ステアリングホイールに取り付けられているエアバッグモジュールは、ステアリングホイールに存在する振動を受ける。ステアリングホイールとエアバッグモジュールとの間でのこの振動は、望ましくない「バズ・スクイーク・ラトル」効果につながる可能性がある。したがって、振動を低減させ、「バズ・スクイーク・ラトル」の事例を削減するために、ステアリングホイールとエアバッグモジュールの両方への振動減衰を提供する必要がある。
本発明は、ステアリングホイールを伴う自動車用のステアリングホイール装置の構成に関し、このステアリングホイール装置は、ハブ領域を有するステアリングホイール本体と、このハブ領域に取り付けられたエアバッグモジュールとを含み、このエアバッグモジュールは、筐体と、この筐体に収められたエアバッグと、ガス発生器とを有し、このエアバッグモジュールは、ホーンを作動させるために少なくとも1つのばね要素の力に対して、押し下げられることが可能である。ステアリングホイール装置は、ステアリングホイール本体に対して少なくとも軸方向にエアバッグモジュールを保持するための軸方向の位置決め手段、およびステアリングホイール本体に対してエアバッグモジュールの半径方向の位置を保持するための少なくとも1つの半径方向の位置決め手段をさらに有し、この半径方向の位置決め手段が挿入要素および受入れ要素を含む。挿入要素または受入れ要素の一方が、エアバッグモジュールまたはステアリングホイール本体の一方に接続され、受入れ要素又は挿入要素のもう一方が、エアバッグモジュールまたはステアリングホイール本体のもう一方に取り付けられる。また、ステアリングホイール装置は、振動を制限するために、少なくとも一部の挿入要素と少なくとも一部の受入れ要素との間に取り付けられる振動減衰要素を含む。
別の形態では、受入れ要素および挿入要素は、互いに対して軸方向に移動可能である。
さらに別の形態では、ステアリングホイール本体はハブ領域を有する取付け板を含み、エアバッグモジュールはこの取付け板に取り付けられ、この取付け板はステアリングホイール本体に固定して取り付けられる。
さらに別の形態では、挿入要素はポストであり、受入れ要素はポストのための円筒形のレセプタクルであり、そして、減衰要素は、円筒形のレセプタクルで受け入れられるように寸法決めされる外径と、ポストを受け入れられるように寸法決めされる穴を有する。
別の形態では、少なくとも1つの半径方向の位置決め手段は、第1および第2の半径方向の位置決め手段を備え、この第1および第2の半径方向の位置決め手段はそれぞれ、挿入要素および受入れ要素を含む。
さらに別の形態では、第2の半径方向の位置決め手段の挿入要素はポストであり、受入れ要素はポストのための楕円形のレセプタクルであり、減衰要素は、楕円形のレセプタクルに受け入れられるように寸法決めされる外側の長さおよび外側の幅と内側の長さおよび内側の幅を有し、この内側の幅は、通常ポストの外側の幅に対応するように寸法決めされる。
さらに別の形態では、挿入要素は板状部を備え、受入れ要素は、根元部から延びる第1および第2側壁部を有するU字型の本体と、この第1側壁部から根元部および第2側壁部に延びる第1フレキシブルアーム部を備え、減衰要素の少なくとも一部が、第1フレキシブルアーム部と第1側壁部との間に配置される。
別の形態では、受入れ要素は、ステアリングホイール本体に取り外し可能に取り付けられている。
別の形態では、受入れ要素は、第2側壁部から根元部および第1側壁部へと延びる第2フレキシブルアーム部をさらに備える。
別の形態では、ステアリングホイール装置は、第2側壁部と第2フレキシブルアーム部との間に配置される第2減衰要素をさらに含む。
別の形態では、減衰要素は、第1側壁部と、第2側壁部と、第1側壁部および第2側壁部の間に延びる根元部とを備え、減衰部分の第1側壁部は、第1フレキシブルアーム部と受入れ要素の第1側壁部との間に配置され、減衰部分の第2側壁部は、受入れ要素の第2側壁部と第2フレキシブルアーム部との間に配置される。
別の形態では、ステアリングホイール装置は第2減衰要素をさらに含み、取付け板は機械的接続を介してステアリングホイール本体に取り付けられ、第2減衰要素は、この機械的接続とステアリングホイール本体との間に配置される。
