JP2016225408A - 疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法、疑似ラジアル配向の異方性リング磁石 - Google Patents

疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法、疑似ラジアル配向の異方性リング磁石 Download PDF

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Abstract

【課題】高性能でありながらも従来より低コスト化を図ることの出来る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石を製造する方法及び疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の提供を目的とする。
【解決手段】円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石の製造方法であって、仮想軸を中心としたその周囲に、着磁処理された多角柱状の異方性磁石を連結配置して組合せ磁石体を作製し、当該組合せ磁石体を、当該仮想軸を中心とした円環形状に加工して得られることを特徴とする疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法を採用する。
【選択図】図1

Description

本件発明は、疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法及び疑似ラジアル配向の異方性リング磁石に関する。
従来より、円環形状(又は円筒形状)を呈する異方性磁石(以下、異方性リング磁石と称する)は、等方性磁石に比して着磁後の磁石特性に優れ、カメラや複写機等のステッピングモータ、ブラシレスDCモータ、ブラシレスACモータ等として各種産業機器に広く用いられている。近年、これらのモータに関しては、小型化と共に高性能化が求められ、高速で滑らかに回転させるべく多極であることが望ましいとされている。そのため、これらのモータには、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石が多く用いられている。
このような異方性リング磁石を製造する方法として、例えば、特許文献1には、鋳造インゴットを熱間加工して磁場配向させた後、プレス加工を行い円弧状にし、当該円弧状体を組合せてリング型のラジアル配向磁石とすることが開示されている(特許文献1の請求項1、第2頁左上欄第11〜14行目を参照のこと。)。また、特許文献2には、予めラジアル異方性を有する円弧状成形体を作製し、次いでこれら円弧状成形体を組合せ、圧縮成形して結合し、焼結した後に着磁することでリング型のラジアル異方性希土類焼結磁石とすることが開示されている(特許文献2の請求項1、段落0003を参照のこと。)。
特開平2−297910号公報 特開平6−302449号公報
しかし、特許文献1及び2に開示する異方性リング磁石の製造方法では、円弧状成形体同士の接続部分の継ぎ目に段差が生じ易く、外周面及び内周面に真円を形成し難く、内周及び外周の内外径寸法精度の低下を招く。また、特許文献2における製法では、着磁工程において内部に着磁ヨークを配置しなければならないため、内径寸法には着磁ヨークが入るのに十分な寸法が必要になる。ゆえに、内径寸法を着磁ヨークが入らない大きさにまで小さくすることが出来ず、磁石体積を十分に確保することが出来ない。また、特許文献2における製法は、ラジアル方向に磁石粉を配向させるべく特殊な性能を持つ磁石粉を使用する必要がある。よって、商用で一般的に使用されるような、より高い磁気エネルギー積を有する磁石を使用することが出来ない。更に、特許文献2に開示する異方性リング磁石の製造方法のように、粉末冶金法によって作製される希土類金属磁石焼結体は、焼結工程において収縮を起こすため、所定の寸法にするために切削加工や研削加工を施す等の仕上げ加工が必須となる。
以上のことから、従来の磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石の製造方法では、製造コストの増大を招くと共に、十分に磁石の高性能化を図ることが出来なかった。
従って、本件発明は、高性能でありながらも従来より低コスト化を図ることの出来る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石を製造する方法及び疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の提供を目的とする。
そこで、本件発明者等は、鋭意研究を行った結果、上述した課題を解決するに到った。以下、本件発明に関して説明する。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法: 本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石の製造方法であって、仮想軸を中心としたその周囲に、着磁処理された多角柱状の当該異方性磁石を連結配置して組合せ磁石体を作製し、当該組合せ磁石体を、当該仮想軸を中心とした円環形状に加工して製造することを特徴とする。
また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、前記多角柱状の異方性磁石として四角柱状の異方性磁石を用いることが好ましい。
