以下、本発明の一実施の形態について、図面に基づいて説明する。
以下の実施の形態では、画像処理装置が、操作パネルを搭載した画像形成装置の一部である場合について説明する。画像処理装置は、表示部を搭載した機器とは別体であってもよく、たとえばネットワークを通じて表示部を搭載した機器と接続されたサーバーなどであってもよい。画像処理装置が画像形成装置である場合、画像形成装置としては、たとえばMFP、プリンター、複写機、またはファクシミリなどが挙げられる。画像処理装置は、たとえばPC(Personal Computer)、またはスマートフォンなどであってもよい。
[画像形成装置の構成]
図1は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を示す断面図である。
図1を参照して、本実施の形態における画像形成装置1(画像処理装置の一例)は、MFPであり、スキャナー機能、ファクシミリ機能、複写機能、プリンターとしての機能、データ通信機能、およびサーバー機能を備えている。
画像形成装置1は、給紙カセット10と、排紙トレイ20と、操作パネル30と、画像形成部40と、画像読取部50とを備えている。
給紙カセット10は、3つの給紙カセット11、12、および13を含んでいる。それぞれの給紙カセット10には、互いに異なるサイズの用紙(B5サイズ、A4サイズ、およびA3サイズなど)が装てんされている。給紙カセット10は、画像形成装置1の下部に、画像形成装置1の筐体に抜き差し可能に配置されている。各給紙カセット10に装てんされた用紙は、印字時に、1枚ずつ給紙カセット10から給紙され、画像形成部40に送られる。なお、給紙カセット10の数は3つに限られず、それより多くても少なくてもよい。
排紙トレイ20は、画像形成装置1の筐体のうち画像形成部40が収納されている部位の上方で画像読取部50が配置されている部位の下方に配置されている。排紙トレイ20には、画像形成部40により画像が形成された用紙が筐体の内部から排紙される。
操作パネル30は、画像形成装置1の上部前面に配置されている。操作パネル30は、複数の操作ボタン31と、情報を表示する表示パネル32(表示部の一例)とを含んでいる。
表示パネル32は、タッチパネルである。表示パネル32は、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)である。表示パネル32は、操作画面を表示したり、操作ボタンを表示してタッチ操作を受け付けたりする。ユーザーは、操作ボタン31や表示パネル32に操作を行うことにより、画像形成装置1に種々の動作を実行させることができる。ここでは、表示パネル32は、“r2a×r2b”という解像度(表示部の解像度の一例)を有しているものとする。
画像形成部40は、画像形成装置1の筐体内の中央部に配置されている。画像形成部40は、おおまかに、トナー像形成部、定着装置、および用紙搬送部などで構成される。画像形成部40は、たとえば電子写真方式で用紙に画像を形成する。トナー像形成部は、いわゆるタンデム方式で4色の画像を合成し、用紙(記録媒体)にカラー画像を形成する。トナー像形成部は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色について設けられた感光体と、感光体からトナー像が転写(1次転写)される中間転写ベルトと、中間転写ベルトから用紙に画像を転写(2次転写)する転写部などで構成される。定着装置は、加熱ローラーおよび加圧ローラーを有する。定着装置は、加熱ローラーと加圧ローラーとでトナー像が形成された用紙を挟みながら搬送し、その用紙に加熱および加圧を行なう。これにより、定着装置は、用紙に付着したトナーを溶融させて用紙に定着させ、用紙に画像を形成する。用紙搬送部は、給紙ローラー、搬送ローラー、およびそれらを駆動するモーターなどで構成されている。用紙搬送部は、用紙を給紙カセットから給紙して、画像形成装置の筐体の内部で搬送する。また、用紙搬送部は、画像が形成された用紙を画像形成装置1の筐体から排紙トレイ20などに排出する。
画像読取部50は、画像形成装置1の筐体内の上部に配置されている。画像読取部50は、ADF(Auto Document Feeder)51を有している。画像読取部50は、上述のスキャナー機能を実行する。画像読取部50は、透明な原稿台に配置された原稿をコンタクトイメージセンサにより走査して、それを画像データとして読み取る。また、画像読取部50は、原稿トレイにセットされた複数の原稿を1枚ずつADF51により順次取り込みながら、コンタクトイメージセンサにより原稿を読み取り、画像データとする。
