JP2016510409A - 2型糖尿病のバイオマーカー及びその使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象における耐糖能異常の発症及び対象における糖尿病の進行を診断及び予後診断するためのバイオマーカー、方法、及びキットのほか、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害できる化合物を同定するための方法、並びに耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するための方法を提供する。【選択図】 図1

Description

関連出願
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2013年1月31日に出願された米国特許仮出願第61/758,987号に基づく優先権を主張する。
発明の背景
2型糖尿病(また非インスリン依存型糖尿病(NIDDM)又は成人発症型糖尿病とも称する)とは、インスリン抵抗性及び相対的インスリン欠乏の存在下における、高血中グルコースを特徴とする代謝性障害である。2型糖尿病は進行性疾患であり、この疾患における心筋梗塞、脳卒中、細小血管事象、及び死亡のリスクはいずれも高血糖症と強く関連している。また2型糖尿病は無症状の疾患でもあり、大幅なβ細胞機能の減退及び腎損傷はいずれかの疾患の症状が発現する前に生じることが多い。
正常耐糖能(NGT:normal glucose tolerance)から2型糖尿病への進行は、糖尿病前症としても公知の空腹時血糖異常(IFG:impaired fasting glucose)及び耐糖能異常(IGT:impaired glucose tolerance)の中間段階を含む。これらのグルコース代謝変調の発症の根底をなす病態生理は、多因子性であり、例えば生活様式及び遺伝因子などを含む。特に、肥満は、当該疾患に対して遺伝子的素因がある人々における2型糖尿病の主要な原因であると考えられており、2型糖尿病の割合は、過去50年間にわたり肥満と並行して顕著に増大している。2010年現在、1985年におけるおよそ3000万人に対して約2億8500万人の患者が存在する。
年齢、体格指数(BMI:body mass index)、及び人種など、多数のリスク因子が糖尿病前症及び2型糖尿病の発症と関連しているが、糖尿病の発症及び進行は無症状であることが多く、臓器の損傷は同定可能な症状が発症する前に生じることから、これらの因子は、正常耐糖能から耐糖能異常への進行のリスク、及び/又は耐糖能異常から2型糖尿病への進行のリスクを正確に予測するのに十分ではない。加えて、対象が耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有するかどうかを決定するための方法(例えば、耐糖能検査)が公知であるが、このような方法は、一晩にわたる絶食及び数時間にわたる複数回の採血を要し、悪心、嘔吐、腹部膨満、及び/又は頭痛などの副作用を伴うことが多い。
したがって、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病を有する対象、並びに/又は耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病を発症するリスクがある対象、並びに/又は特定の治療に応答する対象を早期に同定すれば、グルコースの不均衡と関連する、短期及び長期にわたる合併症が減少するので、当業界において、どの対象が耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病を有するか若しくは発症し、且つ/又は治療に応答するのかを決定して、早期の介入を可能とする、信頼できる正確な方法が求められている。
発明の要旨
本発明は少なくとも一部は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症と関連するマーカー、並びに耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象の処置(treatment)に対する応答と関連するマーカーの発見に基づく。したがって、本発明は、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを予測するための、高感度で簡易な方法及びキット、対象が糖尿病を有するか又は発症するかどうかを予測するための、高感度で簡易な方法及びキットのほか、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行を緩徐化できる化合物を同定するための方法、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行の軽減における治療の有効性をモニタリングする方法、並びに特定のマーカー又は特定のマーカーの組合せを測定及び同定することにより、細胞又は対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行を阻害するための方法を提供する。
したがって、一態様では、本発明は、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップとを含む。
別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップとを含む。
別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症することが指し示されるステップとを含む。
さらに別の態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が治療に応答するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が治療に応答することが指し示されるステップとを含む。
別の態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするための方法を提供する。方法は、処置を開始する前に、対象に由来する第1の試料中の、1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、処置のうちの少なくとも一部を投与した後に、対象に由来する第2の試料中の、1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が処置に応答することが指し示されるステップとを含む。
一態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するための方法であって、対象に由来する試料のアリコートを、化合物ライブラリーの各メンバーと接触させるステップと、アリコート各々における1つ以上の本発明のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベル及び/又は活性に対する化合物ライブラリーのメンバーの効果を決定するステップと、アリコート中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性を、対照試料中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性と比較してモジュレートする、化合物ライブラリーのメンバーを選択し、これにより、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するステップとを含む方法を提供する。
別の態様では、本発明は、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するための方法を提供する。方法は、対象に、本発明のマーカーのうちのいずれか1つ以上、例えば、表1〜3のいずれかに列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上である、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRの発現及び/又は活性をモジュレートする薬剤の有効量を投与し、これにより、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するステップを含む。
一実施形態では、対象試料中のレベルは、質量分析により決定される。一実施形態では、質量分析は、マトリックス支援レーザー脱離/飛行時間(MALDI/TOF:matrix assisted laser desorption/time of flight)質量分析、液体クロマトグラフィー四重極イオントラップエレクトロスプレー(LCQ-MS)、又は表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI/TOF:surface enhanced laser desorption ionization/time of flight)質量分析である。
別の実施形態では、対象試料中のレベルは、イムノアッセイにより決定される。
対象に由来する試料は、液体試料の場合もあり、組織試料の場合もある。
一実施形態では、マーカーのレベルは、マーカーの発現レベル及び/又は活性である。
一実施形態では、対象は、2型糖尿病を発症するリスクがある。
一態様では、本発明は、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットを提供する。キットは、対象試料中の1つ以上のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーである、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含む。
別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットを提供する。キットは、対象試料中の1つ以上のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーである、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含む。
さらに別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットを提供する。キットは、対象試料中の1つ以上のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーである、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含む。
別の態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットを提供する。キットは、対象試料中の1つ以上のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーである、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含む。
さらに別の態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットを提供する。キットは、対象試料中の1つ以上のマーカー、例えば、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーである、USP9X、SEPT3、INS及びSERPINB13、PPY及びDAG1、INS、CPM、及びMMP7、BTC、MMP7、及びPPY、PPY、SEPT3、及びPTPRJ、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含む。
一実施形態では、キットは、試料を対象から得るための試薬をさらに含む。
一実施形態では、キットは、対照試料をさらに含む。
一態様では、本発明は、2型糖尿病マーカーを同定するための方法を提供する。方法は、定常状態条件下で、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定し、これにより定常状態マーカーの暫定的リストを作成するステップと、膵臓β細胞の分泌小胞内のマーカーと共通する、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器に由来する定常状態マーカーの暫定的リスト中のマーカーを同定し、これらのマーカーを、定常状態マーカーの暫定的リストから除外し、これにより、β細胞量マーカー(β cell mass marker)のリストを作成するステップと、機能不全条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、正常条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、機能不全条件下と正常条件下とで示差的に発現したタンパク質を同定し、これによりβ細胞機能マーカーの暫定的リストを作成するステップと、被験試料及び対照試料に由来する試料中のβ細胞量マーカー及び/又はβ細胞機能マーカーのレベルを決定するステップであり、被験試料中のレベルと比較した、対照試料中のマーカーのレベルの差異により、マーカーを2型糖尿病のバイオマーカーとして同定するステップとを含む。
一実施形態では、被験試料は、耐糖能異常を有する対象に由来する。別の実施形態では、被験試料は、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する。さらに別の実施形態では、被験試料は、すでに2型糖尿病に罹っている対象に由来する。
一実施形態では、対照試料は、正常耐糖能を有する対象に由来する。別の実施形態では、対照試料は、耐糖能異常を有する対象に由来する。さらに別の実施形態では、対照試料は、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する。
別の態様では、本発明は、2型糖尿病マーカーを同定するための方法を提供する。方法は、処置の前及び後における、対象に由来する試料中で示差的に発現するタンパク質を同定し、これにより治療有効性マーカーのリストを作成するステップと、治療のうちの少なくとも一部を対象に施す前に、2型糖尿病を有する対象から得られた第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、治療のうちの少なくとも一部を施した後で、対象から得られた第2の試料中のタンパク質のレベルを決定するステップであり、第1の試料中と比べた第2の試料中の1つ以上のマーカーの発現レベルの差異により、タンパク質を2型糖尿病マーカーとして同定するステップとを含む。
分泌されたタンパク質を調製する工程において同定されたタンパク質のウェスタンブロットを表す図である。細胞ホモジネート又は組織ホモジネートを機械的破壊により調製し、分泌経路小胞をスクロース密度遠心分離により単離した。得られた小胞を、塩で洗浄して、弱く付着したタンパク質を除去し、アルカリで小胞を開き、分泌タンパク質内容物を高速遠心分離により回収した。ラット細胞系(A)及びヒト初代膵島(B)に由来する、出発材料(Hom)調製物、中間体(SV)調製物、及び最終生成物(SC)調製物についてのウェスタンブロットを示す。ウェスタンブロットマーカーを、具体的な細胞内区画と対比したところ、試料調製時における分泌タンパク質の漸進的濃縮が指し示される。Hom:ホモジネート(homogenate)、SV:分泌小胞(secretory vesicle)、SC:分泌小胞内容物(secretory vesicle content)、Mb:膜(membrane)、PM:細胞膜(plasma membrane)。
発明の詳細な説明
本発明は少なくとも一部は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症と関連するマーカー、2型糖尿病の進行と関連するマーカー、並びに耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象の処置に対する応答と関連するマーカーの発見に基づく。特に、2型糖尿病と関連するバイオマーカーを、複数のin vitro実験系で発見し、優先順位をつけ、検証した。マーカーは、β細胞において発現するマーカーとして、例えば、本質的にβ細胞で特異的に発現されるマーカーとして、及び/又はβ細胞機能に関与するマーカーとして、例えば、本質的にβ細胞機能に特異的に関与するマーカーとして、及び/又は治療的処置への応答に関与するマーカーとして同定された。
したがって、本発明は、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを予測するための、高感度で簡易な方法及びキット、対象が糖尿病を有するか又は発症するかどうかを予測するための、高感度で簡易な方法及びキットのほか、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行を緩徐化できる化合物を同定するための方法、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行の軽減における治療の有効性をモニタリングする方法、並びに特定のマーカー又は特定のマーカーの組合せを測定及び同定することにより、細胞又は対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の進行を阻害するための方法を提供する。
以下の小節において、本発明の多様な態様をさらに詳述する。
I.定義
本明細書で使用される以下の用語の各々は、本節における意味と関連する意味を有する。
本明細書において、冠詞の「a」及び「an」は、冠詞の文法的対象物の1つ又は1つより多くの対象物(すなわち、少なくとも1つの対象物)を指すのに使用される。例を挙げれば、「要素(an element)」とは、1つの要素又は1つを超える要素を意味する。
「マーカー」又は「バイオマーカー」とは、1つの表現型状態(例えば、疾患を有する状態)の対象から採取された試料中に、別の表現型状態(例えば、疾患を有さない状態)と比較して示差的に存在する有機生体分子である。異なる群内のバイオマーカーの平均レベル又は中央値レベル、例えば、発現レベルが、統計学的に有意であると計算されれば、バイオマーカーは、異なる表現型状態の間で示差的に存在する。統計学的有意性についての一般的な検定は、とりわけ、t検定、ANOVA、クルスカル-ワリス、ウィルコクソン、マン-ホイットニー、及びオッズ比を含む。単独又は組合せのバイオマーカーは、対象が1つの表現型状態又は別の表現型状態に属する相対的リスクについての尺度をもたらす。したがって、単独又は組合せのバイオマーカーは、例えば、疾患(予後診断法及び診断法)、薬物の治療有効性(セラノスティクス)、及び薬物毒性についてのマーカーとして有用である。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物及び方法において有用なマーカーの確度は、受信者動作特性曲線(Receiver Operating Characteristic curve)(「ROC曲線」)により特徴付けることができる。ROCとは、診断マーカーの異なる可能なカットオフポイントについての、偽陽性率と対比した真陽性率のプロットである。ROC曲線は、感度と特異度との間の関係を示す。すなわち感度が上昇すると、それに伴い特異度が低下する。曲線が左軸に沿ってより近接し、したがって、ROC空間の上端部に沿ってより近接するほど、確度の大きなマーカーとなる。これとは逆に、曲線がROCグラフの45度の対角線により近接するほど、確度の小さなマーカーとなる。ROC下面積とは、マーカー確度の尺度である。マーカーの確度は、マーカーが、問題の疾患を有する被験者と問題の疾患を有さない被験者とに被験群をどれほどうまく分割できるかに依存する。曲線下面積(「AUC」:area under the curveと称する)が1であることは、完全なマーカーであることを示し、一方で面積が0.5であることは、それほど有用でないマーカーであることを示す。したがって、いくつかの実施形態では、本発明のバイオマーカー及び方法のAUCは、約0.50を超えるか、約0.60を超えるか、又は約0.70を超える。
「2型糖尿病」は、本明細書では「糖尿病」とも称されており、末梢インスリン抵抗性と、膵臓ベータ細胞によるインスリン分泌の不十分との組合せを特徴とする。対象の空腹時血漿グルコース(FPG)レベルが約126mg/dL(約7.0mmol/L)以上であり、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における2時間後血漿グルコース(PG)レベルが約200mg/dL(約11.1mmol/L)以上であり、高血糖症若しくは高血糖緊急症の症状を有する対象におけるランダム血漿グルコースが約200mg/dL(約11.1mmol/L)以上であり、且つ/又はヘモグロビンA1c(HbA1c)のレベルが約6.5%以上であれば、「対象は糖尿病を有する」。
「正常耐糖能」又は「NGT」を有する対象の、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における2時間後血漿グルコース(PG)レベルは約140mg/dL未満(約7.8mmol/L未満)であり、空腹時血漿グルコース(FPG)レベルは約110mg/dL未満(約6.1mmol/L未満)であり、且つ/又はヘモグロビンA1c(HbA1c)のレベルは約6%未満である。
「糖尿病を発症するリスクがある対象」とは、持続血圧が約135/80mmHg以上であり、肥満であり(例えば、体格指数(BMI)が約30kg/m2を超え)、糖尿病を伴う1等親の親族を有し、HDLレベルが約35mg/dL以上であり、且つ/又はトリグリセリドレベルが約250mg/dL未満であり、45歳以上であり、女性であり、妊娠糖尿病の履歴を有し、多嚢胞性卵巣症候群を有し、メタボリックシンドロームと関連する状態を有し、ヒスパニックであり、アフリカ系米国人であり、且つ/又はアメリカ先住民である対象である。加えて、多数の医薬及び他の疾患も、対象に糖尿病を発症するリスクをもたらしうる。例えば、グルココルチコイド、チアジド、ベータ遮断剤、非定型抗精神病薬、及びスタチンは、対象に糖尿病を発症するリスクをもたらしうる。また、末端肥大症、クッシング症候群、甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、及びグルカゴノーマなど、特定のがん、並びにテストステロン欠損症をかつて有したことがある対象も、2型糖尿病を発症するリスクがある。
対象、例えば、糖尿病を発症するリスクがある対象は、「糖尿病前症患者」でありうる。対象は、耐糖能異常を有するなら、「糖尿病前症患者」であると考えられる。「耐糖能異常」とは、インスリン抵抗性と関連する高血糖状態であり、心血管病態のリスクを増大させる。対象は、2時間後におけるグルコースレベルを、2型糖尿病に相当するほどではないが中程度に上昇させていれば、耐糖能異常を有する。空腹時グルコースは、正常な場合もあり、軽度に上昇している場合もある。
耐糖能異常を有する対象の、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における2時間後血漿グルコース(PG)レベルは約140mg/dL(約7.8mmol/L)以上(例えば、約7.8〜11mmol/Lの間)であり、空腹時血漿グルコース(FPG)のレベルは約126mg/dL未満(約7mmol/L未満)(例えば、約95〜約125mg/dLの間)であり、ヘモグロビンA1c(HbA1c)のレベルは約6%以上(例えば、約6.0〜6.4の間)であり、且つ/又はBMIが約24kg/m2以上である。
対象、例えば、糖尿病を発症するリスクがある対象は、「空腹時血糖異常」を有しうる。空腹時血糖異常を有する対象の、75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)における2時間後血漿グルコース(PG)レベルは約140mg/dL未満(約7.8mmol/L未満)であり、空腹時血漿グルコース(FPG)のレベルは約126mg/dL未満(約7mmol/L未満)(例えば、約110〜約125mg/dLの間)であり、且つ/又はヘモグロビンA1c(HbA1c)のレベルは約6%以上(例えば、約6.0〜6.4の間)である。
「糖尿病が進行している」という用語は、対象における、正常耐糖能から空腹時血糖異常への進行、正常耐糖能から耐糖能異常への進行、正常耐糖能から2型糖尿病への進行、空腹時血糖異常から耐糖能異常への進行、空腹時血糖異常から2型糖尿病への進行、及び/又は耐糖能異常から2型糖尿病への進行を指す。
「マーカーのレベル」又は「バイオマーカーのレベル」とは、被験試料中に存在するマーカーの量を指す。マーカーのレベルは、絶対レベル又は絶対量(例えば、μg/ml)の場合もあり、相対レベル又は相対量(例えば、シグナルの相対強度)の場合もある。
「より高いレベル」のマーカー又はマーカーの「レベルの上昇」とは、被験試料中のマーカーのレベルであって、マーカーのレベルを評価するのに採用されるアッセイの標準誤差を超え、対照試料中のマーカーのレベル(例えば、正常耐糖能を有する対象、空腹時血糖異常を有する対象、耐糖能異常を有する対象、過去18ヶ月間以内に2型糖尿病を有すると診断された対象に由来する試料、及び/又は複数の対照試料の平均マーカーレベル)の、好ましくは少なくとも2倍であり、より好ましくは3、4、5、6、7、8、9、若しくは10倍であるか、又はこれを超えるマーカーのレベルを指す。
「より低いレベル」のマーカー又はマーカーの「レベルの低下」とは、被験試料中のマーカーのレベルであって、マーカーのレベルを評価するのに採用されるアッセイの標準誤差未満であり、対照試料中のマーカーのレベル(例えば、正常耐糖能を有する対象、空腹時血糖異常を有する対象、耐糖能異常を有する対象、過去18ヶ月間以内に2型糖尿病を有すると診断された対象に由来する試料、及び/又は複数の対照試料の平均マーカーレベル)の、好ましくは少なくとも2分の1であり、より好ましくは3、4、5、6、7、8、9、若しくは10分の1であるか、又はこれ未満であるマーカーのレベルを指す。
「公知の基準レベル」又は「対照レベル」という用語は、対象に由来する試料中のマーカーのレベルを比較するのに使用される、承認されたマーカーレベル又は所定のマーカーレベルを指す。一実施形態では、マーカーの対照レベルは、正常耐糖能を有する対象に由来する試料中のマーカーのレベルに基づく。別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、空腹時血糖異常を有する1例以上の対象に由来する試料中のマーカーのレベルに基づく。別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、耐糖能異常を有する対象に由来する試料中のマーカーのレベルに基づく。別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、過去18ヶ月間以内に2型糖尿病を有すると診断された対象に由来する試料中のマーカーのレベルに基づく。一実施形態では、対象に由来する試料中のマーカーの対照レベルとは、対象に由来する試料中で過去に決定されたマーカーのレベルである。
さらに別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/又は2型糖尿病を治療するための投与の前における、対象に由来する試料中のマーカーのレベルに基づく。別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/又は2型糖尿病を有する対象に由来する試料であって、被験化合物と接触させていない試料中のマーカーのレベルに基づく。別の実施形態では、マーカーの対照レベルは、正常耐糖能を有する対象に由来する試料であって、被験化合物と接触させた試料中のマーカーのレベルに基づく。一実施形態では、マーカーの対照レベルは、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/又は2型糖尿病の動物モデル、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/又は2型糖尿病の動物モデルに由来する細胞又は細胞系に由来する試料中のマーカーの発現レベルに基づく。
代替的に、且つ、特に、本明細書で記載される方法の日常的な実施の結果として、さらなる情報が利用可能となるにつれて、マーカー発現の「対照」レベルのための集団平均値を使用することもできる。他の実施形態では、対象における空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/又は2型糖尿病の発症が疑われる前に対象から得られた対象試料中のマーカーのレベル、記録が保管された対象試料に由来するマーカーのレベルなどを決定することにより、マーカーの「対照」レベルを決定することもできる。
本明細書で使用される「患者」又は「対象」という用語は、ヒト及び非ヒト動物、例えば、獣医療患者を指す。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長動物、マウス、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ニワトリ、両生類、及び爬虫類などの哺乳動物及び非哺乳動物を含む。一実施形態では、対象は、ヒトである。
いくつかの実施形態では、対象の体格指数(BMI)は、約40kg/m2未満である(例えば、約40、39、38、37、36、35、34、33、32、31、30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、又は約18kg/m2)。他の実施形態では、対象の体格指数(BMI)は、約40kg/m2を超える(例えば、約41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、又は約80kg/m2)。
本明細書で使用される「試料」という用語は、対象から単離された類似の細胞又は組織の収集物のほか、対象内に存在する組織、細胞、及び流体も指す。「試料」という用語は、対象に由来する任意の体液(例えば、血液、リンパ、婦人科体液、嚢胞液、尿、眼内液、並びに気管支洗浄及び/又は腹腔内洗浄により回収された流体)又は細胞を含む。一実施形態では、組織又は細胞を、対象から摘出する。別の実施形態では、組織又は細胞は、対象内に存在する。他の対象試料は、涙滴、血清、脳脊髄液、糞便、痰、及び細胞抽出物を含む。一実施形態では、生体試料は、被験対象に由来するタンパク質分子を含有する。別の実施形態では、生体試料は、被験対象に由来するmRNA分子を含有する場合もあり、被験対象に由来するゲノムDNA分子を含有する場合もある。
「〜を決定すること」という用語は、試料中のマーカーの存在若しくは非存在を検出するステップ、試料中のマーカーの量を定量化するステップ、及び/又はバイオマーカーの種類を定性的に定めるステップを含む方法を意味する。測定は、当業界公知の方法により達成することができ、これらについては、本明細書でもさらに記載される。
本明細書で使用される「〜をモジュレートする」という用語の多様な形態は、刺激(例えば、特定の応答又は活性を増大させるか又は上方調節すること)及び阻害(例えば、特定の応答又は活性を減少させるか又は下方調節すること)を含むことを意図する。
キットとは、本発明のマーカーを特異的に検出するための、少なくとも1つの試薬、例えば、プローブ、プライマー、又は抗体を含む任意の製造物(例えば、パッケージ又は容器)であって、本発明の方法を実施するための単位として宣伝、供給、又は販売される製造物である。特定の実施形態では、キットは、基板、例えば、1つ以上の本発明のマーカーのための捕捉試薬及び/又は1つ以上の本発明のマーカーに結合した捕捉試薬を含む基板を含みうる。いくつかの実施形態では、このようなキットは、質量分析を使用してマーカーのレベルを決定するための指示書を含む。
II.本発明のマーカー
本発明は、本質的に膵臓β細胞で特異的に発現するマーカー(表1)、及び/又は本質的にβ細胞機能に特異的に関与するようなマーカー(表2)、及び/又は治療的処置への応答に関与するようなマーカー(表3)を発見したことに基づいている。これらのマーカーは、耐糖能異常を有する対象の試料中と、対照の対象の試料中とで示差的に存在し、且つ/又は耐糖能異常を有する対象の試料中と、新たに2型糖尿病と診断された対象の試料中とで示差的に存在し、且つ/又は耐糖能異常を有する対象の試料中と、すでに2型糖尿病に罹っている対象の試料中とで示差的に存在し、且つ/又は新たに2型糖尿病と診断された対象の試料中と、すでに2型糖尿病に罹っている対象の試料中とで示差的に存在し、且つ/又はインスリン増感剤による処置に応答する対象の試料中と、インスリン増感剤に応答しない対象の試料中とで示差的に発現し、且つ/又はインスリン増感剤及び分泌促進剤による処置に応答する対象の試料中と、インスリン増感剤及び分泌促進剤に応答しない対象の試料中とで示差的に発現し、且つ/又はインスリン増感剤、分泌促進剤、及びインスリンによる処置に応答する対象の試料中と、インスリン増感剤、分泌促進剤、及びインスリンに応答しない対象の試料中とで示差的に発現することが示されている。
したがって、本発明の方法及びキットにおいて、対照と比較して被験試料中で見出された表1〜3に列挙されたいずれか1つのマーカー、若しくは表1〜3に列挙されたマーカーの任意の組合せのレベル、又は被験試料中の表1〜3に列挙されたいずれか1つのマーカー、若しくは表1〜3に列挙されたマーカーの組合せの存在若しくは非存在を使用することができる。
本発明のマーカーを、表1〜3に列挙する。当業界において、マーカーのヌクレオチド配列及びアミノ酸配列が公知であり、例えば、表1〜3に列挙されたGenBank登録番号において見出すことができ、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
