JP2016503795A - 新規メチセルジド誘導体 - Google Patents

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Abstract

新規のメチセルジド誘導体およびその組成物が、本明細書中で提供される。他の実施形態では、本明細書中で開示される化合物および組成物を用いて、種々の医学的障害またはその症候、例えば片頭痛およびパーキンソン病を処置し、防止し、または改善する方法が、本明細書中で提供される。さらに他の実施形態では、例えば、本明細書中で開示される化合物および組成物を用いて、5−HT2B受容体をアゴナイズすることなく5−HT2B受容体をアンタゴナイズする方法が、本明細書中で提供される。さらに他の実施形態では、例えば本明細書中に開示される化合物および組成物を用いて5−HT1A受容体をアゴナイズする方法が、本明細書中で提供される。【選択図】なし

Description

本出願は、2012年12月21日に出願した米国特許仮出願第61/745,131号および2013年1月16日に出願した米国特許仮出願第61/753,328号からの米国特許法第119条(e)下での優先権を主張するものであり、これらの記載内容はともに、参照により本明細書中で援用される。
新規のメチセルジド誘導体およびその組成物が、本明細書中で提供される。他の実施形態では、本明細書中で開示される化合物および組成物を用いて、種々の医学的障害、例えば片頭痛およびパーキンソン病を処置し、防止し、または改善する方法が、本明細書中で提供される。さらに他の実施形態では、例えば、本明細書中で開示される化合物および組成物を用いて、5−HT2B受容体をアゴナイズすることなく5−HT2B受容体をアンタゴナイズする方法が、本明細書中で提供される。さらに他の実施形態では、例えば本明細書中に開示される化合物および組成物を用いて5−HT1A受容体をアゴナイズする方法が、本明細書中で提供される。
メチセルジドは、片頭痛予防のために優れた効力を有し、片頭痛の処置および/または防止のための経口錠剤として商業的に入手可能である(すなわち、サンサート(登録商標)またはデセリル(登録商標))。メチセルジドは5HT2Bアンタゴニストであるため、心臓弁膜症を含む心臓性および非心臓性線維症のような望ましくない副作用を有するべきでない。しかしながら、メチセルジドは低経口的生物学的利用能を有し、in vivoで代謝産物であるメチルエルゴメトリンに代謝され、これは5HT2Bアゴニストであり、その結果、延長治療のためにサンサート(登録商標)またはデセリル(登録商標)を用いる多数の患者において線維症(例えば、腹膜後線維症、胸膜肺線維症、心内膜下線維症および心臓弁の線維性肥厚)の発症をもたらす。
したがって、5HT2Bアンタゴニスト活性、優れた生物学的利用能を有し、in vivoで5HT2Bアゴニストに代謝されない新規のメチセルジド誘導体が依然として必要とされている。
これらのおよびその他の要求に取り組む新規のメチセルジド誘導体が、本明細書中で提供される。一態様において、本明細書中に記載される新規のメチセルジド誘導体化合物としては、式(I)または式(II)であって、
式中、
1は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
2は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、ハロゲン、−OH、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
3は、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、−NO2、−N3、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり、
4は、水素、(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)置換アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキルであり、
5は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
6は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
nは、0、1、2または3であり、
oは、0、1、2、3または4であり
kは、0、1または2であり、かつ
100〜R107は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、
但し、R1およびR2はともに水素ではなく、そしてR1が−CH3であり、nが0であり、oが1であり、R4が−CH3であり、R5が水素であり、かつR6が水素である場合、R2は水素でない、
化合物、またはその塩、多形体、水和物もしくは溶媒和物が挙げられる。
本明細書中に記載される誘導体、例えば塩、エステル、エノールエーテル、エノールエステル、溶媒和物、水和物およびプロドラッグも提供される。さらに、本明細書中で提供される化合物およびビヒクルを含む組成物が提供される。
医学的障害またはその症候、例えば片頭痛、パーキンソン病、悪心(例えば嘔吐)を処置し、防止し、または改善する方法も、本明細書中で提供される。この方法を実行するに際して、治療上有効量の化合物またはその組成物が、被験体に投与される。
定義
別記しない限り、本明細書中で用いられる技術用語および科学用語はすべて、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書中の用語に関して複数の定義が存在する事象では、別記しない限り、本節における定義が主となる。
「アルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親アルカン、アルケンまたはアルキンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により得られる飽和または不飽和、分枝鎖、直鎖または環状の一価炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルキル基としては、限定するものではないが、メチル;エチル、例えばエタニル、エテニル、エチニル;プロピル、例えばプロパン−1−イル、プロパン−2−イル、シクロプロパン−1−イル、プロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル、プロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル等;ブチル、例えばブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イル、2−メチル−プロパン−2−イル、シクロブタン−1−イル、ブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−l−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イル等;などが挙げられる。「アルキル」という用語は、具体的には、任意の程度またはレベルの飽和を有する基、すなわち、もっぱら単一の炭素−炭素結合を有する基、1つ以上の二重炭素−炭素結合を有する基、1つ以上の三重炭素−炭素結合を有する基、および単一、二重および三重炭素−炭素結合の混合物を有する基を包含するよう意図される。具体的なレベルの飽和が意図される場合、「アルカニル」、「アルケニル」および「アルキニル」という表現が用いられる。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1個から20個までの炭素原子を含む(C1〜C20アルキル)。他の実施形態では、アルキル基は、1個から10個までの炭素原子を含む(C1〜C10アルキル)。さらに他の実施形態では、アルキル基は1個から6個までの炭素原子を含む(C1〜C6アルキル)。
「アルカニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親アルカンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により得られる飽和、分枝鎖、直鎖または環状のアルキルラジカルを指す。典型的なアルカニル基としては、限定するものではないが、メタニル;エタニル;プロパニル、例えばプロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イル等;ブタニル、例えばブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イル等などが挙げられる。
「アルケニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親アルケンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により得られる少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和、分枝鎖、直鎖または環状のアルキルラジカルを指す。この基は、二重結合(単数または複数)について、シスまたはトランス立体配座であり得る。典型的なアルケニル基としては、限定するものではないが、エテニル;プロペニル、例えばプロプ−1−エン−1−イル、プロプ−1−エン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル(アリル)、プロプ−2−エン−2−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル;シクロプロプ−2−エン−1−イル;ブテニル、例えばブト−1−エン−1−イル、ブト−1−エン−2−イル、2−メチル−プロプ−1−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−1−イル、ブト−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イル等などが挙げられる。
「アルキニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親アルキンの単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により得られる少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和、分枝鎖、直鎖または環状のアルキルラジカルを指す。典型的なアルキニル基としては、限定するものではないが、エチニル;プロピニル、例えばプロプ−1−イン−1−イル、プロプ−2−イン−1−イル等;ブチニル、例えばブト−1−イン−1−イル、ブト−1−イン−3−イル、ブト−3−イン−1−イル等などが挙げられる。
「アシル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、ラジカル−C(O)R400を指し、ここで、R400は、本明細書中で定義されるように、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。代表例としては、限定するものではないが、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル等が挙げられる。
「アリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、本明細書中で定義されるように、親芳香族環系の単一炭素原子からの1つの水素原子の除去により得られる一価芳香族炭化水素基を指す。典型的なアリール基としては、限定するものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等が挙げられる。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個から20個までの炭素原子を含む(C6〜C20アリール)。他の実施形態では、アリール基は、6個から15個までの炭素原子を含む(C6〜C15アリール)。さらに他の実施形態では、アリール基は、6個から10個までの炭素原子を含む(C6〜C10アリール)。
「アリールアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、本明細書中で定義されるように、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子と結合された水素原子のうちの1つがアリール基と置換した非環式アルキル基を指す。典型的なアリールアルキル基としては、限定するものではないが、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−いる、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−yl、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イル等が挙げられる。具体的なアルキル部分が意図される場合、アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルという用語が用いられる。いくつかの実施形態では、アリールアルキル基は、(C6〜C30)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1〜C10)アルキルであり、アリール部分は(C6〜C20)アリールである。他の実施形態では、アリールアルキル基は(C6〜C20)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1〜C8)アルキルであり、アリール部分は(C6〜C12)アリールである。さらに他の実施形態では、アリールアルキル基は(C6〜C15)アリールアルキルであり、例えばアリールアルキル基のアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1〜C5)アルキルであり、アリール部分は(C6〜C10)アリールである。
「化合物」は、本明細書中に開示される構造式により包含される化合物を指し、その構造が本明細書中に開示されるこれらの式の中の任意の具体的な化合物を包含する。化合物は、それらの化学構造および/または化学名のいずれかにより同定され得る。化学構造および化学名が矛盾する場合、化学構造が化合物の同定の決定因である。本明細書中に記載される化合物は、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を含有し、したがって、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーとして存在し得る。したがって、本明細書中で図示される化学構造は、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋、またはジアステレオマー的に純粋)ならびにエナンチオマー性および立体異性体性混合物を含む、図示された化合物の考えられ得る全てのエナンチオマーおよび立体異性体を包含する。エナンチオマー性および立体異性体性混合物は、当業者に周知の分離技法またはキラル合成技法を用いて、それらの構成成分であるエナンチオマーまたは立体異性体に分割され得る。化合物は、いくつかの互変異性型、例えばエノール型、ケト型およびそれらの混合物でも存在し得る。したがって、本明細書中で示される化学構造は図示された化合物の考えられ得る全ての互変異性型を包含する。記載される化合物は、放射能標識された化合物をも含み、ここで、1つ以上の原子が自然に従来より見出される原子質量とは異なる原子質量を有する。本発明の化合物中に組み込まれ得る同位体の例としては、限定するものではないが、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O等が挙げられる。化合物は、非溶媒和型または非水和型、ならびに溶媒和型、例えば水和型を含み、かつN酸化物として存在し得る。概して、化合物は、水和化され、溶媒和化され得、またはN酸化物であり得る。ある種の化合物は、多結晶または非晶質型で存在し得る。概して、すべての物理的形態は本明細書中で意図される用途に関して等価であり、例としてはイオン対、多形体、塩、水和物または溶媒和物、およびその任意の許容可能な薬理学的製剤が挙げられ、本発明の範囲内であるよう意図される。さらに、化合物の部分構造が示される場合、括弧は、分子の残り部分との部分構造の結合点を示す、と理解されるべきである。
