JP2016223532A - 流体送給管 - Google Patents
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Abstract
Description
これらのハウジング型の管継手としては、図11に示すように、ハウジング型の管継手20において、ハウジング23より管体22が抜け出すことを防止する構造として、管体22の端部の外周面に環状の係止突条21を形成し、当該係止突条21をハウジング23の内周側開口縁24に内側より係合する構造が提案されている(特許文献1)。
特許文献1で提案された、上記の管体の外周面に転造方法により形成された係止突条を用いた流体送給管の継手構造(図11)は、特許文献2で提案された上記の継手構造と比較して、管体の内径の減少による流路抵抗の増大を心配する必要がない。
その点、特許文献1で提案された、管体の外周面に転造方法により形成した係止突条を用いた流体送給管の継手構造は、別部品を必要とせず、被加工管体の管端を転造加工するのみで係止突条を形成できるので、係止突条の形成が容易で、かつコストの面でも有利なものである。
このような要求に対して、特許文献1で提案された方法で加工された係止突条は、必ずしも脱管阻止性能に優れているとはいえない。
図11に示すように、このような断面形状の係止突条が形成された継手部を有する流体送給管は、ハウジングと組み合わされて固定される。係止突条に接触するハウジングの面は、ほぼ角張っているのが一般的である。2つの継手部の係止突条をハウジングで固定し、管軸方向に引張荷重を掛けたとき、ハウジングと係止突条の両者が当接する関係は、ほぼ線接触状態であり、係止突条の当接面に付加される単位面積当たりの荷重(面圧)が高くなるため、係止突条の変形が誘発される。この変形によって、係止突条は、ハウジングと面接触状態になることがあり得る。
しかしながら、図15(a)に示すように、上記の当接する関係は、接触角αを有しているため、掛かった引張荷重Fは、管軸方向の他に管壁に沿った下向き方向にも分力がF・sinαとして発生する。このような下向き成分の分力は、ハウジングが係止突条を管内側に押し込む力を発生させることになる。係止突条が管体の本体と同程度に変形する性質を有する場合は、図15(b)に示すように、係止突条そのものが管体の本体とともに変形し易くなると考えられる。また、下向き方向に発生した力の反力は、ハウジングを外径方向に膨張させることにもなるので、更に脱管の可能性は高くなる。このため、継手部における抜出阻止力、すなわち脱管阻止性能が低下すると考えられる。
図1は、凸ローラと成形用環状溝を用いて係止突条を形成する転造加工を説明する図である。図1に示すように、流体送給管の継手部1を形成する転造加工手段として、被加工管体2の内側に位置させた凸ローラ10と、前記管体2の外側に位置させた成形用環状溝12を有する凹ローラ11を用いて、前記管体の外周面3に対し、縦壁部6を有する係止突条4を形成することが好ましい。
他方、凸高さが過度に大きく形成されると、係止突条における板厚の減少する割合が大きくなり、板厚が薄くなるので、好ましくない。特に基部において、その傾向が顕著である。凸高さを過度に大きい係止突条は、引張荷重に対する変形抵抗が低下し、変形し易くなる。
具体的には、図2に示すように、凸ローラ10と成形用環状溝12を有する凹ローラ11を被加工管体2の外周面3の円周方向に沿って回転させながら互いに近接する方向に加工することにより、係止突条4を形成することが好ましい。管体2は、凸ローラ10と成形用環状溝12とにより、しごかれて板厚が減少するように変形し、管軸方向の外周面3に対して垂直に立ち上がった縦壁部6を有する係止突条が形成される。このように、管体の外周面に大きな加工度が付与されて形成された係止突条4は、後記するように、その縦壁部における結晶粒の平均アスペクト比が2.0以上となる。平均アスペクト比は、凸高さの増大にともない増加する傾向を示す。
本発明に係る縦壁部を形成するために、上記凸部の凸高さが、内側に位置する凸ローラの先端に付与されたRIと、外側に位置する成形用環状溝の先端面と内側縦壁面の交差部に付与されたRUとの合計値以上になるように凸部を形成することが必要である。
つまり、係止突条は、前記管体の外側に位置させた成形用環状溝と、内側に位置させた凸ローラの組合せによって形成されることが好ましい。
図1、図2に示すように、内側凸ローラ10は、その先端面15と縦壁面16との交差部において曲率半径RIの湾曲が付与されているものを用いることが好ましい。