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本発明の特定の態様では、本発明の方法及び組成物において、単一のマーカー(例えば、表1〜3に列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ)を使用することができる。例えば、一実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用するためのマーカーは、USP9Xである。一実施形態では、マーカーは、SEPT3である。一実施形態では、マーカーは、DAG1である。一実施形態では、マーカーは、PTPRJである。一実施形態では、マーカーは、CPMである。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13である。一実施形態では、マーカーは、LDLRである。一実施形態では、マーカーは、MMP7である。一実施形態では、マーカーは、BTCである。一実施形態では、マーカーは、PPYである。一実施形態では、マーカーは、INSである。
いくつかの実施形態では、方法は、表1〜3に列挙されたマーカーからなる群から選択されるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含みうる。他の実施形態では、方法は、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択されるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含みうる。
本発明の他の態様では、1つを超えるマーカー、例えば、複数のマーカー、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11以上のマーカーを、本発明の方法及び組成物において使用することができる。例えば、一実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用するためのマーカーは、USP9X及びSEPT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X及びINSを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3及びINSを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13及びINSを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY及びDAG1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY及びBTCを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びDAG1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びPTPRJを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びCPMを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びSERPINB13を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びLDLRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びMMP7を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びBTCを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びPPYを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びINSを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、及びPPYを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、及びPTPRJを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、及びLDLRを含む。
いくつかの実施形態では、方法は、表1〜3に列挙されたマーカーからなる群から選択されるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含みうる。他の実施形態では、方法は、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択されるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含みうる。例えば、一実施形態では、本発明の方法及び組成物で使用するためのマーカーは、USP9X、SEPT3、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、INS、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、SEPT3、INS、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、SERPINB13、INS、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、DAG1、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、BTC、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、DAG1、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PTPRJ、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びCSTF3を含む。
一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、CPM、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、SERPINB13、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、LDLR、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、MMP7、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、BTC、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、PPY、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びMGAT4Bを含む。
一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、USP9X、SEPT3、INS、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、BTC、MMP7、PPY、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、PPY、SEPT3、PTPRJ、及びCPEを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びCSTF3を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びNELL1を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びSLIT3を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びLAMTOR2を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びMGAT4Bを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びTMPRSS11Fを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びATAD3Bを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びPTPRNを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びWNT9Bを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びFUT6を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びB4GALT1を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びFAM20Cを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びCNTN1を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びMGAT1を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びSTX1Aを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びNMUを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びCD59を含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びCASRを含む。一実施形態では、マーカーは、CPM、INS、MMP7、LDLR、及びCPEを含む。
III.本発明の方法
A.診断法及び予後診断法
特定の態様では、本発明は、診断法を提供する。例えば、一態様では、本発明は、対象が耐糖能異常を有するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が耐糖能異常を有することが指し示される。
別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病を有するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が2型糖尿病を有することが指し示される。
本発明はまた、予後診断法も提供する。例えば、一態様では、本発明は、対象が耐糖能異常を発症するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が耐糖能異常を発症することが指し示される。
別の態様では、本発明は、対象が2型糖尿病を発症するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が2型糖尿病を発症することが指し示される。
多数の合併症が、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病、とりわけ、長期にわたる耐糖能異常及び/又は2型糖尿病と関連している。例えば、このような対象は、虚血性心疾患を含む心血管疾患及び脳卒中のリスクが2〜4倍であり、下肢切断が20倍であり、入院の割合が増大する。2型糖尿病はまた、非外傷性失明及び腎不全を含む腎症の最大の原因でもあり、認知機能不全、並びにアルツハイマー病及び血管性認知症など、疾患過程にわたる認知症のリスクの増大とも関連している。他の合併症は、例えば、神経障害、黒色表皮症、性機能不全、及び高頻度の感染症を含む。
本発明のマーカーは、新たに2型糖尿病と診断された対象と、すでに2型糖尿病に罹っている対象、例えば、長期にわたる耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象とにおいて示差的に発現することが示されているので、本発明はまた、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症するかどうかを決定するための方法も提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が糖尿病治療に応答することが指し示される。
別の態様では、本発明は、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置レジメンに応答するかどうかを決定するための方法を提供する。方法は、対象に由来する試料中の、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルにより判定するステップを含む。対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象に由来する試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異(例えば、それより高い又は低いこと)により、対象が処置に応答することが指し示される。
当業界において、多数の糖尿病治療が公知であり、例えば、単独又は組合せの、ビグアニド(例えば、メトフォルミン)及びチアゾリジンジオン(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、トログリタゾン)などのインスリン増感剤、スルホニル尿素(例えば、グリブリド、グリピジド、グリメピリド、トルブタミド、アセトヘキサミド、トラザミド、クロルプロパミド、グリクラジド、グリコピラミド、グリキドン)、非スルホニル尿素系分泌促進剤、例えば、メグリチニド誘導体(例えば、レパグリニド、ナテグリニド)、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤(例えば、シタグリプチン、サクサグリプチン、リナグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、セプタグリプチン)、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース、ミグリトール、ボグリボース)、アミリノミメティクス(例えば、酢酸プラムリンチド)、インクレチン模倣体(例えば、エクセナチド、リラグルチド、タスポグルチド)などの分泌促進剤、インスリン及びその類似体(例えば、急速作用型、緩徐作用型、及び中間作用型)、胆汁酸封鎖剤(例えば、コレセベラム)、並びにドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)を含む。
本発明の特定の実施形態では、処置は、インスリン増感剤を含む。別の実施形態では、処置は、インスリン増感剤及び分泌促進剤を含む。さらに別の実施形態では、処置は、インスリン増感剤、分泌促進剤、及びインスリンを含む。
本発明の方法は、対象における耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病並びに/又は2型糖尿病合併症並びに/又は処置に対する応答を診断、予後診断、及び/又はモニタリングするのに熟練した専門家により使用される、他の任意の方法と共に実施することができる。例えば、本発明の方法は、血清学的測定、細胞学的測定、及び/又は他の分子マーカーの検出(及び、必要に応じて、定量化)を含む、当業界公知の、耐糖能、肥満、及び/又は糖尿病についての任意の臨床的測定と共に実施することができる。
本発明の方法(及びキット)のうちのいずれにおいても、試料中の本発明のマーカーを、検出及び定量化されうる成分へと変換する、多種多様な周知の技法及び方法のうちのいずれかにより、対象から得られた試料中の本発明のマーカーのレベルを決定することができる。このような方法の非限定的な例は、タンパク質を検出するための免疫学的方法、タンパク質精製法、タンパク質機能アッセイ又はタンパク質活性アッセイ、核酸ハイブリダイゼーション法、核酸逆転写法、及び核酸増幅法、免疫ブロット法、ウェスタンブロット法、ノーザンブロット法、電子顕微鏡法、質量分析、例えば、MALDI-TOF及びSELDI-TOF、免疫沈降、免疫蛍光、免疫組織化学、酵素免疫測定法(ELISA)、例えば、増幅ELISA(Amplified ELISA)、定量的血液ベースのアッセイ、例えば、血清ELISA (Serum ELISA)、定量的尿ベースのアッセイ、フローサイトメトリー、サザンハイブリダイゼーション、アレイ解析、など、並びにこれらの組合せ又は部分的組合せを使用する試料の解析を含む。
例えば、mRNA試料は、対象に由来する試料(例えば、標準的な方法を介する、気管支洗浄、口腔内スワブ、生検、又は末梢血単核細胞)から得ることができ、試料中の本発明のマーカーをコードするmRNAの発現は、PCR解析などの標準的な分子生物学法を使用して検出及び/又は決定することができる。PCR解析の好ましい方法は、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)である。mRNA試料の解析に適する他のシステムは、マイクロアレイ解析(例えば、Affymetrixのマイクロアレイシステム又はIlluminaのBeadArray Technologyを使用する)を含む。
当業者により、本発明のマーカーのレベルを、核酸レベル又はタンパク質レベルで検出するために当業界で確立された本質的にあらゆる技法的手段を使用して、本明細書で論じられる本発明のマーカーのレベルを決定しうることが容易に理解されるであろう。
一実施形態では、試料中の本発明のマーカーのレベルは、本発明のマーカー遺伝子の、転写されたポリヌクレオチド又はその一部、例えば、mRNA又はcDNAを検出することにより決定される。RNAは、例えば、酸性フェノール/イソチオシアン酸グアニジン抽出(RNAzol B、Biogenesis)、RNeasy RNA調製キット(Qiagen)又はPAXgene(PreAnalytix、Switzerland)の使用を含むRNA抽出法を使用して、細胞から抽出することができる。リボ核酸ハイブリダイゼーションを活用する典型的なアッセイフォーマットは、核ランオン(run-on)アッセイ、RT-PCR、RNase保護アッセイ(Meltonら、Nuc. Acids Res.、12:7035)、ノーザンブロット法、in situハイブリダイゼーション、及びマイクロアレイ解析を含む。
一実施形態では、核酸プローブを使用して、本発明のマーカーのレベルを決定する。本明細書で使用される「プローブ」という用語は、特異的な本発明のマーカーに選択的に結合することが可能な任意の分子を指す。プローブは、当業者が合成する場合もあり、適切な生物学的調製物に由来する場合もある。プローブはとりわけ、標識されるようにデザインすることができる。プローブとして活用されうる分子の例は、RNA、DNA、タンパク質、抗体、及び有機分子を含むがこれらに限定されない。
単離mRNAは、サザン解析又はノーザン解析、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR:polymerase chain reaction)解析、及びプローブアレイを含むがこれらに限定されない、ハイブリダイゼーションアッセイ又は増幅アッセイにおいて使用することができる。mRNAレベルを決定するための1つの方法は、単離mRNAを、マーカーのmRNAとハイブリダイズしうる核酸分子(プローブ)と接触させるステップを伴う。核酸プローブは、例えば、全長cDNA、又は少なくとも約7、10、15、20、25、30、35、40、45、50、100、250、若しくは約500ヌクレオチドの長さであり、厳密な条件下でマーカーのゲノムDNAと特異的にハイブリダイズするのに十分なオリゴヌクレオチドなど、その一部でありうる。
一実施形態では、例えば、単離mRNAにアガロースゲル上を泳動させ、mRNAをゲルからニトロセルロースなどの膜へと転写することにより、mRNAを固体表面上に固定化し、プローブと接触させる。代替的な実施形態では、プローブを固体表面上に固定化し、例えば、Affymetrix遺伝子チップアレイ内でmRNAをプローブと接触させる。当業者であれば、公知のmRNA検出法を、本発明のマーカーmRNAのレベルの決定における使用に容易に適合させることができる。
試料中の本発明のマーカーのレベルを決定するための代替的な方法は、例えば、RT-PCR(実験の実施形態は、Mullis、1987、米国特許第4,683,202号に示されている)、リガーゼ連鎖反応(Barany(1991)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、88:189〜193)、自己持続配列複製(Guatelliら(1990)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、87:1874〜1878)、転写増幅系(Kwohら(1989)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86:1173〜1177)、Q-Beta Replicase(Lizardiら(1988)、Bio/Technology、6:1197)、ローリングサークル複製(Lizardiら、米国特許第5,854,033号)又は任意の他の核酸増幅法に続いて、当業者に周知の技法を使用する増幅分子の検出を介する、例えば、試料中のmRNAに対する、核酸増幅工程及び/又は逆転写工程(cDNAを調製する工程)を伴う。これらの検出スキームはとりわけ、このような分子が極めて少数でしか存在しない場合の核酸分子の検出に有用である。本発明の特定の態様では、本発明のマーカーの発現レベルを、定量的蛍光発生RT-PCR(すなわち、TaqMan(商標)システム)により決定する。このような方法は、本発明のマーカーに特異的なオリゴヌクレオチドプライマー対を活用することが典型的である。当業界において、公知の配列に特異的なオリゴヌクレオチドプライマーをデザインするための方法が周知である。
本発明のマーカーmRNAのレベルは、メンブレンブロット(ノーザンハイブリダイゼーション解析、サザンハイブリダイゼーション解析、ドットハイブリダイゼーション解析などのハイブリダイゼーション解析で使用されるメンブレンブロットなど)を使用してモニタリングすることもでき、マイクロウェル、試料用試験管、ゲル、ビーズ、又はファイバー(又は結合させた核酸を含む任意の固体支持体)を使用してモニタリングすることもできる。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,770,722号、同第5,874,219号、同第5,744,305号、同第5,677,195号、及び同第5,445,934号を参照されたい。本発明のマーカーのレベルの決定はまた、溶液中の核酸プローブの使用も含みうる。
本発明の一実施形態では、マイクロアレイを使用して、本発明のマーカーのレベルを検出する。マイクロアレイは、異なる実験間における再現性のために、この目的に特によく適する。DNAマイクロアレイは、多数の遺伝子のレベルの同時的な測定のための1つの方法を提供する。各アレイは、固体支持体へと付着させた捕捉プローブの再現可能なパターンからなる。標識されたRNA又はDNAを、アレイ上の相補的なプローブとハイブリダイズさせ、次いで、レーザー走査により検出する。アレイ上の各プローブのハイブリダイゼーション強度を決定し、相対遺伝子発現レベルを表す定量値へと変換する。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,040,138号、同第5,800,992号、及び同第6,020,135号、同第6,033,860号、及び同第6,344,316号を参照されたい。高密度のオリゴヌクレオチドアレイは、試料中の多数のRNAの遺伝子発現プロファイルを決定するのに特に有用である。
特定の状況下では、本発明のマーカーのmRNAによりコードされたタンパク質産物を検出する検出試薬を使用して、本発明のマーカーのレベルについて、タンパク質レベルでアッセイすることが可能でありうる。例えば、検出される本発明のマーカーのタンパク質産物に特異的に結合し、他のタンパク質には特異的に結合しない抗体試薬が利用可能であれば、FACS解析など、当業界公知の標準的な抗体ベースの技法を使用して、対象に由来する細胞試料中、又は細胞試料に由来する調製物中の本発明のマーカーの発現を検出するのに、このような抗体試薬を使用することができる。
本発明のマーカーをタンパク質レベルで検出するための他の公知の方法は、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィーなどの方法、又は流体沈降素反応若しくはゲル沈降素反応、免疫拡散(単一又は二重)、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素免疫測定法(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、及びウェスタンブロット法などの多様な免疫学的方法を含む。
試料に由来するタンパク質は、当業者に周知の技法を使用して、単離することができる。採用されるタンパク質単離法は、例えば、Harlow及びLane(Harlow及びLane、1988、Antibodies: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、New York)において記載されている方法でありうる。
一実施形態では、抗体又は抗体断片を、ウェスタンブロット又は免疫蛍光法などの方法において使用して、発現させたタンパク質を検出する。本発明のマーカーの発現を決定するための抗体は、市販されており、当業者は、本発明の方法における使用に適する抗体を容易に同定できる。本発明のマーカーのレベルを決定するための特許請求される方法における使用に適する例示的な市販の抗体を、下記の表(表4)に列挙する。
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ウェスタンブロット及び免疫蛍光法では、抗体又はタンパク質を固体支持体上に固定化することが一般に好ましい。適切な固相支持体又は固相担体は、抗原又は抗体に結合することが可能な任意の支持体を含む。周知の支持体又は担体は、ガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然セルロース及び改変セルロース、ポリアクリルアミド、斑レイ岩、及び磁鉄鉱を含む。
当業者には、抗体又は抗原への結合に適する他の多くの担体が公知であり、このような支持体を、本発明を伴う使用に適合させることが可能であると予想される。例えば、細胞から単離されたタンパク質を、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で泳動し、ニトロセルロースなどの固相支持体へと固定化することができる。次いで、支持体を、適切な緩衝液で洗浄した後、検出可能に標識された抗体で処理することができる。次いで、固相支持体を、緩衝液で再度洗浄して結合しなかった抗体を除去することができる。次いで、固体支持体上に結合した標識の量を、従来の手段で検出することができる。当業者には、電気泳動法を使用してタンパク質を検出する手段が周知である(一般に、R. Scopes(1982)、Protein Purification、Springer-Verlag、N.Y.、Deutscher(1990)、Methods in Enzymology、182巻:Guide to Protein Purification、Academic Press, Inc.、N.Y.を参照されたい)。
他の標準的な方法は、当業者に周知のイムノアッセイ法を含み、それらの各々が参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、Principles And Practice Of Immunoassay、2版、Price及びNewman編、MacMillan(1997)、並びにAntibodies, A Laboratory Manual、Harlow及びLane編、Cold Spring Harbor Laboratory、9章(1988)において見出すことができる。
本発明のマーカーのレベルを決定するイムノアッセイにおいて使用される抗体は、検出可能な標識で標識することができる。プローブ又は抗体に関する「標識された」という用語は、検出可能な物質を、プローブ又は抗体へとカップリング(すなわち、物理的連結)することを介するプローブ又は抗体の直接的標識化のほか、直接標識された別の試薬との反応性によるプローブ又は抗体の間接的標識化も包含することを意図する。間接的標識化の例は、それを蛍光標識されたストレプトアビジンで検出できるように、蛍光標識された二次抗体及びDNAプローブのビオチンによる末端標識化を使用する一次抗体の検出を含む。
一実施形態では、抗体は、標識された抗体であり、例えば放射性標識された抗体、発色団標識された抗体、フルオロフォア標識された抗体、又は酵素標識された抗体である。別の実施形態では、本発明のマーカーと特異的に結合する、抗体の誘導体(例えば、基質又はタンパク質-リガンド対(例えば、ビオチン-ストレプトアビジン)のタンパク質若しくはリガンドとコンジュゲートさせた抗体)、又は抗体断片(例えば、単鎖抗体、単離抗体の超可変ドメインなど)である。
本発明の一実施形態では、プロテオミクス法、例えば、質量分析を使用する。質量分析とは、化合物をイオン化して、帯電分子(又はその断片)をもたらすステップと、それらの質量対電荷比を測定するステップとからなる解析法である。典型的な質量分析手順では、試料を対象から得、質量分析計へとロードし、その成分(例えば、本発明のマーカー)を、異なる方法により(例えば、それらに電子ビームで衝撃を与えることにより)イオン化し、帯電粒子(イオン)の形成を結果としてもたらす。次いで、粒子の質量対電荷比を、それらが電磁場を通過するときのイオンの移動から計算する。
例えば、血清などの生体試料の、タンパク質結合チップへの適用を伴う、マトリックス支援レーザー増強脱離/イオン化飛行時間質量分析(MALDI-TOF MS)又は表面増強レーザー増強脱離/イオン化飛行時間質量分析(SELDI-TOF MS)(Wright, G.L., Jr.ら(2002)、Expert Rev Mol Diagn、2:549、Li, J.ら(2002)、Clin Chem、48:1296、Laronga, C.ら(2003)、Dis Markers、19:229、Petricoin, E.F.ら(2002)359:572、Adam, B.L.ら(2002)、Cancer Res、62:3609、Tolson, J.ら(2004)、Lab Invest、84:845、Xiao, Z.ら(2001)、Cancer Res、61:6029)を使用して、本発明のマーカーのレベルを決定することができる。
さらに、本発明のマーカーのレベルを決定するためのin vivo法は、本発明のマーカーを指向する標識された抗体であって、本発明のマーカーに結合し、これを検出可能な分子へと変換する抗体を、対象へと導入するステップを含む。上記で論じた通り、検出可能な本発明のマーカーの、対象における存在、レベル、なお又は位置を、標準的なイメージング法により検出し決定することができる。
一般に、対象に由来する試料中の本発明のマーカーのレベルと、対照試料中の本発明のマーカーの量との差異は、可能な限り大きいことが好ましい。この差異は、マーカーのレベルを決定するための方法の検出限界と同じくらい小さくてもよいが、差異は、少なくとも評価法の標準誤差を超えることが好ましく、評価法の標準誤差の少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、100、500、1000倍以上の差異であることが好ましい。
B.処置の有効性をモニタリングするための方法
本発明はまた、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するのに有用な治療レジメン若しくは処置レジメン又は他の任意の治療手法の有効性をモニタリングするための方法も提供する。これらの方法では、一対の試料(処置レジメンで処理されていない第1の試料と、処置レジメンのうちの少なくとも一部で処理された第2の試料)中の1つ以上の本発明のマーカーのレベルを評価する。第2の試料と比べた第1の試料中の、1つ以上のマーカーの発現レベルのモジュレーションは、治療が、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するのに有効であることの指標である。
C.スクリーニング法
本発明のマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートする、例えば、これを減少又は増大させる分子を同定するために、本明細書で記載される方法を使用して、様々な分子、特に、細胞膜を越えることが可能な程度に十分に小さい分子をスクリーニングすることができる。このようにして同定された化合物は、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するために、対象に投与することができる。
したがって、一実施形態では、本発明は、モジュレーター、すなわち、マーカーポリペプチドに結合し、マーカーの発現、マーカーのプロセシング、マーカーの翻訳後修飾(例えば、グリコシル化、ユビキチン化、又はリン酸化)、マーカーの活性に対して刺激効果若しくは阻害効果を及ぼし、且つ/又はマーカーの標的分子の発現、プロセシング、若しくは活性に対して刺激効果若しくは阻害効果を及ぼす、候補化合物若しくは候補薬剤又は被験化合物若しくは被験薬剤(例えば、酵素、ペプチド、ペプチドミメティクス、低分子、リボザイム、又はマーカーのアンチセンス分子)を同定するための方法を提供する。
細胞内(in vitro及び/又はin vivoにおける)のマーカーの発現及び/若しくは活性をモジュレートし、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害できる化合物を同定するための方法(本明細書ではまた、スクリーニングアッセイとも称する)は、試料(例えば、対象に由来する試料)のアリコートを、化合物ライブラリーの各メンバーと個別に接触させるステップと、アリコート各々における1つ以上の本発明のマーカーのレベル(又は1つ以上の本発明のマーカーの活性)に対する化合物ライブラリーのメンバーの効果を決定するステップと、アリコート中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性を、対照試料中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性と比較してモジュレートする化合物ライブラリーのメンバーを選択し、これにより、細胞内のマーカーの発現及び/若しくは活性をモジュレートし、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害できる化合物を同定するステップとを含む。
