JP2016508565A - シリンダ潤滑のための方法および装置 - Google Patents

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Abstract

酸を生じさせる燃料を燃焼させる内燃機関のシリンダ(1)の潤滑であって、当該潤滑の際に、異なる中和能を有する複数の潤滑剤が用いられる潤滑において、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を超えない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤と、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求より小さくない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤とが用いられ、用いられる潤滑剤は個々に計量されて、配合が行われるシリンダの内側に供給されることにより、潤滑と酸の中和が最適化され、それにより高度な動作安全性と経済性が得られる。

Description

本発明は、酸を生じさせる燃料を燃焼させるピストン型式の内燃機関における、シリンダ潤滑のための方法および装置に関しており、異なる中和能を有する複数の潤滑剤が用いられ、当該潤滑剤はそれぞれ必要とされる中和および潤滑の要求に応じた比率で互いに配合される。
以下において「シリンダ」および「シリンダライナ」という概念は代替的に用いられ、両者が一般的に、上下移動するピストンのための少なくとも一つのシリンダボアを有し、それにより配設されている燃焼室の容積を画定する部材を表すように理解されるべきであり、この点も請求項の保護範囲によって意図されている。シリンダまたはシリンダハウジングの滑り面を潤滑する、意図される型式は、概ね大型エンジンにおいて見出され、当該大型エンジンは多くの場合、クロスヘッド型式であって、シリンダ/ピストン領域に対する潤滑環境と、多くの場合、より重要な意味を持つ型式の、可能な潤滑環境(例えばクランク軸におけるベアリングを潤滑するための潤滑環境)とを離しておくための可能性を有している。エンジンのシリンダは多くの場合、平行かつ垂直なシリンダ軸を有して一列に設けられている。しかしながら、あらゆるシリンダ軸配置と、エンジンの場合によってはより多くのシリンダ軸同士のあらゆる相対的な配置が同様に含まれていることを理解すべきである。
ピストン式内燃機関のシリンダライナと当該シリンダライナ内で移動されるピストンとの間の滑り面の潤滑により、複数の目的が追及される。一つには潤滑剤によって潤滑フィルムが形成されるべきであり、それにより両方の側の滑り面の基礎となっている材料が直接的に接触することを回避する。この場合、他の材料の組み合わせにおいても直接的な接触を避けることは重要であるが、通常は、金属に金属が直接的に接触することを回避する。他方で潤滑剤は、燃焼の際、特に硫黄含有量の大きい重油の燃焼の際に発生する酸生成物が中和されることにより、滑り面に対する酸攻撃を防止すべきである。潤滑剤の中和能は通常、塩基価(mgKOH/g)で記載される。
シリンダ潤滑のために特定の塩基価を有する潤滑剤を用い、シリンダに供給される潤滑剤の量を、使用される燃料の硫黄含有量に応じて増大または低減させることが、すでに提案されている(特許文献1)。しかしながら硫黄含有量が非常に大きい、あるいは非常に小さい場合、当該潤滑剤には限界が設けられている。供給される潤滑剤を一定の量を超えて増大させることと、同様に一定の量を下回るように潤滑剤を制限することは、エンジンの損傷につながるであろう。潤滑剤の過剰は、経験的にいわゆるポリシングを生じさせ得る。その結果、潤滑すべき表面に対する潤滑剤の付着が不足し、それにより、摩耗の増大につながる、両方の側の滑り面の基礎となる材料の直接的な接触が生じる。これは例えば特許文献1の基礎となる構成において生じる。当該構成では金属に金属が直接的に接触するためである。しかしながら供給量を制限することにより、全ての酸が中和されないという点は受け入れざるを得ない。一定の最小値を下回って減少させることは一方で、潤滑剤不足と、それに応じて潤滑フィルムの破裂を生じさせ、それにより上記と同じ不利点を招く。しかしながら、供給される量の低減を一定の最小値までのみに限定すると、中和能があまりに多くあり過ぎ、使用されずに失われる。中和能は比較的高価な添加物を添加することに基づいているので、その点で効率が悪い。
異なる中和能を有する潤滑油を用意し、当該潤滑油を燃料の硫黄含有量に応じた混合比で混合し、混合物をシリンダに供給し、その際供給される量は変えられないことも、すでに提案されている(特許文献2、1991年8月23日公開)。一定の潤滑油に対して、燃料の硫黄含有量に応じて、中和能を多少増大させる添加物を添加することもすでに提案されている(特許文献3、1989年2月13日公開)。当該文献の場合も、シリンダに供給される量は変えられない。二つの場合において、シリンダには完成された混合物が供給される。混合はそれ以前に行われる。しかしながらこれは、混合比を望むように変化させる場合、無駄時間が多すぎる結果につながる。二つの場合において、変化されるのは混合比のみであり、シリンダに供給される全体量は変化されないので、二つの場合においても潤滑油過剰または潤滑油不足になり得る。
