JP2016508778A - 特に歯インプラントとして使用するためのセラミック体 - Google Patents

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Abstract

骨インプラント、特に歯インプラント(24)で使用するセラミック体(20)が電解的な洗浄・治療コンセプトを応用するために適切に仕上げられている。このために、本発明により、前記セラミック体(20)は人体組織との接触のために設けられている表面領域(40)において最大で10−2Ωcmの比電気抵抗を有している。【選択図】図2

Description

本発明は特に、骨インプラントにおいて、特に歯インプラントとして使用するためのセラミック体に関する。本発明はさらに前記セラミック体を備えた骨インプラント、特に歯インプラントに関する。
骨インプラントおよび特に歯インプラントは多様な形態で知られている。歯インプラントは通常は、抜歯された、または、抜けた歯の代わりに顎骨に差し込まれ、これによって、3ないし4ヶ月の治癒経過後に、そこに、義歯としての人工部品すなわち歯冠を保持することができる。このためにこの種の歯インプラントは、一般的な骨インプラントと同様に、通常、適切に成形された金属体またはセラミック体として形成され、ピン状に成形されている。これはその尖端部に大抵はセルフタッピングねじを有し、これによって前記ピンは相応に準備されたインプラント埋め込み部に差し込まれる。
通常、歯インプラントはチタン、ジルコン、ニオブもしくはタンタル、または、これらの元素の一つが主成分として含まれている、組織に適合する合金で作られる。さらに、歯インプラントはセラミックからも作られる。使用されるこれらのセラミックは大概は酸化ジルコンをベースにしたセラミックであり、これらは好適には酸化イットリウムを混ぜることによって正方晶の相が安定化されており(TZP、酸化アルミニウム成分を有するTZP−A)、または、これらは酸化アルミニウムの、通常は付加的な、混合により強化されている(ATZセラミック)。しかし、酸化アルミニウムをベースにした歯インプラントも知られている。
未公開のドイツ特許出願(出願番号:102012022593.8)には、特にインプラント部とともに使用するための治療要素および歯インプラント部の洗浄方法が開示されている。この開示事項は全範囲に亘って本願に引用される。挿入されたインプラントの骨物質の中での保持を保証するために、インプラント部品のこの種の洗浄が望まれており、また、必要である。組織と組織液で取り囲まれたインプラントの固い表面に、細菌が繁殖したバイオフィルムが形成され、これが最終的には、慢性で、再発性の感染を惹き起こすことがある。この症状は歯インプラントではインプラント周囲炎と呼ばれる。特に歯科分野では、歯周炎の場合と同様に、なおざりにされた口腔衛生、一般的に微視的には凹凸の多い歯柱表面へのバイオフィルムの付着および他の要因の組合せがインプラント周囲炎を構成する原因であり、その特徴は硬組織および軟組織の負担と破壊が次第に大きくなることである。この場合、硬組織および軟組織が後退する部分は、通常はバイオフィルムで覆われる。
前掲の出願に記載された洗浄方法は、インプラント表面を損傷することなしに、汚染を形成しているバイオフィルムないしインプラント表面に発する病原菌を殺菌し、除去する、というコンセプトに基づく。このために、イオン(陽イオンおよび/または陰イオン)を静電気力によりバイオフィルムを通って搬送するという電解プロセスが用いられる。これらのイオンはインプラント表面で化学的に、または、電気化学的に反応する。これらの反応により新しい物質組成物が得られ、および/または、これらのイオン自身、および/または、これらのイオンの一部が原子状態に移行する。さらにこれに加えて、これらのイオンが表面物質と反応する可能性がある(例えば、酸化物層の形成または物質削除)。
このプロセスの病原菌殺菌効果は複数の異なる作用に基づく。その一つは、電圧を印加することによってイオンがバイオフィルム自体から(細菌からも)陽極または陰極へ搬送されることである。これによって細菌とウイルスを殺菌することが可能となる。さらに、イオンがバイオフィルムを通過する間にこれらのイオンは生物化学的反応を起こすことができ、このことにより同様に細菌、および/または、ウイルスを殺菌することが可能となる。もう一つの殺菌可能性は、インプラント表面で新たに形成された物質組成物が抗菌性、および/または、抗ウイルス性、および/または、抗かび性の作用を有することである。当然ながらこのことは、イオンが原子状態に移行するときにも生じうる。
前記出願に記載された治療要素は特に、この治療方法を挿入された歯インプラントに直接的に、すなわち、好適には柱部が患者口腔内の骨の中に在る間に、実施するために設計されている。このためにこの治療要素は次のように構成されている。すなわち、この治療要素が挿入された柱部と直接に結合され、次に、電流を流した時に所望の電解プロセスのための基礎として機能する治療液を、挿入された柱部のすぐ近くで隣接する骨物質の当該空間領域に供給し、電流を流すように構成されている。しかし、この治療要素を使用するためには、挿入された柱部との機械的、かつ、電気的な接触が必要である。
本発明の課題は、骨インプラント、特に歯インプラントで使用するのに適したセラミック体、すなわち、前記出願に記載された洗浄・治療コンセプトにおいて使用するために適切に改善されたセラミック体を提供することにある。さらに、前記出願で記載された洗浄・治療コンセプトに適用するために特に適したこの種のセラミック体を備えた骨インプラント、特に歯インプラントを提供することにある。
セラミック体に関する課題は本発明により、このセラミック体が、人体組織との接触のために設けられた表面領域において最大で10−2Ωcmの比電気抵抗を有することにより解決される。
本発明の有利な諸形態は従属請求項の主題である。本発明の他のおよび/または代わりの有利な形態は図の説明からも明らかである。
本発明は、本発明の課題を達成するのに必要な電流通電のためにセラミック体が改善されることによって、電解的な治療とセラミック体のバイオフィルム洗浄とが可能となる、という考えに基づく。このために、治療液の電解的な分解が生じる、特に表面領域において、このセラミック体は適切な電気伝導度を有さねばならない。
これを達成するために、基本的に異なる様々な取り組みが考慮の対象になる。その一つとして、このセラミック体の全体を、十分な電気伝導度を有するセラミックまたは半導電性のセラミックで作ることができる。
