JP2016505071A - {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸の結晶形態 - Google Patents

{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸の結晶形態 Download PDF

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Abstract

本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態、化合物Aの結晶形態を調製するプロセス、それらを含有する医薬組成物およびその使用方法に関する。一実施形態では、化合物A、形態1は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定するとき、7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2?2θ?0.2?2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を有することによって特徴付けられる。

Description

本出願は、参考として組み込む2013年1月24日に出願された米国仮出願第61/756,361号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権の利益を主張する
背景
分野
本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態、化合物Aの結晶形態を調製するプロセス、それらを含有する医薬組成物およびその使用方法に関する。
{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(以下、化合物A)は、低酸素誘導因子(HIF)プロリルヒドロキシラーゼの強力な阻害剤である。HIFプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤は、HIFの安定性および/または活性を増大させるのに有用であり、かつ、貧血、虚血および低酸素症を含むHIFに関連した障害を処置および防止するのに有用である。米国特許第7,928,120号(これを、その全体において本明細書に組み込む)は、それらの構造、合成および使用方法を含む、化合物Aを包含する化合物のファミリーを記載している。
米国特許第7,928,120号明細書
要約
化合物は、1つまたは複数の結晶形態で存在することができる。薬剤物質の結晶形態は、融点、化学反応性、溶解性、溶解速度、光学的および機械的特性、蒸気圧、吸湿性、粒子形状、密度、流動性および相溶性を含む異なる化学的および物理的特性を有することができる。これらの特性は、化合物を薬剤製品として加工しかつ/または製造する能力に直接影響を及ぼすことができる。結晶形態は、異なる安定性および生物学的利用能を示すこともできる。薬剤製品の最も安定した結晶形態は、別の結晶形態への転換の最小限の可能性、およびそのより大きい化学的安定性にもとづいて、薬剤開発の際にしばしば選択される。薬剤製品の品質、安全性および効能を確実にするためには、安定であり、再現性良く製造され、好都合な物理化学的特性を有する結晶形態を選択することが重要である。したがって、本明細書では、薬剤製品として製造することができ、貧血、虚血および低酸素症に関する状態を含むHIF関連障害を処置および防止するために使用できる、化合物Aの結晶形態を提供する。
本開示は、化合物Aの結晶形態、および結晶形態を調製する方法に関する。
本開示の1つの態様は、以下の構造:
を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態を対象とする。
一実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を提供する。一実施形態では、化合物A、形態1は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定するとき、7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラム(XRPD)を有することによって特徴付けられる。一実施形態では、形態1は、18.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、11.2±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、7.7、13.8、21.1および22.2°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のディフラクトグラムは実質的に図1に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態1は、約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のDSC曲線は、さらに約210℃での発熱を含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のDSC曲線は実質的に図2に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態1は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定される7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって、および約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、形態1は、18.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって;および約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、11.2、7.7、13.8、21.1および22.2°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含み、形態1のDSC曲線は約210℃での発熱をさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のディフラクトグラムは実質的に図1に示す通りであり、化合物A、形態1のDSC曲線は実質的に図2に示す通りである。
一実施形態では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を提供する。一実施形態では、化合物A、形態2は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定するとき、8.1、10.6、11.5、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、24.5および26.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。一実施形態では、形態2は、19.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、10.6および11.5°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、14.5、16.2、24.5および26.6°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態2のディフラクトグラムは実質的に図3に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態2は、約249℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、化合物A、形態2のDSC曲線は実質的に図4に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態2は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定するとき、8.1、10.6、11.5、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、24.5および26.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって、および約249℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、形態2は、19.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって;および約249℃での吸熱を含むDSC曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、10.6、11.5、14.5、16.2、24.5および26.6°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含み、DSC曲線は約249℃での吸熱をさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態2のディフラクトグラムは実質的に図3に示す通りであり、化合物A、形態2のDSC曲線は実質的に図4に示す通りである。
他の態様では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するためのプロセスを対象とする。一実施形態では、このプロセスは、
a)任意選択で塩基の存在下、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)その混合物に酸を加えるステップと
を含む。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態1を単離するステップをさらに含む。
特定の実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するプロセスは、
a)メタノール中でエチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよびナトリウムメトキシドを含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)その混合物に塩酸を加えるステップと
を含む。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態1を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するプロセスは、適切な溶媒中で化合物Aを加熱するステップを含む。一実施形態では、このプロセスは化合物Aの形態1を単離するステップをさらに含む。
他の態様では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスを対象とする。一実施形態では、このプロセスは、
a){[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物に酸を加え、加熱を続行するステップと、
c)その混合物を冷却するステップと
を含む。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
特定の実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスは、
a)水の中で{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)のナトリウム塩を含む混合物を約80〜85℃に加熱するステップと、
b)その混合物に酢酸を加え、約80〜85℃で加熱を続行するステップと、
c)その混合物を冷却するステップと
を含む。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスは、適切な溶媒中で化合物Aを加熱するステップを含む。一実施形態では、このプロセスは化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスは、化合物Aの形態1を加熱するステップを含む。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
他の態様では、本開示は以下の構造:
を有する、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の1つまたは複数の結晶形態、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物を対象とする。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物A、形態1および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、99.95%、99.98%または99.99%が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%〜99.99%が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物A、形態2および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%が形態2として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、99.95%、99.98%または99.99%が形態2として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%〜99.99%が形態2として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、そのうちの10%、5%、2%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、0.05%、0.02%または0.01%以下が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、そのうちの0.1%〜10%以下が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、ビタミンB12、葉酸、硫酸第一鉄、組み換えヒトエリスロポエチンおよび赤血球生成刺激剤(ESA)からなる群から選択される追加の治療剤をさらに含む。他の実施形態では、医薬組成物は経口送達用に製剤化される。他の実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤として製剤化される。
