JP2016032837A - 接合管体及びその製造方法 - Google Patents

接合管体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016032837A
JP2016032837A JP2015045790A JP2015045790A JP2016032837A JP 2016032837 A JP2016032837 A JP 2016032837A JP 2015045790 A JP2015045790 A JP 2015045790A JP 2015045790 A JP2015045790 A JP 2015045790A JP 2016032837 A JP2016032837 A JP 2016032837A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal tube
tube
caulking groove
pipe
caulking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015045790A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6529285B2 (ja
Inventor
直樹 武田
Naoki Takeda
直樹 武田
進之助 西島
Shinnosuke Nishijima
進之助 西島
西尾 克秀
Katsuhide Nishio
克秀 西尾
冨村 宏紀
Hiroki Tomimura
宏紀 冨村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP2015045790A priority Critical patent/JP6529285B2/ja
Publication of JP2016032837A publication Critical patent/JP2016032837A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6529285B2 publication Critical patent/JP6529285B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Non-Disconnectible Joints And Screw-Threaded Joints (AREA)

Abstract

【課題】管内部を通る流体が高圧であっても管の変形を抑えることができ、かつ、高い接合強度を有する接合管体を提供する。引張強度の異なる金属管同士を接合しても接合部に割れが発生することがなく、接合管体を安定的に量産する。【解決手段】本発明の接合管体1は、外側金属管2と、この外側金属管2に比べて低い引張強度の金属材料からなり、外側金属管2の内側に挿入された内側金属管3とがかしめられて接合されており、内側金属管3は、外面上に、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝31を有する。接合管体1は、内側金属管3に内側かしめ加工用溝31’を形成し、外側金属管2と内側金属管3とを内側かしめ加工用溝31’が外側金属管2の内面と重なる位置に配し、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ加工用溝31’と重なる位置Pでかしめ溝を形成し、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施すことにより製造される。【選択図】図1