代案として、このセラミック体が、人体組織との接触のために設けられた表面領域において導電性の被覆層を有するようにすることができる。この種の被覆層は好適には、金属、導電性プラスチックおよび/または導電性炭素で形成することができ、あるいは、特に好適にはドープされたセラミック、特に、酸化インジウムおよび/またはインジウム錫オキサイド、酸化亜鉛、窒化珪素、MoSi、Si−MoSi−SiC、ZrO/CaO、Al/TiN、BaTiO、珪素化合物、窒化物、チタン含有セラミックおよび/またはチタン酸塩で形成される。このための金属被覆層としては、例えば、プラチナ、金、チタンなどが考慮の対象となる。しかし、金属被覆層は、歯インプラントにおける好ましい使用に際しては、美的な、生物学的な、または、アレルギー的な理由から、限られた範囲でしか適していない。これとは異なり、特に好適な、導電性の、ないし、半導電性のセラミックは特に歯インプラントに使用するに際して、この層に相応の着色をすれば、美的な、生物学的な、および、アレルギー的な要求に対しても十分に対応できる。
それ自身は非導電性の純粋セラミックの歯インプラント(上部構造体/柱部)は、このような導電性の、ないし、半導電性のセラミックでコーティングすることができる。このコーティングは完全に/全体的に、あるいは、部分的にのみ行うことができる。この場合、電気的接触はインプラントの肩部を介して行われるのが好適である。このためには、インプラント肩部の接触箇所でのコーティング厚さを例えば、2倍、5倍、10倍、とより厚く形成するのが有利であろう。インプラントの外部と内部をこのようにコーティングすれば、インプラントの内部を介しての電気接触も可能であろう。
チタンインプラント、特に等級IVのチタンまたはそれ以上の純度のチタンを陽極に接続すると酸化チタン層が形成され、この層はその形成直後に、電圧を高めなければ、表面での電気化学的プロセスを非常に強く低減、ないし、阻止する。したがって、洗浄のために陽極電流を流すことは、患者を電気的な危険に曝すことなしには、ごく短時間しかまたは1回だけしか行うことができない。このようなチタンインプラントを導電性の、ないし、半導電性のセラミックでコーティングすれば、陽極電流を流した時の酸化チタン成長を妨げることができる。この方法で、インプラント表面の洗浄のために陽極電流を長時間連続的に流すことが可能となる。このような表面のさらなる利点として、金属製インプラントから金属イオンは溶出しない。
さらに、インプラントモジュールに適している非導電性セラミックに、導電性ないし半導電性を生じさせるために、好ましくはセラミックをベースにしたおよび/または炭素をベースにした、導電性ないし半導電性の物質を混入することも考えられる。
特に好適には、このセラミック体は骨インプラント用に、特に歯インプラントの部品として利用される。これは表面から、または内部を介して洗浄のために電気的に接触することができる。洗浄カニューレを介しての外部からの電気接触も当然ながら可能である。
骨インプラントに関する課題は、骨インプラントが前述した方式のセラミック体として作られていることにより解決される。歯インプラントとしての一形態では、本発明により、これは顎骨に挿入可能な柱部とこれに付設されるアバットメント(上部構造部)とを含み、この柱部は前述した方式のセラミック体として作られている。この場合、この歯インプラントはいわゆる一体形インプラントとすることができ、柱部とアバットメントとが共通の一体化された基体を形成する。しかし、代案として、この歯インプラントは、柱部とアバットメントがそれぞれ独立した構成部品であるという意味において、多部分構成とすることも可能であり、これらは適切な結合によって組合わせることができる。この場合、アバットメントは特に義歯を取付けるために設けられる。
この場合、柱部は好ましくは酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンをベースにしたセラミック体として作られている。この場合、顎骨の中への根付きを特に促進すべく、柱部は好適には付加的に特に適切な表面を備えている。このために、好ましくは、人体組織との接触のためのその表面領域が少なくとも1つの部分領域において、複数のナノスケールの孔を有する構造またはナノスケールに作られた他の構造を備えており、これが、内側部に比べて酸化イットリウムないし酸化アルミニウム成分が少ない、酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンをベースにした空乏ゾーンを有している。
本発明により得られる利点は特に、十分に高い導電性の表面を備えたセラミック体の形態によってこのように作られたセラミック体が上述した出願に記載された治療・洗浄方法を受けることができることにある。この場合、セラミック体、特にセラミックで作られた骨インプラントまたは歯インプラントに対しても、それぞれのセラミック体の場所的に制限された空間領域であってもバイオフィルムの確実な洗浄を場所的に高精度で行うことができる。この場合、特に有効であることが判った電解による病原菌殺菌のコンセプトを利用することができる。特に、要治療対象が細菌で局部的にしか冒されていない場合でも、これを必要に応じて行うことができ、挿入された歯インプラントの治療の際には、義歯または場合によってはアバットメントを取り外すことなく、実施することができる。
本発明の1実施形態を図に基づき説明する。
バイオフィルムで汚染された構成部分の洗浄のための治療システム 図1の治療システムの拡大詳細断面図 図1の治療システムの代替案の拡大詳細断面図 媒体カニューレの出口部全ての図において同一部には同一符号が付されている。
本発明の基本原理を以下図1に示された治療システム1に基づいて説明する。これに替えてまたはこれに加えて、未公開のドイツ出願(出願番号;102012022593.8)に開示された治療要素の利用も当然ながら可能であり、その開示事項は全範囲に亘って本願に引用される。
図1の治療システム1はバイオフィルムで汚染された構成部品、特に歯インプラント部の洗浄のために設けられたものである。この治療システム1は電解的な洗浄コンセプトのために設計され、このコンセプトでは治療を要する構成部分に適切に選ばれた特殊な治療液が的確かつ局所的に供給され、次いで治療を要する部分と治療液とを通って電流が発生される。このために治療システム1は媒体カニューレ2を有し、この中を治療液が案内され、出口開口4を介して供給される。ここで媒体カニューレ2の端部は長く延びた形状をしているので、治療液を場所的に狙いを定めてかつ制御して供給することができる。媒体カニューレ2は媒体回路で接続ホース6を介して治療液の貯蔵容器8と接続されている。