本明細書で互換的に使用される「マーカーの活性」及び「マーカーの生物学的活性」という用語は、標準的な技法に従い、in vivo及び/又はin vitroにおいて決定される通り、マーカータンパク質により、マーカー応答性の細胞若しくは組織、又はマーカー核酸分子、又はタンパク質標的分子に対して及ぼされる活性を含む。マーカーの活性は、マーカー標的分子との会合など、直接的活性でありうる。代替的に、マーカーの活性は、マーカータンパク質の、マーカー標的分子又はマーカーを伴うシグナル伝達経路内の他の分子との相互作用により媒介される下流の生物学的事象など、間接的活性でもある。当業界において、本発明のマーカーの生物学的活性が公知であり、例えば、www.uniprot.orgにおいて見出すことができる。本発明のマーカーの各々のUniprot登録番号は、表1〜3に提示されている。これらのUniprot記録の各々の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。当業界において、マーカーの発現及び/又は活性に対する化合物の効果を決定するための方法が公知であり、且つ/又は本明細書でも記載される。
様々な被験化合物は、本明細書で記載されるスクリーニングアッセイを使用して査定することができる。「被験化合物」という用語は、本発明のアッセイにおいて採用され、マーカーの発現及び/又は活性に影響を与えるその能力についてアッセイされる、任意の試薬又は被験薬を含む。スクリーニングアッセイでは、1つを超える化合物、例えば、複数の化合物を、マーカーの発現及び/又は活性をモジュレートするそれらの能力について同時に調べることができる。「スクリーニングアッセイ」という用語は、読出しに影響を与える1つの化合物の能力について調べる試験ではなく、選択された読出しに影響を与える複数の化合物の能力について調べるアッセイを指すことが好ましい。対象のアッセイは、それについてスクリーニングされている効果を及ぼすことがいまだ公知ではない化合物を同定することが好ましい。一実施形態では、ハイスループットスクリーニングを使用して、化合物の活性についてアッセイすることができる。
候補/被験化合物は、例えば、1)Igテールを付された融合ペプチドと、ランダムペプチドライブラリー(例えば、Lam, K.S.ら(1991)、Nature、354:82〜84、Houghten、R.ら(1991)、Nature、354:84〜86を参照されたい)並びにD-立体配置アミノ酸及び/又はL-立体配置アミノ酸から作製されたコンビナトリアル化学反応誘導分子ライブラリーのメンバーとを含む、可溶性ペプチドなどのペプチド、2)ホスホペプチド(例えば、ランダムで部分的に縮重する、指向性のホスホペプチドライブラリーのメンバー、例えば、Songyang, Z.ら(1993)、Cell、72:767〜778を参照されたい)、3)抗体(例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、ヒト化抗体、抗イディオタイプ抗体、キメラ抗体、及び単鎖抗体のほか、抗体のFab、F(ab')2、Fab発現ライブラリー断片、及びエピトープ結合断片)、4)有機低分子及び無機低分子(例えば、コンビナトリアルライブラリー及び天然生成物ライブラリーから得られた分子)、5)酵素(例えば、エンドリボヌクレアーゼ、ヒドロラーゼ、ヌクレアーゼ、プロテアーゼ、シンセターゼ、イソメラーゼ、ポリメラーゼ、キナーゼ、ホスファターゼ、オキシドレダクターゼ、及びATPアーゼ)、6)マーカー分子の突然変異体形態、例えば、分子のドミナントネガティブ突然変異体形態、7)核酸、8)炭水化物、並びに9)天然生成物の抽出物化合物を含む。
被験化合物は、生物学的ライブラリー、空間的にアドレス可能なパラレル固相ライブラリー又は空間的にアドレス可能なパラレル溶液相ライブラリー、デコンボルーションを要請する合成ライブラリー法、「1ビーズ1化合物」ライブラリー法、及びアフィニティークロマトグラフィー選択を使用する合成ライブラリー法を含む、当業界公知のコンビナトリアルライブラリー法の中の多数の手法のうちのいずれかを使用して得ることができる。生物学的ライブラリー手法がペプチドライブラリーに限定されるのに対し、他の4つの手法は、化合物のペプチドオリゴマーライブラリー、非ペプチドオリゴマーライブラリー、又は低分子ライブラリーにも適用可能である(Lam, K.S.(1997)、Anticancer Drug Des.、12:145)。
分子ライブラリーを合成するための方法の例は、当業界において、例えば、DeWittら(1993)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、90:6909、Erbら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:11422、Zuckermannら(1994)、J. Med. Chem.、37:2678、Choら(1993)、Science、261:1303、Carrellら(1994)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、33:2059、Carellら(1994)、Angew. Chem. Int. Ed. Engl.、33:2061、及びGallopら(1994)、J. Med. Chem.、37:1233において見出すことができる。
化合物のライブラリーは、溶液中(例えば、Houghten(1992)、Biotechniques、13:412〜421)に提示することもでき、又はビーズ上(Lam(1991)、Nature、354:82〜84)、チップ上(Fodor(1993)、Nature、364:555〜556)、細菌上(Ladner、USP5,223,409)、胞子上(Ladner、USP'409)、プラスミド上(Cullら(1992)、Proc Natl Acad Sci USA、89:1865〜1869)、若しくはファージ上(Scott及びSmith(1990)、Science、249:386〜390、Devlin(1990)、Science、249:404〜406、Cwirlaら(1990)、Proc. Natl. Acad. Sci.、87:6378〜6382、Felici(1991)、J. Mol. Biol.、222:301〜310、Ladner、前出)に提示することもできる。
スクリーニングアッセイにおいて同定された化合物は、マーカーにより調節される生物学的応答のうちの1つ以上、例えば、耐糖能をモジュレートする方法において使用することができる。このような化合物を、医薬組成物として製剤化してから、細胞と接触させることが所望されうることが理解されるであろう。
本明細書の前出で記載した様々な方法のうちの1つにより被験化合物が同定されたら、選択された被験化合物(又は「対象の化合物」)を、細胞に対するその効果についてさらに評価することができ、これは例えば、対象の化合物を、in vivoにおいて(例えば、対象の化合物を、対象又は動物モデルへと投与することにより)、又はex vivoにおいて(例えば、細胞を対象又は動物モデルから単離し、単離された細胞を、対象の化合物と接触させるか、又は、代替的に、対象の化合物を、細胞系と接触させることにより)細胞と接触させ、対象の化合物の、細胞に対する、適切な対照(非処置細胞又は生物学的応答をモジュレートしない対照化合物若しくは担体で処置された細胞など)と比較した効果を決定することによってなされる。
また、公知の構造を伴うマーカーのコンピュータベースの解析も、本発明のマーカーに結合する分子を同定するのに使用することができる。このような方法では、受容体部位と相補的なそれらの形状に基づき、分子をランク付けする。例えば、3Dデータベースを使用して、TLR9に結合する分子を同定するのに、DOCKなどのプログラムを使用することができる。DesJarliasら(1988)、J. Med. Chem.、31:722、Mengら(1992)、J. Computer Chem.、13:505、Mengら(1993)、Proteins、17:266、Shoichetら(1993)、Science、259:1445を参照されたい。加えて、分子のマーカーに対する電子的相補性を解析して、マーカーに結合する分子を同定することもできる。これは、例えば、Mengら(1992)、J. Computer Chem.、13:505、及びMengら(1993)、Proteins、17:266において記載されている分子力学力場を使用して決定することができる。使用しうる他のプログラムは、推定リガンドのドッキングにおいてGRID力場を使用する、CLIXを含む。Lawrenceら(1992)、Proteins、12:31、Goodfordら(1985)、J. Med. Chem.、28:849、Boobbyerら(1989)、J. Med. Chem.、32:1083を参照されたい。
本発明はまた、前出のスクリーニングアッセイを使用して同定された化合物にも関する。
D.本発明のバイオマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートするための方法
本発明のさらに別の態様は、細胞内のマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートする方法に関する。本発明のモジュレート法は、細胞内のマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートするように、細胞を、マーカーの発現及び/又は活性をモジュレートする薬剤と接触させるステップを伴う。細胞内のマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートするために、細胞を、マーカーの発現及び/又は活性をモジュレートするのに十分な量のモジュレート剤と接触させる。
「モジュレーター」又は「モジュレート剤」とは、モジュレートする化合物又は分子であり、例えば、アゴニスト、アンタゴニスト、活性化因子、刺激因子、抑制因子、又は阻害剤でありうる。本明細書で使用される「モジュレーター」という用語は、マーカーの発現をモジュレートする部分又はマーカーの機能をモジュレートする部分を含む、マーカーの活性をモジュレートする任意の部分を指す。モジュレーターは、細胞内のマーカーポリペプチドの活性をモジュレートすることにより作用しうる(例えば、マーカー遺伝子の転写又はマーカーmRNAの翻訳をモジュレートすることにより、例えばそれが相互作用する分子へのマーカーの結合に干渉するか、マーカーの結合特異性を変化させるか、又はマーカー若しくはマーカーの発現を翻訳後修飾する薬剤と細胞を接触させることによって作用しうる)。したがって、本発明は、生物学的応答をモジュレートするように、細胞を、マーカーの発現及び/又は活性のモジュレーターと接触させることにより、マーカーにより調節される1つ以上の生物学的応答をモジュレートするための方法を特色とする。
代表的なモジュレーターは、下記に記載され、タンパク質、核酸分子、抗体、核酸(例えば、リボザイム及びRNA干渉剤などのアンチセンス分子)、イムノコンジュゲート(例えば、治療剤へとコンジュゲートさせた抗体)、低分子、融合タンパク質、アドネクチン、アプタマー、アンチカリン、リポカリン、及びマーカー由来ペプチド化合物を含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される「〜を接触させること」(例えば、細胞を、モジュレーターと接触させること)という用語は、モジュレーターと細胞とをin vitroにおいて併せてインキュベートすること(例えば、モジュレーターを培養物中の細胞へと添加すること)、又はモジュレーターと対象の細胞とをin vivoにおいて接触させるように、モジュレーターを対象に投与することを含むことを意図する。「〜を接触させること」という用語は、対象において自然発生しうる作用物質への細胞の曝露(すなわち、天然の生理学的過程の結果として生じうる曝露)を含むことを意図しない。
一実施形態では、本発明のモジュレート法は、in vitroにおいて実施する。別の実施形態では、本発明のモジュレート法は、in vivoにおいて、例えば、本発明のマーカーの発現及び/又は活性のモジュレーションから利益を得る対象、例えば、耐糖能異常、2型糖尿病を有する対象において実施する。
したがって、本発明はまた、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するための方法も提供する。
「〜を阻害する」方法、「〜を緩徐化する」方法、及び/又は「〜を処置する」方法は、対象を治癒させるか又は対象の健康若しくは生存を、このような処置の非存在下において予測される健康若しくは生存を越えて延長するための、マーカーモジュレーターの対象への投与を含む。
本明細書で使用される「患者」又は「対象」という用語は、ヒト患者及び獣医療患者を含むことを意図する。特定の実施形態では、対象はヒトである。「非ヒト動物」という用語は、全ての脊椎動物、例えば、非ヒト霊長動物、マウス、ウサギ、ヒツジ、イヌ、ウシ、ニワトリ、両生類、及び爬虫類などの哺乳動物及び非哺乳動物を含む。
本発明の方法はまた、生活様式の変化を含む他の治療と組み合わせたマーカーモジュレーターの使用も想定する。したがって、マーカーモジュレーターの使用に加えて、本発明の方法はまた、対象に、1つ以上の「標準的」治療を投与することも含みうる。例えば、モジュレーターは、細胞毒素、免疫抑制剤、放射性毒性剤、及び/又は治療用抗体と組み合わせて(すなわち、これらと併せて、又はこれらに連結して(すなわち、イムノコンジュゲート))投与することができる。本発明により想定される特定の共治療剤は、インスリン増感剤、分泌促進剤、ジペプチジルペプチダーゼIV阻害剤、アルファ-グルコシダーゼ阻害剤、アミリノミメティクス、インクレチン模倣体、インスリン、胆汁酸封鎖剤、ドーパミンアゴニスト、スタチンを含むがこれらに限定されない。
マーカーモジュレーターと、共治療剤又は共治療とは、同じ処方物中で投与することもでき、個別に投与することもできる。個別投与の場合、マーカーモジュレーターは、共治療剤又は共治療の前に投与することもでき、共治療剤又は共治療の後で投与することもでき、共治療剤又は共治療と共時的に投与することもできる。1つの薬剤は、数分間〜数週間の範囲の間隔で、他の薬剤の投与に先行する場合もあり、他の薬剤の投与に後続する場合もある。2つ以上の異なる種類の治療剤を、対象へと個別に適用する実施形態ならば一般に、これらの異なる種類の薬剤が、有利に組み合わされた効果を、標的組織又は標的細胞になおも及ぼすことが可能であるように、各送達時点の間で大幅な時間が過ぎないことが確保されるであろう。
一実施形態では、マーカーモジュレーター(例えば、抗マーカー抗体)を、例えば、マーカー上の異なる標的又は異なるエピトープに結合する抗体又は他の結合剤など、第2の結合性分子に連結する(すなわち、これにより、二重特異性分子を形成する)ことができる。
本明細書で使用される「有効量」という用語は、対象に投与された場合に、対象における線維症の進行を阻害するのに十分なマーカーモジュレーターの量を指す。有効量は、対象及び疾患の重症度及び対象の年齢、当業者が容易に決定しうる投与様式などに応じて変化するであろう。投与のためのマーカーモジュレーターの投与量は、例えば、マーカーモジュレーター約1ng〜約10,000mg、約5ng〜約9,500mg、約10ng〜約9,000mg、約20ng〜約8,500mg、約30ng〜約7,500mg、約40ng〜約7,000mg、約50ng〜約6,500mg、約100ng〜約6,000mg、約200ng〜約5,500mg、約300ng〜約5,000mg、約400ng〜約4,500mg、約500ng〜約4,000mg、約1μg〜約3,500mg、約5μg〜約3,000mg、約10μg〜約2,600mg、約20μg〜約2,575mg、約30μg〜約2,550mg、約40μg〜約2,500mg、約50μg〜約2,475mg、約100μg〜約2,450mg、約200μg〜約2,425mg、約300μg〜約2,000mg、約400μg〜約1,175mg、約500μg〜約1,150mg、約0.5mg〜約1,125mg、約1mg〜約1,100mg、約1.25mg〜約1,075mg、約1.5mg〜約1,050mg、約2.0mg〜約1,025mg、約2.5mg〜約1,000mg、約3.0mg〜約975mg、約3.5mg〜約950mg、約4.0mg〜約925mg、約4.5mg〜約900mg、約5mg〜約875mg、約10mg〜約850mg、約20mg〜約825mg、約30mg〜約800mg、約40mg〜約775mg、約50mg〜約750mg、約100mg〜約725mg、約200mg〜約700mg、約300mg〜約675mg、約400mg〜約650mg、約500mg、又は約525mg〜約625mgの範囲にわたりうる。投与レジメンは、最適な治療応答をもたらすように調整することができる。有効量はまた、マーカーモジュレーターの任意の毒性作用又は有害作用(すなわち、副作用)が最小化され、且つ/又は有益な効果により凌駕される場合の量でもある。
本発明の方法において使用されるマーカーモジュレーターの実際の投与量レベルは、患者に対して毒性とならずに、所望の応答、例えば、糖尿病の進行の阻害を達成するのに有効な量の有効成分を得るように、特定の患者、組成物、及び投与方式に応じて変化させることができる。選択された投与量レベルは、採用される特定のマーカーモジュレーター、又はそのエステル、塩、若しくはアミドの活性、投与経路、投与時期、採用される特定のモジュレーターの排出速度、処置の持続時間、採用される特定のモジュレーターと組み合わせて使用される他の薬物、化合物、及び/又は材料、年齢、性別、体重、状態、全般的健康、並びに処置される患者の既往歴など、医療技術分野で周知の因子を含む、様々な薬物動態因子に依存するであろう。当業界において通常の技術を有する医師又は獣医は、要請されるモジュレーターの有効量を、容易に決定し、容易に処方することができる。例えば、医師又は獣医であれば、モジュレーターの投与を、所望の治療効果を達成するのに要請されるレベルより低いレベルで開始し、所望の効果を達成するまで、投与量を徐々に増大させうるであろう。一般に、マーカーモジュレーターの毎日の適切な用量は、治療効果をもたらすのに有効な最小用量である量であろう。このような有効用量は一般に、上記で記載した因子に依存するであろう。投与は、静脈内投与、筋内投与、腹腔内投与、又は皮下投与であることが好ましく、標的部位に近接して投与することが好ましい。所望の場合、マーカーモジュレーターの毎日の有効用量は、個別に投与される2つ、3つ、4つ、5つ、6つ以上の部分用量として、1日にわたり、適切な間隔で、任意選択では単位剤形により投与することができる。本発明のマーカーモジュレーターは、単独で投与することも可能であるが、医薬処方物(組成物)として投与することが好ましい。
最適な所望の応答(例えば、治療応答)をもたらすように、投与レジメンを調整する。例えば、単回のボーラスを投与することもでき、複数の分割用量をある期間にわたり投与することもでき、治療状況の緊急性により指し示されるのに応じて、用量を低減するか又は増大させることもできる。例えば、方法において使用される本発明のマーカーモジュレーターは、毎週1回又は2回の皮下注射により投与することもでき、毎月1回又は2回の皮下注射により投与することもできる。
本発明の方法において使用されるマーカーモジュレーターを、特定の投与経路により投与するには、モジュレーターをその不活化を防止するのに適する処方物中に含むことが必要でありうる。例えば、マーカーモジュレーターは、適切な担体、例えば、リポソーム又は希釈剤により対象に投与することができる。薬学的に許容される希釈剤は、生理食塩液及び水性緩衝液を含む。リポソームは、水中油中水CGFエマルジョンのほか、従来のリポソーム(Strejanら(1984)、J. Neuroimmunol.、7:27)も含む。
薬学的に許容される担体は、滅菌水溶液又は滅菌分散液及び滅菌注射用溶液又は滅菌注射用分散液を即席で調製するための滅菌粉末を含む。当業界において、薬学的活性物質のための、このような媒質及び薬剤の使用が公知である。任意の従来の媒質又は薬剤が活性のマーカーモジュレーターと適合不能な場合を除き、医薬組成物中のその使用が想定される。また、補足的な活性化合物も、マーカーモジュレーターと共に組み込むことができる。
本発明の方法において使用されるマーカーモジュレーターは、製造及び保管の条件下において、滅菌であり、且つ、安定でなければならないことが典型的である。モジュレーターは、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、又は高薬物濃度に適する他の秩序構造として製剤化することができる。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適切な混合物を含有する溶媒又は分散媒でありうる。適正な流体性は、例えば、レシチンなどのコーティングを使用することにより、分散液の場合、要請される粒子サイズを維持することにより、且つ、界面活性剤を使用することにより維持することができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、又は塩化ナトリウムを組成物中に含むことが好ましいであろう。注射用組成物の遅延吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを組み入れることによりもたらすことができる。
滅菌注射用溶液は、活性モジュレーターを、要請に応じて、上記で列挙した成分のうちの1つ又は組合せを伴う適切な溶媒中に、要請される量で組み込んだ後、精密濾過による滅菌を行うことにより調製することができる。一般に、分散液は、活性化合物を、基本分散媒及び上記で列挙した成分に由来する、要請される他の成分を含有する滅菌媒体へと組み込むことにより調製する。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製法は、有効成分に、その既に滅菌濾過された溶液に由来する任意のさらなる所望の成分を加えた粉末をもたらす、真空乾燥及びフリーズドライ(凍結乾燥)である。
本発明の方法において使用されうるマーカーモジュレーターは、経口投与、鼻腔内投与、局所投与(口腔内投与及び舌下投与を含む)、直腸内投与、膣内投与、及び/又は非経口投与に適するマーカーモジュレーターを含む。処方物は、単位剤形で提示し、薬学技術分野で公知の任意の方法により調製しうると好都合である。担体材料と組み合わせて単一の剤形をもたらしうる有効成分の量は、処置される対象及び特定の投与方式に応じて変化するであろう。担体材料と組み合わせて単一の剤形をもたらしうる有効成分の量とは一般に、治療効果をもたらすモジュレーターの量であろう。一般に、100パーセントのうちで、この量は、約0.001%〜約90%の有効成分、好ましくは約0.005%〜約70%、最も好ましくは約0.01%〜約30%の範囲にわたるであろう。
本明細書で使用される「非経口投与」及び「非経口投与された」という語句は、通例注射による、腸内投与及び局所投与以外の投与方式を意味し、これらに限定されないが、静脈内注射及び注入、筋内注射及び筋内注入、動脈内注射及び動脈内注入、髄腔内注射及び髄腔内注入、関節包内注射及び関節包内注入、眼窩内注射及び眼窩内注入、心内注射及び心内注入、皮内注射及び皮内注入、腹腔内注射及び腹腔内注入、経気管注射及び経気管注入、皮下注射及び皮下注入、表皮下注射及び表皮下注入、関節内注射及び関節内注入、被膜下注射及び被膜下注入、くも膜下注射及びくも膜下注入、脊髄内注射及び脊髄内注入、硬膜外注射及び硬膜外注入、並びに胸骨下注射及び胸骨下注入を含む。
本発明の方法で活用されるマーカーモジュレーターと共に採用されうる、適切な水性担体及び非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、及びこれらの適切な混合物、オリーブ油などの植物油、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルを含む。適正な流体性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を使用することにより、分散液の場合、要請される粒子サイズを維持することにより、且つ、界面活性剤を使用することにより維持することができる。
マーカーモジュレーターはまた、保存剤、保湿剤、乳化剤、及び分散剤などのアジュバントと共に投与することもできる。微生物の存在の防止は、滅菌手順、及び、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなど、多様な抗菌剤及び抗真菌剤の組入れの両方により確保することができる。また、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物へと組み入れることも所望されうる。加えて、注射用医薬品形態の遅延吸収も、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを組み入れることによりもたらすことができる。
本発明の方法において使用されるマーカーモジュレーターを、ヒト及び動物へと投与する場合、それらは、単独で、又は、例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせた、0.001〜90%(より好ましくは、0.005〜70%、例えば、0.01〜30%)の有効成分を含有する医薬モジュレーターとして施すことができる。
マーカーモジュレーターは、当業界公知の医療デバイスにより投与することができる。例えば、好ましい実施形態では、モジュレーターは、米国特許第5,399,163号、同第5,383,851号、同第5,312,335号、同第5,064,413号、同第4,941,880号、同第4,790,824号、又は同第4,596,556号において開示されているデバイスなどの無針皮下注射デバイスにより投与することができる。本発明において有用な周知のインプラント及びモジュールの例としては、医薬を制御された速度で分注するための植込み式マイクロ注入ポンプを開示している米国特許第4,487,603号、皮膚を介して医薬を投与するための治療用デバイスを開示している米国特許第4,486,194号、医薬を正確な注入速度で送達するための医薬注入ポンプを開示している米国特許第4,447,233号、持続的薬物送達のための、流量可変型植込み式注入装置を開示している米国特許第4,447,224号、マルチチャンバー区画を有する浸透圧式薬物送達系を開示している米国特許第4,439,196号、及び浸透圧式薬物送達系を開示している米国特許第4,475,196号が挙げられる。他の多くのこのようなインプラント、送達系、及びモジュールが当業者公知である。
1.阻害剤
本発明のモジュレート法に従い、細胞を阻害剤と接触させることにより(又は対象へと阻害剤を投与することにより)、細胞又は対象におけるマーカーの発現及び/又は活性を阻害する。本発明の阻害剤は、例えば、マーカーの発現及び/又は活性を、減少させるか又は阻害するように作用する分子でありうる。
本発明の一実施形態では、本明細書で記載されるモジュレート法、例えば、治療法及び診断法は、例えば、マーカーに直接的若しくは間接的に結合し、マーカーの活性を阻害し、且つ/又はマーカーの発現を下方にモジュレートする抗体を採用する。
本明細書で互換的に使用される「抗体」又は「免疫グロブリン」という用語は、全抗体及び任意の抗原結合性断片(すなわち、「抗原結合性部分」)又はその単鎖体を含む。「抗体」は、ジスルフィド結合により相互接続された、少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書では、VHと略記する)及び重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、CH1、CH2、及びCH3という3つのドメインを含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書では、VLと略記する)及び軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、CLという1つのドメインを含む。VH領域及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称するより保存的な領域を散在させた、相補性決定領域(CDR)と称する超可変領域へとさらに細分することができる。各VH及びVLは、アミノ末端からカルボキシ末端へと、以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された、3つのCDR及び4つのFRから構成される。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合性ドメインを含有する。抗体の定常領域は、免疫グロブリンの、免疫系の多様な細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1成分(Clq)を含む、宿主組織又は因子への結合を媒介しうる。
本明細書で使用される、抗体の「抗原結合性部分」(又は単に「抗体の部分」)という用語は、抗原(例えば、マーカー)に特異的に結合する能力を保持する、抗体の1つ以上の断片を指す。抗体の抗原結合機能は、全長抗体断片のにより果たされうることが示されている。抗体の「抗原結合性部分」という用語の中に包含される結合性断片の例は、(i)VLドメイン、VHドメイン、CLドメイン、及びCH1ドメインからなる一価断片であるFab断片、(ii)ヒンジ領域においてジスルフィド架橋により連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab')2断片、(iii)VHドメイン及びCH1ドメインからなるFd断片、(iv)抗体の単一のアームのVLドメイン及びVHドメインからなるFv断片、(v)VHドメイン及びVLドメインを含むdAb、(vi)VHドメインからなるdAb断片(Wardら(1989)、Nature、341、544〜546)、(vii)VHドメイン若しくはVLドメインからなるdAb、並びに(viii)単離相補性決定領域(CDR)、又は(ix)合成リンカーにより任意選択で接合されうる2つ以上の単離CDRの組合せを含む。さらに、Fv断片の2つのドメインであるVL及びVHは、個別の遺伝子によりコードされるが、それらは、VL領域及びVH領域を対合させて一価分子(単鎖Fv(scFv)として公知であり、例えば、Birdら(1988)、Science、242、423〜426、及びHustonら(1988)、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、85、5879〜5883を参照されたい)を形成する、単一のタンパク質鎖としてそれらを作製することを可能とする、合成リンカーによる組換え法を使用して接合することができる。このような単鎖抗体はまた、抗体の「抗原結合性部分」という用語の中に包含されることも意図する。これらの抗体断片は、当業者に公知の従来の技法を使用して得られ、無傷抗体と同じ様式で、有用性についてスクリーニングされる。抗原結合性部分は、組換えDNA法により作製することもでき、無傷免疫グロブリンの酵素的切断又は化学的切断により作製することもできる。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、及びヒト抗体、並びに自然発生する抗体、又は当業界周知の方法に従い組換えにより作製される抗体を含む。
一実施形態では、本発明の方法で使用するための抗体は、二重特異性抗体である。「二重特異性」又は「二官能性抗体」とは、2つの異なる重/軽鎖対及び2つの異なる結合性部位を有する、人工ハイブリッド抗体である。二重特異性抗体は、ハイブリドーマの融合又はFab'断片の連結を含む様々な方法により作製することができる。例えば、Songsivilai & Lachmann、(1990)、Clin. Exp. Immunol.、79、315〜321、Kostelnyら(1992)、J. Immunol.、148、1547〜1553を参照されたい。
別の実施形態では、本発明の方法で使用するための抗体は、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT公開第WO94/04678号において記載されている、ラクダ科動物抗体である。
VHHとして同定された、小型で単一の可変ドメインである、ラクダ科動物抗体の領域は、標的に対する、親和性が大きな小型のタンパク質をもたらし、「ラクダ科動物ナノボディ」として公知である、低分子量の抗体由来タンパク質を結果としてもたらす遺伝子操作により得ることができる。米国特許第5,759,808号を参照されたい。また、Stijlemansら、2004、J. Biol. Chem.、279:1256〜1261、Dumoulinら、2003、Nature、424:783〜788、Pleschbergerら、2003、Bioconjugate Chem.、14:440〜448、Cortez-Retamozoら、2002、Int. J. Cancer、89:456〜62、及びLauwereysら、1998、EMBO J.、17:3512〜3520も参照されたい。ラクダ科動物抗体及び抗体断片の操作されたライブラリーは、例えば、Ablynx、Ghent、Belgiumから市販されている。したがって、本発明の特色は、マーカーに対する親和性が大きな、ラクダ科動物ナノボディである。
本発明の他の実施形態では、本発明の方法で使用するための抗体は、ダイアボディ、単鎖ダイアボディ、又はジダイアボディである。
ダイアボディとは、VHドメイン及びVLドメインを、同じ鎖上の2つのドメイン間の対合を可能とするには短すぎるリンカーにより接続された単一のポリペプチド鎖上で発現させた、二価の二重特異性分子である。VHドメイン及びVLドメインは、別の鎖の相補的なドメインと対合し、これにより、2つの抗原結合性部位を創出する(例えば、Holligerら、1993、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、90:6444〜6448、Poljakら、1994、Structure、2:1121〜1123を参照されたい)。ダイアボディは、VHA-VLB構造及びVHB-VLA構造(VH-VL立体配置)、又はVLA-VHB構造及びVLB-VHA構造(VL-VH立体配置)を伴う2つのポリペプチド鎖を、同じ細胞内で発現させることにより作製することができる。それらの大半は、細菌内の可溶性形態で発現させることができる。