前記成形用環状溝12は、その先端面17と内側縦壁面18の交差部において曲率半径Ruが付与されているものを用いることが好ましい。
また、本発明の流体送給管は、その係止突条が管継手と面接触する面積が大きく、また、下向き成分の分力が発生しないので、さらに良好な脱管阻止性能が得られる。
本発明の流体送給管は、管体の継手部の外周面に形成された係止突条を有している。当該係止突条は、転造加工により凸形状に成形され、所定の凸高さが付与される。凸形状は、図6に示すように、管体2の外周面3から延びた湾曲状の基部5と、基部5から延びた縦壁部6と、縦壁部6から延びた湾曲部7と、湾曲部7から延びた頂部8とを含む形状を有している。縦壁部6は、管軸方向の外周面3に対して略垂直に立ち上がった形状を有している。
本発明は、係止突条の縦壁部において平均アスペクト比が2.0以上の結晶粒が形成されて、高い強度と硬さを有する係止突条が得られ、引張荷重に対する変形が抑制される。
転造加工により管体の外周面が変形されて形成される係止突条は、凸高さの増加に伴い、基部の厚みが減少する傾向にある。本発明は、転造加工により形成された係止突条において、凸高さの増加に伴い平均アスペクト比が高くなり、係止突条の強度と硬さが向上するので、基部の厚みが減少しても、管軸方向に高い引張強度を有する継手部が得られる。そのため、係止突条における基部を形成した後の板厚減少率は、管体の板厚(管体の外周面から内周面までの垂直長さをいう)に対し、10%以上、20%以上、あるいは30%以上であっても、高い引張強度を保持できる。ただ、40%を超えると、必要な引張強度を維持できないので、本発明の板厚減少率は40%以下である。
本発明の係止突条の硬さは、管体素材の硬さの約1.5倍以上であることが好ましい。より好ましくは、2.0倍以上である。
脱管阻止性能は、引張試験により測定された最大荷重(引張強度)で評価することができる。呼び径が大きいほど高い引張強度を有することが好ましい。
本発明は、管体の素材としては、特に限定されないが、ステンレス鋼を使用することが好ましい。従来、水道管としてはダクタイル鋳鉄管が主に用いられてきた。これは、鋳造品は形状の自由度が高く、多種多様な継手が存在し、様々な場所に使用可能だったことが普及した一因である。しかしながら、ダクタイル鋳鉄管は、経年変化に伴う強度低下が著しく、腐食により破断や漏水が発生しやすい傾向にある。これに対し、ステンレス鋼管は、耐食性に優れ、常温環境下では応力腐食割れが生じにくい。また、経年変化に伴う強度低下も生じにくく、耐用年数も長いことから、従来の水道管よりもランニングコストを抑制できる。よって、信頼性、環境性、耐久性、ライフサイクルコストに優れた水道管を実現する観点から、ステンレス鋼管が好ましい。ステンレス鋼としては、公知のフェライト系ステンレス鋼、オーステナイト系ステンレス鋼、マルテンサイト系ステンレス鋼等を使用できる。
管体素材として、呼び径80(外径89.1mm、板厚3.0mm)のフェライト系SUS430LX鋼管を用いて、外周面に係止突条を形成した。
管体素材として、呼び径150(外径165.2mm、板厚3.5mm)のフェライト系SUS430LX鋼管を用いて、外周面に係止突条を形成した。
管体素材として、呼び径250(外径267.4mm、板厚4.0mm)のフェライト系SUS430LX鋼管を用いて、外周面に係止突条を形成した。
従来と同様の一般的な条件で転造加工した製造例である。凸ローラとして、外径80mm、WI5.0mm、RI2.5mmの寸法を有する転造ローラと、凹ローラとして、外径117mm、溝深さ17.0mm、WU15.0mm、RU2.5mmの寸法を有する転造ローラを用いた。両者のクリアランスは、5.0mmであり、板厚よりも大きくなっており、この条件にて、凸高さが約5.0〜12.0mmの係止突条を形成した。
フッ酸、硝酸、グリセリンを2:1:2の体積率で混合して腐食剤を調製した。当該腐食剤を用いて、製造例1〜3で得られた試験体の、後述する図9の位置Bに相当する縦壁部の表面を腐食した。その後、試験体の表面を電子顕微鏡(倍率100倍)で観察し画像写真を得た。この画像写真を用いて、切片法により、視野全体の長さと、線分で切断される結晶粒個数とを測定し、結晶粒の長径及び短径の各長さを算出した。10本の線分を任意に引いて得られた長径及び短径の長さに基づき、アスペクト比(長径/短径)の平均値を求めて、平均アスペクト比とした。なお、製造例4の係止突条には、外周面に対して略垂直に立ち上がった縦壁部は存在しないが、後述する図9の位置Bに相当する傾斜部分の表面を腐食し、平均アスペクト比を算出した。