独国特許出願公開第10112691号明細書 特開平03−1941109号公報 特開平01−041619号公報
上記の点に鑑み、本発明は冒頭で言及した種類の方法および装置を、簡単かつ廉価な手段によって改良し、それにより想定可能な全ての適用事例に対して潤滑挙動および中和能を最適化し、それにより最大限の経済性と同時に高度な動作安全性が得られることを課題とする。
上記の課題は本発明により、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を超えない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤と、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求より小さくない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤とが用いられ、用いられる潤滑剤は個々に計量されてシリンダの内部、好ましくは配合が行われるシリンダ内側に供給されることにより、解決される。
上記の対策により、既知の提案の不利点は完全に回避される。本発明により、酸の蓄積に関して上方と下方の極限的な適用状況に適合された極限潤滑剤を使用すること、および当該極限潤滑剤を個々に計量することにより、潤滑剤過剰および潤滑剤不足は決して生じ得ないが、蓄積する酸は常に完全に中和され得ることが確保される。二つの潤滑剤の配合はシリンダ内部で初めて行われるので、所望の混合比を変化させる場合、好適に無駄時間も非常に短い。個々に計量することはまた好適な方法で、シリンダ内部で場所によって異なる要求に対して、潤滑を適合させることを可能にする。
上位の対策の有利な構成と、目的に適ったさらなる構成は従属請求項に記載されている。
シリンダ内側に、上記の極限潤滑剤のほかに、他の有用な特性を有する少なくとも一つのさらなる材料が供給され得ると、有利であることが判明し得る。これは潤滑も超えて、滑り面の有利な調整を可能にする。従ってこのような方法で、例えば硫黄の乏しい燃料または硫黄を含まない燃料を燃焼させる際、ある程度の酸の吸収によって、平滑すぎる表面という危険に対抗することができるであろう。さらなる材料は、概ね他の粘度を有する、塩基価インターバルを考慮する潤滑油であってもよい。これにより中和能を調整することに加えて、必要とされる実際の粘度を調整することも実現され得る。
シリンダ内部で、供給された材料の所望の配合は、異なる方法で行われ得る。特に簡単な可能性は、用いられる材料が重力の作用に基づいて下方に流出する場合、当該材料が互いに積み重なり、湿し合うように供給されることである。
他の可能性は、用いられる材料がシリンダに対して、供給箇所を通過する少なくとも一つの機械的器官および/または空気圧による圧力衝撃を用いたならしが行われるように供給されることである。上記の機械的器官は、例えばピストンリングやスクレーパリングのような、供給箇所を通過するとともにピストン側に設けられた滑り要素であってもよく、当該滑り要素は対応するピストンの上下ストロークごとに供給される材料の平滑化と混合を行う。
さらなる可能性は、用いられる材料が、供給箇所において重なり合う噴射流および/または噴射円錐が生じるように供給されることである。当然ながら、上記の種類の可能性のうちの複数、または全てを同時に用いてもよい。
さらなる好適な構成によれば、個々の材料が独自の供給箇所を介して供給されることが行われる。これは異なる材料を個々に計量することと共に、個々の事例の必要性に対する特に容易に適応を可能にする。
さらなる好適な対策は、異なる材料の供給が、個々のシリンダ、または統合されるシリンダの個々のグループに対して、別箇に制御されることであり得る。これは有利な方法で、例えばエンジンの単独または複数のシリンダが低減された出力で作動されるか、あるいは周期的にアイドリングするとき、エンジン全体のシリンダ潤滑を最適化することにつながる。
簡単な構成上の対策は、シリンダ壁内に円周にわたって配分された、用いられる材料に対応した潤滑ノズルが設けられており、このとき異なる材料に対して設けられている潤滑ノズルが異なる高さに配分されていることであり得る。当該対策は、重力の作用による上記の配合および/またはシリンダ滑り面に沿って通過する要素による混合を生じさせる。このとき好適に、上下に配置されるともに、異なる潤滑材料に対して設けられ、シリンダ周面にわたって延在する、潤滑ノズルの少なくとも二つの列が設けられていてよい。
他の好適な対策は、潤滑ノズルが局所的な特殊性に適合された配分パターンに従って設けられ、および/または作動可能なことであり得る。これにより、例えば水平シリンダ軸に対して側方におけるピストン圧縮が増大すること、および/または酸の蓄積が局所的に増大されるなどの特別な局所的状況に対して、特に簡単に配慮がなされる。
さらなる有利な構成によれば、潤滑ノズルが少なくとも部分的に、少なくとも二つの異なる材料に対して設けられた入口と、当該入口に対して設けられたノズル開口部とを有する複式ノズルとして形成されていることが行われてよい。このような潤滑ノズルにより、対応するシリンダに対して有利な方法で、異なる潤滑剤やその他の成分が同時に供給され得、これは所望の潤滑剤配合の形成を特に促進するだけでなく、他の有用な成分を同時に供給することも可能にする。好適にノズル開口部は少なくとも部分的に、異なって供給される材料によって形成される噴流または噴射円錐が、互いに衝突もしくは重なるように向けられ得る。多くの場合、意図される目的に対して、利用可能な標準ノズルが選択され得る。