別の形態では、機械的接続は肩部材の内部に受け入れられるねじを備え、第2減衰要素は、この肩部材とステアリングホイール装置との間に配置される。
別の形態では、ステアリングホイール装置は内部に凹所を含み、第2減衰要素は、通常この凹所に対応するように寸法決めされる。
別の形態では、減衰要素は減衰要素から外側に延びる少なくとも1つのフランジ部を含み、レセプタクルは少なくとも1つの間隙を含み、少なくとも1つのフランジ部は少なくとも1つの間隙に受け入れられる。
別の形態では、エアバッグモジュールは挿入要素を含み、取付け部は受入れ要素を含む。
別の形態では、取付け部は挿入要素を含み、エアバッグモジュールは受入れ要素を含む。
別の形態では、半径方向の位置決め手段は、軸方向の位置決め手段の内側に配置される。
別の形態では、半径方向の位置決め手段は、軸方向の位置決め手段の外側に配置される。
別の形態では、ステアリングホイール装置は、3つの半径方向の位置決め手段を備える。
エアバッグモジュールが収容されるステアリングホイールのハブ領域を通る断面を非常に概略的に示す図である。
エアバッグモジュールが押し下げられた状態での図1の項目を示す図である。
エアバッグの拡張中の図1の項目を示す図である。
本発明に従った、エアバッグモジュールの鳥瞰図であり、位置決め手段を概略的に示している。
取付け板を示す図である。
筐体が取付け板に保持されている際の、図4の領域B1を詳細な3次元図面で示している。
図4の領域B2を示す図であり、図6に対応している。
図4の領域B3を示す図であり、図6に対応している。
減衰要素を伴う半径方向の位置決め手段を示す平面図である。
図9の減衰要素の等角図である。
代替の減衰要素の等角図である。
図10の代替の減衰要素を受け入れるためのレセプタクルの平面図である。
別の減衰要素を伴う別の半径方向の位置決め手段の平面図である。
本発明の第2の実施形態に従った、エアバッグモジュールの鳥瞰図であり、位置決め手段を概略的に示している図4に対応している。
図12の領域B4を示す図であり、図6に対応している。
領域B5を示す図であり、図13に対応している。
別の減衰要素を伴う位置決め手段を示す図である。
位置決め手段の挿入要素を組み付ける前の状態での、図14Aの項目を示す図である。
図14Aの減衰要素の等角図である。
代替の位置決め手段を示す図である。
図15の減衰要素の等角図である。
ステアリングホイール本体と減衰要素を伴う取付け板との間の機械的接続を示す図である。
図18の機械的接続の肩部材の等角図である。
図18の減衰要素の等角図である。
次に、図面を参照し、本発明が例示的な実施形態を参照してより詳細に説明される。図1〜図3を参照して次により詳細に説明され得る基本的な取付け方法は、一般に各実施形態に適用される。
図1は、ステアリングホイール装置のハブ領域を通る縦断面を概略形式で示している。ステアリングホイール装置は、ステアリングホイール本体10を伴うステアリングホイールを含み、このステアリングホイールはハブ領域に凹所12を有する。スポーク14がハブ領域から延びている。ステアリングコラム16が、ハブの略中心から延びている。ステアリングコラム16が延びている方向は、従うべき軸すなわちZ方向を画定する。このZ方向に垂直な面(この面は図1の描写面にも垂直である)が、XY面である。
凹所12の床で、取付け板20がねじ22によってステアリングホイール本体10と一緒に留められており、つまり、固定方式で接続されている。また、取付け板20はステアリングホイール本体10の一体部品であることも可能である。本出願で選択されている定義によれば、取付け板20およびこの取付け板20から延びているすべての構成要素が、ステアリングホイールに属していると見なされる。
エアバッグモジュール30が、凹所12に収容されている。このエアバッグモジュールは筐体32と、この筐体32に収容されているエアバッグ52と、ガス発生器54とを含む。また、筐体32の出口開口部34に広がる筐体カバー50もエアバッグモジュールに属し、この筐体カバー50は、周知の方法で拡張したエアバッグによって開かれる。
筐体32の筐体床部32aは、渦巻きばね46によって取付け板20と一緒に連結されているため、エアバッグモジュール30および特に筐体32もまた、ステアリングホイールに対して軸方向の、この渦巻きばね46の力に対して押し下げられることが可能である。エアバッグモジュール30が十分に押し下げられる場合に、ホーン接触部24および44が閉ざされる(図2参照)。