図2は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
図2を参照して、画像形成装置は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、画像処理部104と、外部記憶装置105と、表示部106と、操作部107と、表示変換部108と、電源管理部109と、ネットワークI/F110とをさらに備えている。CPU101と、ROM102、RAM103、画像処理部104、外部記憶装置105、表示部106、操作部107、表示変換部108、電源管理部109、ネットワークI/F110、画像形成部40、および画像読取部50の各々とは、バスによって相互に接続されている。
CPU101は、画像形成装置1全体の動作を制御する。CPU101は、制御プログラムに基づいて処理を行う。
ROM102は、CPU101が実行する制御プログラムや、表示パネル32の解像度などを記憶する。
RAM103は、CPU101の作業用のメモリであり、各種ジョブに関するデータを一時的に保存する。
画像処理部104は、画像データに対して画像形成のための処理を行う。
外部記憶装置105は、たとえばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などである。外部記憶装置105は、基準画面に含まれる複数のパーツ(構成要素の一例)などの各種情報を記憶する。
表示部106は、操作パネル30の表示パネル32に操作画面や各種情報を表示する。
操作部107は、操作パネル30を通じて各種操作を受け付ける。
表示変換部108は、基準画面に含まれる複数のパーツを変換することにより、表示パネル32に表示するための画面である表示用画面を作成する。
電源管理部109は、画像形成装置1の動作状態を通常状態と省電力状態などの間で切り替える。
ネットワークI/F110は、ネットワークを通じて外部機器との間で各種の情報を送受信する。
画像形成装置1は、所定の解像度を有する基準画面に含まれる複数のパーツを外部記憶装置105に予め記憶している。画像形成装置1は、表示パネル32に操作画面を表示する場合に次の動作を行う。画像形成装置1は、表示パネル32の解像度を取得し、記憶している複数のパーツの解像度と、表示パネル32の解像度とに基づいて、縮小率を決定する。画像形成装置1は、記憶している複数のパーツの各々を、決定した縮小率に基づいて縮小する。画像形成装置1は、縮小した複数のパーツの各々によって構成される縮小後画面において、隣り合う2つのパーツの間隔が所要値以下である場合に、隣り合う2つのパーツの間隔を所要値より大きい値に補正することにより表示用画面を作成する。
[基準画面を構成するパーツ]
続いて、本実施の形態における基準画面を構成するパーツについて説明する。
基準画面を構成するパーツには、外枠無しのものと外枠有りのものとがある。
図3は、本発明の一実施の形態において、複数の外枠無しのパーツによって構成された基準画面SS1を模式的に示す図である。なお以降の図では、色の違いを異なるハッチングで表すことがある。また画面の横方向をx軸方向とし、縦方向をy軸方向としている。座標はドットに対応する。
図3を参照して、基準画面とは、基準となる解像度で作成された操作画面である。基準画面SS1は、複数のパーツPT1、PT2、PT3、PT4、およびPT5を含んでいる。複数のパーツPT1、PT2、PT3、PT4、およびPT5の各々は、矩形であり、外枠を有していない。パーツPT5は、基準画面SS1の背景となるパーツであり、たとえば灰色である。パーツPT1、PT2、PT3、およびPT4の各々は、パーツPT5上に配置されており、たとえば白色である。パーツPT1、PT2、およびPT3の各々は、この順序でx軸の正方向に向かって配列している。パーツPT1、PT2、およびPT3の各々の高さ(y軸方向の長さ)およびy軸方向の開始座標は同一である。パーツPT4は、パーツPT1、PT2、およびPT3の下部に配置されている。パーツPT4とパーツPT1とのx軸方向の開始座標は同一である。
パーツPT5は、見かけ上、パーツPT1、PT2、PT3、およびPT4の各々の枠線となっている。言い換えれば、パーツPT1、PT2、PT3、およびPT4の各々は、見かけ上、パーツPT5によって区分されている。
パーツPT1、PT2、PT3、およびPT4の各々のような外枠無しのパーツは、隣り合うパーツとの間隔が1ドット以下になると、隣り合うパーツとの間の枠線(境界線)がなくなる。
図4は、本発明の一実施の形態における基準画面SS1の部分拡大図である。
図4を参照して、パーツPT1のx軸方向の最終座標a1と、パーツPT2のx軸方向の開始座標a2との差は2ドット以上である(1ドットより大きい)。これにより、パーツPT1とパーツPT2との間には、枠線となるパーツPT5が現れる。