Description

本発明は、接合管体及びその製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、引張強度が異なる異種金属管を接合した接合管体及び当該接合管体の製造方法に関する。
一般に、給湯器や空調機、冷凍機等には熱交換器が用いられている。熱交換器は、主として、屋外機に組み込まれることから、熱交換器の配管は、耐食性が高い材料であることが求められる。また、熱交換器は、コンプレッサーから供給される冷媒ガスのガス圧に耐えられるだけの耐圧性、熱交換効率を高めるための伝熱性、及び配管同士の接合性が高い材料であることも求められる。耐食性、耐圧性、伝熱性及び接合性等を考慮し、熱交換器の配管として、銅管が多く用いられる。
ところで、近年、銅の価格が高騰しており、銅に代わる材料を熱交換器の配管材料にすることが求められている。銅に代わる材料の一例として、アルミニウムが挙げられる。しかしながら、アルミニウム管は、屋外環境での耐食性の面で課題を有する。そこで、近年、銅に代わる材料として、ステンレス鋼を用いる試みがなされている。
しかしながら、一般的に、熱交換器で使用される全ての銅管がステンレス鋼管に代替されるケースは少ないため、銅管とステンレス鋼管とを連結する接合部が多く発生することとなる。接合部における高い気密性と接合強度を有するようにするため、図32に示すように、内側金属管101と外側金属管102とを端部同士で重ね、接続体100’を形成した後、接続体100’をローラー支軸200に載せ、内側金属管101と外側金属管102との重なり部110’に、刃先を丸くさせた刃201を押し当て、接続体100’の管軸1を回転軸として接続体100’を回転させながら内側金属管101と外側金属管102とをかしめる加工を施し、接合体を得ることが提案されている(特許文献1)。また、コンプレッサーから供給される冷媒ガスのガス圧が高い場合、内圧による接合構造体の変形を抑えるため、外側金属管102をステンレス鋼管にし、変形抵抗の小さい銅管を内側金属管にするのが好ましいことが示されている(特許文献2)。
特開2013−066911号公報 特開2013−151013号公報
しかしながら、銅管からなる内側金属管101と、ステンレス鋼管からなる外側金属管102とを有する接続体100’の重なり部110’にかしめ加工を施して接合する際、外側金属管102は、大きな板厚減少が起きやすい。特に、外側金属管102のステンレス鋼は、加工硬化し易い性質を有することから、かしめ溝が深くなると、板厚減少の程度によっては外側金属管102のビード位置(かしめ加工された凹凸部の位置)で割れを生じる可能性がある。一方で、ステンレス鋼管の割れを避けるためにかしめ溝を浅くすると、
内側金属管101と外側金属管102とを十分にかしめ固定ができず、金属管同士の接合強度が良好な接合体が得られない。
このように、接合構造体の変形を抑えるために、外側金属管をステンレス鋼にし、内側金属管を銅管にしようとすると、金属管同士の重なり部におけるかしめ固定が困難であるという問題があった。
本発明は、以上のような課題を解決するために、管内部を通る流体が高圧であっても管の変形を抑えることができ、かつ、良好な接合強度を有する接合管体の提供を目的とする。また、引張強度の異なる金属管同士を接合しても接合部に割れが発生することがなく、接合管体を安定的に量産する製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記のような課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、まず、外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなる内側金属管に内側かしめ加工用溝を形成し、次いで、外側金属管と内側金属管とを、内側かしめ加工用溝が外側金属管の内面と重なる位置に配した後、外側金属管の外面のうち、内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成し、外側金属管と内側金属管とをかしめる加工を施すことで、上記の課題を解決できることを見出し、本発明の完成に至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明は、外側金属管と、前記外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなり前記外側金属管の内側に挿入された内側金属管とがかしめられて接合された接合管体であって、前記内側金属管は、外面上に、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝を有する接合管体である。
(2)本発明は、前記外側金属管がステンレス鋼管であり、前記内側金属管が銅管である、上記(1)に記載の接合管体である。
(3)本発明は、前記外側金属管の少なくとも一方の端部に、内径が前記内側金属管の外径と略同じである拡管部が形成され、前記拡管部の基端と、前記内側金属管の一端とが接しており、前記外側金属管の外面のうち、前記内側かしめ溝と重なる位置に外側かしめ溝が形成されている、上記(1)又は(2)に記載の接合管体である。
(4)本発明は、上記(1)から(3)のいずれかに記載の接合管体を備える熱交換器である。
(5)本発明は、外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなる内側金属管に内側かしめ加工用溝を形成する内側かしめ加工用溝形成工程と、前記内側かしめ加工用溝形成工程の後、前記外側金属管と前記内側金属管とを前記内側かしめ加工用溝が前記外側金属管の内面と重なる位置に配する配置工程と、前記外側金属管の外面のうち、前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成し、前記外側金属管と前記内側金属管とをかしめる加工を施すかしめ加工工程とを含む接合管体の製造方法である。
(6)本発明は、前記外側金属管の外面上であって、前記配置工程で前記内側金属管と重ねたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置に目印を表示する目印表示工程をさらに含み、前記かしめ加工工程は、前記目印にしたがって前記かしめ溝を形成する工程である、上記(5)に記載の接合管体の製造方法である。
(7)本発明は、前記外側金属管の少なくとも一方の端部に、内径が前記内側金属管の外径と略同じである拡管部が形成されており、前記配置工程は、前記内側金属管を前記拡管部に挿入し、前記内側金属管の一端を前記拡管部の基端に突き当てる工程であり、前記かしめ加工工程は、前記拡管部の外面のうち、前記内側金属管の一端を前記拡管部の基端に突き当てたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成し、前記外側金属管と前記内側金属管とをかしめる加工を施す工程である、上記(5)に記載の接合管体の製造方法である。
(8)本発明は、前記配置工程に先立ち、前記外側金属管に対し、前記配置工程で前記内側金属管と重ねたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置に外側かしめ加工用溝を形成する外側かしめ加工用溝形成工程をさらに含み、前記配置工程は、前記内側かしめ加工用溝と前記外側かしめ加工用溝とを重ねる工程であり、前記かしめ加工工程は、前記内側かしめ加工用溝と前記外側かしめ加工用溝とが重なる位置でかしめ溝を形成する工程である、上記(5)に記載の接合管体の製造方法である。
(9)本発明は、前記外側金属管がステンレス鋼管であり、前記内側金属管が銅管である、上記(5)から(8)のいずれかに記載の接合管体の製造方法である。
(10)本発明は、前記かしめ加工工程の後の前記内側金属管は、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝を有する、上記(5)から(9)のいずれかに記載の接合管体の製造方法である。