また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、前記異方性磁石として配向磁場方向が一方向に調整されたものを用いることが好ましい。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石: 本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した磁石体と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した磁石体とを交互に配置してなる異方性リング磁石であって、内径が3mm未満であることを特徴とする。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法及び疑似ラジアル配向の異方性リング磁石によれば、高性能でありながらも従来より安価に、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石を製造することが出来る。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法の一例を示す図である。 実施例1の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータの概略断面図である。 実施例1の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータで得られた誘起電圧波形を示すグラフである。 比較例1の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータの概略断面図である。 比較例1の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータで得られた誘起電圧波形を示すグラフである。 比較例2の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータの概略断面図である。 比較例2の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータで得られた誘起電圧波形を示すグラフである。 比較例3の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータの概略断面図である。 比較例3の異方性リング磁石を用いた異方性リング磁石モータで得られた誘起電圧波形を示すグラフである。
以下に、本件発明に関して、一実施の形態について説明する。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法: 本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石の製造方法である。そして、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、仮想軸を中心としたその周囲に、着磁処理された多角柱状の当該異方性磁石を連結配置して組合せ磁石体を作製し、当該組合せ磁石体を、当該仮想軸を中心とした円環形状に加工して得られることを特徴とする。
以下に、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法の一例について、工程毎に図1(a)〜図1(d)を用いて説明する。
<異方性磁石の作製について>
本件発明の疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、複数の異方性磁石から構成されたものである。本件発明の異方性磁石を作製するに際しては、従来公知の手法を採用することができ、例えば、微粉砕された粉末磁性材料を特定の磁場中でプレス成形をして所定方向の磁界をかけて異方性が付与された磁場中成形体を得、更に当該磁場中成形体を焼結し、着磁して異方性磁石1(図1(a)を参照のこと。)を得ることが出来る。磁界内に粉末磁性材料を配して、当該粉末磁性材料が磁化方向に整列(磁場配向)し、この状態でプレス成形を行うことで内部磁気モーメントの整った異方性の磁石となる(図1(a)中矢印は着磁方向を示す。)。当該粉末磁性材料は、溶媒、溶解したものを粗粉砕し、その後微粉砕したものが用いられる。なお、図1(a)に示す異方性磁石1は、プレス方向に対して垂直方向に磁場配向させているが、本件発明の異方性磁石を作製するに際してはこれに限定されず、プレス方向に磁場配向させることも出来る。また、図1(a)には異方性磁石1が四角柱状として示されているが、本件発明は、当該異方性磁石1の形状に関してこの形状に限定されない。本件発明の異方性磁石1は、多角柱状であれば良く、例えば三角柱状等とすることが出来る。
ここで、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、上述した異方性磁石として配向磁場方向が一方向に調整されたものを用いることが好ましい。本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、当該異方性磁石の配向磁場方向を平行に配向することで、得られる異方性リング磁石の磁石特性を安定させると共に、製造コストの更なる低減化を図ることが出来る。
<組合せ磁石体の作製について>
図1(b)に示す如く、本件発明の組合せ磁石体2は、基準として定めた仮想軸Lを中心としたその周りに、磁場方向が当該仮想軸Lに向かう方向に配向した異方性磁石1と、磁場方向が当該仮想軸Lから離れる方向に配向した異方性磁石1とを交互に連接配置させた状態で結合させることで、当該仮想軸Lを中心におおよそ放射状に磁気配向したものとすることが出来る。すなわち、本件発明の組合せ磁石体2は、外周部にN極とS極とが交互に形成されたものとなる。ここで、組合せ磁石体2は、多角柱状の異方性磁石1の端面同士を突合せて結合剤を用いて結合させることにより作製することが出来る。そして、異方性磁石1同士を結合させるための結合剤としては、2液混合型樹脂や熱硬化型樹脂等の反応型接着剤等を適宜用いることが出来る。
<疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造について>
本件発明の疑似ラジアル型の異方性リング磁石3は、作製した組合せ磁石体2を、仮想軸Lを中心とする円環形状に切削や研削等の加工を施すことで得られる。本件発明の疑似ラジアル配向の異方性リング磁石3は、上述したように、組合せ磁石体2が仮想軸Lを中心におおよそ放射状に磁気配向されたものであるため、所謂ラジアル配向の異方性リング磁石とは異なる。本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法によれば、従来の円弧状の異方性磁石を組み合わせた異方性リング磁石よりも、異方性磁石1の結合部分に段差が生じなく、真円度、円筒度に優れた疑似ラジアル配向の異方性リング磁石3を製造することができ、更に所望の磁石特性を得るに際して従来のラジアル異方性リング磁石よりも小型化を実現することが出来る。ここで、図1(c)には、内周面形成ラインを符号2aにより示し、外周面形成ラインを符号2bにより示す。
また、図1(d)に示す疑似ラジアル配向の異方性リング磁石3は、磁極の数が4極であるが、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法によれば従来のような異方性磁石の結合部分の段差は問題とならないため、磁極の数を更に増やしたとしても磁石特性の低下を招くことがない。そのため、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法で得られた異方性リング磁石をモータに用いた場合には、コギング(トルクムラ)の発生を低減することが出来る。また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法によれば、多極とした場合でも少ない加工工数で製造出来るため、比較的安価に異方性リング磁石を得ることが可能である。ここで、組合せ磁石体2を円環形状に加工するにあたっては、汎用のフライスやマシニングセンタ等を用いることが出来る。
上述したように、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法では、着磁後の異方性磁石を結合した後に円環形状に加工することで得ることが出来る。よって、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法によれば、従来のような仕上げ加工が不要となり、高性能でありながらも従来より安価に異方性リング磁石を製造することが可能となる。
また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、上述した多角柱状の異方性磁石として四角柱状の異方性磁石を用いることが好ましい。本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、上述した異方性磁石を、軸方向からみたときの形状が正方形や台形等の四角柱状とすることで、当該異方性磁石同士を隙間なく結合することが容易となり、安定して高性能の異方性リング磁石を得ることが出来る。当該異方性磁石は、軸方向からみたときの形状を台形とすることで内周面を形成する際の加工時間の短縮が図られ、製造コストの更なる低減化を図ることが出来る。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石: 本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した磁石体と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した磁石体とを交互に配置してなる異方性リング磁石である。そして、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、内径が3mm未満であることを特徴とする。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、内径が3mm未満であることで、異方性リング磁石として小型化を図る際に磁石体積を十分に確保することが出来る。本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の内径は、上述した本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法を採用することで加工限界まで小さくすることが可能であるため、異方性リング磁石として小型化及び高性能化を図ることが出来る。
以下、本件発明の実施例を示し、本件発明をより詳細に説明する。但し、本件発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1の異方性リング磁石(実施例試料1)は、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法により、磁場方向が一方向に調整された四角柱状の異方性磁石を、仮想軸を中心としたその周囲に連結配置して組合せ磁石体を作製し、当該組合せ磁石体を、当該仮想軸を中心とした円環形状に加工して製造した。具体的に、実施例試料1は、4個の異方性磁石が組み合わせて、磁極が4極で、外径が12.5mm、内径が5mm、高さが24mmの配向着磁が疑似ラジアル配向のNd−Fe−B系リング磁石とした。