同様に、パーツPT1のy軸方向の最終座標b1と、パーツPT4のy軸方向の開始座標b2との差は2ドット以上である(1ドットより大きい)。これにより、パーツPT1とパーツPT4との間には、枠線となるパーツPT5が現れる。
図5は、本発明の一実施の形態において、パーツPT1のx軸方向の最終座標a1と、パーツPT2のx軸方向の開始座標a2との差が1ドットである場合の基準画面SS1の部分拡大図である。
図5を参照して、仮定として、パーツPT1のx軸方向の最終座標a1と、パーツPT2のx軸方向の開始座標a2との差が1ドットである場合を想定する。この場合、パーツPT1とパーツPT2との間には、枠線となるパーツPT5が現れず、パーツPT1とパーツPT2とは、見かけ上繋がってしまう。
同様に、仮定として、y軸方向で隣り合うパーツPT1およびPT4の場合、パーツPT1のy軸方向の最終座標b1と、パーツPT4のy軸方向の開始座標b2との差が1ドットである場合を想定する。パーツPT1とパーツPT4との間には、枠線となるパーツPT5が現れず、パーツPT1とパーツPT4とは、見かけ上繋がってしまう。
以上により、外枠無しのパーツにより操作画面を構成する場合、x軸方向で隣り合う2つのパーツの形状を確保するためには、x軸方向で隣り合う2つのパーツのうち一方のパーツのx軸方向の最終座標と他方のパーツのx軸方向の開始座標との差が1ドットより大きい必要がある。また、y軸方向で隣り合う2つのパーツの形状を確保するためには、y軸方向で隣り合う2つのパーツのうち一方のパーツのy軸方向の最終座標と他方のパーツのy軸方向の開始座標との差が1ドットより大きい必要がある。
従って、外枠無しのパーツにより操作画面を構成する場合、操作画面の画質の低下を抑制するための、隣り合うパーツとの間隔の閾値は1ドットとなる。
図6は、本発明の一実施の形態において、複数の外枠有りのパーツによって構成された基準画面SS2を模式的に示す図である。
図6を参照して、基準画面SS2は、複数のパーツPT11、PT12、PT13、およびPT14を含んでいる。複数のパーツPT11、PT12、PT13、およびPT14の各々は、矩形であり、外枠を有している。パーツPT11、PT12、PT13、およびPT14の各々は、それぞれの外枠によって区分されている。パーツPT11およびPT12の各々は、この順序でx軸の正方向に向かって配列している。パーツPT13およびPT14の各々は、パーツPT11およびPT12の下部において、この順序でx軸の正方向に向かって配列している。パーツPT11およびPT12の各々の高さ(y軸方向の長さ)およびy軸方向の開始座標は同一である。パーツPT13およびPT14の各々の高さおよびy軸方向の開始座標は同一である。パーツPT11およびPT13の各々の幅(x軸方向の長さ)およびx軸方向の開始座標は同一である。パーツPT12およびPT14の各々の幅およびx軸方向の開始座標は同一である。
パーツPT11、PT12、PT13、およびPT14の各々は、たとえば白色の上枠および左枠と、黒色の下枠および右枠とを有している。パーツPT11、PT12、PT13、およびPT14の各々の内部は、たとえば灰色である。このようにパーツの外枠を2つの異なる色で塗り分けることで、パーツに立体感を持たせることができる。
パーツPT11、PT12、PT13、およびPT14の各々のような外枠有りのパーツは、隣り合うパーツとの間隔が0ドット以下になると、パーツの立体感が失われる。
図7は、本発明の一実施の形態における場合の基準画面SS2の部分拡大図である。
図7を参照して、パーツPT11のx軸方向の最終座標a11と、パーツPT12のx軸方向の開始座標a12との差は1ドット以上である(0ドットより大きい)。これにより、パーツPT11とパーツPT12との間には、パーツPT11の右枠およびパーツPT12の左枠が現れ、パーツの立体感が確保される。
同様に、パーツPT11のy軸方向の最終座標b11と、パーツPT13のy軸方向の開始座標b12との差は1ドット以上である(0ドットより大きい)。これにより、パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT11の下枠およびパーツPT13の上枠が現れ、パーツの立体感が確保される。
図8は、本発明の一実施の形態において、パーツPT11のx軸方向の最終座標a11と、パーツPT12のx軸方向の開始座標a12との差が0ドットである場合の基準画面SS2の部分拡大図である。