シリンダに対して、個々に計量された異なる潤滑剤と、場合によりその他の成分とを、共通の潤滑ノズルによって供給可能であることのさらなる可能性は、潤滑ノズルのうちの一つに対して設けられた供給導管において作られる流体柱が、潤滑剤とその他の成分という形での、使用される異なる材料から成る一連の部分から形成され、当該部分の容積は既存の中和および潤滑の要求および/またはその他の要求に応じて算定されていることであり得る。この場合、個々の潤滑箇所において流体柱の異なる部分が次々と流出し、異なる潤滑箇所に通じる供給導管の異なる長さおよび/または直径により、異なる潤滑箇所において同時に流出する流体の種類に関して、ある程度の変化が実現され得、これは特に集中的な混合を生じさせ得る。しかしながら異なる流体柱を好適に構成することにより、等しい長さおよび/または等しい容積の供給導管においてもこのような結果を得ることも想定可能であろう。
さらなる有利な構成と、上位の対策の目的に適ったさらなる構成は残りの従属請求項に記載されており、図面と関連して以下の実施の形態の説明により詳しく記載されている。
以下に説明される図面が示すのは以下の通りである。
異なる潤滑剤に対する上下に配置された二つの潤滑ノズル列を有するピストン式内燃機関のシリンダの断面を概略的に示す図である。 比較的大きなフィールドに配分され、特定のパターンに応じて設けられた潤滑ノズルを有するシリンダ表面を展開して示す図である。 複式ノズルを概略的に示す図である。 図3に対するオプションを示す図である。 個々の潤滑ノズルに通じる供給導管内部の、異なる潤滑剤から成る一連の部分によって形成された潤滑剤柱を備える例を示す図である。
本発明の主な応用分野は、クロスヘッドを有する大型内燃機関、特にユニフロー掃気を備える2ストローク大型ディーゼルエンジンであって、当該エンジンは重油で作動されることが多い。重油は比較的多くの硫黄を含有し得、これは燃焼の際、硫酸などを形成する結果となり得る。これらの酸はピストンおよび/またはシリンダライナの滑り面を攻撃し得、従ってこのような攻撃を回避するために中和されなければならない。
2ストローク大型ディーゼルエンジンのような、ユニフロー掃気を備える型式の大型エンジンの構造および作用はそれ自体知られているので、以下において本発明の理解のために必要である限りにおいてのみ、説明される。
図1は、このようなエンジンのシリンダ1を示している。当該エンジンには、通常は複数のこのような、好ましくは列をなして設けられたシリンダ1が備えられている。個々のシリンダ1には、本図では詳しく表示されていない、対応するピストンが設けられており、当該ピストンは燃焼室2の可動式の画定部を形成している。シリンダ1と、当該シリンダ内で移動されるピストンの滑り面は潤滑される。そのためにシリンダ壁内に取り付けられた、潤滑剤を供給可能な潤滑ノズル3が設けられており、当該潤滑ノズルは図1において概略的にのみ示されている。潤滑ノズル3は、逆止弁を備えるとともに圧力下で開放されるノズルであってよい。そうでなければ潤滑ノズルは多くの場合、目的に適っている既知の型式であってよい。潤滑ノズル3から排出される潤滑剤をシリンダ内側の円周および高さに配分することは通常、ピストンのスクレーパリングおよび/またはピストンリングのような潤滑ノズル3を通過する器官によって、あるいは排ガスまたは給気によって生じさせられる圧力衝撃などによって行われる。
潤滑により、通常は二つの目的が追求される。一つは、シリンダ1とピストンの相互の滑り面に支持的な潤滑フィルムが形成されるべきであり、それにより相互の滑り面の基礎となる材料の直接的な接触を、例えば金属から成る滑り面では金属対金属の直接的な接触を防止する。さらに、燃焼の際に発生する酸生成物は中和されるべきである。用いられる燃料のS含有量(硫黄含有量)に応じて、多少の硫酸が発生し、従って潤滑剤の多少の中和能が必要とされる。潤滑剤の中和能は通常、好適な添加剤を添加することによって得られる。しかしながら添加剤は極めて高価であり、そのためにできる限り節約して用いられるべきである。一方で潤滑剤は多すぎても少なすぎても有害である。潤滑剤の過剰は、滑り面のいわゆるポリシングを生じさせ、それにより潤滑剤に対する滑り面の親和性の低下につながり得、潤滑剤の不足は潤滑フィルムの破裂につながり得る。どちらも望ましくない。
コストに関しても、潤滑効果および中和に関しても最適化を実現するために、シリンダ潤滑を行うにあたって、異なる中和特性を有する複数の潤滑剤が用いられる。このとき少なくとも一つの潤滑剤であって、当該潤滑剤の中和能は想定可能ないかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を超えない潤滑剤と、少なくとも一つのさらなる潤滑剤であって、当該さらなる潤滑剤の中和能は想定可能ないかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を下回らない潤滑剤とが設けられる。用いられる潤滑剤は個々に計量され、シリンダ内側に供給され、シリンダ内側においてその後、混合、すなわち配合が行われる。従ってこれらの対策に基づいて、潤滑剤不足は決して起こらず、潤滑剤過剰は決して起こらない。個々の計量は必要とされる中和および潤滑の要求に応じて行われるので、常に蓄積する酸の全てを中和するために十分な中和能が提供され、しかしながらそれ以上の中和能は提供されず、それにより、中和能を増大させる添加剤の浪費は回避される。