渦巻きばね46は、通常、ステアリングホイールに関連してエアバッグモジュール30の位置を正確に画定することはできないため、位置決め手段が設置され得る。エアバッグモジュールは、合計で、ステアリングホイールに関連する5つの自由度(3つの並進自由度と2つの回転自由度)を有するため、位置決め手段はそれに応じて設計されなければならない。可能な各運動方向に対して正確に1つの位置決め手段が設置される場合、通常、6つの位置決め手段が必要とされる。ただし、5つの自由度の各々をカバーするために、他の数量の位置決め手段が使用され得ることが理解されよう。各位置決め手段は2つの部分、すなわち、ステアリングホイール側とモジュール側の部分で構成される。図1は2つの位置決め手段を示しており、それぞれが軸方向の位置決め、すなわちZ方向での位置決めを果たす。それぞれの軸方向の位置決め手段は、ステアリングホイール側の軸方向の位置決め手段として軸方向の位置決めフック29、およびモジュール側の軸方向の位置決め手段として軸方向の位置決めステップ39を示している。断面図は軸方向の位置決め手段を2つだけ示しているが、実際には大抵3つの位置決め手段が存在する。渦巻きばね46が筐体32を上方に押すことにより、筐体から、軸方向の位置決めフック29に対して下から延びている軸方向の位置決めステップ39が押されるため、モジュール30の軸方向の位置(Z方向の位置)が画定される。図2に示されるように、ホーンの操作のために、エアバッグモジュール30を軸方向に押し下げることが可能であり、すなわち、エアバッグモジュール30を傾斜方式で押し下げることが可能である。軸方向の位置決め手段はプラスチックから製造され得、特にモジュール側の軸方向の位置決め手段は筐体32と共に1片で製造され得る。
一形態において、図3に示されるように、エアバッグが発火したときのために、補足の保持手段が設置され得る。補足の保持手段は、ここでは保持フック28であるステアリングホイール側の保持手段と、ここでは保持ステップ38であるモジュール側の保持手段を備える。補足の保持手段は、通常、軸方向または半径方向の位置決めを設けず、本発明へのさまざまな追加的な修正形態の1つとなり得る。さまざまな図がこれらの保持手段を示しているが、示されている構成にこの構造がなくてもよいことは理解されよう。
取付け構成の例示的な種類と変形形態に関するさらなる詳細と、追加的な補足の保持手段および軸方向の位置決め手段に関するさらなる詳細は、2009年2月3日に出願され、2012年1月3日に特許付与された、米国特許第8087691号明細書に開示されており、参照により本明細書全体に組み込まれている。
エアバッグモジュール30の一般的な構造とステアリングホイール本体10の軸方向すなわちZ方向の位置決めを説明した後で、さまざまな形態の半径方向すなわちXY方向の位置決め手段が説明される。
一形態において、図4はエアバッグの鳥瞰図を概略式に示しており、また、個々の位置決め手段の位置と機能も概略式に示している。合計で5つの位置決め手段が存在し、すなわち(Z1〜Z3で示される)上述された3つの純粋な軸方向の位置決め手段と、(X1Y1で示される)XY方向の位置決め手段と、さらに(X2で示される)X方向の位置決め手段である。X方向の位置決め手段およびXY方向の位置決め手段は、通常、軸方向に機能しない。したがって、これらは非軸方向すなわち半径方向の位置決め手段として示されている。
位置決め手段X1Y1およびX2は、XY平面でのエアバッグモジュール30の位置を画定し、この平面での回転を防ぐ役目を果たし、これにより、前述の軸方向の位置決めに追加して、半径方向の位置決めを提供することができる。X1Y1方向の位置決め手段は、挿入要素および受入れ要素に対応する形態であり、モジュール側の位置決め手段としての第1位置決めペグ60、およびステアリングホイール側の位置決め手段としての円形の第1位置決めレセプタクル64を含む(図8)。X2方向の位置決め手段は、モジュール側の位置決め手段としての第2位置決めペグ62も、ステアリングホイール側の位置決め手段としての楕円形状の第2位置決めレセプタクル66も含む。楕円形状の第2位置決めレセプタクル66は、収縮による長さの違いや温度の変化を補正する役目を果たす。