他の態様では、本開示は、低酸素誘導因子(HIF)と関連するまたは少なくとも一部それによって媒介される状態を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に、1つまたは複数の化合物Aの結晶形態を含む治療有効量の医薬組成物を投与するステップを含む方法を対象とする。一実施形態では、HIFと関連するまたは少なくとも一部それによって媒介される状態は、虚血または低酸素症と関連した組織損傷である。他の実施形態では、その虚血は、心筋梗塞、肺塞栓症、腸梗塞、慢性腎不全、虚血性脳卒中、腎虚血性−再かん流傷害、心臓性肝硬変、一過性脳虚血発作、黄斑変性症、末梢動脈疾患およびうっ血性心不全からなる群から選択される虚血性事象と関連している。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は、化合物A、形態1を含む。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は、化合物A、形態2を含む。
他の態様では、本開示は、エリスロポエチン(EPO)と関連するまたは少なくとも一部それによって媒介される状態を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に、1つまたは複数の化合物Aの結晶形態を含む治療有効量の医薬組成物を投与するステップを含む方法を対象とする。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は化合物A、形態1を含む。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は化合物A、形態2を含む。
他の態様では、本開示は、貧血を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に、1つまたは複数の化合物Aの結晶形態を含む治療有効量の医薬組成物を投与するステップを含む方法を対象とする。一実施形態では、貧血は、糖尿病、癌、潰瘍、腎疾患、免疫抑制疾患、感染症および炎症からなる群から選択される慢性の疾患または状態と関連している。他の実施形態では、貧血は、放射線療法、化学療法、透析および外科処置からなる群から選択される手順または処置と関連している。他の実施形態では、貧血は、出血性障害、外傷、損傷、外科処置等によって引き起こされる失血と関連している。さらに他の実施形態では、貧血は、異常ヘモグロビン、異常赤血球または鉄の輸送、処理もしくは利用における欠陥と関連している。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は化合物A、形態1を含む。本方法の1つの実施形態では、医薬組成物は化合物A、形態2を含む。
図1は、結晶形態1、化合物AのXRPDパターンである。
図2は、結晶形態1、化合物AのDSCパターンである。
図3は、結晶形態2、化合物AのXRPDパターンである。
図4は、結晶形態2、化合物AのDSCパターンである。
図5は、化合物Aの溶媒和物(XRPD3およびXRPD4)についてのXRPDパターンを示す図である。
図6は、化合物A(形態2)ならびに化合物Aの溶媒和物(XRPD3、XRPD4、XRPD5、XRPD6およびXRPD7)についてのXRPDパターンを示す図である。
図7は、化合物A(形態2)ならびに化合物Aの溶媒和物(XRPD3、XRPD4、XRPD5、XRPD6およびXRPD7)についてのH−NMRスペクトルを示す図である。
図8は、マウスにおいて、1週間間欠投与した後、化合物Aが、ヘマトクリットおよびヘモグロビンを増大させることを実証する図である。
図9は、正常なサルにおいて、2週間毎日投与した後、化合物Aが、ヘマトクリットおよびヘモグロビンを増大させることを実証する図である。
図10は、ラットにおいて、化合物Aが、慢性疾患の貧血においてヘモグロビンおよびヘマトクリットを増大させることを実証する図である。
図11は、ラットにおいて、化合物Aが、慢性腎疾患の貧血を緩和することを実証する図である。
図12は、ヒトにおいて、化合物Aが、エリスロポエチンの平均最大血漿レベルを増大させることを示す図である。
上述したように、この開示は、一部、以下の構造:
を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態を対象とする。
さらに詳細に論じる前に、以下の用語を定義することとする。
1.定義
本明細書で使用するとき、以下の用語は以下の意味を有する。
単数形「a」、「an」および「the」などは、文脈によりそうではないことが明らかに指定されていない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「化合物(a compound)」への言及は単一の化合物と、異なる複数の化合物との両方を含む。
数値表示、例えば範囲を含め、温度、時間、量および濃度、の前で使用される「約」という用語は±10%、±5%または±1%だけ変動する可能性のある近似値を表す。
「投与」とは、ある薬剤を患者に導入することを指す。処置する医師などによって決定され得る治療量を投与することができる。本明細書で説明する場合の化合物Aの結晶形態のためには、経口投与経路が好ましい。化合物または医薬組成物(および文法的均等物)の関連で使用される場合、関連する用語および語句「投与すること」および「〜の投与」は、直接投与(患者への医療専門家による投与または患者による自己投与による投与であり得る)、および/または間接投与(薬物を処方する行為であり得る)の両方を指す。例えば、薬物を自己投与するように患者に指示し、かつ/または薬物の処方箋を患者に提供する医師は、その患者にその薬物を投与していることになる。いずれにしても、投与は、患者への薬物の送達を伴う。
「特徴付け」とは、化合物の固体形態を同定し区別する、例えば、その固体形態が非晶質であるか結晶質であるか、溶媒和していないかまたは溶媒和しているかどうかを同定するために使用できるデータを得ることを指す。固体形態を特徴付けるプロセスは、当業者が、1つの固体形態を、同じ材料を含有する他の固体形態から区別できるようにするために、多形形態について収集されたデータを分析することを含む。固体形態の化学的同一性は、しばしば、13C NMRまたはH NMRなどの溶液状態の技術を用いて決定することができる。これらは材料および、溶媒和物については溶媒分子を同定するのを助けることができるが、そうした溶液状態の技術自体は、固体状態についての情報を提供することができない。しかし、固体状態の構造についての情報を提供し、多形性固体形態を区別するために使用できる固体状態分析技術、例えば単結晶X線回折、X線粉末回折(XRPD)、固体核磁気共鳴(SS−NMR)、および赤外分光およびラマン分光法、ならびに熱的技術、例えば示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TG)、融点およびホットステージ顕微鏡法がある。
化合物の固体形態を「特徴付ける(characterize)」ために、例えば、その化合物の固体形態についてのXRPDデータを収集し、その形態のXRPDピークを比較することができる。例えば、固体形態1と固体形態2の2つだけを比較し、形態1パターンが、形態2パターンにおいてピークが出現しない角度でピークを示した場合、その化合物について、このピークは、形態1から形態2を区別し、さらに、形態1を特徴付ける役割を果たす。形態1を他の公知の形態から区別するピークの収集物は、形態1を特徴付けるのに使用できるピークの収集物である。当業者は、固体形態を特徴付けるために、同じ分析技術を用いた複数の方法を含む複数の方法がしばしばあることを理解している。必ずしも必要ではないが、追加的なピークを使用して、回折パターン全体に至るまでおよびそれを含めて、その形態を特徴付けることもできる。XRPDパターン全体の中のすべてのピークを、そうした形態を特徴付けるために使用することができるが、このデータのサブセットを、その形態を特徴付けるために使用することができ、典型的にはこれを使用する。
化合物Aの「結晶形態」は化合物Aの結晶固体形態、例えば形態1または形態2である。形態1または形態2の結晶格子は、結晶化の溶媒を実質的に含まない。しかし、存在するどの溶媒も結晶格子中には含まれず、結晶格子の外側にランダムに分布している。したがって、バルク中での形態1または形態2の結晶は、結晶格子の外側に、その合成または結晶化において使用された溶媒などの少量の1つまたは複数の溶媒を含有することができる。上記で用いたように、「〜を実質的に含まない」および「少量」とは、好ましくは10,000百万分率(ppm)未満、より好ましくは500ppm未満の溶媒の存在を指す。
本明細書で使用されるとき、「添加剤」は、これらに限定されないが、結合剤、崩壊剤、コーティング剤、圧縮/カプセル化助剤、クリーム剤もしくはローション剤、滑沢剤、非経口剤(parenteral)、甘味剤もしくは香味剤、懸濁化/ゲル化剤、または湿潤顆粒化剤として使用される任意の物質を含む医薬品の生産において使用される不活性(inert)または不活性な(inactive)物質を意味する。結合剤には、例えばカルボポール、ポビドン、キサンタンゴム等が含まれ、コーティング剤には、例えば酢酸フタル酸セルロース、エチルセルロース、ジェランガム、マルトデキストリン等が含まれ、圧縮/カプセル化助剤には、例えば炭酸カルシウム、デキストロース、フルクトースdc、蜂蜜dc、ラクトース(無水物または一水和物;任意選択でアスパルテーム、セルロース、または微結晶性セルロースと組み合わせて)、デンプンdc、スクロース等が含まれ、崩壊剤には、例えばクロスカルメロースナトリウム、ジェランガム、デンプングリコール酸ナトリウム等が含まれ、クリーム剤およびローション剤には、例えばマルトデキストリン、カラギーナン等が含まれ、滑沢剤には、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルフマル酸ナトリウム等が含まれ、チュアブル錠剤用の材料には、例えばデキストロース、フルクトースdc、ラクトース(一水和物、任意選択でアスパルテームまたはセルロースと組み合わせて)等が含まれ、非経口剤には、例えばマンニトール、ポビドン等が含まれ、可塑剤には、例えばセバシン酸ジブチル、ポリビニルアセテートフタレート等が含まれ、懸濁化/ゲル化剤には、例えばカラギーナン、デンプングリコール酸ナトリウム、キサンタンゴム等が含まれ、甘味剤には、例えばアスパルテーム、デキストロース、フルクトースdc、ソルビトール、スクロースdc等が含まれ、湿潤顆粒化剤には、例えば炭酸カルシウム、マルトデキストリン、微結晶性セルロース等が含まれる。
「熟成」または「熟成させること」は、特定の期間加熱/冷却サイクルにかけられた、特定の溶媒中における固体材料の混合物のインキュベーションを指す。例えば、16〜24hの期間、室温で4h、続く50℃でのさらなる4hインキュベーションで熟成を実施した(50℃/室温(4h−サイクル)でインキュベーションした)。
「室温」は(22±5)℃を指す。
「治療有効量」または「治療量」は、ある状態に苦しむ患者に投与する場合、目的とする治療効果、例えば、その患者におけるその状態の1つもしくは複数の兆候の緩和、改善、寛解または排除を有する薬物または薬剤の量を指す。治療有効量は、処置される対象および状態、対象の体重および年齢、その状態の重症度、選択される具体的な組成物または添加剤、従うことになる投与レジメン、投与のタイミング、投与の仕方などに応じて変動することになるが、そのすべてを、当業者は容易に決定することができる。1用量の投与によって十分な治療効果は必ずしももたらされず、一連の用量の投与後にしかそれはもたらされない可能性がある。したがって、治療有効量を、1回または複数回の投与で投与することができる。例えば、これらに限定されないが、治療有効量の薬剤とは、貧血の処置の関連においては、患者における貧血の1つまたは複数の症状を緩和する、改善する、寛解させる、または排除する薬剤の量を指す。
「処置」、「処置すること」および「処置する」は、疾患、障害もしくは状態および/またはその症状の有害な、または他の任意の望ましくない影響を軽減または改善させるために、薬剤を用いて疾患、障害または状態に対して働きかけることと定義される。本明細書で使用するとき、処置はヒト患者の処置を包含し、それには、(a)その疾患にかかりやすいと判定されているが、その状態を有しているとはまだ診断されていない患者におけるその状態の発生のリスクを軽減すること、(b)その状態の進行を妨害すること、および/または(c)その状態を和らげる、すなわち、その状態の退縮をもたらす、かつ/またはその状態の1つまたは複数の症状を和らげることが含まれる。
「XRPDパターン」とは、x軸上に回折角(典型的には°2θ)、y軸上に強度をもつx−yグラフである。このパターン内のピークを、結晶固体形態を特徴付けるために用いることができる。どんなデータ測定もそうであるように、XRPDデータにはばらつきがある。データはしばしば、ピークの強度を含まないで、ピークの回折角だけで表される。その理由は、ピーク強度は、試料調製に特に敏感である可能性があり(例えば、粒径、水分含量、溶媒含量および好ましい配向効果は感度に影響を及ぼす)、そのため異なる条件下で調製された同じ材料の試料は、若干異なるパターンをもたらす可能性があるからである。このばらつきは、通常回折角におけるばらつきより大きい。回折角のばらつきも、試料調製に敏感である可能性がある。ばらつきの他の発生源は、装置パラメーターおよび生のX線データの処理からもたらされ:異なるX線装置は異なるパラメーターを用いて動作し、これらは、同じ固体形態から若干異なるXRPDパターンをもたらす可能性があり、同様に、異なるソフトウェアパッケージはX線データを異なって処理し、これもばらつきをもたらす。ばらつきの上記および他の発生源は、製薬技術分野の技術者に公知である。そうしたばらつきの発生源のため、XRPDパターンにおいて、±0.2°2θのばらつきが回折角に通常割り当てられる。
2.化合物Aの結晶形態の調製
一態様では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するためのプロセスを対象とする。一実施形態では、このプロセスは、
a)任意選択で塩基の存在下、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)その混合物に酸を加えるステップと
を含む。典型的には、このプロセスでは、塩基は、加える場合、塩に対して過剰にする。例えば、1当量の塩に対して約2〜約20当量の塩基、約5〜約15当量の塩基、約10〜約15当量の塩基、または約10、約11、約12、約13、約14もしくは約15当量の塩基を加える。典型的には、このプロセスでは、加熱は、LC−MSで判定して反応が完了するまで、約60℃〜約85℃、約65℃〜約82℃または約65℃、約80℃もしくは約82℃で実施する。典型的には、酸を加えて、混合物を約1〜約4のpH、約2〜約3のpHまたは約3のpHにする。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態1を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、エチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよび塩基を混合することによって、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を提供する。典型的には、このプロセスでは、1当量のエチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレートに対して、約15〜約25当量のグリシンおよび約10〜約20当量の塩基、または約20当量のグリシンおよび約15当量の塩基を加える。
