鎖分岐状フルオロポリマーであって、本明細書の背景技術のセクションに記載された方法も含めて、当業界で公知の各種の手段によって形成される。
「フルオロポリマー」という用語は、その鎖の中に、重合するために開くことが可能なビニル基を含み、このビニル基に直接結合した、少なくとも1個のフッ素原子、少なくとも1個のフルオロアルキル基、または少なくとも1個のフルオロアルコキシ基を含んでいる化合物から選択される少なくとも1種のモノマーを有するポリマーを表している。フルオロモノマーの例としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:フッ化ビニル;フッ化ビニリデン(VDF);トリフルオロエチレン(VF3);クロロトリフルオロエチレン(CTFE);1,2−ジフルオロエチレン;テトラフルオロエチレン(TFE);ヘキサフルオロプロピレン(HFP);ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルたとえば、ペルフルオロ(メチルビニル)エーテル(PMVE)、ペルフルオロ(エチルビニル)エーテル(PEVE)およびペルフルオロ(プロピルビニル)エーテル(PPVE);ペルフルオロ(1,3−ジオキソール);ペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)(PDD)。好ましいフルオロポリマーとしては、以下のものが挙げられる:ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のホモポリマーおよびコポリマー、エチレン−テトラフルオロエチレン(ETFE)、エチレンと、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンとのターポリマー(EFEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニルのターポリマー(THV)、フッ化ビニルのコポリマー。
PVDFは、ホモポリマーであっても、コポリマー(ターポリマー、3種またはそれ以上のモノマー単位も含む)であってもよい。本発明のPVDFコポリマーは、その中にフッ化ビニリデン単位が、そのポリマー中の全部のモノマー単位を合計した重量の40パーセントを越える量で含まれる、より好ましくは、単位を合計した重量の70パーセントを越える量で含まれるものであり、全部のモノマーの75重量パーセントを越える、さらには80重量パーセントを越える量で含まれていてもよい。フッ化ビニリデンのコポリマー(ターポリマー、およびさらに高次のポリマーを含む)は、フッ化ビニリデンを、30重量パーセントまでの、以下のものからなる群よりの1種または複数のモノマーと反応させることによって作成することができる:フッ化ビニル、トリフルオロエテン、テトラフルオロエテン、部分的または全面的にフッ素化されたアルファ−オレフィンたとえば、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン、3,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−ブテン、およびヘキサフルオロプロペンの1種または複数、部分的にフッ素化されたオレフィン、ヘキサフルオロイソブチレン、ペルフルオロ化ビニルエーテルたとえば、ペルフルオロメチルビニルエーテル、ペルフルオロエチルビニルエーテル、ペルフルオロ−n−プロピルビニルエーテル、およびペルフルオロ−2−プロポキシプロピルビニルエーテル、フッ素化ジオキソールたとえば、ペルフルオロ(1,3−ジオキソール)およびペルフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール)、アリル型、部分フッ素化アリル型、もしくはフッ素化アリル型モノマーたとえば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテルもしくは3−アリルオキシプロパンジオール、ならびにエテンまたはプロペン。
本発明について、代表的なポリマーバインダーとしてPVDFを使用して、一般的に記述する。