本発明によると、管内部を通る流体が高圧であっても管の変形を抑えることができ、かつ、高い接合強度を有する接合管体が得られる。また、引張強度の異なる金属管同士を接合しても接合部に割れが発生することがなく、接合管体を安定的に量産することができる。耐食性、耐圧性、伝熱性等が求められる熱交換器等の用途に適用できる。
本発明の接合管体を説明する図である。 本発明の製造方法における内側かしめ加工用溝形成工程を説明する図である。 図2の工程に続く内側かしめ加工用溝形成工程を説明する図である。 本発明の製造方法における配置工程を説明する図である。 本発明の製造方法におけるかしめ加工工程を説明する図である。 本発明の製造方法における外側かしめ加工用溝形成工程を説明する図である。 図6の工程に続く外側かしめ加工用溝形成工程を説明する図である。 実施例1に関して外側金属管の拡管加工を説明する図である。 実施例1に関して外側金属管の外側かしめ加工用溝を説明する図である。 実施例1に関して内側金属管の内側かしめ加工用溝を説明する図である。 実施例1に関して内側金属管と外側金属管との挿入嵌合を説明する図である。 実施例1に関して外側金属管と内側金属管とのかしめ加工を説明する図である。 比較例1に関して内側金属管と外側金属管との挿入嵌合を説明する図である。 引張試験において内側金属管(銅管)をチャックにより掴むために用いた冶具を説明する図である。 引張試験において外側金属管(ステンレス鋼管)をチャックにより掴むために用いた冶具を説明する図である。 実施例1に関して接合管体の断面形状を示す図である。 比較例1に関して接合管体の断面形状を示す図である。 比較例1に関して接合管体の断面形状を示す図である。 実施例1に関して本発明の接合管体の変形挙動を説明する模式図である。 比較例1に関して接合管体の変形挙動を説明する模式図である。 実施例2に関して外側金属管の拡管加工を説明する図である。 実施例2に関して外側金属管の外側かしめ加工用溝を説明する図である。 実施例2に関して内側金属管の内側かしめ加工用溝を説明する図である。 比較例2に関し、異種ステンレス鋼管の組合せでは溶接部で割れが生じることを示す写真である。 実施例2及び比較例2での引張試験の態様を説明する図である。 実施例2及び比較例2での引張試験の結果を示す図である。 実施例2に関して接合管体の断面形状を示す図である。 比較例2に関して接合管体の断面形状を示す図である。 比較例2に関して接合管体の断面形状を示す図である。 実施例2に関して本発明の接合管体の変形挙動を説明する模式図である。 比較例2に関して接合管体の変形挙動を説明する模式図である。 従来の製造方法を説明する図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<接合管体>
図1は、本発明に係る接合管体1を説明するための概略模式図である。接合管体1は、外側金属管2と、この外側金属管2の内側に挿入された内側金属管3とを備え、外側金属管2及び内側金属管3は、互いにかしめられて接合されている。そして、内側金属管3は、外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなり、外面上に、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝31を有する。本明細書において、「引張強度」とは、外側金属管と内側金属管のそれぞれについて、JIS Z2241により規定される「引張強さ」をいうものとする。
<外側金属管>
外側金属管2の材質は、内側金属管3に比べて高い引張強度を有するものであれば特に限定されるものでなく、容易に入手でき、屋外環境での耐食性に優れることから、外側金属管2の材質は、ステンレス鋼であることが好ましい。
外側金属管2の形状は特に限定されるものでないが、内側金属管3の一端が突き当たるまで内側金属管3を挿入し、基端22から所定の長さを計測するだけで、内側かしめ溝31と重なる位置を容易に特定できることから、外側金属管2の少なくとも一方の端部に、内径が内側金属管3の外径と略同じである拡管部2Cが形成されていることが好ましい。拡管部2Cが形成されている場合、拡管部2Cの基端22と、内側金属管3の一端32とが接しており、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ溝31と重なる位置に外側かしめ溝21が形成されている。
外側金属管2が拡管部2Cを有する場合、拡管部2Cの長手方向の長さは特に限定されるものでないが、拡管部2Cの長手方向の長さは10mm以上100mm以下であることが好ましく、20mm以上40mm以下であることがより好ましい。
外側金属管2の外管本体2Aと拡管部2Cとの間に形成される傾斜部2Bにおいて、外管本体2Aに対するテーパー角度θは特に限定されるものでないが、該テーパー角度θは10°以上80°以下であることが好ましく、30°以上60°以下であることがより好ましい。
外管本体2Aの外径は特に限定されるものでないが、外管本体2Aの外径は4mm以上90mm以下であることが好ましく、10mm以上70mm以下であることがより好ましい。
外管本体2Aの内径は特に限定されるものでないが、外管本体2Aの内径は3mm以上88mm以下であることが好ましく、8mm以上60mm以下であることがより好ましい。
拡管部2Cの外径は特に限定されるものでないが、拡管部2Cの外径は6mm以上150mm以下であることが好ましく、15mm以上100mm以下であることがより好ましい。
拡管部2Cの内径は、内側金属管3の外径と略同じであれば特に限定されるものでないが、拡管部2Cの内径は5mm以上140mm以下であることが好ましく、12mm以上90mm以下であることがより好ましい。
外側金属管2の肉厚は特に限定されるものでないが、外側金属管2の肉厚は0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましい。
外側かしめ溝21の深さは特に限定されるものでないが、0.1mm以上1mm以下であることが好ましく、0.3mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。外側かしめ溝21が浅すぎると、外側金属管2と内側金属管3とを十分なかしめ固定をすることができず、良好な接合強度を得られない可能性がある。外側かしめ溝21が深すぎると、外側金属管2の変形が過多になり、金属材料の加工硬化に起因して、外側金属管2の外側かしめ溝21が形成されたビード位置で割れを生じる可能性がある。
<内側金属管>
内側金属管3の材質は、外側金属管2に比べて低い引張強度を有するものであれば特に限定されるものでなく、銅、アルミニウム、及びこれらの合金等が挙げられる。屋外環境での耐食性、内側金属管3の管内を通過する冷媒ガスのガス圧に耐えられるだけの耐圧性、熱交換効率を高めるための伝熱性、及び配管同士の接合性に優れることから、内側金属管3の材質は、銅又は銅合金であることが好ましい。
内側金属管3の形状は特に限定されるものでなく、図示は省略するが、外側金属管2への挿入を行いやすくするため、少なくとも一方の端部において、外径が外側金属管2の内径と略同じである縮径部が形成されたものであってもよい。
内側金属管3の外径は、外側金属管2と重なる重なり部における外側金属管2の内径と略同じであれば特に限定されるものでないが、内側金属管3の外径は4mm以上139mm以下であることが好ましく、11mm以上89mm以下であることがより好ましい。
内側金属管3の内径は、特に限定されるものでないが、内側金属管3の内径は3mm以上137mm以下であることが好ましく、8mm以上60mm以下であることがより好ましい。
内側金属管3の肉厚は、特に限定されるものでないが、内側金属管3の肉厚は0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましい。