図8を参照して、仮定として、パーツPT11のx軸方向の最終座標a11と、パーツPT12のx軸方向の開始座標a12との差が0ドットである場合を想定する。この場合、パーツPT11の右枠とパーツPT12の左枠とが重なる。パーツPT11とパーツPT12との間には、パーツPT11の右枠およびパーツPT12の左枠のうち一方しか現れず、パーツの立体感が失われる。
同様に、仮定として、パーツPT11のy軸方向の最終座標b11と、パーツPT13のy軸方向の開始座標b12との差が0ドットである場合を想定する。この場合、パーツPT11の下枠とパーツPT13の上枠とが重なる。パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT11の下枠およびパーツPT13の上枠のうち一方しか現れず、パーツの立体感が失われる。
以上により、外枠有りのパーツにより操作画面を構成する場合、x軸方向で隣り合う2つのパーツの形状を確保するためには、x軸方向で隣り合う2つのパーツのうち一方のパーツのx軸方向の最終座標と他方のパーツのx軸方向の開始座標との差が0ドットより大きい必要がある。また、外枠無しのパーツにより操作画面を構成する場合、y軸方向で隣り合う2つのパーツの形状を確保するためには、y軸方向で隣り合う2つのパーツのうち一方のパーツのy軸方向の最終座標と他方のパーツのy軸方向の開始座標との差が0ドットより大きい必要がある。
従って、外枠有りのパーツにより操作画面を構成する場合、操作画面の画質の低下を抑制するための、隣り合うパーツとの間隔の閾値は0ドットとなる。
図9は、本発明の一実施の形態において外部記憶装置105が記憶するパーツレイアウトテーブルを模式的に示す図である。
図9を参照して、パーツレイアウトテーブルは、基準画面を構成する複数のパーツの各々の情報を示すテーブルである。複数のパーツの各々の情報は、隣り合うパーツとの間隔の閾値(ドット)によって、パーツ群Aとパーツ群Bとに区分されている。複数のパーツの各々の情報は、パーツ名と、開始座標(x軸方向およびy軸方向)と、幅および高さと、解像度とを含んでいる。幅とはx軸方向の長さであり、高さとはy軸方向の長さである。
パーツレイアウトテーブルによれば、たとえば、パーツ群Aには、パーツPT1、PT2、PT3、およびPT4などの、閾値が1ドットであるパーツが属していることが分かる。パーツPT1は、x軸方向の開始座標がx1であり、y軸方向の開始座標がy1であり、幅がw1であり、高さがh1であることが分かる。
基準画面は(全てのパーツは)、“r1a×r1b”という解像度(複数の構成要素の解像度の一例)を有している。基準画面の解像度“r1a×r1b”は、表示パネル32の解像度“r2a×r2b”よりも高い。これらの間には、r1a>r2a、r1b>r2bの関係が成り立つ。
[画像形成装置の動作]
続いて、本実施の形態において、操作画面を表示パネル32に表示する場合の画像形正装置の動作について説明する。
画像形成装置1は、基準画面(複数のパーツ)の解像度と、表示パネル32の解像度とに基づいて、縮小率を決定する。ここでは、x軸方向の縮小率をEx(=r2a/r1a)に決定し、y軸方向の縮小率をEy(=r2b/r1b)に決定する。なお画像形成装置は、x軸方向の基準画面の解像度とx軸方向の表示パネル32の解像度との比率、およびy軸方向の基準画面の解像度とy軸方向の表示パネル32の解像度との比率のうち少なくともいずれか一方に基づいて縮小率を決定すればよい。
次に画像形成装置1は、基準画面に含まれる複数のパーツの各々についてのz軸方向およびy軸方向の開始座標と、幅および高さとの各々に対して、決定した縮小率を乗じる計算を行う。
基準画面SS1に基づく操作画面を表示パネル32に表示する場合の動作について、説明する。
図10は、本発明の一実施の形態における、基準画面SS1に含まれる複数のパーツに基づいて表示用画面を作成する動作を説明するための図である。図10(a)は、基準画面SS1を示しており、図10(b)は、縮小後の複数のパーツの各々によって構成される操作画面を示している。図10(c)は、補正後の操作画面(表示用画面)を示している。
図10(a)を参照して、基準画面SS1において、パーツPT1とパーツPT2との間隔は2ドット以上である。縮小率を乗じる計算の結果、たとえばパーツPT1のx軸方向の開始座標は“x1×Ex”となり、y軸方向の開始座標は“y1×Ey”となる。パーツPT1の幅は“w1×Ex”となり、高さは“h1×Ey”となる。
上記計算の結果得られた値が整数でなくなる(小数点以下の端数が生じる)場合がある。この場合、画像形成装置は、計算結果の端数を切り上げまたは切り捨てすることにより、計算結果を整数化する。表示パネル32にパーツを表示するためには、パーツの開始座標およびサイズが整数である必要があるためである。必要に応じて整数化を行った後で縮小後画面が得られる。