図1の基礎となる例では、二つの潤滑剤A,Bが用いられており、当該潤滑剤のそれぞれは、上記の極限特性の一つを有している。個々の潤滑剤A,Bに対して独自のタンク4もしくは5が備蓄容器として設けられている。シリンダ壁内に設けられるとともに、円周にわたって配分されている潤滑ノズル3は部分的に一方の潤滑剤Aに対して設けられ、部分的に他方の潤滑剤Bに対して設けられている。これに応じて個々の潤滑剤A,Bに対して独自の潤滑ノズル3が配設されている。当然ながら二つより多い潤滑剤が用いられてもよい。しかしながら、常に上記の極限特性を有する少なくとも二つの潤滑剤がなくてはならない。
シリンダ壁内に設けられている潤滑ノズル3は部分的に異なる高さに設けられている。図に示す例では、上下に配置された二列の潤滑ノズル3が備えられ、上の列は潤滑剤Aに対して配設され、下の列は潤滑剤Bに対して配設されているべきである。当然ながら、潤滑ノズルのパターンは、上下に配置された二列によるもの以外で設けられていてもよい。潤滑ノズル3から出る潤滑剤は、重力により下方に流出し、上方の潤滑ノズル3から出る潤滑剤Aは、下方の潤滑ノズル3から出る潤滑剤Bに重なるとともに濡らし得、それはすでに混合、すなわち所望の配合を生じさせる。当該混合はシリンダ壁部に対して移動されるピストンによって支援され、当該ピストンには潤滑ノズル3を通過するスクレーパリングもしくはピストンリングが設けられている。同様に、排ガスおよび/または給気によって及ぼされる圧力衝撃による空気圧の影響もあり得る。
潤滑剤A,Bはそれぞれ必要とされる中和および潤滑の要求に応じて、個々に量に応じて測定され、そのような状態で対応する潤滑ノズル3に供給され、当該潤滑ノズルを介してシリンダ1に導入される。そのために異なる装置が応用可能である。
図1によって表示される例では、潤滑剤Aに対してポンプ6と、当該ポンプによって供給が行われる、実際にコモンレールを形成する圧力導管7が設けられており、当該圧力導管から、潤滑剤Aに対して配設されている個々の潤滑ノズル3に通じる供給導管8が分岐している。ポンプ6は本図において圧力ポンプとして形成されており、当該圧力ポンプの入口に潤滑剤Aが重力の作用によって蓄積する。従って対応するタンク4は、好適にポンプ6よりも高く設けられている。潤滑剤Aに対して設けられている潤滑ノズル3を作動化もしくは非作動化するために弁装置が設けられており、当該弁装置を用いて供給導管8は圧力導管7と結合可能であり、逆の結合も可能である。図に示す例において弁装置は、圧力導管7の出口に設けられた切り替え弁9を含んでいる。当然ながら個々の供給導管8に、独自の切り替え弁を配設することも想定可能であり、これは異なる開放時間および/またはサイクル時間を可能にするであろう。単独の切り替え弁9もしくは複数の切り替え弁の開放時間は、潤滑ノズル3にそれぞれ対応する潤滑剤量を決定する。従って本図において切り替え弁9の形の弁装置は、対応する制御導線10によって示されているように制御され、当該制御導線は制御装置11から出ており、当該制御装置については以下においてより詳しく説明する。実際に選択された導管7,8および弁9のレイアウトから生じる要求に応じて、当業者に一般的に知られているように、ポンプ6は下流において例えばアキュムレータ、圧力制御式の圧力逃がし弁、または他の圧力安定化機構およびそのために必要な制御手段(図示せず)を有し得る。
図1において、潤滑剤Bに基づいて潤滑剤供給装置の他の例が示されている。このとき単独のポンプまたは複数のポンプの構造体が用いられてよい。図に示す例では多室型定量ポンプ12が設けられており、当該ポンプの室13はそれぞれ供給導管8を介して、それぞれ対応する潤滑剤Bのための潤滑ノズル3に結合されている。他の種類のポンプも当然ながら想定可能である。図に示す例では多室型定量ポンプ12の形式である作用ポンプに対して、供給ポンプ14が前置されていてよく、当該供給ポンプは図に示す例において、吸引および圧力ポンプとして形成されており、従って吸引側で潤滑剤Bに対して配設されているタンク5に接続され、圧力側で多室型定量ポンプ12の入口に接続されている。複式定量ポンプ12はストロークごとに一定の潤滑剤量しか受容し得ない。それに応じてポンプ14にはまた、戻し導管15が配設されており、当該戻し導管を介して過剰な送出量がタンク5に戻される。代替的にポンプ14は自動制御型式であってよく、それにより、要求されるポンプ12への流れとは関係なく、ポンプ12に対する圧力を保持する。図に示す実施の形態において、複式定量ポンプ12の室13の容積は等しい。従って複式定量ポンプ12のストロークごとに、対応する潤滑ノズル3には同一の潤滑剤量が供給される。室13の大きさが異なっているとともに個々に調整可能であることも考えられるであろう。これにより局所的に異なる要求に配慮がなされ得る。