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルカニル」、「ヘテロアルケニル」および「ヘテロアルキニル」は、それら自体、または他の置換基の一部として、炭素原子(および任意のあらゆる関連水素原子)のうちの1つ以上が、各々互いに独立して、同一のまたは異なる異種原子または異種原子基と置換されるアルキル、アルカニル、アルケニルおよびアルキニル基をそれぞれ指す。炭素原子と置換し得る典型的な異種原子または異種原子基としては、限定するものではないが、−O−、−S−、−N−、−Si−、−NH−、−S(O)−、−S(O)2−、−S(O)NH−、−S(O)2NH−等、およびそれらの組合せが挙げられる。異種原子または異種原子基は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基の任意の内部位置に配置され得る。これらの基に含まれ得る典型的な異種原子基としては、限定するものではないが、−O−、−S−、−O−O−、−S−S−、−O−S−、−NR501502−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR503404、−PR505−、−P(O)2−、−POR506−、−O−P(O)2−、−SO−、−SO2−、−SnR507508−等が挙げられ、ここでR501、R502、R503、R504、R505、R506、R507およびR508は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、置換シクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。
「ヘテロアリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、本明細書中で定義されるように、親ヘテロ芳香族環系の単一原子からの1つの水素原子の除去により得られる一価ヘテロ芳香族ラジカルを指す。典型的なヘテロアリール基としては、限定するものではないが、アクリジン、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等が挙げられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、5個から20個までの環原子を含む(5〜20員ヘテロアリール)。他の実施形態では、ヘテロアリール基は、5個から10個までの環原子を含む(5〜10員ヘテロアリール)。例示的なヘテロアリール基としては、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンズイミダゾール、インドール、ピリジン、ピラゾール、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾールおよびピラジンに由来するものが挙げられる。
「ヘテロアリールアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、炭素原子、典型的には末端またはsp3炭素原子と結合された水素原子のうちの1つがヘテロアリール基に置換される非環式アルキル基を指す。具体的なアルキル部分が意図される場合、ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロアリールアルキニルという用語が用いられる。いくつかの実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は、6〜21員ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1〜C6)アルキルであり、そしてヘテロアリール部分は5〜15員ヘテロアリールである。他の実施形態では、ヘテロアリールアルキルは、6〜13員ヘテロアリールアルキルであり、例えばアルカニル、アルケニルまたはアルキニル部分は(C1〜C3)アルキルであり、ヘテロアリール部分は5〜10員ヘテロアリールである。
「水和物」は、本明細書中に記載される化合物の結晶格子中に、化学量論的割合で水を組み入れて、付加物を形成することを指す。水和物の作製方法としては、限定するものではないが、水蒸気を含有する大気中での保存、水を含む剤形、または慣例的な薬剤加工処理ステップ、例えば結晶化(すなわち、水または混合水性溶媒から)、凍結乾燥、湿潤造粒、水性皮膜コーティングまたは噴霧乾燥が挙げられる。水和物はまた、ある種の環境下では、水蒸気への曝露時に、または水中の無水物質の懸濁時に、結晶溶媒和物から形成され得る。水和物はまた、1超の形態で結晶化して、水和物多形体を生じ得る(例えば、Guillory, K., Chapter 5, pp. 202−205 in Polymorphism in Pharmaceutical Solids,(Brittain,H.ed.),Marcel Dekker,Inc.,NewYork,NY,1999参照)。水和物を調製する上記の方法は、十分に当業者の範囲内であり、完全に慣例的で、かつ当該技術分野で典型的である以上の如何なる実験も必要としない。水和物は、当業者に周知の方法、例えば単結晶X線回析、X線粉末回析、偏光光学顕微鏡法、熱顕微鏡法、熱重量分析、示差熱分析、示差走査熱量測定、IR分光分析、ラマン分光分析およびNMR分光分析により、特性化され、かつ/または分析され得る(Brittain,H.,Chapter 6,pp.205−208 in Polymorphism in Pharmaceutical Solids,(Brittain,H.ed.),Marcel Deldcer,Inc.New York,1999)。さらに、多数の商事会社のルーチン、例えばHOLODIAG,Pharmaparc II,Voie del’Innovation,27 100Val de(フランス ルイユ)(http://www.holodiag.com)は、水和物の調製および/または特性化を含むサービスを提供している。
「親芳香族環系」は、共役π電子系を有する不飽和環式または多環式環系を指す。具体的には、「親芳香族環系」の定義内に含まれるものは、環のうちの1つ以上が芳香族であり、かつ環のうちの1つ以上が飽和または不飽和である縮合環系、例えばフルオレン、インダン、インデン、フェナレン等である。典型的な親芳香族環系としては、限定するものではないが、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレン等が挙げられる。
「親ヘテロ芳香族環系」は、1つ以上の炭素原子(および任意のあらゆる関連水素原子)が、各々互いに独立して、同一のまたは異なる異種原子と置換する親芳香族環系を指す。炭素原子と置換する典型的異種原子としては、限定するものではないが、N、P、O、B、S、Si等が挙げられる。具体的には、「親ヘテロ芳香族環系」の定義内に含まれるのは、環のうちの1つ以上が芳香族で、かつ環のうちの1つ以上が飽和または不飽和である縮合環系、例えばベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテン等である。典型的な親ヘテロ芳香族環系としては、限定するものではないが、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン等が挙げられる。
「防止すること」または「防止」は、疾患または障害を獲得するリスクの低減(すなわち、疾患に曝露されるかまたは罹り易くあり得るが、しかし未だ疾患の症候を経験していないかまたは示していない患者において、疾患の臨床的症候のうちの少なくとも1つを発症させないこと)を指す。いくつかの実施形態では、「防止すること」または「防止」は、防止的に化合物を摂取することにより疾患の症候を低減することを指す。障害の疾患を防止することまたは防止のための治療法の適用は、「予防」として既知である。いくつかの実施形態では、本明細書中で提供される化合物は、長期間に亘る長期副作用の低減のため、優れた予防を提供する。
「プロドラッグ」は、活性薬剤を放出するために身体内での転換を要する薬剤分子の誘導体を指す。プロドラッグは、しばしば(必ずというわけではないが)、親薬剤に転化されるまでは薬理学的に不活性である。
「プロモイエティ(promoiety)」は、薬剤分子内の官能基を遮蔽するために用いられる場合、薬剤をプロドラッグに転化する保護基の一形態を指す。典型的には、プロモイエティは、in vivoで酵素的または非酵素的手段により切断される結合(単数または複数)を介して薬剤と付着する。
「塩」は、親化合物の所望の薬理学的活性を保有する化合物の塩を指す。このような塩としては、以下の、(1)無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を伴って形成されるか、もしくは有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等を伴って形成される酸付加塩、または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン、例えばアルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオンに置換される場合、もしくは有機塩基、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルグルカミン等と配位結合する場合に形成される塩が挙げられる。
「溶媒和物」は、本明細書中に記載される化合物の結晶格子中に、化学量論的割合で溶媒を組み入れて、付加物を形成することを指す。溶媒和物の作製方法としては、限定するものではないが、溶媒を含有する大気中での保存、溶媒を含む剤形、または慣例的薬剤加工処理ステップ、例えば結晶化(すなわち、溶媒または混合溶媒から)、蒸気拡散等が挙げられる。溶媒和物はまた、ある種の環境下では、溶媒への曝露時に、または溶媒中の物質の懸濁時に、他の結晶溶媒和物または水和物から形成され得る。溶媒和物は、1超の形態で結晶化して、溶媒和物多形体を生じ得る(例えば、Guillory, K., Chapter 5, pp. 205−208 in Polymorphism in Pharmaceutical Solids,(Brittain,H.ed.),Marcel Dekker,Inc.,NewYork,NY,1999参照)。溶媒和物を調製する上記の方法は、十分に当業者の範囲内であり、完全に慣例的で、かつ当該技術分野で典型的である以上の如何なる実験も必要としない。溶媒和物は、当業者に周知の方法、例えば単結晶X線回析、X線粉末回析、偏光光学顕微鏡法、熱顕微鏡法、熱重量分析、示差熱分析、示差走査熱量測定、IR分光分析、ラマン分光分析およびNMR分光分析により、特性化されかつ/または分析され得る(Brittain,H.,Chapter 6,pp.205−208 in Polymorphism in Pharmaceutical Solids,(Brittain,H.ed.),Marcel Deldcer,Inc.New York,1999)。さらに、多数の商事会社のルーチン、例えばHOLODIAG,Pharmaparc II,Voie del’Innovation,27 100Val de(フランス ルイユ)(http://www.holodiag.com)は、溶媒和物の調製および/または特性化を含むサービスを提供している。
「置換化」は、特定基またはラジカルを修飾するために用いられる場合、特定基またはラジカルの1つ以上の水素原子が、各々互いに独立して、同一または異なる置換基(単数または複数)に置換されることを意味する。特定の基またはラジカル中の飽和炭素原子を置換するために有用な置換基としては、限定するものではないが、−Ra、ハロ、−O-、=O、−ORb、−SRb、−S-、=S、−NRcc、=NRb、=N−ORb、トリハロメチル、−CF3、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−S(O)2b、−S(O)2NRb、−S(O)2-、−S(O)2ORb、−OS(O)2b、−OS(O)2-、−OS(O)2ORb、−P(O)(O-2、−P(O)(ORb)(O-)、−P(O)(ORb)(ORb)、−C(O)Rb、−C(S)Rb、−C(NRb)Rb、−C(O)O-、−C(O)ORb、−C(S)ORb、−C(O)NRcc、−C(NRb)NRcc、−OC(O)Rb、−OC(S)Rb、−OC(O)O-、−OC(O)ORb、−OC(S)ORb、−NRbC(O)Rb、−NRbC(S)Rb、−NRbC(O)O-、−NRbC(O)ORb、−NRbC(S)ORb、−NRbC(O)NRcc、−NRbC(NRb)Rbおよび−NRbC(NRb)NRccが挙げられ、ここで、Raは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、Rbは、各々独立して、水素またはRaであり、かつRcは、各々独立してRbであるか、あるいは2つのRcは、それらが結合される窒素原子と一緒になって、4−、5−、6−または7−員シクロヘテロアルキルを形成するが、これは、任意に、O、NおよびSからなる群から選択される同一のまたは異なる付加的異種原子のうちの1〜4個を含み得る。具体例として、−NRccは、−NH2、−NH−アルキル、N−ピロリジニルおよびN−モルホリニルを含むことを意味する。
同様に、特定基またはラジカル中の不飽和炭素原子を置換するために有用な置換基としては、限定するものではないが、−Ra、ハロ、−O-、−ORb、−SRb、−S-、−NRcc、トリハロメチル、−CF3、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、−N3、−S(O)2b、−S(O)2-、−S(O)2ORb、−OS(O)2b、−OS(O)2-、−OS(O)2ORb、−P(O)(O-2、−P(O)(ORb)(O-)、−P(O)(ORb)(ORb)、−C(O)Rb、−C(S)Rb、−C(NRb)Rb、−C(O)O-、−C(O)ORb、−C(S)ORb、−C(O)NRcc、−C(NRb)NRcc、−OC(O)Rb、−OC(S)Rb、−OC(O)O-、−OC(O)ORb、−OC(S)ORb、−NRbC(O)Rb、−NRbC(S)Rb、−NRbC(O)O-、−NRbC(O)ORb、−NRbC(S)ORb、−NRbC(O)NRcc、−NRbC(NRb)Rbおよび−NRbC(NRb)NRccが挙げられ、ここで、Ra、RbおよびRcは、上記と同様である。