単鎖ダイアボディ(scDb:single chain diabody)は、2つのダイアボディ形成ポリペプチド鎖を、約15アミノ酸残基のリンカーで接続することにより作製する(Holliger及びWinter、1997、Cancer Immunol. Immunother.、45(3〜4):128〜30、Wuら、1996、Immunotechnology、2(1):21〜36を参照されたい)。scDbは、細菌内の可溶性で活性の単量体形態により発現させることができる(Holliger及びWinter、1997、Cancer Immunol. Immunother.、45(34):128〜30、Wuら、1996、Immunotechnology、2(1):21〜36、Pluckthun及びPack、1997、Immunotechnology、3(2):83〜105、Ridgwayら、1996、Protein Eng.、9(7):617〜21を参照されたい)。
ダイアボディをFcへと融合させて、「ジダイアボディ」を作り出すことができる(Luら、2004、J. Biol. Chem.、279(4):2856〜65を参照されたい)。
抗体の機能的特性を示すが、それらのフレームワーク部分及び抗原結合性部分を、他のポリペプチド(例えば、抗体遺伝子によりコードされるポリペプチド以外のポリペプチド、又はin vivoにおける抗体遺伝子の組換えにより産生されたポリペプチド)から導出するマーカー結合性分子もまた、本発明の方法において使用することができる。これらの結合性分子の抗原結合性ドメイン(例えば、マーカー結合性ドメイン)は、指向性進化工程を介して作り出す。米国特許第7,115,396号を参照されたい。抗体の可変ドメインのフォールドと類似する全体的フォールド(「免疫グロブリン様」フォールド)を有する分子は、適切な足場タンパク質である。抗原結合性分子を導出するのに適する足場タンパク質は、フィブロネクチン又はフィブロネクチン二量体、テネイシン、N-カドヘリン、E-カドヘリン、ICAM、チチン、GCSF受容体、サイトカイン受容体、グリコシダーゼ阻害剤、抗生剤色素タンパク質、ミエリン膜接着分子P0、CD8、CD4、CD2、MHCクラスI、T細胞抗原受容体、CD1、VCAM-1のC2セットドメイン及びIセットドメイン、ミオシン結合性タンパク質Cの免疫グロブリンIセットドメイン、ミオシン結合性タンパク質Hの免疫グロブリンIセットドメイン、テロキンの免疫グロブリンIセットドメイン、NCAM、ツイッチン、ニューログリアン、成長ホルモン受容体、エリスロポエチン受容体、プロラクチン受容体、インターフェロンガンマ受容体、β-ガラクトシダーゼ/グルクロニダーゼ、β-グルクロニダーゼ、トランスグルタミナーゼ、T細胞抗原受容体、スーパーオキシドジスムターゼ、組織因子ドメイン、チトクロムF、緑色蛍光タンパク質、GroEL、及びソーマチンを含む。
抗体以外の結合性分子を作り出すためには、抗原結合性表面(例えば、免疫グロブリンフォールドの抗体可変ドメインのCDRと位置及び構造が類似する領域)を形成する足場タンパク質の領域内の配列をランダム化した、クローンライブラリーを創出する。ライブラリークローンは、対象の抗原(例えば、TLR9)への特異的結合及び他の機能(例えば、TLR9の生物学的活性の阻害)について調べる。選択されたクローンは、抗原に対する親和性を増大させた誘導体を作製するさらなるランダム化及び選択のための基盤として使用することができる。
高親和性の結合性分子は、例えば、それらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,818,418号、及び同第7,115,396号、Roberts及びSzostak、1997、Proc. Natl. Acad. Sci USA、94:12297、米国特許第6,261,804号、米国特許第6,258,558号、並びにSzostakら、WO98/31700において記載されている、フィブロネクチンIIIの第10モジュール(10Fn3)を足場として使用して作り出す。
抗体以外の結合性分子は、標的抗原に対するアビディティーを増大させる二量体又は多量体として作製することができる。例えば、抗原結合性ドメインは、Fc-Fc二量体を形成する抗体の定常領域(Fc)との融合体として発現させる。例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,115,396号を参照されたい。
本発明の治療法はまた、抗体断片及び抗体模倣体の使用を介して実施することもできる。下記で詳述する通り、今日では、多種多様な抗体断片技術及び抗体模倣体技術が開発されており、当業界で広く公知である。ドメイン抗体、ナノボディ(Nanobody)、及びユニボディ(UniBody)など、これらの多数の技術では、従来の抗体構造の断片又はこれらに対する他の改変を使用するが、また、従来の抗体結合を模倣するが、顕著に異なる機構から作り出され、顕著に異なる機構を介して機能する結合構造を採用する、アドネクチン( Adnectin)、アフィボディ(Affibody)、DARPin、アンチカリン(Anticalin)、アビマー(Avimer)、及びバーサボディ(Versabody)などの代替的な技術も存在する。これらの代替的な構造のうちのいくつかは、Gill及びDamle(2006)、17:653〜658において総説されている。
ドメイン抗体(dAb)とは、ヒト抗体の重(VH)鎖又は軽(VL)鎖の可変領域に対応する、抗体の最小の機能的結合単位である。Domantisは、一連の完全ヒトVH dAb及び完全ヒトVL dAbの大型で高度に機能的なライブラリー(各ライブラリー内に100億を超える異なる配列)を開発しており、これらのライブラリーを使用して、治療標的に特異的なdAbを選択している。多くの従来の抗体とは対照的に、ドメイン抗体は、細菌細胞系内、酵母細胞系内、及び哺乳動物細胞系内で良好に発現する。ドメイン抗体及びそれらの作製法についてのさらなる詳細は、それらの各々の内容が、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第6,291,158号、同第6,582,915号、同第6,593,081号、同第6,172,197号、同第6,696,245号、米国第2004/0110941号、欧州特許出願第1433846号、並びに欧州特許第0368684号及び同第0616640号、WO05/035572、WO04/101790、WO04/081026、WO04/058821、WO04/003019、及びWO03/002609を参照することにより得ることができる。
ナノボディとは、自然発生の重鎖抗体に固有の構造的特性及び機能的特性を含有する、抗体由来治療用タンパク質である。これらの重鎖抗体は、単一の可変ドメイン(VHH)及び2つの定常ドメイン(CH2及びCH3)を含有する。クローニング及び単離されたVHHドメインは、元の重鎖抗体の完全な抗原結合能を保有する、完全に安定的なポリペプチドであることが重要である。ナノボディは、ヒト抗体のVHドメインとの相同性が大きく、活性を失わずに、さらにヒト化することもできる。
ナノボディは、単一の遺伝子によりコードされており、ほとんど全ての原核生物宿主及び真核生物宿主、例えば、大腸菌(E. coli)(例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、U.S.6,765,087を参照されたい)、カビ(例えば、アスペルギルス属(Aspergillus)又はトリコデルマ属(Trichoderma))及び酵母(例えば、サッカロミケス属(Saccharomyces)、クリベロマイセス属(Kluyveromyces)、ハンセヌラ属(Hansenula)、又はピキア属(Pichia))(例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、U.S.6,838,254を参照されたい)で効率的に産生される。作製工程は、拡大縮小可能であり、何キログラムものナノボディが産生されている。ナノボディは、従来の抗体と比較して優れた安定性を示すため、保管寿命が長く使用しやすい溶液として製剤化できる。
ナノクローン(Nanoclone)法(例えば、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、WO06/079372を参照されたい)とは、B細胞の自動式高速選択をベースとした、所望の標的に対するナノボディを作り出すための特許権を付与された方法であり、本発明の環境においても使用される可能性がある。
ユニボディとは、別の抗体断片技術であるが、この技術は、IgG4抗体のヒンジ領域の除去に基づく。ヒンジ領域の欠失は、本質的に従来のIgG4抗体の半分のサイズであり、IgG4抗体の二価の結合性領域ではなく、一価の結合性領域を有する分子を結果としてもたらす。また、IgG4抗体は、不活性であり、したがって、免疫系と相互作用しないことも周知であり、これは、免疫応答が所望されない疾患の処置に有利な場合があり、この利点は、ユニボディにも受け継がれている。ユニボディのさらなる詳細は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、特許出願第WO2007/059782号を参照することにより得ることができる。
アドネクチン分子とは、フィブロネクチンタンパク質の1つ以上のドメインに由来する、操作された結合性タンパク質である。一実施形態では、アドネクチン分子は、2つのベータシートの間に分配された複数のベータ鎖からなる天然タンパク質を改変することにより、フィブロネクチン2I型ドメインから導出する。由来する組織に応じて、フィブロネクチンは、例えば、1Fn3、2Fn3、3Fn3などと表記されうる、複数の2I型ドメインを含有しうる。アドネクチン分子はまた、単純な単量体の10Fn3構造ではなく、10Fn3類縁分子のポリマーからも導出することができる。
天然の10Fn3ドメインは、インテグリンに結合することが典型的であるが、アドネクチン分子となるように適合させた10Fn3タンパク質が、対象の抗原、例えばマーカーに結合するように改変される。一実施形態では、10Fn3分子に対する改変は、ベータ鎖への少なくとも1カ所の突然変異を含む。好ましい実施形態では、10Fn3分子のベータ鎖を接続するループ領域を、対象の抗原、例えば、マーカーに結合するように改変する。
10Fn3内の改変は、エラープローンPCR、部位指向突然変異誘発、DNAシャフリング、又は本明細書で言及した他の種類の組換え突然変異誘発を含むがこれらに限定されない、当業界公知の任意の方法により施すことができる。一例では、10Fn3配列をコードするDNAの変異体を、in vitroにおいて直接合成し、後に、in vitro又はin vivoにおいて転写及び翻訳させうる。代替的に、天然の10Fn3配列は、標準的な方法(例えば、米国特許出願第20070082365号において実施されている)を使用して、ゲノムから単離又はクローニングし、次いで、当業界公知の突然変異誘発法を使用して、突然変異させることができる。
アプタマーとは、本発明の方法において使用されうる、別の種類の抗体模倣体である。アプタマーは、特異的な分子標的に結合する、小型のヌクレオチドポリマーであることが典型的である。アプタマーは、一本鎖核酸分子(DNA又はRNA)の場合もあり、二本鎖核酸分子(DNA又はRNA)の場合もあるが、DNAベースのアプタマーは、二本鎖であることが最も一般的である。アプタマー核酸の長さは規定されていないが、アプタマー分子は、15〜40ヌクレオチド長の間であることが最も一般的である。
アプタマーは、様々な技法を使用して作製しうるが、元は、それらの内容が参照により本明細書に組み込まれる、in vitro選択(Ellington及びSzostak(1990)、Nature.、346(6287):818〜22)及びSELEX法(systematic evolution of ligands by exponential enrichment)(Schneiderら、1992、J Mol Biol.、228(3):862〜9)を使用して開発された。アプタマーを作製及び使用する他の方法も、それらの全てが参照により本明細書に組み込まれる、Klussmann、The Aptamer Handbook:Functional Oligonucleotides and Their Applications、ISBN:978-3-527-31059-3、Ulrichら、2006、Comb Chem High Throughput Screen、9(8):619〜32、Cerchia及びde Franciscis、2007、Methods Mol Biol.、361:187〜200、Ireson及びKelland、2006、Mol Cancer Ther.、2006、5(12):2957〜62、米国特許第5,582,981号、同第5,840,867号、同第5,756,291号、同第6,261,783号、同第6,458,559号、同第5,792,613号、同第6,111,095号、並びに米国特許出願第11/482,671号、同第11/102,428号、同第11/291,610号、及び同第10/627,543号を含めて公刊されている。
また、ヌクレオチドではなく、ペプチドから作製されたアプタマー分子も、本発明の方法において使用することができる。ペプチドアプタマーは、多くの特性(例えば、小型のサイズ及び標的分子に高親和性で結合する能力)をヌクレオチドアプタマーと共有し、ヌクレオチドアプタマーを作製するのに使用される選択法、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Baines及びColas、2006、Drug Discov Today.、11(7〜8):334〜41、並びにBickleら、2006、Nat Protoc.、1(3):1066〜91と同様の原理を有する選択法により作製することができる。
アフィボディ(Affibody)分子とは、ブドウ球菌プロテインAのIgG結合ドメインのうちの1つに由来する、58アミノ酸残基のタンパク質ドメインに基づく、親和性タンパク質のクラスを表す。この3つのへリックスバンドルドメインは、ファージディスプレイ技術を使用して、所望の分子をターゲティングするAffibody変異体をそこから選択しうる、コンビナトリアルファージミドライブラリーを構築するための足場として使用されている(Nord Kら、Nat Biotechnol、1997;15:772〜7、Ronmark Jら、Eur J Biochem、2002;269:2647〜55)。アフィボディ及びそれらの作製法についてのさらなる詳細は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第5,831,012号を参照することにより得ることができる。
DARPin(Designed Ankyrin Repeat Protein)とは、抗体以外のポリペプチドの結合能を利用するために開発された、抗体模倣体であるDRP(Designed Repeat Protein)技術の一例である。アンキリン又はロイシンに富むリピートタンパク質などのリピートタンパク質は、抗体と異なり、細胞内及び細胞外で発生する、遍在性の結合性分子である。それらの固有のモジュールアーキテクチャーは、可変的なモジュール標的結合性表面を提示する長型のリピートドメインを形成するように併せてスタッキングされる、反復的構造単位(リピート)を特色とする。このモジュール性に基づき、高度に多様化された結合特異性を伴う、ポリペプチドのコンビナトリアルライブラリーを作り出すことができる。この戦略は、可変的な表面残基を提示する自己適合性リピート、及びそれらのリピートドメインへのランダムアセンブリーについてのコンセンサスデザインを含む。
DARPin及び他のDRP技術に関するさらなる情報は、それらのいずれもが参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2004/0132028号及び国際特許出願公開第WO02/20565号において見出すことができる。
アンチカリンとは、さらなる抗体模倣技術であるが、この場合、結合特異性は、ヒト組織内及びヒト体液中で、天然において豊富に発現する低分子量タンパク質のファミリーである、リポカリンから導出される。リポカリンは、化学的に感受性の化合物又は不溶性の化合物の生理学的輸送及び蓄積と関連する、ある範囲にわたる機能をin vivoにおいて果たすように進化した。リポカリンは、タンパク質の1つの末端において、4つのループを支持する高度に保存的なβバレルを含む、頑健な内因性構造を有する。これらのループは、結合性ポケットへの入り口を形成し、分子のこの部分におけるコンフォメーション的差異により、個々のリポカリンの間の結合特異性のばらつきが説明される。
アンチカリンを作製するためには、リポカリンをクローニングし、それらのループを工学的操作にかける。構造的に多様なアンチカリンのライブラリーが作り出されており、アンチカリンのディスプレイにより、結合機能の選択及びスクリーニングに続き、原核生物系又は真核生物系におけるさらなる解析のための、可溶性タンパク質の発現及び作製が可能となる。事実上あらゆるヒト標的タンパク質に特異的なアンチカリンを開発して単離することが可能であり、ナノモルレベル又はそれより高度な範囲の結合親和性を達成することが可能であることを実証するのに成功した研究がある。
アンチカリンはまた、二重ターゲティングタンパク質である、いわゆるデュオカリン(Duocalin)としてフォーマット化することもできる。デュオカリンは、その2つの結合性ドメインの構造的配向にかかわらず、標的特異性及び親和性を保持しながら、標準的な製造工程を使用して容易に作製される、1つの単量体タンパク質により、2つの個別の治療標的に結合する。
アンチカリンに関するさらなる情報は、それらのいずれもが参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許第7,250,297号及び国際特許出願公開第WO99/16873号において見出すことができる。
本発明の文脈において有用な別の抗体模倣技術は、アビマー(Avimer)である。Avimerは、in vitroにおけるエクソンシャフリング及びファージディスプレイにより、ヒト細胞外受容体ドメインの大きなファミリーから進化させ、結合特性及び阻害特性を伴うマルチドメインタンパク質を作り出している。複数の独立の結合性ドメインを連結することによりアビディティーが創出され、従来の単一エピトープ結合性タンパク質と比較した親和性及び特異性の改善が結果としてもたらされることが示されている。他の潜在的な利点は、大腸菌(Escherichia coli)内の単純で効率的な多重標的特異的分子の作製、熱安定性の改善、及びプロテアーゼに対する耐性を含む。親和性をナノモル未満とするAvimerが、様々な標的に対して得られている。
アビマーに関するさらなる情報は、それらの全てのが参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0286603号、同第2006/0234299号、同第2006/0223114号、同第2006/0177831号、同第2006/0008844号、同第2005/0221384号、同第2005/0164301号、同第2005/0089932号、同第2005/0053973号、同第2005/0048512号、同第2004/0175756号において見出すことができる。
ベルサボディ(Versabody)とは、本発明の文脈においても使用されうる、別の抗体模倣技術である。ベルサボディとは、>15%のシステインを伴い、ジスルフィド密度の高い足場を形成し、典型的なタンパク質が有する疎水性コアを置きかえる、3〜5kDa小型のタンパク質である。疎水性コアを含む多数の疎水性アミノ酸を、少数のジスルフィドで置きかえることにより、小型で、より親水性(凝集及び非特異的結合が少ない)で、プロテアーゼ及び熱に対する耐性が大きく、MHCの提示に最も大きく寄与する残基は疎水性であるため、T細胞エピトープの密度が小さいタンパク質が結果としてもたらされる。これらの特性の4つ全てが免疫原性に影響を与えることが周知であり、併せて、免疫原性の大幅な低下を惹き起こすことが予測されている。
ベルサボディに関するさらなる情報は、参照によりその全体において本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0191272号において見出すことができる。
SMIPs(商標)(Small Modular ImmunoPharmaceuticals-Trubion Pharmaceutical)は、標的への結合、エフェクター機能、in vivoにおける半減期、及び発現レベルを維持及び最適化するように操作されている。SMIPSは、3つの顕著に異なるモジュールドメインからなる。第1に、SMIPは、特異性を付与する任意のタンパク質(例えば、細胞表面受容体、単鎖抗体、可溶性タンパク質など)からなりうる結合性ドメインを含有する。第2に、SMIPは、結合ドメインとエフェクタードメインとの間の可撓性リンカーとして用いられ、また、SMIP薬の多量体化を制御する一助ともなる、ヒンジドメインを含有する。最後に、SMIPは、Fcドメイン又は他の特異的にデザインされたタンパク質を含む様々な分子に由来しうる、エフェクタードメインを含有する。様々な異なる結合性ドメイン、ヒンジドメイン、及びエフェクタードメインを伴うSMIPの単純な構築を可能とするデザインのモジュール性により、迅速でカスタマイズ可能な薬物デザインがもたらされる。
それらをどのようにしてデザインするのかについての例を含む、SMIPについてのさらなる情報は、Zhaoら(2007)、Blood、110:2569〜77、並びに以下の米国特許出願第20050238646号、同第20050202534号、同第20050202028号、同第20050202023号、同第20050202012号、同第20050186216号、同第20050180970号、及び同第20050175614号において見出すことができる。
別の態様では、本発明の方法は、マーカーをターゲティングし、マーカーを阻害するか又は下方にモジュレートする、イムノコンジュゲート剤を採用する。マーカーへとターゲティングされうる薬剤は、細胞傷害剤、抗炎症剤、例えば、ステロイド性若しくは非ステロイド性抗炎症剤、又は細胞毒性の代謝拮抗剤(例えば、メトトレキサート、6-メルカプトプリン、6-チオグアニン、シタラビン、5-フルオロウラシル、デカルバジン)、アルキル化剤(例えば、メクロレタミン、チオテパ(thioepa)、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン(BSNU)及びロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド(cyclothosphamide)、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、並びにcis-ジクロロジアミン白金(II)(DDP)(シスプラチン)、アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン(旧称:ダウノマイシン)及びドキソルビシン)、抗生剤(例えば、ダクチノマイシン(旧称:アクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、及びアントラマイシン(AMC))、並びに抗有糸分裂剤(例えば、ビンクリスチン及びビンブラスチン)を含むがこれらに限定されない。
別の実施形態では、本発明の方法で採用されるマーカーモジュレーターは、低分子である。本明細書で使用される「低分子」という用語は、当業界における用語であり、分子量が約7500未満、約5000未満、約1000未満であるか、又は分子量が約500未満であり、マーカーの活性を阻害する分子を含む。例示的な低分子は、有機低分子(例えば、Caneら、1998、Science、282:63)、及び天然生成物の抽出物ライブラリーを含むがこれらに限定されない。別の実施形態では、化合物は、有機低分子の非ペプチド化合物である。抗体と同様に、これらの低分子阻害剤は、マーカーの活性を間接的又は直接的に阻害する。
別の実施形態では、本発明の方法で採用されるマーカーモジュレーターは、マーカーをコードする遺伝子若しくはその遺伝子の一部と相補的なアンチセンス核酸分子、又はアンチセンス核酸分子をコードする組換え発現ベクターである。本明細書で使用される「アンチセンス」核酸は、タンパク質をコードする「センス」核酸と相補的なヌクレオチド配列、例えば、二本鎖cDNA分子のコード鎖と相補的なヌクレオチド配列、mRNA配列と相補的なヌクレオチド配列、又は遺伝子のコード鎖と相補的なヌクレオチド配列を含む。したがって、アンチセンス核酸は、センス核酸に水素結合しうる。
当業界において、細胞内の特定のタンパク質の発現を下方にモジュレートするアンチセンス核酸の使用が周知である(例えば、Weintraub, H.ら、Antisense RNA as a molecular tool for genetic analysis、Reviews - Trends in Genetics、1巻(1)、1986、Askari, F.K.及びMcDonnell, W.M.(1996)、N. Eng. J. Med.、334:316〜318、Bennett, M.R.及びSchwartz, S.M.(1995)、Circulation、92:1981〜1993、Mercola, D.及びCohen, J.S.(1995)、Cancer Gene Ther.、2:47〜59、Rossi, J.J.(1995)、Br. Med. Bull.、51:217〜225、Wagner, R.W.(1994)、Nature、372:333〜335を参照されたい)。アンチセンス核酸分子は、別の核酸分子(例えば、mRNA配列)のコード鎖と相補的なヌクレオチド配列を含み、したがって、他の核酸分子のコード鎖への水素結合が可能である。mRNAの配列と相補的なアンチセンス配列は、mRNAのコード領域内、mRNAの5'側非翻訳領域内若しくは3'側非翻訳領域内、又はコード領域と非翻訳領域とを架橋する(例えば、5'側非翻訳領域とコード領域との接合部において)領域内で見出される配列と相補的でありうる。さらに、アンチセンス核酸は、mRNAをコードする遺伝子の調節領域、例えば、転写開始配列又は転写調節エレメントと、配列が相補的でありうる。アンチセンス核酸は、コード鎖上の開始コドンに先行する領域若しくはこれにわたる領域、又はmRNAの3'側非翻訳領域内の領域と相補的となるようにデザインすることが好ましい。
アンチセンス核酸は、ワトソンクリックの塩基対合規則に従いデザインすることができる。アンチセンス核酸分子は、マーカーmRNAのコード領域の全体と相補的でありうるが、マーカーmRNAのコード領域の一部だけ又は非コード領域に対してアンチセンスのオリゴヌクレオチドであることがより好ましい。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、マーカーmRNAの翻訳開始部位を取り囲む領域と相補的でありうる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、又は50ヌクレオチドの長さでありうる。
アンチセンス核酸は、当業界公知の手順を使用する、化学合成及び酵素的ライゲーション反応を使用して構築することができる。例えば、アンチセンス核酸(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド)は、自然発生のヌクレオチド、又は分子の生物学的安定性を増大させるか、若しくはアンチセンス核酸とセンス核酸の間で形成される二重鎖の物理的安定性を増大させるようにデザインされた、様々に改変されたヌクレオチドを使用して化学合成することができ、例えば、ホスホロチオエート誘導体及びアクリジン置換されたヌクレオチドを使用することができる。アンチセンス核酸を作製するのに使用しうる改変ヌクレオチドの例は、5-フルオロウラシル、5-ブロモウラシル、5-クロロウラシル、5-ヨードウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、4-アセチルシトシン、5-(カルボキシヒドロキシルメチル)ウラシル、5-カルボキシメチルアミノメチル-2-チオウリジン、5-カルボキシメチルアミノメチルウラシル、ジヒドロウラシル、β-D-ガラクトシルクェオシン、イノシン、N6-イソペンテニルアデニン、1-メチルグアニン、1-メチルイノシン、2,2-ジメチルグアニン、2-メチルアデニン、2-メチルグアニン、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N6-アデニン、7-メチルグアニン、5-メチルアミノメチルウラシル、5-メトキシアミノメチル-2-チオウラシル、β-D-マンノシルクェオシン、5'-メトキシカルボキシメチルウラシル、5-メトキシウラシル、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、ワイブトキソシン、プソイドウラシル、クェオシン、2-チオシトシン、5-メチル-2-チオウラシル、2-チオウラシル、4-チオウラシル、5-メチルウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸メチルエステル、ウラシル-5-オキシ酢酸(v)、5-メチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3-N-2-カルボキシプロピル)ウラシル、(acp3)w、及び2,6-ジアミノプリンを含む。代替的に、アンチセンス核酸は、核酸をアンチセンス方向でサブクローニングした発現ベクター(すなわち、挿入された核酸から転写されるRNAは、対象の標的核酸に対してアンチセンス方向を有すると予想され、以下の小節でさらに説明される)を使用して、生物学的に作製することもできる。
本発明の方法で活用されうるアンチセンス核酸分子は、それらが、マーカーをコードする細胞内mRNA及び/又はゲノムDNAとハイブリダイズするか又はこれらに結合するするように、対象に投与するか、又はin situにおいて産生させて、これにより、転写及び/又は翻訳を阻害することを介して、発現を阻害することが典型的である。ハイブリダイゼーションは、安定的な二重鎖を形成する従来のヌクレオチド相補性を介するハイブリダイゼーションの場合もあり、例えば、DNA二重鎖に結合するアンチセンス核酸分子の場合、二重螺旋の主溝内の特異的な相互作用を介するハイブリダイゼーションの場合もある。アンチセンス核酸分子の投与経路の例は、組織部位における直接的注射を含む。代替的に、アンチセンス核酸分子は、選択された細胞をターゲティングするように改変し、次いで、全身投与することもできる。例えば、全身投与のためには、例えば、アンチセンス核酸分子を、細胞表面受容体又は抗原に結合するペプチド又は抗体へと連結することにより、それらが、選択された細胞表面上で発現する受容体又は抗原に特異的に結合するように、アンチセンス分子を改変することができる。アンチセンス核酸分子はまた、当業界周知であり、例えば、その全内容が本明細書に組み込まれる、US20070111230において記載されているベクターを使用して、細胞へと送達することもできる。アンチセンス分子の十分な細胞内濃度を達成するには、アンチセンス核酸分子を、強力なpol IIプロモーター又はpol IIIプロモーターの制御下に置くベクター構築物が好ましい。
さらに別の実施形態では、本発明の方法により採用されるアンチセンス核酸分子は、α-アノマー核酸分子を含みうる。通例のβユニットと異なり、鎖が互いに並行しているα-アノマー核酸分子は、相補的なRNAと共に特異的な二本鎖ハイブリッド体を形成する(Gaultierら(1987)、Nucleic Acids. Res.、15:6625〜6641)。アンチセンス核酸分子はまた、2'-o-メチルリボヌクレオチド(Inoueら(1987)、Nucleic Acids Res.、15:6131〜6148)又はキメラRNA-DNA類似体(Inoueら(1987)、FEBS Lett.、215:327〜330)も含みうる。
別の実施形態では、本発明の方法において使用されるアンチセンス核酸は、RNAiを媒介する化合物である。RNA干渉剤は、マーカー又はその断片と相同なRNA分子である、「短鎖干渉RNA」(siRNA)、「短鎖ヘアピン」、又は「低分子ヘアピンRNA」(shRNA)を含む核酸分子、及びRNA干渉(RNAi:RNA interference)により標的遺伝子の発現に干渉するか又はこれを阻害する低分子を含むがこれらに限定されない。RNA干渉とは、転写後における、ターゲティングされた遺伝子サイレンシング法であって、二本鎖RNA(dsRNA:double-stranded RNA)を使用して、dsRNAと同じ配列を含有するメッセンジャーRNA(mRNA:messenger RNA)を分解する、遺伝子サイレンシング法である(Sharp, P.A.及びZamore, P.D.、287、2431〜2432(2000)、Zamore, P.D.ら、Cell、101、25〜33(2000)、Tuschl, T.ら、Genes Dev.、13、3191〜3197(1999))。過程は、内因性リボヌクレアーゼが、長いdsRNAを、低分子干渉RNA又はsiRNAと称する、21ヌクレオチド長又は22ヌクレオチド長の短いRNAへと切断するときに生じる。次いで、小型のRNAセグメントが、標的mRNAの分解を媒介する。RNAiを合成するためのキットは、例えば、New England Biolabs及びAmbionから市販されている。一実施形態では、アンチセンスRNAで使用するための、上記で記載した化学反応のうちの1つ以上を採用することができる。