駆動装置を用いて駆動可能な、例えば複式定量ポンプ12の形式であるポンプ構造体のストローク頻度は、複式定量ポンプ12の駆動部に配設されているとともに図に示す例では同様に制御装置11から出ている制御導線16によって示されているように、切り替え弁9の切り換え頻度と同様に制御可能である。制御装置11は潤滑剤Aと潤滑剤Bのそれぞれ供給される量を、個々の中和および潤滑の要求に応じて制御し、それにより個々の事例において十分な中和剤が提供され、しかしながらそれ以上の中和剤は提供されず、同時に十分に潤滑が行われ、しかしながら潤滑剤の過剰は生じない。このために制御装置11は、少なくとも一つの作動パラメータのための入力部17によって示されているように、対応する作動パラメータを処理する。制御装置11はエンジン全体のための中央制御装置であってよく、当該中央制御装置によって個々のシリンダまたは個々のシリンダグループに対応する潤滑剤供給は、図1においてさらなるシリンダに通じる付加的な制御導線10aもしくは16aによって示されているように、個々に制御される。しかしながら個々のシリンダ、または個々のシリンダグループに、独自の制御装置を配設することも想定可能であろう。
図1において説明される、切り換え弁9もしくは定量ポンプ12を備える計量装置は、単に例示的なものである。用いられる潤滑剤の数についても同じことが当てはまる。すでに述べたように、二つより多い潤滑剤または所望の特性を有するその他の材料が用いられるのは当然であるが、少なくとも二つの潤滑剤は上記の極限特性を有するべきである。同様に全ての潤滑剤を計量するために、切り換え弁または定量ポンプの形式の同じ計量装置を設けることも、もちろん想定可能であろう。
図1では例として上下に配置された二列の潤滑ノズル3が備えられている。しかしながら比較的大きなフィールド内に複数の潤滑ノズル列を設けることも想定可能であろう。図2はこのような例に基づいている。このとき参照符号18は、シリンダ1の内部でピストン19の上側によって走査されるフィールドを表している。フィールド18の領域には複数の潤滑ノズル3が設けられており、当該潤滑ノズルは一定の配分パターンに応じて設けられている、および/または作動され得る。このとき上下に配置された複数列の潤滑ノズル3が備えられていてよく、図2においてLおよびNによって明らかにされているように、同一列の潤滑ノズルにはそれぞれ、一つの潤滑剤の種類のみ、あるいは複数の潤滑材の種類が供給され得る。このとき局所的に異なる潤滑もしくは中和の要求に対して、個々の潤滑剤に対応して設けられた潤滑ノズル3を相応に配分すること、および/または作動させることによって、配慮がなされる。同じことは構成上の状況、例えば側方におけるピストン圧縮の増大、あるいは燃料噴射の特定の位置に起因する酸生成の局所的な増大についても当てはまる。
図2に明示される対策と、図1に関連して言及された、供給導管8に配設された制御弁の制御時間の変化に関する対策、および/または複式定量ポンプ12の室13の大きさの変化に関する対策とを組み合わせることも当然ながら想定可能であろう。比較的大きな潤滑ノズルフィールドから選択された潤滑ノズル3を選択的に作動させることは、選択された潤滑ノズル3のみに選択された潤滑剤などが供給されることにより、簡単に行われ得る。
潤滑ノズル3は、逆止弁が備えられるとともに圧力下で開放される簡単な圧力ノズルであってよい。噴射ノズルおよび/または送風ノズルとして形成することも当然ながら想定可能であろう。逆止弁は潤滑ノズル3に通じる供給導管8内の他のところに設けられていてもよく、あるいはポンプ/弁機構(13,9)が、シリンダ容積に基づく圧力供給に対抗する好適な能力を有する場合、逆止弁を省略することもできる。同様に、潤滑ノズル3に単独の潤滑剤、または複数の潤滑剤を供給することが想定可能である。複数の潤滑剤を供給可能であり、それに応じて複式ノズル20として形成されたこのような潤滑ノズルが、図3の基礎となっている。複式ノズル20は複数の、図に示される例では二つの入口21,22を、異なる潤滑剤、本図では二つの潤滑剤AおよびBに対して有している。同様に複式ノズル20は、異なる潤滑剤に対応する複数の、図に示される例では潤滑剤AおよびBに対応する二つの噴射ヘッド23,24を有している。当該噴射ヘッドは放出される噴射流25,26が互いに当たるように調整されていてよく、それにより潤滑剤AおよびBの所望の配合が処理もしくは促進される。図に示される例において、噴射ヘッド23,24は互いにぶつかり合う噴射流を生じさせる。しかしながら互いに重なり合う噴射円錐を生じさせ、そのようにして所望の配合を処理もしくは促進することも想定可能であろう。
図4に示す例もまた、複式ノズル20に基づくものである。このとき噴射ヘッドは、互いに隣接する複式ノズル20の、異なる潤滑剤A,Bによって形成される流れ25,26が、当該複式ノズルの間の領域内で互いにぶつかり合い、そのようにして所望の配合を生じさせ、もしくは促進するように調整されている。
図5は、複数の材料、本図では参照符号A,B,Cで示す、潤滑剤および/または所望の特性を有する他の材料であり得る複数の材料の所望の配合を、それぞれ一つのみの潤滑ノズルを用いて生じさせる他の可能性を示している。本図においてもシリンダ壁内に設けられた複数の潤滑ノズル3が備えられ、当該潤滑ノズルは上下に配置されるか、並べて設けられるか、あるいは所定の配分パターンに応じて設けられていてよい。個々の潤滑ノズル3に対して、供給導管27が設けられている。本図において個々の潤滑ノズル3には、用いられる全ての材料、すなわち図に示す例では材料A,B,Cが供給される。そのために、供給導管27のそれぞれにおいて作られる、対応する潤滑ノズル3において列をつくる液体柱は、異なる材料から成る柱部分28の連続として形成され、当該柱部分は図5においてそれぞれ対応する材料AもしくはBもしくはCによって表されている。