これに加えて、治療システム1は電気システムとして特殊に構成されている。設計原理として、媒体カニューレ2の中を案内される媒体、特にその内部を案内される治療液に電流、特に電流パルスを流すことができるようになされている。治療システム1は、治療を要する構成部品の洗浄目的で用いられる電流を、治療を要する空間領域内で狙った場所に的確に供給できるように設計されている。治療システム1は、電流が治療を要する構成部品に供給され、かつ、この構成部品が電極として利用できるという設計原理に基づいて構成されている。このために治療システム1は1つの電流路を形成する1つの導電要素10を有している。この実施例ではこの導電要素は「在来型の」電極の様式で、すなわち、特に、金属製の針状の導電要素として、作られている。導電要素10の外側は電気的に絶縁されており、その自由端12だけが露出された金属の接触尖端部14を有している。これは治療中に治療を要する構成部品に適切に押し付けられ、その結果、前記構成部品への電気接触が確立される。導電要素10は電気的に電気供給ユニット16、特に、電流源または電圧源、の電極の1つと接続されている。
電気供給ユニット16には制御ユニット18が付設されており、これによって、供給される電流ないし電圧を制御および調節できる。この制御ユニットはさらに、詳細には示されていない接続ホース6の搬送系にも作用し、接続ホース6を通る治療液の流量を調節することができる。
対向極すなわち対向電極を形成するために、媒体カニューレ2に案内される治療液の電気伝導度が利用される。このために、媒体カニューレ2の内面が、媒体カニューレ2の内面と導電的に接続されているケーブル19を介して、電気供給ユニット16のもう一方の極と電気的に接続されている。これにより媒体カニューレ2の出口開口4は電気的に見て1つの接触点すなわち電気接点を形成し、この接点を介して電流が要治療部へ流れる。媒体カニューレ2とその出口開口4を要治療部のできるだけ直近に適切に位置決めし、また、出口開口4を電気接点として利用することによって、治療・洗浄目的のために印加された電流が要治療部の細菌に冒された表面ゾーンを通過して、そこからできるだけ直接に、すなわち、特に、他の人体組織または同等物を介して「迂回」することなく、接触面として機能する出口開口4に流れることができる。こうして、この実施例では、媒体カニューレ2は、その中を案内される導電性の治療液とこれらに対応する接続要素とを含めて、出口開口4への電流路を形成する第2の導体要素を形成する。
媒体カニューレ2は適切に選ばれた電気絶縁性の母材、例えばプラスチックで作られている。しかし、媒体カニューレ2の中の治療液を電気的な導体要素としてさらに有効に利用し、かつ、特に確実な電気接触を保証するために、媒体カニューレ2は内側が、すなわち、治療液に面する内側表面が導電性の層を備えている。
図2の拡大図から分かるように、媒体カニューレ2は治療液を的確に場所的に限定して供給するように要治療部に取付けられている。次いで、この部品はそれ自身が電極として利用され、導電要素10を介して接続される。尤も、要治療部はセラミック体20であり、この実施例では患者の口骨に挿入された、歯インプラント24の柱部22として作られている。しかし、当然ながら、他の実施形態も可能であり、それらの場合には、セラミック体、例えば任意の構造の骨インプラント、または、歯インプラントのアバットメントのような人工コンポーネントからフレキシブルかつ焦点を絞った方法でバイオフィルム患部を洗浄する。
この実施例では歯インプラント24は柱部22に加えてアバットメント26を有し、このアバットメントは結合ボルト28で柱部22に固定することができ、義歯30を支えている。当然ながら歯インプラント24はこの替わりに一体形で作ることもでき、その場合には柱部22とアバットメント26は一体形の形態で、1つで、且つ、同一の基体の構成部分である。図2には同様に、柱部22の外側ねじ32部に隣接した、顎骨36における空間的に限定された領域34が示されており、この領域がインプラント周囲炎に冒されており、細菌が繁殖している。
一般的に、歯インプラントシステムでは、特に2つの部分で構成されたインプラントシステムでも、挿入箇所近傍の組織領域、特に顎に挿入された外側ねじ32の領域への細菌または病原菌の侵入により、複数の炎症、すなわち、炎症群が生じるという問題がある。この種の、特に、いわゆるインプラント周囲炎の結果として生じる炎症は、これが長期間に亘り進展し決定的になると、挿入箇所領域の組織と骨に重大な損傷をもたらすことになる。適切な処置を施さなければ、この損傷により、インプラントシステム全体を骨から再び摘出し、他の人工物で置き換えねばならないことにもなる。インプラント周囲炎に起因する非常に望ましくないこの結果は、こうして、このインプラントシステム全体を喪失することにつながり、その結果、例えば、顎骨の当該領域の切除と新たなインプラントシステムを提供することが不可欠となる。このような除去により、さらに、骨の損失または他の組織の損失が本質的に生じ、極端な場合には他のインプラントの提供がもはや全く不可能になることがある。インプラント周囲炎に起因するこのような新たなインプラント提供の必要性は、インプラントシステムを最初に挿入してからかなり長い期間の後に、例えば、数年、またはそれどころか数十年という期間の後に現れることがある。
インプラント周囲炎と共に観察される細菌または病原菌は、この場合、基本的には歯インプラント24の複数のコンポーネントの内部に住みつくが、通常は主に、顎骨36に挿入された柱部22の表面の周囲組織または骨物質との接触領域、すなわち、特に外側ねじ32の領域に直接的に付着する。この領域では、組織または骨の中への食い込みと根付きを特に有利にすべく、また、挿入後の柱部22の治癒を促進すべく、柱部22の表面はざらざらに、または、ざらざら相当にされている。しかし、このような、インプラントシステムにとって本来有利と看做されている、表面が粗らされた領域において、細菌または病原菌の侵入と増殖が生じ、この粗さがそこに存在する細菌または病原菌の除去を困難にする。