内側金属管3は、外面上に内側かしめ溝31を有する。内側かしめ溝31の管径方向の深さは、0.5mm以上であり、0.6mm以上であることが好ましく、0.8mm以上であることがより好ましい。内側かしめ溝31の管径方向の深さが浅過ぎ0.5mm未満であると、外側金属管2と内側金属管3とを十分にかしめ固定することができず、良好な接合強度を得られない可能性があるため、好ましくない。
内側かしめ溝31の深さの上限は、特に限定されないが、溝が深すぎると、外側金属管2の変形量が過多になり、内側かしめ溝31が形成されたビード位置での割れを招く可能性がある。そのため、内側かしめ溝31の深さは、5mm以下であることが好ましく、4mm以下であることがより好ましい。
ところで、以下の製造方法で説明するとおり、本発明の接合管体1は、あらかじめ、内側金属管3に内側かしめ加工用溝(図3の符号31’)を形成されている。次いで、外側金属管2と内側金属管3とを、内側かしめ加工用溝31’が外側金属管2の内面と重なる位置に配した後、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ加工用溝31’と重なる位置でかしめ溝を形成し、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施すことによって両方の金属管同士が接合されたものである。
それに対し、従来のように、単に外側金属管2と内側金属管3とを挿入嵌合し、かしめ加工を施すと、かしめ工具と内側金属管3とで挟持されて拘束状態にある外側金属管3は、圧延加工を受けるような変形挙動によって板厚減少が生じる。かしめ溝21が深くなりすぎると、外側金属管2のビード位置で割れを生じる場合がある。そのため、従来の接合管体、例えば、外側金属管と、この外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなり外側金属管の内側に挿入された内側金属管とが、かしめられて接合した接合管体は、内側かしめ溝の深さが0.5mm未満のように浅い凹溝を呈することになる。
<熱交換器>
本発明の熱交換器は、上記の接合管体1を備えるので、耐食性、耐圧性、伝熱性及び接合性に優れた熱交換器を提供できる。
<接合管体の製造方法>
以下、図2〜図7を参照しながら、本発明に係る接合管体1の製造方法について説明する。本発明に係る製造方法は、外側金属管2に比べて低い引張強度の金属材料からなる内側金属管3に内側かしめ加工用溝31’を形成する内側かしめ加工用溝形成工程(図2及び図3)と、この内側かしめ加工用溝形成工程の後、外側金属管2と内側金属管3とを内側かしめ加工用溝31’が外側金属管2の内面と重なる位置に配する配置工程(図4)と、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ加工用溝31’と重なる位置Pでかしめ溝(図1の外側かしめ溝21及び内側かしめ溝31)を形成し、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施すかしめ加工工程(図5)とを含む。
<内側かしめ加工用溝形成工程>
図2及び図3は、上記内側かしめ加工用溝形成工程を説明するための概略断面図である。内側かしめ加工用溝形成工程は、内側金属管3に内側かしめ加工用溝31’を形成する工程である。
内側かしめ加工用溝31’を形成する手法は、特に限定されないが、例えば、転造法等が挙げられる。転造法は、ロール支軸40に内側金属管3を載置し、刃先を丸くした刃50を内側金属管3の外面に押し当てて、内側金属管3を管軸方向に回転させながら内側かしめ加工用溝31’を形成する手法である。
内側かしめ加工用溝31’の管径方向の深さは、特に限定されるものでないが、0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、0.8mm以上2mm以下であることがより好ましい。内側かしめ加工用溝31’が浅すぎると、外側金属管2と内側金属管3とを十分にかしめ固定することができず、良好な接合強度を得られない可能性がある。内側かしめ加工用溝31’が深すぎると、外側金属管2のビード位置で割れを生じる可能性がある。
内側かしめ加工用溝31’を形成する位置は、特に限定されるものでないが、内側金属管3の端部から5mm以上95mm以下の範囲内にあることが好ましく、10mm以上90mm以下の範囲内にあることがより好ましい。
<配置工程及びかしめ加工工程>
図4は、上記配置工程を説明するための概略模式図である。配置工程は、内側かしめ加工用溝形成工程の後、外側金属管2と内側金属管3とを内側かしめ加工用溝31’が外側金属管2の内面と重なる位置に配する工程である。
図5は、上記かしめ加工工程を説明するための概略模式図である。かしめ加工工程は、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ加工用溝31’と重なる位置Pでかしめ溝(図1の外側かしめ溝21及び内側かしめ溝31)を形成し、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施す工程である。
外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施す手法として、内側かしめ加工用溝31’を形成する手法と同様の手法が挙げられる。
ところで、本発明では、かしめ加工工程において外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施す際、外側金属管2の外面のうち、内側かしめ加工用溝31’と重なる位置Pでかしめ溝を形成することから、位置Pの場所を具体的に特定できるようにする必要がある。このことから、配置工程及びかしめ加工工程の具体的態様として、複数種類の態様が挙げられる。
(第1の態様)
第1の態様は、外側金属管2の外面上であって、配置工程で内側金属管と重ねたときに内側かしめ加工用溝31’と重なる位置に目印を表示する目印表示工程をさらに含む態様である。この態様では、位置Pの場所を目印から特定できるため、かしめ加工工程では、上記目印にしたがってかしめ溝を形成すればよい。
目印を表示する手法は、塗布、印刷またはシール貼付等の手段により位置Pにマーキングして位置Pの場所を特定できる態様であれば、特に限定されるものでない。
(第2の態様)
第2の態様は、外側金属管2として、少なくとも一方の端部に、内径が内側金属管3の外径と略同じである拡管部2Cが形成されたものを用いる態様である。この態様では、配置工程において、内側金属管3を拡管部2Cに挿入し、内側金属管3の一端を拡管部2Cの基端に突き当てることで、内側金属管3を一意の位置に配置できる。内側金属管3の内側かしめ加工用溝31’の位置は、あらかじめ計測して特定できるので、外側金属管2において拡管部2Cの外面のうち、内側金属管3の一端を拡管部2Cの基端22に突き当てたときに内側かしめ加工用溝31’と重なる位置Pも容易に特定できる。そのため、かしめ加工工程では、位置Pでかしめ溝を形成し、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施せばよい。
(第3の態様)
図6及び図7は、第3の態様を説明するための概略模式図である。第3の態様は、配置工程に先立ち、外側金属管2に対し、配置工程で内側金属管3と重ねたときに内側かしめ加工用溝31’と重なる位置に外側かしめ加工用溝21’を形成する外側かしめ加工用溝形成工程をさらに含む態様である(図6)。この態様では、配置工程において、外側金属管2内に内側金属管3を挿入して、内側かしめ加工用溝31’と外側かしめ加工用溝21’とが重ねる位置に到達すると、両者の溝が確実に係合する。そのため、かしめ加工工程では、内側かしめ加工用溝31’と外側かしめ加工用溝21’とが重なる位置Pでかしめ溝を形成すればよい(図7)。
外側かしめ加工用溝21’を形成する手法として、内側かしめ加工用溝31’を形成する手法と同様の手法が挙げられる。