個々の材料A,B,Cに対応する柱部分28の長さは、個々の要求、特に個々の潤滑の要求および/または中和の要求に応じて決定される。そのために複数の、図に示す例では全ての供給導管27に対して、共通の定量ポンプ29が設けられており、当該定量ポンプには用いられる材料A,B,Cが供給可能であり、それに応じて当該定量ポンプは、それぞれ対応する供給ポンプ31を備える、用いられる材料A,B,Cのそれぞれ一つに対して設けられている、用いられる材料A,B,Cに相当する数の入口30を有している。定量ポンプ29はさらに、接続されている供給導管27の数に相当する数の出口32を有している。このように定量ポンプ29の機能は、ストロークごとにそれぞれ他の入口30が作動化され、それにより上記の、異なる材料A,B,Cに対応する柱部分28の連続が形成されることである。
図5から認められるように、容積、すなわち供給導管27の直径が等しい場合は個々の柱部分28の長さは、異なっていてよく、それは異なるストローク長さによって、あるいは定量ポンプ29の加算されたユニット計量の総計を変化させることによって達成される。このとき定量ポンプ29は、図1に示す例における多室型定量ポンプ12であって参照される定量ポンプと同様に構成されるとともに制御されていてよい。相違点は、代替的に作動可能な複数の入口30が設けられていることのみである。
定量ポンプ29の個々のストロークごとに、潤滑ノズル3においては、定量ポンプ29から供給導管27内に送られるのと全く同じ容積の潤滑剤が放出される。全ての供給導管27が等しい、すなわち同じ容量を有している限り、対応する潤滑ノズル3にはそれぞれ同一の材料種類が列をつくり、これはその後、潤滑ノズル3から流出する媒体についても当てはまる。このとき、部分28の長さおよび定量ポンプ29の該当するストロークの長さに応じて、それぞれ一つの柱部分28の内容であるか、あるいは複数の柱部分28の全ての、または部分的な内容であり得る。すでにこれにより、シリンダ壁全体に対して平均して、個々に導入される異なる材料の配合が供給される可能性が極めて高い。供給導管27が異なる長さであるか、異なる直径を有しているとき、すなわち、異なる容量を有しているとき、これはさらに強められ、それにより個々の潤滑ノズル3において、それぞれ異なる潤滑剤が列をつくり、定量ポンプ29のストロークごとに排出される。従って高度な変動性が可能である。
特に高度な安全性を確保するために、潤滑剤供給装置の少なくとも一つの要素は、例えば図1においてタンク5の領域内に示されているマーキング33を有し得、当該マーキングから、取り付け日、整備、寿命などのパラメータによる装置の分類が読み取れる。好適にこのようなマーキング33は、非接触式に読み取り可能なRFIDチップとして形成されていてよく、構成は好適に、読み取りが外部から可能であるように選択されている。エンジン全体に対して共通のマーキング33を設けるか、あるいは個々のシリンダ、または個々のシリンダグループに対応して独自のマーキングを設けることが想定可能である。
本発明は図示および説明された実施の形態に限定されるものではない。
シリンダ内側にはこのように潤滑剤のほかにさらに、他の有益な特性を有する一つまたは複数のさらなる材料が供給され得る。例えば極限潤滑剤を形成する二つの液体のほかに、さらに少なくとも一つの第三の液体が供給され得、当該第三の液体は実際、エンジンに対するある種の薬剤を形成し、例えばいわゆるフレッティングの開始の危険などの問題が確認されたシリンダ壁の箇所に供給され得る。このような場合、特殊な潤滑剤または他の補助液が、選択された数のノズルを介して、所望の供給パターンに応じて、すなわち所望の局所的な配分で、該当する箇所に供給され得る。いわゆるポリシングの危険がある、あるいは間もなくポリシングが生じるという場合、滑り面に供給されるさらなる液体は酸であると有利であり得、それによりある程度の腐食が生じ、それは滑り面を粗らすこと、およびそれとともに潤滑剤の固着を改善することにつながる。同様にノズルのうちの一つまたはいくつかを用いて、他の液体もしくは液状成分を作動中に時折のみ導入することも想定可能であろう。
いくつかの大型エンジンでは、使用されたシリンダオイルの算出された過剰が捕捉される。このような使用されたシリンダオイルの比較的大きな部分あるいは比較的小さな部分は、例えば平均的な品質を有するC成分として、必要なクリーニングまたはフィルタリングの後に、かつ、個々のA,B,Cの計量を正しく算出するために特性を吟味した後に、好適に再び単独のシリンダまたは複数のシリンダに環流され得る。
さらに言及すべきであるが、添付された請求項の保護範囲内にあるシステムは、単独のシリンダ潤滑成分によっても作動され得、これは付加的な中和能などが必要でない場合であり、例えば、本発明に係るシステムを有する大型エンジンが実際にガスまたは他の硫黄を含まない燃料で作動される場合であり得る。また、複数のシリンダを有するエンジンにおいては、単独または複数のシリンダをアイドリングさせる、すなわち燃料の供給を行わないことが望ましいことがあり得る。これは例えば、放出される出力を低減させたり、海上での危機的な状況の間の故障を回避するために望まれ得る。この場合、シリンダには潤滑のみを行う第三の成分が、好適に導入または還流され得る。
同様に、作動するノズルの配分、すなわち供給すべき液体の一つまたは複数に関する供給パターンを、エンジンの作動中に変化させ、変化する要求に適合させ、それにより該当するシリンダの適正な機能を保証することも当然ながら想定可能である。このような状況は、例えば燃料の種類が、例えば天然ガスから石油に、あるいはその逆に変更されるときに生じる。