そして、実施例試料1の磁石特性を評価するにあたり、当該実施例試料1を用いたモータについて電磁界解析シミュレーションを行った。実施例試料1を用いたモータは、インナーロータ型で4極5スロットのブラシレスDCモータとした。図2には、実施例試料1を用いたブラシレスDCモータの概略断面図を示す。図2に示すように、実施例試料1を用いたブラシレスDCモータは、ステータ11、ステータ11の周方向に配する複数のティース12に巻回されたコイル13、モータの中央部に設けられたロータ15、ロータ15の中心部から延出された回転軸16を構成に含む。そして、当該ブラシレスDCモータは、4つの異方性磁石10aを組み合わせてなる異方性リング磁石10をロータ15における円筒形状の磁性コアの外周に配置した。また、ステータ11には、隣り合うティース12の間にスロット14を形成した。
そして、この実施例試料1を用いたモータでは、電流を入れずにブラシレスDCモータを外部から一定の速度で回転させたときに、三相巻線の線間に発生する誘起電圧を確認した。誘起電圧は単位時間当たりのコイルに鎖交する磁束量であり、回転数を一定にしたときに得られる駆動トルクを比較すれば、用いた異方性リング磁石の磁石特性を確認することが出来る。実施例試料1を用いたモータでは、コイルの巻き数を30ターンとし、モータの回転数を2700rpmとして誘起電圧の確認を行った。図3には、実施例試料1を用いたモータで得られた誘起電圧波形を示したが、実施例試料1を用いたときの最大誘起電圧は2.2Vであった。
比較例
[比較例1]
比較例1の異方性リング磁石(比較例試料1)は、従来の製造方法により、予めラジアル異方性を有する円弧状成形体を作製し、次いでこれら円弧状成形体を組合せ、圧縮成形して結合し、焼結した後に着磁して製造した。具体的に、比較例試料1は、磁極が2極、外径が12.5mm、内径が5mm、高さが24mmに加工した配向着磁がラジアル配向のNd−Fe−B系リング磁石とした。すなわち、比較例試料1は、実施例試料1と同じ磁石体積を有したものである。
そして、比較例試料1の磁石特性を評価するにあたり、当該比較例試料1を用いたモータについて電磁界解析シミュレーションを行った。比較例試料1を用いたモータは、インナーロータ型で2極3スロットのブラシレスDCモータとした。図4には、比較例試料1を用いたブラシレスDCモータの概略断面図を示す。図4に示すように、比較例試料1を用いたブラシレスDCモータは、ステータ21、ステータ21の周方向に配する複数のティース22に巻回されたコイル23、モータの中央部に設けられたロータ25、ロータ25の中心部から延出された回転軸26を構成に含む。そして、当該ブラシレスDCモータは、2つの異方性磁石20aを組み合わせてなる異方性リング磁石20をロータ25における円筒形状の磁性コアの外周に配置した。また、ステータ21には、隣り合うティース22の間にスロット24を形成した。
そして、この比較例試料1を用いたモータでは、実施例試料1を用いたモータと同様に、電流を入れずにブラシレスDCモータを外部から一定の速度で回転させたときに、三相巻線の線間に発生する誘起電圧を確認した。誘起電圧の確認条件は、実施例試料1を用いたモータと同じであるため、ここでの説明は省略する。図5には、比較例試料1を用いたモータで得られた誘起電圧波形を示したが、比較例試料1を用いたときの最大誘起電圧は1.8Vであった。
[比較例2]
比較例2の異方性リング磁石(比較例試料2)は、従来市販のNd−Fe−B系ラジアル異方性リング磁石(株式会社NEOMAX製、商品名:NMX−42BH)を用いた。具体的に、比較例試料2は、磁極が4極、外径が12.5mm、内径が9.5mm、高さが24mmとなるものである。すなわち、比較例試料2は、4個の異方性磁石が組み合わされてなる、磁極が4極で配向着磁がラジアル配向のNd−Fe−B系リング磁石である。
そして、比較例試料2の磁石特性を評価するにあたり、当該比較例試料2を用いたモータについて電磁界解析シミュレーションを行った。比較例試料2を用いたモータは、インナーロータ型で4極5スロットのブラシレスDCモータとした。図6には、比較例試料2を用いたブラシレスDCモータの概略断面図を示す。図6に示すように、比較例試料2を用いたブラシレスDCモータは、ステータ31、ステータ31の周方向に配する複数のティース32に巻回されたコイル33、モータの中央部に設けられたロータ35、ロータ35の中心部から延出された回転軸36を構成に含む。そして、当該ブラシレスDCモータは、4つの異方性磁石30aを組み合わせてなる異方性リング磁石30をロータ35における円筒形状の磁性コアの外周に配置した。また、ステータ31には、隣り合うティース32の間にスロット34を形成した。
そして、この比較例試料2を用いたモータでは、実施例試料1を用いたモータと同様に、電流を入れずにブラシレスDCモータを外部から一定の速度で回転させたときに、三相巻線の線間に発生する誘起電圧を確認した。誘起電圧の確認条件は、実施例試料1を用いたモータと同じであるため、ここでの説明は省略する。図7には、比較例試料2を用いたモータで得られた誘起電圧波形を示したが、比較例試料2を用いたときの最大誘起電圧は0.8Vであった。
[比較例3]
比較例3の異方性リング磁石(比較例試料3)は、従来市販のNd−Fe−B系ラジアル異方性リング磁石(大同特殊鋼株式会社製、商品名:ND−39R)を用いた。具体的に、比較例試料3は、磁極が4極、外径が12.5mm、内径が8.5mm、高さが24mmとなるものである。すなわち、比較例試料3は、4個の異方性磁石が組み合わされてなる、磁極が4極で配向着磁がラジアル配向のNd−Fe−B系リング磁石である。