形成されたステンレス鋼管の転造加工部を被加工管体の長手方向に切断してその断面を観察した。そして、係止突条の基部の最小板厚を測定し、板厚減少率を算出した。切断した断面を樹脂に埋め込み、表面を研磨した後、測長顕微鏡によって測定した。
このように、管体の板厚よりもクリアランスが小さくなる組合せの転造ローラを用いることにより、外径方向への係止突条の張出しと同時に、側壁部がしごき加工を伴いながら板厚が減少し、垂直に延びた縦壁部を有する係止突条が得られた。
一方、クリアランスが管体の板厚よりも大きい製造例4(試験例22〜25)については、加工度が小さく、外周面に対して略垂直に立ち上がった縦壁部を有さない係止突条しか得られなかった。
製造例1〜4で得られた試験体を用いて、管軸方向の引張試験を行って、継手部の抜出阻止力を測定した。転造加工が行われた係止突条をハウジングで固定し、万能試験機で最大荷重の測定を行った。 管体の継手部には、基準荷重以上の最大荷重が必要である。測定で得られた最大荷重が基準荷重以上の場合を合格(○)とし、基準荷重未満の場合を不合格(×)と判定した。判定の基準荷重は、呼び径80Aが180kN、呼び径150Aが415kN、呼び径250Aが650kNとした。
図9は、試験体における係止突条の断面領域を模式的に示した図である。位置Bと位置Dが係止突条の縦壁部に対応する部位である。このうち、位置Dは、管端が位置Eの側にあり、転造加工時には位置E側から位置Dへの管材流入が起きるので、それにより位置Dの板厚減少の程度が緩和される。そのため、縦壁部において最も板厚減少が著しい領域は、図9の位置Bである。
係止突条を形成した試験体を用いて、図9の位置Bにおいて、縦壁部の硬さを測定した。切断した試験体を樹脂に埋め込み、切断した断面を研磨した後、マイクロビッカース硬さ試験(荷重1kg)により、硬さを測定した。管体素材の硬さは143HVであった。
製造例2では、表2に示すように、平均アスペクト比が4.2の試験例11の場合に、最大荷重が501kNと最も大きくなった。一方、硬さについては、平均アスペクト比が6.9の試験例13において、252HVと最大になったが、板厚減少率が54%と大きくなり、最大荷重が395kNと、基準荷重の415kNよりも低くなった。
製造例3では、表3に示すように、平均アスペクト比が4.2の試験例17の場合に、最大荷重が835kNと最も大きくなった。一方、硬さについては、平均アスペクト比が8.7の試験例20において、260HVと最大になったが、板厚減少率が55%と大きくなり、最大荷重が615kNと、基準荷重の650kNよりも低くなった。
2 被加工管体
3 外周面
4 係止突条
4’ 凸部
5 基部
6 縦壁部
7 湾曲部
8 頂部
9a 凸高さ
9b 垂直縦壁長さ
10 凸ローラ
11 凹ローラ
12 成形用環状溝
13 リング
14 ハウジング
15 先端面(凸ローラ)
16 縦壁面(凸ローラ)
17 先端面(成形用環状溝)
18 内側縦壁面(成形用環状溝)
19a 角度
19b 基準線
19c 直線
20 管継手
21 係止突条
22 管体
23 ハウジング
24 内周側開口縁
25 内側転造ローラ
26 成形突条
27 外側転造ローラ
28 成形用環状溝
29 環状溝
30 係止部材
31 溶接部
Claims (3)
- 管体を有する流体送給管であって、
前記管体の継手部の外周面に、転造加工により形成された係止突条を有し、
前記係止突条は、前記外周面から延びた湾曲状の基部と、前記基部から延びた縦壁部と、前記縦壁部から延びた湾曲部と、前記湾曲部から延びた頂部とを含み、
係止突条の前記外周面から前記頂部の突端までの高さが、前記転造加工において前記管体の内側及び外側に位置させる加工手段の曲率半径の合計値以上であり、
前記縦壁部における結晶粒の平均アスペクト比が2.0以上であり、かつ、前記管体本体の板厚に対する前記係止突条における前記基部を形成した後の板厚減少率が40%以下である、流体送給管。 - 前記管体の素材がステンレス鋼である、請求項1記載の流体送給管。
- 前記縦壁部の硬さは、前記管体の素材の硬さの1.5倍以上である、請求項1又は2記載の流体送給管。
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JP2015110506A JP2016223532A (ja) | 2015-05-29 | 2015-05-29 | 流体送給管 |
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