計算結果の整数化の方法としては、(1)端数を四捨五入する方法、(2)端数を切り上げる方法、または(3)端数を五捨六入する方法などがある。
上記(1)の方法の場合、計算結果は、たとえば“ROUNDDOWN(T+0.5)”(Tは端数が生じた計算結果の数値)という関数を用いて整数化される。
上記(2)の方法の場合、計算結果は、たとえば“if(T−ROUNDDOWN(T))>0,ROUNDDOWN(T+1)”という関数を用いて整数化される。(2)
上記(3)の方法の場合、計算結果は、たとえば“ROUNDDOWN(T+0.4)”という関数を用いて整数化される。
なお、画像形成装置は、端数が任意の境界値SV(0<SV<1)以上である場合には端数を切り上げ、端数が境界値SV未満である場合には端数を切り捨てるようにしてもよい。
次に画像形成装置1は、縮小後画面において、隣り合う2つのパーツの間隔を計算する。そして画像形成装置1は、隣り合う2つのパーツの間隔が閾値以下である場合に、隣り合う2つのパーツの間隔を補正する。
図10(b)を参照して、基準画面SS1を縮小後の操作画面(縮小後画面)では、パーツPT1とパーツPT2との間には、枠線となるパーツPT5が現れず、パーツPT1とパーツPT2とは、見かけ上繋がっている。これは、パーツPT1のx軸方向の最終座標c1(=(x1+w1)×Ex)と、パーツPT2のx軸方向の開始座標c2(=x2×Ex)との差が、整数化(解像度の違いに起因して発生する計算誤差)により、閾値である1ドット以下となったためである。同様の理由により、パーツPT2とパーツPT3とが、見かけ上繋がっている。
縮小によって隣り合う2つのパーツの間隔が閾値(外枠無しの場合には1ドット)以下となった場合、画像形成装置1は、図10(c)に示すように、パーツPT1とパーツPT2との間隔が閾値より大きい値になるように補正し、パーツPT2とパーツPT3との間隔が閾値より大きい値になるように補正する。補正はドット単位で行われる。これにより画像形成装置1は、表示用画面を作成する。
図10(c)を参照して、具体的には、画像形成装置1は、縮小後のパーツPT2の幅m1(=w2×Ex)を“m1−1”に補正する(1ドットだけ小さくする)。縮小後のパーツPT1の開始座標およびサイズ、ならびに縮小後のパーツPT2の最終座標(パーツPT2のx軸方向の最終座標は最終座標c3である)および高さは補正しない。この補正により、パーツPT2のx軸方向の開始座標c2が1ドット分だけ図中右方向(x軸の正方向)に移動する。パーツPT1とパーツPT2との間隔は1ドット分だけ増加する。その結果、パーツPT1とパーツPT2との間には、枠線となるパーツPT5が現れる。
同様に、画像形成装置1は、縮小後のパーツPT3の幅m2(=w3×Ex)を“m2−1”に補正することにより、パーツPT2とパーツPT3との間隔を1だけに増加させる。その結果、パーツPT2とパーツPT3との間には、枠線となるパーツPT5が現れる。
なお、補正量(縮小量)は任意であり、必要な枠線の太さなどに応じて決定されてもよい。
縮小後画面において、隣り合う2つのパーツの全ての間隔が閾値を超えている場合には、画像形成装置1は、補正を行わずに縮小後画面をそのまま表示用画面とする。
図11は、本発明の一実施の形態における、基準画面SS2に含まれる複数のパーツに基づいて表示用画面を作成する動作を説明するための図である。図11(a)は、基準画面SS2を示しており、図11(b)は、縮小後の複数のパーツの各々によって構成される操作画面を示している。図11(c)は、補正後の操作画面(表示用画面)を示している。
図11(a)を参照して、基準画面SS2において、パーツPT11とパーツPT13との間隔は1ドット以上である。
図11(b)を参照して、縮小後の操作画面(縮小後画面)では、パーツPT11の下枠とパーツPT13の上枠とが重なっている。パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT13の上枠しか現れておらず、パーツの立体感が失われている。これは、パーツPT11のy軸方向の最終座標d1(=(y1+h1)×Ey)と、パーツPT13のy軸方向の開始座標d2(=y13×Ex)との差が、閾値である0ドット以下となったためである。同様の理由により、パーツPT12の下枠とパーツPT14の上枠とが重なっている。
縮小によって隣り合う2つのパーツの間隔が閾値(外枠有りの場合には0ドット)以下となった場合、画像形成装置1は、パーツPT11とパーツPT13との間隔が閾値より大きい値になるように補正し、パーツPT12とパーツPT14との間隔が閾値より大きい値になるように補正することにより、表示用画面を作成する。