外側かしめ加工用溝21’の管径方向の深さは、特に限定されるものでないが、0.5mm以上10mm以下であることが好ましく、1mm以上5mm以下であることがより好ましい。外側かしめ加工用溝21’が浅すぎると、外側金属管2と内側金属管3との位置合わせの役割をなさない可能性がある。外側かしめ加工用溝21’が深すぎると、内側金属管3を外側金属管2に嵌め込めない可能性がある。
上記第1から第3の態様は、位置Pの場所を具体的に特定できるようにするための例であり、本発明は、これらの態様に何ら限定されるものではない。また、これら第1から第3の態様は、いずれか一の態様を選択してもよいし、複数の態様を選択してもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
<試験例1>
〔実施例1〕
外側金属管2として、外径32.0mm、板厚1.2mm、長さ100mmのSUS304のステンレス鋼管を用いた。内側金属管3として、外径32.5mm、板厚2.3mm、長さ100mmの銅管を用いた。外側金属管の引張強度は672N/mm、内側金属管の引張強度は210N/mmであった。
上述した第3の態様により接合管体を製造した。まず、図8に示すように、外側金属管2の一端から30mmまでの箇所を、外径33.0mm、テーパー角度30°を有する金型でプレスし、拡管加工した。続いて、転造法を用いて、図9に示すように、拡管部2Cの基端22から20mmの位置に、全周にわたって深さ0.2mmの外側かしめ加工用溝21’を設けた。
続いて、転造法を用いて、図10に示すように、内側金属管3の一端から20mmの位置に、全周にわたって深さ0.8mmの内側かしめ加工用溝31’を設けた。
続いて、図11に示すように、内側金属管3を外側金属管2の拡管部2Cに挿入し、外側かしめ加工用溝21’と内側かしめ加工用溝31’とが重なり合う位置に到達すると、両者の溝は確実に係合した。そして、図12に示すように、外側かしめ加工用溝21’に刃先を丸くした刃50を押し当て、外側金属管2と内側金属管3との接続体を管軸方向に回転させながら、外側金属管3のかしめ溝における外径が31mmになるまでかしめ溝を形成することで、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施して、実施例1に係る接合管体1を得た。
〔比較例1〕
外側金属管及び内側金属管として、実施例1と同じステンレス鋼管及び銅管を用いた。
まず、図8に示すように、外側金属管2の一端から30mmまでの箇所を、外径33.0mm、テーパー角度30°を有する金型でプレスし、拡管加工した。
続いて、図13に示すように、内側金属管3を外側金属管2の拡管部に挿入し、内側金属管3の一端を拡管部の基端に突き当てた。そして、拡管部2Cの基端から20mmの位置に刃先を丸くした刃50を押し当て、外側金属管2と内側金属管3との接続体を管軸方向に回転させながら、外側金属管3の外径が31mmになるまでかしめ溝を形成することで、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施して、比較例1に係る接合管体60を得た。
〔評価〕
接合管体の接合強度を評価するため、実施例1と比較例1で製作した接合管体(長さ約170mm)のそれぞれについて引張試験を行った。接合管体のかしめ溝が引張試験機の2つのチャックのほぼ中央となるように配置した。また、引張試験中に接合管体が延びながら楕円形に潰れるのを防止するため、図14及び図15に示す冶具を使用した。図14は、内側金属管3(銅管)を掴むために用いた冶具であり、φ27.8mmの円筒形の曲面を内側金属管3の内面側に差込み、φ32.0mmの円筒形の曲面をチャックで掴んだ。図15は、外側金属管2(ステンレス鋼管)を掴むために用いた冶具であり、φ29.5mmの円筒形の曲面を外側金属管2の内面側に差込み、φ32.0mmの円筒形の曲面をチャックで掴んだ。引張速度は10mm/分とし、荷重−ストローク曲線を計測した。実施例1、比較例1とも、かしめ部の破断時に、荷重がピーク値に達した。このピーク値から接合強度を得た。
実施例1の接合管体1は、接合強度が17.32kNであり、比較例1に係る接合管体は、接合強度が15.04kNであった。実施例1の接合管体1は、比較例1の接合管体60に比べて、接合強度が約13%も向上した。このように、実施例1では、内側金属管の外面上に管径方向の深さが0.5mm以上の内側かしめ溝を有することから、外側金属管とのかしめ加工により良好な接合強度を有する接続管体が得られた。また、ビード位置に割れ等の欠陥が生じることなく、かしめ加工を施すことができた。
上記の実施例1では、第3の態様による接合方法を用いたが、第1の態様または第2の態様によっても、同様に接合強度の向上した接合管体を得られた。内側かしめ加工用溝を形成した内側金属管と、外側金属管とを重ねて、外側金属管の外面に前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成するように、両者の金属管をかしめる加工を施すことによって、接合強度に優れた接合管体を製造することができた。
本発明で接合強度が向上した理由を考察するため、実施例1及び比較例1に係る接合管体1及び60において、かしめ溝を含む断面形状を写真撮影した(倍率:10倍)。図16は、その写真に基づいて、実施例1に係る接合管体1の断面形状を示す模式図であり、図17は、同様に、比較例1に係る接合管体60の断面形状を示す模式図であり、図18は、図17に続く模式図である。
図16と図17とを比べると、実施例1に係る接合管体1(図16)は、内側金属管3の外面上に形成されている内側かしめ溝31の深さが相対的に深い。一方、比較例1に係る接合管体60(図17)は、内側金属管3の外面上に形成されている内側かしめ溝31’の深さが相対的に浅い。このことから、比較例1に係る接合管体60は、内側金属管3の内側かしめ溝36の深さが浅いため、図18に示すように、比較的早い段階で外側金属管2が破断したものと考えられる。
図19は、実施例1に係る接合管体1の変形挙動を説明するための模式図であり、図20は、比較例1に係る接合管体60の変形挙動を説明するための模式図である。図19に示すように、実施例1に係る接合管体1において、外側金属管2のかしめ加工を受ける部位は、内側金属管3の内側かしめ加工用溝31との間に空隙があり、かしめ工具と内側金属管3との間で挟持された拘束状態になく、板厚方向にはかしめ工具による圧縮力(F1)だけを受ける。そのため、かしめ加工時の応力状態としては、張り出し加工よりも曲げ加工の割合が大きくなり、すなわち、外側金属管2は、かしめ加工時には、内側かしめ加工用溝31内で折り曲げ加工を受けるような変形挙動が可能となる。その結果、実施例1の接合管体1では、板厚減少が抑制されたものと考えられる。
それに対し、比較例1に係る接合管体60では、図20に示すように、外側金属管2は、かしめ工具と内側金属管3との間で挟持された拘束状態にあるので、板厚方向にはかしめ工具による圧縮力(F1)と、内側金属管3から受ける圧縮力(F2)との総和が加わり、かしめ加工時の応力状態としては、張出し加工の割合が大きくなる。そのため、外側金属管2は、圧延のような変形挙動を示すことより、大きな板厚減少が生じたものと考えられる。
<試験例2>
〔実施例2〕
次に、供試材として、引張強度が異なる複数の金属管を用いた。表1に示すとおり、供試材は、ステンレス鋼管A〜C(SUS鋼管A〜C)、銅管(Cu管)及びアルミニウム管(Al管)の5種類である。これらの金属管の引張強度は、SUS鋼管Aが最も大きく、次にSUS鋼管Bが大きく、次にSUS鋼管Cが大きく、次にCu管が大きい。そして、Al管の引張強度が最も小さい。また、これらの金属管の外径は12.7mmであり、長さは200mmである。SUS鋼管B(SUS304)、Cu管には、実施例1の金属管とは別の市販材を用いた。
そして、外側金属管2及び内側金属管3の組合せは、表2に示すとおりとした。