さらに別の実施形態では、アンチセンス核酸は、リボザイムである。リボザイムとは、それらが相補的な領域を有する、mRNAなどの一本鎖核酸を切断することが可能なリボヌクレアーゼ活性を伴う、触媒性のRNA分子である。したがって、リボザイム(例えば、Haselhoff及びGerlach、1988、Nature、334:585〜591に記載のハンマーヘッドリボザイム)を使用して、マーカーのmRNA転写物を触媒的に切断して、これにより、マーカーmRNAの翻訳を阻害することができる。
代替的に、遺伝子発現は、マーカー遺伝子の転写を防止する三重螺旋構造を形成するように、マーカーの調節領域(例えば、プロモーター及び/又はエンハンサー)と相補的なヌクレオチド配列をターゲティングすることにより阻害することができる。一般に、Helene, C.、1991、Anticancer Drug Des.、6(6):569〜84、Helene, C.ら、1992、Ann. N.Y. Acad. Sci.、660:27〜36、及びMaher, L.J.、1992、Bioassays、14(12):807〜15を参照されたい。
別の実施形態では、本発明の方法において使用されるマーカーモジュレーターは、マーカーのアミノ酸配列に由来する融合タンパク質又はペプチド化合物である。特に、阻害性化合物は、マーカーが、この融合タンパク質又はペプチド化合物と接触することにより、マーカーの、標的分子との相互作用が競合的に阻害されるように、マーカーの、標的分子との相互作用を媒介する、マーカーの融合タンパク質又は一部(又はその模倣体)を含む。このような融合タンパク質及びペプチド化合物は、当業界公知の標準的な技法を使用して作製することができる。例えば、ペプチド化合物は、標準的なペプチド合成法を使用する化学合成により作製し、次いで、ペプチドを細胞へと導入するための、当業界公知の様々な手段(例えば、リポソームなど)により、細胞へと導入することができる。
本発明の融合タンパク質又はペプチド化合物のin vivoにおける半減期は、マーカーへのN結合グリコシル化部位の付加など、ペプチドの改変を施すことにより改善することもでき、例えば、リシン-モノPEG化を介して、マーカーをポリ(エチレングリコール)(PEG:polyethylene glycol)へとコンジュゲートさせること(PEG化)により改善することもできる。このような技法は、治療用タンパク質薬の半減期を延長するときに有益であることが分かっている。本発明のマーカーポリペプチドのPEG化も、同様の薬学的利点を結果としてもたらしうることが予測される。
加えて、PEG化は、非天然アミノ酸を導入することにより、本発明のポリペプチドの任意の部分において達成することができる。特定の非天然アミノ酸は、Deitersら、J Am Chem Soc、125:11782〜11783、2003、Wang及びSchultz、Science、301:964〜967、2003、Wangら、Science、292:498〜500、2001、Zhangら、Science、303:371〜373、2004、又は米国特許第7,083,970号において記載されている技術により導入することができる。略述すると、これらの発現系のうちのいくつかは、アンバーTAGなどのナンセンスコドンを、本発明のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームへと導入する部位指向突然変異誘発を伴う。次いでこのような発現ベクターを、導入されたナンセンスコドンに特異的なtRNAを活用できる宿主に導入し、選択された非天然アミノ酸を取り込ませる。部分を本発明のポリペプチドへとコンジュゲートさせる目的で有益な、特定の非天然アミノ酸は、アセチレン側鎖及びアジド側鎖を伴う非天然アミノ酸を含む。次いで、これらの新規のアミノ酸を含有するマーカーポリペプチドを、タンパク質内のこれらの選択された部位においてPEG化することができる。
2.刺激剤
本発明のモジュレート法に従い、細胞を刺激剤と接触させること(又は刺激剤を対象に投与すること)により、細胞又は対象におけるマーカーの発現及び/又は活性を刺激する。本発明の刺激剤は、例えば、マーカーの発現及び/又は活性を刺激するか又は増大させるように作用する分子でありうる。
このような刺激剤の例は、細胞へと導入されて、細胞内のマーカーの発現及び/又は活性を増大させる、活性のマーカーポリペプチド及びマーカーをコードする核酸分子を含む。好ましい刺激剤は、マーカーポリペプチドをコードする核酸分子であり、この場合、核酸分子は、細胞内の活性のマーカーポリペプチドの発現に適する形態で細胞へと導入する。細胞内でマーカーポリペプチドを発現させるには、まず、標準的な分子生物学法を使用して、マーカーをコードするcDNA(全長のcDNA配列又は部分的なcDNA配列)を組換え発現ベクターへと導入し、標準的な分子生物学法を使用して、ベクターを細胞へとトランスフェクトできることが典型的である。cDNAは、例えば、マーカーのヌクレオチド配列に基づくプライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を使用する増幅により得ることもでき、適切なcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより得ることもできる。
本発明の方法で使用するための核酸はまた、例えば、標準的な組換えDNA法により調製することもできる。本発明の核酸はまた、標準的な技法を使用して化学合成することもできる。市販のDNA合成器において自動化されている固相合成を含む、ポリデオキシヌクレオチドを化学的に合成する多様な方法が公知である(例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Itakuraら、米国特許第4,598,049号、Caruthersら、米国特許第4,458,066号、並びにItakura、米国特許第4,401,796号及び同第4,373,071号を参照されたい)。
一実施形態では、マーカーをコードする核酸分子を、誘導性構築物中に存在させることができる。別の実施形態では、マーカーをコードする核酸分子を、構成的発現をもたらす構築物中に存在させることができる。一実施形態では、マーカーをコードする核酸分子を、ベクターの非存在下において、細胞又は対象へと送達することもできる。
マーカーをコードする核酸分子は、ウイルスベクター、好ましくは、その遺伝子治療のための使用が当業界周知のウイルスベクターを使用して、細胞又は対象へと送達することができる。ベクター又はビリオンを形成するための技法は、「Working Toward Human Gene Therapy」、28章、Recombinant DNA、2版、Watson, J. D.ら編、New York:Scientific American Books、567〜581ページ(1992)において一般に記載されている。適切なウイルスベクター又はビリオンについての総論は、Wilson, J. M.、Clin. Exp. Immunol.、107(付録1):31〜32(1997)のほか、Nakanishi, M.、Crit. Rev. Therapeu. Drug Carrier Systems、12:263〜310(1995)、Robbins, P. D.ら、Trends Biotechnol.、16:35〜40(1998)、Zhang, J.ら、Cancer Metastasis Rev.、15:385〜401(1996)、及びKramm, C. M.ら、Brain Pathology、5:345〜381(1995)において提示されている。このようなベクターは、RNAを含有するウイルス(Vile, R. G.ら、Br. Med Bull.、51:12〜30(1995))に由来する場合もあり、DNAを含有するウイルス(Ali M.ら、Gene Ther.、1:367〜384(1994))に由来する場合もある。
遺伝子治療の技術分野で活用され、したがって、本発明における使用に適するウイルスベクター系の例は、以下:レトロウイルス(Vile, R. G.、前出、米国特許第5,741,486号、及び同第5,763,242号)、アデノウイルス(Brody, S. L.ら、Ann. N.Y. Acad. Sci.、716:90〜101(1994)、Heise, C.ら、Nat. Med.、3:639〜645(1997))、アデノウイルス/レトロウイルスキメラ(Bilbao, G.ら、FASEB J.、11:624〜634(1997)、Feng, M.ら、Nat. Biotechnol.、15:866〜870(1997))、アデノ随伴ウイルス(Flotte, T. R.及びCarter, B. J.、Gene Ther.、2:357〜362(1995)、米国特許第5,756,283号)、I型単純ヘルペスウイルス又はII型単純ヘルペスウイルス(Latchman, D. S.、Mol. Biotechnol.、2:179〜195(1994)、米国特許第5,763,217号、Chase, M.ら、Nature Biotechnol.、16:444〜448(1998))、パルボウイルス(Shaughnessy, E.ら、Semin Oncol.、23:159〜171(1996))、網膜内皮症ウイルス(Donburg, R.、Gene Therap.、2:301〜310(1995))を含む。また、染色体外複製ベクターも、本発明の遺伝子治療法において使用することができる。このようなベクターは、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Calos, M. P.(1996)、Trends Genet.、12:463〜466において記載されている。遺伝子送達のためのベクターとして使用されうる他のウイルスは、ポリオウイルス、パピローマウイルス、ワクシニアウイルス、レンチウイルスのほか、2つ以上のウイルスの好適な側面を組み込むハイブリッドベクター又はキメラベクターも含む(Nakanishi, M.(1995)、Crit. Rev. Therapeu. Drug Carrier Systems、12:263〜310、Zhang, J.ら(1996)、Cancer Metastasis Rev.、15:385〜401、Jacoby, D. R.ら(1997)、Gene Therapy、4:1281〜1283)。
「AAVベクター」という用語は、これらに限定されないが、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、又はAAVX7を含む、アデノ随伴ウイルス血清型に由来するベクターを指す。「rAAVベクター」とは、AAVヌクレオチド配列のほか、異種ヌクレオチド配列を含むベクターを指す。rAAVベクターは、ウイルスを発生させるのに、シス側における145塩基の末端リピートだけを要請する。他の全てのウイルス配列は可欠であり、トランス側において供給することができる(Muzyczka(1992)、Curr. Topics Microbiol. Immunol.、158:97)。rAAVベクターゲノムは、ベクターにより効率的にパッケージングされうるトランス遺伝子のサイズを最大化するように、逆方向末端反復(ITR)配列だけを保持することが典型的である。ITRは、配列が機能的レスキュー、複製、及びパッケージングをもたらす限りにおいて、野生型のヌクレオチド配列である必要がなく、例えば、ヌクレオチドの挿入、欠失、又は置換により変化させることができる。特定の実施形態では、AAVベクターは、AAV2/5又はAAV2/8ベクターである。適切なAAVベクターは、例えば、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,056,502号、及びYanら(2002)、J. Virology、76(5):2043〜2053において記載されている。
本明細書で使用される「レンチウイルス」という用語は、疾患の緩徐な発症をもたらすレトロウイルスの群(又は属)を指す。この群内に含まれるウイルスは、ヒト後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原物質であるHIV(ヒト免疫不全ウイルス、1型HIV及び2型HIVを含むがこれらに限定されない)、ヒツジにおいて脳炎(ビスナ)又は肺炎(マエディ)を惹き起こすビスナ-マエディ、ヤギにおいて免疫不全症、関節炎、及び脳症を惹き起こすヤギ関節炎脳炎ウイルス、ウマにおいて自己免疫性溶血性貧血及び脳症を惹き起こすウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV)、ネコにおいて免疫不全症を惹き起こすネコ免疫不全ウイルス(FIV)、畜牛においてリンパ腺症、リンパ球増加症、及び、おそらく、中枢神経系感染症を惹き起こすウシ免疫不全ウイルス(BIV)、並びにヒトより下等な霊長動物において免疫不全症及び脳症を惹き起こすサル免疫不全ウイルス(SIV)を含む。これらのウイルスにより惹き起こされる疾患は、長期にわたるインキュベーション期間及び持続的な経過により特徴付けられる。通例、ウイルスは、単球及びマクロファージに潜伏感染し、ここから他の細胞へと広がる。HIV、FIV、及びSIVはまた、Tリンパ球(すなわち、T細胞)にも容易に感染する。本発明の一実施形態では、レンチウイルスは、HIVではない。
本明細書で使用される「アデノウイルス」(「Ad」)という用語は、約36kbの直鎖状ゲノムを伴う二本鎖DNAウイルスの群を指す。例えば、Berknerら、Curr. Top. Microbiol. Immunol.、158:39〜61(1992)を参照されたい。いくつかの実施形態では、アデノウイルスベースのベクターは、Ad-2又はAd-5ベースのベクターである。例えば、Muzyczka、Curr. Top. Microbiol. Immunol.、158:97〜123、1992、Aliら、1994、Gene Therapy、1:367〜384、米国特許第4,797,368号、及び同第5,399,346号を参照されたい。当業者には、アデノウイルス株である5型Adのdl324株又はアデノウイルスの他の株(例えば、Ad2、Ad3、Ad7など)に由来する適切なアデノウイルスベクターが周知である。組換えアデノウイルスは、分裂細胞が有効な遺伝子送達媒体であることを要請しない点で有利であり、多種多様な細胞型に感染させるのに使用することができる。加えて、導入されたアデノウイルスDNA(及びその中に含有される外来DNA)は、宿主細胞のゲノムへと組み込まれず、エピソームにとどまり、これにより、導入されたDNAが、宿主ゲノムへと組み込まれる状況(例えば、レトロウイルスDNA)における、挿入を介する突然変異誘発の結果として生じうる潜在的な問題を回避する。さらに、アデノウイルスゲノムによる外来DNAの保有能は、他の遺伝子送達ベクターと比べて大きい(最大で8キロベース)(Haj-Ahmandら、J. Virol.、57、267〜273[1986])。
一実施形態では、アデノウイルスは、複製欠損アデノウイルスである。現在使用されている大半の複製欠損アデノウイルスベクターは、ウイルスE1遺伝子及びウイルスE3遺伝子の全部又は一部を欠失させているが、アデノウイルス遺伝子素材の最大80%を保持する。また、全てのウイルスコード領域について欠失させたアデノウイルスベクターも、Kochanekら及びChamberlainら(米国特許第5,985,846号及び米国特許第6,083,750号)により記載されている。このようなウイルスは、「ヘルパー」ウイルスと称する第2のウイルスによりもたらされるウイルス産物の非存在下では、ウイルスとして複製不可能である。
一実施形態では、アデノウイルスベクターは、「ガットレス(gutless;意気地なし)」ベクターである。このようなベクターは、最小量のアデノウイルスDNAを含有し、いかなるアデノウイルス抗原を発現することも不可能である(よって、「ガットレス」という用語となる)。ガットレスの複製欠損Adベクターを、遺伝子治療において使用する場合、ガットレスの複製欠損Adベクターは、ウイルスタンパク質への免疫学的応答を結果としてもたらすアデノウイルス遺伝子を発現させる問題を完全に解消しながら、外来DNAの大型のインサートを収容する顕著なな利点をもたらす。ガットレスの複製欠損Adベクターを作製するための方法は、例えば、Kochanekらによる米国特許第5,981,225号、並びにChamberlainらによる米国特許第6,063,622号及び同第6,451,596号、Parksら、PNAS、93:13565(1996)、並びにLieberら、J. Virol.、70:8944〜8960(1996)において記載されている。
別の実施形態では、アデノウイルスベクターは、「条件付き複製性アデノウイルス」(「CRAd」:conditionally replicative adenovirus)である。CRAdは、(i)ウイルスプロモーターの、組織特異的プロモーターによる置きかえ、又は(ii)標的細胞だけにより補完される、複製に重要なウイルス遺伝子の欠失を介して、特異的な細胞内で優先的に複製されるように遺伝子改変する。当業者であれば、上皮細胞特異的プロモーターを同定することが可能であると予想される。
当業界公知の他のアデノウイルスベクターは、本発明の方法において使用することができる。例は、指向性を改変するための組換え線維タンパク質を伴うAdベクター(例えば、van Beusechemら、2000、Gene Ther.、7:1940〜1946において記載されている)、プロテアーゼで前処理されたウイルスベクター(例えば、Kuriyamaら、2000、Hum. Gene Ther.、11:2219〜2230において記載されている)、E2a温度感受性突然変異体Adベクター(例えば、Engelhardtら、1994、Hum. Gene Ther.、5:1217〜1229において記載されている)、及び「ガットレス」Adベクター(例えば、Armentanoら、1997、J. Virol.、71:2408〜2416、Chenら、1997、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、94:1645〜1650、Schiederら、1998、Nature Genetics、18:180〜183において記載されている)を含む。
ベクターは、それらの選択が当業者に公知である、1つ以上のプロモーター又はエンハンサーを含むであろう。適切なプロモーターは、レトロウイルスロングターミナルリピート(LTR)、SV40プロモーター、ヒトサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、並びに当業者に公知の他のウイルス性プロモーター及び真核細胞性プロモーターを含むがこれらに限定されない。
遺伝子治療ベクターを構築し、それを罹患した対象へと、治療的目的で導入するときの指針は、上記で言及した刊行物のほか、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,631,236号、同第5,688,773号、同第5,691,177号、同第5,670,488号、同第5,529,774号、同第5,601,818号、及びPCT公開第WO95/06486号においても得ることができる。
当業界において一般に、対象の細胞にウイルス感染させるための方法が公知である。例えば、それらの各々の内容が参照により組み込まれる、米国特許仮出願第61/169,835号及びPCT出願第PCT/US09/053730号において記載されている通り、ウイルスを、対象の細胞と接触させることもでき、代替的に、網膜障害を患う対象へと注射することもできる。
マーカーをコードする核酸分子を含む遺伝子治療ベクターは、当業界における任意の適切な方法、例えば、静脈内注射、局所投与、例えば、ゲル、油、又はクリームによる核酸の適用(例えば、米国特許第5,328,470号を参照されたい)、定位注射(例えば、Chenら(1994)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、91:3054を参照されたい)、遺伝子銃により対象又は細胞へと送達することもでき、電気穿孔(例えば、Matsuda及びCepko(2007)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、104:1027を参照されたい)により対象又は細胞へと送達することもでき、脂質ベースのトランスフェクション試薬を使用して対象又は細胞へと送達することもでき、他の任意の適切なトランスフェクション法により対象又は細胞へと送達することもできる。
本明細書で使用される「形質転換」及び「トランスフェクション」という用語は、外来核酸(例えば、DNA)を、宿主細胞へと導入するための、当業界で認知された様々な技法であって、リン酸カルシウム共沈殿若しくは塩化カルシウム共沈殿、DEAEデキストラン媒介型トランスフェクション、リポフェクション(例えば、LIPOFECTIN(登録商標)(Invitrogen Corp.、San Diego、CA)、LIPOFECTAMINE(登録商標)(Invitrogen)、FUGENE(登録商標)(Roche Applied Science、Basel、Switzerland)、JETPEI(商標)(Polyplus-transfection Inc.、New York、NY)、EFFECTENE(登録商標)(Qiagen、Valencia、CA)、DREAMFECT(商標)(OZ Biosciences、France)など、例えば、市販の試薬を使用する)、又は電気穿孔(例えば、in vivoにおける電気穿孔)を含む技法を指すことを意図する。宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトするのに適する方法は、Sambrookら(Molecular Cloning:A Laboratory Manual.、2版、Cold Spring harbor Laboratory、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989)及び他の実験室マニュアルにおいて見出すことができる。
一実施形態では、マーカーは、対象又は細胞へと、ペプチド又はタンパク質の形態で送達する。このようなペプチド又はタンパク質を作製するためには、1つ以上のマーカータンパク質及び/又はその部分を、原核細胞内又は真核細胞内で発現させるための、本発明の組換え発現ベクターをデザインすることができる。例えば、1つ以上のグルコース輸送体タンパク質及び/又はその部分は、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(バキュロウイルス発現ベクターを使用する)、酵母細胞、又は哺乳動物細胞で発現させることができる。適切な宿主細胞は、Goeddel、Gene Expression Technology:Methods in Enzymology、185、Academic Press、San Diego、Calif.(1990)においてさらに論じられている。代替的に、組換え発現ベクターは、例えば、T7プロモーター調節配列及びT7ポリメラーゼを使用して、in vitroにおいて転写及び翻訳させることもできる。
一実施形態では、組換え哺乳動物発現ベクターは、特定の細胞型内の核酸の発現を優先的に方向付ける(例えば、組織特異的調節エレメントを使用して、核酸を発現させる)ことが可能である。当業界において、組織特異的調節エレメントが公知である。適切な組織特異的プロモーターの非限定的な例は、網膜細胞型特異的プロモーター(例えば、ロドプシン調節配列、Cabp5、Cralbp、Nrl、Crx、Ndrg4、クラステリン、Rax、Hes1など(Matsuda及びCepko、前出))、アルブミンプロモーター(肝臓特異的、Pinkertら(1987)、Genes Dev.、1:268)、ニューロン特異的プロモーター(例えば、ニューロフィラメントプロモーター、Byrne及びRuddle(1989)、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、86:5473)を含む。また、発生調節型プロモーター、例えば、α-フェトタンパク質プロモーター(Campes及びTilghman(1989)、Genes Dev.、3:537)も包含される。
網膜障害を処置及び/又は防止するための本発明の方法の適用は、障害の治癒、長期若しくは短期における障害と関連する少なくとも1つの症状の減殺、又は対象に対するごく一過性の有益な効果を結果としてもたらしうる。したがって、本明細書で使用される「〜を処置する」、「処置」、及び「〜を処置すること」という用語は、本明細書で記載される薬剤の、網膜障害を患う対象、又はこのような状態に対して感受性の対象への、このような状態又はこのような状態の少なくとも1つの症状を治癒する、回復させる、緩和する、軽減する、変化させる、改良する、改善する、向上させる、又はそれらに作用することを目的とした適用又は投与を含む。本明細書で使用される場合、状態はまた、状態の再発を、低減するか、緩徐化するか、遅延させるか、又は防止した場合にも「処置されて」いる。
化合物などのモジュレート剤は、医薬組成物として対象に投与することができる。このような組成物は、モジュレート剤と、薬学的に許容される担体とを含むことが典型的である。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」という用語は、医薬の投与に適合的な、任意且つ全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤、並びに吸収遅延剤などを含むことを意図する。当業界において、薬学的活性物質のための、このような媒質及び薬剤の使用が周知である。任意の従来の媒質又は薬剤が活性化合物と適合不能な場合を除き、組成物中のその使用が想定される。また、補足的な活性化合物も、組成物へと組み込むことができる。医薬組成物は、上記で記載した通りに調製することができる。
E.2型糖尿病バイオマーカーを同定する方法
本発明はさらに、例えば、疾患(予後診断法及び診断法)、薬物の治療有効性(セラノスティクス)、及び薬物毒性についてのマーカーとして有用な、2型糖尿病のバイオマーカーを同定するための方法も提供する。例えば、上記で記載した通りに、本明細書で記載されるマーカー、及びバイオマーカーを発見するための方法を使用して同定されるマーカーは、例えば、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するのに有用であり、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するのに有用であり、2型糖尿病を有する対象が糖尿病治療に応答するかどうかを決定するのに有用であり、耐糖能異常及び/若しくは2型糖尿病の発症を阻害し、正常耐糖能から、空腹時血糖異常、耐糖能異常、及び/若しくは糖尿病への進行を軽減若しくは緩徐化し、且つ/又は対象における疾患と関連する合併症の発症を軽減若しくは阻害するための治療の有効性をモニタリングするのに有用であり、スクリーニングアッセイにおいて、本発明のマーカーの発現及び/又は活性をモジュレートする、例えば、これを減少又は増大させる分子を、例えば、治療剤としての使用のために同定するのに有用である。
2型糖尿病マーカーを同定するための方法は、実施例において記載され、定常状態条件下で、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定し、これにより定常状態マーカーの暫定的リストを作成するステップと、膵臓β細胞の分泌小胞内のマーカーと共通する、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器に由来する定常状態マーカーの暫定的リスト中のマーカーを同定し、これらのマーカーを、定常状態マーカーの暫定的リストから除外し、これにより、β細胞量マーカーのリストを作成するステップと、機能不全条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、正常条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、機能不全条件下と正常条件下とで示差的に発現したタンパク質を同定し、これによりβ細胞機能マーカーの暫定的リストを作成するステップと、対照の対象、例えば、正常耐糖能を有する対象に由来する試料中のβ細胞量マーカー及び/又はβ細胞機能マーカーのレベルを決定するステップと、例えば、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象に由来する被験試料中のマーカーのレベルを決定するステップとを含む。被験試料中のレベルと比較した対照試料中のマーカーのレベルの差異、例えば統計学的に有意なレベルの差異により、マーカーが2型糖尿病のバイオマーカーとして同定される。
2型糖尿病マーカーはまた、治療のうちの少なくとも一部を対象に施す前に、2型糖尿病を有する対象から得られた第1の試料中のタンパク質のレベルを決定し、治療のうちの少なくとも一部を施した後で、対象から得られた第2の試料中のタンパク質のレベルを決定することによっても同定することができる。第2の試料中のタンパク質の発現レベルの、第1の試料と比べた差異、例えば、統計学的な有意差により、タンパク質が2型糖尿病マーカーとして同定される。
IV.本発明のキット
本発明はまた、対象が耐糖能異常を有するか若しくは発症するかどうか、及び/又は対象が2型糖尿病を有するか若しくは発症するかどうかを決定するためのキットも提供する。また、対象が2型糖尿病の合併症を発症するかどうかを決定するためのキット、処置が、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象を処置するのに有効であるかどうかを決定するためのキット、並びに処置の有効性をモニタリングするためのキットも提供される。
これらのキットは、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを決定するための手段と、キットの使用のための指示書とを含む。
本発明のキットは、任意選択で、本発明の方法を実施するのに有用な、さらなる成分を含みうる。例を挙げれば、キットは、生体試料を対象から得るための試薬、対照試料、1つ以上の試料区画、糖尿病治療剤、本発明の方法の実施について記載する指示素材、及び組織特異的な対照/基準物質を含みうる。
1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬は、例えば、1つ以上のマーカーのレベル、例えば、発現レベル(例えば、mRNAレベル又はタンパク質レベルにおける)を査定するためのアッセイで使用するための緩衝液又は他の試薬を含みうる。指示書は、例えば、1つ以上の本発明のマーカーのレベルを査定するためのアッセイを実施するための印字された指示書でありうる。
生体試料を対象から単離するための試薬は、唾液又は血液を得るための手段など、体液又は組織を対象から得るのに使用できる、1つ以上の試薬を含みうる。
本発明のキットは、対象から得られた試料を培養するための試薬をさらに含みうる。
好ましくは、キットは、ヒト対象を伴う使用のためにデザインされていることが好ましい。
本発明を、さらなる限定とみなされるべきではない、以下の例によりさらに例示する。本出願並びに図を通して引用される全ての参考文献、特許、及び特許出願公開の内容は、参照によりそれらの全体において本明細書に明示的に組み込まれる。
[実施例I]
バイオマーカーの同定
材料及び方法
候補バイオマーカーは、ベータ膵島により分泌されることが公知であるか又は疑われるタンパク質を査定することにより同定した。
3つのin vitro系である、初代ヒト膵島及び2つの膵臓β細胞系を使用して、分泌タンパク質の候補バイオマーカーを同定した。初代ヒト膵島は、大きな医療問題を欠くドナーから得た。表5は、ドナーの特徴について列挙する。使用した細胞系は、ラットINS832/13及びマウスMIN6であった。実験系は、定常状態と、2型糖尿病において観察される膵臓ベータ細胞の機能不全を実験時に模倣するようにデザインされた機能不全状態という2つの状態を使用して解析した。
Figure 2016510409
定常状態において分泌されるタンパク質を同定するために、細胞系を、5mMのグルコースを含有するRPMI中で培養し、分泌小胞試料を調製するまで、初代ヒト膵島を、4℃の生理食塩液中で保持した。機能不全状態で分泌されるタンパク質を同定するために、インスリン産生が少なくとも30%低減し、典型的には細胞系の場合16〜24時間の間に生じ、初代膵島の場合36〜72時間の間に生じる事象であるプログラム細胞死が誘導されるまで、20mMのグルコース/0.4mMのパルミチン酸、又は25mMのグルコース/0.4mMのパルミチン酸と共に実験系をインキュベートした(El-Assaadら(2010)、Endocrinology、151:3061〜73)。
定常状態並びに機能不全させた膵島及び細胞系の両方に由来する分泌タンパク質調製物は、同じ工程を使用して作製した。実験系1つ当たり少なくとも独立の4連を使用した。培養された細胞は、掻爬により採取し、4℃、1400rpmで5分間にわたり遠心分離して、破砕物を除去し、ホモジナイゼーション緩衝液(250mMのスクロース/10mMのトリス(pH7.4)/プロテアーゼ阻害剤(EDTA非含有)カクテル)中に再懸濁させた。膵島懸濁液又は細胞系懸濁液は、Dounceホモジナイザーを使用してホモジナイズした。ホモジネートを、1.4Mのスクロースへと調整した。14mlのSW40Ti ultra-clear遠心管(Beckman Coulter型番344060)を、ホモジネートに続く1.2Mのスクロース4mlで層化させ、0.8Mのスクロースを上層に施した。試料を、4℃、155,000gで2時間にわたり遠心分離し、0.8〜1.2Mの界面から小胞を採取した。小胞を0.5MのKCl中で洗浄した後、炭酸アンモニウム(pH11)中のインキュベーションを施した。小胞内容物を、112,000gの遠心分離により小胞膜から分離した。タンパク質収率は、BCAタンパク質アッセイ(Pierce型番23227)を使用して測定した。試料が限定的である場合は、分泌小胞の全体を、質量分析解析のために加工した。出発細胞系ホモジネート及び分泌タンパク質の最終生成物のウェスタンブロットによる特徴付けは、細胞膜、小胞体(ER)、ゴルジ装置、及びミトコンドリアなど、特異的な細胞内区画内で発現するタンパク質に対する抗体を使用して行った。これらの区画と関連する膜結合性タンパク質及び可溶性タンパク質の両方を使用して、潜在的に分泌性のタンパク質の、調製物中の関与性の細胞内区画からの相対的濃縮を評価した。図1は、ラット細胞系(A)及びヒト初代膵島(B)に由来する、出発材料(Hom)調製物、中間体(SV)調製物、及び最終生成物(SC)調製物についてのウェスタンブロットを表す。