ヘテロアルキル基およびシクロヘテロアルキル基中の窒素原子を置換するために有用な置換基としては、限定するものではないが、−Ra、−O-、−ORb、−SRb、−S-、−NRcc、トリハロメチル、−CF3、−CN、−NO、−NO2、−S(O)2b、−S(O)2-、−S(O)2ORb、−OS(O)2b、−OS(O)2-、−OS(O)2ORb、−P(O)(O-2、−P(O)(ORb)(O-)、−P(O)(ORb)(ORb)、−C(O)Rb、−C(S)Rb、−C(NRb)Rb、−C(O)ORb、−C(S)ORb、−C(O)NRcc、−C(NRb)NRcc、−OC(O)Rb、−OC(S)Rb、−OC(O)ORb、−OC(S)ORb、−NRbC(O)Rb、−NRbC(S)Rb、−NRbC(O)ORb、−NRbC(S)ORb、−NRbC(O)NRcc、−NRbC(NRb)Rbおよび−NRbC(NRb)NRccが挙げられ、ここで、Ra、RbおよびRcは、上記と同様である。
他の特定基または原子を置換するために有用な上記列挙からの置換基は、当業者に明らかである。特定基を置換するために用いられる置換基は、典型的には、上記の種々の基から選択される同一または異なる基のうちの1つ以上でさらに置換され得る。
「被験体」、「個体」または「患者」は、本明細書中で互換的に用いられ、脊椎動物、好ましくは哺乳動物を指す。哺乳動物としては、限定するものではないが、ネズミ、齧歯類、サル、ヒト、農場動物、スポーツ用動物およびペットが挙げられる。
任意の疾患または障害の「処置すること」または「処置」は、いくつかの実施形態では、疾患または障害を改善すること(すなわち、疾患またはその臨床症候のうちの少なくとも1つの発症を停止するかまたは低減すること)を指す。処置はまた、疾患または臨床症候のうちの1つの発症を改善し、停止し、または防止するための先制的または予防的投与を含むとみなされ得る。さらなる特徴では、行われる処置は、長年に亘る長期副作用の可能性を低減させる。他の実施形態では、「処置すること」または「処置」は、患者が識別し得ない少なくとも1つの身体的パラメーターを改善することを指す。さらに他の実施形態では、「処置すること」または「処置」は、身体的に(例えば、識別可能な症候の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)のいずれかまたはその両方で、疾患または障害を抑制することを指す。さらに他の実施形態では、「処置すること」または「処置」は、疾患または障害の開始を遅らせることを指す。
「治療上有効量」は、疾患を処置するために患者に投与される場合、疾患のためのこのような処置を実行するために十分である化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、化合物、疾患およびその重症度、ならびに処置されるべき患者の年齢、体重、吸着、分布、代謝および排泄等によって変動するものである。
「ビヒクル」は、化合物と共に被験体に投与される希釈剤、賦形剤または担体を指す。
化合物
式(I)または(II)
のメチセルジド誘導体であって、
式中、
1は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
2は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、ハロゲン、−OH、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
3は、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、−NO2、−N3、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり、
4は、水素、(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)置換アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキルであり、
5は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
6は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
nは、0、1、2または3であり、
oは、0、1、2、3または4であり、
kは、0、1または2であり、かつ
100〜R107は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、
但し、R1およびR2はともに水素ではなく、かつR1が−CH3であり、nが0であり、oが1であり、R4が−CH3であり、R5が水素であり、かつR6が水素である場合、R2は水素でない、
メチセルジド誘導体、またはその塩、多形体、水和物もしくは溶媒和物が、本明細書中で提供される。
本明細書中に記載されるメチセルジド誘導体は、種々の障害、例えば片頭痛およびパーキンソン病を処置し、防止し、または改善するために用いられ得る。本明細書中に記載されるメチセルジド誘導体は、例えば5−HT2B受容体のような受容体をアンタゴナイズするためにも用いられ得る。本明細書中に記載されるメチセルジド誘導体は、受容体、例えば限定するものではないが、5HT1A受容体をアゴナイズするためにも用いられ得る。さらに、本明細書中に記載されるメチセルジド誘導体は、ドーパミン作動性受容体のような受容体、例えば限定するものではないが、ドーパミン作動性受容体D2L、ドーパミン作動性受容体D3およびドーパミン作動性受容体D4をアンタゴナイズするためにも用いられ得る。
いくつかの実施形態では、R2は水素である。他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3である。
いくつかの実施形態では、R1は水素である。他の実施形態では、R2は、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R2は、Br、−CF3または−CH3である。
いくつかの実施形態では、R1およびR2は水素でない。他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2はBr、−CF3または−CH3である。
いくつかの実施形態では、R3は、アルキル、アシル、ハロ、ヘテロアルキル、−NO2、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107である。他の実施形態では、R3は、アルキル、アシル、ハロ、ヘテロアルキル、−NO2、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり、nは1である。さらに他の実施形態では、R3は、アルキル、ハロまたは−OR101であり、nは1である。さらに他の実施形態では、nは0である。
いくつかの実施形態では、R4は、水素または(C1〜C3)アルキルである。他の実施形態では、R4は、水素、メチルまたはアリルである。さらに他の実施形態では、R4はメチルである。
いくつかの実施形態では、R5は、水素、アルキルまたはアシルである。他の実施形態では、R5は、水素またはアシルである。さらに他の実施形態では、R5は水素である。
いくつかの実施形態では、R6は、水素または(C1〜C4)アルキルである。他の実施形態では、R6は水素である。さらに他の実施形態では、nは0であり、oは1である。
いくつかの実施形態では、R100〜R107は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。他の実施形態では、R100〜R107は、独立して、水素、アルキルまたは置換アルキルである。
いくつかの実施形態では、R1は、水素、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、水素、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R3は、アルキル、アシル、ハロ、ヘテロアルキル、−NO2、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり、nは1であり、R4は、水素または(C1〜C3)アルキルであり、R5は、水素、アルキルまたはアシルであり、R6は、水素または(C1〜C4)アルキルである。他の実施形態では、R1は、水素、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、水素、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R3は、アルキル、ハロまたは−OR101であり、nは1であり、R4は、水素または(C1〜C3)アルキルであり、R5は、水素、アルキルまたはアシルであり、かつR6は、水素または(C1〜C4)アルキルである。さらに他の実施形態では、R1は、水素、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、水素、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、nは0であり、R4はメチルであり、R5は水素であり、かつR6は、水素または(C1〜C4)アルキルである。上記の実施形態の多くにおいて、oは1である。
いくつかの実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2は−CF3、−CH3またはBrであり、R3は、アルキル、アシル、ハロ、ヘテロアルキル、−NO2、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり、nは1であり、R4はメチルであり、R5は水素であり、かつR6は水素である。他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2は−CF3、−CH3またはBrであり、R3は、アルキル、ハロまたは−OR101であり、nは1であり、R4はメチルであり、R5は水素であり、かつR6は水素である。さらに他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2は−CF3、−CH3またはBrであり、nは0であり、R4はメチルであり、R5は水素であり、そしてR6は水素である。上記の実施形態の多くにおいて、oは1である。
いくつかの実施形態では、式(III)または(IV)の構造を有する化合物が提供される。
上記の実施形態のいくつかにおいて、R2は水素である。上記の他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3である。
上記のいくつかの実施形態では、R1は水素である。上記の他の実施形態では、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R2は−CF3、−CH3またはBrである。
上記のいくつかの実施形態では、R1およびR2は水素でない。上記の他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R1は、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルである。上記のさらに他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2は−CF3、−CH3またはBrである。
上記のいくつかの実施形態では、R4は、水素または(C1〜C3)アルキルである。上記の他の実施形態では、R4は水素、メチルまたはアリルである。上記のさらに他の実施形態では、R4はメチルである。
上記のいくつかの実施形態では、R1は、水素、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R2は、水素、ハロゲン、(C1〜C4)アルキルまたは1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキルであり、R4は水素または(C1〜C3)アルキルである。上記の他の実施形態では、R1は−CF3または−CH3であり、R2は−CF3、−CH3またはBrであり、R4はメチルである。
いくつかの実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。さらに他の実施形態では、以下の構造:
を有する化合物が提供される。
本明細書中で提供される組成物および方法で用いるための式(I)および(II)の化合物の調製のための例示的方法が以下および実施例に記載されるが、当該技術分野で既知の他の方法が、本明細書中で開示される新規のメチセルジド化合物を調製するために用いられてもよい。
いくつかの実施形態では、式(I)および(II)の化合物の2−非置換類似体(例えば、式(V)および(VI)の化合物)の直接的官能化を用いて、例えば塩基性条件下でアルキルハロゲン化物を用いて、式(I)および(II)の化合物を提供できる。
他の実施形態では、当業者に周知の方法により調製できるカルボン酸(VII)および(VIII)を、式(I)および(II)の化合物を提供するために用いることができる。
酸(VII)および(VIII)を、それぞれ式(I)および(II)の化合物に転化するために、多数の方法が存在する。したがって、カルボン酸(V)および(VI)からの(I)および(II)の調製は、十分に当業者の範囲内である。
組成物および投与方法
本明細書中で提供される組成物は、本明細書中に記載される疾患または障害の症候のうちの1つ以上の防止、処置または改善に有用である治療上有効量の本明細書中で提供される化合物のうちの1つ以上、およびビヒクルを含有する。本明細書中で提供される化合物の投与に適したビヒクルは、特定の投与方式に適していることが当業者に既知であるような任意の担体を包含する。
さらに、本化合物は、組成物中の単独活性成分として製剤化してもよく、または他の活性成分と組み合わせてもよい。
本組成物は、本明細書中で提供される1つ以上の化合物を含有する。本化合物を、いくつかの実施形態では、経口投与のために適した製剤に、例えば、溶液、懸濁液、錠剤、分散性錠剤、ピル、カプセル、粉末、徐放性製剤またはエリキシルに製剤化されてもよく、または、非経口投与、ならびに局所投与、経皮投与、およびネブライザー、加圧定量吸入器および乾燥粉末吸入器を介した吸入投与用の滅菌溶液または懸濁液中において製剤化してもよい。いくつかの実施形態では、上記の化合物は、当該技術分野で周知の技法および手順を用いて、組成物に製剤化される(例えば、Ansel Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms, Seventh Edition (1999)参照)。
本組成物中で、有効濃度の1つ以上の化合物またはその誘導体が、適切なビヒクルと混合される。本化合物は、上記のように、処方の前に、対応する塩、エステル、エノールエーテルまたはエステル、アセタール、ケタール、オルトエステル、ヘミアセタール、ヘミケタール、酸、塩基、溶媒和物、イオン対、水和物またはプロドラッグとして誘導体化され得る。本組成物中の化合物の濃度は、本明細書中に記載される疾患または障害の症候のうちの1つ以上を処置し、その防止または改善をもたらす投与時の量の送達のために有効である。いくつかの実施形態では、本組成物は、1回投薬量投与用に製剤化される。本組成物を製剤化するために、処置症状が軽減され、防止され、あるいは1つ以上の症候が改善されるような有効濃度で、重量分率の化合物が溶解され、懸濁され、分散され、またあるいは選択されるビヒクル中で混合される。
活性化合物は、処置される患者に及ぼす望ましくない副作用が存在しない中で、治療上有用な作用を発揮するのに十分な量でビヒクル中に含まれる。治療上有効濃度は、当業者に周知のin vitroおよびin vivo系で化合物を試験することにより経験的に予測されてもよく、次いでこれらの系からヒトの投与量に関して推定し得る。次いで、ヒト投与量は、典型的には臨床試験で微調整され、応答に対して滴定される。