本発明のフルオロポリマーは、長鎖分岐を有するゲルフリーなポリマーであるのが好ましい。「ゲルフリーな」という用語は、本明細書で使用するとき、そのフルオロポリマーが、ポリマーの合計重量を基準にして、5重量パーセント未満のゲル、好ましくは2重量パーセント未満のゲル、最も好ましくは1重量パーセント未満のゲルしか含まないということを意味している。「ゲル」という用語は、通常のフルオロポリマー用の溶媒、たとえばアセトン、N−メチルピロリドン(NMP)、またはジメチルスルホキシド(DMSO)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)の中に、標準的な溶解条件下では溶解できないポリマーの画分を意味している。ゲルフリーなポリマーなら、上述の溶媒のいずれにおいても、視覚的に透明な(濁りのない)溶液を与えるであろう。「ゲル分率」は、5μmのフィルターおよび標準的なゲル浸透クロマトグラフィーカラムを通過させて濾過した後に得られるポリマーの割合として定義される。
フルオロポリマーの長鎖分岐の量および分子量は、当業者には公知のように、たとえば、温度、重合開始剤、重合開始剤の供給速度、および触媒を調節するか、後重合での照射を調節することによって調節することができる。そのフルオロポリマーの重量平均分子量は、20,000〜2,000,000g/mol、好ましくは100,000〜1,000,000、最も好ましくは500,000〜800,000の範囲である。
本発明において使用されるPVDFは、一般的には、水系フリーラジカル乳化重合を使用した、当業界公知の手段により調製されるが、懸濁重合、溶液重合および超臨界CO2重合プロセスを使用してもよい。一般的な乳化重合プロセスにおいては、脱イオン水、重合の際に反応物質を乳化させることが可能な水溶性界面活性剤および任意選択的な成分のパラフィンワックス防汚剤、ならびに触媒を反応器に仕込む。その混合物を撹拌し、脱気させる。次いで、所定の量の連鎖移動剤(CTA)を反応器の中に導入し、反応器の温度を所望のレベルにまで上げ、フッ化ビニリデン(および、任意選択で1種または複数のコモノマー)をその反応器にフィードする。フッ化ビニリデンの最初の仕込みを導入し、反応器の中の圧力が所望のレベルに達したら、重合開始剤エマルションまたは溶液を導入して重合反応を開始させる。反応の温度は、使用する重合開始剤の特性に合わせて変化させることができるが、当業者ならば、その方法は知っているであろう。典型的には、その温度は、約30℃〜150℃、好ましくは約60℃〜120℃となるであろう。反応器の中で所望のポリマー量に到達したら、モノマーのフィードを停止するが、任意選択で、重合開始剤のフィードは継続して、残存モノマーを反応し尽くさせる。残存している(未反応モノマーを含む)ガスを放出し、その反応器からラテックスを回収する。
重合において使用する界面活性剤は、当業界では公知の、PVDFの乳化重合において有用な各種の界面活性剤を使用することができ、ペルフルオロ化、部分フルオロ化、および非フルオロ化界面活性剤が挙げられる。本発明のPVDFエマルションは、重合のいかなる工程においてもフルオロ界面活性剤を用いない、フルオロ界面活性剤フリーであるのが好ましい。
本発明のプロセスによって得られた長鎖分岐状フルオロポリマーは、直鎖状フルオロポリマーに比較して、優れたレオロジー的性質を有している。それらの性質は、ずり減粘の開始点が低い(lower onset of shear thinning)、冪乗指数「n」が低い(0.25〜0.5の範囲)、分子量が同じなら溶融強度が高い、ドローダウン比が高い、などの粘度プロファイルを特徴としている。それらに加えて、固相状態の性質たとえば弾性率および引張強度は、VF2モノマーを含む通常のフルオロポリマーと同等に留まっている。
本発明の長鎖分岐状フルオロポリマーは、多角度光散乱で測定すると、同じ重量平均分子量の類似組成の直鎖状フルオロポリマーの回転半径よりも小さい回転半径を有している。
その長鎖分岐状フルオロポリマーポリマーは、その膜組成物の中での唯一のフルオロポリマーであってもよいし、あるいは、直鎖状の、非分岐状フルオロポリマーとのブレンド物であってもよい。その直鎖状フルオロポリマーは、長鎖分岐状フルオロポリマーと同じ化学組成であってもよいし、あるいは、異なった組成のもの(同一の一次フルオロモノマーを有する異なったコポリマーか、または異なった一次フルオロモノマーを有するフルオロポリマーを含むブレンド物のいずれか)であってもよい。分岐状フルオロポリマーは、配合物中の全フルオロポリマーの10重量パーセントから100重量パーセントまで、好ましくは全フルオロポリマーの重量を基準にして、20〜80重量パーセント、より好ましくは30〜100重量パーセントで、直鎖状フルオロポリマーを含むフルオロポリマーのブレンド物の形で存在させることができる。膜固形分配合全体の中で、50重量パーセント〜100重量がフルオロポリマーである。