このように、エアバッグモジュール30は、エアバッグモジュール30から延びるペグ60および62を含み、このペグ60および62はそれぞれ、取付け板20から延びるレセプタクル64および66に受け入れられる。さらに、追加のペグとレセプタクルが、さらなる半径方向の位置決めを設けるために使用され得る。例えば、2つのペグ/レセプタクル接続を使用するのではなく、3つ以上のペグ/レセプタクル接続を使用することができる。
さらに、エアバッグモジュール30から延びるペグ60および62を有するのではなく、ペグ60および62は、エアバッグモジュールから延びるレセプタクル64および66と共に取付け板20から延びることが可能である。または、さらに代替で、1つのペグがエアバッグモジュール30から延びると同時に別のペグが取付け板20から延びることが可能であり、各ペグは、必要に応じて、エアバッグモジュール30または取付け板20に対応するレセプタクルを有する。量と方向の両方に関連した、ペグ/レセプタクル接続の多くの置換が使用され得ることが理解されよう。
前述の通り、ペグ60および62は、通常、円筒形状を有する。レセプタクル64は通常、円筒形状を有し、レセプタクル66は、通常、楕円形状を有する。レセプタクル64および66は、それぞれの壁部64aおよび66aと、それぞれの間隙64bおよび66bを含み得る。
図5は、第1の実施形態の取付け板20を示している。ここでは、ステアリングホイール側の軸方向の位置決め手段としての役目を果たす3つの軸方向の位置決めフック29と、ステアリングホイール側の補足の保持手段としての役目を果たす2つの保持フック28と、2つの位置決めレセプタクル64および66も示されている。軸方向の位置決めフックおよび保持フックはそれぞれ、強固に形成されている。上述の通り、保持フック28は、エアバッグが発火する際に補足的な支持を提供するが、エアバッグが発火していない、車両の通常の運転条件下では、軸方向の位置決めを設けるために、通常使用されない。
図6〜図8は、ステアリングホイール側の位置決め手段が、モジュール側の位置決め手段と共にどのように機能するかを示している。モジュール側の軸方向の位置決め手段は、U字型フープ74および78の下側にある軸方向の位置決めステップ39の形態である。エアバッグモジュール30および取付け板20のミラー対称性(XZ平面にある鏡像平面)のため、Z1またはZ2の軸方向の位置決め手段に属する2つのフープは第1U字型フープ74として示され、軸方向の位置決め手段Z3に属するU字型フープは、第2U字型フープ78として示されている。
前述の通り、この実施形態は、取付け板20に受け入れられるエアバッグモジュール30を含み、このエアバッグモジュール30はそれ自体がステアリングホイール本体10の一部である。したがって、車両のさまざまな部分から伝わるステアリングホイールコラム16(図1)の振動は、ステアリングホイール本体10を通じてエアバッグモジュール30に伝わり得る。運転者が感じる振動を低減するための手段を、エアバッグ30とステアリングホイール本体10との間で、さまざまな位置決め手段に追加することが可能である。また、振動の低減により、「バンプ・スクイーク・ラトル」効果を制限することもできる。
図9および図9Aを参照すると、エアバッグモジュール30およびステアリングホイールでの振動を低減するために、減衰要素160がペグ60とレセプタクル64との間に配置され得る。減衰要素160は、好適なエラストマ材料から作製可能である。エラストマ材料の特定の材料特性は、望ましい減衰要件や特定の車両で体験される振動数によって変化し得る。同様に、減衰要素160の形状や厚さは、同様の特定の車両条件によって変化し得る。材料および/または減衰要素160の厚さの選定は、当業者の能力の範囲内であることが理解されよう。このような材料や厚さの選定は、何らかの試行錯誤を必要とするかもしれないが、この投資や実験が不要な実験レベルに達するべきではない。多種多様な車種とその乗車プロファイルが、さまざまな種類の望ましい減衰能力を必要とし得る。