分泌タンパク質試料のさらなるセットは、線維性の大きな臓器にはより頑健な機械的組織破壊で代替する、上記で記載した工程を使用して、主要な臓器のえり抜き又は糖尿病の疾患進行及び合併症に関与することが公知の臓器から調製した。ヒト臓器セクレトームのデータセットを作製するには、肺、乳房、腎臓、前立腺、膀胱、及び結腸に由来する分泌タンパク質を調製した。ラットデータセットのためには、心臓、肝臓、腎臓、骨格筋、皮下脂肪、及び全膵臓に由来する分泌タンパク質を調製した。この実験は、初代膵島又はベータ細胞系以外の組織によってもまた産生されうる分泌タンパク質を同定するために行った。したがって、複数の組織により産生さる可能性がある分泌タンパク質は組織特異性が比較的小さいと予想されることから、バイオマーカー候補物質としての優先順位は下がると予想される。
分泌タンパク質試料を作製したら、質量分析データを収集し、ペプチド及びタンパク質を同定するためにさらに加工した。略述すると、試料をトリプシンで消化して、ペプチドを作製した。次いで、強力カチオン交換クロマトグラフィー(SCX)により、ペプチドを3つの画分へと分離した。試料1つ当たり3つずつの画分の各々を、エレクトロスプレーによりWaters QTOF質量分析計(LC-MS)へとカップリングされた逆相液体クロマトグラフィーにより解析した。成分を検出し、全試料にわたりマッチングさせ、相対ピーク強度について比較した。ピーク強度は、試料間のタンパク質濃度のわずかな差異も表すように標準化した。次いで、ANOVAを適用して、機能不全化した膵島又は細胞系に由来する試料中の対象の群間で示差的に発現するペプチドを同定した。高厳密性の閾値を使用して、同定されたペプチドの統計学的有意性を確保した。全ての強度値は、対数(底をeとする)変換し、<0の値は、0で置きかえた。試料のサブセットを使用して、平均値試料(すなわち、基準試料)を創出し、次いで、これと対比して、全試料を標準化した。正常化因子は、全てのペプチドにわたる、各試料と基準試料との対数比の中央値を、ゼロへと調整するように選択した。ペプチドの同定は、Mascot(Matrix Science)ソフトウェアを使用して、特注のタンパク質データベースにより行った。候補バイオマーカーの注釈は、手作業による文献の総括とネットワーク解析及び経路解析(Ingenuity)との組合せを使用して行った。
定常状態における初代膵島、細胞系、及び臓器のセクレトームでは、数千のタンパク質が同定された。膵島又は細胞系において同定された分泌タンパク質であって、また、臓器セクレトームにおいても見出された分泌タンパク質は除去した。残りのタンパク質は、どのサブセットが、初代ヒト膵島単独で発現するのか、又は細胞系のうちの少なくとも1つにおいてもまた発現するのかを同定するように秩序付けた。合計170タンパク質が、これらの基準を満たし、これにより、これらのタンパク質は、初期定常状態バイオマーカーデータセットを構成した。
同様の工程を使用して、初期機能不全バイオマーカーデータセットを同定した。既に記載した2つの基準に加えた要件は、機能不全状態では、候補バイオマーカーのうちのいずれもまた、対照と比較して少なくとも1.5倍示差的に発現することであった。合計245タンパク質が、基準を満たし、こうして、これらのタンパク質により、初期機能不全バイオマーカーデータセットを構成した。
血漿ベースのバイオマーカー検証解析のために使用した対象を、表6及び7に指し示す。血漿は、3つの異なる方法を使用して加工した。まず、アフィニティークロマトグラフィー法を使用して、共通の、存在度の大きな血漿タンパク質を除去した。存在度の最も大きな血漿タンパク質を除去することにより、存在度の小さな血漿タンパク質をより容易に測定することが可能となった。しかし、いくつかのバイオマーカーの候補物質は、展開されるMRM-MSアッセイの現行の検出レベルを下回って存在することが予測された。この存在度の小さなバイオマーカークラスに由来する候補物質を測定するには、市販のELISAキットを使用した。最後に、血漿を加工して、エキソソームについて濃縮した。エキソソームとは、正常条件下及び疾患条件下の多数の細胞型により全体が分泌される小型の小胞である。元は免疫系相互作用及び中枢神経系相互作用において記載されたエキソソームは、以来、複数の組織型により産生されることが記載されており、血漿を含む複数の異なる体液中に存在する。今日では、エキソソームは、一般的な、広く使用される分泌機構の一部であると理解されている。
逐次的高速遠心分離法を使用して、血液中に存在するエキソソームを濃縮し(Graner MWら(2009)、FASEB J.、23 :1541)、この方法を使用して、得られた臨床試料の大半から、エキソソーム調製物を作製した。これらの調製物を解析することにより、存在度の小さなタンパク質を含むが、血液中では容易に可溶化されないと予測される膜会合タンパク質もまた含む、他の方法では検出されないバイオマーカーの性能を調べられると予測された。
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結果
A.2型糖尿病バイオマーカーの同定
上記で記載した方法に基づき、3つのデータセットを作製した。第1のデータセットは、6つの異なるヒト臓器から調製された、分泌小胞内容物タンパク質についての広範なカタログであった。第2のデータセットは、6つのラット臓器に由来する、分泌小胞内容物タンパク質の対応するリストを含有した。第3のデータセットは、3つの実験系の各々に由来する、定常状態の分泌小胞内容物タンパク質についてのカタログであった。次いで、臓器セクレトームデータベース及び実験系のうちのいずれか1つと共通のタンパク質を、実験系データセットから除去し、β細胞又はβ膵島により固有に発現する可能性が高い分泌タンパク質を残した。各種について2,000を超えるタンパク質を同定し、齧歯動物β細胞系又は初代ヒトβ膵島の分泌小胞内容物から1,000の桁数のタンパク質を同定した。これらのタンパク質のうちの2分の1〜3分の2の間のタンパク質はまた、臓器セクレトームのうちの少なくとも1つにおいても発現すると考えられた。これらの一般に発現するタンパク質を除去することにより、β細胞量の候補バイオマーカーが結果としてもたらされた。次いで、これらの候補物質を詳細に検討して、さらなる解析のために優先順位を付けた。
初期解析により、3つの実験系から同定された正味のセクレトームタンパク質中の重複が小さいことが指し示されたことから、細胞系と初代膵島との間には部分的な対応しか見られないことが示唆される。この知見は、驚くべきことではなかった可能性もあるが、同様に2つの細胞系の間で観察される小さな重複は予測されず、細胞系について、顕著に異なる生理学的状態を指し示しうる。
同定されたタンパク質は、生物学的機能並びに手作業による文献の総括及びネットワークによるソフトウェア解析を介するネットワーク関連及び経路関連について評価した。比較的厳密な基準を使用したところ、例えばいずれか2種のタンパク質間の公知の直接結合などのタンパク質間の関係がすでに確立されていること、加えて不釣り合いに多く含まれているようにみえる生物学的機能又は経路が、偶然生じる場合よりも大差であるという統計的有意性が示された。これらの基準を満たすデータセットのサブセットは、かなりの数(152)のタンパク質を含有した。
候補バイオマーカーの優先順位を付けるためのさらなる評価は、組織特異性を確立することであり、膵臓内及び他の臓器内の候補バイオマーカータンパク質の発現の組織化学評価を使用して行った。この解析により、同定された、ランク付けの高い候補バイオマーカーのうちのかなりの比率の組織発現は、典型的に、膵島に比較的限定されているか、又は、それらがまた、他の組織内でも発現する場合、それらの中枢神経系内の発現は、典型的に、低度であると見出されることが示唆された。これらのマーカーのサブセットはまた、ヒト体液中でも検出されていることから、これらのタンパク質はまた、分泌もされていたことが指し示される。解析の終了時に、200のタンパク質の優先順位が付けられたが、これらの候補バイオマーカーを、表1に列挙する(β細胞量(BCM)マーカー)。
定常状態条件下で対象の組織により分泌されるタンパク質は、ストレス下又は機能不全状態下で変化しうる。これらの条件下の特定のタンパク質の分泌は、上方調節することもでき、下方調節することもできる。さらに、定常状態で正常に分泌されていないタンパク質が、ストレス下で分泌される場合もある。また、β細胞及びβ膵島機能と関連するバイオマーカー候補物質を規定するこれらの変化の同定も実施した。
前出で記載した機能不全が得られるまで、β細胞系及び初代ヒトβ膵島を、媒体又は糖脂肪毒性処理(上記で記載した)と共に、規定された期間にわたりインキュベートした。処理の後、分泌小胞内容物試料の調製並びにプロテオミクスデータの収集及び解析を、上記の通りに実行した。糖脂肪毒性処理の後で示差的に発現する数百のタンパク質を同定した。臓器セクレトームと共通のタンパク質を差し引くことにより、326の非冗長的な、3つの実験系のうちのいずれかにおいて示差的に発現するタンパク質が残った。それらの各々は、同じ糖脂肪毒性処理を施され、同様のインスリン産生の低下及びアポトーシスの誘導を発現したが、3つの実験系が提示する重複は最小であり続けた。上記で記載した優先順位を付ける戦略を適用した後、129のタンパク質を選択した。β細胞機能(BCF)候補バイオマーカータンパク質及び処理の後におけるそれらの変化の程度を、表2に列挙する。
経路解析により、3つの実験系は、同じ刺激に対する応答が異なるという解釈が裏付けられた。これは、細胞系の生理学的関与性が、ヒト初代組織を有効にモデル化するのに不十分でありうることを指し示した。したがって、β細胞機能不全と関連するバイオマーカー候補物質を選択する、初代ヒト膵島による応答に焦点を合わせた。
また、処置への応答と関連するヒト血漿中のバイオマーカー候補物質のリストも開発した。プロジェクトのこの部分に募集された対象は全て、2型糖尿病を有し、処置を開始するか又は切り替えようとするところであった。血漿は、処置を開始する前のほか、処置を開始した2週間後にも回収した。次いで、対象を、少なくとも5ヶ月間にわたり追跡して、処置に対する応答を確立した。レスポンダーは、処置の終了時における、副作用を伴わない糖化ヘモグロビンレベルが7%未満であることにより提示されるか、又は処置の終了時までに、糖化ヘモグロビンが、副作用を伴わずに1.5%低下する対象として規定した。当初、目的は、2型糖尿病のための第1選択処置である、メトフォルミン処置を評価することだけであった。その後、研究の範囲は、他の治療を伴う対象を含むことを可能とするように拡張された。対象数及び募集の時点におけるそれらの処置レジメンを、表8に指し示す。
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これらの対象に由来する血漿試料から、存在度の大きなタンパク質を枯渇させ、解析した。次いで、同定された、示差的に発現するタンパク質を、利用可能な臨床データと関連させて、応答(投与前試料を使用する解析)の予測又は応答のモニタリング(処置開始後試料を使用する解析)と関連するタンパク質バイオマーカー候補物質を同定した。治療有効性バイオマーカー(TEM)候補物質を、表3に列挙する。
少なくとも1つの処置応答の比較において著明に示差的に発現する、約150のタンパク質を同定した。最終的な非レスポンダーと対比した、最終的なレスポンダーの投与前試料における差異を観察した。さらに、処置が開始されたら、最終的な非レスポンダーと比較して、最終的なレスポンダーにおいては、より多くのタンパク質が示差的に発現するので、レスポンダーと非レスポンダーとの間の差異は、処置時に拡大するとも考えられる。
これらの解析により、処置が開始された後のレスポンダーと非レスポンダーとの間では、経路1つ当たりの示差的に発現するタンパク質の数だけでなく、処置前試料中で誘導されなかった関連経路の導入でも変化が拡大することを指し示した。
B.バイオマーカーの検証
上記で記載した通りに同定されたバイオマーカーは、血液中で評価した。前出で記載した3つの方法により、ヒト血漿を加工した。アフィニティークロマトグラフィーにより、各対象の血漿試料のアリコートから、存在度の大きなタンパク質を枯渇させた。残りの材料をトリプシンで消化し、マルチプレックスMRM-MSアッセイで解析した。逐次的高速遠心分離により血漿エキソソームを調製するのに、別の血漿アリコートを使用した。枯渇させた血漿に対して使用された、同じマルチプレックスMRM-MSアッセイを使用して、回収された材料を解析した。最後に、ELISAにより、23のバイオマーカー候補物質の性能を評価するのに、血漿の第3のアリコートを使用した。
選択された臨床コホートは、糖尿病の疾患進行のスペクトルを説明するようにデザインした。疾患進行の早期段階は、非糖尿病の健常対象を表す、正常血糖対照、及び2型糖尿病を伴うとまだ正式に診断されていない糖尿病前症個体に対応する、耐糖能異常を伴う対象で表した。糖尿病は、最近1.5年以内又は過去少なくとも5年以内に、2型糖尿病を有すると診断された対象で表した。これら2つの群は、それぞれ、早期段階の糖尿病及び進行段階の糖尿病を表す。本研究にはまた、長期(診断以来>5年間)にわたる1型糖尿病も含まれている。市販のELISAキットを使用して、被験血漿をインスリンについて調べた。全ての対象への採血は、一晩にわたる絶食の後、午前中に実施したので、検出されたインスリン反応性は、内因性レベルを表した可能性が最も高い。休息時インスリン濃度の上昇が、耐糖能異常、早期段階の糖尿病、及び進行した糖尿病において、対照と比較して観察され、2型糖尿病の疾患進行と符合した。
バイオマーカーを検証するために、対象に由来する試料中のバイオマーカーのレベルを決定した。解析のための試料については、表7に記載した。それらは、メタボリックシンドロームを伴う病的な肥満個体及び肥満手術の候補者を含んだ。これらの対象のサブセットが、T2Dを有すると診断されており、血液サンプリングの時点で治療を受けつつあるのに対して、他の対象は、糖尿病前症状態にあると考えられた。メタボリックシンドロームとは、全てが、しばしば肥満をもたらし、T2Dへの前駆症状であることが多い、代謝性不均衡を共有する様々な状態である可能性が高い状態について記載するのに使用される包括的な用語である。これらの対象についての解析を実行して、極度のメタボリックシンドロームのバックグラウンド下における候補バイオマーカーの性能を査定した。非病的肥満対象についての同じ種類の解析を実行した(表7を参照されたい):クロマトグラフィーにより、血漿試料から、存在度の大きなタンパク質を枯渇させ、マルチプレックスMRM-MSアッセイを使用して解析した。また、血漿エキソソーム調製物も作製して、枯渇させた血漿中のマルチプレックスMRM-MSアッセイの検出レベルを下回った可能性がある、バイオマーカー候補物質の検出を評価し、ELISAアッセイによる選択も実施した。各マーカーを比較するためのDI値を提示する表9〜12に、候補バイオマーカーの性能を提示する。DI値が1を上回る場合、タンパク質のレベルは、その特定の比較について上方調節される。DI値が1未満である場合、マーカーのレベルは、その特定の比較について下方調節される。
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初期検証解析では、この肥満対象の群及びそれほど肥満していない対象の群の両方において示差的に発現するバイオマーカーのサブセットを同定した。しかし、多くのバイオマーカー候補物質は、これら2つの群の間で共有されなかった。過剰な肥満の影響は、実質的であった。病的肥満と痩身との比較において、病的肥満を伴う糖尿病と病的肥満を伴う糖尿病前症とを比較した場合より示差的に発現されたバイオマーカー候補物質がさらに多く存在した。また、2型糖尿病を有し、処置を開始するか又は切り替えようとする対象に由来する試料中の候補バイオマーカーのレベルも決定した(表8を参照されたい)。
治療に対する応答性は、A1cレベル及び血中グルコースレベルにより評価した。3大処置群は、メトフォルミンに対する対象、メトフォルミン及びグリブリドに対する対象、並びにメトフォルミン、グリブリド、及びインスリンに対する対象であり、これらの群を使用して、候補バイオマーカーの性能を評価した。変化は、各処置について、レスポンダーと非レスポンダーとの間で同定した(表13)。示差的に発現するバイオマーカー候補物質の数は、各処置の付加と共に増大することが観察された。メトフォルミンレスポンダーとメトフォルミン非レスポンダーとの間で示差的に発現する、12のタンパク質を同定し、メトフォルミン及びグリブリドについての同じ比較において、15のタンパク質を同定し、メトフォルミン、グリブリド、及びインスリンについての同じ比較において、21のタンパク質を同定した。
インスリンファミリータンパク質が、メトフォルミンに対するこれらの対象だけについて、レスポンダーと非レスポンダーとの間で示差的に発現し、後続の組合せ治療に対するいかなる対象についても示差的に発現しないことが観察されたことは注目に値する。この結果は、疾患が進行しつつあることと符合する。
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マーカーのさらなる解析により、2つのコホートの間を、75%以上の確度で弁別することが可能であることとして定義される、個別の弁別力を有する30のマーカーが同定された。具体的に、且つ上記で記載した通りに、試料は、対照の対象(例えば、正常耐糖能(NGT)の対象、糖尿病前症の対象、例えば、耐糖能異常を有する対象)、過去18ヶ月間以内に2型糖尿病を有すると診断された対象(nT2D)、並びに2型糖尿病及び糖尿病性神経障害、網膜症、腎症、心血管疾患など、2型糖尿病と関連する合併症を有する対象(eT2D)から得、表1〜3に列挙されたマーカーのレベルの各々を決定した。NGT対象、及びIGT対象、nT2D対象、eT2D、並びにnT2D対象とeT2D対象と(全てのT2D)の組合せにおける各マーカーのレベルについての対応のある比較を実施し、各マーカーについての曲線下面積を計算した。同様に、IGT対象、nT2D対象、eT2D対象、及びnT2D対象とeT2D対象と(全てのT2D)の組合せにおける各マーカーのレベルについての対応のある比較も実施し、各マーカーについての曲線下面積を計算した。これらの解析の結果を、表14に示す。したがって、性能が良好な候補物質の実質的な数を同定した。大半の比較について、性能指数が良好な複数のバイオマーカー候補物質を同定した。
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また、パネルとして組合せで作用するこれらの個々のバイオマーカーの能力も評価した。この予備的なパネル解析では、弁別の確度を改善するが、また、可能な最小数のバイオマーカーも使用する組合せを同定することに焦点を合わせた。表15に示す通り、疾患進行コホートの各々の間を正確に弁別することが可能な小規模のタンパク質パネルを同定することに成功した。また、表1〜3に列挙されたマーカーの多様な組合せについての曲線下面積(AUC)も決定した。これらの解析の結果を、表15に示す。
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また、膵臓の機能及び疾患の進行と関連するバイオマーカー候補物質も、病的肥満を伴う2型糖尿病又は糖尿病前症に由来する血漿中で査定した。初期の、それほど肥満していないコホートと比較した全体では、許容可能な個別の弁別力を有するタンパク質は少数(13対30)であることが見出された。しかし、両方のコホートに由来する候補バイオマーカーのリストは重複し、肥満対象のデータセットに由来する13の良好なバイオマーカー候補物質のうち、肥満対象だけで検出されたのは2つに過ぎなかった。これは、弁別力が良好であると同定されたバイオマーカー候補物質のバルクは、いずれのコホートにおいても同様の性能を有したことを示唆する。これは、これらのバイオマーカー候補物質であれば、複数の集団において関与性でありうる一方で、また、重要な差異も存在することを示唆する。これらのうちの1つは、多くのタンパク質を含有する組合せは、糖尿病を、肥満コホートに由来する糖尿病前症の対象から分離する必要があったことであると考えられる。例えば、病的肥満を伴う糖尿病を、病的肥満を伴う糖尿病前症から、0.826の確度で弁別することが可能なパネルを作り出すには、5つのタンパク質の組合せが要請された。比較を目的として述べると、病的肥満を伴わない糖尿病前症であれば、3つのタンパク質だけの組合せを使用して、BMIが同等の糖尿病から、0.998の確度で識別しうるであろう。これは、肥満糖尿病を肥満糖尿病前症から分離することは、より困難でありうることを示唆し、このため、より多くのパネルメンバーが要請され、その場合でもなお、これらのさらなるパネルメンバーは、全体として、それほど正確でない組合せをもたらした。含まれる病的肥満対象は、BMI値が、35〜70の範囲で広く変化するので、コホートの対象間のばらつきは、パネルの性能に影響を与える因子でありうる。対象を、BMIが最大で40の対象を含有する群及びBMIが40を上回る対象を含有する他の群の2つの群へと仕分けしたら、最良の5つのタンパク質によるパネルの組成は、これらの群の各々について異なり、最良のパネルの性能は、それぞれ、0.826から0.843及び0.889へと上昇した(表16)。
Figure 2016510409
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[実施例II]
対象試料中の1つ以上のバイオマーカーのレベルの決定
生体試料(例えば、血清、唾液)を、対象から得て、表1〜3に列挙された1つ以上のマーカーのレベルを、質量分析により決定し、例えば、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうか、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうか、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症するかどうか、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が治療に応答するかどうかを決定する。略述すると、試料をトリプシンで消化して、ペプチドを作製する。次いで、強力カチオン交換クロマトグラフィー(SCX)により、ペプチドを3つの画分へと分離する。試料1つ当たり3つずつの画分の各々を、エレクトロスプレーによりWaters QTOF質量分析計(LC-MS)へとカップリングされた逆相液体クロマトグラフィーにより解析する。成分を検出し、全試料にわたりマッチングさせ、相対ピーク強度について比較する。ピーク強度は標準化する。試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較し、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した差異により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示される。
同等物
例示的な実施形態についての記載では、明確さのために、特殊な用語法を使用する。記載を目的として、特殊な用語の各々は、同様の様式で同様の目的を達成するように作動する、全ての技法的同等物及び機能的同等物を少なくとも含むことを意図する。加えて、特定の例示的な実施形態が、複数のシステム要素又は方法ステップを含むいくつかの場合には、これらの要素又はステップは、単一の要素又はステップで置きかえることができる。同様に、単一の要素又はステップは、同じ目的で用いられる複数の要素又はステップで置きかえることができる。さらに、多様な特性についてのパラメータを、本明細書の例示的な実施形態のために指定する場合、別段に指定されない限りにおいて、これらのパラメータは、20分の1、10分の1、5分の1、3分の1、2分の1など、上方又は下方へと調整することもでき、その丸めた近似により調整することもできる。さらに、例示的な実施形態を、その特定の実施形態へと言及しながら示し、記載してきたが、当業者は、本発明の範囲から逸脱しない限りにおいて、形態及び詳細における多様な置換及び改変を、その中に施しうることを理解するであろう。なおさらにまた、他の態様、機能、及び利点も、本発明の範囲内にある。
本明細書で提示される例示的な流れ図は、例示を目的とするものであり、方法の非限定的な例である。当業者は、例示的な方法が、例示的な流れ図において例示されるステップより多くのステップを含む場合もあり、例示的な流れ図において例示されるステップより少ないステップを含む場合もあり、例示的な流れ図の中のステップは、示される順序とは異なる順序で実施しうることを認識するであろう。
参照による組込み
本出願を通して引用される、特許及び特許出願を含む全ての参考文献の内容は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。これらの参考文献による適切な成分及び方法は、本発明及びその実施形態のために選択することができる。なおさらに、「背景技術」節において同定された成分及び方法は、本開示に不可欠であり、本発明の範囲内にある本開示の別の箇所に記載された成分及び方法と共に使用することもでき、これらに代用することもできる。
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参照による組込み
本出願を通して引用される、特許及び特許出願を含む全ての参考文献の内容は、参照によりそれらの全体において本明細書に組み込まれる。これらの参考文献による適切な成分及び方法は、本発明及びその実施形態のために選択することができる。なおさらに、「背景技術」節において同定された成分及び方法は、本開示に不可欠であり、本発明の範囲内にある本開示の別の箇所に記載された成分及び方法と共に使用することもでき、これらに代用することもできる。
なお本発明は以下を包含する。
[態様1]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様2]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様3]
対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様4]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が治療に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が治療に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様5]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするための方法であって、
処置を開始する前に、対象に由来する第1の試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
処置のうちの少なくとも一部を投与した後に、対象に由来する第2の試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様6]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するための方法であって、
対象に由来する試料のアリコートを、化合物ライブラリーの各メンバーと接触させるステップと、
アリコート各々における1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性に対する化合物ライブラリーのメンバーの効果を決定するステップと、
アリコート中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性を、対照試料中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性と比較してモジュレートする、化合物ライブラリーのメンバーを選択し、これにより、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するステップと
を含む方法。
[態様7]
対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するための方法であって、対象に、表1〜3に列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現及び/又は活性をモジュレートする薬剤の有効量を投与し、これにより、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するステップを含む方法。
[態様8]
対象試料中のレベルが、質量分析により決定される、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様9]
質量分析が、マトリックス支援レーザー脱離/飛行時間(MALDI/TOF)質量分析、液体クロマトグラフィー四重極イオントラップエレクトロスプレー(LCQ-MS)、又は表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI/TOF)質量分析である、態様8に記載の方法。
[態様10]
対象試料中のレベルが、イムノアッセイにより決定される、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様11]
対象に由来する試料が、液体試料である、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様12]
対象に由来する試料が、組織試料である、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様13]
マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様14]
対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様15]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様16]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様17]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様18]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様19]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のUSP9Xレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のUSP9Xレベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様20]
対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から19のいずれかに記載の方法。
[態様21]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様22]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様23]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様24]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様25]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のSEPT3レベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のSEPT3レベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のSEPT3レベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様26]
対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様21から25のいずれかに記載の方法。
[態様27]
対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から19のいずれかに記載の方法。
[態様28]
対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップをさらに含む、態様21から25のいずれかに記載の方法。
[態様29]
対象に由来する試料中の、DAG1、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、PPY、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様30]
対象に由来する試料中のDAG1レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様31]
対象に由来する試料中のPTPRJレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様32]
対象に由来する試料中のCPMレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様33]
対象に由来する試料中のSERPINB13レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様34]
対象に由来する試料中のLDLRレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様35]
対象に由来する試料中のMMP7レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様36]