図11(c)を参照して、具体的には、画像形成装置1は、縮小後のパーツPT13およびPT14の高さn1(=h13×Ey)を“n1−1”に補正する(1ドットだけ小さくする)。縮小後のパーツPT11およびPT12の開始座標およびサイズ、ならびに縮小後のパーツPT13およびPT14のx軸方向の最終座標d3および高さは補正しない。これにより、縮小後のパーツPT13およびPT14のx軸方向の開始座標d2が1ドットだけ図中下方向(y軸の負方向)に移動する。パーツPT11とパーツPT13との間隔は1ドットだけ増加する。その結果、パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT11の下枠とパーツPT13の上枠とが現れる。パーツPT12とパーツPT14との間には、パーツPT12の下枠とパーツPT14の上枠とが現れる。
なお、隣り合う2つのパーツの間隔を補正する方法は、隣り合う2つのパーツのうち少なくとも一方のサイズを縮小する方法(以降、縮小する補正方法と記すことがある)であればよく、隣り合う2つのパーツの両方のサイズを縮小する方法であってもよい。また、次に説明するように、隣り合う2つのパーツのうち少なくとも一方の開始座標を変更する方法(以降、座標を変更する補正方法と記すことがある)であってもよい。
画像形成装置1は、隣り合う2つのパーツの各々の枠線の有無によって異なる閾値を用いてもよい。
図12は、本発明の一実施の形態における、基準画面SS2に含まれる複数のパーツに基づいて表示用画面を作成する動作の変形例を説明するための図である。図12(a)は、縮小後の複数のパーツの各々によって構成される操作画面を示している。図12(b)は、補正後の操作画面(表示用画面)を示している。
図12(a)を参照して、ここでの基準画面SS2は、パーツPT15およびPT16をさらに含んでいる。パーツPT15およびPT16の各々は、矩形であり、外枠を有している。パーツPT15およびPT16の各々は、それぞれの外枠によって区分されている。パーツPT15およびPT16の各々は、パーツPT13およびPT14の下部において、この順序でx軸の正方向に向かって配列している。パーツPT15およびPT16の各々の高さ(y軸方向の長さ)およびy軸方向の開始座標は同一である。パーツPT11、PT13、PT15の各々の幅(x軸方向の長さ)およびx軸方向の開始座標は同一である。パーツPT12、PT14、およびPT16の各々の幅およびx軸方向の開始座標は同一である。
縮小後の操作画面では、パーツPT11の下枠とパーツPT13の上枠とが重なっている。パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT13の上枠しか現れておらず、パーツの立体感が失われている。これは、パーツPT11のy軸方向の最終座標d1と、パーツPT13のy軸方向の開始座標d2との差が、閾値である0ドット以下となったためである。同様の理由により、パーツPT12の下枠とパーツPT14の上枠とが重なっている。
図12(b)を参照して、本変形例では、縮小によって隣り合う2つのパーツの間隔が閾値(外枠有りの場合には0ドット)以下となった場合、画像形成装置1は、縮小後のパーツPT13およびPT14のy軸方向の開始座標d2を、図12中下方向(y軸の正方向)に1ドット移動する。またこの移動に伴い、パーツPT13およびPT14の移動方向に存在しているパーツPT15およびPT16のy軸方向の開始座標d4を、図12中下方向に1ドット移動する。これにより、パーツPT13およびPT14のy軸方向の最終座標d3と、パーツPT15およびPT16のy軸方向の開始座標d4との間隔が維持される。縮小後のパーツPT11、PT12、PT13、PT14、PT15、およびPT16のサイズ、ならびにパーツPT11およびPT12の開始座標は補正しない(なお、パーツPT13およびPT14の高さは、高さn1と示されており、パーツPT15およびPT16の高さは、高さn2と示されている)。その結果、パーツPT11とパーツPT13との間には、パーツPT11の下枠とパーツPT13の上枠とが現れる。パーツPT12とパーツPT14との間には、パーツPT12の下枠とパーツPT14の上枠とが現れる。
なお、補正量(縮小量または座標移動量)は任意であり、見かけ上必要な枠線の太さなどに応じて決定されてもよい。
縮小する補正方法(図11の方法)および座標を変更する補正方法(図12の方法)は、互いに組み合わせられてもよい。この場合、画像形成装置1は、補正の対象となるパーツに応じていずれの方法を選択するかを決定してもよい。