1 シリンダ
2 燃焼室
3 潤滑ノズル
4 タンク
5 タンク
6 ポンプ
7 圧力導管
8 供給導管
9 切り替え弁
10 制御導線
10a 制御導線
11 制御装置
12 多室型定量ポンプ
13 室
14 ポンプ
15 戻し導管
16 制御導線
16a 制御導線
17 入力部
18 フィールド
19 ピストン
20 複式ノズル
21 入口
22 入口
23 噴射ヘッド
24 噴射ヘッド
25 噴射流
26 噴射流
27 供給導管
28 柱部分
29 定量ポンプ
30 入口
31 供給ポンプ
32 出口
A 潤滑剤
B 潤滑剤
C 潤滑剤

Claims (32)

  1. 酸を生じさせる燃料を燃焼させる内燃機関における、シリンダ潤滑のための方法であって、異なる中和能を有する複数の潤滑剤が用いられ、前記潤滑剤はそれぞれ必要とされる中和および潤滑の要求に応じた比率で互いに配合される方法において、
    想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を超えない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤と、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求より小さくない中和能を有する少なくとも一つの潤滑剤とが用いられ、前記用いられる潤滑剤は個々に計量されて、配合が行われるシリンダの内側に供給されることを特徴とする方法。
  2. 前記シリンダの内側に、極限潤滑剤のほかに、他の有用な特性を有する少なくとも一つのさらなる材料が供給されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記シリンダの内側に液体の状態で供給される材料の配合は少なくとも、重力の作用に基づいて下方に流出する前記材料が互いに積み重なり、湿し合うように行われることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記シリンダの内側に供給される流体の配合は少なくとも部分的に、供給箇所を通過する少なくとも一つの機械的器官および/または空気圧による圧力衝撃を用いたならしによって行われることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記シリンダの内側に供給される材料の前記配合は少なくとも部分的に、供給箇所において作り出される噴射円錐および/または噴射流(23,24)の重なり合いによって行われることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記シリンダの内側への材料の前記供給は、前記シリンダの円周にわたって配分された複数の潤滑箇所において行われることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 作動化される前記潤滑箇所の配分の密度は、前記要求に適合されていることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 前記シリンダの内側に供給される個々の材料は、独自の潤滑箇所を介して供給されることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 異なる材料の前記供給が、個々のシリンダ(1)、または個々のシリンダグループに対して、別箇に制御されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記異なる材料は独自のタンク(4もしくは5)に備蓄され、前記タンクから取り出され、その後対応する潤滑箇所に供給されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 酸を生じさせる燃料を燃焼させる内燃機関における、シリンダ潤滑のための装置であり、特に請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するための装置であって、少なくとも二つの潤滑剤を提供するための手段を備え、前記潤滑剤のうち少なくとも一つの潤滑剤は、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求を超えない中和能を有し、少なくとも一つの潤滑剤は、想定されるいかなる適用事例においても必要とされる中和の要求より小さくない中和能を有し、中和および潤滑の要求に応じて行われる、量に応じた前記潤滑剤の測定と、前記シリンダの内側への前記潤滑剤の供給を行うための手段を備える装置。
  12. 他の有用な特性を有する少なくとも一つのさらなる材料を提供し、かつ計量するとともに、前記少なくとも一つのさらなる材料を前記シリンダの内側へ供給するための手段が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記潤滑剤は、個別の潤滑ノズル(3)を介して前記シリンダの内側へ供給されることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