本組成物中の活性化合物の濃度は、活性成分の吸収、不活性化および排泄速度、化合物の物理化学的特質、投与計画、および投与量、ならびに当業者に既知の他の要因に応じる。例えば、送達される量は、本明細書中に記載されるような疾患または障害の症候のうちの1つ以上を改善するために十分である。
いくつかの実施形態では、治療上有効量は、約0.001ng/ml〜約50〜200μg/mlの活性成分の血清濃度を生じるべきである。本組成物は、他の実施形態では、約0.0001mg〜約70mgの化合物/kg体重/日の投与量を提供すべきである。単位剤形は、約0.01mg、0.1mgまたは1mgから、約500mg、1000mgまたは5000mgまで、いくつかの実施形態では、約10mg〜約500mgの活性成分または必須成分の組合せを単位剤形あたりで提供するよう調製される。
活性成分は、一度に投与してもよく、または間隔を置いて投与される複数回の小さい用量に分けてもよい。処置の精確な投与量および持続期間は、処置されている疾患の一関数であり、既知の試験プロトコールを用いて経験的に、またはin vivoもしくはin vitro試験データもしくはその後の臨床試験からの推定により決定され得ることが理解される。濃度および投与量の値も、軽減されるべき症状の重症度に伴って変動し得ることに留意されたい。さらに、任意の特定の被験体に関して、具体的な投薬レジメンは、個々の必要性および、組成物を投与するかまたは投与を監督する人の専門的判断に従って経時的に調整されるべきであり、かつ本明細書中で設定される濃度範囲は単なる例示であり、請求される組成物の範囲または実務を限定するよう意図するものではないと理解するべきである。
化合物が不十分な可溶性を示す場合、化合物を可溶化する方法、例えばリポソーム、プロドラッグ、錯化/キレート化、ナノ粒子、または乳濁液もしくは三次テンプレート法が用いられ得る。このような方法は当業者に既知であり、例としては、限定するものではないが、共溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)の使用、界面活性剤または表面改質剤、例えばトゥイーン(登録商標)、錯化剤、例えばシクロデキストリンの使用、またはイオン化増強による溶解(すなわち、重炭酸ナトリウム水溶液中に溶解する)が挙げられる。化合物の誘導体、例えば化合物のプロドラッグも、有効な組成物を処方するために用いられ得る。
化合物(単数または複数)の混合または付加時に、その結果生じる混合物は、溶液、懸濁液、乳濁液等であり得る。その結果生じる混合物の形態は、例えば意図される投与方式、および選定ビヒクル中の化合物の溶解度を含む多くの要因に依存する。有効濃度は、処置される疾患、障害または症状の症候を改善するために十分であり、経験的に決定され得る。
本組成物は、適量の化合物またはその誘導体を含有する剤形、例えば乾燥粉末吸入器(DPI)、加圧定量吸入器(pMDI)、ネブライザー、錠剤、カプセル、ピル、舌下テープ/生体浸食性ストリップ、錠剤またはカプセル、粉末、顆粒、ロゼンジ、ローション、膏薬、坐薬、即時溶解剤、経皮パッチまたはその他の皮膚適用装置/製剤、滅菌非経口溶液または懸濁液、および経口溶液または懸濁液、ならびに油−水懸濁液に適した適応症において、ヒトおよび動物への投与のために提供される。治療上活性化合物およびその誘導体は、いくつかの実施形態では、単位剤形または複数回型剤形で製剤化され、かつ投与される。本明細書中で用いられるような単位用量剤形は、ヒトおよび動物被験体に適しており、かつ当該技術分野で既知であるように個別に包装された物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、必要とされるビヒクルと関連して、所望の治療的効果を生じるのに十分な所定量の治療上活性化合物を含有する。単位用量剤形の例としては、アンプルおよび注射器、ならびに個別包装された錠剤またはカプセルが挙げられる。単位用量剤形は、何回かに分けて投与してもよく、またはそれを多数回投与してもよい。複数回型剤形は、分離した単位用量剤形で投与される単一容器中に包装された複数の同一の単位剤形である。複数回型剤形の例としては、バイアル、錠剤またはカプセルのボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。それ故、複数回型剤形は、包装で分離されない複数の単位用量である。
液体組成物は、例えば水、生理食塩水、水性デキストロース、グリセロール、グリコール、エタノール等のビヒクル中に、上記に定義した活性化合物および任意のアジュバントを溶解し、分散し、または混合して、それにより溶液または懸濁液、コロイド分散液、乳濁液またはリポソーム製剤を生成することにより、調製され得る。所望により、投与されるべき組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤、乳化剤、可溶化剤、pH緩衝剤等、例えば酢酸塩、クエン酸ナトリウム、シクロデキストリン誘導体、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン・酢酸ナトリウム、トリエタノールアミンオレイン酸塩およびその他のこのような作用物質も含有し得る。
このような剤形を調製する実際の方法は、当業者に既知であり、または明らかである;例えばRemington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company, Easton,Pa.,15th Edition,1975またはその後の版を参照されたい。
ビヒクルまたは担体で調製した0.005%〜100%の範囲の活性成分を含む剤形または組成物が、調製され得る。これらの組成物の調製方法は、当業者に既知である。意図される組成物は、一実施形態では0.001%〜100%の活性成分を、一実施形態では、0.1〜95%、別の実施形態では、0.4〜10%の活性成分を含有し得る。
ある実施形態では、本組成物は、当該技術分野で周知であり、例えばU.S.Pharmacopeia(USP)25−NF20(2002)に列挙されている賦形剤を含有するラクトース無含有組成物である。概して、ラクトース無含有組成物は、活性成分、結合剤/充填剤、および潤滑剤を相溶量で含有する。特定のラクトース無含有剤形は、活性成分、微晶質セルロース、アルファデンプンおよびステアリン酸マグネシウムを含有する。
さらに、水はいくつかの化合物の分解を促進する可能性があるため、活性成分を含む無水組成物および剤形が提供される。例えば、経時的な製剤の保存寿命または安定性といったような特質を確定するために、水の付加(例えば5%)が長期貯蔵を模擬実験する一手段として広く受け入れられている(例えば、Jens T.Carstensen,Drug Stability:Principles&Practice,2d.Ed.,Marcel Deldcer,NY,NY,1995,pp.379−80参照)。実際には、水および熱は一部の化合物の分解を加速する。したがって、水分および/または湿度は一般に、製剤の製造、取扱い、包装、貯蔵、発送および使用中に接触するため、製剤に及ぼす水の作用は大きな意味を有し得る。
本明細書中で提供される無水組成物および剤形は、無水または低水分含有成分および低水分または低湿度条件を用いて調製され得る。
無水組成物は、その無水性が保持されるよう調製および保存されるべきである。したがって、無水組成物は、一般的に、それらが適切な製剤キット中に含まれ得るよう、水への曝露を防止することが知られている材料を用いて包装される。適切な包装の例としては、限定するものではないが、密閉フォイル、プラスチック、単位用量容器(例えばバイアル)、ブリスターパックおよびストリップパックが挙げられる。
経口剤形は、固体、ゲルまたは液体である。固体剤形は、錠剤、カプセル、顆粒および原薬粉末である。経口錠剤の種類としては、腸溶性錠剤、糖衣錠または皮膜被覆錠であり得る圧縮、咀嚼ロゼンジおよび錠剤が挙げられる。カプセルは、硬質または軟質のゼラチンカプセルであり得るが、一方、顆粒および粉末は、当業者に既知の他の成分の組み合わせた非発泡性または発泡性形態で提供され得る。
ある実施形態では、製剤は固体剤形、例えばカプセルまたは錠剤である。錠剤、ピル、カプセル、トローチ等は、以下の結合剤、潤滑剤、希釈剤、滑剤、崩壊剤、着色剤、甘味剤、風味剤、湿潤剤、腸溶コーティング剤、皮膜コーティング剤および放出調整剤の成分、または同様の性質を有する添加剤または化合物のうちの1つ以上を含有できる。結合剤の例としては、微晶質セルロース、メチルパラベン、ポリアルキレンオキシド、トラガカントゴム、グルコース溶液、アラビアゴム、ゼラチン溶液、糖蜜、ポリビニルピロリジン、ポビドン、クロスポビドン、スクロースならびにデンプンおよびデンプン誘導体が挙げられる。潤滑剤としては、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム/カルシウム、リコポジウムおよびステアリン酸が挙げられる。希釈剤としては、例えばラクトース、スクロース、トレハロース、リジン、ロイシン、レシチン、デンプン、カオリン、塩、マンニトールおよびリン酸二カルシウムが挙げられる。滑剤としては、限定するものではないが、コロイド二酸化ケイ素が挙げられる。崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、アルギン酸、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、ベントナイト、メチルセルロース、寒天およびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。着色剤としては、例えば、認可認証水溶性FDおよびC染料、その混合物およびアルミナ水和物上に懸濁される水不溶性FDおよびC染料、ならびに当業者に既知の先進着色または偽造防止用色/乳白光添加物のうちのいずれかが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトールおよび人工甘味剤、例えばサッカリン、および任意数の噴霧乾燥風味剤が挙げられる。風味剤としては、植物、例えば果物から抽出される天然風味、および心地よい知覚を生じるかまたは不快な味を遮蔽する化合物の合成配合物、例えば限定するものではないが、ペパーミントおよびサリチル酸メチルが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウラルエーテルが挙げられる。腸溶コーティング剤としては、脂肪酸、脂肪、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラックおよび酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。皮膜コーティング剤としては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000および酢酸フタル酸セルロースが挙げられる。放出調整剤または徐放剤としては、オイドラギット(登録商標)シリーズおよびセルロースエステルのようなポリマーが挙げられる。
本化合物またはその誘導体は、それを胃の酸性環境から保護する組成物中に提供され得る。例えば本組成物は、胃中で組成物の完全性を保持し、小腸で活性化合物を放出する腸溶コーティング中に処方され得る。本組成物は、制酸剤またはその他のこのような成分と組み合わせても製剤され得る。
単位剤形がカプセルである場合、上記の種類の物質に加えて液体担体、例えば脂肪油を含有できる。さらに単位剤形は、単位投与量の物理的形態を改変する種々のその他の物質、例えば糖のコーティング剤およびその他の腸溶性作用物質を含有できる。本化合物は、エリキシル、懸濁液、シロップ、ウエファ、振掛け剤、咀嚼ガム等の一構成成分としても投与できる。シロップは、活性化合物に加えて、甘味剤としてのスクロース、およびある種の防腐剤、染料および着色剤ならびに風味剤を含有し得る。
活性物質は、所望の作用を損なわない他の活性物質、または所望の作用を補足する物質、例えば制酸剤、H2遮断剤および利尿剤とも混合され得る。活性成分は、本明細書中に記載されるような化合物またはその誘導体である。高濃度(最大約98重量%)の活性成分が、含まれ得る。
すべての実施形態において、活性成分の溶解を修正または持続するために、錠剤およびカプセル製剤は、当業者に既知であるように被覆され得る。したがって、例えばそれらは、従来の腸溶性コーティング剤、例えばフェニルサリチレート、ワックスおよび酢酸フタル酸セルロースで被覆され得る。
液体経口剤形としては、水性溶液、乳濁液、懸濁液、非発泡性顆粒から再構成される溶液および/または懸濁液、ならびに発泡性顆粒から再構成される発泡性製剤が挙げられる。水性溶液としては、例えばエリキシルおよびシロップが挙げられる。乳濁液は、水中油型または油中水型である。
エリキシルは、透明な甘いヒドロアルコール性製剤である。エリキシルに用いられるビヒクルは、溶媒を包含する。シロップは、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含有し得る。乳濁液は、二相系で、一方の液体が別の液体全体に小球の形態で分散される。乳濁液に用いられる担体は、非水性液体、乳化剤および防腐剤である。懸濁液は、沈澱防止剤および防腐剤を用いる。液体経口剤形に再構成されるべき非発泡性顆粒中に用いられる許容可能な物質としては、希釈剤、甘味剤および湿潤剤が挙げられる。液体経口剤形に再構成されるべき発泡性顆粒中に用いられる許容可能な物質としては、有機酸および二酸化炭素源が挙げられる。着色剤および風味剤は、上記剤形の全てに用いられる。
溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコールおよびシロップが挙げられる。防腐剤の例としては、グリセリン、メチルおよびプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよびアルコールが挙げられる。乳濁液中に利用される非水性液体の例としては、鉱油および綿実油が挙げられる。乳化剤の例としては、ゼラチン、アラビアゴム、トラガカントゴム、ベントナイト、および界面活性剤、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートが挙げられる。沈澱防止剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカントゴム、ビーガムおよびアラビアゴムが挙げられる。甘味剤としては、スクロース、シロップ、グリセリンおよび人工甘味料、例えばサッカリンが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレートおよびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素源としては、重炭酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。着色剤としては、認可認証水溶性FDおよびC染料、ならびにその混合物のいずれかが挙げられる。風味剤としては、植物、例えば果実から抽出される天然風味剤、および心地よい味覚を生じる化合物の合成配合物が挙げられる。
固体剤形に関しては、例えば炭酸プロピレン、植物油またはトリグリセリド中の溶液または懸濁液は、いくつかの実施形態では、ゼラチンカプセル中に封入される。このような溶液、ならびにその調製およびカプセル封入は、米国特許第4,328,245号、第4,409,239号および第4,410,545号に開示されている。液体剤形に関しては、例えばポリエチレングリコール中の溶液は、投与のために容易に測定されるのに十分な量の液体ビヒクル、例えば水で希釈され得る。