そこで、初期の、または、既に生じているインプラント周囲炎の場合に、既に挿入されているインプラントシステムを維持しつつ、炎症群に有効に対処し、侵入した細菌を殺菌し、それによって、引き続き、外側ねじ32の周囲領域において健全な組織または骨物質を再び形成することができるようにするための、適切な対処策が緊急に求められている。さらに、当該領域において細菌または病原菌を的確に殺菌することに加えて、引き続き当該領域が健全な組織または骨物質で再び満たされ、再び、柱部22の外側表面とこれを取り巻く組織または骨物質との間の内部結合が形成されるように、その物質残渣および断片をこの当該の空間領域から確実に取り除くことが望まれる。このためには、殺菌された細菌の有機的な残渣を含む、細菌層で形成されたバイオフィルムを確実に除去しなければならない。
この目的のために、すなわち、柱部22の挿入領域における病原菌または細菌の殺菌のため、および、特に、組織残渣と殺菌された細菌の残渣を引続いて洗い流し、除去し、搬出するために治療システム1が設けられている。これはその形態と原理的な構成に関して、それぞれが独立に進歩性を有すると看做される2つの基本コンセプトに基づいている:すなわち、一つには、歯インプラント24の挿入領域に存在する病原菌または細菌を、殺菌性はあるが人間の器官には無害な洗浄剤または消毒剤を的確に供給することによって的確に殺菌するように構成されている。他方では、場合によって柱部22の表面、特に外側ねじ32の領域にまだ付着している病原菌および/または細菌の残渣または断片を、適切に電流またはパルス電流を流すことによって、柱部22の外側表面から剥離し、その結果、次にこれらを洗い落とすことができるように構成されている。
したがって、システム構成に関しても、この治療方法の所定の工程ステップに関しても、独立に進歩性を有すると看做される第1の観点では、この治療システム1が、構造的にも機能的/コンセプト的にも、細菌または病原菌を殺菌するために、および/または、挿入されたインプラント部2を洗浄するために、治療液を柱部22の挿入領域、特にその外側ねじ32の領域に的確に供給するように構成されている。
同様にシステムの形態および使用される治療液の基本成分の選択と組合せに関しても、治療方法の所定の工程ステップに関しても、独立に進歩性を有すると見做される第2の観点において、この治療システム1は、殺菌された細菌または病原菌、ないし、その残渣または断片を柱部22の外側表面から確実に剥離するために設計されており、それによって、次にこれらを洗い流すことができ、次いで、健康な組織または骨物質が柱部22の表面に接し、柱部が健康な組織または骨物質の中に再び完全に食い込むことができる。殺菌された細菌または病原菌、ないし、その残渣または断片を表面から剥離するために、電流を流しながら外側表面が導電性の治療液で濡らされる。全く驚くべきことに以下のことが明らかになった。すなわち、表面に凹凸があり、その表面構造により有機物質がもともと非常に付着し易い場合であっても、治療液中の適切に選ばれたイオン濃度との組み合わせにおいてこの電流通電が、特に、細菌または病原菌、ないし、それらの残渣または断片をその下の表面から剥離するのに特に確実に作用することが判った。
この驚くべき知見の根拠は、柱部の外側表面領域で、すなわち、特に外側ねじ32の領域で、適切に選ばれた治療液の使用のもとに柱部22に電流を流すことにより、治療液中で電解反応が生じ、その結果、場合によってはこの表面の直近でガス泡が発生することにある。柱部22の表面でのこのガス泡形成により、表面に付着している病原菌または細菌の残存成分または断片は共に残らず剥離され、その結果、この領域においては病原菌が新たに侵入するための基盤および培養地は形成されなくなる。病原菌、細菌またはそれらの残存成分すなわち残渣が取り去られ、凹凸の在る、有孔性の柱部22の表面が残されると、これは再生する骨組織への今後の結合のための良好な基盤として役立つことができる。
しかし、このような治療コンセプトには、柱部22、すなわち、一般的には要治療構成部品が電極として治療システム1の中で利用されることが必要である。このために、柱部22を形成するセラミック体20は特に適切に設計されている。これを可能にするために、セラミック体20は、人体組織と接触すべく設けられた表面40において十分に高い電気伝導度、すなわち、最大で10−2Ωcm、好ましくは最大で10−5Ωcmという十分に低い比電気抵抗を有する。
この電気伝導度を的確に提供するために、セラミック体20に対する多くの実施形態が考えられる。一つには、歯インプラント全体または少なくともその柱部22を完全に1つの導電性ないし半導電性セラミックで作ることができよう。次いでこれは洗浄のために表面から、または、内部を介して電気的に接触される。洗浄カニューレ2を介しての外部からの電気接触も当然ながら可能である。
代案として、インプラントモジュールとして適した非導電性セラミックに、導電性または半導電性を得るために、導電性または半導電性の、好ましくはセラミックベースの、および/または、炭素ベースの材料を混ぜることも考えられる。
さらに代案として、歯インプラント24ないしその柱部22を、これも実施例に示されているように、純粋セラミックの非導電性セラミック体20で作ることもできる。それでも、表面領域40での導電性を確保するために、これは導電性ないし半導電性の層42でコーティングされる。この層42は全体的に/完全に、または、柱部22の表面の部分領域だけに設けることができ、示された実施例では柱部22だけに付けられている。しかし、当然ながら、使用目的に応じて、他の構成部品、例えば、人工コンポーネントとして備えられるアバットメント26に全体的にあるいは部分的に層42を付けることも可能である。電気的な接触のために、この実施例では、インプラント肩部44が設けられており、この部分では層42はより厚く、例えば、他の表面領域40における層42の2倍、5倍、10倍の厚さを有している。インプラントの外側および内側にこのような層を付けると、インプラントの内側を介しての電気的接触も可能であろう。
この柱部22は、酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンベースで作られている。さらに、人体組織との接触のためのその表面領域が少なくとも1つの部分領域において複数のナノスケールの孔を有する構造または他のナノスケールに作られた構造を備えており、また、内側部に比べて酸化イットリウムないし酸化アルミニウム成分が少ない、酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンをベースにした空乏ゾーンを有している。