一実施形態では、塩基はナトリウムメトキシドである。
一実施形態では、酸は塩酸である。
一実施形態では、このプロセスは、メタノール中で実施する。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態1を作製するプロセスは、
a)メタノール中でエチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよびナトリウムメトキシドを含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)その混合物に塩酸を加えるステップと、
d)化合物Aの形態1を単離するステップと
を含む。典型的には、このプロセスでは、1当量のエチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレートに対して、約15〜約25当量のグリシンおよび約10〜約20当量のナトリウムメトキシド、または約20当量のグリシンおよび約15当量のナトリウムメトキシドを加える。典型的には、このプロセスでは、加熱は還流下で、LC−MSで判定して反応が完了するまで実施する。典型的には、酸を加えて、混合物を約1〜約4のpH、約2〜約3のpHまたは約3のpHにする。
一実施形態では、本開示は、適切な溶媒中で化合物Aを加熱するステップを含む、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するためのプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態1を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、適切な溶媒はアセトニトリルであり、加熱は還流下(通常約81〜82℃)で行う。典型的には、加熱は、澄明溶液が形成されるまで実施する。典型的には、溶液を約室温まで冷却し、次いで低温、例えば約5℃まで冷却する。
一実施形態では、適切な溶媒はニートな酢酸であり、加熱は約80℃で行う。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態1を作製するプロセスは、
a)化合物Aをアセトニトリル中、還流下で加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)化合物Aの形態1を単離するステップと
を含む。典型的には、冷却は約室温まで行う。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態1を作製するプロセスは、
a)化合物Aをニート酢酸中、約80℃で加熱するステップと、
b)その混合物を冷却するステップと、
c)化合物Aの形態1を単離するステップと
を含む。典型的には、冷却はおよそ室温まで行う。
一実施形態では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するためのプロセスであって、化合物AのXRPD3またはXRPD4を、約40℃超の温度に加熱するステップを含むプロセスを提供する。
上記実施形態では、その単離ステップは以下:混合物を冷却するステップ、混合物を撹拌するステップ、濾過するステップ、洗浄するステップ、および真空オーブン中で固体を恒量になるまで乾燥するステップの1つまたは複数を含むことができる。
他の態様では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスを対象とする。一実施形態では、このプロセスは、
a){[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
b)その混合物に酸を加え、加熱を続行するステップと、
c)その混合物を冷却するステップと
を含む。典型的には、約3〜約6当量または約5当量の酸を加える。典型的には、加熱は約80℃まで行う。典型的には、冷却は約室温まで行う。
一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、化合物Aの塩を、化合物Aを塩基と混合することによって提供する。典型的には、約1〜1.5当量または約1.25当量の塩基を使用する。
一実施形態では、塩基は水酸化ナトリウムである。
一実施形態では、このプロセスは、水の中で実施する。
一実施形態では、加熱は、約80℃超の温度で行う。特定の実施形態では、加熱は、約80〜85℃の温度で行う。
一実施形態では、酸は酢酸である。
一実施形態では、化合物Aの塩を、エチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよび塩基を混合することによって提供する。
一実施形態では、塩基はナトリウムメトキシドである。
他の実施形態では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスであって、
a)水中に{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)のナトリウム塩を含む混合物を約80〜85℃に加熱するステップと、
b)その混合物に酢酸を加え、約80〜85℃で加熱を続行するステップと、
c)その混合物を冷却するステップと、
d)化合物Aの形態2を単離するステップと
を含むプロセスを提供する。
一実施形態では、化合物Aのナトリウム塩を、化合物Aを水酸化ナトリウムと混合することによって提供する。典型的には、約1〜1.5当量または約1.25当量の水酸化ナトリウムを化合物Aに加える。
一実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、
a)化合物Aと水酸化ナトリウムを含む混合物を水の中で約80〜85℃に加熱するステップと、
b)その混合物に酢酸を加え、約80〜85℃で加熱を続行するステップと、
c)その混合物を冷却するステップと、
d)化合物Aの形態2を単離するステップと
を含む。
他の実施形態では、本開示は、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するためのプロセスであって、適切な溶媒中で化合物Aを加熱するステップを含むプロセスを提供する。一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
一実施形態では、適切な溶媒は酢酸イソプロピルであり、加熱は還流下で行う。典型的には、この実施形態では、加熱は1時間から終夜にわたって実施する。
一実施形態では、適切な溶媒は水であり、加熱は約80℃で行う。典型的には、この実施形態では、加熱は1時間から終夜にわたって実施する。
一実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、
a)酢酸イソプロピル中で、化合物Aを還流加熱するステップと、
b)化合物Aの形態2を単離するステップと
を含む。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、
a)水の中で、化合物Aを約80℃で加熱するステップと、
b)化合物Aの形態2を単離するステップと
を含む。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、高温(例えば、約50℃で)および特定の相対湿度(RH)(例えば、約75%RHで)で化合物A、形態1を熟成させ、それによって化合物A、形態2を生成させるステップを含む。一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、化合物Aの結晶形態1を加熱し、それによって化合物A、形態2を形成させるステップを含む。一実施形態では、加熱は、約200℃の温度を含む。一実施形態では、このプロセスは、化合物Aの形態2を単離するステップをさらに含む。
他の実施形態では、化合物Aの結晶形態2を作製するプロセスは、化合物AのXRPD5、XRPD6またはXRPD7を、約40℃超の温度に加熱するステップを含む。
上記実施形態では、その単離ステップは以下:混合物を冷却するステップ、混合物を撹拌するステップ、濾過するステップ、洗浄するステップ、および真空オーブン中で固体を恒量になるまで乾燥するステップの1つまたは複数を含むことができる。
3.化合物Aの結晶形態の特徴付け
{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態を、以下で論じる様々な方法で特徴付ける。
X線粉末回折(XRPD)
一実施形態では、化合物A、形態1は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。一実施形態では、形態1は、18.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、11.2±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、7.7、13.8、21.1および22.2°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のディフラクトグラムは実質的に図1に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態2は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して8.1、10.6、11.5、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、24.5および26.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。一実施形態では、形態2は、19.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、10.6および11.5°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、14.5、16.2、24.5および26.6°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態2のディフラクトグラムは実質的に図3に示す通りである。
示差走査熱量測定(DSC)
一実施形態では、化合物A、形態1は、約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のDSC曲線は、さらに約210℃での発熱を含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のDSC曲線は実質的に図2に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態2は、約249℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、化合物A、形態2のDSC曲線は実質的に図4に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態1は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって、および約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、形態1は、18.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって;および約251℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態1のディフラクトグラムは、11.2、7.7、13.8、21.1および22.2°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含み、形態1のDSC曲線は約210℃での発熱をさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態1のディフラクトグラムは実質的に図1に示す通りであり、化合物A、形態1のDSC曲線は実質的に図2に示す通りである。
一実施形態では、化合物A、形態2は、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して8.1、10.6、11.5、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、24.5および26.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって、および約249℃での吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる。一実施形態では、形態2は、19.3±0.2°2θでのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって;および約249℃での吸熱を含むDSC曲線によって特徴付けられる。他の実施形態では、形態2のディフラクトグラムは、10.6、11.5、14.5、16.2、24.5および26.6°2θ±0.2°2θでのピークをさらに含み、DSC曲線は約249℃での吸熱をさらに含む。他の実施形態では、化合物A、形態2のディフラクトグラムは実質的に図3に示す通りであり、化合物AのDSC曲線は実質的に図4に示す通りである。
熱重量分析(TGA)
一実施形態では、化合物A、形態1の熱重量分析は、約260℃で分解が始まるまで、重量損失がないことを示す。
一実施形態では、化合物A、形態2の熱重量分析は、約260℃で分解が始まるまで、重量損失がないことを示す。
4.化合物Aの結晶形態の安定性
形態1および形態2の相対的安定性を、異なる条件下で試験した(実施例3を参照されたい)。形態1と形態2はどちらも、湿度、および少なくとも約200℃までの温度に対して安定であり、どちらの形態も低い吸湿性を示す。
いくつかの実験(実施例3を参照されたい)は、種々の条件下:200℃超での加熱;酢酸イソプロピル(IPAc)中、5℃、25℃および50℃での熟成;水の中、50℃/室温での熟成;および水中での還流で、形態1が形態2に転換されることを示す。形態2の形態1への変換は観察されなかった。しかし、形態1は、水の中、25℃で6日間後でも変化しないまま残る。
したがって、形態2は、検討した条件下で形態1より熱力学的に安定であり、したがって、形態2は、化合物Aを製造し製剤化するのに利点を提供することができる。
5.化合物Aの他の溶媒和物
本開示は、化合物Aの溶媒和物も提供する。異なる溶媒中での化合物A、形態1の熟成は、いくつかの化合物Aの溶媒和物をもたらす(実施例4を参照されたい)。これらの溶媒和物をXRPDで特徴付け、それらのXRPDパターンにちなんで名称を、
XRPD3およびXRPD4、トルエン、n−ヘプタン、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル(EtOAc)、イソ−プロピルアルコール(IPA)、エタノール(EtOH)、ニトロメタンまたはEtOH−水からのイソ構造溶媒和物のグループ;