  14. シリンダ壁内に円周にわたって配分され、用いられる材料、少なくとも用いられる前記潤滑剤に対応した潤滑ノズル(3)が設けられており、異なる材料に対して設けられている前記潤滑ノズル(3)は異なる高さに配分されていることを特徴とする請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
  15. 上下に配置されるとともに、前記異なる材料に対応する、前記潤滑ノズル(3)の少なくとも二つの列が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
  16. 前記潤滑ノズル(3)はフィールド(18)において、複数の潤滑ノズル列で設けられており、前記要求と一致する配分パターンに応じて配分されており、および/または作動可能であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
  17. 側方におけるピストン圧縮が行われる円周領域には、低い中和能を有する前記潤滑剤に対応する前記潤滑ノズル(3)がより多く設けられ、および/または酸の蓄積が増大される円周領域には、高い中和能を有する前記潤滑剤に対応する前記潤滑ノズル(3)がより多く設けられていることを特徴とする請求項14から16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 前記潤滑ノズル(3)のノズル開口部は少なくとも部分的に、異なる潤滑剤によって形成される噴流(25,26)が、互いに向き合うように向けられていることを特徴とする請求項13から17のいずれか一項に記載の装置。
  19. 前記潤滑ノズル(3)のノズル開口部は少なくとも部分的に、噴射円錐が生じるように形成されており、異なる潤滑剤によって形成される噴射円錐は重なり合うことを特徴とする請求項13から18のいずれか一項に記載の装置。
  20. 前記潤滑ノズル(3)は少なくとも部分的に、異なる材料に対して設けられた少なくとも二つの入口(21,22)と、前記入口に対して設けられたノズルヘッド(23,24)とを有する複式ノズル(20)として形成されていることを特徴とする請求項13から19のいずれか一項に記載の装置。
  21. 同じ材料を供給可能である前記潤滑ノズル(3)もしくはシリンダのノズル側入り口(21,22)は少なくとも部分的に、該当する材料を供給可能である共通の圧力導管(7)と接続されており、前記圧力導管は制御可能な弁装置(9)を用いて作動化および非作動化可能であることを特徴とする請求項13から20のいずれか一項に記載の装置。
  22. 同じ材料を供給可能である前記潤滑ノズル(3)もしくはシリンダ(1)のノズル側入り口(21,22)は少なくとも部分的に、該当する材料を供給可能である共通の多室型定量ポンプ(12)の室(13)とそれぞれ接続されており、前記多室型定量ポンプは制御可能な駆動装置を備えていることを特徴とする請求項13から21のいずれか一項に記載の装置。
  23. エンジンの少なくとも一つの作動パラメータのための少なくとも一つの入力部(17)を有する制御装置(11)が設けられており、前記制御装置を用いて個々のシリンダ(1)または個々のシリンダグループへの異なる材料のそれぞれの供給は、別箇に制御可能であることを特徴とする請求項11から22のいずれか一項に記載の装置。
  24. 潤滑ノズル(3)もしくはノズル側入り口には少なくとも部分的に、流体柱を供給可能である少なくとも一つの供給導管(27)が配設されており、前記流体柱は使用される前記異なる材料から成る一連の部分(28)から形成され、前記部分の容積は既存の中和および潤滑の要求および/またはその他の要求に応じて算定されていることを特徴とする請求項11から23のいずれか一項に記載の装置。
  25. 複数の供給導管(27)に対して、前記用いられる材料の数に相当する数の入口(30)を有する共通の定量ポンプ(29)が配設されていることを特徴とする請求項24に記載の装置。
  26. 前記内燃機関は、クランク軸におけるベアリングのために別箇の潤滑を行う型式のピストン型内燃機関であることを特徴とする請求項11から25のいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記内燃機関は、2ストローククロスヘッド式大型ディーゼルエンジンとして形成されていることを特徴とする請求項11から26のいずれか一項に記載の装置。
  28. 前記内燃機関の少なくとも一つの要素はマーキング(33)を有しており、前記マーキングから、取り付け日、整備、寿命などのパラメータによる前記シリンダ潤滑の分類が読み取れることを特徴とする請求項11から27のいずれか一項に記載の装置。
  29. 前記マーキング(33)は外部から読み取り可能であることを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 前記マーキング(33)はエンジンの運転中に読み取り可能であることを特徴とする請求項28または29に記載の装置。
  31. 前記マーキング(33)は非接触式に読み取り可能なメモリーチップに受容されていることを特徴とする請求項28から30のいずれか一項に記載の装置。
  32. エンジンの少なくとも一つのシリンダ(1)、好ましくは全てのシリンダ(1)にマーキング(33)が配設されていることを特徴とする請求項28から31のいずれか一項に記載の装置。
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