あるいは、液体または半固体経口製剤は、植物油、グリコール、トリグリセリド、プロピレングリコールエステル(例えば、炭酸プロピレン)およびその他のこのような担体中に活性化合物または塩を溶解するかまたは分散し、かつ硬質または軟質ゼラチンカプセル外殻中にこれらの溶液または懸濁液を封入することにより、調製され得る。他の有用な製剤としては、米国特許第RE28,819号および第4,358,603号に記述されたものが挙げられる。要するに、このような製剤としては、限定するものではないが、本明細書中で提供される化合物、ジアルキル化モノ−またはポリアルキレングリコール、例えば1,2−ジメトキシエタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテル(ここで、350、550および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)および1つ以上の酸化防止剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートを含有するものが挙げられる。
その他の製剤としては、限定するものではないが、水性アルコール溶液、例えばアセタールが挙げられる。これらの製剤中に用いられるアルコールは、限定するものではないが、1つ以上のヒドロキシル基を有する任意の水混和性溶媒、例えばプロピレングリコールおよびエタノールである。アセタールとしては、限定するものではないが、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタールが挙げられる。
いくつかの実施形態では皮下、筋肉内または静脈内の注射により特性化される非経口投与も、本明細書中で意図される。注射剤は、液体の溶液もしくは懸濁液として、注射前に液体中の溶液もしくは懸濁液に適した固体形態として、または乳濁液として、従来の形態で調製され得る。注射剤、溶液および乳濁液は、1つ以上の賦形剤も含有する。適切な賦形剤は、例えば水、生理食塩水、デキストロース、グリセロールまたはエタノールである。さらに、所望により、投与されるべき組成物は、少量の非毒性補助物質、例えば湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定化剤、可溶性増強剤、および他のこのような作用物質、例えば酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミンオレエートおよびシクロデキストリンも含有し得る。
投与量レベルが保持されるよう、緩徐放出または持続性放出システムの植え込みも、本明細書中で意図される(例えば、米国特許第3,710,795号参照)。要するに、本明細書中で提供される化合物は、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリル酸およびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋部分加水分解化ポリビニルアセテート(外部高分子膜に取り囲まれる)、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/ビニルアセテートコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリビニルクロリド、(酢酸ビニル、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレンを備える)ビニルクロリドコポリマー、アイオノマー ポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール・ターポリマー、およびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー(体液中で不溶性である)といった固体内部マトリクス中に分散される。本化合物は、放出速度制御ステップで、外部高分子膜を通して拡散する。このような非経口組成物中に含有される活性化合物のパーセンテージは、その具体的な性質、ならびに化合物の活性、および被験体の必要性に大いに依存する。
組成物の非経口投与としては、静脈内、皮下および筋肉内投与が挙げられる。非経口投与のための製剤としては、例えば、皮下組織用錠剤、注射用の滅菌懸濁剤、使用の直前にビヒクルといつでも組み合わせることのできる滅菌乾燥不溶生成物、および滅菌乳濁液を含む、注射用の滅菌溶液、凍結乾燥粉末(使用直前に溶媒といつでも組み合わせることができる)などの滅菌乾燥不溶生成物が挙げられる。溶液は、水性または非水性であり得る。
静脈内投与される場合、適切な担体としては、生理学的食塩水またはリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)、および増粘剤および可溶化剤、例えばグルコース、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールおよびその混合物を含有する溶液が挙げられる。
非経口製剤中に用いられるビヒクルとしては、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗菌剤、等張剤、緩衝剤、酸化防止剤、局所麻酔剤、沈澱防止剤および分散剤、乳化剤、金属イオン封鎖剤またはキレート剤、およびその他の物質が挙げられる。
水性ビヒクルの例としては、塩化ナトリウム注射液、リンガー注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロースおよび乳酸化リンガー注射液が挙げられる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の不揮発性油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油および落花生油が挙げられる。静細菌または静真菌濃度での抗菌剤、例えばフェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチルおよびプロピルp−ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、塩化ベンズアルコニウムおよび塩化ベンズエトニウムが、複数回用量投与容器中に包装された非経口製剤に添加されなければならない。等張剤としては、塩化ナトリウムおよびデキストロースが挙げられる。緩衝剤としては、リン酸塩およびクエン酸塩が挙げられる。酸化防止剤としては、硫酸水素ナトリウムが挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカインが挙げられる。沈澱防止剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。乳化剤としては、ポリソルベート80(トゥイーン(登録商標)80)が挙げられる。金属イオンの封鎖剤またはキレート剤としては、EDTAが挙げられる。また担体は水混和性ビヒクルのためのエチルアルコール、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールならびにpH調節のための水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸または乳酸を包含する。
化合物の濃度は、所望の薬理学的作用を生じるための有効量を注射が提供するよう、調整される。正確な用量は、当該技術分野で既知であるように、患者または動物の年齢、体重、体表面積および状態によって決まる。
単位用量非経口製剤は、針を備えるアンプル、バイアルまたは注射器中に包装される。非経口投与のための製剤はすべて、当該技術分野で既知であり、実行されているように、滅菌性でなければならない。
例証として、活性化合物を含有する滅菌水溶液の静脈内または動脈内注入は、有効な投与方式である。別の実施形態は、所望の薬理学的作用を生じるために必要に応じて注射される活性物質を含有する滅菌水性もしくは油性の溶液または懸濁液である。
注射剤は、局所および全身投与のために設計される。処置組織(単数または複数)に対して、いくつかの実施形態では、少なくとも約0.01w/w%から約90w/w%以上、ある実施形態では、0.1w/w%より多くの活性化合物を含有するよう、治療的有効投与量が製剤化される。
本化合物は、微粒子化形態または他の適切な形態で懸濁されてもよく、またはより可溶性の活性物質を生じるために、またはプロドラッグを生成するために誘導体化されてもよい。その結果生じる混合物の形態は、例えば意図される投与方式、および選定担体またはビヒクル中の化合物の溶解度を含む多くの要因によって決まる。有効濃度は、症状の症候を改善するために十分であり、経験的に決定され得る。
本明細書中で提供される活性成分は、徐放手段により、または当業者に周知である送達装置により投与され得る。例としては、限定するものではないが、米国特許第3,845,770号、第3,916,899号、第3,536,809号、第3,598,123号、第4,008,719号、第5,674,533号、第5,059,595号、第5,591,767号、第5,120,548号、第5,073,543号、第5,639,476号、第5,354,556号、第5,639,480号、第5,733,566号、第5,739,108号、第5,891,474号、第5,922,356号、第5,972,891号、第5,980,945号、第5,993,855号、第6,045,830号、第6,087,324号、第6,113,943号、第6,197,350号、第6,248,363号、第6,264,970号、第6,267,981号、第6,376,461号、第6,419,961号、第6,589,548号、第6,613,358号、第6,699,500号および第6,740,634号に記載されたものが挙げられる。このような剤形は、種々の比率で、所望の放出プロフィルを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、その他のポリマーマトリクス、ゲル、透過性膜、浸透系、多層コーティング、微小粒子、リポソーム、微小球またはその組合せを用いて、1つ以上の活性成分の緩徐または徐放を提供するために用いられ得る。本明細書中に記載されるものを含む、当業者に既知の適切な徐放製剤は、本明細書中で提供される活性成分とともに用いるために容易に選択され得る。
徐放生成物はすべて、それらの非制御等価物により達成されたものを上回る薬剤療法の改善という一般目標を有する。理想的には、医学的処置における最適に意図された徐放製剤の使用は、最小量の時間で症状を治癒または制御するために用いられている最小限の薬剤物質により特性化される。徐放製剤の利点としては、薬剤の活性延長、投与頻度低減、および患者のコンプライアンス増大が挙げられる。さらに、徐放製剤は、作用開始時間、または他の特質、例えば薬剤の血中レベルに影響を及ぼすために用いることができ、したがって副作用(例えば悪作用)の発生に影響を及ぼすことができる。
大半の徐放製剤は、所望の治療効果を即時に生じる量の薬剤(活性成分)を最初に放出し、長期間に亘ってこのレベルの治療的または予防的作用を保持するための別の量の薬剤を漸次かつ継続的に放出するよう設計される。身体中でのこの一定量の薬剤を保持するために、薬剤は、代謝され、身体から排出される薬剤の量に置き換わる速度で剤形から放出されなければならない。活性成分の徐放は、種々の条件、例えば限定するものではないが、pH、温度、酵素、水またはその他の生理学的条件または化合物によって刺激される場合がある。
ある実施形態では、薬剤は、静脈内注入、埋込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソームまたはその他の投与方式を用いて投与され得る。いくつかの実施形態では、ポンプが用いられ得る(Sefton,CRC Crit.Ref.Biomed.Eng.14:201(1987);Buchwald et al.,Surgery 88:507(1980);Saudek et al.,N.Engl.J.Med.321:574(1989)参照)。他の実施形態では、高分子物質を用いることができる。他の実施形態では、徐放システムは、治療標的の近位に配置され、したがって、全身用量の一部分のみを必要とすることができる(例えば、Goodson,Medical Applications of Controlled Release,vol.2,pp.115−138(1984)参照)。いくつかの実施形態では、徐放装置は、不適切な免疫活性化または腫瘍の部位の近位で、被験体に導入される。他の徐放システムは、Langer(Science249:1527−1533(1990))による再調査により検討されている。活性成分は、固体内部マトリクス、例えばポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、可塑化または非可塑化ポリビニルクロリド、可塑化ナイロン、可塑化ポリエチレンテレフタレート、天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、シリコーンカーボネートコポリマー、親水性ポリマー、例えばアクリルおよびメタクリル酸のエステルのヒドロゲル、コラーゲン、架橋ポリビニルアルコールおよび架橋部分加水分解化ポリビニルアセテート(外部高分子膜に取り囲まれる)、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/エチルアクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、シリコーンゴム、ポリジメチルシロキサン、ネオプレンゴム、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、(酢酸ビニルを備える)ビニルクロリドコポリマー、塩化ビニリデン、エチレンおよびプロピレン、アイオノマー ポリエチレンテレフタレート、ブチルゴム エピクロロヒドリンゴム、エチレン/ビニルアルコールコポリマー、エチレン/酢酸ビニル/ビニルアルコール・ターポリマーおよびエチレン/ビニルオキシエタノールコポリマー(体液中で不溶性である)中に分散することができる。次に、活性成分は、放出速度制御ステップで、外部高分子膜を通して拡散する。このような非経口組成物中に含有される活性成分のパーセンテージは、その具体的な性質、ならびに被験体の必要性に大きく左右される。
溶液、乳濁液およびその他の混合物として投与のために再構成され得る凍結乾燥粉末も、本明細書中の対象である。それらはさらにまた、固体またはゲルとして再構成され、かつ製剤化されてもよい。
滅菌凍結乾燥粉末は、本明細書中で提供される化合物またはその誘導体を適切な溶媒中に溶解することにより調製される。溶媒は、安定性を改善する賦形剤、または粉末または粉末から調製される再構成溶液の他の薬理学的構成成分を含有し得る。用いられ得る賦形剤としては、限定するものではないが、酸化防止剤、緩衝剤および嵩高剤が挙げられる。いくつかの実施形態では、賦形剤は、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコースおよびその他の適切な作用物質から選択される。溶媒は、緩衝剤、例えばクエン酸塩、リン酸ナトリウムまたはカリウム、または当業者に既知のその他のこのような緩衝剤を、ほぼ中性pHで含有し得る。その後、当業者に既知の標準条件下での溶液の滅菌濾過、およびその後の凍結乾燥により、所望の製剤が提供される。いくつかの実施形態では、その結果生じる溶液は、凍結乾燥のためにバイアル中に配分される。各バイアルは、1回投与量または複数回投与量の化合物を含有する。凍結乾燥粉末は、適切な条件下で、例えば約4℃〜室温で保存され得る。