XRPD5、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒和物;
XRPD6、n−メチルピロリドン(NMP)溶媒和物;および
XRPD7、1,4−ジオキサン溶媒和物
と付ける。
H NMR分析、DSCおよびTGA熱分析により、これらの固体が、多形体ではなく、溶媒和物であることを確認する(実施例4を参照されたい)。
6.医薬組成物、製剤および投与経路
一態様では、本開示は以下の構造:
を有する、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の1つまたは複数の結晶形態、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む医薬組成物を対象とする。
一実施形態では、その医薬組成物は、化合物A、形態1および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、99.95%、99.98%または99.99%が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、化合物A、形態2および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも90%が形態2として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、そのうちの少なくとも95%、98%、99%、99.5%、99.8%、99.9%、99.95%、99.98%または99.99%が形態2として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。一実施形態では、医薬組成物は、そのうちの10%、5%、2%、1%、0.5%、0.2%、0.1%、0.05%、0.02%または0.01%以下が形態1として存在する化合物A、および少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤を含む。
一実施形態では、医薬組成物は、ビタミンB12、葉酸、硫酸第一鉄、組み換えヒトエリスロポエチンおよび赤血球生成刺激剤(ESA)からなる群から選択される追加の治療剤をさらに含む。他の実施形態では、医薬組成物は経口送達用に製剤化される。他の実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセル剤として製剤化される。
本開示の結晶形態は、直接送達することも、また、当業界で周知のように、医薬組成物中で適切な添加剤と一緒にして送達することもできる。本明細書で具現化する種々の処置は、有効量の本開示の結晶形態を、必要とする対象、例えば、慢性腎不全、糖尿病、がん、AIDS、放射線療法、化学療法、腎臓透析または外科処置などに起因する貧血を有するまたはそのリスクがある対象に投与するステップを含むことができる。一実施形態では、対象は哺乳動物対象であり、一実施形態では、対象はヒト対象である。
結晶形態の有効量は、最も効果的で好都合な投与経路および最も適切な製剤化と同様に、慣行的実験によって容易に決定することができる。一実施形態では、投薬量は、1日当たり0.1mg/kg〜約700mg/kgであってよい。種々の製剤および薬物送達系が当業界において利用することができる。例えば、上記のGennaro, A.R.編(1995年)Remington’s Pharmaceutical Sciencesを参照されたい。
適切な投与経路は、例えば、経口、経直腸、経粘膜、経鼻または腸管内投与、ならびに筋肉内、皮下、髄内注射および髄腔内、直接脳室内、静脈内、腹腔内、鼻腔内または眼球内注射を含む非経口送達を含むことができる。結晶形態またはその組成物は、全身的な様式ではなく局所的な様式で投与してもよい。例えば、結晶形態またはその組成物は、注射によるか、またはデポー製剤もしくは持続放出製剤などの標的化薬物送達系で送達することができる。一実施形態では、投与の経路は経口である。
本開示の医薬組成物は、慣用的な混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、水簸(levigating)、乳化、カプセル化、封入または凍結乾燥プロセスによるなどの、当業界で周知の方法のいずれかによって製造することができる。上述したように、組成物は、活性分子を医薬用途のための調製物に加工するのを容易にする1つまたは複数の薬学的に許容される添加剤を含むことができる。
適切な製剤は選択される投与経路に依存する。注射のためには、例えば、組成物を水性液剤に、好ましくは生理学的に適合する緩衝液、例えばハンクス溶液、リンガー溶液または生理食塩水の中で、製剤化することができる。経粘膜または経鼻投与のためには、浸透されることになるバリアに適した浸透剤が製剤において使用される。そうした浸透剤は当業界で一般に公知である。本開示の好ましい実施形態では、本発明の結晶形態を、経口投与を目的とした製剤に調製する。経口投与のためには、これは、結晶形態を当業界で周知の薬学的に許容される添加剤と合わせることによって容易に製剤化することができる。そうした添加剤は、本開示の結晶形態を、対象による経口摂取のため、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして製剤化することができるようにする。結晶形態は、経直腸組成物、例えば、坐剤または停留かん腸剤、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの慣用的な坐剤用基剤を含有するものに製剤化することもできる。
望むなら、錠剤または糖衣錠コアを得るための適切な助剤を添加した後、経口使用のための医薬調製物は、固体添加剤を使用して、任意選択で、得られた混合物を粉砕し、顆粒の混合物を加工して得ることができ。適切な添加剤は、例えば、賦形剤、例えばラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、トウモロコシデンプン、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、微結晶性セルロースおよび/またはポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)などである。望むなら、崩壊剤、例えば架橋ポリビニルピロリドン、寒天、クロスカルメロースナトリウムまたはアルギン酸もしくはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムを加えることができる。また、湿潤剤、例えばドデシル硫酸ナトリウムまたはステアリン酸マグネシウムを含むことができる。
糖衣錠コアには、適切なコーティングが施される。このために、濃縮糖溶液を使用することができ、この溶液は、任意選択で、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含有することができる。識別のためかまたは活性用量の異なる組合せを特徴付けるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティング剤に加えることができる。
経口投与のための医薬調製物は、ゼラチンでできた押し込み型のカプセル剤、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールでできた軟質の密封カプセル剤を含む。押し込み型カプセル剤は、活性成分を、ラクトースなどの賦形剤、デンプンなどの結合剤および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤および任意選択で安定剤と混合して含有することができる。軟質カプセル剤中では、結晶形態を、適切な液体、例えば脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶解または懸濁させることができる。さらに、安定剤を加えることができる。経口投与のためのすべての製剤は、そうした投与に適した投薬量であるべきである。
一実施形態では、本明細書で説明する結晶形態は、経皮で、例えば皮膚用パッチ剤によって、または局所で投与することができる。一態様では、経皮または局所製剤は、1つもしくは複数の浸透促進剤、または送達された化合物の移動を促進させる薬剤を含む他のエフェクターを追加的に含むことができる。経皮または局所投与が好ましくあり得た(例えば、部位特異的な送達が望ましい状況において)。
吸入による投与のためには、本開示にしたがって使用するための結晶形態は、適切な噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適切な任意のガスを使用して、加圧パックまたはネブライザーから、エアロゾル噴霧供給の形態で好都合に送達される。加圧エアロゾルの場合、適切な投薬単位は、一定量を送達するための弁を備えることによって決定することができる。吸入器または吹送器で使用するために、例えば、ゼラチンでできたカプセル剤およびカートリッジ剤を製剤化することができる。これらは典型的には、結晶形態と、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末ベースとの粉末ミックスを含有する。
注入、例えばボーラス注入または持続注入による非経口投与のために製剤化された組成物は、単位投薬形態で(例えば、添加された保存剤を含むアンプルまたは複数用量の容器中)提供することができる。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤または乳剤などの形態を取ることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの製剤用薬剤を含有することができる。非経口投与用の製剤は、水性液剤または水溶性形態の他の組成物を含む。
結晶形態の懸濁剤は、適切な油性の注射用懸濁剤として調製することもできる。適切な脂溶性溶媒またはビヒクルには、脂肪油、例えばゴマ油および合成脂肪酸エステル、例えばオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドまたはリポソームが含まれる。水性の注射用懸濁剤は、その懸濁剤の粘度を増大させる物質、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含有することができる。任意選択で、懸濁剤は、適切な安定剤、または結晶形態の溶解性を増大させて高度に濃縮された溶液の調製を可能にする薬剤を含有することもできる。あるいは、活性成分は、使用前に、適切なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するための粉末形態であってよい。
上記したように、本開示の組成物は、デボー調製物として製剤することもできる。そうした長期作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内で)または筋肉内注射によって投与することができる。したがって、例えば、本発明の結晶形態は、適切なポリマー性もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中の乳剤として)またはイオン交換樹脂とともに製剤化してもよいし、あるいは難溶性の誘導体として、例えば、難溶性の塩として製剤化してもよい。
本明細書で具現化する様々な処置において使用する任意の組成物について、治療有効用量は、初めに、当業界で周知の様々な技術を用いて推定することができる。例えば、細胞培養アッセイにおいて、細胞培養で決定したときのIC50を含む血中濃度範囲を達成するようにある用量を動物モデルにおいて製剤化することができる。ヒト対象に適した投薬量範囲は、例えば、細胞培養アッセイおよび非ヒト動物試験から得られるデータを用いて決定することができる。
化合物の治療有効用量とは、対象における症状の改善または生存時間の延長をもたらす化合物の量を指す。そうした分子の毒性および治療効能は、標準的な薬学的手順によって細胞培養または実験動物で決定することができる(例えば、LD50(個体群の50%が死に至る用量)およびED50(個体群の50%において治療的に有効である用量)を決定することによって)。毒性効果と治療効果の用量比は、比LD50/ED50として表すことができる治療指数である。高い治療指数を示す化合物が好ましい。
投薬量は、毒性がほとんどないかまたは毒性なしで、ED50を含む血中濃度の範囲内に入ることが好ましい。投薬量は、使用する剤形および利用する投与経路に応じて、この範囲内で変動する可能性がある。正確な製剤、投与経路および投薬量は、対象の状態の特異性を考慮して、当業界で公知の方法にしたがって選択すべきである。
投薬の量および間隔は、所望パラメーター、例えば内在性エリスロポエチン血漿レベルを調節するのに十分な、活性部分の血漿レベル、すなわち最小有効濃度(MEC)を提供するように個別に調整することができる。MECは各化合物について変わることになるが、例えば、インビトロでのデータから推定することができる。MECを達成するのに必要な投薬量は、個体の特徴および投与経路に依存することになる。化合物またはその組成物は、処置期間の約10〜90%、処置期間の好ましくは約30〜90%、最も好ましくは50〜90%の間血漿レベルをMECを超えるように維持するレジメンを用いて投与すべきである。局所投与または選択的取込みの場合、薬物の有効局所濃度は血漿濃度と関係しない可能性がある。あるいは、所望パラメーターの調節、例えば内在性エリスロポエチンの刺激は、1)ローディング用量を投与し、次いで維持用量を投与する、2)所望パラメーター、例えばエリスロポエチンレベルを目的範囲内に急速に達成するための導入用量を投与し、次いで、例えばヘマトクリットを所望目的範囲内に維持するためのより少ない維持用量を投与する、または3)間欠投与を繰り返すことによって達成することができる。
投与される化合物または組成物の量は、もちろん、処置される対象の性別、年齢および体重、苦痛の重症度、投与の仕方、ならびに処方医師の判断を含む様々な因子に依存することになる。
有効用量(または治療有効用量)は、最初に、当業界で周知の様々な技術を用いて推定することができる。例えば、細胞培養アッセイにおいて、細胞培養で決定された通りのIC50を含む血中濃度範囲を達成するように、動物モデルにおける用量を製剤化することができる。ヒト対象に適した投薬量範囲は、例えば、細胞培養アッセイおよび非ヒト動物試験から得たデータを用いて決定することができる。一実施形態では、投薬量は0.001mg/kg〜約100mg/kgであってよい。典型的には、投薬量は、約0.002mg/kg〜約50mg/kg;約0.005mg/kg〜約10mg/kg;約0.008mg/kg〜約1mg/kg;約0.01mg/kg〜約0.5mg/kg;約0.05mg/kg〜約0.4mg/kg;または約0.15mg/kg〜約0.4mg/kgであってよい。例えば、投薬量は、約0.01mg/kg;約0.02mg/kg;約0.03mg/kg;約0.04mg/kg;約0.05mg/kg;約0.06mg/kg;約0.07mg/kg;約0.08mg/kg;約0.09mg/kg;約0.1mg/kg;約0.15mg/kg;約0.2mg/kg;約0.25mg/kg;約0.3mg/kg;約0.4mg/kg;約0.5mg/kg;約0.6mg/kg;約0.7mg/kg;約0.8mg/kg;約0.9mg/kgまたは約1mg/kgであってよい。投薬量は、様々な間隔、例えば、1日に4回、1日に3回、1日に2回、毎日、1日おき、週に1、2または3回等投与することができる。