長鎖分岐状フルオロポリマーは、1種または複数のアクリル系ポリマーとブレンドすることもできる。「アクリル系ポリマー(acrylic polymer)」という用語は、メタクリル酸アルキルおよびアクリル酸アルキルモノマー、ならびにそれらの混合物から形成されるポリマー、コポリマー、およびターポリマーを意味している。いずれのアクリル系ポリマーも、70〜99、より好ましくは90〜99重量パーセントのメタクリル酸メチル単位と、1〜30、より好ましくは1〜10重量パーセントの1種または複数のアクリル酸C1〜4アルキル単位とを含む、ランダムコポリマーまたはブロックコポリマーであるのが好ましい。アクリル系ポリマーは一般的に、30,000〜500,000の範囲の分子量を有している。アクリル系ポリマーの分子量が高すぎると、そのポリマーは、膜で使用するには脆すぎることになるであろう。アクリル系ポリマーは、配合物中の非水溶性ポリマー固形分全体を基準にして、0〜49、より好ましくは0〜25重量パーセント、2〜40重量パーセントで存在させてよく、5〜25重量パーセントの範囲で使用することができる。一つの実施態様においては、そのアクリル系ポリマーには、30重量パーセントまで、好ましくは10重量パーセントまでの量の(メタ)アクリル酸モノマー単位が含まれている。
フルオロポリマー、アクリル系ポリマーおよび溶媒に加えて、その膜組成物には、その他の添加剤を、全固形分組成物を基準にして、典型的には1〜20重量パーセント、より好ましくは5〜10重量パーセントで添加してもよい。典型的な添加剤としては以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない;典型的には親水性で水抽出可能な化合物である、水溶性の細孔形成剤たとえば、金属塩(たとえば、リチウム、カルシウム、および亜鉛の塩)、アルコール、グリコール(たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびグリセロール);シリカ、カーボンナノチューブ、および抽出性であっても非抽出性であってもよいその他のナノ物質;ならびに、膜材料の加工を容易にするために溶液の粘度を上昇させるための化合物。その他の親水性添加剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリ−2−エチルオキサゾリン、ポリ酢酸ビニル、およびポリビニルアルコールなどが挙げられる。
長鎖分岐状フルオロポリマーの膜組成物成分は、共にブレンドしてから溶解させてもよいし、あるいは、ポリマーと添加剤を別途に、同一または異なった溶媒の中に溶解させ、それらの溶媒の溶液を共にブレンドしてもよい。本発明の溶液で溶解させるのに有用な溶媒としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、テトラメチル尿素、ジメチルスルホキシド、リン酸トリエチル、N−オクチル−ピロリドン、ガンマブチロールアセトン、N,N’−ジメチル−トリメチレン−尿素、ジメチルカーボネート、およびそれらの混合物。
そのフルオロポリマー溶液組成物は、典型的には10〜35パーセント、好ましくは15〜22、最も好ましくは17〜20パーセントの固形分レベルを有している。その溶液は、混合と、任意選択で80℃まで、典型的には50〜80℃の温度で加熱することによって形成させる。
溶液粘度を調節して、最適な加工条件とすることができる。フラットシートの場合なら、全体の配合を調節して、フラットウェブキャスティングに最適な粘度を得る。中空繊維の成形においては、そのプロセスでは実際には押出し加工の形態をとるので、より高い粘度の方が有利である。