対象に由来する試料中のBTCレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様37]
対象に由来する試料中のPPYレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様38]
対象に由来する試料中のINSレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様39]
1つ以上のマーカーが、INSである、態様29に記載の方法。
[態様40]
対象に由来する試料中のDAG1レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28のいずれかに記載の方法。
[態様41]
対象に由来する試料中のPTPRJレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40のいずれかに記載の方法。
[態様42]
対象に由来する試料中のCPMレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28、40、及び41のいずれかに記載の方法。
[態様43]
対象に由来する試料中のSERPINB13レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から42のいずれかに記載の方法。
[態様44]
対象に由来する試料中のLDLRレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から43のいずれかに記載の方法。
[態様45]
対象に由来する試料中のMMP7レベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から44のいずれかに記載の方法。
[態様46]
対象に由来する試料中のBTCレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から45のいずれかに記載の方法。
[態様47]
対象に由来する試料中のPPYレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から46のいずれかに記載の方法。
[態様48]
対象に由来する試料中のINSレベルを決定するステップをさらに含む、態様15から28及び40から47のいずれかに記載の方法。
[態様49]
対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、先行態様のいずれかに記載の方法。
[態様50]
マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、態様15から49のいずれかに記載の方法。
[態様51]
対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、態様15から49のいずれかに記載の方法。
[態様52]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様53]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様54]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様55]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様56]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のINSレベルの低下及びSERPINB13レベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様57]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、LDLR、MMP7、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様52から56のいずれかに記載の方法。
[態様58]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
対象試料中のI PPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様59]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様60]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様61]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様62]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のPPYレベルの低下及びDAG1レベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様63]
対象に由来する試料中の、USP9X、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様58から62のいずれかに記載の方法。
[態様64]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様65]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様66]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様67]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様68]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様69]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、LDLR、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様64から68のいずれかに記載の方法。
[態様70]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様71]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様72]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様73]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様74]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様75]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様70から74のいずれかに記載の方法。
[態様76]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様77]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様78]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様79]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様80]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のPPYレベルの低下、SEPT3レベルの上昇、及びPTPRJレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様81]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様76から80のいずれかに記載の方法。
[態様82]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様83]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様84]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様85]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
を含む方法。
[態様86]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
処置を投与する前における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のCPMレベルの低下、INSレベルの低下、MMP7レベルの低下、及びLDLRレベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
を含む方法。
[態様87]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様82から86のいずれかに記載の方法。
[態様88]
対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様52から87のいずれかに記載の方法。
[態様89]
対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、態様52から88のいずれかに記載の方法。
[態様90]
対象試料中のレベルが、質量分析により決定される、態様52から89のいずれかに記載の方法。
[態様91]
質量分析が、マトリックス支援レーザー脱離/飛行時間(MALDI/TOF)質量分析、液体クロマトグラフィー四重極イオントラップエレクトロスプレー(LCQ-MS)、又は表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI/TOF)質量分析である、態様90に記載の方法。
[態様92]
対象試料中のレベルが、イムノアッセイにより決定される、態様52から89のいずれかに記載の方法。
[態様93]
対象に由来する試料が、液体試料である、態様52から92のいずれかに記載の方法。
[態様94]
対象に由来する試料が、組織試料である、態様52から92のいずれかに記載の方法。
[態様95]
マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、態様52から94のいずれかに記載の方法。
[態様96]
対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、態様52から89のいずれかに記載の方法。
[態様97]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様98]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様99]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様100]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様101]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様102]
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様97から101のいずれかに記載のキット。
[態様103]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様104]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様105]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様106]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様107]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様108]
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から107のいずれかに記載のキット。
[態様109]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様110]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様111]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様112]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様113]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様114]
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様109から113のいずれかに記載のキット。
[態様115]
対象に由来する試料中の、SEPT3レベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から107のいずれかに記載のキット。
[態様116]
対象に由来する試料中の、USP9Xレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様109から113のいずれかに記載のキット。
[態様117]
対象に由来する試料中の、DAG1、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、PPY、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116のいずれかに記載のキット。
[態様118]
1つ以上のマーカーが、INSである、態様117に記載のキット。
[態様119]
対象に由来する試料中の、DAG1レベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116のいずれかに記載のキット。
[態様120]
対象に由来する試料中の、PTPRJレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119のいずれかに記載のキット。
[態様121]
対象に由来する試料中の、CPMレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116、119、及び120のいずれかに記載のキット。
[態様122]
対象に由来する試料中の、SERPINB13レベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から121のいずれかに記載のキット。
[態様123]
対象に由来する試料中の、LDLRレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から122のいずれかに記載のキット。
[態様124]
対象に由来する試料中の、MMP7レベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から123のいずれかに記載のキット。
[態様125]
対象に由来する試料中の、BTCレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から124のいずれかに記載のキット。
[態様126]
対象に由来する試料中の、PPYレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から125のいずれかに記載のキット。
[態様127]
対象に由来する試料中の、INSレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様103から116及び119から126のいずれかに記載のキット。
[態様128]
対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、先行態様のいずれかに記載のキット。
[態様129]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様130]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様131]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様132]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様133]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様134]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、LDLR、MMP7、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様129から133のいずれかに記載のキット。
[態様135]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様136]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様137]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様138]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様139]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様140]
対象に由来する試料中の、USP9X、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様135から139のいずれかに記載のキット。
[態様141]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様142]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様143]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様144]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様145]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様146]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、LDLR、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様141から145のいずれかに記載のキット。
[態様147]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様148]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様149]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様150]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様151]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様152]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様147から151のいずれかに記載のキット。
[態様153]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様154]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様155]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様156]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様157]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様158]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様153から157のいずれかに記載のキット。
[態様159]
対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様160]
対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様161]
対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様162]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様163]
耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
[態様164]
対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様159から163のいずれかに記載のキット。
[態様165]
対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様129から164のいずれかに記載のキット。
[態様166]
対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、態様129から165のいずれかに記載のキット。
[態様167]
生体試料を対象から得るための試薬をさらに含む、態様97から166のいずれかに記載のキット。
[態様168]
対照試料をさらに含む、態様97から167のいずれかに記載のキット。
[態様169]
2型糖尿病マーカーを同定するための方法であって、
定常状態条件下で、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定し、これにより定常状態マーカーの暫定的リストを作成するステップと、
膵臓β細胞の分泌小胞内のマーカーと共通する、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器に由来する定常状態マーカーの暫定的リスト中のマーカーを同定し、これらのマーカーを、定常状態マーカーの暫定的リストから除外し、これにより、β細胞量マーカーのリストを作成するステップと、
機能不全条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
正常条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
機能不全条件下と正常条件下とで示差的に発現したタンパク質を同定し、これによりβ細胞機能マーカーの暫定的リストを作成するステップと、
被験試料及び対照試料に由来する試料中のβ細胞量マーカー及び/又はβ細胞機能マーカーのレベルを決定するステップであり、被験試料中のレベルと比較した、対照試料中のマーカーのレベルの差異により、そのマーカーを2型糖尿病のバイオマーカーとして同定するステップと
を含む方法。
[態様170]
被験試料が、耐糖能異常を有する対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様171]
被験試料が、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様172]
被験試料が、すでに2型糖尿病に罹っている対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様173]
対照試料が、正常耐糖能を有する対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様174]
対照試料が、耐糖能異常を有する対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様175]
対照試料が、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する、態様169に記載の方法。
[態様176]
2型糖尿病マーカーを同定するための方法であって、
処置の前及び後における、対象に由来する試料中で示差的に発現するタンパク質を同定し、これにより治療有効性マーカーのリストを作成するステップと、
治療のうちの少なくとも一部を対象に施す前に、2型糖尿病を有する対象から得られた第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
治療のうちの少なくとも一部を施した後で、対象から得られた第2の試料中のタンパク質のレベルを決定するステップであり、第1の試料中と比べた第2の試料中の1つ以上のマーカーの発現レベルの差異により、そのタンパク質を2型糖尿病マーカーとして同定するステップと
を含む方法。

Claims (176)

  1. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  2. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  3. 対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が2型糖尿病に関連する合併症を発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  4. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が治療に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、対照試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、対象試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が治療に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  5. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするための方法であって、
    処置を開始する前に、対象に由来する第1の試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    処置のうちの少なくとも一部を投与した後に、対象に由来する第2の試料中の、表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較するステップであり、第2の試料中の1つ以上のマーカーのレベルと比較した、第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルの差異により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  6. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するための方法であって、
    対象に由来する試料のアリコートを、化合物ライブラリーの各メンバーと接触させるステップと、
    アリコート各々における1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性に対する化合物ライブラリーのメンバーの効果を決定するステップと、
    アリコート中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性を、対照試料中の1つ以上の本発明のマーカーのレベル及び/又は活性と比較してモジュレートする、化合物ライブラリーのメンバーを選択し、これにより、耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害できる化合物を同定するステップと
    を含む方法。
  7. 対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するための方法であって、対象に、表1〜3に列挙されたマーカーのうちのいずれか1つ以上の発現及び/又は活性をモジュレートする薬剤の有効量を投与し、これにより、対象における耐糖能異常及び/又は2型糖尿病の発症を阻害するステップを含む方法。
  8. 対象試料中のレベルが、質量分析により決定される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 質量分析が、マトリックス支援レーザー脱離/飛行時間(MALDI/TOF)質量分析、液体クロマトグラフィー四重極イオントラップエレクトロスプレー(LCQ-MS)、又は表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI/TOF)質量分析である、請求項8に記載の方法。
  10. 対象試料中のレベルが、イムノアッセイにより決定される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  11. 対象に由来する試料が、液体試料である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  12. 対象に由来する試料が、組織試料である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  13. マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  14. 対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  15. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
    対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  16. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
    対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  17. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
    対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  18. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
    対象試料中のUSP9Xレベルを、対照試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、対照試料中のUSP9Xレベルと比較した対象試料中のUSP9Xレベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  19. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のUSP9Xレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のUSP9Xレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のUSP9Xレベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  20. 対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
    対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  22. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
    対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  23. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
    対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  24. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
    対象試料中のSEPT3レベルを、対照試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、対照試料中のSEPT3レベルと比較した対象試料中のSEPT3レベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  25. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のSEPT3レベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のSEPT3レベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のSEPT3レベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のSEPT3レベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  26. 対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 対象に由来する試料中のSEPT3レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から19のいずれか一項に記載の方法。
