JP2016225245A - ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量かつ耐磨耗性に優れたシースを備えた、軽量性と耐磨耗性が両立したケーブルを提供する。【解決手段】本発明の一態様において、絶縁電線2と、絶縁電線2の周囲を被覆する、比重が1.0以下の無機中空フィラーを含有する第1のエラストマー組成物からなる内層シース5と、内層シース5の周囲を被覆する、第1のエラストマー組成物よりも比重が大きい第2のエラストマー組成物からなる最外層シース6と、を有する、ケーブルを提供する。【選択図】図1
Description
本発明は、ケーブル、特に、軽量性、耐磨耗性に優れたケーブルに関する。
一般的に、ケーブルにおける被覆層であるシースの材料には、樹脂組成物が用いられる。このようなシース材料として用いられる樹脂組成物の種類は、電線やケーブルの用途によって異なる。
例えば、港湾のクレーン等の可動部位に用いられるキャブタイヤケーブルのシース材料には、可とう性、耐屈曲性、耐磨耗性、耐油性、耐候性等が求められる。そのため、可とう性等の点から、非結晶性のゴム材料、耐油性の観点から極性の高いポリマーがシースに用いられる樹脂組成物として望まれる。
従来、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ふっ素ゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレンに代表されるハロゲン元素やニトリル基を有するエラストマーが耐磨耗性に優れ、電線・ケーブルを保護するシース材料として有用であることが報告されている(例えば、特許文献1)。また、特許文献1には、これらのエラストマーを改質するために、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマ、エチレンエチルアクリレートコポリマなどのプラスチックをブレンドできることも開示されている。
また、施工時の作業性、機器の負荷低減などの観点からは、ケーブルの軽量化が求められる。例えば、港湾のケーブルリール等に適用されるキャブタイヤケーブルにおいては、巻取り時のモータ負荷等の観点から、軽量化が求められている。
ケーブルを軽量化するための手段としては、例えば、ケーブルの構造を非充実構造とする方法が考えられる。充実構造は、ケーブル内の複数の絶縁電線間にゴムが充填された構造であるため、ケーブルが重くなる。
しかし、ケーブルが非充実構造を有する場合には、ケーブルが変形し易いという欠点がある。例えば、移動方式がキャリアローラー方式であるキャブタイヤケーブルが非充実構造を有する場合、使用中にケーブル内の絶縁電線が動いてしまい、ケーブル全体にうねりのような変形が生じる。
ケーブルを軽量化するための手段としては、シースを軽量化する方法が考えられる。例えば、キャブタイヤケーブルのシース材料は、耐磨耗性等を高めるために、クロロプレンゴム等のハロゲンを含有したポリマーがベースポリマとして通常用いられるが、このようなハロゲンを含有したポリマーは比重が大きく、シースが重くなる。このため、シースの軽量化のために、ハロゲン含有ポリマーの比重を低減することが求められる。
ハロゲン含有ポリマーの比重を低減する方法としては、低比重ポリマーをブレンドする方法、発泡体とする方法等が考えられる。
しかしながら、低比重ポリマーをブレンドする方法では、例えば、ポリエチレンのような低比重ポリマーをハロゲン含有ポリマーであるクロロプレンゴムにブレンドした場合、低比重ポリマーの極性が低いために耐油特性が低下する、低比重ポリマーとクロロプレンゴムの相溶性が悪く外観が悪化する等の問題がある。また、ポリエチレンのような結晶性の高いポリマーを用いる場合、可とう性が低下するという問題も生じる。
また、ハロゲン含有ポリマーを発泡体とする場合には、押出による発泡体の成型の技術的難易度が高く、汎用の設備では生産が困難である。また、耐磨耗性などの機械特性が悪化してしまう。
そこで、本発明は、軽量かつ耐磨耗性に優れたシースを備えた、軽量性と耐磨耗性が両立したケーブルを提供することを目的とする。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]〜[6]のケーブルを提供する。
[1]絶縁電線と、前記絶縁電線の周囲を被覆する、比重が1.0以下の無機中空フィラーを含有する第1のエラストマー組成物からなる内層シースと、前記内層シースの周囲を被覆する、前記第1のエラストマー組成物よりも比重が大きい第2のエラストマー組成物からなる最外層シースと、を有する、ケーブル。
[2]前記最外層シースの厚さが、前記内層シースの厚さと前記最外層シースの厚さの合計の20%以上である、前記[1]に記載のケーブル。
[3]JIS C 3327に基づいた磨耗試験の結果、前記絶縁電線が露出しない、前記[1]又は[2]に記載のケーブル。