そして、比較例試料3の磁石特性を評価するにあたり、当該比較例試料3を用いたモータについて電磁界解析シミュレーションを行った。比較例試料3を用いたモータは、インナーロータ型で4極5スロットのブラシレスDCモータとした。図8には、比較例試料3を用いたブラシレスDCモータの概略断面図を示す。図8に示すように、比較例試料3を用いたブラシレスDCモータは、ステータ41、ステータ41の周方向に配する複数のティース42に巻回されたコイル43、モータの中央部に設けられたロータ45、ロータ45の中心部から延出された回転軸46を構成に含む。そして、当該ブラシレスDCモータは、4つの異方性磁石40aを組み合わせてなる異方性リング磁石40をロータ45における円筒形状の磁性コアの外周に配置した。また、ステータ41には、隣り合うティース42の間にスロット44を形成した。
そして、この比較例試料3を用いたモータでは、実施例試料1を用いたモータと同様に、電流を入れずにブラシレスDCモータを外部から一定の速度で回転させたときに、三相巻線の線間に発生する誘起電圧を確認した。誘起電圧の確認条件は、実施例試料1を用いたモータと同じであるため、ここでの説明は省略する。図9には、比較例試料3を用いたモータで得られた誘起電圧波形を示したが、比較例試料3を用いたときの最大誘起電圧は1.0Vであった。
<実施例1と比較例1〜3との比較>
図3,5,7,9に示す結果より、最大誘起電圧は、実施例試料1を用いたモータが2.2Vと最も大きく、比較例試料1を用いたモータ(1.8V)の約1.2倍、比較例試料2を用いたモータ(0.8V)の約2.8倍、比較例試料3を用いたモータ(1.0V)の2.2倍となった。以上の結果より、異方性リング磁石を同じ大きさとした場合には、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法により得られた異方性リング磁石が最も磁石特性に優れることが分かった。すなわち、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法によれば、製造上における磁石の寸法の制約が従来品よりも少ない。よって、同一の外径寸法の従来品と比較して、より体積の大きな磁石を提供することが出来るため、出力の高いモータ用磁石を実現出来る。
また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法は、磁極の数を増やしたとしても異方性リング磁石の小型化を図ることが可能であるため、従来の小型モータに用いられる2極品と比べてトルクリプルを効果的に低減することが出来る。このことは、実施例試料1を用いたモータで得られた誘起電圧波形は、比較例試料1〜3を用いたモータで得られた誘起電圧波形よりも正弦波として好ましい形を有していることからも理解することが出来る(図3,5,7,9を参照のこと。)。よって、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法により得られた異方性リング磁石は、モータ用磁石として用いた場合に、円滑で且つ安定したモータ回転を実現することが可能となる。
本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製法によれば、従来品に比べて少ない加工工数で内外径の寸法精度を高めることが出来るため、高性能でありながらも従来より安価に異方性リング磁石を製造することが可能である。また、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、モータ用磁石として用いた場合にモータ回転の円滑化及び安定化を図ることが出来るため、多関節ロボットや介護用パワードスーツ、各種FA機器等に好適に用いることが出来る。更に、本件発明に係る疑似ラジアル配向の異方性リング磁石は、内周及び外周の内外径寸法精度の向上を図ることができ、用いる機器の高性能化、ハイパワー化、小型化にも寄与することが出来るため、寸法精度と安定性が求められる自動車等の輸送機器分野や医療分野等に好適に用いることが可能である。
1 異方性磁石
2 組合せ磁石体
2a 内周面形成ライン
2b 外周面形成ライン
3 異方性リング磁石
L 仮想軸

Claims (4)

  1. 円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した異方性磁石と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した異方性磁石とを交互に配置してなる異方性リング磁石の製造方法であって、
    仮想軸を中心としたその周囲に、着磁処理された多角柱状の当該異方性磁石を連結配置して組合せ磁石体を作製し、
    当該組合せ磁石体を、当該仮想軸を中心とした円環形状に加工して得られることを特徴とする疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法。
  2. 前記多角柱状の異方性磁石として四角柱状の異方性磁石を用いる請求項1に記載の疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法。
  3. 前記異方性磁石として配向磁場方向が一方向に調整されたものを用いる請求項1又は請求項2に記載の疑似ラジアル配向の異方性リング磁石の製造方法。
  4. 円環形状を呈し、磁場方向が当該円環形状の中心軸に向かう方向に配向した磁石体と、磁場方向が当該中心軸から離れる方向に配向した磁石体とを交互に配置してなる異方性リング磁石であって、
    内径が3mm未満であることを特徴とする疑似ラジアル配向の異方性リング磁石。
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