ここで、層42は、金属、導電性プラスチックおよび/または導電性炭素で形成することができる。しかし、この実施例では、層42はドープされたセラミック、好適には、酸化インジウムおよび/またはインジウム錫オキサイド、酸化亜鉛、窒化珪素、MoSi、Si−MoSi−SiC、ZrO/CaO、Al/TiN、BaTiO、珪素化合物、窒化物、チタン含有セラミックおよび/またはチタン酸塩で形成されている。
このような導電性の層42は、元々が金属の歯インプラントの場合に好適である。チタンインプラント、特に等級IVのチタンまたはそれ以上の純度のチタンを陽極に接続すると酸化チタン層が形成され、これはその形成直後に、電圧を高めなければ、表面での電気化学的プロセスを非常に強く低減、ないし、阻止する。したがって、洗浄のために陽極電流を流すことは、患者を電気的な危険に曝すことなしには、ごく短時間しかまたは1回だけしか行うことができない。このようなチタンインプラントを導電性の、ないし、半導電性のセラミックでコーティングすれば、陽極電流を流した時の酸化チタン成長を妨げることができる。この方法で、インプラント表面の洗浄のために陽極電流を長時間連続的に流すことが可能となる。このような表面のさらなる利点として、金属製インプラントから金属イオンが溶出しない。
表面の確実な洗浄という点において、表面に付着しているバイオフィルム残存成分の挿入された柱部22からの望ましい剥離は、電流を流す際の特に適切な方法によりさらに促進される。これは、挿入された表面領域での通電の結果生じる電解による泡の形成が特に強化されるように行うことができる。この場合、柱部22は陽極に接続されても、陰極に接続されても良い。特に、柱部22を少なくとも一時的に陰極に接続すると、電解的に誘導されて水素ガスが発生し、これがガス泡の形成に特に有効に寄与する。これとは異なり、柱部を陽極に接続すると、治療液の成分に応じて塩素ガス、酸素、窒素、一酸化炭素、および/または、二酸化炭素が発生する。こうして生じたガス泡は周りの液体中を上昇してこれによる持ち去り効果を生じ、この持ち去り効果によって、上述した表面残存成分が共に運び去られ、外部へ搬出される。例えば、全く驚くべきことに以下のことが観察された。すなわち、プラスイオンを含む溶液、例えば、水溶性の塩溶液を使用した場合に、柱部22を陰極に接続すると、これらのイオンが柱部で析出し、これによりガス泡の形成が著しく増加することが判った。例えば、柱部22を陰極に接続した時には、Naイオンが存在すると大量のガス泡が形成される。Naが陰極で周囲の水と反応してNaOHを生じ、この時に水素を解放するからである。
同様に、システム構成に関しても、この治療方法の所定の工程ステップに関しても、独立に進歩性を有するさらなる観点では、この治療システム1が、前述した複数の観点の特に簡単且つ有効と考えられる組合せのために構成されている。これは、前記洗浄液体の所定の供給も、細菌および病原菌の残渣と断片の的確な剥離も、1つの共通のシステムにおいて前述した電流を流すことにより、したがって、特に簡単な手段により、達成できるというコンセプトに基づく。
使用される治療液は、これらの観点を考慮して適切に選ばれ、組合される。ここで、この治療液の基本成分の選択と組合せは、特に意図されている作用方法、すなわち、治療を要する表面の空間領域における電流の導入を考慮して行われ、この際に、この目的のための十分に高い電気伝導度をこの治療液が有することが特に守られる。これは特に、治療液中における十分に高く選ばれたイオン濃度によって確保されねばならない。このために、治療液の基本成分として、好ましくは水溶液状の、金属塩が使用される。これは電流搬送のためのイオンを供給し、さらに、その都度の電極反応で生じる置換生成物もなお適切な生物化学的作用を有することができる。十分に高い電気伝導度を的確に選ぶことにより、挿入されたインプラントで本洗浄方法を実施する際に、この電流は治療液を通って、そしてその結果、治療を要する部分とコンポーネントを通って流れるが、患者の人体組織を通っては流れないことが保証され、これによって、軟組織、骨、血液、および/または、その他の人体物質を通る望ましくない電流により患者を危険に曝すことを最小限にとどめることができる。この場合、治療液の電気伝導度は、血液、骨、軟組織、脂肪組織または他の人体物質の電気伝導度の可能な限り何倍も高い値を有するべきである。
したがって、治療液の基本成分の選択と組合せに際して、下記の電導度値が考慮される(電気伝導度σは通常の単位mS/cmで表示されている)。
皮膚: 0.03〜0.1mS/cm
骨: 0.06〜0.2mS/cm
脂肪組織: 0.20〜1.0mS/cm
筋肉組織: 0.80〜2.5mS/cm
血液: 約6.7mS/cm
その他の体液: 約15mS/cm
したがって、患者の危険ポテンシャルを適切に低く抑えるために、また、電流を所望の領域に限定するためには、この電気伝導度はその他の体液の電導度の少なくとも2倍、好ましくは5倍、特に好ましくは10倍とする必要がある。そこで、治療液の電気伝導度は少なくとも30mS/cm、好ましくは少なくとも75mS/cm、特に好ましくは少なくとも150mS/cmの値を有するべきである。これは血液と比較すると、治療液の電気伝導度は血液の電導度の少なくとも約5倍、好ましくは少なくとも約10倍、特に好ましくは少なくとも約20倍であることを意味する。測定の結果、このように選ばれた治療液を使用した場合に、人体組織、血液、体液などに掛かる電圧は6V以下、好ましくは3V以下、特に好ましい場合には1.5V以下であることが判った。こうして、患者への害を、電圧が低く抑えられたので、確実に除外することができる。このような電導度を維持するために特に、治療液中の、および、これを形成している基本成分中のイオン濃度は十分に高く選ばれている;このために、複数のアルカリ液、酸、塩および/または複数の他のイオン形成性の物質または物質組成物を使用することが可能である。
治療液の基本成分の選択と組合せに際して特に考慮すべきは、汚染されたインプラント部表面の電解的な治療の洗浄効果またはバイオフィルム剥離効果は、多くの要因の組合せに拠り、これらをできるだけ互いに補い合って利用可能としなければならない、ということである。その1つとして、特に電極領域にある電解質を通って電流が流れると、ガスまたはガス泡が発生し、これらはバイオフィルムに対して(機械的な)剥ぎ取り効果を有する。これらのガスの発生は電極として機能するインプラント部表面の直近で、すなわち、この表面とバイオフィルムとの間で生じる。この時発生する複数のガス泡の成長速度とその最大寸法とが剥離プロセスに影響を及ぼす。