[4]前記第1のエラストマー組成物が、ベースポリマ100質量部に対して、50質量部以下の前記無機中空フィラーを含む、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のケーブル。
[5]前記第1のエラストマー組成物のベースポリマがハロゲンを含有する、前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のケーブル。
[6]前記ベースポリマがクロロプレンゴムである、前記[5]に記載のケーブル。
本発明によれば、軽量かつ耐磨耗性に優れたシースを備えた、軽量性と耐磨耗性が両立したケーブルを提供することができる。
〔実施の形態〕
(ケーブルの構成)
図1は、実施の形態に係るケーブル1の径方向の断面図である。ケーブル1は、絶縁電線2と、絶縁電線2の周囲を被覆する内層シース5と、内層シース5の周囲を被覆する最外層シース6と、を有する。
(ケーブルの構成)
図1は、実施の形態に係るケーブル1の径方向の断面図である。ケーブル1は、絶縁電線2と、絶縁電線2の周囲を被覆する内層シース5と、内層シース5の周囲を被覆する最外層シース6と、を有する。
絶縁電線2は、導体3と、導体3の周囲を被覆する絶縁体4を有する。導体3及び絶縁体4の材料は特に限定されず、それぞれ既知の材料を用いて形成することができる。なお、図1に示される例では、20本の撚り合わされた絶縁電線2がケーブル1に含まれるが、絶縁電線2の本数は特定の数に限定されない。
内層シース5は、比重が1.0以下の中空形状の無機中空フィラーを含有する第1のエラストマー組成物からなる。内層シース5において、第1のエラストマー組成物は、熱等により架橋されている。
複数の絶縁電線2がケーブル1に含まれる場合には、ケーブル1は充実構造をとり、内層シース5の内部は絶縁電線2間の介在となる。
最外層シース6は、第1のエラストマー組成物よりも比重が大きい第2のエラストマー組成物からなり、内層シース5よりも耐磨耗性に優れる。最外層シース6において、第2のエラストマー組成物は、熱等により架橋されている。
シース全体の高い耐磨耗性を確保するため、最外層シース6の厚さは、内層シース5の厚さと最外層シース6の厚さの合計の20%以上であることが好ましい。
内層シース5は軽量性に優れ、最外層シース6は耐磨耗性に優れる。このため、ケーブル1は軽量性と耐磨耗性を兼ね備えており、例えば、キャブタイヤケーブルのような、使用時に移動されるケーブルに非常に適している。
ケーブル1は、必要に応じて、セパレータ、編組、金属箔によるシールドテープ等の他の部材を有してもよい。
(第1のエラストマー組成物)
第1のエラストマー組成物のベースポリマには、第1のエラストマー組成物には高い耐油性と柔軟性を付与するため、ハロゲン含有のゴム材料を用いることが好ましい。このハロゲン含有のゴム材料は、例えば、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレンなどの塩素含有のゴム材料、テトラフルオロエチレン・プロピレン系共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ビニリデンフルオライド・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体などのふっ素含有のゴム材料である。なお、耐熱性が特に求められる分野でケーブル1を使用する場合には、ふっ素含有のゴム材料を用いることが好ましい。
第1のエラストマー組成物のベースポリマには、第1のエラストマー組成物には高い耐油性と柔軟性を付与するため、ハロゲン含有のゴム材料を用いることが好ましい。このハロゲン含有のゴム材料は、例えば、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレンなどの塩素含有のゴム材料、テトラフルオロエチレン・プロピレン系共重合体、ビニリデンフルオライド・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体、ビニリデンフルオライド・テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン系共重合体などのふっ素含有のゴム材料である。なお、耐熱性が特に求められる分野でケーブル1を使用する場合には、ふっ素含有のゴム材料を用いることが好ましい。
第1のエラストマー組成物は、軽量化のため、無機中空フィラーを含有する。無機中空フィラーとは、粒子の内部が空洞(空気)であり、比重が軽い特異形状の無機粒子を指す。無機中空フィラーは、ベースポリマよりも比重が小さいため、第1のエラストマー組成物を軽量化することができる。
ベースポリマとして用いられる塩素系ゴム材料、ふっ素系ゴム材料の比重は、一般的には、それぞれ1.2程度、1.8程度であるため、比重が1.0以下の無機中空フィラーが用いられる。第1のエラストマー組成物をより軽量化するためには、無機中空フィラーの比重が0.9以下であることが好ましく、0.7以下であることがより好ましい。