本発明の組成物は、望むなら、活性成分を含有する1つまたは複数の単位剤形を含有するパックまたはディスペンサーデバイスで提供することができる。そうしたパックまたはデバイスは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含むことができる。そのパックまたはディスペンサーデバイスは投与のための取扱説明書を備えていてよい。適合する薬剤用添加剤中に製剤化された本開示の結晶形態を含む組成物を、調製し、適切な容器に入れ、指示された状態の処置のためのラベルを付けることもできる。ラベル上に指示される適切な状態は、貧血が主要な症状である状態、障害または疾患の処置を含むことができる。
7.使用方法
本開示の1つの態様は、本明細書で説明するような種々の状態または障害の処置において使用する医薬品の製造のための、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態の1つもしくは複数、または1つもしくは複数の化合物Aの結晶形態を含む組成物の使用を提供する。本明細書で説明するような種々の状態または障害を処置もしくは前処置する、またはその進行もしくは発生を遅延させるための、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品の使用方法も提供する。一実施形態では、本方法において使用される化合物Aの結晶形態は形態1である。一実施形態では、本方法で使用される化合物Aの結晶形態は形態2である。
医薬品または組成物は、HIFの安定性および/または活性を調節し、それによって、HIF制御された遺伝子発現を活性化するために使用することができる。結晶形態またはその組成物もしくは医薬品は、これらに限定されないが、貧血性、虚血性および低酸素性の状態を含むHIFと関連した状態を処置もしくは前処置する、またはその進行もしくは発生を遅延させるための方法において使用することができる。種々の実施形態では、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品は、急性虚血、例えば心筋梗塞、肺塞栓症、腸梗塞、虚血性脳卒中および腎虚血性−再かん流傷害をもたらす状態に続いて直ちに投与される。他の実施形態では、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品は、慢性虚血、例えば心臓性肝硬変、黄斑変性症、肺塞栓症、急性呼吸不全、新生児性呼吸窮迫症候群およびうっ血性心不全の進行に関連した状態と診断された患者に投与される。さらに他の実施形態では、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品を、外傷または損傷の直後に投与する。他の実施形態では、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品を、素因的状態、例えば高血圧症、糖尿病、閉塞性動脈疾患、慢性静脈不全、レイノー病、慢性皮膚潰瘍、肝硬変、うっ血性心不全および全身性硬化症にもとづいて対象に投与することができる。さらに他の実施形態では、結晶形態またはその組成物もしくは医薬品は、対象を前処置して、虚血または低酸素症に関連した組織損傷の進行を低下させるまたは防止するために投与することができる。
結晶形態またはその組成物もしくは医薬品を、内在性エリスロポエチン(EPO)を増大させるために使用することもできる。結晶形態またはその組成物もしくは医薬品を、例えば貧血および神経障害に関連した状態を含むEPO関連状態を防止、前処置または処置するために投与することができる。貧血に関連した状態には、例えば急性もしくは慢性腎疾患、糖尿病、がん、潰瘍、ウイルス、例えばHIV、細菌または寄生虫による感染症;炎症等の障害が含まれる。貧血性状態は、例えば放射線療法、化学療法、透析および外科処置を含む手順または処置に関連したものをさらに含むことができる。貧血に関連した障害は、小球性貧血、低色素性貧血、再生不良性貧血等の障害において見られるような異常ヘモグロビンおよび/または異常赤血球を追加的に含む。
本開示は、貧血性障害;脳卒中、外傷、てんかんおよび神経変性疾患の場合を含む神経障害および/または損傷;これらに限定されないが、心筋梗塞およびうっ血性心不全を含む心虚血;これに限定されないが、心臓性肝硬変を含む肝臓虚血;これらに限定されないが、急性腎不全および慢性腎不全を含む腎虚血;末梢血管障害、潰瘍、熱傷および慢性創傷;肺塞栓症;ならびに虚血性−再かん流傷害からなる群から選択される障害に関連した状態を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させるための結晶形態またはその組成物もしくは医薬品の使用も対象とする。
本開示は、低酸素症誘引因子のαサブユニットを修飾する少なくとも1つのヒドロキシラーゼ酵素の活性を阻害する方法も対象とする。HIFヒドロキシラーゼ酵素は、これらに限定されないが、Taylor(2001年、Gene 275号:125〜132頁)によって記載されており、AravindおよびKoonin(2001年、Genome Biol 2:RESEARCH0007)、Epsteinら(2001年、Cell 107号:43〜54頁)およびBruickおよびMcKnight(2001年、Science 294号:1337〜1340頁)によって特徴付けられているEGLN1、EGLN2およびEGLN3からなる群を含むプロリルヒドロキシラーゼであってよい。本方法は、酵素を、阻害有効量の1つまたは複数の化合物Aの結晶形態と接触させることを含む。
本開示を、特定の実施形態および実施例と合わせて説明してきたが、その技術および本開示を考慮すれば、具体的に開示した材料および方法の均等物も、本開示に適用することができ、そうした均等物は下記の特許請求の範囲に包含されると意図されていることは、当業者に明らかであろう。
別段の記述のない限り、本明細書を通して使用される以下の略語は、以下の定義を有する:
d 二重項
DCM ジクロロメタン、塩化メチレン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定
EDTA エチレンジアミン四酢酸
eq. 当量
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール、エチルアルコール
g グラム
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
hrまたはh 時間
Hz ヘルツ
IPA イソ−プロピルアルコール、プロパン−2−オール
IPAc 酢酸イソ−プロピル
IR 赤外
J 結合定数
kg キログラム
kV キロボルト(killivolt)
L リットル
LOD 検出限界
M モル濃度
m 多重項
mA ミリアンペア
Me メチル
MeO メトキシ
MeOH メタノール
mg ミリグラム
min. 分
mL ミリリットル
mm ミリメートル
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
N 規定
NaOMe ナトリウムメトキシド
nM ナノモル濃度
NMP n−メチルピロリドン
NMR 核磁気共鳴
s 一重項
RH 相対湿度
SS−NMR 固体核磁気共鳴
TGA 熱重量分析
THF テトラヒドロフラン
XRPD X線粉末回折
VT−XRPD 温度可変X線粉末回折
DSC−示差走査熱量測定
DSCデータを、50ポジションオートサンプラーを備えたMettler DSC823eで収集した。装置を、認証済みインジウムを用いてエネルギーおよび温度について較正した。典型的に、ピンホール付きアルミ製パン中の0.5〜3mgの各サンプルを25℃から350℃へ10℃/minで加熱した。サンプル上で50ml/minの窒素パージを維持した。装置制御およびデータ解析ソフトウェアはSTARe v9.10であった。
変調DSCデータを、50ポジションオートサンプラーを備えたTA Instruments Q2000で収集した。熱容量についての較正を、サファイアを用いて実施し、エネルギーおよび温度についての較正を、認証済みインジウムを用いて実施した。典型的に、ピンホール付きアルミ製パン中の0.5〜2mgの各サンプルを、2℃/minの基礎(underlying)加熱速度ならびに±0.2℃/minおよび40秒の温度調節パラメーターを用いて加熱した。装置制御ソフトウェアは、Q Series v2.8.0.392用のAdvantageおよびThermal Advantage v4.8.3であり、データをUniversal Analysis v4.3Aを用いて解析した。
NMR−核磁気共鳴:Hおよび13C NMR
NMRスペクトルを、オートサンプラーを備えたBruker400MHz装置で収集し、DRX400コンソールで制御した。自動化実験を、標準的なBrukerを搭載した実験装置を使用して、Topspin v1.3(パッチレベル8)とともに稼働するICON−NMR v4.0.4(ビルド1)を用いて得た。手順に従わない分光法について、データをTopspin単独の使用によって得た。別段の記述のない限り、サンプルはd−DMSO中で調製した。オフライン分析を、ACD SpecManager v9.09(ビルド7703)を用いて実施した。
TGA−熱重量分析
TGAデータを、34ポジションオートサンプラーを備えたMettler TGA/SDTA851eで収集した。装置を、認証済みインジウムを用いて温度較正した。典型的に、5〜30mgの各サンプルを、予め計量したアルミ製るつぼ上に載せ、10℃/minで周囲温度から350℃まで加熱した。サンプル上で50ml/minの窒素パージを維持した。装置制御およびデータ解析ソフトウェアはSTARe v9.10であった。
XRPD−X線粉末回折
X線粉末回折パターンを、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、自動XYZステージ、自動サンプル位置決め用のレーザービデオ顕微鏡、およびHiStar2次元面積検出器を用いて、Bruker AXS C2 GADDS回折計で収集した。X線光学系は、0.3mmのピンホールコリメータと一体となった単一のGobel多層膜鏡からなっている。
ビーム広がり、すなわち、サンプル上でのX線ビームの有効サイズは約4mmであった。θ−θ連続走査方式を、3.2°〜29.7°の有効2θ範囲をもたらす20cmのサンプル−検出器距離で使用した。典型的に、サンプルはX線ビームに120秒間曝されることになった。データ収集用に使用したソフトウェアはWNT4.1.16のためのGADDSであり、データを、Diffrac Plus EVA v9.0.0.2またはv13.0.0.2を用いて分析し、提示した。
周囲条件下で行ったサンプルを、粉砕することなく得た通りの粉末を用いて平板試料として調製した。約1〜2mgのサンプルを、スライドガラス上で軽く押圧して平らな表面を得た。
非周囲条件下で行ったサンプルを、熱伝導性化合物とともにシリコンウエハー上に載せた。次いでサンプルをおよそ20℃.min−1で適切な温度に加熱し、続いて等温で約1分間保持し、次いでデータ収集を開始した。
X線粉末回折パターンは、Cu Kα放射線(40kV、40mA)、θ−2θゴニオメーターならびにV4の発散および受入スリット、Ge単色光分光器およびLynxeye検出器を用いたBruker D8回折計でも収集した。装置は、認証済みコランダム標準品(NIST1976年)を用いて性能チェックした。データ収集に使用したソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commander v2.5.0であり、データを、Diffrac Plus EVA v11.0.0.2またはv13.0.0.2を用いて分析し、提示した。
サンプルを、実施例1および2で調製した通りの粉末を用いて平板試料として、周囲条件下で実行した。約50〜100mgのサンプルを、研磨したゼロバックグラウンド(510)シリコンウエハーに切り込まれた空洞に穏やかに充填した。分析の間、サンプルをそれ自体の平面で回転させた。データ収集の詳細は以下の通りである:
・角度範囲:2〜42°2θ
・刻み幅:0.05°2θ
・収集時間:0.5s.ステップ−1
(実施例1)
化合物Aの結晶形態1の調製
方法1
エチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート(74.4g、一般的合成方法については米国特許第7,928,120号を参照されたい)およびグリシン(302.9g、20eq.)を、室温でメタノール(4.0L)に懸濁させた。NaOMe(25%、692mL、15eq.)を加え、混合物を還流加熱し、終夜撹拌した。LC−MSにより反応の完了が示された後、懸濁液を冷却し、1N HClでpH約3に酸性化した。得られた混合物を濾過し、水で洗浄し、真空オーブン(40℃)中で恒量になるまで乾燥して灰白色固体、化合物A、形態1(77.8g)を得た。
方法2
化合物A(12g、一般的合成方法については米国特許第7,928,120号を参照されたい)をアセトニトリル(620mL)に懸濁させた。この混合物を撹拌し、30分間加熱還流し、透明な淡黄色溶液を得た。これを徐々に室温に冷却し、次いで5℃に冷却し、30分間撹拌し、濾過し、冷アセトニトリルで洗浄し真空オーブン(65℃)中で恒量になるまで乾燥して白色固体、化合物A、形態1(10.0g)を得た。
方法3
化合物A(0.5g)をニート酢酸(10mL)に懸濁させ、80℃で16h撹拌した。この混合物を室温に冷却し、濾過し、真空オーブン(80℃)中で恒量になるまで乾燥して灰白色固体、化合物A、形態1(0.44g)を得た。
化合物A、形態1のXRPDは図1のパターンを示した。ピークは、Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1、22.2、23.2、25.2、25.9°および27.7°2θ±0.2°2θであった。特徴付けでは、これらのピークの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つを使用した。
化合物A、形態1のDSC分析は図2のパターンを示した。図2のDSC曲線は約251℃での吸熱および約210℃での発熱を示した。
溶液中の化合物AのH−NMRはその構造と一致していた。H−NMR (400 MHz, dmso−d, 298K): 14.92 (s, 1H), 12.88 (bs, 1H), 9.61 (bt, 1H, J 6.06), 8.10 (dd, 1H, J 1.01, 8.34), 8.03 (dd, 1H, J 7.58, 8.34), 7.51 (dd, 1H, J 1.01, 7.58), 7.42 (d, 2H, J 9.09), 6.99 (d, 2H, J 9.09)および4.02 (d, 2H, J 6.32) ppm.