図13は、本発明の一実施の形態におけるパーツの補正方法の選択の方法を説明するための図である。
図13を参照して、パーツPT20は、縮小後画面に含まれるパーツである。パーツPT20は、矩形を有しており、その内部の文字領域RGには「XXXX」という文字列が表示されている。文字領域RGは、文字が表示される領域である。文字領域RGのサイズは、文字のフォントサイズと文字数とに基づいて算出される。
縮小する補正方法によれば、隣り合うパーツとの間隔が正常であるパーツの座標およびサイズを変更せずに補正を行うことができる。一方で、縮小する補正方法を用いる場合、文字領域RGのサイズが、縮小後のパーツPT20のサイズよりも大きくなり(または縮小後のパーツPT20のサイズとほぼ同じになり)、文字領域RGに含まれる文字列の表示状態に悪影響(文字列の欠損など)を及ぼすことがある。
そこで、画像形成装置1は、縮小後のパーツの幅と、縮小後のパーツに含まれる文字領域の幅とに基づいて、x軸方向の補正として、縮小する補正方法を選択するか座標を変更する補正方法を選択するかを決定する。また画像形成装置1は、縮小後のパーツの高さと、縮小後のパーツに含まれる文字領域の高さとに基づいて、y軸方向の補正として、縮小する補正方法を選択するか座標を変更する補正方法を選択するかを決定する。
なお、画像形成装置1は、x軸方向またはy軸方向の補正として、縮小する補正方法を常に選択してもよいし、座標を変更する補正方法を常に選択してもよい。
図14は、本発明の一実施の形態における画像形成装置1の動作を示すフローチャートである。
図14を参照して、画像形成装置1のCPUは、CPU101は、操作画面の表示要求を受け付けると、表示対象となる複数のパーツ(基準画面のパーツのうち、表示する操作画面に含まれるパーツ)を決定する(S1)。次にCPU101は、決定した複数のパーツの各々に対して縮小処理を行う(S3)。次にCPU101は、縮小処理を行った複数のパーツの各々に対してレイアウト計算処理を行う(S5)。次にCPU101は、レイアウト計算処理後の複数のパーツにより構成される表示用画面を作成し、表示パネル32に表示し(S7)、処理を終了する。
図15は、図14のステップS3のパーツの縮小処理のサブルーチンである。
図15を参照して、パーツの縮小処理では、CPU101は、基準画面の解像度と、表示パネル32の解像度とを入手する(S101)。次にCPU101は、基準画面の解像度と、表示パネル32の解像度とに基づいて、縮小率を決定する(S103)。次にCPU101は、表示対象となるパーツの各々の開始座標(x軸方向およびy軸方向)およびサイズ(幅および高さ)に縮小率を乗じる。これにより、表示対象となるパーツの各々が縮小率に基づいて縮小される(S105)。次にCPU101は、縮小後のパーツの各々の開始座標(x軸方向およびy軸方向)およびサイズ(幅および高さ)を、必要に応じて整数化し(S107)、リターンする。
図16および図17は、図14のステップS5のレイアウト計算処理のサブルーチンである。
図16を参照して、レイアウト計算処理において、CPU101は、表示対象となるパーツの全てのx軸方向の座標移動量xおよびy軸方向の座標移動量yを0に設定する(初期化する)(S201)。次にCPU101は、縮小処理後の複数のパーツにより構成した画面における、x軸方向へのパーツの配列またはy軸方向へのパーツの配列のうち、未選択のパーツの配列があるか否かを判別する(S202)。
ステップS202において、未選択のパーツの配列が無い(全てのパーツの配列を選択した)と判別した場合(S202でNO)、CPU101はリターンする。
ステップS202において、未選択のパーツの配列があると判別した場合(S202でYES)、CPU101は、未選択のパーツの配列であって、k個(kはk≧2の自然数)のパーツよりなる配列を選択する(S203)。次にCPU101は、選択した配列を構成するパーツの各々に、パーツの配列順に1〜kの番号を付す(S205)。続いてCPU101は、変数iを1に設定し(S207)、変数iがkに等しいか否か(i=kであるか否か)を判別する(S209)。
ステップS209において、変数iがkに等しいと判別した場合(S209でYES)、CPU101はステップS202の処理へ進む。
ステップS209において、変数iがkに等しくないと判別した場合(S209でNO)、CPU101は図17のステップS211の処理へ進む。
図17を参照して、ステップS211において、CPU101は、i番目のパーツにおける配列方向(x軸方向またはy軸方向)の開始座標に、i番目のパーツにおける配列方向の座標移動量(x[i]またはy[i])を加算する(S211)。座標移動量を加算後の開始座標は、i番目のパーツの仮の開始座標である。