減衰要素160は、通常、レセプタクル64の円筒形状に対応する円筒形の側壁162を有することが可能である。減衰要素160は穴164をさらに含み、この穴164は減衰要素160を通って延び、ペグ60の形状に対応している。減衰要素160は、ペグ60とレセプタクル64との間に、通常滑り嵌めを有するように寸法決めされるのが好ましい。エラストマ材料の柔軟な性質によって、穴164を、ペグ60の直径よりもわずかに小さくすることが可能である。同様に、滑り嵌めを設けるために、減衰要素160の外径を、レセプタクル64の内径よりもわずかに大きくすることが可能である。これにより、減衰要素160を、レセプタクル64内にプレス嵌めすることが可能であり、また代替で、ペグ60上にプレス嵌めすることが可能である。当然、他の種類の好適な付属品も使用され得る。
図10および図10Aを参照した別の形態では、減衰要素160は、側壁162から外側に延びる1つ以上のフランジ部162aを含むことができる。この形態では、対応するレセプタクルの間隙64bが、フランジ部162aを受け入れるように構成されている。フランジ部162aと間隙64bは、必要に応じて、エアバッグモジュール30の特定の設置位置を確実にすることを支援するように、正しい位置に合わせられ得る。さまざまな数量のフランジ162aを使用することが可能であり、対応するレセプタクル64は、このフランジ162aを受け入れるために、少なくとも同数の間隙64aを含むことが理解されよう。
同様に、図11を参照すると、減衰要素166が、ペグ62とレセプタクル66との間に使用され得る。減衰要素166は、レセプタクル66の楕円形状に対応するために減衰要素166が楕円形状を有すること以外は、減衰要素160と同様の構成であり得る。前述された上記同様に、減衰要素166は、間隙66bに受け入れられるためのフランジ166aを含むことができる。
この減衰要素160および166は、主に半径方向での減衰能力を提供する。ステアリングホイールの振動は、通常水平方向および半径方向に体験されるため、ステアリングホイールの運転者が感じる振動の量を低減するために、減衰要素160および166が機能することが可能である。
ステアリングホイールとエアバッグとのインタフェースでの減衰要素160および166の設置により、ステアリングホイールに振動減衰を提供するための、着実かつ容易に修正可能な解決手段が可能となる。必要とされる振動特性の調整は、特定の減衰要素を、異なる減衰性能を有する別の減衰要素と交換するだけである。したがって、ステアリングホイールとステアリングホイールコラムの他の領域、または車両の他の領域に、具体的な減衰解決手段を提供する必要性が少なくなり、これにより、設置時間および費用を低減することができる。
図12〜図14は、本発明の第2の実施形態を示している。軸方向の位置決め手段は、第1の実施形態と同様に形成されるため、ここでは再度説明されない。第1の実施形態と対照に、XY平面での位置決めは、外側の位置決め手段80、82、および84によって実現され、各位置決め手段が挿入要素および受入れ要素を含む。この位置決め手段80、82、および84は、モジュール側の板状部86、88、および90と、ステアリングホイール側の好適な受入れ要素92、94、および96を備える。取り付けられた状態のこの板状部86および受入れ要素92は、図14Aに部分品として示されている。受入れ要素は、基本的にU字型の断面を有し、弾性アーム92cが、第1支柱92aの上端からこのU字の中に延びている。第1支柱92aの反対側にある第2支柱92bの内側は、凸状面である。力がかかっていない状態での弾性アームと第2支柱との間の最小距離は、板状部の厚さよりも小さいため、取り付けられた状態では、この板状部が第2支柱で押されて、XY平面での位置が固定される(図14B)。支柱92bの形状は、通常直線状であり、凸形状ではない可能性があることも理解されよう。
受入れ要素92、94、および96は、プラスチック製の別々の要素であることが好ましく、型嵌めによって、スチールホイール本体で本目的のために設けられた凹部内に配置されている。中心を外れたペグ100が、側部突起102と一緒に、U字型の受入れ要素の支柱底部に設けられるため、この受入れ要素を、正しい位置でそれぞれの凹部内に単に挿入することができる。