(実施例2)
化合物Aの結晶形態2の調製
方法1
化合物Aのナトリウム塩(1.22Kg)を水に溶解し、撹拌し、80℃に加熱した。酢酸(830g)を3hかけて徐々に加えた。この混合物を80℃で2h撹拌した(固体を確実に形態2に転換させるため)。これを20〜25℃に冷却し、1h撹拌し、濾過し、水(31L)で洗浄した。固体を真空オーブン(80℃)中で恒量になるまで乾燥して灰白色固体、化合物A、形態2(880g)を得た。
方法2
化合物A(7.5g)および1N NaOH(23.6mL)を水の中で撹拌し、固体が溶解するまで80℃に加熱した。酢酸(2.25g)を徐々に加えた。混合物を80℃で2h撹拌した。この混合物を約20℃に冷却し、濾過し、水で洗浄し、真空オーブン(80℃)中で恒量になるまで乾燥して白色固体、化合物A、形態2(7.25g)を得た。
方法3
化合物A(0.6g)を酢酸イソプロピル(約30mL)とともに終夜還流させ、室温に冷却し、濾過し、酢酸イソプロピルで洗浄し、恒量になるまで乾燥して白色固体、化合物A、形態2(0.4g)を得た。
方法4
化合物A(26g)を水に懸濁させ、80℃に加熱し、1h撹拌し、室温に冷却し、濾過し、水で洗浄し、真空オーブン(80℃)中で恒量になるまで乾燥して灰白色固体、化合物A、形態2(25.3g)を得た。
化合物A、形態2のXRPDは図3のパターンを示した。ピークはCu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定して7.2、8.1、10.6、11.5、13.9、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、23.2、24.5、25.9、26.6、27.8および29.1°2θ±0.2°2θであった。特徴付けでは、これらのピークの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも3つを使用した。
化合物A、形態2のDSC分析は図4のパターンを示した。図4のDSC曲線は約249℃での吸熱を示した。
溶液中の化合物AのH−NMRはその構造と一致していた。H−NMR (400 MHz, dmso−d, 298K): 14.92 (s, 1H), 12.88 (bs, 1H), 9.61 (bt, 1H, J 6.06), 8.10 (dd, 1H, J 1.01, 8.34), 8.03 (dd, 1H, J 7.58, 8.34), 7.51 (dd, 1H, J 1.01, 7.58), 7.42 (d, 2H, J 9.09), 6.99 (d, 2H, J 9.09)および4.02 (d, 2H, J 6.32) ppm.
(実施例3)
化合物Aの形態1および形態2の安定性
クロスシーディング実験
約50%の形態1および約50%の形態2(IPAc中での熟成により得た)(約10mg)を含有する固体混合物を6つの異なるバイアル瓶に入れた。これらのバイアル瓶のうちの3つをDCM(それぞれの中に約50μL)で処理し、他の3つをIPAc(それぞれの中に約50μL)で処理した。DCMおよびIPAcの中の固体混合物のスラリーを、5℃、25℃および50℃で10日間振とうさせた。
DCMからの固体を、周囲温度で乾燥した後、XRPDで分析した。結晶パターンは形態1と一致していた。
IPAcからの固体を、周囲温度で乾燥した後、XRPDで分析した。結晶パターンは形態2と一致していた。
形態2の種晶を用いた水の中での形態1の熟成
形態1および形態2(1:1)の固体混合物の水中懸濁液を、50℃/室温(4h−サイクル)、75%RHで4日間インキュベートした。その後、固体をXRPDで分析した。結晶パターンは形態2と一致しており、この分析では、形態1の痕跡は検出されなかった。
形態2の種晶なしでの、水の中での形態1の熟成
形態1を水に懸濁させ、50℃/室温(4h−サイクル)、75%RHでインキュベートした。この場合、形態1の形態2への変換はより遅かった。4日後、形態2が形成している明らかな兆候があったが、相当な量の形態1も残留していた。これらの条件下で、15日後、形態1は完全に形態2となった。
形態2の安定性
形態2は、40℃および75%RHでの湿度室中で1週間後でも不変のままであった。
水中における形態1の還流
形態1を水中で還流させ、その固体の結晶性をXRPDでモニタリングした。2.5h後、形態2に対応する複数の新たな回折ピークをすでに観察することができた。還流下で10h後、形態1の形態2への変換は完了していた。
25℃での水中における形態1の安定性
形態1を25℃で水に懸濁させ、その固体の結晶性を、ある時間にわたってXRPDで分析した。水性懸濁液中に25℃で6日間の後、形態1の結晶パターンに変化は観察されなかった。
これらの試験は、形態2が、形態1より熱力学的に安定であることを示している。
(実施例4)
化合物Aの溶媒和物の調製および特徴付け
調製およびXRPDによる特徴付け
形態1(200mg)を対応する溶媒(表1を参照されたい)に懸濁させ、40℃/室温(4hサイクル)で16hインキュベートした。次いで、溶媒を真空下で除去し(1,4−ジオキサン中での実験を除外、これは周囲条件下で乾燥した)、固体をXRPDで分析した。図5は、化合物A、XRPD3およびXRPD4の溶媒和物についてのXRPDパターンを示す。図6は、化合物A(形態2)ならびに化合物Aの溶媒和物(XRPD3、XRPD4、XRPD5、XRPD6およびXRPD7)についてのXRPDパターンを示す。
安定性
次いで固体を、湿度室中、40℃および75%RHで1週間貯蔵してこれらの条件下での安定性を評価し、XRPDで再分析した。
形態2は湿度室中、40℃および75%RHで1週間後、不変のままであった。XRPD3とXRPD4の両方の固体は、これらの条件下で1週間貯蔵した後、形態1に変換されていた。XRPD5、XRPD6およびXRPD7の固体は、40℃および75%RHで1週間後、形態2に変化していた。NMPから得られた固体(XRPD6)の場合、その変換は完全ではなく、当初の結晶形態からのいくつかのピークを、その粉末パターン中で依然として観察することができた。結果を表1にまとめる。
H−NMR分析
H−NMR分析を、化合物A、形態2および化合物Aの溶媒和物について実施した(図7)。スペクトルは提案した構造と一致していた。図7において強調表示されているシグナルの積分によって、いくらかの残留溶媒を、結晶パターンXRPD3、XRPD4、XRPD5、XRPD6およびXRPD7を有する固体について同定し、定量した。この結果は、これらの固体が、新たな多形体ではなく、溶媒和物であることを示唆した。
熱分析
熱分析を、化合物A、形態2および化合物Aの溶媒和物についても実施した。
約260℃で分解が始まるまで、形態2についてのTGAサーモグラムにおいて重量損失は観察されなかった。DSCサーモグラムは吸熱事象だけを示しており、これは、形態2の溶融に対応した(開始249℃、溶融エンタルピー −132.5J/g)。
XRPD3固体についてのTGAサーモグラムにおいて、45℃〜140℃の間で約7.5%の重量損失が観察された。この重量損失はH−NMRスペクトルで観察された残留THFの量と相関しており、DSCサーモグラムにおける幅広い吸熱事象と関連していた。おそらく、形態1への脱溶媒和である。開始約200℃での小さい発熱事象は、形態1の固体−固体転移によって形態2の生成が起こったことを示した。次いでこの材料は251℃で溶融した。サンプルの分解は約260℃で始まった。
XRPD4固体についてのTGAサーモグラムにおいて、60℃〜160℃の間で約4.5%の重量損失が観察された。この重量損失はH−NMRスペクトルで観察された残留トルエンの量と相関しており、DSCサーモグラムにおける吸熱事象と関連していた。おそらく、形態1への脱溶媒和である。開始約193℃での小さい発熱事象は、形態1の固体−固体転移によって形態2の生成が起こったことを示した。次いでこの材料は251℃で溶融した。サンプルの分解は約260℃で始まった。
XRPD5固体についてのTGAサーモグラムにおいて、100℃〜150℃の間で約15.3%の重量損失が観察された。この重量損失はH−NMRスペクトルで観察された残留DMFの量と相関しており、DSCサーモグラムにおける吸熱事象と関連していた。おそらく、形態2を生成する脱溶媒和である。XRPD3およびXRPD4について観察された約200℃で発熱事象がないことは、この材料の脱溶媒和が形態1ではなく形態2を生成したことを示した。これは、250℃での溶融によって確認された。サンプルの分解は約260℃で始まった。
XRPD6固体についてのTGAサーモグラムにおいて、100℃〜170℃の間で約19.8%の重量損失が観察された。この重量損失はH−NMRスペクトルで観察された残留NMPの量と相関しており、DSCサーモグラムにおける吸熱事象と関連していた。おそらく、形態2を生成する脱溶媒和である。XRPD5材料と同様に、脱溶媒和は形態1を生成せず、形態2を生成した。この材料は次いで250℃で溶融した。サンプルの分解は約260℃で始まった。
XRPD7固体についてのTGAサーモグラムにおいて、80℃〜110℃の間で約16.9%の重量損失が観察された。この重量損失はH−NMRスペクトルで観察された残留1,4−ジオキサンの量と相関しており、DSCサーモグラムにおける吸熱事象と関連していた。おそらく、形態2を生成する脱溶媒和である。この材料は次いで249℃で溶融した。サンプルの分解は約260℃で始まった。
(実施例5)
マウスにおいて、化合物Aは、ヘモグロビンおよびヘマトクリットレベルを増大させる
化合物A(経口強制飼養で2、6、20、60、100または200mg/kg)またはビヒクル対照を、週に3回、月曜日、水曜日および金曜日に経口投与した(4〜8匹の雄のSwiss Websterマウス/群)。最後の投与の3日後、すべての動物を安楽死させ、血液と血清を、全血球計算(CBC)および血液生化学検査のために採取した。
平均ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット(HCT)および赤血球数(RBC)レベルは、ビヒクル対照と比較して、すべての化合物Aの投与群において著しく高かった(図8)。すべての3つのパラメーターについての平均レベルは2〜20mg/kgの用量で用量依存性があり、20〜60mg/kgの間で水平状態(plateau)に達した。Swiss Websterマウスにおけるこの1週間試験で、Hbレベルは、試験した最も低い用量、2mg/kgで1g/dL超増大した。化合物Aの投与は、赤血球生成の血液学パラメーターの用量依存的な著しい増大をもたらした。