次いでその長鎖分岐状フルオロポリマーの溶液を、当業者には公知の典型的なプロセスによって成形して膜として、フラットシート、支持体付きのフラットシート、または中空繊維膜を形成させる。一つの典型的なプロセスにおいては、その溶液を溶媒キャストし、基材の上にドローダウンさせる。この膜は、支持体付きであっても、支持体なしであってもよく、たとえば、多孔質の支持ウェブたとえば、織布もしくは不織布のポリオレフィンもしくはポリエステルの上にキャストする。次いで相分離プロセスによって膜を形成させるが、そこでは、キャストした膜の溶液の熱力学を乱して、ポリマーをゲル化させ、溶媒から相を分離させる(NIPS法)。熱力学における変化は、多くの場合、溶媒を部分的に蒸発させるか、および/またはその膜を高湿度の環境に曝露させることによって開始させる。次いでその膜を、そのポリマーに対しては非溶媒であるもの(たとえば、水、アルコール、それらの混合物、または水と、PVDFを溶解させるために使用した溶媒との混合物)の中に入れ、その溶媒を除去し、多孔質膜を得る。孔径は、当業者が公知のように、添加剤の使用やポリマー濃度を利用して調節することができる。たとえば、高分子量添加剤では大きい孔径にすることができるし、その一方で、リチウム塩添加剤を使用すれば、小さい孔径とすることもできる。
本発明の膜は、先に説明したように、熱誘導転相プロセス(TIPS)で作成することもまた可能である。
本発明の膜の最終的な乾燥時厚みは、一般的には50〜500ミクロンの間、好ましくは100〜250ミクロンである。これは、走査型電子顕微鏡で超低温破断(cryofractured)膜を使用するか、または光学顕微鏡で目盛り付き接岸レンズまたは分級ソフトウェアを使用して測定することができる。
本発明のLCB PVDF(長鎖分岐状ポリフッ化ビニリデン)膜は、通常の直鎖状PVDFよりもはるかに、歪み硬化する。本明細書で使用するとき、「歪み硬化(strain hardening)」という用語は、ある歪み値を越えて、一軸または二軸伸張(uniaxial or biaxial stretching)に抵抗する、材料の性能を指している。歪み硬化は多くの場合、ポリマー鎖を伸張および配向させ、その結晶領域をドローアウトさせることによって、ポリマーフィルムの強度を増大させるために使用される。伸張は、ポリマー鎖をさらに絡ませるのにも役立つ。歪み硬化によって、加工がより易しい低粘度の樹脂を使用しながらも、より強度の高いポリマーフィルムを得ることが可能となる。より低粘度の樹脂の一つのメリットは、より穏やかな加工条件を使用することが可能となることである。歪み硬化特性は、図1に示すように、引っ張り粘度の測定によって測定することができる。
中空繊維プロセスにおいては、歪み硬化は、繊維をある速度で延伸し、巻取り機構をそれよりも早い速度として、伸張/配向(ドローまたは引っ張り)を起こさせ、より良好な機械的性質を得ることによりもたらすことができる。歪み硬化させた長鎖分岐の膜は、はるかに高い破断時伸び、さらにはより良好な引張強度を示す。
LCB−PVDFから製作された膜は、非分岐状PVDFの利点をすべて有する上に、さらに良好な透過性および歪み硬化特性を有している。それらはさらに、高いガス透過性と、より均質な細孔分布も示す。
さらに、そのLCB−PVDFは、アルカリ腐食に対する改良された抵抗性も有している。いかなる特定の理論に拘束されることもないが、このことは、長鎖分岐状ポリマーのより不規則な鎖構造が、アルカリ腐食によるポリマーのアンジッピングを防止していることから来ているのであろう。アルカリ曝露試験では、LCB−PVDF膜が、通常のPVDFに比較して、はるかに低い暗色化を示した。暗色化は、ポリマーから脱フッ化水素が起きたことを示している。膜のクリーニングサイクルにおいては水酸化ナトリウム溶液が使用されることが多いので、クリーニングサイクルを繰り返すことによってもたらされるPVDF膜の分解は、この膜のさらなる用途展開の一つの障害である。したがって、分岐状フルオロポリマー膜で耐アルカリ性が改良されていることは、直鎖状PVDFに勝るまた別な利点である。
本発明の膜は、液体および気体の分散体または懸濁液中に懸濁している粒子状物質を濾過するのに有用である。それらは、過酷な環境において、または濾過の際またはフィルターの洗浄および保全において、アルカリ性の物質に曝露されるような場合に、特に有用である。本発明の膜は、多くの用途で使用することができるが、そのような用途してはたとえば以下のものが挙げられる(これらに限定される訳ではない):水の精製、生物学的流体の精製、廃水処理、浸透蒸留(osmotic distillation)、およびプロセス流体の濾過。