図14〜図16を参照すると、第1の実施形態と同様に、減衰要素190が、外側の位置決め手段80、82、および84に配置され得る。一形態において、減衰要素190は、第1支柱92aと弾性アーム92cとの間に配置され得る。減衰要素190は、第1支柱92aと弾性アーム92cとの間に適合するように、通常楔形を有することが可能である。板状部86が受入れ要素92に受け入れられると、減衰要素190は板状部86と受入れ要素92との間に滑り嵌めを設けることが可能である。そして、減衰要素190の壁のエラストマ材料の柔軟な性質により、ステアリングホイール10に取り付けられたエアバッグモジュール30に、内部振動の減衰を引き起こす。
上述のように、受入れ要素92は、中心を外れたペグ100を伴って、スチールホイール本体にモジュール式に受け入れられ、正しい位置での挿入を確実にする。受入れ要素92がモジュール式に結節する性質であるため、単に受入れ要素92を取り除き、減衰要素190を異なる減衰特性を有する他の減衰要素と取り換えることによって、減衰要素190を容易に交換することができる。これにより、ステアリングホイールのための着実かつ容易に修正可能な減衰解決手段が提供される。
次に図16および図17を見ると、上記に類似した代替の実施形態において、受入れ要素92’が、第1支柱92a’および弾性アーム92c’のペアを含む。減衰要素190’を、受入れ要素92’の両側において、第1支柱92a’および弾性アーム92c’の間に挿入することができる。上記同様に、板状部86が受入れ要素92’に挿入されると、減衰要素190’は滑り嵌めを設けて、ステアリングホイールの振動減衰を提供する。一形態において、減衰要素190’は、U字型の減衰要素190’を形成するために、接続部190a’を含み得る。減衰要素190のペアが、減衰要素190’の代わりに使用され得ることが理解されよう。
外側の位置決め手段80のための減衰要素190と、これに対応する板状部86および受入れ要素92に関連する上記の説明は、外側の位置決め手段82および84とこれらに対応する構成要素に対しても、同様に適用する。さらに、代替の減衰要素190’に関する上記の説明も、同様に適用できる。望ましい結果を達成するために、上記に記載の変形形態のさまざまな置換を組み合わせられ得ることが理解されよう。
上記の外側の位置決め手段80、82、および84が「外側の」として記載されているが、位置決め手段80、82、および84と同様の構造が、ペグ60やレセプタクル64インタフェースの内部での位置と同様に、取付け板20とエアバッグモジュール30との間でさらに内側に配置され得ることが理解されよう。さらに、必要に応じて、異なる数量の、同様の外側の位置決め手段が使用され得ることが理解されよう。
次に図18〜図20を見ると、別の実施形態において、上記の減衰解決手段に代替または追加で、取付け板20とステアリングホイール本体10との間の接続が、減衰要素220を含み得る。図1に戻って参照すると、取付け板20をステアリングホイール本体10に取り付けている、ねじ22が示されている。さらに具体的には、図18を参照すると、取付け板20は、上面20aと下面20bを含む。ステアリングホイール本体は、通常は内部で円筒形状を有する底部の凹部10aをさらに含み、この底部の凹部10aは、取付け面10bを含む。取付け板20は、取付け板20を通って延びる穴222をさらに含む。接続の位置で、穴222と凹部10aは、通常同軸である。
減衰要素220は、通常、穴226を伴う円筒形の胴部224を有し、この穴226は胴部224を通って延びる。穴222および226が揃うように、減衰要素220は、凹部10aの内側に受け入れられるように構成されている。
この接続は、穴222および226を通って延びる肩部材230をさらに含む。取付け板20をステアリングホイール本体10に取り付けるために、ねじ22は肩部材230を介して挿入され得る。このように、減衰要素220がねじ22および肩部材230を囲むことにより、ステアリングホイールに振動減衰を提供することができる。
減衰要素220が、通常は円筒形状を有するとして説明されてきたが、減衰要素220および凹部10aは、異なる形状を有して必要な減衰特性を提供し得ることが理解されよう。
上記の説明は、本発明の好ましい実施形態を構成しているが、本発明は、添付の特許請求の範囲の適切な範囲と公正な意味から逸脱しない範囲での、修正、変形、および変更が可能である。