上述した第3の態様により接合管体を製造した。まず、図21に示すように、外側金属管2の一端から30mmまでの箇所を、外径12.9mm、テーパー角度30°を有する金型でプレスし、拡管加工した。続いて、転造法を用いて、図22に示すように、拡管部2Cの基端22から20mmの位置に、全周にわたって深さ0.2mmの外側かしめ加工用溝21’を設けた。
続いて、転造法を用いて、図22に示すように、内側金属管3の一端から20mmの位置に、全周にわたって深さ0.5mmの内側かしめ加工用溝31’を設けた。
続いて、図23に示すように、内側金属管3を外側金属管2の拡管部2Cに挿入し、外側かしめ加工用溝21’と内側かしめ加工用溝31’とが重なり合う位置に到達すると、両者の溝は確実に係合した。そして、実施例1と同じ手法にて、外側かしめ加工用溝21’に刃先を丸くした刃50を押し当て、外側金属管2と内側金属管3との接続体を管軸方向に回転させながら、外側金属管3のかしめ溝における外径が12mmになるまでかしめ溝を形成することで、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施して、実施例2に係る接合管体1を得た。
〔比較例2〕
外側金属管2及び内側金属管3として、実施例2と同じステンレス鋼管及び銅管を用いた。そして、外側金属管2と内側金属管3との組合せは、実施例2と同様、10通りの組合せとした。
まず、図21に示すように、外側金属管2の一端から30mmまでの箇所を、外径12.9mm、テーパー角度30°を有する金型でプレスし、拡管加工した。
続いて、比較例1と同様の手法にて、内側金属管3を外側金属管2の拡管部に挿入し、内側金属管3の一端を拡管部の基端に突き当てた。そして、拡管部2Cの基端から20mmの位置に刃先を丸くした刃50を押し当て、外側金属管2と内側金属管3との接続体を管軸方向に回転させながら、外側金属管3の外径が12mmになるまでかしめ溝を形成することで、外側金属管2と内側金属管3とをかしめる加工を施した。この際、ステンレス鋼管どうしの組合せであるサンプル2−5については、図24に示すように、溶接部で割れが生じたため、2種の金属管を接合することができなかった。サンプル2−1及び2−2についても同様であった。一方、他のサンプルについては、比較例2に係る接合管体60が得られた。
〔評価〕
接合管体の接合強度を評価するため、実施例2と比較例2で製作した接合管体(長さ約370mm)のそれぞれについて引張試験を行った。図25は、引張試験機(符号省略)に接合管体1を配置したときの模式図である。引張試験機は、接合管体1を固定するための油圧チャック55A,55Bを備える。この引張試験機において、接合管体1のかしめ溝21,31を、引張試験機の油圧チャック55A,55Bのほぼ中央となるように配置する。そして、引張試験中に接合管体1が延びながら楕円形に潰れるのを防止するため、外側金属管2と内側金属管3のうち、油圧チャック55によって拘束される部分に、φ10.7×50mmの内金型56を挿入する。この引張試験において、引張速度は10mm/分とし、荷重−ストローク曲線を計測した。実施例2、比較例2とも、かしめ部の破断時に、荷重がピーク値に達した。このピーク値から接合強度を得た。その結果を図26に示す。
上述したとおり、ステンレス鋼管どうしの組合せであるサンプル2−1,2−2及び2−5については、比較例2のサンプルでは溶接部に割れが生じたため、2種の金属管を接合できず、接合強度を測定しなかった。そのため、図26には、これらの比較例2のサンプルは測定グラフが示されていない。他のサンプルについてはいずれも、図26に示すように、実施例2の接合管体1は、比較例2の接合管体60に比べ、接合強度が20%程度高かった。また、比較例2では接合できなかったステンレス鋼管どうしの接合においても、実施例2ではビード位置に割れ等の欠陥が生じることなく、高い強度を有する接合管体1が得られた(サンプル2−1,2−2及び2−5)。このように、実施例2では、内側金属管3の外面上に管径方向の深さが0.5mm以上の内側かしめ溝31を有することから、外側金属管2とのかしめ加工により良好な接合強度を有する接続管体が得られた。また、ビード位置に割れ等の欠陥が生じることなく、かしめ加工を施すことができた。
上述したように、接合管体の接合強度は、破断時の引張荷重から測定されることから、管材の引張強度(TS,単位:N/mm)×管の断面積(単位:mm)の大きさに比例すると考えられる。管の外径が異なっていても、管材の引張強度(TS)は、ほぼ一定であるため、接合強度は、管の断面積に依存するといえる。ここで、図26によると、試験例2の接合強度は、最大でも13kN程度であり、SUS鋼管B(SUS304)と銅管との組み合わせであるサンプル2−6については、実施例2において6kN程度である。それに対し、試験例1のSUS鋼管Bと銅管との組み合わせでは、実施例1の接合強度が17.32kN、比較例1の接合強度が15.04kNである。このように、試験例2の接合強度は、試験例1の接合強度に比べて低い値を示している。これは、試験例2における管の外径が試験例1に比べて細いために、管の断面積が小さいことに起因すると考えられる。
上記の実施例2では、第3の態様による接合方法を用いたが、第1の態様または第2の態様によっても、同様に接合強度の向上した接合管体を得られた。内側かしめ加工用溝を形成した内側金属管と、外側金属管とを重ねて、外側金属管の外面に前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成するように、両者の金属管をかしめる加工を施すことによって、接合強度に優れた接合管体を製造することができた。
本発明で接合強度が向上した理由を考察するため、実施例2及び比較例2に係る接合管体1及び60において、かしめ溝を含む断面形状を写真撮影した(倍率:10倍)。図27は、その写真に基づいて、実施例2に係る接合管体1の断面形状を示す模式図であり、図28は、同様に、比較例1に係る接合管体60の断面形状を示す模式図であり、図29は、図28に続く模式図である。
図27と図28とを比べると、実施例2に係る接合管体1(図27)は、内側金属管3の外面上に形成されている内側かしめ溝31の深さが相対的に深く、外側管2のかしめ部の板厚減少が小さい。一方、比較例2に係る接合管体60(図28)は、内側金属管3の外面上に形成されている内側かしめ溝31’の深さが相対的に浅く、外側管2のかしめ部の板厚減少が大きい。このことから、比較例2に係る接合管体60は、図29に示すように、比較的早い段階で外側金属管2が破断したものと考えられる。
図30は、実施例2に係る接合管体1の変形挙動を説明するための模式図であり、図31は、比較例2に係る接合管体60の変形挙動を説明するための模式図である。図30に示すように、実施例2に係る接合管体1において、外側金属管2のかしめ加工を受ける部位は、内側金属管3の内側かしめ加工用溝31との間に空隙があり、かしめ工具と内側金属管3との間で挟持された拘束状態になく、板厚方向にはかしめ工具による圧縮力(F1)だけを受ける。そのため、かしめ加工時の応力状態として、外側金属管2は内側かしめ加工用溝31内で折り曲げ加工を受けるような変形挙動となる。その結果、実施例2の接合管体1では、板厚減少が抑制されたものと考えられる。
それに対し、比較例2に係る接合管体60では、図31に示すように、外側金属管2は、かしめ工具と内側金属管3との間で挟持された拘束状態にあるので、板厚方向にはかしめ工具による圧縮力(F1)と、内側金属管3から受ける圧縮力(F2)との総和が加わる。すなわち、かしめ加工時の応力状態としては、圧延加工を受けるような変形挙動となる。その結果、比較例の接合管体60では、大きな板厚減少が生じたものと考えられる。
1 接合管体
2 外側金属管
21 外側かしめ溝
22 拡管部基端
3 内側金属管
31 内側かしめ溝
32 一端
40 ロール支軸
50 刃
P 重なる位置