以下の試験方法を使用した:
溶融粘度(MV):ASTM法D3835(キャピラリー・レオメトリー)。測定は、232℃、100s-1で実施する。測定値は、キロポワズ(kP)の単位で報告する。
キャピラリー・フロー・ポロメトリー:ASTM F316−03「泡立ち点および平均細孔テストによる膜フィルターの孔径特徴に対する標準試験法(Standard Test Methods for Pore Size Characteristics of Membrane Filters by Bubble point and Mean Pore Test)」
泡立ち点直径:ASTM 316−03およびASTM E128 99(2011)「実験室用剛性多孔フィルター最大孔径および透過性に対する標準試験法(Standard Test Method for Maximum Pore Diameter and Permeability of Rigid Porous Filters for Laboratory Use)」
細孔直径:ASTM F316 03およびASTM E128 99(2011)
ガス透過性:ASTM F316 03
引張強度:Instron 4201万能試験機(モノフィラメントグリップ付き)、グリップ間隔;125mm、伸張速度;100%min-1
引っ張り粘度測定:実験は、TA InstrumentsのARES LS 歪みレオメーター(引っ張り粘度器具(EVF)取り付け)で実施した。過渡的(transient)引っ張り測定は、190℃または200℃のいずれかで、0.1s-1の伸張速度で実施した。試験片は、油圧プレスを使用し、200℃で調製した。引っ張り粘度のサンプルは、幅10mm、長さ18m、厚み0.66mmである。
以下の材料を使用した:
DMAC=N,N−ジメチルアセトアミド
NMP=N−メチル−2−ピロリドン
LCB−PVDF1=長鎖分岐状PVDF(Mw;約350kDaMw、溶融粘度;22kP)
LCB−PVDF2=長鎖分岐状PVDF(Mw;約550kDa、溶融粘度;38kP)
直鎖状PVDF1=非分岐状PVDF(Mw;約400kDa、溶融粘度;26kP)
直鎖状PVDF2=非分岐状PVDF(Mw;約500kDa、溶融粘度;34kP)
直鎖状PVDF3=非分岐状PVDF(Mw;約600kDa、溶融粘度;37kP)
ポリエチレングリコール(PEG):後置の数字は、公称の分子量(単位g・mol-1)を示している。
ポリビニルピロリドン(PVP):グレードK17、K30、およびK90は、それぞれ約10、40、および1000kDaの分子量を有している。
「非分岐状PVDF」または「直鎖状PVDF」の用語は、いくらかの分岐は存在するかもしれないが、いかなる分岐も、本明細書において定義された長鎖分岐の最小値の定義の量よりも少ないということを意味している。
実施例1
次の配合物を使用して、フラットシート膜を調製した。
ポリマーおよび添加剤は、70℃に加熱し、オーバーヘッド・スターラーで1時間撹拌することによってDMACの中に溶解させた。冷却してから、その膜溶液を、ポリプロピレンシートの上に、湿潤時厚みが15milになるようにドローダウンした。その湿潤膜を、湿度95%に1〜2分間曝露させてから、50℃の水浴の中に浸漬させた。2分以内に膜が固化し、ポリプロピレンシートから容易に剥がすことができた。
それらの膜を、50℃の水浴中に30分間、次いで20℃の脱イオン水浴中に30分間、最後に20℃のイソプロパノールの中に30分間、浸漬させた。それらの膜を風乾させてから、オーブン中160゜Fで1時間加熱することによってさらに乾燥させた。
膜は、キャピラリー・フロー・ポロメトリーによって特性解析し、SEMにより画像化した。アルカリ曝露試験は、膜のサンプルを、5%の水酸化ナトリウム溶液中50℃で2週間、または30%アルカリ溶液に1週間のいずれかで、浸漬させることにより、実施した。曝露させた膜は、清浄水中で洗浄してから乾燥させた。Hunter Colorimeterを用いて、色変化(ΔE*)を測定した。