注射用に水でこの凍結乾燥粉末を再構成すると、非経口投与のための製剤が提供される。再構成のために、凍結乾燥粉末は、滅菌水または他の適切な担体に添加される。精確な量は、選定される化合物によって決まる。このような量は経験的に決定できる。
局所混合物は、局所投与および全身投与に関して記載されたように調製される。その結果生じる混合物は、溶液、懸濁液、乳濁液などであってもよく、かつクリーム、ゲル、軟膏、乳濁液、溶液、エリキシル、ローション、懸濁液、チンキ、ペースト、フォーム、エアゾール、灌注液、噴霧液、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局所投与に適した他のいずれかの製剤として処方される。
本化合物またはその誘導体は、例えば吸入による局所適用のためのエアゾールとして処方され得る(例えば米国特許第4,044,126号、第4,414,209号および第4,364,923号(炎症性疾患、特に喘息の処置のために有用なステロイドの送達のためのエアゾールを記載する)参照)。気道への投与のためのこれらの製剤は、ネブライザー用のエアゾールまたは溶液の形態とすることができ、または吹送法用の微細粉末として、単独または不活性担体、例えばラクトースと組み合わせた形態とすることができる。このような場合、製剤の粒子は、いくつかの実施形態では、5ミクロン未満、他の実施形態では、10ミクロン未満の幾何学径の質量中央値を有する。
吸入に適した化合物または誘導体の経口吸入製剤としては、定量吸入器、乾燥粉末吸入器、およびネブライザーまたは定量液体分配システムからの投与のための液体製剤が挙げられる。定量吸入器および乾燥粉末吸入器の両方に関して、結晶形態の化合物または誘導体が、より長い生成物安定性を付与するための薬剤の好ましい物理的形態である。
当業者に既知の粒子サイズ低減方法に加えて、単一ステップで所望のサイズの呼吸域粒子を生成することにより吸入送達のためのこのような粒子の生成において有意の利点を提供する超臨界流体加工処理を用いて、本化合物または誘導体の結晶粒子が生成され得る(例えば、国際公開第2005/025506号)。微小結晶のための制御粒子サイズは、化合物または誘導体の有意の分画が肺に沈着されることを保証するよう選択できる。いくつかの実施形態では、これらの粒子は、約0.1〜約10ミクロン、他の実施形態では、約1〜約5ミクロン、さらに他の実施形態では、約1.2〜約3ミクロンの空気力学径の質量中央値を有する。
不活性および非可燃性のHFA噴射剤の所望の比率で(HFA134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)およびHFA227ea(1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン))を選択し、化合物または誘導体の結晶粒子の密度に整合する比率として提供される。またその比率は生成懸濁液が有害な沈澱またはクリーム(不可逆的集塊を沈澱させ得る)を回避し、代わりに振盪すると容易に分散される緩く凝集された系を促進することを保証するよう選択される。緩い凝集系は、十分に、pMDIキャニスターに最適安定性を提供すると考えられる。製剤の特性の結果として、製剤は、エタノールを含有しないし、界面活性剤/安定化剤も含有しなかった。
本化合物または誘導体の製剤は、TEMPO(登録商標)(MAP Pharmaceuticals,Inc.,カリフォルニア州マウンテンビュー)の新規呼吸活性化定量吸入器を用いて患者に投与され得る。TEMPO(登録商標)は、標準加圧定量吸入器(pMDI)に関連した変異を克服し、それが全身に吸収され得る肺周辺への薬剤の一貫した送達を達成する。これを行うために、TEMPO(登録商標)は、以下の4つの新規の特徴を組み入れている:1)呼吸同期トリガー−吸気周期の特定部分で薬剤を送達するために異なる薬剤および標的集団に関して調整され得る、2)プルーム制御−駆動装置内のエアゾールプルームを遅くするための衝突噴流、3)渦巻チャンバー−懸濁される緩徐エアゾールプルームを緩徐に維持するための空気クッションを提供する多孔質壁および緩徐エアゾールプルームを渦巻パターンに駆動して、懸濁液中のエアゾールを保持し、HFA噴射剤が蒸発する場合に粒子サイズを低減させる後壁上の空気取入口からなる、ならびに4)用量測定器−残存する用量を確定し、意図された最大用量より多い量がいずれか1つのキャニスターから投与されるのを防止する。
本化合物は、限局的または局所的適用のために、例えば皮膚および粘膜への局所適用のために、例えば眼において、ゲル、クリームおよびローションの形態で眼に適用するため、または嚢内または髄腔内適用のために、製剤化され得る。局所投与は、経皮送達のために、また眼または粘膜への投与のために、または吸入治療のために、考慮される。活性化合物単独でのまたは他の賦形剤と組み合わせた経鼻溶液も、投与され得る。
経鼻投与に関しては、製剤は、エアゾール適用のために、液体担体、特に水性担体中に溶解されるかまたは懸濁されるエステル化ホスホネート化合物を含有し得る。担体は、可溶化剤または沈澱防止剤、例えばプロピレングリコール、界面活性剤、吸収増強剤、例えばレシチンまたはシクロデキストリン、または防腐剤を含有し得る。
溶液、特に眼に使用するために意図されたものは、適切な塩を含有する、pH約5〜7.4の0.01%〜10%等張溶液として製剤化され得る。
その他の投与経路、例えば経皮パッチ、例えばイオン泳動および電気泳動装置、ならびに直腸投与も、本明細書中で意図される。
経皮パッチ、例えばイオン泳動および電気泳動は、当業者に周知である。例えば、このようなパッチは、米国特許第6,267,983号、第6,261,595号、第6,256,533号、第6,167,301号、第6,024,975号、第6,010,715号、第5,985,317号、第5,983,134号、第5,948,433号および第5,860,957号に開示されている。
例えば、直腸投与のための剤形は、直腸坐薬、全身作用用のカプセルおよび錠剤である。直腸坐薬は、本明細書中で用いる場合、体温で融解または軟化して、1つ以上の薬理学的または治療的活性成分を放出する直腸に挿入するための固形体を意味する。直腸坐薬に利用される物質は、基剤またはビヒクル、および融点を上げるための作用物質である。基剤の例としては、ココアバター(テオブロマ油)、グリセリン−ゼラチン、カーボワックス(ポリオキシエチレングリコール)、ならびに脂肪酸のモノ−、ジ−およびトリグリセリドの混合物が挙げられる。種々の基剤の組合せが用いられ得る。坐薬の融点を上げるための作用物質としては、鯨蝋およびワックスが挙げられる。直腸坐薬は、圧縮法により、または成形により調製され得る。直腸坐薬の重量は、一実施形態では、約2〜3gmである。直腸投与のための錠剤およびカプセルは、経口投与のための製剤に関するものと同一物質を用いて、同一方法により、製造される。
また、本明細書中で提供される化合物またはその誘導体は、処置されるべき被験体の身体の特定組織、受容体またはその他の領域を標的とするよう製剤化され得る。多数のこのような標的化方法が、当業者に周知である。このような標的化方法はすべて、本発明の組成物で用いるために本明細書中で意図される。標的化方法の非限定例に関しては、例えば米国特許第6,316,652号、第6,274,552号、第6,271,359号、第6,253,872号、第6,139,865号、第6,131,570号、第6,120,751号、第6,071,495号、第6,060,082号、第6,048,736号、第6,039,975号、第6,004,534号、第5,985,307号、第5,972,366号、第5,900,252号、第5,840,674号、第5,759,542号および第5,709,874号を参照されたい。
いくつかの実施形態では、リポソーム懸濁液、例えば組織標的化リポソーム、例えば腫瘍標的化リポソームも、担体として適切であり得る。これらは、当業者に既知の方法により調製され得る。例えば、リポソーム製剤は、米国特許第4,522,811号に記載されたように調製され得る。要するに、リポソーム、例えば多重層小胞(MLV)は、フラスコの内側でホスファチジルコリンおよびホスファチジルセリン(モル比7:3)をドライダウンすることにより形成され得る。二価陽イオンを欠くリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)中の本明細書中で提供される化合物の溶液が添加され、フラスコは、脂質皮膜が分散されるまで振盪される。その結果生じる小胞を洗浄して非封入化合物を除去し、遠心分離によりペレット化し、次いでPBS中に再懸濁する。
本化合物または誘導体は、包装材料、包装材料内の上記疾患または障害の1つ以上の症候の処置、防止または改善のために有効である本明細書中で提供される化合物または誘導体、ならびに本化合物または組成物またはその誘導体が、上記の疾患または障害の1つ以上の症候の処置、防止または改善のために用いられることを示すラベルを含有する製品として、包装され得る。
本明細書中で提供される製品は、包装材料を含有する。生成物を包装するのに用いるための包装材料は、当業者に周知である。例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号および第5,033,252号を参照されたい。包装材料の例としては、限定するものではないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、吸入器、ポンプ、袋、バイアル、容器、注射器、ボトル、ならびに選定製剤および意図される投与方式および処置に適した任意の包装材料が挙げられる。本明細書中で提供される化合物および組成物の広範な一連の製剤は、本明細書中に記載される任意の疾患または障害の種々の処置の場合と同様に意図される。
投与量
ヒト治療において、防止的または治癒的処置によって、および処置されるべき被験体に特定的な年齢、体重、疾患段階およびその他の要因によって、最も適切である投与量レジメンを医者が決定する。本組成物は、他の実施形態では、1日当たり、体重1kg当たりで約0.0001mg〜約70mgの化合物の投与量を提供すべきである。単位剤形は、約0.01mg、0.1mgまたは1mgから約500mg、1000mgまたは5000mgまで、いくつかの実施形態では、約10mg〜約500mgの活性成分または必須成分の組合せを単位剤形あたりで提供するよう調製される。傷害またはその1つ以上の症候の防止または処置に有効である本明細書中で提供される製剤中の活性成分の量は、疾患または症状の性質および重症度、ならびに活性成分が投与される経路に伴って変動する。頻度および投与量も、投与される具体的な治療(例えば、治療用または予防用作用物質)、被験体の障害、疾患または症状の重症度、投与経路、ならびに年齢、体重、応答および過去の医療歴に応じた各被験体に特異的な要因により変動する。
製剤の用量の例としては、被験体の体重1kg当たりのミリグラムまたはマイクログラム量の活性化合物(例えば、約1マイクログラム/kg〜約50ミリグラム/kg、約10マイクログラム/kg〜約30ミリグラム/kg、約100マイクログラム/kg〜約10ミリグラム/kg、または約100マイクログラム/kg〜約5ミリグラム/kg)が挙げられる。
当業者に明らかであるように、場合によって本明細書中に開示される範囲外投与量の活性成分を用いることが必要であってもよい。さらに、臨床医または処置医は、被験体の応答と併用して治療を中断し、調整し、終結する方法および時機に精通していること留意されたい。
当業者には容易に判るように、異なる疾患および症状に対しては異なる治療上有効量が適用され得る。同様に、このような障害を防止し、管理し、処置し、または改善するために十分な量ではあるが、本明細書中で提供される組成物に関連した副作用を引き起こすには不十分であり、または本明細書中で提供される組成物に関連した副作用を低減するには十分である量も、上記の投与量および用量投与頻度計画に包含される。さらに、被験体が複数回投与量の本明細書中で提供される化合物を投与される場合、必要な投与量がすべて同一であるというわけではない。例えば、被験体に投与される投与量は、組成物の予防的または治療的効果を改善するために増加させてもよく、特定の被験体が経験している1つ以上の副作用を低減するために減少させてもよい。
ある実施形態では、本明細書中で提供される同一製剤の投与は反復させてもよく、かつ投与は、少なくとも1日、2日、3日、5日、10日、15日、30日、45日、2か月、75日、3か月または6か月、間隔を置いてもよい。
化合物および組成物の使用方法
医学的障害、例えば片頭痛、パーキンソン病、血管性頭痛、悪心(例えば嘔吐)、カルチノイド症候群における重度の下痢のうちの1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善する方法も、本明細書中で提供される。この方法を実行するに際しては、治療上有効量の本明細書中に記載される上記の化合物または組成物が投与される。
片頭痛
治療上有効量の化合物または組成物を投与することにより片頭痛の1つ以上の症候を処置し、防止し(例えば、予防的処置を含む)または改善する方法が、本明細書中に記載される。このような化合物または組成物の投与は、種々の経路、例えば限定するものではないが、頬投与、非経口投与、経口吸入および経鼻投与により、実施され得る。
多数の因子が、片頭痛の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善するために適切であり得る化合物または組成物に寄与している。このような因子としては、作動性または拮抗性セロトニン受容体、アドレナリン作動性受容体、および/またはドーパミン作動性受容体が挙げられる。具体的には、片頭痛症候の処置のための、または片頭痛症候の予防のための良好な候補である化合物または組成物は、ある種のセロトニン受容体(5−HTファミリーの受容体とも呼ばれる)およびアドレナリン作動性受容体を選択的にアゴナイズし、または選択的にアンタゴナイズする。いくつかの実施形態では、拮抗作用は、本明細書中に記載される化合物および組成物を用いて、5−HT2B受容体およびアドレナリン作動性アルファ1A、アルファ1D、アルファ2C、アルファ2Aおよびアルファ2B受容体で望ましい。他の実施形態では、作動作用は、5−HT1A、5−HT1B、5−HT1Dおよび/または5−HT1F受容体で望ましい。受容体拮抗作用が達成されない場合、5−HT2B受容体の弱いまたは部分的作動作用が所望されるが、しかし完全作動作用は望ましくない。いくつかの他の実施形態では、作動作用は、本明細書中に記載される化合物および組成物を用いて、アドレナリン作動性アルファ1A、アルファ1D、アルファ2C、アルファ2Aおよびアルファ2B受容体、ならびにドーパミン作動性受容体では望ましくない。
いくつかの実施形態では、5−HT1Dおよび5−HT1B受容体を選択的にアゴナイズする方法および化合物が好ましい。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される化合物および組成物を用いて、5−HT1B受容体を上回って5−HT1D受容体を選択的にアゴナイズする方法が提供される。他の実施形態では、本明細書中に記載される化合物および組成物は、約4:1の比率で、5−HT1D受容体を5−HT1B受容体より選択的にアゴナイズする。さらに他の実施形態では、本明細書中に記載される化合物および組成物は、約30:1の比率で、5−HT1D受容体を5−HT1B受容体より選択的にアゴナイズする。さらに他の実施形態では、5−HT1Aのアゴニスト活性が好ましい。