Claims (10)

  1. 外側金属管と、前記外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなり前記外側金属管の内側に挿入された内側金属管とがかしめられて接合された接合管体であって、
    前記内側金属管は、外面上に、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝を有する接合管体。
  2. 前記外側金属管はステンレス鋼管であり、前記内側金属管は銅管である、請求項1に記載の接合管体。
  3. 前記外側金属管の少なくとも一方の端部に、内径が前記内側金属管の外径と略同じである拡管部が形成され、
    前記拡管部の基端と、前記内側金属管の一端とが接しており、
    前記外側金属管の外面のうち、前記内側かしめ溝と重なる位置に外側かしめ溝が形成されている、請求項1又は2に記載の接合管体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の接合管体を備える熱交換器。
  5. 外側金属管に比べて低い引張強度の金属材料からなる内側金属管に内側かしめ加工用溝を形成する内側かしめ加工用溝形成工程と、
    前記内側かしめ加工用溝形成工程の後、前記外側金属管と前記内側金属管とを前記内側かしめ加工用溝が前記外側金属管の内面と重なる位置に配する配置工程と、
    前記外側金属管の外面のうち、前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成し、前記外側金属管と前記内側金属管とをかしめる加工を施すかしめ加工工程とを含む接合管体の製造方法。
  6. 前記外側金属管の外面上であって、前記配置工程で前記内側金属管と重ねたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置に目印を表示する目印表示工程をさらに含み、
    前記かしめ加工工程は、前記目印にしたがって前記かしめ溝を形成する工程である、請求項5に記載の接合管体の製造方法。
  7. 前記外側金属管の少なくとも一方の端部に、内径が前記内側金属管の外径と略同じである拡管部が形成されており、
    前記配置工程は、前記内側金属管を前記拡管部に挿入し、前記内側金属管の一端を前記拡管部の基端に突き当てる工程であり、
    前記かしめ加工工程は、前記拡管部の外面のうち、前記内側金属管の一端を前記拡管部の基端に突き当てたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置でかしめ溝を形成し、前記外側金属管と前記内側金属管とをかしめる加工を施す工程である、請求項5に記載の接合管体の製造方法。
  8. 前記配置工程に先立ち、前記外側金属管に対し、前記配置工程で前記内側金属管と重ねたときに前記内側かしめ加工用溝と重なる位置に外側かしめ加工用溝を形成する外側かしめ加工用溝形成工程をさらに含み、
    前記配置工程は、前記内側かしめ加工用溝と前記外側かしめ加工用溝とを重ねる工程であり、
    前記かしめ加工工程は、前記内側かしめ加工用溝と前記外側かしめ加工用溝とが重なる位置でかしめ溝を形成する工程である、請求項5に記載の接合管体の製造方法。
  9. 前記外側金属管はステンレス鋼管であり、前記内側金属管は銅管である、請求項5から8のいずれかに記載の接合管体の製造方法。
  10. 前記かしめ加工工程の後の前記内側金属管は、管径方向の深さが0.5mm以上である内側かしめ溝を有する、請求項5から9のいずれかに記載の接合管体の製造方法。
JP2015045790A 2014-07-30 2015-03-09 接合管体及びその製造方法 Active JP6529285B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015045790A JP6529285B2 (ja) 2014-07-30 2015-03-09 接合管体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014154930 2014-07-30
JP2014154930 2014-07-30
JP2015045790A JP6529285B2 (ja) 2014-07-30 2015-03-09 接合管体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016032837A true JP2016032837A (ja) 2016-03-10
JP6529285B2 JP6529285B2 (ja) 2019-06-12