電解プロセスのインプラント部を洗浄する効果またはバイオフィルムを剥離する効果に対する第2の要因として、インプラント部表面のバイオフィルムの元々の付着、すなわち、張り付きメカニズムまたは固着メカニズムに対する、電解的に発生する物質または物質組成物の分解・破壊・剥離効果を挙げることができる。
電解プロセスの洗浄効果または剥離効果に対する第3の要因は、インプラント部材料の材料を剥離する効果に基づくものであり、インプラント部の表面領域における元々のインプラント部の構成成分すなわち粒子がそこから剥離される。
電解プロセスの洗浄効果または剥離効果に対する第4の要因は、金属製インプラントの電解プロセスによる酸化物層形成に基づくものである。この場合、金属製基本材料の金属原子が、印加されている電圧により、場合によっては既にできている酸化物層に浸透し、電解質の物質と反応する(殆どの場合、酸素⇒金属酸化物形成)。酸化物層を形成しない、ないし、機械的に安定な酸化物層を形成しない金属では、非酸化性の物質組成物が生じ(大抵は塩)、これは溶解する。
治療液を形成するために用意される基本成分は、その効果を考慮して適切に選ばれ、組み合わされる。さらに、基本的な設計目的として、治療液を、挿入された歯インプラント部、すなわち、患者の口内で使用するのにも適するように、毒性の、または患者に危険を及ぼす、または、患者に不快を与える作用が生じてはならない、ことが考慮される。この実施例では、基本成分として、一方では少なくとも1つの塩、他方では少なくとも1つの酸が、好ましくは水で希釈されて用いられ、その選択と組合せは特に上述した基準に沿っている。この場合、特に好適には、酸として、燐酸、クエン酸、蟻酸、酢酸、乳酸、炭酸、または、これらの組合せが用いられる。この代わりにまたはこれに加えて、特に好適には、塩として、ナトリウム、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、錫もしくはカリウムのヨウ化物、塩化物、硝酸塩、炭酸塩もしくは炭酸水素塩、および/または、亜塩素酸アンモニウム、硝酸アンモニウムもしくはヨウ化アンモニウム、あるいは、これらの組合せが用いられる。
治療液を使う治療において、柱部22は陰極に接続されると好適である。この場合、プラスに帯電したイオン(カチオン)は柱部22の表面へ移動する。これは、例えばイオンを含む液体からの、特に、Hイオン、金属イオン、または、長鎖の炭化水素イオンである。この場合、治療液の基本成分として用いられる塩は、前述のプロセスを助長し、あるいは、そもそも可能とする、陽イオンの特性を考慮して特に的確に選ばれる。できるだけ高い電気伝導度を生じさせるためには、特に小さいイオン(Hイオン、または、金属イオン)が適しており、これらはこのために、さらに特に有効な方法で、場合により存在しているバイオフィルムに比較的容易に侵入することができる。Hイオンは、柱部22により形成されている陰極において、水素元素Hに還元される。これにより気泡が発生する。
アルカリ金属、アルカリ土類金属および/またはアルミニウムは、陰極で周囲の水と反応して、元素状の水素と、前記金属の金属陽イオンおよびOHイオンを発生する。これは、水素の泡と、使用された金属イオンの水酸化物が形成されることを意味する。こうして、これらのコンポーネントの組合せにより、発生した水素の剥離作用に加えて、金属水酸化物が抗細菌作用を有し、バイオフィルム、ないし、その付着メカニズムを弱めるあるいは溶かす作用をする。
人体組織との不適合性を避けるべく、金属陽イオンとしては特に、元々人体に存在するイオン(例えば、カリウムイオン、および/または、ナトリウムイオン)が特に好適である。さらに、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、および/または、アルミニウムイオンも適している。したがって、治療液の基本成分として用いられる塩としては、特に好適にはこれらの金属の塩である。というのは、特に、これらの金属陽イオンがもともと塩の形でのみ例えば水に溶けており、使用することができるからである。
これらの金属塩は、上記金属の適切な塩形成剤、例えば、硫黄、燐、窒素、フッ素、塩素、ヨウ素、臭素、炭化水素、酸素、ホウ素あるいは他の非金属、との化合物とすることができる。この場合、この塩形成剤は「陰イオンが大きければ大きいほど、電気伝導度は小さくなる」という原則と、基本的には高い電気伝導度が求められていることを考慮して適切に選ぶのが有利である。このために、陰イオンとしては、健康にもインプラント部周辺の組織にも影響を及ぼさない材料のみを選ぶのが好適である。さらに、不快な臭いや味の化合物が望ましくないことも考慮すべきである。これらの理由から、硫黄陰イオン、または、酸素または他の元素と結合した硫黄を含むイオンはむしろ不適切と看做される。このことは、フッ素イオン、窒素イオン、ホウ素イオンについても、場合によっては、他の元素と結合したこれらのイオンについても当てはまる。
それに対して、燐酸塩、燐酸塩イオンおよび燐酸水素塩イオンは大抵は全くあるいは殆ど有害作用を起こさない。塩素イオン、または、塩素含有イオンは大抵は抗細菌作用を有する。しかし、塩素イオンが電解的に酸化され、水中に元素として存在すると、塩酸と次亜塩素酸が形成される。これは陰極に発生する水酸化物と結合して中和されるが、実験の結果、インプラント部に対する対向電極(陽極)で発生する塩素はガスとして電解質から大量に逃げることが判った。この塩素を治療の際に完全に吸引することができなければ、肺、および/または、粘膜に強い腐食が起こる。この場合、これを使用することが、患者のためになるか、あるいは、患者をより危険に曝すかについて熟考すべきである。
アルミニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムまたはマグネシウムの燐酸塩についてはさらに、水への可溶性が小さいので、電解質の十分な電気伝導度が保証されないことに留意すべきである(尤も、これらの燐酸塩はpH値を緩和するための電解質の添加物としては非常に適している)。上に挙げた金属の塩化物は、水への十分な可溶性を有し、また、バイオフィルムに対する良好な洗浄作用と剥離作用を有するが、最適な物質と看做すことはできないであろう。硝酸塩、および/または、亜硝酸塩の場合には、NOXガス形成による患者の危険が予期される。この理由から、亜硝酸塩または硝酸塩の使用は思いとどまるべきである。