図2は、非分岐状PVDF 1およびLCB−PVDF1の膜のSEM断面画像を示している。これらの膜には、配合物#1を使用した。並べたこれらの画像は、同じ倍率で撮影したものであって、同一のスケールになっている。長鎖分岐状PVDF膜の方が、はるかに厚く、多孔質な構造を有していることが見て取れる。非分岐状PVDF膜の断面の厚みは、LCB−PVDF膜の約1/2である。配合物は同一であるので、このことは、分岐状PVDF(LCB−PVDF1)膜は、直鎖状PVDFから作成した膜に比較して、より高い多孔度であることを示している。
キャピラリー・フロー・ポロメトリー(表2)からは明らかに、長鎖分岐状PVDFでは、直鎖状PVDFに比較して、より大きい泡立ち点直径および平均細孔直径であることがわかる。このことから、膜のフラックスが優れていると解釈してもよさそうである。さらに、長鎖分岐状PVDFの方が、泡立ち点直径対平均細孔直径の比率が低いことからわかるように、より均質な細孔分布を有している。泡立ち点直径(BPD)は、その膜の中の最大の制限的(restrictive)細孔開口である。平均細孔直径(MPD)は、ASTM F316−03に記載の半乾燥法(half dry method)によって計算した平均孔径である。この比率が小さいほど、孔径分布がより均質である。孔径分布がより均質であると、効率のより高い膜が得られる。
ASTM F316−03を使用した(空気の場合の)ガス透過性が、表の最後の列に示されている。この値が高いほど、その膜の透過性が高い。すべての場合において、長鎖分岐状PVDFの方が、非分岐状PVDFよりも高い透過性を有している。
アルカリに1週間曝露させた後のPVDF樹脂の色の変化のデータ:
これらのデータからわかるように、長鎖分岐状PVDFは、ガス透過フラックスが高く、耐アルカリ性に優れている点で、多孔質膜として有利である。
実施例2:
膜の配合物は、NMP中で17.5重量%のPVDFと10重量%のPVP K17とを混合することにより調製した。それらの配合物を、オーバーヘッドミキサー中、70℃で4時間撹拌してから、一夜放冷して室温とした。その膜溶液を、支持用のポリエステルの不織布シートの上に15milの湿潤時厚みになるようにドローダウンしてから直ちに20℃の60%イソプロパノールと40%水とのブレンド物の中に浸漬させた。2分後に、イソプロパノール溶液から膜を取り出し、室温の脱イオン水の中に一夜浸漬させておいた。キャピラリー・フロー・ポロメトリーのためのサンプルは、実施例1の場合と同様に、風乾およびオーブン乾燥させ、水透過性のためのサンプルは、試験の間、湿潤状態に維持した。
水の透過は、47mmのディスクについて、Porous Materials Incorporated(Ithaca,NY)製の、自動化液体透過度計を使用して、室温、デッドエンドモードで実施した。0barから1barまで圧力を上昇させ、この範囲における平均の透過度を、(L・m2・hr-1・bar-1)の単位で計算した。キャピラリー・フロー・ポロメトリーは、ASTM F316−03に従って、実施例1と同様にして、風乾およびオーブン乾燥させた膜について、実施した。
それら支持体付きのフラットシート膜についての孔径および透過性データを表4に示す。LCB PVDF膜の透過性がより高いのは、明らかである。表4は、直鎖状PVDFおよびLCB PVDFから作成した中空繊維膜についての透過性データを示しているが、この場合もまた、LCB PVDFの透過性が優れていることが明らかである。この実施例においては、LCBPVDFと直鎖状PVDFとのブレンド物から調製した膜は、同等の孔径では、より高い透過性を有していた。
実施例3:
次表の成分(重量%)を用いて、中空繊維膜を調製した。
それらの成分を、オーバーヘッドミキサー中、70℃で5時間撹拌してから、オーブン中70℃で一夜静置した。次いでそれらの膜配合物を、ポンプを使用して、2.0mmの全径と0.8mmのニードル外径を有する環状ダイの中を、エアギャップ3cmで通過させて、水凝固浴の中に入れた。そのボア液体(bore liquid)には(重量で)、50%のDMAC、15%のグリセリン、および35%の水が含まれていた。ダイおよびトランスファーラインは70℃に加熱し、凝固浴は55℃に加熱した。初期の(nascent)膜を、15m・min-1の速度で、パス長が2メートルになるように凝固浴の中をドローさせてから、部分的に水に浸けてある引取りスプールで捕集した。その膜のドープの流速を変化させて、最終的な湿時壁厚が約200〜450μmの間になるように製膜したが、それに対してボア流体の流速は一定に維持した。その繊維膜をドローダウンして、初期の外径2mmから、最終的には湿時外径1.3〜1.4mmになるようにした。このドローは、ポリマー鎖を配向させ、歪み硬化させるのに役立たせることができる。