次にCPU101は、(i+1)番目のパーツにおける配列方向(x軸方向またはy軸方向)の開始座標に、(i+1)番目のパーツにおける配列方向の座標移動量(x[i+1]またはy[i+1])を加算する(S213)。座標移動量を加算後の開始座標は、(i+i)番目のパーツの仮の開始座標である。
次にCPU101は、i番目のパーツにおける配列方向の開始座標と、i番目のパーツにおける配列方向のサイズとに基づいて、i番目のパーツにおける配列方向の最終座標を計算する(S215)。次にCPU101は、i番目のパーツのパーツにおける配列方向の最終座標と、(i+1)番目のパーツにおける配列方向の開始座標との差を算出する(S217)。次にCPU101は、算出した差が閾値以下であるか否かを判別する(S219)。
ステップS219において、算出した差が閾値以下であると判別した場合(S219でYES)、CPU101は補正処理を行い(S219)、ステップS223の処理へ進む。
ステップS219において、算出した差が閾値以下でないと判別した場合(S219でNO)、CPU101はステップS223の処理へ進む。
ステップS223において、CPU101は、i番目のパーツにおける配列方向の開始座標およびサイズを現在の値に決定する(S223)。次にCPU101は、変数iをインクリメントし(S225)、図16のステップS209の処理に進む。
図18は、図17のステップS219の補正処理のサブルーチンである。
図18を参照して、補正処理において、CPU101は、i番目のパーツの内部の文字列のフォントサイズおよび文字数を入手する(S301)。次にCPU101は、入手したフォントサイズおよび文字数に基づいて、i番目のパーツの内部の文字列のサイズを計算する(S303)。次にCPU101は、i番目のパーツを1ドット分だけ縮小した場合のi番目のパーツの配列方向のサイズを計算する(S304)。続いてCPU101はは、計算した文字列のサイズが、計算したi番目のパーツの配列方向のサイズよりも大きいか否かを判別する(S305)。
ステップS305において、計算した文字列のサイズが、計算したi番目のパーツの配列方向のサイズよりも大きいと判別した場合(S305でYES)、CPU101は、座標を変更する補正方法によりパーツを修正する。すなわち、CPU101は、(i+1)番目以降のパーツの各々における配列方向の座標移動量を1ドット分増加させ(S307)、リターンする。
ステップS305において、計算した文字列のサイズが、計算したi番目のパーツの配列方向のサイズ以下であると判別した場合(S305でNO)、CPU101は、縮小する補正方法によりパーツを修正する。すなわち、CPU101は、i番目のパーツにおける配列方向のサイズを1ドット分縮小し(S309)、リターンする。
[実施の形態の効果]
上述の実施の形態によれば、基準画面に含まれる複数の構成要素に基づいて、表示パネルの解像度に合わせた操作画面である表示用画面を作成する場合に、必要に応じて隣り合う2つのパーツの間隔が補正される。これにより、基準画面に含まれる複数の構成要素を縮小する際に発生する計算誤差によって、隣り合う2つのパーツが見かけ上繋がる事態や、パーツの立体感が失われる事態を回避することができる。その結果、表示用画面の画質の低下を抑止することができ、ひいてはユーザーの誤操作を防止することができる。
[その他]
画像処理装置が作成する作成用画面は、表示部に表示する画面であればよく、画像処理装置の動作を指示する操作を受け付けない画面であってもよい。
パーツの閾値は、たとえばパーツの隣接方向など、外枠の有無(パーツ群)以外の条件によって異なる値に設定されてもよい。また、パーツの閾値は、全てのパーツについて同一値に設定されてもよい。
縮小後画面の補正は、画面の縦方向および横方向のうち少なくともいずれか一方の方向で行われればよい。
上述の実施の形態における処理は、ソフトウェアにより行っても、ハードウェア回路を用いて行ってもよい。また、上述の実施の形態における処理を実行するプログラムを提供することもできるし、そのプログラムをCD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスク、ROM、RAM、メモリカードなどの記録媒体に記録してユーザーに提供することにしてもよい。プログラムは、CPUなどのコンピューターにより実行される。また、プログラムはインターネットなどの通信回線を介して、装置にダウンロードするようにしてもよい。
上述の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。