上述した設計目的を考慮し、特に、患者に対して特に支障を生じないために、有利な実施例では塩形成剤としてヨウ素が用いられる。この場合、特に有利なのは、カリウムとナトリウムのヨウ素塩が人体内においても生まれつき存在することである。陽極でヨウ素イオンが酸化すると、先ずヨウ素元素が発生し、これがヨウ化ナトリウム溶液/ヨウ化カリウム溶液に溶けることができる。この時、ヨウ素‐ヨウ化カリウム溶液ないしヨウ素‐ヨウ化ナトリウム溶液ができる。両方の溶液は、人間の医療で実証済みの強い消毒剤である。
しかし、純粋なヨウ化ナトリウム溶液またはヨウ化カリウム溶液、あるいは、両者の混合液の欠点として、水酸化ナトリウム、および/または、水酸化カリウムを形成し、その結果としてpH値が高くなるということがある。すなわち、上述した金属水酸化物の形成時には、全く一般的に、金属水酸化物が電解質のpH値を高めることが問題であるとされる。このように高められたpH値、および、形成される、溶解した金属水酸化物のアルカリ液または塩基が、患者の口内の周辺組織と特に骨に好ましくない影響を及ぼすであろう。周辺の歯も損傷を受けるであろう。さらに、水酸化物の形成により、その水溶性が非常に小さいので、この水酸化物が柱部22または一般的に治療を要する部品上に沈積し、その結果、それ以降の電気の流れとこれによるこのプロセスを全体的に阻害することが生じるであろう。万一、治療液にカルシウム塩を使用する場合には、生成される水酸化カルシウムが、これは骨物質の構成成分であるので、骨に一体化されることになろう;したがって、カルシウムは塩の特に好ましい成分である。前記の好ましくない影響を補償するために、この治療液は他の基本成分として、pH緩衝剤すなわちpH低下剤の形で、酸を有する。
この場合、この酸は、設計基準として、この酸ができるだけ患者またはインプラント部周辺組織に危険を与えず、一つには水酸化物を中和し(また、pH値を可能な限り7以上に高めない)、二つには生成物質がインプラント体の洗浄とバイオフィルムの剥離という本来の目的に資するように、的確に選ばれる。このために無機酸として好適には燐酸、および/または、フォスフェート酸が考慮の対象になる。これらの濃度は、健康を害する、および/または、骨および組織を害する理由から制限されるべきである。これに対して、無機酸とも看做され、殺菌と洗浄という全体目的に対して特に有効な効果を有する特に好適な酸は炭酸である。しかし、この使用可能な量は、水への可溶性が比較的小さいので、限定されている。
これに対して有機酸は、無機酸と同様にpH値を低減し、水酸化物を中和するH+イオンを供給する。さらに、これら有機酸は組織における損傷を全く、あるいは、ごく僅かしか起こさず、ないし、患者に全体として惹き起こさないので、この種の有機酸は治療液用の基本成分として特に好適である。有機酸としては、例えば、アルカン酸、フルーツ酸、カルボン酸およびヒドロキシカルボン酸がある。特に適した酸はα‐ヒドロキシカルボン酸であることが判った。特に、特に好適な酸である乳酸、クエン酸、およびリンゴ酸は患者に対して全体的に、あるいは、インプラント部周辺組織に対して健康を損なう作用を全く示さなかった。バイオフィルムが強く付着して汚染されており、歯石も形成されているインプラント部の場合には特に、比較的僅かな酢酸の添加だけで良好な洗浄効果が得られた。洗浄効果および細菌殺菌効果を有するが、健康上の理由から問題なしとはしない他の酸は、フマル酸、グルコン酸、グリコール酸、サリチル酸、マンデル酸、酒石酸、酢酸、シュウ酸および蟻酸であろう。
水酸化イオンOHを酸のこれに対応するH+イオンで中和する際に、これに対応して使用された金属水酸化物の酸の金属塩が付加的に生成する。すなわち、この酸の予定された使用は、pH値の緩和に有利なだけでなく、その上にさらに、比較的水に溶けにくい水酸化物を比較的水に溶け易い塩に変換するのに役立ち、その結果、治療を要する部分への、好ましくなく、且つ、当該プロセスを阻害する沈積を妨げる。上に挙げられた複数の塩は、特に前述の好適な諸材料を組合わせて、とりわけ、医療においても使用される。カリウム、ナトリウム、および/または、カルシウムの水酸化物を乳酸で中和する際に、(広範な抗微生物作用を有する)乳酸カリウム、乳酸ナトリウムないし乳酸カルシウムが生成される。これに対して、生成される水酸化物をクエン酸で中和すると、カリウム、ナトリウム、ないしカルシウムのクエン酸塩が生成される。これは特にクエン酸ナトリウムにとっては、これが血液凝固を妨げるので、特に好適である。このプロセスの間に出血しインプラント部の表面に凝固する血液がインプラント部表面へのイオン移動を阻害し、その結果、この治療プロセスの継続そのものを妨げることになるので、このことは、特に好適である。
これに対して、水酸化物をリンゴ酸で中和する場合には、それぞれの陽イオンのリンゴ酸塩が生成され、これらは同様にこのプロセスに対して有利な作用を有する。水酸化物を酢酸で中和する場合には、カリウム、ナトリウム、および/または、カルシウムの酢酸塩が生成され、これらは同様にこのプロセスに対して有利な作用を有する。
カリウム、ナトリウム、および/または、カルシウムの乳酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、および/または、酢酸塩はすべて、酸調節作用を有し、食料品添加物に対する現在のEU基準によれば、これらを使用しても量的規制を受けないほどに、体に差し障りがない。
電解質中に酸を、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、および/または、カルシウムのヨウ化物、および/または、塩化物と組み合わせて使用すると、この電解質の利用において驚くべきことに次の効果があることが判った。すなわち、H+イオンの直接的な還元により、泡の形成にプラスの影響が与えられ、それによりバイオフィルムが著しく速く、且つ、良好に剥離される、と言う事が判った。この場合、高い発生率で比較的小さい泡が多数発生し、これらの直径が比較的小さいので、バイオフィルムを全体として、局所的にだけでなく、その下の表面から剥離することができる。こうして、バイオフィルムは、多数のより小さな断片としてではなく、好ましいことに全体として、または、複数の比較的大きな繋がった塊りとして、除去され、このことは著しく改善された洗浄効果を惹き起こす。
金属陽イオンの代りにアンモニウム陽イオンを使用することもできる。しかし、この場合には、電解プロセスにおいて他のアンモニウム化合物(例えば、アンモニア)が形成される危険がある。これは患者に危険を与え、不快な味と匂いも生じる。