Family

ID=55452003

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015045790A Active JP6529285B2 (ja) 2014-07-30 2015-03-09 接合管体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6529285B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108145023A (zh) * 2017-12-22 2018-06-12 安徽吉思特智能装备有限公司 一种加装不锈钢衬套的钢塑复合管的制备装置
JP2019529200A (ja) * 2016-07-14 2019-10-17 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 電気式ステアリングシステム用パワーユニット
CN112893658A (zh) * 2021-01-13 2021-06-04 宁波汽车软轴软管有限公司 一种拉索导向管接头组件铆压机
WO2022045555A1 (en) * 2020-08-27 2022-03-03 Samwon Copper Tube Manufacturing Co., Ltd. Bonding stainless steel pipe and manufacturing method thereof

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5870931A (ja) * 1981-10-23 1983-04-27 Hitachi Ltd 金属管に金属管を結合する方法
JPS59212134A (ja) * 1983-05-18 1984-12-01 Fuaiaaransu Kogyo Kk 酸素ランスの接続方法
JP3044027U (ja) * 1997-06-03 1997-12-12 東洋フイツテング株式会社 金属管と継手との接続構造
JP2004036861A (ja) * 2002-07-08 2004-02-05 Nichirin Co Ltd ホースと金属製パイプとの一体接続構造
JP2013151013A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Nisshin Steel Co Ltd ステンレス鋼管と他の金属管の接続構造体

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5870931A (ja) * 1981-10-23 1983-04-27 Hitachi Ltd 金属管に金属管を結合する方法
JPS59212134A (ja) * 1983-05-18 1984-12-01 Fuaiaaransu Kogyo Kk 酸素ランスの接続方法
JP3044027U (ja) * 1997-06-03 1997-12-12 東洋フイツテング株式会社 金属管と継手との接続構造
JP2004036861A (ja) * 2002-07-08 2004-02-05 Nichirin Co Ltd ホースと金属製パイプとの一体接続構造
JP2013151013A (ja) * 2012-01-26 2013-08-08 Nisshin Steel Co Ltd ステンレス鋼管と他の金属管の接続構造体

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019529200A (ja) * 2016-07-14 2019-10-17 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツングRobert Bosch Gmbh 電気式ステアリングシステム用パワーユニット
US10894559B2 (en) 2016-07-14 2021-01-19 Robert Bosch Gmbh Power unit for an electrical steering system
CN108145023A (zh) * 2017-12-22 2018-06-12 安徽吉思特智能装备有限公司 一种加装不锈钢衬套的钢塑复合管的制备装置
WO2022045555A1 (en) * 2020-08-27 2022-03-03 Samwon Copper Tube Manufacturing Co., Ltd. Bonding stainless steel pipe and manufacturing method thereof
CN112893658A (zh) * 2021-01-13 2021-06-04 宁波汽车软轴软管有限公司 一种拉索导向管接头组件铆压机
CN112893658B (zh) * 2021-01-13 2022-11-15 宁波汽车软轴软管有限公司 一种拉索导向管接头组件铆压机

Also Published As

Publication number Publication date
JP6529285B2 (ja) 2019-06-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102365943B1 (ko) 클래드 강관 제조 방법
JP6529285B2 (ja) 接合管体及びその製造方法
JP6489878B2 (ja) 接合管体の製造方法
JP4941054B2 (ja) 継目無ベンド管の製造方法並びに溶接継手及びその製造方法
JP2019527140A (ja) 流体システムおよび摩擦溶接による製造方法
JP2010151327A (ja) 冷凍サイクル装置
JP2005076915A (ja) 複合伝熱管
JP2013066911A (ja) 銅管とステンレス鋼管の接続体及びその製造方法
JP4551462B2 (ja) ルーズフランジ式フレア管継手のシール性改善方法、フレア部端面角度制御方法、ルーズフランジ式フレア管継手、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管、ルーズフランジ式フレア管継手用鋼管の製造方法及び鋼管の接合方法
JP6807930B2 (ja) パイプ本体、パイプ及びパイプの加工方法
WO2020054425A1 (ja) 銅管とアルミニウム管の接合体およびその接合方法
CN113474099B (zh) 金属管以及金属管的制造方法
JP2014181733A (ja) 金属管の継手構造及び継手方法
WO2016042596A1 (ja) 金属管の継手構造及び継手方法
JPH11290939A (ja) 長尺二重金属管の製造方法
JP6630083B2 (ja) 管とかしめ継手の接続方法および接続構造
JP4588370B2 (ja) 接合強度と気密性に優れた、アルミニウム製パイプとの接続部を備えたステンレス鋼製振動吸収管及びステンレス−アルミ異種金属接合管
JP6411201B2 (ja) かしめ継手工具の治具構造
JP3197468U (ja) パイプの接続構造
JP7287000B2 (ja) ホース金具の製造方法
KR20160031833A (ko) 알루미늄 소재 및 구리 소재의 관을 접합하는 방법
JP2000176652A (ja) 金属管の接合方法
JP2000071029A (ja) 長尺二重金属管の製造方法
JP2003172481A (ja) 銅配管の接続方法
JP2017035718A (ja) かしめ継手用治具の管逸脱防止構造

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20170131

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181016

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190416

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190514

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6529285

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350