さらに他の実施形態では、本明細書中に記載される化合物および組成物を用いて、他のエルゴリン、例えばジヒドロエルゴタミンによるドーパミン受容体の作動作用と比較した場合、ドーパミン受容体の作動作用を低減する方法が、本明細書中で提供される。いくつかの実施形態では、ドーパミン受容体はD2受容体である。
抗パーキンソン病
パーキンソン病は中枢神経系の変性障害であって、これは運動症候、例えば振戦、強直、緩慢な動き、歩行および歩調困難を生じる。認知および行動症候も、パーキンソン病の後期と関連づけられる。治療上有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を投与することにより、パーキンソン病の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善する方法が、以下で記載される。このような化合物または組成物の投与は、種々の経路、例えば限定するものではないが、頬投与、非経口投与、経口吸入および経鼻投与により実施され得る。
化合物または組成物がパーキンソン病の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善するために適切であり得るか否かには、多数の因子が寄与している。このような因子としては、アデノシン受容体およびドーパミン作動性受容体の受容体調節が挙げられる。具体的には、パーキンソン病の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善するのに有用である化合物または組成物は、以下の(1)アデノシン受容体α2Aの拮抗作用;(2)ドーパミン作動性D2受容体の作動作用;および(3)ドーパミン作動性D3受容体の拮抗作用といった生物学的作用のうちの1つ以上を有する。
悪心/抗嘔吐
悪心/嘔吐の原因は漠然としていて、いくつかの原因を有し得る。いくつかの一般的原因は、乗り物酔い、眩暈、片頭痛、失神、胃腸炎、食中毒、ストレス、不安症、消耗、または投薬の副作用である。治療上有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を投与することにより、悪心の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善する方法が、以下で記載され、治療上有効量の本明細書中に記載される化合物または組成物を投与することにより抗嘔吐作用を有し得る。このような化合物または組成物の投与は、種々の経路、例えば限定するものではないが、頬投与、非経口投与、経口吸入および非鼻投与により実施され得る。
化合物または組成物が悪心の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善するために適切であり得るか、または抗嘔吐作用を有するか否かには、多数の因子が寄与している。このような因子としては、ニューロキニン受容体、オレキシン受容体、セロトニン受容体およびドーパミン作動性受容体の受容体調節が挙げられる。具体的には、悪心の1つ以上の症候を処置し、防止し、または改善するのに有用であるか、または抗嘔吐作用を有する化合物または組成物は、以下の(1)ニューロキニン受容体の拮抗作用、好ましくはNK1受容体の拮抗作用;(2)オレキシン受容体、例えば限定するものではないがOX1およびOX2の拮抗作用;(3)セロトニン受容体5−HT3の拮抗作用;(4)セロトニン受容体5−HT4の作動作用;および(5)ドーパミン作動性D2受容体(D2Lを含む)、D3およびD4受容体の拮抗作用といった生物学的作用のうちの1つ以上を有する。
併用療法
本明細書中に開示される化合物および組成物は、1つ以上の他の活性成分と組み合わせても用いられ得る。ある実施形態では、本化合物は、別の治療薬と組み合わせて、または逐次的に投与され得る。このような他の治療薬としては、片頭痛に関連した1つ以上の症候の処置、防止または改善に関して既知のものが挙げられる。
上記の治療薬のうちの1つ以上および任意のさらなる薬理学的活性物質との本明細書中で提供される化合物および組成物の任意の適切な組合せは、本発明の開示の範囲内であるとみなされる、と理解されるべきである。いくつかの実施形態では、本明細書中で提供される化合物および組成物は、1つ以上の付加的活性成分の前または後に投与される。
本明細書中で提供される化合物および組成物の任意の適切な組合せを、他の作用物質とともに用いて上記受容体をアゴナイズし、かつ/またはアンタゴナイズし得る、ということも理解されるべきである。
最後に、本発明を実行する代替的方法が存在することに留意すべきである。したがって、本発明の実施形態は、例証であって、限定的でないとみなされるべきものであり、本発明は、本明細書中に示される詳細に限定されるべきでなく、しかし添付の特許請求の範囲および等価物内で修正され得る。
本明細書中で引用される出版物および特許はすべて、その記載内容が参照により本明細書中に組み入れられる。
以下の実施例は、例証のためのみに提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:2−メチルセルジドの合成
ジクロロメタン(15mL)中の市販のメチルエルゴメトリンマレエート(1,50mg、0.11mmol)の溶液に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)を周囲温度で添加した。30分間撹拌後、反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、2(35mg、95%)を白色固体として得た:1H NMR(400MHz、CDCl3):δ7.95(s,lH),7.26−7.12(m,3H),7.08(d,J=6.0Hz,lH),6.93(t,J=1.6Hz,lH),6.44(dd,J=4.8,2.0Hz,lH),3.90−3.80(m,lH),3.72(dd,J=11.2,3.2Hz,lH),3.69−3.62(m,lH),3.53(dd,J=10.8,6.4Hz,lH),3.40−3.31(m,2H),3.18(brs,lH),3.06(dd,J=11.6,4.4Hz,lH),2.85−2.74(m,2H),2.60(s,3H),1.65−1.40(m,2H),0.95(t,J=7.2Hz,3H)。
イミダゾール(145mg、2.12mmol)、その後、TBDPSCl(0.2mL、0.79mmol)を、ジクロロメタン(8mL)中の2(180mg、0.53mmol)の懸濁液に、アルゴン雰囲気下で周囲温度で添加した。8時間撹拌後、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(93:7 ジクロロメタン/メタノール)で精製して、3(301mg、98%)を無色油として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.94(s,lH),7.67−7.59(m,4H),7.44−7.30(m,6H),7.24−7.12(m,3H),6.91(t,J=1.6Hz,lH),6.67(d,J=8.8Hz,lH),6.48−6.42(m,lH),4.01−3.91(m,lH),3.75−3.65(m,2H),3.47−3.37(m,3H),3.11(dd,J=11.6,4.8Hz,lH),2.80−2.68(m,2H),2.54(s,3H),1.73−1.54(m,2H),1.03(t,J=2.8Hz,9H),0.88(t,J=7.6Hz,3H),APCI,m/z578[M+H]+
ジクロロメタン(15mL)中の3(301mg、0.52mmol)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(93mg、0.52mmol)を、アルゴン雰囲気下で周囲温度で添加した。20分間撹拌後、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で処理し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(95:5 ジクロロメタン/メタノール)により精製して、4(150mg、44%)を褐色油として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.14(s,lH),7.68−7.59(m,4H),7.45−7.31(m,6H),7.16−7.05(m,3H),6.59(d,J=8.4Hz,lH),6.43−6.37(m,lH),4.00−3.89(m,lH),3.77−3.66(m,2H),3.64−3.44(m,2H),3.27(dd,J=14.4,5.2Hz,lH),3.22−3.14(m,lH),2.94−2.81(m,lH),2.79−2.69(m,lH),2.65(s,3H),1.72−1.53(m,2H),1.05(s,9H),0.88(t,J=7.6Hz,3H)APCI,m/z658[M+H]+
アルゴン雰囲気下での無水1,4−ジオキサン(3mL)中の4(75mg、0.11mmol)の溶液に、Pd(dppf)Cl2(4mg、0.005mmol)を、その後、Zn(CH32(22mg、0.22mmol)を周囲温度で添加した。反応混合物を、110℃で90分間還流した。周囲温度に冷却後、反応混合物をMeOH(5mL)でクエンチして、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(95:5 ジクロロメタン/メタノール)により精製して、5(30mg、44%)を黄色油として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.68−7.58(m,SH),7.44−7.30(m,6H),7.15−7.03(m,3H),6.66(d,J=8.8Hz,lH),6.44−6.38(m,lH),4.00−3.90(m,lH),3.75−3.65(m,2H),3.45−3.35(m,2H),3.28(dd,J=14.0,5.2Hz,lH),3.11(dd,J=11.2,4.4Hz,lH),2.71(dd,J=11.6,7.6Hz,lH),2.65−2.55(m,lH),2.56(s,3H),2.38(d,J=0.8Hz,3H),1.72−1.54(m,2H),1.03(s,9H),0.88(t,J=7.2Hz,3H),APCI,m/z592[M+H]+
0℃でアルゴン雰囲気下での無水THF(4mL)中の5(50mg、0.08mmol)の溶液に、TBAF(THF中1M)(0.33mL、0.33mmol)を添加した。0℃で撹拌して1時間かけて周囲温度にした後、反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(85:15 ジクロロメタン/メタノール)により精製して、2−メチルセルジド(MAP−標的−7)(16mg、54%;AUC HPLC 98.67%)を淡黄色固体として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.67(s,lH),7.17−7.01(m,4H),6.40(dd,J=4.4,1.6Hz,lH),3.90−3.80(m,lH),3.72(dd,J=11.2,3.6Hz,lH),3.67−3.59(m,lH),3.52(dd,J=11.2,6.4Hz,lH),3.37−3.30(m,lH),3.23(dd,J=14.0,5.2Hz,lH),3.06(dd,J=11.6,4.4Hz,lH),2.81(dd,J=11.6,4.8Hz,lH),2.72−2.63(m,lH),2.61(s,3H),2.38(d,J=0.8Hz,3H),1.70−1.40(m,3H),0.94(t,J=7.2Hz,3H);APCI,m/z354[M+H]+
実施例2:2−CF3−セルジドの合成
ジクロロメタン(15mL)中の市販のメチルエルゴメトリンマレエート(1,50mg、0.11mmol)の溶液に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(15mL)を周囲温度で添加した。30分間撹拌後、反応混合物をジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、2(35mg、95%)を白色固体として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.95(s,lH),7.26−7.12(m,3H),7.08(d,J=6.0Hz,lH),6.93(t,J=1.6Hz,lH),6.44(dd,J=4.8,2.0Hz,lH),3.90−3.80(m,lH),3.72(dd,J=11.2,3.2Hz,lH),3.69−3.62(m,lH),3.53(dd,J=10.8,6.4Hz,lH),3.40−3.31(m,2H),3.18(brs,lH),3.06(dd,J=11.6,4.4Hz,lH),2.85−2.74(m,2H),2.60(s,3H),1.65−1.40(m,2H),0.95(t,J=7.2Hz,3H)。
酢酸銅(II)(8.5mg、0.047mmol)およびTogni試薬(89mg、0.28mmol)を、アルゴン雰囲気下でMeOH(4mL)中に溶解し、中間体2(80mg、0.23mmol)を室温で添加した。反応混合物を、40℃で90分間加熱した。それを周囲温度に冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で処理して、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、減圧下で濃縮して、フラッシュカラムクロマトグラフィー(92:8 ジクロロメタン/メタノール)により精製して、2−CF3−セルジド(MAP 標的−6)(20mg、21%;AUC HPLC>99%)を白色固体として得た:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ8.16(s,lH),7.35−7.23(m,2H),7.20(dd,J=7.2,0.4Hz,lH),7.11(d,J=6.8Hz,lH),6.48(dd,J=4.4,1.6Hz,lH),3.90−3.80(m,lH),3.73(dd,J=11.2,3.2Hz,lH),3.70−3.63(m,lH),3.56(dd,J=10.8,6.0Hz,lH),3.53−3.47(m,lH),3.37−3.30(m,lH),3.05(dd,J=11.6,4.4Hz,lH),2.99(brs,lH),2.88−2.77(m,2H),2.62(s,3H),1.66−1.43(m,2H),0.94(t,J=7.6Hz,3H);APCI,m/z408[M+H]+
実施例3:ヒト受容体アゴニスト/アンタゴニスト活性スクリーニング
受容体アゴニスト/アゴニスト活性検定を、2−CF3−セルジドを用いて実施した。表1は、細胞株(CHO−K1/HEK293(関連ヒト受容体でトランスフェクト化))および任意のアゴニストまたはアンタゴニスト活性を検出するために実施した検定を要約する。


上記の表1に示した受容体(mGlu3およびmGlu5以外)に対する8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関する活性をモニタリングするために、エクオリン検定を実行した。ミトコンドリアアポエクオリンおよびこの組換えヒト受容体を同時発現するCHO−K1細胞を、抗生物質を含まない培地中で対数中期に増殖させて、次に、PBS−EDTAで取り外して、遠心分離し、検定緩衝液(DMEM/HAM’s F12(HEPESを含み、フェノールレッド+0.1%BSAを含まず、プロテアーゼ無含有))中にl×106細胞/mLの濃度で再懸濁した。細胞を、室温で少なくとも4時間、セレンテラジンhとともにインキュベートした。参照アゴニスト/アンタゴニストを試験して、検定の性能を評価し、EC50/IC50を確定した。