無機中空フィラーの粒径は、機械特性を保つため、200μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましい。
第1のエラストマー組成物の無機中空フィラーの含有量が多いほど、軽量化の効果は大きいが、引張特性等の機械強度の低減を抑えるため、無機中空フィラーの含有量は、ベースポリマ100質量部に対して50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。無機中空フィラーの含有量をベースポリマ100質量部に対して50質量部以下とした場合であっても、無機中空フィラーの比重が1.0以下であれば、第1のエラストマー組成物を効果的に軽量化することができる。
無機中空フィラーの例としては、フライアッシュバルーン、シラスバルーン、シリカバルーン、中空ガラスビーズ、シリカバルーン、アルミナバルーン、セラミックバルーン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、シランカップリング剤、脂肪酸などにより表面処理されたものであってもよい。
また、第1のエラストマー組成物は、シース形状に成形した後に架橋処理を施すため、架橋剤を含む。また、第1のエラストマー組成物は、本発明の目的を満たす範囲で、架橋助剤、酸化防止剤、可塑剤、充填剤、補強剤、難燃剤等を含有してもよい。
(第2のエラストマー組成物)
第2のエラストマー組成物のベースポリマには、上記の第1のエラストマー組成物のベースポリマと同様に、ハロゲン含有のゴム材料を用いることが好ましい。第1のエラストマー組成物のベースポリマと第2のエラストマー組成物のベースポリマは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2のエラストマー組成物のベースポリマには、上記の第1のエラストマー組成物のベースポリマと同様に、ハロゲン含有のゴム材料を用いることが好ましい。第1のエラストマー組成物のベースポリマと第2のエラストマー組成物のベースポリマは同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第2のエラストマー組成物は、最外層シース6の耐外傷性(耐磨耗性)確保のため、無機中空フィラーを含有しない。無機中空フィラーは粒径が大きく、内部が空洞であるため、無機中空フィラーをベースポリマに添加することにより、軽量化される一方、機械強度や耐磨耗性が低下する。このため、第2のエラストマー組成物からなる最外層シース6は、第1のエラストマー組成物からなる内層シース5よりも比重が大きい一方、耐磨耗性に優れる。
また、第2のエラストマー組成物は、耐磨耗性を向上させるため、油展量が少なく、また、補強性の充填剤を高濃度で含むことが好ましい。補強性の充填剤としては、ファーネス法、アセチレン法等で製造される粒径の細かいカーボンや、fumed silica等の粒径の細かいシリカ、シランカップリング剤等で表面処理された無機充填剤が用いられるが、より比重が小さく、補強効果の大きいカーボンが特に好ましい。
このような補強性の充填剤として用いられるカーボンの例としては、SAF−HS、SAF、ISAF−HS、ISAF、ISAF−LS、IISAF−HS、HAF−HS、HAF、HAF−LS、T−HS、T−NS、MAF、FEF、GPF、SRF−HS−HM、SRF−LM、EPC、FT、MT等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、平均粒径が40nm以下の粒径が細かいカーボンが補強性の面から好ましい。
(実施の形態の効果)
上記実施の形態によれば、軽量性に優れる内層シースと耐磨耗性に優れる最外層シースからなる多層構造を有するシースを形成することにより、軽量性と耐磨耗性を兼ね備えたケーブルを提供することができる。
上記実施の形態によれば、軽量性に優れる内層シースと耐磨耗性に優れる最外層シースからなる多層構造を有するシースを形成することにより、軽量性と耐磨耗性を兼ね備えたケーブルを提供することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1の構造のケーブル1を下記の通りの方法で製造し、評価を行った。本実施例では、内層シース5又は最外層シース6に用いるエラストマー組成物として、以下の表1に示されるA〜Iの9種類のエラストマー組成物を用いた。表1は、各エラストマー組成物の配合内容(単位:質量部)を示す。また、表2には、表1に示される各配合剤の詳細を示す。
(コンパウンドの作製)
表1に示されるエラストマー組成物A〜Iのコンパウンドを以下の方法で作製した。まず、40℃に設定されたニーダーにベースポリマを投入して素練りした後、架橋剤(酸化亜鉛、過酸化物)以外の表1に示されるエラストマー組成物の配合剤を投入し、90℃まで温度上昇させながら混練した。そして、樹脂温度が90℃になったら回収し、50℃に設定されたオープンロールに投入し、架橋剤(酸化亜鉛、過酸化物)を加えて混練した。その後、ベルト形状にカッティングし、コンパウンドを得た。