(実施例6)
サルにおいて、化合物Aはヘモグロビンおよびヘマトクリットレベルを増大させる
雄のカニクイザル(n=5/投与群)に、0、0.1、0.3、1、3、10および30mg/kgの化合物Aを、連続14日間、毎日経口投与を施した。血液を、投与前ならびに8日目および14日目の投与の前に1回、完全血球算定(CBC)用に採取した。
0、0.1、0.3、1、3、10および30mg/kgの用量でのカニクイザルへの連続14日間の化合物Aの経口投与(経口強制飼養)は、≧1mg/kg/日で血液学的な変化を伴った。8日目および14日目で、≧1mg/kg/日および≧3mg/kg/日での網状赤血球(RETI)(54%から724%へ)の用量に関連した増大、RBC(13%から41%へ)、Hb(18%から38%へ)およびHCT(14%から46%へ)の増大があった。図9は、2週間の毎日投与後のHCT、HbおよびRBCのレベルを示す。
(実施例7)
慢性疾患性貧血の処置
慢性疾患性貧血(ACD)は、関節炎および新生物疾患を含む種々の炎症状態と関連している。この貧血は、不十分なEPO産生、鉄代謝の変化、短い赤血球寿命および骨髄の赤血球生成応答の障害によって特徴付けられる。
雌のLewisラットを、ペプチドグリカン−多糖ポリマー(PG−PS)に曝露させて、関節炎および貧血を誘発させた。関節炎および貧血を、化合物A(経口強制飼養、8または20mg/kg)またはビヒクル(n=8/群)での処置の開始前28日間にわたって発達させた。処置を週3回で2週間施した(月曜日、水曜日および金曜日)。モデルの進行を足の腫脹および血液学パラメーターを測定することによりモニタリングした。血液サンプルを、血球新生および鉄パラメーターについて分析した。試験は、PG−PSではなく生理食塩水を注射され、次いでPG−PS動物について説明した通りのビヒクルまたは化合物A(8または20mg/kg)で処置された3つの非曝露対照群(n=5/群)も含んだ。
雌のLewisラットにおけるPG−PSポリマーの曝露は、PG−PS曝露4週間後に明らかになった貧血をもたらした。このモデルは、小赤血球症(平均細胞体積の減少)および血色素減少症(平均赤血球ヘモグロビンの減少)、血清鉄の減少および総鉄結合能(TIBC)および不飽和鉄結合能(UIBC)の増大を含む機能的鉄欠乏の特徴、ならびにヘモグロビン、ヘマトクリットおよび赤血球数の著しい減少を含む貧血の特徴を示した。貧血に加えて、PG−PS曝露ラットは、白血球数の増加および四肢の腫脹で示されるような全身炎症および関節炎を発達させた。ビヒクル処置された貧血性PG−PS曝露動物は、試験の期間にわたって、血液学的パラメーターにおける著しい変化を示さなかった。
化合物A(8または20mg/kg)での2週間の間欠的処置は、20mg/kg用量で、統計的に有意な効果で、Hb、HCT、RBC、MCHの減少およびPG−PS曝露によって誘発されたTIBCの増大を矯正した(図10)。
要約すると、間欠的な化合物Aでの処置は、慢性疾患性貧血に関連した貧血を著しく軽減した。
(実施例8)
慢性腎疾患によって誘発された貧血の処置
腎臓は、成体哺乳類において、エリスロポエチン産生の主要な供給源である;したがって、貧血およびエリスロポエチン産生の低下は、腎不全の一般的な続発症である。ラット残存腎臓モデル(5/6腎摘出によって誘発される)は、十分確立された進行性腎不全の貧血モデルである。
雌のWistarラットにおいて、左腎を結紮して腎臓の2/3を梗塞させ、同時に右腎に全腎摘出術を施すことによって、完全に近い腎摘出(5/6)外科処置を施して、慢性腎疾患を誘発させた。対照として、追加の動物に、腎摘出なしで擬似外科処置を施した。外科処置5週間後、腎摘出動物における貧血および慢性腎疾患を臨床病理学によって確認し、次いで動物を3つの処置群(n=8/群)の1つに割り当て、0(ビヒクル)、8または20mg/kg化合物Aで処置した。擬似群(n=8)には0mg/kg(ビヒクル)を施した。外科処置の6週間後に開始して2週間の間、すべての動物に、TIW(月曜日、水曜日および金曜日に)で経口強制飼養によって投与した。全血サンプルを、外科処置の5、7および8週間後に採取した。
腎摘出動物は、外科処置の5および8週間後、貧血の典型的な特徴、すなわち、擬似群と比較してHb、HCTおよびRBCの減少、ならびに収縮期血圧の増大を示した。さらに、ビヒクル処置された腎摘出動物は、外科処置の5週間後までに、血液生化学検査パラメーターの著しい変化において明白な慢性腎疾患を示した。2週間の処置の後、8および20mg/kgでの化合物A投与は、ビヒクル対照と比較してHb、HCTおよびRBCを有意に増大させた(図11)。20mg/kg化合物Aの投与は、3つすべてのパラメーターを(非貧血性)擬似対照群に近いレベルまで正常化した。さらに、化合物A処置は、腎摘出動物において、より高いMCVおよびMCH値をもたらしたようであったが;20mg/kgでのMCVだけは、2週間の処置の後で有意により高かった。
結論として、5/6腎摘出術に伴う小赤血球症および血色素減少症の部分的な矯正によって証明されるように、化合物Aでの2週間の間欠的な処置によって貧血は矯正され、鉄利用は改善された。
(実施例9)
化合物Aは、ヒトにおいて、エリスロポエチン、網状赤血球およびヘモグロビンレベルを増大させる。
単一用量の化合物A(形態2、カプセル剤)を健常男性志願者に経口投与した。化合物Aは1mgおよび5mgのカプセル剤で提供した。その用量はカプセル全体に最も近くなるように丸めた。コホート1〜4では、用量はそれぞれ0.05mg/kg、0.15mg/kg、0.3mg/kgおよび0.4mg/kgであった。血液採取の時点は、投与前、ならびに投与後8、12、16、20、24、30、48、72、96および120時間、8、10、12および15日目であった。
エリスロポエチン
図12は、化合物Aの投与後、エリスロポエチンの平均最大血漿レベルが増大することを示している。
コホート1では、化合物Aを投与した後、すべての対象は、ベースライン(処置前)と比較して血漿エリスロポエチン濃度が増大していた。ピークのエリスロポエチンレベルは約16.8時間の時点で生じ、ベースラインでの平均血漿エリスロポエチン濃度が11.4mIU/mLであったのと比較して、平均最大血漿エリスロポエチン濃度は27.2mIU/mLであった。
コホート2では、化合物Aを投与した後、すべての対象は、血漿エリスロポエチン濃度を増大させていた。これは、より強力なエリスロポエチン応答を示した1人の対象を除いて、用量にほぼ比例して増大していた。ピークのエリスロポエチンレベルは、化合物Aを投与した後、平均して14時間の時点で生じ、最大エリスロポエチン濃度の中央値は81.7mIU/mlであった。平均エリスロポエチンレベルは、約5日後にベースラインへ戻っていった。
コホート3では、ピークのエリスロポエチンレベルは、投与した後、平均して23時間の時点で生じ、平均最大濃度は約620mIU/mLであった。エリスロポエチンレベルは、コホート2と比較してコホート3において、用量に対して比例より大きく増大した。
コホート4では、すべての対象は、化合物Aを投与した後、ベースライン(処置前)と比較して血漿エリスロポエチン濃度を増大させた。最大エリスロポエチン(EPO)濃度(Cmax)、およびベースラインを減じたEPO Cmax(Cmax−BL)は、図12に示すように、コホート3(0.3mg/kg)とコホート4(0.4mg/kg)の間で、用量に対して比例より大きく増大した。コホート4におけるすべての対象について、平均最大血漿エリスロポエチン濃度は2,900mIU/mLであった。定量の上限を超えていた1つのサンプルの再分析は保留した。最大EPO濃度までの時間の中央値は20時間であった。
網状赤血球数
コホート1〜4において、網状赤血球数は増大する傾向にあった。これは、
化合物Aはその生物学的標的に対して活性であり、それによって赤血球生成応答を誘発したことを示唆している(表2)。
ヘモグロビンレベル
コホート1では、平均ヘモグロビンレベルは0日目から8日目まで変化しなかった。コホート2では、ヘモグロビン平均は8日目で0.3g/dLだけ増大し;コホート3では、平均ヘモグロビンは8日目で0.8g/dLだけ増大し;コホート4では、平均ヘモグロビンは、8日目で0.7g/dLだけ、15日目で1.1g/dLだけ増大した。
これらのデータは、結晶形態2として投与された場合、化合物Aは、血漿EPOを増大させ、網状赤血球レベルを増大させ、かつ平均ヘモグロビンレベルを増大させるのに効果的であることを実証している。

Claims (64)

  1. 以下の構造:
    を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態。
  2. 以下の構造:
    を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1(化合物A、形態1)。
  3. Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定したとき、7.7、11.2、13.8、14.7、15.3、15.8、18.3、21.1および22.2°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる、請求項2に記載の化合物A、形態1。
  4. 前記ディフラクトグラムが、18.3°2θ±0.2°2θにおけるピークを含む、請求項3に記載の化合物A、形態1。
  5. 前記ディフラクトグラムが、11.2±0.2°2θにおけるピークをさらに含む、請求項4に記載の化合物A、形態1。
  6. 前記ディフラクトグラムが、7.7、13.8、21.1および22.2°2θ±0.2°2θにおけるピークをさらに含む、請求項5に記載の化合物A、形態1。
  7. 前記ディフラクトグラムが実質的に図1に示す通りである、請求項6に記載の化合物A、形態1。
  8. 約251℃における吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる、請求項2に記載の化合物A、形態1。
  9. 約210℃における発熱をさらに含む、請求項8に記載の化合物A、形態1。
  10. 前記DSC曲線が実質的に図2に示す通りである、請求項9に記載の化合物A、形態1。
  11. 実質的に図1に示す通りであるディフラクトグラム、および実質的に図2に示す通りであるDSC曲線によって特徴付けられる、請求項2に記載の化合物A、形態1。
  12. 以下の構造:
    を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2(化合物A、形態2)。
  13. Cu−Kα放射線を用いたディフラクトグラムで決定したとき、8.1、10.6、11.5、14.5、16.2、19.3、21.5、21.9、22.7、24.5および26.6°2θ±0.2°2θから選択される少なくとも1つのピークを含むX線粉末ディフラクトグラムを有することによって特徴付けられる、請求項12に記載の化合物A、形態2。
  14. 前記ディフラクトグラムが、19.3±0.2°2θにおけるピークを含む、請求項13に記載の化合物A、形態2。
  15. 前記ディフラクトグラムが、10.6および11.5°2θ±0.2°2θにおけるピークをさらに含む、請求項14に記載の化合物A、形態2。
  16. 前記ディフラクトグラムが、14.5、16.2、24.5および26.6°2θ±0.2°2θにおけるピークをさらに含む、請求項15に記載の化合物A、形態2。
  17. 前記ディフラクトグラムが実質的に図3に示す通りである、請求項16に記載の化合物A、形態2。
  18. 約249℃における吸熱を含む示差走査熱量測定(DSC)曲線によって特徴付けられる、請求項12に記載の化合物A、形態2。
  19. 前記DSC曲線が実質的に図4に示す通りである、請求項18に記載の化合物A、形態2。
  20. 実質的に図3に示す通りであるディフラクトグラム、および実質的に図4に示す通りであるDSC曲線によって特徴付けられる、請求項12に記載の化合物A、形態2。
  21. 以下の構造:
    を有する{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の、前記請求項のいずれかに記載の1つまたは複数の結晶形態と、少なくとも1つの薬学的に許容される添加剤とを含む医薬組成物。
  22. 前記結晶形態が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  23. 前記結晶形態の少なくとも95%が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  24. 前記結晶形態の少なくとも99%が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  25. 前記結晶形態の少なくとも99.9%が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  26. 前記結晶形態の少なくとも99.99%が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  27. 前記結晶形態が化合物A、形態2である、請求項21に記載の医薬組成物。
  28. 前記結晶形態の少なくとも95%が化合物A、形態2である、請求項21に記載の医薬組成物。
  29. 前記結晶形態の少なくとも99%が化合物A、形態2である、請求項21に記載の医薬組成物。
  30. 前記結晶形態の少なくとも99.9%が化合物A、形態2である、請求項21に記載の医薬組成物。
  31. 前記結晶形態の少なくとも99.99%が化合物A、形態2である、請求項21に記載の医薬組成物。
  32. 前記結晶形態の10%以下が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  33. 前記結晶形態の1%以下が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  34. 前記結晶形態の0.1%以下が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  35. 前記結晶形態の0.01%以下が化合物A、形態1である、請求項21に記載の医薬組成物。
  36. 経口送達用に製剤化されている、請求項21に記載の医薬組成物。
  37. 錠剤またはカプセル剤として製剤化されている、請求項21に記載の医薬組成物。
  38. 低酸素誘導因子(HIF)と関連するまたは少なくとも一部低酸素誘導因子によって媒介される状態を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に治療有効量の請求項21に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
  39. エリスロポエチン(EPO)と関連するまたは少なくとも一部エリスロポエチンによって媒介される状態を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に治療有効量の請求項21に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
  40. 貧血を処置もしくは前処置する、またはその発生を遅延させる方法であって、患者に治療有効量の請求項21に記載の組成物を投与するステップを含む方法。
  41. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するプロセスであって、
    a)任意選択で塩基の存在下、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
    b)該混合物を冷却するステップと、
    c)該混合物に酸を加えるステップと、
    d)化合物Aの形態1を単離するステップと
    を含むプロセス。
  42. エチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよび塩基を混合することによって、前記{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を提供する、請求項41に記載のプロセス。
  43. 前記塩基がナトリウムメトキシドである、請求項41または42に記載のプロセス。
  44. 前記酸が塩酸である、請求項41〜43のいずれか一項に記載のプロセス。
  45. メタノール中で実施する、請求項41〜44のいずれか一項に記載のプロセス。
  46. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するプロセスであって、
    a)メタノール中でエチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよびナトリウムメトキシドを含む混合物を加熱するステップと、
    b)該混合物を冷却するステップと、
    c)該混合物に塩酸を加えるステップと、
    d)化合物Aの形態1を単離するステップと
    を含むプロセス。
  47. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態1を作製するプロセスであって、化合物Aを適切な溶媒中で加熱するステップと、該混合物を冷却するステップと、化合物Aの形態1を単離するステップとを含むプロセス。
  48. 前記適切な溶媒がアセトニトリルであり、前記加熱するステップが還流下である、請求項47に記載のプロセス。
  49. 前記適切な溶媒がニート酢酸であり、前記加熱するステップが約80℃においてである、請求項47に記載のプロセス。
  50. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するためのプロセスであって、
    a){[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の塩を含む混合物を加熱するステップと、
    b)該混合物に酸を加え、加熱を続行するステップと、
    c)該混合物を冷却するステップと、
    d)化合物Aの形態2を単離するステップと
    を含むプロセス。
  51. 前記化合物Aの塩を、化合物Aを塩基と混合することによって提供する、請求項50に記載のプロセス。
  52. 前記塩基が水酸化ナトリウムである、請求項51に記載のプロセス。
  53. 水の中で実施する、請求項50〜52のいずれか一項に記載のプロセス。
  54. 前記加熱するステップが、約80℃超の温度である、請求項50〜53のいずれか一項に記載のプロセス。
  55. 前記加熱するステップが、約80〜85℃の温度である、請求項50〜53のいずれか一項に記載のプロセス。
  56. 前記酸が酢酸である、請求項50〜55のいずれか一項に記載のプロセス。
  57. 前記化合物Aの塩を、エチル1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボキシレート、グリシンおよび塩基を混合することによって提供する、請求項50に記載のプロセス。
  58. 前記塩基がナトリウムメトキシドである、請求項57に記載のプロセス。
  59. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスであって、
    a)水の中に{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)のナトリウム塩を含む混合物を約80〜85℃まで加熱するステップと、
    b)該混合物に酢酸を加え、約80〜85℃で加熱を続行するステップと、
    c)該混合物を冷却するステップと、
    d)化合物Aの形態2を単離するステップと
    を含むプロセス。
  60. 前記化合物Aのナトリウム塩を、化合物Aを水酸化ナトリウムと混合することによって提供する、請求項59に記載のプロセス。
  61. {[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセスであって、化合物Aを適切な溶媒中で加熱するステップと、化合物Aの形態2を単離するステップとを含むプロセス。
  62. 前記適切な溶媒が酢酸イソプロピルであり、前記加熱するステップが還流下である、請求項61に記載のプロセス。
  63. 前記適切な溶媒が水であり、前記加熱するステップが約80℃においてである、請求項61に記載のプロセス。
  64. 化合物Aの形態1を加熱するステップを含む、{[1−シアノ−5−(4−クロロフェノキシ)−4−ヒドロキシ−イソキノリン−3−カルボニル]−アミノ}−酢酸(化合物A)の結晶形態2を作製するプロセス。
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