実験中に、バイオフィルムが部分的に非常に小さな複数の断片で、あるいは、より大きな繋がった複数の部分の形状で剥離されることが観察された。後者は、比較的大きな面積で非常に有利な洗浄効果が得られるので、好適である。調査の結果さらに、剥離されたバイオフィルム、および/または、その断片の搬出がインプラント部表面における泡の形成により有利に行われることが判った。特に殺菌と剥離を行う、上述した金属塩、酸および水からなる電解質を使用した後に、陰極領域において補足的に泡形成作用を有する第2の電解質を使用すると、有利であることが判った。この泡形成は、その電解質に、少なくなくとも3つのCH鎖、または、少なくなくとも1つのCH鎖と少なくなくとも1つの炭素環化合物、を有する物質を付加的に添加することにより得られる。この場合、例えば、油、および/または、クロルヘキシジンを使用することができる。さらに、好適には、Iイオン、Clイオン、および/または、OHイオンを有するイオン化された液体を使用することも可能である。イオン化された液体の有機陽イオン成分が場合によってはインプラント部表面で還元され、そこに留まるので、特に有利な実施例では、骨の成長要素をこの陽イオン成分に関連付けることが可能である。
塩化物とヨウ化物を適正な割合で混合すると、有害な塩素ガスの形成を防ぐことができる。
陽極で、
2J+5Cl+6HO→10HCl+2HIO
という反応が生じる。
これは、陽極で塩酸とヨウ素酸が生じることを意味する。これらは確実に強い抗微生物作用を有し、陰極で生じる水酸化物と出会って再び中和される。
研究室での実験で特に有利な洗浄特性を示した治療液の特に好適な成分は、ヨウ化ナトリウム(NaI)またはヨウ化カリウム(KI)の水溶液を含み、その混合割合は30mlの溶液中に少なくなくとも5g、好適には少なくなくとも10g、特に好適には少なくなくとも20gであり(すなわち、場合によってはCO2を豊富に含ませた水、HO)、乳酸を添加してpH値を約2.7から2.9の間に低下してある。
このプロセス実施に際しては、柱部22ないし治療を要する部分での平均電流密度が少なくなくとも50mA/cm、好ましくは少なくなくとも100mA/cm、特に好ましくは少なくなくとも250mA/cmとされるが、ここで、この電流密度は柱部22の外側表面積に基づく(すなわち、例えば、表面粗さや表面構造のような表面積を大きくする特性を考慮しないで)。バイオフィルム剥離のためには、平均電流密度が50mA/cmから300mA/cm、好適には100mA/cmから200mA/cmの範囲にあることが特に有利であることが判った。バイオフィルム搬出のためには、平均電流密度の範囲を好適には300mA/cmから5,000mA/cm、または、特に好適には1,000mA/cm、から2,000mA/cmに高めるべきである。
治療システム1と特にその制御ユニット18は、調和のとれた方法を実施するために、一方では治療液の供給が、他方では電流を流すことが、互いに協調して行われるように設計されている。このために、例えば、一方では接続ホース6または貯蔵容器8に付設された治療液の搬送ユニットを、他方では電気供給ユニット16を、制御ユニット18により協調して制御することができる。
1 治療システム
2 媒体カニューレ
4 出口開口
6 貯蔵容器
10 導体要素
12 端部
14 接触尖端部
16 供給ユニット
18 制御ユニット
19 ケーブル
20 セラミック体
22 柱部
24 歯インプラント
26 アバットメント(上部構造部)
28 結合ボルト
30 義歯
32 外側ねじ
34 空間領域
36 顎骨
40 表面領域
42 層
44 インプラント肩部

Claims (10)

  1. 骨インプラント、特に歯インプラント(24)で使用するためのセラミック体(20)であって、人体組織との接触のために設けられた表面領域(40)において最大で10−2Ωcmの比電気抵抗を有するセラミック体(20)。
  2. 人体組織との接触のために設けられた前記表面領域(40)において最大で10−4Ωcm、好適には最大で10−5Ωcmの比電気抵抗を有する請求項1に記載のセラミック体(20)。
  3. 人体組織との接触のために設けられた前記表面領域(40)において導電性の被覆層(42)が設けられている請求項1または2に記載のセラミック体(20)。
  4. 前記被覆層(42)が金属、導電性プラスチックおよび/または導電性炭素で形成されている請求項3に記載のセラミック体(20)。
  5. 前記被覆層(42)が、ドープされたセラミック、好適には、酸化インジウムおよび/またはインジウム錫オキサイド、酸化亜鉛、窒化珪素、MoSi、Si−MoSi−SiC、ZrO/CaO、Al/TiN、BaTiO、珪素化合物、窒化物、チタン含有セラミックおよび/またはチタン酸塩で形成されている請求項3または4に記載のセラミック体(20)。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミック体(20)として作られた基体を有する骨インプラント。
  7. 顎骨(36)に挿入可能な柱部(22)と前記柱部に付設されるアバットメント(26)とを備えた歯インプラント(24)であって、前記柱部(22)が請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミック体(20)として作られた歯インプラント(24)。
  8. 前記柱部(22)が、人体組織との接触のために設けられた前記表面領域(40)において導電性の被覆層を有し、前記導電性の被覆層がインプラント肩部(44)において他の表面よりも大きい層厚を有している請求項7に記載の歯インプラント(24)。
  9. 前記柱部(22)が、酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンをベースにしたセラミック体(20)として作られている請求項7または8に記載の歯インプラント(24)。
  10. 人体組織との接触のために設けられた前記表面領域(40)が少なくとも1つの部分領域において、複数のナノスケールの孔を有する構造、または、ナノスケールで作られた他の構造を備えており、これが、内側部に比べて少ない酸化イットリウムないし酸化アルミニウム成分を有する、酸化イットリウムおよび/または酸化アルミニウムで安定化された酸化ジルコンをベースにした空乏ゾーンを有する請求項9に記載の歯インプラント(24)。
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