表1に示されるエラストマー組成物A〜Iのコンパウンドを以下の方法で作製した。まず、40℃に設定されたニーダーにベースポリマを投入して素練りした後、架橋剤(酸化亜鉛、過酸化物)以外の表1に示されるエラストマー組成物の配合剤を投入し、90℃まで温度上昇させながら混練した。そして、樹脂温度が90℃になったら回収し、50℃に設定されたオープンロールに投入し、架橋剤(酸化亜鉛、過酸化物)を加えて混練した。その後、ベルト形状にカッティングし、コンパウンドを得た。
(ケーブルの製造)
あらかじめ撚り合せた20本の絶縁電線2(導体3の断面積3.5mm2、絶縁体4の厚さ0.80mm)に、115mm押出機を用いて、内層シース5を押出被覆した。その後、115mm押出機を用いて、内層シース5上に最外層シース6を押出被覆し、得られたケーブル1を巻取った。巻取ったケーブル1に0.5MPaの蒸気で60分間熱処理を施すことにより内層シース5及び最外層シース6のエラストマー組成物を架橋させた。
あらかじめ撚り合せた20本の絶縁電線2(導体3の断面積3.5mm2、絶縁体4の厚さ0.80mm)に、115mm押出機を用いて、内層シース5を押出被覆した。その後、115mm押出機を用いて、内層シース5上に最外層シース6を押出被覆し、得られたケーブル1を巻取った。巻取ったケーブル1に0.5MPaの蒸気で60分間熱処理を施すことにより内層シース5及び最外層シース6のエラストマー組成物を架橋させた。
以上の工程により、シース材料が上記実施の形態に示した規格(内層シース5を構成する第1のエラストマー組成物が、比重が1.0以下の無機中空フィラーを含有し、かつ、最外層シース6を構成する第2のエラストマー組成物の比重が、第1のエラストマー組成物の比重よりも大きい)を満たす7種類のケーブル1(実施例1〜7とする)と、シース材料が上記実施の形態に示した規格から外れた比較例としての3種類のケーブル1(比較例1〜3とする)を製造した。これらのケーブル1の具体的な構成は、後述する表3に示す。
(エラストマー組成物の評価)
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1の内層シース5及び最外層シース6について、下記の試験・評価を行った。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1の内層シース5及び最外層シース6について、下記の試験・評価を行った。
(1)比重測定:軽量性の評価
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5を剥取り、JIS K 6268に基づき、比重の測定を行った。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5を剥取り、JIS K 6268に基づき、比重の測定を行った。
(2)引張試験:機械特性(強靭性)の評価
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、引張試験を行った。引張強度が13MPa以上、引張伸びが300%以上を合格とした。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、引張試験を行った。引張強度が13MPa以上、引張伸びが300%以上を合格とした。
(3)熱老化試験:耐熱性の評価
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、熱老化試験を行った。100℃で48hの条件で熱処理した後の引張強度残率、引張伸び残率を評価し、それぞれ65%以上を合格とした。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、熱老化試験を行った。100℃で48hの条件で熱処理した後の引張強度残率、引張伸び残率を評価し、それぞれ65%以上を合格とした。
(4)耐油試験:耐油性の評価
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、耐油試験を行った。IRM902油に120℃、18hの条件で浸漬した後の引張強度残率、引張伸び残率を評価し、それぞれ60%以上を合格とした。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1から内層シース5及び最外層シース6を剥取り、JIS C 3005に基づき、耐油試験を行った。IRM902油に120℃、18hの条件で浸漬した後の引張強度残率、引張伸び残率を評価し、それぞれ60%以上を合格とした。
(ケーブルの評価)
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1について下記の試験・評価を行った。