周囲温度で一夜、脱イオン水中で完全に洗浄してから、それらの膜を、2%の次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いた後処理に周囲温度で4時間かけた。それらの膜を、脱イオン水中、周囲温度で1時間再度の浸漬をしてから、約0.006m2の外側表面積を有するテストモジュール中で、速硬化性エポキシを用いてポッティングした。ポッティングおよび透過度試験プロセスの間、膜は湿潤状態に維持した。
処理した膜の純水透過性試験は、デッドエンドモードで0.25、0.50、および0.75barの加圧下に実施した。透過度は、原点とそれら三つの点を通る直線の勾配として計算する。透過度試験の結果を表6に示す。膜の断面および外側表面のSEM顕微鏡写真を撮影し、図3および4に示した。pH13の水酸化ナトリウムの緩衝溶液に40℃で10日間浸漬させる試験の前および後に、それらの中空繊維膜の引張強度および破断時伸びを測定したが、それらの結果を表7に示す。
LCB−PVDF2を用いて調製した中空繊維膜は、広い範囲の壁厚にわたって、高い初期フラックスを有していたが、このことは、内部の細孔構造がよりオープンで相互結合されていることを示している。LCB−PVDF2の実施例はさらに、アルカリ曝露の後でも良好な弾性を維持していたが、このことは、LCB−PVDFの鎖の絡み合いが増えるか、またはより不規則な構造になったことの結果と考えられる。
引っ張り粘度の測定は、LCB PVDFおよび直鎖状PVDFの高密度のフィルムポリマーサンプルについて実施した。ゲル浸透クロマトグラフィーによって求めたMwに基づいて、比較可能なPVDFのグレードを比較した。その結果から、LCB PVDFは、他のものよりもはるかに高い歪み硬化性を有していることがわかる。
数種のLCB PVDFおよび直鎖状PVDFのサンプルについて、引っ張り粘度試験を実施した。この情報から、直鎖状PVDFに比較してLCB PVDFが優れた歪み硬化性を有していることが確認される。それらのデータを表8および図1に示す。

Claims (13)

  1. 5〜100重量パーセントの長鎖分岐状フルオロポリマーを含む膜。
  2. 10〜80重量パーセントの長鎖分岐状フルオロポリマーを含む、請求項1の膜。
  3. 前記長鎖分岐状フルオロポリマーが、ポリフッ化ビニリデンを含む、請求項1の膜。
  4. 前記長鎖分岐状フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンホモポリマーであるか、または70〜99.9重量パーセントのフッ化ビニリデンモノマー単位と、0.1〜30重量パーセントの1種または複数のその他のフルオロモノマー単位とを含むコポリマーである、請求項2の膜。
  5. 前記膜が、フラット膜または中空繊維膜である、請求項1の膜。
  6. 前記膜が、50〜500ミクロンの厚みを有する、請求項5の膜。
  7. 前記膜が、95重量パーセントまでの直鎖状フルオロポリマーをさらに含む、請求項1の膜。
  8. 前記膜が、20〜90重量パーセントの直鎖状フルオロポリマーをさらに含む、請求項6の膜。
  9. 前記直鎖状フルオロポリマーが、フッ化ビニリデンホモポリマーであるか、または70〜99.9重量パーセントのフッ化ビニリデンモノマー単位と、0.1〜30重量パーセントの1種または複数のその他のフルオロモノマー単位とを含むコポリマーである、請求項6の膜。
  10. 前記膜が、2〜40重量パーセントの直鎖状のアクリル系ポリマーをさらに含む、請求項1の膜。
  11. 前記直鎖状のアクリル系ポリマーが、(メタ)アクリル系モノマー単位を含む、請求項10の膜。
  12. 前記膜が、1〜20重量パーセントの、細孔形成剤、金属塩、アルコール、グリコール、シリカ、カーボンナノチューブ、その他のナノ材料、および前記溶液の粘度を増大させるための化合物からなる群より選択される、その他の添加剤をさらに含む、請求項1の膜。
  13. 前記膜が、あらかじめ歪み硬化されている、請求項1の膜。
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