50μLの細胞懸濁液を、96−ウェルプレート中で50μLの試験または参照アゴニストと混合した。その結果生じた光の放射を、浜松創薬スクリーニングシステム(Hamamatsu Functional Drug Screening System)6000(FDSS 6000)ルミノメーターを用いて記録した。アンタゴニスト試験のために、そのEC80での参照アゴニスト100μLを、細胞および試験化合物の混合物上に注入し、引き続き、最初の注入後に15分間インキュベートした。その結果生じた光の放射を、浜松創薬スクリーニングシステム6000(FDSS 6000)ルミノメーターを用いて記録した。プレート全体の、ならびに異なる実験全体の記録した光の放射を標準化する(そして「100%シグナル」を確定する)ために、いくつかのウェルは100μMジギトニンまたは飽和濃度のATP(20μM)を含有した。
mGlu3およびmGlu5に関して、ミトコンドリアアポエクオリンおよび組換えヒト受容体を同時発現するCHO−K1細胞を、抗生物質を含まず、ドキシサイクリン(最終濃度:600ngドキシサイクリン/mL)を補足した培地中で対数中期に増殖させて、PBS−EDTAで取り外し、遠心分離して、1×106細胞/mLの濃度で、検定緩衝液(HBSS,2.1mM CaCl2、3μg/mL GPT(グルタメート−ピルベートトランスアミナーゼ)、4mM MEMピルビン酸ナトリウム、0.1%BSA、プロテアーゼ無含有)中に再懸濁した。細胞を、室温で少なくとも4時間、セレンテラジンとともにインキュベートした。参照アゴニスト/アンタゴニストを試験して、検定の性能を評価し、EC50/IC50を確定した。
アゴニスト試験のために、30μLの細胞懸濁液を、384−ウェルプレート中で30μLの試験または参照アゴニストと混合した。その結果生じた光の放射を、浜松創薬スクリーニングシステム6000(FDSS 6000)ルミノメーターを用いて記録した。アンタゴニスト試験のために、そのEC80での参照アゴニスト30μLを、細胞および試験化合物の混合物上に注入し、引き続き、最初の注入後に3分間インキュベートした。その結果生じた光の放射を、浜松創薬スクリーニングシステム6000(FDSS 6000)ルミノメーターを用いて記録した。
cAMP HTRF(Gs)試験を実行して、上記の表1に示した受容体に対する8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関する活性をモニタリングした。このヒト組換え受容体を発現する細胞を、抗生物質を含まない培地中で増殖させて、PBS−EDTA(5mM EDTA)で静かにフラッシングすることにより取り外して、遠心分離により回収し、検定緩衝液(KRH:5mM KCl、1.25mM MgSO4、124mM NaCl、25mM HEPES、13.3mMグルコース、1.25mM KH2PO4、1.45mM CaCl2、0.5g/L BSA)中に再懸濁した。参照化合物と平行して、用量応答曲線を作成した。アゴニスト試験(96−ウェルプレート)のために、12μLの細胞を、漸増濃度での12μLの試験化合物と混合し、次いで、室温で30分間インキュベートした。溶解緩衝液を添加し、1時間インキュベーション後、cAMP濃度をメーカーの仕様説明書に従って、HTRFキットを用いて確定した。アンタゴニスト試験(96−ウェルプレート)のために、12μLの細胞を、漸増濃度での試験化合物6μLと混合し、次いで、10分間インキュベートした。6μLの参照アゴニストを、歴史的EC80に対応する最終濃度で添加した。次にプレートを、室温で30分間、インキュベートした。溶解緩衝液を添加し、1時間インキュベーション後、cAMP濃度をメーカーの使用説明書に従って、HTRFキットを用いて確定した。
cAMP HTRF(Gi)試験を実行して、上記の表1に示した受容体に対する8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関する活性をモニタリングした。このヒト組換え受容体を発現する細胞を、抗生物質を含まない培地中で増殖させて、PBS−EDTA(5mM EDTA)で静かにフラッシングすることにより取り外して、遠心分離により回収し、検定緩衝液(KRH:5mM KCl、1.25mM MgSO4、124mM NaCl、25mM HEPES、13.3mMグルコース、1.25mM KH2PO4、1.45mM CaCl2、0.5g/L BSA)中に再懸濁した。参照化合物と平行して、用量応答曲線を作成した。アゴニスト試験(96−ウェルプレート)のために、12μLの細胞を、漸増濃度での6μLの試験化合物および6μLのフォルスコリンと混合し、次いで、室温で30分間インキュベートした。溶解緩衝液を添加し、1時間インキュベーション後、cAMP濃度をメーカーの仕様説明書に従って、HTRFキットを用いて確定した。アンタゴニスト試験(96−ウェルプレート)のために、12μLの細胞を、漸増濃度での試験化合物6μLと混合し、次いで、10分間インキュベートした。6μLのフォルスコリンを、歴史的EC80に対応する最終濃度で添加した。次にプレートを、室温で30分間、インキュベートした。溶解緩衝液を添加し、1時間インキュベーション後、cAMP濃度をメーカーの使用説明書に従って、HTRFキットを用いて確定した。
GTPγS試験を実行して、上記の表1に示した受容体に対する8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関するアゴニスト活性をモニタリングした。用いた試薬を、以下に示す:検定緩衝液(20mM HEPES、pH7.4;100mM NaCl;10μg/mLサポニン;30mM MgCl2);膜(組換えヒト受容体膜抽出物を氷上で解凍し、検定緩衝液で希釈して、1000μg/mL(10μg/μL)として、氷上に保持した);GDP(検定緩衝液で希釈して、30μM溶液とした(最終濃度3μM);ビーズ(PVT−WGA(Amersham,RPNQOOl)、25mg/mL(0.25mg/10μL)で検定緩衝液で希釈);GTPγ35S(Perkin Elmer,NEG030X)、検定緩衝液で希釈して、0.1nM(最終濃度)とした;およびリガンド(アゴニスト/アンタゴニスト(検定緩衝液で希釈))。
膜をGDPと混合し(1:1)、氷上で少なくとも15分間インキュベートした。平行して、反応開始の直前に、GTPγ35Sをビーズと混合した(1:1)。以下の試薬を連続してOptiplate(Perkin Elmer)のウェルに添加した:50μLの試験化合物または参照リガンド、20μLの膜:GDP混合物(次いで、アンタゴニスト試験のために15分間インキュベーション)、歴史的EC80での10μLの参照アゴニスト(アンタゴニスト試験のため)または10μLの検定緩衝液(アゴニスト試験のため)、および20μLのGTPγ35S:ビーズ混合物。次にプレートをトップシールで覆って、オービタル振盪器で2分間浸透し、次いで、室温で1時間インキュベートした。次にプレートを、2000rpmで10分間、遠心分離して、室温で1時間インキュベートし、Perkin Elmer TopCount読取機を用いて1分/ウェルに関して計数した。
プリン作動性受容体試験を実行して、P2X1、P2X2、P2X3、P2X4およびP2X7受容体に対する8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関する活性をモニタリングした。ヒト組換えプリン作動性受容体を発現するHEK293細胞を用い、受容体活性を、QPatch HT(登録商標)(Sophion Bioscience A/S,Denmark)自動平行パッチクランプシステムを用いて、室温で評価した。8’OH−2CF3−DHEを、10および30μMでアゴニストおよびアンタゴニスト方式の両方で、評価した。各濃度を、三重反復実験で試験した。
NMDA受容体、NR1、NR2A、NR2B、NR2C、NR2D受容体に関する試験を実行して、Fluo−8カルシウムキットおよび蛍光イメージングプレート読取機(FLIPRTETRA(商標))計器を用いて、8’OH−2CF3−ジヒドロエルゴタミン(8’OH−2CF3−DHE)に関する活性をモニタリングした。以下のチャネルを評価した:クローン化NMDA受容体(NR1/NR2A)チャネル(GRIN1およびGRIN2A遺伝子によりコードされ、HEK293細胞中で同時発現される;クローン化NMDA受容体(NR1/NR2B)チャネル(GRIN1およびGRIN2B遺伝子によりコードされ、HEK293細胞中で同時発現される;クローン化NMDA受容体(NR1/NR2C)チャネル(GRIN1およびGRIN2C遺伝子によりコードされ、HEK293細胞中で同時発現される;そしてクローン化NMDA受容体(NR1/NR2D)チャネル(GRIN1およびGRIN2D遺伝子によりコードされ、HEK293細胞中で一過的に同時発現される。
アゴニスト査定のために、8’OH−2CF3−DHEの作用を陽性対照アゴニストの非存在下で評価した。アゴニスト(100μMグルタミン酸+20μMグリシン)の存在下で引き出されるシグナルを100%活性に設定し、ビヒクル対照(Mg2+無含有HB−PS)の存在下でのシグナルを0%活性に設定した。
アンタゴニスト査定のために、NR1/NR2AおよびNR1/NR2Bを、陽性対照アゴニスト(100μMグルタミン酸+20μMグリシン)で活性化した。シグナルを抑制する8’OH−2CF3−DHEの能力を、アゴニスト刺激後に調べて、陽性対照アンタゴニスト(MK−801)と比較した。陽性対照アゴニスト(100μMグルタミン酸+20μMグリシン)の存在下で引き出されたシグナルを100(0%抑制)に設定し、陽性アンタゴニスト{100μMグルタミン酸+20μMグリシン+30または100μM(+)MK−801}からのシグナルを0(100%抑制)に設定した。
上記受容体活性試験の結果を、以下の表2に要約する。表2に示すように、2−CF3−セルジドは、5HT2B受容体の完全受容体拮抗作用および5−HT1A受容体に及ぼす作動性活性を有する。さらに、2−CF3−セルジドは、D2L、D3およびD4ドーパミン作動性受容体での受容体拮抗作用も有する。

Claims (20)

  1. 式(I)または(II)の化合物であって、
    式中、R1は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
    2は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)アシル、置換(C1〜C4)アシル、ハロゲン、−OH、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
    3は、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、ハロ、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、−NO2、−N3、−OH、−S(O)k100、−OR101、−NR102103、−CONR104105、−CO2106または−O2CR107であり
    4は、水素、(C1〜C3)アルキル、(C1〜C3)置換アルキル、または1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキルであり、
    5は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C4)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
    6は、水素、(C1〜C4)アルキル、置換(C1〜C4)アルキル、1つ以上のフッ素原子で置換される(C1〜C3)アルキル、(C1〜C4)ヘテロアルキルまたは置換(C1〜C4)ヘテロアルキルであり、
    nは、0、1、2または3であり、
    oは、0、1、2、3または4であり、
    kは、0、1または2であり、かつ
    100〜R107は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり、
    但し、R1およびR2はともに水素ではなく、かつR1が−CH3であり、nが0であり、oが1であり、R4が−CH3であり、R5が水素でありかつR6が水素である場合、R2は水素でない、
    化合物、またはその塩、多形体、水和物もしくは溶媒和物。
  2. 式(III)または式(IV)
    の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
  3. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  4. 以下の構造
    を有する、請求項2記載の化合物。
  5. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  6. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  7. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  8. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  9. 以下の構造:
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  10. 以下の構造:
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  11. 以下の構造
    を有する、請求項2に記載の化合物。
  12. 請求項1に記載の化合物およびビヒクルを含む組成物。
  13. 被験体における片頭痛の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する方法。
  14. 被験体における片頭痛の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、請求項13に記載の組成物を投与することを包含する方法。
  15. 被験体における血管性頭痛の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する方法。
  16. 被験体における血管性頭痛の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項13に記載の組成物を投与することを包含する方法。
  17. 被験体におけるパーキンソン病の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する方法。
  18. 被験体におけるパーキンソン病の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項13に記載の組成物を投与することを包含する方法。
  19. 被験体における嘔吐の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを包含する方法。
  20. 被験体における嘔吐の処置および/または防止方法であって、それを必要とする被験体に、治療上有効量の請求項13に記載の組成物を投与することを包含する方法。
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