実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1について下記の試験・評価を行った。
(1)磨耗試験:耐磨耗性の評価
JIS C 3327に基づき、磨耗試験を行った。試験条件はおもりの質量を1kg、磨耗円盤の回転数を400回転とし、絶縁電線2の絶縁体4の露出がないものを合格とした。また、初期厚みと比較した磨耗深さを評価した。
JIS C 3327に基づき、磨耗試験を行った。試験条件はおもりの質量を1kg、磨耗円盤の回転数を400回転とし、絶縁電線2の絶縁体4の露出がないものを合格とした。また、初期厚みと比較した磨耗深さを評価した。
表3に、実施例1〜7、比較例1〜3に係るケーブル1の構成、及び評価により得られた特性を示す。
表3の「内層シース材料」、「最外層シース材料」は、表1に示されるエラストマー組成物A〜Iのうち、内層シース、最外層シースの材料に用いられたものの識別記号(A〜I)を示す。
実施例1〜6、比較例1に係るケーブル1は、いずれも、内層シース5及び最外層シース6を構成するエラストマー組成物のベースポリマとして、クロロプレンゴムを用いているが、実施例1〜6に係るケーブル1は内層シース5に無機中空フィラーを含み、比較例1に係るケーブル1は内層シース5に無機中空フィラーを含まない。このため、表3に示されるように、実施例1〜6に係るケーブル1は、比較例1に係るケーブル1よりも内層シース5の比重が小さく、軽量である。
また、実施例7、比較例2に係るケーブル1は、いずれも、内層シース5及び最外層シース6を構成するエラストマー組成物のベースポリマとして、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体を用いているが、実施例7に係るケーブル1は内層シース5に無機中空フィラーを含み、比較例2に係るケーブル1は内層シース5に無機中空フィラーを含まない。このため、表3に示されるように、実施例7に係るケーブル1は、比較例2に係るケーブル1よりも内層シース5の比重が小さく、軽量である。
また、実施例1〜7に係るケーブル1は最外層シース6に無機中空フィラーを含まず、比較例3に係るケーブル1は最外層シース6に無機中空フィラーを含む。このため、実施例1〜7に係るケーブル1の最外層シース6は耐磨耗性に優れており、磨耗試験判定に合格している。一方、比較例3に係るケーブル1の最外層シース6は無機中空フィラーを含むために軽量であるものの(内層シース5と比重が等しい)、耐磨耗性が低く、磨耗試験判定に不合格であった。
上記の評価結果から、実施例1〜7に係るケーブル1は、軽量性と耐磨耗性を兼ね備えていることが確認された。
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明は、上記実施の形態及び実施例に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、内層シース5は多層構造を有してもよい。この場合、内層シース5を構成するすべての層が、比重が1.0以下の中空形状の無機中空フィラーを含有するエラストマー組成物からなり、最外層シース6よりも比重が小さい。
また、上記に記載した実施の形態及び実施例は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態及び実施例の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1 ケーブル
2 絶縁電線
3 導体
4 絶縁体
5 内層シース
6 最外層シース
2 絶縁電線
3 導体
4 絶縁体
5 内層シース
6 最外層シース
Claims (6)
- 絶縁電線と、
前記絶縁電線の周囲を被覆する、比重が1.0以下の無機中空フィラーを含有する第1のエラストマー組成物からなる内層シースと、
前記内層シースの周囲を被覆する、前記第1のエラストマー組成物よりも比重が大きい第2のエラストマー組成物からなる最外層シースと、
を有する、ケーブル。 - 前記最外層シースの厚さが、前記内層シースの厚さと前記最外層シースの厚さの合計の20%以上である、
請求項1に記載のケーブル。 - JIS C 3327に基づいた磨耗試験の結果、前記絶縁電線が露出しない、
請求項1又は2に記載のケーブル。 - 前記第1のエラストマー組成物が、ベースポリマ100質量部に対して、50質量部以下の前記無機中空フィラーを含む、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のケーブル。 - 前記第1のエラストマー組成物のベースポリマがハロゲンを含有する、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のケーブル。 - 前記ベースポリマがクロロプレンゴムである、
請求項5に記載のケーブル。
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