  28. 対象に由来する試料中のUSP9Xレベルを決定するステップをさらに含む、請求項21から25のいずれか一項に記載の方法。
  29. 対象に由来する試料中の、DAG1、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、PPY、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 対象に由来する試料中のDAG1レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  31. 対象に由来する試料中のPTPRJレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  32. 対象に由来する試料中のCPMレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  33. 対象に由来する試料中のSERPINB13レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  34. 対象に由来する試料中のLDLRレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  35. 対象に由来する試料中のMMP7レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  36. 対象に由来する試料中のBTCレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  37. 対象に由来する試料中のPPYレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  38. 対象に由来する試料中のINSレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  39. 1つ以上のマーカーが、INSである、請求項29に記載の方法。
  40. 対象に由来する試料中のDAG1レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28のいずれか一項に記載の方法。
  41. 対象に由来する試料中のPTPRJレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 対象に由来する試料中のCPMレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28、40、及び41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 対象に由来する試料中のSERPINB13レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 対象に由来する試料中のLDLRレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 対象に由来する試料中のMMP7レベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 対象に由来する試料中のBTCレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 対象に由来する試料中のPPYレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から46のいずれか一項に記載の方法。
  48. 対象に由来する試料中のINSレベルを決定するステップをさらに含む、請求項15から28及び40から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
  50. マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、請求項15から49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、請求項15から49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  53. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  54. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  55. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇及びSERPINB13レベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  56. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のINS及びSERPINB13のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のINSレベルの低下及びSERPINB13レベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  57. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、LDLR、MMP7、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項52から56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のI PPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  59. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  60. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  61. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY及びDAG1のレベルを、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇及びDAG1レベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  62. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のPPY及びDAG1のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のPPYレベルの低下及びDAG1レベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  63. 対象に由来する試料中の、USP9X、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項58から62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  65. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  66. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  67. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、INS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
    対象試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、対照試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、対象試料中のINSレベルの上昇、CPMレベルの上昇、及びMMP7レベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  68. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のINS、CPM、及びMMP7のレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  69. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、LDLR、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項64から68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  71. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  72. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  73. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、BTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、対照試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、対象試料中のBTCレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びPPYレベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  74. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のBTC、MMP7、及びPPYのレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  75. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項70から74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  77. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  78. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  79. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、PPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、対照試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、対象試料中のPPYレベルの上昇、SEPT3レベルの低下、及びPTPRJレベルの上昇により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  80. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のPPY、SEPT3、及びPTPRJのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のPPYレベルの低下、SEPT3レベルの上昇、及びPTPRJレベルの低下が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  81. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項76から80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が耐糖能異常を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  83. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が2型糖尿病を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  84. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  85. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するための方法であって、
    対象に由来する試料中の、CPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
    対象試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、対照試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、対象試料中のCPMレベルの上昇、INSレベルの上昇、MMP7レベルの上昇、及びLDLRレベルの低下により、対象が処置に応答することが指し示されるステップと
    を含む方法。
  86. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングする方法であって、
    処置のうちの少なくとも一部を対象に投与する前及び投与した後における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを決定するステップと、
    処置を投与する前における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルを、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における対象に由来する試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較するステップであり、処置を投与する前における試料中のCPM、INS、MMP7、及びLDLRのレベルと比較した、処置のうちの少なくとも一部を投与した後における試料中のCPMレベルの低下、INSレベルの低下、MMP7レベルの低下、及びLDLRレベルの上昇が、対象が処置に応答していることの指標であり、これにより処置の有効性をモニタリングするステップと
    を含む方法。
  87. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項82から86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項52から87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 対象に由来する試料中の、表1〜3に列挙された1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するステップをさらに含む、請求項52から88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 対象試料中のレベルが、質量分析により決定される、請求項52から89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 質量分析が、マトリックス支援レーザー脱離/飛行時間(MALDI/TOF)質量分析、液体クロマトグラフィー四重極イオントラップエレクトロスプレー(LCQ-MS)、又は表面増強レーザー脱離イオン化/飛行時間(SELDI/TOF)質量分析である、請求項90に記載の方法。
  92. 対象試料中のレベルが、イムノアッセイにより決定される、請求項52から89のいずれか一項に記載の方法。
  93. 対象に由来する試料が、液体試料である、請求項52から92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 対象に由来する試料が、組織試料である、請求項52から92のいずれか一項に記載の方法。
  95. マーカーのレベルが、マーカーの発現レベル及び/又は活性である、請求項52から94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 対象が2型糖尿病を発症するリスクがある、請求項52から89のいずれか一項に記載の方法。
  97. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  98. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  99. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  100. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  101. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中の表1〜3のいずれかに列挙された1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  102. 対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項97から101のいずれか一項に記載のキット。
  103. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  104. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  105. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  106. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  107. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のUSP9Xレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  108. 対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のさらなるマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から107のいずれか一項に記載のキット。
  109. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  110. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  111. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  112. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  113. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のSEPT3レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  114. 対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項109から113のいずれか一項に記載のキット。
  115. 対象に由来する試料中の、SEPT3レベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から107のいずれか一項に記載のキット。
  116. 対象に由来する試料中の、USP9Xレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項109から113のいずれか一項に記載のキット。
  117. 対象に由来する試料中の、DAG1、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、PPY、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116のいずれか一項に記載のキット。
  118. 1つ以上のマーカーが、INSである、請求項117に記載のキット。
  119. 対象に由来する試料中の、DAG1レベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116のいずれか一項に記載のキット。
  120. 対象に由来する試料中の、PTPRJレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119のいずれか一項に記載のキット。
  121. 対象に由来する試料中の、CPMレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116、119、及び120のいずれか一項に記載のキット。
  122. 対象に由来する試料中の、SERPINB13レベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から121のいずれか一項に記載のキット。
  123. 対象に由来する試料中の、LDLRレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から122のいずれか一項に記載のキット。
  124. 対象に由来する試料中の、MMP7レベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から123のいずれか一項に記載のキット。
  125. 対象に由来する試料中の、BTCレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から124のいずれか一項に記載のキット。
  126. 対象に由来する試料中の、PPYレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から125のいずれか一項に記載のキット。
  127. 対象に由来する試料中の、INSレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項103から116及び119から126のいずれか一項に記載のキット。
  128. 対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、先行請求項のいずれか一項に記載のキット。
  129. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  130. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  131. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  132. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  133. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のINSレベル及びSERPINB13レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  134. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、LDLR、MMP7、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項129から133のいずれか一項に記載のキット。
  135. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  136. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  137. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  138. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  139. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のPPYレベル及びDAG1レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするキットの使用のための指示書とを含むキット。
  140. 対象に由来する試料中の、USP9X、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項135から139のいずれか一項に記載のキット。
  141. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  142. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  143. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  144. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  145. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のINSレベル、CPMレベル、及びMMP7レベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  146. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、SERPINB13、LDLR、BTC、及びPPYからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項141から145のいずれか一項に記載のキット。
  147. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  148. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  149. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  150. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  151. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のBTCレベル、MMP7レベル、及びPPYレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  152. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、SEPT3、PTPRJ、CPM、SERPINB13、LDLR、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項147から151のいずれか一項に記載のキット。
  153. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  154. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  155. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  156. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  157. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のPPYレベル、SEPT3レベル、及びPTPRJレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  158. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項153から157のいずれか一項に記載のキット。
  159. 対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が耐糖能異常を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  160. 対象が2型糖尿病を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病を発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  161. 対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が2型糖尿病の合併症を有するか又は発症するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  162. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、対象が処置に応答するかどうかを決定するためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  163. 耐糖能異常及び/又は2型糖尿病を有する対象における処置の有効性をモニタリングするキットであって、対象試料中のCPMレベル、INSレベル、MMP7レベル、及びLDLRレベルを決定するための試薬と、処置の有効性をモニタリングするためのキットの使用のための指示書とを含むキット。
  164. 対象に由来する試料中の、USP9X、DAG1、CPM、SERPINB13、LDLR、MMP7、BTC、及びINSからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項159から163のいずれか一項に記載のキット。
  165. 対象に由来する試料中の、CSTF3、NELL1、SLIT3、LAMTOR2、MGAT4B、TMPRSS11F、ATAD3B、PTPRN、WNT9B、FUT6、B4GALT1、FAM20C、CNTN1、MGAT1、STX1A、NMU、CD59、CASR、及びCPEからなる群から選択される1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項129から164のいずれか一項に記載のキット。
  166. 対象に由来する試料中の、表1〜3のいずれかに列挙されたいずれか1つ以上のマーカーのレベルを決定するための試薬をさらに含む、請求項129から165のいずれか一項に記載のキット。
  167. 生体試料を対象から得るための試薬をさらに含む、請求項97から166のいずれか一項に記載のキット。
  168. 対照試料をさらに含む、請求項97から167のいずれか一項に記載のキット。
  169. 2型糖尿病マーカーを同定するための方法であって、
    定常状態条件下で、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
    膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定し、これにより定常状態マーカーの暫定的リストを作成するステップと、
    膵臓β細胞の分泌小胞内のマーカーと共通する、2つ以上の種に由来する2つ以上の臓器に由来する定常状態マーカーの暫定的リスト中のマーカーを同定し、これらのマーカーを、定常状態マーカーの暫定的リストから除外し、これにより、β細胞量マーカーのリストを作成するステップと、
    機能不全条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
    正常条件下の膵臓β細胞の分泌小胞内のタンパク質を同定するステップと、
    機能不全条件下と正常条件下とで示差的に発現したタンパク質を同定し、これによりβ細胞機能マーカーの暫定的リストを作成するステップと、
    被験試料及び対照試料に由来する試料中のβ細胞量マーカー及び/又はβ細胞機能マーカーのレベルを決定するステップであり、被験試料中のレベルと比較した、対照試料中のマーカーのレベルの差異により、そのマーカーを2型糖尿病のバイオマーカーとして同定するステップと
    を含む方法。
  170. 被験試料が、耐糖能異常を有する対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  171. 被験試料が、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  172. 被験試料が、すでに2型糖尿病に罹っている対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  173. 対照試料が、正常耐糖能を有する対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  174. 対照試料が、耐糖能異常を有する対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  175. 対照試料が、新たに2型糖尿病と診断された対象に由来する、請求項169に記載の方法。
  176. 2型糖尿病マーカーを同定するための方法であって、
    処置の前及び後における、対象に由来する試料中で示差的に発現するタンパク質を同定し、これにより治療有効性マーカーのリストを作成するステップと、
    治療のうちの少なくとも一部を対象に施す前に、2型糖尿病を有する対象から得られた第1の試料中の1つ以上のマーカーのレベルを決定するステップと、
    治療のうちの少なくとも一部を施した後で、対象から得られた第2の試料中のタンパク質のレベルを決定するステップであり、第1の試料中と比べた第2の試料中の1つ以上のマーカーの発現レベルの差異により、そのタンパク質を2型糖尿病マーカーとして同定するステップと
    を含む方法。
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